JP2004536146A - 獣医学およびヒト医学における予防および療法用の新規ワクチン - Google Patents

獣医学およびヒト医学における予防および療法用の新規ワクチン Download PDF

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Abstract

本発明は、皮膚糸状菌のワクチン接種株を含有するワクチン、皮膚糸状菌症の免疫防御および治療のための前記ワクチンの使用、並びに前記ワクチンを産生する適切な方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚糸状菌のワクチン接種株を含有する新規ワクチン、皮膚糸状菌症の免疫防御および治療のための該ワクチンの使用とともに、該ワクチンの調製法に関する。本発明のワクチンは、獣医学およびヒト医学両方に使用可能である。
【背景技術】
【0002】
現在、獣医学において、皮膚糸状菌症の予防および治療両方に、いくつかのワクチンが用いられている。これらは、生ワクチンおよび不活化ワクチン両方であり、とりわけ、CS 160324、PL 156844、SU 1734762、GB 2025222、SU 955570、SU 955571、SU 548947、SU 835446、RU 2013444、RU 2013445、EP 393371、DE9218921 U1、PL 100958、US 4,229,434、US 5,277,904、US 5,284,652、CS 201481、CS 246791、CS 261460、CZ 279278およびCZ 279982に記載される。これらの刊行物に記載されるワクチンはすべて、共通の非経口適用を有する。大部分の場合、これらは、筋内適用され、稀に皮下適用される。非経口適用は、ワクチン接種された生物において、アナフィラキシー反応およびアナフィラキシー様反応を引き起こす危険を伴う可能性があるため(Gudding R.およびNaess B., Amer. J. Vet. Res. 47,1986, 2415−2417, “Vaccination of cattle against ringworm caused by Trichophyton verrucosum”)、これまで産生されたワクチンの適用は、もちろん、ヒト医学では除外されてきた。その結果、何よりも、ヒト医学においても使用可能なワクチンが、緊急に必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の詳細な説明
最初に、本発明は、皮膚糸状菌のワクチン接種株を含有する新規ワクチン、皮膚糸状菌症の免疫防御および治療のための該ワクチンの使用に関する。
【0004】
本発明のワクチンは、ヒト医学および獣医学両方に適用される。本発明にしたがって治療すべき、獣医学における温血動物には、特に、家畜および生産的家畜が含まれる。
本発明にしたがって、皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌に引き起こされる、皮膚および皮膚付属器の疾患であることが理解される。
【0005】
本発明は、少なくとも1つの皮膚糸状菌ワクチン接種株を含有するワクチンに関する。
本発明において、皮膚糸状菌には、とりわけ、白癬菌(Trichophyton)属、小胞子菌(Microsporum)属、表皮糸状菌(Epidermophyton)属、アースロダーマ(Arthroderma)属およびナニジア(Nannizzia)属の真菌が含まれる。特に好ましいワクチン接種株は白癬菌属に属し、特に、株は、トリコフィトン・ベルコスム(Trichophyton verrucosum)CCM F−765(a1)、トリコフィトン・ベルコスムCCM 8186(a2)、トリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290(a3)およびトリコフィトン・ルブルムCCM 8291(a4)であることが好ましい。上述の株、トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765(a1)およびトリコフィトン・ベルコスムCCM 8186(a2)の培養物は、出願者らによって、チェコ微生物コレクション(CCM)、マサリク大学、Tvrdeho 14, 602 00 Brnoに、それぞれ寄託番号CCM F−765およびCCM 8166で、元来、それぞれ1984年11月5日および1993年2月23日に寄託された。それぞれ1992年12月14日および2002年7月22日に、これらの寄託は、ブダペスト条約にしたがった寄託に変更された。上述の株、トリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290(a3)およびトリコフィトン・ルブルムCCM 8291(a4)の培養物は、ブダペスト条約にしたがって、2001年7月23日に、それぞれ寄託番号CCM 8290およびCCM 8291で該コレクションに寄託された。
【0006】
白癬菌属の上述のワクチン接種株の少なくとも2つを組み合わせて含有するワクチンが、別の好ましい態様である。上述のワクチン接種株4つのうち3つの組み合わせが特に好ましい。
【0007】
この場合、0または2〜10:0または1〜5:0または5〜30:0または2〜10、あるいは、0または1〜10:0または1〜2:0または3〜30:0または1〜3、あるいは0または1〜10:0または1〜5:0または3〜30:0または1〜10である、最終産物中の個々のワクチン接種株a1:a2:a3:a4の比が、特に好ましい。
【0008】
獣医学において使用するには、2:1:5または10:1:30である比a1:a2:a3の態様、あるいはa1(トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765)単独の使用が特に好ましい。
【0009】
ヒト医学において使用するには、4:2:10:3または10:1:30:2である比a1:a2:a3:a4とともに、1:3:1である比a1:a3:a4、および1:2である比a2:a4の態様、あるいはa4(トリコフィトン・ルブルムCCM 8291)単独の使用が特に好ましい。
【0010】
さらに、最終産物中のワクチン接種株の増殖(vegetative)型の総量が、1mlあたり少なくとも100万(1mio)であることが好ましい。1mlあたり少なくとも500万である総量が、より好ましく、1mlあたり少なくとも1000万である総量が、最も好ましい。
【0011】
最終産物のpH範囲は3.0〜10.0である。この場合、例えばアセテートまたはカーボネート緩衝系などの、当業者が一般的に精通している適切な緩衝系、あるいはクエン酸、酢酸または塩酸などの薬学的に許容しうる有機酸または無機酸を用いる。
【0012】
好ましいpH範囲は6.0〜8.0である。この場合、当業者が精通している多様な組成のリン酸緩衝系を用いる。
ヒト医学において使用するため、ホルムアルデヒドの総含量は、0.02%以下であり、そして獣医学において使用するため、該含量は、0.05%以下である。
【0013】
不活化後に残存するこの量は、生理的に問題がなく、そして法律によって許容されうる。これはさらに、殺菌剤としての機能を有し、そして予防および療法効果を支持する機能を有する。ホルムアルデヒドは、必要であれば、これに他の物質を補うか、または他の物質をこれに代用することが可能である。特に適切なホルムアルデヒドとは別に、例えばベータ−プロピオノラクトン(propionolactone)、エチレンイミン二元化合物および酢酸などの、化学的手段または物理的適用が使用可能である。
【0014】
0.02%または0.05%未満のホルムアルデヒド総含量が、特に好ましい。
本発明のワクチンは、非経口適用、例えば筋内適用または皮下適用または皮膚上(epicutaneous)適用可能である。ヒト医学において使用するには、皮膚上適用、すなわち皮膚上の適用および分配が、特に好ましい。特に、ヒトの体の他の部分の皮膚真菌症の主な供給源である、足指間の領域における皮膚上適用が好ましい。上にすでに説明したように、生命を脅かす可能性があるアナフィラキシー反応またはアナフィラキシー様反応のリスクは、皮膚上適用によって最小化可能である。
【0015】
さらに、ワクチンの非経口適用の場合、通常必要であろうような注射が必要でないため、皮膚上経路の適用にはさらなる利点が伴う。したがって、患者がいかなる痛みにも苦しまず、またより恐れを抱かないため、コンプライアンスが増進する。もちろん、治療を実施する人が、動物の恐れまたは痛みによる危険な反応を予期しないで済むため、同じことが獣医学にもあてはまる。
【0016】
本発明の別の側面は、皮膚糸状菌症に対する、本発明記載のワクチンを産生する方法を提供し、該方法を以下に記載する:
場合によって増殖型が形成されるまで、糖類および有機結合窒素を含有する、適切な組成の培地としての寒天培地上、ワクチン接種株を、場合によってpHを中間調整した後、25〜29℃の範囲の温度で、10〜30日間、無菌条件下で個々に増殖させる。その後、水性0.1%ホルムアルデヒド溶液中で株をホモジナイズし、そして少なくとも24〜36時間、18〜26℃の温度で、得た懸濁物を不活化する。ホモジナイズ過程は、胞子の大部分の表面構造が破壊されることなく、菌糸体から分離されるような方式で行う。増殖型の数を測定した後、すべてのワクチン接種株の増殖型の総量が、1mlあたり少なくとも100万であり、好ましくはワクチン1mlあたり少なくとも500万であり、pHが3〜10の間、好ましくは6.0〜8.0の間であり、そして不活化後に存在するホルムアルデヒドの含量が、ヒト医学における適用では0.02%以下であり、そして獣医学における適用では0.05%以下であるような方式で、個々の株を場合によって互いに混合し、そしてリン酸緩衝生理食塩水、場合によって、別の方式で緩衝した生理食塩水を補う。
【0017】
この場合、最終産物中の株a1:a2:a3:a4の混合物が、0または2〜10:0または1〜5:0または5〜30:0または2〜10に対応することが好ましく、ここで、上述の混合物比および個々の株が、特に好ましい。
【0018】
本発明のワクチンの抗原性組成は非常に広いため、相同な属に対する免疫反応、および例えばイヌ小胞子菌(Microsporum canis)またはウマ白癬菌(Trichophyton equinum)などの他の皮膚糸状菌属類との交差反応が検出されている。
【0019】
以下に、本発明の特に好ましい態様を記載する。これはしかし、本発明を例示するためにのみ働き、本発明を制限するためのものではない。
【実施例】
【0020】
調製および適用の実施例
(実施例1)
獣医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
白癬菌属のワクチン接種株を増やし/増殖させるため、1.2%寒天、5.0%糖類および0.3%有機結合窒素を含有する培地を用いた。
【0021】
蒸気オートクレーブ中、80〜100kPaの超過気圧下で、培地を20〜30分間滅菌した。pHを6.0〜7.0の値に調整した後、フラスコの底を培地で覆い、そして上述の条件下で滅菌を繰り返した。寒天を固形化し、そして無菌性を管理した後、培地を含む培養フラスコに、ワクチン接種株の懸濁物を個々に接種した。接種には、ワクチン接種株(CCM F−765、CCM 8166およびCCM8290)の凍結乾燥培養物またはその場で調製した接種培養物を用いた。接種培養物はすべて、1mlあたり少なくとも50万の生存CFUを含有した。ワクチン接種株の接種培養物を、培地表面に分配した。増殖型の最適な形成を達成するため、25〜29℃の温度で、10〜30日間、培養を行った。真菌抗原の生産性が高いときに、培地表面から培養物を取り除き、そして水性0.1%ホルムアルデヒド溶液中にホモジナイズした。胞子の大部分の表面構造が破壊されることなく、菌糸体から分離されるような方式で、ホモジナイザーを用いたホモジナイズを行った。形成された、均質な懸濁物のアリコットを、個々に保存容器に満たし、そして18〜26℃の温度で、24時間、ワクチン接種株を不活化するために保存した。その後、ビュルケル細胞計数チャンバー中で、個々のワクチン接種株に関して増殖型の数を測定した。この総数は、ワクチン1mlあたり4100万であった。最終ワクチン調製において、トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765:トリコフィトン・ベルコスムCCM 8166:トリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290の比が、2:1:5であるような方式で、個々のワクチン接種株を混合した。
【0022】
ホルムアルデヒドの含量は0.05%であった。
リン酸緩衝生理食塩水を添加することによって、調製のpHを6.0に調整した。
この方式で調製したワクチンを無菌性および増殖型の数に関して試験し、そして白癬症に感染させたウシにワクチン接種するのに用いた。各5mlの用量で2回、筋内ワクチン接種した後、2系統のウシで、再ワクチン接種の14日後以内に、疾患が治癒した。
【0023】
通例、療法が1〜3ヶ月かかるような、これまでに用いられた免疫生物学的調製で達成された結果を考慮すると、成功は非常に驚くべきことであった。
(実施例2)
獣医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
ワクチン接種株を培養するため、1.3%の割合の寒天、10.0%の糖類含量および0.5%の有機結合窒素含量を有する培地を用いた。蒸気オートクレーブ中、各120kPaの超過気圧下で、培地を2回、各30分間滅菌した。培地のpH値は6.6であった。この培地に、トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765株の懸濁物を接種し、培養温度を25〜26℃に維持した。15日間培養した後、培養物を0.1%ホルムアルデヒド溶液中でホモジナイズした。22℃の温度で36時間不活化した後、リン酸緩衝生理食塩水を添加した。最終ワクチン溶液中のホルムアルデヒド含量は0.04%であり、pHは7.3であり、そしてワクチン接種株の増殖型の数は、1ml中2200万であった。
【0024】
試験のため、ウシにおいて、該ワクチン溶液を用い、そしてその防御効果は優れていた。
(実施例3)
獣医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
実施例1に似た方式で、調製を行った。T.ベルコスムCCM F−765株、T.ベルコスムCCM 8166株およびT.メンタグロフィテスCCM8290株の比は、10:1:30であった。ホルムアルデヒド含量は0.04%であり、pHを8.0に調整し、すべてのワクチン接種株の増殖型の総数は、ワクチン1ml中8000万であった。
【0025】
1ヶ月齢の子ウシにおけるその耐容性に関して、ワクチン溶液を試験した。5頭の子ウシの尻の筋肉に、10mlのワクチン溶液を筋内投与した。ワクチン接種24時間前、ワクチン接種時、ワクチン接種4時間後、およびそれに続く4日間、子ウシの体温を直腸測定した。ワクチンは耐容性であり、すべての動物の体温は、生理的値の範囲内に留まった。ワクチン接種した子ウシにおいて、望ましくない局所反応または他の後遺症は観察不能であった。
【0026】
(実施例4)
ヒト医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
ワクチン接種株を、1.5%寒天、15.0%糖類および1.0%有機結合窒素を含有する培地中で増殖させた。
【0027】
蒸気オートクレーブ中、80〜100kPaの超過気圧下で、培地を2回、各25分間滅菌した。接種、ワクチン接種株の培養、ホモジナイズ、不活化および増殖型の数の測定は、実施例1に上述するのと同じ方式で行った。ワクチン接種株、トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765、トリコフィトン・ルブルムCCM 8291、トリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290を、1:1:3の比で混合した。
【0028】
残存ホルムアルデヒドの含量が結果として0.02%になり、そして最終産物に含有される増殖型の総量が1000万になるように、適切な量のリン酸緩衝生理食塩水と、得た懸濁物を混合した。緩衝溶液の組成に応じて、pHを6.0〜8.0の間の値に調整した。
【0029】
増殖型の数、ホルムアルデヒド含量およびpHを測定した後、ヒトにおける無菌性および無害性に関して、志願候補でワクチンを試験した。この目的のため、下肢の足指の間の皮膚上にこすりつけることによって、10mlの量で、週3回、ワクチンを適用した。
【0030】
ヒトに対して、有害な副作用は検出不能であった。
さらに、実験上の目的のため、白癬症に感染させたウシに対して、ワクチンを2回、皮膚上適用した。非ワクチン接種動物に比較して、治癒の成功が約1週間早く観察可能であったが、これによって、この方式で調製した本発明のワクチンの療法的有効性が立証される。
【0031】
(実施例5)
ヒト医学に適用するためのワクチンの調製
実施例2にしたがった組成を持つ培地中、26〜28℃の温度で、18日間、ワクチン接種株トリコフィトン・ルブルムCCM 8291を培養した。26℃の温度で、0.1%ホルムアルデヒド溶液中、ホモジナイズした培養物を不活化するのには24時間かかった。不活化懸濁物をリン酸緩衝生理食塩水と混合した後、pHは6.8であり、ホルムアルデヒド含量は0.015%であり、そしてワクチン接種株の増殖型の総数は、1ml中1100万に達した。
【0032】
ワクチン溶液を用いて、子ウシにおいて、曝露試験を行った。2回、皮膚上ワクチン接種した子ウシは、ワクチンで処理しなかった対照動物に比較した際、実験的白癬症感染に対して、十分に防御された。
【0033】
(実施例6)
ヒト医学に適用するためのワクチンの調製
異なる量の2つの皮膚糸状菌株、トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765およびトリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290からワクチン溶液を調製した。これらを培養するため、8.0%糖類および0.8%ペプトンとともに1.5%寒天を含有する培地を用いた。120kPaの超過気圧下、蒸気滅菌装置中で、2回、各30分間、培養物を滅菌した。1ml接種物あたり100万の含量を有する、言及したワクチン接種株の懸濁物を、培地に個々に接種した。接種後、25〜27℃で10日間置いた後、0.1%ホルムアルデヒド溶液中、分あたり10,000回転で2〜3分間、培養物をホモジナイズした。続いて、ワクチン接種株を不活化するため、18℃の温度で72時間、懸濁物を暗所に維持した。培地上のインキュベーション試験によって、不活化を検出した。ホルムアルデヒドの含量が0.018%であり、pHが7.17であり、そしてワクチン接種株の増殖型の数が、1ml中1580万であるような方式で、不活化懸濁物をリン酸緩衝生理食塩水で希釈した。
【0034】
無害性に関して、ウサギにおいてワクチンを試験した。3mlワクチン溶液を骨盤筋に筋内注射した後、望ましくない局所反応または全身状態における変化は、いずれのウサギにも観察不能であった。
【0035】
(実施例7)
ヒト医学に適用するためのワクチンの調製
1.2%寒天、10.0%糖類および0.5%ペプトンの組成を持つ培地上で、ワクチン接種株T.ベルコスムCCM 8166およびT.ルブルムCCM 8291を培養した。実施例6と同一条件下で、水中、オートクレーブにおいて、これらの物質を滅菌した。28〜29℃での培養を30日後に終了し、採取した培養物を0.1%ホルムアルデヒド溶液中でホモジナイズし、そして24℃で24時間不活化した。ワクチンに存在するT.ベルコスムCCM 8166株およびT.ルブルムCCM 8291株の比は1:2であった。
【0036】
異なるリン酸水素ナトリウム含量を有するリン酸緩衝生理食塩水を添加することによって、pHを6.0〜8.0の間に調整した。増殖型の数は、ワクチン溶液1ml中500万であった。
【0037】
3頭の子ウシの皮膚の10x10cmの領域上をはさみで切り、そして表面に傷をつけて、ワクチン溶液を動物あたり体積5mlで、連続3日間、皮膚上適用した。動物において、局所反応または他のワクチン接種後反応のいずれも観察不能であった。
【0038】
(実施例8)
ヒト医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
実施例2にしたがって、培地を調製した。接種、培養および培養物のホモジナイズは、実施例1と同様に行った。ワクチンを調製するため、4つのワクチン接種株を以下の比で用いた:T.ベルコスムCCM F−765:T.ベルコスムCCM 8166:T.メンタグロフィテスCCM 8290:T.ルブルムCCM 8291=4:2:10:3。
【0039】
ワクチン接種株の増殖型の総量は、1ml中7500万であり、ホルムアルデヒド含量は0.015%であった。
異なる割合のリン酸水素ナトリウムを有するリン酸緩衝生理食塩水溶液を添加することによって、pHを6.0〜8.0の間に調整した。
【0040】
2人の志願候補において、足指間の領域中、体積2mlで、皮膚上、連続3日間、ワクチン溶液を試験した。ワクチンは無害であり、そして局所でも、また全身状態に関しても、いかなる望ましくない臨床的変化も引き起こさなかった。
【0041】
(実施例9)
ヒト医学用のワクチンの調製および該ワクチンの適用
株a1:a2:a3:a4の比が10:1:30:2であり、そして溶液のpHが6.9であったことを除いて、実施例8におけるようにワクチン溶液を調製した。
【0042】
療法のため、足指間の感染領域とともに、真菌症を示す臨床的変化を持つ左足の親指にワクチン溶液を適用した;病原体を単離するのは不可能だった。ワクチン溶液の体積2mlを連続3日間、1日1回、感染皮膚中にこすりつけることによって、3回目の適用7日後に、皮膚変化の治癒が観察可能であった。
【0043】
上述の説明および実施例から疑う余地なく理解可能であるように、本発明はしたがって、獣医学およびヒト医学において、皮膚糸状菌症の免疫防御および治療のため、非常に有効で、そしてさらに容易に適用可能なワクチンである。獣医学では、本発明のワクチンは、非経口適用、特に筋内適用および皮下適用、並びに皮膚上適用がいずれも可能である。さらに、ヒト医学では、本発明のワクチンは、適切な適用によって、例えば無菌スプレーアンプルでヒト皮膚上にスプレーすることによって、皮膚上適用することが特に好ましい。
【0044】
したがって、皮膚糸状菌症に対する皮膚上適用のためのワクチンが、初めて、ヒト医学において使用するために提供される。皮膚上適用によって、生命を脅かす可能性があるアナフィラキシー反応またはアナフィラキシー様反応のリスクが排除される。

Claims (23)

  1. 以下のワクチン接種株
    a1)トリコフィトン・ベルコスム(Trichophyton verrucosum)CCM F−765
    a2)トリコフィトン・ベルコスムCCM 8166
    a3)トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)CCM 8290
    および
    a4)トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)CCM 8291
    の少なくとも1つを含有するワクチン。
  2. 最終産物中の個々のワクチン接種株a1:a2:a3:a4の比が、0または2〜10:0または1〜5:0または5〜30:0または2〜10である、請求項1記載のワクチン。
  3. 最終産物中の個々のワクチン接種株a1:a2:a3:a4の比が、0または1〜10:0または1〜2:0または3〜30:0または1〜3である、請求項1記載のワクチン。
  4. 最終産物中のワクチン接種株a1:a2:a3の比が、2:1:5または10:1:30である、請求項1、2または3記載のワクチン。
  5. 最終産物中のワクチン接種株a1:a3:a4の比が、1:3:1である、請求項1、2または3記載のワクチン。
  6. 最終産物中のワクチン接種株a2:a4の比が、1:2である、請求項1、2または3記載のワクチン。
  7. 最終産物中のワクチン接種株a1:a2:a3:a4の比が、4:2:10:3または10:1:30:2である、請求項1、2または3記載のワクチン。
  8. すべてのワクチン接種株の増殖(vegetative)型の総量が、ワクチン1mlあたり少なくとも100万(1mio)であることで特徴付けられる、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  9. すべてのワクチン接種株の増殖型の総量が、ワクチン1mlあたり少なくとも500万であることで特徴付けられる、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  10. すべてのワクチン接種株の増殖型の総量が、ワクチン1mlあたり少なくとも1000万であることで特徴付けられる、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  11. 最終産物のpHが3.0〜10.0の範囲であることで特徴付けられる、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  12. 最終産物のpHが6.0〜8.0の範囲であることで特徴付けられる、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  13. 0.05%未満のホルムアルデヒドを含有する、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  14. 0.02%未満のホルムアルデヒドを含有する、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  15. 皮膚上(epicutaneous)適用のための、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  16. ヒト医学において使用するための、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  17. 獣医学において使用するための、先行する請求項いずれか1項記載のワクチン。
  18. ヒトまたは動物における皮膚糸状菌症の免疫防御または治療のため、ワクチンを調製するためのワクチン接種株
    a1)トリコフィトン・ベルコスムCCM F−765
    a2)トリコフィトン・ベルコスムCCM 8166
    a3)トリコフィトン・メンタグロフィテスCCM 8290
    および
    a4)トリコフィトン・ルブルムCCM 8291
    の少なくとも1つの使用。
  19. 少なくとも2つのワクチン接種株の、請求項18記載の使用。
  20. 少なくとも3つのワクチン接種株の、請求項18記載の使用。
  21. ワクチン接種株の比が、請求項2〜7のいずれか1項に請求されるとおりである、請求項18〜20のいずれか1項記載の使用。
  22. ワクチンを皮膚上適用する、請求項18〜21のいずれか1項記載の使用。
  23. 皮膚糸状菌症に対するワクチンの産生法であって:
    a)増殖型が最適に形成されるまで、糖類または有機結合窒素を含有する、培地として適した組成の寒天培地上、併用しようとするワクチン接種株を、場合によってpHを中間調整した後、25〜29℃の範囲の温度で、10〜30日間、無菌条件下で個々に培養し、
    b)続いて、水性0.1%ホルムアルデヒド溶液中でホモジナイズし、ここで胞子の大部分は、表面構造が破壊されることなく、菌糸体から分離される、
    c)少なくとも24〜36時間、18〜26℃の温度で、形成される懸濁物中の株を不活化し、
    d)ワクチン接種株間の比を調整し、
    e)ワクチン接種株数を、最終調製1ml中、少なくとも100万に調製し、
    f)pHを3.0〜10.0の範囲に調整し、そして
    g)ホルムアルデヒドの残存含量を調整し、場合によって続いてホルムアルデヒドを置換する
    ことを含む、前記方法。
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