JP2004536051A - プロドラッグとして使用されうる修飾型シクロスポリン及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペプチド鎖が、一般式(I)(ここで、−炭素原子Caがウンデカペプチド環の連結のうちの1つを構成し;−置換基Yがそれぞれ水素原子を表し、又は一緒に結合を構成し;−置換基R1及びR3が、互いに独立して水素原子、アラルキル基、アルカリール(alkaryl)基、ヘテロアルキル基、複素環基、アルキル複素環基、複素環アルキル(heterocyclicalkyl)基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表し;−置換基R2及びR4は、互いに独立して、水素原子、アルカリール基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;−置換基R5及びR6は、互いに独立して、水素原子、アラルキル基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;−置換基R7は、アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表す)の環状ウンデカペプチドを含んで成るプロドラッグに関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、特に眼の病的状態の処置を目的とする、環状ウンデカペプチドから成るプロドラッグ及び医薬品としてのその使用、に関する。
【0002】
シクロスポリンは、構造的に異なるクラスの環状ペプチドを構成しており、これらは、一般的に、それらが7個のアミノ酸鎖から成るという事実を有しており、それらのD配置に起因するか、又はそれらの側鎖の複雑な化学構造に起因するか、あるいはアミン基がアルキル化されているという事実に起因して、幾つかは非定型である。
【0003】
現在まで、約30個のシクロスポリンが真菌群から単離されており、そしてこれらの天然産物に類似の多くの環状ウンデカペプチドが半合成又は全合成によって得られている。また、これらの環状ウンデカペプチド類似体に含まれるものとしては、ペプトライド又はデプシペプチド、すなわち、それらの鎖内にエステル結合をも含む環状ポリペプチドがある。
【0004】
これ以降の説明において、そして特に断らない限り、用語「シクロスポリン」は、自然源から得られる環状ウンデカペプチド及び半合成又は全合成によって得られるそれらの類似体の両方、例えば、自然源から得られるペプトライドあるいは半合成又は全合成によって得られるそれらの類似体、を意味する。
【0005】
単離され、そしてその後同定されているこのシクロスポリンの最初のメンバーはシクロスポリンAである。そのウンデカペプチド環を構成するペプチド鎖は以下の通りである:
【化1】
Figure 2004536051
【0006】
その幅広い化学構造は以下の通りである:
【化2】
Figure 2004536051
【0007】
この環状ウンデカペプチドがその1位に含んで成る非定型アミノ酸の中でも、MeBmtと称される、N-メチル-(4R)-4-((E)-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニンが特に注目される。
【0008】
このアミノ酸はシクロスポリンに特異的であり、エチレン基が任意に還元されうる。それはメチル化されるアミン基を有する。尚、それが担持するヒドロキシル基は、それが、化学的修飾を作り出すことができるこの全体的な環状ウンデカペプチドの唯一の基であるという意味で非常に注目に値する。それが大きく障害のあるステアリンの環境にあり、これが試薬によるあらゆるアプローチを注意を要するものにしていることも述べることができる。
【0009】
これらの環状ウンデカペプチドは、それらが自然源のものであるか、合成によって得られるかに関わらず、広範な生物学的活性を示し、中でも、最も周知なものは、免疫抑制性、抗炎症性又は駆虫性の活性、あるいは他の処置に対する悪性腫瘍の耐性と戦い、又はそれを低下させることができる活性である。これらの環状ウンデカペプチドのうちの幾つかは、特にヒト免疫不全症ウイルスI型(HIV-I)の複製阻害によるAIDSの処置における、有望な抗ウイルス活性を保持することが見出されている。
【0010】
この観点において、半合成によって得られ、且つシクロスポリンAのものと類似の構造を有するが、4位又は3位及び4位のアミノ酸の性質が、MeBmtアミノ酸に関して修飾されている、ある数の環状ウンデカペプチドが、本出願人によって出願された特許出願WO 00/01715に記載されている。
【0011】
近年の薬理学的進展は、可逆性であって且つ骨髄中毒性でなく、そして幾つかの副作用が挙げられているシクロスポリンの免疫調節作用、特にシクロスポリンAのものが、特に眼科の分野において、特に眼及びその周囲の付属物の表面の病的状態の局所的処置に関して巧みに利用されうることを期待することと可能にしている。
【0012】
これらの病的状態の中に含まれるものには、特に、ドライアイ症候群とも称される、乾性角結膜炎、シェーグレン症候群、アレルギー性角結膜炎の形態、特に、コルチコステロイドに対して耐性があるもの、粘性及び癒着を生み出す結膜炎、疱疹性間質性角膜炎、免疫関連性の辺縁角膜炎及びタイゲソン角膜炎、並びに角膜移植拒絶の予防、及び濾過手術のためのアジュバント処置の際のものがある。
【0013】
シクロスポリンファミリーの環状ウンデカペプチドは、性質が高度に疎水性であり、これはそれらの水溶性を全体的に更に低下させている。この特徴は、それらの多くのアミノ酸の側鎖の性質に関連しているが、これらのアミノ酸の一部のアミン基がメチル化され、その結果、環状ウンデカペプチドと、例えば水性可溶化媒体との間の分子間水素結合の形成の数を可能な限り制限しているという事実に関連している。
【0014】
その結果、これらのシクロスポリンの静脈内(i.v.)投与は、非常に複雑な医薬製剤であって、主に乳濁液の形態のものの開発を必要とし、これらは、時に不安定性を有し且つ取り扱いに注意を要し、そして有害な副作用の源となる。
【0015】
一例として、Sandimmunの商品名のもと市販されている、シクロスポリンAのi.v.注入のための調製物の1つは、賦形剤として、Cremophorの商品名で知られているポリオキシエチレン化ヒマシ油を用いる、マイクロエマルジョンから成る。この調製物は、濃縮液の形態で保存されており、そして投与直前に希釈しなければならない。
【0016】
合成材料の成分の一部を溶解することが知られている、このヒマシ油の使用に起因して、製造業者は、この調製物を取り扱う際に、ガラス、又はこれがない場合には、「血液を含むことを目的とする容器についての欧州薬局方の標準」に従う合成材料から作られた材料のみを用いることを推奨しており、これらの材料は全て、シリコン油及び脂肪を含んではならない。
【0017】
尚、臨床医には、このヒマシ油がアナフィラキシー様反応を引き起こすことがあることを警告し、そして、その結果、静脈内投与が、経口投与が不可能な場合にのみ使用されることを推奨する。
【0018】
眼科における局所投与によるシクロスポリンの有望な使用の発展は、特に、良好な局所的な慣用性を示し、且つ粘性剤の存在に起因してかすみ目を引き起こさない、適当な医薬製剤を開発する困難さにも起因して、速度が遅いままである。
【0019】
以下のように、そして一例として、Robert等は近年、J. Fr. Ophtalmol., 2001, 24 (5), 527において、眼科におけるシクロスポリンAの局所投与のための医薬製剤の親油性を背景として分析しなければならないという全ての技術的な困難さ及びこれらの製剤が引き起こす局所的耐性の全ての問題を概説した。
【0020】
この概説から導くことができる結論の1つは、現在まで、眼及びその周囲の付属物の症状の処置のために局所投与されうる洗眼液の形態の製剤が存在していない、ということである。この結論は、粘膜の症状又は皮膚の症状の局所処置のためのシクロスポリンの使用にも広げられる。
【0021】
その結果、天然又は合成の起源、あるいはこれらのシクロスポリンの誘導体に関係なく、患者に容易に、特に局所的に又は静脈内から投与されうるが、不安定性を有し、且つ取り扱いに注意を要し、そして有害な副作用の源である複雑な医薬製剤の使用を回避する、シクロスポリンを臨床医に利用可能にさせる必要性が尚も存在している。
【0022】
これらの天然又は合成起源のシクロスポリンが、眼又はその周囲の付属物に局所的に適用されなければならない場合、この必要性が更に存在する。
【0023】
疎水性の薬理学的に活性な分子を生理学的な媒体中で吸収可能にすることの問題と直面した場合の、専門家にとって利用可能な可能性の1つは、それに親水性の性質を付与するために、それを化学的に修飾することである。
【0024】
そのような薬理学的に活性な分子の薬理学的特性を変えることを避けるために、この化学的修飾は、前駆体、可能ならば、一旦投与され、そして体内に局所的に存在する生理学的症状の作用のもとで薬理学的に活性な分子が、可能ならばその薬理学的な作用が起こらなければならない部位、又はこの薬理学的に活性な分子を輸送し、その結果その作用部位に放出する血液中に放出されるように化学的又は酵素的に修飾される、この薬理学的に活性な分子の不活性前駆体、の調製に存することがあり、このことは「プロドラッグ」の概念に相当している。これ以降の説明において、前記の薬理学的に活性な分子の問題の前駆体は、「プロドラッグ」と称する。
【0025】
得られた生成物に親水性の性質を付与するために、シクロスポリンAの構造を化学的に修飾する慣行が既に知られている。
【0026】
次のように、Rothebard等は、特許出願WO 01/13957において、薬理学的に活性な分子の投与を向上させ、そしてそれらを皮膚及び上皮を通過させるための方法であって、これらの分子上にポリアルギニン鎖から成る側鎖を可逆的に移植することに存する方法、を記載している。薬理学的に活性な分子の中には、性質が疎水性の分子、例えばシクロスポリンAが含まれる。
【0027】
しかしながら、そのような複合物は、引用の出願において示唆されているように、薬理学的に活性な分子が、媒体のpHが7を超えるとすぐに放出されることに起因して、取り扱い、そして保存することにかなりの注意を要する。更に、この薬理学的に活性な分子が放出される場合、ポリアルギニン鎖のフラグメントが体内に放出される。それらはそれらの毒性及びそれらの刺激的な能力について知られているので、これらのポリアルギニンは刺激をもたらすことがあり、その結果、眼科の分野においてそのようなシクロスポリンの使用が思い描かれることはありえない。
【0028】
Crooks等は、特許出願WO 00/67801において、抗炎症剤、例えばフルルビプロフェンを局所的に眼に直接投与することができるようにし、一方で、同時にこの際のあらゆる局所的な刺激を回避している、それらのプロドラッグの調製を記載している。それらは、酸素化又は多くの部分が酸化された鎖を導入することによって、一定数の医薬品についてこれを達成している。
【0029】
他方で、シクロスポリンAを同一の化学的修飾にかけることを望む場合、彼等は、彼等が安定であるとして説明する産物、言い換えると、ヒト血清又はpH7.4のリン酸緩衝液と接触しようとも開裂してシクロスポリンAを放出しない産物のみを得ることに成功した。
【0030】
結論として、本発明の目的は、第一に、複雑な医薬製剤を開発する必要無しに生理学的媒体内に投与することができ、そして第二に、特に、周囲媒体のpHの条件について心配する必要無しに保存され、そして次に取り扱われ、そして投与されうる、シクロスポリンファミリーの環状ウンデカペプチドのプロドラッグを臨床医にとって利用可能にすることである。
【0031】
本発明の目的はまた、通常局所的に、そして特に眼の表面上に、又は粘膜上に投与され得、且つ続いて適当な半減期で、局所的な刺激無しに薬理学的に活性な環状ウンデカペプチドを放出しうるシクロスポリンファミリーの環状ウンデカペプチドのプロドラッグを臨床医に利用可能にさせることである。
【0032】
この作用に対し、本発明は、ペプチド鎖が、以下の一般式(I):
【化3】
Figure 2004536051
(ここで、
−炭素原子Caがウンデカペプチド環の連結のうちの1つを構成し;
−置換基Yがそれぞれ水素原子を表し、又は一緒に結合を構成し;
−置換基R1及びR3が、互いに独立して水素原子、アラルキル基、アルカリール(alkaryl)基、ヘテロアルキル基、複素環基、アルキル複素環基、複素環アルキル(heterocyclicalkyl)基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表し;
−置換基R2及びR4は、互いに独立して、水素原子、アルカリール基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
−置換基R5及びR6は、互いに独立して、水素原子、アラルキル基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
−置換基R7は、アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は上記定義を有する)の少なくとも1つのアミノ酸残基を含んで成る環状ウンデカペプチドから成るプロドラッグ、に関する。
【0033】
2つの置換基Yが一緒に結合を構成する場合、一般式(I)の前記アミノ酸残基は、N-メチル-(4R)-4-((E-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニン残基(ここで、スレオニンのヒドロキシル基は、適当な方法でエステル化されている)に由来し、そしてプロドラッグが体内で開裂する際に放出される薬理学的に活性な分子は、ペプチド鎖が少なくとも1つのN-メチル-(4R)-4-((E)-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニン残基(MeBmt)を含んで成る環状ウンデカペプチドから成る。
【0034】
同様に、2つの置換基Yがそれぞれ水素原子を表す場合、一般式(I)の前記アミノ酸残基は、N-メチル-(4R)-4-ブチル-4-メチル-L-スレオニン残基(ここで、スレオニンのヒドロキシル基は、適当な方法でエステル化されている)に由来し、そしてプロドラッグが体内で開裂する際に放出される薬理学的に活性な分子は、ペプチド鎖が少なくとも1つのN-メチル-(4R)-4-ブチル-4-メチル-L-スレオニン残基(Dh-MeBmt)を含んで成る環状ウンデカペプチドから成る。
【0035】
好ましくは、前記アミノ酸残基を定義している一般式(I)において、置換基R1及びR3の少なくとも1つは、アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は上記定義を有する。性質が極性であることが認識されているこれらの基は、前記プロドラッグに付与された親水性の性質を大きく向上させた。
【0036】
更に好ましくは、前記アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又はアルキル基は、-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO(OH)2又はこれらの基の種々の加塩された形態のうちの少なくとも1つで置換され、各置換基R8は上記定義を有する。
【0037】
更に好ましくは、前記置換基R1及びR3のうちの少なくとも1つは、-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO(OH)2又はこれらの基の種々の加塩された形態のうちの少なくとも1つで置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、各置換基R8は上記定義を有する。
【0038】
前記置換基R1及びR3が、-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO(OH)2又はこれらの基の種々の加塩された形態のうちの少なくとも1つで置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、各置換基R8は上記定義を有する場合、相当するアミノ酸残基は、好ましくは:
−(D)又は(L)配置、好ましくは(L)配置のいずれかのセリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、N-メチルセリン、N-メチルスレオニン又はN-メチルホモセリン残基であって、ヒドロキシル基が、これらのアミノ酸残基の側鎖が極性及び/又は可溶性の基を担持するような適当な方法で官能化されているもの;
−あるいは、(D)又は(L)配置、好ましくは(L)配置のいずれかのリジン、オルニチン、アルギニン、N-デルタ−メチルアルギニン、N-アルファ−メチルアルギニン又はN-メチルリジン残基であって、アミン又はイミン残基がそれぞれ、これらのアミノ酸残基の側鎖が極性及び/又は可溶性の基を担持するような適当な方法で官能化されているもの、
のいずれかに由来する。
【0039】
(R1, R2)及び/又は(R3, R4)の対を形成する置換基R1, R2及び/又はR3、並びにR4が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である場合、それらは、各対の中に、それらを担持している炭素原子及び窒素原子と一緒に環を形成する。好ましくは、それらはプロリン残基の側鎖を構成する。
【0040】
置換基R1及びR3が、互いに独立して、水素原子、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表すが、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で置換されておらず、続いて、それらは好ましくは、(D)又は(L)配置、好ましくは(L)配置のアミノ酸残基、あるいは保護及び/又は活性型の形態の、且つアルキル化されたアミン基を任意に有し、通常市販されている前記アミノ酸の残基、を表す。更に好ましくは、前記アミノ酸残基は、通常天然アミノ酸と称される20個のアミノ酸から選択される。
【0041】
また、好ましくは、一般式(I)において、置換基R5及びR6は、同時に水素原子を表すことができない。また、好ましくは、前記置換基R5及びR6のうちの少なくとも1つは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表し、そして置換基R7は、アラルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表す。
【0042】
更に好ましくは、前記置換基R5及びR6は、互いに独立して、水素原子又はメチル基を表す。
【0043】
好ましくは、前記プロドラッグは、ペプチド鎖が一般式(I)の1つのアミノ酸残基を含んで成り、そしてその結果以下の一般式(II):
【化4】
Figure 2004536051
(ここで、
−Tは、アミノ酸Ala, Abu, Nval, Val及びThrから選択され;
−Uは、アミノ酸Sar, (D)MeSer, (D)MeAla及び(D)MeSer(OCOR9)から選択され、ここで、R9は水素原子、アルカリール基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
−Vは、一般式(N-R10)aaのアミノ酸を表し、aaはアミノ酸Val, Leu, Ile, Thr, Phe, Tyr及びThrから選択され、そしてR10は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基であり:
−Wは、アミノ酸Val, Nval及びLeuから選択され;
−Xは、アミノ酸(D)Ala, (D)ser, (D)Hiv, (D)Val及び(D)Thrから選択され、ここで、(D)HivはD-2-ヒドロキシイソ吉草酸残基を表し;そして
−Zは、アミノ酸Leu及びMeLeuから選択される)
の10個のアミノ酸の直鎖配列でウンデカペプチド環を形成する。
【0044】
以下のように、一般式(I)の前記アミノ酸残基において、2つの置換基Yがそれぞれ水素原子を表す場合、プロドラッグの開裂の間に体内で放出される薬理学的に活性な分子は、ペプチド鎖がN-メチル-(4R)-4-ブチル-4-メチル-L-スレオニン(Dh-MeBmt)を含むシクロスポリンファミリーの環状ウンデカペプチドから成る。
【0045】
同様に、一般式(I)の前記アミノ酸残基において、2つの置換基Yが一緒に結合を表す場合、プロドラッグの開裂の間に体内で放出される薬理学的に活性な分子は、ペプチド鎖がN-メチル-(4R)-4-((E)-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニン(MeBmt)を含んで成る、シクロスポリンファミリーの環状ウンデカペプチドから成る。
【0046】
好ましくは、これらの環状ウンデカペプチドは、薬理学的特性を有し、そして全てがそれらのペプチド鎖において、N-メチル-(4R)-4-((E)-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニン(MeBmt)残基又はN-メチル-(4R)-4-ブチル-4-メチル-L-スレオニン残基(Dh-MeBmt)のいずれかを有するとして文献中に既に記載されているシクロスポリンに相当する。
【0047】
更に好ましくは、一般式(I)の前記アミノ酸残基と共に、前記環状ウンデカペプチドを構成している10個の残りのアミノ酸残基の直鎖配列は、式(III)〜式(XIV)の以下の配列:
【化5】
Figure 2004536051
から選択される。
【0048】
プロドラッグの開裂の間に体内に放出される薬理学的に活性な分子はそれぞれ、必要に応じて、ブテニルを有するスレオニン鎖(MeBmt)又はブチル鎖を有するスレオニン(Dh-MeBmt)から誘導される残基を有する、以下のシクロスポリン:
【化6】
Figure 2004536051
の1つであり、シクロスポリンA, C, D, G, I及びTは、Progress in the Chemistry of Organic Natural Products, 1986, 50, 124に記載されており、残りのシクロスポリンは、Helvetica Chimica Acta, 1984, 67, 502に記載の方法で類推して調製される。
【0049】
更に好ましくは、本発明のプロドラッグは、それぞれ、以下の式(XV)及び(XVI):
【化7】
Figure 2004536051
【化8】
Figure 2004536051
を有する。
【0050】
本発明に従うプロドラッグは、ペプチド化学、そして最も詳細にはシクロスポリン化学の専門家にとって周知の化学合成法を利用することによって調製されうる。
【0051】
一般式(I)のアミノ酸残基を定義している種々の置換基の適切な選択により、本発明に従うプロドラッグは、特に、前記プロドラッグの開裂の間に生成した薬理学的に活性な分子と比較して、大きく増大した親水性の性質を有することが明らかとなっている。例えば、開裂後にシクロスポリンAを生成する、本発明のあるプロドラッグの可溶性は、シクロスポリンAのものよりも少なくとも3000倍以上である。
【0052】
従って、本発明のプロドラッグは、水性の医薬製剤内に容易に組み込まれうる。
【0053】
また特に、本発明のプロドラッグは、それらが水溶液中にある場合に、この利用の型で通常遭遇するpH条件に対して感受性がないことが明らかである。
【0054】
更に、本発明のプロドラッグは、治療的利用に完全に適している半減期で、それらが体液中に存在する酵素と接触する場合に薬理学的に活性な分子を放出することによって、それらの役割を完全に満たす。
【0055】
本発明はまた、医薬品としての上述のプロドラッグの使用に関する。
【0056】
そのような医薬品は、好ましくは、シクロスポリンをあらかじめ必要とする病的状態又は生理学的状態の処置、特に局所的又は全身的にシクロスポリンAの使用を必要とする全ての病的状態の処置に使用される。
【0057】
そのような医薬品は、特に、器官、例えば腎臓、心臓、肝臓、膵臓、肺、小腸又は骨髄の同種移植の長期間の生存を可能にすることを目的とする。それはまた、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の複製を阻害することを目的とする。
【0058】
そのような利用において、静脈内注射によって全身的に投与される場合の本発明のプロドラッグの用量は、開裂の間に生成したシクロスポリン、例えばシクロスポリンAの濃度が通常推奨される治療的な濃度に相当するものである。
【0059】
更に好ましくは、そのような医薬品は、眼科の分野において使用され、特に、眼及びその周囲の付属物の病的状態の処置のために意図される。
【0060】
これらの病的状態の中には、特に、ドライアイ症候群とも称される、乾性角結膜炎、シェーグレン症候群、アレルギー性角結膜炎の形態、特に、コルチコステロイドに対して耐性があるもの、粘性及び癒着を生み出す結膜炎、疱疹性間質性角膜炎、免疫関連性の辺縁角膜炎及びタイゲソン角膜炎、並びに角膜移植拒絶の予防、及び濾過手術のためのアジュバント処置の際のものがある。更に好ましくは、本発明の医薬品は、乾性角結膜炎の処置に使用される。
【0061】
そのような利用において、本発明のプロドラッグの用量は、プロドラッグの開裂の間に生成したシクロスポリン例えば、シクロスポリンAの涙の濃度が、局所投与によって0.5μg/L超であるべきようなものである。
【0062】
本発明の医薬品は、局所的に、特に粘膜の状態又は皮膚の状態の局所処置のために、あるいは非経口的に、特に静脈内から投与されうる。それはまた、シクロスポリン、例えばシクロスポリンAの生物学的利用能を向上させる目的で、経口投与されうる。
【0063】
本発明の医薬品が非経口投与される場合、適当な医薬調製物は、滅菌した濃縮水溶液、又は注射用調製物のための粉末であってもよい。
【0064】
好ましくは、本発明の医薬品は、静脈内から投与される。そのような投与に適した医薬調製物は、専門家に周知の注射又は注入のための水溶液である。
【0065】
更に好ましくは、本発明の医薬品は局所投与される。そのような投与、特に、眼科での利用に適した医薬調製物は、水性の滅菌溶液の形態の洗眼液、眼軟膏、点眼用ゲル及び点眼用挿入物、である。
【0066】
本発明、及び更にその有益な特性は、限定しないが、実施例において詳細に、且つ図面を用いて提示される。
【0067】
得られた産物を説明するために実施例で使用する用語において、シクロスポリンAの残基は、-CsAの略語で表され、反対のフラグメントの残基は、この環状ウンデカペプチドの唯一の官能化可能な基、すなわち1位のN-メチル-(4R)-4-((E)-2-ブテニル)-4-メチル-L-スレオニン(MeBmt)有するアミノ酸のヒドロキシル基に連結している。シクロスポリンAから誘導された中間産物の構造的な化学式は、1位のアミノ酸のみを個々の側鎖で表す。
【実施例】
【0068】
実施例1
(XV) の環状ウンデカペプチドの調製
【化9】
Figure 2004536051
1. MeBmt(O-Sar-Lys-(N ε + Me 3 )-COOCH(CH 3 )OCOCH 3 )) 1 -CsA(XV) の調製
1.1. α−アセトキシエチル p −ニトロフェニルカルボネート(2)の調製
1.1.1. α−クロロエチルp−ニトロフェニルカルボネート(1)の調製
2.6ml(23.7mmol, 1.1等量)のα−クロロエチルクロロフォルメートを、0℃で3g(21.6mmol, 1等量)のp-ニトロフェノールと1.7ml(21.7mmol, 1等量)のピリジンの108mlのクロロホルム溶液に添加した。反応混合物を0℃で30分間、続いて周囲温度で16時間攪拌した。当該反応混合物を水、0.5% NaOH溶液、続いて水で抽出した。有機相をNa2SO4上で脱水し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた結果黄色い油が生成し、これはヘキサンからの結晶化後に純白の固体(5.8g)となる。
【化10】
Figure 2004536051
【0069】
1.1.2. α−アセトキシエチルp-ニトロフェニルカルボネート(2)の調製
7.8mg(24.4mmol, 1.5等量)の酢酸水銀を4g(16.3mmol, 1等量)の、100mlの酢酸に溶解した(1)の溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で1日攪拌し、そして次に、追加の1g(3.13mmol, 0.2等量)の酢酸水銀を添加する。周囲温度で更に1日攪拌した後、当該反応が完了する。酢酸を高圧下で蒸発させ、そして残渣をエーテルに溶解する。有機相を塩溶液で抽出し、そして次に、Na2SO4上で脱水し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた結果、黄色い油が生成する。粗製産物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけた結果、無色の油(4.4g)が生成する。
【化11】
Figure 2004536051
【0070】
1.2. α−アセトキシエトキシカルボニル−リジン (N ε (Fmoc)) (5)の調製
1.2.1 α−アセトキシエトキシカルボニル−リジン(Nε(Z))(3)の調製
500mg(1.23mmol, 1等量)のH-Lys(Z)Obn.HClを2.5mlのジオキサン中で懸濁する。231μl(1.35mmol, 1.1等量)のN, N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及び396mg(1.47mmol, 1.2等量)の(2)を周囲温度で添加する。周囲温度で1日攪拌した後、当該反応が完了する。ジオキサンを減圧下で蒸発させ、そして残渣を200mlの酢酸エチル中に溶解する。有機相を6%クエン酸溶液(20ml)、飽和NaHCO3溶液(200ml)及び飽和NaCl溶液(20ml)で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、清澄で透明な油(576mg)が生成する。
【化12】
Figure 2004536051
【0071】
1.2.2. α−アセトキシエトキシカルボニル−リジン(4)の調製
50mgのパラジウム/活性炭を、509mg(1.02mmol)の(3)の、10mlのエタノール溶液に添加する。水素流のもと、周囲温度で3時間攪拌した後、反応が完了する。反応混合物をセライト上で濾過し、そしてろ液を減圧下で蒸発させた結果、茶色っぽい結晶の形態で粗製産物が生成し、これを以下の段階で直接使用する(254mg)。
【化13】
Figure 2004536051
【0072】
1.2.3 α−アセトキシエトキシカルボニル−リジン(Nε(Fmoc))(5)の調製
1.11mlのDIPEA(6.53mmol, 1.7等量)及び1.555g(4.61mmol, 1.2等量)のFmoc-O-Sucを38mlのジオキサン中に溶解した、1.062[lacuna](3.84mmol, 1等量)の(4)の溶液に添加する。周囲温度で1時間攪拌した後、反応が完了する。ジオキサンを減圧下で蒸発させ、そして残渣を20mlの酢酸エチル中に溶解する。有機相を6%クエン酸溶液(20ml)及び飽和NaCl溶液で1回洗浄し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白い泡(1.026g)が生成する。
【化14】
Figure 2004536051
【0073】
1.3. MeBmt(O-Sar-Lys-(N ε + Me 3 )-COOCH(CH 3 )OCOCH 3 )) 1 -CsA.I - (XV) の調製
1.3.1. MeBmt(O-COOCH2Br)1-CsA(6)の調製
【化15】
Figure 2004536051
4g(3.33mmol, 1等量)の乾燥CsAをアルゴン下で66mlのブロモアセチルブロミド中に溶解する。2g(16.64mmol, 5等量)のジメチルアミノピリジンを周囲温度で40分間攪拌する。その後反応が完了する。反応混合物を、慎重に且つ激しく攪拌しながら、炭酸水素(77g, 0.91mmol)、水(500ml)及びクラッシュアイスの混合物に注ぐ。2、3滴の追加のNaHCO3の実行可能な添加により、溶液のpHを7〜8にすることが可能となる。分離した水相をジクロロメタンで2回抽出し、そして集めた有機相を飽和NaHCO3溶液で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そしてろ過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけた結果、白色の泡(3.2g)が生成する。
【化16】
Figure 2004536051
【0074】
1.3.2. MeBmt(O-Sar-H)1-CsA(7)の調製
【化17】
Figure 2004536051
300mg(0.23mmol, 1等量)の(6)を2.3mlのエタノール中に溶解する。95μl(0.68mmol, 3等量)のトリエチルアミン(TEA)及び31mg(0.45mg, 2等量)の追加の塩化メチルアンモニウムを周囲温度で添加する。周囲温度での3日間の攪拌、TEAの添加によるpH12への調整及び15mg(0.23mmol, 1等量)の塩化メチルアンモニウムの添加から1時間後に、反応が完了する。エタノールは減圧下で蒸発させ、そして残渣を酢酸エチル中で溶解する。有機相を水及び飽和NaCl溶液で抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そしてろ過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけた結果、白色の泡(200mg)が生成する。
【化18】
Figure 2004536051
【0075】
1.3.3. MeBmt(O-Sar-Lys-(Nε(FMOC-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA(8)の調製
【化19】
Figure 2004536051
79mg(0.06mmol, 1等量)の(7)をアルゴン下で0.5mlのジクロロメタン(DCM)中に溶解する。31.6μl(0.18mmol, 3等量)のDIPEA、35mg(0.09mmol, 1.5等量)のO-(7-アザベンゾトリアゾール−1−イル)1, 1, 3, 3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)及び40mg(0.08mmol, 1.3等量)の、0.8mlのDCM中に溶解した(5)を連続的にアルゴン下で添加する。周囲温度で3時間攪拌した後、反応が完了する。DCMを減圧下で蒸発させ、そして残渣を20mlの酢酸エチル中に溶解する。有機相を6%クエン酸溶液(20ml)、飽和NaHCO3溶液(20ml)及び飽和NaCl溶液(20ml)で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白い泡(59mg)が生成する。
【化20】
Figure 2004536051
【0076】
1.3.4. MeBmt(O-Sar-Lys-(Nα-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA(9)の調製
【化21】
Figure 2004536051
90μl(0.86mmol, 10等量)のジエチルアミンを900μlのアセトニトリル中に溶解した150mg(0.09mmol, 1等量)の(8)の溶液に添加する。周囲温度で3時間攪拌した後、反応が完了する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白色の泡(52mg)が生成する。
【化22】
Figure 2004536051
【0077】
1.3.4. MeBmt(O-Sar-Lys-(Nε +Me3)-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA.I-(XV)の調製
【化23】
Figure 2004536051
49mg(0.03mmol, 1等量)の(9)を640μlの無水DCM中に溶解し、そして次に、30μl(0.48mmolm, 15等量)のMeI、続いて14μl(0.08mmol, 2.5等量)のDIPEAを添加する。周囲温度で1時間攪拌した後、反応が完了する。DCMを減圧下で蒸発させ、そして粗製産物を、凍結乾燥物の形態の純粋な化合物を単離するために、半調製用(semipreparative)HPLCによって精製する。
【化24】
Figure 2004536051
【0078】
実施例2
(XVI) の環状ウンデカペプチドの調製
【化25】
Figure 2004536051
1. MeBmt(O-Sar-Ser-(OPO(OH 2 ))-COOCH(CH 3 )OCOCH 3 )) 1 -CsA, (XVI) の調製
1.1. α−アセトキシエトキシカルボニル−セリン(11)の調製
1.1.1. α−アセトキシエトキシカルボニル−セリンのベンジルエステル(10)の調製
1.4g(6.04mmol, 1等量)のH-Ser-OBn. HClを12mlのジオキサン中で懸濁する。1.14ml(6.64mmol, 1.1等量)のDIPEA及び実施例1に従い得られた2.1g(7.85mmol, 1.3等量)の(2)を周囲温度で添加する。周囲温度で一晩攪拌した後、反応が完了する。ジオキサンを減圧下で蒸発させ、そして残渣を酢酸エチル中に溶解する。有機相を6%クエン酸溶液、飽和NaHCO3溶液及び飽和NaCl溶液で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白い泡(1.7g)が生成する。
【化26】
Figure 2004536051
【0079】
1.1.2. α−アセトキシエトキシカルボニル−セリン(11)の調製
40mgのパラジウム/活性炭を、400mg(1.23mmol)の(4)の、13mlのエタノール溶液に添加する。水素流のもと、周囲温度で4時間攪拌した後、反応が完了する。反応混合物をセライト上で濾過し、そしてろ液を減圧下で蒸発させた結果、透明な沈着物の形態で粗製産物が生成し、これを以下の段階で直接使用する(328mg)。
【化27】
Figure 2004536051
【0080】
1.2. MeBmt(O-Sar-Ser-(OPO(OH 2 ))-COOCH(CH 3 )OCOCH 3 )) 1 -CsA, (XVI) の調製
1.2.1. MeBmt(O-Sar-Ser-(OPO(OH2))-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA,(12)の調製
【化28】
Figure 2004536051
実施例1に従い得られた170mg(0.13mmol)の(7)をアルゴン下で3mlのジクロロメタン中に溶解する。92μl(0.53mmol)のDIEA, 51mg(0.26mmol, 2等量)のHATU及び60mgの(11)(0.25mmol, 2等量)を連続的にアルゴン下で添加する。周囲温度で5時間攪拌した後、反応が完了する。ジクロロメタンを減圧下で蒸発させ、そして残渣を酢酸エチル中に溶解する。有機相を6%クエン酸溶液、飽和NaHCO3溶液及び飽和NaCl溶液で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白い泡(143mg)が生成する。
【化29】
Figure 2004536051
【0081】
1.2.2. MeBmt(O-Sar-Ser(OPO(Oall)2)-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA,(12)の調製
【化30】
Figure 2004536051
120mg(0.09mmol, 1等量)の(12)を880μlの無水CH2Cl2中に溶解する。続いて、20mg(.27mmol, 3等量)の1H-テトラゾール、その後52μl(0.17mmol, 2等量)の(Allo)2PN(iPr)2を添加する。周囲温度で4時間攪拌した後、反応混合物を−60℃に冷却し、44mg(0.17mmol, 2等量)のm-クロロ過安息香酸を添加し、そして攪拌を−60℃で30分間、0℃で15分間、そして周囲温度で45分間続ける。0.5mlのNa2S2O5溶液を、0℃で、過剰なオキシダントを破壊するために反応媒体に添加し、そして次に抽出をジクロロメタンで実施する。有機相を10% Na2S2O5溶液で洗浄し、そして次に、ジクロロメタンを減圧下で蒸発させる。残渣をメチルtert-ブチルエーテル中で溶解し、そしてこの有機相を6%クエン酸溶液、飽和NaHCO3溶液及び飽和NaCl溶液で抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた結果、白い泡(98mg)が生成する。
【化31】
Figure 2004536051
【0082】
1.2.3. MeBmt(O-Sar-Ser-(OPO(OH2))-COOCH(CH3)OCOCH3))1-CsA(XVI)の調製
【化32】
Figure 2004536051
206μl(1.55mmol, 8等量)のMe3SiN3及び1.12g(0.97mmol, 5等量)の(PPh3)4Pdを、アルゴン下で且つ周囲温度で、184mg(0.58mmol, 3等量)のBu4N+F-H2Oの、2mlのCH2Cl2溶液に添加する。周囲温度で10分間攪拌した後、320mg(0.19mmol, 1等量)の(13)を添加し、そして反応混合物を周囲温度で30分間攪拌したまま放置する。その後、反応が完了する。反応混合物は、6%クエン酸を添加することによって加水分解され、そしてジクロロメタンを減圧下で蒸発させる。残渣を酢酸エチルで溶解し、そして有機相を6%クエン酸溶液、飽和NaHCO3溶液及び飽和NaCl溶液で3回抽出し、無水Na2SO4上で脱水し、そして濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた粗製産物は、凍結乾燥物の形態の純粋な化合物(342mg)を単離するために、Sep-Pack(商標)カートリッジ上での、そしてその後調製用HPLC上でのクロマトグラフィーにかける。
【化33】
Figure 2004536051
【0083】
実施例3
(XV) 及び (XVI) の環状ウンデカペプチドの物理化学的特性
1. (XV) 及び (XVI) の環状ウンデカペプチドの水溶性
水溶性は、Sorensen型の67mMのリン酸緩衝液中に測定量の環状ウンデカペプチドを直接溶解することによって、研究所での周囲温度での目視試験によって評価した。値を表1に示す。
【表1】
Figure 2004536051
【0084】
示唆のために、シクロスポリンAは、20℃で且つpH7での33μg/mlの最大水溶性を有するとして記載し、これは0.027mMの最大濃度に相当する。
【0085】
2.環状ウンデカペプチドの式 (XV) 及び (XVI) の化学的安定性及び酵素的安定性
式(XV)の環状ウンデカペプチドの長時間の化学的安定性の最初の評価は、第一にマンニトールから成る等張液中で、そして第二にpH7のリン酸緩衝液(PBS)中で、4,20及び37℃で実施した。
【0086】
検出したシクロスポリンAのパーセンテージを以下の表2に示す。
【表2】
Figure 2004536051
【0087】
見てのとおり、マンニトールの溶液中で4℃の温度の環状ウンデカペプチドは、少なくとも90日間反応して安定であることを示している。
【0088】
化学的及び酵素的両方の、安定性の第二の研究は、pH7.4の50mMのHepes緩衝液中に溶解した式(XV)及び(XVI)の2つの環状ウンデカペプチドを用いて、エステラーゼの存在下及び不在下で実施した。37℃でのインキュベーションの間、40μlのアリコートが適当な時間にサンプル採取され、そしてHPLC及びESI-MSによって解析される。
【0089】
酵素の不在下、3日以上の化学的安定性が、2つの環状ウンデカペプチドについて観察される。
【0090】
エステラーゼの存在下での加水分解の間に得られた結果を図1に示した。環状ウンデカペプチド(XVI)についての変換動態曲線はひし形で表し、一方、シクロスポリンAの出現動態曲線は四角で表す。見てのとおり、図によると、エステラーゼの存在下で、環状ウンデカペプチド(XVI)は素早く分解し、シクロスポリンAを放出する。同様の観察が環状ウンデカペプチド(XV)についてなされた。
【0091】
環状ウンデカペプチド(XV)及び(XVI)を、37℃のウシ血清中でのインキュベーションにかけた。シクロスポリンAへの環状ウンデカペプチドの変換の半減期が評価され、そしてそれぞれ3.66及び3.50時間である。
【0092】
実施例4
水溶液の形態での静脈内投与のための利用
(XV) 及び (XVI) の環状ウンデカペプチドの薬理動態の研究
注意を要する安定性の、取り扱いが比較的困難で、そして有害作用を示す、ポリオキシエチレン化ヒマシ油のマイクロエマルジョンの形態で一般的に使用されるシクロスポリンAの医薬製剤に代わるツールを臨床医に利用可能にさせるために、単純な水溶液の形態の本発明のプロドラッグが、静脈内での利用のために評価された。
【0093】
次のように、リン酸緩衝液の溶液中の2つの環状ウンデカペプチド(XV)及び(XVI)が、10mg/kgのシクロスポリンAに等しい用量でラットに静脈内に投与された。
【0094】
参照として、商品名Sandimmunで市販されているシクロスポリンの注射可能な溶液の試料を適当な希釈の後に使用した。
【0095】
血液試料は、一定間隔で採取し、そして、シクロスポリンAをアッセイするための解析にかけた。
【0096】
静脈内投与後の血液中のシクロスポリンAレベルを図2aに示した。2つのプロドラッグ(XV)及び(XVI)の水溶液のそれぞれの静脈内投与後に得られたものを図2b及び図2cにそれぞれ示す。図2aに示した。図2a、図2b及び図2cの曲線から解釈される結果を以下の表3に示した。
【表3】
Figure 2004536051
【0097】
この表における略語は、以下の意味を有する:
−AUC:曲線下面積;
−CL:クリアランス
−MRT:平均滞留時間
−Vss:定常状態分布容積
−T1/21:初期の半減期;及び
−T1/22:終期の半減期。
【0098】
図2及び表3から知られうるように、シクロスポリンAによるコントロール実験の薬理動態のパラメーターは、文献において報告されているものに匹敵する。環状ウンデカペプチド(XV)の開裂の間に生成したシクロスポリンAについての曲線下面積は、コントロール実験におけるシクロスポリンAのものに匹敵し、一方、環状ウンデカペプチド(XVI)の開裂の間に生成したシクロスポリンAのものは、コントロール実験のシクロスポリンAのものと比べて25%低下する。
【0099】
2つの環状ウンデカペプチド(XV)及び(XVI)はそれぞれ、シクロスポリンAに関して類似の血液放出プロファイルを示す。これらのプロファイルは、ポリオキシエチル化ヒマシ油を基にした医薬の形態のシクロスポリンAのものに類似している。
【0100】
これらの結果から、本発明のプロドラッグは、等しいシクロスポリンAの放出プロファイルのために、シクロスポリンAの既存の医薬製剤と比較して以下の考慮すべき利点を提供するという結果をもたらす:
−水中で単純に溶解することによって使用しやすく;且つ
−毒性であることを示している賦形剤を使用する必要がなく;且つ
−それらを扱うための特殊な材料を使用する必要がない。
【0101】
実施例5
水溶液の形態での眼に対する局所投与のための利用
(XV) の環状ウンデカペプチドの薬理動態の研究
刺激又は不愉快な感覚を感じることのない、又はかすみ眼を体験することのない、眼に対するシクロスポリンAの局所投与のためのツールを臨床医に利用可能にさせるために、単純な水溶液の形態の本発明のプロドラッグを評価した。
【0102】
1.溶液の調製
5%マンニトールを含み、且つpH7.0の環状ウンデカペプチド(XV)の等張性水溶液を調製した。シクロスポリンAの等価物の濃度は1%(重量/体積)である。溶液は、それらを0.22μmのニトロセルロースフィルターを通過させることによって滅菌した。シクロスポリンAの参照製剤を、1%のオリーブ油溶液の形態で調製した。
【0103】
2.式 (XV) の環状ウンデカペプチドの耐性の決定
眼の耐性は、2つの方法に従い、すなわち、改良型のDrize試験に従い、そして共焦点レーザー顕微鏡を用いて決定した。
【0104】
2.1 改良型 Draize 試験(急性耐性試験)
この評価は、6匹の雄のアルビノのウサギで実施した。各動物につき、一方の眼が、50μlの上述の溶液の導入を受け、他方の眼が処置されずにコントロールの役割を果たした。
【0105】
起こりうる刺激の臨床評価は、以下の表4に記載の分類に従い、眼漏、結膜浮腫及び結膜の充血によって可視的に実施された。
【表4】
Figure 2004536051
【0106】
起こりうる刺激は、上記規定に従い、導入後48時間に及ぶ所定の間隔で各動物において観察され、そして全刺激指数(total irritation index)が、推定される指数の累計から算出された。得られた結果を以下の2.3の表4に示す。
【0107】
2.3 共焦点レーザー顕微鏡(投与から4日に及ぶ亜急性の毒性を評価するための試験)
この試験は、これまでと同一の型の動物で実施された。25μlの上述の溶液を右眼の角膜上に、4日間、1日3回、そしてその後4日目の観察直前に1回染み込まされた。最後の導入の後、ウサギは塩酸ケタミン及びキシラジンで鎮静化された。0.5%(重量/体積)の、計25μlのフルオレセインナトリウム溶液を、恐らく損傷した表面の選択的標識を可能にするために、眼の上に染み込まされた。続いて、眼は、37℃の生理食塩水で1分間すすがれた。
【0108】
最後に、眼は、Furrer etal., J. Ocular Pharmacol., 1997, 13, 559に従い、共焦点レーザー顕微鏡で観察された。顕微鏡は、三次元の画像を再構成し、そして損傷した領域の評価を可能にするために画像解析システムと接続された。
【0109】
耐性の程度は、角膜の損傷のパーセンテージの関数として、且つ以下の規定に従い評価される:
−0〜25%:良好な耐性;
−25%〜40%:許容可能な耐性;
−40%〜60%:低い耐性;及び
−60%超:許容不可能な耐性。
【0110】
一般的に、5%以下の損傷のパーセンテージが、いずれの処置にもかけられていない正常な身体における通常の細胞の死亡率に相当すると認識されていることが知られている。
【0111】
得られた結果を以下の2.3の表5に示す。
【0112】
2.3 式(XV)の環状ウンデカペプチドについての眼の耐性の結果
【表5】
Figure 2004536051
【0113】
表5より、1.8の全刺激指数が式(XV)の環状ウンデカペプチドについてのDraize試験で得られ、そして、7%の角膜がこの産物の投与によって損傷を受けたようである。これらの2つの結果は、当該環状ウンデカペプチドに対する非常に良好な体制を示し、この耐性は、オリーブ油中のシクロスポリンAが投与された場合に得られるものと比較して明らかに向上している。
【0114】
理由は明白であるが、油性の溶液よりもむしろ水性の溶液を用いることによる、眼の心地よさの主観的な向上が、当該動物では評価されなかった。
【0115】
3.式 (XV) の環状ウンデカペプチドの安定性
上述の溶液の試料は、それぞれ、4℃及び20℃で保存された。HPLCによる解析は、3ヶ月間定期的に実施された。これらの試料は、そのような条件下で良好な安定性を有することが明らかとなった。
【0116】
4.式 (XV) の環状ウンデカペプチドの ex vivo での変換動態
この変換動態試験は、25μlの上述の溶液を、穏やかに攪拌しながら8μlの新鮮なウサギの涙と一緒に37℃でインキュベートすることによって実施した。2μlの試料が、1,2,3及び30分間隔で採取され、そして次にHPLCによって解析された。
【0117】
得られた結果は、式(XV)の環状ウンデカペプチドが、ウサギの涙との接触後1分目からシクロスポリンAを放出して、そのプロドラッグの役割を果たすことを示した。3分で3%のプロドラッグが変換され、そして次に30分後では4.7%が変換された。
【0118】
5.式 (XV) の環状ウンデカペプチドの in vivo での変換動態
このin vivoでの変換動態試験は、25μlの上述の溶液の試料を雄のアルビノのウサギ(4kg)の右眼に染み込ませることによって実施された。涙の試料は、1,2,3,4及び20分間隔で採取され、そして次にHPLCによって解析された。
【0119】
得られた結果を図3に示した。見てのとおり、この試験は、ex vivoの実験で既に得られた結果を確認するものである。式(XV)の環状ウンデカペプチド(四角)は、ウサギの涙との接触後1分目からシクロスポリンAを放出して、そのプロドラッグの役割を明らかに果たし、そしてこの放出は、以降20分に及んで続く。1分目の涙中のシクロスポリンAの濃度は0.025mg/mlである。
【0120】
6.結論
これらの結果から、本発明のプロドラッグが、眼に対する局所投与の場合に、以下の利点を提供することとに帰結する:
−油性のアジュバントを用いる必要無しに、水溶液中での単純な溶解による、医薬製剤、例えば洗眼液の調製のし易さ;
−油性の形態のシクロスポリンAの医薬製剤で得られたものよりも大きな、良好な急性の耐性及び非常に亜急性の耐性;
−良好な安定性;及び
−眼科での利用に適した半減期。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、エステラーゼを用いる加水分解による、本発明に従うプロドラッグについてのin vitroでの変換動態の曲線及びシクロスポリンAの出現動態の曲線を表す。
【図2a】図2aは、ラットにおける油性の形態のシクロスポリンaの静脈内投与後の血中シクロスポリンAレベルを表す。
【図2b】図2bは、ラットにおける本発明に従う2つのプロドラッグのうちの1つの水溶液の静脈内投与後の、血中シクロスポリンAレベルを表す。
【図2c】図2cは、ラットにおける本発明に従う2つのプロドラッグのうちの1つの水溶液の静脈内投与後の、血中シクロスポリンAレベルを表す。
【図3】図3は、ウサギの涙中の、シクロスポリンA及び本発明に従うプロドラッグAの、それぞれの時間経過ごとの濃度を表す。

Claims (17)

  1. ペプチド鎖が、以下の一般式(I):
    Figure 2004536051
    (ここで、
    −炭素原子Caがウンデカペプチド環の連結のうちの1つを構成し;
    −置換基Yがそれぞれ水素原子を表し、又は一緒に結合を構成し;
    −置換基R1及びR3が、互いに独立して水素原子、アラルキル基、アルカリール(alkaryl)基、ヘテロアルキル基、複素環基、アルキル複素環基、複素環アルキル(heterocyclicalkyl)基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、これらは、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2,-NR8 2, -N, -NHR8+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表し;
    −置換基R2及びR4は、互いに独立して、水素原子、アルカリール基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
    −置換基R5及びR6は、互いに独立して、水素原子、アラルキル基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
    −置換基R7は、アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基は、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8は上記定義を有する)の少なくとも1つのアミノ酸残基を含んで成る環状ウンデカペプチドから成るプロドラッグ。
  2. 前記アミノ酸残基を定義している一般式(I)において、置換基R1及びR3の少なくとも1つが、アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、前記基が、-COOH, -CONHR8, -NHC=NH(NH2), -NHC=NR8(NH2), -NH2, -NHR8,-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO (OR8)2, -OPO(OH)(OR8), -OPO(OH)2, -OSO(OR8)2, -OSO(OH)(OR8), -OSO(OH)2から成る群から選択される基、及びこれらの基の種々の加塩された形態の少なくとも1つの基で任意に置換され、各置換基R8が上記定義を有することを特徴とする、請求項1に記載のプロドラッグ。
  3. 前記アラルキル基、アルカリール基、ヘテロアルキル基、複素環基、複素環アルキル基又はアルキル基が、-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO(OH)2又はこれらの基の種々の加塩された形態のうちの少なくとも1つで置換され、各置換基R8は上記定義を有する、請求項2に記載のプロドラッグ。
  4. 前記置換基R1及びR3のうちの少なくとも1つが、-NR8 2, -N+R8 3, -OH, -OPO(OH)2又はこれらの基の種々の加塩された形態のうちの少なくとも1つで置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、各置換基R8が上記定義を有することを特徴とする、請求項3に記載のプロドラッグ。
  5. 一般式(I)において、置換基R5及びR6が同時に水素原子を表すことができないことを特徴とする、請求項1に記載のプロドラッグ。
  6. 前記アミノ酸残基を定義する一般式(I)において、前記置換基R5及びR6のうちの少なくとも1つが、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表し、そして置換基R7が、アラルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載のプロドラッグ。
  7. 前記置換基R5及びR6が、互いに独立して、水素原子又はメチル基を表すことを特徴とする、請求項6に記載のプロドラッグ。
  8. 前記ペプチド鎖が一般式(I)の1つのアミノ酸残基を含んで成り、そしてその結果以下の一般式(II):
    Figure 2004536051
    (ここで、
    −Tは、アミノ酸Ala, Abu, Nval, Val及びThrから選択され;
    −Uは、アミノ酸Sar, (D)MeSer, (D)MeAla及び(D)MeSer(OCOR9)から選択され、ここで、R9は水素原子、アルカリール基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し;
    −Vは、一般式(N-R10)aaのアミノ酸を表し、aaはアミノ酸Val, Leu, Ile, Thr, Phe, Tyr及びThrから選択され、そしてR10は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基であり:
    −Wは、アミノ酸Val, Nval及びLeuから選択され;
    −Xは、アミノ酸(D)Ala, (D)ser, (D)Hiv, (D)Val及び(D)Thrから選択され;そして
    −Zは、アミノ酸Leu及びMeLeuから選択される)
    の10個のアミノ酸の直鎖配列でウンデカペプチド環を形成することを特徴とする、請求項1に記載のプロドラッグ。
  9. 10個のアミノ酸の前記直鎖配列が、式(III)〜式(XV)の以下の配列:
    Figure 2004536051
    から選択される、請求項8に記載のプロドラッグ。
  10. それぞれ、以下の式(XV)及び(XVI):
    Figure 2004536051
    Figure 2004536051
    を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロドラッグ。
  11. 医薬品としての、請求項1に記載のプロドラッグの使用。
  12. 粘膜の病的状態の処置を目的とする医薬品を調製するための、請求項1に記載のプロドラッグの使用。
  13. 眼の病的状態の局所処置を目的とする医薬品を調製するための、請求項1に記載のプロドラッグの使用。
  14. 前記病的状態が乾性角結膜炎、シェーグレン症候群、アレルギー性角結膜炎の形態、特に、コルチコステロイドに対して耐性があるもの、粘性及び癒着を生み出す結膜炎、疱疹性間質性角膜炎、免疫関連性の辺縁角膜炎及びタイゲソン角膜炎、並びに角膜移植拒絶の予防、及び濾過手術のためのアジュバント処置から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 器官の同種移植の長期間の生存を可能にすることを目的とする医薬品を調製するための、請求項1に記載のプロドラッグの使用。
  16. 移植を負っている前記器官が、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、肺、小腸及び骨髄から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
  17. ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の複製を阻害することを目的とする医薬品を調製するための、請求項1に記載のプロドラッグの使用。
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