JP2004535495A - 澱粉(−誘導体)の物理的処理法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、澱粉(−誘導体)の物理的処理法、そうして処理された澱粉及びその使用に関する。
【0002】
澱粉は、ポリマー基礎構成要素アミロース及びアミロペクチンから成る複合的に構成された多成分系である。アミロース及びアミロペクチンは、その側で、直鎖及び分枝鎖のD−グルコース単位から成り、つまり、アミロースの場合には、相互にα−(1,4)−グルコシド結合しているグルコース分子の主に非分枝鎖から成る。アミロペクチンは、連鎖内にα−(1,4)−グリコシド結合を有し、分枝鎖部分にα−(1,6)−グリコシド結合を有するD−グルコース−単位から成る。この多成分系は、蛋白質と一緒に、及び穀類澱粉の場合には脂質と、及び水と一緒に会合して、部分結晶性澱粉粒になる。
【0003】
植物性貯蔵物質として、特に種子(穀類)及び根茎(馬鈴薯)中に豊富に存在する澱粉の特性プロフィールは、その起源に強く依存し、アミロース−/アミロペクチン−比率によって決定的に特徴付けられる。
【0004】
澱粉及び澱粉粒並びにそれと会合される複合随伴物質の大きさ、形、形態学及び化学的組成は、栄養工業及び同様に非食料範囲における澱粉の使用を決定する。
【0005】
澱粉又はその水性懸濁液及び溶液の最も重要な機能的特性として、その粘稠力、凝結−及び凝集性が考慮され得る。
【0006】
即ち、澱粉の分子量及び粒度は、特徴的な原料特異的分布特性を示し、同様に原料特異的な特性温度で、澱粉粒の構造分解が始まって流動相になる。温度上昇と同時に、水中での澱粉の構造分解に、特別な技術的重要性が割り当てられる。この過程は、一般に、膨潤−及び糊化特性として特徴付けられる。
【0007】
しかし、若干の澱粉の場合には、脂質含量も科学技術的に重要な役割を果たす。その場合には、脂質は、アミロースとの包含複合体としての出現の他に、特に、澱粉粒の疎水性表面物質として、その表面特性又はその親和性を決定し、従って、澱粉(−粒)の膨潤−及び糊化特性、化学的反応性及び選択性についての重要なパラメーターである。澱粉の膨潤−及び糊化性は、その最も重要な物質特異的値である。
【0008】
しかし、澱粉の膨潤−及び糊化特性は、前記の影響因子の表面特性の他に、内部表面の構造によっても決定的に決められる。即ち、例えば、抽出された澱粉は、使用される抽出方法及び−条件の関数として、様々な糊化特性を有し、これは、殊に、脂質抽出後の場合がそうであり、それというのも、脂質抽出の場合には、様々な極性の溶剤が使用されるからである。
【0009】
機械的、熱的、化学的及び/又は生化学的過程の広汎なスペクトルの適用によって、澱粉の機能的特性を目的に合わせて変化させ、そうして各々の要求に適合させることができる。
【0010】
天然の非変性化澱粉の物理的特性及び、澱粉含有の水性懸濁液から加熱によって製造されたゾルの特性は、商業的適用におけるこれらの物質群の使用を制限する。各々の特異的な技術的特性プロフィールを考慮して、殊に、例えば、水保留力及び流動性に関する水中又は水に対する澱粉粒の特性は、商業的適用における限定的段階を示す。
【0011】
非溶解性、冷水中での低い膨潤力、煮沸の際の非調整及び制御不可能な粘性上昇、及び温度−及び/又は剪断−、及びpH−誘引の粘性損失は、非変性化澱粉について典型的である。
【0012】
澱粉ゾルの不完全な光学的透明性、冷却の際に生じるゲルの不透明の現象型、及び凍結−/融解不安定性は、しばしば、不所望な特性プロフィールである。
【0013】
従って、澱粉の、殊に物理的方法による変性化は、特に、経済的見地から重要である。
【0014】
工業における溶剤としての圧縮ガスの使用は、最近の20年間に開発されてきたことが認知される。80年代に、特に、天然物質の抽出、例えば、脱カフェイン法が重要になった後に、90年代に圧縮ガスの使用ポテンシャルが、明らかに”原料科学”に移動してきた:即ち、今日では、超臨界ガスは、特に、溶液の粘性減少又は超微細粒子の製造のための化学的方法においても使用される。
【0015】
二酸化炭素は、その不活性特性、毒物学的認容性、良好な入手性、及び物理的及び物理−化学的特性に基づき、方法技術における超臨界溶剤が一般に問題である場合に、最も重要な役割を果たす。
【0016】
この際、ガスを超臨界状態で使用することの本質的な動機は、しばしば、”液状”溶剤に比べて明らかに密度が低いという動機に認めることができ、この際、超臨界状態での密度を方法圧力の変化を介して連続的に広い範囲で調整することができるという事実は、決定的な役割を果たす。超臨界ガスの密度は、簡単に示せば、その溶解力と相関するという事実は、選択的抽出又は物質分離を実施するために理想的な前提である。即ち、公知技術水準では、多数の方法例が記載されていて、その場合に、殊に、天然物質における抽出の選択性が決定的な役割を果たし、これは、超臨界ガスの使用を経済的な観点下に正当化する。
【0017】
しかし、前記の特性に基づき、圧縮(圧搾)状態のガスを物質の選択的抽出、要するに物質分離のためにだけ使用することができるだけでなく、多数の他の適用、例えば、物質マトリックスの形態学的変性のための含浸又は物理的処理、例えば、結晶性クラスターの細孔形成又は−拡大のために、及び分解までの変性のために使用することができる。
【0018】
しかし、それに比べて、澱粉の加工のための圧縮ガスによる高圧技術の使用は、あまり記載されていない。日本国特許明細書78−39504に、CO2又はN2及びエタノールから成るガス状/液状混合物を用いる澱粉顆粒の含浸法が記載されている。それによって、そうして含浸されたエタノール−CO2−澱粉顆粒はより良好な保存特性を有する。しかし、この処理は5atmで行われ、従って、ガスの非−近臨界範囲で行われ、又は圧縮状態の範囲では行われなかった。
【0019】
”Cereal Foods World”、1998、43(7)、522に、超臨界液での穀粉からの脂質の抽出について記載されている。この際、小麦粉が100℃及び約700バールでCO2及びエタノールの駆出剤で抽出された。しかし、慣用の抽出法との比較は、抽出量及び組成、即ち、中性−、糖−及び燐脂質が、双方の抽出法で同様の結果になることを示す。
【0020】
高められた圧力での澱粉中のCO2の拡散性及び溶解性に関する他の1論文が、”Ind.Eng.Chem.Res.”、1996、35(12)、4457−4463に公開された。その測定は、押出されゼラチン化された澱粉を有するCO2−系中で、圧力=117バールで実施された。CO2の拡散性は圧力に強く依存するが、34.5〜39質量%の範囲の湿度には依存しないことが判明した。
【0021】
”Biosci.Biotechn.Biochem.”、1993、57(10)、1670−1673に、多糖類澱粉の超臨界CO2の吸着についての研究が公表されている。その測定は、馬鈴薯−及びトウモロコシ澱粉で294バールまでの圧力範囲で実施された。
【0022】
最後に、US5977348は、圧縮液中の多糖類澱粉の化学的変性化を示し、これは様々な試薬でCO2についての超臨界条件でエステル化又はエーテル化され、この際、高い置換度が達成可能である。同時に、多糖類は約1200000の分子量から約300000に粉砕される。
【0023】
総括して、機能特性の改善及び適用特性の改善のための澱粉の簡単な物理的処理法が所望される。この際、殊に、1種以上の澱粉の物理的値、例えば、孔径、比表面積、膨潤−及び流動特性は、圧縮ガスによって、その実際的適用の可能性が明らかに増加するように変化されるべきである。
【0024】
従って、本発明の課題は、殊に、澱粉(−誘導体)の適用特性の改善に結び付く、圧縮ガスでの澱粉(−誘導体)の物理的処理法を開発することであった。この物理的処理は、殊に、天然澱粉の前記の欠点を回避し、しかし少なくとも減少させ、かつ殊に、澱粉のより良好な膨潤−及び糊化性に結び付くべきである。更に、そうして変性された澱粉は、できるだけより大きな比表面積及びより良好な流動性を有するべきである。
【0025】
この課題は、出発物質を、方法温度20℃〜200℃で、及び方法圧力50〜800バールで、少なくとも1分間で処理する相応する方法で解明され、この際、圧縮ガス(−混合物)の密度は、>180kg/m3である。
【0026】
意外にも、本発明による方法の実施の際に、圧縮ガス自体の低粘性及び高拡散性に基づき、澱粉の最小孔が容易に達成可能であり、かつ随伴物質及び他の吸着物質が澱粉マトリックスから選択的に制御可能で抽出され得ることが判明した。更に、押出され圧縮されたガス及びそれと関連する機械的加圧によって、内孔の拡大が引き起こされることが判明し、これは比表面積の明らかな拡大となる。この際、抽出可能な物質、例えば、殊に、脂質の除去は、付加的に同じ効果を発揮する。
【0027】
全てのこれらの観点は、この範囲においては、螺旋形で構成された澱粉ポリマーの周知の不安定性の故に予知不可能であった。
【0028】
出発物質として、一般に、全ての可能な澱粉変体が重要であるが、有利に、トウモロコシ、小麦及び馬鈴薯から成る天然の植物性澱粉、遺伝子技術で変性された植物からの、例えば、同様にトウモロコシ、小麦及び馬鈴薯からの澱粉、有利にトウモロコシ、小麦及び馬鈴薯からの遺伝子技術で変化された澱粉、既に物理的及び/又は化学的に変性された澱粉、有利に糊化、酸性化、酸化、架橋結合、エステル化、エーテル化又はイオン的変性化によって変化された澱粉、又は任意のこれらからの混合物が、特に有利であることが判明した。
【0029】
本発明の範囲では、一定の水分含量、有利に5〜30質量%の水分含量を有する澱粉(−誘導体)が同様に好適であることが判明した。
【0030】
また、処理時間を段階付けることはあまり重要ではない。しかし、経済的な理由から、30〜200分間の処理時間が有利である。
【0031】
水性澱粉懸濁液の糊化過程は、実際に吸熱法である。本方法では、熱力学的特性付けのために、測定は20%の水性澱粉懸濁液で実施された。この際、天然澱粉は、50〜80℃の温度で、吸熱最高値を有する。最高値に相応する温度は、糊化温度としても表示される。処理された澱粉の水分含量は、様々な処理条件によって影響され、それから、部分的には、熱力学的に調査された糊化温度に関して大きな変化が生じる。
【0032】
好適な圧縮ガス又は好適な圧縮ガス混合物の選択は、実際には、出発物質、要するに各澱粉の種類及び処理によって達成すべき目的に従う。従って、原則的に、その臨界状態パラメーターが技術的に実施可能な限界にあるガスが重要であり、この際、本発明に特に好適なガスとして、二酸化炭素、プロパン、ブタン、エタン、エチレン、ジメチルエーテル、窒素、六弗化硫黄、アンモニア、ハロゲン化炭化水素、有利に、部分的−又は完全弗化炭化水素、又は任意のそれらからの混合物が実証された。前記のように、二酸化炭素は、その卓越した物理的、化学的及び毒物学的特性の故に特に好適である。
【0033】
本発明では、実際に、圧縮された、要するに近−又は超臨界のガス又はガス混合物の極めて大きな密度範囲を利用することができる。それは、本発明の本質的観点下に、180kg/m3以上であり、この際、勿論、400〜1300kg/m3の範囲が有利であると見なすことができる。この密度を方法技術的に調整することを可能にするために、本発明により、方法圧力を50〜800バールで変化させ、この際、圧力範囲は100〜500バールで選択することができる。方法温度は、使用ガス又は使用ガス混合物の臨界温度以上でなければならず、殊に、31℃〜180℃である。
【0034】
そうして処理した澱粉の更に良好な特性を達成するために、圧縮ガスでの処理を、圧力変化−(脈動)−連続下に実施することができる。この圧力変化は、圧縮ガスの密度変化に結び付き、この際、単一脈動内での密度差はできるだけ大きくなければならない。密度又は圧力に関して、本方法には原則的に限界はない。しかし、経済的な理由から、単一脈動間の圧力差が、相応するガス又はガス混合物の臨界圧力の10倍よりも大きくない場合が重要である。そうでなければ、密度は、ガス系の近臨界状態範囲におけるよりも明らかに少ない変化を受けるはずである。
【0035】
1〜100回の脈動の連続下に、及び特に有利に5〜10回の脈動で実施される変法も有利である。
【0036】
しかし、本発明の範囲において、近臨界ガス又はガス混合物に、特に、標準圧下に、殊に、澱粉孔の拡大化に寄与し、澱粉脂質の溶解性を改善する液状助剤を添加することができる。そのような好適な助剤は、例えば、水又は有機溶剤、例えば、例として1〜5個のC−原子を有する短鎖のアルコール、3〜5個のC−原子を有するケトン、例えば、アセトン及び2〜7個のC−原子を有するエステル及び/又は表面活性を有する化合物又は任意のそれらからの混合物であり、これらは、殊に、使用澱粉に対して、≦20質量%の割合で使用される。
【0037】
本発明による方法は、典型的には、オートクレーブ中で、有利に、不連続的バッチ−法で実施される。出発物質をオートクレーブに充填した後に、系に、例えば、二酸化炭素で加圧する。所望の圧力及び所望の温度で一定の時間保持し、これは、所定の通り1分間から数時間までの範囲で変化することができる。この時間に、系を、有利に、変化的に脈動させる。引続き、例えば、水及び脂質を除去するために、澱粉の抽出を行うことができる。最後に、ここで、系を規律正しく放圧させ、処理された澱粉を取り出す。
【0038】
本発明は、直前に記載した方法及びその変法の他に、本発明による方法によって製造可能な又は得られる物理的に処理された澱粉(−誘導体)も特許請求する。
【0039】
当然、圧縮ガスでの変性化温度は、澱粉の糊化温度に極めて重要な役割を果たすので、この際、例えば、糊化温度は、100℃での超臨界CO2での処理によって、本来の56℃から51℃へ約5℃程減少するが、処理温度50℃では、約1度単位しか下がらず、また本発明にとっては、糊化温度が出発物質の場合よりも約2〜10℃低い澱粉(−誘導体)も好ましい。
【0040】
処理澱粉の物理−化学的、従って、同様に機能特性への本発明による方法の効果は、特に、糊化エンタルピーの変化によって明らかに示される。本発明による例が実証するように、圧縮ガスで処理された澱粉の糊化エンタルピーは、各出発物質に比較して、約50%以上も減少している。そうして変性された澱粉のより少ないエンタルピー値は、澱粉内部の分子及び/又は結晶配列の変化を示す。
【0041】
従って、本発明は、出発物質に対して約30%以上、殊に50%以上減少している糊化エンタルピーを有する相応する澱粉(−誘導体)も特許請求する。
【0042】
糊化エンタルピーの減少は、処理条件、例えば、温度、圧力、処理時間、水分含量及び脈動過程によって影響される。即ち、目的とする澱粉処理によって、決められた一定の配列状態及びエネルギー蓄量に相応するエンタルピー値を達成することが可能である。
【0043】
澱粉の配列状態及びエネルギー蓄量は、液相における吸着特性及びその流動学的特性に直接反映する。即ち、本発明による方法を適用する場合には、エンタルピー値>10J/gを有する澱粉が、1段階の流動学的膨潤−及び糊化経過及び相応するマスターを有するが、降下したエンタルピー値<10J/gを有する澱粉は、2段階の膨潤−及び糊化プロフィールを有することが判る。
【0044】
流動相での澱粉の吸着特性は、その形態学的及び構造的パラメーターに決定的に依存する。外部表面及び内部表面の状態、及び微小範囲での経過は、澱粉の適用プロフィールを決定する。この澱粉特性プロフィールは、一方で、種特異的差異(穀粒−、根−、塊茎澱粉)によって形成され、他方で、圧縮ガスでの物理的処理によって、内部構造−及び配列パラメーターに関する特性プロフィールが目的に合わせて変化されることができ、この際、化学的変化、例えば、調整可能な酸性化も可能である。
【0045】
圧縮ガスでの処理効率は、顆粒測定状態、要するに、粒度の変化においても反映する。即ち、室温での容量分布に関する平均直径の小さな増加が測定される。平均直径での大きな差異は、殊に、澱粉試料が、例えば、測定の前に、澱粉10質量%及び水90質量%から成る混合物中で45℃で3時間膨潤された場合に明らかにされる。当然、この理由から、その平均粒径が出発物質のそれよりも5%以上、殊に15%以上である澱粉(−誘導体)も有利に特許請求され、この際、その差が30%以上であることも珍しくない。
【0046】
しかし、その随伴物質、例えば、水及び/又は脂質の含量が、出発物質中のこれらの量に対して、約30〜90%減少されている澱粉(−誘導体)も特許請求される。
【0047】
本発明により処理された澱粉は、その各特異的特性に依存して、様々な適用範囲で使用されることができ、この際、食料−、薬物−、化学−及び建築化学−及び農化学分野を選択することができる。例として、殊に、次の適用分野を挙げることができる:
殊に、食物−及び非−食物−範囲における作用物質の吸着/包嚢及び目的に合わせた放出(脱着)のための、外部及び内部表面の特異的状態を有する担体物質;
作用物質(包被物質)、殊に、不安定な感受性作用物質の包被、この際、不定義物質の代わりに、実際に均質の流動性粉末が生じる。これには、例えば、清浄剤及び洗浄剤、食料範囲における包被及びこれに伴う匂い防止、例えば、コンビニエンス−製品、及び医薬作用物質の包被;
水性及び非水性多物質系中の作用物質の一定の遅効特性を有する担体物質(芳香物質配量、医薬剤の配量、植物保護材の範囲での配量);
例えば、精製法/抽出法のための吸着剤;
粘稠剤;
例えば、特異的ポリマーの加工材料及びタイヤ工業のための建築−及び充填剤;
例えば、複合多物質系(例えば、紙塗料)の液体保留の調節のための、及びプラスチック−、複合材料−、接着剤−及びラベル貼付範囲での助剤;
ヒドロコロイド、乳化剤(ヒドロ−)ゲル。
【0048】
次の例につき、本発明による方法及びそれで処理した澱粉(−誘導体)の利点を更に説明する。
【0049】
例
例1
1l入りオートクレーブ中に、馬鈴薯澱粉200gを充填させた。100℃の温度で、オートクレーブをCO2で280バールに加圧した。この条件で、澱粉をCO2 4000gで抽出した。この際、抽出物17gを得た。合計時間は1時間であった。その後に、オートクレーブを放圧させ、澱粉を取り出した。第1表は、この変性馬鈴薯澱粉の物理的特性を実験条件と一緒に示す。第1図に、温度とこの澱粉懸濁液の粘度との間の関係を記載する。
【0050】
例2
1l入りオートクレーブ中に、馬鈴薯澱粉200gを充填させた。100℃の温度で、オートクレーブをCO2で280バールに加圧した。5分間後に、この系を150バールに放圧させ、次いで再び280バールに加圧した。この脈動過程を更に4回繰り返した。合計時間は1時間であった。その後に、オートクレーブを環境圧に放圧させ、澱粉を取り出した。第1表は、この変性馬鈴薯澱粉の物理的特性を実験条件と一緒に示す。第1図に、温度とこの澱粉懸濁液の粘度との間の関係を記載する。
【0051】
例3
1l入りオートクレーブ中に、馬鈴薯澱粉200gを充填させた。100℃の温度で、オートクレーブをCO2で280バールに加圧した。この条件で、この系を1時間保持した。その後に、オートクレーブを環境圧に放圧させ、澱粉を取り出した。第1表は、この変性馬鈴薯澱粉の物理的特性を実験条件と一緒に示す。第1図に、温度とこの澱粉懸濁液の粘度との間の関係を記載する。
【0052】
例4
1l入りオートクレーブ中に、馬鈴薯澱粉200gを充填させた。50℃の温度で、オートクレーブをCO2で280バールに加圧した。この条件で、澱粉をCO2 4000gで抽出した。この際、抽出物17gを得た。合計時間は1時間であった。その後に、オートクレーブを放圧させ、澱粉を取り出した。第1表は、この変性馬鈴薯澱粉の物理的特性を実験条件と一緒に示す。第1図に、温度とこの澱粉懸濁液の粘度との間の関係を記載する。
【0053】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】温度と澱粉懸濁液の粘度との間の関係を示すグラフである。
Claims (23)
- 出発物質を、方法温度20〜200℃及び方法圧力50〜800バールで、少なくとも1分間処理し、この際、圧縮ガス(−混合物)の密度は、>180kg/m3である、圧縮ガスによる澱粉(−誘導体)の物理的処理法。
- 出発物質として、有利に、トウモロコシ、小麦及び馬鈴薯からの天然の植物性澱粉、遺伝子技術で変性された植物からの澱粉、有利に、トウモロコシ、小麦及び馬鈴薯からの遺伝子技術で変化された澱粉、有利に、糊化、酸性化、酸化、架橋結合、エステル化、エーテル化又はイオン的変性化によって既に物理的及び/又は化学的に変性させた澱粉、又は任意のこれらからの混合物を使用する、請求項1に記載の方法。
- 出発物質として、一定の水分含量、有利に5〜30質量%の水分含量を有する澱粉(−誘導体)を使用する、請求項1又は2に記載の方法。
- 圧縮ガスとして、圧縮二酸化炭素、圧縮エタン、圧縮プロパン、圧縮ブタン、圧縮エチレン、圧縮ジメチルエーテル、圧縮窒素、圧縮六弗化硫黄、圧縮アンモニア、殊に、部分的−又は完全弗化型の圧縮ハロゲン化炭化水素化合物、又は任意のそれからの混合物を使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
- 方法温度は31〜180℃である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 方法圧力は100〜500バールである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 圧縮ガス(−混合物)の密度は400〜1000kg/m3である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
- 処理時間は30〜200分間である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 圧力変化(脈動)−連続下に実施される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
- 1〜100回の脈動の連続によって実施される、請求項9に記載の方法。
- 5〜10回の脈動の連続によって実施される、請求項10に記載の方法。
- 単一脈動間の圧力差は、ガス(−混合物)の臨界圧力の10倍よりも大きくない、請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法。
- 圧縮ガスに、水、有機溶剤、例えば、短鎖アルコール、ケトン及びエステル、又は界面活性を有する化合物又は任意のそれらからの混合物から選択される液状助剤を添加する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
- 液状助剤は、使用澱粉に対して、≦20質量%の割合で添加される、請求項13に記載の方法。
- 不連続的に実施される、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法によって得られる、物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 随伴物質、例えば、水及び/又は脂質の含量は、出発物質中のこれらの物質の量に対して、約30〜90質量%減少されている、請求項16に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 糊化エンタルピーは、出発物質に対して、約>30%減少されている、請求項16又は17に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 糊化エンタルピーは、出発物質に対して、約>50%減少されている、請求項18に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 糊化温度は、出発物質の場合よりも、約2〜10℃低い、請求項16から19までのいずれか1項に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 平均粒径は、出発物質のそれよりも>5%大きい、請求項16から20までのいずれか1項に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 平均粒径は、出発物質のそれよりも>15%大きい、請求項21に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)。
- 請求項16から22までのいずれか1項に記載の物理的に処理された澱粉(−誘導体)の、食料−、薬物−、化学−及び建築化学−及び農化学範囲における、担体−、包被−、建築−及び/又は充填剤、吸着剤及び粘稠剤として、複合材料−、及び/又は接着剤−範囲における助剤として、及びヒドロコロイド、乳化剤及び(ヒドロ−)ゲルとしての使用。
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