JP2020509785A - 熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の再湿潤化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉をその最大構成成分として含む原料を処理するための方法において、原料の含水率は最大8重量%であり、0.1〜30重量%の水相を原料に添加することにより再湿潤化された澱粉及び/又は再湿潤化された穀粉を含む製品を生成する再湿潤化ステップを含む、方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉(flour)をその最大構成成分として含む原料を処理するための方法に関する。
この種の方法は米国特許第5,718,770A号明細書により知られている。澱粉及び穀粉を熱抑制処理する分野の基本特許の1つとして知られる当該特許には、熱抑制処理澱粉の調製が開示されている。熱抑制処理終了後、熱抑制処理澱粉は洗浄ステップに付される(第2欄第64行)。米国特許第5,718,770A号明細書の意味する洗浄ステップにより、スラリーが生成する。通常、澱粉及び穀粉は粉末形態で上市されるので、このスラリーは続いて乾燥させなければならない。このような乾燥は通常、澱粉又は穀粉の平衡値に近い含水率に到達するまで行われる。この平衡値は、典型的には10〜15重量%の間にある。
洗浄/スラリー生成及びそれに続く乾燥を行う公知の方法には、熱抑制処理によって澱粉又は穀粉に付与された特性の一部が失われる可能性があるという欠点がある。この種の特性の1つがいわゆる剪断安定性、即ち、その調製過程で高剪断力に曝すことが必要なソース等の食品に、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉が高粘度を付与する能力である。熱抑制処理の典型的な目的を構成する他の特性は、耐酸性及び全体的な粘度安定性である。
本発明の目的は、所望の特性の低下を緩和するか又は回避することさえ可能な、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉を含む原料を処理するための方法を提供することにある。
この目的は、原料の含水率が最大8重量%であり、0.1〜30重量%の水相を原料に添加することにより、再湿潤化させた澱粉及び/又は再湿潤化させた穀粉を含む製品を生成する再湿潤化ステップを含む方法において達成される。
本発明の方法は、熱抑制処理によって付与される特性の制御性が向上しているという利点を有する。
本発明の方法は、公知の方法よりも経済的であるという更なる利点を有する。澱粉及び穀粉は、普通は粉末形態で上市されるため、通常、公知の方法はスラリーを乾燥することが必要であり、そのためには多大なエネルギーが必要となるが、一方、本発明の方法は、更なる乾燥を殆ど必要としないか又は全く必要としない場合さえある。
国際公開第2013/173161A号パンフレットには、非アルファ化顆粒状澱粉を塩基及び/又は塩が存在するアルコール性媒体中で加熱することにより、食品成分に化工澱粉の代替品として使用するのに適した抑制処理が施された非アルファ化顆粒状澱粉を調製することができることが開示されている。国際公開第2013/173161A号パンフレットの11頁に述べられているように、抑制処理された澱粉は、水で洗浄した後に再び乾燥させる場合がある。
国際公開第2014/042537A号パンフレットには、熱抑制処理澱粉を製造するための方法が開示されている。この方法は、pHが9.1〜11.2の間にあるアルカリ性澱粉を準備することと、澱粉の含水率を2〜22重量%に調整することと、澱粉の含水率が1重量%に到達する前に、且つpH値が9に到達する前に、澱粉の抑制処理を開始させるのに十分な時間、十分な圧力下で130〜190℃に加熱することと、澱粉の粘度が安定するまで140〜190℃での加熱を継続することと、冷却することと、任意選択で更に澱粉を処理することと、を含む。国際公開第2014/042537A号パンフレットの6頁に述べられているように、熱抑制処理澱粉は、洗浄され、次いで乾燥される場合がある。
米国特許出願公開第2015/368370A号明細書は、必要に応じて予備乾燥された未化工澱粉を乾燥物質含有率が95重量%以上になるように加熱処理することにより製造される熱抑制処理澱粉及び澱粉粉(starchy flour)に関し、必要に応じて予備乾燥された前記澱粉は、少なくとも0.1体積パーセントの酸素の存在下に、生成物の温度が100℃を超えるように、振動式螺旋状コンベア内で加熱処理される。
欧州特許出願公開第1038882A号明細書には、顆粒状澱粉又は穀粉を脱水及び熱処理することを含む方法により調製される熱抑制処理澱粉及び穀粉が開示されている。
欧州特許出願公開第2674038A号明細書は、それぞれ別個の成分としての、未糊化澱粉を約20重量%〜約70重量%と、米粉を約5重量%〜約40重量%と、高アミロースコーンスターチを約5重量%〜約30重量%と、湿熱処理又は熱抑制処理穀粉又は澱粉を約5重量%〜約40重量%とを含む組成物に関する。
本発明は、原料を処理するための方法において、原料は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉を含む、方法に関する。熱抑制処理澱粉及び熱抑制処理穀粉は両方共、上に引用した文書に例示されるようにそれ自体周知である。これらはその利点として、一般に化工澱粉又は化工穀粉とは見なされず、欧州連合内における「E」番号又はそれと同等の表示を行う必要がなく、したがって、食品成分の「クリーンラベル(clean label)」化に向けた取り組みの一部となり得る。
図1は、実施例1の再湿潤化澱粉のブラベンダー曲線を示す。
澱粉の熱抑制処理は、100〜200℃の間の温度及びアルカリ性pHで熱処理することを含み、それによって澱粉の含水率を確実に1重量%未満とすることが知られている。その結果として、熱抑制処理が終了すると、熱抑制処理澱粉の含水率は1重量%未満となる。
穀粉の熱抑制処理は100〜200℃の間の温度で熱処理することを含むことが知られている。
本発明の他の実施形態において、原料は、熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉に替えて、湿熱処理された澱粉及び/又は穀粉を含み、それによって、この実施形態においても、原料の含水率は最大8重量%、好ましくは2〜8重量%となる。
本発明によれば、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、重量百分率で原料中の最大構成成分である。好ましい実施形態において、原料は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉を少なくとも40、50、60、70、75、80、85重量%含むか又は少なくとも90重量%含む場合さえある。より好ましくは、原料は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉から基本的になるか、又は熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉からなる場合さえある。
本明細書において用いられる、組成物又はプロセスステップに関連する「基本的に(essentially)」、「基本的に〜からなる(consist(ing)essentially of)」、「基本的に全部」という用語及びそれと均等な用語は、他に断りのない限り、その組成物又はプロセスステップにはずれが生じ得るが、そのずれは、当該組成物又はプロセスステップの基本的な特徴及び効果に実質的に影響を及ぼさない程度に過ぎないという通常の意味を有する。
他の好ましい実施形態において、熱抑制処理澱粉は、重量百分率で表した場合の原料中の最大構成成分である。好ましくは、原料は、熱抑制処理澱粉を少なくとも40、50、60、70、75、80、85重量%含むか又は少なくとも90重量%含む場合さえある。より好ましくは、原料は、熱抑制処理澱粉から基本的になるか又は熱抑制処理澱粉からなる場合さえある。
更なる他の好ましい実施形態において、熱抑制処理穀粉は、重量百分率で表した場合の原料中の最大構成成分である。好ましくは、原料は、熱抑制処理穀粉を少なくとも40、50、60、70、75、80、85重量%含むか又は少なくとも90重量%含む場合さえある。より好ましくは、原料は熱抑制処理穀粉から基本的になるか、又は熱抑制処理穀粉からなる場合さえある。
熱抑制処理澱粉又は熱抑制処理穀粉は非常に多くの供給源から得ることができ、その供給源として、これらに限定されるものではないが、トウモロコシ(maize、corn)、コムギ、コメ、バレイショ、タピオカ、モロコシ、オオムギ、ライムギ、及びこれらの任意の混合物が挙げられる。澱粉及び/又は穀粉のモチ種(waxy variant)が有利な特性を付与し得ることが見出された。好ましい一実施形態において、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、コメ、好ましくはモチゴメ由来である。他の好ましい実施形態において、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、トウモロコシ(maize)、好ましくはモチトウモロコシ由来である。更なる他の好ましい実施形態において、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、コムギ、好ましくはモチコムギ由来である。更なる他の好ましい実施形態において、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、バレイショ、好ましくはワキシーポテト由来である。更なる他の好ましい実施形態において、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、タピオカ、好ましくはワキシータピオカ由来である。
したがって、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、好ましくは、熱抑制処理コメ澱粉及び/又は熱抑制処理コメ粉、熱抑制処理コムギ澱粉及び/又は熱抑制処理コムギ粉、熱抑制処理トウモロコシ澱粉及び/又は熱抑制処理トウモロコシ粉、熱抑制処理バレイショ澱粉及び/又は熱抑制処理ポテトフラワー、上述の澱粉及び/又は穀粉の任意のモチ種、並びに上述の澱粉及び/又は穀粉の任意の混合物からなる群から選択される。より好ましくは、原料は、熱抑制処理コメ澱粉、熱抑制処理モチゴメ澱粉、熱抑制処理コムギ澱粉、熱抑制処理モチコムギ澱粉、熱抑制処理トウモロコシ澱粉、熱抑制処理モチトウモロコシ澱粉、熱抑制処理バレイショ澱粉、熱抑制処理ワキシーポテト澱粉、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される澱粉から基本的になる。
熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉中の澱粉は、非化工の顆粒状形態であってもよいし、或いは、熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉中の澱粉はアルファ化された冷水膨潤性形態であってもよい。非化工形態又はアルファ化形態のどちらかを選択するかは、主として再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品に意図された最終用途に依存することになる。
原料が熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉を含むが、完全に熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉からなるわけではない場合、他の物質が原料に含まれる。この種の他の物質の例としては、熱抑制処理されていない澱粉、熱抑制処理されていない穀粉、他の炭水化物、タンパク質、及び脂質が挙げられる。
原料の含水率は、最大8重量%(総質量に対する百分率として表した場合)となるはずの範囲内で変化させることができる。例えば、原料が、調製後の水相の添加に起因するか又は外気に由来する水分を取り込まなかった熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉からなる場合、原料の含水率は1重量%未満となるであろう(総質量に対する百分率として表した場合)。含水率は、原料が、熱抑制処理澱粉及び/若しくは熱抑制処理穀粉以外に他の物質を含む場合、又は周囲から若干の水分を既に取り込んでいた場合、それよりも幾分高くなる可能性がある。好ましくは、原料全体の含水率のみならず、原料中の熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の含水率も、最大8.0重量%であり、熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の調製以降、即ち、熱抑制処理が終了した時点からも8.0重量%を超えない。より好ましくは、原料全体の含水率に加えて、原料中の熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の含水率は、総質量に対する百分率として、最大7.0、6.0、5.0、4.0、3.0、2.0、1.5重量%であるか又は最大1.0重量%でさえあり、且つ熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の調製以降これらの値を上回らない。
本発明の方法において、原料は、再湿潤化ステップに付される。再湿潤化ステップにおいては、水相が原料に添加される。そのようにすることで、原料全体の含水率がその平衡値に近くなるか又はそれと等しくなるか若しくはそれを超える値にさえなる。
本明細書における含水率は、他に断りのない限り、赤外又はハロゲン水分計にて2gの試料を用いて130℃の温度で測定されることを意味する。本明細書における含水率の平衡値とは、23℃及び相対湿度50%における値を意味する。
水相を原料と混合することにより生成する生成物は、本明細書において、再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品として定義するものである。
本発明に関連する再湿潤化ステップは、水を原料中に積極的に導入するステップであることから、原料が基本的に受動的なまま、且つ単に周囲の水分を取り込めるようになっている状況とは異なる。
本発明による再湿潤化は、水相が、状態調整された室内の気流の一部に含まれる実施形態を含む。
この水相は、その連続相及び主要構成成分として水を含む。水以外の他の化合物も存在することができ、実際、例えば、プロセス水又は現場で利用可能なそれ以外の水流を利用する本発明の工業用途において該当するであろう。しかしながら、水相はエタノール等の他の溶媒を基本的に含まないことが好ましい。水相は、好ましくは、水を少なくとも80、85、90重量%含むか、又は少なくとも95、96、97、若しくは98重量%含む場合さえある。本発明の実施形態において、水相は水から基本的になるか又は水からなる場合さえある。水相は、好ましくは液体形態又は蒸気形態にあり、より好ましくは液体形態にある。
水相のpHが最大8.5であると有利であることが見出されており、水相が強アルカリ性の性質を有することを回避するか又は水相が確実に酸性の性質を有するようにすることさえも、熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉の特性の保持に寄与し得ることが見出された。したがって、より好ましくは、水相のpHは最大8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5であるか又は最大5.0、4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、若しくは2.0でさえある。好ましくは、水相のpHは、少なくとも1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5である。水相のpHの選択は、主として、再湿潤化ステップで生成したままの状態の再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品に所望されるpHに依存する。再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品のpHが4.0又は4.5から9.0の間の値であり、より好ましくは、5.0から8.9、8.8、8.7、8.6、8.5、8.4、8.3、8.2、8.1、8.0、7.9、7.8、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1の間の値であるか又は6.0の間の値である場合にさえ、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉の特性が特に良好に保持されることが判明した。
本明細書において用いられる、熱抑制処理澱粉及び/若しくは熱抑制処理穀粉又は再湿潤化澱粉及び/若しくは再湿潤化穀粉を含む製品等の固体物質のpHは、室温で次に示すように測定される:測定を行う被験物質10gを脱イオン水100mlを入れたビーカーに加えた後、攪拌する。次いで懸濁液のpHを、較正済みの標準的なpH測定装置を用いて測定する。測定されたpHを被験物質のpHと見なす。
水相のpHの選択は、原料のpH、添加される水相の比率、並びに再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品に所望されるpHに依存し、したがって、上述のパラメータを用いて定型的な実験を行うことにより容易に決定することができる。
原料に添加される水相の量は幅広い範囲内で変化させることができる。本発明によれば、少なくとも0.1重量%で添加すべきであり、好ましくは、少なくとも0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5重量%で添加されるか又は少なくとも5.0重量%で添加される場合さえある。再湿潤化ステップにおいて添加される水相の重量百分率は、本明細書においては、再湿潤化ステップに導入される原料の重量百分率で表される。好ましい実施形態において、添加される水相の量は、結果として得られる再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の含水率が、6〜22重量%の間、好ましくは8若しくは10から14若しくは18重量%の間、最も好ましくはその平衡値の4重量%以内又はその平衡値の2重量%以内の値にさえなるような量である。本発明によれば、添加される水相の量は、再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品のスラリーの生成が回避されるようにすべきである。しかしながら、どの場合においても、添加される水相は最大30重量%とすべきである。したがって、非常に好ましい実施形態において、添加される水相の量は、再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品が粉末形態のままとなり、ペースト形態にもスラリー形態にもならない量である。好ましくは、添加される水相は、最大25重量%であり、より好ましくは24、22、20、18、16、15、14、13重量%で添加されるか、又は最大12重量%でさえある。
水相を原料に添加することにより温度が上昇する可能性があることが見出された。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、温度上昇は水分子が澱粉分子と会合することにより放出される水和エネルギーに起因し得ると考えられる。更に、水相のpHが原料のpHと異なる場合、温度上昇は塩基と酸との中和に起因して放出されるエネルギーに由来する可能性もある。
本発明に関連して、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉の特性を最大限に保持するために、温度をさほど上昇させず、したがって、再湿潤化ステップの最中、特定の範囲内に留まることを保証することが有利であることが見出された。この本発明の好ましい実施形態において、原料の温度は、0℃から最大40℃までの間の値、より好ましくは最大35、30、25℃までの間の値、若しくは最大20℃までの間の値でさえあるか、又はそのような値になるようにする。つまり、好ましくは、再湿潤化ステップの最中に温度が上昇する場合を含めて、再湿潤化ステップの最中の原料の温度、並びに生成時点における再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の温度を、必要に応じて他の好適な冷却手段を用いて0℃〜65℃の範囲内の値にし、0℃〜65℃の範囲内に維持する。
原料が未化工の顆粒状形態にある澱粉又は穀粉を含み、温度が原料のゲル化開始点に近づいた場合、且つゲル化が起こることが望ましくない場合、原料の含水率並びに再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の含水率は、顕著なゲル化が起こらないように十分に低く維持するべきである。
再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の温度が確実に所望の範囲内に維持されるように、冷却又は他の好適な手段を実施することが必要な場合もある。好ましくは、原料の温度並びに再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の温度は、その生成時点において、0℃から最大60、55、50、45、40までの範囲又は最大35℃までの範囲となるようにし、本発明の方法の最中は、0℃から最大60、55、50、45、40までの範囲又は最大35℃までの範囲にさえ維持するようにする。
水相を原料中に確実に均一に分布させると共に、温度効果を適切に制御するために、再湿潤化ステップの最中に確実に均質化が起こることが好ましい。均質化の利点は、再湿潤化澱粉及び/又は再湿潤化穀粉を含む製品の品質を確実に安定させるのを助けることにある。
原料への水相の添加は、例えば、ミキサー等の任意の好適な装置内で実施することができる。ミキサーの好適な種類の1つはリングレイヤーミキサー(ringlayer mixer)であり、リングレイヤーミキサー内を移送される原料に水相を導入するための1つ又は複数のノズルを備えるものである。リングレイヤーミキサー自体は、例えば、Amixon(商標)、Loedige(商標)、又はAVA−Huep(商標)等の供給業者からのものが知られている。他の好適な種類の装置はプロシェアミキサーであり、この種のミキサーは、それ自体、例えば、Loedige(商標)等の供給業者からのものが知られている。
上に述べたように、原料は、どちらかと言えば低含水率であることが好ましい。しかしながら、澱粉又は穀粉の水分を貯蔵時に低く維持すると、こうした製品は粉塵爆発を非常に起こしやすいため、安全性に関するリスクが生じる。したがって、原料中の澱粉及び/又は穀粉の熱抑制処理を行ってから3か月以内に再湿潤化ステップを行うことが好ましい。より好ましくは、再湿潤化ステップは、原料中の澱粉及び/又は穀粉の熱抑制処理を行ってから2ヵ月、1ヵ月、2週間、1週間以内に、又は6、5、4、3、2日以内にさえ、又は1日以内にさえ行う。好ましい実施形態において、再湿潤化ステップは、原料中の澱粉及び/又は穀粉の熱抑制処理を行ってから1時間以内又は直後にさえ行われる。
本発明の方法の特徴の1つは、洗浄ステップもスラリー化ステップも含まないことにある。スラリーは、生成すると後段で乾燥を行わなければならない。スラリーは固体粒子を液相中に懸濁させ、それによって液相が連続相となった懸濁物であることが知られている。その結果として、本発明の方法は、原料から又は生成した製品から何らかの有意な方法で化合物を除去する操作を含まない。ひいてはこのことは、本発明の方法が、原料中の熱抑制処理澱粉及び/又は穀粉に起因する望ましくない色を生じさせる化合物等の特定の望ましくない化合物を除去することに頼れないことを意味している。したがって、このような望ましくない化合物を最初の熱抑制処理の最中に生成させないことに留意すべきである。本発明の好ましい実施形態において、原料中の澱粉及び/又は穀粉の熱抑制処理は、振動式螺旋状コンベアで行われる。この種の振動式螺旋状コンベアは、それ自体、例えば、米国特許出願公開第2015/368370A号明細書から知られている。この種の設備の供給業者の1つがRevtech Process Systemsである。
本発明の一実施形態において、原料は、含水率が最大4重量%であるか又は最大2重量%でさえある熱抑制処理されたモチゴメ澱粉からなり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水から基本的になり、水相のpHは8.0未満であり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化澱粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品のpHは8.0未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
本発明の一実施形態において、原料は、熱抑制処理されたモチゴメ澱粉を少なくとも40重量%含み、原料の含水率は最大6重量%であるか又は最大2重量%でさえあり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水からなり、水相のpHは8.0未満であり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化澱粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品のpHは8.0未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
本発明の他の実施形態において、原料は、含水率が最大2重量%である熱抑制処理されたモチトウモロコシ澱粉からなり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水からなり、水相のpHは8.0未満であり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化澱粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化澱粉を含む製品のpHは8.0未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
本発明の更なる他の実施形態において、原料は、含水率が最大6重量%である熱抑制処理されたモチゴメ粉からなり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水からなり、水相のpHは8.0未満であり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化穀粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品のpHは8.0未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
本発明の更なる他の実施形態において、原料は、熱抑制処理されたモチコムギ澱粉からなり、原料の含水率は最大2重量%であり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水からなり、水相のpHは8.0未満であるか又は6.0未満でさえあり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化穀粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品のpHは8.0未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
本発明の更なる他の実施形態において、原料は熱抑制処理されたモチゴメ澱粉からなり、原料の含水率は最大2重量%であり、スラリー化ステップは行われず、水相は液体の水からなり、水相のpHは7.0未満であるか又は4.0未満でさえあり、再湿潤化ステップは原料の調製から1週間以内に行われ、原料の温度及び再湿潤化穀粉を含む製品の温度は本発明の方法全体を通して50℃未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品の含水率は14重量%未満であり、再湿潤化穀粉を含む製品のpHは7.5未満である。この実施形態の範囲内に包含される好ましい変形形態は、上に述べた好ましい範囲に基づくことができる。
以下に示す実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3
熱抑制処理されたモチゴメ澱粉を、その抑制処理から13日(その間、熱抑制処理されたモチゴメ澱粉はライナーを有する密封された大型の袋内で周囲条件下に保管した)後、再湿潤化ステップに付した。再湿潤化はLoedigeリングレイヤーミキサーCM20内で実施した。1つの実施例につき10kgの原料を使用した。原料の温度、pH、及び含水率を表1に示す。表1には、水相を構成する液体の水の温度及びpH、並びに再湿潤化澱粉からなる製品の生成時点の特定の特性(含水率、温度、粘度、tanδ、及びpH)も示す。実施例3においては、実施例1及び2で使用したものと同一の水から出発し、硫酸を添加することにより水相のpHを低下させた。更に、実施例1の再湿潤化澱粉のブラベンダー曲線を図1に示す。ブラベンダー曲線は、脱イオン化水中で乾燥物が6重量%となるようにして測定した。試料の総重量を500gとし、測定速度を75/分とした。図1には、従来通り2本の曲線、即ち、測定された温度プロファイル(50℃から開始し、約95℃まで昇温し、約95℃で15分間保持した後、20℃に冷却する曲線)及びブラベンダー・ユニット(BU)で表した粘度曲線を示す。
Stephan UMSK5クッカーにて、澱粉135g(乾燥物)、pH3.6に酸性化して緩衝化するためのクエン酸及びクエン酸三ナトリウム、並びに総重量を2,500gにするのに十分な水を使用して、ゲルを94℃で調製した。クエン酸及びクエン酸三ナトリウムは、澱粉を加える前に水と混合した。25℃に冷却した後、正方形の穴(2.4mm)が設けられたハイシアスクリーン(high shear screen)ミキシングヘッドを取り付けたSilverson L4RTミキサーを用いて強力な剪断作用を5,000rpmで1分間ゲルに与えた。rpmの選択は、特にゲルの性質に基づき行われる。したがって、以下に示す更なる実施例における他のrpmは、材料の挙動から最も有意義な知見が得られるように選択する。用いるrpmは、粘度パラメータVの表示の下付き文字として表し、例えば、Vは3,000rpmを表し、Vは5,000rpmを表すことになる。
対象の澱粉から作製されたゲル(まず最初に強力な剪断作用を与えたもの)の粘度及びtanδは、20℃の温度でAnton Paar Rheometerを用いて測定した(パラレルプレート−プレート方式;プレート径40mm)。本明細書におけるtanδという用語は、線形粘弾性領域における損失正接という一般的な意味で使用される。これは系の粘度及び弾性の比を与え、どちらが支配的かを示すものである。tanδの値が1の場合、その材料の弾性及び粘性は等しい。損失正接が小さいほど、その材料は弾性が高い。
剪断速度を0.1から100s−1まで変化させた場合の粘度曲線測定を行い、0.88s−1における粘度を求めた。
次に示す条件で振幅掃引測定を行い、その結果からtanδを求めた:ひずみ量0.01〜1000%、周波数1Hz。
本明細書における実施例及び比較実験のtanδは全て、上述したように実施例又は比較実験毎に与えられたrpmの剪断力を最初に与えたゲルについて求めた値である。
Figure 2020509785
比較実験A
実施例1〜3と同一の原料の試料を使用し、実施例1〜2と同一の水相を用いてスラリーを生成した。スラリーは原料を30重量%含むものとした。次いで遠心分離を行い、続いて40℃のオーブンで乾燥させることによってスラリーの含水率を12重量%とすることにより、スラリー化後乾燥させた澱粉を生成した。スラリー化後乾燥させた澱粉の特性を求めた:
2590mPa.s
tanδ 0.88
実施例及び比較実験Aの結果から明らかなように、スラリー化後乾燥させた澱粉は、剪断を与えた後の粘度が大幅に低下していると共に、tanδがより高かいことから分かるように弾性がより低く(損失正接tanδが小さいほど、その材料の弾性が高いことが知られている)、スラリー化後乾燥させた澱粉は本発明の再湿潤化澱粉と比較して特性が大幅に悪化するという難点がある。
比較実験B
熱抑制処理されたモチゴメ澱粉の特性を、そのまま、即ち、実施例1〜3で使用した原料をそれに続いて再湿潤化又はスラリー化等のプロセスステップに付すことなく測定した。測定された特性を次に示す:
5940mPa.s
tanδ 0.46
比較実験Bの結果は、実施例1〜3の結果と比較すると分かるように、本発明による再湿潤化ステップにより特性が大幅に低下しないことを示している。これは比較実験Aのスラリー化ステップ等の公知の処理と対照的である。
実施例4
熱抑制処理されたモチゴメ澱粉を含む原料を再湿潤化ステップに付した。実施例1〜3の熱抑制処理モチゴメ澱粉と比較して、本実施例4において使用する熱抑制処理モチゴメ澱粉は熱抑制処理の度合いが高いことを特徴とする。原料をその抑制処理から7日(その間、熱抑制処理されたモチゴメ澱粉は密閉されたPE容器内で周囲条件下に保管した)後、再湿潤化ステップに付した。再湿潤化を実験室規模の手持ち噴霧器(hand sprayer)にて実施した。水相のpHは7.7とした。再湿潤化澱粉のpHは6.5であった。再湿潤化澱粉から作製されたゲルの粘度及びtanδの測定(最初に強力な剪断作用を与えた後に行う)は、Silversonミキサーのrpmを除いて実施例1〜3に記載した通りに実施した。ミキサーを9,000rpmに設定した。これは粘度パラメータVの下付き文字「9」として下に示す。結果を次に示す:
17,500mPa.s
tanδ 0.13
比較実験C
実施例4と同一の原料の試料を使用し、実施例4と同一の水相を用いてスラリーを生成した。スラリーは原料を30重量%含むものとした。スラリーのpHを7.3とした。次いで遠心分離を行い、続いて40℃のオーブンで乾燥させてスラリーの含水率を12重量%とすることにより、スラリー化後乾燥させた澱粉を生成した。スラリー化後乾燥させた澱粉の特性を求めた:
13,500mPa.s
tanδ 0.15
比較実験D
熱抑制処理されたモチゴメ澱粉の特性を、そのまま、即ち、実施例4で使用した原料をそれに続いて再湿潤化又はスラリー化等のプロセスステップに付すことなく測定した。測定された特性を次に示す:
18,900mPa.s
tanδ 0.12
実施例5
熱抑制処理されたモチトウモロコシ澱粉を、抑制処理から3ヵ月後に再湿潤化ステップの原料として使用した。水相のpHを7.7とした。再湿潤化ステップ及びそれに続く測定は、Silversonミキサーのrpmを除いて実施例1〜3に記載した通りに実施した。ミキサーを9,000rpmに設定した。再湿潤化澱粉のpHは7.2であった。結果を次に示す:
12,200mPa.s
tanδ 0.23
比較実験E
熱抑制処理されたモチトウモロコシ澱粉の特性を、そのまま、即ち、実施例5で原料として使用した澱粉を再湿潤化又はスラリー化ステップに付すことなく測定した。測定された特性を次に示す:
13,800mPa.s
tanδ 0.21
比較実験F
実施例5と同一の原料の試料を使用し、実施例5と同一の水相を用いてスラリーを生成した。次いで減圧濾過を行い、続いて迅速乾燥機(TG200、Retsch)にて乾燥させ、スラリーの含水率を12重量%とすることにより、スラリー化後乾燥させた澱粉を生成した。スラリー化後乾燥させた澱粉の特性を測定した:
8,570mPa.s
tanδ 0.31
実施例6、7
熱抑制処理されたモチコムギ澱粉を、抑制処理から14日後に再湿潤化ステップの原料として使用した。再湿潤化ステップ及びそれに続く測定を、Silversonミキサーのrpmを除いて実施例1〜3に記載した通りに実施した。ミキサーを7,000rpmに設定し、再湿潤化は実験室規模の手持ち噴霧器で行った。結果を次に示す:
Figure 2020509785
比較実験G
熱抑制処理されたモチコムギ澱粉の特性を、そのまま、即ち、実施例6及び7で原料として使用した澱粉を再湿潤化又はスラリー化に付すことなく測定した。測定した特性を次に示す:
10,000mPa.s
tanδ 0.34
比較実験H
実施例6及び7と同一の原料の試料を使用し、実施例6と同一の水相を用いてスラリーを生成した。次いで減圧濾過を行い、続いて迅速乾燥機(TG200、Retsch)にて乾燥させ、スラリーの含水率を12重量%とすることにより、スラリー化後乾燥させた澱粉を生成した。スラリー化後乾燥させた澱粉の特性を測定した:
5,440mPa.s
tanδ 0.51
実施例8
熱抑制処理されたモチゴメ粉を、抑制処理から21日後に再湿潤化ステップの原料として使用した。再湿潤化ステップ及びそれに続く測定を、次に示す点を除いて実施例1〜3に記載した通りに実施した:
・Stephanクッカーにてゲルの調製を行い、穀粉225g(乾燥物)を使用し、総重量は2,500gのままとした;
・Silversonミキサーのrpm(ミキサーを3,000rpmに設定した);
・再湿潤化を実験室規模の手持ち噴霧器を用いて行った。
結果を次に示す:
22,500mPa.s
tanδ 0.57
比較実験I
熱抑制処理されたモチゴメ粉の特性を、そのまま、即ち実施例8で原料として使用した穀粉を再湿潤化又はスラリー化に付すことなく測定した。測定した特性を次に示す:
20,900mPa.s
tanδ 0.58
比較実験J
実施例8と同一の原料の試料を使用し、実施例8と同一の水相を用いてスラリーを生成した。次いで減圧濾過を行い、続いて迅速乾燥機(TG200、Retsch)にて乾燥させ、スラリーの含水率を12重量%とすることにより、スラリー化後乾燥させた澱粉を生成した。スラリー化後乾燥させた澱粉の特性を測定した:
18,700mPa.s
tanδ 0.65
上の実施例及び比較実験から、本発明の方法において、熱抑制処理穀粉の澱粉を含む原料の特性は、スラリー化後に乾燥を行う公知の方法と比較してよく保持されていることが示される。
実施例9〜11
熱抑制処理されたモチゴメ澱粉を、その抑制処理から14日後に再湿潤化ステップの原料として使用した。再湿潤化ステップ及びそれに続く測定は実施例1〜3に記載した通りに実施した。結果を次に示す:
Figure 2020509785
比較実験K
熱抑制処理されたモチゴメ粉の特性を、そのまま、即ち実施例9〜11で原料として使用した穀粉を再湿潤化に付すことなく測定した。測定した特性を次に示す:
11,800mPa.s
tanδ 0.30

Claims (15)

  1. 熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉をその最大構成成分として含む原料を処理するための方法において、前記原料の含水率は最大8重量%であり、0.1〜30重量%の水相を前記原料に添加することにより、再湿潤化された澱粉及び/又は再湿潤化された穀粉を含む製品を生成する再湿潤化ステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記原料は、熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉を少なくとも40重量%含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、前記原料は、熱抑制処理澱粉を少なくとも75重量%又は熱抑制処理穀粉を少なくとも75重量%含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、前記原料は、熱抑制処理澱粉、熱抑制処理穀粉、又はこれらの混合物から基本的になることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法において、前記原料の含水率は最大5重量%であり、前記原料中の前記熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉が調製されてから5重量%を超えていないことを特徴とする方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法において、前記原料の含水率は最大2重量%であり、前記原料中の前記熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉が調製されてから2重量%を超えていないことを特徴とする方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法において、前記再湿潤化ステップを実施する間、前記原料の温度及び前記製品の生成時点の温度は冷却又は他の好適な手段により0℃〜65℃の範囲内に維持されることを特徴とする方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、前記原料の温度は最大40℃であることを特徴とする方法。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法において、前記水相のpHは最大8.5又は最大8.0であることを特徴とする方法。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、前記再湿潤化ステップにおいて生成した時点の前記製品のpHを、水相のpHの調整又は他の好適な手段により、4.0〜9.0の間の値又は4.5〜8.0の間の値にすることを特徴とする方法。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法において、前記再湿潤化ステップは、前記製品の含水率が6〜16重量%の間の値又はその平衡値に対し4重量%以内になるように実施されることを特徴とする方法。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、前記再湿潤化ステップは、前記澱粉及び/又は穀粉の前記熱抑制処理が実施されてから3ヵ月以内に実施されることを特徴とする方法。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法において、前記熱抑制処理澱粉及び/又は熱抑制処理穀粉は、熱抑制処理されたコメ澱粉及び/又は熱抑制処理されたコメ粉、熱抑制処理されたコムギ澱粉及び/又は熱抑制処理されたコムギ粉、熱抑制処理されたトウモロコシ澱粉及び/又は熱抑制処理されたトウモロコシ粉、熱抑制処理されたバレイショ澱粉及び/又は熱抑制処理されたポテトフラワー、上述の澱粉及び/又は穀粉の任意のモチ種、並びに上述した澱粉及び/又は穀粉の任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする方法。
  14. 請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法において、前記原料は、熱抑制処理されたコメ澱粉、熱抑制処理されたモチゴメ澱粉、熱抑制処理されたコムギ澱粉、熱抑制処理されたモチコムギ澱粉、熱抑制処理されたトウモロコシ澱粉、熱抑制処理されたモチトウモロコシ澱粉、熱抑制処理されたバレイショ澱粉、熱抑制処理されたワキシーポテト澱粉、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される澱粉から基本的になることを特徴とする方法。
  15. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の方法において、前記原料のスラリー又は再湿潤化澱粉及び/若しくは再湿潤化穀粉を含む前記製品のスラリーが生成することになるスラリー化ステップを含まないことを特徴とする方法。
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