JP2004535439A - 活性なビタミンd類縁体を使用する悪性関連高カルシウム血症の治療方法 - Google Patents
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Abstract
悪性関連高カルシウム血症の治療のための活性ビタミンD類縁体の使用方法。その方法は高カルシウム血症を軽減し、血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルを低下するための有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物の適用を含む。
Description
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は1998年2月23日に出願された米国特許出願第09/596,149号(これは1996年12月30日に出願された米国特許出願第08/781,910号、現在の米国特許第5,763,429号の分割出願である)の一部継続出願であり、これらの全てが参考として本明細書に含まれる。
連邦支援研究又は開発に関する記載
適用し得ない
本発明は一般に悪性関連高カルシウム血症(MAH)の治療方法、特に、異常増殖性疾患を抑制することと関連する高カルシウム血症を軽減するためのビタミンDの活性形態の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過去20年間の広範な研究は骨及びミネラル代謝におけるその古典的役割とは別にしてビタミンDについての重要な生物学的役割を証明していた。ビタミンDのホルモン活性形態である1α,25-ジヒドロキシビタミンD3に特異性の核受容体は、カルシウムホメオスタシスに関係しない多様な器官からの細胞中に存在する。例えば、特異性の、生物活性のビタミンD受容体がヒト前立腺癌細胞系、LNCaP中で実証されていた(Millerら, 52 Cancer Res. (1992) 515-520)。ビタミンD受容体はまた多くのその他の腫瘍細胞、例えば、胸部の癌腫及び結腸の癌腫について記載されていた。
或る種のビタミンD化合物及び類縁体は悪性細胞増殖の強力なインヒビターであり、かつ細胞分化の誘導物質/刺激物質であることが報告されていた。例えば、Sudaらに発行された米国特許第4,391,802号は1α-ヒドロキシビタミンD化合物、特に1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及び1α-ヒドロキシビタミンD3が非悪性マクロファージ(単球)への悪性細胞(特に白血病細胞)の分化を誘発するために強力な抗白血病活性を有し、白血病の治療に有益であることを開示している。1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類縁体の抗増殖作用及び分化作用が癌細胞系に関して報告されていた。更に最近、ビタミンD受容体遺伝子多形と癌リスクの間の関連が報告されており、ビタミンD受容体が癌の発生、及び可能な治療に役割を有し得ることを示唆していた。
これらの先の研究は専らビタミンD3化合物に集中していた。たとえこれらの化合物が培養中の悪性細胞における分化を促進するのに実際に高度に有効であり得るとしても、抗癌剤としての分化治療におけるそれらの実用的な使用はカルシウム代謝に影響する薬剤としてのそれらの同等に高い効力のためにひどく制限される。例えば、抗白血病薬としての有効な使用についてin vivoで必要とされるレベルでは、これらの同化合物はそれらの固有のカルシウム血活性のために著しく上昇され、かつ潜在的に危険な血液カルシウムレベルを誘発し得る。即ち、抗癌剤としての1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類縁体の臨床使用は高カルシウム血症のリスクにより排除され、又はひどく制限される。
高カルシウム血症は頻繁に悪性(MAH)と関連し、しばしば罹患率の重大な寄与因子であり、悪性の臨床上の処置を複雑にする。副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)は副甲状腺ホルモン(PHT)に密接に関連し、PTHと同じ受容体だけでなく、その他の受容体に結合する。PTHrPはこのような高カルシウム血症の主たる原因物質の一つであり、悪性腫瘍により過剰生成される。1,25-ジヒドロキシビタミンD3は細胞中でPTHrP遺伝子の転写を抑制することが知られていたが、1,25-ジヒドロキシビタミンD3化合物それら自体が血清カルシウムレベルを増大する。それ故、一層大きい特異的活性及び作用の選択性を有する化合物、即ち、抗増殖効果及び分化効果を有するが、一層小さいカルシウム性活性を有するビタミンD化合物に対する要望が存する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は悪性関連高カルシウム血症(MAH)、例えば、異常増殖性細胞増殖及び/又は異常な細胞分化と関連する高カルシウム血症の治療方法を提供する。その方法は高カルシウム血症を治療し、血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルを低下するための活性ビタミンD化合物の使用を含む。
本発明の以上の利点、及びその他の利点が、その一局面においてヒト腫瘍細胞又は増殖細胞を有効量の分子の側鎖のC-24位で置換された炭化水素部分を有する低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物で治療することを特徴とする、上記細胞の異常増殖活性からの悪性関連高カルシウム血症の治療方法で実現される。治療工程はこのような細胞の増殖を抑制し、このような細胞中の分化を誘発し、増進することを含む。
本発明のヒドロキシビタミンD化合物は活性なビタミンDであり、以下に記載される式(I)により好適に表される。式(I)の好適な化合物として、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α-ヒドロキシビタミンD2及び1α-ヒドロキシビタミンD4が挙げられる。
毎日の基準で体重1kg当りで必要とする患者に本発明に従って投与し得る低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物の有効量又は治療量は0.01μg/kg/日から2.0μg/kg/日までの範囲である。
本発明の別の局面において、高カルシウム血症を患っている患者の血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルの低下は、これらの患者に有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物を投与して、血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルを低下することを特徴とする方法により達成される。
低カルシウム性ビタミンD化合物はまた乳癌、前立腺癌及び結腸癌だけでなく、その他の腫瘍、例えば、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞癌及び非小細胞癌(扁平上皮型、腺癌型及び大細胞型を含む)、頭部及び首の扁平上皮癌、膀胱癌、卵巣癌及び頸癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、肝臓腫瘍、髄様甲状腺癌、多発性ミエローマ、網膜芽腫並びに軟組織及び骨の肉腫、即ち、ビタミンD受容体を発現する腫瘍の治療に有益である。
本発明によれば、有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物がMAHを有する患者に投与される場合、同じ量の活性化ビタミンD3(例えば、1α-OH D3、1α,25-(OH)2D3)が既に知られている製剤中で投与された後に観察されるよりも有意に軽減された高カルシウム血症が観察される。こうして、本発明の化合物はビタミンD3類縁体の活性形態に対し改良された治療インデックスを有する。
【0004】
それ故、本発明の別の局面は悪性関連高カルシウム血症を患っている被験者に有効量の活性ビタミンD化合物(これは1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の結合アフィニティーに実質的に均等のビタミンD受容体(VDR)結合アフィニティーを有し、又はin vivoで代謝により得、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の高カルシウム血症リスクよりも実質的に低い高カルシウム血症リスクを有する)を投与して血清カルシウムレベルを標準化又は低下することを特徴とする悪性関連高カルシウム血症の治療方法である。
本発明の悪性関連高カルシウム血症及びその基礎となる悪性症状の治療のために、活性ビタミンDは医薬組成物中の活性成分として単独で好適に投与され、又は抗癌剤と同時投与される。
更に、細胞傷害薬又は抗癌剤と一緒の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与方法が本発明の範囲内に含まれる。このような薬剤として、好適には、抗代謝産物(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキセート、フルダラビン)、抗微小管薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン、例えば、パクリタキセル、ドデタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロファスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロソ尿素、ヒドロキシ尿素)、白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキシルビシン、ダウノルビシン)、抗生物質(例えば、ミトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、カンプトテシン)又はあらゆるその他の抗腫瘍薬(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン)が挙げられる。
種々の抗癌剤と組み合わせて使用される活性ビタミンD化合物は癌細胞に対する有意に増進された細胞傷害作用を生じることができ、こうして増大された治療効果を与えることが予想される。詳しくは、有意に増大された増殖抑制効果は薬物が単独で使用される治療養生と較べて低濃度の抗癌薬を使用して先に開示された組み合わせで得られるので、抗癌薬と関連する不利な副作用が多用量で単独で使用される抗癌薬で通常観察されるよりもかなり軽減される治療を与える潜在性がある。これらの同時投与される抗癌剤の可能な用量範囲は約0.1〜20mg/kg/日である。
また、ホルモン又はその他の薬剤、例えば、エストロゲン(これらは骨疾患又は障害を回復することが知られている)の投与と連係しての有効用量の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。例えば、前立腺癌はしばしば骨に転移し、骨損失及び関連する痛みを生じる。このような骨薬剤は結合エストロゲン又はそれらの均等物、カルシトニン、ビスホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素を含んでもよい。
別の局面において、本発明は活性低カルシウム性ビタミンD化合物である抗癌剤;(i)抗癌剤、(ii)骨薬剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた薬剤;並びに生理学上許される担体を含む医薬組成物である。
その他の利点並びに特定の適合、組成の変化、及び物理的属性の一層充分な理解が、特許請求の範囲と一緒にされて、下記の好ましい実施態様の詳細な説明の吟味後に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は高カルシウム血症、即ち、腫瘍性疾患及び異常増殖性疾患と関連する、生理学的ではない程に高くかつ有害な血液カルシウムレベルの有効な治療方法を提供する。特に、本発明は悪性疾患及び腫瘍性疾患の異常増殖性細胞活性と関連する高カルシウム血症を回復、又は軽減するだけでなく、疾患細胞の細胞分化を誘発し、増進し、又は促進するための治療方法に関する。本発明は活性な低カルシウム性ビタミンD化合物による異常増殖性疾患を患っている患者の新規な治療を提供する。活性ビタミンD類縁体はヒドロキシビタミンD化合物であることが好ましく、以下に記載される式(I)により好適に表される。活性ビタミンD類縁体はそれ自体で用量を制限する高カルシウム血症及び高カルシウム尿症を生じないで患者に提供され、実際に、悪性により生じた高カルシウム血症を軽減する。これらの属性は記載されたような低カルシウム性ビタミンD化合物の特定の化学的性質により得られる。
本発明によれば、有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物が悪性疾患を有する患者に投与される場合に、高カルシウム血症が軽減され、PTHrP血清レベルが低下され、異常な細胞の増殖活性が抑制され、低下され、又は安定化され、細胞分化が誘発され、促進され、又は増進される。こうして、本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物はビタミンD3類縁体の活性形態に対し改良された治療インデックスを有する。
【0006】
ビタミンD3はそれが活性化される前、即ち、それが生物学的応答を生じる前にC-1位及びC-25位でヒドロキシル化される必要があることが知られている。同様の代謝がビタミンDのその他の形態、例えば、ビタミンD2及びビタミンD4を活性化するのに必要とされることが明らかである。それ故、本明細書に使用される“活性化ビタミンD”又は“活性ビタミンD”という用語は分子の少なくともC-1位、C-24位又はC-25位でヒドロキシル化されたビタミンD化合物又は類縁体を表すことが意図され、化合物それ自体又はプロドラッグの場合にはその代謝産物、例えば、1α-ヒドロキシビタミンD2がビタミンD受容体(VDR)を結合する。例えば、“プロドラッグ”はC-1位でヒドロキシル化されているビタミンD化合物である。このような化合物はin vivoで更なるヒドロキシル化を受け、それらの代謝産物がVDRを結合する。
“低カルシウム性ビタミンD化合物”という用語は低カルシウム活性を示し、即ち、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のカルシウム活性に対し低いカルシウム活性を有する活性ビタミンD類縁体を表し、24-ヒドロキシビタミンD化合物、25-ヒドロキシビタミンD化合物及び1α-ヒドロキシビタミンD化合物が挙げられる。
また、本明細書に使用されるアルキル、アルケニル、アシル、又はシクロアルキルに関する修飾語としての“低級”という用語は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐、飽和又は不飽和炭化水素基を表すと意味される。このような炭化水素基の特別な例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、イソプロペニル、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はシクロプロピルである。“芳香族アシル”という用語は未置換又は置換ベンゾイル基を表すと意味される。
本明細書に使用される“炭化水素部分”という用語は低級アルキル、低級アルケニル、低級アシル基又は低級シクロアルキル、即ち、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和C1-C4炭化水素基を表す。
本発明の化合物は活性低カルシウム性ビタミンD化合物である。提供された活性ビタミンDはその化合物がC-24位に炭化水素部分、例えば、C-24位に低級アルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するようなものである。更に、本発明の活性ビタミンDは不飽和側鎖を有してもよく、例えば、C-22とC-23の間、C-25とC-26の間又はC-26とC-27の間に二重結合があることが好適である。
本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンDは式(I)
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、X2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよく、X3は水素又はヒドロキシルであり、但し、X1、X2及びX3の少なくとも一つがヒドロキシルであることを条件とし、かつYはYへの結合が二重結合である場合にはメチレン基であり、又はYへの結合が単結合である場合にはメチル基もしくは水素である)
に記載される一般式を有することが好適である。
式(I)の1α-ヒドロキシビタミンD化合物は一般式(II):
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、X2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよく、かつYはYへの結合が二重結合である場合にはメチレン基であり、又はYへの結合が単結合である場合にはメチル基もしくは水素である)
により特徴付けられる。
詳しくは、本発明の1α-ヒドロキシビタミンD化合物は一般式(III):
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、かつX2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよい)
により特徴付けられる。
本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物は有効な抗増殖かつ細胞分化活性(即ち、悪性形質転換の反転)を有するが、高カルシウム血症及び/又は高カルシウム尿症を生じる一層低い傾向又はそれらを生じ得ないことを有する化合物であり、即ち、それらは1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のカルシウム活性に対し低いカルシウム活性を有する低カルシウム性化合物である。換言すれば、本発明の化合物は悪性細胞又はその他の異常増殖性細胞に暴露された場合にそれらを抗増殖薬及び細胞分化薬として作用させる用量で投与でき、悪性と関連する高カルシウム血症を軽減し得る。作用のこの選択性及び特異性は低カルシウムビタミンD化合物を有益かつ好ましい抗高カルシウム血症薬にするだけでなく、異常増殖を安全に抑制し、悪性又は増殖性細胞分化を促進する。こうして、本発明の化合物は上記の既知の活性ビタミンD3化合物の欠点を解消し、悪性疾患、例えば、乳癌、前立腺癌、睾丸癌及び結腸癌だけでなく、その他の腫瘍、例えば、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞癌及び非小細胞癌(扁平上皮型、腺癌型及び大細胞型を含む)、頭部及び首の扁平上皮癌、膀胱癌、卵巣癌及び頸癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、肝臓腫瘍、髄様甲状腺癌、多発性ミエローマ、メラノーマ、網膜芽腫並びに軟組織及び骨の肉腫、即ち、ビタミンD受容体を発現する腫瘍の防除及び治療に好ましい薬剤と考えられる。
【0013】
本発明の好適な低カルシウム性ビタミンD化合物として、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α-ヒドロキシビタミンD2、及び1α-ヒドロキシビタミンD4が挙げられる。側鎖、例えば、C-24にキラル中心を有する式(I)の化合物の中で、両方のエピマー(例えば、R及びS)及びラセミ混合物が本発明の範囲内にあることが理解される。
こうして、本発明は悪性細胞と関連する高カルシウム血症を有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物で治療する方法を提供する。患者の体重1kg当りの毎日基準の有効投薬量は約0.01μg/kg/日から約2.0μg/kg/日までの範囲である。
【0014】
式(I)の化合物は、例えば、Knutsonらに発行された米国特許第5,488,120号、DeLucaらに発行された米国特許第4,670,190号及び同第4,554,106号、DeLucaらに発行された米国特許第5,486,636号、並びにStrugnellら, 310 Biochem. J. (1995) 233-241頁(これらの全てが参考として本明細書に含まれる)に記載されたようにして調製し得る。
式(I)の化合物の生物効力が研究され、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3、ビタミンDの活性ホルモン形態及び標準(これらに対して全てのビタミンD化合物及び類縁体が測定される)の生物効力と比較された。例えば、式(I)の化合物、又はそれらの活性代謝産物のビタミンD受容体(VDR)結合アフィニティーは、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のアフィニティーと実質的に等しい(即ち、等しいか、又は3倍まで弱い)ことがわかった。このような受容体結合アフィニティーは強力な生物活性の指標である。
同時に、式(I)の化合物はそれらの相当するビタミンD3類縁体よりも有意に小さい毒性であることがわかった。例えば、親の共同未決米国特許出願第08/265,438号(その開示が参考として本明細書に含まれる)では、1α-ヒドロキシビタミンD4に関するLD50は雄で1.0mg/kgであり、雌で3.0mg/kgであり、即ち、1α-ヒドロキシビタミンD3(LD50約0.2mg/kg)よりも実質的に小さい毒性であることがわかった。更に、親の米国特許第5,403,831号、及びその祖父の米国特許第5,104,864号(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)には、1α-ヒドロキシビタミンD2が1α-ヒドロキシビタミンD3及び1α,25-ジヒドロキシビタミンD3と同じ生物効力を有するが、毒性が極めて小さいことが示されていた。閉経期後の骨多孔症を有する婦人における1α-ヒドロキシビタミンD2の10μg/日までの用量でさえもがわずかに軽度の高カルシウム尿症を誘発し(U.Ca>300mg/24時間)、1α-ヒドロキシビタミンD2のみによる顕著な高カルシウム血症(S.Ca>11.0mg/dl)は明らかではなかった。更に、その化合物はクレアチニンクレアランス及びBUNにより測定して腎臓機能に悪影響しなかったし、またそれはヒドロキシプロリンの尿排泄を増大せず、骨吸収に関する刺激作用の不在を示した。8μg/日までの用量の1α-ヒドロキシビタミンD2の健康な成体の雄への投与は臨床上重大な高カルシウム血症又はその他の不利な作用を示さなかった。
本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物はビタミンD3の活性形態の既知の類縁体と較べて低減された副作用及び低毒性を有する医薬組成物中の活性成分として有益である。
【0015】
本発明の薬理学上活性な化合物は患者、例えば、ヒトを含む哺乳類への投与のための医薬を製造するための製薬の通常の方法に従って加工し得る。例えば、低カルシウム性ビタミンD化合物は通常の賦形剤、例えば、腸内(例えば、経口)、非経口、又は局所の適用に適した医薬上許される担体物質(これらは活性化合物と有害に反応しない)と混合して使用し得る。
好適な医薬上許される担体として、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油(例えば、アーモンド油、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油)、鉱油、魚肝油、油状エステル、例えば、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロース又は澱粉)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠なパラフィン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬製剤は滅菌でき、所望により、助剤、例えば、滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響するための塩、緩衝剤、着色剤、矯味矯臭薬及び/又は一種以上のその他の活性化合物、例えば、ビタミンD3及びその1α-ヒドロキシル化代謝産物、結合エストロゲン又はそれらの均等物、抗エストロゲン、カルシトニン、ビホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素と混合し得る。
非経口適用について、注射可能な、無菌溶液、好ましくは油状溶液もしくは水溶液だけでなく、懸濁液、エマルション、又は座薬を含む、移植片が特に好適である。非経口投与として、好適には、皮下、筋肉内、もしくは静脈内の注射、鼻咽頭もしくは粘膜吸収、又は経皮吸収が挙げられる。アンプルが都合のよい単位投薬である。
【0016】
腸内適用について、錠剤、糖剤、液体、ドロップ、座薬、ロゼンジ、粉末、又はカプセルが特に適している。甘味料入りのビヒクルが所望される場合、シロップ、エリキシル剤等が使用し得る。
局所適用について、局所適用と適合性であり、好ましくは水より大きい動的粘度を有する担体、例えば、鉱油、アーモンド油、自己乳化性蜜蝋、植物油、白色軟質パラフィン、及びプロピレングリコールを含む好適な非噴霧性の粘稠な、半固体形態又は固体形態が使用し得る。好適な製剤として、クリーム、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、エマルション、粉末、リニメント、軟膏、エアゾール、経皮パッチ等が挙げられるが、これらに限定されず、これらは、所望により、滅菌され、又は助剤、例えば、防腐剤、安定剤、解乳化剤、湿潤剤等と混合される。本発明のクリーム製剤は、例えば、水、アーモンド油、鉱油、及び自己乳化性蜜蝋の混合物を含むことが好適であり、軟膏製剤は、例えば、アーモンド油及び白色軟質パラフィンを含むことが好適であり、またローション製剤は、例えば、乾燥プロピレングリコールを含むことが好適である。
皮膚疾患の治療に有益な本発明の化合物の局所製剤はまた上皮化誘発剤、例えば、レチノイド(例えば、ビタミンA)、クロマノール、例えば、ビタミンE、β-アゴニスト、例えば、イソプロテレノール又は環状アデノシンモノホスフェート(cAMP)、抗炎症薬、例えば、コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾンもしくはそのアセテート、又はデキサメタゾン)及び角膜移植剤、例えば、コールタール又はアントラリンを含んでもよい。このような薬剤の有効量は、例えば、ビタミンA、組成物の約0.003〜約0.3重量%;ビタミンE、約0.1〜約10%;イソプロテレノール、約0.1〜約2%;cAMP、約0.1〜約1%;ヒドロコルチゾン、約0.25〜約5%;コールタール、約0.1〜約20%;及びアントラリン約0.05〜約2%である。
直腸投与について、化合物は座薬ベース、例えば、カカオ油又はその他のトリグリセリドを含む医薬組成物に形成される。貯蔵寿命を延長するために、組成物は酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール又はヒドロキノンを含むことが有利である。
【0017】
悪性と関連する高カルシウム血症の治療について、本発明の医薬組成物の経口投与が好ましい。一般に、本発明の化合物は単位投薬当り医薬上許される担体中に約0.5μg〜約25μgを含む単位投薬形態により分配される。本発明の化合物の用量は一般に約10μg〜200μg/日である。
皮膚疾患の局所治療について、局所組成物中の本発明の化合物の用量は一般に組成物1g当り約0.01μg〜約50μgである。皮膚癌の治療について、局所適用される組成物中の低カルシウム性ビタミンD化合物の用量は組成物1g当り約0.01μg〜100μgである。
本発明の低カルシウム性化合物の投薬はまたエピソード基準で行なわれてもよく、この場合、一層多い用量、一般に2〜7日毎に1回与えられる約20μg〜約200μgが使用し得ることが注目される。投薬は単一投薬又は2〜5回の細投薬の分けられた投薬として与えられ、細投薬は全投薬が服用されるまで、例えば、1時間毎に1回与えられる。
当業者は良好な医療慣例及び個々の患者の臨床状態により決められるような有効用量及び同時投与養生を容易に最適化するであろう。投与の様式にもかかわらず、特別な場合の活性化合物の実際の好ましい量は使用される特定の化合物の効力、製剤化される特別な組成物、適用の様式、並びに治療される特別な部位及び生体に応じて変化することが認められるであろう。例えば、特別な患者に特別な用量は年齢、体重、健康の全般状態、食事、投与の時期及び様式、排泄の速度、及び組み合わせて使用される薬物並びに治療が適用される特別な疾患の重度に依存する。所定の宿主に関する用量は通常の考慮を使用して、例えば、主題化合物及び既知の薬剤の差別活性の通例の比較により、例えば、適当な通常の薬理学的プロトコルにより決められる。
更に、抗癌剤、例えば、細胞傷害薬と一緒の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。このような薬剤として、好適には、抗代謝産物(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキセート、フルダラビン)、抗微小管薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン、例えば、パクリタキセル、ドデタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロファスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロソ尿素、ヒドロキシ尿素)、白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキシルビシン、ダウノルビシン)、抗生物質(例えば、ミトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、カンプトテシン)又はあらゆるその他の抗腫瘍薬(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン)が挙げられる。種々の抗癌剤と組み合わせて使用される低カルシウム性ビタミンD化合物は癌細胞に対する有意に増進された細胞傷害作用を生じることができ、こうして増大された治療効果を与えることが予想される。詳しくは、有意に増大された増殖抑制効果は薬物が単独で使用される治療養生と較べて低濃度の抗癌薬を使用して先に開示された組み合わせで得られるので、抗癌薬と関連する不利な副作用が多用量で単独で使用される抗癌薬で通常観察されるよりもかなり軽減される治療を与える潜在性がある。これらの同時投与される抗癌剤の可能な用量範囲は約0.1〜20mg/kg/日である。
【0018】
“同時投与”という用語は2種以上の薬剤が患者又は被験者に投与されるあらゆる投与経路を表すことを意味する。例えば、薬剤は一緒に、又は互いに前後に投与されてもよい。薬剤は異なる経路により投与されてもよく、例えば、一種の薬剤が静脈内投与されてもよく、一方、第二薬剤が筋肉内、静脈内又は経口で投与される。薬剤は、それらが両方の薬剤が生体中で有効濃度を得ることを可能にするのに充分な様式で与えられる限り、同時又は逐次投与されてもよい。薬剤はまた、例えば、単一錠剤中のように、混合物であってもよい。逐次投与において、一種の薬剤が他の薬剤の投与に直接追随してもよく、又は薬剤がエピソード的に与えられてもよく、即ち、一種が一度に与えられてもよく、続いて別の薬剤が後の時期に、典型的には1週間以内に与えられてもよい。好適な同時投与養生の例は低カルシウム性ビタミンD化合物が細胞傷害薬の投与の0.5〜7日前に投与される場合である。
また、ホルモン又はその他の薬剤、例えば、エストロゲン(これらは骨疾患又は障害を回復することが知られている)の投与と連係しての有効用量の式(I)の類縁体の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。上記のように、前立腺癌はしばしば骨に転移し、骨損失及び関連する痛みを生じる。このような骨薬剤は結合エストロゲン又はそれらの均等物、カルシトニン、ビスホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素を含んでもよい。これらの骨薬剤はまた抗高カルシウム血効果を有し、悪性関連高カルシウム血症の治療を増進し得ることが意図されている。これらの同時投与される骨薬剤に可能な用量範囲が表1に示される。
【0019】
表1
【0020】
抗エストロゲン、例えば、タモキシフェンTMがまた既知の骨薬剤であり、本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物と一緒に好適に使用し得る。
本発明が下記の実施例により更に説明され、これらは本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【実施例】
【0021】
VDR結合分析
実施例1:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
インクスター(スチルウォーター、ミネソタ)からのウシ胸腺VDR及び標準1,25-(OH)2-D3溶液の市販のキットを使用して、哺乳類ビタミンD受容体(VDR)に対する1α,24-(OH)2D2のアフィニティーを評価した。化学合成された1α,24-(OH)2D2の最大の半分の結合は約150pg/mlであり、一方、1α,25-(OH)2D3のそれは80pg/mlであった。こうして、1α,24-(OH)2D2は1α,25-(OH)2D3と非常に似たウシ胸腺VDRに対するアフィニティーを有し、1α,24-(OH)2D2が強力な生物活性を有することを示した。
実施例2:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
1α,24-(OH)2D4のVDRアフィニティー結合を調べた。1α,24-(OH)2D4をビタミンD受容体及び放射能標識トレーサー1α,25-(OH)2D3とともにインキュベートした。インキュベーション後に、受容体に結合された放射能の量を測定し、未標識及び標識1α,25-(OH)2D3の同時インキュベーション後に結合された量と比較した。1α,24-(OH)2D4の50pg/管が約20pgの1α,25-(OH)2D3に等しいことがわかった。
これらの結果は1α,24-(OH)2D4が1α,25-(OH)2D3よりもビタミンD受容体にわずかに少なくしっかりと結合することを示す。このようなデータは1α,24-(OH)2D4がVDRに対する高いアフィニティー及び1α,25-(OH)2D3と同様の、有意な生物活性を有することを意味する。これらのデータは1α,24-(OH)2D4が1α,25-(OH)2D3よりもごくわずかに小さい活性であることを実証する1α,24-(OH)2D4を用いて行なわれた遺伝子発現研究(以下に記載される)と一致する。
これらの結果は従来技術から見て驚くべきであり、予期されない。それらはビタミンD4化合物の生物活性の非常に低い程度に関するビタミンD技術における通常の知見とは逆である。
【0022】
実施例3:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 136 Endocrinology (1995)20-26(これは参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、前立腺細胞によるビタミンD化合物のVDR結合を実証する。前立腺由来細胞系を集密付近まで培養し、洗浄し、こすり落としにより回収した。細胞を遠心分離により洗浄し、細胞ペレットをプロテアーゼインヒビターを含む食塩加緩衝液中で再懸濁させた。細胞を氷の上で冷却しながら音波処理により分断した。分断した細胞を35分間にわたって4ECで207,000xgで遠心分離することにより得られた上澄みを結合についてアッセイする。可溶性抽出物200TL(上澄み1ml当り1-2mgのタンパク質)を16-20時間にわたって4ECで1nMの3H-1α,25-(OH)2D3及び次第に増大する濃度の1α,24-(OH)2-D2(0.01-100nM)とともにインキュベートする。結合ホルモン及び遊離ホルモンを通常の操作を使用してヒドロキシルアパタイトで分離する。特異的結合を測定された全結合から250倍過剰の非放射性1α,25-(OH)2D3の存在下で得られた非特異的結合を引くことにより計算する。結果は1α,24-(OH)2D2が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,24-(OH)2D2が前立腺細胞に関して強力な生物活性を有することを示す。
実施例4:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D4を使用して実施例3の操作を繰り返して、特異的結合を測定する。結果は1α,24-(OH)2D4が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,24-(OH)2D4が前立腺細胞に対する強力な生物活性を有することを示す。
実施例5:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,25-(OH)2D4を使用して実施例3の操作を繰り返して、特異的結合を測定する。結果は1α,25-(OH)2D4が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,25-(OH)2D4が前立腺細胞に対する強力な生物活性を有することを示す。
遺伝子発現
実施例6:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
ビタミンD応答性要素(VDRE)の制御下に、プラスミドp(CT4)4TKGH、ビタミンD受容体(VDR)発現プラスミド、及びpSG5-hVDR1/3、成長ホルモン(GH)遺伝子を含むプラスミドを使用して、実験を行なって1α,25-(OH)2D3の能力と比較してリポーター遺伝子として作用するビタミンD依存性成長ホルモンを誘発する1α,24-(OH)2D4の能力を研究した。培養中の細胞をこれらの2種のプラスミドでトランスフェクトした。一種のプラスミドはビタミンD応答性要素(VDRE)の制御下の成長ホルモン(GH)の遺伝子を含み、別のプラスミドはビタミンD受容体(VDR)の構造遺伝子を含んでいた。これらのトランスフェクトされた培養物を1α,24-(OH)2D4又は1α,25-(OH)2D3とともにインキュベートし、成長ホルモンの生成を測定した。下記の表2はこのアッセイの結果を示す。
【0023】
表2
【0024】
これらのデータはビタミンD依存性成長ホルモンを刺激する1α,24-(OH)2D4の能力が1α,25-(OH)2D3の能力にほぼ等しいことを示す。このような結果は真に驚くべきであり、従来技術の教示に従うことにより予想されなかったであろう。
実施例7:1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2及び1α,24(R)-ジヒドロキシビタミンD2
〔1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2〕
実施例6に記載された遺伝子発現研究を行なって化学合成された1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2のin vitroの生物活性を1α,25-(OH)2D3及び25-OH-D3と比較した。ビタミンD依存性転写活性化モデル系を使用し、この系ではプラスミドpSG5-hVDR1/3及びp(CT4)4TKGHがグリーンサル腎臓、COS-1細胞に同時トランスフェクトされた。
トランスフェクトされた細胞をビタミンD代謝産物とともにインキュベートし、成長ホルモン生成を測定した。表3に示されるように、1α,24(S)-(OH)2D2及びそのエピマー、1α,24(R)-(OH)2D2の両方はこの系中で25-OH-D3よりも有意に大きい活性を有し、1α,24(S)-(OH)2D2は1α,25-(OH)2D3とほぼ同じ活性を有していた。
【0025】
表3 トランスフェクトされたCOS-1細胞中のビタミンD誘導成長ホルモン生成
【0026】
*二重測定の平均
細胞増殖の抑制
実施例8:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 132 Endocrinology (1993) 1952-1960及び136 Endocrinology (1995) 20-26(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、細胞増殖の抑制を実証する。細胞系、LNCaP及びPC-3(これらはヒト前立腺癌に由来する)を約50,000細胞/プレートの密度で6ウェル組織培養プレートに接種する。細胞が付着し、安定化した後(約2-3日)、培地に10-11M〜10-7Mの濃度のビヒクル又は活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D2を含む培地を補給する。試験類縁体又はビヒクルを含む培地を3日毎に交換する。6-7日後に、培地を除去し、細胞をすすぎ、冷たい5%トリクロロ酢酸で沈殿させ、冷エタノールで洗浄する。細胞を0.2N水酸化ナトリウムで可溶化し、DNAの量を通常の操作により測定する。結果は本発明に従って1α,24-(OH)2D2とともにインキュベートされた培養物が対照培養物よりも有意に少ない細胞を有することを示す。
実施例9:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D4を使用して実施例8の操作を繰り返して、細胞数を測定する。1α,24-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物は対照培養物よりも有意に少ない細胞を有する。
実施例10:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,25-(OH)2D4を使用して実施例8の操作を繰り返して、細胞数を測定する。1α,25-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物は対照培養物よりも有意に少ない細胞を有する。
【0027】
細胞分化の刺激
実施例11:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 132 Endocrinology (1993) 1952-1960及び136 Endocrinology (1995) 20-26(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、細胞系、LNCaP(これはヒト転移性前立腺癌に由来し、PSAを発現することが知られている)の細胞を約50,000細胞/プレートの密度で6ウェル組織培養プレートに接種する。細胞が付着し、安定化した後(約2-3日)、培地に10-11M〜10-7Mの濃度のビヒクル又は活性ビタミンD類縁体、1α,24-(OH)2D2を含む培地を補給する。6-7日後に、培地を除去し、前立腺特異性抗原(PSA)分析のために-20ECで貯蔵する。
平行培養物からの細胞をすすぎ、沈殿させ、DNAの量を通常の操作により測定する。PSAを通常の既知の方法により測定する。1α,24-(OH)2D2とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
実施例12:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体が1α,24-(OH)2D4である以外は、実施例12の操作を繰り返す。PSAを測定し、1α,24-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
実施例13:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体が1α,25-(OH)2D4である以外は、実施例12の操作を繰り返す。PSAを測定し、1α,25-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
【0028】
臨床研究
実施例14:MAHの一般的な治療
悪性関連高カルシウム血症を有する患者が本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物の開放ラベル研究に参加する。患者を約400-500mgの毎日のカルシウム摂取に制限する。また、夫々の患者に通常の摂取よりも多い液体の4-6杯を飲むように依頼して適切な口の水和を確実にする。
夫々の被験者を(1)高カルシウム血症、血清PTHrPレベル、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症、高リン酸塩尿症及びその他の毒性、(2)転移性疾患の進行の変化の証拠、及び(3)規定された試験薬物用量とのコンプライアンスについて規則的な間隔で監視する。
投薬養生は典型的には10週間にわたって毎日10μg又は20μg〜約100μg/日の毎日の用量基準である。また、非毎日の投薬養生、例えば、隔日に与えられる40μg、週1度与えられる100μgが使用し得る。投与の経路は経口から静脈内まで、また位置送出(例えば、門脈を介する、動脈注入)まで変化し得る。勿論、経口が最も容易かつ最もコスト有効な経路である。位置送出は高用量を可能にし、一般に高カルシウム血症の発生を回避する。しかし、本発明の化合物の場合、その化合物は実質的に低カルシウム性である。
治療期間後に、転移性疾患の進行を評価するのに使用したCAT、スキャン、X線及び骨スキャンが低用量で治療された多くの患者で安定な疾患又は部分緩解、そして高用量で治療された多くの患者で安定な疾患及び部分又は完全緩解を示す。血清カルシウムレベルは正常の範囲であり、PTHrPの血清レベルが低下される。
【0029】
実施例15:1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24(S)-(OH)2D2〕を使用するMAHの治療
1α,24-(OH)2D2を使用して、実施例14の操作を行なう。結果は正常な範囲の血清カルシウムレベル及び低下されたPTHrPの血清レベルを示す。
実施例16:1α-ヒドロキシビタミンD2〔1α-OH-D2〕を使用するMAHの治療
1α-OH-D2を使用して、実施例14の操作を行なう。結果は正常な範囲の血清カルシウム及び低下された血清PTHrPレベルを示す。
本発明が今或る種の特異性でもって記載され、例示されたが、当業者は変化、付加、及び省略を含む、種々の改良(これらは記載されたものになされてもよい)を認めるであろう。それ故、これらの改良はまた本発明により含まれること及び本発明の範囲は特許請求の範囲と法律上一致した最も広い解釈のみにより限定されることが意図されている。
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は1998年2月23日に出願された米国特許出願第09/596,149号(これは1996年12月30日に出願された米国特許出願第08/781,910号、現在の米国特許第5,763,429号の分割出願である)の一部継続出願であり、これらの全てが参考として本明細書に含まれる。
連邦支援研究又は開発に関する記載
適用し得ない
本発明は一般に悪性関連高カルシウム血症(MAH)の治療方法、特に、異常増殖性疾患を抑制することと関連する高カルシウム血症を軽減するためのビタミンDの活性形態の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過去20年間の広範な研究は骨及びミネラル代謝におけるその古典的役割とは別にしてビタミンDについての重要な生物学的役割を証明していた。ビタミンDのホルモン活性形態である1α,25-ジヒドロキシビタミンD3に特異性の核受容体は、カルシウムホメオスタシスに関係しない多様な器官からの細胞中に存在する。例えば、特異性の、生物活性のビタミンD受容体がヒト前立腺癌細胞系、LNCaP中で実証されていた(Millerら, 52 Cancer Res. (1992) 515-520)。ビタミンD受容体はまた多くのその他の腫瘍細胞、例えば、胸部の癌腫及び結腸の癌腫について記載されていた。
或る種のビタミンD化合物及び類縁体は悪性細胞増殖の強力なインヒビターであり、かつ細胞分化の誘導物質/刺激物質であることが報告されていた。例えば、Sudaらに発行された米国特許第4,391,802号は1α-ヒドロキシビタミンD化合物、特に1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及び1α-ヒドロキシビタミンD3が非悪性マクロファージ(単球)への悪性細胞(特に白血病細胞)の分化を誘発するために強力な抗白血病活性を有し、白血病の治療に有益であることを開示している。1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類縁体の抗増殖作用及び分化作用が癌細胞系に関して報告されていた。更に最近、ビタミンD受容体遺伝子多形と癌リスクの間の関連が報告されており、ビタミンD受容体が癌の発生、及び可能な治療に役割を有し得ることを示唆していた。
これらの先の研究は専らビタミンD3化合物に集中していた。たとえこれらの化合物が培養中の悪性細胞における分化を促進するのに実際に高度に有効であり得るとしても、抗癌剤としての分化治療におけるそれらの実用的な使用はカルシウム代謝に影響する薬剤としてのそれらの同等に高い効力のためにひどく制限される。例えば、抗白血病薬としての有効な使用についてin vivoで必要とされるレベルでは、これらの同化合物はそれらの固有のカルシウム血活性のために著しく上昇され、かつ潜在的に危険な血液カルシウムレベルを誘発し得る。即ち、抗癌剤としての1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類縁体の臨床使用は高カルシウム血症のリスクにより排除され、又はひどく制限される。
高カルシウム血症は頻繁に悪性(MAH)と関連し、しばしば罹患率の重大な寄与因子であり、悪性の臨床上の処置を複雑にする。副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)は副甲状腺ホルモン(PHT)に密接に関連し、PTHと同じ受容体だけでなく、その他の受容体に結合する。PTHrPはこのような高カルシウム血症の主たる原因物質の一つであり、悪性腫瘍により過剰生成される。1,25-ジヒドロキシビタミンD3は細胞中でPTHrP遺伝子の転写を抑制することが知られていたが、1,25-ジヒドロキシビタミンD3化合物それら自体が血清カルシウムレベルを増大する。それ故、一層大きい特異的活性及び作用の選択性を有する化合物、即ち、抗増殖効果及び分化効果を有するが、一層小さいカルシウム性活性を有するビタミンD化合物に対する要望が存する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は悪性関連高カルシウム血症(MAH)、例えば、異常増殖性細胞増殖及び/又は異常な細胞分化と関連する高カルシウム血症の治療方法を提供する。その方法は高カルシウム血症を治療し、血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルを低下するための活性ビタミンD化合物の使用を含む。
本発明の以上の利点、及びその他の利点が、その一局面においてヒト腫瘍細胞又は増殖細胞を有効量の分子の側鎖のC-24位で置換された炭化水素部分を有する低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物で治療することを特徴とする、上記細胞の異常増殖活性からの悪性関連高カルシウム血症の治療方法で実現される。治療工程はこのような細胞の増殖を抑制し、このような細胞中の分化を誘発し、増進することを含む。
本発明のヒドロキシビタミンD化合物は活性なビタミンDであり、以下に記載される式(I)により好適に表される。式(I)の好適な化合物として、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α-ヒドロキシビタミンD2及び1α-ヒドロキシビタミンD4が挙げられる。
毎日の基準で体重1kg当りで必要とする患者に本発明に従って投与し得る低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物の有効量又は治療量は0.01μg/kg/日から2.0μg/kg/日までの範囲である。
本発明の別の局面において、高カルシウム血症を患っている患者の血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルの低下は、これらの患者に有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物を投与して、血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)レベルを低下することを特徴とする方法により達成される。
低カルシウム性ビタミンD化合物はまた乳癌、前立腺癌及び結腸癌だけでなく、その他の腫瘍、例えば、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞癌及び非小細胞癌(扁平上皮型、腺癌型及び大細胞型を含む)、頭部及び首の扁平上皮癌、膀胱癌、卵巣癌及び頸癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、肝臓腫瘍、髄様甲状腺癌、多発性ミエローマ、網膜芽腫並びに軟組織及び骨の肉腫、即ち、ビタミンD受容体を発現する腫瘍の治療に有益である。
本発明によれば、有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物がMAHを有する患者に投与される場合、同じ量の活性化ビタミンD3(例えば、1α-OH D3、1α,25-(OH)2D3)が既に知られている製剤中で投与された後に観察されるよりも有意に軽減された高カルシウム血症が観察される。こうして、本発明の化合物はビタミンD3類縁体の活性形態に対し改良された治療インデックスを有する。
【0004】
それ故、本発明の別の局面は悪性関連高カルシウム血症を患っている被験者に有効量の活性ビタミンD化合物(これは1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の結合アフィニティーに実質的に均等のビタミンD受容体(VDR)結合アフィニティーを有し、又はin vivoで代謝により得、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の高カルシウム血症リスクよりも実質的に低い高カルシウム血症リスクを有する)を投与して血清カルシウムレベルを標準化又は低下することを特徴とする悪性関連高カルシウム血症の治療方法である。
本発明の悪性関連高カルシウム血症及びその基礎となる悪性症状の治療のために、活性ビタミンDは医薬組成物中の活性成分として単独で好適に投与され、又は抗癌剤と同時投与される。
更に、細胞傷害薬又は抗癌剤と一緒の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与方法が本発明の範囲内に含まれる。このような薬剤として、好適には、抗代謝産物(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキセート、フルダラビン)、抗微小管薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン、例えば、パクリタキセル、ドデタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロファスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロソ尿素、ヒドロキシ尿素)、白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキシルビシン、ダウノルビシン)、抗生物質(例えば、ミトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、カンプトテシン)又はあらゆるその他の抗腫瘍薬(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン)が挙げられる。
種々の抗癌剤と組み合わせて使用される活性ビタミンD化合物は癌細胞に対する有意に増進された細胞傷害作用を生じることができ、こうして増大された治療効果を与えることが予想される。詳しくは、有意に増大された増殖抑制効果は薬物が単独で使用される治療養生と較べて低濃度の抗癌薬を使用して先に開示された組み合わせで得られるので、抗癌薬と関連する不利な副作用が多用量で単独で使用される抗癌薬で通常観察されるよりもかなり軽減される治療を与える潜在性がある。これらの同時投与される抗癌剤の可能な用量範囲は約0.1〜20mg/kg/日である。
また、ホルモン又はその他の薬剤、例えば、エストロゲン(これらは骨疾患又は障害を回復することが知られている)の投与と連係しての有効用量の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。例えば、前立腺癌はしばしば骨に転移し、骨損失及び関連する痛みを生じる。このような骨薬剤は結合エストロゲン又はそれらの均等物、カルシトニン、ビスホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素を含んでもよい。
別の局面において、本発明は活性低カルシウム性ビタミンD化合物である抗癌剤;(i)抗癌剤、(ii)骨薬剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた薬剤;並びに生理学上許される担体を含む医薬組成物である。
その他の利点並びに特定の適合、組成の変化、及び物理的属性の一層充分な理解が、特許請求の範囲と一緒にされて、下記の好ましい実施態様の詳細な説明の吟味後に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は高カルシウム血症、即ち、腫瘍性疾患及び異常増殖性疾患と関連する、生理学的ではない程に高くかつ有害な血液カルシウムレベルの有効な治療方法を提供する。特に、本発明は悪性疾患及び腫瘍性疾患の異常増殖性細胞活性と関連する高カルシウム血症を回復、又は軽減するだけでなく、疾患細胞の細胞分化を誘発し、増進し、又は促進するための治療方法に関する。本発明は活性な低カルシウム性ビタミンD化合物による異常増殖性疾患を患っている患者の新規な治療を提供する。活性ビタミンD類縁体はヒドロキシビタミンD化合物であることが好ましく、以下に記載される式(I)により好適に表される。活性ビタミンD類縁体はそれ自体で用量を制限する高カルシウム血症及び高カルシウム尿症を生じないで患者に提供され、実際に、悪性により生じた高カルシウム血症を軽減する。これらの属性は記載されたような低カルシウム性ビタミンD化合物の特定の化学的性質により得られる。
本発明によれば、有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物が悪性疾患を有する患者に投与される場合に、高カルシウム血症が軽減され、PTHrP血清レベルが低下され、異常な細胞の増殖活性が抑制され、低下され、又は安定化され、細胞分化が誘発され、促進され、又は増進される。こうして、本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物はビタミンD3類縁体の活性形態に対し改良された治療インデックスを有する。
【0006】
ビタミンD3はそれが活性化される前、即ち、それが生物学的応答を生じる前にC-1位及びC-25位でヒドロキシル化される必要があることが知られている。同様の代謝がビタミンDのその他の形態、例えば、ビタミンD2及びビタミンD4を活性化するのに必要とされることが明らかである。それ故、本明細書に使用される“活性化ビタミンD”又は“活性ビタミンD”という用語は分子の少なくともC-1位、C-24位又はC-25位でヒドロキシル化されたビタミンD化合物又は類縁体を表すことが意図され、化合物それ自体又はプロドラッグの場合にはその代謝産物、例えば、1α-ヒドロキシビタミンD2がビタミンD受容体(VDR)を結合する。例えば、“プロドラッグ”はC-1位でヒドロキシル化されているビタミンD化合物である。このような化合物はin vivoで更なるヒドロキシル化を受け、それらの代謝産物がVDRを結合する。
“低カルシウム性ビタミンD化合物”という用語は低カルシウム活性を示し、即ち、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のカルシウム活性に対し低いカルシウム活性を有する活性ビタミンD類縁体を表し、24-ヒドロキシビタミンD化合物、25-ヒドロキシビタミンD化合物及び1α-ヒドロキシビタミンD化合物が挙げられる。
また、本明細書に使用されるアルキル、アルケニル、アシル、又はシクロアルキルに関する修飾語としての“低級”という用語は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐、飽和又は不飽和炭化水素基を表すと意味される。このような炭化水素基の特別な例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、イソプロペニル、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はシクロプロピルである。“芳香族アシル”という用語は未置換又は置換ベンゾイル基を表すと意味される。
本明細書に使用される“炭化水素部分”という用語は低級アルキル、低級アルケニル、低級アシル基又は低級シクロアルキル、即ち、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和C1-C4炭化水素基を表す。
本発明の化合物は活性低カルシウム性ビタミンD化合物である。提供された活性ビタミンDはその化合物がC-24位に炭化水素部分、例えば、C-24位に低級アルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するようなものである。更に、本発明の活性ビタミンDは不飽和側鎖を有してもよく、例えば、C-22とC-23の間、C-25とC-26の間又はC-26とC-27の間に二重結合があることが好適である。
本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンDは式(I)
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、X2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよく、X3は水素又はヒドロキシルであり、但し、X1、X2及びX3の少なくとも一つがヒドロキシルであることを条件とし、かつYはYへの結合が二重結合である場合にはメチレン基であり、又はYへの結合が単結合である場合にはメチル基もしくは水素である)
に記載される一般式を有することが好適である。
式(I)の1α-ヒドロキシビタミンD化合物は一般式(II):
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、X2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよく、かつYはYへの結合が二重結合である場合にはメチレン基であり、又はYへの結合が単結合である場合にはメチル基もしくは水素である)
により特徴付けられる。
詳しくは、本発明の1α-ヒドロキシビタミンD化合物は一般式(III):
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、A1及びA2は夫々水素又は炭素-炭素結合であり、こうしてC-22とC-23の間に二重結合を形成し、R1及びR2は同じであり、又は異なり、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、O-低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル、低級シクロアルキルであり、但し、R1及びR2が両方ともアルケニル基であってはならないことを条件とし、又はそれらが結合されている炭素と一緒にされて、C3-C8環式炭素環を形成し、R3は低級アルキル、低級アルケニル、低級フルオロアルキル、低級フルオロアルケニル、O-低級アルキル、O-低級アルケニル、O-低級アシル、O-芳香族アシル又は低級シクロアルキルであり、X1は水素又はヒドロキシルであり、かつX2は水素もしくはヒドロキシルであり、又はR1もしくはR2と一緒にされて、二重結合を構成してもよい)
により特徴付けられる。
本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物は有効な抗増殖かつ細胞分化活性(即ち、悪性形質転換の反転)を有するが、高カルシウム血症及び/又は高カルシウム尿症を生じる一層低い傾向又はそれらを生じ得ないことを有する化合物であり、即ち、それらは1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のカルシウム活性に対し低いカルシウム活性を有する低カルシウム性化合物である。換言すれば、本発明の化合物は悪性細胞又はその他の異常増殖性細胞に暴露された場合にそれらを抗増殖薬及び細胞分化薬として作用させる用量で投与でき、悪性と関連する高カルシウム血症を軽減し得る。作用のこの選択性及び特異性は低カルシウムビタミンD化合物を有益かつ好ましい抗高カルシウム血症薬にするだけでなく、異常増殖を安全に抑制し、悪性又は増殖性細胞分化を促進する。こうして、本発明の化合物は上記の既知の活性ビタミンD3化合物の欠点を解消し、悪性疾患、例えば、乳癌、前立腺癌、睾丸癌及び結腸癌だけでなく、その他の腫瘍、例えば、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞癌及び非小細胞癌(扁平上皮型、腺癌型及び大細胞型を含む)、頭部及び首の扁平上皮癌、膀胱癌、卵巣癌及び頸癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、肝臓腫瘍、髄様甲状腺癌、多発性ミエローマ、メラノーマ、網膜芽腫並びに軟組織及び骨の肉腫、即ち、ビタミンD受容体を発現する腫瘍の防除及び治療に好ましい薬剤と考えられる。
【0013】
本発明の好適な低カルシウム性ビタミンD化合物として、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α-ヒドロキシビタミンD2、及び1α-ヒドロキシビタミンD4が挙げられる。側鎖、例えば、C-24にキラル中心を有する式(I)の化合物の中で、両方のエピマー(例えば、R及びS)及びラセミ混合物が本発明の範囲内にあることが理解される。
こうして、本発明は悪性細胞と関連する高カルシウム血症を有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物で治療する方法を提供する。患者の体重1kg当りの毎日基準の有効投薬量は約0.01μg/kg/日から約2.0μg/kg/日までの範囲である。
【0014】
式(I)の化合物は、例えば、Knutsonらに発行された米国特許第5,488,120号、DeLucaらに発行された米国特許第4,670,190号及び同第4,554,106号、DeLucaらに発行された米国特許第5,486,636号、並びにStrugnellら, 310 Biochem. J. (1995) 233-241頁(これらの全てが参考として本明細書に含まれる)に記載されたようにして調製し得る。
式(I)の化合物の生物効力が研究され、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3、ビタミンDの活性ホルモン形態及び標準(これらに対して全てのビタミンD化合物及び類縁体が測定される)の生物効力と比較された。例えば、式(I)の化合物、又はそれらの活性代謝産物のビタミンD受容体(VDR)結合アフィニティーは、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3のアフィニティーと実質的に等しい(即ち、等しいか、又は3倍まで弱い)ことがわかった。このような受容体結合アフィニティーは強力な生物活性の指標である。
同時に、式(I)の化合物はそれらの相当するビタミンD3類縁体よりも有意に小さい毒性であることがわかった。例えば、親の共同未決米国特許出願第08/265,438号(その開示が参考として本明細書に含まれる)では、1α-ヒドロキシビタミンD4に関するLD50は雄で1.0mg/kgであり、雌で3.0mg/kgであり、即ち、1α-ヒドロキシビタミンD3(LD50約0.2mg/kg)よりも実質的に小さい毒性であることがわかった。更に、親の米国特許第5,403,831号、及びその祖父の米国特許第5,104,864号(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)には、1α-ヒドロキシビタミンD2が1α-ヒドロキシビタミンD3及び1α,25-ジヒドロキシビタミンD3と同じ生物効力を有するが、毒性が極めて小さいことが示されていた。閉経期後の骨多孔症を有する婦人における1α-ヒドロキシビタミンD2の10μg/日までの用量でさえもがわずかに軽度の高カルシウム尿症を誘発し(U.Ca>300mg/24時間)、1α-ヒドロキシビタミンD2のみによる顕著な高カルシウム血症(S.Ca>11.0mg/dl)は明らかではなかった。更に、その化合物はクレアチニンクレアランス及びBUNにより測定して腎臓機能に悪影響しなかったし、またそれはヒドロキシプロリンの尿排泄を増大せず、骨吸収に関する刺激作用の不在を示した。8μg/日までの用量の1α-ヒドロキシビタミンD2の健康な成体の雄への投与は臨床上重大な高カルシウム血症又はその他の不利な作用を示さなかった。
本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物はビタミンD3の活性形態の既知の類縁体と較べて低減された副作用及び低毒性を有する医薬組成物中の活性成分として有益である。
【0015】
本発明の薬理学上活性な化合物は患者、例えば、ヒトを含む哺乳類への投与のための医薬を製造するための製薬の通常の方法に従って加工し得る。例えば、低カルシウム性ビタミンD化合物は通常の賦形剤、例えば、腸内(例えば、経口)、非経口、又は局所の適用に適した医薬上許される担体物質(これらは活性化合物と有害に反応しない)と混合して使用し得る。
好適な医薬上許される担体として、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油(例えば、アーモンド油、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油)、鉱油、魚肝油、油状エステル、例えば、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロース又は澱粉)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠なパラフィン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬製剤は滅菌でき、所望により、助剤、例えば、滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響するための塩、緩衝剤、着色剤、矯味矯臭薬及び/又は一種以上のその他の活性化合物、例えば、ビタミンD3及びその1α-ヒドロキシル化代謝産物、結合エストロゲン又はそれらの均等物、抗エストロゲン、カルシトニン、ビホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素と混合し得る。
非経口適用について、注射可能な、無菌溶液、好ましくは油状溶液もしくは水溶液だけでなく、懸濁液、エマルション、又は座薬を含む、移植片が特に好適である。非経口投与として、好適には、皮下、筋肉内、もしくは静脈内の注射、鼻咽頭もしくは粘膜吸収、又は経皮吸収が挙げられる。アンプルが都合のよい単位投薬である。
【0016】
腸内適用について、錠剤、糖剤、液体、ドロップ、座薬、ロゼンジ、粉末、又はカプセルが特に適している。甘味料入りのビヒクルが所望される場合、シロップ、エリキシル剤等が使用し得る。
局所適用について、局所適用と適合性であり、好ましくは水より大きい動的粘度を有する担体、例えば、鉱油、アーモンド油、自己乳化性蜜蝋、植物油、白色軟質パラフィン、及びプロピレングリコールを含む好適な非噴霧性の粘稠な、半固体形態又は固体形態が使用し得る。好適な製剤として、クリーム、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、エマルション、粉末、リニメント、軟膏、エアゾール、経皮パッチ等が挙げられるが、これらに限定されず、これらは、所望により、滅菌され、又は助剤、例えば、防腐剤、安定剤、解乳化剤、湿潤剤等と混合される。本発明のクリーム製剤は、例えば、水、アーモンド油、鉱油、及び自己乳化性蜜蝋の混合物を含むことが好適であり、軟膏製剤は、例えば、アーモンド油及び白色軟質パラフィンを含むことが好適であり、またローション製剤は、例えば、乾燥プロピレングリコールを含むことが好適である。
皮膚疾患の治療に有益な本発明の化合物の局所製剤はまた上皮化誘発剤、例えば、レチノイド(例えば、ビタミンA)、クロマノール、例えば、ビタミンE、β-アゴニスト、例えば、イソプロテレノール又は環状アデノシンモノホスフェート(cAMP)、抗炎症薬、例えば、コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾンもしくはそのアセテート、又はデキサメタゾン)及び角膜移植剤、例えば、コールタール又はアントラリンを含んでもよい。このような薬剤の有効量は、例えば、ビタミンA、組成物の約0.003〜約0.3重量%;ビタミンE、約0.1〜約10%;イソプロテレノール、約0.1〜約2%;cAMP、約0.1〜約1%;ヒドロコルチゾン、約0.25〜約5%;コールタール、約0.1〜約20%;及びアントラリン約0.05〜約2%である。
直腸投与について、化合物は座薬ベース、例えば、カカオ油又はその他のトリグリセリドを含む医薬組成物に形成される。貯蔵寿命を延長するために、組成物は酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール又はヒドロキノンを含むことが有利である。
【0017】
悪性と関連する高カルシウム血症の治療について、本発明の医薬組成物の経口投与が好ましい。一般に、本発明の化合物は単位投薬当り医薬上許される担体中に約0.5μg〜約25μgを含む単位投薬形態により分配される。本発明の化合物の用量は一般に約10μg〜200μg/日である。
皮膚疾患の局所治療について、局所組成物中の本発明の化合物の用量は一般に組成物1g当り約0.01μg〜約50μgである。皮膚癌の治療について、局所適用される組成物中の低カルシウム性ビタミンD化合物の用量は組成物1g当り約0.01μg〜100μgである。
本発明の低カルシウム性化合物の投薬はまたエピソード基準で行なわれてもよく、この場合、一層多い用量、一般に2〜7日毎に1回与えられる約20μg〜約200μgが使用し得ることが注目される。投薬は単一投薬又は2〜5回の細投薬の分けられた投薬として与えられ、細投薬は全投薬が服用されるまで、例えば、1時間毎に1回与えられる。
当業者は良好な医療慣例及び個々の患者の臨床状態により決められるような有効用量及び同時投与養生を容易に最適化するであろう。投与の様式にもかかわらず、特別な場合の活性化合物の実際の好ましい量は使用される特定の化合物の効力、製剤化される特別な組成物、適用の様式、並びに治療される特別な部位及び生体に応じて変化することが認められるであろう。例えば、特別な患者に特別な用量は年齢、体重、健康の全般状態、食事、投与の時期及び様式、排泄の速度、及び組み合わせて使用される薬物並びに治療が適用される特別な疾患の重度に依存する。所定の宿主に関する用量は通常の考慮を使用して、例えば、主題化合物及び既知の薬剤の差別活性の通例の比較により、例えば、適当な通常の薬理学的プロトコルにより決められる。
更に、抗癌剤、例えば、細胞傷害薬と一緒の低カルシウム性ビタミンD化合物の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。このような薬剤として、好適には、抗代謝産物(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキセート、フルダラビン)、抗微小管薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン、例えば、パクリタキセル、ドデタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロファスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロソ尿素、ヒドロキシ尿素)、白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキシルビシン、ダウノルビシン)、抗生物質(例えば、ミトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、カンプトテシン)又はあらゆるその他の抗腫瘍薬(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン)が挙げられる。種々の抗癌剤と組み合わせて使用される低カルシウム性ビタミンD化合物は癌細胞に対する有意に増進された細胞傷害作用を生じることができ、こうして増大された治療効果を与えることが予想される。詳しくは、有意に増大された増殖抑制効果は薬物が単独で使用される治療養生と較べて低濃度の抗癌薬を使用して先に開示された組み合わせで得られるので、抗癌薬と関連する不利な副作用が多用量で単独で使用される抗癌薬で通常観察されるよりもかなり軽減される治療を与える潜在性がある。これらの同時投与される抗癌剤の可能な用量範囲は約0.1〜20mg/kg/日である。
【0018】
“同時投与”という用語は2種以上の薬剤が患者又は被験者に投与されるあらゆる投与経路を表すことを意味する。例えば、薬剤は一緒に、又は互いに前後に投与されてもよい。薬剤は異なる経路により投与されてもよく、例えば、一種の薬剤が静脈内投与されてもよく、一方、第二薬剤が筋肉内、静脈内又は経口で投与される。薬剤は、それらが両方の薬剤が生体中で有効濃度を得ることを可能にするのに充分な様式で与えられる限り、同時又は逐次投与されてもよい。薬剤はまた、例えば、単一錠剤中のように、混合物であってもよい。逐次投与において、一種の薬剤が他の薬剤の投与に直接追随してもよく、又は薬剤がエピソード的に与えられてもよく、即ち、一種が一度に与えられてもよく、続いて別の薬剤が後の時期に、典型的には1週間以内に与えられてもよい。好適な同時投与養生の例は低カルシウム性ビタミンD化合物が細胞傷害薬の投与の0.5〜7日前に投与される場合である。
また、ホルモン又はその他の薬剤、例えば、エストロゲン(これらは骨疾患又は障害を回復することが知られている)の投与と連係しての有効用量の式(I)の類縁体の同時投与が本発明の範囲内に含まれる。上記のように、前立腺癌はしばしば骨に転移し、骨損失及び関連する痛みを生じる。このような骨薬剤は結合エストロゲン又はそれらの均等物、カルシトニン、ビスホスホネート、カルシウムサプリメント、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素を含んでもよい。これらの骨薬剤はまた抗高カルシウム血効果を有し、悪性関連高カルシウム血症の治療を増進し得ることが意図されている。これらの同時投与される骨薬剤に可能な用量範囲が表1に示される。
【0019】
表1
【0020】
抗エストロゲン、例えば、タモキシフェンTMがまた既知の骨薬剤であり、本発明の低カルシウム性ヒドロキシビタミンD化合物と一緒に好適に使用し得る。
本発明が下記の実施例により更に説明され、これらは本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【実施例】
【0021】
VDR結合分析
実施例1:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
インクスター(スチルウォーター、ミネソタ)からのウシ胸腺VDR及び標準1,25-(OH)2-D3溶液の市販のキットを使用して、哺乳類ビタミンD受容体(VDR)に対する1α,24-(OH)2D2のアフィニティーを評価した。化学合成された1α,24-(OH)2D2の最大の半分の結合は約150pg/mlであり、一方、1α,25-(OH)2D3のそれは80pg/mlであった。こうして、1α,24-(OH)2D2は1α,25-(OH)2D3と非常に似たウシ胸腺VDRに対するアフィニティーを有し、1α,24-(OH)2D2が強力な生物活性を有することを示した。
実施例2:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
1α,24-(OH)2D4のVDRアフィニティー結合を調べた。1α,24-(OH)2D4をビタミンD受容体及び放射能標識トレーサー1α,25-(OH)2D3とともにインキュベートした。インキュベーション後に、受容体に結合された放射能の量を測定し、未標識及び標識1α,25-(OH)2D3の同時インキュベーション後に結合された量と比較した。1α,24-(OH)2D4の50pg/管が約20pgの1α,25-(OH)2D3に等しいことがわかった。
これらの結果は1α,24-(OH)2D4が1α,25-(OH)2D3よりもビタミンD受容体にわずかに少なくしっかりと結合することを示す。このようなデータは1α,24-(OH)2D4がVDRに対する高いアフィニティー及び1α,25-(OH)2D3と同様の、有意な生物活性を有することを意味する。これらのデータは1α,24-(OH)2D4が1α,25-(OH)2D3よりもごくわずかに小さい活性であることを実証する1α,24-(OH)2D4を用いて行なわれた遺伝子発現研究(以下に記載される)と一致する。
これらの結果は従来技術から見て驚くべきであり、予期されない。それらはビタミンD4化合物の生物活性の非常に低い程度に関するビタミンD技術における通常の知見とは逆である。
【0022】
実施例3:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 136 Endocrinology (1995)20-26(これは参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、前立腺細胞によるビタミンD化合物のVDR結合を実証する。前立腺由来細胞系を集密付近まで培養し、洗浄し、こすり落としにより回収した。細胞を遠心分離により洗浄し、細胞ペレットをプロテアーゼインヒビターを含む食塩加緩衝液中で再懸濁させた。細胞を氷の上で冷却しながら音波処理により分断した。分断した細胞を35分間にわたって4ECで207,000xgで遠心分離することにより得られた上澄みを結合についてアッセイする。可溶性抽出物200TL(上澄み1ml当り1-2mgのタンパク質)を16-20時間にわたって4ECで1nMの3H-1α,25-(OH)2D3及び次第に増大する濃度の1α,24-(OH)2-D2(0.01-100nM)とともにインキュベートする。結合ホルモン及び遊離ホルモンを通常の操作を使用してヒドロキシルアパタイトで分離する。特異的結合を測定された全結合から250倍過剰の非放射性1α,25-(OH)2D3の存在下で得られた非特異的結合を引くことにより計算する。結果は1α,24-(OH)2D2が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,24-(OH)2D2が前立腺細胞に関して強力な生物活性を有することを示す。
実施例4:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D4を使用して実施例3の操作を繰り返して、特異的結合を測定する。結果は1α,24-(OH)2D4が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,24-(OH)2D4が前立腺細胞に対する強力な生物活性を有することを示す。
実施例5:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,25-(OH)2D4を使用して実施例3の操作を繰り返して、特異的結合を測定する。結果は1α,25-(OH)2D4が前立腺VDRに対する強いアフィニティーを有することを実証し、1α,25-(OH)2D4が前立腺細胞に対する強力な生物活性を有することを示す。
遺伝子発現
実施例6:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
ビタミンD応答性要素(VDRE)の制御下に、プラスミドp(CT4)4TKGH、ビタミンD受容体(VDR)発現プラスミド、及びpSG5-hVDR1/3、成長ホルモン(GH)遺伝子を含むプラスミドを使用して、実験を行なって1α,25-(OH)2D3の能力と比較してリポーター遺伝子として作用するビタミンD依存性成長ホルモンを誘発する1α,24-(OH)2D4の能力を研究した。培養中の細胞をこれらの2種のプラスミドでトランスフェクトした。一種のプラスミドはビタミンD応答性要素(VDRE)の制御下の成長ホルモン(GH)の遺伝子を含み、別のプラスミドはビタミンD受容体(VDR)の構造遺伝子を含んでいた。これらのトランスフェクトされた培養物を1α,24-(OH)2D4又は1α,25-(OH)2D3とともにインキュベートし、成長ホルモンの生成を測定した。下記の表2はこのアッセイの結果を示す。
【0023】
表2
【0024】
これらのデータはビタミンD依存性成長ホルモンを刺激する1α,24-(OH)2D4の能力が1α,25-(OH)2D3の能力にほぼ等しいことを示す。このような結果は真に驚くべきであり、従来技術の教示に従うことにより予想されなかったであろう。
実施例7:1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2及び1α,24(R)-ジヒドロキシビタミンD2
〔1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2〕
実施例6に記載された遺伝子発現研究を行なって化学合成された1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2のin vitroの生物活性を1α,25-(OH)2D3及び25-OH-D3と比較した。ビタミンD依存性転写活性化モデル系を使用し、この系ではプラスミドpSG5-hVDR1/3及びp(CT4)4TKGHがグリーンサル腎臓、COS-1細胞に同時トランスフェクトされた。
トランスフェクトされた細胞をビタミンD代謝産物とともにインキュベートし、成長ホルモン生成を測定した。表3に示されるように、1α,24(S)-(OH)2D2及びそのエピマー、1α,24(R)-(OH)2D2の両方はこの系中で25-OH-D3よりも有意に大きい活性を有し、1α,24(S)-(OH)2D2は1α,25-(OH)2D3とほぼ同じ活性を有していた。
【0025】
表3 トランスフェクトされたCOS-1細胞中のビタミンD誘導成長ホルモン生成
【0026】
*二重測定の平均
細胞増殖の抑制
実施例8:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 132 Endocrinology (1993) 1952-1960及び136 Endocrinology (1995) 20-26(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、細胞増殖の抑制を実証する。細胞系、LNCaP及びPC-3(これらはヒト前立腺癌に由来する)を約50,000細胞/プレートの密度で6ウェル組織培養プレートに接種する。細胞が付着し、安定化した後(約2-3日)、培地に10-11M〜10-7Mの濃度のビヒクル又は活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D2を含む培地を補給する。試験類縁体又はビヒクルを含む培地を3日毎に交換する。6-7日後に、培地を除去し、細胞をすすぎ、冷たい5%トリクロロ酢酸で沈殿させ、冷エタノールで洗浄する。細胞を0.2N水酸化ナトリウムで可溶化し、DNAの量を通常の操作により測定する。結果は本発明に従って1α,24-(OH)2D2とともにインキュベートされた培養物が対照培養物よりも有意に少ない細胞を有することを示す。
実施例9:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,24-(OH)2D4を使用して実施例8の操作を繰り返して、細胞数を測定する。1α,24-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物は対照培養物よりも有意に少ない細胞を有する。
実施例10:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体1α,25-(OH)2D4を使用して実施例8の操作を繰り返して、細胞数を測定する。1α,25-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物は対照培養物よりも有意に少ない細胞を有する。
【0027】
細胞分化の刺激
実施例11:1α,24-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24-(OH)2D2〕
Skowronskiら, 132 Endocrinology (1993) 1952-1960及び136 Endocrinology (1995) 20-26(これらの両方が参考として本明細書に含まれる)の技術を使用して、細胞系、LNCaP(これはヒト転移性前立腺癌に由来し、PSAを発現することが知られている)の細胞を約50,000細胞/プレートの密度で6ウェル組織培養プレートに接種する。細胞が付着し、安定化した後(約2-3日)、培地に10-11M〜10-7Mの濃度のビヒクル又は活性ビタミンD類縁体、1α,24-(OH)2D2を含む培地を補給する。6-7日後に、培地を除去し、前立腺特異性抗原(PSA)分析のために-20ECで貯蔵する。
平行培養物からの細胞をすすぎ、沈殿させ、DNAの量を通常の操作により測定する。PSAを通常の既知の方法により測定する。1α,24-(OH)2D2とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
実施例12:1α,24-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,24-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体が1α,24-(OH)2D4である以外は、実施例12の操作を繰り返す。PSAを測定し、1α,24-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
実施例13:1α,25-ジヒドロキシビタミンD4〔1α,25-(OH)2D4〕
活性ビタミンD類縁体が1α,25-(OH)2D4である以外は、実施例12の操作を繰り返す。PSAを測定し、1α,25-(OH)2D4とともにインキュベートされた培養物はPSAの質量/細胞として表される場合に対照培養物よりも有意に多いPSAを有する。
【0028】
臨床研究
実施例14:MAHの一般的な治療
悪性関連高カルシウム血症を有する患者が本発明の低カルシウム性ビタミンD化合物の開放ラベル研究に参加する。患者を約400-500mgの毎日のカルシウム摂取に制限する。また、夫々の患者に通常の摂取よりも多い液体の4-6杯を飲むように依頼して適切な口の水和を確実にする。
夫々の被験者を(1)高カルシウム血症、血清PTHrPレベル、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症、高リン酸塩尿症及びその他の毒性、(2)転移性疾患の進行の変化の証拠、及び(3)規定された試験薬物用量とのコンプライアンスについて規則的な間隔で監視する。
投薬養生は典型的には10週間にわたって毎日10μg又は20μg〜約100μg/日の毎日の用量基準である。また、非毎日の投薬養生、例えば、隔日に与えられる40μg、週1度与えられる100μgが使用し得る。投与の経路は経口から静脈内まで、また位置送出(例えば、門脈を介する、動脈注入)まで変化し得る。勿論、経口が最も容易かつ最もコスト有効な経路である。位置送出は高用量を可能にし、一般に高カルシウム血症の発生を回避する。しかし、本発明の化合物の場合、その化合物は実質的に低カルシウム性である。
治療期間後に、転移性疾患の進行を評価するのに使用したCAT、スキャン、X線及び骨スキャンが低用量で治療された多くの患者で安定な疾患又は部分緩解、そして高用量で治療された多くの患者で安定な疾患及び部分又は完全緩解を示す。血清カルシウムレベルは正常の範囲であり、PTHrPの血清レベルが低下される。
【0029】
実施例15:1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2〔1α,24(S)-(OH)2D2〕を使用するMAHの治療
1α,24-(OH)2D2を使用して、実施例14の操作を行なう。結果は正常な範囲の血清カルシウムレベル及び低下されたPTHrPの血清レベルを示す。
実施例16:1α-ヒドロキシビタミンD2〔1α-OH-D2〕を使用するMAHの治療
1α-OH-D2を使用して、実施例14の操作を行なう。結果は正常な範囲の血清カルシウム及び低下された血清PTHrPレベルを示す。
本発明が今或る種の特異性でもって記載され、例示されたが、当業者は変化、付加、及び省略を含む、種々の改良(これらは記載されたものになされてもよい)を認めるであろう。それ故、これらの改良はまた本発明により含まれること及び本発明の範囲は特許請求の範囲と法律上一致した最も広い解釈のみにより限定されることが意図されている。
Claims (33)
- 悪性細胞又は腫瘍細胞を有効量のC24位に炭化水素部分を有する低カルシウム性ビタミンD化合物で治療することを特徴とする、上記細胞と関連する高カルシウム血症の治療方法。
- 細胞が胸部、結腸、肺、首及び頭部、膵臓、子宮内膜、膀胱、頸部、睾丸、卵巣の癌、扁平上皮癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、髄様甲状腺癌、メラノーマ、多発性ミエローマ、網膜芽腫又は軟組織及び骨の肉腫である、請求項1記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンDが式(I)
により表される化合物である、請求項1記載の方法。 - 前記低カルシウム性ビタミンDが式(I)
により表される1α-ヒドロキシビタミンD化合物である、請求項1記載の方法。 - 式(I)の化合物が1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α-ヒドロキシビタミンD2又は1α-ヒドロキシビタミンD4である、請求項4記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物の投薬養生が毎日の養生又はエピソード養生である、請求項1記載の方法。
- エピソード養生が2〜7日毎に1回の投薬である、請求項6記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を約10〜100μg/日の用量で毎日投与する、請求項6記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を経口投与し、静脈内投与し、又は癌部位に位置送出する、請求項6記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を経口投与する、請求項9記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を細胞傷害薬と同時投与する、請求項1記載の方法。
- 細胞傷害薬が抗代謝産物、及び抗微小管薬、アルキル化剤、白金薬剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼインヒビター、又は抗生物質である、請求項11記載の方法。
- 抗代謝産物が5-フルオロ-ウラシル、メトトレキセート又はフルダラビンである、請求項12記載の方法。
- 抗微小管薬がビンクリスチン、ビンブラスチン又はタキサンである、請求項12記載の方法。
- タキサンがパクリタキセル又はドセタキセルである、請求項14記載の方法。
- アルキル化剤がシクロファスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロソ尿素又はヒドロキシ尿素である、請求項12記載の方法。
- 白金薬剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216又はCI-973である、請求項12記載の方法。
- アントラサイクリンがドキシルビシン又はダウノルビシンである、請求項12記載の方法。
- 抗生物質がミトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン又はダウノマイシンである、請求項12記載の方法。
- トポイソメラーゼインヒビターがエトポシド又はカンプトテシンである、請求項12記載の方法。
- 細胞傷害薬がエストラムスチンホスフェート又はプレドニムスチンである、請求項12記載の方法。
- ヒトに治療量の低カルシウム性ビタミンD化合物を投与することを特徴とする、乳癌、結腸癌、前立腺癌、睾丸癌、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞癌及び非小細胞癌(扁平上皮型、腺癌型及び大細胞型を含む)、頭部及び首の扁平上皮癌、膀胱癌、卵巣癌及び頸癌、ミエロイド及びリンパ球白血病、リンパ腫、肝臓腫瘍、髄様甲状腺癌、多発性ミエローマ、メラノーマ、網膜芽腫又は軟組織及び骨の肉腫と関連する高カルシウム血症を軽減するためのヒトの治療方法。
- 前記低カルシウム性ビタミンDが式(III)
により表される1α-ヒドロキシビタミンD化合物である、請求項22記載の方法。 - 前記治療量が0.01μg/kg/日〜2.0μg/kg/日である、請求項23記載の方法。
- 式(I)の化合物が1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α-ヒドロキシビタミンD2又は1α-ヒドロキシビタミンD4である、請求項23記載の方法。
- 患者に低カルシウム性ビタミンD化合物、及び細胞傷害薬を投与することを特徴とする、悪性細胞と関連する高カルシウム血症を軽減するためのヒトの治療方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を細胞傷害薬の投与の0.5日〜7日前に投与する、請求項26記載の方法。
- 低カルシウム性ビタミンD化合物を細胞傷害薬の投与の2日〜4日前に投与する、請求項26記載の方法。
- 前記低カルシウム性ビタミンDが式(III)
により表される1α-ヒドロキシビタミンD化合物である、請求項26記載の方法。 - 治療量が0.01μg/kg/日〜2.0μg/kg/日である、請求項29記載の方法。
- 式(I)の化合物が1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシビタミンD4、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4、1α-ヒドロキシビタミンD2又は1α-ヒドロキシビタミンD4である、請求項29記載の方法。
- 細胞傷害薬が抗代謝産物、及び抗微小管薬、アルキル化剤、白金薬剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼインヒビター、又は抗生物質である、請求項29記載の方法。
- 有効量の低カルシウム性ビタミンD化合物をヒトに投与することによるヒト患者の血清副甲状腺ホルモン関連タンパク質の低下方法。
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