JP2004534805A - ペルベンジル化1−o−グリコシドの製法 - Google Patents
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Abstract
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項に詳細に記載されている、一般式Iのペルベンジル化1−O−グリコシドの新規製法に関する。本発明による方法は、安価な出発材料から出発し、良好な収率を提供し、1−O−官能化側鎖を有するペルベンジル化サッカリドを大量生産により製造することを可能にする。
【0002】
ペルベンジル化サッカリド誘導体は合成化学における、重要な中間生成物である。特に、多くの高い性能の、および選択的な薬品は糖基を有しているために、医薬品化学はこの種の構成成分を非常にしばしば使用する。こうして、例えばJournal of Drug Targeting 1995、第3巻、第111〜127頁にはいわゆる“グリコターゲッティング”の使用が記載されている。いわゆる“マルチアンテナリー・シュガー・チェインズ(multi-antennary sugar chains)”はChemistry Letters 1998、第823頁に記載されている。糖単位のクラスター化により、細胞−細胞相互作用において炭水化物−レセプター−相互作用は著しく改善される。アシアログリコプロテイン・レセプターへの高い親和性を有するガラクトシドの合成は、J. Med. Chem. 1995、38、第1538頁に開示されている(Int. J. Peptide Protein Res. 43、 1994、 p 477)。ここでは、官能化側鎖を有する誘導体化ガラクトースが製造されていて、これは最後に種々の異なる分子に結合させることができる。グリコバイオロジーをベースとする、サッカリドの使用に関する良好な概要はAcc. Chem. Res. 1995, 321に記載されている。ルイス×偽薬(LewisX Mimetika)の合成のためにも(Tet. Lett. Vol. 31, 5503)、官能化モノサッカリドが前駆物質として使用されている(JACS 1996、 118、 6826も参照)。
【0003】
性能の優れた医薬品のための中間体としての誘導体化モノサッカリドの使用はCurrent Medicinal Chemistry, 1995, 1, 392に良好に記載されている。ペルベンジル化−1−OH−糖−誘導体(ガラクトース、グルコース)は心臓活性グリコシド(ジギトキシン−複合体)の合成にも使用される。1−O−グリコシド化はここではトリクロロアセトイミデートおよびBF3−触媒を介して行われる(J. Med. Chem. 1986、 29、 p1945)。不動態化糖リガンドの製造(例えば、HSAへの結合)のためには官能化し、保護したモノサッカリドを使用する(Chemical Society Reviews 1995, p 413)。
【0004】
1−O−グリコシド化反応を介して付加的に官能性を糖分子に導入することは、合成のグループにとっての目的である。ここでは、特に末端位COOH基、アミノ基またはOH基は、後続の工程において更に変換することができるために、重要である。
【0005】
1−O−グリコシドの製造は、多くの場合従来の方法、例えばKoenigs-Knorr、 Helferich による方法、またはR.R. Schmidtにより記載されたトリクロロアセトイミデート法で行われる[W. Koenigs und E. Knorr、 Ber. dtsch. chem. Ges. 34 (1901) 957; B. Helferich und J. Goendeler、 Ber. dtsch. chem. Ges. 73、 (1940) 532; B. Helferich、 W. Piel und F.Eckstein、 Chem. Ber. 94 (1961)、 491、 B. Helferich und W.M. Mueller、 Chem. Ber. 1970、 103, 3350; G. Wulff.、 G. Roehle und W. Krueger、 Ang. Chem. Internat. Edn.、 1970、 9、 455; J.M. Berry und G.G.S. Duthon、 Canad. J. Chem. 1972、 50、 1424; R.R. Schmidt、 Angew. Chem. 1986, 98. 213]。
【0006】
これらの全ての方法は、1−ヒドロキシル基を最終的に脱離基として働く反応性の形に変換する、ということが共通している。ルイス酸触媒(一部では化学量論量)の存在で、アルコールとの本来の反応を行い1−O−グリコシドになる。この種の反応に関しては、多くの例が、文献中に存在する。
【0007】
免疫刺激剤のKRN−7000(Kirin Brewery)の製造の際には、テトラ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル−ブロミドと、ヒドロキシル基がジヒドロキシ−アミド−C−鎖の末端にある第一アルコールとの縮合が(DMF/トルエン中、ルイス酸触媒下)中心工程である(Drug of the Future 1997、 22(2))。日本の特許JP95−51764は、トリメチルシリルブロミド/亜鉛トリフレート−触媒の存在下での1−O−アセチル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコピラノースとポリオキシエチレン−30−フィトステロール(BPS-30m NIKKO Chem.、 Japan)との反応を記載している。Bull. Chem. Soc. 1982、 55(4)、 p 1092-6には、ジクロロメタン中での四塩化チタン−触媒下でのペルベンジル−糖の1−O−グリコシド化が記載されている。
【0008】
Liebigs Ann. Org. Bioorg. Chem.; EN; 9; 1995; 1673-1680は3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−(2−ヘキサデシルオキシエトキシ)−テトラヒドロピランの製造を記載している。2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノースから出発して、1−O−グリコシド化を、Bu4NBr、CoBr2、Me3SiBrおよびモレキュラーシーブの使用下に、塩化メチレン中で60時間かけて実施する。
【0009】
メチルエステルとして保護された末端位カルボキシル基を含有する、テトラベンジル誘導体はCarbohydr. Res.; EN; 230; 1; 1992; 117に記載されている。その後、カルボキシル基を遊離し、更に反応させる。グリコシド化のためにはジクロロメタン中の炭酸銀を使用する。高価な炭酸銀の使用は、配合量を制限し、経済的な規模の拡大はほとんど不可能である。同じ問題はTetrahedron Lett. 30、 44、 1989、 p 6019中にも記載されている、以降の化合物にも当てはまる。ここでは、ニトロメタン中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−マンノシル−ブロミドを2−ベンジルオキシエタノールと、シアン化水銀を用いて、1−O−グリコシドに変換する。シアン化水銀のパイロットプラント装置中での使用は問題があり、環境政策的観点からも回避すべきである。
【0010】
最近になって記載されている高装入量のスクリーニング(Hochdurchsatz-Screening)のための物質ライブラリー(Substanzbibliotheken)は非常にしばしばサッカリドを使用する(Angew. Chemie 1995、 107、 2912)。ここでは、例えば自動合成において変換されうる官能基、例えば−COOHまたは−NH2を有する糖構成成分が、保護された形で存在しなければならないということが目的である。このために使用される構成成分は、Lockhoff, Angew. Chem. 1998、 110(24)、 P 3634に記載されている。特にペルベンジル−グルコースの1−O−酢酸はここでは重要である。この製造は2工程で、トリクロロアセトイミデートを介して、THF中BF3−触媒の存在でのヒドロキシ酢酸エチルエステルとの反応、および引き続くMeOH/THF中でのNaOHでの鹸化により行われる。しかしながら、2時間にわたっての全収率は僅かに59%である。
【0011】
同じ刊行物中には、ペルベンジル化グルコースの1−O−(アミノエチル)−グルコシドの製造も記載されている。この変換は、同様にトリクロロアセトイミデートから出発し、THF中でBF3−触媒の存在でのN−ホルミルアミノエタノールとの反応および引き続きMeOH/THF中での鹸化により行われる。全収率はここでも比較的低く、僅かに45%である。
【0012】
ペルベンジルキシロースの1−O−(アミノエチル)−誘導体は、Carbohydrate Research 1997、298、p 173中に中間生成物として記載されている。しかしながら、この合成は、キシロースの1−ブロム−ペルアセテートから出発するので非常に長時間かかる。本来の1−O−グリコシド化は1−フェニルチオエーテルを介して行われ、これは2−アジドエタノールとDMTST−触媒(=ジメチル(メチルチオ)−スルホニウム−トリフレート)の存在下にジクロロメタン中で変換される(全工程数:7)。総収率が40%を下回るので産業上の適用には好適でない。
【0013】
R.R. Schmidt (Angew. Chem. 1986、98、p 213-236)による概要的な文献は1−OH−ペルベンジル−グルコースおよび−リボースと2−ハロゲンエステルおよびトリフレートとの直接的な反応を記載している。塩基としてはTHFまたはベンゼン中の水素化ナトリウムを使用しており(Chem. Ber. 1982, 115)、収率は40〜55%の間である。ジオキサン中の水素化ナトリウムまたはTHF中のカリウム−t−ブチラートの使用も(両方とも室温)トリフレートでの1−O−アルキル化のために記載されている(Angew. Chem. 1986、98、p 218)。厳密に維持しなければならない無水の反応条件はこの種のアルキル化の規模の拡大の際に、大きな障害を形成する。
【0014】
従来公知の全ての方法は、この方法の規模の拡大を容易にすることができないという大きな欠点を有する。1−O−グリコシド化におけるルイス酸の使用並びに1−O−アルキル化における水素化ナトリウムの使用は常に無水の反応条件を必要とし、このことは大量での配合の際には常に困難を伴う。反応助剤(Hg/シアニド/等)の後処理および廃棄物処理も多くの場合問題である。
【0015】
従って、本発明の課題は、1−O−官能化側鎖を有するペルベンジル化サッカリドを大量に、安価にかつ環境を汚染せずに製造することのできる方法を提供することである。
【0016】
本発明の課題は、一般式I
【0017】
【化1】
のペルベンジル化1−O−グリコシドを製造することのできる、請求項に記載された方法により解決する。本発明の定義によれば、一般式I中の糖1は1−OH−位で官能化されたモノサッカリドであり、この際1つまたはそれ以上のOH基の代わりにH−原子を有する、デスオキシ糖でもある。本発明の有利な実施形においては、一般式I中の糖は炭素原子5〜6個を有するモノサッカリド、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、アラビノースまたはキシロースまたはこれらのデスオキシ糖、例えば6−デスオキシガラクトース(フコース)または6−デスオキシ−マンノース(ラムノース)を表す。
【0018】
基Rは、ベンジル基を表し、これは使用するモノサッカリドまたはそのデスオキシ型から独立して少なくとも2個存在し、ジ−、トリ−またはポリサッカリドの使用の際には相応して複数存在する。
【0019】
基Xは、−COO−または−NH−を表す。本発明方法の結果において、一般式Iのアルコール、カルボン酸またはアミンが得られる。
【0020】
基Lは、直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和のC1〜C30−炭素鎖を表し、これは場合により酸素原子1〜10個、硫黄原子1〜3個、フェニレン基1〜2個、フェニレンオキシ基1〜2個、フェニレンジオキシ基1〜2個、チオフェン基、ピリミジン基またはピリジン基により中断されているか、および/または場合によりフェニル基1〜3個、カルボキシル基1〜3個、ヒドロキシ基1〜5個、O−C1〜C7−アルキル基1〜5個、アミノ基1〜3個、CF3−基1〜3個またはフッ素原子1〜10個により置換されている。本発明の意味において、有利な基Lは、
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
[式中、γは糖への結合位を表し、δは基Xに対する結合位である]である。リンカーLが−CH2−基であるのが特に有利である。
【0023】
一般式Iのペルベンジル化1−O−グリコシドを製造するためには、一般式II
【0024】
【化4】
[式中、糖1、Rおよびnは前記のものを表す]のペルベンジル化1−OH−糖を有機溶剤ジエトキシメタン中にとかし、一般式III
Nu−L−X−Sg (III)
[式中、Nuは脱離基を表し、LおよびXは前記のものを表し、Sgは保護基を表す]のアルキル化剤と、塩基および場合により相間移動触媒の存在において反応させる。脱離基としては一般式IIIのアルキル化剤中に例えば基、−Cl、−Br、−I、−OTs、−OMs、−OSO2CF3、−OSO2C4F9または−OSO2C8F17を含有していてよい。
【0025】
保護基Sgとは、それぞれXが基−COO−または−NH−を表すかにより、通常の酸保護基またはアミン保護基である。これらの保護基は当業者には十分に熟知されている(Protective Groups in Organic Syntheses、Second Edition、T. W. Greene and P.G.M. Wuts、John Wiley & Sons Inc.、 New York 1991)。
【0026】
本発明による反応を、温度0〜50℃、有利に0℃〜室温で実施することができる。反応時間は10分間〜24時間、有利に20分間〜12時間である。
【0027】
塩基は固体の形で、有利には微細に粉砕し、または液体で、または10〜70%、有利に30〜50%濃度の水溶液として添加する。有利な塩基としては、NaOH、KOH、炭酸セシウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DBN)、カリウム−t−ブトキシドおよびナトリウム−t−ブトキシドを使用する。
【0028】
本発明による溶剤としては、ジエトキシメタンを使用する。本発明方法において相間移動触媒としては、この目的のために公知の四級アンモニウム塩またはホスホニウム塩またはクラウンエーテル、例えば[15]−クラウン−5または[18]−クラウン−6を使用する。カチオンに4つの同じまたは異なる炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルから選択された炭化水素基、を有する四級アンモニウム塩が有利である。有機溶剤中にアルキル化試薬の良好な溶解性を達成するために、カチオン上の炭化水素基は十分に大きくなくてはならない。N(ブチル)4 +−Cl−、N(ブチル)4 +−HSO4 −が特に有利であるが、N(メチル)4 +−Cl−も有利に使用される。
【0029】
変換の終了後、反応混合物の後処理はなお保護されている最終生成物の単離、および引き続き一般式Iの最終生成物への保護基の脱離により実施することができる。しかしながら、なお保護されている最終生成物を単離することなく溶剤を除去し、残分を新たに保護基の脱離に好適な溶剤中に取り込み、ここで脱離を実施するのが有利である。保護基の脱離および酸−、アミノ−、ヒドロキシ−またはチオール基の再生のための方法は、当業者には十分に公知である。
【0030】
例えば、保護基Sgはカルボキシル基の酸プロトンをブロックする酸保護基、すなわちメチル、エチル、ベンジルまたはt−ブチルであり、こうして酸は通常アルカリ性加水分解により再生される。本発明の方法においては、この場合、アルキル化試薬から溶剤を除去した後、この残分を新たな溶剤、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ブタノールまたはジオキサン中に取り込む。次いで塩基の水溶液を添加し、0〜100℃の温度でアルカリ性加水分解を実施する。
【0031】
(L中の)ヒドロキシ保護基としては、例えばベンジル−、4−メトキシベンジル−、4−ニトロベンジル、トリチル−、ジフェニルメチル−、トリメチルシリル−、ジメチル−t−ブチルシリルまたはジフェニル−t−ブチルシリル基を挙げることができる。
【0032】
ヒドロキシ基は、例えばTHP−エーテル、α−アルコキシエチルエーテル、MEM−エーテルとして、または芳香族または脂肪族カルボン酸、例えば酢酸または安息香酸とのエステルとして、存在していてもよい。ポリオールの場合、ヒドロキシ基は、例えばアセトン、アセトアルデヒド、シクロヘキサノンまたはベンズアルデヒドとのケタールの形で保護されていてもよい。ヒドロキシ保護基は当業者に公知の文献法により、例えば水素添加分解、エーテルおよびケタールの酸処理、エステルのアルカリ処理またはシリル保護基のフッ化物での処理により遊離することができる(参照、例えば,Protective Groups in Organic Syntheses、second Edition、T. W. Greene and P.G.M. Wuts、John Wiley & Sons Inc.、New York 1991)。
【0033】
NH2−基は種々の方法で保護され、かつ再び遊離される。N−トリフルオロアセチル誘導体は水中で炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムにより[H. Newman、J. Org. Chem.、30:287 (1965)、M. A. Schwartz et al.、J. Am. Chem. Soc.、95 G12(1973) ]または単にアンモニア溶液により[M. Imazawa und F. Eckstein, J. Org. Chem., 44:2039 (1979)]切断される。同様にt−ブチルオキシカルボニル誘導体も緩和な切断である:これはトリフルオロ酢酸との攪拌で十分である[B. F. Lundt et al.、J. Org. Chem.、43:2285 (1978)]。水添分解または還元により切断すべきNH2−保護基の群は非常に大きい:N−ベンジル基は水素/Pd−Cを用いて容易に切断することができ[W. H. Hartung und R. Simonoff Org. Reactions VII、 263 (1953)]、このことはトリチル基[L. Zervas et al.、 J. Am. Chem. Soc.、 78:1359 (1956)]にも、かつベンジルオキシカルボニル基[M. Bergmann und. L. Zervas Ber. 65:1192 (1932)]にも当てはまる。シリル誘導体のうちでもフッ素イオンで脱離することのできる、容易に脱離可能なt−ブチルジフェニルシリル化合物[L. E. Overman et al., Tetrahedron Lett.、27:4391 (1986)]、例えば2−(トリメチルシリル)−エチルカルバメート[L. Grehn et al., Angew. Chem.、 Int. Ed. Engl.、23:296 (1983)]および2−トリメチルシリルエタンスルホンアミド[R.S. Garigipati and S.M. Weinreb、J. Org. Chem.、53:4134 (1988)]を使用する。特に容易に切断可能な基は9−フルオレニルメチル−カルバメートである:切断はアミン、例えばピペリジン、モルホリン、4−ジメチルアミノピリジンで実施することができるが、テトラブチルアンモニウムフルオリドでも実施することができる[L. A. Carpino et al.、J. Org. Chem.、55:1673 (1990); M. Ueki and M. Amemiya、 Tetrahedron Lett.、28:6617 (1987)]。
【0034】
得られた一般式Iの最終生成物(アミンまたはカルボン酸)の単離は、同様に常法で、当業者に十分に公知の方法で実施する。
【0035】
例えば、酸保護基の場合、溶剤を加水分解反応から蒸発させ、残分を非プロトン溶剤中に取り込む。酸水溶液で酸性にすることにより、pH値を約2〜4に調節し、その後有機相を分離する。結晶化またはクロマトグラフィーにより、ペルベンジル化1−O−グリコシドは獲得することができる。
【0036】
所望の場合、一般式Iの化合物は常法でその塩に変換することができる。
【0037】
本発明の方法で達成することのできる、一般式Iの化合物の収率は良好である。公知技術と比較可能な公知化合物に関して、その収率は公知技術の収率を上回る。こうして例えばペルベンジル化グルコースの1−O−酢酸に関する例は、Angew. Chem. 1998、110(24)、P 3634中に記載されている方法で総収率59%であり、一方本発明においては2工程にわたるこの化合物の収率は82%である(本願実施例7を参照)。本願の実施例12に記載の化合物の製造も、公知文献中に記載されている。2工程にわたるこの化合物の収率は78%であり、公知文献に記載の方法では僅かに45%が達せられた。
【0038】
高い収率の他にも、本発明による方法は、安価な出発物質からはじめ、方法の規模の拡大も可能にし、かつ最終生成物の容易な単離を可能にした。
【0039】
出発物質は市販の製品であるかまたは市販の前工程物質から容易に獲得することができる。こうして、Fulka AG社、Buchs、スイス在からテトラ−2,3,4,6−O−ベンジル−D−グルコピラノースを得ることができる。Fulkaにおいてはメチル−D−マンノ−ピラノシドおよびメチル−D−ガラクトピラノシドはカタログに挙げられた製品である。ベンジル化およびグリコシドの切断により、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−マンノースもしくは−ガラクトースを獲得することができる。配列−メチルグルコシド−ペルベンジル−メチルグリコシド−ペルベンジル−1−OH−サッカリドを介して、ペントース(リボース、アラビノース)、ヘキソースおよびデスオキシヘキソース(ラムノース、フコース)のペルベンジル−1−OH−誘導体が得られる。
【0040】
本発明により製造した化合物は合成化学において価値の高い中間生成物である。こうして、この化合物は例えば炭水化物デンドリマーの製造のために、NMR−造影剤の合成のために、および医薬品中に糖基を導入するために使用することができる。
【0041】
本発明による方法を、以下に実施例につき詳細に説明する。
【0042】
例1
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.70g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0043】
収率:無色粘性油状物質50.9g(理論値の85%、2工程にわたって)。
【0044】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.38 H 6.55。
【0045】
例2
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
1,2−ジメトキシエタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸エチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。(ジエトキシメタン)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0046】
収率:無色粘性油状物質48.5g(理論値の81%、2工程にわたって)。
【0047】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.41 H 6.61。
【0048】
例3
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラメチルアンモニウムクロリド0.55g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。6−ブロモヘキサン酸エチルエステル35.7g(160mmol)を、強力な撹拌下に10℃で10分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0049】
収率:無色固体物質51.7g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0050】
元素分析:
計算値:C 73.37 H 7.08
実測値:C 73.50 H 7.27。
【0051】
例4
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−フェニル−カルボキシ−エチ−2−イル)−マンノピラノース
ジエトキシメタン400ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微粉末炭酸セシウム35.8g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ジエトキシメタン30ml中に溶かした2−フェニル−3−ブロモプロピオン酸エチルエステル38.6g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0052】
収率:無色固体物質54.4g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0053】
元素分析:
計算値:C 74.98 H 6.44
実測値:C 75.11 H 6.58。
【0054】
例5
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および無水炭酸カリウム15.2g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。クロロ酢酸−t−ブチルエステル30.12g(200mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。10℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相を2回水250mlで抽出する。合した有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾別し、真空中で留去する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0055】
収率:無色粘性油状物質41.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0056】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.01 H 6.63。
【0057】
例6
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン300ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびDBU15.22g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。テトラヒドロフラン40ml中に溶かした5−トシルオキシ−ペンタカルボン酸−t−ブチルエステル78g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。0℃で3時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をメタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に1時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0058】
収率:無色固体物質50g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0059】
元素分析:
計算値:C 73.10 H 6.92
実測値:C 73.21 H 7.09。
【0060】
例7
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびカリウム−t−ブトキシド11.22g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。0℃で0.5時間攪拌する。トルエン250を添加し、有機相を分離し、水相をトルエン150mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で蒸留する。残分をメタノール400ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、ジクロロメタン500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0061】
収率:無色粘性油状物質49.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0062】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.09 H 6.59。
【0063】
例8
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラメチルアンモニウムクロリド0.55g(5mmol)およびDBN12.42g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ベンゼン50ml中に溶かした11−ブロモウンデカン酸−エチルエステル44g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。20℃で2時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、ジクロロメタン500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0064】
収率:無色固体物質58.4g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0065】
元素分析:
計算値:C 75.37 H 7.54
実測値:C 75.52 H 7.73。
【0066】
例9
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−ガラクトピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド9.62g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。クロロ酢酸−t−ブチルエステル30.12g(200mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。10℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相を水250mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で留去する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0067】
収率:無色粘性油状物質41.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0068】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.03 H 6.63。
【0069】
例10
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−[1−(4−カルボキシ)−フェニル−プロプ−3−イル−ガラクトピラノース
ジエトキシメタン300ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−ガラクトピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微細粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。テトラヒドロフラン50ml中に溶かした4−(3−メタンスルホニルオキシ−プロピル)−安息香酸−エチルエステル43g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で30分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をメタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0070】
収率:無色固体物質54.1g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0071】
元素分析:
計算値:C 75.19 H 6.60
実測値:C 75.02 H 6.79。
【0072】
例11
2,3,5−トリ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−リボフラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,5−トリ−O−リボフラノース42.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlからなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸−t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相をメチル−t−ブチルエーテル200mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で留去し、残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル200ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0073】
収率:無色粘性油状物質39.2g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0074】
元素分析:
計算値:C 70.28 H 6.32
実測値:C 70.11 H 6.51。
【0075】
例12
2,3,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−エチ−2−イル)−リボフラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,5−トリ−O−ベンジル−リボフラノース42.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム3.40g(10mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。ベンゼン100ml中に溶かしたN−(2−ブロモエチル)−フタルイミド38.1g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で40分間かけて滴加する。10℃で3時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。濾液残分をエタノール500ml中にとかし、ヒドラジンヒドレート25.03g(500mmol)を添加し、還流下に6時間加熱する。0℃に冷却し、析出した沈殿物を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をジクロロメタン400ml中に溶かし、この溶液を5%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2回、次いで水で1回(それぞれ300ml)洗浄する。有機相を真空中で蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0076】
収率:無色固体物質36.2g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0077】
元素分析:
計算値:C 72.55 H 7.17 N 3.02
実測値:C 72.39 H 7.38 N 2.87。
【0078】
例13
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−プロプ−3−イル)−ガラクトピラノース、
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−ガラクトピラノース42.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微細粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。1,2−ジメトキシエタン100ml中に溶けたN−(3−ブロモプロピル)−フタルイミド40.2g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で40分間かけて滴加する。10℃で3時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。濾液残分をエタノール500ml中に溶かし、ヒドラジンヒドレート25.03ml(500mmol)を添加し、還流下に6時間加熱する。0℃に冷却し、析出した沈殿物を濾別し、かつ濾液を真空下に蒸発乾固する。残分をジクロロメタン400ml中に溶かし、この溶液を5%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2回、引き続き水で1回洗浄する(それぞれ300ml)。有機相を真空中で蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0079】
収率:無色固体物質46g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0080】
元素分析:
計算値:C 74.35 H 7.25 N 2.34
実測値:C 74.24 H 7.41 N 2.27。
【0081】
例14
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−ヘキシ−6−イル)−マンノピラノース、
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および炭酸セシウム35.84g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。6−ブロム−ヘキシルアミン−N−(9−フルオレニルメトキシ−カルボニル)60.3g(150mmol)を強力な撹拌下に30分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。ジクロロメタン300mlを添加し、有機相を分離し、水相をジクロロメタン200mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を真空中で留去する。残分をエタノール250ml中に取り込み、ピペリジン100g(1.17mol)を添加する。40℃で5時間攪拌する。この溶液を蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0082】
収率:無色固体物質41.1g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0083】
元素分析:
計算値:C 69.33 H 9.50 N 2.70
実測値:C 69.44 H 9.68 N 2.54。
【0084】
例15
2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−デスオキシ−1−O−(1−アミノ−ブチ−4−イル)−フコピラノース、
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−デスオキシ−フコピラノース43.5g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および60%濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlからなる混合物を0℃に冷却する。ジクロロメタン100ml中に溶かした2−(トリメチルシリル)−エチルスルホン酸−N−(4−ブロムブチル)−アミド47.4g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で30分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。ジクロロメタン600mlを添加し、有機相を分離し、水相をジクロロメタン200mlで2回抽出する。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥する。乾燥剤を濾過し、溶剤を真空中で蒸留する。残分をアセトニトリル350ml中に取り込み、テトラブチルアンモニウムフルオリド52.3g(200mmol)を1水化物として添加する。50℃で3時間攪拌する。この溶液を蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0085】
収率:無色固体物質39.4g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0086】
元素分析:
計算値:C 73.64 H 7.77 N 2.77
実測値:C 73.53 H 7.91 N 2.65。
【0087】
例16
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(3,6,9,12,15−ペンタオキサ−1−カルボキヘキサデク−16−イル)−グルコピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。テトラヒドロフラン100ml中に溶かした17−トシロキシ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン酸エチルエステル64.3g(130mmol)を、強力な撹拌下に0℃で50分間かけて滴加する。0℃で3時間攪拌する。ジクロロメタン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水100ml中に取り込む。60%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル400ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:8:5:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0088】
収率:無色油状物質64.3g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0089】
元素分析:
計算値:C 66.17 H 7.00
実測値:C 66.03 H 7.19。
【0090】
例17
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−ヒドロキシ−エチ−2−イル)−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。2,2−ジメチル−プロピオン酸−2−ブロモエチルエステル31.4g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。0℃で2時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水100ml中に取り込む。50%濃度の水酸化カリウム水溶液100mlを添加し、還流下に8時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル400ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH5にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール=20:8:2)。生成物含有フラクションを濃縮する。
【0091】
収率:無色粘性油状物質45.6g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0092】
元素分析:
計算値:C 73.95 H 6.90
実測値:C 73.84 H 7.03。
【0093】
例18
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン2500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース500.0g(924.2mmol)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム50.00g(147.1mmol)からなる混合物を温度0℃に冷却する。微粉末水酸化カリウム121.77g(217.0mmol)を添加し、10分間、後攪拌する。ブロモ酢酸−t−ブチルエステル180.39g(1608mmol)を、強力な撹拌下に0℃〜5℃で30分間かけて滴加する。更に、0℃で2時間、後攪拌する。2時間かけて室温にし、無水エタノール(シクロヘキサンで変性)500mlを添加し、浴温105℃で溶剤を十分に留去する。これにエタノール(無水、シクロヘキサンで変性)1000mlを添加し、新たに浴温105℃で溶剤を十分に留去する。新たにエタノール(無水、シクロヘキサンで変性)1000ml並びに水酸化カリウム(粉末として)60.89g(1085mmol)並びに完全脱塩水1000mlを添加する。還流下に7時間加熱し、次いで更に攪拌可能な油状物質まで濃縮する。室温に冷却した後に、残分を3回それぞれヘキサン500mlで抽出する。水相をMTB500mlと混合し、強力な撹拌下に37%塩酸水溶液でpH2に調節する。次いで、水相をMTBそれぞれ1000mlで2回抽出する。有機相を合し、乾燥し、浴温50℃で、圧力70ミリバールで、回転蒸発器を用いて蒸発乾固する。残分をシリカゲル60(粒度 40〜63μm)1000gでクロマトグラフィーにかける。溶離剤としてはn−ヘキサン2700ml、ジクロロメタン5400ml並びにメタノール1500mlを使用する。生成物含有フラクションを合して、真空中で蒸発乾固する。
【0094】
収率:無色粘性油状物質246.33g(理論値の52.6%、2工程にわたって)。
【0095】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.40 H 6.54。
【0001】
本発明は、特許請求項に詳細に記載されている、一般式Iのペルベンジル化1−O−グリコシドの新規製法に関する。本発明による方法は、安価な出発材料から出発し、良好な収率を提供し、1−O−官能化側鎖を有するペルベンジル化サッカリドを大量生産により製造することを可能にする。
【0002】
ペルベンジル化サッカリド誘導体は合成化学における、重要な中間生成物である。特に、多くの高い性能の、および選択的な薬品は糖基を有しているために、医薬品化学はこの種の構成成分を非常にしばしば使用する。こうして、例えばJournal of Drug Targeting 1995、第3巻、第111〜127頁にはいわゆる“グリコターゲッティング”の使用が記載されている。いわゆる“マルチアンテナリー・シュガー・チェインズ(multi-antennary sugar chains)”はChemistry Letters 1998、第823頁に記載されている。糖単位のクラスター化により、細胞−細胞相互作用において炭水化物−レセプター−相互作用は著しく改善される。アシアログリコプロテイン・レセプターへの高い親和性を有するガラクトシドの合成は、J. Med. Chem. 1995、38、第1538頁に開示されている(Int. J. Peptide Protein Res. 43、 1994、 p 477)。ここでは、官能化側鎖を有する誘導体化ガラクトースが製造されていて、これは最後に種々の異なる分子に結合させることができる。グリコバイオロジーをベースとする、サッカリドの使用に関する良好な概要はAcc. Chem. Res. 1995, 321に記載されている。ルイス×偽薬(LewisX Mimetika)の合成のためにも(Tet. Lett. Vol. 31, 5503)、官能化モノサッカリドが前駆物質として使用されている(JACS 1996、 118、 6826も参照)。
【0003】
性能の優れた医薬品のための中間体としての誘導体化モノサッカリドの使用はCurrent Medicinal Chemistry, 1995, 1, 392に良好に記載されている。ペルベンジル化−1−OH−糖−誘導体(ガラクトース、グルコース)は心臓活性グリコシド(ジギトキシン−複合体)の合成にも使用される。1−O−グリコシド化はここではトリクロロアセトイミデートおよびBF3−触媒を介して行われる(J. Med. Chem. 1986、 29、 p1945)。不動態化糖リガンドの製造(例えば、HSAへの結合)のためには官能化し、保護したモノサッカリドを使用する(Chemical Society Reviews 1995, p 413)。
【0004】
1−O−グリコシド化反応を介して付加的に官能性を糖分子に導入することは、合成のグループにとっての目的である。ここでは、特に末端位COOH基、アミノ基またはOH基は、後続の工程において更に変換することができるために、重要である。
【0005】
1−O−グリコシドの製造は、多くの場合従来の方法、例えばKoenigs-Knorr、 Helferich による方法、またはR.R. Schmidtにより記載されたトリクロロアセトイミデート法で行われる[W. Koenigs und E. Knorr、 Ber. dtsch. chem. Ges. 34 (1901) 957; B. Helferich und J. Goendeler、 Ber. dtsch. chem. Ges. 73、 (1940) 532; B. Helferich、 W. Piel und F.Eckstein、 Chem. Ber. 94 (1961)、 491、 B. Helferich und W.M. Mueller、 Chem. Ber. 1970、 103, 3350; G. Wulff.、 G. Roehle und W. Krueger、 Ang. Chem. Internat. Edn.、 1970、 9、 455; J.M. Berry und G.G.S. Duthon、 Canad. J. Chem. 1972、 50、 1424; R.R. Schmidt、 Angew. Chem. 1986, 98. 213]。
【0006】
これらの全ての方法は、1−ヒドロキシル基を最終的に脱離基として働く反応性の形に変換する、ということが共通している。ルイス酸触媒(一部では化学量論量)の存在で、アルコールとの本来の反応を行い1−O−グリコシドになる。この種の反応に関しては、多くの例が、文献中に存在する。
【0007】
免疫刺激剤のKRN−7000(Kirin Brewery)の製造の際には、テトラ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル−ブロミドと、ヒドロキシル基がジヒドロキシ−アミド−C−鎖の末端にある第一アルコールとの縮合が(DMF/トルエン中、ルイス酸触媒下)中心工程である(Drug of the Future 1997、 22(2))。日本の特許JP95−51764は、トリメチルシリルブロミド/亜鉛トリフレート−触媒の存在下での1−O−アセチル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコピラノースとポリオキシエチレン−30−フィトステロール(BPS-30m NIKKO Chem.、 Japan)との反応を記載している。Bull. Chem. Soc. 1982、 55(4)、 p 1092-6には、ジクロロメタン中での四塩化チタン−触媒下でのペルベンジル−糖の1−O−グリコシド化が記載されている。
【0008】
Liebigs Ann. Org. Bioorg. Chem.; EN; 9; 1995; 1673-1680は3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−(2−ヘキサデシルオキシエトキシ)−テトラヒドロピランの製造を記載している。2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノースから出発して、1−O−グリコシド化を、Bu4NBr、CoBr2、Me3SiBrおよびモレキュラーシーブの使用下に、塩化メチレン中で60時間かけて実施する。
【0009】
メチルエステルとして保護された末端位カルボキシル基を含有する、テトラベンジル誘導体はCarbohydr. Res.; EN; 230; 1; 1992; 117に記載されている。その後、カルボキシル基を遊離し、更に反応させる。グリコシド化のためにはジクロロメタン中の炭酸銀を使用する。高価な炭酸銀の使用は、配合量を制限し、経済的な規模の拡大はほとんど不可能である。同じ問題はTetrahedron Lett. 30、 44、 1989、 p 6019中にも記載されている、以降の化合物にも当てはまる。ここでは、ニトロメタン中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−マンノシル−ブロミドを2−ベンジルオキシエタノールと、シアン化水銀を用いて、1−O−グリコシドに変換する。シアン化水銀のパイロットプラント装置中での使用は問題があり、環境政策的観点からも回避すべきである。
【0010】
最近になって記載されている高装入量のスクリーニング(Hochdurchsatz-Screening)のための物質ライブラリー(Substanzbibliotheken)は非常にしばしばサッカリドを使用する(Angew. Chemie 1995、 107、 2912)。ここでは、例えば自動合成において変換されうる官能基、例えば−COOHまたは−NH2を有する糖構成成分が、保護された形で存在しなければならないということが目的である。このために使用される構成成分は、Lockhoff, Angew. Chem. 1998、 110(24)、 P 3634に記載されている。特にペルベンジル−グルコースの1−O−酢酸はここでは重要である。この製造は2工程で、トリクロロアセトイミデートを介して、THF中BF3−触媒の存在でのヒドロキシ酢酸エチルエステルとの反応、および引き続くMeOH/THF中でのNaOHでの鹸化により行われる。しかしながら、2時間にわたっての全収率は僅かに59%である。
【0011】
同じ刊行物中には、ペルベンジル化グルコースの1−O−(アミノエチル)−グルコシドの製造も記載されている。この変換は、同様にトリクロロアセトイミデートから出発し、THF中でBF3−触媒の存在でのN−ホルミルアミノエタノールとの反応および引き続きMeOH/THF中での鹸化により行われる。全収率はここでも比較的低く、僅かに45%である。
【0012】
ペルベンジルキシロースの1−O−(アミノエチル)−誘導体は、Carbohydrate Research 1997、298、p 173中に中間生成物として記載されている。しかしながら、この合成は、キシロースの1−ブロム−ペルアセテートから出発するので非常に長時間かかる。本来の1−O−グリコシド化は1−フェニルチオエーテルを介して行われ、これは2−アジドエタノールとDMTST−触媒(=ジメチル(メチルチオ)−スルホニウム−トリフレート)の存在下にジクロロメタン中で変換される(全工程数:7)。総収率が40%を下回るので産業上の適用には好適でない。
【0013】
R.R. Schmidt (Angew. Chem. 1986、98、p 213-236)による概要的な文献は1−OH−ペルベンジル−グルコースおよび−リボースと2−ハロゲンエステルおよびトリフレートとの直接的な反応を記載している。塩基としてはTHFまたはベンゼン中の水素化ナトリウムを使用しており(Chem. Ber. 1982, 115)、収率は40〜55%の間である。ジオキサン中の水素化ナトリウムまたはTHF中のカリウム−t−ブチラートの使用も(両方とも室温)トリフレートでの1−O−アルキル化のために記載されている(Angew. Chem. 1986、98、p 218)。厳密に維持しなければならない無水の反応条件はこの種のアルキル化の規模の拡大の際に、大きな障害を形成する。
【0014】
従来公知の全ての方法は、この方法の規模の拡大を容易にすることができないという大きな欠点を有する。1−O−グリコシド化におけるルイス酸の使用並びに1−O−アルキル化における水素化ナトリウムの使用は常に無水の反応条件を必要とし、このことは大量での配合の際には常に困難を伴う。反応助剤(Hg/シアニド/等)の後処理および廃棄物処理も多くの場合問題である。
【0015】
従って、本発明の課題は、1−O−官能化側鎖を有するペルベンジル化サッカリドを大量に、安価にかつ環境を汚染せずに製造することのできる方法を提供することである。
【0016】
本発明の課題は、一般式I
【0017】
【化1】
のペルベンジル化1−O−グリコシドを製造することのできる、請求項に記載された方法により解決する。本発明の定義によれば、一般式I中の糖1は1−OH−位で官能化されたモノサッカリドであり、この際1つまたはそれ以上のOH基の代わりにH−原子を有する、デスオキシ糖でもある。本発明の有利な実施形においては、一般式I中の糖は炭素原子5〜6個を有するモノサッカリド、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、アラビノースまたはキシロースまたはこれらのデスオキシ糖、例えば6−デスオキシガラクトース(フコース)または6−デスオキシ−マンノース(ラムノース)を表す。
【0018】
基Rは、ベンジル基を表し、これは使用するモノサッカリドまたはそのデスオキシ型から独立して少なくとも2個存在し、ジ−、トリ−またはポリサッカリドの使用の際には相応して複数存在する。
【0019】
基Xは、−COO−または−NH−を表す。本発明方法の結果において、一般式Iのアルコール、カルボン酸またはアミンが得られる。
【0020】
基Lは、直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和のC1〜C30−炭素鎖を表し、これは場合により酸素原子1〜10個、硫黄原子1〜3個、フェニレン基1〜2個、フェニレンオキシ基1〜2個、フェニレンジオキシ基1〜2個、チオフェン基、ピリミジン基またはピリジン基により中断されているか、および/または場合によりフェニル基1〜3個、カルボキシル基1〜3個、ヒドロキシ基1〜5個、O−C1〜C7−アルキル基1〜5個、アミノ基1〜3個、CF3−基1〜3個またはフッ素原子1〜10個により置換されている。本発明の意味において、有利な基Lは、
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
[式中、γは糖への結合位を表し、δは基Xに対する結合位である]である。リンカーLが−CH2−基であるのが特に有利である。
【0023】
一般式Iのペルベンジル化1−O−グリコシドを製造するためには、一般式II
【0024】
【化4】
[式中、糖1、Rおよびnは前記のものを表す]のペルベンジル化1−OH−糖を有機溶剤ジエトキシメタン中にとかし、一般式III
Nu−L−X−Sg (III)
[式中、Nuは脱離基を表し、LおよびXは前記のものを表し、Sgは保護基を表す]のアルキル化剤と、塩基および場合により相間移動触媒の存在において反応させる。脱離基としては一般式IIIのアルキル化剤中に例えば基、−Cl、−Br、−I、−OTs、−OMs、−OSO2CF3、−OSO2C4F9または−OSO2C8F17を含有していてよい。
【0025】
保護基Sgとは、それぞれXが基−COO−または−NH−を表すかにより、通常の酸保護基またはアミン保護基である。これらの保護基は当業者には十分に熟知されている(Protective Groups in Organic Syntheses、Second Edition、T. W. Greene and P.G.M. Wuts、John Wiley & Sons Inc.、 New York 1991)。
【0026】
本発明による反応を、温度0〜50℃、有利に0℃〜室温で実施することができる。反応時間は10分間〜24時間、有利に20分間〜12時間である。
【0027】
塩基は固体の形で、有利には微細に粉砕し、または液体で、または10〜70%、有利に30〜50%濃度の水溶液として添加する。有利な塩基としては、NaOH、KOH、炭酸セシウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DBN)、カリウム−t−ブトキシドおよびナトリウム−t−ブトキシドを使用する。
【0028】
本発明による溶剤としては、ジエトキシメタンを使用する。本発明方法において相間移動触媒としては、この目的のために公知の四級アンモニウム塩またはホスホニウム塩またはクラウンエーテル、例えば[15]−クラウン−5または[18]−クラウン−6を使用する。カチオンに4つの同じまたは異なる炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルから選択された炭化水素基、を有する四級アンモニウム塩が有利である。有機溶剤中にアルキル化試薬の良好な溶解性を達成するために、カチオン上の炭化水素基は十分に大きくなくてはならない。N(ブチル)4 +−Cl−、N(ブチル)4 +−HSO4 −が特に有利であるが、N(メチル)4 +−Cl−も有利に使用される。
【0029】
変換の終了後、反応混合物の後処理はなお保護されている最終生成物の単離、および引き続き一般式Iの最終生成物への保護基の脱離により実施することができる。しかしながら、なお保護されている最終生成物を単離することなく溶剤を除去し、残分を新たに保護基の脱離に好適な溶剤中に取り込み、ここで脱離を実施するのが有利である。保護基の脱離および酸−、アミノ−、ヒドロキシ−またはチオール基の再生のための方法は、当業者には十分に公知である。
【0030】
例えば、保護基Sgはカルボキシル基の酸プロトンをブロックする酸保護基、すなわちメチル、エチル、ベンジルまたはt−ブチルであり、こうして酸は通常アルカリ性加水分解により再生される。本発明の方法においては、この場合、アルキル化試薬から溶剤を除去した後、この残分を新たな溶剤、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ブタノールまたはジオキサン中に取り込む。次いで塩基の水溶液を添加し、0〜100℃の温度でアルカリ性加水分解を実施する。
【0031】
(L中の)ヒドロキシ保護基としては、例えばベンジル−、4−メトキシベンジル−、4−ニトロベンジル、トリチル−、ジフェニルメチル−、トリメチルシリル−、ジメチル−t−ブチルシリルまたはジフェニル−t−ブチルシリル基を挙げることができる。
【0032】
ヒドロキシ基は、例えばTHP−エーテル、α−アルコキシエチルエーテル、MEM−エーテルとして、または芳香族または脂肪族カルボン酸、例えば酢酸または安息香酸とのエステルとして、存在していてもよい。ポリオールの場合、ヒドロキシ基は、例えばアセトン、アセトアルデヒド、シクロヘキサノンまたはベンズアルデヒドとのケタールの形で保護されていてもよい。ヒドロキシ保護基は当業者に公知の文献法により、例えば水素添加分解、エーテルおよびケタールの酸処理、エステルのアルカリ処理またはシリル保護基のフッ化物での処理により遊離することができる(参照、例えば,Protective Groups in Organic Syntheses、second Edition、T. W. Greene and P.G.M. Wuts、John Wiley & Sons Inc.、New York 1991)。
【0033】
NH2−基は種々の方法で保護され、かつ再び遊離される。N−トリフルオロアセチル誘導体は水中で炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムにより[H. Newman、J. Org. Chem.、30:287 (1965)、M. A. Schwartz et al.、J. Am. Chem. Soc.、95 G12(1973) ]または単にアンモニア溶液により[M. Imazawa und F. Eckstein, J. Org. Chem., 44:2039 (1979)]切断される。同様にt−ブチルオキシカルボニル誘導体も緩和な切断である:これはトリフルオロ酢酸との攪拌で十分である[B. F. Lundt et al.、J. Org. Chem.、43:2285 (1978)]。水添分解または還元により切断すべきNH2−保護基の群は非常に大きい:N−ベンジル基は水素/Pd−Cを用いて容易に切断することができ[W. H. Hartung und R. Simonoff Org. Reactions VII、 263 (1953)]、このことはトリチル基[L. Zervas et al.、 J. Am. Chem. Soc.、 78:1359 (1956)]にも、かつベンジルオキシカルボニル基[M. Bergmann und. L. Zervas Ber. 65:1192 (1932)]にも当てはまる。シリル誘導体のうちでもフッ素イオンで脱離することのできる、容易に脱離可能なt−ブチルジフェニルシリル化合物[L. E. Overman et al., Tetrahedron Lett.、27:4391 (1986)]、例えば2−(トリメチルシリル)−エチルカルバメート[L. Grehn et al., Angew. Chem.、 Int. Ed. Engl.、23:296 (1983)]および2−トリメチルシリルエタンスルホンアミド[R.S. Garigipati and S.M. Weinreb、J. Org. Chem.、53:4134 (1988)]を使用する。特に容易に切断可能な基は9−フルオレニルメチル−カルバメートである:切断はアミン、例えばピペリジン、モルホリン、4−ジメチルアミノピリジンで実施することができるが、テトラブチルアンモニウムフルオリドでも実施することができる[L. A. Carpino et al.、J. Org. Chem.、55:1673 (1990); M. Ueki and M. Amemiya、 Tetrahedron Lett.、28:6617 (1987)]。
【0034】
得られた一般式Iの最終生成物(アミンまたはカルボン酸)の単離は、同様に常法で、当業者に十分に公知の方法で実施する。
【0035】
例えば、酸保護基の場合、溶剤を加水分解反応から蒸発させ、残分を非プロトン溶剤中に取り込む。酸水溶液で酸性にすることにより、pH値を約2〜4に調節し、その後有機相を分離する。結晶化またはクロマトグラフィーにより、ペルベンジル化1−O−グリコシドは獲得することができる。
【0036】
所望の場合、一般式Iの化合物は常法でその塩に変換することができる。
【0037】
本発明の方法で達成することのできる、一般式Iの化合物の収率は良好である。公知技術と比較可能な公知化合物に関して、その収率は公知技術の収率を上回る。こうして例えばペルベンジル化グルコースの1−O−酢酸に関する例は、Angew. Chem. 1998、110(24)、P 3634中に記載されている方法で総収率59%であり、一方本発明においては2工程にわたるこの化合物の収率は82%である(本願実施例7を参照)。本願の実施例12に記載の化合物の製造も、公知文献中に記載されている。2工程にわたるこの化合物の収率は78%であり、公知文献に記載の方法では僅かに45%が達せられた。
【0038】
高い収率の他にも、本発明による方法は、安価な出発物質からはじめ、方法の規模の拡大も可能にし、かつ最終生成物の容易な単離を可能にした。
【0039】
出発物質は市販の製品であるかまたは市販の前工程物質から容易に獲得することができる。こうして、Fulka AG社、Buchs、スイス在からテトラ−2,3,4,6−O−ベンジル−D−グルコピラノースを得ることができる。Fulkaにおいてはメチル−D−マンノ−ピラノシドおよびメチル−D−ガラクトピラノシドはカタログに挙げられた製品である。ベンジル化およびグリコシドの切断により、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−マンノースもしくは−ガラクトースを獲得することができる。配列−メチルグルコシド−ペルベンジル−メチルグリコシド−ペルベンジル−1−OH−サッカリドを介して、ペントース(リボース、アラビノース)、ヘキソースおよびデスオキシヘキソース(ラムノース、フコース)のペルベンジル−1−OH−誘導体が得られる。
【0040】
本発明により製造した化合物は合成化学において価値の高い中間生成物である。こうして、この化合物は例えば炭水化物デンドリマーの製造のために、NMR−造影剤の合成のために、および医薬品中に糖基を導入するために使用することができる。
【0041】
本発明による方法を、以下に実施例につき詳細に説明する。
【0042】
例1
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.70g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0043】
収率:無色粘性油状物質50.9g(理論値の85%、2工程にわたって)。
【0044】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.38 H 6.55。
【0045】
例2
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
1,2−ジメトキシエタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸エチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。(ジエトキシメタン)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0046】
収率:無色粘性油状物質48.5g(理論値の81%、2工程にわたって)。
【0047】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.41 H 6.61。
【0048】
例3
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラメチルアンモニウムクロリド0.55g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。6−ブロモヘキサン酸エチルエステル35.7g(160mmol)を、強力な撹拌下に10℃で10分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0049】
収率:無色固体物質51.7g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0050】
元素分析:
計算値:C 73.37 H 7.08
実測値:C 73.50 H 7.27。
【0051】
例4
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−フェニル−カルボキシ−エチ−2−イル)−マンノピラノース
ジエトキシメタン400ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微粉末炭酸セシウム35.8g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ジエトキシメタン30ml中に溶かした2−フェニル−3−ブロモプロピオン酸エチルエステル38.6g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で10分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に4時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0052】
収率:無色固体物質54.4g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0053】
元素分析:
計算値:C 74.98 H 6.44
実測値:C 75.11 H 6.58。
【0054】
例5
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および無水炭酸カリウム15.2g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。クロロ酢酸−t−ブチルエステル30.12g(200mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。10℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相を2回水250mlで抽出する。合した有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾別し、真空中で留去する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0055】
収率:無色粘性油状物質41.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0056】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.01 H 6.63。
【0057】
例6
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン300ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびDBU15.22g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。テトラヒドロフラン40ml中に溶かした5−トシルオキシ−ペンタカルボン酸−t−ブチルエステル78g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。0℃で3時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をメタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に1時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0058】
収率:無色固体物質50g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0059】
元素分析:
計算値:C 73.10 H 6.92
実測値:C 73.21 H 7.09。
【0060】
例7
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびカリウム−t−ブトキシド11.22g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。0℃で0.5時間攪拌する。トルエン250を添加し、有機相を分離し、水相をトルエン150mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で蒸留する。残分をメタノール400ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、ジクロロメタン500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0061】
収率:無色粘性油状物質49.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0062】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.09 H 6.59。
【0063】
例8
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−グルコピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラメチルアンモニウムクロリド0.55g(5mmol)およびDBN12.42g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。ベンゼン50ml中に溶かした11−ブロモウンデカン酸−エチルエステル44g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。20℃で2時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、ジクロロメタン500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回ジクロロメタン200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0064】
収率:無色固体物質58.4g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0065】
元素分析:
計算値:C 75.37 H 7.54
実測値:C 75.52 H 7.73。
【0066】
例9
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−ガラクトピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド9.62g(100mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。クロロ酢酸−t−ブチルエステル30.12g(200mmol)を、強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。10℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相を水250mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で留去する。残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0067】
収率:無色粘性油状物質41.1g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0068】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.03 H 6.63。
【0069】
例10
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−[1−(4−カルボキシ)−フェニル−プロプ−3−イル−ガラクトピラノース
ジエトキシメタン300ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−ガラクトピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微細粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。テトラヒドロフラン50ml中に溶かした4−(3−メタンスルホニルオキシ−プロピル)−安息香酸−エチルエステル43g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で30分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。MTB(メチル−t−ブチルエーテル)300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をメタノール500ml/水50ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0070】
収率:無色固体物質54.1g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0071】
元素分析:
計算値:C 75.19 H 6.60
実測値:C 75.02 H 6.79。
【0072】
例11
2,3,5−トリ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−リボフラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,5−トリ−O−リボフラノース42.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlからなる混合物を0℃に冷却する。ブロモ酢酸−t−ブチルエステル29.3g(150mmol)を強力な撹拌下に0℃で20分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。メチル−t−ブチルエーテル250mlを添加し、有機相を分離し、水相をメチル−t−ブチルエーテル200mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤から濾別し、真空中で留去し、残分をエタノール500ml中に取り込む。50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、還流下に0.5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル500ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:5:3:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル200ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0073】
収率:無色粘性油状物質39.2g(理論値の82%、2工程にわたって)。
【0074】
元素分析:
計算値:C 70.28 H 6.32
実測値:C 70.11 H 6.51。
【0075】
例12
2,3,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−エチ−2−イル)−リボフラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,5−トリ−O−ベンジル−リボフラノース42.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム3.40g(10mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。ベンゼン100ml中に溶かしたN−(2−ブロモエチル)−フタルイミド38.1g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で40分間かけて滴加する。10℃で3時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。濾液残分をエタノール500ml中にとかし、ヒドラジンヒドレート25.03g(500mmol)を添加し、還流下に6時間加熱する。0℃に冷却し、析出した沈殿物を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をジクロロメタン400ml中に溶かし、この溶液を5%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2回、次いで水で1回(それぞれ300ml)洗浄する。有機相を真空中で蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0076】
収率:無色固体物質36.2g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0077】
元素分析:
計算値:C 72.55 H 7.17 N 3.02
実測値:C 72.39 H 7.38 N 2.87。
【0078】
例13
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−プロプ−3−イル)−ガラクトピラノース、
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−ガラクトピラノース42.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微細粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を10℃に冷却する。1,2−ジメトキシエタン100ml中に溶けたN−(3−ブロモプロピル)−フタルイミド40.2g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で40分間かけて滴加する。10℃で3時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。濾液残分をエタノール500ml中に溶かし、ヒドラジンヒドレート25.03ml(500mmol)を添加し、還流下に6時間加熱する。0℃に冷却し、析出した沈殿物を濾別し、かつ濾液を真空下に蒸発乾固する。残分をジクロロメタン400ml中に溶かし、この溶液を5%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2回、引き続き水で1回洗浄する(それぞれ300ml)。有機相を真空中で蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0079】
収率:無色固体物質46g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0080】
元素分析:
計算値:C 74.35 H 7.25 N 2.34
実測値:C 74.24 H 7.41 N 2.27。
【0081】
例14
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−アミノ−ヘキシ−6−イル)−マンノピラノース、
ジエトキシメタン500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および炭酸セシウム35.84g(110mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。6−ブロム−ヘキシルアミン−N−(9−フルオレニルメトキシ−カルボニル)60.3g(150mmol)を強力な撹拌下に30分間かけて滴加する。0℃で1時間攪拌する。ジクロロメタン300mlを添加し、有機相を分離し、水相をジクロロメタン200mlで2回抽出する。合した有機相の溶剤を真空中で留去する。残分をエタノール250ml中に取り込み、ピペリジン100g(1.17mol)を添加する。40℃で5時間攪拌する。この溶液を蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0082】
収率:無色固体物質41.1g(理論値の79%、2工程にわたって)。
【0083】
元素分析:
計算値:C 69.33 H 9.50 N 2.70
実測値:C 69.44 H 9.68 N 2.54。
【0084】
例15
2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−デスオキシ−1−O−(1−アミノ−ブチ−4−イル)−フコピラノース、
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−デスオキシ−フコピラノース43.5g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および60%濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlからなる混合物を0℃に冷却する。ジクロロメタン100ml中に溶かした2−(トリメチルシリル)−エチルスルホン酸−N−(4−ブロムブチル)−アミド47.4g(150mmol)を強力な撹拌下に10℃で30分間かけて滴加する。10℃で2時間攪拌する。ジクロロメタン600mlを添加し、有機相を分離し、水相をジクロロメタン200mlで2回抽出する。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥する。乾燥剤を濾過し、溶剤を真空中で蒸留する。残分をアセトニトリル350ml中に取り込み、テトラブチルアンモニウムフルオリド52.3g(200mmol)を1水化物として添加する。50℃で3時間攪拌する。この溶液を蒸発乾固し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/トリエチルアミン=20:2:0.1)。
【0085】
収率:無色固体物質39.4g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0086】
元素分析:
計算値:C 73.64 H 7.77 N 2.77
実測値:C 73.53 H 7.91 N 2.65。
【0087】
例16
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(3,6,9,12,15−ペンタオキサ−1−カルボキヘキサデク−16−イル)−グルコピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−グルコピラノース54.1g(100mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド1.39g(5mmol)および微粉末水酸化ナトリウム24g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。テトラヒドロフラン100ml中に溶かした17−トシロキシ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン酸エチルエステル64.3g(130mmol)を、強力な撹拌下に0℃で50分間かけて滴加する。0℃で3時間攪拌する。ジクロロメタン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水100ml中に取り込む。60%濃度の水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、還流下に5時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル400ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH2にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール/酢酸=20:8:5:0.5)。生成物含有フラクションを濃縮し、酢酸エチルエステル400ml中に溶かし、水200mlで3回振出する。引き続き、有機相を分離し、真空中で蒸発乾固する。
【0088】
収率:無色油状物質64.3g(理論値の77%、2工程にわたって)。
【0089】
元素分析:
計算値:C 66.17 H 7.00
実測値:C 66.03 H 7.19。
【0090】
例17
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−(1−ヒドロキシ−エチ−2−イル)−マンノピラノース
ジエトキシメタン350ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース54.1g(100mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.7g(5mmol)および微粉末水酸化カリウム33.7g(600mmol)からなる混合物を0℃に冷却する。2,2−ジメチル−プロピオン酸−2−ブロモエチルエステル31.4g(150mmol)を、強力な撹拌下に0℃で30分間かけて滴加する。0℃で2時間攪拌する。ベンゼン300mlを添加し、固体物質を濾別し、濾液を真空中で蒸発乾固する。残分をエタノール500ml/水100ml中に取り込む。50%濃度の水酸化カリウム水溶液100mlを添加し、還流下に8時間煮沸する。0℃に冷却し、10%濃度の塩酸水溶液でpH8に調節し、引き続き溶剤を留去する(真空下)。残分を水300ml、酢酸エチルエステル400ml中に取り込み、撹拌下に水相のpH値をpH5にする(10%濃度の塩酸水溶液)。有機相を分離し、水相をもう一回酢酸エチルエステル200mlで後抽出する。合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶剤を真空中で留去し、残分をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/n−ヘキサン/エタノール=20:8:2)。生成物含有フラクションを濃縮する。
【0091】
収率:無色粘性油状物質45.6g(理論値の78%、2工程にわたって)。
【0092】
元素分析:
計算値:C 73.95 H 6.90
実測値:C 73.84 H 7.03。
【0093】
例18
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−O−カルボキシメチル−マンノピラノース
ジエトキシメタン2500ml中の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−マンノピラノース500.0g(924.2mmol)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム50.00g(147.1mmol)からなる混合物を温度0℃に冷却する。微粉末水酸化カリウム121.77g(217.0mmol)を添加し、10分間、後攪拌する。ブロモ酢酸−t−ブチルエステル180.39g(1608mmol)を、強力な撹拌下に0℃〜5℃で30分間かけて滴加する。更に、0℃で2時間、後攪拌する。2時間かけて室温にし、無水エタノール(シクロヘキサンで変性)500mlを添加し、浴温105℃で溶剤を十分に留去する。これにエタノール(無水、シクロヘキサンで変性)1000mlを添加し、新たに浴温105℃で溶剤を十分に留去する。新たにエタノール(無水、シクロヘキサンで変性)1000ml並びに水酸化カリウム(粉末として)60.89g(1085mmol)並びに完全脱塩水1000mlを添加する。還流下に7時間加熱し、次いで更に攪拌可能な油状物質まで濃縮する。室温に冷却した後に、残分を3回それぞれヘキサン500mlで抽出する。水相をMTB500mlと混合し、強力な撹拌下に37%塩酸水溶液でpH2に調節する。次いで、水相をMTBそれぞれ1000mlで2回抽出する。有機相を合し、乾燥し、浴温50℃で、圧力70ミリバールで、回転蒸発器を用いて蒸発乾固する。残分をシリカゲル60(粒度 40〜63μm)1000gでクロマトグラフィーにかける。溶離剤としてはn−ヘキサン2700ml、ジクロロメタン5400ml並びにメタノール1500mlを使用する。生成物含有フラクションを合して、真空中で蒸発乾固する。
【0094】
収率:無色粘性油状物質246.33g(理論値の52.6%、2工程にわたって)。
【0095】
元素分析:
計算値:C 72.22 H 6.40
実測値:C 72.40 H 6.54。
Claims (8)
- 一般式I
Rはベンジル基を表し、
nは2、3または4を表し、
Xは−COO−または−NH−を表し、かつ
Lは直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和のC1〜C30−炭素鎖を表し、これは場合により酸素原子1〜10個、硫黄原子1〜3個、フェニレン基1〜2個、フェニレンオキシ基1〜2個、フェニレンジオキシ基1〜2個、チオフェン基、ピリミジン基またはピリジン基により中断されているか、および/または場合によりフェニル基1〜3個、カルボキシル基1〜3個、ヒドロキシ基1〜5個、O−C1〜C7−アルキル基1〜5個、アミノ基1〜3個、CF3−基1〜3個またはフッ素原子1〜10個により置換されている]のペルベンジル化1−O−グリコシドまたはその塩を製造する方法において、一般式II
Nu−L−X−Sg (III)
[式中、Nuは脱離基を表し、LおよびXは前記のものを表し、Sgは保護基を表す]のアルキル化剤と、有機溶剤ジエトキシメタン中で、塩基および場合により相間移動触媒の存在において、温度0〜50℃で反応させ、引き続き保護基を脱離し、得られた反応生成物を場合により塩に変換することを特徴とする、ペルベンジル化1−O−グリコシドまたはその塩の製法。 - 一般式IIのペルベンジル化1−OH−糖として、炭素原子5〜6個を有するペルベンジル化モノサッカリドまたはそのデスオキシ−化合物を使用する、請求項1記載の製法。
- 一般式IIのペルベンジル化1−OH−糖として、ペルベンジル化グルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、アラビノース、キシロース、フコースまたはラムノースを使用する、請求項1または2記載の製法。
- 一般式IIIのアルキル化剤として、脱離基が基−Cl、−Br、−I、−OTs、−OMs、−OSO2CF3、−OSO2C4F9または−OSO2C8F17を表すものを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の製法。
- 相間移動触媒として四級アンモニウム塩またはホスホニウム塩またはクラウンエーテルを使用し、有利には四級アンモニウム塩を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の製法。
- 塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、カリウム−t−ブトキシド、およびナトリウム−t−ブトキシドを使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の製法。
- 塩基を固体または液体の形で、または10〜70%の溶液として使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の製法。
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