JP2004534293A - カラーカスタム化スタイルシートを使ったウェブ頁のカラー精度改良方法 - Google Patents
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Abstract
コンピュータネットワーク上に存在するクライアントに関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報を取得し、その情報を使用して、ウェブ頁を表示するためにクライアントに提供するスタイルシートを変更することにより、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善することができる。オンラインオークション又は写真ウェブサイトなどの画像を提出する複数のクライアントと画像を受信する複数のクライアントの両方を有するネットワークにおいて表示精度を向上させることができる。情報は、例えば、画像又はその他のビジュアルコンテンツをダウンロードするクライアントを表示装置の色応答をプロファイリングするカラープロファイリングプロセスにおいてガイドすることにより、取得可能である。例えば、このようなガイダンスは、クライアントに提供される一連の指示用ウェブ頁の形態を取ることができる。これらのウェブ頁は、クライアントからの色の特徴付けデータの収集を可能にするべく、対話型にすることができる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像の生成(Color Imaging)に関し、更に詳しくは、表示装置におけるカラー画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの成長に伴い、オンライン小売業者やその他の製品販売業者にとって大きなビジネスチャンスが創造された。既に消費者製品の主要小売業者の大部分は、ワールドワイドウェブ上に商用サイトの構築を完了している。同時に、ウェブサイトの利用により、これまで小規模小売業者が経験していたマーケティング障壁の多くが取り除かれた。更には、小規模小売業者と個人のウェブユーザーの両方にとって、オンラインオークションが人気のある取引形態になっている。いまや、小売業者であれば誰でも、潜在顧客が簡単にアクセスできるように製品情報を掲示し自社製品に対する注文を自動的に取得可能であるといっても過言ではない。
【0003】
それらの製品情報には多数の画像が含まれている。クライアント装置を操作するウェブ顧客は、オンラインの注文書を発行する前に、それらの画像によって製品を参照することができる。物品によっては、ユーザーが「サムネイル」画像をクリックすると、その物品を高解像度のフォーマットで参照可能なものも存在する。しかしながら、多くの場合に、それらの画像の品質が大きな懸念材料となる。特に、色が主なセールスポイントとなっている製品の場合、色の精度が非常に重要になるのである。
【0004】
例えば、衣料品の小売業者の場合には、セーターの画像は実際の色と可能な限り同一でなければならない。ところが、残念ながら、色の出力特性は表示装置ごとに大きく異なる。赤、緑、及び青(RGB)のピクセル値のレンダリング及び表示方法は、陰極線管(CRT)又はフラットパネルディスプレイ、ビデオカード、ドライバソフトウェア、及びオペレーティングシステムによって総合的に決定されるが、システムごとに、これらが大きく異なるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この結果、ワイン色に表示されたセーターを注文したオンライン顧客のところに明るい赤のセーターが届くことになる。現実に、この色精度の不良が、オンライン顧客による購入品返品の大きな原因となっている。数例において、この問題は、売り手のオンライン商品販売への委託により得られる利点を消失し、投資継続を損なうかもしれない。
【0006】
本発明は、色の出力特性が異なる表示装置を備えたコンピュータネットワークにおけるカラー画像表示精度の改善に関するものである。本発明は、ネットワークのクライアントが使う表示装置の色応答特性に基づいて、カラーカスタム化スタイルシートを使って、ウェブ頁の色精度を改善するものである。
【0007】
具体的には、本発明は、スタイルシートに色値(color values)を設定し、ウェブ頁オブジェクトを高い色精度で作成する。いくつかの実施例において、表示装置の色応答特性に基づいて、ウェブ頁内の本発明タグ付き画像の色を設定するこのようにして、ウェブ頁の色は、個々のユーザの表示装置の特性毎に、独自のものになる。
【0008】
スタイルシートは、テキストファイル又は、色、レイアウト、その他のウェブ頁の特徴を規定する形式である。現行使用されているスタイルシートの例は、拡張スタイル言語(XSL)とカスケーディングスタイルシートシート(CSS)スタイルシートである。ウェブブラウザは、そのデフォールトスタイルシートを持つのが普通であり、それは、色パレットを特定する。しかし、ウェブ頁作成者は、自分自身のスタイルシートを作成し、自分が作ったウェブ頁をカスタム化する。
【0009】
スタイルシートは、比較的短い、デフォールトカラーのリストを意味し、又は、ウェブ頁内のオブジェクトに対し割当てるカスタムRGB値を指定する。ウェブブラウザがウェブ頁を作成する場合、ウェブ頁HTMLとスタイルシートとを解釈する。具体的には、ウェブブラウザは、HTMLと他の命令を解釈して、ウェブ頁内にオブジェクトを配置し、それらに対し特定の色を割当てる。
【0010】
特定の色応答特性に基づいて、スタイルシートを作成することにより、本発明は、ウェブ頁に、より正確な色値を割当てることを可能にする。本発明は、ウェブ頁コンテントのカスタム化を可能にし、種々の表示装置間の色応答の違いを補償する。個々のクライアントに送るウェブ頁は、これらクライアントに対し作成したスタイルシートを参照する。それにより、カスタム化した色を前記頁内のオブジェクトに割当て、色の精度を向上する。
【0011】
本発明は、個々の表示装置の色応答特性を決定するカラープロフィリング・プロセスを含む。カスタム化されたスタイルシートにおける色値は、前記カラープロフィリング・プロセスの結果に基づくことができる。個々のネットワーククライアントのためにカラープロファイルを決めることにより、ウェブ頁コンテントを改善された色精度で配信でき、オンライン小売業者、消費者に多大な信頼を与えることができる。
【0012】
1つの実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアントに関連付けられている表示装置の色応答に基づいてスタイルシートを作成するステップと、前記スタイルシートを前記コンピュータネットワークを介して伝達するステップとを有する方法を提供する。
【0013】
他の実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアントに関連付けられている表示装置の色応答に基づいてスタイルシートを作成するステップと、前記スタイルシートを前記コンピュータネットワークを介して伝達するステップとを有する方法をプログラム可能なプロセッサに実行させる命令を格納するコンピュータ読取り可能な媒体を提供する。
【0014】
追加の実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアント14に関係する表示装置の色応答に基づいて、ウェブ頁のスタイルシートを作成する色補正モジュールを有するシステムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善するシステム10のブロックダイアグラムである。このコンピュータネットワークは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又は、ワールドワイドウェブなどのグローバルコンピュータネットワークの形態を取ることができる。図1に示されているように、システム10は、ウェブサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18を有する。複数サーバ12、16、18は、一体化され、共通ネットワークドメインとして管理され、又はネットワーク上で通信する独立サーバとして用意される。
【0016】
ウェブサーバ12は、要求に応えて、ウェブ頁をクライアント14に送る。該ウェブ頁は、ウェブサーバ12又はカラー画像サーバ16に記憶されるタグつきの画像を含んでもよい。ウェブ頁オブジェクトとして、テキスト、テーブル、ボックスのようなものを含んでよい。一つの実施例において、タグつきの画像は、カラー画像サーバ16に記憶することができる。カラー画像サーバ16は、また、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁のスタイルシートを記憶してもよい。そして、ウェブ頁は、カラー画像サーバ16又は他の装置に記憶することができる。代りに、スタイルシートをウェブサーバ12に記憶してもよい。
【0017】
スタイルシートは、ウェブ頁のオブジェクトの色と他の特徴を決定する。例として、スタイルシートは、拡張スタイルシート言語(XSL)又はカスケーディングスタイルシート(CSS)であってよい。ウェブ頁は、クライアント14のウェブブラウザ内のコンテントの作成のために、スタイルシートとタグ付き画像を参照する。いくつかのケースでは、ウェブ頁は、複数スタイルシートを参照してもよい。更に、いくつかのスタイルシートは、ウェブ頁の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。
【0018】
システム10は、多様な構成で組立てることができる。一つの構成では、ウェブ頁がウェブサーバ12に記憶されるが、他の構成では、スタイルシートとタグ付き画像(ウェブ頁により参照される)がカラー画像サーバ16に記憶される。このように、スタイルシートとタグ付き画像が、カラーカスタム化のためのエンティティ(即ちカラー画像サーバ16)に記憶される。カラー画像サーバ16は、スタイルシートとタグ付き画像(ウェブサーバ12が送るウェブ頁により呼び出される)に対する要求を受取る。
【0019】
他の構成において、ウェブサーバ12により送られるウェブ頁は、色補正が望まれる時ウェブ頁のコンテントにアクセスするために、単にクライアント14をカラー画像サーバ16にリダイレクトしてもよい。こうして、クライアント14が要求するウェブ頁は、スタイルシート、タグ付き画像と共に、カラー画像サーバ16に記憶される。色補正される全コンテントは、カラー画像サーバ16に記憶することができる。一方、色補正しないコンテントは、ウェブサーバに記憶することができる。この場合、ウェブサーバ12は、色補正しないコンテントを提供し、色補正コンテントが必要な場合、カラー画像サーバ16にリダイレクトを行う。
【0020】
一つの実施例において、色補正モジュールは、クライアント14に関係する表示装置の色応答特性(colorimetric response characteristics)に基づいて、スタイルシートを作成する。色補正モジュールは、ウェブサーバ12、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18又は他の装置で実行する。色補正モジュールは、スタイルシート内で色値を設定する。いくつかの実施例でも、色補正モジュールは、クライアント14に関係する表示装置の色応答特性に基づいて、カラー画像サーバが提供するタグ付き画像の色値を設定する。
【0021】
色補正モジュールは,スタイルシートにアクセスして、クライアント14のウェブオブジェクトをカラーカスタム化する。スタイルシートとタグ付き画像の色値を設定することにより、クライアント14は、極めて正確にカラーカスタム化されたウェブ頁を受取る。タグ付き画像のカラーカスタム化の為には、色補正モジュールは、カラープロファイル又は他の類似の情報(これらは、データベースに蓄積されていたり又はクッキーでクライアント14からアップロードされる)にアクセスすることができる。
【0022】
ウェブサーバ12は、低解像度カラー画像並びに低カラーインテンシブな画像を記憶する。より高解像度のカラー画像と、よりカラーインテンシブな(color intensive)画像は、カラー画像サーバ16に記憶される。クライアント14は、ウェブサーバ12、カラー画像サーバ16又はその両方からカラー画像をダウンロードする多数のクライアント、の中の1つであってよい。カラー画像サーバ16からタグ付き画像と共に、ウェブサーバ12からウェブ頁をダウンロードするクライアント14が、多数ある可能性がある。
【0023】
不幸にも、クライアント14が使用すある表示装置が比色応答において、かなり異なることがある。カラー画像が、クライアント14の表示装置に表示される差異に十分表現されても、他のクライアントに関係する表示装置上では、より不満足に表示される可能性がある。
個々のクライアント14の比色応答特性に基づいてスタイルシートを作成すると、これらの違いを補償することができる。タグ付き画像の色値を設定すると、更にウェブ頁における色精度を向上できる。
【0024】
必要な比色応答特性を入手するために、本発明はカラープロフィリング・プロセスを含む。図1を更に参照すると、カラープロファイルサーバ18は、クライアント14のカラープロフィリング・プロセスを管理することができる。一旦カラープロフィリング・プロセスが完了すると、カラープロファイルサーバ18は、クライアント14に関係する表示装置の比色応答特性を特徴付ける情報を生成する。クライアント14の情報は、カラープロファイルサーバ18により、カラー画像サーバ16に送ることができる。
【0025】
一つの実施例において、クライアント14の情報は、カラープロファイル・クッキーに保存される。このクッキーは、各々のクライアントにダウンロードされ、クライアントによりウェブ頁,画像、又はスタイルシートのリクエストでクライアントにより送信される。いくつかの実施例においては、クッキーに保存された情報は、必ずしも、表示装置の比色応答を特徴付けるデータを含まなくてもよいが、クライアントと関連する唯一のスタイルシートを識別することができる。他の方法として、クッキーはXML又は他の適当なコード(これから、スタイルシートがダイナミックに生成することができる)を保存してよい。カラープロファイル・クッキーを受取った後で、クライアント14は、ウェブ頁コネテントに対する要求と共に、クッキーをカラー画像サーバ16にアップロードする。
【0026】
カラープロフィリング・プロセスを開始するために、クライアント14は、まず、ウェブサーバ12と対話し、ウェブ頁にアクセスする。ウェブ頁にアクセスする最初に試みる時、クライアント14は、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトされ、比色応答情報を取得する為のカラープロフィリング・プロセスを完了する。具体的には、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁は、スタイルシート、オプションではあるが、1つ又はそれ以上のタグ付き画像(カラー画像サーバ16に記憶された)に対する参照を含んでもよい。又,システム10のいくつかの構成において、ウェブサーバ12は、スタイルシートとタグ付き画像並びに所望のウェブ頁そのもののために、クライアント14をカラー画像サーバ16にリダイレクトしてもよい。
【0027】
カラー画像サーバ16が、スタイルシートとタグ付き画像を要求するリクエストを受取る時まず、要求するクライアント14がカラープロファイルを持っているかどうかを判定する。一つの実施例では、カラー画像サーバ16は、クライアント14がカラープロファイル・クッキーをアップロードしたかどうかを検出する。もし検出していたなら、一般的にクライアント14のためのカラープロフィリング・プロセスは、必ずしも必要ではない。むしろ、カラー画像サーバ16が要求する比色応答情報又は、夫々のスタイルシートの唯一の識別子が、クッキーに保存される。
【0028】
例えば、クッキーは、クライアント14に関係する表示装置の比色応答を特徴付けるパラメータ情報を含むことができる。カラー画像サーバ16は、クッキーのコンテントを取り出し、クライアント14用のカラープロファイルを準備する。他の方法として、カラープロファイルサーバ18は、カラープロファイルを、カラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて予め算出することができ、プロファイルをクッキーに付加することができる。パラメータ情報又は、予め算出したカラープロファイルは、クライアント14に関連する表示装置の推定黒点、ガンマ、グレーバランスに関する情報を含むものである。
【0029】
カラー画像サーバ16が、クライアント14からカラープロファイルクッキーを検出しない場合は、クライアントは、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトされる。すると、カラープロファイルサーバ18は、カラープロフィリング・プロセスを完了する。カラープロフィリング・プロセスは、カラープロファイルサーバ18からクライアント14への、1つ又はそれ以上のウェブ頁の通信を含む。ウェブ頁は、黒点、ガンマ及びグレーバランス等の色応答情報に対し、一連のステップを通じてクライアント14に関連するユーザをガイドするように設計することができる。
【0030】
カラー画像サーバ16は、カラープロファイルクッキーから、比色応答情報を引き出す。カラー画像サーバ16は、それから、関連するウェブ頁が参照するスタイルシートと、ユーザ14が要求する1つ又はそれ以上の画像を取り出す。クライアント14のカラープロファイルを使って、カラー画像サーバ16は、カスタム化されたスタイルシートを作成する。カラー画像サーバ16は、クライアント14に関係する表示装置の色応答に基づいて、スタイルシートの色値を設定する。このようにして、クライアント14により表示される画像の色は、オリジナル画像の色に、より正確に一致する。
【0031】
なお、カラー画像サーバ16は、要求された画像に色値を設定する。具体的には、カラー画像サーバ16は、画像に、色変換、又は他の修正を行い、クライアント14に関連する表示装置の色応答に基づいて、画像における色値(color values)を調整する。カラー画像サーバ16は、次に、色修正した画像をクライアント14に送る。このようにして、クライアント14により表示されるg造の色は、オリジナル画像の色に正確に一致する。
【0032】
ウェブサーバ12、クライアント14、カラー画像サーバ16とカラープロファイルサーバ18は、各々、夫々の装置にローカルにある,又は遠隔で実行されるコンピュータ読取り可能なメディア上に蓄積されるプログラムコードを実行する。クライアント14にとって、例えば、プログラムコードは、RAMに存在し、クライアントコンピュータによりアクセスされ,実行されるものである。このプログラムコードは、他のメモリ装置(固定ハードドライブ、又は,クライアント14に関連するリムーバブルメディアデバイス等)から該メモリにロードすることができる。
【0033】
まず、該プログラムコードは、コンピュータ読取り可能なメディア(例えば、磁気的、光学的、磁気光学的、その他ディスク又はテープメディア、若しくはEEPROM等の電子的メディアのような)に記憶させることができる。他の方法として、プログラムコードは、遠隔データアーカイブ(例えば、ローカルエリアネットワーク、又はグローバルネットワーク(インターネットのような)から伝送によりメディアにロードすることができる。該コードの重要な部分は、ウェブ頁コードであって、これは、夫々の装置に転送し、サーバ又はブラザーアプリケーションにより実行することができる。
【0034】
ウェブサーバ12で生成されるウェブ頁コード(例えば、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、エクステンシブマークアップ言語(XML)等)は、画像タグ(カラー画像サーバ16又は他の箇所に蓄積された特定カラー画像を指定するものであるが)を含んでよい。クライアント14は、ウェブサーバ12が配送する特定ウェブ頁にアクセスし、HTMLを実行し、頁コンテントを組立てる場合、カラー画像サーバ16がアクセスされて、ウェブ頁コード内にあるタグ付き画像を取得する。このように、クライアント14のために作成すられたウェブ頁のコンテントは、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16のような、システム10内の異なるリソースから得られる画像と他のオブジェクトを含んでよい。
【0035】
数例の実施例において,ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、一体に組み立ててもよい。しかし、図1の例において、カラー画像サーバ16とウェブサーバ12は、個別のエンティティである。ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、共通データベースサーバ,ファイルサーバと対話型通信を行い、クライアント14への配信のために、選択されたカラー画像にアクセスする。更に、動作中には、ウェブサーバ12は、複数ウェブサーバの中の1つにより実施され、共通ファイルと1つ又はそれ以上のデータベースサーバにアクセスする。同様に、カラー画像サーバ16とカラープロファイルサーバ18は、クライアント14と他のネットワーク対話型通信により発生する計算ロードを分割するように、複数サーバの形態を取ることができる。どのような場合にも、色補正機能を広く具体化する場合には、本発明を、ここに実施した特定のプラットフォーム,システム他の構成に限定すべきではない。
【0036】
クライアント14は、種々の装置の形態をとり、ユーザがシステム10上のリソースにアクセスし、このリソースから取得したカラー画像を表示することを可能にする。クライアント14の例としては、Windows(登録商標)、Macintosh(登録商標)、Unix(登録商標)、又はLinux環境で稼動するデスクトップ又はポータブルコンピュータ、小型のポータブル装置用のPalm、Windows(登録商標) CE、又は類似のオペレーティングシステム環境に基づいた携帯情報端末(PDA)、携帯電話、インターネットアクセス用のセットトップボックスを有する対話型テレビ、公衆用のインターネットキオスク、並びに将来登場するであろうインターネット機器やその他の消費者用の電子装置が含まれる。
【0037】
クライアント14は、ウェブブラウザなどのグラフィカルな表示アプリケーションを実行し、システム10に付加されているウェブサーバー12やカラー画像サーバ16などのその他のリソース上に存在するリソースにアクセス可能なものが好ましい。ウェブブラウザアプリケーションにより、クライアント14に関連付けられているユーザーは、ウェブサーバー12が生成するウェブ頁とカラー画像サーバ16が提供する画像を容易に閲覧することができる。情報がユーザー対話型のフォーマットで提示されている場合には、その他のユーザーインターフェイスのアプリケーションもウェブサーバー12へのアクセスにおいて有用であろう。
【0038】
実施例の中には、静止画像に加え、色補正されたビデオ画像を配信するためにカラー画像サーバー16を構成してよい。MPEGクリップやストリーミングビデオなどのビデオの場合も、個別のクライアント14に関連付けられている表示装置の影響について補償しない場合は、同様の色精度問題の影響を受けることになる。従って、本発明の実施例の中には、放送のようなビデオコンテンツに特に有用なものも存在する。
【0039】
いずれの場合にも、クライアント14には、ウェブサーバ12及びカラー画像サーバー16から取得したカラー画像を表示するための、陰極線管やフラットパネルディスプレイなどの表示装置が含まれている。その他のタイプのディスプレイ、並びに電子ペーパーなどの動的な表示媒体も考えられる。ウェブサーバ12、クライアント14、及びカラー画像サーバー16間の通信は、TCP/IPなどの従来のネットワークプロトコルを使用して実現可能である。
【0040】
PDAや携帯電話などの前述のクライアント装置の中には、現時点では、比較的低品質のカラーディスプレイしか内蔵していないものも存在するが、近い将来、それらの装置も、高品質のカラーディスプレイを採用するものと予想される。従って、システム10は、PDA、携帯電話、及び類似の装置によって表示されるカラー画像品質の改善にも将来容易に適用できることになろう。
【0041】
カラープロファイリングプロセス、従って改善されたカラー精度は、クライアント14にとって、オプショナルである。複数の商品に対して、カラー精度は、さほど重要ではないかもしれない。クライアント14がウェブサーバ12からウェブ頁にアクセスする場合、ユーザは、デフォールトのカラー設定されたウェブ頁バージョン(これは低精度である)を閲覧するか、カラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて形成されたスタイルシートにより、より正確なウェブ頁を閲覧するかの、選択を与えられる。このように、カラー画像サーバ16は、1組のデフォールト画像を蓄積し、ユーザがカラープロファイリングオプションを選択しない場合に使用してもよい。
【0042】
まず、カラー画像サーバ16によりクライアント14に配信されたウェブ頁は、カラープロフィリング・プロセスの開始のために1つ又はそれ以上のハイパーテキストリンクを持つウェブ頁に埋め込まれる。該ウェブ頁と該リンクは、カラープロフィリング・プロセスが以前終了していなかったイベントにおいて、クライアント14に提供される。適当なリンクを選択する際に、クライアント14は、カラープロファイルサーバ18と対話型通信し、カラープロフィリング・プロセスを行う。リンクが選択されない場合は、クライアント14は,単に、カラー画像サーバ16による色補正をすることなく、デフォールトウェブ頁の画像を閲覧する。ウェブ頁で、クライアント14は、カラープロファイリング補正を下かどうかの表示を見ることができる。その表示は、アイコンの形態を取って、カラープロファイリングが動作した時を表示するように色を変化させてもよい。
【0043】
ユーザーが、ハイパーテキストリンクをクリックしカラープロフィリング・プロセスを子ターとさせると、クライアント14は、カラー画像サーバー16にアクセスし、一連の命令のあるウェブ頁をユーザに配信する。カラー画像サーバー16が配信するこのウェブ頁は、ユーザをガイドして、クライアント14に関連する特定の表示装置の比色応答特性を推定するように設計された、いくつかのステップを進む。
【0044】
このプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー18は、実行された際にカラープロファイル情報を格納するクッキーを生成するコンテンツを有するウェブ頁を配信する。次に、このクッキーは、スタイルシート及びそのウェブ頁用のカラー画像を修正するために、カラー画像サーバ16にアップロードされ、それにより、クライアント14に関連付けられている表示装置上に高品質のカラー出力を生成することができる。
【0045】
カラープロファリング情報を取得するその他の技法には、ユーザーによるカラー画像サーバ16との直接的なやり取りを必要としないものも存在する。代わりに、ユーザーは、自発的にウェブサイトを訪問し、カラープロファイリングを実行するのである。このウェブサイトは、カラープロファイルサーバー18が提供するか、或いはカラープロファイルサーバーと同一のドメイン内に存在するものであってもよい。この代わりに、ユーザーは、ダウンロードしたり、或いは彼らに物理的に提供されたソフトウェアを実行することにより、彼らの個別のクライアント14に関連付けられている表示装置をプロファイリングすることも可能である。
【0046】
図2は、図1に示されているシステムを内蔵するウェブ環境20のブロックダイアグラムである。この図2の例では、ウェブ環境は、ウェブサーバー12を含んでおり、このサーバーは、ワールドワイドウェブWWW22を介して、ウェブ頁を提供することができる。このウェブ環境21には、いくつかのクライアント141-14Nも含まれている。カラー画像サーバ16は、ウェブサーバ12が配信するウェブ頁が参照する画像を提供する。カラープロファイルサーバ18は、WWW22上のクライアント141−14Nにウェブ頁を提供して、カラープロフィリング・プロセスをガイドする。カラープロファイルサーバ18は、次に、クライアント141-14Nから取得した比色情報をカラーファイル又はパラメータ情報として、WWW22を通じてカラー画像サーバ16に送信する。カラー画像サーバ16は,次にクライアント141−14Nにウェブ頁を送る。この頁は実行するときに、情報を含むクッキーを生成する。こうして、比色情報を使って、将来のウェブ頁とカラー画像をダウンロードすることができる。
【0047】
図3は、カラーカスタム化されたウェブ頁のためのプロセスを説明するフローチャートである。図3に示されるように、本方法は、クライアント14からウェブ頁リクエストを受信するステップ(22)を有する。ウェブ頁要求を受取るのは、ウェブサーバ12である。しかし、いくつかの実施例においては、カラー画像サーバ16である。次に、このウェブ頁は、クライアント14に送られる(23)。ウェブ頁により参照されるスタイルシートを要求すると(24)、クライアント14は、色情報を含むカラープロファイルクッキーをアップロードする。こうして、カラー画像サーバ16は、クライアントの色情報を取得する(25)。更に、本方法は、この色情報に基づいて、クライアント情報に基づいて、スタイルシートを再作成するステップ(26)を有する。次に、カラー画像サーバ16は、このスタイルシートをクライアント14に送る(28)。ウェブ頁を作成する時に、クライアント14が実行するブラウザは、スタイルシートを参照する(30)。次に、クライアント14は、更に比色分析的に正確なウェブ頁オブジェクトを持つウェブ頁を作成する(32)。
【0048】
図4は、カラーカスタム化したウェブ頁のためのプロセスを説明し、ネットワーククライアントに関連した表示装置の色応答をプロファイルするフローチャートである。図4に示されるプロセスは、主としてカラーカスタム化されたスタイルシートの作成に関するものである。しかし、タグ付き画像の色修正にも、類似のプロセスを使ってもよい。図4に示されるように、クライアント14が画像のダウンロードを要求する場合(34)、ウェブサーバ12は、ウェブ頁をクライアントに送る(36)。前記ウェブ頁は、スタイルシートへの参照を含み(38)、それはカラー画像サーバ16に記憶してよい。前記カラープロフィリング・プロセスが完了した場合、クライアント14は、カラープロファイル・クッキーを有することになる。
【0049】
カラープロファイル・クッキーが存在する(40)場合、クライアント14は、そのクッキーとそのコンテンツを、カラー画像サーバ16にアップロードする(42)。次に、カラー画像サーバ16は、クッキーを使ってクライアント14用のスタイルシートを作成し(44)、そのスタイルシートをクライアントにダウンロードする(46)。このスタイルシートを使って、クライアント14は、色補正されたウェブ頁を作成する(48)。具体的には,クライアント14が使うブラウザは、ウェブ頁に含まれるオブジェクトに割当てられた色値のために、スタイルシートを参照する。カラー画像サーバ16は、色値を設定して、クライアント14に関連する表示装置の比色応答を補償する。前記色補正ウェブ頁が生成された時に、タグ付き色補正に影響されやすい画像がウェブ頁に含まれていなければ、プロセスは終了する(50)。
【0050】
カラープロファイル・クッキーが存在しない場合(40)、ウェブサーバ52又はカラー画像サーバは、デフォールトスタイルシートをダウンロードする。このデフォールトスタイルシートは、クライアント14の色応答のために特別には作成されない。クライアント14に送る最初のウェブ頁には、ウェブサーバ12は、カラープロファイリングオプションを提供する(54)。このオプションは、オプションを選択するためにハイパーテキストリンクと連動して、カラープロファイリングと更に正確なウェブカラーとが利用可能であるという注意書きという形式を取ってもよい。カラープロファイリングオプションが選択されない場合は、プロセスは終了する(50)。そしてクライアント14は、デフォールトスタイルシートに基づいて作成されたウェブ頁を閲覧する。
【0051】
カラープロファイリングオプションが選択された場合は、ウェブサーバ12マカラー画像サーバ16は、次に、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトを提供する。カラープロファイルサーバ18は、カラープロフィリング・プロセスにおいて、クライアント14に関連するユーザをガイドする(58)。このカラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて、カラープロファイルサーバ18は、カラープロファイル・クッキーを生成し、カラー画像サーバ16がカーカスタム化されるスタイルシートを作成するのに、それを使う為に、クライアント14にダウンロードする。図4はステップ(60)から(42)への遷移を示すが、クッキーのコンテンツは、クライアント14が他の画像を要求するまでは、カラー画像サーバ16にアップロードしなくてもよい。
【0052】
ウェブサーバ12、クライアント14、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18の間の対話型通信は、クライアント14へ配信されるウェブ頁により行われるこのアプローチは、大きな利便性をクライアント14に関連するエンドユーザにもたらす。同時に、カラー画像サーバ16は、個々のユーザに対し、色情報を保存する必要はないし、新規ウェブ頁がダウンロードされる毎に、その情報を呼び出す必要はない。むしろ、スタイルシート又はタグ付き画像がクライアント14が要求されるごとに、その情報は、カラー画像サーバ16に、例えばクッキーの形態で、アップロードすることができる。
【0053】
図5は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図5に示されているように、クライアント14のためのカラープロファイリングプロセスは、表示装置の標準的な設定への初期化を含む(62)。次に、表示装置の黒点推定値を判定する(64)。これは通常、ユーザが対話方式で行う。この黒点の推定値は、マルチチャネルの黒点推定値であってよい。黒点推定値を判定したら、表示装置のガンマの推定値を取得する。これも通常、ユーザが対話方式で行う(66)。このガンマは、緑チャネルに限定したものであってよい。
【0054】
次に、このプロセスでは、表示装置のグレーバランスを判定する(68)。このクレーバランスの推定では、緑チャネルをロック(固定)することができるが、これは、グレーバランスを判定するべく赤−青をシフトさせる一方で、ガンマ推定からの緑限定のガンマを一定に保持するという意味である。黒点、ガンマ、及びグレーバランスの推定を完了したら、カラープロファイルを生成する(70)。このカラープロファイルには、表示装置の黒点、ガンマ、及びグレーバランスを表す情報が格納される。このカラープロファイル、又はこのカラープロファイルの形成に有用なパラメータを、ウェブクッキー内に読み込むことができる(72)。クライアント14は、このウェブクッキーを保存し、将来、別の画像が要求される際にアップロードする。
【0055】
図5を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するために、クライアントは、カラープロファイルサーバー18と対話型通信を行う(interact)する。このカラープロファイルサーバ18は、一連のウェブ頁をクライアント14に対して配信する。それぞれのウェブ頁は、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいて、ユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブ頁には、ユーザーから表示装置の黒点の推定値を抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれる。
【0056】
一実施例においては、黒点の推定値は、複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブ頁には、粗ガンマ(coarse gamma)、精細ガンマ(fine gamma)、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれている。具体的には、それぞれのウェブ頁は、クライアント14からカラープロファイルサーバー18に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。必要な情報の収集が完了すれば、カラープロファイルサーバー18は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、それをクライアント14に提供する。
【0057】
図6は、カラーカスタマイズされたウェブ頁を提供するためのシステムを説明するブロックダイアグラムである。図6に示されているように、ウェブサーバー12は、ウェブ頁データベース74にアクセスして、ウェブ22を介して、クライアント141−14Nにウェブ頁を送る。一つの実施例において、カラー画像サーバ16は、スタイルシートデータベース78と画像データベース80にアクセスする。画像データベース80は、タグ付き画像(ウェブサーバ12が提供するウェブ頁が参照する)を記憶している。スタイルシートデータベース78は、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁のスタイルシートを含む。
【0058】
図6の実施例において、カラー画像サーバ16は、色補正モジュール76を含む。色補正モジュール76は、カラー画像サーバ16上で動作するプロセスで、クライアント141−14Nからの色補正された画像とスタイルシートに対する要求に応答する。クライアント14が、ウェブサーバ12からウェブ頁を要求する時、ウェブ頁は、スタイルシートデータベース78に記憶されているデフォールト・スタイルシートを参照する。
【0059】
カラー画像サーバ16は、デフォールト・スタイルシートを取り出す。クライアント14がカラープロファイルクッキーをアップロードした場合は、カスタム化したスタイルシートを形成する。具体的には、色補正モジュール76は、カラープロファイルクッキーが指示する色応答特性に基づいて、デフォールトスタイルシートを修正する。色補正モジュール76は、スタイルシートの色値を設定し、クライアント14に関連する表示装置における比色応答のずれ(difference)を補償する。このカスタム化したスタイルシートを使って、クライアント14上のブラウザは、色補正オブジェクトをもって、ウェブ頁を作成する。
【0060】
ウェブ頁がタグ付き画像を持つ場合は,カラー画像サーバ16は、色補正モジュール76が色補正画像を生成する。また、ウェブクッキーのコンテントを使って、色補正モジュール76は、クライアント14に関連する表示装置の色応答特性に基づいて、画像の色値を設定する。次に、カラー画像サーバ16は、色補正画像をクライアント14にダウンロードし、色補正画像と、色補正ウェブ頁オブジェクトをもつ、カラーカスタム化したウェブ頁を提供する。
【0061】
図7は、ネットワーククライアントのためのカラー画像の調整を説明するブロックダイアグラムである。クライアント14が、ウェブ頁を要求する場合(82)、ウェブサーバ12は、ウェブ頁をダウンロードする(84)。ウェブ頁のスタイルシートを参照するために、クライアント14は、カラー画像サーバ16をアクセスする。クライアントがカラープロファイルクッキーがアップロードする場合(86)、カラー画像サーバは、関連する色情報を取り出す(88)。この色情報を使って、カラー画像サーバ16は、カスタム化したスタイルシートを作成し(90)、それをクライアント12にダウンロードする。
【0062】
前記ウェブ頁がタグ付き画像を含む場合(94)は、カラー画像サーバ16は、クッキーのコンテントを使って、前記タグ付き画像の色値をカスタム化する(96)。それから、カラー画像サーバ16は、カスタム化した画像を、クライアント14にダウンロードする(98)。カスタム化したスタイルシートとカスタム化したカラー画像を使って、クライアント14のウェブブラウザは、ウェブ頁のコンテントを作成する(100)。
【0063】
色補正が選択されない場合(86)、カラー画像サーバ16は、スタンダードスタイルシート、「デフォールト」スタイルシートにアクセスして、それをクライアント14にダウンロードする(105)。ウェブ頁がタグ付き画像を含む場合は(107)、カラー画像サーバ16は、スタンダード,非カスタム化画像をクライアント14にダウンロードする(109)。スタンダード画像とスタンダードスタイルシートを使って、クライアント14のブラウザは、ウェブ頁のコンテントを作成する(100)。
【0064】
カラー画像サーバ16がスタイルシートの色値を設定する特定のやり方は、直接的である。ウェブ頁オブジェクトの色は、RGB(赤、グリーン、青)の16進数値で表すことができる。16進数値は、通常、rrggbbであり、”rr”、”gg”、”bb”は、夫々、0―255の範囲の赤,グリーン,青の値を意味する。このように、ffffffの16進数値は、最大強さでの、赤、グリーン、青の組合わせを指定する。特に、赤、グリーン,青は夫々ff=255に設定され、通常、スクリーン上の最大白色を生成する。赤、16進数値が000000の場合は、スクリーン上の色は黒である。一旦適当な色値が決定された場合、カラー画像サーバ16は、上記のアプローチを使って、関連するウェブ頁オブジェクトの16進数色値を設定する。勿論、本発明は、16進数以外の形式で表現する色値を処理するように調整することは容易である。
【0065】
代替の、又は追加的なアプローチとして、カラー画像サーバ16は、スタイルシートに使うデフォールト色値に対する変更を入力する。スタイルシートは、16のデフォールト色(水色、黒,青、フクシャ(fuchsia)、グレー、グリーン、ライム、マロン、ネーヴィ、オリーブ、紫、赤、シルバー、緑青(teal)、白、記)含んでもよい。これら16色は、Windows(登録商標) VGA paletteから取ることができる。夫々の色は、デフォールト色値を有している。いくつかのブラウザは、広範囲の色の名称(例えば、X11 colors)をサポートしている。特定の色をスタイルシートコードで呼び出して、対応するデフォールト色値が関連するウェブ頁オブジェクトに適用される。デフォールト色が呼び出されたとき適用された色は、デフォールト色値を調整することにより、修正することができる。このアプローチは、16点の調整を提供し、カラーインテンシブなアプリケーションにおいて、更に望ましい16進数値を使って、特定の色値を指定する。より大きいパレット(例えば、256色)が使用される場合、それは、有益で、望ましいアプローチである。又、それは、デフォールト色を16進数コードへ単純に変換し、得られたコードを修正し、デフォールト色の位置にそれを供給することを可能にする。
【0066】
カラープロファイリングとクッキー管理プロセスについて、以下、詳細に説明する。これらプロセスは、複数ウェブサーバ12、複数カラー画像サーバ16、1つ又はそれ以上のカラープロファイルサーバ18を持つウェブ環境を前提に説明する。本発明に関連して使用される、ここで説明されるカラープロファイリングとクッキー管理プロセスは、純粋に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0067】
ウェブサイトの管理者は、ウェブサーバ12の1つとカラー画像サーバ16を管理する。換言すれば、前記管理者は、特定のウェブサーバ12とカラー画像サーバ16の維持、管理、コンテントを担当する。このように、前記管理者は、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16のコンテンツを容易にアップデートすることができる。結果として、前記管理者は、カラー画像サーバ16層品質の改善を利用するために、それらの画像コンテントの管理を、第三者に渡す必要はない。
【0068】
代りに、前記管理者は、カラープロファイルサーバ18と対話通信する、自分自身のカラー画像サーバ16(カラープロファイルサーバ18は、各クライアント14のためのカラープロファイリングプロセスをガイドするものである)を使う。従って、カラープロファイルサーバ18は、複数ウェブサイトドメインのカラープロファイリングを提供するために使用される中央サーバ又はサーバ群であってよい。ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、個々のウェブサイト管理者又はエンティティにより管理されることが好ましい。にも拘わらず、複数実施例において、全ウェブサイトの中央画像サーバを使用することは可能である。
【0069】
カラー画像サーバ16は、対応ウェブサーバ12と同一場所に、又は、前記サーバから遠隔離間して配置してよい。これは、関連するウェブサイトと色補正モジュールのための、高解像度又はカラーインテンシブ画像を有し、画像を修正し、クライアント14のために色補正画像を提供するものである。各カラー画像サーバ16は、夫々のウェブサーバ12のドメイン内に存在してよいが、これは必要条件ではない。
【0070】
注目すべきことであるが、ここに説明した画像監視プロセスは、特に色補正プロセス(個別クライアント14のカラープロファイルを生成する)にとって役に立つ。一般的に、カラープロフィリング・プロセスは、no plug-in、Java(登録商標) scripts、又は他の重要なクライアント再度のプロセスを要求することが好ましい。代りに、ウェブサーバ12、クライアント14,カラー画像サーバ16,カラープロファイルサーバ18がウェブ頁を介してクライアントに配送される。このアプローチは、クライアント14に関連したエンドユーザに、重要な利便さをもたらす。同時に、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、個別ユーザの色情報を保持する必要はない。
【0071】
その代わりに、この情報は、クライアント14がカラー画像を要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー16にアップロードすることができる。又、サイト管理者は、自分自身のカラー画像をカラー画像サーバ16上に維持し、個別のクライアント14がアップロードしたカラープロファイルクッキーを処理する能力を有する色補正モジュールを内蔵することにより、色補正を提供することができる。従って、サイト管理者は、彼らのウェブ頁又は画像を中央ウェブ・レポジトリ(repository)に掲示しなくてもよい。
【0072】
カラープロファイリングプロセスを実行するために、クライアント14は、カラープロファイルサーバー18とやり取りする。カラープロファイルサーバ18は、一連のウェブ頁をクライアント14に配信する。各ウェブ頁は、カラープロフィリング・プロセスの所定のステップを介してユーザをガイドするように設計されている。例えば、一つのウェブ頁は、命令と画像コンテントを含み、ユーザから表示装置の黒点推定値を抽出するように設計されている。
【0073】
一実施例においては、この黒点推定値は、表示装置の個別の色チャネルの複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブ頁には、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれる。特に、各ウェブ頁は、クライアント14からカラープロファイルサーバー18に情報を転送するために、ユーザーがクリックすることができるハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。
【0074】
必要な情報を収集したら、カラープロファイルサーバー18は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、そのクッキーをクライアント14に提供する。実施例の中には、2つのクッキーをクライアント14に提供可能なものも存在する。第1のクッキーは、カラープロファイルサーバー18に関連付けられたドメイン名に対応しており、その特定のクライアント14とカラープロファイルサーバー間における将来のやり取りに使用することができる。この第1のクッキーは、「プロファイラクッキー」(profiler cookie)と呼ぶことができる。
【0075】
第2のクッキーは、特定のカラー画像サーバー16(例えば、カラー画像をダウンロードする先である特定のオークション又は写真サイトに対応した)に関連付けられているドメイン名に対応することができる。換言すれば、この第2のクッキーは、そのカラープロファイリングプロセスが開始された特定のカラー画像サーバ16に対応したものである。この結果、そのカラー画像サーバ16から将来提供される画像は、その関連するドメインに関連付けられているこのクッキーの内容に基づいて変更されることになる。このクッキーは、画像のダウンロードを要求するクライアント14から提供されることになる。この第2クッキーは、「画像サーバークッキー」と呼ぶことができる。
【0076】
プロファイラクッキーを使用し、その他のドメインに関連付けられているカラー画像サーバ16で使用する画像サーバークッキーを生成することができる。具体的には、クライアント14に位置しているユーザーが、以前に色補正された画像をダウンロードしたことのないカラー画像サーバー16にアクセスした場合には、ユーザーは、カラープロファイリングオプションをクリックし、カラープロファイルサーバー18にアクセスすることができる。そのカラープロファイルサーバー18とのやり取りに際し、クライアント14は、カラープロファイリングプロセスを繰り返すのではなく、代わりに、単純にプロファイラクッキーをアップロードするのである。このプロファイラクッキーには、その新しいカラー画像サーバ16に関連付けられているドメインに関する情報を内蔵することができる。
【0077】
カラープロファイルサーバー18は、このプロファイラクッキーの受信に応答し、様々な理由から(特に、プライバシーに対する懸念の観点で)、そのクッキー内に示されているドメインに対してクッキーの内容を送信することについて、クライアント14に関連付けられているユーザーに対して通知するウェブ頁を提供し、ユーザーの承認を要求することができる。そして、ユーザーの承認が取得された場合には、カラープロファイルサーバー18は、プロファイラクッキー内のドメインによって指定されているカラー画像サーバー16にクッキーの内容を送信する。
【0078】
カラー画像サーバ16は、それ自体のドメイン用の画像サーバークッキーを生成し、将来使用するべく、そのクッキーをクライアント14に書き込む。この時点以降、クライアント14は、関連するウェブサーバー12に色補正された画像を要求する際には、関連するカラー画像サーバ16に適切な画像サーバークッキーをアップロードし、カラープロファイルサーバー18とのやり取りをスキップすることができる。クライアント14も、画像のアップロードを試みる際に、カラー画像サーバー16に適切な画像サーバークッキーをアップロードする。
【0079】
一方は、カラープロファイルサーバー18用、他方は、関連するウェブサーバー12又はカラー画像サーバー18用と分けたこの第1及び第2クッキーの使用方法は、部分的には既存のウェブの設計を考慮した結果である。具体的には、クライアントのブラウザ上に保存されているクッキーは、通常、それらが生成されたサーバーのドメインによってマーキングされており、普通、その他のドメインからは見えなくなっている。従って、カラープロファイルサーバー18が生成したクッキーは、通常、カラー画像サーバー16から見ることができず、この逆も同様である。
【0080】
又、クッキーの視認性は、クッキーをサーバーのドメイン内の経路によってマーキングすることにより、更に制限されることになる。この種のクッキーは、例え同一のドメイン用のものであっても、経路から外れた頁への要求については見えなくなる。更に、ブラウザは、通常、サーバーに対する各要求ごとに、すべての可視クッキーを送信する。これには、HTML頁用の最初の要求だけでなく、その頁に埋め込まれる画像に対する要求も含まれる。しかしながら、画像はHTML頁とは異なるサーバーから来ることもあるため、HTML頁用に送信されたクッキーは、画像用に送信されるクッキーとは異なる場合がある。
【0081】
上記の内容を考慮し、カラープロファイルサーバー18は、カラープロファイリングプロセスの管理においてだけでなく、画像サーバークッキーの生成においても、仲介人として機能している。この仲介機能(intermediary function)により、中央サイトではなく、カラー画像サーバー16において、すべての加入者画像の色補正を実行することが可能になっている。又、この仲介機能により、クライアントが一旦カラープロファイリングプロセスを完了すれば、通常、彼は、別の加入者用の画像の色補正を取得するために、そのプロセスを繰り返す必要がなくなるのである。
【0082】
例外として、ユーザーは、クライアント14に関連付けられているローカルドライバソフトウェアや表示装置又はビデオカードなどのハードウェアが変化した場合に、自発的にカラープロファイリングプロセスを繰り返すことができる。実際に、ハードウェアの変化に対応するために定期的な更新を促すべく、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーに有効期限を適用することができる。
【0083】
3つの異なるサーバー(即ち、ウェブサーバー12、カラー画像サーバ16、及びカラープロファイルサーバー18)が色補正の手順に必要とされる作業を分担していることは明らかである。具体的には、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーの存在を前提とすれば、ウェブサーバー12は、加入者自身のウェブ頁のHTMLを提供すると共に、色補正の対象ではない画像の提供を含むそれらの頁に対する大部分のその他の要求を処理している(カラー画像サーバ16は、色補正の対象となる画像を提供している)。
【0084】
カラー画像サーバ16は、クライアント14から供給先プロファイルクッキーを受信すると、そのクッキーの内容と、関連する供給元プロファイルクッキーの内容に基づいて色補正を実行し、色補正された画像を供給先クライアントに提供する。又、カラー画像サーバ16は、カラー画像が本当に補正されているかどうかを示すアイコンを補正可能なカラー画像の近くに提供することもできる。カラー画像サーバー16は、例えば、供給先プロファイルクッキーを検出できない場合には、ユーザーに対してカラープロファイリングプロセスを開始するように促すアイコンを表示する。検出できた場合には、アイコンは、色補正が「オン」状態にある(即ち、色補正が画像に適用されている)ことを単純に示すことになる。
【0085】
前述のように、カラープロファイルサーバー18は、カラープロファイリングプロセス用の頁を提供する。カラー画像サーバ16が提供したカラー画像と共に表示されたアイコンをクリックすることによって、カラープロファイリングプロセスが起動された場合には、その個別のクライアント14は、関連するウェブサーバー12用の画像サーバークッキーを備えていない可能性が高い。但し、場合によっては、クライアント14は、自発的に色補正プロセスを繰り返すことにより、新しいハードウェア又はソフトウェア用にプロファイルを更新することができる。プロファイラクッキーが存在する場合には、画像サーバークッキーを生成するべく、プロファイラクッキーの内容を適切な画像サーバーのドメインに単純に送付することにより、このプロセスを省略することができる。
【0086】
プロファイラクッキーが存在しない場合には、完全なカラープロファイリングプロセスがカラープロファイルサーバー18から提供される。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14用のプロファイラクッキーを生成し、関連するカラー画像サーバー16にプロファイラクッキーの内容を伝達する。すると、カラー画像サーバ16は、プロファイラクッキーの内容に基づいて画像サーバークッキーを生成し、そのカラープロファイリングプロセスを起動したオリジナルのネットワークサーバーのURLを呼び出す。
【0087】
カラープロファイルサーバー18が生成するプロファイラクッキーとカラー画像サーバ16が生成する画像サーバークッキー間で色補正情報を交換するこのメカニズムは、変更してもよい。具体的には、カラープロファイルサーバー18は、クッキーをクライアント14に提供するのではなく、認知されているウェブサーバー12のグループに関連付けられているすべてのカラー画像サーバー16に色補正情報を送信するように構成することができる。
【0088】
これにより、カラープロファイリングプロセスの結果、カラープロファイルサーバー18が取得したカラープロファイル情報は、ウェブサーバー12又はカラー画像サーバー16によって保存されるよう、「放送(broadcast)」することができる。この方法の利点は、情報の転送がシームレスであることである。クライアント14に関連付けられているユーザーは、カラープロファイルを更新する際を除き、初回のカラープロファイリングプロセスの後にカラープロファイルサーバー18とやり取りする必要がなくなる。その代わりに、それぞれのウェブサーバー12又はカラー画像サーバ16が、個別のクライアント14に関連付けられている色補正情報を(例えば、クライアントIDコードと共に)保存するのである。
【0089】
クライアント14がカラー画像サーバ16の中の1つにアクセスすると、クライアントIDコードを使用して適切な色補正情報が取得され、これによって色補正された画像が提供される。欠点は、それぞれのウェブサーバー12又はカラー画像サーバ16が、その個別のウェブサーバー12には決してアクセスしないであろうクライアントまでもを含む供給元及びクライアント14用の色補正情報のデータベースを維持することが必要になることである。従って、サイト管理者によっては、色補正情報の転送にクッキーを利用する方が効率的で望ましいものになりうるであろう。しかしながら、色補正情報の放送は、サイト管理者によっては受け入れ可能であって、エンドユーザーにとっても非常に便利な好適な選択肢として残ることになる。
【0090】
次に、間接クッキー転送法によるウェブサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバ16、及びカラープロファイルサーバー18間での情報伝達に関連する詳細項目のいくつかについて説明する。この方法は、プロファイラクッキーの内容がカラープロファイルサーバー18から個別のカラー画像サーバー16に転送される前に、ユーザーが介入して承認を入力するという意味で間接的である。ウェブ頁をクライアント14に提供する際に、ウェブサーバー12は、関連付けれられているカラー画像サーバ16上に保存された補正可能な画像のURLを伝達する。更に、ウェブサーバー12は、画像の近くにカラープロファイリングアイコンを内蔵することが好ましい。このカラープロファイリングアイコンのURLは、関連するカラー画像サーバー16を指して(point)いるが、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクは、カラープロファイルサーバー18を指している。
【0091】
カラー画像サーバ16への色補正情報の伝達を実現するために、クライアント14が、アイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを辿ると、ユーザーが参照した頁のURLがカラープロファイルサーバー18に伝達される。URLを伝達するこのステップでは、ターゲットURLのパラメータとしてURLを含めるか、或いはアイコンをラッピングするフォームから情報をPOSTする(即ち、隠されたエントリフィールドにURLを保存する)ことによって実現することができる。後者の場合には、アイコンは、ボタンとして機能し、最小限のクライアントサイドのスクリプト作成が必要になる。更に、後述するように、ウェブサーバー12の名前と、カラープロファイリングプロセスが完了した後にカラー画像サーバ16から提供される完了頁のURLと、をカラープロファイルサーバー18への要求に含めることができる。ネットワークサーバーには、適切なURLを有するアイコンコードを挿入するサーバーサイドのスクリプト作成機能を提供することができる。
【0092】
カラープロファイリングプロセスのために、カラープロファイルサーバー18は、ウェブサーバー12が提供するウェブ頁の実行によって呼び出し可能ないくつかのウェブ頁を提供する。この場合には、「リターンURL」が、それぞれの頁に順番に手渡される。このリターンURLは、ターゲットURL内のパラメータとして、或いは、フォーム内の隠されたフィールドを使用することにより、伝達可能である。場合によっては、このリターンURLをサーバー変数として保存することもできる。前述のように、カラープロファイルサーバー18は、(1)プロファイラクッキーが存在しない場合の完全なカラープロファイリングと、(2)プロファイラクッキーが既に存在している場合の画像サーバークッキーの生成、という2つのシナリオを処理している。いずれのシナリオの場合にも、カラープロファイルサーバー18は、既存又は新しく生成されたプロファイリングクッキーの内容を関連するカラー画像サーバ16に転送する。特に、カラープロファイルサーバー18は、この情報を転送するべく、クライアント14に関連付けられているユーザーの許可を要求するボタンを提示することができる。
【0093】
このボタンのURLは、カラー画像サーバー16が提供する頁をポイントしている。カラー画像サーバ16に送信される要求には、リターンURLとプロファイラクッキーに書き込まれた色情報の両方が含まれている。この要求は、長さの観点から、URL内にすべての情報を記述するGET要求ではなく、フォームからのPOST要求であることが好ましい。カラープロファイルサーバー18は、リターンURLを参照することにより、カラー画像サーバー16の供給先頁のURLを判定する。クッキーの内容を転送する前に、ユーザーはその供給先を知りたいと思うであろう。
【0094】
従って、カラープロファイルサーバー18は、ボタンと共に、その特定のカラー画像サーバーの名前を表示する。カラー画像サーバーの名前は、ウェブサーバー12が提供するウェブサイトに関連付けることができる。URLからウェブサイトの名前を判定することが容易でない場合には、カラープロファイルサーバー18がアクセス可能なデータベースにおいてURLで名前を検索するか、或いはウェブサーバー12が生成する頁からの元々の要求においてリターンURLと共に名前を伝達することにより、名前を生成することができる。
【0095】
カラープロファイルサーバー18から情報を受信すると、関連するカラー画像サーバ16はカラープロファイリングプロセスが完了したことを示す頁を提供する。この頁は、カラープロファイルサーバー18から受信した色補正情報と「リターン」頁のURLを格納するPOST要求によって呼び出すことができる。カラー画像サーバ16は、関係するクライアント14にこの色補正情報をクライアントクッキーとして書き込む。
【0096】
この時点以降、この画像サーバークッキーがその個別のクライアント14によって保存され、色補正可能な画像のアップロード又はダウンロード要求と共に、関連するウェブサイトに関連付けられたそのカラー画像サーバー16に送信されることになる。ダウンロード要求に応答し、カラー画像サーバー16は、クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、その内容に基づいて要求された画像に色補正を適用し、色補正された画像をクライアント14に提供する。一方、アップロードの場合には、その要求に応答し、カラー画像サーバ16は、画像を受け付け、クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、将来使用するべく、そのクッキーの内容をその画像と関連付ける。
【0097】
代替方法として、色補正情報は、クライアント14がボタン、アンカー、又はその他の入力媒体をクリックした際に生成される要求に埋め込むのではなく、直接要求によってカラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16に伝達することができる。この方法は、転送の承認をカラープロファイルサーバー18に提出することによってユーザーが介入する必要がない、という意味において直接的である。その代わりに、適切なカラー画像サーバ16へのプロファイルクッキーの内容の転送は、シームレスに行われ、バックグラウンドで実行される。
【0098】
実際に、好適な実施例においては、クライアント14に関連付けられているユーザーは、初回のプロファイリング以降にカラープロファイルサーバー18が送信する情報転送用の頁を目にすることすらない。この結果、カラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16への色補正情報の転送は、転送を実行するべく供給元又はクライアント14に関連付けられているユーザーがリンクをクリックすることなく、自動的に実行される。この方法によれば、転送がユーザーからシームレスに見える。但し、結果は同一である(即ち、ユーザーがカラープロファイリングプロセスを再実行することなく、プロファイラクッキーに格納されている色補正情報が転送されることによって画像サーバークッキーが生成される)。
【0099】
直接要求による転送を円滑に実行するべく、クライアント14にクライアントIDを割り当てることができる。通常、このクライアントIDは、クライアント14に関連付けられているブラウザの画像サーバークッキーに保存可能であり、そこから受信することができる。ウェブサイトにとって初めてのクライアント(即ち、そのカラー画像サーバ16に画像サーバークッキーを送信しないクライアント)14には、新しいクライアントIDが割り当てられることになり、これは、カラー画像サーバーからの応答においてHTMLと共にクッキーとして送信される。
【0100】
この場合、カラープロファイルサーバー18をポイントするすべてのURLは、カラープロファイルサーバーが色補正情報に対する要求と個別のクライアント14を関連付けることができるように、パラメータとしてクライアントIDとウェブサイトIDの両方を有することになる。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラープロファイリングアイコンのURLはカラープロファイルサーバー18をポイントしている。この方法の場合、個別のウェブサーバー12と、対応するカラー画像サーバ16は、同じクッキーを参照することができるよう、同一のドメインに存在していることが好ましい。
【0101】
間接的な方法と同様に、色補正可能な画像の隣に(或いは、画像アップロード用のダイ8アログと共に)表示されるカラープロファイリングアイコンは、直接転送法の場合にも、カラー画像サーバーが画像サーバークッキーを受信するかどうかに応じて、カラー画像サーバ16又はカラープロファイルサーバー18から提供することができる。画像サーバークッキーが存在する場合には、プロファイリングアイコンは、ダウンロードされた画像と共にカラー画像サーバー16によって提供され、色補正がオン状態であることを示すように表示が構成される(例えば、その旨を通知するテキストメッセージを表示する)。画像サーバークッキーが存在しないのは、新しいクライアント14だけであるため、このケースは、カラー画像サーバ16が提供する大部分の画像に当てはまることになる。
【0102】
画像サーバークッキーが存在しない場合には、このアイコンはカラープロファイルサーバー18から提供される。換言すれば、カラー画像サーバー16が提供するウェブ頁に、カラープロファイルサーバー18が提供したアイコンが埋め込まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14が既にカラープロファイリングプロセスを完了していることを示すアイコンを提供する。プロファイラクッキーが存在しない場合には、このアイコンは、その個別のクライアント14が、これまでカラープロファイリングプロセスを実行したことがないことを示すことになる。これは、カラープロファイリングが完了済みであることを示すカラーのアイコンと未完了を示す白黒のアイコンによって表現可能である。
【0103】
実施例の中には、クライアント14がカラープロファイリングプロセスを完了しているが、色補正情報がその特定のウェブサイトにまだ転送されておらず、画像がまだ色補正されていないことをアイコンによって表示可能なものも存在する。いずれの場合にも、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14及びウェブサイトのIDも受信し、それらは、カラープロファイルサーバー18に転送されたURL内に含まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー18は、特殊目的の要求によって、関連するカラー画像サーバ16にそのクライアントIDとプロファイラクッキーの内容を即座に転送する。
【0104】
クライアント14が画像サーバークッキーを提示した場合には、カラー画像サーバー16は、そのクッキーに格納されている情報に基づいて色補正を実行する。クライアント14の場合には、カラー画像サーバ16は、画像サーバークッキーの内容を受け付け、将来の色変更の際に取得するべく、アップロードされた画像と関連付ける。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラー画像サーバ16は、そのクライアント14用の色情報をカラープロファイルサーバー18から受信するべく、短時間待機する。情報が到着した場合には、カラー画像サーバー16は、クライアント14に関連付けられているブラウザに画像サーバークッキーを書き込む。到着しない場合には、カラー画像サーバ16は、未補正の画像をクライアント14に提供するか、或いは、クライアント14の場合には、アップロードされた画像に色補正情報を設定しない。
【0105】
この直接法の場合には、カラー画像サーバ16は、カラープロファイルサーバー18から転送される色補正情報を追跡する必要がある。これは、それらの情報が、クライアント14からの画像のアップロード及びダウンロード要求と同期して受信されないからである。従って、カラー画像サーバー16が個別のクライアント14に関連付けられている色補正情報を一時的に追跡すると共に、ウェブサーバー12がクライアントID情報の生成と追跡を行うべく、これら2つのサーバー間で共有可能なデータベースアプリケーションを内蔵することが必要になる。情報の画像サーバークッキーへの書き込みが完了すれば、その個別のクライアント14用のID及び色補正情報は、このデータベースから消去することができる。
【0106】
直接転送法によるIDの管理は、次のように実行可能である。即ち、カラープロファイルサーバー18が生成するオリジナルの色補正情報にユニークIDを付加することができる。このユニークIDは、カラー画像サーバー16に転送された色補正情報の複写においても維持可能である。このIDは、クライアント14がカラープロファイリングプロセスを反復した場合に変化する(このIDをプロファイラIDと呼ぶことができる)。このプロファイラIDは、カラープロファイリングプロセスを再実行するまで、変化することなく維持されることになる(この再実行は、数ヵ月後になろう)。実際に、プロファイラIDは、特定のカラープロファイリングシーケンスに対応している。このプロファイラIDは、クライアントID及び加入者IDによって補完される。クライアントIDは、ウェブサイトが色情報を要求している対象のクライアントを識別するものであり、加入者IDは、特定の加入者を識別する。
【0107】
クライアント及び加入者IDは、カラー画像サーバ16が特定のクライアント14用の色補正情報を備えていない場合に、URLパラメータによってカラープロファイルサーバー18に伝達される。そして、加入者IDは、カラープロファイルサーバーがプロファイラクッキーの内容又はカラープロファイリングプロセスの実行結果に基づいてクライアント用の適切な情報を判定した際に、色補正情報と共にカラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16に伝達される。この情報をカラー画像サーバー16が受信し、それを画像サーバークッキーとしてクライアントのブラウザに書き込めば、加入者IDは不要となる。
【0108】
図8は、表示装置のカラープロフィリング・プロセスを説明するフローチャートである。図8に示されているプロセスは、上記のプロファイラクッキーのコンテントを生成するために使われる。特筆すべきことに、クライアント14に関連付けられているユーザーが、ポインティング装置によってわずかに3回「クリック」するだけで、カラープロファイリングプロセスの全体を完了することができる。パッチを選択した後に、継続のためにユーザーが継続ボタンをクリックすることが必要であれば、プロセスには、更なるクリックが必要となる。しかしながら、ユーザーがパッチを選択した後に自動的に次のステップに進行するようになっていれば、全体のプロセスを3回のクリックで完了することができる。後述する任意選択のアナログ調節、別個のR、G及びBの黒点、及び精細ガンマの各ステップを勘案しても、このプロセスに必要とされるクリック数は、最大でも6回又は7回である。多くの実施例において、個別の要素を選択する方法を利用した場合には、このカラープロファイリングプロセスには、プラグインやクライアントサイドのスクリプト作成は不要であるが、スライダー調節を使用するものなどのいくつかの実施例においては、このようなメカニズムを提供することも可能である。
【0109】
このカラープロファイリングプロセスによれば、R,G及びBの蛍光体又はフォトダイオード素子の黒点とガンマの正確な値を判定することにより、クライアント14に関連付けられている表示装置を視覚的にプロファイリングすることができる。ガンマとは、装置のデジタル値の変化に伴う光度の変化率を表すパラメータγを意味している。「黒点」という用語は、当技術分野においては周知であり、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR,G及びBの値を意味している。この黒点は、しばしばブラックオンセット(Black Onset)とも呼ばれている。本発明によれば、任意選択により、モニタのR、G及びBの各色チャネルごとに1つずつ、3つの別個の黒点を判定する。高精度なモニタに使用する場合には、1つのダークグレーのRGBを選択し、これを使用してR、G及びBの1つの平均黒点値を推定することができる。
【0110】
古いCRTモニタなどのように、表示装置の中には、色チャネルごとに、非常に異なる黒点を生成するものも存在している。従って、単一のRGB黒点の計測値に基づいてカラープロファイルを生成すれば、精度が低下する恐れがある。しかしながら、チャネル固有の黒点を判定することにより、精度の低下を軽減することができる。換言すれば、それぞれの色チャネルごとに個別に黒点を推定することにより、表示装置の色応答のより正確な特徴付けを取得することができる。
【0111】
この正確な色の特徴付けにより、特定モニタに提供し表示するための画像変換の精度を向上させることができる。カラープロファイルサーバー18は、図5に示されているように、一連の指示用のウェブ頁をクライアント14に提供することにより、カラープロファイリングプロセスを遂行することができる。通常、このカラープロファイリングプロセスにおいては、(1)表示装置の赤、緑、及び青(R,G及びB)色チャネルのそれぞれの黒点、(2)R,G及びBの平均ガンマ、及び(3)R,G及びBのガンマの差、を判定する。表示装置の特性が大きく異なるため、前述の判定(2)は、(2a)粗ガンマ推定値と(2b)精細ガンマ推定値の判定に再分割することができる。次に、このプロセスについて、図8-14を参照して詳細に説明する。
【0112】
このカラープロファイリングプロセスにおいては、まず、カラー表示装置のそれぞれの色チャネル(例:R、G及びB)の推定黒点を判定する。黒点を判定した後に(これは、単なる推定値に過ぎないが)、このプロファイリングプロセスでは、表示装置が示すガンマを判定する。具体的には、このプロセスでは、粗ガンマを判定した後に、精細ガンマを判定する。この精細ガンマの判定は、部分的に粗ガンマに依存することができる。換言すれば、粗ガンマは、ファインチューニングされたガンマに収束させるための最初の推定値及び出発点として使用可能である。
【0113】
精細ガンマを判定した後に、このプロセスでは、表示装置が示すグレーバランスを判定する。グレーバランスとは、表示装置に使用されている色チャネル(例:赤、緑、及び青)の中の1つ又は複数のものに対する中立のグレーからの色シフトの量を示すものである。このグレーバランスの判定は、このカラープロファイリングプロセスにおいて前に判定されているガンマに部分的に依存することが可能であり、特定の実施例においては、精細ガンマに依存している。次に、このカラープロファイリングプロセスでは、カラープロファイルを生成する。カラープロファイルには、黒点、ガンマ、及びグレーバランスに基づいて表示装置の色応答を特徴付ける情報が格納される。次いで、このカラープロファイルをクッキー又はその他のコンテンツコンテナに読み込み、必要時にいずれかのカラー画像サーバ16にアップロードするべく、それぞれのクライアント14においてローカルに保存することができる。
【0114】
推定された黒点パラメータは、表示装置のダイナミックレンジを定義している。最大RGB値は常に白を定義しており、黒点は黒のエンドポイントを定義している。従って、結果的に、黒から白に連続的に変化するR,G及びB色チャネルの各値の範囲を定義することになる。この場合にも、黒点は、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、又はB値を意味している。Rなどの個別の色チャネルにおいて、黒点とは、R値を減少させても表示装置の放射するRチャネル光がそれ以上には減少しない点のことである。表示装置の所与の色チャネルの黒点が高い場合には、暗い領域のそのチャネルの値は最も暗いシェードにマッピングされることになり、画像補正を行わなければ、シャドーのディテールが失われることになる。従って、正確な黒点の推定値の取得は、表示装置が示す画像の精度にとって重要である。
【0115】
マルチチャネルの黒点の推定値以外に、カラープロファイルには、ガンマパラメータとグレーバランスパラメータが含まれる。これらのパラメータが協働し、装置上での正確な表示のためのカラー画像の変更を可能にする個別の表示装置の色応答を定義する。ガンマパラメータは、画像の全体的な見え方に最も大きな影響を与えるものである。ガンマにより、画像の見え方が全体的に明る過ぎる(又は、暗過ぎる)ものになるかどうか、或いは、コントラストが強過ぎる(弱過ぎる)ものになるかどうかが決定される。人間の目は、グレーバランスに対する感度が非常に高いため、第3のパラメータであるRGBガンマの差、即ち「グレーバランス」は重要である。グレーバランスパラメータは、RGB色の組み合わせを生成した際の表示装置の異なる色チャネル間の相対的なバランス(或いは、インバランス)を示すものである。
【0116】
図8は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図8に示されているように、黒点の判定のために、カラープロファイルサーバー18は、まず、表示装置調節用のウェブ頁を提供することができる。このウェブ頁は、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを調節するように指示するものである。表示装置を調節するこのステップは、任意選択であるが、通常、黒点を判定するべく表示装置を準備する際に望ましいものである。カラープロファイルサーバー18は、バー、パッチ、文字(character)、文字(letter)、数字、及びこれらに類似のものなどの暗い要素からなる複数の行を含むウェブ頁を提供可能である(104)。
【0117】
パッチやバーではなく、数字などの様々な形状を有する要素を表示することが望ましい。パッチやバーは、通常、長方形であるが、人間の目で違いを識別する際には、もっと複雑な形状を使用する方が有利である。即ち、例えば、数字、文字、及びその他の複雑な形状の場合、人間の目のパターン認識能力が作用し、結果的にグレースケールの違いに対する感度を高めることができる。人間の目は、パターン認識を実行するように要求されると、所与のパターンと周辺領域間の色のグラデーションに対する感度が向上する。複雑な形状は、単純な形状に比べて、提示される境界が長く、周囲の長さが長くなってコントラストを際立たせる。モニタを特徴付けるための黒点、粗ガンマ、及び精細ガンマの判定においては、複雑な形状を有する要素を使用可能である。
【0118】
行に代え、ウェブ頁上に並んで配置した列として要素を配列することも可能である。更なる代替例として、それぞれの行又は列に、複数の要素ではなく、ただ1つ又は少数の要素を格納することも可能である。それぞれの所与の行における要素数が大きいほど、ユーザーは、隣接する行の要素間の違いを識別し易くなる。
【0119】
このウェブ頁は、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示することができる(106)。要素からなる行(又は、列)は、連続して配置することができる。それぞれの行の要素の暗さ(又は、明るさ)は、同一であることが好ましい。しかしながら、連続するそれぞれの行の要素は、その他の隣接する行の要素とは暗さ(又は、明るさ)が相対的に異なっている。例えば、最も暗い要素の行を底部に配置し、シェードの明るさが徐々に増加する要素を格納する行を昇順(又は、降順)にその上に配置することができる。このウェブ頁では、ユーザーに対して最も暗い要素の行がかろうじて見えるところまで輝度を落とすように指示している(108)。この時点で、ユーザーは、「次へ」又はこれに類似のハイパーテキストアイコンを選択し、カラープロファイリングプロセスの次のステップ(例:赤、青、及び緑チャネルの個別の黒点の判定)に進むことができる。
【0120】
図9は、図8に示されているカラープロファイリングプロセスの表示装置調節において使用するウェブ頁128を示している。暗い要素の行130が表示されており、これらの要素は、それぞれの行が同一のグレーレベルの値を備えているが、隣接する行の要素とは異なるグレーレベルを備えている。一例として、暗い要素の行130(図9の例では、数字として示されている)は、8、16、14、及び32というグレーレベル値でユーザーに対して提示可能である。換言すれば、「0」、「1」、「2」、「3」の各行は、それぞれ、8、16、24、32のグレーレベルを備えることができる。これらの暗い要素の行が表示されると、ユーザーは、表示装置に提供されているアナログ又はデジタル制御機能を使用して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示される。次いで、ユーザーは、最も暗い(最低のグレーレベル値の)要素を有する行がかろうじて見えるところまで表示装置の輝度を落とし、その後で「次へ」をクリックするように更に指示される(132)。この任意選択の表示装置調節のステップは、後述するように、それぞれの色チャネルに関して実行する黒点の判定用にモニタを準備するためのものである。
【0121】
それぞれの色チャネルごとに黒点を判定するプロセスを実行するべく、それぞれの色チャネル用の要素からなる複数の行(又は列)を連続したウェブ頁上に表示することができる。具体的には、チャネル固有の黒点判定用の赤チャネル、青チャネル、及び緑チャネルのウェブ頁をクライアントに対して提供することができる(順序はどのようなものであってよい)。表示装置調節用に提供する図9のウェブ頁128と同様に、それぞれのウェブ頁には、昇順又は降順の相対的な明るさ(又は、暗さ)を有する行として所与の色チャネル用の要素を配置することができる。これらの行は、グレーレベルのグラデーションのシーケンスを提供するものである。例えば、赤チャネルの黒点判定用のウェブ頁の底部の行は、そのウェブ頁に示されている要素の中で赤の最も暗いシェード(最低のグレー値)を有する要素からなる「0」の行である。ウェブ頁128と同様に、これらの行又は列による要素の配列は、説明用のものである。実施例の中には、複数の要素の列ではなく、一連の個別要素の表示によって十分なものも存在する。
【0122】
ユーザーにかろうじて見える最も暗い要素の列は、表示装置の個別のチャネルの黒点によって左右されることになる。これらの要素の行は、黒(即ち、RGB=0)を背景として表示されている。表示装置によっては、8や16以上の強度レベルを有する要素がユーザーには見えないものも存在する。ユーザーは、表示装置上においてかろうじて見え、且つ黒の背景と最も近接して一致(即ち、混合)する要素の行を選択するように指示される。このステップにより、黒点、即ち、色チャネル値が減少しても表示装置のその色チャネルの放射光がそれ以上減少しない可視の「カットオフ」点が判定される。この代わりに、所与の色の最もよく見えない要素の行を消去し、残っているかろうじて見えるバーをクリックするようにユーザーに指示することも可能である。いずれの場合にも、黒点を推定することができる。
【0123】
図10は、図8に示すカラープロファイリングプロセスの黒点判定に使用するウェブ頁134を示している。ウェブ頁134は、図6のウェブ頁128と実質的に類似のものであってよい。例えば、ウェブ頁134には、シェードされた要素の行136を含むことができる。この場合にも、アプリケーションによっては、要素の列の表示又は一連の要素で十分なものも存在する。図10に示されているように、ウェブ頁134は、ユーザーに対して表示装置上においてかろうじて見える要素の行を選択するように指示する。ウェブ頁128同様に、ウェブ頁134の行136は、例えば、それぞれ、8、16、24、及び32の強度レベルを備える「0」、「1」、「2」、及び「3」の行として配列することができる。図10のウェブ頁134は、赤チャネルの黒点判定用のウェブ頁を表しており、黒を背景として設定された赤要素の行が含まれている。
【0124】
例えば、行の中のいずれかの要素をクリックして赤チャネルのかろうじて見える行を選択すると、緑チャネルの黒点を判定するための黒を背景として設定された緑要素の行を格納する実質的に同一のウェブ頁がユーザーに対して自動的に提供される。そして、かろうじて見える緑要素の行の選択に続き、青チャネルの黒点判定用の実質的に同一のウェブ頁がユーザーに対して提供され、ユーザーは同様の選択を行う。即ち、先行するチャネルの行の選択に続き、各色チャネルの黒点判定を実行する連続ウェブ頁を自動的に提供することができる。この代わりに、「次へ」アイコン又はこれに類似の装置をクリックするようにユーザーに促してもよい。無論、プロセスに必要とされる全体のクリック数を減少させるには、要素の選択に続いて自動的に連続ウェブ頁を提供することが望ましい。
【0125】
以上の結果、ユーザーは、各色チャネルのかろうじて見える要素の行を選択し、これにより、それぞれの色チャネルの黒点の情報が提供される。図8は、このプロセスについて更に説明している。具体的には、図8には、暗い赤の要素(又は、文字)の行の表示(110)と辛うじて見える行の選択(112)が示されており、更に、選択された行に基づいた赤チャネルの推定黒点の算出が示されている(114)。
【0126】
他の方法としては、推定黒点値は、選択した行に基づいて、後に算出することができる。
【0127】
同様に、緑チャネルの場合には、暗い緑の文字の行を表示した後に(116)、辛うじて見える行を選択し(118)、選択された行に基づいて緑チャネルの推定黒点を算出する(120)。最後に、青チャネルについて、暗い青の文字の行を表示した後に(122)、辛うじて見える行を選択し(124)、選択された行に基づいて青チャネルの推定黒点を算出する(126)。
【0128】
関連するクライアント14は、連続ウェブ頁のそれぞれに表示されたかろうじて見える要素の行を選択した後に、カラープロファイルサーバー18にその結果を送信する。この代わりに、最後の色チャネルの黒点判定を完了した後に、すべての色チャネルの結果を同時送信することも可能である。次いで、カラープロファイルサーバー18は、それぞれのチャネルごとに推定黒点を算出するか、或いは、例えば、カラー画像サーバー16が後で算出できるよう、パラメータを単純に保存することも可能である。
【0129】
表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって表すことができる。
【0130】
【数1】
【0131】
ここで、RGBは、次のとおりである。
【0132】
【数2】
【0133】
変数dr、dg、及びdbは、1.0に正規化されたデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは黒点であり、パラメータγr、γg、及びγbは赤、緑、及び青チャネルのガンマである。
【0134】
パラメータko,r、ko,g、及びko,bの値は、次のように判定する。即ち、モニタの特性とは無関係に、赤の場合には、人間の目で検出可能なXYZの最低限の可視の値の組が存在すると仮定し、これをベクトル(Xt,r,Yt,r,Zt,r)と表記する。このベクトルは、前述の方程式におけるRの固有の対応する値を備えることになり、これをRtと表記する。特定のγr及びko,rの値を有するモニタの場合には、次のように、Rtに関連付けられたdt,rと表記される固有の装置値が存在することになる。
【0135】
【数3】
【0136】
この装置値dt,rが、カラープロファイリング手順において、前述のように(即ち、赤の黒点判定用のウェブ頁において最も暗いかろうじて見える要素の行を選択することにより)、ユーザーによって判定される。Rtの値は、経験的に判定する。例えば、ko,r=0.0及びγr=2.2の暗い部屋で較正された表示システムの場合には、赤パッチは、dt,r=8/255グレーレベルで可視であり、これはRt=(8/255)2.2を意味している。
【0137】
ko,rの正確な値は、2つの同時方程式(即ち、Rtの前述の方程式と後述するR.33の方程式)を解くことによって算出可能である。この代わりに、2.2のガンマを仮定することにより、ko,rの妥当な推定値を取得可能である。この仮定を行った場合には、次のようにko,rの値を推定することができる。
【0138】
【数4】
【0139】
同様に、ko,g及びko,bの値を判定可能である。
【0140】
図11は、カラープロファイリングプロセスにおけるガンマとグレーバランスの判定を示すフローチャートである。粗ガンマを判定するべく、カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁の中の1つにより、ディザリングされた緑を背景とした一連の緑の要素(例:パッチ)が表示される(138)。この粗ガンマ判定用のウェブ頁は、最後の黒点判定用のウェブ頁において要素の行の選択が完了した後に、即座に且つ自動的に、或いは「次へ」アイコン又はこれに類似の装置の選択に応答して提供可能である。
【0141】
一実施例においては、この粗ガンマの判定は、緑の色チャネルにのみ限定される。具体的には、この粗ガンマの判定は、ディザリングされた緑を背景とする一連の緑要素を使用して実行される。緑は、赤、緑、及び青の中で、最も優勢で強いフォスファ(phospher)であり、コントラストが最大である。更に、緑は、最大のL*を備えている。又、緑は、目の明所視のV(λ)応答に最も近接して一致することにも留意されたい。この粗ガンマ判定法においては、緑の色チャネルのみを考慮し、赤と青は基本的に無視している。
【0142】
このような方法により、粗ガンマの計測においては、最も優勢な色チャネルに集中し、多くの表示装置で散見される赤−青のインバランスに起因する誤差を回避している。従って、粗ガンマの判定用に表示される要素は、異なる暗さ(又は、明るさ)の値を有する緑のパッチであってよい。この代わりに、先程参照した米国特許出願第09/631,312号明細書に記述されているように、すべての色チャネル用の合成粗ガンマを判定することも可能である。
【0143】
緑のパッチを表示すると、ディザリングされた背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するように、ユーザーは指示される(140)。この「緑のパッチが、ディザリングされた背景と「混合」する」という表現は、それが背景のレベルに近接して一致するという意味である。ディザリングされた緑を背景として表示された一連の緑のパッチの例が図12の参照符号160によって示されている。この一連の緑のパッチとディザリングされた緑の背景は、カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁に表示可能である。
【0144】
カラープロファイルサーバー18は、選択された緑のパッチに基づいて(この場合も、ポインティング装置でクリックすることによって選択可能である)粗ガンマを算出する(142)。このステップで(ディザリングされた緑を背景とする緑のパッチの組から1つの緑のパッチを選択することによって)判定された粗ガンマは、R、G及びBの平均ガンマの推定値として使用可能である。ディザリングされた緑の背景は、約25%〜50%で設定することができる。約33%内外でディザリングされた背景は、表示装置の黒から緑への遷移の実際の中間点に最も近接して一致し、一般の表示装置に好ましい。
【0145】
黒と緑を適切な周波数で交互に配置することにより、25%、33%、又は50%の緑の背景を生成することができる。CRTの場合、装置のビデオ帯域幅のため、個別のピクセルを調節して垂直ラインを形成するのではなく、所与の水平ラインにおいてピクセルのすべてをオン/オフする方が表示装置間で予測可能な出力が生成されるはずである。尚、フラットパネル装置の場合には、これは問題とはならない。しかしながら、CRTとフラットパネル装置の両方を使用するクライアントに対応する際には、交互の水平ラインを使用してディザリングされた背景を生成することが好ましい。
【0146】
大部分のモニタのガンマは1.6〜2.5の範囲にあるため、一連のパッチ128の中央パッチは、平均ガンマ2.0に基づいたものであってよい。中央パッチを取り囲むその他の緑のパッチは、比較的大きな刻み(例:互いに8グレースケールの間隔)で順番に配置することができる。粗ガンマは、次の方程式を使用して推定可能である。
【0147】
【数5】
【0148】
ここで、d.33,gは背景と最も近接して混合して見える選択されたパッチのグレーレベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。粗ガンマを実際に算出する代わりに、精細ガンマプロセスにおいて使用するべく、選択されたパッチの緑レベル値を単純に持ち越すことも可能である。この場合、その値は最終的には破棄されることになる。
【0149】
粗ガンマの推定値を取得した後に、精細ガンマを推定する。精細ガンマは、R、G及びBの平均ガンマの精度を高めた(即ち、「ファインチューニング」した)推定値である。精細ガンマは、ディザリングされた緑を背景として提示された緑パッチの組からもう1つ別の緑のパッチを選択することにより、判定することができる。この場合に、中央パッチは、粗ガンマの判定用にユーザーが選択した緑パッチと同一のものであってよい。即ち、粗ガンマステップが精細ガンマステップに対して「情報提供」するのである。実際に、選択された粗ガンマパッチが精細ガンマ判定用の出発点として機能する。具体的には、粗ガンマの判定において選択された緑パッチを精細ガンマ判定用の中央パッチとして使用することができる。
【0150】
精細ガンマを判定するための一連のパッチが図13の参照符号162によって示されている。この一連のパッチは、粗ガンマプロセスにおいて選択された中央の緑パッチを中心とし、パッチ間の刻みの幅を更に狭めたシーケンスになっている。例えば、これらのパッチは、粗ガンマの判定においてパッチ間の刻みの幅として使用した8つの緑レベルではなく、4つの緑レベルの間隔を有することができる。この結果、粗ガンマの推定値から「学習」した中央値を有する更に間隔を狭めた一連のパッチを使用して粗ガンマの推定値を「ファインチューニング」することになる。
【0151】
カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁により、刻みの幅を狭めた一連の緑パッチの中に粗ガンマの推定で選択された緑パッチを表示する(144)。次いで、ユーザーは、粗ガンマの判定に使用されたものと同一のディザリングされた緑の背景と最も近接して混合する緑パッチを選択するように指示される(146)。そして、カラープロファイルサーバー18は、選択された緑パッチに基づいて1つの精細RGBガンマを算出する(148)。従って、この精細ガンマは、RGBチャネルについて推定された全体的なガンマであるが、緑チャネルから導出されたものである。この代わりに、前述のように、カラー画像サーバー16が精細ガンマの算出と色補正のレンダリングに使用できるよう、選択されたパッチのRGB値を単純に保存することも可能である。いずれの場合にも、精度を高めたガンマの推定値は、次の方程式によって算出することができる。
【0152】
【数6】
【0153】
ここで、d.33,gは背景と混合している選択されたパッチの緑レベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。
【0154】
カラープロファイルサーバー18は、グレーバランスを判定するべく、複数のRGBパッチを表示するウェブ頁を提供する。これらのRGBパッチは、以前の精細ガンマのステップにおいて選択されたものと同一の緑の値と、この以前選択された緑の値と実質的に等しいか、或いはその値からシステマチックにシフトされた赤及び青の値を組み合わせて生成することができる。これらのRGBパッチは、前のステップ(精細ガンマ)の緑のディザリングされた背景と同様にディザリングされたグレーを背景として表示することができる(150)。この場合にも、このステップは、前のステップから「学習」しており、正しいガンマを特定するべく絞り込んでいく一連のカラープロファイリングステップ(粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス)の一部を形成している。次いで、ユーザーは、ディザリングされた背景と最も近接して混合して見えるグレーパッチを選択するように指示される(152)。そして、選択されたグレーパッチに基づいて個別のRGBガンマを算出する(154)。特筆すべきことに、このグレーバランス判定の全体をユーザーのポインティング装置の1回のクリックによって実行可能である。
【0155】
従って、このグレーバランスのプロセスでは、精細ガンマのプロセスにおいて選択された緑の強度値を使用し、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って判定されたRGB値を有する中央パッチの値を中心として、赤及び青の+/−(プラス/マイナス)の違い(即ち、「シフト」)を示す複数のグレーパッチを生成する。例えば、精細ガンマプロセスにおいて選択された緑の値を赤及び青の実質的に同一の値と組み合わせて中央に表示する。そして、赤及び青のガンマをグレーバランス判定によってファインチューニングし、これによって表示装置の赤−青インバランスを識別する。従って、このグレーバランスのステップでは、赤と青のインバランスを判定する際に、緑ガンマを「ロック」している。換言すれば、このグレーバランスのアレイ内のすべてのパッチは、同一の緑値を有し、赤及び青の異なるグラデーションによって調節されている。このステップでは、1つの変動軸(緑)を除いているが、赤及び緑、又は青及び緑間のインバランスの識別は可能である。この結果、選択の範囲が、よりファインチューニングされた領域に限定され、ユーザーによる正確な選択の実行が可能になっている。
【0156】
このグレーバランス判定用の一連のパッチは、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って生成された中央グレーパッチを中心とし、その周囲に配列された赤−青シフトされたパッチを有する二次元のパッチのアレイであってよい。その他の実施例においては、赤チャネルを使用して最初のRGBガンマの推定値を判定した後に、緑及び赤、又は青及び赤間のインバランスを識別するグレーバランス判定を実行可能である。
【0157】
図14は、このグレーバランス判定において使用する5行5列の、マトリックスに配置された二次元の一連のグレーパッチ164の例を示している。それぞれのパッチは、青の軸、又は赤の軸、或いは、それら両方の組み合わせによって中央のグレーパッチからシフトしているが、緑はシフトしていないことが好ましい。ユーザーは、ディザリングされたグレーの背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するが、この背景は、33%のディザリングされた背景であってよい。任意選択により、中央パッチは、それが好適な既定の選択肢であること示すべく強調表示してもよい。
【0158】
パッチの数とそれぞれのパッチのRGBの正確な値は極めて柔軟なものであってよい。例えば、図14の画像の場合には、すべてのパッチは、フォスファ、平均ガンマ、及び黒点に基づいたディスプレイ用の推定プロファイルに示されているものと同一のL*の値を備えるように選択可能である。中央パッチに隣接するパッチは、前述のパラメータから構築されるマトリックスTRC(tone reproduction curve)プロファイルから推定されるように、a*及びb*のすべての組み合わせについて+/-3ΔEだけ異なったものであってよい。
【0159】
グリッドアレイの外周縁のパッチは、R及びBが+/-6ΔEだけ中央から異なったものであってよい。この代わりに、簡単にするべく、+/-5グレーレベルや+/-10グレーレベルなど、+/-固定量だけR及びBが変化するように選択することも可能である。すべてのパッチが略定数であるL*の色空間のすべての方向に中央パッチから相対的に小さく偏位していることが好ましい。この試験は、R、G及びBのガンマに大きな違いが存在するかどうかを高感度で判定するのに有用であり、この結果、R及びB間の大きなグレーのインバランスが明らかになる。
【0160】
図14に示されているパッチの二次元フォーマットは、ユーザーが正しいパッチを選択するのに有用である。この実施例では、カラープロファイリングプロセスの前のステップ(即ち、精細ガンマ)からのパッチが中央に配置されている。隣接するパッチは、アレイが外に広がるに伴ってグレーレベルが変化しており、この結果、アレイの外周縁は、中央パッチから2グラデーションだけ変化したパッチを格納している。このアレイは、背景とのマッチング用の出発点としてユーザーを中央パッチに導く傾向を経験的に有している視覚的な「漏斗」効果を生成している。二次元アレイにおけるパッチ間の違いは、一次元のパッチストリップよりも明瞭であり、且つ劇的である。アレイが外に広がるに伴って、シフトが大きくなる。従って、グラデーションが際立ち、ユーザーが適切なパッチを選択するのに有用である(適切なパッチは、多くの場合、カラープロファイリングプロセスの前のステップで選択された中央パッチとなる)。
【0161】
ユーザーが中央パッチを選択した場合には、1つのガンマ値をR、G及びBチャネルに使用する。その他のパッチの中の1つを選択した場合には、3つの別個のガンマを次の方程式に基づいて算出する。
【0162】
【数7】
【0163】
ここで、γとd.33用の添え字は、R及びBチャネルの固有値を示している。それぞれのチャネルのd.33の値は、このグレーバランスステップにおいて選択された特定のパッチのRGBの値によって与えられる。これらの方程式を蛍光体値の組と組み合わせ、ICC(International Color Consortium)規格においてマトリックスTRC式と呼ばれている当技術分野において周知の方程式を使用し、クライアントの表示装置用の正確なプロファイルを生成する。この場合にも、この計算は、カラープロファイルサーバー18又はカラー画像サーバ16に関連付けられている色補正モジュールによって実行可能である。
【0164】
この好適な実施例における粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスの判定ステップにおけるパッチ選択プロセスは、クライアント側で読み込みを要するアプリケーション、アプレット、又はその他のクライアントサイドスクリプトが不要であるため、有利である。代わりに、ユーザーは、ウェブ頁に表示されたパッチの中の1つを単純に選択するのである。しかしながら、その他の実施例において、アプリケーション、アプレット、又はクライアントサイドスクリプトを使用する場合には、ディザリングされた背景との比較用に1つのパッチの色をリアルタイムで調節するための滑らかなスライダバー、+/-矢印、及びこれらに類似のものを使用することが考えられる。この結果、ユーザーは、有限の数のパッチの組から最も近接して一致するものを選択するのではなく、1つのパッチを背景と正確に一致させる能力を有するようになる。又、このリアルタイム調節法は、非ネットワーク型の色の較正及び特徴付け法にも有用である。この場合、黒点、ガンマ、及び/又はグレーバランスを判定するべくユーザーが選択するパッチ又は要素は、スライダやその他の調節媒体により、ユーザーにとって視覚的に許容可能なレベルまで(即ち、パッチがディザリングされた背景と一致して見えるところまで)その色が調節される1つの調節可能なパッチであってよい。
【0165】
黒点、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスのプロセスに基づき、表示装置用のカラープロファイを生成する(156)。そして、カラープロファイルを生成したら、カラープロファイルクッキーを生成する(158)。将来使用するべく、カラープロファイルを表す情報は、カラープロファイルクッキーに付加される。具体的には、この情報を使用し、その特定のクライアント14とその特定のウェブサーバー12及びカラー画像サーバ16間で将来やり取りするための画像サーバークッキーを生成することができる。このカラープロファイルは、ネットワークにおける表示装置を特徴付けるのに特に有用であるが、非ネットワーク型のアプリケーションにおいても有用である。具体的には、本明細書で説明したカラープロファイリングプロセスは、ネットワークを介してではなく、装置においてローカルに生成又は取得されたコンテンツを補正するための個別の表示装置の較正及び特徴付けにも、そのまま使用可能である。
【0166】
有利なことに、クライアント14は、それらの表示装置の構成に関する情報を提供する必要はない。sRBG、Apple Macintosh RGB、及びこれらに類似のものなどの公表されている規格に基づいたフォスファ値の平均セット(average set)を使用し、非常に満足できる結果を生成することができる。必要に応じて、特に蛍光体値と白点の問題を解決するべく、更なるステップを追加することも可能である。このカラープロファイリングプロセスでは、結果的に、クライアント14に関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報をカラー画像サーバ16に伝達するためのコンテナ又は輸送手段として機能するクッキーを単純に生成している。この代わりに、場合によっては、VESAなどの通信プロトコルを利用してディスプレイから(及び/又は、コンピュータのオペレーティングシステムから)色度情報と白点を取得することができる。現在の技術では、高価な電子回路をもってしてもRGBの黒点及びガンマをハードウェアレベルで完全に維持することは困難であるため、本発明の有用性は持続することになろう。
【0167】
通常、クライアント14が実行するブラウザアプリケーションからの各要求には、特定のドメインにとって可視のすべてのクッキーが付加される。このため、通常のブラウザは、それぞれのドメイン毎に最大20個のクッキーに制限している。特定のウェブサイトに対するクッキーの割り当てを消費してしまうことを回避するべく、特定のクライアント14用のすべての色補正情報を1つのプロファイラクッキーと1つの画像サーバークッキーにパッキングすることが好ましい。場合に応じて、例えば、いくつかの項目を画像サーバークッキー又はプロファイラクッキーの値の文字列内にパッキングすることができる。具体的には、それぞれのクッキーは、R,G及びBのガンマ値を含む必要がある。それぞれのガンマ値は、1.0〜3.0の間の値であってよい。更に、クッキーには、黒と白の色度値(例:0〜+1000.0の間の値で表されたもの)を含むことができる。
【0168】
模範的なクッキーは、例えば、それぞれが区切り文字によって区切られて値の文字列にパッキングされた次の項目を有することができる。
【0169】
(1)クッキーフォーマットバージョンコード:数値コード(例:1〜3バイト、及び区切り文字)
【0170】
(2)クッキーの作成日:通常のクッキースタイルのタイムスタンプ(GMTの1970年1月1日の午前零時からの経過時間(単位:ミリ秒))(例:12〜13バイト、及び区切り文字)
【0171】
(3)この色情報が色補正シーケンスによって生成された時に、割り当てられた一意のプロファイラID:長整数(例:4バイト、及び区切り文字(但し、もっと長くなる可能性が高い))
【0172】
(4)RGBのガンマ及び黒点の値:それぞれ4つの十進数からなる1.0〜3.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。小数点を示すことができる。従って、ガンマ値は、最大でそれぞれ5又は6バイト及び区切り文字(従って、全体では、この3倍)を所要する。この代わりに、R、G及びBに選択された色調値を示しておき、後でクッキーを読み込んだ際にサーバーがガンマ及び黒点の値を算出できるようにしてもよい。
【0173】
(5)黒及び白の色度:それぞれ有意な4桁からなる0〜1000.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。従って、これは、それぞれ最大6又は7バイト及び区切り文字(従って、全体では、この2倍)を必要とする。
【0174】
(6)色のビット数:2つの十進数(2バイト及び区切り文字)
【0175】
(7)表示装置のIDコード:英数字コード(約10バイト及び区切り文字であってよい)
【0176】
(8)クッキーデータのチェックサム:長い整数(4バイト)
【0177】
前述の例のクッキーは、約68バイトと10個の区切り文字を有している。区切り文字は、文字列が「エスケープ」されないように選択する必要があり、通常、このような場合には、カレット(^)が使用される。従って、この値の文字列の通常のサイズは約80バイトになる。
【0178】
図15は、図1及び図2に示されているシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。具体的には、図15は、個別のクライアント14がアクセスする2つの異なるカラー画像サーバ16a、16bに対して既に画像サーバークッキーが生成されているシステム166を示している。この場合、クライアント14は、ウェブサーバー12からのウェブ頁にアクセスし、カラー画像サーバ16aに対して画像を要求する。別のウェブサーバー12に対して画像を要求する場合には、クライアント14は、カラー画像サーバー16bに対して画像を要求する。カラー画像サーバー16aは、色補正モジュール168とカラー画像のアーカイブ170の両方を内蔵している。同様に、カラー画像サーバー16bも、色補正モジュール172とカラー画像のアーカイブ174を含んでいる。
【0179】
クライアント14は、画像要求をカラー画像サーバ16aに送信する際に、ライン176によって示されているように、一緒に供給先プロファイルクッキー(即ち、画像サーバークッキー)を送信する。同様に、ライン178によって示されているように、クライアント14は、画像を要求する際に、画像サーバークッキーをカラー画像サーバー16bに送信する。いずれの場合にも、画像サーバークッキーには、それぞれ画像アーカイブ168、170から提供されるカラー画像を変更(即ち、色補正)する際に個別の色補正モジュール172、174が使用する色補正情報を提供するカラープロファイルが格納されている。従って、この要求を受信すると、カラー画像サーバー16a又は16bは、添付されている画像サーバークッキーを処理して内容を抽出し、抽出した内容に基づいて個別の色補正モジュール168、170を制御する。この結果、クライアント14は、参照符合180、182で示されているように、色補正された画像を受信することになる。
【0180】
次に、色補正モジュールが画像サーバークッキー内に格納されているカラープロファイルを利用する方法について説明する。図8−14を参照して説明した実施例においては、個別のクライアント14に関連付けられているユーザーが選択した赤、緑、及び青要素に基づき、それぞれの色チャネルの黒点を推定している。従って、カラープロファイリングプロセスの出力は、黒点のRGB値とガンマ、又は個別のRGBガンマである。ここでは、これらの値が前述のように判定されていることを前提とする。表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって与えられる。
【0181】
【数8】
【0182】
ここで、RGBは、それぞれ次のとおりである。
【0183】
【数9】
【0184】
値dr、dg、及びdbは、1.0に正規化された赤、緑、及び青チャネルのデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは、赤、緑、及び青チャネルの黒点であり、γr、γg、及びγbは、赤、緑、及び青チャネルのガンマである。従って、個別の表示装置用の画像サーバークッキー内に格納されているガンマ及び黒点情報を前述の方程式で使用し、実際に、供給先装置のプロファイルを生成することができる。この供給先装置プロファイルと要求画像に対して以前算出されている供給元プロファイルを使用し、較正済みの出力をその表示装置上で生成するのに十分な画像データの変形を実行することができる。
【0185】
前述の方法は、バーンズ(Berns)の「CRT色彩測定:第1部「理論と実践」」(CRT Colorimetry. Part I:Theory and Practice)における方程式21などの表示装置を特徴付けるその他の試みとは異なるものである。大部分の特徴付けでは、「k」パラメータを使用し、黒点ではなく、黒のオフセットを表している。黒のオフセットは、RGB=0のディスプレイから計測又は感知される非ゼロの強度を意味している。本発明者らの経験によれば、本発明の実施例によるカラープロファイリングプロセスで使用するコントラスト/輝度調節手順により、この現象の影響が最小化される。但し、コントラスト/輝度調節の後も、非ゼロの黒点が発生する可能性は高く、従って、考慮しておく必要がある。
【0186】
このプロファイルの記述内容は、このフォーマットで使用することも可能であり、或いは、ICCが規定するものなどのフォーマットに変換することもできる。このフォーマットは、マトリックスTRCフォーマットとしても知られており、前述のものに類似の行列と組み合わせた方程式ではなく、R,G及びBの前述の式用の一般的なルックアップテーブルを利用している。前述の情報(例:ガンマ、黒点、及びこれらに類似のもの)は、クライアント14に関連付けられているコンピュータ上のクッキーに保存可能である。この代わりに、ユーザーが選択したパッチのRGB値である個別のデータをクッキーに保存することも可能であり、この場合には、将来、同一の入力情報を利用し、改善されたプロファイル技術を採用することができる。
【0187】
本明細書において説明したシステムを既存のウェブサイトの画像アーカイブ及びHTMLコードベースと共に実装するには、既存のウェブサーバー12を変更し、HTML頁に示されている既存の画像ファイルに対する参照を色補正モジュールを具備する適切なカラー画像サーバ16に対する参照によって置換する。例えば、
http://SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
という既存の加入者画像ファイルの参照を、
http://correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
によって置換するのである。
【0188】
この結果、HTML頁内の変更されたこれらの参照により、カラー画像サーバ16に対して要求画像を提供するためのコマンドが発行される。カラー画像サーバー16は、このコマンドを受信する際に、画像サーバークッキーが存在する場合には、その画像サーバークッキーも共に受信し、色補正を適用するべくクッキー内に格納されている情報を適用する。次いで、カラー画像サーバー16は、関連する画像ファイルを読み取り、画像サーバークッキーに保存されている表示パラメータを利用して固有の表示プロファイルを作成し、クライアントのブラウザに送信する前に、供給元画像を供給先画像に変換する。
【0189】
ウェブサーバー12上に保存されているすべての画像は、加入者カラー画像サーバー16上に存在する同一名の対応するコピーファイルを有することができる。カラー画像サーバー16は、この画像ファイルのデータベースにアクセスし、クライアント14に送信されたHTML頁が参照している画像を読み取り、変換し、送信することができる。一実施例によれば、カラー画像サーバー16は、色管理用の非常に単純で迅速な技法を使用可能である。具体的には、カラー画像サーバー16上のすべての画像は、事前に定義されたRGB色空間を備えていることが好ましい。これは、通常、対応する供給元装置(例:スキャナ、デジタルカメラ、及びこれらに類似のものなど)から特定のウェブサイトに決められている標準的な色空間にオリジナルの画像を変換することを意味している。標準的なRGB色空間の優れた例がColorMatch RGBであり、これはD50の「仮想ディスプレイ」用の色温度を備えている。Adobe RGBなどのその他の色空間も極めて優れた色域を備えているが、その色温度はD65のものである。次のように、クライアント14に送信されたHTML頁上の画像が、ウェブサーバー12に関連付けられているカラー画像サーバ16を介して参照されると、
correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
カラー画像サーバー16は、対応する画像にアクセスし、その画像を供給先クライアントに送信する前にRGBデータをリアルタイムで変換する。この変換は、次の計算に従って実行可能である。
【0190】
【数10】
【0191】
【数11】
【0192】
尚、前述の行列は、処理速度を向上させるべく1つの行列に連結することができる。
【0193】
代替アーキテクチャとして、様々なウェブサイトのすべての画像を中央カラー画像サーバー16に保存することも可能である。このような実施例では、カラープロファイリングサーバー20は、存在してもよいが、カラー画像サーバー16と統合することも可能である。この場合、カラープロファイリングサーバー18は、本明細書において説明したように、カラープロファイリングプロセスのガイダンス用のウェブ頁を提供する。カラー画像サーバ16又はカラープロファイルサーバー18は、供給元及びクライアント14に関連付けられている個別のカラープロファイルを保存するためのデータベースサーバーを含むことができる。
クライアント14が、ウェブサーバー12の中の1つから送信されたコード内にタグで指定されている画像を要求すると、そのクライアントは、中央カラー画像サーバー16にダイレクトされる。カラー画像サーバ16は、クライアントから送信されたクライアントIDを使用して適切なカラープロファイルを取得し、それを適用して本明細書において説明した色補正法を使用し、要求されたカラー画像を変更することができる。この結果、カラー画像サーバ16は、クライアント14とカラー画像サーバー間でクッキー及びこれに類似のものを転送することなく、色補正された画像を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するシステムのブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示すシステムを内蔵するウェブベース環境のブロックダイアグラムである。
【図3】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するプロセスを説明するフローチャートである。
【図4】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供し、ネットワーククライアントに関係する表示装置の色応答をプロファイルするプロセスを説明するフローチャートである。技術者のスキル基準に基づいて入力画像の付加を監督するプロセスを示すフローチャートである。
【図5】ネットワーククライアントに関連した表示装置のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図6】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するシステムを、詳細に説明する為のブロックダイアグラムである。
【図7】ウェブ頁オブジェクトとタグ付き画像のカラーカスタム化を持つウェブ頁を提供するためのプロセスを説明するフローチャートである。
【図8】カラープロファイリングプロセスにおけるマルチチャネルの黒点判定を示すフローチャートである。
【図9】黒点判定の前に、色の表示をアナログ調節するためのウェブ頁の図である。
【図10】特定の色チャネルの黒点を判定するためのウェブ頁の図である。
【図11】カラープロファイリングプロセスにおけるガンマ及びグレーバランスの判定を示すフローチャートである。
【図12】カラープロファイリングプロセスにおける粗ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図13】カラープロファイリングプロセスにおける精細ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図14】カラープロファイリングプロセスにおけるグレーバランスの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図15】図1及び図2に示すシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。
【0001】
本発明は、カラー画像の生成(Color Imaging)に関し、更に詳しくは、表示装置におけるカラー画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの成長に伴い、オンライン小売業者やその他の製品販売業者にとって大きなビジネスチャンスが創造された。既に消費者製品の主要小売業者の大部分は、ワールドワイドウェブ上に商用サイトの構築を完了している。同時に、ウェブサイトの利用により、これまで小規模小売業者が経験していたマーケティング障壁の多くが取り除かれた。更には、小規模小売業者と個人のウェブユーザーの両方にとって、オンラインオークションが人気のある取引形態になっている。いまや、小売業者であれば誰でも、潜在顧客が簡単にアクセスできるように製品情報を掲示し自社製品に対する注文を自動的に取得可能であるといっても過言ではない。
【0003】
それらの製品情報には多数の画像が含まれている。クライアント装置を操作するウェブ顧客は、オンラインの注文書を発行する前に、それらの画像によって製品を参照することができる。物品によっては、ユーザーが「サムネイル」画像をクリックすると、その物品を高解像度のフォーマットで参照可能なものも存在する。しかしながら、多くの場合に、それらの画像の品質が大きな懸念材料となる。特に、色が主なセールスポイントとなっている製品の場合、色の精度が非常に重要になるのである。
【0004】
例えば、衣料品の小売業者の場合には、セーターの画像は実際の色と可能な限り同一でなければならない。ところが、残念ながら、色の出力特性は表示装置ごとに大きく異なる。赤、緑、及び青(RGB)のピクセル値のレンダリング及び表示方法は、陰極線管(CRT)又はフラットパネルディスプレイ、ビデオカード、ドライバソフトウェア、及びオペレーティングシステムによって総合的に決定されるが、システムごとに、これらが大きく異なるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この結果、ワイン色に表示されたセーターを注文したオンライン顧客のところに明るい赤のセーターが届くことになる。現実に、この色精度の不良が、オンライン顧客による購入品返品の大きな原因となっている。数例において、この問題は、売り手のオンライン商品販売への委託により得られる利点を消失し、投資継続を損なうかもしれない。
【0006】
本発明は、色の出力特性が異なる表示装置を備えたコンピュータネットワークにおけるカラー画像表示精度の改善に関するものである。本発明は、ネットワークのクライアントが使う表示装置の色応答特性に基づいて、カラーカスタム化スタイルシートを使って、ウェブ頁の色精度を改善するものである。
【0007】
具体的には、本発明は、スタイルシートに色値(color values)を設定し、ウェブ頁オブジェクトを高い色精度で作成する。いくつかの実施例において、表示装置の色応答特性に基づいて、ウェブ頁内の本発明タグ付き画像の色を設定するこのようにして、ウェブ頁の色は、個々のユーザの表示装置の特性毎に、独自のものになる。
【0008】
スタイルシートは、テキストファイル又は、色、レイアウト、その他のウェブ頁の特徴を規定する形式である。現行使用されているスタイルシートの例は、拡張スタイル言語(XSL)とカスケーディングスタイルシートシート(CSS)スタイルシートである。ウェブブラウザは、そのデフォールトスタイルシートを持つのが普通であり、それは、色パレットを特定する。しかし、ウェブ頁作成者は、自分自身のスタイルシートを作成し、自分が作ったウェブ頁をカスタム化する。
【0009】
スタイルシートは、比較的短い、デフォールトカラーのリストを意味し、又は、ウェブ頁内のオブジェクトに対し割当てるカスタムRGB値を指定する。ウェブブラウザがウェブ頁を作成する場合、ウェブ頁HTMLとスタイルシートとを解釈する。具体的には、ウェブブラウザは、HTMLと他の命令を解釈して、ウェブ頁内にオブジェクトを配置し、それらに対し特定の色を割当てる。
【0010】
特定の色応答特性に基づいて、スタイルシートを作成することにより、本発明は、ウェブ頁に、より正確な色値を割当てることを可能にする。本発明は、ウェブ頁コンテントのカスタム化を可能にし、種々の表示装置間の色応答の違いを補償する。個々のクライアントに送るウェブ頁は、これらクライアントに対し作成したスタイルシートを参照する。それにより、カスタム化した色を前記頁内のオブジェクトに割当て、色の精度を向上する。
【0011】
本発明は、個々の表示装置の色応答特性を決定するカラープロフィリング・プロセスを含む。カスタム化されたスタイルシートにおける色値は、前記カラープロフィリング・プロセスの結果に基づくことができる。個々のネットワーククライアントのためにカラープロファイルを決めることにより、ウェブ頁コンテントを改善された色精度で配信でき、オンライン小売業者、消費者に多大な信頼を与えることができる。
【0012】
1つの実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアントに関連付けられている表示装置の色応答に基づいてスタイルシートを作成するステップと、前記スタイルシートを前記コンピュータネットワークを介して伝達するステップとを有する方法を提供する。
【0013】
他の実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアントに関連付けられている表示装置の色応答に基づいてスタイルシートを作成するステップと、前記スタイルシートを前記コンピュータネットワークを介して伝達するステップとを有する方法をプログラム可能なプロセッサに実行させる命令を格納するコンピュータ読取り可能な媒体を提供する。
【0014】
追加の実施例において、本発明は、コンピュータネットワーク上のクライアント14に関係する表示装置の色応答に基づいて、ウェブ頁のスタイルシートを作成する色補正モジュールを有するシステムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善するシステム10のブロックダイアグラムである。このコンピュータネットワークは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又は、ワールドワイドウェブなどのグローバルコンピュータネットワークの形態を取ることができる。図1に示されているように、システム10は、ウェブサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18を有する。複数サーバ12、16、18は、一体化され、共通ネットワークドメインとして管理され、又はネットワーク上で通信する独立サーバとして用意される。
【0016】
ウェブサーバ12は、要求に応えて、ウェブ頁をクライアント14に送る。該ウェブ頁は、ウェブサーバ12又はカラー画像サーバ16に記憶されるタグつきの画像を含んでもよい。ウェブ頁オブジェクトとして、テキスト、テーブル、ボックスのようなものを含んでよい。一つの実施例において、タグつきの画像は、カラー画像サーバ16に記憶することができる。カラー画像サーバ16は、また、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁のスタイルシートを記憶してもよい。そして、ウェブ頁は、カラー画像サーバ16又は他の装置に記憶することができる。代りに、スタイルシートをウェブサーバ12に記憶してもよい。
【0017】
スタイルシートは、ウェブ頁のオブジェクトの色と他の特徴を決定する。例として、スタイルシートは、拡張スタイルシート言語(XSL)又はカスケーディングスタイルシート(CSS)であってよい。ウェブ頁は、クライアント14のウェブブラウザ内のコンテントの作成のために、スタイルシートとタグ付き画像を参照する。いくつかのケースでは、ウェブ頁は、複数スタイルシートを参照してもよい。更に、いくつかのスタイルシートは、ウェブ頁の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。
【0018】
システム10は、多様な構成で組立てることができる。一つの構成では、ウェブ頁がウェブサーバ12に記憶されるが、他の構成では、スタイルシートとタグ付き画像(ウェブ頁により参照される)がカラー画像サーバ16に記憶される。このように、スタイルシートとタグ付き画像が、カラーカスタム化のためのエンティティ(即ちカラー画像サーバ16)に記憶される。カラー画像サーバ16は、スタイルシートとタグ付き画像(ウェブサーバ12が送るウェブ頁により呼び出される)に対する要求を受取る。
【0019】
他の構成において、ウェブサーバ12により送られるウェブ頁は、色補正が望まれる時ウェブ頁のコンテントにアクセスするために、単にクライアント14をカラー画像サーバ16にリダイレクトしてもよい。こうして、クライアント14が要求するウェブ頁は、スタイルシート、タグ付き画像と共に、カラー画像サーバ16に記憶される。色補正される全コンテントは、カラー画像サーバ16に記憶することができる。一方、色補正しないコンテントは、ウェブサーバに記憶することができる。この場合、ウェブサーバ12は、色補正しないコンテントを提供し、色補正コンテントが必要な場合、カラー画像サーバ16にリダイレクトを行う。
【0020】
一つの実施例において、色補正モジュールは、クライアント14に関係する表示装置の色応答特性(colorimetric response characteristics)に基づいて、スタイルシートを作成する。色補正モジュールは、ウェブサーバ12、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18又は他の装置で実行する。色補正モジュールは、スタイルシート内で色値を設定する。いくつかの実施例でも、色補正モジュールは、クライアント14に関係する表示装置の色応答特性に基づいて、カラー画像サーバが提供するタグ付き画像の色値を設定する。
【0021】
色補正モジュールは,スタイルシートにアクセスして、クライアント14のウェブオブジェクトをカラーカスタム化する。スタイルシートとタグ付き画像の色値を設定することにより、クライアント14は、極めて正確にカラーカスタム化されたウェブ頁を受取る。タグ付き画像のカラーカスタム化の為には、色補正モジュールは、カラープロファイル又は他の類似の情報(これらは、データベースに蓄積されていたり又はクッキーでクライアント14からアップロードされる)にアクセスすることができる。
【0022】
ウェブサーバ12は、低解像度カラー画像並びに低カラーインテンシブな画像を記憶する。より高解像度のカラー画像と、よりカラーインテンシブな(color intensive)画像は、カラー画像サーバ16に記憶される。クライアント14は、ウェブサーバ12、カラー画像サーバ16又はその両方からカラー画像をダウンロードする多数のクライアント、の中の1つであってよい。カラー画像サーバ16からタグ付き画像と共に、ウェブサーバ12からウェブ頁をダウンロードするクライアント14が、多数ある可能性がある。
【0023】
不幸にも、クライアント14が使用すある表示装置が比色応答において、かなり異なることがある。カラー画像が、クライアント14の表示装置に表示される差異に十分表現されても、他のクライアントに関係する表示装置上では、より不満足に表示される可能性がある。
個々のクライアント14の比色応答特性に基づいてスタイルシートを作成すると、これらの違いを補償することができる。タグ付き画像の色値を設定すると、更にウェブ頁における色精度を向上できる。
【0024】
必要な比色応答特性を入手するために、本発明はカラープロフィリング・プロセスを含む。図1を更に参照すると、カラープロファイルサーバ18は、クライアント14のカラープロフィリング・プロセスを管理することができる。一旦カラープロフィリング・プロセスが完了すると、カラープロファイルサーバ18は、クライアント14に関係する表示装置の比色応答特性を特徴付ける情報を生成する。クライアント14の情報は、カラープロファイルサーバ18により、カラー画像サーバ16に送ることができる。
【0025】
一つの実施例において、クライアント14の情報は、カラープロファイル・クッキーに保存される。このクッキーは、各々のクライアントにダウンロードされ、クライアントによりウェブ頁,画像、又はスタイルシートのリクエストでクライアントにより送信される。いくつかの実施例においては、クッキーに保存された情報は、必ずしも、表示装置の比色応答を特徴付けるデータを含まなくてもよいが、クライアントと関連する唯一のスタイルシートを識別することができる。他の方法として、クッキーはXML又は他の適当なコード(これから、スタイルシートがダイナミックに生成することができる)を保存してよい。カラープロファイル・クッキーを受取った後で、クライアント14は、ウェブ頁コネテントに対する要求と共に、クッキーをカラー画像サーバ16にアップロードする。
【0026】
カラープロフィリング・プロセスを開始するために、クライアント14は、まず、ウェブサーバ12と対話し、ウェブ頁にアクセスする。ウェブ頁にアクセスする最初に試みる時、クライアント14は、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトされ、比色応答情報を取得する為のカラープロフィリング・プロセスを完了する。具体的には、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁は、スタイルシート、オプションではあるが、1つ又はそれ以上のタグ付き画像(カラー画像サーバ16に記憶された)に対する参照を含んでもよい。又,システム10のいくつかの構成において、ウェブサーバ12は、スタイルシートとタグ付き画像並びに所望のウェブ頁そのもののために、クライアント14をカラー画像サーバ16にリダイレクトしてもよい。
【0027】
カラー画像サーバ16が、スタイルシートとタグ付き画像を要求するリクエストを受取る時まず、要求するクライアント14がカラープロファイルを持っているかどうかを判定する。一つの実施例では、カラー画像サーバ16は、クライアント14がカラープロファイル・クッキーをアップロードしたかどうかを検出する。もし検出していたなら、一般的にクライアント14のためのカラープロフィリング・プロセスは、必ずしも必要ではない。むしろ、カラー画像サーバ16が要求する比色応答情報又は、夫々のスタイルシートの唯一の識別子が、クッキーに保存される。
【0028】
例えば、クッキーは、クライアント14に関係する表示装置の比色応答を特徴付けるパラメータ情報を含むことができる。カラー画像サーバ16は、クッキーのコンテントを取り出し、クライアント14用のカラープロファイルを準備する。他の方法として、カラープロファイルサーバ18は、カラープロファイルを、カラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて予め算出することができ、プロファイルをクッキーに付加することができる。パラメータ情報又は、予め算出したカラープロファイルは、クライアント14に関連する表示装置の推定黒点、ガンマ、グレーバランスに関する情報を含むものである。
【0029】
カラー画像サーバ16が、クライアント14からカラープロファイルクッキーを検出しない場合は、クライアントは、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトされる。すると、カラープロファイルサーバ18は、カラープロフィリング・プロセスを完了する。カラープロフィリング・プロセスは、カラープロファイルサーバ18からクライアント14への、1つ又はそれ以上のウェブ頁の通信を含む。ウェブ頁は、黒点、ガンマ及びグレーバランス等の色応答情報に対し、一連のステップを通じてクライアント14に関連するユーザをガイドするように設計することができる。
【0030】
カラー画像サーバ16は、カラープロファイルクッキーから、比色応答情報を引き出す。カラー画像サーバ16は、それから、関連するウェブ頁が参照するスタイルシートと、ユーザ14が要求する1つ又はそれ以上の画像を取り出す。クライアント14のカラープロファイルを使って、カラー画像サーバ16は、カスタム化されたスタイルシートを作成する。カラー画像サーバ16は、クライアント14に関係する表示装置の色応答に基づいて、スタイルシートの色値を設定する。このようにして、クライアント14により表示される画像の色は、オリジナル画像の色に、より正確に一致する。
【0031】
なお、カラー画像サーバ16は、要求された画像に色値を設定する。具体的には、カラー画像サーバ16は、画像に、色変換、又は他の修正を行い、クライアント14に関連する表示装置の色応答に基づいて、画像における色値(color values)を調整する。カラー画像サーバ16は、次に、色修正した画像をクライアント14に送る。このようにして、クライアント14により表示されるg造の色は、オリジナル画像の色に正確に一致する。
【0032】
ウェブサーバ12、クライアント14、カラー画像サーバ16とカラープロファイルサーバ18は、各々、夫々の装置にローカルにある,又は遠隔で実行されるコンピュータ読取り可能なメディア上に蓄積されるプログラムコードを実行する。クライアント14にとって、例えば、プログラムコードは、RAMに存在し、クライアントコンピュータによりアクセスされ,実行されるものである。このプログラムコードは、他のメモリ装置(固定ハードドライブ、又は,クライアント14に関連するリムーバブルメディアデバイス等)から該メモリにロードすることができる。
【0033】
まず、該プログラムコードは、コンピュータ読取り可能なメディア(例えば、磁気的、光学的、磁気光学的、その他ディスク又はテープメディア、若しくはEEPROM等の電子的メディアのような)に記憶させることができる。他の方法として、プログラムコードは、遠隔データアーカイブ(例えば、ローカルエリアネットワーク、又はグローバルネットワーク(インターネットのような)から伝送によりメディアにロードすることができる。該コードの重要な部分は、ウェブ頁コードであって、これは、夫々の装置に転送し、サーバ又はブラザーアプリケーションにより実行することができる。
【0034】
ウェブサーバ12で生成されるウェブ頁コード(例えば、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、エクステンシブマークアップ言語(XML)等)は、画像タグ(カラー画像サーバ16又は他の箇所に蓄積された特定カラー画像を指定するものであるが)を含んでよい。クライアント14は、ウェブサーバ12が配送する特定ウェブ頁にアクセスし、HTMLを実行し、頁コンテントを組立てる場合、カラー画像サーバ16がアクセスされて、ウェブ頁コード内にあるタグ付き画像を取得する。このように、クライアント14のために作成すられたウェブ頁のコンテントは、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16のような、システム10内の異なるリソースから得られる画像と他のオブジェクトを含んでよい。
【0035】
数例の実施例において,ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、一体に組み立ててもよい。しかし、図1の例において、カラー画像サーバ16とウェブサーバ12は、個別のエンティティである。ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、共通データベースサーバ,ファイルサーバと対話型通信を行い、クライアント14への配信のために、選択されたカラー画像にアクセスする。更に、動作中には、ウェブサーバ12は、複数ウェブサーバの中の1つにより実施され、共通ファイルと1つ又はそれ以上のデータベースサーバにアクセスする。同様に、カラー画像サーバ16とカラープロファイルサーバ18は、クライアント14と他のネットワーク対話型通信により発生する計算ロードを分割するように、複数サーバの形態を取ることができる。どのような場合にも、色補正機能を広く具体化する場合には、本発明を、ここに実施した特定のプラットフォーム,システム他の構成に限定すべきではない。
【0036】
クライアント14は、種々の装置の形態をとり、ユーザがシステム10上のリソースにアクセスし、このリソースから取得したカラー画像を表示することを可能にする。クライアント14の例としては、Windows(登録商標)、Macintosh(登録商標)、Unix(登録商標)、又はLinux環境で稼動するデスクトップ又はポータブルコンピュータ、小型のポータブル装置用のPalm、Windows(登録商標) CE、又は類似のオペレーティングシステム環境に基づいた携帯情報端末(PDA)、携帯電話、インターネットアクセス用のセットトップボックスを有する対話型テレビ、公衆用のインターネットキオスク、並びに将来登場するであろうインターネット機器やその他の消費者用の電子装置が含まれる。
【0037】
クライアント14は、ウェブブラウザなどのグラフィカルな表示アプリケーションを実行し、システム10に付加されているウェブサーバー12やカラー画像サーバ16などのその他のリソース上に存在するリソースにアクセス可能なものが好ましい。ウェブブラウザアプリケーションにより、クライアント14に関連付けられているユーザーは、ウェブサーバー12が生成するウェブ頁とカラー画像サーバ16が提供する画像を容易に閲覧することができる。情報がユーザー対話型のフォーマットで提示されている場合には、その他のユーザーインターフェイスのアプリケーションもウェブサーバー12へのアクセスにおいて有用であろう。
【0038】
実施例の中には、静止画像に加え、色補正されたビデオ画像を配信するためにカラー画像サーバー16を構成してよい。MPEGクリップやストリーミングビデオなどのビデオの場合も、個別のクライアント14に関連付けられている表示装置の影響について補償しない場合は、同様の色精度問題の影響を受けることになる。従って、本発明の実施例の中には、放送のようなビデオコンテンツに特に有用なものも存在する。
【0039】
いずれの場合にも、クライアント14には、ウェブサーバ12及びカラー画像サーバー16から取得したカラー画像を表示するための、陰極線管やフラットパネルディスプレイなどの表示装置が含まれている。その他のタイプのディスプレイ、並びに電子ペーパーなどの動的な表示媒体も考えられる。ウェブサーバ12、クライアント14、及びカラー画像サーバー16間の通信は、TCP/IPなどの従来のネットワークプロトコルを使用して実現可能である。
【0040】
PDAや携帯電話などの前述のクライアント装置の中には、現時点では、比較的低品質のカラーディスプレイしか内蔵していないものも存在するが、近い将来、それらの装置も、高品質のカラーディスプレイを採用するものと予想される。従って、システム10は、PDA、携帯電話、及び類似の装置によって表示されるカラー画像品質の改善にも将来容易に適用できることになろう。
【0041】
カラープロファイリングプロセス、従って改善されたカラー精度は、クライアント14にとって、オプショナルである。複数の商品に対して、カラー精度は、さほど重要ではないかもしれない。クライアント14がウェブサーバ12からウェブ頁にアクセスする場合、ユーザは、デフォールトのカラー設定されたウェブ頁バージョン(これは低精度である)を閲覧するか、カラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて形成されたスタイルシートにより、より正確なウェブ頁を閲覧するかの、選択を与えられる。このように、カラー画像サーバ16は、1組のデフォールト画像を蓄積し、ユーザがカラープロファイリングオプションを選択しない場合に使用してもよい。
【0042】
まず、カラー画像サーバ16によりクライアント14に配信されたウェブ頁は、カラープロフィリング・プロセスの開始のために1つ又はそれ以上のハイパーテキストリンクを持つウェブ頁に埋め込まれる。該ウェブ頁と該リンクは、カラープロフィリング・プロセスが以前終了していなかったイベントにおいて、クライアント14に提供される。適当なリンクを選択する際に、クライアント14は、カラープロファイルサーバ18と対話型通信し、カラープロフィリング・プロセスを行う。リンクが選択されない場合は、クライアント14は,単に、カラー画像サーバ16による色補正をすることなく、デフォールトウェブ頁の画像を閲覧する。ウェブ頁で、クライアント14は、カラープロファイリング補正を下かどうかの表示を見ることができる。その表示は、アイコンの形態を取って、カラープロファイリングが動作した時を表示するように色を変化させてもよい。
【0043】
ユーザーが、ハイパーテキストリンクをクリックしカラープロフィリング・プロセスを子ターとさせると、クライアント14は、カラー画像サーバー16にアクセスし、一連の命令のあるウェブ頁をユーザに配信する。カラー画像サーバー16が配信するこのウェブ頁は、ユーザをガイドして、クライアント14に関連する特定の表示装置の比色応答特性を推定するように設計された、いくつかのステップを進む。
【0044】
このプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー18は、実行された際にカラープロファイル情報を格納するクッキーを生成するコンテンツを有するウェブ頁を配信する。次に、このクッキーは、スタイルシート及びそのウェブ頁用のカラー画像を修正するために、カラー画像サーバ16にアップロードされ、それにより、クライアント14に関連付けられている表示装置上に高品質のカラー出力を生成することができる。
【0045】
カラープロファリング情報を取得するその他の技法には、ユーザーによるカラー画像サーバ16との直接的なやり取りを必要としないものも存在する。代わりに、ユーザーは、自発的にウェブサイトを訪問し、カラープロファイリングを実行するのである。このウェブサイトは、カラープロファイルサーバー18が提供するか、或いはカラープロファイルサーバーと同一のドメイン内に存在するものであってもよい。この代わりに、ユーザーは、ダウンロードしたり、或いは彼らに物理的に提供されたソフトウェアを実行することにより、彼らの個別のクライアント14に関連付けられている表示装置をプロファイリングすることも可能である。
【0046】
図2は、図1に示されているシステムを内蔵するウェブ環境20のブロックダイアグラムである。この図2の例では、ウェブ環境は、ウェブサーバー12を含んでおり、このサーバーは、ワールドワイドウェブWWW22を介して、ウェブ頁を提供することができる。このウェブ環境21には、いくつかのクライアント141-14Nも含まれている。カラー画像サーバ16は、ウェブサーバ12が配信するウェブ頁が参照する画像を提供する。カラープロファイルサーバ18は、WWW22上のクライアント141−14Nにウェブ頁を提供して、カラープロフィリング・プロセスをガイドする。カラープロファイルサーバ18は、次に、クライアント141-14Nから取得した比色情報をカラーファイル又はパラメータ情報として、WWW22を通じてカラー画像サーバ16に送信する。カラー画像サーバ16は,次にクライアント141−14Nにウェブ頁を送る。この頁は実行するときに、情報を含むクッキーを生成する。こうして、比色情報を使って、将来のウェブ頁とカラー画像をダウンロードすることができる。
【0047】
図3は、カラーカスタム化されたウェブ頁のためのプロセスを説明するフローチャートである。図3に示されるように、本方法は、クライアント14からウェブ頁リクエストを受信するステップ(22)を有する。ウェブ頁要求を受取るのは、ウェブサーバ12である。しかし、いくつかの実施例においては、カラー画像サーバ16である。次に、このウェブ頁は、クライアント14に送られる(23)。ウェブ頁により参照されるスタイルシートを要求すると(24)、クライアント14は、色情報を含むカラープロファイルクッキーをアップロードする。こうして、カラー画像サーバ16は、クライアントの色情報を取得する(25)。更に、本方法は、この色情報に基づいて、クライアント情報に基づいて、スタイルシートを再作成するステップ(26)を有する。次に、カラー画像サーバ16は、このスタイルシートをクライアント14に送る(28)。ウェブ頁を作成する時に、クライアント14が実行するブラウザは、スタイルシートを参照する(30)。次に、クライアント14は、更に比色分析的に正確なウェブ頁オブジェクトを持つウェブ頁を作成する(32)。
【0048】
図4は、カラーカスタム化したウェブ頁のためのプロセスを説明し、ネットワーククライアントに関連した表示装置の色応答をプロファイルするフローチャートである。図4に示されるプロセスは、主としてカラーカスタム化されたスタイルシートの作成に関するものである。しかし、タグ付き画像の色修正にも、類似のプロセスを使ってもよい。図4に示されるように、クライアント14が画像のダウンロードを要求する場合(34)、ウェブサーバ12は、ウェブ頁をクライアントに送る(36)。前記ウェブ頁は、スタイルシートへの参照を含み(38)、それはカラー画像サーバ16に記憶してよい。前記カラープロフィリング・プロセスが完了した場合、クライアント14は、カラープロファイル・クッキーを有することになる。
【0049】
カラープロファイル・クッキーが存在する(40)場合、クライアント14は、そのクッキーとそのコンテンツを、カラー画像サーバ16にアップロードする(42)。次に、カラー画像サーバ16は、クッキーを使ってクライアント14用のスタイルシートを作成し(44)、そのスタイルシートをクライアントにダウンロードする(46)。このスタイルシートを使って、クライアント14は、色補正されたウェブ頁を作成する(48)。具体的には,クライアント14が使うブラウザは、ウェブ頁に含まれるオブジェクトに割当てられた色値のために、スタイルシートを参照する。カラー画像サーバ16は、色値を設定して、クライアント14に関連する表示装置の比色応答を補償する。前記色補正ウェブ頁が生成された時に、タグ付き色補正に影響されやすい画像がウェブ頁に含まれていなければ、プロセスは終了する(50)。
【0050】
カラープロファイル・クッキーが存在しない場合(40)、ウェブサーバ52又はカラー画像サーバは、デフォールトスタイルシートをダウンロードする。このデフォールトスタイルシートは、クライアント14の色応答のために特別には作成されない。クライアント14に送る最初のウェブ頁には、ウェブサーバ12は、カラープロファイリングオプションを提供する(54)。このオプションは、オプションを選択するためにハイパーテキストリンクと連動して、カラープロファイリングと更に正確なウェブカラーとが利用可能であるという注意書きという形式を取ってもよい。カラープロファイリングオプションが選択されない場合は、プロセスは終了する(50)。そしてクライアント14は、デフォールトスタイルシートに基づいて作成されたウェブ頁を閲覧する。
【0051】
カラープロファイリングオプションが選択された場合は、ウェブサーバ12マカラー画像サーバ16は、次に、カラープロファイルサーバ18にリダイレクトを提供する。カラープロファイルサーバ18は、カラープロフィリング・プロセスにおいて、クライアント14に関連するユーザをガイドする(58)。このカラープロフィリング・プロセスの結果に基づいて、カラープロファイルサーバ18は、カラープロファイル・クッキーを生成し、カラー画像サーバ16がカーカスタム化されるスタイルシートを作成するのに、それを使う為に、クライアント14にダウンロードする。図4はステップ(60)から(42)への遷移を示すが、クッキーのコンテンツは、クライアント14が他の画像を要求するまでは、カラー画像サーバ16にアップロードしなくてもよい。
【0052】
ウェブサーバ12、クライアント14、カラー画像サーバ16、カラープロファイルサーバ18の間の対話型通信は、クライアント14へ配信されるウェブ頁により行われるこのアプローチは、大きな利便性をクライアント14に関連するエンドユーザにもたらす。同時に、カラー画像サーバ16は、個々のユーザに対し、色情報を保存する必要はないし、新規ウェブ頁がダウンロードされる毎に、その情報を呼び出す必要はない。むしろ、スタイルシート又はタグ付き画像がクライアント14が要求されるごとに、その情報は、カラー画像サーバ16に、例えばクッキーの形態で、アップロードすることができる。
【0053】
図5は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図5に示されているように、クライアント14のためのカラープロファイリングプロセスは、表示装置の標準的な設定への初期化を含む(62)。次に、表示装置の黒点推定値を判定する(64)。これは通常、ユーザが対話方式で行う。この黒点の推定値は、マルチチャネルの黒点推定値であってよい。黒点推定値を判定したら、表示装置のガンマの推定値を取得する。これも通常、ユーザが対話方式で行う(66)。このガンマは、緑チャネルに限定したものであってよい。
【0054】
次に、このプロセスでは、表示装置のグレーバランスを判定する(68)。このクレーバランスの推定では、緑チャネルをロック(固定)することができるが、これは、グレーバランスを判定するべく赤−青をシフトさせる一方で、ガンマ推定からの緑限定のガンマを一定に保持するという意味である。黒点、ガンマ、及びグレーバランスの推定を完了したら、カラープロファイルを生成する(70)。このカラープロファイルには、表示装置の黒点、ガンマ、及びグレーバランスを表す情報が格納される。このカラープロファイル、又はこのカラープロファイルの形成に有用なパラメータを、ウェブクッキー内に読み込むことができる(72)。クライアント14は、このウェブクッキーを保存し、将来、別の画像が要求される際にアップロードする。
【0055】
図5を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するために、クライアントは、カラープロファイルサーバー18と対話型通信を行う(interact)する。このカラープロファイルサーバ18は、一連のウェブ頁をクライアント14に対して配信する。それぞれのウェブ頁は、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいて、ユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブ頁には、ユーザーから表示装置の黒点の推定値を抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれる。
【0056】
一実施例においては、黒点の推定値は、複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブ頁には、粗ガンマ(coarse gamma)、精細ガンマ(fine gamma)、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれている。具体的には、それぞれのウェブ頁は、クライアント14からカラープロファイルサーバー18に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。必要な情報の収集が完了すれば、カラープロファイルサーバー18は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、それをクライアント14に提供する。
【0057】
図6は、カラーカスタマイズされたウェブ頁を提供するためのシステムを説明するブロックダイアグラムである。図6に示されているように、ウェブサーバー12は、ウェブ頁データベース74にアクセスして、ウェブ22を介して、クライアント141−14Nにウェブ頁を送る。一つの実施例において、カラー画像サーバ16は、スタイルシートデータベース78と画像データベース80にアクセスする。画像データベース80は、タグ付き画像(ウェブサーバ12が提供するウェブ頁が参照する)を記憶している。スタイルシートデータベース78は、ウェブサーバ12が提供するウェブ頁のスタイルシートを含む。
【0058】
図6の実施例において、カラー画像サーバ16は、色補正モジュール76を含む。色補正モジュール76は、カラー画像サーバ16上で動作するプロセスで、クライアント141−14Nからの色補正された画像とスタイルシートに対する要求に応答する。クライアント14が、ウェブサーバ12からウェブ頁を要求する時、ウェブ頁は、スタイルシートデータベース78に記憶されているデフォールト・スタイルシートを参照する。
【0059】
カラー画像サーバ16は、デフォールト・スタイルシートを取り出す。クライアント14がカラープロファイルクッキーをアップロードした場合は、カスタム化したスタイルシートを形成する。具体的には、色補正モジュール76は、カラープロファイルクッキーが指示する色応答特性に基づいて、デフォールトスタイルシートを修正する。色補正モジュール76は、スタイルシートの色値を設定し、クライアント14に関連する表示装置における比色応答のずれ(difference)を補償する。このカスタム化したスタイルシートを使って、クライアント14上のブラウザは、色補正オブジェクトをもって、ウェブ頁を作成する。
【0060】
ウェブ頁がタグ付き画像を持つ場合は,カラー画像サーバ16は、色補正モジュール76が色補正画像を生成する。また、ウェブクッキーのコンテントを使って、色補正モジュール76は、クライアント14に関連する表示装置の色応答特性に基づいて、画像の色値を設定する。次に、カラー画像サーバ16は、色補正画像をクライアント14にダウンロードし、色補正画像と、色補正ウェブ頁オブジェクトをもつ、カラーカスタム化したウェブ頁を提供する。
【0061】
図7は、ネットワーククライアントのためのカラー画像の調整を説明するブロックダイアグラムである。クライアント14が、ウェブ頁を要求する場合(82)、ウェブサーバ12は、ウェブ頁をダウンロードする(84)。ウェブ頁のスタイルシートを参照するために、クライアント14は、カラー画像サーバ16をアクセスする。クライアントがカラープロファイルクッキーがアップロードする場合(86)、カラー画像サーバは、関連する色情報を取り出す(88)。この色情報を使って、カラー画像サーバ16は、カスタム化したスタイルシートを作成し(90)、それをクライアント12にダウンロードする。
【0062】
前記ウェブ頁がタグ付き画像を含む場合(94)は、カラー画像サーバ16は、クッキーのコンテントを使って、前記タグ付き画像の色値をカスタム化する(96)。それから、カラー画像サーバ16は、カスタム化した画像を、クライアント14にダウンロードする(98)。カスタム化したスタイルシートとカスタム化したカラー画像を使って、クライアント14のウェブブラウザは、ウェブ頁のコンテントを作成する(100)。
【0063】
色補正が選択されない場合(86)、カラー画像サーバ16は、スタンダードスタイルシート、「デフォールト」スタイルシートにアクセスして、それをクライアント14にダウンロードする(105)。ウェブ頁がタグ付き画像を含む場合は(107)、カラー画像サーバ16は、スタンダード,非カスタム化画像をクライアント14にダウンロードする(109)。スタンダード画像とスタンダードスタイルシートを使って、クライアント14のブラウザは、ウェブ頁のコンテントを作成する(100)。
【0064】
カラー画像サーバ16がスタイルシートの色値を設定する特定のやり方は、直接的である。ウェブ頁オブジェクトの色は、RGB(赤、グリーン、青)の16進数値で表すことができる。16進数値は、通常、rrggbbであり、”rr”、”gg”、”bb”は、夫々、0―255の範囲の赤,グリーン,青の値を意味する。このように、ffffffの16進数値は、最大強さでの、赤、グリーン、青の組合わせを指定する。特に、赤、グリーン,青は夫々ff=255に設定され、通常、スクリーン上の最大白色を生成する。赤、16進数値が000000の場合は、スクリーン上の色は黒である。一旦適当な色値が決定された場合、カラー画像サーバ16は、上記のアプローチを使って、関連するウェブ頁オブジェクトの16進数色値を設定する。勿論、本発明は、16進数以外の形式で表現する色値を処理するように調整することは容易である。
【0065】
代替の、又は追加的なアプローチとして、カラー画像サーバ16は、スタイルシートに使うデフォールト色値に対する変更を入力する。スタイルシートは、16のデフォールト色(水色、黒,青、フクシャ(fuchsia)、グレー、グリーン、ライム、マロン、ネーヴィ、オリーブ、紫、赤、シルバー、緑青(teal)、白、記)含んでもよい。これら16色は、Windows(登録商標) VGA paletteから取ることができる。夫々の色は、デフォールト色値を有している。いくつかのブラウザは、広範囲の色の名称(例えば、X11 colors)をサポートしている。特定の色をスタイルシートコードで呼び出して、対応するデフォールト色値が関連するウェブ頁オブジェクトに適用される。デフォールト色が呼び出されたとき適用された色は、デフォールト色値を調整することにより、修正することができる。このアプローチは、16点の調整を提供し、カラーインテンシブなアプリケーションにおいて、更に望ましい16進数値を使って、特定の色値を指定する。より大きいパレット(例えば、256色)が使用される場合、それは、有益で、望ましいアプローチである。又、それは、デフォールト色を16進数コードへ単純に変換し、得られたコードを修正し、デフォールト色の位置にそれを供給することを可能にする。
【0066】
カラープロファイリングとクッキー管理プロセスについて、以下、詳細に説明する。これらプロセスは、複数ウェブサーバ12、複数カラー画像サーバ16、1つ又はそれ以上のカラープロファイルサーバ18を持つウェブ環境を前提に説明する。本発明に関連して使用される、ここで説明されるカラープロファイリングとクッキー管理プロセスは、純粋に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0067】
ウェブサイトの管理者は、ウェブサーバ12の1つとカラー画像サーバ16を管理する。換言すれば、前記管理者は、特定のウェブサーバ12とカラー画像サーバ16の維持、管理、コンテントを担当する。このように、前記管理者は、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16のコンテンツを容易にアップデートすることができる。結果として、前記管理者は、カラー画像サーバ16層品質の改善を利用するために、それらの画像コンテントの管理を、第三者に渡す必要はない。
【0068】
代りに、前記管理者は、カラープロファイルサーバ18と対話通信する、自分自身のカラー画像サーバ16(カラープロファイルサーバ18は、各クライアント14のためのカラープロファイリングプロセスをガイドするものである)を使う。従って、カラープロファイルサーバ18は、複数ウェブサイトドメインのカラープロファイリングを提供するために使用される中央サーバ又はサーバ群であってよい。ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、個々のウェブサイト管理者又はエンティティにより管理されることが好ましい。にも拘わらず、複数実施例において、全ウェブサイトの中央画像サーバを使用することは可能である。
【0069】
カラー画像サーバ16は、対応ウェブサーバ12と同一場所に、又は、前記サーバから遠隔離間して配置してよい。これは、関連するウェブサイトと色補正モジュールのための、高解像度又はカラーインテンシブ画像を有し、画像を修正し、クライアント14のために色補正画像を提供するものである。各カラー画像サーバ16は、夫々のウェブサーバ12のドメイン内に存在してよいが、これは必要条件ではない。
【0070】
注目すべきことであるが、ここに説明した画像監視プロセスは、特に色補正プロセス(個別クライアント14のカラープロファイルを生成する)にとって役に立つ。一般的に、カラープロフィリング・プロセスは、no plug-in、Java(登録商標) scripts、又は他の重要なクライアント再度のプロセスを要求することが好ましい。代りに、ウェブサーバ12、クライアント14,カラー画像サーバ16,カラープロファイルサーバ18がウェブ頁を介してクライアントに配送される。このアプローチは、クライアント14に関連したエンドユーザに、重要な利便さをもたらす。同時に、ウェブサーバ12とカラー画像サーバ16は、個別ユーザの色情報を保持する必要はない。
【0071】
その代わりに、この情報は、クライアント14がカラー画像を要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー16にアップロードすることができる。又、サイト管理者は、自分自身のカラー画像をカラー画像サーバ16上に維持し、個別のクライアント14がアップロードしたカラープロファイルクッキーを処理する能力を有する色補正モジュールを内蔵することにより、色補正を提供することができる。従って、サイト管理者は、彼らのウェブ頁又は画像を中央ウェブ・レポジトリ(repository)に掲示しなくてもよい。
【0072】
カラープロファイリングプロセスを実行するために、クライアント14は、カラープロファイルサーバー18とやり取りする。カラープロファイルサーバ18は、一連のウェブ頁をクライアント14に配信する。各ウェブ頁は、カラープロフィリング・プロセスの所定のステップを介してユーザをガイドするように設計されている。例えば、一つのウェブ頁は、命令と画像コンテントを含み、ユーザから表示装置の黒点推定値を抽出するように設計されている。
【0073】
一実施例においては、この黒点推定値は、表示装置の個別の色チャネルの複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブ頁には、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれる。特に、各ウェブ頁は、クライアント14からカラープロファイルサーバー18に情報を転送するために、ユーザーがクリックすることができるハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。
【0074】
必要な情報を収集したら、カラープロファイルサーバー18は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、そのクッキーをクライアント14に提供する。実施例の中には、2つのクッキーをクライアント14に提供可能なものも存在する。第1のクッキーは、カラープロファイルサーバー18に関連付けられたドメイン名に対応しており、その特定のクライアント14とカラープロファイルサーバー間における将来のやり取りに使用することができる。この第1のクッキーは、「プロファイラクッキー」(profiler cookie)と呼ぶことができる。
【0075】
第2のクッキーは、特定のカラー画像サーバー16(例えば、カラー画像をダウンロードする先である特定のオークション又は写真サイトに対応した)に関連付けられているドメイン名に対応することができる。換言すれば、この第2のクッキーは、そのカラープロファイリングプロセスが開始された特定のカラー画像サーバ16に対応したものである。この結果、そのカラー画像サーバ16から将来提供される画像は、その関連するドメインに関連付けられているこのクッキーの内容に基づいて変更されることになる。このクッキーは、画像のダウンロードを要求するクライアント14から提供されることになる。この第2クッキーは、「画像サーバークッキー」と呼ぶことができる。
【0076】
プロファイラクッキーを使用し、その他のドメインに関連付けられているカラー画像サーバ16で使用する画像サーバークッキーを生成することができる。具体的には、クライアント14に位置しているユーザーが、以前に色補正された画像をダウンロードしたことのないカラー画像サーバー16にアクセスした場合には、ユーザーは、カラープロファイリングオプションをクリックし、カラープロファイルサーバー18にアクセスすることができる。そのカラープロファイルサーバー18とのやり取りに際し、クライアント14は、カラープロファイリングプロセスを繰り返すのではなく、代わりに、単純にプロファイラクッキーをアップロードするのである。このプロファイラクッキーには、その新しいカラー画像サーバ16に関連付けられているドメインに関する情報を内蔵することができる。
【0077】
カラープロファイルサーバー18は、このプロファイラクッキーの受信に応答し、様々な理由から(特に、プライバシーに対する懸念の観点で)、そのクッキー内に示されているドメインに対してクッキーの内容を送信することについて、クライアント14に関連付けられているユーザーに対して通知するウェブ頁を提供し、ユーザーの承認を要求することができる。そして、ユーザーの承認が取得された場合には、カラープロファイルサーバー18は、プロファイラクッキー内のドメインによって指定されているカラー画像サーバー16にクッキーの内容を送信する。
【0078】
カラー画像サーバ16は、それ自体のドメイン用の画像サーバークッキーを生成し、将来使用するべく、そのクッキーをクライアント14に書き込む。この時点以降、クライアント14は、関連するウェブサーバー12に色補正された画像を要求する際には、関連するカラー画像サーバ16に適切な画像サーバークッキーをアップロードし、カラープロファイルサーバー18とのやり取りをスキップすることができる。クライアント14も、画像のアップロードを試みる際に、カラー画像サーバー16に適切な画像サーバークッキーをアップロードする。
【0079】
一方は、カラープロファイルサーバー18用、他方は、関連するウェブサーバー12又はカラー画像サーバー18用と分けたこの第1及び第2クッキーの使用方法は、部分的には既存のウェブの設計を考慮した結果である。具体的には、クライアントのブラウザ上に保存されているクッキーは、通常、それらが生成されたサーバーのドメインによってマーキングされており、普通、その他のドメインからは見えなくなっている。従って、カラープロファイルサーバー18が生成したクッキーは、通常、カラー画像サーバー16から見ることができず、この逆も同様である。
【0080】
又、クッキーの視認性は、クッキーをサーバーのドメイン内の経路によってマーキングすることにより、更に制限されることになる。この種のクッキーは、例え同一のドメイン用のものであっても、経路から外れた頁への要求については見えなくなる。更に、ブラウザは、通常、サーバーに対する各要求ごとに、すべての可視クッキーを送信する。これには、HTML頁用の最初の要求だけでなく、その頁に埋め込まれる画像に対する要求も含まれる。しかしながら、画像はHTML頁とは異なるサーバーから来ることもあるため、HTML頁用に送信されたクッキーは、画像用に送信されるクッキーとは異なる場合がある。
【0081】
上記の内容を考慮し、カラープロファイルサーバー18は、カラープロファイリングプロセスの管理においてだけでなく、画像サーバークッキーの生成においても、仲介人として機能している。この仲介機能(intermediary function)により、中央サイトではなく、カラー画像サーバー16において、すべての加入者画像の色補正を実行することが可能になっている。又、この仲介機能により、クライアントが一旦カラープロファイリングプロセスを完了すれば、通常、彼は、別の加入者用の画像の色補正を取得するために、そのプロセスを繰り返す必要がなくなるのである。
【0082】
例外として、ユーザーは、クライアント14に関連付けられているローカルドライバソフトウェアや表示装置又はビデオカードなどのハードウェアが変化した場合に、自発的にカラープロファイリングプロセスを繰り返すことができる。実際に、ハードウェアの変化に対応するために定期的な更新を促すべく、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーに有効期限を適用することができる。
【0083】
3つの異なるサーバー(即ち、ウェブサーバー12、カラー画像サーバ16、及びカラープロファイルサーバー18)が色補正の手順に必要とされる作業を分担していることは明らかである。具体的には、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーの存在を前提とすれば、ウェブサーバー12は、加入者自身のウェブ頁のHTMLを提供すると共に、色補正の対象ではない画像の提供を含むそれらの頁に対する大部分のその他の要求を処理している(カラー画像サーバ16は、色補正の対象となる画像を提供している)。
【0084】
カラー画像サーバ16は、クライアント14から供給先プロファイルクッキーを受信すると、そのクッキーの内容と、関連する供給元プロファイルクッキーの内容に基づいて色補正を実行し、色補正された画像を供給先クライアントに提供する。又、カラー画像サーバ16は、カラー画像が本当に補正されているかどうかを示すアイコンを補正可能なカラー画像の近くに提供することもできる。カラー画像サーバー16は、例えば、供給先プロファイルクッキーを検出できない場合には、ユーザーに対してカラープロファイリングプロセスを開始するように促すアイコンを表示する。検出できた場合には、アイコンは、色補正が「オン」状態にある(即ち、色補正が画像に適用されている)ことを単純に示すことになる。
【0085】
前述のように、カラープロファイルサーバー18は、カラープロファイリングプロセス用の頁を提供する。カラー画像サーバ16が提供したカラー画像と共に表示されたアイコンをクリックすることによって、カラープロファイリングプロセスが起動された場合には、その個別のクライアント14は、関連するウェブサーバー12用の画像サーバークッキーを備えていない可能性が高い。但し、場合によっては、クライアント14は、自発的に色補正プロセスを繰り返すことにより、新しいハードウェア又はソフトウェア用にプロファイルを更新することができる。プロファイラクッキーが存在する場合には、画像サーバークッキーを生成するべく、プロファイラクッキーの内容を適切な画像サーバーのドメインに単純に送付することにより、このプロセスを省略することができる。
【0086】
プロファイラクッキーが存在しない場合には、完全なカラープロファイリングプロセスがカラープロファイルサーバー18から提供される。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14用のプロファイラクッキーを生成し、関連するカラー画像サーバー16にプロファイラクッキーの内容を伝達する。すると、カラー画像サーバ16は、プロファイラクッキーの内容に基づいて画像サーバークッキーを生成し、そのカラープロファイリングプロセスを起動したオリジナルのネットワークサーバーのURLを呼び出す。
【0087】
カラープロファイルサーバー18が生成するプロファイラクッキーとカラー画像サーバ16が生成する画像サーバークッキー間で色補正情報を交換するこのメカニズムは、変更してもよい。具体的には、カラープロファイルサーバー18は、クッキーをクライアント14に提供するのではなく、認知されているウェブサーバー12のグループに関連付けられているすべてのカラー画像サーバー16に色補正情報を送信するように構成することができる。
【0088】
これにより、カラープロファイリングプロセスの結果、カラープロファイルサーバー18が取得したカラープロファイル情報は、ウェブサーバー12又はカラー画像サーバー16によって保存されるよう、「放送(broadcast)」することができる。この方法の利点は、情報の転送がシームレスであることである。クライアント14に関連付けられているユーザーは、カラープロファイルを更新する際を除き、初回のカラープロファイリングプロセスの後にカラープロファイルサーバー18とやり取りする必要がなくなる。その代わりに、それぞれのウェブサーバー12又はカラー画像サーバ16が、個別のクライアント14に関連付けられている色補正情報を(例えば、クライアントIDコードと共に)保存するのである。
【0089】
クライアント14がカラー画像サーバ16の中の1つにアクセスすると、クライアントIDコードを使用して適切な色補正情報が取得され、これによって色補正された画像が提供される。欠点は、それぞれのウェブサーバー12又はカラー画像サーバ16が、その個別のウェブサーバー12には決してアクセスしないであろうクライアントまでもを含む供給元及びクライアント14用の色補正情報のデータベースを維持することが必要になることである。従って、サイト管理者によっては、色補正情報の転送にクッキーを利用する方が効率的で望ましいものになりうるであろう。しかしながら、色補正情報の放送は、サイト管理者によっては受け入れ可能であって、エンドユーザーにとっても非常に便利な好適な選択肢として残ることになる。
【0090】
次に、間接クッキー転送法によるウェブサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバ16、及びカラープロファイルサーバー18間での情報伝達に関連する詳細項目のいくつかについて説明する。この方法は、プロファイラクッキーの内容がカラープロファイルサーバー18から個別のカラー画像サーバー16に転送される前に、ユーザーが介入して承認を入力するという意味で間接的である。ウェブ頁をクライアント14に提供する際に、ウェブサーバー12は、関連付けれられているカラー画像サーバ16上に保存された補正可能な画像のURLを伝達する。更に、ウェブサーバー12は、画像の近くにカラープロファイリングアイコンを内蔵することが好ましい。このカラープロファイリングアイコンのURLは、関連するカラー画像サーバー16を指して(point)いるが、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクは、カラープロファイルサーバー18を指している。
【0091】
カラー画像サーバ16への色補正情報の伝達を実現するために、クライアント14が、アイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを辿ると、ユーザーが参照した頁のURLがカラープロファイルサーバー18に伝達される。URLを伝達するこのステップでは、ターゲットURLのパラメータとしてURLを含めるか、或いはアイコンをラッピングするフォームから情報をPOSTする(即ち、隠されたエントリフィールドにURLを保存する)ことによって実現することができる。後者の場合には、アイコンは、ボタンとして機能し、最小限のクライアントサイドのスクリプト作成が必要になる。更に、後述するように、ウェブサーバー12の名前と、カラープロファイリングプロセスが完了した後にカラー画像サーバ16から提供される完了頁のURLと、をカラープロファイルサーバー18への要求に含めることができる。ネットワークサーバーには、適切なURLを有するアイコンコードを挿入するサーバーサイドのスクリプト作成機能を提供することができる。
【0092】
カラープロファイリングプロセスのために、カラープロファイルサーバー18は、ウェブサーバー12が提供するウェブ頁の実行によって呼び出し可能ないくつかのウェブ頁を提供する。この場合には、「リターンURL」が、それぞれの頁に順番に手渡される。このリターンURLは、ターゲットURL内のパラメータとして、或いは、フォーム内の隠されたフィールドを使用することにより、伝達可能である。場合によっては、このリターンURLをサーバー変数として保存することもできる。前述のように、カラープロファイルサーバー18は、(1)プロファイラクッキーが存在しない場合の完全なカラープロファイリングと、(2)プロファイラクッキーが既に存在している場合の画像サーバークッキーの生成、という2つのシナリオを処理している。いずれのシナリオの場合にも、カラープロファイルサーバー18は、既存又は新しく生成されたプロファイリングクッキーの内容を関連するカラー画像サーバ16に転送する。特に、カラープロファイルサーバー18は、この情報を転送するべく、クライアント14に関連付けられているユーザーの許可を要求するボタンを提示することができる。
【0093】
このボタンのURLは、カラー画像サーバー16が提供する頁をポイントしている。カラー画像サーバ16に送信される要求には、リターンURLとプロファイラクッキーに書き込まれた色情報の両方が含まれている。この要求は、長さの観点から、URL内にすべての情報を記述するGET要求ではなく、フォームからのPOST要求であることが好ましい。カラープロファイルサーバー18は、リターンURLを参照することにより、カラー画像サーバー16の供給先頁のURLを判定する。クッキーの内容を転送する前に、ユーザーはその供給先を知りたいと思うであろう。
【0094】
従って、カラープロファイルサーバー18は、ボタンと共に、その特定のカラー画像サーバーの名前を表示する。カラー画像サーバーの名前は、ウェブサーバー12が提供するウェブサイトに関連付けることができる。URLからウェブサイトの名前を判定することが容易でない場合には、カラープロファイルサーバー18がアクセス可能なデータベースにおいてURLで名前を検索するか、或いはウェブサーバー12が生成する頁からの元々の要求においてリターンURLと共に名前を伝達することにより、名前を生成することができる。
【0095】
カラープロファイルサーバー18から情報を受信すると、関連するカラー画像サーバ16はカラープロファイリングプロセスが完了したことを示す頁を提供する。この頁は、カラープロファイルサーバー18から受信した色補正情報と「リターン」頁のURLを格納するPOST要求によって呼び出すことができる。カラー画像サーバ16は、関係するクライアント14にこの色補正情報をクライアントクッキーとして書き込む。
【0096】
この時点以降、この画像サーバークッキーがその個別のクライアント14によって保存され、色補正可能な画像のアップロード又はダウンロード要求と共に、関連するウェブサイトに関連付けられたそのカラー画像サーバー16に送信されることになる。ダウンロード要求に応答し、カラー画像サーバー16は、クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、その内容に基づいて要求された画像に色補正を適用し、色補正された画像をクライアント14に提供する。一方、アップロードの場合には、その要求に応答し、カラー画像サーバ16は、画像を受け付け、クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、将来使用するべく、そのクッキーの内容をその画像と関連付ける。
【0097】
代替方法として、色補正情報は、クライアント14がボタン、アンカー、又はその他の入力媒体をクリックした際に生成される要求に埋め込むのではなく、直接要求によってカラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16に伝達することができる。この方法は、転送の承認をカラープロファイルサーバー18に提出することによってユーザーが介入する必要がない、という意味において直接的である。その代わりに、適切なカラー画像サーバ16へのプロファイルクッキーの内容の転送は、シームレスに行われ、バックグラウンドで実行される。
【0098】
実際に、好適な実施例においては、クライアント14に関連付けられているユーザーは、初回のプロファイリング以降にカラープロファイルサーバー18が送信する情報転送用の頁を目にすることすらない。この結果、カラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16への色補正情報の転送は、転送を実行するべく供給元又はクライアント14に関連付けられているユーザーがリンクをクリックすることなく、自動的に実行される。この方法によれば、転送がユーザーからシームレスに見える。但し、結果は同一である(即ち、ユーザーがカラープロファイリングプロセスを再実行することなく、プロファイラクッキーに格納されている色補正情報が転送されることによって画像サーバークッキーが生成される)。
【0099】
直接要求による転送を円滑に実行するべく、クライアント14にクライアントIDを割り当てることができる。通常、このクライアントIDは、クライアント14に関連付けられているブラウザの画像サーバークッキーに保存可能であり、そこから受信することができる。ウェブサイトにとって初めてのクライアント(即ち、そのカラー画像サーバ16に画像サーバークッキーを送信しないクライアント)14には、新しいクライアントIDが割り当てられることになり、これは、カラー画像サーバーからの応答においてHTMLと共にクッキーとして送信される。
【0100】
この場合、カラープロファイルサーバー18をポイントするすべてのURLは、カラープロファイルサーバーが色補正情報に対する要求と個別のクライアント14を関連付けることができるように、パラメータとしてクライアントIDとウェブサイトIDの両方を有することになる。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラープロファイリングアイコンのURLはカラープロファイルサーバー18をポイントしている。この方法の場合、個別のウェブサーバー12と、対応するカラー画像サーバ16は、同じクッキーを参照することができるよう、同一のドメインに存在していることが好ましい。
【0101】
間接的な方法と同様に、色補正可能な画像の隣に(或いは、画像アップロード用のダイ8アログと共に)表示されるカラープロファイリングアイコンは、直接転送法の場合にも、カラー画像サーバーが画像サーバークッキーを受信するかどうかに応じて、カラー画像サーバ16又はカラープロファイルサーバー18から提供することができる。画像サーバークッキーが存在する場合には、プロファイリングアイコンは、ダウンロードされた画像と共にカラー画像サーバー16によって提供され、色補正がオン状態であることを示すように表示が構成される(例えば、その旨を通知するテキストメッセージを表示する)。画像サーバークッキーが存在しないのは、新しいクライアント14だけであるため、このケースは、カラー画像サーバ16が提供する大部分の画像に当てはまることになる。
【0102】
画像サーバークッキーが存在しない場合には、このアイコンはカラープロファイルサーバー18から提供される。換言すれば、カラー画像サーバー16が提供するウェブ頁に、カラープロファイルサーバー18が提供したアイコンが埋め込まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14が既にカラープロファイリングプロセスを完了していることを示すアイコンを提供する。プロファイラクッキーが存在しない場合には、このアイコンは、その個別のクライアント14が、これまでカラープロファイリングプロセスを実行したことがないことを示すことになる。これは、カラープロファイリングが完了済みであることを示すカラーのアイコンと未完了を示す白黒のアイコンによって表現可能である。
【0103】
実施例の中には、クライアント14がカラープロファイリングプロセスを完了しているが、色補正情報がその特定のウェブサイトにまだ転送されておらず、画像がまだ色補正されていないことをアイコンによって表示可能なものも存在する。いずれの場合にも、カラープロファイルサーバー18は、クライアント14及びウェブサイトのIDも受信し、それらは、カラープロファイルサーバー18に転送されたURL内に含まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー18は、特殊目的の要求によって、関連するカラー画像サーバ16にそのクライアントIDとプロファイラクッキーの内容を即座に転送する。
【0104】
クライアント14が画像サーバークッキーを提示した場合には、カラー画像サーバー16は、そのクッキーに格納されている情報に基づいて色補正を実行する。クライアント14の場合には、カラー画像サーバ16は、画像サーバークッキーの内容を受け付け、将来の色変更の際に取得するべく、アップロードされた画像と関連付ける。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラー画像サーバ16は、そのクライアント14用の色情報をカラープロファイルサーバー18から受信するべく、短時間待機する。情報が到着した場合には、カラー画像サーバー16は、クライアント14に関連付けられているブラウザに画像サーバークッキーを書き込む。到着しない場合には、カラー画像サーバ16は、未補正の画像をクライアント14に提供するか、或いは、クライアント14の場合には、アップロードされた画像に色補正情報を設定しない。
【0105】
この直接法の場合には、カラー画像サーバ16は、カラープロファイルサーバー18から転送される色補正情報を追跡する必要がある。これは、それらの情報が、クライアント14からの画像のアップロード及びダウンロード要求と同期して受信されないからである。従って、カラー画像サーバー16が個別のクライアント14に関連付けられている色補正情報を一時的に追跡すると共に、ウェブサーバー12がクライアントID情報の生成と追跡を行うべく、これら2つのサーバー間で共有可能なデータベースアプリケーションを内蔵することが必要になる。情報の画像サーバークッキーへの書き込みが完了すれば、その個別のクライアント14用のID及び色補正情報は、このデータベースから消去することができる。
【0106】
直接転送法によるIDの管理は、次のように実行可能である。即ち、カラープロファイルサーバー18が生成するオリジナルの色補正情報にユニークIDを付加することができる。このユニークIDは、カラー画像サーバー16に転送された色補正情報の複写においても維持可能である。このIDは、クライアント14がカラープロファイリングプロセスを反復した場合に変化する(このIDをプロファイラIDと呼ぶことができる)。このプロファイラIDは、カラープロファイリングプロセスを再実行するまで、変化することなく維持されることになる(この再実行は、数ヵ月後になろう)。実際に、プロファイラIDは、特定のカラープロファイリングシーケンスに対応している。このプロファイラIDは、クライアントID及び加入者IDによって補完される。クライアントIDは、ウェブサイトが色情報を要求している対象のクライアントを識別するものであり、加入者IDは、特定の加入者を識別する。
【0107】
クライアント及び加入者IDは、カラー画像サーバ16が特定のクライアント14用の色補正情報を備えていない場合に、URLパラメータによってカラープロファイルサーバー18に伝達される。そして、加入者IDは、カラープロファイルサーバーがプロファイラクッキーの内容又はカラープロファイリングプロセスの実行結果に基づいてクライアント用の適切な情報を判定した際に、色補正情報と共にカラープロファイルサーバー18からカラー画像サーバー16に伝達される。この情報をカラー画像サーバー16が受信し、それを画像サーバークッキーとしてクライアントのブラウザに書き込めば、加入者IDは不要となる。
【0108】
図8は、表示装置のカラープロフィリング・プロセスを説明するフローチャートである。図8に示されているプロセスは、上記のプロファイラクッキーのコンテントを生成するために使われる。特筆すべきことに、クライアント14に関連付けられているユーザーが、ポインティング装置によってわずかに3回「クリック」するだけで、カラープロファイリングプロセスの全体を完了することができる。パッチを選択した後に、継続のためにユーザーが継続ボタンをクリックすることが必要であれば、プロセスには、更なるクリックが必要となる。しかしながら、ユーザーがパッチを選択した後に自動的に次のステップに進行するようになっていれば、全体のプロセスを3回のクリックで完了することができる。後述する任意選択のアナログ調節、別個のR、G及びBの黒点、及び精細ガンマの各ステップを勘案しても、このプロセスに必要とされるクリック数は、最大でも6回又は7回である。多くの実施例において、個別の要素を選択する方法を利用した場合には、このカラープロファイリングプロセスには、プラグインやクライアントサイドのスクリプト作成は不要であるが、スライダー調節を使用するものなどのいくつかの実施例においては、このようなメカニズムを提供することも可能である。
【0109】
このカラープロファイリングプロセスによれば、R,G及びBの蛍光体又はフォトダイオード素子の黒点とガンマの正確な値を判定することにより、クライアント14に関連付けられている表示装置を視覚的にプロファイリングすることができる。ガンマとは、装置のデジタル値の変化に伴う光度の変化率を表すパラメータγを意味している。「黒点」という用語は、当技術分野においては周知であり、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR,G及びBの値を意味している。この黒点は、しばしばブラックオンセット(Black Onset)とも呼ばれている。本発明によれば、任意選択により、モニタのR、G及びBの各色チャネルごとに1つずつ、3つの別個の黒点を判定する。高精度なモニタに使用する場合には、1つのダークグレーのRGBを選択し、これを使用してR、G及びBの1つの平均黒点値を推定することができる。
【0110】
古いCRTモニタなどのように、表示装置の中には、色チャネルごとに、非常に異なる黒点を生成するものも存在している。従って、単一のRGB黒点の計測値に基づいてカラープロファイルを生成すれば、精度が低下する恐れがある。しかしながら、チャネル固有の黒点を判定することにより、精度の低下を軽減することができる。換言すれば、それぞれの色チャネルごとに個別に黒点を推定することにより、表示装置の色応答のより正確な特徴付けを取得することができる。
【0111】
この正確な色の特徴付けにより、特定モニタに提供し表示するための画像変換の精度を向上させることができる。カラープロファイルサーバー18は、図5に示されているように、一連の指示用のウェブ頁をクライアント14に提供することにより、カラープロファイリングプロセスを遂行することができる。通常、このカラープロファイリングプロセスにおいては、(1)表示装置の赤、緑、及び青(R,G及びB)色チャネルのそれぞれの黒点、(2)R,G及びBの平均ガンマ、及び(3)R,G及びBのガンマの差、を判定する。表示装置の特性が大きく異なるため、前述の判定(2)は、(2a)粗ガンマ推定値と(2b)精細ガンマ推定値の判定に再分割することができる。次に、このプロセスについて、図8-14を参照して詳細に説明する。
【0112】
このカラープロファイリングプロセスにおいては、まず、カラー表示装置のそれぞれの色チャネル(例:R、G及びB)の推定黒点を判定する。黒点を判定した後に(これは、単なる推定値に過ぎないが)、このプロファイリングプロセスでは、表示装置が示すガンマを判定する。具体的には、このプロセスでは、粗ガンマを判定した後に、精細ガンマを判定する。この精細ガンマの判定は、部分的に粗ガンマに依存することができる。換言すれば、粗ガンマは、ファインチューニングされたガンマに収束させるための最初の推定値及び出発点として使用可能である。
【0113】
精細ガンマを判定した後に、このプロセスでは、表示装置が示すグレーバランスを判定する。グレーバランスとは、表示装置に使用されている色チャネル(例:赤、緑、及び青)の中の1つ又は複数のものに対する中立のグレーからの色シフトの量を示すものである。このグレーバランスの判定は、このカラープロファイリングプロセスにおいて前に判定されているガンマに部分的に依存することが可能であり、特定の実施例においては、精細ガンマに依存している。次に、このカラープロファイリングプロセスでは、カラープロファイルを生成する。カラープロファイルには、黒点、ガンマ、及びグレーバランスに基づいて表示装置の色応答を特徴付ける情報が格納される。次いで、このカラープロファイルをクッキー又はその他のコンテンツコンテナに読み込み、必要時にいずれかのカラー画像サーバ16にアップロードするべく、それぞれのクライアント14においてローカルに保存することができる。
【0114】
推定された黒点パラメータは、表示装置のダイナミックレンジを定義している。最大RGB値は常に白を定義しており、黒点は黒のエンドポイントを定義している。従って、結果的に、黒から白に連続的に変化するR,G及びB色チャネルの各値の範囲を定義することになる。この場合にも、黒点は、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、又はB値を意味している。Rなどの個別の色チャネルにおいて、黒点とは、R値を減少させても表示装置の放射するRチャネル光がそれ以上には減少しない点のことである。表示装置の所与の色チャネルの黒点が高い場合には、暗い領域のそのチャネルの値は最も暗いシェードにマッピングされることになり、画像補正を行わなければ、シャドーのディテールが失われることになる。従って、正確な黒点の推定値の取得は、表示装置が示す画像の精度にとって重要である。
【0115】
マルチチャネルの黒点の推定値以外に、カラープロファイルには、ガンマパラメータとグレーバランスパラメータが含まれる。これらのパラメータが協働し、装置上での正確な表示のためのカラー画像の変更を可能にする個別の表示装置の色応答を定義する。ガンマパラメータは、画像の全体的な見え方に最も大きな影響を与えるものである。ガンマにより、画像の見え方が全体的に明る過ぎる(又は、暗過ぎる)ものになるかどうか、或いは、コントラストが強過ぎる(弱過ぎる)ものになるかどうかが決定される。人間の目は、グレーバランスに対する感度が非常に高いため、第3のパラメータであるRGBガンマの差、即ち「グレーバランス」は重要である。グレーバランスパラメータは、RGB色の組み合わせを生成した際の表示装置の異なる色チャネル間の相対的なバランス(或いは、インバランス)を示すものである。
【0116】
図8は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図8に示されているように、黒点の判定のために、カラープロファイルサーバー18は、まず、表示装置調節用のウェブ頁を提供することができる。このウェブ頁は、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを調節するように指示するものである。表示装置を調節するこのステップは、任意選択であるが、通常、黒点を判定するべく表示装置を準備する際に望ましいものである。カラープロファイルサーバー18は、バー、パッチ、文字(character)、文字(letter)、数字、及びこれらに類似のものなどの暗い要素からなる複数の行を含むウェブ頁を提供可能である(104)。
【0117】
パッチやバーではなく、数字などの様々な形状を有する要素を表示することが望ましい。パッチやバーは、通常、長方形であるが、人間の目で違いを識別する際には、もっと複雑な形状を使用する方が有利である。即ち、例えば、数字、文字、及びその他の複雑な形状の場合、人間の目のパターン認識能力が作用し、結果的にグレースケールの違いに対する感度を高めることができる。人間の目は、パターン認識を実行するように要求されると、所与のパターンと周辺領域間の色のグラデーションに対する感度が向上する。複雑な形状は、単純な形状に比べて、提示される境界が長く、周囲の長さが長くなってコントラストを際立たせる。モニタを特徴付けるための黒点、粗ガンマ、及び精細ガンマの判定においては、複雑な形状を有する要素を使用可能である。
【0118】
行に代え、ウェブ頁上に並んで配置した列として要素を配列することも可能である。更なる代替例として、それぞれの行又は列に、複数の要素ではなく、ただ1つ又は少数の要素を格納することも可能である。それぞれの所与の行における要素数が大きいほど、ユーザーは、隣接する行の要素間の違いを識別し易くなる。
【0119】
このウェブ頁は、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示することができる(106)。要素からなる行(又は、列)は、連続して配置することができる。それぞれの行の要素の暗さ(又は、明るさ)は、同一であることが好ましい。しかしながら、連続するそれぞれの行の要素は、その他の隣接する行の要素とは暗さ(又は、明るさ)が相対的に異なっている。例えば、最も暗い要素の行を底部に配置し、シェードの明るさが徐々に増加する要素を格納する行を昇順(又は、降順)にその上に配置することができる。このウェブ頁では、ユーザーに対して最も暗い要素の行がかろうじて見えるところまで輝度を落とすように指示している(108)。この時点で、ユーザーは、「次へ」又はこれに類似のハイパーテキストアイコンを選択し、カラープロファイリングプロセスの次のステップ(例:赤、青、及び緑チャネルの個別の黒点の判定)に進むことができる。
【0120】
図9は、図8に示されているカラープロファイリングプロセスの表示装置調節において使用するウェブ頁128を示している。暗い要素の行130が表示されており、これらの要素は、それぞれの行が同一のグレーレベルの値を備えているが、隣接する行の要素とは異なるグレーレベルを備えている。一例として、暗い要素の行130(図9の例では、数字として示されている)は、8、16、14、及び32というグレーレベル値でユーザーに対して提示可能である。換言すれば、「0」、「1」、「2」、「3」の各行は、それぞれ、8、16、24、32のグレーレベルを備えることができる。これらの暗い要素の行が表示されると、ユーザーは、表示装置に提供されているアナログ又はデジタル制御機能を使用して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示される。次いで、ユーザーは、最も暗い(最低のグレーレベル値の)要素を有する行がかろうじて見えるところまで表示装置の輝度を落とし、その後で「次へ」をクリックするように更に指示される(132)。この任意選択の表示装置調節のステップは、後述するように、それぞれの色チャネルに関して実行する黒点の判定用にモニタを準備するためのものである。
【0121】
それぞれの色チャネルごとに黒点を判定するプロセスを実行するべく、それぞれの色チャネル用の要素からなる複数の行(又は列)を連続したウェブ頁上に表示することができる。具体的には、チャネル固有の黒点判定用の赤チャネル、青チャネル、及び緑チャネルのウェブ頁をクライアントに対して提供することができる(順序はどのようなものであってよい)。表示装置調節用に提供する図9のウェブ頁128と同様に、それぞれのウェブ頁には、昇順又は降順の相対的な明るさ(又は、暗さ)を有する行として所与の色チャネル用の要素を配置することができる。これらの行は、グレーレベルのグラデーションのシーケンスを提供するものである。例えば、赤チャネルの黒点判定用のウェブ頁の底部の行は、そのウェブ頁に示されている要素の中で赤の最も暗いシェード(最低のグレー値)を有する要素からなる「0」の行である。ウェブ頁128と同様に、これらの行又は列による要素の配列は、説明用のものである。実施例の中には、複数の要素の列ではなく、一連の個別要素の表示によって十分なものも存在する。
【0122】
ユーザーにかろうじて見える最も暗い要素の列は、表示装置の個別のチャネルの黒点によって左右されることになる。これらの要素の行は、黒(即ち、RGB=0)を背景として表示されている。表示装置によっては、8や16以上の強度レベルを有する要素がユーザーには見えないものも存在する。ユーザーは、表示装置上においてかろうじて見え、且つ黒の背景と最も近接して一致(即ち、混合)する要素の行を選択するように指示される。このステップにより、黒点、即ち、色チャネル値が減少しても表示装置のその色チャネルの放射光がそれ以上減少しない可視の「カットオフ」点が判定される。この代わりに、所与の色の最もよく見えない要素の行を消去し、残っているかろうじて見えるバーをクリックするようにユーザーに指示することも可能である。いずれの場合にも、黒点を推定することができる。
【0123】
図10は、図8に示すカラープロファイリングプロセスの黒点判定に使用するウェブ頁134を示している。ウェブ頁134は、図6のウェブ頁128と実質的に類似のものであってよい。例えば、ウェブ頁134には、シェードされた要素の行136を含むことができる。この場合にも、アプリケーションによっては、要素の列の表示又は一連の要素で十分なものも存在する。図10に示されているように、ウェブ頁134は、ユーザーに対して表示装置上においてかろうじて見える要素の行を選択するように指示する。ウェブ頁128同様に、ウェブ頁134の行136は、例えば、それぞれ、8、16、24、及び32の強度レベルを備える「0」、「1」、「2」、及び「3」の行として配列することができる。図10のウェブ頁134は、赤チャネルの黒点判定用のウェブ頁を表しており、黒を背景として設定された赤要素の行が含まれている。
【0124】
例えば、行の中のいずれかの要素をクリックして赤チャネルのかろうじて見える行を選択すると、緑チャネルの黒点を判定するための黒を背景として設定された緑要素の行を格納する実質的に同一のウェブ頁がユーザーに対して自動的に提供される。そして、かろうじて見える緑要素の行の選択に続き、青チャネルの黒点判定用の実質的に同一のウェブ頁がユーザーに対して提供され、ユーザーは同様の選択を行う。即ち、先行するチャネルの行の選択に続き、各色チャネルの黒点判定を実行する連続ウェブ頁を自動的に提供することができる。この代わりに、「次へ」アイコン又はこれに類似の装置をクリックするようにユーザーに促してもよい。無論、プロセスに必要とされる全体のクリック数を減少させるには、要素の選択に続いて自動的に連続ウェブ頁を提供することが望ましい。
【0125】
以上の結果、ユーザーは、各色チャネルのかろうじて見える要素の行を選択し、これにより、それぞれの色チャネルの黒点の情報が提供される。図8は、このプロセスについて更に説明している。具体的には、図8には、暗い赤の要素(又は、文字)の行の表示(110)と辛うじて見える行の選択(112)が示されており、更に、選択された行に基づいた赤チャネルの推定黒点の算出が示されている(114)。
【0126】
他の方法としては、推定黒点値は、選択した行に基づいて、後に算出することができる。
【0127】
同様に、緑チャネルの場合には、暗い緑の文字の行を表示した後に(116)、辛うじて見える行を選択し(118)、選択された行に基づいて緑チャネルの推定黒点を算出する(120)。最後に、青チャネルについて、暗い青の文字の行を表示した後に(122)、辛うじて見える行を選択し(124)、選択された行に基づいて青チャネルの推定黒点を算出する(126)。
【0128】
関連するクライアント14は、連続ウェブ頁のそれぞれに表示されたかろうじて見える要素の行を選択した後に、カラープロファイルサーバー18にその結果を送信する。この代わりに、最後の色チャネルの黒点判定を完了した後に、すべての色チャネルの結果を同時送信することも可能である。次いで、カラープロファイルサーバー18は、それぞれのチャネルごとに推定黒点を算出するか、或いは、例えば、カラー画像サーバー16が後で算出できるよう、パラメータを単純に保存することも可能である。
【0129】
表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって表すことができる。
【0130】
【数1】
【0131】
ここで、RGBは、次のとおりである。
【0132】
【数2】
【0133】
変数dr、dg、及びdbは、1.0に正規化されたデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは黒点であり、パラメータγr、γg、及びγbは赤、緑、及び青チャネルのガンマである。
【0134】
パラメータko,r、ko,g、及びko,bの値は、次のように判定する。即ち、モニタの特性とは無関係に、赤の場合には、人間の目で検出可能なXYZの最低限の可視の値の組が存在すると仮定し、これをベクトル(Xt,r,Yt,r,Zt,r)と表記する。このベクトルは、前述の方程式におけるRの固有の対応する値を備えることになり、これをRtと表記する。特定のγr及びko,rの値を有するモニタの場合には、次のように、Rtに関連付けられたdt,rと表記される固有の装置値が存在することになる。
【0135】
【数3】
【0136】
この装置値dt,rが、カラープロファイリング手順において、前述のように(即ち、赤の黒点判定用のウェブ頁において最も暗いかろうじて見える要素の行を選択することにより)、ユーザーによって判定される。Rtの値は、経験的に判定する。例えば、ko,r=0.0及びγr=2.2の暗い部屋で較正された表示システムの場合には、赤パッチは、dt,r=8/255グレーレベルで可視であり、これはRt=(8/255)2.2を意味している。
【0137】
ko,rの正確な値は、2つの同時方程式(即ち、Rtの前述の方程式と後述するR.33の方程式)を解くことによって算出可能である。この代わりに、2.2のガンマを仮定することにより、ko,rの妥当な推定値を取得可能である。この仮定を行った場合には、次のようにko,rの値を推定することができる。
【0138】
【数4】
【0139】
同様に、ko,g及びko,bの値を判定可能である。
【0140】
図11は、カラープロファイリングプロセスにおけるガンマとグレーバランスの判定を示すフローチャートである。粗ガンマを判定するべく、カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁の中の1つにより、ディザリングされた緑を背景とした一連の緑の要素(例:パッチ)が表示される(138)。この粗ガンマ判定用のウェブ頁は、最後の黒点判定用のウェブ頁において要素の行の選択が完了した後に、即座に且つ自動的に、或いは「次へ」アイコン又はこれに類似の装置の選択に応答して提供可能である。
【0141】
一実施例においては、この粗ガンマの判定は、緑の色チャネルにのみ限定される。具体的には、この粗ガンマの判定は、ディザリングされた緑を背景とする一連の緑要素を使用して実行される。緑は、赤、緑、及び青の中で、最も優勢で強いフォスファ(phospher)であり、コントラストが最大である。更に、緑は、最大のL*を備えている。又、緑は、目の明所視のV(λ)応答に最も近接して一致することにも留意されたい。この粗ガンマ判定法においては、緑の色チャネルのみを考慮し、赤と青は基本的に無視している。
【0142】
このような方法により、粗ガンマの計測においては、最も優勢な色チャネルに集中し、多くの表示装置で散見される赤−青のインバランスに起因する誤差を回避している。従って、粗ガンマの判定用に表示される要素は、異なる暗さ(又は、明るさ)の値を有する緑のパッチであってよい。この代わりに、先程参照した米国特許出願第09/631,312号明細書に記述されているように、すべての色チャネル用の合成粗ガンマを判定することも可能である。
【0143】
緑のパッチを表示すると、ディザリングされた背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するように、ユーザーは指示される(140)。この「緑のパッチが、ディザリングされた背景と「混合」する」という表現は、それが背景のレベルに近接して一致するという意味である。ディザリングされた緑を背景として表示された一連の緑のパッチの例が図12の参照符号160によって示されている。この一連の緑のパッチとディザリングされた緑の背景は、カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁に表示可能である。
【0144】
カラープロファイルサーバー18は、選択された緑のパッチに基づいて(この場合も、ポインティング装置でクリックすることによって選択可能である)粗ガンマを算出する(142)。このステップで(ディザリングされた緑を背景とする緑のパッチの組から1つの緑のパッチを選択することによって)判定された粗ガンマは、R、G及びBの平均ガンマの推定値として使用可能である。ディザリングされた緑の背景は、約25%〜50%で設定することができる。約33%内外でディザリングされた背景は、表示装置の黒から緑への遷移の実際の中間点に最も近接して一致し、一般の表示装置に好ましい。
【0145】
黒と緑を適切な周波数で交互に配置することにより、25%、33%、又は50%の緑の背景を生成することができる。CRTの場合、装置のビデオ帯域幅のため、個別のピクセルを調節して垂直ラインを形成するのではなく、所与の水平ラインにおいてピクセルのすべてをオン/オフする方が表示装置間で予測可能な出力が生成されるはずである。尚、フラットパネル装置の場合には、これは問題とはならない。しかしながら、CRTとフラットパネル装置の両方を使用するクライアントに対応する際には、交互の水平ラインを使用してディザリングされた背景を生成することが好ましい。
【0146】
大部分のモニタのガンマは1.6〜2.5の範囲にあるため、一連のパッチ128の中央パッチは、平均ガンマ2.0に基づいたものであってよい。中央パッチを取り囲むその他の緑のパッチは、比較的大きな刻み(例:互いに8グレースケールの間隔)で順番に配置することができる。粗ガンマは、次の方程式を使用して推定可能である。
【0147】
【数5】
【0148】
ここで、d.33,gは背景と最も近接して混合して見える選択されたパッチのグレーレベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。粗ガンマを実際に算出する代わりに、精細ガンマプロセスにおいて使用するべく、選択されたパッチの緑レベル値を単純に持ち越すことも可能である。この場合、その値は最終的には破棄されることになる。
【0149】
粗ガンマの推定値を取得した後に、精細ガンマを推定する。精細ガンマは、R、G及びBの平均ガンマの精度を高めた(即ち、「ファインチューニング」した)推定値である。精細ガンマは、ディザリングされた緑を背景として提示された緑パッチの組からもう1つ別の緑のパッチを選択することにより、判定することができる。この場合に、中央パッチは、粗ガンマの判定用にユーザーが選択した緑パッチと同一のものであってよい。即ち、粗ガンマステップが精細ガンマステップに対して「情報提供」するのである。実際に、選択された粗ガンマパッチが精細ガンマ判定用の出発点として機能する。具体的には、粗ガンマの判定において選択された緑パッチを精細ガンマ判定用の中央パッチとして使用することができる。
【0150】
精細ガンマを判定するための一連のパッチが図13の参照符号162によって示されている。この一連のパッチは、粗ガンマプロセスにおいて選択された中央の緑パッチを中心とし、パッチ間の刻みの幅を更に狭めたシーケンスになっている。例えば、これらのパッチは、粗ガンマの判定においてパッチ間の刻みの幅として使用した8つの緑レベルではなく、4つの緑レベルの間隔を有することができる。この結果、粗ガンマの推定値から「学習」した中央値を有する更に間隔を狭めた一連のパッチを使用して粗ガンマの推定値を「ファインチューニング」することになる。
【0151】
カラープロファイルサーバー18が提供するウェブ頁により、刻みの幅を狭めた一連の緑パッチの中に粗ガンマの推定で選択された緑パッチを表示する(144)。次いで、ユーザーは、粗ガンマの判定に使用されたものと同一のディザリングされた緑の背景と最も近接して混合する緑パッチを選択するように指示される(146)。そして、カラープロファイルサーバー18は、選択された緑パッチに基づいて1つの精細RGBガンマを算出する(148)。従って、この精細ガンマは、RGBチャネルについて推定された全体的なガンマであるが、緑チャネルから導出されたものである。この代わりに、前述のように、カラー画像サーバー16が精細ガンマの算出と色補正のレンダリングに使用できるよう、選択されたパッチのRGB値を単純に保存することも可能である。いずれの場合にも、精度を高めたガンマの推定値は、次の方程式によって算出することができる。
【0152】
【数6】
【0153】
ここで、d.33,gは背景と混合している選択されたパッチの緑レベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。
【0154】
カラープロファイルサーバー18は、グレーバランスを判定するべく、複数のRGBパッチを表示するウェブ頁を提供する。これらのRGBパッチは、以前の精細ガンマのステップにおいて選択されたものと同一の緑の値と、この以前選択された緑の値と実質的に等しいか、或いはその値からシステマチックにシフトされた赤及び青の値を組み合わせて生成することができる。これらのRGBパッチは、前のステップ(精細ガンマ)の緑のディザリングされた背景と同様にディザリングされたグレーを背景として表示することができる(150)。この場合にも、このステップは、前のステップから「学習」しており、正しいガンマを特定するべく絞り込んでいく一連のカラープロファイリングステップ(粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス)の一部を形成している。次いで、ユーザーは、ディザリングされた背景と最も近接して混合して見えるグレーパッチを選択するように指示される(152)。そして、選択されたグレーパッチに基づいて個別のRGBガンマを算出する(154)。特筆すべきことに、このグレーバランス判定の全体をユーザーのポインティング装置の1回のクリックによって実行可能である。
【0155】
従って、このグレーバランスのプロセスでは、精細ガンマのプロセスにおいて選択された緑の強度値を使用し、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って判定されたRGB値を有する中央パッチの値を中心として、赤及び青の+/−(プラス/マイナス)の違い(即ち、「シフト」)を示す複数のグレーパッチを生成する。例えば、精細ガンマプロセスにおいて選択された緑の値を赤及び青の実質的に同一の値と組み合わせて中央に表示する。そして、赤及び青のガンマをグレーバランス判定によってファインチューニングし、これによって表示装置の赤−青インバランスを識別する。従って、このグレーバランスのステップでは、赤と青のインバランスを判定する際に、緑ガンマを「ロック」している。換言すれば、このグレーバランスのアレイ内のすべてのパッチは、同一の緑値を有し、赤及び青の異なるグラデーションによって調節されている。このステップでは、1つの変動軸(緑)を除いているが、赤及び緑、又は青及び緑間のインバランスの識別は可能である。この結果、選択の範囲が、よりファインチューニングされた領域に限定され、ユーザーによる正確な選択の実行が可能になっている。
【0156】
このグレーバランス判定用の一連のパッチは、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って生成された中央グレーパッチを中心とし、その周囲に配列された赤−青シフトされたパッチを有する二次元のパッチのアレイであってよい。その他の実施例においては、赤チャネルを使用して最初のRGBガンマの推定値を判定した後に、緑及び赤、又は青及び赤間のインバランスを識別するグレーバランス判定を実行可能である。
【0157】
図14は、このグレーバランス判定において使用する5行5列の、マトリックスに配置された二次元の一連のグレーパッチ164の例を示している。それぞれのパッチは、青の軸、又は赤の軸、或いは、それら両方の組み合わせによって中央のグレーパッチからシフトしているが、緑はシフトしていないことが好ましい。ユーザーは、ディザリングされたグレーの背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するが、この背景は、33%のディザリングされた背景であってよい。任意選択により、中央パッチは、それが好適な既定の選択肢であること示すべく強調表示してもよい。
【0158】
パッチの数とそれぞれのパッチのRGBの正確な値は極めて柔軟なものであってよい。例えば、図14の画像の場合には、すべてのパッチは、フォスファ、平均ガンマ、及び黒点に基づいたディスプレイ用の推定プロファイルに示されているものと同一のL*の値を備えるように選択可能である。中央パッチに隣接するパッチは、前述のパラメータから構築されるマトリックスTRC(tone reproduction curve)プロファイルから推定されるように、a*及びb*のすべての組み合わせについて+/-3ΔEだけ異なったものであってよい。
【0159】
グリッドアレイの外周縁のパッチは、R及びBが+/-6ΔEだけ中央から異なったものであってよい。この代わりに、簡単にするべく、+/-5グレーレベルや+/-10グレーレベルなど、+/-固定量だけR及びBが変化するように選択することも可能である。すべてのパッチが略定数であるL*の色空間のすべての方向に中央パッチから相対的に小さく偏位していることが好ましい。この試験は、R、G及びBのガンマに大きな違いが存在するかどうかを高感度で判定するのに有用であり、この結果、R及びB間の大きなグレーのインバランスが明らかになる。
【0160】
図14に示されているパッチの二次元フォーマットは、ユーザーが正しいパッチを選択するのに有用である。この実施例では、カラープロファイリングプロセスの前のステップ(即ち、精細ガンマ)からのパッチが中央に配置されている。隣接するパッチは、アレイが外に広がるに伴ってグレーレベルが変化しており、この結果、アレイの外周縁は、中央パッチから2グラデーションだけ変化したパッチを格納している。このアレイは、背景とのマッチング用の出発点としてユーザーを中央パッチに導く傾向を経験的に有している視覚的な「漏斗」効果を生成している。二次元アレイにおけるパッチ間の違いは、一次元のパッチストリップよりも明瞭であり、且つ劇的である。アレイが外に広がるに伴って、シフトが大きくなる。従って、グラデーションが際立ち、ユーザーが適切なパッチを選択するのに有用である(適切なパッチは、多くの場合、カラープロファイリングプロセスの前のステップで選択された中央パッチとなる)。
【0161】
ユーザーが中央パッチを選択した場合には、1つのガンマ値をR、G及びBチャネルに使用する。その他のパッチの中の1つを選択した場合には、3つの別個のガンマを次の方程式に基づいて算出する。
【0162】
【数7】
【0163】
ここで、γとd.33用の添え字は、R及びBチャネルの固有値を示している。それぞれのチャネルのd.33の値は、このグレーバランスステップにおいて選択された特定のパッチのRGBの値によって与えられる。これらの方程式を蛍光体値の組と組み合わせ、ICC(International Color Consortium)規格においてマトリックスTRC式と呼ばれている当技術分野において周知の方程式を使用し、クライアントの表示装置用の正確なプロファイルを生成する。この場合にも、この計算は、カラープロファイルサーバー18又はカラー画像サーバ16に関連付けられている色補正モジュールによって実行可能である。
【0164】
この好適な実施例における粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスの判定ステップにおけるパッチ選択プロセスは、クライアント側で読み込みを要するアプリケーション、アプレット、又はその他のクライアントサイドスクリプトが不要であるため、有利である。代わりに、ユーザーは、ウェブ頁に表示されたパッチの中の1つを単純に選択するのである。しかしながら、その他の実施例において、アプリケーション、アプレット、又はクライアントサイドスクリプトを使用する場合には、ディザリングされた背景との比較用に1つのパッチの色をリアルタイムで調節するための滑らかなスライダバー、+/-矢印、及びこれらに類似のものを使用することが考えられる。この結果、ユーザーは、有限の数のパッチの組から最も近接して一致するものを選択するのではなく、1つのパッチを背景と正確に一致させる能力を有するようになる。又、このリアルタイム調節法は、非ネットワーク型の色の較正及び特徴付け法にも有用である。この場合、黒点、ガンマ、及び/又はグレーバランスを判定するべくユーザーが選択するパッチ又は要素は、スライダやその他の調節媒体により、ユーザーにとって視覚的に許容可能なレベルまで(即ち、パッチがディザリングされた背景と一致して見えるところまで)その色が調節される1つの調節可能なパッチであってよい。
【0165】
黒点、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスのプロセスに基づき、表示装置用のカラープロファイを生成する(156)。そして、カラープロファイルを生成したら、カラープロファイルクッキーを生成する(158)。将来使用するべく、カラープロファイルを表す情報は、カラープロファイルクッキーに付加される。具体的には、この情報を使用し、その特定のクライアント14とその特定のウェブサーバー12及びカラー画像サーバ16間で将来やり取りするための画像サーバークッキーを生成することができる。このカラープロファイルは、ネットワークにおける表示装置を特徴付けるのに特に有用であるが、非ネットワーク型のアプリケーションにおいても有用である。具体的には、本明細書で説明したカラープロファイリングプロセスは、ネットワークを介してではなく、装置においてローカルに生成又は取得されたコンテンツを補正するための個別の表示装置の較正及び特徴付けにも、そのまま使用可能である。
【0166】
有利なことに、クライアント14は、それらの表示装置の構成に関する情報を提供する必要はない。sRBG、Apple Macintosh RGB、及びこれらに類似のものなどの公表されている規格に基づいたフォスファ値の平均セット(average set)を使用し、非常に満足できる結果を生成することができる。必要に応じて、特に蛍光体値と白点の問題を解決するべく、更なるステップを追加することも可能である。このカラープロファイリングプロセスでは、結果的に、クライアント14に関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報をカラー画像サーバ16に伝達するためのコンテナ又は輸送手段として機能するクッキーを単純に生成している。この代わりに、場合によっては、VESAなどの通信プロトコルを利用してディスプレイから(及び/又は、コンピュータのオペレーティングシステムから)色度情報と白点を取得することができる。現在の技術では、高価な電子回路をもってしてもRGBの黒点及びガンマをハードウェアレベルで完全に維持することは困難であるため、本発明の有用性は持続することになろう。
【0167】
通常、クライアント14が実行するブラウザアプリケーションからの各要求には、特定のドメインにとって可視のすべてのクッキーが付加される。このため、通常のブラウザは、それぞれのドメイン毎に最大20個のクッキーに制限している。特定のウェブサイトに対するクッキーの割り当てを消費してしまうことを回避するべく、特定のクライアント14用のすべての色補正情報を1つのプロファイラクッキーと1つの画像サーバークッキーにパッキングすることが好ましい。場合に応じて、例えば、いくつかの項目を画像サーバークッキー又はプロファイラクッキーの値の文字列内にパッキングすることができる。具体的には、それぞれのクッキーは、R,G及びBのガンマ値を含む必要がある。それぞれのガンマ値は、1.0〜3.0の間の値であってよい。更に、クッキーには、黒と白の色度値(例:0〜+1000.0の間の値で表されたもの)を含むことができる。
【0168】
模範的なクッキーは、例えば、それぞれが区切り文字によって区切られて値の文字列にパッキングされた次の項目を有することができる。
【0169】
(1)クッキーフォーマットバージョンコード:数値コード(例:1〜3バイト、及び区切り文字)
【0170】
(2)クッキーの作成日:通常のクッキースタイルのタイムスタンプ(GMTの1970年1月1日の午前零時からの経過時間(単位:ミリ秒))(例:12〜13バイト、及び区切り文字)
【0171】
(3)この色情報が色補正シーケンスによって生成された時に、割り当てられた一意のプロファイラID:長整数(例:4バイト、及び区切り文字(但し、もっと長くなる可能性が高い))
【0172】
(4)RGBのガンマ及び黒点の値:それぞれ4つの十進数からなる1.0〜3.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。小数点を示すことができる。従って、ガンマ値は、最大でそれぞれ5又は6バイト及び区切り文字(従って、全体では、この3倍)を所要する。この代わりに、R、G及びBに選択された色調値を示しておき、後でクッキーを読み込んだ際にサーバーがガンマ及び黒点の値を算出できるようにしてもよい。
【0173】
(5)黒及び白の色度:それぞれ有意な4桁からなる0〜1000.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。従って、これは、それぞれ最大6又は7バイト及び区切り文字(従って、全体では、この2倍)を必要とする。
【0174】
(6)色のビット数:2つの十進数(2バイト及び区切り文字)
【0175】
(7)表示装置のIDコード:英数字コード(約10バイト及び区切り文字であってよい)
【0176】
(8)クッキーデータのチェックサム:長い整数(4バイト)
【0177】
前述の例のクッキーは、約68バイトと10個の区切り文字を有している。区切り文字は、文字列が「エスケープ」されないように選択する必要があり、通常、このような場合には、カレット(^)が使用される。従って、この値の文字列の通常のサイズは約80バイトになる。
【0178】
図15は、図1及び図2に示されているシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。具体的には、図15は、個別のクライアント14がアクセスする2つの異なるカラー画像サーバ16a、16bに対して既に画像サーバークッキーが生成されているシステム166を示している。この場合、クライアント14は、ウェブサーバー12からのウェブ頁にアクセスし、カラー画像サーバ16aに対して画像を要求する。別のウェブサーバー12に対して画像を要求する場合には、クライアント14は、カラー画像サーバー16bに対して画像を要求する。カラー画像サーバー16aは、色補正モジュール168とカラー画像のアーカイブ170の両方を内蔵している。同様に、カラー画像サーバー16bも、色補正モジュール172とカラー画像のアーカイブ174を含んでいる。
【0179】
クライアント14は、画像要求をカラー画像サーバ16aに送信する際に、ライン176によって示されているように、一緒に供給先プロファイルクッキー(即ち、画像サーバークッキー)を送信する。同様に、ライン178によって示されているように、クライアント14は、画像を要求する際に、画像サーバークッキーをカラー画像サーバー16bに送信する。いずれの場合にも、画像サーバークッキーには、それぞれ画像アーカイブ168、170から提供されるカラー画像を変更(即ち、色補正)する際に個別の色補正モジュール172、174が使用する色補正情報を提供するカラープロファイルが格納されている。従って、この要求を受信すると、カラー画像サーバー16a又は16bは、添付されている画像サーバークッキーを処理して内容を抽出し、抽出した内容に基づいて個別の色補正モジュール168、170を制御する。この結果、クライアント14は、参照符合180、182で示されているように、色補正された画像を受信することになる。
【0180】
次に、色補正モジュールが画像サーバークッキー内に格納されているカラープロファイルを利用する方法について説明する。図8−14を参照して説明した実施例においては、個別のクライアント14に関連付けられているユーザーが選択した赤、緑、及び青要素に基づき、それぞれの色チャネルの黒点を推定している。従って、カラープロファイリングプロセスの出力は、黒点のRGB値とガンマ、又は個別のRGBガンマである。ここでは、これらの値が前述のように判定されていることを前提とする。表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって与えられる。
【0181】
【数8】
【0182】
ここで、RGBは、それぞれ次のとおりである。
【0183】
【数9】
【0184】
値dr、dg、及びdbは、1.0に正規化された赤、緑、及び青チャネルのデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは、赤、緑、及び青チャネルの黒点であり、γr、γg、及びγbは、赤、緑、及び青チャネルのガンマである。従って、個別の表示装置用の画像サーバークッキー内に格納されているガンマ及び黒点情報を前述の方程式で使用し、実際に、供給先装置のプロファイルを生成することができる。この供給先装置プロファイルと要求画像に対して以前算出されている供給元プロファイルを使用し、較正済みの出力をその表示装置上で生成するのに十分な画像データの変形を実行することができる。
【0185】
前述の方法は、バーンズ(Berns)の「CRT色彩測定:第1部「理論と実践」」(CRT Colorimetry. Part I:Theory and Practice)における方程式21などの表示装置を特徴付けるその他の試みとは異なるものである。大部分の特徴付けでは、「k」パラメータを使用し、黒点ではなく、黒のオフセットを表している。黒のオフセットは、RGB=0のディスプレイから計測又は感知される非ゼロの強度を意味している。本発明者らの経験によれば、本発明の実施例によるカラープロファイリングプロセスで使用するコントラスト/輝度調節手順により、この現象の影響が最小化される。但し、コントラスト/輝度調節の後も、非ゼロの黒点が発生する可能性は高く、従って、考慮しておく必要がある。
【0186】
このプロファイルの記述内容は、このフォーマットで使用することも可能であり、或いは、ICCが規定するものなどのフォーマットに変換することもできる。このフォーマットは、マトリックスTRCフォーマットとしても知られており、前述のものに類似の行列と組み合わせた方程式ではなく、R,G及びBの前述の式用の一般的なルックアップテーブルを利用している。前述の情報(例:ガンマ、黒点、及びこれらに類似のもの)は、クライアント14に関連付けられているコンピュータ上のクッキーに保存可能である。この代わりに、ユーザーが選択したパッチのRGB値である個別のデータをクッキーに保存することも可能であり、この場合には、将来、同一の入力情報を利用し、改善されたプロファイル技術を採用することができる。
【0187】
本明細書において説明したシステムを既存のウェブサイトの画像アーカイブ及びHTMLコードベースと共に実装するには、既存のウェブサーバー12を変更し、HTML頁に示されている既存の画像ファイルに対する参照を色補正モジュールを具備する適切なカラー画像サーバ16に対する参照によって置換する。例えば、
http://SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
という既存の加入者画像ファイルの参照を、
http://correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
によって置換するのである。
【0188】
この結果、HTML頁内の変更されたこれらの参照により、カラー画像サーバ16に対して要求画像を提供するためのコマンドが発行される。カラー画像サーバー16は、このコマンドを受信する際に、画像サーバークッキーが存在する場合には、その画像サーバークッキーも共に受信し、色補正を適用するべくクッキー内に格納されている情報を適用する。次いで、カラー画像サーバー16は、関連する画像ファイルを読み取り、画像サーバークッキーに保存されている表示パラメータを利用して固有の表示プロファイルを作成し、クライアントのブラウザに送信する前に、供給元画像を供給先画像に変換する。
【0189】
ウェブサーバー12上に保存されているすべての画像は、加入者カラー画像サーバー16上に存在する同一名の対応するコピーファイルを有することができる。カラー画像サーバー16は、この画像ファイルのデータベースにアクセスし、クライアント14に送信されたHTML頁が参照している画像を読み取り、変換し、送信することができる。一実施例によれば、カラー画像サーバー16は、色管理用の非常に単純で迅速な技法を使用可能である。具体的には、カラー画像サーバー16上のすべての画像は、事前に定義されたRGB色空間を備えていることが好ましい。これは、通常、対応する供給元装置(例:スキャナ、デジタルカメラ、及びこれらに類似のものなど)から特定のウェブサイトに決められている標準的な色空間にオリジナルの画像を変換することを意味している。標準的なRGB色空間の優れた例がColorMatch RGBであり、これはD50の「仮想ディスプレイ」用の色温度を備えている。Adobe RGBなどのその他の色空間も極めて優れた色域を備えているが、その色温度はD65のものである。次のように、クライアント14に送信されたHTML頁上の画像が、ウェブサーバー12に関連付けられているカラー画像サーバ16を介して参照されると、
correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
カラー画像サーバー16は、対応する画像にアクセスし、その画像を供給先クライアントに送信する前にRGBデータをリアルタイムで変換する。この変換は、次の計算に従って実行可能である。
【0190】
【数10】
【0191】
【数11】
【0192】
尚、前述の行列は、処理速度を向上させるべく1つの行列に連結することができる。
【0193】
代替アーキテクチャとして、様々なウェブサイトのすべての画像を中央カラー画像サーバー16に保存することも可能である。このような実施例では、カラープロファイリングサーバー20は、存在してもよいが、カラー画像サーバー16と統合することも可能である。この場合、カラープロファイリングサーバー18は、本明細書において説明したように、カラープロファイリングプロセスのガイダンス用のウェブ頁を提供する。カラー画像サーバ16又はカラープロファイルサーバー18は、供給元及びクライアント14に関連付けられている個別のカラープロファイルを保存するためのデータベースサーバーを含むことができる。
クライアント14が、ウェブサーバー12の中の1つから送信されたコード内にタグで指定されている画像を要求すると、そのクライアントは、中央カラー画像サーバー16にダイレクトされる。カラー画像サーバ16は、クライアントから送信されたクライアントIDを使用して適切なカラープロファイルを取得し、それを適用して本明細書において説明した色補正法を使用し、要求されたカラー画像を変更することができる。この結果、カラー画像サーバ16は、クライアント14とカラー画像サーバー間でクッキー及びこれに類似のものを転送することなく、色補正された画像を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するシステムのブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示すシステムを内蔵するウェブベース環境のブロックダイアグラムである。
【図3】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するプロセスを説明するフローチャートである。
【図4】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供し、ネットワーククライアントに関係する表示装置の色応答をプロファイルするプロセスを説明するフローチャートである。技術者のスキル基準に基づいて入力画像の付加を監督するプロセスを示すフローチャートである。
【図5】ネットワーククライアントに関連した表示装置のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図6】カラーカスタム化されたウェブ頁を提供するシステムを、詳細に説明する為のブロックダイアグラムである。
【図7】ウェブ頁オブジェクトとタグ付き画像のカラーカスタム化を持つウェブ頁を提供するためのプロセスを説明するフローチャートである。
【図8】カラープロファイリングプロセスにおけるマルチチャネルの黒点判定を示すフローチャートである。
【図9】黒点判定の前に、色の表示をアナログ調節するためのウェブ頁の図である。
【図10】特定の色チャネルの黒点を判定するためのウェブ頁の図である。
【図11】カラープロファイリングプロセスにおけるガンマ及びグレーバランスの判定を示すフローチャートである。
【図12】カラープロファイリングプロセスにおける粗ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図13】カラープロファイリングプロセスにおける精細ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図14】カラープロファイリングプロセスにおけるグレーバランスの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図15】図1及び図2に示すシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。
Claims (12)
- コンピュータネットワーク上のクライアントに関連付けられている表示装置の色応答に基づいてスタイルシートを作成するステップと、
前記スタイルシートを前記コンピュータネットワークを介して伝達するステップと、を有する方法。 - 前記表示装置の前記色応答に基づいて前記スタイルシート内の色値を指定するステップと、
ウェブ頁を前記クライアントに伝達するステップと、
前記スタイルシート内の前記色値に基づいて前記ウェブ頁内のオブジェクトの色を設定するステップと、を更に有する請求項1記載の方法。 - 前記オブジェクトの色を設定するステップは、前記ウェブ頁のテキストの色、背景の色、テーブルセルの色、及び領域の色の中の少なくとも1つを設定するステップを有する請求項2記載の方法。
- 前記クライアントに関連付けられている前記表示装置の前記色応答に基づいて前記ウェブ頁内にタグで指定されている画像の色を設定するステップと、
前記タグで指定されている画像を前記クライアントに伝達するステップと、を更に有する請求項2記載の方法。 - 前記表示装置の前記色応答に基づいてカラープロファイルを生成するステップと、
前記カラープロファイルに基づいて前記スタイルシートを作成するステップと、
前記カラープロファイルに基づいて前記画像の色を設定するステップと、を更に有する請求項4記載の方法。 - 前記ウェブ頁を第1サーバーから伝達するステップと、
前記タグで指定されている画像を第2サーバーから伝達するステップと、を更に有する請求項4記載の方法。 - 前記ウェブ頁を第1サーバーから伝達するステップと、
前記スタイルシートを第2サーバーから伝達するステップと、を更に有する請求項5記載の方法。 - カラープロファイリングプロセスにおいて前記クライアントをガイドすることによって前記表示装置の前記色応答を特徴付けるステップと、
1つ又は複数のカラープロファイリングウェブ頁を前記顧客に提供することによって前記カラープロファイリングプロセスにおいて前記クライアントをガイドするステップと、を更に有する請求項1記載の方法。 - 前記カラープロファイリングプロセスの結果を表す情報を格納する前記クライアント用のウェブクッキーを生成するステップと、
前記スタイルシートを伝達するサーバーに前記ウェブクッキーを伝達するステップと、
前記ウェブクッキーの内容に基づいて前記サーバーにおいて前記スタイルシートを作成するステップと、を更に有する請求項8記載の方法。 - 前記ウェブ頁内にタグで指定されている画像を前記クライアントに伝達するステップと、
前記ウェブクッキーの内容に基づいて前記サーバーにおいて前記画像の色を設定するステップと、
前記ウェブ頁を第1サーバーから前記クライアントに伝達するステップと、
前記スタイルシートと前記タグで指定されている画像を第2サーバー上に保存するステップと、
前記タグで指定されている画像を前記第2サーバーから前記クライアントに伝達するステップと、
前記カラープロファイリングウェブ頁を第3サーバーから前記クライアントに伝達するステップと、を更に有する請求項9記載の方法。 - ウェブ頁をコンピュータネットワーク上の複数のクライアントに伝達するステップと、
前記クライアントのそれぞれに関連付けられている表示装置の色応答に基づいて前記ウェブ頁用のカスタマイズされたスタイルシートを作成するステップと、を更に有する請求項1記載の方法。 - 請求項1〜12の中のいずれか一項記載の方法をプログラム可能なプロセッサに実行させる命令を格納するコンピュータ読取り可能な媒体。
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