JP2004534260A - ネットワーク上の表示装置におけるカラー画像の表示精度改良方法 - Google Patents
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Abstract
コンピュータネットワーク上に存在するクライアントに関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報を取得し、この情報を使用してそのクライアントに提供するカラー画像を変更することにより、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善することができる。オンラインオークション及び写真ウェブサイトなどのように、画像を提出する複数のクライアントと画像を受信する複数のクライアントを有するネットワークにおいて表示精度を向上させることができる。情報は、例えば、画像をアップロードする供給元クライアントと画像をダウンロードする供給先クライアントを表示装置の色応答をプロファイリングするカラープロファイリングプロセスにおいてガイドすることにより、取得可能である。例えば、このガイダンスは、クライアントに提供される一連の指示用ウェブページの形態を取ることができる。これらのウェブページは、クライアントから色特徴付けデータを収集できるように対話型にすることができる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像の生成(Color Imaging)に関し、更に詳しくは、表示装置におけるカラー画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの成長に伴い、オンライン小売業者やその他の製品販売業者にとって大きなビジネスチャンスが創造された。既に消費者製品の主要小売業者の大部分は、ワールドワイドウェブ上に商用サイトの構築を完了している。同時に、ウェブサイトの利用により、これまで小規模小売業者が経験していたマーケティング障壁の多くが取り除かれた。更には、小規模小売業者と個人のウェブユーザーの両方にとって、オンラインオークションが人気のある取引形態になっている。いまや、小売業者であれば誰でも、潜在顧客が簡単にアクセスできるように製品情報を掲示し自社製品に対する注文を自動的に取得可能であるといっても過言ではない。
【0003】
それらの製品情報には多数の画像が含まれている。クライアント装置を操作するウェブ顧客は、オンラインの注文書を発行する前に、それらの画像によって製品を参照することができる。物品によっては、ユーザーが「サムネイル」画像をクリックすると、その物品を高解像度のフォーマットで参照可能なものも存在する。しかしながら、多くの場合に、それらの画像の品質が大きな懸念材料となる。特に、色が主なセールスポイントとなっている製品の場合、色の精度が非常に重要になるのである。
【0004】
例えば、衣料品の小売業者の場合には、セーターの画像は実際の色と可能な限り同一でなければならない。ところが、残念ながら、色の出力特性は表示装置ごとに大きく異なる。赤、緑、及び青(RGB)のピクセル値のレンダリング及び表示方法は、陰極線管(CRT)又はフラットパネルディスプレイ、ビデオカード、ドライバソフトウェア、及びオペレーティングシステムによって総合的に決定されるが、システムごとに、これらが大きく異なるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この結果、ワイン色に表示されたセーターを注文したオンライン顧客のところに明るい赤のセーターが届くことになる。現実に、この色精度の不良が、オンライン顧客による購入品返品の大きな原因となっている。更には、これに不満を持った顧客は、その小売業者のウェブサイトを二度と訪問しなくなるであろう。場合によっては、オンライン販売に対する取り組みによって販売業者が獲得した利点が、この問題によって相殺されてしまい、継続的な投資が停滞することにもなり得るのである。
【0006】
同時に、この色精度の問題は、小売業者以外の人々による画像の交換においてもその重要性を増している。写真愛好家達は、写真画像の生成と共有を促進する新たに出現したデジタル写真撮影法及びウェブサイトの両方を歓迎している。そして、必然的な従来の写真撮影法との比較により、デジタル写真家達は、色精度の向上を求めているのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、色の出力特性が異なる表示装置を備えたコンピュータネットワークにおけるカラー画像表示精度の改善に関するものである。具体的には、本発明は、画像を提出する複数のクライアントと画像を受信する複数のクライアントを備えたネットワークにおけるカラー画像の表示精度の向上に有用なものである。
【0008】
複数のクライアントが画像を中間サーバーにアップロードすると共に、複数のクライアントがそれらの画像をサーバーからダウンロードする環境においては、色の精度を確保することが難しい。この状況では、様々なアップロードクライアントとダウンロードクライアントに関連付けられている表示装置が非常に異なる比色分析特性(colorimetric characteristics)を備えているからである。
【0009】
従って、本発明の実施例に中には、画像転送プロセスの両端における色精度問題に関連したプロセスに特に有用なものが存在する。例えば、オンラインオークションや写真撮影のウェブサイトでは、表示装置の違いにより、画像を提出する供給元クライアントと画像を受信する供給先クライアント間に、カラー画像の精度の差があるという問題が発生する。オークションと写真撮影のウェブサイトは、色に対する懸念がプロセスの供給元と供給先の両端において発生する状況の例である。
【0010】
一例として、オンラインオークションの場合、画像の色精度が懸念材料となる。ガラス製品から手工芸品にまで及ぶ広い範囲の物品を売り手が掲示するオークションでは、物品を正確に表す画像を提供することが重要なセールスポイントとなっている。しかしながら、小売サイトの場合と同様に、それらの画像の色精度は、買い手のディスプレイシステム間の違いによって劣化する。更には、様々な売り手の表示及び画像キャプチャシステム間の違いによって精度問題が更に悪化することになる。オンラインオークションの場合には、小売サイトと異なり、画像の生成ソースが、1つではなく、数千もの通常匿名の売り手から構成されるからである。
【0011】
同様の画像の色精度問題は、オンラインの写真共有及び生成サイトでも発生する。例えば、家族や友人が参照できるようにウェブサイトに写真を掲示するアマチュア写真家は、様々な表示及び画像キャプチャシステムを備えている。同時に、家族や友人が写真にアクセスするのに使用する表示装置も大きく異なる。この結果、写真家と家族/友人が参照する色が大きく異なることになる。相対的にその重要性は低いとはいえ、アマチュア写真の場合にも、色の精度は非常に望ましいものである(特に、供給元クライアントがオンライン写真の表示形態を編集可能なウェブサイトの場合)。通常、オンライン写真共有サイト及びオンラインオークションサイトは、表示特性が画像の入力端と出力端で大きく異なる双方向の較正問題の代表的な例である。
【0012】
掲示された画像を1つの小売業者が制御している大部分の小売サイトとは異なり、オークションや写真撮影のサイトの場合、複数の供給元から画像を受信する(その際に一緒に受信する画像又はクライアントの比色分析特性は、存在したにしても非常にわずかなものである)。この結果、色はオークションサイトにおける購入の決定に極めて重要であり、写真の共有にとっても重要なものであるにも拘らず、色精度問題が更に悪化することになる。
【0013】
一実施例において、本発明は、コンピュータネットワークを介した供給元クライアントからのカラー画像の受信と、コンピュータネットワークを介した供給先クライアントへのカラー画像の伝達に関連する方法を提供する。カラー画像は、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいて変更される。
【0014】
別の実施例においては、本発明は、プログラムコードを格納するコンピュータ読取り可能な媒体を提供し、このプログラムコードによって、プログラム可能なプロセッサは、コンピュータネットワークを介して供給元クライアントからカラー画像を受信し、そのカラー画像をコンピュータネットワークを介して供給先クライアントに伝達し、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。
【0015】
更なる実施例において、本発明は、ネットワークサーバーとカラー画像サーバーを有するシステムを提供する。ネットワークサーバーは、供給元クライアントからカラー画像を受信し、そのカラー画像を供給先クライアントに伝達する。カラー画像サーバーは、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。
【0016】
実施例の中には、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答にのみ基づいてカラー画像を変更するものも存在する。その他の実施例においては、供給元クライアントと供給先クライアントの両方に関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。いずれの場合にも、供給元クライアントの特性に基づいてカラー画像を変更し標準的な色条件の中間画像を生成することができる。そして、供給先クライアントが画像を要求した際に、その供給先クライアントの比色分析特性に基づいてカラー画像を標準的なカラー条件から変更することができる。
【0017】
本発明は、特定の実施例においていくつかの利点を提供することができる。本発明は、画像を中間サーバーにアップロードする供給元クライアントと画像をダウンロードする供給先クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析的な特徴付けを提供することができる。カラープロファイリングサーバーを提供し、カラープロファイリングプロセスにおいて様々なクライアントをガイドすることができる。このカラープロファイリングプロセスで各クライアントについて取得した情報を色補正サーバーにアップロードし、これを使用して、写真を参照する友人や家族、或いはオークションの入札者などの供給先クライアントにダウンロードする画像の色を変更することができる。即ち、本発明は、供給元及び供給先クライアント用の正確で一貫性のある色表示を円滑に実行する中間サーバーを使用し、双方向の較正を提供しているのである。実施例の中には、カラーサーバーにおいて(或いは、供給先クライアントにおいて)色の変換を実行可能なものも存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善するシステム10のブロックダイアグラムである。このコンピュータネットワークは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又は、ワールドワイドウェブなどのグローバルコンピュータネットワークの形態を取ることができる。図1に示されているように、システム10には、ネットワークサーバー12、供給元クライアント14、供給先クライアント16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20が含まれている。
【0019】
ネットワークサーバー12はウェブサーバーであってよく、供給先供給元及び供給先クライアント14に対して、カラー画像などのグラフィックコンテンツを内蔵するウェブページへのアクセスを提供する。ウェブページに内蔵されるカラー画像の中には、ネットワークサーバー12に保存可能なものも存在するが、その他のカラー画像は、カラー画像サーバー18に保存し、ウェブページに埋め込まれたタグによって参照することができる。
【0020】
画像の中には、供給元クライアント14からネットワークサーバー12及び/又はカラー画像サーバー18にアップロード可能なものも存在している。ネットワークサーバー12には、低解像度のカラー画像、並びに色が重要ではない画像を保存することができる。高解像度のカラー画像と色が重要な画像は、カラー画像サーバー18に保存可能である。供給元クライアント14は、カラー画像をネットワークサーバー12、カラー画像サーバー18、又はこれらの両方にアップロードする多数の供給元クライアントの中の1つであってよい。これらのカラー画像は、例えば、供給元クライアントがオークション物品の売り手であるオンラインオークションプロセスの一部としてアップロード可能である。
【0021】
画像は、供給先クライアント16がダウンロードするが、この供給先クライアントは、ネットワークサーバー12からは画像及びウェブページを、カラー画像サーバー18からは画像をダウンロードする多数の供給先クライアントの中の1つであってよい。一例として、供給先クライアント16は、供給元クライアントの中の1つが掲示したオークション物品に入札を行うクライアントであってよい。この場合には、例えば、その物品が特定の品質や色の特性を備えていることを実証するために、物品のカラー画像がセールスポイントとして重要になる。ワールドワイドウェブ上のオンラインオークションの周知の例とては、www.ebay.comを挙げることができる。
【0022】
別の例として、供給元クライアントは、保存、印刷、及びその他の人々との共有のためにデジタルカラー写真をアップロードするアマチュア又はプロの写真家であってよい。アマチュア写真家の場合には、供給元クライアント14は、供給先クライアント16として示されている友人や家族が参照できるようにデジタル写真を掲示可能である。プロの写真家が掲示した写真は、顧客が参照するべく提供される。これらの写真は、デジタルカメラ、或いは従来の写真のデジタルスキャンから生成されたものであってよい。ウェブ上の商用写真サイトの例としては、ofoto.comとshutterfly.comを挙げることができる。
【0023】
前述の例のそれぞれにおいては、潜在的に多数の、カラー画像をアップロードする供給元クライアント14と画像のダウンロードと参照を要求する供給先クライアント16が存在している。しかし、残念ながら、供給元クライアントと供給先クライアントが使用している表示装置は比色分析応答が大きく異なっている。この結果、供給元クライアント14の表示装置上に表示された際に満足なものに見えるカラー画像が、供給先クライアントに関連付けられている表示装置のいずれかにおいて表示された際には、不満足なものに見えることになる。この相違は、供給先の側における比色分析的な違いだけでなく、供給元の側におけるそれぞれの画像の比色分析的な違いにも起因するものである。多くの場合、供給元クライアント14も、供給先クライアント16として機能することができ、この逆も同様である。
【0024】
本発明の一実施例によれば、画像をアップロードする供給元クライアント14と画像のダウンロードを要求した供給先クライアント16に関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づき、カラー画像が変更される。この結果、比色分析的な違いがプロセスの両端において補償され、優れた精度を提供することができる。必要な比色分析応答情報を取得するべく、本発明においては、供給元及び供給先クライアントのそれぞれについてカラープロファイリングプロセスを実行する。オークションサイトと写真サイトの例以外にも、本発明は、一端に位置する多数の供給元クライアントと他端に位置する多数の供給先クライアント間における、ネットワークサーバーを介した画像の双方向転送を必要とする様々なプロセスに有用である。
【0025】
更に図1を参照すれば、カラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16用のカラープロファイリングプロセスを実行することができる。カラープロファイリングプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられた表示装置の比色分析応答を特徴付ける情報を生成する。この各クライアント14、16の情報は、カラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達可能である。一実施例においては、この各クライアント14、16の情報は、その個別のクライアントにダウンロードされるカラープロファイルクッキーに保存される。
【0026】
供給元クライアント14は、まずネットワークサーバー12とやり取りし、例えば、オンラインオークション又は写真サイトにアップロードする画像又は画像の組に関する情報を伝達する。そして、供給元クライアント14は、画像をネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18にアップロードすることができる。一実施例においては、供給元クライアント14は、画像をカラー画像サーバー18にアップロードし、ネットワークサーバー12は、そのアップロードされた画像を参照するウェブページを保存する。画像を初めてアップロードする際に、供給元クライアント14をカラープロファイルサーバー20にリダイレクトし、比色分析応答情報を取得するためのカラープロファイリングプロセスを完了することができる。
【0027】
供給元クライアント14が画像のアップロードを要求すると、カラー画像サーバー18は、まず、供給元クライアント14がカラープロファイリングクッキーをアップロードしているかどうかを判定する。アップロードしている場合には、通常、カラープロファイリングプロセスを繰り返す必要はない。クッキーには、供給元クライアントの表示装置の比色分析応答を特徴付けるパラメータ情報を格納することができる。この場合、カラー画像サーバー18は、クッキーの内容を抽出し、供給元クライアント用のカラープロファイル(即ち、供給元プロファイル)を準備する。この代わりに、カラープロファイルサーバー20において、事前にカラープロファイルを算出し、カラープロファイリングプロセスの終了時点で供給元プロファイルクッキーに追加することも可能である。
【0028】
このパラメータ情報、或いは事前に算出されたカラープロファイルには、推定された黒点、ガンマ、及びグレーバランスに関する情報が含まれている。結果的に生成される供給元プロファイルは、カラー画像サーバー18がアクセス可能なデータベースに保存し、供給元クライアント14がアップロードした関連する画像に関連付けることができる。この代わりに、供給元プロファイルを関連する画像ファイルに埋め込んだり、添付したり、或いは、含めたりすることも可能である。いずれの場合にも、必要な色の変更をレンダリングするべく、カラー画像サーバー18は供給元プロファイルに容易にアクセス可能である。
【0029】
供給先クライアントが初めてカラー画像をダウンロードしようとする場合にも、同様のカラープロファイリングプロセスを完了させることができる。供給先クライアント16がネットワークサーバーを介してアクセスしたウェブページにカラー画像サーバー18上に保存されている画像が含まれている場合には、供給先クライアントは、カラー画像サーバーとやり取りする。そして、供給先クライアント16からの供給先プロファイルクッキーをカラー画像サーバー18が検出できない場合には、供給先クライアントはカラープロファイルサーバー20にリダイレクトされる。カラープロファイルサーバー20によってカラープロファイリングプロセスが遂行されるが、このプロセスは、供給元クライアント14用のカラープロファイリングプロセスと実質的に類似のものであってよい。
【0030】
カラープロファイリングプロセスが完了した後に、カラープロファイルサーバー20は、比色分析応答パラメータを供給先プロファイルクッキーに追加し供給先クライアント16にダウンロードする。この代わりに、カラープロファイルサーバー20は、供給先プロファイルを生成しクッキーに内蔵することも可能である。この時点以降、ネットワークサーバー12に対してウェブページを要求し、そのページ内にカラー画像サーバー18上に存在しているカラー画像が含まれている場合には、供給先クライアント16は、このクッキーをカラー画像サーバー18にアップロードする。カラー画像サーバー18は、この供給先プロファイルクッキーから比色分析応答情報を抽出する。
【0031】
次いで、カラー画像サーバー18は、要求された画像、及び関連する供給元プロファイルを取得する。そして、カラー画像サーバー18は、それらの関連する供給元及び供給先プロファイルを使用し、カラー画像に対する変更を生成する。実施例の中には、カラー画像サーバー18が、最初に供給元プロファイルを使用して画像を標準的な色設定に変換しておき、その後、供給先クライアント16がその画像に対するアクセスを要求した際に、その標準的なカラー画像を供給先プロファイルに基づいて変換できるものも存在する。この変更においては、供給元クライアント14に関連付けられている表示装置と供給先クライアント16に関連付けられている表示装置間の比色分析応答の違いを補償するべく、カラー画像ファイルの色値(color values)が変更される。この結果、供給先クライアント16によって表示された画像の色が、元々供給元クライアント14によって表示された画像の色と正確に一致するようになる。実施例の中には、例えば、標準的な画像と色変換テーブルを供給先クライアントにダウンロードすることにより、供給先クライアント16において色変換を実行可能なものも存在する。
【0032】
ネットワークサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20のそれぞれは、各装置にローカルに存在するコンピュータ読取り可能な媒体に保存されているか、或いは遠隔地から伝送されるプログラムコードを実行する。例えば、クライアント14の場合には、プログラムコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)に存在し、クライアントコンピュータは、このプログラムコードにアクセスし実行する。このプログラムコードは、クライアント14に関連付けられた固定ハードディスクやリムーバブル媒体のドライブなどの別の記憶装置からメモリ内に読み込むことができる。
【0033】
プログラムコードは、当初、例えば、磁気、光、光磁気、或いは、その他のディスク又はテープ媒体などのコンピュータ読取り可能な媒体、或いは、EEPROMなどの電子媒体上に格納することができる。この代わりに、プログラムコードは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又はインターネットなどのグローバルネットワークなどを介して遠隔地のデータアーカイブから伝送し、これらの媒体内に読み込むこともできる。これらのコードのかなりの部分は、個別の装置に送信され、サーバー又はブラウザアプリケーションによって実行されるウェブページコードである。
【0034】
ネットワークサーバー12が生成するウェブページコード(例:ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)や拡張マークアップ言語(XML)など)には、カラー画像サーバー18などに保存されている特定のカラー画像をポイント(アドレス指定)する画像タグが含まれている。ネットワークサーバー12が提供したウェブページにクライアント14がアクセスし、HTMLを実行してページのコンテンツをアセンブルすると、カラー画像サーバー18に対してアクセスされ、ウェブページコード内にタグで指定されている画像が取得される。従って、クライアント14用にアセンブルされたウェブページのコンテンツには、ネットワークサーバー12やカラー画像サーバー18などのシステム10が占有するネットワーク内の様々なリソースから取得したオブジェクトが含まれることになる。
【0035】
実施例の中には、ネットワークサーバー12とカラー画像サーバー18を統合可能なものも存在する。しかしながら、図1の例においては、カラー画像サーバー18とネットワークサーバー12はそれぞれ別個に存在している。ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18は、それぞれデータベースサーバー及びファイルサーバーとやり取りして、クライアント14に提供するべく選択されたカラー画像にアクセスすることも可能である。又、運用においては、1つ又は複数の共通ファイル及びデータベースサーバーにアクセスする複数のネットワークサーバーの中の1つにより、ネットワークサーバー12を実現することもできる。
【0036】
クライアント14、16は、ユーザーによるシステム10のリソースへのアクセスとそれらのリソースから取得したカラー画像の表示を可能にする様々な装置の形態を取ることができる。クライアント14、16の例としては、Windows(登録商標)、Macintosh、Unix(登録商標)、又はLinux環境で稼動するデスクトップ又はポータブルコンピュータ、小型のポータブル装置用のPalm、Windows(登録商標) CE、又は類似のオペレーティングシステム環境に基づいた携帯情報端末(PDA)、携帯電話、インターネットアクセス用のセットトップボックスを有する対話型テレビ、公衆用のインターネットキオスク、並びに将来登場するであろうインターネット機器やその他の消費者用の電子装置が含まれる。
【0037】
それぞれのクライアント14、16は、ウェブブラウザなどのグラフィカルな表示アプリケーションを実行し、システム10に付加されているネットワークサーバー12やカラー画像サーバー18などのその他のリソース上に存在するリソースにアクセス可能なものが好ましい。ウェブブラウザ・アプリケーションにより、クライアント14、16に関連付けられているユーザーは、ネットワークサーバー12が生成するウェブページとカラー画像サーバー18が提供する画像を容易に参照することができる。情報がユーザー対話型のフォーマットで提示されている場合には、その他のユーザーインターフェイスのアプリケーションもネットワークサーバー12へのアクセスにおいて有用であろう。
【0038】
実施例の中には、静止画像に加え、色補正済みのビデオ画像を提供するようにカラー画像サーバー18を構成可能なものも存在する。この場合には、カラー画像サーバー18は、要求に応じてビデオ補正を算出するか、或いは様々なカテゴリのクライアント装置用にそれらを事前に算出しておくように構成することができる。MPEGクリップやストリーミングビデオなどのビデオの場合も、個別のクライアント14、16に関連付けられている表示装置の影響について補償しなければ、同様の色精度問題の影響を受けることになる。従って、本発明の実施例の中には、放送のようなビデオコンテンツに特に有用なものも存在する。例えば、オンラインオークションのコンテンツの場合、物品の画像の移動、ズーム、回転、或いは使用中又はモデルを伴う物品の表示が望ましい場合がある。写真サイトの場合にも、供給元クライアント14がビデオ画像のアップロードを希望することがある。
【0039】
いずれの場合にも、供給元及び供給先クライアント14、16には、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18から取得したカラー画像を表示するための陰極線管やフラットパネル・ディスプレイなどの表示装置が含まれている。その他のタイプのディスプレイ、並びに電子ペーパーなどの動的な表示媒体も考えられる。ネットワークサーバー12、クライアント14、16、及びカラー画像サーバー18間の通信は、TCP/IPなどの従来のネットワークプロトコルを使用して実現可能である。
【0040】
PDAや携帯電話などの前述のクライアント装置の中には、現時点では、比較的低品質のカラーディスプレイしか内蔵していないものも存在するが、近い将来、それらの装置も、高品質のカラーディスプレイを採用するものと予想される。従って、システム10は、PDA、携帯電話、及び類似の装置によって表示されるカラー画像品質の改善にも将来容易に適用できることになろう。
【0041】
一例として、ネットワークサーバー12は、オークション用に掲示された物品に関連付けられたウェブページを提供することができる。この例の場合、ネットワークサーバー12が提供するウェブページには、オークションに提供された物品に関する説明情報、その価格、及びオンライン顧客が参照するための物品のカラー画像を格納することができる。これらのカラー画像の中には、カラー画像サーバー18に保存された高解像度の画像をポイントするハイパーリングと共に配置された低解像度の「サムネイル」画像を構成するものも存在している。供給先クライアント14、16は、ネットワークサーバー12によって提供されたコードをブラウザアプリケーション内で実行し、ウェブページをアセンブルして表示する。
【0042】
クライアント14、16に関連付けられているユーザーが、マウスやトラックボール、或いはペンなどのポインティング装置によってサムネイル画像の中の1つをクリックすると、クライアント14は、カラー画像サーバー18にアクセスし、ウェブページコード内に埋め込まれた画像タグで指定されている高解像度のカラー画像を取得する。カラー画像サーバー18は、この高解像度のカラー画像を優れた色精度で表示できるよう、関連する取得した供給元及び供給先クライアント14、16用の比色分析情報に基づいてそのカラー画像を変更する。
【0043】
特筆すべきことに、それぞれの画像は、通常、1つの供給元クライアント14(即ち、その画像を掲示したクライアント)と(従って、1つの供給元プロファイルと)関連付けられることになる。しかしながら、その画像をダウンロードする可能性のある供給先クライアント16は多数に上り、多数の潜在的な供給先装置プロファイルが提示されることになる。従って、画像の変更においては、カラー画像サーバー18は、通常、1つの供給元クライアント14に対応する供給元プロファイルと、様々な供給先クライアント16に対応する複数の潜在的な供給先プロファイルの中の1つを参照することになる。
【0044】
供給先クライアント16が、画像を要求し、供給先プロファイルクッキーを提供すると、カラー画像サーバー18は、供給先プロファイルを抽出すると共に、画像に関連付けられている供給元プロファイルを取得し、必要な色変更をカラー画像に適用する。そして、カラー画像サーバー18は、変更済みの画像を供給先クライアント16に提供する。この代わりに、カラー画像サーバー18は、以前供給元プロファイルを使用して標準的な条件に補正済みの画像にアクセスし、供給先プロファイル情報を適用して供給先クライアント16に関連付けられている表示装置用の正確なカラー画像を生成することも可能である。
【0045】
このカラープロファイリングプロセス(従って、色精度の改善)は、供給元クライアント14及び供給先クライアント16の両方にとって任意選択であってよい。物品の中には、色精度が重要ではないものも存在する。供給先クライアント16がカラー画像サーバー18のカラー画像にアクセスした際に、精度が劣る既定の色設定を有するバージョンの画像を参照するか、或いは、カラープロファイリングプロセスの結果に基づいて変更済みの正確なカラー画像を参照するか、という選択肢を供給先ユーザーに提示することができる。
【0046】
カラー画像サーバー18が供給先クライアント16に最初に提供するカラー画像は、カラープロファイリングプロセスを開始するための1つ又は複数のハイパーテキストリンクと共に、ウェブページ内に埋め込むことができる。適切なリンクを選択することにより、供給先クライアント16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りし、カラープロファイリングプロセスを実行する。リンクを選択しない場合には、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18による色変更の利益を享受することなく、単純に既定の画像を参照する。供給先クライアント16は、画像と共に、その画像にカラープロファイリング及び補正が適用されているかどうかに関する標識を表示することも可能である。この標識はアイコンの形態を取ることができる。
【0047】
ユーザーがハイパーテキストリンクをクリックしてカラープロファイリングプロセスを開始すると、クライアント16は、ユーザーに対して一連の指示用のウェブページを提供するべくカラープロファイルサーバー20にアクセスする。カラープロファイルサーバー20が提供するそれらのウェブページにより、ユーザーは、クライアント16に関連付けられた特定の表示装置の比色分析応答特性を推定するべく設計されたいくつかのステップにおいてガイドされる。
【0048】
このプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー20は、実行された際にカラープロファイル情報を格納するクッキーを生成するコンテンツを有するウェブページを提供する。このクッキーは、そのカラー画像、並びにその時点以降にアクセスするカラー画像の変更に使用するべく、カラー画像サーバー18にアップロードされ、それにより、クライアント16に関連付けられている表示装置上に高品質のカラー出力を生成することができる。
【0049】
カラープロファイリングは、供給元クライアントにとっても任意選択であってよい。供給元クライアント14は、画像をアップロードする際に、その画像を当初の状態のままで掲示するか、或いは色補正済みの状態で掲示するかを選択することができる。この結果、供給元クライアント14と関連付けられているユーザーは、色精度の改善が必要かどうかを選択することができる。実施例の中には、オークション又は写真サイトの管理者が、供給元クライアント14又は供給先クライアント16のいずれか、或いは両方に、料金を課金することを選択できるものも存在する。
【0050】
ネットワークサーバー12は、供給元クライアントがオークション用の新しい物品、或いは新しい写真又は写真の組を提出する際に、供給元クライアント14に対してカラープロファイリングオプションを提示することができる。色精度の改善が望ましい場合には、供給元クライアント14は、そのオプションを選択し、カラープロファイリングプロセスを実行する。即ち、供給元クライアント14は、ネットワークサーバー12を介してカラープロファイルサーバー20にダイレクトされることになる。
【0051】
カラープロファリング情報を取得するその他の技法には、ユーザーによるカラー画像サーバー18との直接的なやり取りを必要としないものも存在する。代わりに、ユーザーは、自発的にウェブサイトを訪問し、カラープロファイリングを実行するのである。このウェブサイトは、カラープロファイルサーバー20が提供するか、或いはカラープロファイルサーバーと同一のドメイン内に存在するものであってもよい。この代わりに、ユーザーは、ダウンロードしたり、或いは彼らに物理的に提供されたソフトウェアを実行することにより、彼らの個別のクライアント14、16に関連付けられている表示装置をプロファイリングすることも可能である。
【0052】
図2は、図1に示されているシステムを内蔵するウェブ環境21のブロックダイアグラムである。この図2の例では、ウェブ環境は、オークションサーバー22を含んでおり、このサーバーは、ワールドワイドウェブ24を介してオンラインオークションプロセスをサポートするウェブページを提供することができる。このウェブ環境21には、いくつかの供給元クライアント141〜14Nも含まれている。それぞれの供給元141〜14Nは、例えば、オークション物品の売り手を表している。ウェブ環境21内には、いくつかの供給先クライアント161〜16Nも存在している。供給先クライアント161〜16Nの多くも供給元クライアントとして機能することができ、この逆も同様である。換言すれば、オークション物品の画像をダウンロードするクライアント16の中には、彼ら自身のオークション物品をアップロードする者も存在するということである。
【0053】
カラー画像サーバー18は、オークションサーバー22によって提供されたウェブページが参照している画像を提供する。カラープロファイルサーバー20は、ワールドワイドウェブ24を介してウェブページを供給元クライアント141〜14Nと供給先クライアント161〜16Nに提供することにより、カラープロファイリングプロセスをガイドする。そして、カラープロファイルサーバー20は、供給元クライアント141〜14N及び供給先クライアント161〜16Nから取得した比色分析情報を(例えば、供給元及び供給先プロファイル又はパラメータ情報として)カラー画像サーバー18にワールドワイドウェブ24を介して送信する。すると、カラー画像サーバー18は、実行すると情報を格納するクッキーを生成するウェブページを供給元クライアント141〜14N及び供給先クライアント161〜16Nに送信する。この結果、その比色分析情報が、将来のカラー画像のダウンロード又はアップロードにおいて使用可能となる。
【0054】
図3は、図1及び図2に示されているコンピュータネットワークにおいてカラー画像表示精度を改善する方法を示すフローチャートである。図3に示されているように、この方法には、供給元クライアント14と関連付けられている表示装置においてカラー画像を調節するステップが含まれている(24)。供給元クライアント14は、画像をカラー画像サーバー18にアップロードする(26)。又、供給元クライアント14は、カラープロファイリングプロセスを実行する(28)。
【0055】
カラープロファイルサーバー20は、このカラープロファイリングプロセスにおいて供給元クライアント14をガイドする。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すると、一実施例においては、カラープロファイルサーバー20又はカラー画像サーバー18が供給元プロファイルを生成する(30)。カラー画像サーバー18は、供給元プロファイルが格納された供給元プロファイルクッキーを生成するウェブページを提供する(32)。尚、この図3に示されている各ステップの順序は変化してもよい。例えば、画像のアップロードの前に、カラープロファイリングプロセスを配置することができる。
【0056】
特に、カラープロファイリングプロセスは、画像の調節ステップの前に配置したり、或いは、この調節ステップを内蔵することも可能である。この調節ステップでは、標準的な設定(即ち、輝度とコントラストの観点における設定)に供給元クライアントの表示装置を初期化すると共に、これに続いて、市販の画像編集ツールを使用して画像を操作し、供給元クライアントユーザーにとって許容可能な表示状態を実現することができる。カラープロファイルサーバー20は、輝度とコントラストを標準的な設定レベルに調節するようにユーザーに対して指示するウェブページを提供可能である。このステップは、ユーザーにとって任意選択のものであってよく、実施例の中には、これを必要としないものも存在する。
【0057】
画像は、供給元クライアントユーザーによって、jpeg、gif、又はpngなどのブラウザで表示可能なフォーマットで編集されるか、或いは、これらのフォーマットに変換されることが好ましい。この代わりに、画像は、プラグインを介してブラウザで表示可能なフォーマットであってもよい。いずれの場合にも、ユーザーは、オークション物品の実際の見え方と正確に一致していると自分が考える表示状態、或いは写真の望ましい表示状態に画像を編集する。次いで、ユーザーは、ブラウザ内にその画像を表示し、正確性の観点でその画像をレビューする。そして、ブラウザに表示された画像がユーザーにとって許容可能なものでなかった場合には、ユーザーは画像編集ツールに戻ることになる。画像編集ツールの例としては、カリフォルニア州サンノゼに所在するアドビシステムズ社(Adobe Systems, Inc. of San Jose, California)から市販されているAdobe Photoshop又はAdobe Photodeluxeソフトウェア、並びにワールドワイドウェブなどのネットワークを介してアクセスするオンライン写真編集ツールが含まれる。
【0058】
画像を再度編集した後に、ユーザーは再びブラウザに戻ることになるが、ユーザーは、ブラウザにおいて許容可能な表示状態が実現するまで、このプロセスを反復可能である。前述の任意選択の標準的な輝度及びコントラスト設定と共に、画像の表示状態が供給元クライアントユーザーにとって許容可能で希望どおりのものになれば、その画像をカラー画像サーバー18にアップロードする。供給元プロファイルクッキーが存在する場合には、供給元クライアント14は、そのクッキーもアップロードする。一方、クッキーが存在しない場合には、供給元クライアントユーザーはカラープロファイリングプロセスに入る。
【0059】
従って、アップロードされた画像には、表示装置を特徴付ける比色分析情報は含まれていない。しかしながら、この画像は、任意選択の標準的な表示装置設定(例:輝度及びコントラスト)を有するブラウザで参照した際に供給元クライアントユーザーにとって許容可能なカラーコンテンツを表している。カラープロファイリングプロセスは、この供給元クライアントの表示装置の出力を特徴付ける比色分析情報を取得するべく機能する。この場合、カラープロファイリングプロセスは、黒点、ガンマ、及びグレーバランスなどの比色分析特性に関する情報を供給元クライアントユーザーから取得するべく設計された一連のウェブページを提供する。
【0060】
図4は、供給先クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。供給先クライアント16が画像のダウンロード要求を行った際に(34)、カラー画像サーバー18は、カラープロファイルサーバー20へのリダイレクト(即ち、ハイパーリンク)を提供可能である。図4に示されているように、カラープロファイルサーバー20は、供給先クライアントのプロファイリングプロセスを実行するための一連のウェブページを提供する(36)。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、プロファイリングプロセスから取得された情報を格納する供給先プロファイルの生成(38)と、供給先プロファイルクッキーの生成(36)を実行する。この情報は、カラープロファイルサーバーからカラー画像サーバー18に対して伝達することができる。そして、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18から受信したウェブコードに応答し供給先プロファイルクッキーを生成可能である(40)。
【0061】
図5は、色精度を改善するべくカラー画像を変更するプロセスを示すフローチャートである。カラープロファイリングプロセスを既に完了している供給先クライアント16が画像のダウンロードを要求すると、カラー画像サーバー18は、その画像に関連付けられている供給元プロファイルを取得し(42)、供給先クライアントがアップロードした供給先プロファイルクッキーから供給先プロファイルを抽出する(44)。この場合にも、色の変更は任意選択であってよい。次いで、カラー画像サーバー18は、供給元プロファイル及び供給先プロファイルに基づき、要求された画像の色特性を変更する(46)。そして、カラー画像サーバー18は、変更済みの画像を供給先クライアント16にダウンロードし(48)、この結果、供給元及び供給先クライアントが参照する画像間の色の精度が改善される。
【0062】
ネットワークサーバー12、クライアント14、16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間のやり取りは、クライアントに提供されたウェブページコードを実行することによって行われる。この方法は、クライアント14、16に関連付けられているエンドユーザーにとって非常に便利である。同時に、カラー画像サーバー18にとっても、個別のユーザーごとに色情報を保持し、且つ新しい画像がアップロード又はダウンロードされるたびにその情報を呼び出す必要がない。代わりに、それらの情報は、供給元クライアント14がカラー画像をアップロードしたり、或いは供給先クライアント16が要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー18にアップロード可能である。
【0063】
図6は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。以下に説明するこの図6のカラープロファイリングプロセスは、純粋に模範的なものであって、本発明を限定するものではなく、様々に実施可能である。図6に示されているように、供給元クライアント14又は供給先クライアント16用のカラープロファイリングプロセスでは、表示装置の標準的な設定への初期化を実行可能である(50)。次いで、このプロセスでは、表示装置の黒点の推定値を判定する(52)。この黒点の推定値は、後述するように、マルチチャネルの黒点推定値であってよい。
【0064】
黒点推定値を判定したら、このプロセスでは、表示装置のガンマの推定値を取得する(54)。このガンマは、緑チャネルに限定したものであってよい。次に、このプロセスでは、表示装置のグレーバランスを判定する(56)。このクレーバランスの推定では、緑チャネルをロック(固定)することができるが、これは、グレーバランスを判定するべく赤−青をシフトさせる一方で、ガンマ推定からの緑限定のガンマを一定に保持するという意味である。
【0065】
黒点、ガンマ、及びグレーバランスの推定を完了したら、カラープロファイルを生成する(58)。このカラープロファイルには、表示装置の黒点、ガンマ、及びグレーバランスを表す情報が格納される。そして、このカラープロファイル、又はこのカラープロファイルの形成に有用なパラメータをウェブクッキー内に読み込むことができる(60)。このウェブクッキーは、将来、別の画像をアップロード又はダウンロードする際にアップロードするべく、その個別のクライアント14、16が保存する。
【0066】
図6を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するべく、クライアント14、16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りする。カラープロファイルサーバー20は、一連のウェブページをクライアント14、16に対して提供する。それぞれのウェブページは、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいてユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブページには、ユーザーから表示装置の黒点の推定値を抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれる。
【0067】
一実施例においては、黒点の推定値は、複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブページには、粗ガンマ(coarse gamma)、精細ガンマ(fine gamma)、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれている。具体的には、それぞれのウェブページは、クライアント14からカラープロファイルサーバー20に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。必要な情報の収集が完了すれば、カラープロファイルサーバー20は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、それをクライアント14に提供する。
【0068】
図7は、複数の供給元クライアントからアップロードされると共に、複数の供給先クライアントにダウンロードされる画像用の色補正方式を示すブロックダイアグラムである。図7に示されているように、カラー画像サーバー18は、色補正モジュール(即ち、カラー画像サーバー上で稼動するソフトウェアプロセス)を含んでいる。所与の供給元カラー画像64について、色補正モジュール62は、関連する供給元クライアントプロファイル66を取得する。供給元クライアントプロファイル66は、データベースに保存したり、或いは供給元カラー画像64に埋め込むことができる。色補正モジュール62は、供給先クライアントプロファイル68も取得するが、これは、画像を要求した供給先クライアント16がアップロードした供給先プロファイルクッキーから抽出可能である。
【0069】
次いで、色補正モジュール62は、供給元クライアントプロファイル66及び供給先クライアントプロファイル68に基づき、供給元カラー画像64に対する適切な色補正を生成する。この結果、色補正モジュール62は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられている表示装置間の比色分析的な違いが補償された供給先カラー画像70を生成する。そして、色補正モジュール62は、関係する供給先クライアント16に、この画像をダウンロードする。このプロセスは、色の精度が望ましい各供給元カラー画像64について反復される。
【0070】
図8は、色補正の料金を算出するプロセスを示すフローチャートである。カラープロファイリング及び色補正のプロセスは、任意選択であってよい。実際に、カラープロファイリングと色補正は、例えば、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に対する上級のサービスとして有料で提供することができる。供給元及び供給先クライアント14、16は、標準的なサービスとして(或いは、安価な料金で)未補正の画像を取得することができる。画像の中には、色補正が供給元及び供給先クライアント14、16にとって望ましいオプションとなるものも存在している。
【0071】
図8は、色補正済みの画像を有償で提供するオンラインオークションサイトの例を示している。この例では、色補正の選択肢は、供給元クライアント14に与えられている。供給元クライアント14が入札物品の画像をアップロードする際に(72)、ネットワークサーバー12は色補正オプションを提示することができる(74)。そして、供給元クライアント14が色補正オプションを選択しない場合には(76)、供給元クライアントがアップロードした画像は補正されない。この場合には、画像をダウンロードする供給先クライアント16は、未補正の画像を受信することになる(78)。
【0072】
色補正オプションを選択した場合には、ネットワークサーバー12は、サービスに対する料金を算出する(80)。そして、供給先クライアントがカラープロファイリングプロセスを完了していれば、カラー画像サーバー18は、色補正済みの画像を供給先クライアント16に提供する。供給先クライアント16が色補正済みの画像をダウンロードすると(82)、ネットワークサーバー12はオークションの進捗を監視する。そして、供給元クライアント14と供給先クライアント16間の取引が成立すると(即ち、供給先クライアントが落札すると)(84)、ネットワークサーバー12は料金を課金する(86)。この料金は、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に課金可能である。この代わりに、売買の取引が実際に成立したかどうかには関係なく、料金を供給元クライアント14に課金することも可能である。
【0073】
図9は、色補正料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。図8の例と同様に、入札物品の画像がアップロードされると(88)、ネットワークサーバー12は、供給元クライアント14に色補正オプションを提示する(92)。そして、供給元クライアント14が色補正オプションを選択しなければ、供給元クライアントがアップロードし供給先クライアント16にダウンロードされる画像は、未補正のままとなる(94)。
【0074】
色補正オプションを選択した場合には、色補正済みの画像が供給先クライアント16にダウンロードされるが(96)、料金は算出されない。その代わりに、取引の成立時に(98)、取引金額を判定する(100)。そして、取引金額の一定のパーセンテージで料金を算出する(102)。次いで、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に対して料金を課金する(104)。実施例の中には、パーセンテージによる料金に最高額の制限を設定可能なものも存在する。
【0075】
図10は、色補正料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。この図10の例では、供給先クライアント16に色補正オプションが提示され、関連する料金を供給先クライアントが負担することができる。供給元クライアント14からの入札時画像のアップロード(106)と供給先クライアント16からのダウンロード要求の受信(108)の後に、色補正オプションが色補正オプションに提示される(110)。
【0076】
この色補正オプションの提示は、供給元画像に対して既に供給元プロファイルが提供されていることを前提している。供給先クライアント16が色補正を選択しない場合には(112)、通常の未補正の画像がダウンロードされる(114)。しかしながら、供給先クライアント16が色補正オプションを選択した場合には(112)、そのサービスに対する料金を算出する(116)。その後、供給先クライアント16は、色補正済みの画像をダウンロードし(118)、ネットワークサーバー12は、取引が成立したかどうかを監視する(120)。
【0077】
取引が成立した場合には、ネットワークサーバー12は、供給先クライアント16に対して料金を課金する(122)。この料金は、一定料金であってもよく、或いは、図9の例のように、取引価格のパーセンテージで算出してもよい。いずれの場合にも、比色分析的に正確な画像を参照するサービスに対する料金を供給先クライアント16が支払うことになる。供給先クライアント16は、入札物品の色やその他の特徴が自分の意図どおりのものであることを確認することに、料金に見合うだけの価値があると判断しているわけである。色の精度が提供されることにより、供給先クライアント16は、自信を持って購入の決定を下すことができる。
【0078】
次に、カラープロファイリング及びクッキー管理のプロセスについて詳細に説明する。これらのプロセスについては、複数のネットワークサーバー12、複数のカラー画像サーバー18、及び1つ又は複数のカラープロファイルサーバー20を備えるウェブ環境を前提として説明する。
【0079】
オークションや写真、或いは小売業などのサイトの管理者は、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18の中の1つを制御することができる。換言すれば、管理者は、特定のネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18の維持、管理、及びコンテンツについて責任を負うのである。この結果、管理者は、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18のコンテンツを容易に更新可能となる。従って、管理者は、カラー画像品質の改善を活用するために、彼らの画像コンテンツの制御を第三者に引き渡す必要はない。
【0080】
代わりに、管理者は、彼ら自身の画像サーバー18を利用し、それらのサーバーが、供給元及び供給先クライアント14、16用のカラープロファイリングプロセスをガイドするカラープロファイルサーバー20とやり取りする。従って、カラープロファイルサーバー20は、複数の管理者が使用する中央サーバー又はサーバーの集合であってよく、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18は、個別のサイト管理者によって制御されることが好ましい。但し、実施例の中には、全サイト用の中央画像サーバーを使用することが望ましいものも存在する。
【0081】
カラー画像サーバー18は、対応するネットワークサーバー12と共に存在したり、或いは遠隔地に位置するサーバーであってもよく、関連するサイトの高解像度の、或いは色が重要なカラー画像と、画像を変更して色補正済みの画像を供給元及び供給先クライアント14、16に提供する色補正モジュールと、を格納している。それぞれのカラー画像サーバー18は、個別のネットワークサーバー12のドメイン内に存在してもよいが、これは要件ではない。
【0082】
図11は、カラー画像の表示精度を改善するプロセスを詳細に示すフローチャートである。供給先クライアント16がネットワークサーバー12に対してウェブページのダウンロードを要求すると、供給先クライアントは、表示装置に表示された際にウェブページに内蔵されることになるカラー画像の場所を識別する画像タグが埋め込まれたHTMLコード(又は、その他の形態のウェブページコード)を受信する(124)。所謂「サムネイル」などの低解像度画像の場合には、これらの画像タグは、ネットワークサーバー12上の場所をポイントしている場合がある。ユーザーが、高解像度の画像にアクセスするべくサムネイルをクリックしたり、或いは、最初から高解像度画像がウェブページに埋め込まれている場合には、供給先クライアント16は、ウェブページコードを実行し、指定されているカラー画像サーバー18にアクセスしてカラー画像をダウンロードする(126)。
【0083】
図11の例では、カラー画像サーバー18にアクセスするべく供給先クライアント16が実行したウェブページコードは、その特定のクライアント用にカラー画像サーバーから見える(可視の)カラープロファイルクッキーが既に生成済みであるかどうかをチェックする(128)。クッキーは、例えば、カラー画像サーバーのドメインに対応している場合に、可視である。このクッキーの管理については、本明細書において後述する。カラープロファイルクッキーは、クライアント14に関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報を格納しており、クライアントと共にローカルに存在している。
【0084】
カラープロファイルクッキーが既に生成済みの場合には、クライアント14は、クッキーをカラー画像サーバー18にアップロードする(130)。カラー画像サーバー18は、クライアント14が要求した画像を取得し、色補正を適用することにより、クッキーの内容に基づいて画像を変更する(132)。この色補正では、供給先クライアント16に関連付けられている表示装置の色応答特性のばらつきを補償するべく、画像が変更される。そして、カラー画像サーバー18は、色補正済みの画像を供給先クライアント16にダウンロードし(134)、プロセスは終了する(136)。この結果、供給先クライアント16は、このクライアントの表示装置に対してカスタマイズされた色補正済みの画像を受信し、正確な色を出力する。
【0085】
カラープロファイルクッキーがまだ生成されていない場合には、供給先クライアント16は、そのクライアントに関連付けられている表示装置上に提示するべくカラー画像サーバー18から既定のカラー画像をダウンロードする(138)。この画像は「既定」の画像であるが、これは、それが色補正されていないか、或いはその他の方法によって供給先クライアント16に関連付けられている個別の表示装置にカスタマイズされていないことを意味している。この結果、供給先クライアント16によって表示された際に、この既定の画像は、オリジナルのカラー画像とは大幅に異なる色を表示する可能性がある。但し、クライアント14は、既定の画像と共に、カラープロファイリングオプションを提示することができる(140)。特に、供給先クライアント16は、画像と共に、その画像にカラープロファイリング及び色補正が適用されているかどうかを示す標識をダウンロードすることができる。
【0086】
供給先クライアント16は、画像と一緒に、カラープロファイリングを実行するようにユーザーに促すハイパーテキストアイコンと共に、この標識を表示可能である。ユーザーは、ポインティング装置によってこのプロファイリングアイコンをクリックし、カラープロファイリングプロセスにアクセスすることができる。実施例の中には、プロファイリングが既に実行されており、画像が色補正済みであることを、例えば、このプロファイリングアイコンをカラーで表示することによって示すことができるものも存在する。一方、まだプロファイリングが実行されていない場合には、このアイコンを白黒で表示したり、或いはその他の標識を提供することができる。このアイコンをクリックすることにより、ユーザーは、初回の(或いは、プロファイリングの更新を行うべく)プロファイリングを開始することができる。
【0087】
オプションを選択しない場合には(142)、ユーザーは、単純に既定の画像を参照し、プロセスは終了する(136)。しかしながら、オプションを選択した場合には、供給先クライアント16は、例えば、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを介し、カラープロファイルサーバー20にアクセスするようにそのクライアントをダイレクトするコードを実行する。カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセスにおいて、クライアント14に関連付けられているユーザーをガイドする(144)。このカラープロファイリングプロセスでは、その特定の供給先クライアント16に関連付けられている表示装置が示す色応答を特徴付ける情報が生成される。
【0088】
カラープロファイリングプロセスが完了すると、クライアント14は、カラープロファイルクッキーを生成する(146)。このカラープロファイルクッキーは、色の特徴付け情報を格納している。そして、供給先クライアント16は、カラー画像の精度が改善された色補正された画像を取得するべく、カラープロファイルクッキーをカラー画像サーバーにアップロードする(130)。後述するように、このクッキーは、その特定のカラー画像サーバー18のドメイン用に再書き込みすることが必要となる場合がある。
【0089】
特筆すべきことに、後述するように、このカラープロファイリングプロセスには、任意選択ではあるが、プラグイン、Java(登録商標)スクリプト、又はその他の主要なクライアントサイドプロセスが不要である。代わりに、ネットワークサーバー12、供給元クライアント14、供給先クライアント16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間のやり取りは、供給元及び供給先クライアントに提供されるウェブページコードを実行することによって行われる。この方法は、供給先クライアント16に関連付けられているエンドユーザーに非常に便利である。同時に、ネットワークサーバー12とカラー画像サーバー18にしても、個別のユーザー用の色情報を保持する必要がない。
【0090】
その代わりに、この情報は、供給先クライアント16がカラー画像を要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー18にアップロードすることができる。又、サイト管理者は、彼ら自身のカラー画像をカラー画像サーバー18上に維持し、個別の供給元及び供給先クライアント14、16がアップロードしたカラープロファイルクッキーを処理する能力を有する色補正モジュールを内蔵することにより、色補正を提供することができる。従って、サイト管理者は、彼らのウェブページ又は画像を中央ウェブリポジトリに掲示しなくてもよい。
【0091】
図11を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するために、供給先クライアント16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りする。類似のカラープロファイリングプロセスは、それぞれの供給元クライアント14に対しても実行可能である。但し、供給元クライアント14用のカラープロファイリングプロセスにおいては、標準的な設定への供給元クライアント表示装置の初期化と、供給元クライアントユーザーにとって許容可能な表示状態を実現するための画像の操作が必要となる。
【0092】
カラープロファイルサーバー20は、場合に応じて、一連のウェブページを供給元クライアント14、或いは供給先クライアント16に提供する。それぞれのウェブページは、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいてユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブページには、表示装置の黒点の推定値をユーザーから抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれている。
【0093】
一実施例においては、この黒点推定値は、表示装置の個別の色チャネルの複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブページには、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれる。特に、それぞれのウェブページは、供給元クライアント14又は供給先クライアント16からカラープロファイルサーバー20に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。
【0094】
必要な情報を収集したら、カラープロファイルサーバー20は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、そのクッキーを供給元クライアント14又は供給先クライアント16に提供する。実施例の中には、2つのクッキーを供給元又は供給先クライアント14、16に提供可能なものも存在する。第1のクッキーは、カラープロファイルサーバー20に関連付けられたドメイン名に対応しており、その特定の供給先クライアント14、16とカラープロファイルサーバー間における将来のやり取りに使用することができる。この第1のクッキーは、「プロファイラクッキー」(profiler cookie)と呼ぶことができる。
【0095】
第2のクッキーは、例えば、カラー画像をダウンロードする先である特定のオークション又は写真サイトに対応した特定のカラー画像サーバー18に関連付けられているドメイン名に対応することができる。換言すれば、この第2のクッキーは、そのカラープロファイリングプロセスが開始された特定のカラー画像サーバー18に対応したものである。この結果、そのカラー画像サーバー18から将来提供される画像は、その関連するドメインに関連付けられているこのクッキーの内容に基づいて変更されることになる。このクッキーは、画像をアップロードした供給元クライアント14と画像のダウンロードを要求する供給先クライアント16から提供されることになる。この第2クッキーは、「画像サーバークッキー」と呼ぶことができ、供給元プロファイルクッキー又は供給先プロファイルクッキーの形態を取ることができる。
【0096】
プロファイラクッキーを使用し、その他のドメインに関連付けられているカラー画像サーバー18で使用する画像サーバークッキーを生成することができる。具体的には、供給先クライアント16に位置しているユーザーが、以前に色補正された画像をダウンロードしたことのないカラー画像サーバー18にアクセスした場合には、ユーザーは、カラープロファイリングオプションをクリックし、カラープロファイルサーバー20にアクセスすることができる。そのカラープロファイルサーバー20とのやり取りに際し、供給先クライアント16は、カラープロファイリングプロセスを繰り返すのではなく、代わりに、単純にプロファイラクッキーをアップロードするのである。このプロファイラクッキーには、その新しいカラー画像サーバー18に関連付けられているドメインに関する情報を内蔵することができる。尚、類似のプロセスは、供給元クライアント14に対しても提供可能である。
【0097】
カラープロファイルサーバー20は、このプロファイラクッキーの受信に応答し、様々な理由から(特に、プライバシーに対する懸念の観点で)、そのクッキー内に示されているドメインに対してクッキーの内容を送信することについて、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているユーザーに対して通知するウェブページを提供し、ユーザーの承認を要求することができる。そして、ユーザーの承認が取得された場合には、カラープロファイルサーバー20は、プロファイラクッキー内のドメインによって指定されているカラー画像サーバー18にクッキーの内容を送信する。
【0098】
カラー画像サーバー18は、それ自体のドメイン用の画像サーバークッキーを生成し、将来使用するべく、そのクッキーを供給元クライアント14又は供給先クライアント16に書き込む。この時点以降、供給先クライアント16は、関連するネットワークサーバー12に色補正済みの画像を要求する際には、関連するカラー画像サーバー18に適切な画像サーバークッキーをアップロードし、カラープロファイルサーバー20とのやり取りをスキップすることができる。供給元クライアント14も、画像のアップロードを試みる際に、カラー画像サーバー18に適切な画像サーバークッキーをアップロードする。
【0099】
一方は、カラープロファイルサーバー20用、他方は、関連するネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー19用と分けたこの第1及び第2クッキーの使用方法は、部分的には既存のウェブの設計を考慮した結果である。具体的には、クライアントのブラウザ上に保存されているクッキーは、通常、それらが生成されたサーバーのドメインによってマーキングされており、普通、その他のドメインからは見えなくなっている。従って、カラープロファイルサーバー20が生成したクッキーは、通常、カラー画像サーバー18から見ることができず、この逆も同様である。
【0100】
又、クッキーの視認性は、クッキーをサーバーのドメイン内の経路によってマーキングすることにより、更に制限されることになる。この種のクッキーは、例え同一のドメイン用のものであっても、経路から外れたページへの要求については見えなくなる。更に、ブラウザは、通常、サーバーに対する各要求ごとに、すべての可視クッキーを送信する。これには、HTMLページ用の最初の要求だけでなく、そのページに埋め込まれる画像に対する要求も含まれる。しかしながら、画像はHTMLページとは異なるサーバーから来ることもあるため、HTMLページ用に送信されたクッキーは、画像用に送信されるクッキーとは異なる場合がある。
【0101】
上述のような内容を考慮し、カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセスの管理においてだけでなく、画像サーバークッキーの生成においても、仲介人として機能している。この仲介人機能により、中央サイトではなく、カラー画像サーバー18において、すべての加入者画像の色補正を実行することが可能になっている。又、この仲介人機能により、クライアントが一旦カラープロファイリングプロセスを完了すれば、通常、彼は、別の加入者用の画像の色補正を取得するために、そのプロセスを繰り返す必要がなくなるのである。
【0102】
例外として、ユーザーは、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているローカルドライバソフトウェアや表示装置又はビデオカードなどのハードウェアが変化した場合に、自発的にカラープロファイリングプロセスを繰り返すことができる。実際に、ハードウェアの変化に対応するために定期的な更新を促すべく、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーに有効期限を適用することができる。
【0103】
3つの異なるサーバー(即ち、ネットワークサーバー12、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20)が色補正の手順に必要とされる作業を分担していることは明らかである。具体的には、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーの存在を前提とすれば、ネットワークサーバー12は、加入者自身のウェブページのHTMLを提供すると共に、色補正の対象ではない画像の提供を含むそれらのページに対する大部分のその他の要求を処理している(カラー画像サーバー18は、色補正の対象となる画像を提供している)。
【0104】
カラー画像サーバー18は、供給先クライアント16から供給先プロファイルクッキーを受信すると、そのクッキーの内容と、関連する供給元プロファイルクッキーの内容に基づいて色補正を実行し、色補正済みの画像を供給先クライアントに提供する。又、カラー画像サーバー18は、カラー画像が本当に補正されているかどうかを示すアイコンを補正可能なカラー画像の近くに提供することもできる。カラー画像サーバー18は、例えば、供給先プロファイルクッキーを検出できない場合には、ユーザーに対してカラープロファイリングプロセスを開始するように促すアイコンを表示する。検出できた場合には、アイコンは、色補正が「オン」状態にある(即ち、色補正が画像に適用されている)ことを単純に示すことになる。
【0105】
前述のように、カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセス用のページを提供する。カラー画像サーバー18が提供したカラー画像と共に表示されたアイコンをクリックすることによって、カラープロファイリングプロセスが起動された場合には、その個別の供給先クライアント16は、関連するネットワークサーバー12用の画像サーバークッキーを備えていない可能性が高い。但し、場合によっては、供給先クライアント16は、自発的に色補正プロセスを繰り返すことにより、新しいハードウェア又はソフトウェア用にプロファイルを更新することができる。プロファイラクッキーが存在する場合には、画像サーバークッキーを生成するべく、プロファイラクッキーの内容を適切な画像サーバーのドメインに単純に送付することにより、このプロセスを省略することができる。
【0106】
プロファイラクッキーが存在しない場合には、完全なカラープロファイリングプロセスがカラープロファイルサーバー20から提供される。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、カラープロファイルサーバー20は、供給元又は供給先クライアント14、16用のプロファイラクッキーを生成し、関連するカラー画像サーバー18にプロファイラクッキーの内容を伝達する。すると、カラー画像サーバー18は、プロファイラクッキーの内容に基づいて画像サーバークッキーを生成し、そのカラープロファイリングプロセスを起動したオリジナルのネットワークサーバーのURLを呼び出す。
【0107】
カラープロファイルサーバー20が生成するプロファイラクッキーとカラー画像サーバー18が生成する画像サーバークッキー間で色補正情報を交換するこのメカニズムは、変更してもよい。具体的には、カラープロファイルサーバー20は、クッキーをクライアント14、16に提供するのではなく、認知されているネットワークサーバーのグループに関連付けられているすべてのカラー画像サーバー18に色補正情報を送信するように構成することができる。これにより、カラープロファイリングプロセスの結果、カラープロファイルサーバー20が取得したカラープロファイル情報は、ネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18によって保存されるよう、「放送」することができる。この方法の利点は、情報の転送がシームレスであることである。クライアント14、16に関連付けられているユーザーは、カラープロファイルを更新する際を除き、初回のカラープロファイリングプロセスの後にカラープロファイルサーバー20とやり取りする必要がなくなる。その代わりに、それぞれのネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18が、個別の供給先クライアント14、16に関連付けられている色補正情報を(例えば、クライアントIDコードと共に)保存するのである。
【0108】
供給元又は供給先クライアント14、16がカラー画像サーバー18の中の1つにアクセスすると、クライアントIDコードを使用して適切な色補正情報が取得され、これによって色補正済みの画像が提供される。欠点は、それぞれのネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18が、その個別のネットワークサーバー12には決してアクセスしないであろうクライアントまでもを含む供給元及び供給先クライアント14、16用の色補正情報のデータベースを維持することが必要になることである。従って、サイト管理者によっては、色補正情報の転送にクッキーを利用する方が効率的で望ましいものになりうるであろう。しかしながら、色補正情報の放送は、サイト管理者によっては受け入れ可能であって、エンドユーザーにとっても非常に便利な好適な選択肢として残ることになる。
【0109】
次に、間接クッキー転送法によるネットワークサーバー12、クライアント14、16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間での情報伝達に関連する詳細項目のいくつかについて説明する。この方法は、プロファイラクッキーの内容がカラープロファイルサーバー20から個別のカラー画像サーバー18に転送される前に、ユーザーが介入して承認を入力するという意味で間接的である。ウェブページを供給先クライアント16に提供する際に、ネットワークサーバー12は、関連付けれられているカラー画像サーバー18上に保存された補正可能な画像のURLを伝達する。更に、ネットワークサーバー12は、画像の近くにカラープロファイリングアイコンを内蔵することが好ましい。このカラープロファイリングアイコンのURLは、関連するカラー画像サーバー18をポイントしており、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクは、カラープロファイルサーバー20をポイントしている。供給元クライアント14の場合には、写真又はオークション物品の画像を提供するプロセスの一部として、類似のアイコン又はその他のリンクを提供することができる。
【0110】
カラー画像サーバー18への色補正情報の伝達を実現するために、供給元又は供給先クライアント14、16が、アイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを辿ると、ユーザーが参照したページのURLがカラープロファイルサーバー20に伝達される。URLを伝達するこのステップでは、ターゲットURLのパラメータとしてURLを含めるか、或いはアイコンをラッピングするフォームから情報をPOSTする(即ち、隠されたエントリフィールドにURLを保存する)ことによって実現することができる。後者の場合には、アイコンは、ボタンとして機能し、最小限のクライアントサイドのスクリプト作成が必要になる。更に、後述するように、ネットワークサーバー12の名前と、カラープロファイリングプロセスが完了した後にカラー画像サーバー18から提供される完了ページのURLと、をカラープロファイルサーバー20への要求に含めることができる。ネットワークサーバーには、適切なURLを有するアイコンコードを挿入するサーバーサイドのスクリプト作成機能を提供することができる。
【0111】
カラープロファイリングプロセスのために、カラープロファイルサーバー20は、ネットワークサーバー12が提供するウェブページの実行によって呼び出し可能ないくつかのウェブページを提供する。この場合には、「リターンURL」が、それぞれのページに順番に手渡される。このリターンURLは、ターゲットURL内のパラメータとして、或いは、フォーム内の隠されたフィールドを使用することにより、伝達可能である。場合によっては、このリターンURLをサーバー変数として保存することもできる。前述のように、カラープロファイルサーバー20は、(1)プロファイラクッキーが存在しない場合の完全なカラープロファイリングと、(2)プロファイラクッキーが既に存在している場合の画像サーバークッキーの生成、という2つのシナリオを処理している。いずれのシナリオの場合にも、カラープロファイルサーバー20は、既存又は新しく生成されたプロファイリングクッキーの内容を関連するカラー画像サーバー18に転送する。特に、カラープロファイルサーバー20は、この情報を転送するべく、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているユーザーの許可を要求するボタンを提示することができる。
【0112】
このボタンのURLは、カラー画像サーバー18が提供するページをポイントしている。カラー画像サーバー18に送信される要求には、リターンURLとプロファイラクッキーに書き込まれた色情報の両方が含まれている。この要求は、長さの観点から、URL内にすべての情報を記述するGET要求ではなく、フォームからのPOST要求であることが好ましい。カラープロファイルサーバー20は、リターンURLを参照することにより、カラー画像サーバー18の供給先ページのURLを判定する。クッキーの内容を転送する前に、ユーザーはその供給先を知りたいと思うであろう。従って、カラープロファイルサーバー20は、ボタンと共に、その特定のカラー画像サーバーの名前を表示する。カラー画像サーバーの名前は、ネットワークサーバー12が提供するウェブサイトに関連付けることができる。URLからウェブサイトの名前を判定することが容易でない場合には、カラープロファイルサーバー20がアクセス可能なデータベースにおいてURLで名前を検索するか、或いはネットワークサーバー12が生成するページからの元々の要求においてリターンURLと共に名前を伝達することにより、名前を生成することができる。
【0113】
カラープロファイルサーバー20から情報を受信すると、関連するカラー画像サーバー18はカラープロファイリングプロセスが完了したことを示すページを提供する。このページは、カラープロファイルサーバー20から受信した色補正情報と「リターン」ページのURLを格納するPOST要求によって呼び出すことができる。カラー画像サーバー18は、関係する供給元又は供給先クライアント14、16にこの色補正情報をクライアントクッキーとして書き込む。
【0114】
この時点以降、この画像サーバークッキーがその個別の供給元又は供給先クライアント14、16によって保存され、色補正可能な画像のアップロード又はダウンロード要求と共に、関連するウェブサイトに関連付けられたそのカラー画像サーバー18に送信されることになる。ダウンロード要求に応答し、カラー画像サーバー18は、供給先クライアント16から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、その内容に基づいて要求された画像に色補正を適用し、色補正済みの画像を供給先クライアント16に提供する。一方、アップロードの場合には、その要求に応答し、カラー画像サーバー18は、画像を受け付け、供給元クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、将来使用するべく、そのクッキーの内容をその画像と関連付ける。
【0115】
代替方法として、色補正情報は、供給元又は供給先クライアント14、16がボタン、アンカー、又はその他の入力媒体をクリックした際に生成される要求に埋め込むのではなく、直接要求によってカラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達することができる。この方法は、転送の承認をカラープロファイルサーバー20に提出することによってユーザーが介入する必要がない、という意味において直接的である。その代わりに、適切なカラー画像サーバー18へのプロファイルクッキーの内容の転送は、シームレスに行われ、バックグラウンドで実行される。
【0116】
実際に、好適な実施例においては、供給先クライアント16に関連付けられているユーザーは、初回のプロファイリング以降にカラープロファイルサーバー20が送信する情報転送用のページを目にすることすらない。この結果、カラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18への色補正情報の転送は、転送を実行するべく供給元又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーがリンクをクリックすることなく、自動的に実行される。この方法によれば、転送がユーザーからシームレスに見える。但し、結果は同一である(即ち、ユーザーがカラープロファイリングプロセスを再実行することなく、プロファイラクッキーに格納されている色補正情報が転送されることによって画像サーバークッキーが生成される)。
【0117】
直接要求による転送を円滑に実行するべく、供給元又は供給先クライアント14、16にクライアントIDを割り当てることができる。通常、このクライアントIDは、クライアント14、16に関連付けられているブラウザの画像サーバークッキーに保存可能であり、そこから受信することができる。ウェブサイトにとって初めてのクライアント(即ち、そのカラー画像サーバー18に画像サーバークッキーを送信しないクライアント)14、16には、新しいクライアントIDが割り当てられることになり、これは、カラー画像サーバーからの応答においてHTMLと共にクッキーとして送信される。
【0118】
この場合、カラープロファイルサーバー20をポイントするすべてのURLは、カラープロファイルサーバーが色補正情報に対する要求と個別のクライアント14、16を関連付けることができるように、パラメータとしてクライアントIDとウェブサイトIDの両方を有することになる。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラープロファイリングアイコンのURLはカラープロファイルサーバー20をポイントしている。この方法の場合、個別のネットワークサーバー12と、対応するカラー画像サーバー18は、同じクッキーを参照することができるよう、同一のドメインに存在していることが好ましい。
【0119】
間接的な方法と同様に、色補正可能な画像の隣に(或いは、画像アップロード用のダイアログと共に)表示されるカラープロファイリングアイコンは、直接転送法の場合にも、カラー画像サーバーが画像サーバークッキーを受信するかどうかに応じて、カラー画像サーバー18又はカラープロファイルサーバー20から提供することができる。画像サーバークッキーが存在する場合には、プロファイリングアイコンは、ダウンロードされた画像と共にカラー画像サーバー18によって提供され、色補正がオン状態であることを示すように表示が構成される(例えば、その旨を通知するテキストメッセージを表示する)。画像サーバークッキーが存在しないのは、新しい供給先クライアント16だけであるため、このケースは、カラー画像サーバー18が提供する大部分の画像に当てはまることになる。
【0120】
画像サーバークッキーが存在しない場合には、このアイコンはカラープロファイルサーバー20から提供される。換言すれば、カラー画像サーバー18が提供するウェブページに、カラープロファイルサーバー20が提供したアイコンが埋め込まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー20は、クライアント14、16が既にカラープロファイリングプロセスを完了していることを示すアイコンを提供する。プロファイラクッキーが存在しない場合には、このアイコンは、その個別のクライアント14、16が、これまでカラープロファイリングプロセスを実行したことがないことを示すことになる。これは、カラープロファイリングが完了済みであることを示すカラーのアイコンと未完了を示す白黒のアイコンによって表現可能である。
【0121】
実施例の中には、クライアント14、16がカラープロファイリングプロセスを完了しているが、色補正情報がその特定のウェブサイトにまだ転送されておらず、画像がまだ色補正されていないことをアイコンによって表示可能なものも存在する。いずれの場合にも、カラープロファイルサーバー20は、クライアント14、16及びウェブサイトのIDも受信し、それらは、カラープロファイルサーバー20に転送されたURL内に含まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー20は、特殊目的の要求によって、関連するカラー画像サーバー18にそのクライアントIDとプロファイラクッキーの内容を即座に転送する。
【0122】
供給先クライアント16が画像サーバークッキーを提示した場合には、カラー画像サーバー18は、そのクッキーに格納されている情報に基づいて色補正を実行する。供給元クライアント14の場合には、カラー画像サーバー18は、画像サーバークッキーの内容を受け付け、将来の色変更の際に取得するべく、アップロードされた画像と関連付ける。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラー画像サーバー18は、そのクライアント14、16用の色情報をカラープロファイルサーバー20から受信するべく、短時間待機する。情報が到着した場合には、カラー画像サーバー18は、クライアント14、16に関連付けられているブラウザに画像サーバークッキーを書き込む。到着しない場合には、カラー画像サーバー18は、未補正の画像を供給先クライアント16に提供するか、或いは、供給元クライアント14の場合には、アップロードされた画像に色補正情報を設定しない。
【0123】
この直接法の場合には、カラー画像サーバー18は、カラープロファイルサーバー20から転送される色補正情報を追跡する必要がある。これは、それらの情報が、クライアント14、16からの画像のアップロード及びダウンロード要求と同期して受信されないからである。従って、カラー画像サーバー18が個別のクライアント14、16に関連付けられている色補正情報を一時的に追跡すると共に、ネットワークサーバー12がクライアントID情報の生成と追跡を行うべく、これら2つのサーバー間で共有可能なデータベースアプリケーションを内蔵することが必要になる。情報の画像サーバークッキーへの書き込みが完了すれば、その個別のクライアント14、16用のID及び色補正情報は、このデータベースから消去することができる。
【0124】
直接転送法によるIDの管理は、次のように実行可能である。即ち、カラープロファイルサーバー20が生成するオリジナルの色補正情報にユニークIDを付加することができる。このユニークIDは、カラー画像サーバー18に転送された色補正情報の複写においても維持可能である。このIDは、クライアント14、16がカラープロファイリングプロセスを反復した場合に変化する(このIDをプロファイラIDと呼ぶことができる)。このプロファイラIDは、カラープロファイリングプロセスを再実行するまで、変化することなく維持されることになる(この再実行は、数ヵ月後になろう)。実際に、プロファイラIDは、特定のカラープロファイリングシーケンスに対応している。このプロファイラIDは、クライアントID及び加入者IDによって補完される。クライアントIDは、ウェブサイトが色情報を要求している対象のクライアントを識別するものであり、加入者IDは、特定の加入者を識別する。
【0125】
クライアント及び加入者IDは、カラー画像サーバー18が特定のクライアント14、16用の色補正情報を備えていない場合に、URLパラメータによってカラープロファイルサーバー20に伝達される。そして、加入者IDは、カラープロファイルサーバーがプロファイラクッキーの内容又はカラープロファイリングプロセスの実行結果に基づいてクライアント用の適切な情報を判定した際に、色補正情報と共にカラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達される。この情報をカラー画像サーバー18が受信し、それを画像サーバークッキーとしてクライアントのブラウザに書き込めば、加入者IDは不要となる。
【0126】
図12に示されているプロセスを使用し、図11を参照して説明したプロファイラクッキーの内容を生成することができる。特筆すべきことに、供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーが、ポインティング装置によってわずかに3回「クリック」するだけで、カラープロファイリングプロセスの全体を完了することができる。パッチを選択した後に、継続のためにユーザーが継続ボタンをクリックすることが必要であれば、プロセスには、更なるクリックが必要となる。しかしながら、ユーザーがパッチを選択した後に自動的に次のステップに進行するようになっていれば、全体のプロセスを3回のクリックで完了することができる。後述する任意選択のアナログ調節、別個のR、G、及びBの黒点、及び精細ガンマの各ステップを勘案しても、このプロセスに必要とされるクリック数は、最大でも6回又は7回である。多くの実施例において、個別の要素を選択する方法を利用した場合には、このカラープロファイリングプロセスには、プラグインやクライアントサイドのスクリプト作成は不要であるが、スライダー調節を使用するものなどのいくつかの実施例においては、このようなメカニズムを提供することも可能である。
【0127】
このカラープロファイリングプロセスによれば、R、G、及びBの蛍光体又はフォトダイオード素子の黒点とガンマの正確な値を判定することにより、供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられている表示装置を視覚的にプロファイリングすることができる。ガンマとは、装置のデジタル値の変化に伴う光度の変化率を表すパラメータγを意味している。「黒点」という用語は、当技術分野においては周知であり、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、及びBの値を意味している。この黒点は、しばしばブラックオンセット(Black Onset)とも呼ばれている。本発明によれば、任意選択により、モニタのR、G、及びBの各色チャネルごとに1つずつ、3つの別個の黒点を判定する。高精度なモニタに使用する場合には、1つのダークグレーのRGBを選択し、これを使用してR、G、及びBの1つの平均黒点値を推定することができる。
【0128】
古いCRTモニタなどのように、表示装置の中には、色チャネルごとに、非常に異なる黒点を生成するものも存在している。従って、単一のRGB黒点の計測値に基づいてカラープロファイルを生成すれば、精度が低下する恐れがある。しかしながら、チャネル固有の黒点を判定することにより、精度の低下を軽減することができる。換言すれば、それぞれの色チャネルごとに個別に黒点を推定することにより、表示装置の色応答のより正確な特徴付けを取得することができる。この正確な色の特徴付けにより、特定モニタに提供し表示するための画像変換の精度を向上させることができる。
【0129】
カラープロファイルサーバー20は、図12に示されているように、一連の指示用のウェブページをクライアント14、16に提供することにより、カラープロファイリングプロセスを遂行することができる。通常、このカラープロファイリングプロセスにおいては、(1)表示装置の赤、緑、及び青(R、G、及びB)色チャネルのそれぞれの黒点、(2)R、G、及びBの平均ガンマ、及び(3)R、G、及びBのガンマの差、を判定する。表示装置の特性が大きく異なるため、前述の判定(2)は、(2a)粗ガンマ推定値と(2b)精細ガンマ推定値の判定に再分割することができる。次に、このプロセスについて、図12〜図18を参照して詳細に説明する。
【0130】
このカラープロファイリングプロセスにおいては、まず、カラー表示装置のそれぞれの色チャネル(例:R、G、及びB)の推定黒点を判定する。黒点を判定した後に(これは、単なる推定値に過ぎないが)、このプロファイリングプロセスでは、表示装置が示すガンマを判定する。具体的には、このプロセスでは、粗ガンマを判定した後に、精細ガンマを判定する。この精細ガンマの判定は、部分的に粗ガンマに依存することができる。換言すれば、粗ガンマは、ファインチューニングされたガンマに収束させるための最初の推定値及び出発点として使用可能である。
【0131】
精細ガンマを判定した後に、このプロセスでは、表示装置が示すグレーバランスを判定する。グレーバランスとは、表示装置に使用されている色チャネル(例:赤、緑、及び青)の中の1つ又は複数のものに対する中立のグレーからの色シフトの量を示すものである。このグレーバランスの判定は、このカラープロファイリングプロセスにおいて前に判定されているガンマに部分的に依存することが可能であり、特定の実施例においては、精細ガンマに依存している。次に、このカラープロファイリングプロセスでは、カラープロファイルを生成する。カラープロファイルには、黒点、ガンマ、及びグレーバランスに基づいて表示装置の色応答を特徴付ける情報が格納される。次いで、このカラープロファイルをクッキー又はその他のコンテンツコンテナに読み込み、必要時にいずれかのカラー画像サーバー18にアップロードするべく、それぞれのクライアント14、16においてローカルに保存することができる。
【0132】
推定された黒点パラメータは、表示装置のダイナミックレンジを定義している。最大RGB値は常に白を定義しており、黒点は黒のエンドポイントを定義している。従って、結果的に、黒から白に連続的に変化するR、G、及びB色チャネルの各値の範囲を定義することになる。この場合にも、黒点は、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、又はB値を意味している。Rなどの個別の色チャネルにおいて、黒点とは、R値を減少させても表示装置の放射するRチャネル光がそれ以上には減少しない点のことである。表示装置の所与の色チャネルの黒点が高い場合には、暗い領域のそのチャネルの値は最も暗いシェードにマッピングされることになり、画像補正を行わなければ、シャドーのディテールが失われることになる。従って、正確な黒点の推定値の取得は、表示装置が示す画像の精度にとって重要である。
【0133】
マルチチャネルの黒点の推定値以外に、カラープロファイルには、ガンマパラメータとグレーバランスパラメータが含まれる。これらのパラメータが協働し、装置上での正確な表示のためのカラー画像の変更を可能にする個別の表示装置の色応答を定義する。ガンマパラメータは、画像の全体的な見え方に最も大きな影響を与えるものである。ガンマにより、画像の見え方が全体的に明る過ぎる(又は、暗過ぎる)ものになるかどうか、或いは、コントラストが強過ぎる(弱過ぎる)ものになるかどうかが決定される。人間の目は、グレーバランスに対する感度が非常に高いため、第3のパラメータであるR、G、Bガンマの差、即ち「グレーバランス」は重要である。グレーバランスパラメータは、RGB色の組み合わせを生成した際の表示装置の異なる色チャネル間の相対的なバランス(或いは、インバランス)を示すものである。
【0134】
図12は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図12に示されているように、黒点の判定のために、カラープロファイルサーバー20は、まず、表示装置調節用のウェブページを提供することができる。このウェブページは、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを調節するように指示するものである。表示装置を調節するこのステップは、任意選択であるが、通常、黒点を判定するべく表示装置を準備する際に望ましいものである。カラープロファイルサーバー20は、バー、パッチ、文字(character)、文字(letter)、数字、及びこれらに類似のものなどの暗い要素からなる複数の行を含むウェブページを提供可能である。
【0135】
パッチやバーではなく、数字などの様々な形状を有する要素を表示することが望ましい。パッチやバーは、通常、長方形であるが、人間の目で違いを識別する際には、もっと複雑な形状を使用する方が有利である。即ち、例えば、数字、文字、及びその他の複雑な形状の場合、人間の目のパターン認識能力が作用し、結果的にグレースケールの違いに対する感度を高めることができる。人間の目は、パターン認識を実行するように要求されると、所与のパターンと周辺領域間の色のグラデーションに対する感度が向上する。複雑な形状は、単純な形状に比べて、提示される境界が長く、周囲の長さが長くなってコントラストを際立たせる。モニタを特徴付けるための黒点、粗ガンマ、及び精細ガンマの判定においては、複雑な形状を有する要素を使用可能である。
【0136】
行ではなく、ウェブページ上に並んで配置した列として要素を配列することも可能である。更なる代替例として、それぞれの行又は列に、複数の要素ではなく、ただ1つ又は少数の要素を格納することも可能である。それぞれの所与の行における要素数が大きいほど、ユーザーは、隣接する行の要素間の違いを識別し易くなる。
【0137】
このウェブページは、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示することができる(150)。要素からなる行(又は、列)は、連続して配置することができる。それぞれの行の要素の暗さ(又は、明るさ)は、同一であることが好ましい。しかしながら、連続するそれぞれの行の要素は、その他の隣接する行の要素とは暗さ(又は、明るさ)が相対的に異なっている。例えば、最も暗い要素の行を底部に配置し、シェードの明るさが徐々に増加する要素を格納する行を昇順(又は、降順)にその上に配置することができる。このウェブページでは、ユーザーに対して最も暗い要素の行がかろうじて見えるところまで輝度を落とすように指示している(152)。この時点で、ユーザーは、「次へ」又はこれに類似のハイパーテキストアイコンを選択し、カラープロファイリングプロセスの次のステップ(例:赤、青、及び緑チャネルの個別の黒点の判定)に進むことができる。
【0138】
図13は、図5に示されているカラープロファイリングプロセスの表示装置調節において使用するウェブページ153を示している。暗い要素の行155が表示されており、これらの要素は、それぞれの行が同一のグレーレベルの値を備えているが、隣接する行の要素とは異なるグレーレベルを備えている。一例として、暗い要素の行155(図13の例では、数字として示されている)は、8、16、14、及び32というグレーレベル値でユーザーに対して提示可能である。換言すれば、「0」、「1」、「2」、「3」の各行は、それぞれ、8、16、24、32のグレーレベルを備えることができる。これらの暗い要素の行が表示されると、ユーザーは、表示装置に提供されているアナログ又はデジタル制御機能を使用して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示される。次いで、ユーザーは、最も暗い(最低のグレーレベル値の)要素を有する行がかろうじて見えるところまで表示装置の輝度を落とし、その後で「次へ」をクリックするように更に指示される。この任意選択の表示装置調節のステップは、後述するように、それぞれの色チャネルに関して実行する黒点の判定用にモニタを準備するためのものである。
【0139】
それぞれの色チャネルごとに黒点を判定するプロセスを実行するべく、それぞれの色チャネル用の要素からなる複数の行(又は列)を連続したウェブページ上に表示することができる。具体的には、チャネル固有の黒点判定用の赤チャネル、青チャネル、及び緑チャネルのウェブページをクライアントに対して提供することができる(順序はどのようなものであってよい)。表示装置調節用に提供する図13のウェブページ153と同様に、それぞれのウェブページには、昇順又は降順の相対的な明るさ(又は、暗さ)を有する行として所与の色チャネル用の要素を配置することができる。これらの行は、グレーレベルのグラデーションのシーケンスを提供するものである。例えば、赤チャネルの黒点判定用のウェブページの底部の行は、そのウェブページに示されている要素の中で赤の最も暗いシェード(最低のグレー値)を有する要素からなる「0」の行である。ウェブページ153と同様に、これらの行又は列による要素の配列は、説明用のものである。実施例の中には、複数の要素の列ではなく、一連の個別要素の表示によって十分なものも存在する。
【0140】
ユーザーにかろうじて見える最も暗い要素の列は、表示装置の個別のチャネルの黒点によって左右されることになる。これらの要素の行は、黒(即ち、RGB=0)を背景として表示されている。表示装置によっては、8や16以上の強度レベルを有する要素がユーザーには見えないものも存在する。ユーザーは、表示装置上においてかろうじて見え、且つ黒の背景と最も近接して一致(即ち、混合)する要素の行を選択するように指示される。このステップにより、黒点、即ち、色チャネル値が減少しても表示装置のその色チャネルの放射光がそれ以上減少しない可視の「カットオフ」点が判定される。この代わりに、所与の色の最もよく見えない要素の行を消去し、残っているかろうじて見えるバーをクリックするようにユーザーに指示することも可能である。いずれの場合にも、黒点を推定することができる。
【0141】
図14は、図12に示すカラープロファイリングプロセスの黒点判定に使用するウェブページ157を示している。ウェブページ157は、図6のウェブページ122と実質的に類似のものであってよい。例えば、ウェブページ157には、シェードされた要素の行159を含むことができる。この場合にも、アプリケーションによっては、要素の列の表示又は一連の要素で十分なものも存在する。図14に示されているように、ウェブページ157は、ユーザーに対して表示装置上においてかろうじて見える要素の行を選択するように指示する。ウェブページ153と同様に、ウェブページ157の行159は、例えば、それぞれ、8、16、24、及び32の強度レベルを備える「0」、「1」、「2」、及び「3」の行として配列することができる。図14のウェブページ157は、赤チャネルの黒点判定用のウェブページを表しており、黒を背景として設定された赤要素の行が含まれている。
【0142】
例えば、行の中のいずれかの要素をクリックして赤チャネルのかろうじて見える行を選択すると、緑チャネルの黒点を判定するための黒を背景として設定された緑要素の行を格納する実質的に同一のウェブページがユーザーに対して自動的に提供される。そして、かろうじて見える緑要素の行の選択に続き、青チャネルの黒点判定用の実質的に同一のウェブページがユーザーに対して提供され、ユーザーは同様の選択を行う。即ち、先行するチャネルの行の選択に続き、各色チャネルの黒点判定を実行する連続ウェブページを自動的に提供することができる。この代わりに、「次へ」アイコン又はこれに類似の装置をクリックするようにユーザーに促してもよい。無論、プロセスに必要とされる全体のクリック数を減少させるには、要素の選択に続いて自動的に連続ウェブページを提供することが望ましい。
【0143】
以上の結果、ユーザーは、各色チャネルのかろうじて見える要素の行を選択し、これにより、それぞれの色チャネルの黒点の情報が提供される。図12は、このプロセスについて更に説明している。具体的には、図12には、暗い赤の要素(又は、文字)の行の表示(154)と辛うじて見える行の選択(156)が示されており、更に、選択された行に基づいた赤チャネルの推定黒点の算出が示されている(158)。同様に、緑チャネルの場合には、暗い緑の文字の行を表示した後に(160)、辛うじて見える行を選択し(162)、選択された行に基づいて緑チャネルの推定黒点を算出する(164)。最後に、青チャネルについて、暗い青の文字の行を表示した後に(166)、辛うじて見える行を選択し(168)、選択された行に基づいて青チャネルの推定黒点を算出する(170)。
【0144】
関連する供給元クライアント14又は供給先クライアント16は、連続ウェブページのそれぞれに表示されたかろうじて見える要素の行を選択した後に、カラープロファイルサーバー20にその結果を送信する。この代わりに、最後の色チャネルの黒点判定を完了した後に、すべての色チャネルの結果を同時送信することも可能である。次いで、カラープロファイルサーバー20は、それぞれのチャネルごとに推定黒点を算出するか、或いは、例えば、カラー画像サーバー18が後で算出できるよう、パラメータを単純に保存することも可能である。
【0145】
表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって表すことができる。
【0146】
【数1】
【0147】
ここで、R、G、Bは、次のとおりである。
【0148】
【数2】
【0149】
変数dr、dg、及びdbは、1.0に正規化されたデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは黒点であり、パラメータγr、γg、及びγbは赤、緑、及び青チャネルのガンマである。
【0150】
パラメータko,r、ko,g、及びko,bの値は、次のように判定する。即ち、モニタの特性とは無関係に、赤の場合には、人間の目で検出可能なXYZの最低限の可視の値の組が存在すると仮定し、これをベクトル(Xt,r,Yt,r,Zt,r)と表記する。このベクトルは、前述の方程式におけるRの固有の対応する値を備えることになり、これをRtと表記する。特定のγr及びko,rの値を有するモニタの場合には、次のように、Rtに関連付けられたdt,rと表記される固有の装置値が存在することになる。
【0151】
【数3】
【0152】
この装置値dt,rが、カラープロファイリング手順において、前述のように(即ち、赤の黒点判定用のウェブページにおいて最も暗いかろうじて見える要素の行を選択することにより)、ユーザーによって判定される。Rtの値は、経験的に判定する。例えば、ko,r=0.0及びγr=2.2の暗い部屋で較正された表示システムの場合には、赤パッチは、dt,r=8/255グレーレベルで可視であり、これはRt=(8/255)2.2を意味している。
【0153】
ko,rの正確な値は、2つの同時方程式(即ち、Rtの前述の方程式と後述するR.33の方程式)を解くことによって算出可能である。この代わりに、2.2のガンマを仮定することにより、ko,rの妥当な推定値を取得可能である。この仮定を行った場合には、次のようにko,rの値を推定することができる。
【0154】
【数4】
【0155】
同様に、ko,g及びko,bの値を判定可能である。
【0156】
図15は、カラープロファイリングプロセスにおけるガンマとグレーバランスの判定を示すフローチャートである。粗ガンマを判定するべく、カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページの中の1つにより、ディザリングされた緑を背景とした一連の緑の要素(例:パッチ)が表示される(172)。この粗ガンマ判定用のウェブページは、最後の黒点判定用のウェブページにおいて要素の行の選択が完了した後に、即座且つ自動的に、或いは「次へ」アイコン又はこれに類似の装置の選択に応答して提供可能である。
【0157】
一実施例においては、この粗ガンマの判定は、緑の色チャネルにのみ限定される。具体的には、この粗ガンマの判定は、ディザリングされた緑を背景とする一連の緑要素を使用して実行される。緑は、赤、緑、及び青の中で、最も優勢で強いフォスファ(phospher)であり、コントラストが最大である。更に、緑は、最大のL*を備えている。又、緑は、目の明所視のV(λ)応答に最も近接して一致することにも留意されたい。この粗ガンマ判定法においては、緑の色チャネルのみを考慮し、赤と青は基本的に無視している。
【0158】
このような方法により、粗ガンマの計測においては、最も優勢な色チャネルに集中し、多くの表示装置で散見される赤−青のインバランスに起因する誤差を回避している。従って、粗ガンマの判定用に表示される要素は、異なる暗さ(又は、明るさ)の値を有する緑のパッチであってよい。この代わりに、先程参照した米国特許出願第09/631,312号明細書に記述されているように、すべての色チャネル用の合成粗ガンマを判定することも可能である。
【0159】
緑のパッチを表示すると、ディザリングされた背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するようにユーザーは指示される(174)。この「緑のパッチが、ディザリングされた背景と「混合」する」という表現は、それが背景のレベルに近接して一致するという意味である。ディザリングされた緑を背景として表示された一連の緑のパッチの例が図16の参照符号173によって示されている。この一連の緑のパッチとディザリングされた緑の背景は、カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページに表示可能である。カラープロファイルサーバー20は、選択された緑のパッチに基づいて(この場合も、ポインティング装置でクリックすることによって選択可能である)粗ガンマを算出する(176)。このステップで(ディザリングされた緑を背景とする緑のパッチの組から1つの緑のパッチを選択することによって)判定された粗ガンマは、R、G、及びBの平均ガンマの推定値として使用可能である。ディザリングされた緑の背景は、約25%〜50%で設定することができる。約33%内外でディザリングされた背景は、表示装置の黒から緑への遷移の実際の中間点に最も近接して一致し、一般の表示装置に好ましい。
【0160】
黒と緑を適切な周波数で交互に配置することにより、25%、33%、又は50%の緑の背景を生成することができる。CRTの場合、装置のビデオ帯域幅のため、個別のピクセルを調節して垂直ラインを形成するのではなく、所与の水平ラインにおいてピクセルのすべてをオン/オフする方が表示装置間で予測可能な出力が生成されるはずである。尚、フラットパネル装置の場合には、これは問題とはならない。しかしながら、CRTとフラットパネル装置の両方を使用するクライアントに対応する際には、交互の水平ラインを使用してディザリングされた背景を生成することが好ましい。
【0161】
大部分のモニタのガンマは1.6〜2.5の範囲にあるため、一連のパッチ173の中央パッチは、平均ガンマ2.0に基づいたものであってよい。中央パッチを取り囲むその他の緑のパッチは、比較的大きな刻み(例:互いに8グレースケールの間隔)で順番に配置することができる。粗ガンマは、次の方程式を使用して推定可能である。
【0162】
【数5】
【0163】
ここで、d.33,gは背景と最も近接して混合して見える選択されたパッチのグレーレベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。粗ガンマを実際に算出する代わりに、精細ガンマプロセスにおいて使用するべく、選択されたパッチの緑レベル値を単純に持ち越すことも可能である。この場合、その値は最終的には破棄されることになる。
【0164】
粗ガンマの推定値を取得した後に、精細ガンマを推定する。精細ガンマは、R、G、及びBの平均ガンマの精度を高めた(即ち、「ファインチューニング」した)推定値である。精細ガンマは、ディザリングされた緑を背景として提示された緑パッチの組からもう1つ別の緑のパッチを選択することにより、判定することができる。この場合に、中央パッチは、粗ガンマの判定用にユーザーが選択した緑パッチと同一のものであってよい。即ち、粗ガンマステップが精細ガンマステップに対して「情報提供」するのである。実際に、選択された粗ガンマパッチが精細ガンマ判定用の出発点として機能する。具体的には、粗ガンマの判定において選択された緑パッチを精細ガンマ判定用の中央パッチとして使用することができる。
【0165】
精細ガンマを判定するための一連のパッチが図17の参照符号175によって示されている。この一連のパッチは、粗ガンマプロセスにおいて選択された中央の緑パッチを中心とし、パッチ間の刻みの幅を更に狭めたシーケンスになっている。例えば、これらのパッチは、粗ガンマの判定においてパッチ間の刻みの幅として使用した8緑レベルではなく、4緑レベルの間隔を有することができる。この結果、粗ガンマの推定値から「学習」した中央値を有する更に間隔を狭めた一連のパッチを使用して粗ガンマの推定値を「ファインチューニング」することになる。
【0166】
カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページにより、刻みの幅を狭めた一連の緑パッチの中に粗ガンマの推定で選択された緑パッチを表示する(178)。次いで、ユーザーは、粗ガンマの判定に使用されたものと同一のディザリングされた緑の背景と最も近接して混合する緑パッチを選択するように指示される(180)。そして、カラープロファイルサーバー20は、選択された緑パッチに基づいて1つの精細RGBガンマを算出する(182)。従って、この精細ガンマは、RGBチャネルについて推定された全体的なガンマであるが、緑チャネルから導出されたものである。この代わりに、前述のように、カラー画像サーバー18が精細ガンマの算出と色補正のレンダリングに使用できるよう、選択されたパッチのRGB値を単純に保存することも可能である。いずれの場合にも、精度を高めたガンマの推定値は、次の方程式によって算出することができる。
【0167】
【数6】
【0168】
ここで、d.33,gは背景と混合している選択されたパッチの緑レベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。
【0169】
カラープロファイルサーバー20は、グレーバランスを判定するべく、複数のRGBパッチを表示するウェブページを提供する。これらのRGBパッチは、以前の精細ガンマのステップにおいて選択されたものと同一の緑の値と、この以前選択された緑の値と実質的に等しいか、或いはその値からシステマチックにシフトされた赤及び青の値を組み合わせて生成することができる。これらのRGBパッチは、前のステップ(精細ガンマ)の緑のディザリングされた背景と同様にディザリングされたグレーを背景として表示することができる(184)。この場合にも、このステップは、前のステップから「学習」しており、正しいガンマを特定するべく絞り込んでいく一連のカラープロファイリングステップ(粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス)の一部を形成している。次いで、ユーザーは、ディザリングされた背景と最も近接して混合して見えるグレーパッチを選択するように指示される(186)。そして、選択されたグレーパッチに基づいて個別のRGBガンマを算出する(188)。特筆すべきことに、このグレーバランス判定の全体をユーザーのポインティング装置の1回のクリックによって実行可能である。
【0170】
従って、このグレーバランスのプロセスでは、精細ガンマのプロセスにおいて選択された緑の強度値を使用し、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って判定されたRGB値を有する中央パッチの値を中心として、赤及び青の+/−(プラス/マイナス)の違い(即ち、「シフト」)を示す複数のグレーパッチを生成する。例えば、精細ガンマプロセスにおいて選択された緑の値を赤及び青の実質的に同一の値と組み合わせて中央に表示する。そして、赤及び青のガンマをグレーバランス判定によってファインチューニングし、これによって表示装置の赤−青インバランスを識別する。従って、このグレーバランスのステップでは、赤と青のインバランスを判定する際に、緑ガンマを「ロック」している。換言すれば、このグレーバランスのアレイ内のすべてのパッチは、同一の緑値を有し、赤及び青の異なるグラデーションによって調節されている。このステップでは、1つの変動軸(緑)を除いているが、赤及び緑、又は青及び緑間のインバランスの識別は可能である。この結果、選択の範囲が、よりファインチューニングされた領域に限定され、ユーザーによる正確な選択の実行が可能になっている。
【0171】
このグレーバランス判定用の一連のパッチは、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って生成された中央グレーパッチを中心とし、その周囲に配列された赤−青シフトされたパッチを有する二次元のパッチのアレイであってよい。その他の実施例においては、赤チャネルを使用して最初のRGBガンマの推定値を判定した後に、緑及び赤、又は青及び赤間のインバランスを識別するグレーバランス判定を実行可能である。
【0172】
図18は、このグレーバランス判定において使用する5x5マトリックスに配置された二次元の一連のグレーパッチ177の例を示している。それぞれのパッチは、青の軸、又は赤の軸、或いは、それら両方の組み合わせによって中央のグレーパッチからシフトしているが、緑はシフトしていないことが好ましい。ユーザーは、ディザリングされたグレーの背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するが、この背景は、33%のディザリングされた背景であってよい。任意選択により、中央パッチは、それが好適な既定の選択肢であること示すべく強調表示してもよい。
【0173】
パッチの数とそれぞれのパッチのRGBの正確な値は極めて柔軟なものであってよい。例えば、図18の画像の場合には、すべてのパッチは、フォスファ、平均ガンマ、及び黒点に基づいたディスプレイ用の推定プロファイルに示されているものと同一のL*の値を備えるように選択可能である。中央パッチに隣接するパッチは、前述のパラメータから構築されるマトリックスTRC(tone reproduction curve)プロファイルから推定されるように、a*及びb*のすべての組み合わせについて+/−3ΔEだけ異なったものであってよい。
【0174】
グリッドアレイの外周縁のパッチは、R及びBが+/−6ΔEだけ中央から異なったものであってよい。この代わりに、簡単にするべく、+/−5グレーレベルや+/−10グレーレベルなど、+/−固定量だけR及びBが変化するように選択することも可能である。すべてのパッチが略定数であるL*の色空間のすべての方向に中央パッチから相対的に小さく偏位していることが好ましい。この試験は、R、G、及びBのガンマに大きな違いが存在するかどうかを高感度で判定するのに有用であり、この結果、R及びB間の大きなグレーのインバランスが明らかになる。
【0175】
図18に示されているパッチの二次元フォーマットは、ユーザーが正しいパッチを選択するのに有用である。この実施例では、カラープロファイリングプロセスの前のステップ(即ち、精細ガンマ)からのパッチが中央に配置されている。隣接するパッチは、アレイが外に広がるに伴ってグレーレベルが変化しており、この結果、アレイの外周縁は、中央パッチから2グラデーションだけ変化したパッチを格納している。このアレイは、背景とのマッチング用の出発点としてユーザーを中央パッチに導く傾向を経験的に有している視覚的な「漏斗」効果を生成している。二次元アレイにおけるパッチ間の違いは、一次元のパッチストリップよりも明瞭であり、且つ劇的である。アレイが外に広がるに伴って、シフトが大きくなる。従って、グラデーションが際立ち、ユーザーが適切なパッチを選択するのに有用である(適切なパッチは、多くの場合、カラープロファイリングプロセスの前のステップで選択された中央パッチとなる)。
【0176】
ユーザーが中央パッチを選択した場合には、1つのガンマ値をR、G、及びBチャネルに使用する。その他のパッチの中の1つを選択した場合には、3つの別個のガンマを次の方程式に基づいて算出する。
【0177】
【数7】
【0178】
ここで、γとd.33用の添え字は、R及びBチャネルの固有値を示している。それぞれのチャネルのd.33の値は、このグレーバランスステップにおいて選択された特定のパッチのRGBの値によって与えられる。これらの方程式を蛍光体値の組と組み合わせ、ICC(International Color Consortium)規格においてマトリックスTRC式と呼ばれている当技術分野において周知の方程式を使用し、クライアントの表示装置用の正確なプロファイルを生成する。この場合にも、この計算は、カラープロファイルサーバー20又はカラー画像サーバー18に関連付けられている色補正モジュールによって実行可能である。
【0179】
この好適な実施例における粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスの判定ステップにおけるパッチ選択プロセスは、クライアント側で読み込みを要するアプリケーション、アプレット、又はその他のクライアントサイドスクリプトが不要であるため、有利である。代わりに、ユーザーは、ウェブページに表示されたパッチの中の1つを単純に選択するのである。しかしながら、その他の実施例において、アプリケーション、アプレット、又はクライアントサイドスクリプトを使用する場合には、ディザリングされた背景との比較用に1つのパッチの色をリアルタイムで調節するための滑らかなスライダバー、+/−矢印、及びこれらに類似のものを使用することが考えられる。この結果、ユーザーは、有限の数のパッチの組から最も近接して一致するものを選択するのではなく、1つのパッチを背景と正確に一致させる能力を有するようになる。又、このリアルタイム調節法は、非ネットワーク型の色の較正及び特徴付け法にも有用である。この場合、黒点、ガンマ、及び/又はグレーバランスを判定するべくユーザーが選択するパッチ又は要素は、スライダやその他の調節媒体により、ユーザーにとって視覚的に許容可能なレベルまで(即ち、パッチがディザリングされた背景と一致して見えるところまで)その色が調節される1つの調節可能なパッチであってよい。
【0180】
黒点、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスのプロセスに基づき、表示装置用のカラープロファイを生成する(190)。そして、カラープロファイルを生成したら、カラープロファイルクッキーを生成する(192)。将来使用するべく、カラープロファイルを表す情報は、カラープロファイルクッキーに付加される。具体的には、この情報を使用し、その特定のクライアント14、16とその特定のネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18間で将来やり取りするための画像サーバークッキーを生成することができる。このカラープロファイルは、ネットワークにおける表示装置を特徴付けるのに特に有用であるが、非ネットワーク型のアプリケーションにおいても有用である。具体的には、本明細書で説明したカラープロファイリングプロセスは、ネットワークを介してではなく、装置においてローカルに生成又は取得されたコンテンツを補正するための個別の表示装置の較正及び特徴付けにも、そのまま使用可能である。
【0181】
有利なことに、クライアント14、16は、それらの表示装置の構成に関する情報を提供する必要はない。sRBG、Apple Macintosh RGB、及びこれらに類似のものなどの公表されている規格に基づいたフォスファ値の平均セット(average set)を使用し、非常に満足できる結果を生成することができる。必要に応じて、特に蛍光体値と白点の問題を解決するべく、更なるステップを追加することも可能である。このカラープロファイリングプロセスでは、結果的に、クライアント14a〜14nに関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報をカラー画像サーバー18に伝達するためのコンテナ又は輸送手段として機能するクッキーを単純に生成している。この代わりに、場合によっては、VESAなどの通信プロトコルを利用してディスプレイから(及び/又は、コンピュータのオペレーティングシステムから)色度情報と白点を取得することができる。現在の技術では、高価な電子回路をもってしてもRGBの黒点及びガンマをハードウェアレベルで完全に維持することは困難であるため、本発明の有用性は持続することになろう。
【0182】
通常、クライアント14、16が実行するブラウザアプリケーションからの各要求には、特定のドメインにとって可視のすべてのクッキーが付加される。このため、通常のブラウザは、それぞれのドメインごとに最大20個のクッキーに制限している。特定のウェブサイトに対するクッキーの割り当てを消費してしまうことを回避するべく、特定のクライアント14、16用のすべての色補正情報を1つのプロファイラクッキーと1つの画像サーバークッキーにパッキングすることが好ましい。場合に応じて、例えば、いくつかの項目を画像サーバークッキー又はプロファイラクッキーの値の文字列内にパッキングすることができる。具体的には、それぞれのクッキーは、R、G、及びBのガンマ値を含む必要がある。それぞれのガンマ値は、1.0〜3.0の間の値であってよい。更に、クッキーには、黒と白の色度値(例:0〜+1000.0の間の値で表されたもの)を含むことができる。
【0183】
模範的なクッキーは、例えば、それぞれが区切り文字によって区切られて値の文字列にパッキングされた次の項目を有することができる。
【0184】
(1)クッキーフォーマットバージョンコード:数値コード(例:1〜3バイト、及び区切り文字)
【0185】
(2)クッキーの作成日:通常のクッキースタイルのタイムスタンプ(GMTの1970年1月1日の午前零時からの経過時間(単位:ミリ秒))(例:12〜13バイト、及び区切り文字)
【0186】
(3)この色情報が色補正シーケンスによって生成された時に、割り当てられた一意のプロファイラID:長整数(例:4バイト、及び区切り文字(但し、もっと長くなる可能性が高い))
【0187】
(4)R、G、Bのガンマ及び黒点の値:それぞれ4十進数からなる1.0〜3.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。小数点を示すことができる。従って、ガンマ値は、最大でそれぞれ5又は6バイト及び区切り文字(従って、全体では、この3倍)を所要する。この代わりに、R、G、及びBに選択された色調値を示しておき、後でクッキーを読み込んだ際にサーバーがガンマ及び黒点の値を算出できるようにしてもよい。
【0188】
(5)黒及び白の色度:それぞれ有意な4桁からなる0〜1000.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。従って、これは、それぞれ最大6又は7バイト及び区切り文字(従って、全体では、この2倍)を必要とする。
【0189】
(6)色のビット数:2つの十進数(2バイト及び区切り文字)
【0190】
(7)表示装置のIDコード:英数字コード(約10バイト及び区切り文字であってよい)
【0191】
(8)クッキーデータのチェックサム:長い整数(4バイト)
【0192】
前述の例のクッキーは、約68バイトと10個の区切り文字を有している。区切り文字は、文字列が「エスケープ」されないように選択する必要があり、通常、このような場合には、カレット(^)が使用される。従って、この値の文字列の通常のサイズは約80バイトになる。
【0193】
図19は、図1及び図2に示されているシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。具体的には、図19は、個別の供給先クライアント16がアクセスする2つの異なるカラー画像サーバー18a、18bに対して既に画像サーバークッキーが生成されているシステム191を示している。この場合、供給先クライアント16は、ネットワークサーバー12からのウェブページにアクセスし、カラー画像サーバー18aに対して画像を要求する。別のネットワークサーバー12に対して画像を要求する場合には、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18bに対して画像を要求する。カラー画像サーバー18aは、色補正モジュール192とカラー画像のアーカイブ194の両方を内蔵している。同様に、カラー画像サーバー18bも、色補正モジュール196とカラー画像のアーカイブ198を含んでいる。
【0194】
供給先クライアント16は、画像要求をカラー画像サーバー18aに送信する際に、ライン200によって示されているように、一緒に供給先プロファイルクッキー(即ち、画像サーバークッキー)を送信する。同様に、ライン202によって示されているように、供給先クライアント16は、画像を要求する際に、画像サーバークッキーをカラー画像サーバー18bに送信する。いずれの場合にも、画像サーバークッキーには、それぞれ画像アーカイブ194、198から提供されるカラー画像を変更(即ち、色補正)する際に個別の色補正モジュール192、196が使用する色補正情報を提供するカラープロファイルが格納されている。従って、この要求を受信すると、カラー画像サーバー18a又は18bは、添付されている画像サーバークッキーを処理して内容を抽出し、抽出した内容に基づいて個別の色補正モジュール192、196を制御する。この結果、供給先クライアント16は、参照符合204、206で示されているように、色補正済みの画像を受信することになる。
【0195】
次に、色補正モジュールが画像サーバークッキー内に格納されているカラープロファイルを利用する方法について説明する。図12〜図19を参照して説明した実施例においては、個別の供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーが選択した赤、緑、及び青要素に基づき、それぞれの色チャネルの黒点を推定している。従って、カラープロファイリングプロセスの出力は、黒点のRGB値とガンマ、又は個別のRGBガンマである。ここでは、これらの値が前述のように判定されていることを前提とする。表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって与えられる。
【0196】
【数8】
【0197】
ここで、R、G、Bは、それぞれ次のとおりである。
【0198】
【数9】
【0199】
値dr、dg、及びdbは、1.0に正規化された赤、緑、及び青チャネルのデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは、赤、緑、及び青チャネルの黒点であり、γr、γg、及びγbは、赤、緑、及び青チャネルのガンマである。従って、個別の表示装置用の画像サーバークッキー内に格納されているガンマ及び黒点情報を前述の方程式で使用し、実際に、供給先装置のプロファイルを生成することができる。この供給先装置プロファイルと要求画像に対して以前算出されている供給元プロファイルを使用し、較正済みの出力をその表示装置上で生成するのに十分な画像データの変形を実行することができる。
【0200】
前述の方法は、バーンズ(Berns)の「CRT色彩測定:第1部「理論と実践」」(CRT Colorimetry. Part I:Theory and Practice)における方程式21などの表示装置を特徴付けるその他の試みとは異なるものである。大部分の特徴付けでは、「k」パラメータを使用し、黒点ではなく、黒のオフセットを表している。黒のオフセットは、RGB=0のディスプレイから計測又は感知される非ゼロの強度を意味している。本発明者らの経験によれば、本発明の実施例によるカラープロファイリングプロセスで使用するコントラスト/輝度調節手順により、この現象の影響が最小化される。但し、コントラスト/輝度調節の後も、非ゼロの黒点が発生する可能性は高く、従って、考慮しておく必要がある。
【0201】
このプロファイルの記述内容は、このフォーマットで使用することも可能であり、或いは、ICCが規定するものなどのフォーマットに変換することもできる。このフォーマットは、マトリックスTRCフォーマットとしても知られており、前述のものに類似の行列と組み合わせた方程式ではなく、R、G、及びBの前述の式用の一般的なルックアップテーブルを利用している。前述の情報(例:ガンマ、黒点、及びこれらに類似のもの)は、クライアント14、16に関連付けられているコンピュータ上のクッキーに保存可能である。この代わりに、ユーザーが選択したパッチのRGB値である個別のデータをクッキーに保存することも可能であり、この場合には、将来、同一の入力情報を利用し、改善されたプロファイル技術を採用することができる。
【0202】
本明細書において説明したシステムを既存のウェブサイトの画像アーカイブ及びHTMLコードベースと共に実装するには、既存のネットワークサーバー12を変更し、HTMLページに示されている既存の画像ファイルに対する参照を色補正モジュールを具備する適切なカラー画像サーバー18に対する参照によって置換する。例えば、
http://SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
という既存の加入者画像ファイルの参照を、
http://correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
によって置換するのである。
【0203】
この結果、HTMLページ内の変更されたこれらの参照により、カラー画像サーバー18に対して要求画像を提供するためのコマンドが発行される。カラー画像サーバー18は、このコマンドを受信する際に、画像サーバークッキーが存在する場合には、その画像サーバークッキーも共に受信し、色補正を適用するべくクッキー内に格納されている情報を適用する。次いで、カラー画像サーバー18は、関連する画像ファイルを読み取り、画像サーバークッキーに保存されている表示パラメータを利用して固有の表示プロファイルを作成し、クライアントのブラウザに送信する前に、供給元画像を供給先画像に変換する。
【0204】
ネットワークサーバー12上に保存されているすべての画像は、加入者カラー画像サーバー18上に存在する同一名の対応するコピーファイルを有することができる。カラー画像サーバー18は、この画像ファイルのデータベースにアクセスし、クライアント14、16に送信されたHTMLページが参照している画像を読み取り、変換し、送信することができる。一実施例によれば、カラー画像サーバー18は、色管理用の非常に単純で迅速な技法を使用可能である。具体的には、カラー画像サーバー18上のすべての画像は、事前に定義されたRGB色空間を備えていることが好ましい。これは、通常、対応する供給元装置(例:スキャナ、デジタルカメラ、及びこれらに類似のものなど)から特定のウェブサイトに決められている標準的な色空間にオリジナルの画像を変換することを意味している。標準的なRGB色空間の優れた例がColorMatch RGBであり、これはD50の「仮想ディスプレイ」用の色温度を備えている。Adobe RGBなどのその他の色空間も極めて優れた色域を備えているが、その色温度はD65のものである。次のように、クライアント14、16に送信されたHTMLページ上の画像が、ネットワークサーバー12に関連付けられているカラー画像サーバー18を介して参照されると、
correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
カラー画像サーバー18は、対応する画像にアクセスし、その画像を供給先クライアントに送信する前にRGBデータをリアルタイムで変換する。この変換は、次の計算に従って実行可能である。
【0205】
【数10】
【0206】
【数11】
【0207】
尚、前述の行列は、処理速度を向上させるべく1つの行列に連結することができる。
【0208】
代替アーキテクチャとして、様々なウェブサイトのすべての画像を中央カラー画像サーバー18に保存することも可能である。このような実施例では、カラープロファイリングサーバー20は、存在してもよいが、カラー画像サーバー18と統合することも可能である。この場合、カラープロファイリングサーバー18は、本明細書において説明したように、カラープロファイリングプロセスのガイダンス用のウェブページを提供する。カラー画像サーバー18又はカラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられている個別のカラープロファイルを保存するためのデータベースサーバーを含むことができる。クライアント14、16が、ネットワークサーバー12の中の1つから送信されたコード内にタグで指定されている画像を要求すると、そのクライアントは、中央カラー画像サーバー18にダイレクトされる。カラー画像サーバー18は、クライアントから送信されたクライアントIDを使用して適切なカラープロファイルを取得し、それを適用して本明細書において説明した色補正法を使用し、要求されたカラー画像を変更することができる。この結果、カラー画像サーバー18は、クライアント14、16とカラー画像サーバー間でクッキー及びこれに類似のものを転送することなく、色補正済みの画像を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】コンピュータネットワークにおける供給元及び供給先クライアント間のカラー画像表示精度を改善するシステムのブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示すシステムを内蔵するウェブベース環境のブロックダイアグラムである。
【図3】供給元クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図4】供給先クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図5】色精度を改善するべくカラー画像を変更するプロセスを示すフローチャートである。
【図6】カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。
【図7】複数の供給元クライアントからアップロードされ、複数の供給先クライアントにダウンロードされる画像用の色補正方式を示すブロックダイアグラムである。
【図8】色補正の料金を算出するプロセスを示すフローチャートである。
【図9】色補正の料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。
【図10】色補正の料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。
【図11】カラー画像の表示精度を改善するプロセスを詳細に示すフローチャートである。
【図12】カラープロファイリングプロセスにおけるマルチチャネルの黒点判定を示すフローチャートである。
【図13】黒点判定の前に、色の表示をアナログ調節するためのウェブページの図である。
【図14】特定の色チャネルの黒点を判定するためのウェブページの図である。
【図15】カラープロファイリングプロセスにおけるガンマ及びグレーバランスの判定を示すフローチャートである。
【図16】カラープロファイリングプロセスにおける粗ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図17】カラープロファイリングプロセスにおける精細ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図18】カラープロファイリングプロセスにおけるグレーバランスの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図19】図1及び図2に示すシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。
【0001】
本発明は、カラー画像の生成(Color Imaging)に関し、更に詳しくは、表示装置におけるカラー画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの成長に伴い、オンライン小売業者やその他の製品販売業者にとって大きなビジネスチャンスが創造された。既に消費者製品の主要小売業者の大部分は、ワールドワイドウェブ上に商用サイトの構築を完了している。同時に、ウェブサイトの利用により、これまで小規模小売業者が経験していたマーケティング障壁の多くが取り除かれた。更には、小規模小売業者と個人のウェブユーザーの両方にとって、オンラインオークションが人気のある取引形態になっている。いまや、小売業者であれば誰でも、潜在顧客が簡単にアクセスできるように製品情報を掲示し自社製品に対する注文を自動的に取得可能であるといっても過言ではない。
【0003】
それらの製品情報には多数の画像が含まれている。クライアント装置を操作するウェブ顧客は、オンラインの注文書を発行する前に、それらの画像によって製品を参照することができる。物品によっては、ユーザーが「サムネイル」画像をクリックすると、その物品を高解像度のフォーマットで参照可能なものも存在する。しかしながら、多くの場合に、それらの画像の品質が大きな懸念材料となる。特に、色が主なセールスポイントとなっている製品の場合、色の精度が非常に重要になるのである。
【0004】
例えば、衣料品の小売業者の場合には、セーターの画像は実際の色と可能な限り同一でなければならない。ところが、残念ながら、色の出力特性は表示装置ごとに大きく異なる。赤、緑、及び青(RGB)のピクセル値のレンダリング及び表示方法は、陰極線管(CRT)又はフラットパネルディスプレイ、ビデオカード、ドライバソフトウェア、及びオペレーティングシステムによって総合的に決定されるが、システムごとに、これらが大きく異なるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この結果、ワイン色に表示されたセーターを注文したオンライン顧客のところに明るい赤のセーターが届くことになる。現実に、この色精度の不良が、オンライン顧客による購入品返品の大きな原因となっている。更には、これに不満を持った顧客は、その小売業者のウェブサイトを二度と訪問しなくなるであろう。場合によっては、オンライン販売に対する取り組みによって販売業者が獲得した利点が、この問題によって相殺されてしまい、継続的な投資が停滞することにもなり得るのである。
【0006】
同時に、この色精度の問題は、小売業者以外の人々による画像の交換においてもその重要性を増している。写真愛好家達は、写真画像の生成と共有を促進する新たに出現したデジタル写真撮影法及びウェブサイトの両方を歓迎している。そして、必然的な従来の写真撮影法との比較により、デジタル写真家達は、色精度の向上を求めているのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、色の出力特性が異なる表示装置を備えたコンピュータネットワークにおけるカラー画像表示精度の改善に関するものである。具体的には、本発明は、画像を提出する複数のクライアントと画像を受信する複数のクライアントを備えたネットワークにおけるカラー画像の表示精度の向上に有用なものである。
【0008】
複数のクライアントが画像を中間サーバーにアップロードすると共に、複数のクライアントがそれらの画像をサーバーからダウンロードする環境においては、色の精度を確保することが難しい。この状況では、様々なアップロードクライアントとダウンロードクライアントに関連付けられている表示装置が非常に異なる比色分析特性(colorimetric characteristics)を備えているからである。
【0009】
従って、本発明の実施例に中には、画像転送プロセスの両端における色精度問題に関連したプロセスに特に有用なものが存在する。例えば、オンラインオークションや写真撮影のウェブサイトでは、表示装置の違いにより、画像を提出する供給元クライアントと画像を受信する供給先クライアント間に、カラー画像の精度の差があるという問題が発生する。オークションと写真撮影のウェブサイトは、色に対する懸念がプロセスの供給元と供給先の両端において発生する状況の例である。
【0010】
一例として、オンラインオークションの場合、画像の色精度が懸念材料となる。ガラス製品から手工芸品にまで及ぶ広い範囲の物品を売り手が掲示するオークションでは、物品を正確に表す画像を提供することが重要なセールスポイントとなっている。しかしながら、小売サイトの場合と同様に、それらの画像の色精度は、買い手のディスプレイシステム間の違いによって劣化する。更には、様々な売り手の表示及び画像キャプチャシステム間の違いによって精度問題が更に悪化することになる。オンラインオークションの場合には、小売サイトと異なり、画像の生成ソースが、1つではなく、数千もの通常匿名の売り手から構成されるからである。
【0011】
同様の画像の色精度問題は、オンラインの写真共有及び生成サイトでも発生する。例えば、家族や友人が参照できるようにウェブサイトに写真を掲示するアマチュア写真家は、様々な表示及び画像キャプチャシステムを備えている。同時に、家族や友人が写真にアクセスするのに使用する表示装置も大きく異なる。この結果、写真家と家族/友人が参照する色が大きく異なることになる。相対的にその重要性は低いとはいえ、アマチュア写真の場合にも、色の精度は非常に望ましいものである(特に、供給元クライアントがオンライン写真の表示形態を編集可能なウェブサイトの場合)。通常、オンライン写真共有サイト及びオンラインオークションサイトは、表示特性が画像の入力端と出力端で大きく異なる双方向の較正問題の代表的な例である。
【0012】
掲示された画像を1つの小売業者が制御している大部分の小売サイトとは異なり、オークションや写真撮影のサイトの場合、複数の供給元から画像を受信する(その際に一緒に受信する画像又はクライアントの比色分析特性は、存在したにしても非常にわずかなものである)。この結果、色はオークションサイトにおける購入の決定に極めて重要であり、写真の共有にとっても重要なものであるにも拘らず、色精度問題が更に悪化することになる。
【0013】
一実施例において、本発明は、コンピュータネットワークを介した供給元クライアントからのカラー画像の受信と、コンピュータネットワークを介した供給先クライアントへのカラー画像の伝達に関連する方法を提供する。カラー画像は、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいて変更される。
【0014】
別の実施例においては、本発明は、プログラムコードを格納するコンピュータ読取り可能な媒体を提供し、このプログラムコードによって、プログラム可能なプロセッサは、コンピュータネットワークを介して供給元クライアントからカラー画像を受信し、そのカラー画像をコンピュータネットワークを介して供給先クライアントに伝達し、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。
【0015】
更なる実施例において、本発明は、ネットワークサーバーとカラー画像サーバーを有するシステムを提供する。ネットワークサーバーは、供給元クライアントからカラー画像を受信し、そのカラー画像を供給先クライアントに伝達する。カラー画像サーバーは、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。
【0016】
実施例の中には、供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答にのみ基づいてカラー画像を変更するものも存在する。その他の実施例においては、供給元クライアントと供給先クライアントの両方に関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいてカラー画像を変更する。いずれの場合にも、供給元クライアントの特性に基づいてカラー画像を変更し標準的な色条件の中間画像を生成することができる。そして、供給先クライアントが画像を要求した際に、その供給先クライアントの比色分析特性に基づいてカラー画像を標準的なカラー条件から変更することができる。
【0017】
本発明は、特定の実施例においていくつかの利点を提供することができる。本発明は、画像を中間サーバーにアップロードする供給元クライアントと画像をダウンロードする供給先クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析的な特徴付けを提供することができる。カラープロファイリングサーバーを提供し、カラープロファイリングプロセスにおいて様々なクライアントをガイドすることができる。このカラープロファイリングプロセスで各クライアントについて取得した情報を色補正サーバーにアップロードし、これを使用して、写真を参照する友人や家族、或いはオークションの入札者などの供給先クライアントにダウンロードする画像の色を変更することができる。即ち、本発明は、供給元及び供給先クライアント用の正確で一貫性のある色表示を円滑に実行する中間サーバーを使用し、双方向の較正を提供しているのである。実施例の中には、カラーサーバーにおいて(或いは、供給先クライアントにおいて)色の変換を実行可能なものも存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、コンピュータネットワークにおけるカラー画像の表示精度を改善するシステム10のブロックダイアグラムである。このコンピュータネットワークは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又は、ワールドワイドウェブなどのグローバルコンピュータネットワークの形態を取ることができる。図1に示されているように、システム10には、ネットワークサーバー12、供給元クライアント14、供給先クライアント16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20が含まれている。
【0019】
ネットワークサーバー12はウェブサーバーであってよく、供給先供給元及び供給先クライアント14に対して、カラー画像などのグラフィックコンテンツを内蔵するウェブページへのアクセスを提供する。ウェブページに内蔵されるカラー画像の中には、ネットワークサーバー12に保存可能なものも存在するが、その他のカラー画像は、カラー画像サーバー18に保存し、ウェブページに埋め込まれたタグによって参照することができる。
【0020】
画像の中には、供給元クライアント14からネットワークサーバー12及び/又はカラー画像サーバー18にアップロード可能なものも存在している。ネットワークサーバー12には、低解像度のカラー画像、並びに色が重要ではない画像を保存することができる。高解像度のカラー画像と色が重要な画像は、カラー画像サーバー18に保存可能である。供給元クライアント14は、カラー画像をネットワークサーバー12、カラー画像サーバー18、又はこれらの両方にアップロードする多数の供給元クライアントの中の1つであってよい。これらのカラー画像は、例えば、供給元クライアントがオークション物品の売り手であるオンラインオークションプロセスの一部としてアップロード可能である。
【0021】
画像は、供給先クライアント16がダウンロードするが、この供給先クライアントは、ネットワークサーバー12からは画像及びウェブページを、カラー画像サーバー18からは画像をダウンロードする多数の供給先クライアントの中の1つであってよい。一例として、供給先クライアント16は、供給元クライアントの中の1つが掲示したオークション物品に入札を行うクライアントであってよい。この場合には、例えば、その物品が特定の品質や色の特性を備えていることを実証するために、物品のカラー画像がセールスポイントとして重要になる。ワールドワイドウェブ上のオンラインオークションの周知の例とては、www.ebay.comを挙げることができる。
【0022】
別の例として、供給元クライアントは、保存、印刷、及びその他の人々との共有のためにデジタルカラー写真をアップロードするアマチュア又はプロの写真家であってよい。アマチュア写真家の場合には、供給元クライアント14は、供給先クライアント16として示されている友人や家族が参照できるようにデジタル写真を掲示可能である。プロの写真家が掲示した写真は、顧客が参照するべく提供される。これらの写真は、デジタルカメラ、或いは従来の写真のデジタルスキャンから生成されたものであってよい。ウェブ上の商用写真サイトの例としては、ofoto.comとshutterfly.comを挙げることができる。
【0023】
前述の例のそれぞれにおいては、潜在的に多数の、カラー画像をアップロードする供給元クライアント14と画像のダウンロードと参照を要求する供給先クライアント16が存在している。しかし、残念ながら、供給元クライアントと供給先クライアントが使用している表示装置は比色分析応答が大きく異なっている。この結果、供給元クライアント14の表示装置上に表示された際に満足なものに見えるカラー画像が、供給先クライアントに関連付けられている表示装置のいずれかにおいて表示された際には、不満足なものに見えることになる。この相違は、供給先の側における比色分析的な違いだけでなく、供給元の側におけるそれぞれの画像の比色分析的な違いにも起因するものである。多くの場合、供給元クライアント14も、供給先クライアント16として機能することができ、この逆も同様である。
【0024】
本発明の一実施例によれば、画像をアップロードする供給元クライアント14と画像のダウンロードを要求した供給先クライアント16に関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づき、カラー画像が変更される。この結果、比色分析的な違いがプロセスの両端において補償され、優れた精度を提供することができる。必要な比色分析応答情報を取得するべく、本発明においては、供給元及び供給先クライアントのそれぞれについてカラープロファイリングプロセスを実行する。オークションサイトと写真サイトの例以外にも、本発明は、一端に位置する多数の供給元クライアントと他端に位置する多数の供給先クライアント間における、ネットワークサーバーを介した画像の双方向転送を必要とする様々なプロセスに有用である。
【0025】
更に図1を参照すれば、カラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16用のカラープロファイリングプロセスを実行することができる。カラープロファイリングプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられた表示装置の比色分析応答を特徴付ける情報を生成する。この各クライアント14、16の情報は、カラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達可能である。一実施例においては、この各クライアント14、16の情報は、その個別のクライアントにダウンロードされるカラープロファイルクッキーに保存される。
【0026】
供給元クライアント14は、まずネットワークサーバー12とやり取りし、例えば、オンラインオークション又は写真サイトにアップロードする画像又は画像の組に関する情報を伝達する。そして、供給元クライアント14は、画像をネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18にアップロードすることができる。一実施例においては、供給元クライアント14は、画像をカラー画像サーバー18にアップロードし、ネットワークサーバー12は、そのアップロードされた画像を参照するウェブページを保存する。画像を初めてアップロードする際に、供給元クライアント14をカラープロファイルサーバー20にリダイレクトし、比色分析応答情報を取得するためのカラープロファイリングプロセスを完了することができる。
【0027】
供給元クライアント14が画像のアップロードを要求すると、カラー画像サーバー18は、まず、供給元クライアント14がカラープロファイリングクッキーをアップロードしているかどうかを判定する。アップロードしている場合には、通常、カラープロファイリングプロセスを繰り返す必要はない。クッキーには、供給元クライアントの表示装置の比色分析応答を特徴付けるパラメータ情報を格納することができる。この場合、カラー画像サーバー18は、クッキーの内容を抽出し、供給元クライアント用のカラープロファイル(即ち、供給元プロファイル)を準備する。この代わりに、カラープロファイルサーバー20において、事前にカラープロファイルを算出し、カラープロファイリングプロセスの終了時点で供給元プロファイルクッキーに追加することも可能である。
【0028】
このパラメータ情報、或いは事前に算出されたカラープロファイルには、推定された黒点、ガンマ、及びグレーバランスに関する情報が含まれている。結果的に生成される供給元プロファイルは、カラー画像サーバー18がアクセス可能なデータベースに保存し、供給元クライアント14がアップロードした関連する画像に関連付けることができる。この代わりに、供給元プロファイルを関連する画像ファイルに埋め込んだり、添付したり、或いは、含めたりすることも可能である。いずれの場合にも、必要な色の変更をレンダリングするべく、カラー画像サーバー18は供給元プロファイルに容易にアクセス可能である。
【0029】
供給先クライアントが初めてカラー画像をダウンロードしようとする場合にも、同様のカラープロファイリングプロセスを完了させることができる。供給先クライアント16がネットワークサーバーを介してアクセスしたウェブページにカラー画像サーバー18上に保存されている画像が含まれている場合には、供給先クライアントは、カラー画像サーバーとやり取りする。そして、供給先クライアント16からの供給先プロファイルクッキーをカラー画像サーバー18が検出できない場合には、供給先クライアントはカラープロファイルサーバー20にリダイレクトされる。カラープロファイルサーバー20によってカラープロファイリングプロセスが遂行されるが、このプロセスは、供給元クライアント14用のカラープロファイリングプロセスと実質的に類似のものであってよい。
【0030】
カラープロファイリングプロセスが完了した後に、カラープロファイルサーバー20は、比色分析応答パラメータを供給先プロファイルクッキーに追加し供給先クライアント16にダウンロードする。この代わりに、カラープロファイルサーバー20は、供給先プロファイルを生成しクッキーに内蔵することも可能である。この時点以降、ネットワークサーバー12に対してウェブページを要求し、そのページ内にカラー画像サーバー18上に存在しているカラー画像が含まれている場合には、供給先クライアント16は、このクッキーをカラー画像サーバー18にアップロードする。カラー画像サーバー18は、この供給先プロファイルクッキーから比色分析応答情報を抽出する。
【0031】
次いで、カラー画像サーバー18は、要求された画像、及び関連する供給元プロファイルを取得する。そして、カラー画像サーバー18は、それらの関連する供給元及び供給先プロファイルを使用し、カラー画像に対する変更を生成する。実施例の中には、カラー画像サーバー18が、最初に供給元プロファイルを使用して画像を標準的な色設定に変換しておき、その後、供給先クライアント16がその画像に対するアクセスを要求した際に、その標準的なカラー画像を供給先プロファイルに基づいて変換できるものも存在する。この変更においては、供給元クライアント14に関連付けられている表示装置と供給先クライアント16に関連付けられている表示装置間の比色分析応答の違いを補償するべく、カラー画像ファイルの色値(color values)が変更される。この結果、供給先クライアント16によって表示された画像の色が、元々供給元クライアント14によって表示された画像の色と正確に一致するようになる。実施例の中には、例えば、標準的な画像と色変換テーブルを供給先クライアントにダウンロードすることにより、供給先クライアント16において色変換を実行可能なものも存在する。
【0032】
ネットワークサーバー12、クライアント14、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20のそれぞれは、各装置にローカルに存在するコンピュータ読取り可能な媒体に保存されているか、或いは遠隔地から伝送されるプログラムコードを実行する。例えば、クライアント14の場合には、プログラムコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)に存在し、クライアントコンピュータは、このプログラムコードにアクセスし実行する。このプログラムコードは、クライアント14に関連付けられた固定ハードディスクやリムーバブル媒体のドライブなどの別の記憶装置からメモリ内に読み込むことができる。
【0033】
プログラムコードは、当初、例えば、磁気、光、光磁気、或いは、その他のディスク又はテープ媒体などのコンピュータ読取り可能な媒体、或いは、EEPROMなどの電子媒体上に格納することができる。この代わりに、プログラムコードは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又はインターネットなどのグローバルネットワークなどを介して遠隔地のデータアーカイブから伝送し、これらの媒体内に読み込むこともできる。これらのコードのかなりの部分は、個別の装置に送信され、サーバー又はブラウザアプリケーションによって実行されるウェブページコードである。
【0034】
ネットワークサーバー12が生成するウェブページコード(例:ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)や拡張マークアップ言語(XML)など)には、カラー画像サーバー18などに保存されている特定のカラー画像をポイント(アドレス指定)する画像タグが含まれている。ネットワークサーバー12が提供したウェブページにクライアント14がアクセスし、HTMLを実行してページのコンテンツをアセンブルすると、カラー画像サーバー18に対してアクセスされ、ウェブページコード内にタグで指定されている画像が取得される。従って、クライアント14用にアセンブルされたウェブページのコンテンツには、ネットワークサーバー12やカラー画像サーバー18などのシステム10が占有するネットワーク内の様々なリソースから取得したオブジェクトが含まれることになる。
【0035】
実施例の中には、ネットワークサーバー12とカラー画像サーバー18を統合可能なものも存在する。しかしながら、図1の例においては、カラー画像サーバー18とネットワークサーバー12はそれぞれ別個に存在している。ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18は、それぞれデータベースサーバー及びファイルサーバーとやり取りして、クライアント14に提供するべく選択されたカラー画像にアクセスすることも可能である。又、運用においては、1つ又は複数の共通ファイル及びデータベースサーバーにアクセスする複数のネットワークサーバーの中の1つにより、ネットワークサーバー12を実現することもできる。
【0036】
クライアント14、16は、ユーザーによるシステム10のリソースへのアクセスとそれらのリソースから取得したカラー画像の表示を可能にする様々な装置の形態を取ることができる。クライアント14、16の例としては、Windows(登録商標)、Macintosh、Unix(登録商標)、又はLinux環境で稼動するデスクトップ又はポータブルコンピュータ、小型のポータブル装置用のPalm、Windows(登録商標) CE、又は類似のオペレーティングシステム環境に基づいた携帯情報端末(PDA)、携帯電話、インターネットアクセス用のセットトップボックスを有する対話型テレビ、公衆用のインターネットキオスク、並びに将来登場するであろうインターネット機器やその他の消費者用の電子装置が含まれる。
【0037】
それぞれのクライアント14、16は、ウェブブラウザなどのグラフィカルな表示アプリケーションを実行し、システム10に付加されているネットワークサーバー12やカラー画像サーバー18などのその他のリソース上に存在するリソースにアクセス可能なものが好ましい。ウェブブラウザ・アプリケーションにより、クライアント14、16に関連付けられているユーザーは、ネットワークサーバー12が生成するウェブページとカラー画像サーバー18が提供する画像を容易に参照することができる。情報がユーザー対話型のフォーマットで提示されている場合には、その他のユーザーインターフェイスのアプリケーションもネットワークサーバー12へのアクセスにおいて有用であろう。
【0038】
実施例の中には、静止画像に加え、色補正済みのビデオ画像を提供するようにカラー画像サーバー18を構成可能なものも存在する。この場合には、カラー画像サーバー18は、要求に応じてビデオ補正を算出するか、或いは様々なカテゴリのクライアント装置用にそれらを事前に算出しておくように構成することができる。MPEGクリップやストリーミングビデオなどのビデオの場合も、個別のクライアント14、16に関連付けられている表示装置の影響について補償しなければ、同様の色精度問題の影響を受けることになる。従って、本発明の実施例の中には、放送のようなビデオコンテンツに特に有用なものも存在する。例えば、オンラインオークションのコンテンツの場合、物品の画像の移動、ズーム、回転、或いは使用中又はモデルを伴う物品の表示が望ましい場合がある。写真サイトの場合にも、供給元クライアント14がビデオ画像のアップロードを希望することがある。
【0039】
いずれの場合にも、供給元及び供給先クライアント14、16には、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18から取得したカラー画像を表示するための陰極線管やフラットパネル・ディスプレイなどの表示装置が含まれている。その他のタイプのディスプレイ、並びに電子ペーパーなどの動的な表示媒体も考えられる。ネットワークサーバー12、クライアント14、16、及びカラー画像サーバー18間の通信は、TCP/IPなどの従来のネットワークプロトコルを使用して実現可能である。
【0040】
PDAや携帯電話などの前述のクライアント装置の中には、現時点では、比較的低品質のカラーディスプレイしか内蔵していないものも存在するが、近い将来、それらの装置も、高品質のカラーディスプレイを採用するものと予想される。従って、システム10は、PDA、携帯電話、及び類似の装置によって表示されるカラー画像品質の改善にも将来容易に適用できることになろう。
【0041】
一例として、ネットワークサーバー12は、オークション用に掲示された物品に関連付けられたウェブページを提供することができる。この例の場合、ネットワークサーバー12が提供するウェブページには、オークションに提供された物品に関する説明情報、その価格、及びオンライン顧客が参照するための物品のカラー画像を格納することができる。これらのカラー画像の中には、カラー画像サーバー18に保存された高解像度の画像をポイントするハイパーリングと共に配置された低解像度の「サムネイル」画像を構成するものも存在している。供給先クライアント14、16は、ネットワークサーバー12によって提供されたコードをブラウザアプリケーション内で実行し、ウェブページをアセンブルして表示する。
【0042】
クライアント14、16に関連付けられているユーザーが、マウスやトラックボール、或いはペンなどのポインティング装置によってサムネイル画像の中の1つをクリックすると、クライアント14は、カラー画像サーバー18にアクセスし、ウェブページコード内に埋め込まれた画像タグで指定されている高解像度のカラー画像を取得する。カラー画像サーバー18は、この高解像度のカラー画像を優れた色精度で表示できるよう、関連する取得した供給元及び供給先クライアント14、16用の比色分析情報に基づいてそのカラー画像を変更する。
【0043】
特筆すべきことに、それぞれの画像は、通常、1つの供給元クライアント14(即ち、その画像を掲示したクライアント)と(従って、1つの供給元プロファイルと)関連付けられることになる。しかしながら、その画像をダウンロードする可能性のある供給先クライアント16は多数に上り、多数の潜在的な供給先装置プロファイルが提示されることになる。従って、画像の変更においては、カラー画像サーバー18は、通常、1つの供給元クライアント14に対応する供給元プロファイルと、様々な供給先クライアント16に対応する複数の潜在的な供給先プロファイルの中の1つを参照することになる。
【0044】
供給先クライアント16が、画像を要求し、供給先プロファイルクッキーを提供すると、カラー画像サーバー18は、供給先プロファイルを抽出すると共に、画像に関連付けられている供給元プロファイルを取得し、必要な色変更をカラー画像に適用する。そして、カラー画像サーバー18は、変更済みの画像を供給先クライアント16に提供する。この代わりに、カラー画像サーバー18は、以前供給元プロファイルを使用して標準的な条件に補正済みの画像にアクセスし、供給先プロファイル情報を適用して供給先クライアント16に関連付けられている表示装置用の正確なカラー画像を生成することも可能である。
【0045】
このカラープロファイリングプロセス(従って、色精度の改善)は、供給元クライアント14及び供給先クライアント16の両方にとって任意選択であってよい。物品の中には、色精度が重要ではないものも存在する。供給先クライアント16がカラー画像サーバー18のカラー画像にアクセスした際に、精度が劣る既定の色設定を有するバージョンの画像を参照するか、或いは、カラープロファイリングプロセスの結果に基づいて変更済みの正確なカラー画像を参照するか、という選択肢を供給先ユーザーに提示することができる。
【0046】
カラー画像サーバー18が供給先クライアント16に最初に提供するカラー画像は、カラープロファイリングプロセスを開始するための1つ又は複数のハイパーテキストリンクと共に、ウェブページ内に埋め込むことができる。適切なリンクを選択することにより、供給先クライアント16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りし、カラープロファイリングプロセスを実行する。リンクを選択しない場合には、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18による色変更の利益を享受することなく、単純に既定の画像を参照する。供給先クライアント16は、画像と共に、その画像にカラープロファイリング及び補正が適用されているかどうかに関する標識を表示することも可能である。この標識はアイコンの形態を取ることができる。
【0047】
ユーザーがハイパーテキストリンクをクリックしてカラープロファイリングプロセスを開始すると、クライアント16は、ユーザーに対して一連の指示用のウェブページを提供するべくカラープロファイルサーバー20にアクセスする。カラープロファイルサーバー20が提供するそれらのウェブページにより、ユーザーは、クライアント16に関連付けられた特定の表示装置の比色分析応答特性を推定するべく設計されたいくつかのステップにおいてガイドされる。
【0048】
このプロセスが完了すると、カラープロファイルサーバー20は、実行された際にカラープロファイル情報を格納するクッキーを生成するコンテンツを有するウェブページを提供する。このクッキーは、そのカラー画像、並びにその時点以降にアクセスするカラー画像の変更に使用するべく、カラー画像サーバー18にアップロードされ、それにより、クライアント16に関連付けられている表示装置上に高品質のカラー出力を生成することができる。
【0049】
カラープロファイリングは、供給元クライアントにとっても任意選択であってよい。供給元クライアント14は、画像をアップロードする際に、その画像を当初の状態のままで掲示するか、或いは色補正済みの状態で掲示するかを選択することができる。この結果、供給元クライアント14と関連付けられているユーザーは、色精度の改善が必要かどうかを選択することができる。実施例の中には、オークション又は写真サイトの管理者が、供給元クライアント14又は供給先クライアント16のいずれか、或いは両方に、料金を課金することを選択できるものも存在する。
【0050】
ネットワークサーバー12は、供給元クライアントがオークション用の新しい物品、或いは新しい写真又は写真の組を提出する際に、供給元クライアント14に対してカラープロファイリングオプションを提示することができる。色精度の改善が望ましい場合には、供給元クライアント14は、そのオプションを選択し、カラープロファイリングプロセスを実行する。即ち、供給元クライアント14は、ネットワークサーバー12を介してカラープロファイルサーバー20にダイレクトされることになる。
【0051】
カラープロファリング情報を取得するその他の技法には、ユーザーによるカラー画像サーバー18との直接的なやり取りを必要としないものも存在する。代わりに、ユーザーは、自発的にウェブサイトを訪問し、カラープロファイリングを実行するのである。このウェブサイトは、カラープロファイルサーバー20が提供するか、或いはカラープロファイルサーバーと同一のドメイン内に存在するものであってもよい。この代わりに、ユーザーは、ダウンロードしたり、或いは彼らに物理的に提供されたソフトウェアを実行することにより、彼らの個別のクライアント14、16に関連付けられている表示装置をプロファイリングすることも可能である。
【0052】
図2は、図1に示されているシステムを内蔵するウェブ環境21のブロックダイアグラムである。この図2の例では、ウェブ環境は、オークションサーバー22を含んでおり、このサーバーは、ワールドワイドウェブ24を介してオンラインオークションプロセスをサポートするウェブページを提供することができる。このウェブ環境21には、いくつかの供給元クライアント141〜14Nも含まれている。それぞれの供給元141〜14Nは、例えば、オークション物品の売り手を表している。ウェブ環境21内には、いくつかの供給先クライアント161〜16Nも存在している。供給先クライアント161〜16Nの多くも供給元クライアントとして機能することができ、この逆も同様である。換言すれば、オークション物品の画像をダウンロードするクライアント16の中には、彼ら自身のオークション物品をアップロードする者も存在するということである。
【0053】
カラー画像サーバー18は、オークションサーバー22によって提供されたウェブページが参照している画像を提供する。カラープロファイルサーバー20は、ワールドワイドウェブ24を介してウェブページを供給元クライアント141〜14Nと供給先クライアント161〜16Nに提供することにより、カラープロファイリングプロセスをガイドする。そして、カラープロファイルサーバー20は、供給元クライアント141〜14N及び供給先クライアント161〜16Nから取得した比色分析情報を(例えば、供給元及び供給先プロファイル又はパラメータ情報として)カラー画像サーバー18にワールドワイドウェブ24を介して送信する。すると、カラー画像サーバー18は、実行すると情報を格納するクッキーを生成するウェブページを供給元クライアント141〜14N及び供給先クライアント161〜16Nに送信する。この結果、その比色分析情報が、将来のカラー画像のダウンロード又はアップロードにおいて使用可能となる。
【0054】
図3は、図1及び図2に示されているコンピュータネットワークにおいてカラー画像表示精度を改善する方法を示すフローチャートである。図3に示されているように、この方法には、供給元クライアント14と関連付けられている表示装置においてカラー画像を調節するステップが含まれている(24)。供給元クライアント14は、画像をカラー画像サーバー18にアップロードする(26)。又、供給元クライアント14は、カラープロファイリングプロセスを実行する(28)。
【0055】
カラープロファイルサーバー20は、このカラープロファイリングプロセスにおいて供給元クライアント14をガイドする。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すると、一実施例においては、カラープロファイルサーバー20又はカラー画像サーバー18が供給元プロファイルを生成する(30)。カラー画像サーバー18は、供給元プロファイルが格納された供給元プロファイルクッキーを生成するウェブページを提供する(32)。尚、この図3に示されている各ステップの順序は変化してもよい。例えば、画像のアップロードの前に、カラープロファイリングプロセスを配置することができる。
【0056】
特に、カラープロファイリングプロセスは、画像の調節ステップの前に配置したり、或いは、この調節ステップを内蔵することも可能である。この調節ステップでは、標準的な設定(即ち、輝度とコントラストの観点における設定)に供給元クライアントの表示装置を初期化すると共に、これに続いて、市販の画像編集ツールを使用して画像を操作し、供給元クライアントユーザーにとって許容可能な表示状態を実現することができる。カラープロファイルサーバー20は、輝度とコントラストを標準的な設定レベルに調節するようにユーザーに対して指示するウェブページを提供可能である。このステップは、ユーザーにとって任意選択のものであってよく、実施例の中には、これを必要としないものも存在する。
【0057】
画像は、供給元クライアントユーザーによって、jpeg、gif、又はpngなどのブラウザで表示可能なフォーマットで編集されるか、或いは、これらのフォーマットに変換されることが好ましい。この代わりに、画像は、プラグインを介してブラウザで表示可能なフォーマットであってもよい。いずれの場合にも、ユーザーは、オークション物品の実際の見え方と正確に一致していると自分が考える表示状態、或いは写真の望ましい表示状態に画像を編集する。次いで、ユーザーは、ブラウザ内にその画像を表示し、正確性の観点でその画像をレビューする。そして、ブラウザに表示された画像がユーザーにとって許容可能なものでなかった場合には、ユーザーは画像編集ツールに戻ることになる。画像編集ツールの例としては、カリフォルニア州サンノゼに所在するアドビシステムズ社(Adobe Systems, Inc. of San Jose, California)から市販されているAdobe Photoshop又はAdobe Photodeluxeソフトウェア、並びにワールドワイドウェブなどのネットワークを介してアクセスするオンライン写真編集ツールが含まれる。
【0058】
画像を再度編集した後に、ユーザーは再びブラウザに戻ることになるが、ユーザーは、ブラウザにおいて許容可能な表示状態が実現するまで、このプロセスを反復可能である。前述の任意選択の標準的な輝度及びコントラスト設定と共に、画像の表示状態が供給元クライアントユーザーにとって許容可能で希望どおりのものになれば、その画像をカラー画像サーバー18にアップロードする。供給元プロファイルクッキーが存在する場合には、供給元クライアント14は、そのクッキーもアップロードする。一方、クッキーが存在しない場合には、供給元クライアントユーザーはカラープロファイリングプロセスに入る。
【0059】
従って、アップロードされた画像には、表示装置を特徴付ける比色分析情報は含まれていない。しかしながら、この画像は、任意選択の標準的な表示装置設定(例:輝度及びコントラスト)を有するブラウザで参照した際に供給元クライアントユーザーにとって許容可能なカラーコンテンツを表している。カラープロファイリングプロセスは、この供給元クライアントの表示装置の出力を特徴付ける比色分析情報を取得するべく機能する。この場合、カラープロファイリングプロセスは、黒点、ガンマ、及びグレーバランスなどの比色分析特性に関する情報を供給元クライアントユーザーから取得するべく設計された一連のウェブページを提供する。
【0060】
図4は、供給先クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。供給先クライアント16が画像のダウンロード要求を行った際に(34)、カラー画像サーバー18は、カラープロファイルサーバー20へのリダイレクト(即ち、ハイパーリンク)を提供可能である。図4に示されているように、カラープロファイルサーバー20は、供給先クライアントのプロファイリングプロセスを実行するための一連のウェブページを提供する(36)。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、プロファイリングプロセスから取得された情報を格納する供給先プロファイルの生成(38)と、供給先プロファイルクッキーの生成(36)を実行する。この情報は、カラープロファイルサーバーからカラー画像サーバー18に対して伝達することができる。そして、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18から受信したウェブコードに応答し供給先プロファイルクッキーを生成可能である(40)。
【0061】
図5は、色精度を改善するべくカラー画像を変更するプロセスを示すフローチャートである。カラープロファイリングプロセスを既に完了している供給先クライアント16が画像のダウンロードを要求すると、カラー画像サーバー18は、その画像に関連付けられている供給元プロファイルを取得し(42)、供給先クライアントがアップロードした供給先プロファイルクッキーから供給先プロファイルを抽出する(44)。この場合にも、色の変更は任意選択であってよい。次いで、カラー画像サーバー18は、供給元プロファイル及び供給先プロファイルに基づき、要求された画像の色特性を変更する(46)。そして、カラー画像サーバー18は、変更済みの画像を供給先クライアント16にダウンロードし(48)、この結果、供給元及び供給先クライアントが参照する画像間の色の精度が改善される。
【0062】
ネットワークサーバー12、クライアント14、16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間のやり取りは、クライアントに提供されたウェブページコードを実行することによって行われる。この方法は、クライアント14、16に関連付けられているエンドユーザーにとって非常に便利である。同時に、カラー画像サーバー18にとっても、個別のユーザーごとに色情報を保持し、且つ新しい画像がアップロード又はダウンロードされるたびにその情報を呼び出す必要がない。代わりに、それらの情報は、供給元クライアント14がカラー画像をアップロードしたり、或いは供給先クライアント16が要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー18にアップロード可能である。
【0063】
図6は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。以下に説明するこの図6のカラープロファイリングプロセスは、純粋に模範的なものであって、本発明を限定するものではなく、様々に実施可能である。図6に示されているように、供給元クライアント14又は供給先クライアント16用のカラープロファイリングプロセスでは、表示装置の標準的な設定への初期化を実行可能である(50)。次いで、このプロセスでは、表示装置の黒点の推定値を判定する(52)。この黒点の推定値は、後述するように、マルチチャネルの黒点推定値であってよい。
【0064】
黒点推定値を判定したら、このプロセスでは、表示装置のガンマの推定値を取得する(54)。このガンマは、緑チャネルに限定したものであってよい。次に、このプロセスでは、表示装置のグレーバランスを判定する(56)。このクレーバランスの推定では、緑チャネルをロック(固定)することができるが、これは、グレーバランスを判定するべく赤−青をシフトさせる一方で、ガンマ推定からの緑限定のガンマを一定に保持するという意味である。
【0065】
黒点、ガンマ、及びグレーバランスの推定を完了したら、カラープロファイルを生成する(58)。このカラープロファイルには、表示装置の黒点、ガンマ、及びグレーバランスを表す情報が格納される。そして、このカラープロファイル、又はこのカラープロファイルの形成に有用なパラメータをウェブクッキー内に読み込むことができる(60)。このウェブクッキーは、将来、別の画像をアップロード又はダウンロードする際にアップロードするべく、その個別のクライアント14、16が保存する。
【0066】
図6を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するべく、クライアント14、16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りする。カラープロファイルサーバー20は、一連のウェブページをクライアント14、16に対して提供する。それぞれのウェブページは、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいてユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブページには、ユーザーから表示装置の黒点の推定値を抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれる。
【0067】
一実施例においては、黒点の推定値は、複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブページには、粗ガンマ(coarse gamma)、精細ガンマ(fine gamma)、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれている。具体的には、それぞれのウェブページは、クライアント14からカラープロファイルサーバー20に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。必要な情報の収集が完了すれば、カラープロファイルサーバー20は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、それをクライアント14に提供する。
【0068】
図7は、複数の供給元クライアントからアップロードされると共に、複数の供給先クライアントにダウンロードされる画像用の色補正方式を示すブロックダイアグラムである。図7に示されているように、カラー画像サーバー18は、色補正モジュール(即ち、カラー画像サーバー上で稼動するソフトウェアプロセス)を含んでいる。所与の供給元カラー画像64について、色補正モジュール62は、関連する供給元クライアントプロファイル66を取得する。供給元クライアントプロファイル66は、データベースに保存したり、或いは供給元カラー画像64に埋め込むことができる。色補正モジュール62は、供給先クライアントプロファイル68も取得するが、これは、画像を要求した供給先クライアント16がアップロードした供給先プロファイルクッキーから抽出可能である。
【0069】
次いで、色補正モジュール62は、供給元クライアントプロファイル66及び供給先クライアントプロファイル68に基づき、供給元カラー画像64に対する適切な色補正を生成する。この結果、色補正モジュール62は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられている表示装置間の比色分析的な違いが補償された供給先カラー画像70を生成する。そして、色補正モジュール62は、関係する供給先クライアント16に、この画像をダウンロードする。このプロセスは、色の精度が望ましい各供給元カラー画像64について反復される。
【0070】
図8は、色補正の料金を算出するプロセスを示すフローチャートである。カラープロファイリング及び色補正のプロセスは、任意選択であってよい。実際に、カラープロファイリングと色補正は、例えば、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に対する上級のサービスとして有料で提供することができる。供給元及び供給先クライアント14、16は、標準的なサービスとして(或いは、安価な料金で)未補正の画像を取得することができる。画像の中には、色補正が供給元及び供給先クライアント14、16にとって望ましいオプションとなるものも存在している。
【0071】
図8は、色補正済みの画像を有償で提供するオンラインオークションサイトの例を示している。この例では、色補正の選択肢は、供給元クライアント14に与えられている。供給元クライアント14が入札物品の画像をアップロードする際に(72)、ネットワークサーバー12は色補正オプションを提示することができる(74)。そして、供給元クライアント14が色補正オプションを選択しない場合には(76)、供給元クライアントがアップロードした画像は補正されない。この場合には、画像をダウンロードする供給先クライアント16は、未補正の画像を受信することになる(78)。
【0072】
色補正オプションを選択した場合には、ネットワークサーバー12は、サービスに対する料金を算出する(80)。そして、供給先クライアントがカラープロファイリングプロセスを完了していれば、カラー画像サーバー18は、色補正済みの画像を供給先クライアント16に提供する。供給先クライアント16が色補正済みの画像をダウンロードすると(82)、ネットワークサーバー12はオークションの進捗を監視する。そして、供給元クライアント14と供給先クライアント16間の取引が成立すると(即ち、供給先クライアントが落札すると)(84)、ネットワークサーバー12は料金を課金する(86)。この料金は、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に課金可能である。この代わりに、売買の取引が実際に成立したかどうかには関係なく、料金を供給元クライアント14に課金することも可能である。
【0073】
図9は、色補正料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。図8の例と同様に、入札物品の画像がアップロードされると(88)、ネットワークサーバー12は、供給元クライアント14に色補正オプションを提示する(92)。そして、供給元クライアント14が色補正オプションを選択しなければ、供給元クライアントがアップロードし供給先クライアント16にダウンロードされる画像は、未補正のままとなる(94)。
【0074】
色補正オプションを選択した場合には、色補正済みの画像が供給先クライアント16にダウンロードされるが(96)、料金は算出されない。その代わりに、取引の成立時に(98)、取引金額を判定する(100)。そして、取引金額の一定のパーセンテージで料金を算出する(102)。次いで、供給元クライアント14、供給先クライアント16、又はこれらの両方に対して料金を課金する(104)。実施例の中には、パーセンテージによる料金に最高額の制限を設定可能なものも存在する。
【0075】
図10は、色補正料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。この図10の例では、供給先クライアント16に色補正オプションが提示され、関連する料金を供給先クライアントが負担することができる。供給元クライアント14からの入札時画像のアップロード(106)と供給先クライアント16からのダウンロード要求の受信(108)の後に、色補正オプションが色補正オプションに提示される(110)。
【0076】
この色補正オプションの提示は、供給元画像に対して既に供給元プロファイルが提供されていることを前提している。供給先クライアント16が色補正を選択しない場合には(112)、通常の未補正の画像がダウンロードされる(114)。しかしながら、供給先クライアント16が色補正オプションを選択した場合には(112)、そのサービスに対する料金を算出する(116)。その後、供給先クライアント16は、色補正済みの画像をダウンロードし(118)、ネットワークサーバー12は、取引が成立したかどうかを監視する(120)。
【0077】
取引が成立した場合には、ネットワークサーバー12は、供給先クライアント16に対して料金を課金する(122)。この料金は、一定料金であってもよく、或いは、図9の例のように、取引価格のパーセンテージで算出してもよい。いずれの場合にも、比色分析的に正確な画像を参照するサービスに対する料金を供給先クライアント16が支払うことになる。供給先クライアント16は、入札物品の色やその他の特徴が自分の意図どおりのものであることを確認することに、料金に見合うだけの価値があると判断しているわけである。色の精度が提供されることにより、供給先クライアント16は、自信を持って購入の決定を下すことができる。
【0078】
次に、カラープロファイリング及びクッキー管理のプロセスについて詳細に説明する。これらのプロセスについては、複数のネットワークサーバー12、複数のカラー画像サーバー18、及び1つ又は複数のカラープロファイルサーバー20を備えるウェブ環境を前提として説明する。
【0079】
オークションや写真、或いは小売業などのサイトの管理者は、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18の中の1つを制御することができる。換言すれば、管理者は、特定のネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18の維持、管理、及びコンテンツについて責任を負うのである。この結果、管理者は、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18のコンテンツを容易に更新可能となる。従って、管理者は、カラー画像品質の改善を活用するために、彼らの画像コンテンツの制御を第三者に引き渡す必要はない。
【0080】
代わりに、管理者は、彼ら自身の画像サーバー18を利用し、それらのサーバーが、供給元及び供給先クライアント14、16用のカラープロファイリングプロセスをガイドするカラープロファイルサーバー20とやり取りする。従って、カラープロファイルサーバー20は、複数の管理者が使用する中央サーバー又はサーバーの集合であってよく、ネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18は、個別のサイト管理者によって制御されることが好ましい。但し、実施例の中には、全サイト用の中央画像サーバーを使用することが望ましいものも存在する。
【0081】
カラー画像サーバー18は、対応するネットワークサーバー12と共に存在したり、或いは遠隔地に位置するサーバーであってもよく、関連するサイトの高解像度の、或いは色が重要なカラー画像と、画像を変更して色補正済みの画像を供給元及び供給先クライアント14、16に提供する色補正モジュールと、を格納している。それぞれのカラー画像サーバー18は、個別のネットワークサーバー12のドメイン内に存在してもよいが、これは要件ではない。
【0082】
図11は、カラー画像の表示精度を改善するプロセスを詳細に示すフローチャートである。供給先クライアント16がネットワークサーバー12に対してウェブページのダウンロードを要求すると、供給先クライアントは、表示装置に表示された際にウェブページに内蔵されることになるカラー画像の場所を識別する画像タグが埋め込まれたHTMLコード(又は、その他の形態のウェブページコード)を受信する(124)。所謂「サムネイル」などの低解像度画像の場合には、これらの画像タグは、ネットワークサーバー12上の場所をポイントしている場合がある。ユーザーが、高解像度の画像にアクセスするべくサムネイルをクリックしたり、或いは、最初から高解像度画像がウェブページに埋め込まれている場合には、供給先クライアント16は、ウェブページコードを実行し、指定されているカラー画像サーバー18にアクセスしてカラー画像をダウンロードする(126)。
【0083】
図11の例では、カラー画像サーバー18にアクセスするべく供給先クライアント16が実行したウェブページコードは、その特定のクライアント用にカラー画像サーバーから見える(可視の)カラープロファイルクッキーが既に生成済みであるかどうかをチェックする(128)。クッキーは、例えば、カラー画像サーバーのドメインに対応している場合に、可視である。このクッキーの管理については、本明細書において後述する。カラープロファイルクッキーは、クライアント14に関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報を格納しており、クライアントと共にローカルに存在している。
【0084】
カラープロファイルクッキーが既に生成済みの場合には、クライアント14は、クッキーをカラー画像サーバー18にアップロードする(130)。カラー画像サーバー18は、クライアント14が要求した画像を取得し、色補正を適用することにより、クッキーの内容に基づいて画像を変更する(132)。この色補正では、供給先クライアント16に関連付けられている表示装置の色応答特性のばらつきを補償するべく、画像が変更される。そして、カラー画像サーバー18は、色補正済みの画像を供給先クライアント16にダウンロードし(134)、プロセスは終了する(136)。この結果、供給先クライアント16は、このクライアントの表示装置に対してカスタマイズされた色補正済みの画像を受信し、正確な色を出力する。
【0085】
カラープロファイルクッキーがまだ生成されていない場合には、供給先クライアント16は、そのクライアントに関連付けられている表示装置上に提示するべくカラー画像サーバー18から既定のカラー画像をダウンロードする(138)。この画像は「既定」の画像であるが、これは、それが色補正されていないか、或いはその他の方法によって供給先クライアント16に関連付けられている個別の表示装置にカスタマイズされていないことを意味している。この結果、供給先クライアント16によって表示された際に、この既定の画像は、オリジナルのカラー画像とは大幅に異なる色を表示する可能性がある。但し、クライアント14は、既定の画像と共に、カラープロファイリングオプションを提示することができる(140)。特に、供給先クライアント16は、画像と共に、その画像にカラープロファイリング及び色補正が適用されているかどうかを示す標識をダウンロードすることができる。
【0086】
供給先クライアント16は、画像と一緒に、カラープロファイリングを実行するようにユーザーに促すハイパーテキストアイコンと共に、この標識を表示可能である。ユーザーは、ポインティング装置によってこのプロファイリングアイコンをクリックし、カラープロファイリングプロセスにアクセスすることができる。実施例の中には、プロファイリングが既に実行されており、画像が色補正済みであることを、例えば、このプロファイリングアイコンをカラーで表示することによって示すことができるものも存在する。一方、まだプロファイリングが実行されていない場合には、このアイコンを白黒で表示したり、或いはその他の標識を提供することができる。このアイコンをクリックすることにより、ユーザーは、初回の(或いは、プロファイリングの更新を行うべく)プロファイリングを開始することができる。
【0087】
オプションを選択しない場合には(142)、ユーザーは、単純に既定の画像を参照し、プロセスは終了する(136)。しかしながら、オプションを選択した場合には、供給先クライアント16は、例えば、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを介し、カラープロファイルサーバー20にアクセスするようにそのクライアントをダイレクトするコードを実行する。カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセスにおいて、クライアント14に関連付けられているユーザーをガイドする(144)。このカラープロファイリングプロセスでは、その特定の供給先クライアント16に関連付けられている表示装置が示す色応答を特徴付ける情報が生成される。
【0088】
カラープロファイリングプロセスが完了すると、クライアント14は、カラープロファイルクッキーを生成する(146)。このカラープロファイルクッキーは、色の特徴付け情報を格納している。そして、供給先クライアント16は、カラー画像の精度が改善された色補正された画像を取得するべく、カラープロファイルクッキーをカラー画像サーバーにアップロードする(130)。後述するように、このクッキーは、その特定のカラー画像サーバー18のドメイン用に再書き込みすることが必要となる場合がある。
【0089】
特筆すべきことに、後述するように、このカラープロファイリングプロセスには、任意選択ではあるが、プラグイン、Java(登録商標)スクリプト、又はその他の主要なクライアントサイドプロセスが不要である。代わりに、ネットワークサーバー12、供給元クライアント14、供給先クライアント16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間のやり取りは、供給元及び供給先クライアントに提供されるウェブページコードを実行することによって行われる。この方法は、供給先クライアント16に関連付けられているエンドユーザーに非常に便利である。同時に、ネットワークサーバー12とカラー画像サーバー18にしても、個別のユーザー用の色情報を保持する必要がない。
【0090】
その代わりに、この情報は、供給先クライアント16がカラー画像を要求した際に、例えば、クッキーの形態でカラー画像サーバー18にアップロードすることができる。又、サイト管理者は、彼ら自身のカラー画像をカラー画像サーバー18上に維持し、個別の供給元及び供給先クライアント14、16がアップロードしたカラープロファイルクッキーを処理する能力を有する色補正モジュールを内蔵することにより、色補正を提供することができる。従って、サイト管理者は、彼らのウェブページ又は画像を中央ウェブリポジトリに掲示しなくてもよい。
【0091】
図11を参照して説明したカラープロファイリングプロセスを実行するために、供給先クライアント16は、カラープロファイルサーバー20とやり取りする。類似のカラープロファイリングプロセスは、それぞれの供給元クライアント14に対しても実行可能である。但し、供給元クライアント14用のカラープロファイリングプロセスにおいては、標準的な設定への供給元クライアント表示装置の初期化と、供給元クライアントユーザーにとって許容可能な表示状態を実現するための画像の操作が必要となる。
【0092】
カラープロファイルサーバー20は、場合に応じて、一連のウェブページを供給元クライアント14、或いは供給先クライアント16に提供する。それぞれのウェブページは、カラープロファイリングプロセスの所与のステップにおいてユーザーをガイドするべく設計されている。例えば、1つのウェブページには、表示装置の黒点の推定値をユーザーから抽出するべく設計された命令と画像コンテンツが含まれている。
【0093】
一実施例においては、この黒点推定値は、表示装置の個別の色チャネルの複数のチャネル固有の黒点の推定値であってよい。その他のウェブページには、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス情報を抽出するべく設計された命令とコンテンツが含まれる。特に、それぞれのウェブページは、供給元クライアント14又は供給先クライアント16からカラープロファイルサーバー20に情報を転送するべくユーザーがクリック可能なハイパーテキストアイコンなどの対話型の媒体を含むことができる。
【0094】
必要な情報を収集したら、カラープロファイルサーバー20は、クッキーを生成し、ローカルに保存して将来使用するべく、そのクッキーを供給元クライアント14又は供給先クライアント16に提供する。実施例の中には、2つのクッキーを供給元又は供給先クライアント14、16に提供可能なものも存在する。第1のクッキーは、カラープロファイルサーバー20に関連付けられたドメイン名に対応しており、その特定の供給先クライアント14、16とカラープロファイルサーバー間における将来のやり取りに使用することができる。この第1のクッキーは、「プロファイラクッキー」(profiler cookie)と呼ぶことができる。
【0095】
第2のクッキーは、例えば、カラー画像をダウンロードする先である特定のオークション又は写真サイトに対応した特定のカラー画像サーバー18に関連付けられているドメイン名に対応することができる。換言すれば、この第2のクッキーは、そのカラープロファイリングプロセスが開始された特定のカラー画像サーバー18に対応したものである。この結果、そのカラー画像サーバー18から将来提供される画像は、その関連するドメインに関連付けられているこのクッキーの内容に基づいて変更されることになる。このクッキーは、画像をアップロードした供給元クライアント14と画像のダウンロードを要求する供給先クライアント16から提供されることになる。この第2クッキーは、「画像サーバークッキー」と呼ぶことができ、供給元プロファイルクッキー又は供給先プロファイルクッキーの形態を取ることができる。
【0096】
プロファイラクッキーを使用し、その他のドメインに関連付けられているカラー画像サーバー18で使用する画像サーバークッキーを生成することができる。具体的には、供給先クライアント16に位置しているユーザーが、以前に色補正された画像をダウンロードしたことのないカラー画像サーバー18にアクセスした場合には、ユーザーは、カラープロファイリングオプションをクリックし、カラープロファイルサーバー20にアクセスすることができる。そのカラープロファイルサーバー20とのやり取りに際し、供給先クライアント16は、カラープロファイリングプロセスを繰り返すのではなく、代わりに、単純にプロファイラクッキーをアップロードするのである。このプロファイラクッキーには、その新しいカラー画像サーバー18に関連付けられているドメインに関する情報を内蔵することができる。尚、類似のプロセスは、供給元クライアント14に対しても提供可能である。
【0097】
カラープロファイルサーバー20は、このプロファイラクッキーの受信に応答し、様々な理由から(特に、プライバシーに対する懸念の観点で)、そのクッキー内に示されているドメインに対してクッキーの内容を送信することについて、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているユーザーに対して通知するウェブページを提供し、ユーザーの承認を要求することができる。そして、ユーザーの承認が取得された場合には、カラープロファイルサーバー20は、プロファイラクッキー内のドメインによって指定されているカラー画像サーバー18にクッキーの内容を送信する。
【0098】
カラー画像サーバー18は、それ自体のドメイン用の画像サーバークッキーを生成し、将来使用するべく、そのクッキーを供給元クライアント14又は供給先クライアント16に書き込む。この時点以降、供給先クライアント16は、関連するネットワークサーバー12に色補正済みの画像を要求する際には、関連するカラー画像サーバー18に適切な画像サーバークッキーをアップロードし、カラープロファイルサーバー20とのやり取りをスキップすることができる。供給元クライアント14も、画像のアップロードを試みる際に、カラー画像サーバー18に適切な画像サーバークッキーをアップロードする。
【0099】
一方は、カラープロファイルサーバー20用、他方は、関連するネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー19用と分けたこの第1及び第2クッキーの使用方法は、部分的には既存のウェブの設計を考慮した結果である。具体的には、クライアントのブラウザ上に保存されているクッキーは、通常、それらが生成されたサーバーのドメインによってマーキングされており、普通、その他のドメインからは見えなくなっている。従って、カラープロファイルサーバー20が生成したクッキーは、通常、カラー画像サーバー18から見ることができず、この逆も同様である。
【0100】
又、クッキーの視認性は、クッキーをサーバーのドメイン内の経路によってマーキングすることにより、更に制限されることになる。この種のクッキーは、例え同一のドメイン用のものであっても、経路から外れたページへの要求については見えなくなる。更に、ブラウザは、通常、サーバーに対する各要求ごとに、すべての可視クッキーを送信する。これには、HTMLページ用の最初の要求だけでなく、そのページに埋め込まれる画像に対する要求も含まれる。しかしながら、画像はHTMLページとは異なるサーバーから来ることもあるため、HTMLページ用に送信されたクッキーは、画像用に送信されるクッキーとは異なる場合がある。
【0101】
上述のような内容を考慮し、カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセスの管理においてだけでなく、画像サーバークッキーの生成においても、仲介人として機能している。この仲介人機能により、中央サイトではなく、カラー画像サーバー18において、すべての加入者画像の色補正を実行することが可能になっている。又、この仲介人機能により、クライアントが一旦カラープロファイリングプロセスを完了すれば、通常、彼は、別の加入者用の画像の色補正を取得するために、そのプロセスを繰り返す必要がなくなるのである。
【0102】
例外として、ユーザーは、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているローカルドライバソフトウェアや表示装置又はビデオカードなどのハードウェアが変化した場合に、自発的にカラープロファイリングプロセスを繰り返すことができる。実際に、ハードウェアの変化に対応するために定期的な更新を促すべく、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーに有効期限を適用することができる。
【0103】
3つの異なるサーバー(即ち、ネットワークサーバー12、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20)が色補正の手順に必要とされる作業を分担していることは明らかである。具体的には、プロファイラクッキー及び画像サーバークッキーの存在を前提とすれば、ネットワークサーバー12は、加入者自身のウェブページのHTMLを提供すると共に、色補正の対象ではない画像の提供を含むそれらのページに対する大部分のその他の要求を処理している(カラー画像サーバー18は、色補正の対象となる画像を提供している)。
【0104】
カラー画像サーバー18は、供給先クライアント16から供給先プロファイルクッキーを受信すると、そのクッキーの内容と、関連する供給元プロファイルクッキーの内容に基づいて色補正を実行し、色補正済みの画像を供給先クライアントに提供する。又、カラー画像サーバー18は、カラー画像が本当に補正されているかどうかを示すアイコンを補正可能なカラー画像の近くに提供することもできる。カラー画像サーバー18は、例えば、供給先プロファイルクッキーを検出できない場合には、ユーザーに対してカラープロファイリングプロセスを開始するように促すアイコンを表示する。検出できた場合には、アイコンは、色補正が「オン」状態にある(即ち、色補正が画像に適用されている)ことを単純に示すことになる。
【0105】
前述のように、カラープロファイルサーバー20は、カラープロファイリングプロセス用のページを提供する。カラー画像サーバー18が提供したカラー画像と共に表示されたアイコンをクリックすることによって、カラープロファイリングプロセスが起動された場合には、その個別の供給先クライアント16は、関連するネットワークサーバー12用の画像サーバークッキーを備えていない可能性が高い。但し、場合によっては、供給先クライアント16は、自発的に色補正プロセスを繰り返すことにより、新しいハードウェア又はソフトウェア用にプロファイルを更新することができる。プロファイラクッキーが存在する場合には、画像サーバークッキーを生成するべく、プロファイラクッキーの内容を適切な画像サーバーのドメインに単純に送付することにより、このプロセスを省略することができる。
【0106】
プロファイラクッキーが存在しない場合には、完全なカラープロファイリングプロセスがカラープロファイルサーバー20から提供される。そして、カラープロファイリングプロセスが完了すれば、カラープロファイルサーバー20は、供給元又は供給先クライアント14、16用のプロファイラクッキーを生成し、関連するカラー画像サーバー18にプロファイラクッキーの内容を伝達する。すると、カラー画像サーバー18は、プロファイラクッキーの内容に基づいて画像サーバークッキーを生成し、そのカラープロファイリングプロセスを起動したオリジナルのネットワークサーバーのURLを呼び出す。
【0107】
カラープロファイルサーバー20が生成するプロファイラクッキーとカラー画像サーバー18が生成する画像サーバークッキー間で色補正情報を交換するこのメカニズムは、変更してもよい。具体的には、カラープロファイルサーバー20は、クッキーをクライアント14、16に提供するのではなく、認知されているネットワークサーバーのグループに関連付けられているすべてのカラー画像サーバー18に色補正情報を送信するように構成することができる。これにより、カラープロファイリングプロセスの結果、カラープロファイルサーバー20が取得したカラープロファイル情報は、ネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18によって保存されるよう、「放送」することができる。この方法の利点は、情報の転送がシームレスであることである。クライアント14、16に関連付けられているユーザーは、カラープロファイルを更新する際を除き、初回のカラープロファイリングプロセスの後にカラープロファイルサーバー20とやり取りする必要がなくなる。その代わりに、それぞれのネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18が、個別の供給先クライアント14、16に関連付けられている色補正情報を(例えば、クライアントIDコードと共に)保存するのである。
【0108】
供給元又は供給先クライアント14、16がカラー画像サーバー18の中の1つにアクセスすると、クライアントIDコードを使用して適切な色補正情報が取得され、これによって色補正済みの画像が提供される。欠点は、それぞれのネットワークサーバー12又はカラー画像サーバー18が、その個別のネットワークサーバー12には決してアクセスしないであろうクライアントまでもを含む供給元及び供給先クライアント14、16用の色補正情報のデータベースを維持することが必要になることである。従って、サイト管理者によっては、色補正情報の転送にクッキーを利用する方が効率的で望ましいものになりうるであろう。しかしながら、色補正情報の放送は、サイト管理者によっては受け入れ可能であって、エンドユーザーにとっても非常に便利な好適な選択肢として残ることになる。
【0109】
次に、間接クッキー転送法によるネットワークサーバー12、クライアント14、16、カラー画像サーバー18、及びカラープロファイルサーバー20間での情報伝達に関連する詳細項目のいくつかについて説明する。この方法は、プロファイラクッキーの内容がカラープロファイルサーバー20から個別のカラー画像サーバー18に転送される前に、ユーザーが介入して承認を入力するという意味で間接的である。ウェブページを供給先クライアント16に提供する際に、ネットワークサーバー12は、関連付けれられているカラー画像サーバー18上に保存された補正可能な画像のURLを伝達する。更に、ネットワークサーバー12は、画像の近くにカラープロファイリングアイコンを内蔵することが好ましい。このカラープロファイリングアイコンのURLは、関連するカラー画像サーバー18をポイントしており、そのアイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクは、カラープロファイルサーバー20をポイントしている。供給元クライアント14の場合には、写真又はオークション物品の画像を提供するプロセスの一部として、類似のアイコン又はその他のリンクを提供することができる。
【0110】
カラー画像サーバー18への色補正情報の伝達を実現するために、供給元又は供給先クライアント14、16が、アイコンに関連付けられているハイパーテキストリンクを辿ると、ユーザーが参照したページのURLがカラープロファイルサーバー20に伝達される。URLを伝達するこのステップでは、ターゲットURLのパラメータとしてURLを含めるか、或いはアイコンをラッピングするフォームから情報をPOSTする(即ち、隠されたエントリフィールドにURLを保存する)ことによって実現することができる。後者の場合には、アイコンは、ボタンとして機能し、最小限のクライアントサイドのスクリプト作成が必要になる。更に、後述するように、ネットワークサーバー12の名前と、カラープロファイリングプロセスが完了した後にカラー画像サーバー18から提供される完了ページのURLと、をカラープロファイルサーバー20への要求に含めることができる。ネットワークサーバーには、適切なURLを有するアイコンコードを挿入するサーバーサイドのスクリプト作成機能を提供することができる。
【0111】
カラープロファイリングプロセスのために、カラープロファイルサーバー20は、ネットワークサーバー12が提供するウェブページの実行によって呼び出し可能ないくつかのウェブページを提供する。この場合には、「リターンURL」が、それぞれのページに順番に手渡される。このリターンURLは、ターゲットURL内のパラメータとして、或いは、フォーム内の隠されたフィールドを使用することにより、伝達可能である。場合によっては、このリターンURLをサーバー変数として保存することもできる。前述のように、カラープロファイルサーバー20は、(1)プロファイラクッキーが存在しない場合の完全なカラープロファイリングと、(2)プロファイラクッキーが既に存在している場合の画像サーバークッキーの生成、という2つのシナリオを処理している。いずれのシナリオの場合にも、カラープロファイルサーバー20は、既存又は新しく生成されたプロファイリングクッキーの内容を関連するカラー画像サーバー18に転送する。特に、カラープロファイルサーバー20は、この情報を転送するべく、供給元又は供給先クライアント14、16に関連付けられているユーザーの許可を要求するボタンを提示することができる。
【0112】
このボタンのURLは、カラー画像サーバー18が提供するページをポイントしている。カラー画像サーバー18に送信される要求には、リターンURLとプロファイラクッキーに書き込まれた色情報の両方が含まれている。この要求は、長さの観点から、URL内にすべての情報を記述するGET要求ではなく、フォームからのPOST要求であることが好ましい。カラープロファイルサーバー20は、リターンURLを参照することにより、カラー画像サーバー18の供給先ページのURLを判定する。クッキーの内容を転送する前に、ユーザーはその供給先を知りたいと思うであろう。従って、カラープロファイルサーバー20は、ボタンと共に、その特定のカラー画像サーバーの名前を表示する。カラー画像サーバーの名前は、ネットワークサーバー12が提供するウェブサイトに関連付けることができる。URLからウェブサイトの名前を判定することが容易でない場合には、カラープロファイルサーバー20がアクセス可能なデータベースにおいてURLで名前を検索するか、或いはネットワークサーバー12が生成するページからの元々の要求においてリターンURLと共に名前を伝達することにより、名前を生成することができる。
【0113】
カラープロファイルサーバー20から情報を受信すると、関連するカラー画像サーバー18はカラープロファイリングプロセスが完了したことを示すページを提供する。このページは、カラープロファイルサーバー20から受信した色補正情報と「リターン」ページのURLを格納するPOST要求によって呼び出すことができる。カラー画像サーバー18は、関係する供給元又は供給先クライアント14、16にこの色補正情報をクライアントクッキーとして書き込む。
【0114】
この時点以降、この画像サーバークッキーがその個別の供給元又は供給先クライアント14、16によって保存され、色補正可能な画像のアップロード又はダウンロード要求と共に、関連するウェブサイトに関連付けられたそのカラー画像サーバー18に送信されることになる。ダウンロード要求に応答し、カラー画像サーバー18は、供給先クライアント16から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、その内容に基づいて要求された画像に色補正を適用し、色補正済みの画像を供給先クライアント16に提供する。一方、アップロードの場合には、その要求に応答し、カラー画像サーバー18は、画像を受け付け、供給元クライアント14から送信された画像サーバークッキーの内容を抽出し、将来使用するべく、そのクッキーの内容をその画像と関連付ける。
【0115】
代替方法として、色補正情報は、供給元又は供給先クライアント14、16がボタン、アンカー、又はその他の入力媒体をクリックした際に生成される要求に埋め込むのではなく、直接要求によってカラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達することができる。この方法は、転送の承認をカラープロファイルサーバー20に提出することによってユーザーが介入する必要がない、という意味において直接的である。その代わりに、適切なカラー画像サーバー18へのプロファイルクッキーの内容の転送は、シームレスに行われ、バックグラウンドで実行される。
【0116】
実際に、好適な実施例においては、供給先クライアント16に関連付けられているユーザーは、初回のプロファイリング以降にカラープロファイルサーバー20が送信する情報転送用のページを目にすることすらない。この結果、カラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18への色補正情報の転送は、転送を実行するべく供給元又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーがリンクをクリックすることなく、自動的に実行される。この方法によれば、転送がユーザーからシームレスに見える。但し、結果は同一である(即ち、ユーザーがカラープロファイリングプロセスを再実行することなく、プロファイラクッキーに格納されている色補正情報が転送されることによって画像サーバークッキーが生成される)。
【0117】
直接要求による転送を円滑に実行するべく、供給元又は供給先クライアント14、16にクライアントIDを割り当てることができる。通常、このクライアントIDは、クライアント14、16に関連付けられているブラウザの画像サーバークッキーに保存可能であり、そこから受信することができる。ウェブサイトにとって初めてのクライアント(即ち、そのカラー画像サーバー18に画像サーバークッキーを送信しないクライアント)14、16には、新しいクライアントIDが割り当てられることになり、これは、カラー画像サーバーからの応答においてHTMLと共にクッキーとして送信される。
【0118】
この場合、カラープロファイルサーバー20をポイントするすべてのURLは、カラープロファイルサーバーが色補正情報に対する要求と個別のクライアント14、16を関連付けることができるように、パラメータとしてクライアントIDとウェブサイトIDの両方を有することになる。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラープロファイリングアイコンのURLはカラープロファイルサーバー20をポイントしている。この方法の場合、個別のネットワークサーバー12と、対応するカラー画像サーバー18は、同じクッキーを参照することができるよう、同一のドメインに存在していることが好ましい。
【0119】
間接的な方法と同様に、色補正可能な画像の隣に(或いは、画像アップロード用のダイアログと共に)表示されるカラープロファイリングアイコンは、直接転送法の場合にも、カラー画像サーバーが画像サーバークッキーを受信するかどうかに応じて、カラー画像サーバー18又はカラープロファイルサーバー20から提供することができる。画像サーバークッキーが存在する場合には、プロファイリングアイコンは、ダウンロードされた画像と共にカラー画像サーバー18によって提供され、色補正がオン状態であることを示すように表示が構成される(例えば、その旨を通知するテキストメッセージを表示する)。画像サーバークッキーが存在しないのは、新しい供給先クライアント16だけであるため、このケースは、カラー画像サーバー18が提供する大部分の画像に当てはまることになる。
【0120】
画像サーバークッキーが存在しない場合には、このアイコンはカラープロファイルサーバー20から提供される。換言すれば、カラー画像サーバー18が提供するウェブページに、カラープロファイルサーバー20が提供したアイコンが埋め込まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー20は、クライアント14、16が既にカラープロファイリングプロセスを完了していることを示すアイコンを提供する。プロファイラクッキーが存在しない場合には、このアイコンは、その個別のクライアント14、16が、これまでカラープロファイリングプロセスを実行したことがないことを示すことになる。これは、カラープロファイリングが完了済みであることを示すカラーのアイコンと未完了を示す白黒のアイコンによって表現可能である。
【0121】
実施例の中には、クライアント14、16がカラープロファイリングプロセスを完了しているが、色補正情報がその特定のウェブサイトにまだ転送されておらず、画像がまだ色補正されていないことをアイコンによって表示可能なものも存在する。いずれの場合にも、カラープロファイルサーバー20は、クライアント14、16及びウェブサイトのIDも受信し、それらは、カラープロファイルサーバー20に転送されたURL内に含まれている。プロファイラクッキーが存在する場合には、カラープロファイルサーバー20は、特殊目的の要求によって、関連するカラー画像サーバー18にそのクライアントIDとプロファイラクッキーの内容を即座に転送する。
【0122】
供給先クライアント16が画像サーバークッキーを提示した場合には、カラー画像サーバー18は、そのクッキーに格納されている情報に基づいて色補正を実行する。供給元クライアント14の場合には、カラー画像サーバー18は、画像サーバークッキーの内容を受け付け、将来の色変更の際に取得するべく、アップロードされた画像と関連付ける。画像サーバークッキーが存在しない場合には、カラー画像サーバー18は、そのクライアント14、16用の色情報をカラープロファイルサーバー20から受信するべく、短時間待機する。情報が到着した場合には、カラー画像サーバー18は、クライアント14、16に関連付けられているブラウザに画像サーバークッキーを書き込む。到着しない場合には、カラー画像サーバー18は、未補正の画像を供給先クライアント16に提供するか、或いは、供給元クライアント14の場合には、アップロードされた画像に色補正情報を設定しない。
【0123】
この直接法の場合には、カラー画像サーバー18は、カラープロファイルサーバー20から転送される色補正情報を追跡する必要がある。これは、それらの情報が、クライアント14、16からの画像のアップロード及びダウンロード要求と同期して受信されないからである。従って、カラー画像サーバー18が個別のクライアント14、16に関連付けられている色補正情報を一時的に追跡すると共に、ネットワークサーバー12がクライアントID情報の生成と追跡を行うべく、これら2つのサーバー間で共有可能なデータベースアプリケーションを内蔵することが必要になる。情報の画像サーバークッキーへの書き込みが完了すれば、その個別のクライアント14、16用のID及び色補正情報は、このデータベースから消去することができる。
【0124】
直接転送法によるIDの管理は、次のように実行可能である。即ち、カラープロファイルサーバー20が生成するオリジナルの色補正情報にユニークIDを付加することができる。このユニークIDは、カラー画像サーバー18に転送された色補正情報の複写においても維持可能である。このIDは、クライアント14、16がカラープロファイリングプロセスを反復した場合に変化する(このIDをプロファイラIDと呼ぶことができる)。このプロファイラIDは、カラープロファイリングプロセスを再実行するまで、変化することなく維持されることになる(この再実行は、数ヵ月後になろう)。実際に、プロファイラIDは、特定のカラープロファイリングシーケンスに対応している。このプロファイラIDは、クライアントID及び加入者IDによって補完される。クライアントIDは、ウェブサイトが色情報を要求している対象のクライアントを識別するものであり、加入者IDは、特定の加入者を識別する。
【0125】
クライアント及び加入者IDは、カラー画像サーバー18が特定のクライアント14、16用の色補正情報を備えていない場合に、URLパラメータによってカラープロファイルサーバー20に伝達される。そして、加入者IDは、カラープロファイルサーバーがプロファイラクッキーの内容又はカラープロファイリングプロセスの実行結果に基づいてクライアント用の適切な情報を判定した際に、色補正情報と共にカラープロファイルサーバー20からカラー画像サーバー18に伝達される。この情報をカラー画像サーバー18が受信し、それを画像サーバークッキーとしてクライアントのブラウザに書き込めば、加入者IDは不要となる。
【0126】
図12に示されているプロセスを使用し、図11を参照して説明したプロファイラクッキーの内容を生成することができる。特筆すべきことに、供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーが、ポインティング装置によってわずかに3回「クリック」するだけで、カラープロファイリングプロセスの全体を完了することができる。パッチを選択した後に、継続のためにユーザーが継続ボタンをクリックすることが必要であれば、プロセスには、更なるクリックが必要となる。しかしながら、ユーザーがパッチを選択した後に自動的に次のステップに進行するようになっていれば、全体のプロセスを3回のクリックで完了することができる。後述する任意選択のアナログ調節、別個のR、G、及びBの黒点、及び精細ガンマの各ステップを勘案しても、このプロセスに必要とされるクリック数は、最大でも6回又は7回である。多くの実施例において、個別の要素を選択する方法を利用した場合には、このカラープロファイリングプロセスには、プラグインやクライアントサイドのスクリプト作成は不要であるが、スライダー調節を使用するものなどのいくつかの実施例においては、このようなメカニズムを提供することも可能である。
【0127】
このカラープロファイリングプロセスによれば、R、G、及びBの蛍光体又はフォトダイオード素子の黒点とガンマの正確な値を判定することにより、供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられている表示装置を視覚的にプロファイリングすることができる。ガンマとは、装置のデジタル値の変化に伴う光度の変化率を表すパラメータγを意味している。「黒点」という用語は、当技術分野においては周知であり、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、及びBの値を意味している。この黒点は、しばしばブラックオンセット(Black Onset)とも呼ばれている。本発明によれば、任意選択により、モニタのR、G、及びBの各色チャネルごとに1つずつ、3つの別個の黒点を判定する。高精度なモニタに使用する場合には、1つのダークグレーのRGBを選択し、これを使用してR、G、及びBの1つの平均黒点値を推定することができる。
【0128】
古いCRTモニタなどのように、表示装置の中には、色チャネルごとに、非常に異なる黒点を生成するものも存在している。従って、単一のRGB黒点の計測値に基づいてカラープロファイルを生成すれば、精度が低下する恐れがある。しかしながら、チャネル固有の黒点を判定することにより、精度の低下を軽減することができる。換言すれば、それぞれの色チャネルごとに個別に黒点を推定することにより、表示装置の色応答のより正確な特徴付けを取得することができる。この正確な色の特徴付けにより、特定モニタに提供し表示するための画像変換の精度を向上させることができる。
【0129】
カラープロファイルサーバー20は、図12に示されているように、一連の指示用のウェブページをクライアント14、16に提供することにより、カラープロファイリングプロセスを遂行することができる。通常、このカラープロファイリングプロセスにおいては、(1)表示装置の赤、緑、及び青(R、G、及びB)色チャネルのそれぞれの黒点、(2)R、G、及びBの平均ガンマ、及び(3)R、G、及びBのガンマの差、を判定する。表示装置の特性が大きく異なるため、前述の判定(2)は、(2a)粗ガンマ推定値と(2b)精細ガンマ推定値の判定に再分割することができる。次に、このプロセスについて、図12〜図18を参照して詳細に説明する。
【0130】
このカラープロファイリングプロセスにおいては、まず、カラー表示装置のそれぞれの色チャネル(例:R、G、及びB)の推定黒点を判定する。黒点を判定した後に(これは、単なる推定値に過ぎないが)、このプロファイリングプロセスでは、表示装置が示すガンマを判定する。具体的には、このプロセスでは、粗ガンマを判定した後に、精細ガンマを判定する。この精細ガンマの判定は、部分的に粗ガンマに依存することができる。換言すれば、粗ガンマは、ファインチューニングされたガンマに収束させるための最初の推定値及び出発点として使用可能である。
【0131】
精細ガンマを判定した後に、このプロセスでは、表示装置が示すグレーバランスを判定する。グレーバランスとは、表示装置に使用されている色チャネル(例:赤、緑、及び青)の中の1つ又は複数のものに対する中立のグレーからの色シフトの量を示すものである。このグレーバランスの判定は、このカラープロファイリングプロセスにおいて前に判定されているガンマに部分的に依存することが可能であり、特定の実施例においては、精細ガンマに依存している。次に、このカラープロファイリングプロセスでは、カラープロファイルを生成する。カラープロファイルには、黒点、ガンマ、及びグレーバランスに基づいて表示装置の色応答を特徴付ける情報が格納される。次いで、このカラープロファイルをクッキー又はその他のコンテンツコンテナに読み込み、必要時にいずれかのカラー画像サーバー18にアップロードするべく、それぞれのクライアント14、16においてローカルに保存することができる。
【0132】
推定された黒点パラメータは、表示装置のダイナミックレンジを定義している。最大RGB値は常に白を定義しており、黒点は黒のエンドポイントを定義している。従って、結果的に、黒から白に連続的に変化するR、G、及びB色チャネルの各値の範囲を定義することになる。この場合にも、黒点は、表示装置の放射光がそれ以下には減少しないR、G、又はB値を意味している。Rなどの個別の色チャネルにおいて、黒点とは、R値を減少させても表示装置の放射するRチャネル光がそれ以上には減少しない点のことである。表示装置の所与の色チャネルの黒点が高い場合には、暗い領域のそのチャネルの値は最も暗いシェードにマッピングされることになり、画像補正を行わなければ、シャドーのディテールが失われることになる。従って、正確な黒点の推定値の取得は、表示装置が示す画像の精度にとって重要である。
【0133】
マルチチャネルの黒点の推定値以外に、カラープロファイルには、ガンマパラメータとグレーバランスパラメータが含まれる。これらのパラメータが協働し、装置上での正確な表示のためのカラー画像の変更を可能にする個別の表示装置の色応答を定義する。ガンマパラメータは、画像の全体的な見え方に最も大きな影響を与えるものである。ガンマにより、画像の見え方が全体的に明る過ぎる(又は、暗過ぎる)ものになるかどうか、或いは、コントラストが強過ぎる(弱過ぎる)ものになるかどうかが決定される。人間の目は、グレーバランスに対する感度が非常に高いため、第3のパラメータであるR、G、Bガンマの差、即ち「グレーバランス」は重要である。グレーバランスパラメータは、RGB色の組み合わせを生成した際の表示装置の異なる色チャネル間の相対的なバランス(或いは、インバランス)を示すものである。
【0134】
図12は、カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。図12に示されているように、黒点の判定のために、カラープロファイルサーバー20は、まず、表示装置調節用のウェブページを提供することができる。このウェブページは、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを調節するように指示するものである。表示装置を調節するこのステップは、任意選択であるが、通常、黒点を判定するべく表示装置を準備する際に望ましいものである。カラープロファイルサーバー20は、バー、パッチ、文字(character)、文字(letter)、数字、及びこれらに類似のものなどの暗い要素からなる複数の行を含むウェブページを提供可能である。
【0135】
パッチやバーではなく、数字などの様々な形状を有する要素を表示することが望ましい。パッチやバーは、通常、長方形であるが、人間の目で違いを識別する際には、もっと複雑な形状を使用する方が有利である。即ち、例えば、数字、文字、及びその他の複雑な形状の場合、人間の目のパターン認識能力が作用し、結果的にグレースケールの違いに対する感度を高めることができる。人間の目は、パターン認識を実行するように要求されると、所与のパターンと周辺領域間の色のグラデーションに対する感度が向上する。複雑な形状は、単純な形状に比べて、提示される境界が長く、周囲の長さが長くなってコントラストを際立たせる。モニタを特徴付けるための黒点、粗ガンマ、及び精細ガンマの判定においては、複雑な形状を有する要素を使用可能である。
【0136】
行ではなく、ウェブページ上に並んで配置した列として要素を配列することも可能である。更なる代替例として、それぞれの行又は列に、複数の要素ではなく、ただ1つ又は少数の要素を格納することも可能である。それぞれの所与の行における要素数が大きいほど、ユーザーは、隣接する行の要素間の違いを識別し易くなる。
【0137】
このウェブページは、ユーザーに対して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示することができる(150)。要素からなる行(又は、列)は、連続して配置することができる。それぞれの行の要素の暗さ(又は、明るさ)は、同一であることが好ましい。しかしながら、連続するそれぞれの行の要素は、その他の隣接する行の要素とは暗さ(又は、明るさ)が相対的に異なっている。例えば、最も暗い要素の行を底部に配置し、シェードの明るさが徐々に増加する要素を格納する行を昇順(又は、降順)にその上に配置することができる。このウェブページでは、ユーザーに対して最も暗い要素の行がかろうじて見えるところまで輝度を落とすように指示している(152)。この時点で、ユーザーは、「次へ」又はこれに類似のハイパーテキストアイコンを選択し、カラープロファイリングプロセスの次のステップ(例:赤、青、及び緑チャネルの個別の黒点の判定)に進むことができる。
【0138】
図13は、図5に示されているカラープロファイリングプロセスの表示装置調節において使用するウェブページ153を示している。暗い要素の行155が表示されており、これらの要素は、それぞれの行が同一のグレーレベルの値を備えているが、隣接する行の要素とは異なるグレーレベルを備えている。一例として、暗い要素の行155(図13の例では、数字として示されている)は、8、16、14、及び32というグレーレベル値でユーザーに対して提示可能である。換言すれば、「0」、「1」、「2」、「3」の各行は、それぞれ、8、16、24、32のグレーレベルを備えることができる。これらの暗い要素の行が表示されると、ユーザーは、表示装置に提供されているアナログ又はデジタル制御機能を使用して表示装置の輝度とコントラストを最大に設定するように指示される。次いで、ユーザーは、最も暗い(最低のグレーレベル値の)要素を有する行がかろうじて見えるところまで表示装置の輝度を落とし、その後で「次へ」をクリックするように更に指示される。この任意選択の表示装置調節のステップは、後述するように、それぞれの色チャネルに関して実行する黒点の判定用にモニタを準備するためのものである。
【0139】
それぞれの色チャネルごとに黒点を判定するプロセスを実行するべく、それぞれの色チャネル用の要素からなる複数の行(又は列)を連続したウェブページ上に表示することができる。具体的には、チャネル固有の黒点判定用の赤チャネル、青チャネル、及び緑チャネルのウェブページをクライアントに対して提供することができる(順序はどのようなものであってよい)。表示装置調節用に提供する図13のウェブページ153と同様に、それぞれのウェブページには、昇順又は降順の相対的な明るさ(又は、暗さ)を有する行として所与の色チャネル用の要素を配置することができる。これらの行は、グレーレベルのグラデーションのシーケンスを提供するものである。例えば、赤チャネルの黒点判定用のウェブページの底部の行は、そのウェブページに示されている要素の中で赤の最も暗いシェード(最低のグレー値)を有する要素からなる「0」の行である。ウェブページ153と同様に、これらの行又は列による要素の配列は、説明用のものである。実施例の中には、複数の要素の列ではなく、一連の個別要素の表示によって十分なものも存在する。
【0140】
ユーザーにかろうじて見える最も暗い要素の列は、表示装置の個別のチャネルの黒点によって左右されることになる。これらの要素の行は、黒(即ち、RGB=0)を背景として表示されている。表示装置によっては、8や16以上の強度レベルを有する要素がユーザーには見えないものも存在する。ユーザーは、表示装置上においてかろうじて見え、且つ黒の背景と最も近接して一致(即ち、混合)する要素の行を選択するように指示される。このステップにより、黒点、即ち、色チャネル値が減少しても表示装置のその色チャネルの放射光がそれ以上減少しない可視の「カットオフ」点が判定される。この代わりに、所与の色の最もよく見えない要素の行を消去し、残っているかろうじて見えるバーをクリックするようにユーザーに指示することも可能である。いずれの場合にも、黒点を推定することができる。
【0141】
図14は、図12に示すカラープロファイリングプロセスの黒点判定に使用するウェブページ157を示している。ウェブページ157は、図6のウェブページ122と実質的に類似のものであってよい。例えば、ウェブページ157には、シェードされた要素の行159を含むことができる。この場合にも、アプリケーションによっては、要素の列の表示又は一連の要素で十分なものも存在する。図14に示されているように、ウェブページ157は、ユーザーに対して表示装置上においてかろうじて見える要素の行を選択するように指示する。ウェブページ153と同様に、ウェブページ157の行159は、例えば、それぞれ、8、16、24、及び32の強度レベルを備える「0」、「1」、「2」、及び「3」の行として配列することができる。図14のウェブページ157は、赤チャネルの黒点判定用のウェブページを表しており、黒を背景として設定された赤要素の行が含まれている。
【0142】
例えば、行の中のいずれかの要素をクリックして赤チャネルのかろうじて見える行を選択すると、緑チャネルの黒点を判定するための黒を背景として設定された緑要素の行を格納する実質的に同一のウェブページがユーザーに対して自動的に提供される。そして、かろうじて見える緑要素の行の選択に続き、青チャネルの黒点判定用の実質的に同一のウェブページがユーザーに対して提供され、ユーザーは同様の選択を行う。即ち、先行するチャネルの行の選択に続き、各色チャネルの黒点判定を実行する連続ウェブページを自動的に提供することができる。この代わりに、「次へ」アイコン又はこれに類似の装置をクリックするようにユーザーに促してもよい。無論、プロセスに必要とされる全体のクリック数を減少させるには、要素の選択に続いて自動的に連続ウェブページを提供することが望ましい。
【0143】
以上の結果、ユーザーは、各色チャネルのかろうじて見える要素の行を選択し、これにより、それぞれの色チャネルの黒点の情報が提供される。図12は、このプロセスについて更に説明している。具体的には、図12には、暗い赤の要素(又は、文字)の行の表示(154)と辛うじて見える行の選択(156)が示されており、更に、選択された行に基づいた赤チャネルの推定黒点の算出が示されている(158)。同様に、緑チャネルの場合には、暗い緑の文字の行を表示した後に(160)、辛うじて見える行を選択し(162)、選択された行に基づいて緑チャネルの推定黒点を算出する(164)。最後に、青チャネルについて、暗い青の文字の行を表示した後に(166)、辛うじて見える行を選択し(168)、選択された行に基づいて青チャネルの推定黒点を算出する(170)。
【0144】
関連する供給元クライアント14又は供給先クライアント16は、連続ウェブページのそれぞれに表示されたかろうじて見える要素の行を選択した後に、カラープロファイルサーバー20にその結果を送信する。この代わりに、最後の色チャネルの黒点判定を完了した後に、すべての色チャネルの結果を同時送信することも可能である。次いで、カラープロファイルサーバー20は、それぞれのチャネルごとに推定黒点を算出するか、或いは、例えば、カラー画像サーバー18が後で算出できるよう、パラメータを単純に保存することも可能である。
【0145】
表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって表すことができる。
【0146】
【数1】
【0147】
ここで、R、G、Bは、次のとおりである。
【0148】
【数2】
【0149】
変数dr、dg、及びdbは、1.0に正規化されたデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは黒点であり、パラメータγr、γg、及びγbは赤、緑、及び青チャネルのガンマである。
【0150】
パラメータko,r、ko,g、及びko,bの値は、次のように判定する。即ち、モニタの特性とは無関係に、赤の場合には、人間の目で検出可能なXYZの最低限の可視の値の組が存在すると仮定し、これをベクトル(Xt,r,Yt,r,Zt,r)と表記する。このベクトルは、前述の方程式におけるRの固有の対応する値を備えることになり、これをRtと表記する。特定のγr及びko,rの値を有するモニタの場合には、次のように、Rtに関連付けられたdt,rと表記される固有の装置値が存在することになる。
【0151】
【数3】
【0152】
この装置値dt,rが、カラープロファイリング手順において、前述のように(即ち、赤の黒点判定用のウェブページにおいて最も暗いかろうじて見える要素の行を選択することにより)、ユーザーによって判定される。Rtの値は、経験的に判定する。例えば、ko,r=0.0及びγr=2.2の暗い部屋で較正された表示システムの場合には、赤パッチは、dt,r=8/255グレーレベルで可視であり、これはRt=(8/255)2.2を意味している。
【0153】
ko,rの正確な値は、2つの同時方程式(即ち、Rtの前述の方程式と後述するR.33の方程式)を解くことによって算出可能である。この代わりに、2.2のガンマを仮定することにより、ko,rの妥当な推定値を取得可能である。この仮定を行った場合には、次のようにko,rの値を推定することができる。
【0154】
【数4】
【0155】
同様に、ko,g及びko,bの値を判定可能である。
【0156】
図15は、カラープロファイリングプロセスにおけるガンマとグレーバランスの判定を示すフローチャートである。粗ガンマを判定するべく、カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページの中の1つにより、ディザリングされた緑を背景とした一連の緑の要素(例:パッチ)が表示される(172)。この粗ガンマ判定用のウェブページは、最後の黒点判定用のウェブページにおいて要素の行の選択が完了した後に、即座且つ自動的に、或いは「次へ」アイコン又はこれに類似の装置の選択に応答して提供可能である。
【0157】
一実施例においては、この粗ガンマの判定は、緑の色チャネルにのみ限定される。具体的には、この粗ガンマの判定は、ディザリングされた緑を背景とする一連の緑要素を使用して実行される。緑は、赤、緑、及び青の中で、最も優勢で強いフォスファ(phospher)であり、コントラストが最大である。更に、緑は、最大のL*を備えている。又、緑は、目の明所視のV(λ)応答に最も近接して一致することにも留意されたい。この粗ガンマ判定法においては、緑の色チャネルのみを考慮し、赤と青は基本的に無視している。
【0158】
このような方法により、粗ガンマの計測においては、最も優勢な色チャネルに集中し、多くの表示装置で散見される赤−青のインバランスに起因する誤差を回避している。従って、粗ガンマの判定用に表示される要素は、異なる暗さ(又は、明るさ)の値を有する緑のパッチであってよい。この代わりに、先程参照した米国特許出願第09/631,312号明細書に記述されているように、すべての色チャネル用の合成粗ガンマを判定することも可能である。
【0159】
緑のパッチを表示すると、ディザリングされた背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するようにユーザーは指示される(174)。この「緑のパッチが、ディザリングされた背景と「混合」する」という表現は、それが背景のレベルに近接して一致するという意味である。ディザリングされた緑を背景として表示された一連の緑のパッチの例が図16の参照符号173によって示されている。この一連の緑のパッチとディザリングされた緑の背景は、カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページに表示可能である。カラープロファイルサーバー20は、選択された緑のパッチに基づいて(この場合も、ポインティング装置でクリックすることによって選択可能である)粗ガンマを算出する(176)。このステップで(ディザリングされた緑を背景とする緑のパッチの組から1つの緑のパッチを選択することによって)判定された粗ガンマは、R、G、及びBの平均ガンマの推定値として使用可能である。ディザリングされた緑の背景は、約25%〜50%で設定することができる。約33%内外でディザリングされた背景は、表示装置の黒から緑への遷移の実際の中間点に最も近接して一致し、一般の表示装置に好ましい。
【0160】
黒と緑を適切な周波数で交互に配置することにより、25%、33%、又は50%の緑の背景を生成することができる。CRTの場合、装置のビデオ帯域幅のため、個別のピクセルを調節して垂直ラインを形成するのではなく、所与の水平ラインにおいてピクセルのすべてをオン/オフする方が表示装置間で予測可能な出力が生成されるはずである。尚、フラットパネル装置の場合には、これは問題とはならない。しかしながら、CRTとフラットパネル装置の両方を使用するクライアントに対応する際には、交互の水平ラインを使用してディザリングされた背景を生成することが好ましい。
【0161】
大部分のモニタのガンマは1.6〜2.5の範囲にあるため、一連のパッチ173の中央パッチは、平均ガンマ2.0に基づいたものであってよい。中央パッチを取り囲むその他の緑のパッチは、比較的大きな刻み(例:互いに8グレースケールの間隔)で順番に配置することができる。粗ガンマは、次の方程式を使用して推定可能である。
【0162】
【数5】
【0163】
ここで、d.33,gは背景と最も近接して混合して見える選択されたパッチのグレーレベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。粗ガンマを実際に算出する代わりに、精細ガンマプロセスにおいて使用するべく、選択されたパッチの緑レベル値を単純に持ち越すことも可能である。この場合、その値は最終的には破棄されることになる。
【0164】
粗ガンマの推定値を取得した後に、精細ガンマを推定する。精細ガンマは、R、G、及びBの平均ガンマの精度を高めた(即ち、「ファインチューニング」した)推定値である。精細ガンマは、ディザリングされた緑を背景として提示された緑パッチの組からもう1つ別の緑のパッチを選択することにより、判定することができる。この場合に、中央パッチは、粗ガンマの判定用にユーザーが選択した緑パッチと同一のものであってよい。即ち、粗ガンマステップが精細ガンマステップに対して「情報提供」するのである。実際に、選択された粗ガンマパッチが精細ガンマ判定用の出発点として機能する。具体的には、粗ガンマの判定において選択された緑パッチを精細ガンマ判定用の中央パッチとして使用することができる。
【0165】
精細ガンマを判定するための一連のパッチが図17の参照符号175によって示されている。この一連のパッチは、粗ガンマプロセスにおいて選択された中央の緑パッチを中心とし、パッチ間の刻みの幅を更に狭めたシーケンスになっている。例えば、これらのパッチは、粗ガンマの判定においてパッチ間の刻みの幅として使用した8緑レベルではなく、4緑レベルの間隔を有することができる。この結果、粗ガンマの推定値から「学習」した中央値を有する更に間隔を狭めた一連のパッチを使用して粗ガンマの推定値を「ファインチューニング」することになる。
【0166】
カラープロファイルサーバー20が提供するウェブページにより、刻みの幅を狭めた一連の緑パッチの中に粗ガンマの推定で選択された緑パッチを表示する(178)。次いで、ユーザーは、粗ガンマの判定に使用されたものと同一のディザリングされた緑の背景と最も近接して混合する緑パッチを選択するように指示される(180)。そして、カラープロファイルサーバー20は、選択された緑パッチに基づいて1つの精細RGBガンマを算出する(182)。従って、この精細ガンマは、RGBチャネルについて推定された全体的なガンマであるが、緑チャネルから導出されたものである。この代わりに、前述のように、カラー画像サーバー18が精細ガンマの算出と色補正のレンダリングに使用できるよう、選択されたパッチのRGB値を単純に保存することも可能である。いずれの場合にも、精度を高めたガンマの推定値は、次の方程式によって算出することができる。
【0167】
【数6】
【0168】
ここで、d.33,gは背景と混合している選択されたパッチの緑レベル値(1.0に正規化されたもの)であり、ko,gは以前判定された黒点であり、G.33は緑チャネルの相対強度であって(1/3に等しい)、γgは緑のガンマである。
【0169】
カラープロファイルサーバー20は、グレーバランスを判定するべく、複数のRGBパッチを表示するウェブページを提供する。これらのRGBパッチは、以前の精細ガンマのステップにおいて選択されたものと同一の緑の値と、この以前選択された緑の値と実質的に等しいか、或いはその値からシステマチックにシフトされた赤及び青の値を組み合わせて生成することができる。これらのRGBパッチは、前のステップ(精細ガンマ)の緑のディザリングされた背景と同様にディザリングされたグレーを背景として表示することができる(184)。この場合にも、このステップは、前のステップから「学習」しており、正しいガンマを特定するべく絞り込んでいく一連のカラープロファイリングステップ(粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランス)の一部を形成している。次いで、ユーザーは、ディザリングされた背景と最も近接して混合して見えるグレーパッチを選択するように指示される(186)。そして、選択されたグレーパッチに基づいて個別のRGBガンマを算出する(188)。特筆すべきことに、このグレーバランス判定の全体をユーザーのポインティング装置の1回のクリックによって実行可能である。
【0170】
従って、このグレーバランスのプロセスでは、精細ガンマのプロセスにおいて選択された緑の強度値を使用し、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って判定されたRGB値を有する中央パッチの値を中心として、赤及び青の+/−(プラス/マイナス)の違い(即ち、「シフト」)を示す複数のグレーパッチを生成する。例えば、精細ガンマプロセスにおいて選択された緑の値を赤及び青の実質的に同一の値と組み合わせて中央に表示する。そして、赤及び青のガンマをグレーバランス判定によってファインチューニングし、これによって表示装置の赤−青インバランスを識別する。従って、このグレーバランスのステップでは、赤と青のインバランスを判定する際に、緑ガンマを「ロック」している。換言すれば、このグレーバランスのアレイ内のすべてのパッチは、同一の緑値を有し、赤及び青の異なるグラデーションによって調節されている。このステップでは、1つの変動軸(緑)を除いているが、赤及び緑、又は青及び緑間のインバランスの識別は可能である。この結果、選択の範囲が、よりファインチューニングされた領域に限定され、ユーザーによる正確な選択の実行が可能になっている。
【0171】
このグレーバランス判定用の一連のパッチは、精細ガンマプロセスからのガンマ推定値に従って生成された中央グレーパッチを中心とし、その周囲に配列された赤−青シフトされたパッチを有する二次元のパッチのアレイであってよい。その他の実施例においては、赤チャネルを使用して最初のRGBガンマの推定値を判定した後に、緑及び赤、又は青及び赤間のインバランスを識別するグレーバランス判定を実行可能である。
【0172】
図18は、このグレーバランス判定において使用する5x5マトリックスに配置された二次元の一連のグレーパッチ177の例を示している。それぞれのパッチは、青の軸、又は赤の軸、或いは、それら両方の組み合わせによって中央のグレーパッチからシフトしているが、緑はシフトしていないことが好ましい。ユーザーは、ディザリングされたグレーの背景に最も近接して混合して見えるパッチを選択するが、この背景は、33%のディザリングされた背景であってよい。任意選択により、中央パッチは、それが好適な既定の選択肢であること示すべく強調表示してもよい。
【0173】
パッチの数とそれぞれのパッチのRGBの正確な値は極めて柔軟なものであってよい。例えば、図18の画像の場合には、すべてのパッチは、フォスファ、平均ガンマ、及び黒点に基づいたディスプレイ用の推定プロファイルに示されているものと同一のL*の値を備えるように選択可能である。中央パッチに隣接するパッチは、前述のパラメータから構築されるマトリックスTRC(tone reproduction curve)プロファイルから推定されるように、a*及びb*のすべての組み合わせについて+/−3ΔEだけ異なったものであってよい。
【0174】
グリッドアレイの外周縁のパッチは、R及びBが+/−6ΔEだけ中央から異なったものであってよい。この代わりに、簡単にするべく、+/−5グレーレベルや+/−10グレーレベルなど、+/−固定量だけR及びBが変化するように選択することも可能である。すべてのパッチが略定数であるL*の色空間のすべての方向に中央パッチから相対的に小さく偏位していることが好ましい。この試験は、R、G、及びBのガンマに大きな違いが存在するかどうかを高感度で判定するのに有用であり、この結果、R及びB間の大きなグレーのインバランスが明らかになる。
【0175】
図18に示されているパッチの二次元フォーマットは、ユーザーが正しいパッチを選択するのに有用である。この実施例では、カラープロファイリングプロセスの前のステップ(即ち、精細ガンマ)からのパッチが中央に配置されている。隣接するパッチは、アレイが外に広がるに伴ってグレーレベルが変化しており、この結果、アレイの外周縁は、中央パッチから2グラデーションだけ変化したパッチを格納している。このアレイは、背景とのマッチング用の出発点としてユーザーを中央パッチに導く傾向を経験的に有している視覚的な「漏斗」効果を生成している。二次元アレイにおけるパッチ間の違いは、一次元のパッチストリップよりも明瞭であり、且つ劇的である。アレイが外に広がるに伴って、シフトが大きくなる。従って、グラデーションが際立ち、ユーザーが適切なパッチを選択するのに有用である(適切なパッチは、多くの場合、カラープロファイリングプロセスの前のステップで選択された中央パッチとなる)。
【0176】
ユーザーが中央パッチを選択した場合には、1つのガンマ値をR、G、及びBチャネルに使用する。その他のパッチの中の1つを選択した場合には、3つの別個のガンマを次の方程式に基づいて算出する。
【0177】
【数7】
【0178】
ここで、γとd.33用の添え字は、R及びBチャネルの固有値を示している。それぞれのチャネルのd.33の値は、このグレーバランスステップにおいて選択された特定のパッチのRGBの値によって与えられる。これらの方程式を蛍光体値の組と組み合わせ、ICC(International Color Consortium)規格においてマトリックスTRC式と呼ばれている当技術分野において周知の方程式を使用し、クライアントの表示装置用の正確なプロファイルを生成する。この場合にも、この計算は、カラープロファイルサーバー20又はカラー画像サーバー18に関連付けられている色補正モジュールによって実行可能である。
【0179】
この好適な実施例における粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスの判定ステップにおけるパッチ選択プロセスは、クライアント側で読み込みを要するアプリケーション、アプレット、又はその他のクライアントサイドスクリプトが不要であるため、有利である。代わりに、ユーザーは、ウェブページに表示されたパッチの中の1つを単純に選択するのである。しかしながら、その他の実施例において、アプリケーション、アプレット、又はクライアントサイドスクリプトを使用する場合には、ディザリングされた背景との比較用に1つのパッチの色をリアルタイムで調節するための滑らかなスライダバー、+/−矢印、及びこれらに類似のものを使用することが考えられる。この結果、ユーザーは、有限の数のパッチの組から最も近接して一致するものを選択するのではなく、1つのパッチを背景と正確に一致させる能力を有するようになる。又、このリアルタイム調節法は、非ネットワーク型の色の較正及び特徴付け法にも有用である。この場合、黒点、ガンマ、及び/又はグレーバランスを判定するべくユーザーが選択するパッチ又は要素は、スライダやその他の調節媒体により、ユーザーにとって視覚的に許容可能なレベルまで(即ち、パッチがディザリングされた背景と一致して見えるところまで)その色が調節される1つの調節可能なパッチであってよい。
【0180】
黒点、粗ガンマ、精細ガンマ、及びグレーバランスのプロセスに基づき、表示装置用のカラープロファイを生成する(190)。そして、カラープロファイルを生成したら、カラープロファイルクッキーを生成する(192)。将来使用するべく、カラープロファイルを表す情報は、カラープロファイルクッキーに付加される。具体的には、この情報を使用し、その特定のクライアント14、16とその特定のネットワークサーバー12及びカラー画像サーバー18間で将来やり取りするための画像サーバークッキーを生成することができる。このカラープロファイルは、ネットワークにおける表示装置を特徴付けるのに特に有用であるが、非ネットワーク型のアプリケーションにおいても有用である。具体的には、本明細書で説明したカラープロファイリングプロセスは、ネットワークを介してではなく、装置においてローカルに生成又は取得されたコンテンツを補正するための個別の表示装置の較正及び特徴付けにも、そのまま使用可能である。
【0181】
有利なことに、クライアント14、16は、それらの表示装置の構成に関する情報を提供する必要はない。sRBG、Apple Macintosh RGB、及びこれらに類似のものなどの公表されている規格に基づいたフォスファ値の平均セット(average set)を使用し、非常に満足できる結果を生成することができる。必要に応じて、特に蛍光体値と白点の問題を解決するべく、更なるステップを追加することも可能である。このカラープロファイリングプロセスでは、結果的に、クライアント14a〜14nに関連付けられている表示装置の色応答を特徴付ける情報をカラー画像サーバー18に伝達するためのコンテナ又は輸送手段として機能するクッキーを単純に生成している。この代わりに、場合によっては、VESAなどの通信プロトコルを利用してディスプレイから(及び/又は、コンピュータのオペレーティングシステムから)色度情報と白点を取得することができる。現在の技術では、高価な電子回路をもってしてもRGBの黒点及びガンマをハードウェアレベルで完全に維持することは困難であるため、本発明の有用性は持続することになろう。
【0182】
通常、クライアント14、16が実行するブラウザアプリケーションからの各要求には、特定のドメインにとって可視のすべてのクッキーが付加される。このため、通常のブラウザは、それぞれのドメインごとに最大20個のクッキーに制限している。特定のウェブサイトに対するクッキーの割り当てを消費してしまうことを回避するべく、特定のクライアント14、16用のすべての色補正情報を1つのプロファイラクッキーと1つの画像サーバークッキーにパッキングすることが好ましい。場合に応じて、例えば、いくつかの項目を画像サーバークッキー又はプロファイラクッキーの値の文字列内にパッキングすることができる。具体的には、それぞれのクッキーは、R、G、及びBのガンマ値を含む必要がある。それぞれのガンマ値は、1.0〜3.0の間の値であってよい。更に、クッキーには、黒と白の色度値(例:0〜+1000.0の間の値で表されたもの)を含むことができる。
【0183】
模範的なクッキーは、例えば、それぞれが区切り文字によって区切られて値の文字列にパッキングされた次の項目を有することができる。
【0184】
(1)クッキーフォーマットバージョンコード:数値コード(例:1〜3バイト、及び区切り文字)
【0185】
(2)クッキーの作成日:通常のクッキースタイルのタイムスタンプ(GMTの1970年1月1日の午前零時からの経過時間(単位:ミリ秒))(例:12〜13バイト、及び区切り文字)
【0186】
(3)この色情報が色補正シーケンスによって生成された時に、割り当てられた一意のプロファイラID:長整数(例:4バイト、及び区切り文字(但し、もっと長くなる可能性が高い))
【0187】
(4)R、G、Bのガンマ及び黒点の値:それぞれ4十進数からなる1.0〜3.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。小数点を示すことができる。従って、ガンマ値は、最大でそれぞれ5又は6バイト及び区切り文字(従って、全体では、この3倍)を所要する。この代わりに、R、G、及びBに選択された色調値を示しておき、後でクッキーを読み込んだ際にサーバーがガンマ及び黒点の値を算出できるようにしてもよい。
【0188】
(5)黒及び白の色度:それぞれ有意な4桁からなる0〜1000.0の範囲の浮動小数点値のテキスト表現である。従って、これは、それぞれ最大6又は7バイト及び区切り文字(従って、全体では、この2倍)を必要とする。
【0189】
(6)色のビット数:2つの十進数(2バイト及び区切り文字)
【0190】
(7)表示装置のIDコード:英数字コード(約10バイト及び区切り文字であってよい)
【0191】
(8)クッキーデータのチェックサム:長い整数(4バイト)
【0192】
前述の例のクッキーは、約68バイトと10個の区切り文字を有している。区切り文字は、文字列が「エスケープ」されないように選択する必要があり、通常、このような場合には、カレット(^)が使用される。従って、この値の文字列の通常のサイズは約80バイトになる。
【0193】
図19は、図1及び図2に示されているシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。具体的には、図19は、個別の供給先クライアント16がアクセスする2つの異なるカラー画像サーバー18a、18bに対して既に画像サーバークッキーが生成されているシステム191を示している。この場合、供給先クライアント16は、ネットワークサーバー12からのウェブページにアクセスし、カラー画像サーバー18aに対して画像を要求する。別のネットワークサーバー12に対して画像を要求する場合には、供給先クライアント16は、カラー画像サーバー18bに対して画像を要求する。カラー画像サーバー18aは、色補正モジュール192とカラー画像のアーカイブ194の両方を内蔵している。同様に、カラー画像サーバー18bも、色補正モジュール196とカラー画像のアーカイブ198を含んでいる。
【0194】
供給先クライアント16は、画像要求をカラー画像サーバー18aに送信する際に、ライン200によって示されているように、一緒に供給先プロファイルクッキー(即ち、画像サーバークッキー)を送信する。同様に、ライン202によって示されているように、供給先クライアント16は、画像を要求する際に、画像サーバークッキーをカラー画像サーバー18bに送信する。いずれの場合にも、画像サーバークッキーには、それぞれ画像アーカイブ194、198から提供されるカラー画像を変更(即ち、色補正)する際に個別の色補正モジュール192、196が使用する色補正情報を提供するカラープロファイルが格納されている。従って、この要求を受信すると、カラー画像サーバー18a又は18bは、添付されている画像サーバークッキーを処理して内容を抽出し、抽出した内容に基づいて個別の色補正モジュール192、196を制御する。この結果、供給先クライアント16は、参照符合204、206で示されているように、色補正済みの画像を受信することになる。
【0195】
次に、色補正モジュールが画像サーバークッキー内に格納されているカラープロファイルを利用する方法について説明する。図12〜図19を参照して説明した実施例においては、個別の供給元クライアント14又は供給先クライアント16に関連付けられているユーザーが選択した赤、緑、及び青要素に基づき、それぞれの色チャネルの黒点を推定している。従って、カラープロファイリングプロセスの出力は、黒点のRGB値とガンマ、又は個別のRGBガンマである。ここでは、これらの値が前述のように判定されていることを前提とする。表示装置のすべての動作は、RGBをXYZに関連付ける次の方程式によって与えられる。
【0196】
【数8】
【0197】
ここで、R、G、Bは、それぞれ次のとおりである。
【0198】
【数9】
【0199】
値dr、dg、及びdbは、1.0に正規化された赤、緑、及び青チャネルのデジタル入力値である。パラメータko,r、ko,g、及びko,bは、赤、緑、及び青チャネルの黒点であり、γr、γg、及びγbは、赤、緑、及び青チャネルのガンマである。従って、個別の表示装置用の画像サーバークッキー内に格納されているガンマ及び黒点情報を前述の方程式で使用し、実際に、供給先装置のプロファイルを生成することができる。この供給先装置プロファイルと要求画像に対して以前算出されている供給元プロファイルを使用し、較正済みの出力をその表示装置上で生成するのに十分な画像データの変形を実行することができる。
【0200】
前述の方法は、バーンズ(Berns)の「CRT色彩測定:第1部「理論と実践」」(CRT Colorimetry. Part I:Theory and Practice)における方程式21などの表示装置を特徴付けるその他の試みとは異なるものである。大部分の特徴付けでは、「k」パラメータを使用し、黒点ではなく、黒のオフセットを表している。黒のオフセットは、RGB=0のディスプレイから計測又は感知される非ゼロの強度を意味している。本発明者らの経験によれば、本発明の実施例によるカラープロファイリングプロセスで使用するコントラスト/輝度調節手順により、この現象の影響が最小化される。但し、コントラスト/輝度調節の後も、非ゼロの黒点が発生する可能性は高く、従って、考慮しておく必要がある。
【0201】
このプロファイルの記述内容は、このフォーマットで使用することも可能であり、或いは、ICCが規定するものなどのフォーマットに変換することもできる。このフォーマットは、マトリックスTRCフォーマットとしても知られており、前述のものに類似の行列と組み合わせた方程式ではなく、R、G、及びBの前述の式用の一般的なルックアップテーブルを利用している。前述の情報(例:ガンマ、黒点、及びこれらに類似のもの)は、クライアント14、16に関連付けられているコンピュータ上のクッキーに保存可能である。この代わりに、ユーザーが選択したパッチのRGB値である個別のデータをクッキーに保存することも可能であり、この場合には、将来、同一の入力情報を利用し、改善されたプロファイル技術を採用することができる。
【0202】
本明細書において説明したシステムを既存のウェブサイトの画像アーカイブ及びHTMLコードベースと共に実装するには、既存のネットワークサーバー12を変更し、HTMLページに示されている既存の画像ファイルに対する参照を色補正モジュールを具備する適切なカラー画像サーバー18に対する参照によって置換する。例えば、
http://SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
という既存の加入者画像ファイルの参照を、
http://correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
によって置換するのである。
【0203】
この結果、HTMLページ内の変更されたこれらの参照により、カラー画像サーバー18に対して要求画像を提供するためのコマンドが発行される。カラー画像サーバー18は、このコマンドを受信する際に、画像サーバークッキーが存在する場合には、その画像サーバークッキーも共に受信し、色補正を適用するべくクッキー内に格納されている情報を適用する。次いで、カラー画像サーバー18は、関連する画像ファイルを読み取り、画像サーバークッキーに保存されている表示パラメータを利用して固有の表示プロファイルを作成し、クライアントのブラウザに送信する前に、供給元画像を供給先画像に変換する。
【0204】
ネットワークサーバー12上に保存されているすべての画像は、加入者カラー画像サーバー18上に存在する同一名の対応するコピーファイルを有することができる。カラー画像サーバー18は、この画像ファイルのデータベースにアクセスし、クライアント14、16に送信されたHTMLページが参照している画像を読み取り、変換し、送信することができる。一実施例によれば、カラー画像サーバー18は、色管理用の非常に単純で迅速な技法を使用可能である。具体的には、カラー画像サーバー18上のすべての画像は、事前に定義されたRGB色空間を備えていることが好ましい。これは、通常、対応する供給元装置(例:スキャナ、デジタルカメラ、及びこれらに類似のものなど)から特定のウェブサイトに決められている標準的な色空間にオリジナルの画像を変換することを意味している。標準的なRGB色空間の優れた例がColorMatch RGBであり、これはD50の「仮想ディスプレイ」用の色温度を備えている。Adobe RGBなどのその他の色空間も極めて優れた色域を備えているが、その色温度はD65のものである。次のように、クライアント14、16に送信されたHTMLページ上の画像が、ネットワークサーバー12に関連付けられているカラー画像サーバー18を介して参照されると、
correction.SubscriberName.com/images/ImageName.jpg
カラー画像サーバー18は、対応する画像にアクセスし、その画像を供給先クライアントに送信する前にRGBデータをリアルタイムで変換する。この変換は、次の計算に従って実行可能である。
【0205】
【数10】
【0206】
【数11】
【0207】
尚、前述の行列は、処理速度を向上させるべく1つの行列に連結することができる。
【0208】
代替アーキテクチャとして、様々なウェブサイトのすべての画像を中央カラー画像サーバー18に保存することも可能である。このような実施例では、カラープロファイリングサーバー20は、存在してもよいが、カラー画像サーバー18と統合することも可能である。この場合、カラープロファイリングサーバー18は、本明細書において説明したように、カラープロファイリングプロセスのガイダンス用のウェブページを提供する。カラー画像サーバー18又はカラープロファイルサーバー20は、供給元及び供給先クライアント14、16に関連付けられている個別のカラープロファイルを保存するためのデータベースサーバーを含むことができる。クライアント14、16が、ネットワークサーバー12の中の1つから送信されたコード内にタグで指定されている画像を要求すると、そのクライアントは、中央カラー画像サーバー18にダイレクトされる。カラー画像サーバー18は、クライアントから送信されたクライアントIDを使用して適切なカラープロファイルを取得し、それを適用して本明細書において説明した色補正法を使用し、要求されたカラー画像を変更することができる。この結果、カラー画像サーバー18は、クライアント14、16とカラー画像サーバー間でクッキー及びこれに類似のものを転送することなく、色補正済みの画像を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】コンピュータネットワークにおける供給元及び供給先クライアント間のカラー画像表示精度を改善するシステムのブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示すシステムを内蔵するウェブベース環境のブロックダイアグラムである。
【図3】供給元クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図4】供給先クライアントに関連付けられている表示装置用のカラープロファイリングプロセスを示すフローチャートである。
【図5】色精度を改善するべくカラー画像を変更するプロセスを示すフローチャートである。
【図6】カラープロファイリングプロセスを詳細に示すフローチャートである。
【図7】複数の供給元クライアントからアップロードされ、複数の供給先クライアントにダウンロードされる画像用の色補正方式を示すブロックダイアグラムである。
【図8】色補正の料金を算出するプロセスを示すフローチャートである。
【図9】色補正の料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。
【図10】色補正の料金を算出する別のプロセスを示すフローチャートである。
【図11】カラー画像の表示精度を改善するプロセスを詳細に示すフローチャートである。
【図12】カラープロファイリングプロセスにおけるマルチチャネルの黒点判定を示すフローチャートである。
【図13】黒点判定の前に、色の表示をアナログ調節するためのウェブページの図である。
【図14】特定の色チャネルの黒点を判定するためのウェブページの図である。
【図15】カラープロファイリングプロセスにおけるガンマ及びグレーバランスの判定を示すフローチャートである。
【図16】カラープロファイリングプロセスにおける粗ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図17】カラープロファイリングプロセスにおける精細ガンマの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図18】カラープロファイリングプロセスにおけるグレーバランスの判定に使用する一連のグレー要素を示している。
【図19】図1及び図2に示すシステムにおける色補正情報の伝達を示すブロックダイアグラムである。
Claims (14)
- コンピュータネットワークを介して供給元クライアントからカラー画像を受信するステップと、
前記カラー画像を前記コンピュータネットワークを介して供給先クライアントに伝達するステップと、
前記供給元クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいて前記カラー画像を変更するステップと、を有する方法。 - 前記供給先クライアントに関連付けられている表示装置の比色分析応答に基づいて前記カラー画像を変更するステップを更に有する請求項1記載の方法。
- ネットワークサーバーにおいて前記カラー画像を変更するステップを更に有し、前記ネットワークサーバーはウェブサーバーを含んでおり、前記画像には前記ウェブサーバーが提供するウェブサイトを介してアクセス可能である請求項1記載の方法。
- 前記供給先クライアントに前記カラー画像を伝達する前に、ネットワークサーバーにおいて前記カラー画像を変更するステップを更に有する請求項1記載の方法。
- 前記供給元クライアントはオークションの売り手を含み、前記画像はオークション物品を表し、前記供給先クライアントはオークションの買い手を含む請求項1記載の方法。
- 前記供給元クライアントは写真家を含み、前記画像は前記写真家によって撮影された写真を表す請求項1記載の方法。
- カラープロファイリングプロセスにおいて前記クライアントをガイドする一連のウェブページを前記クライアントに提供するステップと、
前記カラープロファイリングプロセスの結果を表す情報を格納する前記クライアント用のウェブクッキーを生成するステップと、
前記カラー画像の前記変更において使用するべく、前記ウェブクッキーをネットワークサーバーに送信し、前記ネットワークサーバーが前記ウェブクッキーの内容に基づいて前記カラー画像を変更するステップと、によって前記表示装置の比色分析応答を特徴付けるステップを更に有する請求項1記載の方法。 - 前記ネットワークサーバーはワールドワイドウェブ上に存在し、前記カラー画像は前記ネットワークサーバーから前記クライアントが受信したウェブページの一部を形成する請求項1記載の方法。
- それぞれの変更された画像の料金を算出するステップを更に有する請求項1記載の方法。
- 前記カラー画像を変更するかどうかを前記供給元クライアントに指定させるステップと、
前記カラー画像の変更を指定した場合に、前記供給元クライアントに対して前記料金を課金するステップと、を更に有する請求項9記載の方法。 - 前記カラー画像を変更するかどうかを前記供給先クライアントに指定させるステップと、
前記カラー画像の変更を指定した場合にのみ、前記料金を課金するステップと、を更に有する請求項10記載の方法。 - 前記供給元クライアントはオークションの売り手であり、前記画像はオークション物品を表し、前記供給先クライアントはオークションの買い手であり、前記方法は、それぞれの変更された画像の料金を算出するステップと、オークションの売買に関係した前記供給元及び供給先クライアントのいずれか、又は両方に対して前記料金を課金するステップと、を更に有する請求項1記載の方法。
- 前記供給元クライアントはオークションの売り手を含み、前記画像はオークション物品を表し、前記供給先クライアントはオークションの買い手を含み、前記方法は、それぞれの変更された画像ごとに、オークション売買に関係した供給元及び供給先クライアント間で支払われる売買金額のパーセンテージに基づいて料金を算出するステップと、前記オークション売買に関係した前記供給元及び供給先クライアントのいずれか、又は両方に前記料金を課金するステップと、を更に有する請求項1記載の方法。
- 請求項11〜13の中のいずれか一項記載の方法をプログラム可能なプロセッサに実行させるプログラムコードを格納するコンピュータ読取り可能な媒体。
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