JP2004534249A - 光学活性分光法における偏光状態変換 - Google Patents

光学活性分光法における偏光状態変換 Download PDF

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Abstract

光学活性な散乱及び円偏光二色性の測定において機器のオフセットを排除する方法を開示する。この方法は、一連の光学装置により系統的に変換される光の時間的平均測定を使用する。光学装置は、直線偏光を回転し、左右の円偏光を相互変換し、円偏光を、回転する直線偏光に変換し、そして直線偏光を交互に左及び右の円偏光に変換するという機能を遂行する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、分光技術の分野に係り、特に、円偏光の測定に分光技術を適用することに係る。より詳細には、本発明は、励起光の光学路、或いは透過光又は散乱光の光学路へ挿入することのできる光学素子に係る。
【0002】
種々の形態の光学的活性度の測定は、全て、左右の円偏光(以下CP)又はキラル光とキラルサンプルとの相互作用における僅かな相違に依存する。典型的に、キラルサンプルは、キラルである分子、即ち個人の左右の手のように互いに重畳できない鏡像をもつ分子より成る。この相互作用が測定可能な程度にそれ自身を明示する領域は、3つある。光学的に活性な散乱では、サンプルが左右のCP光で励起されたときにサンプルからの散乱光の左又は右のCPに対して強度に僅かな差が生じる。或いは又、直線偏光(左右のCP光ではない)を使用してキラルサンプルを励起するときには、左右のCP散乱光の僅かな差を検出することができる。最後に、円偏光二色性では、サンプルを透過し及びサンプルにより吸収される左右のCP光の僅かな吸収の差が測定される。
【0003】
これら3つの全形式の測定における最も重大な問題は、サンプル自体の光学活性(キラル)特性によるのではなく、むしろ測定機器の光学的不完全さによる僅かなスプリアスなスペクトル強度差、即ちオフセットが発生することである。
本発明は、光学活性な光散乱及び円偏光二色性の測定においてこのようなオフセットを無視できるレベルに減少する手段を提供する。
【背景技術】
【0004】
CP測定における僅かな強度差は、通常、取得したデータを左右の検出チャンネルへルーティングするのと同期して、探査光の偏光、又は検出システムの偏光分析特性、或いはその両方を左右のCP間で変調することにより検出される。左右の検出チャンネルのデータは、検出された左右のCP光の差のみを含むサンプルのスペクトル走査を与えるように電子的に走査することができる。原理的に、CP光の非常に僅かな強度差を回復して分析することができる。これは、右又は左のCP光の形成又は選択的検出を除いて、測定機器の伝達特性を左右の両CP光変調周期に対して同一にすることを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記条件を満足するためにこれまでに公表されている解決策は、常にオフセットのない機器動作を得るように試みるという点で静的である。それらは、しばしば、非常に高精度の光学系を使用し、そして光の瞬間的な偏光状態を厳密に安定に制御することに依存している。機器の光学系において1ヶ所に持続する僅かなエラーは、通常、エラーの打消しを慎重に賢明にどこかに導入することにより補償される。例えば、電気−光学変調器の電圧が調整されたり、静的なデポラライザ装置の角度的な向きが変更されたりする。所望のフラットな機器基線を得るためのこのような冗長なそしてあるときは任意な手順が、各サンプルの測定に対してしばしば必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、時間平均化及び自動オフセット打消しを使用して、所望のフラットな機器の基線を得る。本発明は、コヒレント及びインコヒレントな光の偏光状態の選択的な多数の相互変換を使用して、光学活性な散乱又は円偏光二色性の時間平均化オフセットなし測定を達成する。偏光の変換は、個々の光学素子により光の中で別々にしかし調和的に、サンプル中の散乱又は吸収の励起に使用される入射光に適用される。同様に、本発明は、サンプルにより散乱又は透過される光に適用されて、フラットな基線を得る。
【0007】
本発明の目的は、時間平均化のやり方でオフセットのない円偏光二色性手段を達成することである。
本発明の別の目的は、時間平均化のやり方でオフセットのない光学活性な光散乱手段を達成することである。
これら両方の目的は、本発明により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
本発明により変換される偏光は、それ自体、意図された測定に対して理想的な偏光特性をもたず、又、もつ必要もない。限定時間インターバルにわたり変換光及び非変換光で行われた測定の時間平均化打消しによりオフセットを排除する。このプロセス中に、光学活性な散乱に対する偏光及び強度情報が保存される。
【0009】
本発明により光ビームに与えられる特性の1つは、光ビームの直線偏光状態の時間平均化等方性重畳である。本発明により光ビームが通過した後にその光ビーム中に偏波分析器が配置された場合には、光ビームが伝播する方向の周りのいかなる方位配向に対する時間平均化光量も等しくなる。
【0010】
左右のCP光間で変調された光ビームに与えられる別の特性は、右変調周期における右CP光の量と左変調周期における左CP光の量との正確な平衡である。又、本発明は、2つの変調周期における全光強度の正確な平衡も達成する。
左右のCP状態間で変調が行われない場合に光ビームに与えられる別の特性は、光ビームが含む左右のCP光の量の非常に正確な時間平均化平衡である。この特性は、本発明により光ビームに効果的に与えられるもので、サンプルに当たる入射光ビームにとって有用である。
【0011】
光ビームが、分析される円偏光である場合に散乱又は透過光ビームに与えられる別の特性は、ビームの円偏光成分の、右から左の円偏光へ及び左から右の円偏光への変換である。本発明は、右のCP透過又は散乱光を、先ず右のCP光として、次いで、左のCP光として、円偏光分析器に与える。その逆シーケンスは、左のCP散乱又は透過光を、先ず左の、次いで、右のCP光として分析器へ与える。
【0012】
光の偏光状態の必要な変換を行うことのできる装置は、複屈折又はフレネル反射に基づく光学的リターデイション板である。本発明は、公知技術で良く知られた1/2波長及び1/4波長リターデイション板を使用する。1/2波長リターデイション板は、本発明にとって重要な2つの作用を光ビームに対して有する。第1に、1/2波長板は、右のCP光を左のCP光に、そして左のCP光を右のCP光に変換する。第2に、1/2波長板は、ある直線偏光状態を別の状態へと変換し、その結果、偏光平面が、入射光の偏光平面とリターデイションの高速軸との間の角度の2倍だけ回転される。従って、入射光が0度の偏光平面を有し、そして1/2波長板のリターデイションの高速軸が10度である場合には、1/2波長板から出て来る光ビームは、20度の偏光平面を有することになる。
【0013】
又、1/4波長リターデイション板も、本発明にとって重要な2つの作用を光ビームに対して有する。第1に、1/4波長板は、CP光を、偏光の平面がリターデイションの高速軸に対して+45度又は−45度に配向された直線偏光に変換する。第2に、1/4波長板は、その1/4波長板のリターデイション軸に対して+45度又は−45度に配向された直線偏光を、右又は左のCP光に変換することができる。これらは、全て、種々の機能に対して分光計を製造する技術の当業者に良く知られている。
【0014】
複屈折に基づく1/2波長又は1/4波長リターデイション板は、上記機能を正確に入射光の特定波長のみにおいて実行する。理想的な動作の正確な1/2波長又は1/4波長に接近した隣接波長において、リターデイション板は、その特定波長における正確な1/2又は1/4波長リターデイション板とほぼ同じ程度に作用する。ここに述べる本発明の有用性は、適切なリターデイション板を使用した場合にオフセットを無視できるレベルより低く時間平均化するのに、理想的な動作の正確な波長のほぼ±10%をカバーする波長範囲で充分なことである。重畳する中心波長が約20%相違する2つの1/2波長又は1/4波長板で本発明を繰り返し適用することによりこの波長範囲のほぼ2倍をカバーすることができる。このおおよその範囲を外れると、スペクトルの広い領域にわたってオフセットの偏光打消しを行うのに、色消しリターデイション板が必要とされる。
【0015】
図1は、本発明の概略図である。最初、レーザーのような光源により発生された光ビーム1は、基本的なスイッチ可能な円偏光ジェネレータ2に通される。この円偏光ジェネレータ2は、左右のCP光を交互に発生するのに使用される既知の形式のいずれかの装置でよい。このような装置から発生された光は、2つの変調周期中にサイズ及び配向の異なる大きな円成分及び小さな直線成分で構成されるので、楕円偏光とも称される。従って、円偏光ジェネレータ2から到来する光は、主として左右のCP光で、僅かな直線偏光成分をもつと考えられる。
【0016】
次いで、この光は、回転する1/2波長板4に通される。この回転する1/2波長板は、直線ローテータと称され、その目的は、光の直線成分の偏光平面の配向を、全ての考えられる配向にわたり時間的に均一に系統的に回転することである。従って、上記の本発明の例を使用するために、円偏光ジェネレータ2から到来する偏光の初期平面が0度であり、そしてこの時点における1/2波長板4のリターデイション軸が10度である場合には、直線ローテータから出る光の偏光平面が20度となる。次の時点では、円偏光ジェネレータ2から到来する直線成分の偏光平面が依然として0度であり、そして直線ローテータ4がリターデイション軸を11度に回転すると、その直線ローテータを出る光の偏光平面が22度となる。このとき、直線ローテータは、直線成分を全ての配向にわたって均一に回転する。
【0017】
直線ローテータ4の望ましくない作用は、左CP光を右CP光にそして右CP光を左CP光に変換することである。この問題は、データ収集装置のデータ収集チャンネルにおいて右及び左の変調周期の登録を単に交換するだけで修正することができる。
光は、直線ローテータを出ると、光学路に入ったり出たりすることのできる円形コンバータと称される別の1/2波長板に当たる。この円形コンバータは、左CP光を右CPに及びそれとは逆に切り換える。通常そうであるように、円形コンバータが光学路から出た状態で左変調周期と右変調周期との間で円偏光の強度に差が生じる場合には、円形コンバータが光学路にある状態でも差が生じる。円形コンバータが光学路にある場合には、左右のCP光が交換される。ある時間周期にわたり、円形コンバータが繰り返し光学路へ入ったり出たりされた場合には、光の左右CP成分の強度差が、時間平均化されたときに等しくなる。
【0018】
図1に示す本発明の好ましい構成では、回転する円形コンバータ6は、その回転方向、回転速度及び位相が、直線ローテータ4により発生された光と最適になるように選択されて使用される。回転する円形コンバータは、その非常に好ましい実施形態では、同じ方向に回転する同期された1/4波長板であって、最初にそれらの高速軸が整列され、次いで、1つのプレートの高速軸が第2プレートの低速軸と整列されるような波長板より成る。高速軸が整列された状態では、円形コンバータは、1/2波長板となり、そして1つのプレートの高速軸が第2プレートの低速軸と整列された状態では、それが0波プレートとなり、従って、左右のCP光に何の変化も与えない。ストレス又は電気的に誘起される可変リターデイションを使用する円形コンバータの非移動実施形態も考えられる。
【0019】
図2は、左右のCP光を分析するための本発明の構成の概略図である。光1は、サンプルを出た後に、先ず、回転する1/2波長板である直線ローテータ4と相互作用する。光に対する直線ローテータの作用は、上記と同じである。直線ローテータ4を通過した光の直線偏光成分は、その光の直線偏光成分に対する配向が時間平均化すると生じないように、時間的に均一に回転される。従って、光の直線偏光成分のサイズ及び方向に対する感度は、時間平均化すると存在しない。この場合も、左及び右のCP光は、各々、右及び左のCP光に変換されるが、これは、非論理的であり、検出器における左右の変調周期の登録を交換することにより修正できる。
【0020】
上記説明と同様に、光線路へ入ったり出たりする円形コンバータ6の動作は、それを通過する左右のCP光を相互変換することである。相互変換は、光の左右CP成分の厳密に等しい透過特性を許す。
基本的な円偏光アナライザ8は、それに入射する光の左右のCP成分のサイズを交互に又は同時に決定するのに使用される公知のいずれかの装置でよい。実際の装置は、分析されている偏光の軸の方向に対してそれらの透過特性に若干の感度を不可避に示す。又、同じ検出チャンネルに左右のCP入射光を交互に向ける機械的、電気的又は他のスイッチ可能な装置は、2つのスイッチ位置に対して異なる透過特性を示すことがある。本発明においては、円形コンバータ6の動作は、左右のCP光間の差に対して分析器に生じるいかなるオフセットも打ち消されることを意味する。従って、円形コンバータを光線路に入れたり出したりすることにより、左のCP光のみに影響するオフセットが、今度は、右のCP光に全く同様に影響することになる。
【0021】
図2における本発明の好ましい実施形態では、回転する円形コンバータ6は、その回転方向、回転速度及び回転位相が、直線ローテータ4により発生される作用と最適になるように選択されて使用される。実際の装置は、図1について上述したものと同じである。
図3は、付加的な素子が追加された本発明の構成を示す概略図である。付加的な素子とは、回転する1/4波長板10、即ち円形ローテータであり、これは、直線ローテータ4と円形コンバータ6との間で光学路に配置される。入射光に対する円形ローテータの作用は、正味の右又は左のCP光を、円形ローテータ10と同じ回転方向及び回転速度をもつ回転する直線偏光成分に変換することである。光の直線成分に対するその作用は、楕円及び直線偏光状態を中間で通りながら右及び左のCP光に交互に変換することである。
【0022】
図3の構成の重要な特徴は、光学的に活性な散乱又は透過に必要な精度レベルを適度な回転速度で達成するために、直線ローテータ4及び円形ローテータ10の回転速度及び位相を機器データ収集サイクルにロックしなければならないことである。又、それらの回転は、互いに同期しなければならない。特に、直線ローテータ4及び円形ローテータ10の絶対的及び相対的回転速度は、構成体に入射する光の量及び偏光の時間変化特性を考慮に入れねばならない。回転速度が非常に高い場合には、同期要件を緩和できる。この条件のもとでは、2つの回転速度を適当に同期ずれさせることにより充分な平均化を得ることができる。
【0023】
好ましい実施形態では、逆回転プレート4及び10が使用される。静的な楕円偏光入射光の場合に、円形ローテータ10の好ましい回転速度は、直線ローテータ4の回転速度の2倍である。
光線路に入ったり出たりされる円形コンバータ6の機能は、直線ローテータ及び円形ローテータの動作によって発生される左右のCP光を更に平衡させることである。種々の光に対する円形コンバータの作用は、上記で説明した。
【0024】
図3に示して上述した光学的素子の、任意の偏光ビームに対する作用は、光ビームに対する直線及び円形バイアスの全ての痕跡を時間平均化式に非常に高い精度で除去することである。いかなる場合にも、光ビームの成分がオフセットするが、本発明の要素を何回も回転するような周期にわたって測定が行われる場合には、全てのオフセットがゼロになる。光ビームの偏光状態を完全にスクランブルすることのできる光学的装置であれば、同様の結果を得ることができる。このような装置は、ファイバ締め付け器(fiber-squeezer)をベースとする動的偏光スクランブラーである。対照的に、図1及び2に示す光学的素子の、任意に偏光された左右のCP光ビームに対する作用は、第1に、全ての直線偏光成分をゼロにするよう時間平均化することである。第2に、図1に示すように、円偏光ジェネレータ2により発生されたサンプルに入射する左右のCP光の量の不平衡を除去することである。第3に、図3に示すように、円形分析器の応答の不平衡を除去し、又はその後の光学系において、左対右のCP光に対する応答の不平衡を除去することである。従って、図1及び2に示す光学的素子は、光の光学的状態をスクランブルせず、むしろ、光の偏光状態を、制御された時間平均化のやり方で変換する本発明の要旨を示す。次いで、この制御されたやり方は、キラルサンプルが、機器の光学要素からの強度オフセットに干渉せずに、純粋な左右のCP光の散乱又は吸収に及ぼす差動的作用の正確な測定をもたらす。
【0025】
直線ローテータ4及び円形コンバータにおける1/2波長板のリターデイションの精度は、著しく高い必要はない。小さな直線成分をゼロにする時間平均回転が重要であるが、絶対的に完全である必要はない。一方、励起光の円形状態と全強度とをバランスすることは、ほぼ完全でなければならない。単一の円形コンバータ6で達成される修正が不充分である場合には、第2の円形コンバータを光学路に設置して、第1のコンバータと同様に動作することができる。必要であれば、この動作を、3回、4回、等々と繰り返すことができる。このようにして、光の比較的円形の内容物を任意に正確にバランスさせることができる。
【0026】
例:
同一直線上の散乱円偏光ラマン光学的活性散乱(SCP−ROA)における光学的オフセットの排除
散乱円偏光ラマン光学的活性散乱(SCP−ROA)は、交互に又は同時に分析される左右のCP散乱ラマン光に対するキラル分子のサンプルからのラマン散乱光強度の差として定義される。入射光は、固定の非偏光状態にある。図4は、SCP−ROAにおいて本発明をいかに使用するかを示す概略図である。この例では、順方向散乱が使用されるが、他の散乱形状にも同じ考え方を適用できる。
【0027】
図4は、左右のCP光の内容物を、この技術に必要な高い精度レベルでバランスさせる装置を概略的に示す。図4の構成は、この精度レベルを時間平均化形態で達成し、円形内容物を1%以上有する入射光に対しても正確な調整を行う必要はない。高いクオリティの直線偏光が偏光変調器12から得られる場合には、サンプルを励起する光から図3の円形ローテータ10を省略することができる。上述したように、本発明は、集束レンズ14及びサンプル16の前に、光の全直線及び円形成分の完全な平衡を時間平均化形態で導く。従って、本質的に、光は、時間平均化形態で偏光特性をもたない。
【0028】
散乱光に対する偏光分析部は、直線ローテータ4’及び円形コンバータ6’を使用して、基本円偏光アナライザにより生じるオフセットを修正する。基本円偏光アナライザは、電気的にスイッチ可能な液晶リターダ24及び直線偏光分析器22で構成されると仮定する。液晶リターダの光透過度は、それらのスイッチング位置に依存する。その差は、1000における2に達し得る。それ故、このような装置は、他の点では望ましい特性を有するが、光学的に活性な現象の正確な測定には適用されていない。円形コンバータの使用は、液晶リターダを初めて使用できるようにする。
【0029】
図5は、光学的に活性なコンパウンドであるアルファ−フェニルエチルアミンのSCP−ROA散乱の特定のケースに対する本発明の有用性を例示する図である。測定条件は、420秒の合計照射時間と、サンプル上にて約270ミリワットのレーザ出力である。「a」で示された下部のスペクトルトレースは、コンパウンドの非偏光の親ラマンスペクトルである。「b」で示された中間のスペクトルトレースは、修正機構を適用せずにほぼ直線偏光のレーザ光で記録された円形差スペクトルを示す。ほぼ1000cm-1に位置する優勢な偏光帯域に対して観察された信号は、ほぼ完全に機器オフセットによるものであり、親ラマン信号の4%程度である。「c」で示された上部のスペクトルトレースは、励起光の光線路に図3に示す光学素子をそして散乱光の経路に円形コンバータを導入することにより得られた実際のSCP−ROAスペクトルを示す。(散乱光の光学路には直線偏光ローテータが使用されていない。というのは、集光光学系及び散乱セルに測定可能なオフセットが生じないからである。)1000cm-1信号の当該信号である実際のSCP−ROA信号は、親ラマン信号のサイズのせいぜい±2x10-5程度であり、そして機器オフセットは、本発明の使用により2000分の1以下に減少されることが明らかである。
【0030】
図6は、本発明において説明した円形コンバータの使用の重要性を示す。下部のトレース「d」は、直線ローテータ及び円形ローテータを励起光線路に入れた状態で記録されたものである。励起光線路には他の修正素子は存在しない。1000cm-1信号に対する機器オフセットは、10000における6より大きく、これは、実際のROA信号の30倍以上である。これは、励起光の中にストレス誘起複屈折光ファイバ偏光スクランブラーを使用することから予想される最良の結果の典型的なものである。散乱光の中に直線ローテータを追加使用することから何の改善も生じない。
【0031】
図6に「e」で示された中間のトレースは、散乱光のみに円形コンバータを導入した作用を示す。機器オフセットの増分的減少が見られるが、僅かである。
図6に「f」で示された上部のトレースは、励起光のみに円形コンバータを導入した場合の作用を示す。従って、最も上のトレースにおいては、図3に示された本発明の3つの全素子が励起光の経路に存在する。1000cm-1信号に対する機器オフセットの減少は、図6の最も下のトレースに比して約5倍も有用である。実際のROAスペクトル(図5の「c」)と比較すると、ROA作用を確実にSCP測定するためには、ROA強度・対・親ラマン帯域強度の大きな比をもつものではなく、励起及び散乱光の両方に円形コンバータを導入する必要があることが示される。
【0032】
光学技術に精通した実験者であれば、本発明の単一素子又は多数の素子を光線路に配置し、それにより得られるスペクトルを決定することにより、本発明の他の効果を決定することができよう。更に、光学技術の当業者であれば、入射円偏光ラマン光学的活性、二重円偏光ラマン光学的活性、電子及び振動的円偏光二色性機器のような本発明の更に別の用途が分かるであろう。取得可能で且つオフセットがない時間平均信号は、散乱又は円偏光二色性のいずれかの用途に使用して、非常に精度の高いスペクトルを得ることができる。本発明の上記説明は、光学技術の当業者に有用な実施形態を説明するためのものである。本発明を励起光経路、透過光経路又は散乱光経路に使用すると、光学技術に精通した実験者にとって種々の有益な効果が得られる。更に、本発明を、米国特許第6,480,277号(ネイフィ氏、2002年)に開示された二重偏光変調分光計に結合することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を理解する上で重要なCP光ジェネレータ及び一対の1/2波長板を概略的に示す図である。
【図2】本発明にとって重要な波長板を円偏波アナライザと共に示す概略図である。
【図3】本発明にとって重要な波長板を、本発明を向上する付加的な波長板の追加と共に示す概略図である。
【図4】本発明を散乱円偏光ラマン光学的活性散乱機器の光学路に使用した場合の図である。
【図5】図4に示された機器に本発明を使用したコンパウンドのスペクトルを示す図である。
【図6】図4に示された機器に本発明を使用したコンパウンドの追加のスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1:光ビーム
2:円偏光ジェネレータ
4:回転する1/2波長板
6:円形コンバータ
8:円偏光アナライザ
10:回転する1/4波長板
12:偏光変調器
14:集束レンズ
16:サンプル
22:直線偏光アナライザ
24:液晶リターダ

Claims (6)

  1. 直線ローテータであって、これが回転するときに偏光の平面の配向軸が回転されるようにする直線ローテータと、
    円偏光を左右の円偏光間で相互変換する円形コンバータであって、光線路に交互に挿入したり取り出したりすることのできる円形コンバータと、
    光ビームからの信号を時間平均形態で分析する時間平均化信号測定電子回路と、
    を結合して備えた光学的時間平均化オフセット打消し装置。
  2. 円偏光を、回転する直線偏光に変換すると共に、直線偏光を交互に左右の円偏光に変換する円形ローテータを更に備えた請求項1に記載の光学的時間平均化オフセット打消し装置。
  3. 上記直線ローテータは、回転する1/2波長板である請求項1に記載の装置。
  4. 上記円形コンバータは、1組の共通に回転する1/4波長板であって、先ず、それらプレートの高速軸が整列され、次いで、1つのプレートの高速軸が、第2プレートの低速軸に整列される請求項1に記載の装置。
  5. 光学機器の機器オフセットを排除する方法であって、複数の直線ローテータ及び複数の円形コンバータを通過した光の時間平均化測定を行う段階を含む方法。
  6. 上記光は、複数の円形コンバータを通過している請求項6に記載の方法。
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