JP2004534041A - カルボン酸トリアルキルシリル単量体の製造法、得られるトリアルキルシリル化されたカルボキシレート単量体、およびその汚れ止め被膜における使用。 - Google Patents

カルボン酸トリアルキルシリル単量体の製造法、得られるトリアルキルシリル化されたカルボキシレート単量体、およびその汚れ止め被膜における使用。 Download PDF

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Abstract

【化1】
Figure 2004534041

本発明は一般式(I)のカルボン酸トリアルキルシリル単量体の製造法において、式(IV)の硫酸ヘキサアルキルジシリルを式(III)の不飽和カルボキシル化合物と反応させる方法、および得られた化合物に関する。さらに本発明は式(II)のヘキサアルキルジシロキサンを発煙硫酸で処理することによる式(IV)の硫酸ヘキサアルキルジシリルの製造法、および得られた化合物に関する。さらに本発明は加水分解可能な重合体の製造における該化合物(I)の使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明はカルボン酸トリアルキルシリル単量体の新規な化学的製造法に関する。また本発明は該単量体の製造法に適した硫酸ヘキサアルキルジシリルの製造法に関する。さらに本発明は該得られたカルボン酸トリアルキルシリル単量体に関し、また他の態様において本発明は例えば最近の汚れ止め被膜に対する接合剤のような加水分解可能な重合体の合成に対するその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
汚れ止めペイントは、種々の海洋性生物、例えば貝類、海藻、および水性バクテリアによる水面下の構造物(例えば船底、ドック、漁網およびブイ)の汚れを防止および遅延させるために使用される。これらの海洋性生物が船底のような水中の構造物に付着して増殖すると、船全体の表面の粗さが増加し、船の速度の低下または燃料の消費の増加を誘起する可能性がある。さらに、また船底からこのような水性生物を除去するには非常に多くの労力と長い作業期間が必要である。これに加えて、これらの生物が鋼製の構造物のような水面下の構造物に付着し増殖して腐蝕防止性の被膜フィルムを破壊すると、水面下の構造物の強度または機能が低下し、それによって水面下の構造物の寿命を著しく減少させる可能性がある。
【0003】
従って優れた汚れ止め特性をもった汚れ止めペイントで水面下の構造物を被覆する。最近の汚れ止めペイントは種々の加水分解可能な基、さらに特定的に言えば有機シリル基を含む重合体を使用している。これらの汚れ止めペイントの中には例えば特許文献1および特許文献2に提案されている加水分解可能な自己研磨性のタイプの汚れ止めペイントがあり、このペイントは側鎖にトリ有機シリル基を有するメタクリル酸エステル重合体または同様な重合体を使用している。汚れ止め組成物の中に有機シリルアクリレート重合体を使用することに関連した特許および特許出願の他の例には、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15および特許文献16があり、これらの特許および特許出願は引用により本明細書に包含される。
【0004】
上記の汚れ止めペイントに使用される幾つかの重合体はシリル化されたカルボキシレート単量体をベースにしている。
【0005】
該シリル化されたカルボキシレート単量体を合成するための通常の方法としては幾つかの方法が知られている。
【0006】
特許文献17には、メタクリレート官能基を含む有機珪素化合物を得るための方法が記載されている。この方法はメタクリル酸を環式構造を有する第3級アミン化合物の存在下においてハロゲノアルキルシラン(例えば塩化トリアルキルシリル)と反応させる方法である。この方法は、塩化シリルが市場で入手が困難であり且つその貯蔵性が低い等のような欠点をもっている。さらに、この反応では副成物としてハロゲン化水素またはハロゲンの塩が生じ、これらは製造装置の腐蝕を誘発する。
【0007】
メタクリル酸とヘキサメチルジシラザンからメタクリル酸トリメチルシリルを合成する方法は非特許文献1の脚注9に記載されている。特許文献18のChemical Abstracts誌における抄録には、カルボン酸とヘキサ有機ジシロキサンから硫酸または燐酸を存在させてカルボン酸トリメチルシリル、カルボン酸トリエチルシリルおよびカルボン酸フェニルジメチルシリルを合成する方法が記載されている。
【0008】
特許文献19には銅触媒の存在下における不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸と水素化トリアルキルシリル化合物との反応が記載されている。この方法の欠点の一つは、炭素−炭素二重結合の上での生成したHの副反応のために、不飽和カルボン酸が水素化される危険があることである。
【特許文献1】
WO 8402915。
【特許文献2】
JP 63215780。
【特許文献3】
EP 131626。
【特許文献4】
US 4593055。
【特許文献5】
US 4594365。
【特許文献6】
JP 63118381。
【特許文献7】
EP 0775733。
【特許文献8】
WO 9638508。
【特許文献9】
JP 11116257。
【特許文献10】
EP 802243。
【特許文献11】
EP 0714957。
【特許文献12】
JP 07018216。
【特許文献13】
JP 01132668。
【特許文献14】
JP 05077712。
【特許文献15】
JP 01146969。
【特許文献16】
US 4957989。
【特許文献17】
JP 5306290。
【特許文献18】
JP−A−57040493。
【特許文献19】
JP 10195084。
【非特許文献1】
S.Murata and R.Noyori,Tetrahedron Letters,vol22,no.22,p.2107(1981)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、廉価で入手が容易な原料から高収率でトリアルキルシリル化されたカルボキシレート化合物を容易に製造できる新規方法を提供することである。本発明の第2の目的は上記の欠点に対して改善を行ない得る新規方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、一層適切な反応を用いこのようなカルボン酸トリアルキルシリル化合物を合成するための、より直接的な方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は容易に回収を行ない得る方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は直截的な精製法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、不飽和の、従って重合させ得るシリルエステルを室温において一つまたはそれ以上の段階で合成するのに適用し得る方法を提供することである。本発明のさらに他の方法は単量体の合成の際に禁止剤を使用する必要がない方法を提供することである。本発明のさらに他の目的はそれ以上の精製段階を避ける方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は一般式(I)
【0015】
【化1】
Figure 2004534041
【0016】
但し式中R、R、Rはそれぞれ独立にアルキルまたはアリール基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素、アルキル、−CORまたは−COORを表し、ここでRはアルキル基を表す、
のカルボン酸トリアルキルシリル単量体の新規製造方法において、該方法は式(IV)
【0017】
【化2】
Figure 2004534041
【0018】
のヘキサアルキルジシリルサルフェートを式(III)
【0019】
【化3】
Figure 2004534041
【0020】
但し式中Mは金属陽イオンであり、R、R、R、R、Rはそれぞれ上記意味を有する、
の不飽和カルボキシル化合物と反応させることを特徴とする方法に関する。
【0021】
本発明はさらに式(II)
【0022】
【化4】
Figure 2004534041
【0023】
のヘキサアルキルジシロキサンを発煙硫酸で処理することにより式(IV)
【0024】
【化5】
Figure 2004534041
【0025】
の硫酸ヘキサアルキルジシリルを製造する方法に関する。但し上記式においてR、R、Rはそれぞれ独立にアルキルまたはアリール基を表す。
【0026】
好適な具体化例においては上記後者の工程を最初の工程よりも先に行なうことができる。
【0027】
好適な具体化例においては、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜12、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、もっと好ましくは4の飽和または不飽和で、直鎖の、分岐した或いは環式のアルキル基を表す。
【0028】
Mは好ましくはLi、Na、K、Ba++、Ca++、さらに好ましくはNaおよびKを含む群から選ばれる。
【0029】
さらに適切にはR、R、Rはそれぞれ独立にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、フェニルまたは置換フェニルを含む群から選ばれる。もっと好適な具体化例においてはR、R、Rはブチルまたはイソプロピルである。
【0030】
他の具体化例においては、一般式(I)のカルボン酸トリアルキルシリルおよび一般式(III)の不飽和カルボキシル化合物はシス(マレイン酸型)またはトランス(フマル酸型)の立体配置をとることができる。
【0031】
さらに好適な具体化例においては、本発明方法で得られるカルボン酸トリアルキルシリルは好ましくはメタクリル酸トリアルキルシリルである。
【0032】
下記に本発明をさらに詳細に開示する。4個の実施例、および20%発煙硫酸の重量に対する収率を示すグラフである図1によって本発明を限定しない方法で本発明が詳細に説明されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の詳細な説明
本発明は上記式(I)によって表されるカルボン酸トリアルキルシリルを合成するための新規方法に関する。
【0034】
二段階反応を用いて本発明を説明するが、上記説明から、本発明はまた別々の各段階にも関することは明らかであろう。
【0035】
一般に本発明方法は二つの段階を含んで成っている。これらの段階は一つの容器内での反応または別々の反応器の反応として行なうことができる。
【0036】
次に本発明の好適具体化例を詳細に説明する。
【0037】
第1段階においては、上記式(II)によって表されるヘキサアルキルジシロキサンを発煙硫酸で処理する。発煙硫酸は硫酸中に三酸化硫黄を含む溶液である。好適具体化例においては遊離の三酸化硫黄を10〜70重量%含む溶液、最も好適な具体化例においては約20%の遊離SOを含む発煙硫酸HSOを使用する。この反応の終りにおいて上部層および底部層の二つの層を得ることができる。例えばデカンテーションによって分離した後、上部層は反応中に生成した硫酸ヘキサアルキルジシリルを与える。例えば相分離が不十分な場合の代替法では、硫酸アンモニウムのような乾燥剤で処理することができよう。
【0038】
また硫酸ヘキサアルキルジシリルはM.Weidenbruch等(J.Organometallic Chemistry,141(1977)p.9〜21)の文献記載のようにトリアルキルシランとSOとの反応から得ることもできる。
【0039】
第2段階においては、段階1で得られた硫酸ヘキサアルキルジシリルを上記式(III)によって表される不飽和カルボキシル化合物と反応させる。この反応は、硫酸ヘキサアルキルジシリル各1モルを少なくとも2モルの不飽和カルボキシル化合物で処理するように設定することが好ましい。
【0040】
本発明方法に使用できる不飽和カルボキシル化合物の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸の誘導体、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、アミルマレイン酸、n−ブチルマレイン酸、メチルフマル酸、アミルフマル酸、n−ブチルフマル酸が含まれる。さらに好適な具体化例においては該不飽和カルボキシル化合物はメタクリル化合物である。
【0041】
該不飽和カルボキシル化合物は好ましくは金属塩の中から選ばれる。さらに好適な具体化例においては該化合物のナトリウム塩又はカリウム塩が使用される。反応終了時において反応混合物を随時有機溶媒で処理し、生じた沈澱を濾別する。次いで有機溶媒は減圧下で容易に蒸発され、最後に減圧蒸溜により不飽和のカルボン酸トリアルキルシリルを分離する。
【0042】
他の具体化例においては、該方法の二つの段階は不活性雰囲気下において、さらに好ましくは窒素不活性雰囲気下において行なわれる。
【0043】
段階2においてメタクリル酸を使用して本発明方法により製造されるカルボン酸トリアルキルシリル単量体の例には、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸トリ−n−プロピルシリル、メタクリル酸トリイソプロピルシリル、メタクリル酸トリ−n−ブチルシリル、メタクリル酸トリイソブチルシリル、メタクリル酸トリ−s−ブチルシリル、メタクリル酸トリ−n−アミルシリル、メタクリル酸トリ−n−ヘキシルシリル、メタクリル酸トリ−n−オクチルシリル、メタクリル酸トリ−n−ドデシルシリル、メタクリル酸トリフェニルシリル、メタクリル酸トリ−p−メチルフェニルシリル、メタクリル酸トリベンジルシリル、およびメタクリル酸トリ−t−ブチルシリルが含まれる。
【0044】
他の例にはメタクリル酸エチルジメチルシリル、メタクリル酸n−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸ジイソプロピル−n−ブチルシリル、メタクリル酸n−オクチルジ−n−ブチルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルステアリルシリル、メタクリル酸ジシクロヘキシルフェニルシリル、メタクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、メタクリル酸フェニルジメチルシリルおよびメタクリル酸ラウリルジフェニルシリルが含まれる。
【0045】
一般式(I)においてRが上記式(II)のエステルであるカルボン酸トリアルキルシリル単量体の例には、マレイン酸(トリイソプロピルシリル)メチル、マレイン酸(トリイソプロピルシリル)アミル、マレイン酸(トリ−n−ブチルシリル)n−ブチル、マレイン酸(t−ブチルジフェニルシリル)メチル、マレイン酸(t−ブチルジフェニルシリル)n−ブチル、フマル酸(トリイソプロピルシリル)メチル、フマル酸(トリイソプロピルシリル)アミル、フマル酸(トリ−n−ブチルシリル)n−ブチル、フマル酸(t−ブチルジフェニルシリル)メチル、およびフマル酸(t−ブチルジフェニルシリル)n−ブチルが含まれる。
【0046】
酸を触媒にしたシリル化によりカルボン酸のシリルエステルを製造する現存の方法では、生成物の方へ平衡を移動させるためには水を連続的に除去することが必要である。さらに嵩高いシリル基はこのような条件では反応することができない(実施例1および2参照)。これは恐らく立体的な歪みが大きくそれが或る種の不飽和カルボン酸誘導体の反応性が低いことに関連しているためであろう。
【0047】
本発明方法においては、段階1において発煙硫酸を使用する。この特別な特徴は水を連続的に除去するためのシステムを設定する必要がないという利点を与える。収率が増加し、生成物の精製は簡単になる。さらに室温において反応を行ない得るという他の利点が得られる。これらの温和な条件により重合禁止剤を使用する必要がなく、材料の分解は起こらない。
【0048】
本発明方法は短時間で行なわれ、回収方法が容易であり、収率が高いために、上記の現存の方法に比べて実質的に改善されていると考えることができる。
【0049】
本発明方法の実現可能性は、二つの反応段階でメタクリル酸トリブチルシリル(5)(下記反応図式)を73.3%という非常に良好な収率で合成できることにより実証された。
【0050】
一般的な反応図式:
【0051】
【化6】
Figure 2004534041
【0052】
第1の段階においては、窒素雰囲気下においてヘキサブチルジシロキサン(1)を発煙硫酸(2)で処理し、硫酸ヘキサブチルジシリル(3)を得る。第2段階では(3)を少なくとも2当量のメタクリル酸ナトリウム(4)と反応させ、メタクリル酸トリブチルシリル(5)を得る。
【0053】
図1は化合物(1)から化合物(3)への段階1を参照している。4個の実験を行なったが、この間発煙硫酸の量を増加させた(ヘキサブチルジシロキサン50g当たり5.37gから21.5gまで)。13Cおよび29Si FT NMRにより生成物の定量分析を行なった。またFT IRにより下記の分析データを得た。
【0054】
図1は(1)の減少、および(3)(=P1)並びに少量の第2の生成物(=P2)の生成を示している。この後者の生成物はピロ硫酸エステル(BuSi−O−SO−O−SO−O−SiBu)であろうと考えられる。
【0055】
本発明方法で得られたカルボン酸トリアルキルシリルは被覆用または塗装用組成物に有用である。さらに好ましくは汚れ止め被膜またはペイント組成物に使用される。
【0056】
これらは種々の他の単量体、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル)、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロトン酸エステルおよびイタコン酸エステルを含むビニル単量体と重合させることができる。
【0057】
該単量体の重合体および共重合体は、汚れ止め被覆組成物に使用された場合、亀裂または剥離を起こさず、適切な速度で連続的に海水の中に溶解する中程度の加水分解性を示し、従って長期間に亙り優れた汚れ止め特性を示すフィルムを与える。
【0058】
本発明方法で得られる単量体を使用して製造された汚れ止め被覆組成物は錫を含まない被覆であり、加水分解可能なトリブチル錫重合体をベースとした現在の自己研磨性被膜(spc)技術の代替物を与える(その使用は汚れ止め用ペイントに関して2003年までに禁止される)。本発明方法により提供されるカルボン酸トリアルキルシリル単量体は、有機錫化合物に比べて毒性が少なく、極性が小さく、疎水性が大きく、安定性が大きい。
【実施例】
【0059】
次に四つの実施例を示すが、その最初の二つは対照例であり、他は本発明による実施例である。しかし本発明はこれらの実施例に決して限定されるものではない。
実施例1
第1の対照例
本発明に対する対照例は、Chem,Lett.,1980,p.1475−1478記載の方法である。メタクリル酸、ヘキサブチルジシロキサンおよび触媒としての濃硫酸を使用して該参照文献と同じ方法を適用した。Dean−Stark抽出器を備えたフラスコの中に4.47gのメタクリル酸、50gのヘキサブチルジシロキサン、0.5gの触媒としての濃硫酸、およびトルエンを加えた。しかしDean−Stark抽出器を用いてトルエン中で7時間還流させた後、メタクリル酸トリブチルシリルの痕跡も検出できなかった。
実施例2
第2の対照例
触媒として発煙硫酸を用い実施例1に記載したのと同じ方法を使用した。Dean−Stark抽出器を備えたフラスコの中に4.47gのメタクリル酸、50gのヘキサブチルジシロキサン、0.9gの触媒としての発煙硫酸、およびトルエンを加えた。フラスコを加熱還流させた。しかしトルエン中で7時間還流させた後、メタクリル酸トリブチルシリルの痕跡も検出できなかった。
実施例3
本発明の実施例
窒素雰囲気下において0℃で21.5gの発煙硫酸(2)を撹拌しながらこれに50gのヘキサブチルジシロキサン(1)を滴下して加えた。添加終了後まで該温度に反応混合物を保った。この時点において該混合物を室温にし、さらに18時間撹拌した。デカンテーションを行なった後上部層を分離して硫酸ヘキサブチルジシリル(3)を得た。
【0060】
室温のメタクリル酸ナトリウム(4)1.9g(2.1当量)を0℃において4gの撹拌した硫酸ヘキサブチルジシリル(3)に窒素雰囲気下において加える。室温において18時間後において、ジクロロメタンを加え、沈澱した硫酸ナトリウム(6)を溶液から濾別し、次いで溶媒を蒸発させて収率73.3%でメタクリル酸トリブチルシリル(5)を得た。原料はヘキサブチルジシロキサン3.2%、硫酸ヘキサブチルジシリル4.9%、およびメタクリル酸18.6%の量であることが見出だされた。
実施例4
本発明の実施例
窒素雰囲気下において0℃で10.8gの撹拌している発煙硫酸(2)に10gのヘキサメチルジシロキサンを滴下して加え、この反応混合物を添加が終るまで該温度に保つ。この時点においてこの混合物を室温にし、さらに4時間撹拌する。この時間後、トルエンを加えて水を除去し、真空下において蒸発させて硫酸ヘキサメチルジシリルを得た。
【0061】
1.9g(2.2当量)のメタクリル酸ナトリウム(4)を室温で2gの撹拌している硫酸ヘキサメチルジシリルに窒素雰囲気下において加える。この温度で18時間後ジクロロメタンを加え、硫酸ナトリウムの沈澱(6)を溶液から濾別し、次いで溶媒を蒸発させてメタクリル酸トリメチルシリルを得た。
【0062】
以上本発明をその特定の具体化例を参照して詳細に説明したが、当業界の専門家には本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変形および変更を行ない得ることは明らかであろう。

Claims (20)

  1. 一般式(I)、
    Figure 2004534041
    但し式中R、R、Rはそれぞれ独立にアルキルまたはアリール基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素、アルキル、−CORまたは−COORを表し、ここでRはアルキル基を表す、
    のカルボン酸トリアルキルシリル単量体の製造方法において、該方法は式(IV)
    Figure 2004534041
    の硫酸ヘキサアルキルジシリルを式(III)、
    Figure 2004534041
    但し式中Mは金属陽イオンであり、R、R、R、R、Rはそれぞれ上記意味を有する、
    の不飽和カルボキシル化合物と反応させることを特徴とする方法。
  2. 式(II)
    Figure 2004534041
    のヘキサアルキルジシロキサンを発煙硫酸で処理することをことを特徴とする式(IV)、
    Figure 2004534041
    但し上記式においてR、R、Rはそれぞれ独立にアルキルまたはアリール基を表す、
    の硫酸ヘキサアルキルジシリルの製造法。
  3. 式(II)
    Figure 2004534041
    のヘキサアルキルジシロキサンを請求項2に従って発煙硫酸で処理する第1段階、および式(IV)
    Figure 2004534041
    の硫酸ヘキサアルキルジシリルを請求項1記載の式(III)
    Figure 2004534041
    の不飽和カルボキシル化合物と反応させる段階2を含んで成ることを特徴とする一般式(I)、
    Figure 2004534041
    但し式中M、R、R、R、R、RおよびRは上記請求項記載の意味を有する、
    のカルボン酸トリアルキルシリル単量体の製造法。
  4. 、R、R、およびRはそれぞれ独立に炭素数1〜12、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の飽和または不飽和の直鎖の、分岐した、または環式のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 、R、Rはそれぞれ独立にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、およびフェニルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 、R、Rはブチルまたはイソプロピルであることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 式(III)の不飽和カルボキシル化合物は金属塩を含む群から選ばれ、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩であることを特徴とする請求項1または3〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 式(III)の不飽和カルボキシル化合物はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびフマル酸の塩を含む群から選ばれることを特徴とする請求項1または3〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 式(III)の不飽和カルボキシル化合物は好ましくはメタクリル化合物、さらに好ましくはメタクリル酸ナトリウムであることを特徴とする請求項7および8記載の方法。
  10. 反応段階は不活性雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行なわれることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  11. 一般式(I)のカルボン酸トリアルキルシリル単量体を含んで成る反応生成物をさらに有機溶媒で処理し、次いで濾過することを特徴とする請求項1または3〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 有機溶媒はハロゲン化された溶媒、さらに好ましくは塩素化された溶媒、さらにもっと好ましくはジクロロメタンであることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 生成した一般式(I)のカルボン酸トリアルキルシリル単量体は有機溶媒を蒸発させた後に得られることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  14. 発煙硫酸の相対的な量は0.5当量より多く、好ましくは約1当量であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  15. 請求項2記載の方法で得られた硫酸ヘキサアルキルジシリル。
  16. 請求項1または3〜13のいずれか1項記載の方法で得られたカルボン酸トリアルキルシリル単量体。
  17. 請求項1または3〜13のいずれか1項記載の方法で得られたメタクリル酸トリイソプロピルシリル。
  18. 請求項1または3〜13のいずれか1項記載の方法で得られたメタクリル酸トリブチルシリル。
  19. 加水分解可能な重合体の製造における請求項1〜13のいずれか1項記載の方法で得られた化合物の使用。
  20. 汚れ止め被覆組成物における請求項19記載の使用。
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