JP2004533877A - 処理方法 - Google Patents
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Abstract
(a)化学的毒性物質、典型的には毒性金属を含有する化学的毒性物質および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性の物質を含有する組成物を処理する方法であって、
(i)前記組成物の水性分散液を形成し、
(ii)粘土などの不活性吸収物質を前記分散液に加え、
(iii)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱することを含む方法。本製品は、危険物質(a)および/または(b)が分散している不活性マトリックスであって、理想的には、その後の長期貯蔵における浸出を防ぐために十分によく結合した形態にある。
(i)前記組成物の水性分散液を形成し、
(ii)粘土などの不活性吸収物質を前記分散液に加え、
(iii)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱することを含む方法。本製品は、危険物質(a)および/または(b)が分散している不活性マトリックスであって、理想的には、その後の長期貯蔵における浸出を防ぐために十分によく結合した形態にある。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は危険物質、詳細には(爆発物のような)エネルギー物質および/または毒性物質を含む組成物の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
危険物質を、その後の貯蔵または廃棄処分のために「安全」にするための処理は工業ならびに防衛において、ずっと以前から問題を生じていた。特に問題なのは、ヒ素、カドニウム、クロム、水銀、スズ、鉛、セレンまたはテルルなどの毒性元素を含有する組成物である。このような組成物は、工業過程、たとえば鉱業の副産物のこともあり、また、未使用、または使用済みの弾薬、特に化学戦争(CW)の弾薬に存在することもある。
【0003】
他に、毒性化学物質を安全にするために使用できる方法、たとえば酸化剤または加水分解剤(たとえば、CW剤の処理には塩基の加水分解が知られている)などの試剤を伴う方法は、毒性元素が存在する場合、不適当であることが多い。毒性元素は処理後にも、何らかの形で常に残留するからである。したがって、このような組成物を、通常何らかの形の化学的処理後に好適な不活性マトリックス内にカプセル化して、それらの安全な取扱いと貯蔵を可能にすることが一般的となっている。カプセル剤としては、ガラス(「ガラス化」)および有効性は落ちるが、コンクリートまたはビチューメンが挙げられる。
【0004】
他の問題物質もまた、典型的には不使用弾薬に存在するが、爆薬などのエネルギー物質である。このような物質を安全にすることは極めて困難であると思われる。知られている処理技術は危険、特に、大規模においては危険であり、たとえば、制御焼却用に、高度の爆発能力を有する装甲焼却炉などの特別な設備が必要である。ガラス化などのカプセル化技術は、それらに伴う固体操作量のため、また、溶融ステップ時における爆発の危険性が高いことから不適切である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すべての中で最も問題があるのは、エネルギー物質と毒性化学物質との混合物である。不使用のCW弾薬は、典型的にこのような混合物を含有している。この場合、実際、許容できる処理法は存在しない;焼却炉でエネルギー物質を扱うのは極めて危険であると考えられる、また、環境に放出する前に化学的に「浄化」することが必要となる毒ガスを生じる恐れがある。一方、エネルギー物質は不安定であるため取扱いは困難で、塩基性加水分解やガラス化などの従来の化学的処理法が不適切となる−たとえば、塩基性加水分解により、爆発性TNTは分解されるが、その工程で他の爆発性化合物が形成されることになる。
【0006】
上記の種類の組成物、詳細にはエネルギー性、および化学的に毒性のある物質を含有する組成物のその後の取扱い、貯蔵および/または廃棄処分に関し、代替処理法を提供することが望ましいと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の態様に従って、(a)化学的毒性物質および/または(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理方法であって、
(i)前記組成物の水性分散液を形成し、
(ii)不活性吸収物質を前記分散液に加え、
(iii)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱するステップを含む方法を提供する。
【0008】
組成物の「処理」とは、組成物をより危険性の少ない、たとえば、より安定に、またはより毒性を低めるようにする過程を意味する。この処理は組成物を危険性のないものにし、好ましくは、特別の注意なしでその後の取扱いができるように十分に安全なものにすることが理想的である。この処理は組成物を、環境たとえばごみ処理用地における長期貯蔵に好適なように、十分安全で安定にすることがより好ましい。
【0009】
本発明の方法は、危険な組成物廃棄処分用の方法の一部を利便性よく形成する。この組成物は、たとえば工業的過程の副産物、弾薬品または花火製品またはその部分、あるいは燃料または推進物質であり得る。
【0010】
この方法は、1種または複数のタイプ(a)物質、または1種または複数のタイプ(b)物質のいずれかを含有する組成物の処理に使用できるが、特に、タイプ(a)とタイプ(b)の双方を含有し、したがって、従来法を用いる処理が困難である組成物の処理に適している。処理ステップ(i)および(ii)により、双方のタイプの危険物質は不活性マトリックス全体に分散することができ、その後安全に取り扱うことができる。
【0011】
したがって、本発明の方法の利点は、ある範囲の種々の危険物質、またはその混合物の処理に使用できることである。より重要なことは、ある場合は、構成要素の正確な性質が未知である組成物の処理にその方法を使用できることである。その内容物を分離することが困難であり得るCW弾薬品の取扱いにおいて、このことは恐らく、特に価値あることであると思われる。
【0012】
本発明の方法は、言及したタイプの組成物の比較的簡便、迅速、安全および効率的な処理法を提供することができる。この方法は、簡便な実験技術および容易に入手できる装置と反応物を利用するため、スケールアップに適している。このことは、工業における使用にとって重要であるが、今日、世界中で大量に存在しているCW弾薬品の廃棄処分にとって特に重要である。
【0013】
本法は、塩基性加水分解などの他の処理工程からの流出廃液に直接実施できる。この方法で、流出廃液が毒性元素を含有している場合は、それを安全にすることができる。したがって、本発明の方法は、ステップ(i)の前に物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に処理できる1種または複数の反応物による化学的処理に前記組成物を供する、特に前記組成物を好適に塩基存在下、加水分解に供する追加のステップを含むことができる。
【0014】
本発明の第2の態様により、(a)化学的毒性物質、典型的には毒性金属を含有する物質および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質を含有する未使用または使用済みCW用弾薬品の処理方法であって:
(1)弾薬品を開け、
(2)物質(a)および/または(b)の危険性をより少なくできる1種または複数の反応物で、弾薬品の内容物を化学的処理(塩基性加水分解など)に供し、
(3)このような処理内容物の水性分散液を形成し、
(4)前記分散液に不活性吸収物質を加え、および
(5)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱するステップを含む方法を提供する。
【0015】
弾薬品を開けるステップ(1)は、機械的または水噴射切断または凍結破砕など、いずれかの知られた手段で実施できる。
【0016】
本発明の方法は、ステップ(iii)/(5)の後に、水性分散液と吸収物質の混合物を乾燥して、たとえば、濃厚スラリーまたは、より好ましくは固体を形成するさらなるステップを含むことができる。次にこれを、たとえば、適切な寸法のレンガまたはブロックの形態で処分(たとえば、ごみ処理地に)できる。したがって、乾燥および/または冷却は、適切な形の鋳型の中で便利に実施され、また、生成物を所望の形態へ圧縮、成形、あるいは形削りすることを伴うこともできる。ある場合には、使用される吸収物質の性質により、生成物は剛性固体とは対照的に可鍛性であり得る。
【0017】
本発明の方法は、単一の手で扱える製品が生み出される。これは、元の組成物由来のタイプ(a)および/または(b)の危険物質、または少なくともそれら物質の危険成分を分散させ、中に封じ込めて含有している不活性マトリックス(好ましくは、マトリックス全体に均一に分散している)である。前記マトリックスは一般的に環境に安定している、すなわち環境における長期貯蔵で封じ込め物質が有意に浸出するという面倒な問題がない。
【0018】
本発明を用いて処理される組成物において、代表的毒性物質(a)は、典型的に毒性化学元素、より典型的には重金属などの金属を含有する。例としては、ヒ素、カドミウム、クロム、水銀、スズ、鉛、セレンおよびテルル、特に多くのCW剤に見出され、また、すべての生物にとって、あらゆる形態において毒性であるヒ素が挙げられる。物質(a)は毒性金属が有機部分と錯体を作っている有機金属物質であり得る。(a)の典型的な例としては、鉱業(たとえば、金、スズまたは鉛鉱業)過程の副産物およびCW剤が挙げられる。このようなCW剤としては、CG(ホスゲン)、H(サルファーマスタード)、黄リン、ルイサイト(ジクロロ(2−クロロビニル)アルシン)、DM/アダムサイト(ジフェニルアミンクロロアルシン)、DA(ジフェニルクロロアルシン)およびDC(ジフェニルシアノアルシン)が挙げられる。
【0019】
他の物質(a)としては、毒性金属を含有する酸化物、酸および塩などの無機化合物が挙げられ、例としては三酸化ヒ素または五酸化ヒ素、ヒ素酸およびその塩である。物質(a)としては、さらに、または代わりに、遊離、原子形態での毒性金属が挙げられる。これは、前述の毒性物質化学的処理の生成物であり得、たとえば、サルファーマスタードの加水分解から得られるチオジグリコール(TDG)である。
【0020】
エネルギー物質(b)は、TNT(2,4,6−トリニトロトルエン)、RDX(1,3,5−トリニトロトリアジン)、ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール)またはピクリン酸の劣化で形成し得る不安定なピクリン酸塩のようなピクリン酸誘導体などの典型的に爆発性または同様に不安定物質である。このような物質は、衝撃および/または移動に極めて鋭敏であることが多く、時には粒子サイズにも鋭敏であり(「グリット鋭敏化」)、それらの取扱いを大変困難にしている。ピクリン酸は乾燥している場合、特に危険である。したがって、本発明による水性分散液への組込みは安全処理を大きく促進する。
【0021】
ステップ(ii)/(4)で加えた吸収物質は、ステップ(i)/(3)で形成された水性分散液の成分を吸収するための高度に利用できる表面積を有するのが理想的である。したがって、それは、好ましくは顆粒、またはより好ましくは粉末のような微細に分割された形態にある。好適な粒径は、1μmから20μmの範囲であり得、好ましくは2μmと15μmとの間、より好ましくは2μmと10μmとの間、または8μmと15μmとの間、たとえば、約10μmであり得る。しかし、処理される組成物が、グリット鋭敏化を受け易いエネルギー物質を含有する場合、粘土中において吸収物質の粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下に制限することが適切である。
【0022】
水性分散液に加えられた吸収物質の量は、最終生成物に要する危険物質(a)および/または(b)の荷重、吸収物質自体の性質、また(しばしばより重要になるが)その後の加工、たとえば加熱ステップ(iii)/(5)では混合物に必要な軟度に依存する。好適には、20%w/vと90%w/vとの間の吸収物質が、ステップ(i)/(3)の水性分散液に加えることができる。生じた混合物が加熱ステップ(iii)/(5)用のるつぼに直接移される場合は、好適には、40%w/vと90%w/vとの間、より好ましくは55%w/vと85%w/vとの間の吸収物質を分散液に加えることができる。前記を条件として一般に、最終生成物の容量を減じるために添加吸収物質の量を最少にし、同時に、それが吸収する危険物質の量を最大に(許容できる安全限界内で)することも求められるであろう。
【0023】
好適な吸収物質の例としては、全種類の粘土、コンクリート、セメント、およびそれらの混合物が挙げられる。これらの物質は多孔性である。これらの多くは、幅広く利用でき、比較的安価である。特に粘土が好ましく、好ましくはモンモリロナイトで、その容易に入手できる例としては「フラー土」がある。コンクリートはグリット鋭敏化の危険性がある場合、エネルギー物質の処理にはあまり好ましくないと考えられる。
【0024】
吸収物質は、処理される組成物の固体希釈剤として、また、その中に存在するエネルギー物質の減速材としても働き、たとえば、その後の加熱処理による安全な加工を可能にする。したがって、ステップ(iii)/(5)時に、いずれのエネルギー物質(b)も、破裂、爆発、爆燃ではなく、加熱時に分解するように吸収物質全体に十分よく分散させる必要がある。
【0025】
本発明の方法におけるステップ(i)/(3)の目的は、水中で組成物をできるだけ均一な分散を生じさせることである。分散液は、固体懸濁液またはスラリー、またはより好ましくは危険物質(a)および/または(b)の少なくとも1種が液体形態にある乳濁液の形態であり得る。理想的には、組成物のいずれの水溶性構成要素も、それらの分散をここでもまた最大にするために、ステップ(i)/(3)時に完全に溶解すべきである。
【0026】
分散を高めるために、水と処理される組成物の混合物は、好ましくは攪拌し、より好ましくは迅速攪拌し、また(a)および/または(b)の溶解性を増大させるために、および/または少なくともそれらのある部分、好適には全部を液化させるために加熱することが好ましい。好適には、分散液を、タイプ(a)の有機金属物質の多くが溶融し始める少なくとも40℃、好ましくは50℃、より好ましくは80℃に加熱する。前記分散液は、その沸点(すなわち、大気圧で95℃、98℃、99℃、さらに100℃まで)の高さまで加熱でき、これらの高温で、TNTなどの爆発性物質(融点80℃)も溶融し始める。加熱および/または攪拌は、存在する成分と溶解された溶解性成分および完全に分散された不溶性物質との均一な、理想的には澄明な混合物を形成するために十分な時間実施するのが好ましい。
【0027】
物質(a)および/または(b)、特に(a)の溶解性をさらに高めるために、pH調整剤を分散液に加えることができる。毒性金属含有CW剤の多くは、たとえば、高pHによって溶解できるので、水溶性塩基を分散液に加えてもよい。好適なこのような塩基は、無機塩基、特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属である。
【0028】
物質(a)および/または(b)の水溶性を高めるために役立つ錯化剤などの他の物質もまた、ステップ(i)/(3)に含むことができる。乳化剤、界面活性剤などを、均一分散液の形成をさらに補助するために加えることができ、好適には、このような物質は、
0.2%w/vと5%w/vとの間、好ましくは0.5%w/vと4%w/vとの間、より好ましくは1%w/vと3%w/vとの間の量で加えることができる。
【0029】
処理される組成物の水性分散液内での濃度は、より効率的な加工が可能になるようにできるだけ高いことが必要であるが、同時に成分の適切な分散およびエネルギー物質(b)の安全な取扱いが可能になるように十分に低いことも必要である。好適には、分散液は、0.5%w/vと30%w/vの間、好ましくは1%w/vと25%w/vの間、より好ましくは5%w/vと20%w/vの間、または5%w/vと15%w/vの間、または5%w/vと10%w/vの間の化学的毒性物質(a)、および/または0.5%w/vと20%w/vの間、好ましくは1%w/vと15%w/vの間、より好ましくは5%w/vと15%w/vの間のエネルギー物質(b)を含有すると思われるが、これは当然、存在する危険物質の性質に依存すると思われる。
【0030】
必ずしも必要ではないが、吸収物質を、ステップ(i)/(3)の水性分散液がまだ熱い間、たとえば40℃または50℃を越える、好ましくは40℃と99℃の間、または約95℃などの50℃と98℃の間で加えることが好ましい。好適な温度は一般に、存在する危険物質のひとつまたは複数(理想的には全部)の融点またはそれ以上であり、たとえば、80℃以上、または85℃以上、または90℃以上である。
【0031】
加熱ステップ(iii)/(5)は、存在する有機物質を熱分解または「石灰化」するという主要目的を有するが、さらに水を追い出し、したがって、最終生成物の体積を減じることに役立ち、また、構造的により堅固な生成物を生産するのに役立つことができる。これは、ステップ(ii)/(4)で形成された混合物に対し、またはその乾燥前または固化前形態に対して直接実施できる。
【0032】
このような熱分解は、一般にタイプ(b)のエネルギー物質を含有する組成物にとっては安全ではないと思われる。本発明の方法のステップ(ii)/(4)におけるような固体マトリックス全体への物質の分散がそれを可能にする。
【0033】
必要な温度は、存在する物質に依存するが、好適には200℃より高く、典型的には、300℃と500℃の間、好ましくは約400℃以上であり得る。ステップ(iii)/(5)時の時間による温度変化もまた、存在する物質に依存し、また加熱される混合物の物理形態に依存し、混合物が固体の場合は、過度な迅速加熱が、その中に発生する蒸気による構造的損傷を引き起こし得ることから、そのサイズおよび表面積が重要となる。温度上昇は、任意の所望のプロフィルに従って、たとえば、連続的または段階的または双方の混合であってもよい。例として約20gまた30gの粘土中のヒ素含有CW剤とTNTを含有する1立方インチのブロックは、室温から400℃まで、30分間を越えて、好ましくは約1時間かけて連続的に加熱して、熱分解を達成できることが見出されている。
【0034】
この加熱ステップ時に、酸素が存在する必要があるが、既に十分な量が吸収マトリックス内に存在していると思われる。SOxやNOxなどのガス状生成物が放出すると思われ、たとえば、苛性スクラバーを用いての洗浄が必要となり、スクラバーブラインは、本発明の方法のステップ(i)/(3)にリサイクルできる。
【0035】
ステップ(iii)/(5)に続いて、組成物をさらにガラス状にするために加熱し、高度に非浸出形態で危険元素を捕捉できる。このステップの好適な温度は、700℃と1000℃との間であり得る。エネルギー成分含有混合物の直接的ガラス状化は、不適当と思われるが、本発明は、このような混合物を処理する際のさらなる安全性レベルとしてガラス状化のその後の使用、特に高毒性化学物質が存在する際の使用を可能にする。
【0036】
本発明による方法における任意の段階において、特にステップ(i)/(3)においてまたはその前またはステップ(ii)/(4)時において、処理される組成物に存在する物質の危険性(たとえば、毒性、反応性または不安定性)の減少を補助する試薬を導入できる。このような試薬は、たとえば、危険物質と化学複合体を形成でき、毒性の少ない酸化状態に変換するか、または物理的に固定化できる。たとえば、組成物がヒ素などのタイプ(a)の物質を含有している場合、アルカリ土類金属含有試薬(たとえば、水酸化カルシウムまたは過酸化カルシウムなどのカルシウム化合物)が、処理工程の少なくとも一部に存在することが理想的である。ヒ素は三価体ではなくわずかに毒性の少ない五価体で存在するヒ素酸カルシウム塩を形成するからである。このタイプの試薬は、ステップ(ii)/(4)において吸収性物質と共に加えることが好適と思われ、この場合、それは、水性分散液からのある一定種の沈殿を促進できる。アルカリおよびアルカリ土類金属は、正しい比率かつ正しい温度および圧条件下で存在する場合、ガラスを形成するために吸収性物質中に導入されたシリカと組み合わせることもできる。
【0037】
本発明の第3の態様は、(a)典型的には毒性金属を含有する化学的毒性物質、および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質を含有する組成物の処理において、第1の態様と連結して記載されたタイプの不活性吸収物質の使用を提供する。好ましくは、このような使用は、吸収性物質を組成物の水性分散液に加えることを含む。より好ましくは、それが、本発明の第1または第2の態様に従った方法の部分を形成している。
【0038】
第4の態様によると、本発明は、不活性吸収物質のマトリックスを含む生成物であって、前記マトリックス中に(a)典型的には毒性金属を含む化学的毒性物質および/またはその熱分解形態、および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質および/またはその熱分解形態が分散している生成物を提供する。吸収性物質、および物質(a)および/または(b)は、本発明の第1の態様と連結して上記のとおりであり得る。第4の態様の生成物は、環境において長期間の貯蔵(望ましくは数十年さらに数百年、好ましくは少なくとも50年または100年または200年の間)に好適であるように、環境的に安定で非危険性であることが好ましい。物質(a)および/または(b)は、たとえば、その後のごみ処理地における地下の長期間貯蔵において、有意な程度の浸出を起こさない十分によく結合された形態でマトリックス内に含有されていることが好ましい。
【0039】
本発明の第4の態様の生成物は、第1から第3のいずれか1つの態様に従った方法を用いて都合よく生産できる。
【0040】
本発明を、以下の非限定的実施例を参照にして、例としてのみ記載する。
【実施例1】
【0041】
爆発性2,4,6−トリニトロトルエン(TNT)の処理
TNTの水性スラリー(約5%w/v)は、脱イオン水(10ml)を予め秤量した薄片TNTのサンプル(0.505g)に加えて調製した。このスラリーを脱イオン水で25mlまで増量し、一定に攪拌しながら温度を85℃(水浴)に上げた。
【0042】
この温度でさらに10分間攪拌後、フラー土を、4回に分けて(2.03g、2.56g、2.47gおよび2.53g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。次いでさらなる量の粘土(10.18g)を加えた。
【0043】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、マッフル炉内に入れた。炉内の温度を400℃まで上げて、この温度を1時間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0044】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン(0.25mg ml−1)中のTNT標品と比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはTNTの存在する証拠は無かった。これは、本発明の方法を用いて爆発物が効率的に処理されたことを示す。
【実施例2】
【0045】
毒性化学戦争(CW)用試剤ジフェニルシアノアルシン(DC)の処理
ジフェニルシアノアルシン(DC)の水性スラリー(約3.6%w/v)は、脱イオン水(15ml)を予め秤量したDCのサンプル(0.54g)に加えて調製した。このスラリーを水浴に移し、一定に攪拌しながら温度を65℃(水浴)に上げた。
【0046】
この温度でさらに10分間攪拌後、フラー土を、3回に分けて(3.07g、3.56gおよび5.31g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。
【0047】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、室温で一晩貯蔵した。次にるつぼをマッフル炉内に入れて400℃まで上げた。この温度を1時間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0048】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン中のDC標品と比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはDCの存在する証拠は無かった。
【実施例3】
【0049】
TNTとジフェニルシアノアルシン(DC)との混合物の処理
TNT(約2.5%w/v)とDC(約2%w/v)の水性スラリーは、脱イオン水(10ml)を予め秤量したDCのサンプル(0.41g)に加え、この混合物を脱イオン水(10ml)中の予め秤量した薄片TNTのサンプル(0.505g)に加えて調製した。このスラリーを水浴に移し、一定に攪拌しながら温度を85℃(水浴)に上げた。
【0050】
この温度でさらに20分間攪拌後、粘土(フラー土)を、4回に分けて(3.1g、2.8g、3.1gおよび2.6g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。
【0051】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、室温で一晩貯蔵した。次にるつぼをマッフル炉内に入れて400℃まで上げた。この温度を90分間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0052】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン中のTNT標品とAnalar(登録商標)アセトン中のDC標品とで比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはTNT、DCのいずれも存在する証拠は無かった。
【0001】
本発明は危険物質、詳細には(爆発物のような)エネルギー物質および/または毒性物質を含む組成物の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
危険物質を、その後の貯蔵または廃棄処分のために「安全」にするための処理は工業ならびに防衛において、ずっと以前から問題を生じていた。特に問題なのは、ヒ素、カドニウム、クロム、水銀、スズ、鉛、セレンまたはテルルなどの毒性元素を含有する組成物である。このような組成物は、工業過程、たとえば鉱業の副産物のこともあり、また、未使用、または使用済みの弾薬、特に化学戦争(CW)の弾薬に存在することもある。
【0003】
他に、毒性化学物質を安全にするために使用できる方法、たとえば酸化剤または加水分解剤(たとえば、CW剤の処理には塩基の加水分解が知られている)などの試剤を伴う方法は、毒性元素が存在する場合、不適当であることが多い。毒性元素は処理後にも、何らかの形で常に残留するからである。したがって、このような組成物を、通常何らかの形の化学的処理後に好適な不活性マトリックス内にカプセル化して、それらの安全な取扱いと貯蔵を可能にすることが一般的となっている。カプセル剤としては、ガラス(「ガラス化」)および有効性は落ちるが、コンクリートまたはビチューメンが挙げられる。
【0004】
他の問題物質もまた、典型的には不使用弾薬に存在するが、爆薬などのエネルギー物質である。このような物質を安全にすることは極めて困難であると思われる。知られている処理技術は危険、特に、大規模においては危険であり、たとえば、制御焼却用に、高度の爆発能力を有する装甲焼却炉などの特別な設備が必要である。ガラス化などのカプセル化技術は、それらに伴う固体操作量のため、また、溶融ステップ時における爆発の危険性が高いことから不適切である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すべての中で最も問題があるのは、エネルギー物質と毒性化学物質との混合物である。不使用のCW弾薬は、典型的にこのような混合物を含有している。この場合、実際、許容できる処理法は存在しない;焼却炉でエネルギー物質を扱うのは極めて危険であると考えられる、また、環境に放出する前に化学的に「浄化」することが必要となる毒ガスを生じる恐れがある。一方、エネルギー物質は不安定であるため取扱いは困難で、塩基性加水分解やガラス化などの従来の化学的処理法が不適切となる−たとえば、塩基性加水分解により、爆発性TNTは分解されるが、その工程で他の爆発性化合物が形成されることになる。
【0006】
上記の種類の組成物、詳細にはエネルギー性、および化学的に毒性のある物質を含有する組成物のその後の取扱い、貯蔵および/または廃棄処分に関し、代替処理法を提供することが望ましいと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の態様に従って、(a)化学的毒性物質および/または(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理方法であって、
(i)前記組成物の水性分散液を形成し、
(ii)不活性吸収物質を前記分散液に加え、
(iii)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱するステップを含む方法を提供する。
【0008】
組成物の「処理」とは、組成物をより危険性の少ない、たとえば、より安定に、またはより毒性を低めるようにする過程を意味する。この処理は組成物を危険性のないものにし、好ましくは、特別の注意なしでその後の取扱いができるように十分に安全なものにすることが理想的である。この処理は組成物を、環境たとえばごみ処理用地における長期貯蔵に好適なように、十分安全で安定にすることがより好ましい。
【0009】
本発明の方法は、危険な組成物廃棄処分用の方法の一部を利便性よく形成する。この組成物は、たとえば工業的過程の副産物、弾薬品または花火製品またはその部分、あるいは燃料または推進物質であり得る。
【0010】
この方法は、1種または複数のタイプ(a)物質、または1種または複数のタイプ(b)物質のいずれかを含有する組成物の処理に使用できるが、特に、タイプ(a)とタイプ(b)の双方を含有し、したがって、従来法を用いる処理が困難である組成物の処理に適している。処理ステップ(i)および(ii)により、双方のタイプの危険物質は不活性マトリックス全体に分散することができ、その後安全に取り扱うことができる。
【0011】
したがって、本発明の方法の利点は、ある範囲の種々の危険物質、またはその混合物の処理に使用できることである。より重要なことは、ある場合は、構成要素の正確な性質が未知である組成物の処理にその方法を使用できることである。その内容物を分離することが困難であり得るCW弾薬品の取扱いにおいて、このことは恐らく、特に価値あることであると思われる。
【0012】
本発明の方法は、言及したタイプの組成物の比較的簡便、迅速、安全および効率的な処理法を提供することができる。この方法は、簡便な実験技術および容易に入手できる装置と反応物を利用するため、スケールアップに適している。このことは、工業における使用にとって重要であるが、今日、世界中で大量に存在しているCW弾薬品の廃棄処分にとって特に重要である。
【0013】
本法は、塩基性加水分解などの他の処理工程からの流出廃液に直接実施できる。この方法で、流出廃液が毒性元素を含有している場合は、それを安全にすることができる。したがって、本発明の方法は、ステップ(i)の前に物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に処理できる1種または複数の反応物による化学的処理に前記組成物を供する、特に前記組成物を好適に塩基存在下、加水分解に供する追加のステップを含むことができる。
【0014】
本発明の第2の態様により、(a)化学的毒性物質、典型的には毒性金属を含有する物質および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質を含有する未使用または使用済みCW用弾薬品の処理方法であって:
(1)弾薬品を開け、
(2)物質(a)および/または(b)の危険性をより少なくできる1種または複数の反応物で、弾薬品の内容物を化学的処理(塩基性加水分解など)に供し、
(3)このような処理内容物の水性分散液を形成し、
(4)前記分散液に不活性吸収物質を加え、および
(5)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱するステップを含む方法を提供する。
【0015】
弾薬品を開けるステップ(1)は、機械的または水噴射切断または凍結破砕など、いずれかの知られた手段で実施できる。
【0016】
本発明の方法は、ステップ(iii)/(5)の後に、水性分散液と吸収物質の混合物を乾燥して、たとえば、濃厚スラリーまたは、より好ましくは固体を形成するさらなるステップを含むことができる。次にこれを、たとえば、適切な寸法のレンガまたはブロックの形態で処分(たとえば、ごみ処理地に)できる。したがって、乾燥および/または冷却は、適切な形の鋳型の中で便利に実施され、また、生成物を所望の形態へ圧縮、成形、あるいは形削りすることを伴うこともできる。ある場合には、使用される吸収物質の性質により、生成物は剛性固体とは対照的に可鍛性であり得る。
【0017】
本発明の方法は、単一の手で扱える製品が生み出される。これは、元の組成物由来のタイプ(a)および/または(b)の危険物質、または少なくともそれら物質の危険成分を分散させ、中に封じ込めて含有している不活性マトリックス(好ましくは、マトリックス全体に均一に分散している)である。前記マトリックスは一般的に環境に安定している、すなわち環境における長期貯蔵で封じ込め物質が有意に浸出するという面倒な問題がない。
【0018】
本発明を用いて処理される組成物において、代表的毒性物質(a)は、典型的に毒性化学元素、より典型的には重金属などの金属を含有する。例としては、ヒ素、カドミウム、クロム、水銀、スズ、鉛、セレンおよびテルル、特に多くのCW剤に見出され、また、すべての生物にとって、あらゆる形態において毒性であるヒ素が挙げられる。物質(a)は毒性金属が有機部分と錯体を作っている有機金属物質であり得る。(a)の典型的な例としては、鉱業(たとえば、金、スズまたは鉛鉱業)過程の副産物およびCW剤が挙げられる。このようなCW剤としては、CG(ホスゲン)、H(サルファーマスタード)、黄リン、ルイサイト(ジクロロ(2−クロロビニル)アルシン)、DM/アダムサイト(ジフェニルアミンクロロアルシン)、DA(ジフェニルクロロアルシン)およびDC(ジフェニルシアノアルシン)が挙げられる。
【0019】
他の物質(a)としては、毒性金属を含有する酸化物、酸および塩などの無機化合物が挙げられ、例としては三酸化ヒ素または五酸化ヒ素、ヒ素酸およびその塩である。物質(a)としては、さらに、または代わりに、遊離、原子形態での毒性金属が挙げられる。これは、前述の毒性物質化学的処理の生成物であり得、たとえば、サルファーマスタードの加水分解から得られるチオジグリコール(TDG)である。
【0020】
エネルギー物質(b)は、TNT(2,4,6−トリニトロトルエン)、RDX(1,3,5−トリニトロトリアジン)、ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール)またはピクリン酸の劣化で形成し得る不安定なピクリン酸塩のようなピクリン酸誘導体などの典型的に爆発性または同様に不安定物質である。このような物質は、衝撃および/または移動に極めて鋭敏であることが多く、時には粒子サイズにも鋭敏であり(「グリット鋭敏化」)、それらの取扱いを大変困難にしている。ピクリン酸は乾燥している場合、特に危険である。したがって、本発明による水性分散液への組込みは安全処理を大きく促進する。
【0021】
ステップ(ii)/(4)で加えた吸収物質は、ステップ(i)/(3)で形成された水性分散液の成分を吸収するための高度に利用できる表面積を有するのが理想的である。したがって、それは、好ましくは顆粒、またはより好ましくは粉末のような微細に分割された形態にある。好適な粒径は、1μmから20μmの範囲であり得、好ましくは2μmと15μmとの間、より好ましくは2μmと10μmとの間、または8μmと15μmとの間、たとえば、約10μmであり得る。しかし、処理される組成物が、グリット鋭敏化を受け易いエネルギー物質を含有する場合、粘土中において吸収物質の粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下に制限することが適切である。
【0022】
水性分散液に加えられた吸収物質の量は、最終生成物に要する危険物質(a)および/または(b)の荷重、吸収物質自体の性質、また(しばしばより重要になるが)その後の加工、たとえば加熱ステップ(iii)/(5)では混合物に必要な軟度に依存する。好適には、20%w/vと90%w/vとの間の吸収物質が、ステップ(i)/(3)の水性分散液に加えることができる。生じた混合物が加熱ステップ(iii)/(5)用のるつぼに直接移される場合は、好適には、40%w/vと90%w/vとの間、より好ましくは55%w/vと85%w/vとの間の吸収物質を分散液に加えることができる。前記を条件として一般に、最終生成物の容量を減じるために添加吸収物質の量を最少にし、同時に、それが吸収する危険物質の量を最大に(許容できる安全限界内で)することも求められるであろう。
【0023】
好適な吸収物質の例としては、全種類の粘土、コンクリート、セメント、およびそれらの混合物が挙げられる。これらの物質は多孔性である。これらの多くは、幅広く利用でき、比較的安価である。特に粘土が好ましく、好ましくはモンモリロナイトで、その容易に入手できる例としては「フラー土」がある。コンクリートはグリット鋭敏化の危険性がある場合、エネルギー物質の処理にはあまり好ましくないと考えられる。
【0024】
吸収物質は、処理される組成物の固体希釈剤として、また、その中に存在するエネルギー物質の減速材としても働き、たとえば、その後の加熱処理による安全な加工を可能にする。したがって、ステップ(iii)/(5)時に、いずれのエネルギー物質(b)も、破裂、爆発、爆燃ではなく、加熱時に分解するように吸収物質全体に十分よく分散させる必要がある。
【0025】
本発明の方法におけるステップ(i)/(3)の目的は、水中で組成物をできるだけ均一な分散を生じさせることである。分散液は、固体懸濁液またはスラリー、またはより好ましくは危険物質(a)および/または(b)の少なくとも1種が液体形態にある乳濁液の形態であり得る。理想的には、組成物のいずれの水溶性構成要素も、それらの分散をここでもまた最大にするために、ステップ(i)/(3)時に完全に溶解すべきである。
【0026】
分散を高めるために、水と処理される組成物の混合物は、好ましくは攪拌し、より好ましくは迅速攪拌し、また(a)および/または(b)の溶解性を増大させるために、および/または少なくともそれらのある部分、好適には全部を液化させるために加熱することが好ましい。好適には、分散液を、タイプ(a)の有機金属物質の多くが溶融し始める少なくとも40℃、好ましくは50℃、より好ましくは80℃に加熱する。前記分散液は、その沸点(すなわち、大気圧で95℃、98℃、99℃、さらに100℃まで)の高さまで加熱でき、これらの高温で、TNTなどの爆発性物質(融点80℃)も溶融し始める。加熱および/または攪拌は、存在する成分と溶解された溶解性成分および完全に分散された不溶性物質との均一な、理想的には澄明な混合物を形成するために十分な時間実施するのが好ましい。
【0027】
物質(a)および/または(b)、特に(a)の溶解性をさらに高めるために、pH調整剤を分散液に加えることができる。毒性金属含有CW剤の多くは、たとえば、高pHによって溶解できるので、水溶性塩基を分散液に加えてもよい。好適なこのような塩基は、無機塩基、特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属である。
【0028】
物質(a)および/または(b)の水溶性を高めるために役立つ錯化剤などの他の物質もまた、ステップ(i)/(3)に含むことができる。乳化剤、界面活性剤などを、均一分散液の形成をさらに補助するために加えることができ、好適には、このような物質は、
0.2%w/vと5%w/vとの間、好ましくは0.5%w/vと4%w/vとの間、より好ましくは1%w/vと3%w/vとの間の量で加えることができる。
【0029】
処理される組成物の水性分散液内での濃度は、より効率的な加工が可能になるようにできるだけ高いことが必要であるが、同時に成分の適切な分散およびエネルギー物質(b)の安全な取扱いが可能になるように十分に低いことも必要である。好適には、分散液は、0.5%w/vと30%w/vの間、好ましくは1%w/vと25%w/vの間、より好ましくは5%w/vと20%w/vの間、または5%w/vと15%w/vの間、または5%w/vと10%w/vの間の化学的毒性物質(a)、および/または0.5%w/vと20%w/vの間、好ましくは1%w/vと15%w/vの間、より好ましくは5%w/vと15%w/vの間のエネルギー物質(b)を含有すると思われるが、これは当然、存在する危険物質の性質に依存すると思われる。
【0030】
必ずしも必要ではないが、吸収物質を、ステップ(i)/(3)の水性分散液がまだ熱い間、たとえば40℃または50℃を越える、好ましくは40℃と99℃の間、または約95℃などの50℃と98℃の間で加えることが好ましい。好適な温度は一般に、存在する危険物質のひとつまたは複数(理想的には全部)の融点またはそれ以上であり、たとえば、80℃以上、または85℃以上、または90℃以上である。
【0031】
加熱ステップ(iii)/(5)は、存在する有機物質を熱分解または「石灰化」するという主要目的を有するが、さらに水を追い出し、したがって、最終生成物の体積を減じることに役立ち、また、構造的により堅固な生成物を生産するのに役立つことができる。これは、ステップ(ii)/(4)で形成された混合物に対し、またはその乾燥前または固化前形態に対して直接実施できる。
【0032】
このような熱分解は、一般にタイプ(b)のエネルギー物質を含有する組成物にとっては安全ではないと思われる。本発明の方法のステップ(ii)/(4)におけるような固体マトリックス全体への物質の分散がそれを可能にする。
【0033】
必要な温度は、存在する物質に依存するが、好適には200℃より高く、典型的には、300℃と500℃の間、好ましくは約400℃以上であり得る。ステップ(iii)/(5)時の時間による温度変化もまた、存在する物質に依存し、また加熱される混合物の物理形態に依存し、混合物が固体の場合は、過度な迅速加熱が、その中に発生する蒸気による構造的損傷を引き起こし得ることから、そのサイズおよび表面積が重要となる。温度上昇は、任意の所望のプロフィルに従って、たとえば、連続的または段階的または双方の混合であってもよい。例として約20gまた30gの粘土中のヒ素含有CW剤とTNTを含有する1立方インチのブロックは、室温から400℃まで、30分間を越えて、好ましくは約1時間かけて連続的に加熱して、熱分解を達成できることが見出されている。
【0034】
この加熱ステップ時に、酸素が存在する必要があるが、既に十分な量が吸収マトリックス内に存在していると思われる。SOxやNOxなどのガス状生成物が放出すると思われ、たとえば、苛性スクラバーを用いての洗浄が必要となり、スクラバーブラインは、本発明の方法のステップ(i)/(3)にリサイクルできる。
【0035】
ステップ(iii)/(5)に続いて、組成物をさらにガラス状にするために加熱し、高度に非浸出形態で危険元素を捕捉できる。このステップの好適な温度は、700℃と1000℃との間であり得る。エネルギー成分含有混合物の直接的ガラス状化は、不適当と思われるが、本発明は、このような混合物を処理する際のさらなる安全性レベルとしてガラス状化のその後の使用、特に高毒性化学物質が存在する際の使用を可能にする。
【0036】
本発明による方法における任意の段階において、特にステップ(i)/(3)においてまたはその前またはステップ(ii)/(4)時において、処理される組成物に存在する物質の危険性(たとえば、毒性、反応性または不安定性)の減少を補助する試薬を導入できる。このような試薬は、たとえば、危険物質と化学複合体を形成でき、毒性の少ない酸化状態に変換するか、または物理的に固定化できる。たとえば、組成物がヒ素などのタイプ(a)の物質を含有している場合、アルカリ土類金属含有試薬(たとえば、水酸化カルシウムまたは過酸化カルシウムなどのカルシウム化合物)が、処理工程の少なくとも一部に存在することが理想的である。ヒ素は三価体ではなくわずかに毒性の少ない五価体で存在するヒ素酸カルシウム塩を形成するからである。このタイプの試薬は、ステップ(ii)/(4)において吸収性物質と共に加えることが好適と思われ、この場合、それは、水性分散液からのある一定種の沈殿を促進できる。アルカリおよびアルカリ土類金属は、正しい比率かつ正しい温度および圧条件下で存在する場合、ガラスを形成するために吸収性物質中に導入されたシリカと組み合わせることもできる。
【0037】
本発明の第3の態様は、(a)典型的には毒性金属を含有する化学的毒性物質、および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質を含有する組成物の処理において、第1の態様と連結して記載されたタイプの不活性吸収物質の使用を提供する。好ましくは、このような使用は、吸収性物質を組成物の水性分散液に加えることを含む。より好ましくは、それが、本発明の第1または第2の態様に従った方法の部分を形成している。
【0038】
第4の態様によると、本発明は、不活性吸収物質のマトリックスを含む生成物であって、前記マトリックス中に(a)典型的には毒性金属を含む化学的毒性物質および/またはその熱分解形態、および/または(b)エネルギー性、典型的には爆発性物質および/またはその熱分解形態が分散している生成物を提供する。吸収性物質、および物質(a)および/または(b)は、本発明の第1の態様と連結して上記のとおりであり得る。第4の態様の生成物は、環境において長期間の貯蔵(望ましくは数十年さらに数百年、好ましくは少なくとも50年または100年または200年の間)に好適であるように、環境的に安定で非危険性であることが好ましい。物質(a)および/または(b)は、たとえば、その後のごみ処理地における地下の長期間貯蔵において、有意な程度の浸出を起こさない十分によく結合された形態でマトリックス内に含有されていることが好ましい。
【0039】
本発明の第4の態様の生成物は、第1から第3のいずれか1つの態様に従った方法を用いて都合よく生産できる。
【0040】
本発明を、以下の非限定的実施例を参照にして、例としてのみ記載する。
【実施例1】
【0041】
爆発性2,4,6−トリニトロトルエン(TNT)の処理
TNTの水性スラリー(約5%w/v)は、脱イオン水(10ml)を予め秤量した薄片TNTのサンプル(0.505g)に加えて調製した。このスラリーを脱イオン水で25mlまで増量し、一定に攪拌しながら温度を85℃(水浴)に上げた。
【0042】
この温度でさらに10分間攪拌後、フラー土を、4回に分けて(2.03g、2.56g、2.47gおよび2.53g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。次いでさらなる量の粘土(10.18g)を加えた。
【0043】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、マッフル炉内に入れた。炉内の温度を400℃まで上げて、この温度を1時間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0044】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン(0.25mg ml−1)中のTNT標品と比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはTNTの存在する証拠は無かった。これは、本発明の方法を用いて爆発物が効率的に処理されたことを示す。
【実施例2】
【0045】
毒性化学戦争(CW)用試剤ジフェニルシアノアルシン(DC)の処理
ジフェニルシアノアルシン(DC)の水性スラリー(約3.6%w/v)は、脱イオン水(15ml)を予め秤量したDCのサンプル(0.54g)に加えて調製した。このスラリーを水浴に移し、一定に攪拌しながら温度を65℃(水浴)に上げた。
【0046】
この温度でさらに10分間攪拌後、フラー土を、3回に分けて(3.07g、3.56gおよび5.31g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。
【0047】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、室温で一晩貯蔵した。次にるつぼをマッフル炉内に入れて400℃まで上げた。この温度を1時間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0048】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン中のDC標品と比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはDCの存在する証拠は無かった。
【実施例3】
【0049】
TNTとジフェニルシアノアルシン(DC)との混合物の処理
TNT(約2.5%w/v)とDC(約2%w/v)の水性スラリーは、脱イオン水(10ml)を予め秤量したDCのサンプル(0.41g)に加え、この混合物を脱イオン水(10ml)中の予め秤量した薄片TNTのサンプル(0.505g)に加えて調製した。このスラリーを水浴に移し、一定に攪拌しながら温度を85℃(水浴)に上げた。
【0050】
この温度でさらに20分間攪拌後、粘土(フラー土)を、4回に分けて(3.1g、2.8g、3.1gおよび2.6g)ゆっくりと加えた。攪拌を30分間続けて、容器を室温まで冷却させた。
【0051】
フラスコの全内容物を混合した後、金属るつぼに移し、室温で一晩貯蔵した。次にるつぼをマッフル炉内に入れて400℃まで上げた。この温度を90分間保持し、その後、るつぼを取り出し、内容物を室温まで冷却した。
【0052】
生成物の一分割量をAnalar(登録商標)アセトンで抽出し、この溶液を、シリカゲルプレート上の薄層クロマトグラフィーによりAnalar(登録商標)アセトン中のTNT標品とAnalar(登録商標)アセトン中のDC標品とで比較した。溶出に使用された移動相は、ヘキサン:アセトン(58:42)であり、このプレートを紫外線(UV)照度(波長254nmおよび365nm)下で視覚化した。炉からのサンプル中にはTNT、DCのいずれも存在する証拠は無かった。
Claims (45)
- (a)化学的毒性物質および(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理方法であって、
(i)前記組成物の水性分散液を形成し、
(ii)不活性吸収物質を前記分散液に加え、
(iii)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱する
ステップを含む方法。 - ステップ(i)の前に前記組成物を、物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態にすることのできる、1種または複数の反応物による化学的処理に供する追加のステップを含む請求項1に記載の方法。
- (a)化学的毒性物質および(b)エネルギー物質を含有する未使用または使用済み化学戦争用弾薬品の処理方法であって、
(1)弾薬品を開け、
(2)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態にすることのできる、1種または複数の反応物による化学処理にその内容物を供し、
(3)このように処理された内容物の水性分散液を形成し、
(4)不活性吸収物質を前記分散液に加え、および
(5)物質(a)および/または(b)をより危険性の少ない形態に分解するために、生じた混合物を加熱する
ステップを含む方法。 - 前記化学的処理は塩基存在下、組成物を加水分解に供することを含む請求項2または3に記載の方法。
- 前記組成物は、工業プロセスの副産物、弾薬品または花火製品またはその部分、あるいは燃料または推進剤である請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(iii)/(5)に続いて水性分散液と吸収物質の混合物を乾燥し、濃厚スラリーまたは固体を形成するさらなるステップを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記乾燥ステップは、混合物を所望の形態に圧縮、成形または造形することを伴う請求項6に記載の方法。
- 前記化学的毒性物質(a)は毒性元素を含有する請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記毒性元素は金属である請求項8に記載の方法。
- 前記毒性元素は、ヒ素、カドミウム、クロム、水銀、スズ、鉛、セレン、テルルおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項8または9に記載の方法。
- 前記毒性元素はヒ素である請求項10に記載の方法。
- 前記物質(a)は化学戦争試剤である請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記CW試剤は、ホスゲン、サルファーマスタード、黄リン、ジクロロ(2−クロロビニル)アルシン、ジフェニルアミンクロロアルシン、ジフェニルクロロアルシン、ジフェニルシアノアルシンおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項12に記載の方法。
- エネルギー物質(b)は爆発物である請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記エネルギー物質(b)は、TNT(2,4,6−トリニトロトルエン)、RDX(1,3,5−トリニトロトリアジン)、ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール)、ピクリン酸の誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項14に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)/(4)で加えた不活性吸収物質は、顆粒または粉末などの微細に分割された形態をとる請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記吸収物質は、10μm以下の粒径を有する請求項16に記載の方法。
- 前記吸収物質は、2μm以下の粒径を有する請求項17に記載の方法。
- ステップ(ii)/(4)で、40%w/vから90%w/vの間の前記吸収物質を水性分散液に加える請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記不活性吸収物質は、粘土、コンクリート、セメントおよびそれらの混合物から選択される請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記吸収物質はは粘土である請求項21に記載の方法。
- ステップ(i)/(3)で形成される前記分散液は、危険物質(a)および/または(b)の少なくとも1種が液体形態にある乳濁液の形態である請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
- 危険物質(a)および/または(b)の少なくとも1種を溶解するために、ステップ(i)/(3)の間に前記組成物を加熱する請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物をステップ(i)/(3)の間に少なくとも80℃に加熱する請求項23に記載の方法。
- pH調整剤をステップ(i)/(3)の前またはその最中に組成物に加える請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
- 前記pH調整剤は塩基である請求項25に記載の方法。
- 前記塩基は水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求項26に記載の方法。
- ステップ(i)/(3)で形成された前記水性分散液は、5%w/vから20%w/vの間の化学毒性物質(a)、および5%w/vから15%w/vの間のエネルギー物質(b)を含有する請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(i)/(3)の前記水性分散液が80℃以上の温度である間に、不活性吸収物質を加える請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
- 加熱ステップ(iii)/(5)を、400℃以上の温度で実施する請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(iii)/(5)に続いて、組成物をガラス状にするためにさらに加熱する請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
- 処理中の組成物中に存在する1種または複数の物質の危険性の低下に役立つ試薬の導入をさらに含む請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試薬を、ステップ(ii)/(4)で不活性吸収物質と共に導入する請求項32に記載の方法。
- 前記試薬を、ステップ(i)/(3)において、またはそのステップ前に導入する請求項32または33に記載の方法。
- 前記試薬は水酸化カルシウムまたは過酸化カルシウムである請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
- 実質的に本明細書中に記載されている、(a)化学的毒性物質および(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理方法。
- (a)化学的毒性物質および(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理における不活性吸収物質の使用。
- 処理される組成物の水性分散液に不活性吸収物質を加えることを含む請求項37に記載の利用。
- 前記不活性吸収物質は粘土である請求項37または38に記載の使用。
- 請求項1から36のいずれか一項に記載の方法の一部を形成する請求項37から39のいずれか一項に記載の使用。
- マトリックス中に(a)化学的毒性物質および/またはその熱分解形態ならびに(b)エネルギー物質および/またはその熱分解形態が分散している、不活性吸収物質の前記マトリックスを含む生成物。
- 前記不活性吸収物質は粘土である請求項41に記載の生成物。
- 前記物質(a)および(b)は、それらがその後の長期貯蔵時に有意な程度で浸出することのないように、十分によく結合された形態でマトリックス内に封じ込められている請求項41または42に記載の生成物。
- 請求項1から36のいずれか一項に記載の方法を用いて作製された請求項41から43のいずれか一項に記載の生成物。
- 請求項1から36のいずれか一項に記載の方法の実施を伴う、(a)化学的毒性物質および(b)エネルギー物質を含有する組成物の処理方法。
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