JP2004533319A - 静電帯電した流動床を用いる粉末コーティング方法 - Google Patents

静電帯電した流動床を用いる粉末コーティング方法 Download PDF

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Abstract

導電性基板にコーティングを形成する方法は、少なくとも一部が導電性を有する流動室を含むと共に粉末コーティング成分からなる流動床を設けて粉末コーティング成分を静電摩擦帯電させる工程と、流動室の導電性部分に電圧を印加する工程と、電気的に絶縁またはアースされた基板の全部または一部を流動床内に浸漬し、粉末コーティング成分の帯電粒子を基板に付着させる工程と、流動床から基板を取り出す工程と、付着粒子を基板の少なくとも一部を覆う連続コーティングに形成する工程とを備える。本方法の利点は、ファラデーケージ硬化により従来の静電粉末コーティング方法では接近不能な基板領域をコーティングすることができる点と、従来の流動床プロセスで得られるものよりも薄いコーティングを形成できる点にある。更なる利点は、コーティングの均一性および速度にある。
【選択図】図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、基板への粉末コーティング成分の適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、粉末コーティングは、静電適用プロセス(electrostatic application process)により固体成分を付与するものであり、この静電適用プロセスでは、静電帯電させた粉末コーティング粒子を、通常は金属的または電気的にアースした基板に付着させる。粉末コーティング粒子の帯電は、粒子とイオン化した空気(コロナ帯電)との相互作用により行われ、または、スプレーガンを用いた摩擦(電気摩擦(triboelectric)、静電摩擦(tribostatic)または摩擦帯電("tribo" charging))により行われる。帯電粒子は、空気中を基板に向けて運ばれる。帯電粒子は、とりわけ、スプレーガンと基板との間の電気力線(electric field lines)による影響を受けて、最終的に付着することになる。
【0003】
コロナ帯電プロセスには、形状が複雑な基板とくに凹部を有する基板をコーティングするのが困難であるとの欠点があり、これは、電気力線が基板の凹部部位へ入り難いことに起因する(ファラデーケージ効果)。静電摩擦帯電(tribostatic charging)プロセスの場合はファラデーケージ効果はさほどではないが、同プロセスにはその他の欠点がある。
また、静電スプレープロセスに代わるプロセスにより、粉末コーティング成分を付与しても良く、この代替プロセスでは、基板が(典型的には200℃乃至400℃に)予熱され、粉末コーティング成分の流動床中に浸漬される。粉末粒子が予熱した基板に接触すると、溶融して基板表面に付着する。熱硬化性の粉末コーティング成分の場合、初期コーティングされた基板を更に加熱し、付与したコーティングを完全に硬化させても良い。熱可塑性の粉末コーティング成分の場合には、そのような後加熱は必ずしも必要ではない。
【0004】
流動床プロセスは、ファラデーケージ効果を解消して基板ワークの凹部をコーティング可能とし、また、その他の点でも魅力があるものの、公知のように静電コーティングプロセスによるコーティングに比べコーティング厚がかなり厚くなるという欠点がある。
粉末コーティング成分を適用するための別の代替技術は、いわゆる静電流動床プロセスで(electrostatic fluidised-bed process)ある。このプロセスでは、流動室内、通常は多孔質の空気分配膜(air-distribution membrane)の下方のプレナム内に配された荷電電極により、空気がイオン化される。このイオン化された空気により粉末粒子が帯電し、同一極性に帯電した粒子の静電反発作用により粉末粒子は全体として上方へ運動することになる。この効果として、流動床表面の上方には帯電した粉末粒子の雲が形成される。基板は通常はアースされ、また、粉末粒子の雲の中に導入される。幾つかの粉末粒子は、静電吸引力により基板表面に付着する。静電流動床プロセスでは基板の予熱は不要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
静電流動床プロセスでは、帯電した床の表面から離反する方向へ製品が移動するにつれて粉末粒子の付着速度が減少するので、同プロセスは小型製品のコーティングに特に好適する。また、従来の流動床プロセスの場合と同様、粉末は包囲体により制約されるので、基板に付着しなかった過剰スプレー分をリサイクルしたり再度混合するための機器を設ける必要がない。しかしながら、コロナ帯電静電プロセスの場合と同様、荷電電極と基板の間に強力な電場があるので、ファラデーケージ効果が或る程度作用し、基板の凹部内への粉末粒子の付着が不十分になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、導電性基板にコーティングを形成する方法を提供するものであり、この方法は、少なくとも一部が導電性を有する流動室を含むと共に粉末コーティング成分からなる流動床を設けて、粉末コーティング成分を静電摩擦帯電させる工程と、
前記流動室の前記導電性部分に電圧を印加する工程と、
電気的に絶縁またはアースされた前記基板の全部または一部を前記流動床内に浸漬し、粉末コーティング成分の帯電粒子を前記基板に付着させる工程と、
前記流動床から前記基板を取り出す工程と、
前記付着粒子を前記基板の少なくとも一部を覆う連続コーティングに形成する工程と
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記基板は、金属(たとえばアルミニウムまたは鋼)またはその他の導電性材料を備えるものであり、原理的には形状寸法は所望のもので良い。好ましくは、前記基板は、粉末コーティング成分を適用する前に化学的または機械的に清浄にされ、また、金属基板の場合には、例えばリン酸鉄、リン酸亜鉛またはクロム酸塩を用いた化学的前処理を基板に施すことが好ましい。
【0008】
本発明の方法において、前記流動床内で循環して互いに摩擦する間に粉末コーティング成分の粒子が摩擦帯電(電気摩擦、静電摩擦または摩擦帯電)し、その結果、粉末コーティング成分の粒子が基板に付着する。
好ましくは、前記基板はアースされる。
本発明の方法は、流動床においてイオン化効果やコロナ効果を生じることなしに実施される。
【0009】
流動床室に印加される電圧は、摩擦帯電した粉末コーティング粒子によって基板をコーティングするに充分な最大電位勾配を生じるが、この最大電位勾配は流動床でイオン化効果やコロナ効果を生じさせるには不充分なものになっている。流動床でのガスとして、通常は大気圧の空気を用いるが、例えば窒素やヘリウムなどのその他のガスを使用可能である。
【0010】
荷電電極と基板との間に相当な電場が生じる静電流動床プロセスと比べ、本発明の方法は、通常は導電性基板で顕著に現れるファラデーケージ効果により接近不能になる基板領域をも良好にコーティングすることができる。
従来の流動床適用プロセスに比べ、本発明の方法は、粒子寸法が減じるにしたがって粒子間帯電がより有効になるため、より薄いコーティングを良好に管理しつつ付与することができる。
【0011】
電気摩擦ガンを用いた粉末コーティング方法では粒子寸法が減じるにしたがって効率が低下するが、これと対照して、寸法の小さな粒子について効率の改善が図られる。
ルーズな粒子を排除するべく基板を振動させることにより、コーティングの均一性が改善される。
付着粒子から連続コーティングへの変換(必要に応じて適用成分を硬化させることを含む)は、熱処理およびまたは照射エネルギとくに赤外線、紫外線または電子ビーム照射により行うことができる。従来の流動床適用技術に比べ、本発明の方法では基板の予熱は必須工程ではなく、流動床への浸漬前に基板を予熱しないことが好ましい。
【0012】
流動室へ印加される電圧が、イオン化効果やコロナ効果を発生させるのに充分ではないので、基板を電気的に絶縁した場合は流動室に電流が流れるおそれがなく、この結果、基板が電気的に絶縁されていると電流が流れなくなる。基板を電気的にアースした場合、電流は1mA未満であることが予測される。
本発明の方法において、流動室に印加される電圧は好ましくは正または負の直流電圧であるが、交流電圧を使用することも可能であり、交流電圧が正であるとき又は負であるときに交流電圧を間欠的に印加する。印加電圧は、特に流動床の寸法、基板の寸法及び複雑さならびに所望の膜厚に応じて、広い制限内で可変である。そこで、印加電圧は正または負であるが、この印加電圧を、一般には10ボルト乃至100キロボルトの範囲内とし、通常は100ボルト乃至60キロボルトとし、好ましくは100ボルト乃至30キロボルトとし、特に100ボルト乃至10キロボルトとする。電圧範囲は、10ボルト乃至100ボルト、100ボルト乃至5キロボルト、5キロボルト乃至60キロボルト、15キロボルト乃至35キロボルト、5キロボルト乃至30キロボルトのものがあり、また、30キロボルト乃至60キロボルトでも良い。
【0013】
直流電圧は流動室に連続的または間欠的に印加可能であり、印加電圧の極性をコーティング中に変化可能である。電圧を間欠的に印加する場合、流動床に基板を浸漬する前に流動室に給電すると共に、流動床からの基板の取り出しが完了するまでは給電停止しないようにすることができる。或いは、基板を流動床に浸漬した後で電圧を印加することもできる。随意には、基板を流動床から取り出す前に電圧を遮断可能である。また、印加電圧の大きさをコーティング中に変化可能である。
【0014】
イオン化条件およびコロナ条件を排除するため、流動床に存する最大電位勾配を、空気またはその他の流動ガスのイオン化電位よりも小さくする。最大電位勾配の決定因子としては、印加電圧、流動室と基板との間隔、装置のその他の要素をあげることができる。
大気圧の空気の場合、イオン化電位勾配は30kV/cmであり、従って、大気圧の空気を流動ガスとして用いる際には最大電位勾配を30kV/cmよりも小さくすべきである。同様の最大電位勾配は、窒素やヘリウムを流動ガスとして用いる場合に好適する。
【0015】
上記考察に基づき、流動床に存する最大電位勾配は、29kV/cm、27.5、25、20、10、15、5または0.05kV/cmで良い。
一般に、最小電位勾配は、少なくとも0.01kV/cmまたは少なくとも0.05kV/cmである。
好ましくは、コーティング工程中、基板全体を流動床に浸漬する。
【0016】
上述のように、本発明の方法において、粉末粒子の帯電は、流動床内の粒子間の摩擦によって行われる。流動床での粒子間の摩擦により、粒子は両極帯電する。すなわち、粒子の一部は負に帯電し、一部は正に帯電する。流動床内に正に帯電した粒子と負に帯電した粒子の双方が存在することは不都合であり、特に、流動室に直流電圧を印加する場合には不都合である。但し、本発明の方法は、粒子の両極帯電にも対応可能である。
【0017】
所定極性の直流電圧を流動室に印加した場合、主たる一極性の粉末コーティング粒子が静電力により基板に引き寄せられ易くなる。この結果、取り出し速度が正に帯電した粒子と負に帯電した粒子とで異なり、粉末(body of powder)では特定極性の粒子の割合が漸減する。しかしながら、実際には、減少(depletion)が進むにつれて、残りの粉末粒子が相対的な極性を調整し、電荷バランス(charge-balance)が維持されることが分かっている。
【0018】
帯電状態において流動室へ基板を浸漬する好適時間は、基板の寸法および幾何学的な複雑さ、所要の膜厚ならびに印加電圧の大きさに依存することになり、一般には10ミリ秒乃至10、20または30分の範囲内であり、通常は500ミリ秒乃至5分、より特定的には1秒乃至3分である。
好ましくは、流動床への浸漬期間中、基板を定常的または間欠的に移動させる。この運動は、例えば直線、回転およびまたは振動的なもので良い。上述のように、これに加えて、基板にルーズに付着している粒子を除去するべく基板を振動させても良い。1回浸漬する代わりに、所望の総浸漬期間になるまで、基板の浸漬および取り出しを繰り返すようにしても良い。
【0019】
流動ガス(通常は空気)の圧力は、流動化するべき粉末の容積(bulk)、粉末の流動性、流動床の寸法、および、多孔質膜を横断する方向における圧力差に依存する。
粉末コーティング成分の粒子寸法分布は、0ミクロン乃至150ミクロンの範囲内で良く、一般には120ミクロンまでであり、平均粒子寸法は15ミクロン乃至75ミクロンの範囲であり、好ましくは少なくとも20ミクロン乃至25ミクロンであり、好ましくは50ミクロンを越えず、より特定的には20ミクロン乃至45ミクロンである。
【0020】
寸法の分散が小さいこと(finer size distributions)が好ましく、特に、比較的薄い膜の場合には、例えば、成分が下記の基準の一つ以上を満たすことが必要である。
a) 95〜100%容量<50μm
b) 90〜100%容量<40μm
c) 45〜100%容量<20μm
d) 5〜100%容量<10μm、好ましくは10〜70%容量<10μm
e) 1〜80%容量<5μm、好ましくは3〜40%容量<5μm
f) d(v)50が1.3〜32μm、好ましくは8〜24μmの範囲内
d(v)50は成分の粒子寸法の中央値である。より一般には、容量百分位数d(v)xは、粒子寸法d以下の粒子の合計容量のパーセンテージである。その様なデータは、マルバルーン社の製造になるマスターサイザXレーザ光散乱装置を用いて取得可能である。必要ならば、付着材料(焼成・硬化前)の粒子寸法分布に係るデータは、基板から付着物を擦り落としてマスターサイザに導入することによって得ることができる。
【0021】
コーティングの厚さは、5乃至500ミクロンまたは5乃至200ミクロン或いは5乃至150ミクロンの範囲内で良く、より特定的には10乃至150ミクロン、例えば20乃至100ミクロン、20乃至50ミクロン、25乃至45ミクロン、50乃至60ミクロン、60乃至80ミクロンまたは80乃至100ミクロン或いは50乃至150ミクロンで良い。コーティング厚に影響する主要因子は印加電圧であるが、帯電状態における流動室への浸漬時間および流動空気圧力も影響を与える。
【0022】
一般に、本発明のコーティング工程は、下記の特徴の一つ以上により特徴づけることができる。
(i)コーティング工程は3次元であり、凹部に侵入(penetrating)可能である。
(ii)印加電圧および基板と流動室との間隔は、最大電位勾配が空気またはその他の流動ガスに係るイオン化電位勾配より小さく、従って、実質的なイオン化効果やコロナ効果が生じるおそれがない。
【0023】
(iii)粉末コーティング厚は、流動室への印加電圧が増大するにつれて増大する。コーティング厚は、或る点までは品質低下を来すことなく増大可能であるが、円滑さ(smoothness)が徐々に損なわれることが分かっている。
(iv)コーティングは室温で行える。
(v)コーティングが、基板の凹部内であるか、突起上であるか、或いは平坦面であるかにかかわらず、基板へのコーティングを均一に行える。
【0024】
(vi)円滑なコーティング端を得ることができる。
(vii)円滑さの点およびピッティングや表面の凹凸がない点で粉末コーティングの品質に優れる。
(viii)基板に電圧を印加する流動床電気摩擦工程に比べ、適用範囲がより広範囲でかつ一貫性のあるものとなり、また、良好な適用をより迅速に達成できる。
【0025】
(ix)コーティング速度の点および基板に給電しない点で、本工程は、後でコイル巻きされるワイヤのコーティングやコイル(金属シート)コーティングに好適する。
本工程は、如何なる形状の導電性基板の粉末コーティングにも有用である。基板は電気的に絶縁しても良いが、電気的接続なしに(基板を電気的にフローティングし、すなわち、その電位は不確定である)基板をアースすることが好ましい。
【0026】
基板と流動室との間隔は、電圧を基板に印加する流動床電気摩擦工程の場合と略同一であり、従って、電位勾配は、その様な工程に匹敵し、装置で使用する流体(通常は空気)のイオン化電位よりも充分に小さいものになる。
本発明の方法は、車体などの製品を充分な膜で被覆して、上塗りの前に金属欠陥を充分にカバーすることが望まれる自動車その他の分野において特に有用である。以前の実用技術によれば、上塗りの準備として、その様な製品に2つの別個の被覆を付与する必要があった。すなわち、従来の通常技術では、金属表面全体にバリア膜を与える電気塗装による第1コーティングを適用した後で、視認可能な欠陥を確実にカバーするために下塗り塗料表面の第2コーティングを行っていた。これに対し、本発明は、複雑な幾何形状の製品についても、本発明の方法により適用された単一コーティングによって美的な保護塗膜を提供することができる。また、コーティング工程は、必要であれば、単一作業で比較的厚い膜を形成可能にすることができる。
【0027】
従って、本発明は、自動車部品のコーティング方法をも提供するものであり、同方法では、粉末コーティング成分から由来する第1コーティングをここに記載の本発明の方法により適用し、その後、粉末コーティングへの上塗りが行われる。
本発明の方法は航空宇宙産業にも適用可能であり、広範な幾何学形状の基板(特にアルミニウムまたはアルミニウム合金の基板)に均一のコーティングを最小膜重量でかつ環境に応じて適用可能な点に特に利点がある。
【0028】
本発明の方法は、ラジエータ、ワイヤバスケット、フリーザの棚などの、溶接部や突起部を含む製品を取り扱い可能であり、突起部を過剰にカバーすることなしに、溶接部及び突起部さらには製品の残部に粉末を均一にコーティングすることができる。
本発明は、基板への電気的接続がない点および粉末コーティングの速度の点からして、特にコイル形状のワイヤやシート金属への粉末コーティングに特に好適する。
【0029】
更に、本発明は、本発明の方法を実施するのに用いられる装置を提供するものであり、この装置は、
(a)少なくとも一部が導電性である流動室と、
(b)粉末コーティング成分の流動床を設けるように前記流動室内の粉末コーティング成分を流動化し、前記粉末コーティング成分を静電摩擦帯電させる手段と、
(c)電気的に絶縁され又はアースされた導電性基板の全体または一部を前記流動床に浸漬する手段と、
(d)前記基板の浸漬期間の少なくとも一部にわたって、前記流動室の前記導電性部分に電圧を印加し、前記粉末コーティング成分の帯電粒子を前記基板に付着させる手段と、
(e)付着粒子を保持した前記基板を前記流動床から取り出す手段と、
(f)前記付着粒子を連続コーティングに変換する手段とを備える。
【0030】
本発明による粉末コーティング成分は、一つ以上の膜形成樹脂を備えた単一の膜形成粉末成分を含有するもので良く、または、2つ以上のその様な成分の混合物からなるもので良い。
膜形成樹脂(ポリマ)は、顔料を濡らすと共に顔料粒子間の粘着強度を与える能力と基板への濡れ及び結合能力とを有するバインダとして作用し、また、基板への適用後の硬化・焼き付け工程で溶融・流動して均一な膜を形成する。
【0031】
本発明の成分の粉末コーティング構成要素は、一般には熱硬化系のものになる。但し、これに代えて、熱可塑系(例えばポリアミド系)のものを原理的には使用可能である。
熱硬化性樹脂を使用する場合、固体ポリマ性バインダ系(solid polymeric binder system)は一般には熱硬化性樹脂用の固体硬化剤を含む。或いは、互いに反応可能な2つの膜形成熱硬化性樹脂を使用可能である。
【0032】
本発明の熱硬化性粉末コーティング成分の構成要素の製造に用いられる膜形成ポリマは、カルボキシ機能性ポリエステル樹脂(carboxy-functional polyester resins)、ヒドロキシ機能性ポリエステル樹脂(hydroxy-functional polyester resins)、エポキシ樹脂、および、機能性アクリル樹脂(functional acrylic resins)から選択された一つ以上で良い。
【0033】
上記成分の粉末コーティング構成要素は、例えば、ポリエポキシド硬化剤と共に使用されるカルボキシ機能性ポリエステル膜形成樹脂を備えた固体ポリマ性バインダ系のものをベースとするもので良い。その様なカルボキシ機能性ポリエスエル系のものは近年最も広範に使用されている粉末コーティング材料である。ポリエスエルは一般に10乃至100の範囲内の酸価を有し、数平均分子量Mnは1,500乃至10,000であり、そのガラス転移温度Tgは30℃乃至85℃好ましくは少なくとも40℃である。ポリエポキシドは、例えば、トリグリシジール・イソシアヌレート(TGIC)などの低分子量エポキシ化合物、ビスフェノールAまたは光安定性のエポキシ樹脂のジグリシジール・テレフタレート(diglycidyl terephthalate)縮合グリシジールなどの化合物で良い。これに代えて、その様なカルボキシ機能性ポリエステル膜形成樹脂は、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジポアミド(tetrakis (2-hydroxyethyl) adipamide)などのビス(ベータ・ヒドロキシアルキルアミド)硬化剤(bis (bata-hydroxyalkylamid) curing agent)と共に使用可能である。
【0034】
或いは、ヒドロキシ機能性ポリエステル樹脂は、ブロックイソシアネート機能性硬化剤または、例えばメラミン樹脂、ウレアフォルムアルデヒド樹脂またはグリコールウラルフォルムアルデヒド樹脂(glycol ural formaldehyde resin)例えばシアナミド社が供給している材料「パウダリンク(Powderlink)1174」などのアミンホルムアルデヒドコンデンセート(amine-formaldehyde condensate)、またはヘキサヒドロキシメチルメラミン(hexahydroxymethyl melamine)と共に使用可能である。ヒドロキシ機能性ポリエステル用のブロックイソシアネート硬化剤は、例えば、ウレトジオン形(uretdione type)などの内部ブロック(internally blocked)されたもので良く、または、カプロラクタムブロックド形(caprolactam-blocked type)のもの、例えばイソフォロン・ジイソシアネート(isophorone diisocyanate)で良い。
【0035】
更なる可能なものとして、エポキシ樹脂は、例えばジシアンジアミドなどのアミン機能性硬化剤(amine-functional curing agent)と共に使用可能である。エポキシ樹脂用のアミン機能性硬化剤に代えて、フェノール材料、好ましくは、過剰のビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により形成される材料(すなわち、ビスフェノールAとエポキシ樹脂との付加反応により作られるポリフェノール)を使用することができる。機能性アクリル樹脂たとえばカルボキシ、ヒドロキシまたはエポキシ機能性樹脂は、好適な硬化剤と共に使用可能である。
【0036】
膜形成ポリマの混合物を使用することができ、例えば、カルボキシ機能性ポリエステルは、カルボキシ機能性アクリル樹脂および両ポリマを硬化する役割を奏するビス(ベータヒドロキシアルキルアミド)などの硬化剤と共に使用可能である。更に可能なものとして、混合バインダ系(mixed binder system)については、カルボキシ、ヒドロキシまたはエポキシ機能性アクリル樹脂をエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂(カルボキシまたはヒドロキシ機能性)と共に使用可能である。その様な樹脂の組み合わせは、同時に硬化されるように選択可能であり、例えば、エポキシ樹脂と共に同時硬化されるカルボキシ機能性ポリエステル、または、グリシジール機能性アクリル樹脂と同時硬化されるカルボキシ機能性ポリエステルがある。しかしながら、通常は、その様な混合バインダ系は、単一の硬化剤と共に硬化されるように配合される(例えば、ヒドロキシ機能性アクリル樹脂とヒドロキシ機能性ポリエステルを硬化させるブロックイソシアネートを用いる)。別の好適な配合は、2つのポリマ性バインダの混合物の各バインダについて異なる硬化剤を用いることもある(例えば、アミンで硬化されるエポキシ樹脂を、ブロックイソシアネートで硬化されるヒドロキシ機能性アクリル樹脂と共に用いる)。
【0037】
言及可能なその他の膜形成ポリマとしては、機能性フルオロポリマ、機能性フルオロクロロポリマおよび機能性フルオロアクリルポリマがあり、各ポリマはヒドロキシ機能性またはカルボキシ機能性のもので良く、また、単一の膜形成ポリマとして使用可能または機能性アクリルポリエステル樹脂およびまたは機能性アクリルエポキシ樹脂と共に使用可能であり、これらの機能性ポリマには適宜の硬化剤を用いる。
【0038】
言及できるその他の硬化剤としては、エポキシフェノールノボラック及びエポキシクレゾールノボラックがあり、メチルエチルケトキシムでブロックしたイソフェロンジイソシアネート、アセトンオキシムでブロックしたテトラメチレンキシレンジイソシアネートおよびメチルエチルケトオキシムでブロックしたデスモジュール(ジシクロヘキシルメタンジシソシアネート)などのイソシアネート硬化剤があり、モンサント社から供給される「サントリンクLSE120(Santolink LSE 120)」などの光安定性エポキシ樹脂があり、また、ダイセル社から供給される「EHPE−3150」などの脂環式ポリエポキシドがある。
【0039】
本発明で使用される粉末コーティング成分は着色剤が付加されないものでよいが、通常は、その様な作用剤(顔料や染料)を一つ以上含んでいる。使用可能な顔料を例示すると、二酸化チタン、赤色酸化鉄、鉄黄、クロム顔料およびカーボンブラックなどの無機顔料があり、また、フタロシアニン、アゾ系、アントラキノン、チオインジゴ、イソジベンズアントロン、トリフェノジオキサジンおよびキナクリドン顔料、バット染料顔料、ならびに、酸性、塩基性および媒染染料のレーキなどの有機顔料がある。顔料に代えて或いは顔料と共に染料を使用することができる。
【0040】
本発明に係る粉末コーティング成分の顔料/充填剤(filler)/増量剤の総含有量(後混合による添加剤を除く)の範囲は次のとおりである。
0重量%乃至55重量%、
0重量%乃至50重量%、
10重量%乃至50重量%、
0重量%乃至45重量%および
25重量%乃至45重量%
顔料/充填剤/増量剤の総含有量のうち、顔料含有量は、一般には全成分(後混合の添加剤を除く)の40重量%以下であるが、45重量%または50重量%まで含有させることもできる。10重量%以下の顔料によっても暗色の不透明度(dark colours opacity)を得ることができるが、通常、顔料の含有量は25乃至30または35%である。
【0041】
本発明に係る成分は、一つ以上の性能添加剤を含むことができる。例えば、流動促進剤、可塑剤、例えばUV劣化防止用の安定剤、ベンゾインなどのガス発生防止剤があり、その様な添加剤を2つ以上使用することもできる。本発明に係る粉末コーティング成分の性能添加剤の総含有量(後混合の添加物を除く)の範囲は次のとおりである。
0重量%乃至5重量%、
0重量%乃至3重量%、および
1重量%乃至2重量%
一般に、着色剤、充填剤/増量剤および性能添加剤は上述のように後混合により組み込むまれるものではなく、押し出し工程またはその他の均質化工程の前およびまたは当該工程中に組み込まれる。
【0042】
そして、粉末コーティング成分を基板に適用した後で、その結果付着した粒子の連続コーティングへの変換(必要に応じて適用成分の硬化を含む)を、熱処理およびまたは放射エネルギとくに赤外線、紫外線または電子ビーム照射により行うことができる。
通常、粉末は基板上での加熱(焼き付け工程)により硬化され、粉末粒子は溶解して流動し、膜が形成される。硬化時間および温度は、使用される成分の配合に応じて相互に依存し、典型的な範囲は次のとおりである。
【0043】
温度/℃ 時間
280乃至100* 10秒乃至40分
250乃至150 15秒乃至30分
220乃至160 5分乃至20分
* 幾つかの樹脂とくにエポキシ樹脂については温度を90℃まで低下可能
粉末コーティング成分は、後混合により、一つ以上の流動化支援添加剤を組み込み可能である。例えば、WO94/11446に開示されたもの、および、その明細書に開示された好適な添加剤の組み合わせがあり、このものは、典型的には、1:99乃至99:1、好ましくは10:90乃至90:10、好ましくは20:80乃至80:20または30:70乃至70:30例えば45:55乃至55:45の範囲の割合で使用される酸化アルミニウムと水酸化アルミニウムとを備える。WO94/11446に後混合添加剤として開示されている無機材料のその他の組み合わせも原理的には本発明の実施に使用することができ、例えば、シリカを含む組み合わせがある。更に、後混合添加剤として単独で使用可能なものとして、酸化アルミニウム及びシリカをあげることができる。また、WO00/01775に開示されているように後混合添加剤としてワックス被覆したシリカを使用することができ、これと酸化アルミニウムおよびまたは水酸化アルミニウムとの組み合わせを含む。
【0044】
粉末コーティング成分に組み込まれる後混合添加物の総含有量は、一般には0.01重量%乃至10重量%の範囲内であり、好ましくは少なくとも0.1重量%であるが1.0重量%を越えないものとする(添加剤なしの成分の総重量をベースとする)。酸化アルミニウムと水酸化アルミニウム(および類似の添加剤)の組み合わせについては、添加剤なしの成分の重量をベースとして、0.25重量%乃至0.75重量%好ましくは0.45重量%乃至0.55重量%の範囲で使用することが好ましい。1重量%または2重量%まで使用可能であるが、過剰に使用すると、例えば、ビット形成(bit formation)や移送効率(transfer efficiency)の低下という問題が生じることがある。
【0045】
添加剤に関し、「後混合」なる用語は、粉末コーティング成分の製造に使用される押し出し工程またはその他の均質化工程の後に添加剤が組み込まれることを指す。
添加剤の後混合は、例えば、下記の乾式混合方法により実施することができる。
a)ミリング(milling)前におけるチップへのタンブリング(tumbling)
b)ミルにおける噴射
c)ミリング後のふるい分け段階での導入
d)タンブラ又はその他の好適な混合装置でのポストプロダクション混合、または
e)流動床への導入
本発明による方法を実施するのに好適な電気摩擦式粉末コーティング装置、および、本発明に係る方法の幾つかの態様を、以下、添付図面を参照して例示的に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
添付図面の図1を参照すると、流動床電気摩擦式粉末コーティング装置は、空気入口(2)を基部に備えた流動室(1)と、これを下方プレナム(4)と上方流動室(5)とに区分するように横断方向に配された多孔空気分配膜(3)とを含む。
作用を説明すると、絶縁された支持体(7)、好ましくは堅固な支持体を有する基板(6)が、多孔膜(3)を介してプレナム(4)から導入された空気の上方への流れにより流動室(5)内に設けられた粉末コーティング成分の流動床に浸漬される。
【0047】
浸漬期間の少なくとも一部につき、可変電圧源(8)により流動室(1)に直流電圧が印加される。粉末コーティング成分の粒子は、粒子間の電気摩擦作用の結果として電気的に帯電することになる。図示のように、基板(6)は電気的接続を有してはいないが(電気的にフローティングしているが)、好適な電気接続によりアース可能である。電気摩擦により帯電した粉末コーティング成分の粒子は基板(6)に付着する。ここでイオン化作用やコロナ作用が生じることはない。電圧源(8)により供給された電圧は、そのような効果を生じるのに必要なレベルよりも小さなレベルに維持されている。金属基板はアースするのが好ましい。
【0048】
基板(6)は、図1に図示しない手段により、コーティング工程中、定常振動する如く移動可能である。或いは、浸漬中、基板を流動床内を間欠的あるいは連続的に前進させても良く、または、所望の総浸漬期間になるまで浸漬および取り出しを繰り返しても良い。また、基板を静止状態に保つと共にプロペラミキサにより流動床を振動させたり攪拌することにより粉末を移動させることも考えられる。
【0049】
所望の浸漬期間の経過後、基板を流動床から取り出し、粉末コーティング成分の付着粒子を溶融させるように基板を加熱し、コーティングを完了する。
電圧源(8)は幹線給電され、出力電圧は幹線アース電位に対して測定される。
【実施例】
【0050】
以下の実施例は本発明の方法を示し、この実施例は、図1に示す如きの装置およびノ−ドソン社から供され且つ高さ25cmで直径15cmの円筒室(1)を有する流動床を用いて実施されたものである。
この実施例において、ロッド長300mmの絶縁された支持体(7)に基板(6)を装着した。基板は、流動ユニット内の中央に位置づけられ、流動室(1)に3kVの電圧を印加する場合に3kV/cm以下であると見込まれる最大電位勾配を与えるものになっている。すなわち、空気のイオン化電位は30kV/cmであるが、このイオン化電位よりも十分に低い電位勾配の場合に良好な結果を得た。流動室に3kV(最大使用)の電圧を印加する場合に最大電位勾配を30kV/cmにするためには、基板を流動ユニットの壁に対するよりも近接させる必要があることが分かるであろう。使用電圧が0.5kVの場合における最大電位勾配は0.13kV/cmであると推定され、0.2kVの電圧での推定最大電位勾配は約0.05kV/cmである。基板を振動可能とすると、最大電位勾配を0.05kV/cmから1kV/cmの範囲、好ましくは0.05kV/cm乃至5kV/cmの範囲、可能であれば0.05kV/cm乃至10kV/cmの範囲にするような条件において、好適結果が得られることが予想される。
【0051】
実施例では浸漬時間を秒単位で示す。
図2を参照すると、実施例で使用した導電性金属基板6は、平面視U字状をなすように折りたたまれたアルミニウムパネルであり、その寸法は以下のとおりである。
a=10cm
b=7.5cm
c=5mm
基板6は、アーム7に装着した金属クリップ10により保持され、導体18を介してアースされる。
【0052】
図3は、実施例に係る方法における膜圧およびパーセント範囲(percentage coverage)を評価する目的で、平坦状態にした基板6の斜視図である。
A及びBで示す2つの粉末コーティング成分は、従来どおり、押し出し、チップへの粉砕、およびミリングにより調製した。
各成分のフォーミュレーションは以下のとおりである。
【0053】
ルチル形二酸化チタン 321(重量部)
充填材(ドロマイト) 107
カルボン酸基ポリエステル樹脂 374
エポキシ樹脂硬化剤 152
触媒 30
ワックス 3
フローモディファイヤ 10
ベンゾイン 3
合計 1000
【0054】
成分Aは成分Bよりも最大粒子サイズが大きい。
一般的な動作条件は以下のとおりであった。
流動床に投入した粉末の重量 700〜800g
流動床を平衡にするための自由流動時間 0.5バールで30分
付着材料の標準焼成および硬化 180℃で15分
得た結果を下表に要約する。
【0055】
【表1】
Figure 2004533319
【0056】
図2のU字状基板につき膜厚を測定した。この膜厚測定では、図3に示すように基板を平坦にして、中央凹部11を含む基板の全ての部分に接近可能とした。膜厚測定は、平坦にした基板の表面および裏面の図3にXマークを付した各点で行い、各面につき合計18の読み取り値を得、パネル全体につき合計36の読み取り値を得た。
【0057】
上表で使用した略語は以下のとおりである。
厚さINは、基板の内面で実施した膜厚測定の平均である。
STDEV−INは、基板内面で実施した膜厚測定の標準偏差である。
厚さOUTは、基板外面で実施した膜厚測定の平均である。
STDEV−OUTは基板内面で実施した膜厚測定の標準偏差である。
INcovは基板の凹部表面(内面)の有効範囲であり、視覚で評価した。
OUTcovは基板の外表面(外面)の有効範囲であり、視覚で評価した。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】流動床電気摩擦式粉末コーティング装置の一般形式を示す断面図。
【図2】実施例で使用されるような導電性金属基板の斜視図。
【図3】実施例での膜圧およびパーセント範囲を評価するための平坦状態にある図2の基板の斜視図。
【符号の説明】
【0059】
1 流動室
2 空気入口
3 多孔膜
4 下方プレナム
5 上方流動室
6 基板
7 支持体
8 可変電圧源
10 金属クリップ
11 凹部
18 導体

Claims (30)

  1. 導電性基板にコーティングを形成する方法において、
    少なくとも一部が導電性を有する流動室を含むと共に粉末コーティング成分からなる流動床を設けて、前記粉末コーティング成分を静電摩擦帯電させる工程と、
    前記流動室の前記導電性部分に電圧を印加する工程と、
    電気的に絶縁またはアースされた前記基板の全部または一部を前記流動床内に浸漬し、前記粉末コーティング成分の帯電粒子を前記基板に付着させる工程と、
    前記流動床から前記基板を取り出す工程と、
    前記付着粒子を前記基板の少なくとも一部を覆う連続コーティングに形成する工程と
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記流動床内への浸漬に先だって前記基板を予熱しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記印加電圧が直流電圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記電圧が正電圧であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記電圧が負電圧であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記印加電圧は、前記流動床に存する最大電位勾配が前記流動床内のガスについてのイオン化電位勾配よりも小さくなるようなものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記流動床に存する最大電位勾配が29kV/cm、27.5、25、20、15、10、5または0.05kV/cmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記流動床に存する電位勾配が少なくとも0.01kV/cmまたは少なくとも0.05kV/cmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記印加電圧が10ボルト乃至100キロボルトの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記印加電圧が100ボルト乃至60キロボルトの範囲内であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記印加電圧が100ボルト乃至30キロボルトの範囲内であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 前記印加電圧が100ボルト乃至10キロボルトの範囲内であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  13. 前記基板が金属を備えることを特徴とする請求項1乃至12に記載の方法。
  14. 前記基板が金属ワイヤとくにコイル状のものであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記基板が金属シートとくにコイル原料形体のものであることを特徴とする請求項13記載の方法。
  16. 帯電状態において前記流動室へ前記基板を浸漬する時間は30分、20分、10分、5分または3分までであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
  17. 帯電状態において前記流動室へ前記基板を浸漬する時間は少なくとも10ミリ秒、500ミリ秒または1秒であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
  18. 適用されるコーティングの厚さが、50ミクロンまで、または、200、150、100または80ミクロンまでであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
  19. 適用されるコーティングの厚さが、少なくとも5ミクロン、または少なくとも10、20、50、60または80ミクロンであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記適用されるコーティングの厚さが20乃至50ミクロン、25乃至45ミクロンまたは50乃至60ミクロンの範囲内であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記基板を振動させてルーズな粒子を除くことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記粉末コーティング成分が熱硬化系であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記粉末コーティング成分の粉末コーティング要素における膜形成ポリマは、カルボキシ機能性ポリエステル樹脂、ヒドロキシ機能性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、および、機能性アクリル樹脂から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記粉末コーティング成分が熱可塑系であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の方法。
  25. 前記粉末コーティング成分は、後混合により、一つ以上の流動化支援添加剤を組み込むことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記粉末コーティング成分が、流動化支援添加剤として、アルミナと水酸化アルミニウムとの組み合わせを組み込むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記基板の全体を前記流動床内に浸漬することを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の方法。
  28. 本発明の方法を実施するのに用いられる装置において、
    (a)少なくとも一部が導電性である流動室と、
    (b)粉末コーティング成分の流動床を設けるように前記流動室内の粉末コーティング成分を流動化し、前記粉末コーティング成分を静電摩擦帯電させる手段と、
    (c)電気的に絶縁され又はアースされた導電性基板の全体または一部を前記流動床に浸漬する手段と、
    (d)前記基板の浸漬期間の少なくとも一部にわたって、前記流動室の前記導電性部分に電圧を印加し、前記粉末コーティング成分の帯電粒子を前記基板に付着させる手段と、
    (e)付着粒子を保持した前記基板を前記流動床から取り出す手段と、
    (f)前記付着粒子を連続コーティングに変換する手段と
    を備えることを特徴とする装置。
  29. 前記基板を振動させてルーズな粒子を除く手段を含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 請求項1乃至27に記載の方法または請求項20または30に記載の装置により得たコーティングされた基板。
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