JP2004532305A - 揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液、その製造方法およびその使用 - Google Patents
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Abstract
(A)水性媒体中で、(a)親水性および疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種、および(b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I:R1R2C=CR3R4(I)[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは、置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種を二段もしくは多段でラジカル共重合することにより製造されるグラフトコポリマー少なくとも1種、および(B)親水性ナノ粒子を含有する、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液、その製造方法および被覆材料、接着剤およびシーラントとして、またはこれらを製造するための使用。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液に関する。さらに本発明は揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液の新規の製造方法に関する。さらに本発明は、新規の被覆材料、接着剤およびシーラントとしての揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液の使用またはその製造に関する。特に本発明は、自動車の車体および部材、屋内および屋外領域での建築構造、ドア、窓および家具の塗装、接着およびシーリングのため、ならびにコイル、コンテナ、電気工学部材および白色の物品を含む工業用塗装の分野での塗装、接着およびシーリングのための新規の被覆材料、接着剤およびシーラントに関する。
【0002】
水性媒体中、一段階もしくは多段階で
a)オレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)(a)のオレフィン性不飽和モノマーとは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができるコポリマーの分散液の、被覆材料、特に水性ベースコート(ドイツ特許出願DE19930665A1を参照のこと)、サーフェイサーおよびストーンガードプライマー(ドイツ特許出願DE19930067A1を参照のこと)およびクリアコート(ドイツ特許出願DE19930664A1を参照のこと)中でのバインダーとしての使用が公知である。これらの分散液は揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない。これらは二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムをベースとする透明な充填材を含有していてもよく、これはたとえばRoempp Lexikon "Lacke und Druckfarben"、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第250〜252頁、"Fuellstoffe"に記載されている。透明充填材を具体的にはどのように配合すべきであるかはドイツ特許明細書には記載されていない。
【0003】
ドイツ特許出願DE19930665A1から公知の水性ベースコートおよびここから製造されるベースコーティングならびにドイツ特許出願DE19930067A1から公知のサーフェイサーおよびストーンガードプライマーおよびここから製造されるコーティングは優れた適用技術的な特性を有する。しかし水性ベースコート、サーフェイサーおよびストーンガードプライマーの適用挙動はさらに改善しなくてはならない。
【0004】
ドイツ特許出願DE19930664A1から公知のクリアコートおよびここから製造されるクリアコーティングは同様に優れた応用技術的な特性を有する。しかしクリアコートの適用挙動およびクリアコーティングの耐引掻性はさらに改善しなくてはならない。
【0005】
酸化アルミニウム、二酸化ケイ素および酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子は自体公知である。通常、該粒子はアルコール、たとえばイソプロパノール、ケトン、たとえばメチルイソブチルケトン中または化学線により硬化することができるモノマー中での分散液の形で分散させる。しかしアルコールまたはケトン中の分散液を使用する場合、ふたたび易揮発性の有機化合物が水性被覆材料、接着剤およびシーラント中に導入される。これに対してモノマーをベースとする分散液は水性の被覆材料、接着剤およびシーラント中に配合することができない。
【0006】
本出願の時点で未公開のドイツ特許出願DE10106567.1およびDE10106566.3には、モノマー(a)および(b)をミニエマルション中でラジカル共重合することにより製造されるコポリマーの水性分散液をベースとする水性被覆材料が記載されている。たしかにこの分散液は揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない。しかしミニエマルションの製造および安定化のために比較的大量の非揮発性の超疎水性有機化合物を使用しなくてはならず、該化合物は最終的に被覆材料およびここから製造される被覆の特性プロファイルに影響を与える。分散液はナノ粒子を含有していてもよいが、これは特に詳細に説明されていない。さらにナノ粒子をどのようにして分散液に配合すべきかは記載されていない。
【0007】
本発明の課題は、濁り、斑点または凝集物が生じることなく、比較的大量のナノ粒子を水性分散液中に安定させて導入して分散させることである。さらに本発明の課題は揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有しておらず、濁り、斑点または凝集物を生じることなく比較的大量のナノ粒子を含有し、容易に適用可能な被覆材料、接着剤およびシーラントとして、またはこれらの製造のために使用することができる新規の水性分散液を提供することである。新規の、揮発性有機成分を含有していないか、またはほぼ含有していない被覆材料、接着剤またはシーラントは、耐引掻性で、靭性で、応力亀裂もしくは乾燥亀裂を生じない被覆材料、接着剤およびシールを生じ、その際、揮発性有機化合物(VOC)が放出されない。さらに新規の、揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有していない水性分散液は容易な方法で製造することができるべきである。
【0008】
これに応じて新規の、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液が判明し、該分散液は
(A)水性媒体中、二段階もしくは多段階で
a)親水性もしくは疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができるブロックコポリマー少なくとも1種および
(B)親水性のナノ粒子
を含有する。
【0009】
以下では新規の、揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を略して「本発明による分散液」とよぶ。
【0010】
さらに揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を製造するための方法が判明し、該方法では、
(1)(A)水性媒体中、二段階もしくは多段階で
a)親水性もしくは疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種
をラジカル共重合することにより製造することができるブロックコポリマー少なくとも1種を含有する、揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液少なくとも1種を
(2)親水性ナノ粒子少なくとも1種と混合する。
【0011】
以下では揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を製造するための新規の方法を略して「本発明による方法」とよぶ。
【0012】
さらなる本発明の対象は記載から明らかになる。
【0013】
従来技術を考慮すると、本発明の根底にある課題を、本発明による分散液および本発明による方法により解決することができたことは意外であり、かつ当業者が予測できるものではなかった。特にナノ粒子を容易な方法で通例の有機溶剤またはモノマーを使用することなく、従来可能であったよりも大量に水性分散液中に配合することができ、その際、濁り、斑点または凝集物が生じないことが意外であった。さらに意外であったのは、本発明による分散液の、被覆材料、接着剤またはシーラントとしての、およびこれらを製造するための幅広い使用可能性であった。本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントは容易に適用することができる。特に本発明による被覆材料はこの場合、均一なレベリングを示し、かつ耐引掻性で靭性の被覆を生じ、この被覆は表面欠陥および応力亀裂および乾燥亀裂を示さない。特に意外であったのは、本発明による被覆、接着剤およびシーラントの化学薬品耐性および耐候性であった。
【0014】
本発明の範囲で「揮発性有機成分を完全に、またはほぼ含有しない」とは、本発明による分散液およびナノ粒子もしくはその水性分散液が、分散液に対して2質量%未満、有利には1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満および特に有利には0.1質量%未完の含有率を有することを意味する。特にこの含有率はガスクロマトグラフィーによる検出限界を下回る。
【0015】
「親水性」および「疎水性」の概念に関しては、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York、1998年、第294頁、"Hydrophilie"ならびに第294および295頁、"Hydrophobie"を参照されたい。
【0016】
化学線とは、電磁線、たとえば近赤外線、可視光、紫外線またはX線、特に紫外線、あるいは粒子線、たとえば電子線であると理解する。
【0017】
本発明による分散液は本質的な成分として親水性ナノ粒子を含有する。
【0018】
有利にはナノ粒子は、50nm未満、有利には5〜50nm、特に10〜30nmの一次粒径を有する二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび遷移金属、有利にはモリブデンおよびタングステンのポリ酸およびヘテロポリ酸をベースとするナノ粒子からなる群から選択される。有利には親水性ナノ粒子はつや消し効果を有していない。特に有利には二酸化ケイ素をベースとするナノ粒子を使用する。
【0019】
特に有利には、多孔質ではなく、その凝集物および凝集体が鎖状の構造を有している親水性の熱分解法シリカおよび酸水素炎中での四塩化珪素の火炎加水分解により製造されるシリカを使用する。これらはたとえばDegussa社から商品名Aerosil(R)で市販されている。特に有利には沈降水ガラス、たとえばナノヘクトライト、たとえばSuedchemie社から商品名Optigel(R)で、またはLaporte社から商品名Laponite(R)で市販されているものを使用する。
【0020】
本発明による分散液におけるナノ粒子(B)の含有率は、広い範囲で変化してもよく、かつ個別の事例の要求に適合させる。有利にはその含有率は、そのつど本発明による分散液の固体に対して、0.1〜20質量%、有利には0.2〜15質量%、特に有利には0.3〜12質量%、殊に有利には0.4〜10質量%およびとりわけ0.5〜8質量%である。
【0021】
本発明による分散液の別の本質的な成分は、少なくとも1種のブロックコポリマー(A)である。
【0022】
ブロックコポリマー(A)は、二段階もしくは多段階で、特に二段で、親水性および疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー(a)少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができる。
【0023】
適切な親水性モノマー(a)は、
(f1)中和剤によりアニオンに変えることができる官能基およびアニオン基、
または
(f2)中和剤および/または四級化剤によりカチオンに変えることができる官能基およびカチオン基
および
(f3)非イオン性の親水基
からなる群から選択される官能基(f)を少なくとも1つ、特に1つ有する。
【0024】
有利には官能基(f1)はカルボン酸基、スルホン酸基およびホスホン酸基、酸性の硫酸−およびリン酸エステル基ならびにカルボキシレート−、スルホネート−、ホスホネート−、スルフェートエステル−およびホスフェートエステル基からなる群から選択し、官能基(f2)は第一、第二および第三アミノ基、第一、第二、第三および第四アンモニウム基、第四ホスホニウム基および第三スルホニウム基からなる群から選択し、かつ官能基(f3)はω−ヒドロキシ−およびω−アルコキシ−ポリ(アルキレンオキシド)−1−イル基からなる群から選択する。
【0025】
官能基(f1)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸;オレフィン性不飽和スルホン酸またはホスホン酸、またはこれらの部分エステル;またはマレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルまたはフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、特にアクリル酸およびメタクリル酸である。
【0026】
官能基(f2)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は2−アミノエチルアクリレートおよび−メタクリレートまたはアリルアミンである。
【0027】
官能基(f3)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は、ω−ヒドロキシ−もしくはω−メトキシ−ポリエチレンオキシド−1−イル、ω−メトキシ−ポリプロピレンオキシド−1−イル−もしくはω−メトキシ−ポリ(エチレンオキシド−コポリプロピレンオキシド)−1−イル−アクリレートもしくは−メタクリレートである。
【0028】
親水性モノマー(a)を選択する際には、官能基(f1)を有する親水性モノマー(a)と官能基(f2)を有する親水性モノマー(a)とを相互に組み合わせないように注意すべきである。というのは、これは不溶性の塩および高分子電解質錯体の形成につながりうるからである。これに対して官能基(f1)を有するか、または官能基(f2)を有する親水性モノマー(a)と、官能基(f3)を有する親水性モノマー(a)とは任意で組み合わせることができる。
【0029】
前記の親水性モノマー(a)の中から官能基(f1)を有するモノマー(a)が特に有利に使用される。
【0030】
この場合、有利にはアニオンに変えることができる官能基(f1)のための中和剤はアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリフェニルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノメチルプロパノール、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンからなる群から選択し、かつカチオンに変えることができる官能基(f2)のための中和剤を硫酸、塩酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびクエン酸からなる群から選択する。
【0031】
適切な疎水性のオレフィン性不飽和モノマー(a)の例は、
(1)アルキル基中に20個までの炭素原子を有するオレフィン性不飽和酸のほぼ酸基不含のエステル、たとえば(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−、エタクリル酸−、ビニルホスホン酸−もしくはビニルスルホン酸アルキル−もしくは−シクロアルキルエステル、特にメチル−、エチル−、プロピル−、n−ブチル−、s−ブチル−、t−ブチル−、ヘキシル−、エチルヘキシル−、ステアリル−およびラウリルアクリレート、−メタクリレート、−クロトネート、−エタクリレートもしくは−ビニルホスホネートまたはビニルスルホネート;環式脂肪族の(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−、エタクリル酸−、ビニルホスホン酸−もしくはビニルスルホン酸エステル、特にシクロヘキシル−、イソボルニル−、ジシクロペンタジエニル−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−メタノール−もしくはt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、−クロトネート、−エタクリレート、−ビニルホスホネートまたはビニルスルホネート。これらは副次的な量で高官能性(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−もしくはエタクリル酸アルキル−もしくは−シクロアルキルエステル、たとえばエチレングリコール−、プロピレングリコール−、ジエチレングリコール−、ジプロピレングリコール−、ブチレングリコール−、ペンタン−1,5−ジオール−、ヘキサン−1,6−ジオール−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−またはシクロヘキサン−1,2−、−1,3−もしくは−1,4−ジオール−ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;またはペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレートならびに類似のエタクリレートまたはクロトネートを含有していてもよい。本発明の範囲ではこの場合、副次的な量の高官能性モノマー(1)とは、ブロックコポリマー(A)の架橋もしくはゲル化を生じない量であると理解する。というのも、該コポリマーは架橋したマイクロゲル粒子の形で存在すべきだからである。
【0032】
(2)分子あたり少なくとも1つのヒドロキシル基またはヒドロキシメチルアミノ基を有し、かつほぼ酸基不含のモノマー、たとえば
− ヒドロキシアルキル基がその中で炭素原子を20個まで有するα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸およびエタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえば2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシブチル−、4−ヒドロキシブチルアクリレート、−メタクリレートもしくは−エタクリレート;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−もしくはメチルプロパンジオールモノアクリレート、−モノメタクリレート、−モノエタクリレートもしくは−モノクロトネート;または環式エステルからなる反応生成物、たとえばε−カプロラクタムおよびこれらのヒドロキシアルキルエステル;
− オレフィン性不飽和アルコール、たとえばアリルアルコール;
− ポリオールのアリルエーテル、たとえばトリメチロールプロパンモノアリルエーテルまたはペンタエリトリットモノ−、−ジ−もしくは−トリアリルエーテル。これらの高官能性モノマー(1)は一般に副次的な量で使用するのみである。本発明の範囲ではこの場合、副次的な量の高官能性モノマーとは、ブロックコポリマー(A)の架橋またはゲル化を生じない量であると理解する。というのは、該コポリマーは架橋したマイクロゲル粒子の形で存在すべきだからである;
分子中に5〜18個の炭素原子を有するα−位で分岐したモノカルボン酸のグリシジルエステルとα,β−オレフィン性カルボン酸との反応生成物。アクリル酸またはメタクリル酸と、第三α−炭素原子を有するカルボン酸のグリシジルエステルとの反応は、重合反応の前、その間もしくはその後で行うことができる。有利には成分(a1)としてアクリル酸および/またはメタクリル酸とバーサチック(R)酸のグリシジルエステルとの反応生成物を使用する。このグリシジルエステルはCardura (R) E10の商品名で市販されている。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第605〜606頁を参照のこと;
− α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステルおよびα,β−不飽和カルボン酸アミドのホルムアルデヒド付加物、たとえばN−メチロール−およびN,N−ジメチロール−アミノエチルアクリレート、−アミノエチルメタクリレート、−アクリルアミドおよび−メタクリルアミド;ならびに
− アクリルオキシシラン基およびヒドロキシル基を有するオレフィン性不飽和モノマー、これはヒドロキシ官能性シランとエピクロロヒドリンとの反応および引き続き該中間生成物とα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸およびメタクリル酸、またはこれらのヒドロキシアルキルエステルとの反応により製造される;
(3)分子中に5〜18個の炭素原子を有するα−位で分岐したモノカルボン酸のビニルエステル、たとえば商品名VeoVa(R)で市販されているVersatic(R)酸のビニルエステル;
(4)環式および/または非環式のオレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、ブト−1−エン、ペント−1−エン、ヘキセ−1−エン、シクロヘキセン、シクロペンテン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエン;
(5)α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアミド、たとえば(メタ)アクリル酸アミド、N−メチル−、N,N−ジメチル−、N−エチル−、N,N−ジエチル−、N−プロピル−、N,N−ジプロピル、N−ブチル−、N,N−ジブチル−および/またはN,N−シクロヘキシル−メチル−(メタ)アクリル酸アミド;
(6)エポキシ基を有するモノマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸のグリシジルエステル;
(7)ビニル芳香族炭化水素、たとえばスチレン、ビニルトルエンまたはα−アルキルスチレン、特にα−メチルスチレン;
(8)ニトリル、たとえばアクリルニトリルおよび/またはメタクリルニトリル;
(9)ビニルハロゲン化物、たとえば塩化ビニル、フッ化ビニル、二塩化ビニリデン、二フッ化ビニリデン;ビニルアミド、たとえばN−ビニルピロリドン;ビニルエーテル、たとえばエチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルおよびビニルシクロヘキシルエーテル;ならびにビニルエステル、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルからなる群から選択される化合物;
(10)アリルエーテルおよび−エステルからなる群から選択されるアリル化合物、たとえばプロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテルまたはアリルアセテートまたはアリルプロピオネート;これは高官能性モノマーに該当し、同様に前記が該当する;
(11)数平均分子量Mn1000〜40000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5有するポリシロキサンマクロモノマー、たとえば数平均分子量Mn1000〜40000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5有するポリシロキサンマクロモノマー、特に数平均分子量Mn2000〜20000、特に有利には2500〜10000およびとりわけ3000〜7000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5、有利には0.5〜1.5有するポリシロキサンマクロモノマー、これらはたとえはDE3807571A1、第5〜7頁、DE3706095A1、第3〜7欄、EP0358153B1、第3〜6頁、US4,754,014A1、第5〜9欄、DE4421823A1または国際特許出願WO92/22615、第12頁、第18行目から第18頁、第10行目に記載されている。
【0033】
(12)カルバメート基またはアロファネート基を有するモノマー、たとえばアクリロイルオキシ−またはメタクリロイルオキシエチル−、プロピル−もしくはブチルカルバメートもしくは−アロファネート;カルバメート基を有する好適なモノマーの別の例は、特許文献US3,479,328A1、US3,674,838A1、US4,126,747A1、US4,279,833A1またはUS4,340,497A1に記載されている。
【0034】
モノマー(b)として一般式Iの化合物を使用する。
【0035】
一般式I中で基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す。
【0036】
適切なアルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシルまたは2−エチルヘキシルである。
【0037】
適切なシクロアルキル基の例は、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0038】
適切なアルキルシクロアルキル基の例は、メチレンシクロヘキサン、エチレンシクロヘキサンまたはプロパン−1,3−ジイル−シクロヘキサンである。
【0039】
適切なシクロアルキルアルキル基の例は、2−、3−もしくは4−メチル−、−エチル−、−プロピル−もしくは−ブチルシクロヘキシ−1−イルである。
【0040】
適切なアリール基の例は、フェニル、ナフチルまたはビフェニルである。
【0041】
適切なアルキルアリール基の例は、ベンジルまたはエチレン−もしくはプロパン−1,3−ジイル−ベンゼンである。
【0042】
適切なシクロアルキルアリール基の例は2−、3−もしくは4−フェニルシクロヘキシ−1−イルである。
【0043】
適切なアリールアルキル基の例は、2−、3−もしくは4−メチル−、−エチル−、−プロピル−もしくは−ブチルフェン−1−イルである。
【0044】
適切なアリールシクロアルキル基の例は2−、3−もしくは4−シクロヘキシルフェン−1−イルである。
【0045】
前記の基R1、R2、R3およびR4は置換されていてもよい。このために電子吸引性または電子供与性の原子または有機基を使用することができる。
【0046】
適切な置換基の例はハロゲン原子、特に塩素およびフッ素、ニトリル基、ニトロ基、部分的に、もしくは完全にハロゲン化された、特に塩素化および/またはフッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基およびアリールシクロアルキル基、その際、前記で例示したもの、特にt−ブチルを含む;アリールオキシ基、アルキルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基、特にフェノキシ、ナフトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシまたはシクロヘキシルオキシ;アリールチオ基、アルキルチオ基およびシクロアルキルチオ基、特にフェニルチオ基、ナフチルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基またはシクロヘキシルチオ;ヒドロキシ基;および/または第一、第二および/または第三アミノ基、特にアミノ、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−フェニルアミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N,N−ジシクロヘキシルアミノ、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノまたはN−エチル−N−メチルアミノである。
【0047】
本発明により特に有利に使用されるモノマー(b)の例はジフェニルエチレン、ジナフタリンエチレン、シス−もしくはトランス−スチルベン、ビニリデン−ビス(4−N,N−ジメチルアミノベンゼン)、ビニリデン−ビス(4−アミノベンゼン)またはビニリデン−ビス(4−ニトロベンゼン)である。
【0048】
本発明によればモノマー(b)は単独で、または少なくとも2種類のモノマー(b)からなる混合物として使用することができる。
【0049】
反応の実施および得られるブロックコポリマー(A)の特性を考慮するとジフェニルエチレンが特に有利であり、かつ従って本発明により特に有利に使用される。
【0050】
前記のモノマー(a)はそれぞれ自体単独でモノマー(b)と重合することができる。しかし本発明によれば、少なくとも2種類のモノマー(a)を使用することが有利である。というのも、このことにより、得られるコポリマー(A)の特性プロファイルを特に有利な方法で極めて広い範囲で変化させ、かつ本発明による分散液のそのつどの使用目的に好適に適合させることができるからである。有利には、ブロックコポリマー(A)の特性プロファイルが実質的に前記の(メタ)アクリレートモノマーにより決定され、その際、その他のモノマークラスに由来するモノマー(a)がこの特性プロファイルを有利な方法で広く、かつ適切に変えるようにモノマー(a)を選択する。特にこの方法でブロックコポリマー(A)中にブロックコポリマー(A)を親水化する官能基を組み込み、該コポリマーが水性媒体中で分散または溶解することができる。さらに、以下に記載する、場合により使用される架橋剤の相補的な反応性官能基により熱的な架橋反応を開始することができる反応性の官能基を組み込むことができる。さらにブロックコポリマー(A)に自己架橋性の特性を付与する官能基、たとえばN−メチロール基またはN−アルコキシメチル基を組み込むことができる。
【0051】
従って、ブロックコポリマー(A)は、以下に記載される、場合により使用される架橋剤の相補的な反応性官能基により熱的な架橋反応を開始することができる反応性官能基を少なくとも1つ、有利には少なくとも2つ有していてもよい。この場合、反応性の官能基はモノマー(a)を介してブロックコポリマー(A)中に組み込むか、またはその合成後に重合に類似の反応により導入することができる。
【0052】
適切な本発明により使用するべき、架橋反応を開始する相補的な反応性官能基の例は以下の概要にまとめられている。この概要中で、変項R5は置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表し、変項R6およびR7は、同じか、または異なったアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を表すか、または相互に結合して脂肪族またはヘテロ脂肪族環を形成する。この種の適切な基の例は前記でR1、R2、R3およびR4に関して記載した基である。
【0053】
【表1】
【0054】
そのつどの相補的な反応性官能基の選択は、一方では本発明による分散液を貯蔵する際に不所望の反応を開始しないか、かつ/または場合により行われる、本発明による分散液もしくは該分散液から製造される被覆材料、接着剤およびシーラントの、化学線による硬化が妨げられることがないことに、および他方ではどの温度範囲で熱硬化を行うべきかに合わせて調整する。
【0055】
この場合、特に熱に敏感な支持体、たとえばプラスチックの場合、本発明によれば100℃、特に80℃を越えない温度範囲を選択すると有利である。この範囲条件を考慮すると、ヒドロキシル基およびイソシアネート基またはカルボキシル基およびエポキシ基が相補的な反応性官能基として有利であることが判明し、従って本発明による、二成分系または多成分系として存在する分散液または被覆材料、接着剤およびシーラントが本発明により有利に適用される。
【0056】
より高い架橋温度、たとえば100〜180℃を適用する場合、反応性官能基が有利にチオ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルバメート基、アロファネート基、カルボキシ基および/または(メタ)アクリレート基、特にヒドロキシル基であり、かつ相補的な反応性官能基が有利に無水物基、カルボキシ基、エポキシ基、ブロックトイソシアネート基、ウレタン基、メチロール基、メチロールエーテル基、シロキサン基、アミノ基、ヒドロキシル基および/またはβ−ヒドロキシアルキルアミド基である一成分系もまた考えられる。
【0057】
ブロックコポリマー(A)または該コポリマーを用いて製造される本発明による分散液はしかしまた、架橋剤を用いずに塗膜を形成し、かつ有利な被覆材料、接着剤およびシーリングを形成することができる。この場合、ブロックコポリマー(A)または分散液は物理的に硬化する。本発明の範囲では物理的な硬化および前記の相補的な反応性官能基による硬化は、「熱硬化」の上位概念の下にまとめられる。
【0058】
有利には第一段階(i)で少なくとも1種のモノマー(b)を少なくとも1種の親水性モノマー(a)と反応させてコポリマーまたはマクロ開始剤とすることにより、ブロックコポリマー(A)を製造する。次いでこのコポリマーまたはこのマクロ開始剤(macroinitiator)をその単離後または直接、反応混合物中で、有利には直接反応混合物中で、少なくとももう1つの段階(ii)で少なくとも1種の別の、有利には疎水性のモノマー(a)と、ラジカル条件下で反応させる。有利にはラジカル重合開始剤の不存在下で反応を実施する。
【0059】
しかしその際、段階(i)および(ii)を反応器中で順番に行ってもよい。このためにまず、モノマー(b)を少なくとも1種のモノマー(a)と完全に、または部分的に所望の適用および所望の特性に依存して反応させ、このことにより少なくとも1種の別のモノマー(a)を添加し、かつラジカル重合する。もう1つの実施態様で最初から少なくとも2種類のモノマー(a)を使用し、その際、モノマー(b)をまず少なくとも2種類のモノマー(a)と反応させ、かつ引き続き得られた特定の分子量を上回るコポリマーを別のモノマー(a)と反応させる。
【0060】
有利には第一段階(i)で形成されるコポリマーまたはマクロ開始剤対別の段階(ii)の別のモノマー(a)の質量比は1:25〜5:1、有利には1:22〜4:1、特に有利には1:18〜3:1、殊に有利には1:16〜2:1およびとりわけ1:15〜1:1である。
【0061】
この場合、反応の実施に応じて、場合により末端基も官能化されているブロック−、マルチブロック(multiblock)−、勾配(コ)ポリマー−、星形−および分枝鎖構造を有するブロックコポリマー(A)を製造することが可能である。
【0062】
使用可能なラジカル重合の開始剤のための例として次のものがあげられる:ジアルキルペルオキシド、たとえばジ−t−ブチルペルオキシドまたはジクミルペルオキシド;ヒドロペルオキシド、たとえばクメンヒドロペルオキシドまたはt−ブチルヒドロペルオキシド;ペルエステル、たとえばt−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノエートまたはt−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート;カリウム−、ナトリウム−もしくはアンモニウムペルオキソジスルフェート;アゾジニトリル、たとえばアゾビスイソブチロニトリル;C−C−分解開始剤、たとえばベンズピナコールシリルエーテル;または非酸化性の開始剤と過酸化水素との組み合わせ。適切な開始剤のその他の例は、ドイツ特許出願DE19628142A1、第3、第49行目〜第4頁、第6行目に記載されている。
【0063】
有利には比較的大量のラジカル開始剤を添加し、その際、反応混合物における開始剤の割合は、そのつどモノマー(a)および(b)ならびに開始剤の全量に対して特に有利には0.5〜50質量%、殊に有利には1〜20質量%およびとりわけ2〜15質量%である。
【0064】
有利には開始剤対モノマー(b)の質量比は、4:1〜1:4、特に有利には3:1〜1:3およびとりわけ2:1〜1:2である。その他の利点は、開始剤を記載の範囲内で過剰量で使用する場合に生じる。
【0065】
二段もしくは多段のラジカル共重合もしくはブロック共重合は水性媒体中で実施する。
【0066】
水性媒体は実質的に水を含有する。この場合、水性媒体は、共重合に否定的な影響を与えたり、または妨げとなったり、かつ/または揮発性有機化合物の放出につながらない限り、副次的な量で以下に詳細に記載する添加剤および/またはその他の可溶性の固体、液体または気体状の、低分子および/または高分子の物質、特に塩基を含有していてもよい。本発明の範囲では、「副次的な量」という概念は、水性媒体の水性の特性を妨げない量であると理解する。しかしまた水性媒体は純粋な水であってもよい。
【0067】
適切な塩基の例は低分子の塩基、たとえば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−およびトリエチルアミン、および/またはジメチルエタノールアミン、特にアンモニアおよび/またはジ−および/またはトリエタノールアミンである。
【0068】
(共)重合法のための反応器として通例かつ公知の攪拌反応器、撹拌反応基カスケード、管型反応器、ループ型反応器またはテイラー型反応器が考えられ、これらはたとえば特許文献DE19828742A1またはEP0498583A1またはK. Kataokaの論文、Chemical Engineering Science、第50巻、第9号、1995年、第1409〜1416頁に記載されている。有利にはラジカル共重合を攪拌反応器またはテイラー型反応器中で実施し、その際、テイラー型反応器は、反応媒体の動粘度が共重合に基づいて著しく変化する、特に上昇する場合でも、すべての反応器長さでテイラー流の条件が満足されているように配置する(ドイツ特許出願DE19828742A1を参照のこと)。
【0069】
共重合は有利には室温を上回り、かつそのつど使用されるモノマーの最も低い分解温度を下回って実施し、その際、有利には10〜150℃、殊に有利には50〜120℃、およびとりわけ55〜110℃の温度範囲を選択する。
【0070】
特に易揮発性モノマー(a)および/または(b)を使用する場合、共重合は加圧下、特に1.5〜3000バールで、有利には5〜1500バールおよびとりわけ10〜1000バールで実施することができる。
【0071】
分子量分布に関して、ブロックコポリマー(A)は何の制限も受けない。しかし有利には分子量分布Mw/Mnが標準液としてポリスチレンを使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定して4以下、有利には特に2以下、およびとりわけ1.5以下、ならびに個別の事例では1.3以下となるように共重合を実施する。ブロックコポリマー(A)の分子量は、モノマー(a)対モノマー(b)対ラジカル開始剤の比率の選択により広い範囲で制御することができる。その際、特にモノマー(b)の含有率は分子量を決定し、しかもモノマー(b)の割合が大きいほど、得られる分子量は小さくなる。
【0072】
本発明による分散液における本発明により使用すべきブロックコポリマー(A)の割合は、極めて広い範囲で変化することができる。有利にはその割合はそのつど本発明による分散液の固体に対して、85〜99.9質量%、好ましくは88〜99.8質量%、特に有利には90〜99.7質量%、およびとりわけ92〜99.6質量%、殊に93〜99.5質量%である。
【0073】
本発明による分散液はブロックコポリマー(A)およびナノ粒子(B)以外に、さらに通例かつ公知の添加剤を含有していてもよい。その際、揮発性有機化合物ではないか、または該化合物を含有していない添加剤のみを使用する。さらに添加剤の選択は、本発明による分散液および被覆材料、接着剤およびシーラントが顔料着色されているべきであるか、どうかに応じて調整する。従って当業者はそのつどの個別の事例に関して最適な添加剤を自身の一般的な専門知識に基づいて、場合により方向付け実験を用いながら選択することができる。
【0074】
着色された本発明による分散液、被覆材料、接着剤およびシーラントのために適切な添加剤の例は、着色および/または効果を与える、蛍光、導電性および/または磁気遮蔽顔料、金属粉末、可溶性の有機着色剤および/または有機および無機の透明または不透明充填剤である。
【0075】
着色された、および着色されていない本発明による分散液、被覆材料、接着剤およびシーラントのために適切な添加剤の例は、架橋剤、その他の、ブロックコポリマー(A)とは異なる、熱または化学線により硬化可能なバインダー、吸収剤、光安定剤、たとえば紫外線吸収剤またはラジカル捕捉剤、脱気剤、スリップ助剤、重合抑制剤、架橋のための触媒、熱に不安定なラジカル開始剤、光重合開始剤、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、湿潤剤および分散剤、カップリング剤、レベリング剤、塗膜形成助剤、たれ調整剤(SCA)、レオロジー調整剤(増粘剤)、接着促進剤、レベリング剤、塗膜形成助剤、難燃剤、腐食防止剤、流動化助剤、ワックスおよび/またはつや消し剤である。
【0076】
添加剤は単独で、または混合物として適用することができる。
【0077】
適切な効果顔料の例は、金属フレーク顔料、たとえば市販のアルミニウムブロンズ、DE3636183A1によるクロム酸塩処理したアルミニウムブロンズ、および市販の特殊鋼ブロンズならびに非金属の効果顔料、たとえば真珠光沢もしくは干渉顔料、ピンク色から赤褐色の色調を有している酸化鉄ベースのフレーク状の効果顔料、または液晶の効果顔料である。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第176頁、"Effektpigmente"および第380および381頁、"Metalloxid-Glimmer-Pigmente"から"Metallpigmente"および特許出願および特許DE3636156A1、DE3718446A1、DE3719804A1、DE3930601A1、EP0068311A1、EP0264843A1、EP0265820A1、EP0283852A1、EP0293746A1、EP0417567A1、US4,828,826AまたはUS5,244,649Aを参照のこと。
【0078】
適切な無機の着色顔料の例は白色顔料、たとえば二酸化チタン、亜鉛白、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、たとえばカーボンブラック、鉄マンガン黒またはスピネル黒;着色顔料、たとえば酸化クロム、酸化クロム水和物緑、コバルトグリーンまたはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットまたはコバルト−およびマンガンバイオレット、酸化鉄赤、カドミウムスルホセレニド、モリブデン赤またはウルトラマリンレッド;酸化鉄茶、ミックスブラウン、スピネル−およびコランダム相またはクロムオレンジ;または酸化鉄黄、ニッケルチタン黄、クロムチタン黄、硫化カドミウム、硫化亜鉛カドミウム、クロム黄またはビスマスバナジン酸塩である。
【0079】
適切な有機の着色顔料の例は、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリンブラックである。
【0080】
補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第180および181頁、"Eisenblau-Pigmente"から"Eisenoxidschwarz"、第451〜453頁、"Pigmente"から"Pigmentvolumenkonzentration"、第563頁、"Thioindigo-Pigmente"、第567頁、"Titandioxid-Pigmente"、第400および467頁、"Natuerlich vorkommende Pigmente"、第459頁、"Polycyclische Pigmente"、第52頁、"Azomethin-Pigmente"、および第379頁、"Metallkomplex-Pigmente"を参照のこと。
【0081】
蛍光顔料(昼光蛍光顔料)の例はビス(アゾメチン)顔料である。
【0082】
適切な導電性顔料の例は、二酸化チタン/酸化スズ顔料である。
【0083】
磁気遮閉顔料の例は、酸化鉄または二酸化クロムをベースとする顔料である。
【0084】
適切な金属粉末の例は金属および金属合金アルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズまたは真鍮からなる粉末である。
【0085】
適切な可溶性の有機着色剤は本発明による粉体塗料および該塗料から製造される被覆からの移行の傾向が少ないか、またはその傾向を有していない耐光性の有機着色剤である。移行傾向は当業者が自身の一般的な専門知識に基づいて評価し、かつ/または容易な方向付け前試験により、たとえば着色試験の範囲で確認することができる。
【0086】
適切な有機および無機充填剤の例は、白亜、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩、たとえばタルク、雲母またはカオリン、ケイ酸、酸化物、たとえば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムまたは有機充填剤、たとえばプラスチック粉末、特にポリアミドまたはポリアクリルニトリルである。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第250頁以降、"Fuellstoffe"を参照のこと。
【0087】
有利には本発明による粉体塗料から製造される被覆の耐引掻性を改善すべき場合には雲母およびタルクを使用する。
【0088】
さらにフレーク状の無機充填剤、たとえばタルクまたは雲母およびフレーク状でない無機充填剤、たとえば白亜、ドロマイト、硫酸カルシウムまたは硫酸バリウムの混合物を使用することが有利である。というのは、このことにより粘度および流動性を極めて良好に調整することができるからである。
【0089】
二成分系または多成分系のために適切な架橋剤の例はポリイソシアネートである。
【0090】
ポリイソシアネートは分子あたり、統計学的に平均して少なくとも2.0、有利には2.0以上、および特に3.0以上のイソシアネート基を有する。イソシアネート基の数は原則として上限はない;しかし本発明によれば15、有利には12、特に有利には10、殊に有利には8.0およびとりわけ6.0の数を超えない場合が有利である。
【0091】
適切なポリイソシアネートの例は、ポリオールと過剰量のジイソシアネートとの反応により製造することができ、かつ有利には粘度の低いイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーである。
【0092】
適切なジイソシアネートの例はイソホロンジイソシアネート(=5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン)、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブト−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロブタン、1,3−ジイソシアナトシクロブタン、1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネートまたは二量体酸から誘導されるジイソシアネート、たとえばHenkel社から商品名DDI1410で市販されているもの、および特許文献WO97/49745およびWO97/49747に記載されているもの、特に2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチル−シクロヘキサンまたは1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(2−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−イソシアナトプロピ−1−イル)シクロヘキサン、1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(4−イソシアナトブチ−1−イル)シクロヘキサンまたはトランス/トランス−含有率30質量%以下、有利には25質量%以下、および特に20質量%以下の液状のビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、たとえば特許出願DE4414032A1、GB1220717A1、DE1618795A1またはDE1793785A1に記載されているもの、有利にはイソホロンジイソシアネート、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−シクロヘキサンまたはHDI、特にHDIである。
【0093】
通例かつ公知の方法により前記のジイソシアネートから製造されるイソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、尿素基、カルボジイミド基および/またはウレトジオン基を有するポリイソシアネートを使用することもできる。適切な製造方法およびポリイソシアネートの例は、たとえば特許文献CA2,163,591A、US−A−4,419,513、US4,454,317A、EP0646608A、US4,801,675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5,258,482A1、US5,290,902A1、EP0649806A1、DE4229183A1またはEP0531820A1から公知である。
【0094】
適切な架橋剤の別の例は、ブロックトポリイソシアネートである。
【0095】
ブロックトポリイソシアネートを製造するための適切なブロック剤の例はUS特許文献US4,444,954AまたはUS5,972,189Aから公知のブロック剤、たとえば次のものである:
i)フェノール、たとえばフェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、これらの酸のエステルまたは2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;
ii)ラクタム、たとえばε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムまたはβ−プロピオラクタム;
iii)活性のメチレン化合物、たとえばジエチルマロネート、ジメチルマロネート、アセト酢酸エチルエステルまたはアセト酢酸メチルエステルまたはアセチルアセトン;
iv)アルコール、たとえばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール、2−(−ヒドロキシエトキシフェノール、2−(ヒドロキシプロポキシ)フェノール、グリコール酸、グリコール酸エステル、乳酸、乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−シクロヘキシルジメタノールまたはアセトシアンヒドリン;
v)メルカプタン、たとえばブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノールまたはエチルチオフェノール;
vi)酸アミド、たとえばアセトアニリド、アセトアニシジンアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミドまたはベンズアミド;
vii)イミド、たとえばスクシンイミド、フタルイミドまたはマレイミド;
viii)アミン、たとえばジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、
ジブチルアミンまたはブチルフェニルアミン;
ix)イミダゾール、たとえばイミダゾールまたは2−エチルイミダゾール;
x)尿素、たとえば尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素または1,3−ジフェニル尿素;
xi)カルバメート、たとえばN−フェニルカルバミン酸フェニルエステルまたは2−オキサゾリドン;
xii)イミン、たとえばエチレンイミン;
xiii)オキシム、たとえばアセトンオキシム、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジイソブチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムまたはクロロヘキサノンオキシム;
xiv)亜硫酸の塩、たとえば重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸カリウム;
xv)ヒドロキサム酸エステル、たとえばベンジルメタクリロヒドロキサメート(BMH)またはアリルメタクリロヒドロキサメート;または
xvi)置換されたピラゾール、ケトキシム、イミダゾールまたはトリアゾール;ならびに
xvii)これらのブロック剤の混合物、特にジメチルピラゾールおよびトリアゾール、マロンエステルおよびアセト酢酸エステル、ジメチルピラゾールおよびスクシンイミドまたはブチルジグリコールおよびトリメチロールプロパン。
【0096】
適切な架橋剤の別の例はすべての公知の脂肪族および/または環式脂肪族および/または芳香族の低分子、オリゴマーおよび高分子のポリエポキシド、たとえばビスフェノール−Aまたはビスフェノール−Fをベースとするものである。ポリエポキシドとしてたとえばShell社から商品名Epikote (R)で市販されてるもの、Nagase Chemicals Ltd(日本)の商品名Denacol (R)のポリエポキシド、たとえばDenacol EX-411(ペンタエリトリットポリグリシジルエーテル)、Denacol EX-321(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル)、Denacol EX-512(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)およびDenacol EX-521(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)またはトリメリト酸もしくはトリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)のグリシジルエステルもまた適切である。
【0097】
架橋剤として一般式
【0098】
【化1】
のトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン(TACT)を使用することもできる。
【0099】
適切なトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン(B)の例は、特許文献US4,939,213A、US5,084,541AまたはEP0624577A1に記載されている。特にトリス(メトキシ−、トリス(ブトキシ−および/またはトリス(2−エチルヘキソキシカルボニルアミノ)トリアジンを使用する。
【0100】
有利であるのはメチル−ブチル−混合エステル、ブチル−2−エチルヘキシル−混合エステルおよびブチルエステルである。これらは純粋なメチルエステルに対して、ポリマー溶融液中でのより良好な溶解度の利点を有し、かつ晶出の傾向が小さい。
【0101】
さらにアミノプラスト樹脂、たとえばメラミン樹脂を架橋剤として使用することができる。この場合、透明なトップコートまたはクリアコートのために適切なすべてのアミノプラスト樹脂またはこのようなアミノプラスト樹脂の混合物を使用することができる。特に、そのメチロール−および/またはメトキシメチル基が部分的にカルバメート基もしくはアロファネート基により脱官能化されている通例かつ公知のアミノプラスト樹脂が考えられる。この種の架橋剤は特許文献US4,710,542AおよびEP0245700B1ならびにB. Singhおよび共同執筆者による論文、"Carbamylmethylated Melamines、Novel Crosslinkers for the Coatings Industry"、Advanced Organic Coatings Science and Technology Series、1991年、第13巻、第193〜207頁に記載されている。アミノプラスト樹脂はバインダー(C)として適用することもできる。
【0102】
適切な架橋剤の別の例はβ−ヒドロキシアルキルアミド、たとえばN,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミドまたはN,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)アジパミドである。
【0103】
さらにカルボン酸、特に分子中に3〜20個の炭素原子を有する飽和の直鎖状脂肪族ジカルボン酸、特にドデカンジ酸を使用することができる。
【0104】
適切な架橋剤の別の例は、シロキサン、特に少なくとも1つのトリアルコキシ−またはジアルコキシシラン基を有するシロキサンである。
【0105】
具体的にどの架橋剤を適用するかは、ブロックコポリマー(A)中に含有されている相補的な反応性官能基に合わせて調整する。
【0106】
化学線により硬化可能なその他の適切なバインダーの例は、(メタ)アクリル官能性(メタ)アクリルコポリマー、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アミノアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート、イソシアナトアクリレートおよび相応するメタクリレートである。有利には、芳香族の構造単位を有していないバインダーを使用する。従って有利にはウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはポリエステル(メタ)アクリレート、特に有利には脂肪族ウレタンアクリレートを使用する。化学線により硬化可能な適切な添加剤の例はドイツ特許DE19709467C1から公知である。
【0107】
熱硬化性のその他の適切なバインダーの例は、前記の反応性官能基を含有している、直鎖状および/または分枝鎖状および/またはブロック状、くし形および/またはランダムに構成されたポリ(メタ)アクリレートまたはアクリレートコポリマー、ポリエステル、アルキド、ポリウレタン、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシド樹脂−アミン−付加物、(メタ)アクリレートジオール、部分的にけん化したポリビニルまたはポリ尿素である。
【0108】
熱硬化性の適切な反応性希釈剤は立体異性のジエチルオクタンジオールまたはヒドロキシル基を有する超分枝鎖状の化合物またはデンドリマーであり、たとえばこれらは特許出願DE19809643A1、DE19840605A1またはDE19805421A1に記載されている。
【0109】
化学線により硬化可能な適切な反応性希釈剤の例は、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第491頁、"Reaktivverduenner"に記載されている。
【0110】
熱に不安定な適切なラジカル開始剤の例は、有機過酸化物、有機アゾ化合物またはC−C−分解開始剤、たとえばジアルキルペルオキシド、ペルオキソカルボン酸、ペルオキソジカーボネート、ペルオキシドエステル、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、アゾジニトリルまたはベンズピナコールシリルエーテルである。
【0111】
架橋のために適切な触媒の例は、ビスマスラクテート、−シトレート、−エチルヘキサノエートまたは−ジメチロールプロピオネート、ジブチルスズジラウレート、リチウムデカノエートまたはジンクオクトエート、アミンでブロックされた有機スルホン酸、第四級アンモニウム化合物、アミン、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体、たとえば2−スチリルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールおよび2−ブチルイミダゾール、たとえばベルギー特許第756,693に記載されているもの、またはホスホニウム触媒、たとえばエチルトリフェニルホスホニウムヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート、エチルトリフェニルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体、テトラブチルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムブロミドおよびテトラブチルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体、たとえばUS特許文献3,477,990AまたはUS3,341,580Aに記載されているものである。
【0112】
適切な光重合開始剤の例はRoempp Lexikon、第9版改訂版、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、第4巻、1991年、またはRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1998年、第444〜446頁に記載されている。
【0113】
適切な酸化防止剤の例はヒドラジンおよびリン化合物である。
【0114】
適切な光安定剤の例はHALS化合物、ベンズトリアゾールまたはオキサルアニリドである。
【0115】
適切なラジカル捕捉剤および重合抑制剤の例は有機ホスファイトまたは2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体である。
【0116】
適切な脱気剤の例はジアザジシクロウンデカンまたはベンゾインである。
【0117】
適切な接着促進剤の例はトリシクロデカンジメタノールである。
【0118】
適切な塗膜形成助剤の例はセルロース誘導体である。
【0119】
適切なレオロジー調節剤(C)の例は特許文献WO94/22968、EP−A0276501、EP−A0249201またはWO97/12945から公知である;架橋した高分子のマイクロ粒子、たとえばEP−A0008127に開示されている粒子;無機層状ケイ酸塩、たとえばモンモリロナイトタイプのアルミニウム−マグネシウム−ケイ酸塩、ナトリウム−マグネシウム−およびナトリウム−マグネシウム−フッ素−リチウム−層状ケイ酸塩;ケイ酸、たとえばアエロジル;またはイオン性および/または会合性の作用を有する基を有する合成ポリマー、たとえばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン酸無水物−もしくはエチレン−マレイン酸無水物−コポリマーおよびこれらの誘導体または疎水性に変性されたエトキシル化ウレタンまたはポリアクリレート。
【0120】
前記の添加剤ならびにその他の添加剤のための別の例は、Johan Bielemanによる教科書"Lackadditive"、Wiley-VCH、Weinheim、New York、1998年に記載されている。
【0121】
前記のブロックコポリマー(A)およびナノ粒子(B)ならびに場合により少なくとも1種の前記の添加剤からの本発明による分散液の製造は、任意の適切な方法で行うことができる。有利には本発明による分散液は本発明による方法を用いて製造する。
【0122】
本発明による方法は、前記の通り、ブロックコポリマー(A)の分散液の製造から出発する。この分散液に次いで少なくとも1種、特に1種の前記の親水性ナノ粒子(B)を分散させる。
【0123】
有利には分散導入のために、揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有していない、少なくとも1種、特に1種の親水性ナノ粒子(B)の水性分散液を製造する。この目的のためにナノ粒子(B)を水性媒体中で湿式粉砕により分散させる。粉砕のために通例かつ公知の装置、たとえば攪拌ミルまたは実験室用ミルを使用し、その際、通例かつ公知の粉砕媒体、たとえばガラスビーズを使用する。引き続き両方の水性分散液(A)および(B)を所望の量比で相互に混合し、その際、通例かつ公知の装置、たとえば攪拌機、溶解機、インライン−溶解機、攪拌ミル、実験室用ミルまたはウルトラツラックスを適用することができる。有利には得られる本発明による分散液をその目的に応じた使用の前に濾過する。
【0124】
本発明による分散液は被覆材料、接着剤およびシーラントとして、またはこれらの製造のために好適である。本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントにより揮発性有機化合物を放出することなく、有利な適用技術的特性を有する被覆、接着およびシーリングが得られる。
【0125】
本発明による分散液は被覆材料として、またはその製造のために特別な利点を有する。本発明による被覆材料はサーフェイサー、ストーンガードプライマー、水性ベースコート、ソリッドカラーコートまたはクリアコートとして使用することができる。これらの本発明による被覆材料により、揮発性有機化合物を放出することなく、有利な応用技術的特性を有する優れたサーフェイサーコーティング、ベースコーティングまたはクリアコーティングならびに着色および/または効果を与える多層コーティングが得られる。本発明による被覆材料はクリアコートとしてのその使用において特別な利点を示す。
【0126】
方法的に本発明による被覆材料、接着剤またはシーラントの適用は特別なところはなく、すべての通例の適用方法、たとえば噴霧、ナイフ塗布、刷毛塗り、流し塗り、浸漬、散布またはロール塗布により行うことができる。
【0127】
熱ならびに場合により化学線を用いて支持体の上またはその中に存在する層の硬化により損傷されないすべての支持体、たとえば金属、プラスチック、木材、セラミック、石材、テキスタイル、繊維複合材、皮革、ガラス、ガラス繊維、ガラスウールおよび石綿、鉱物−および樹脂結合した建築材料、たとえば石膏およびセメント板または屋根瓦、ならびにこれらの材料すべての複合材が適切である。
【0128】
従って本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントは、自動車の車体および部材、屋内および屋外領域での建築構造、ドア、窓および家具の塗装、接着およびシーリングのために、ならびにコイル、コンテナ、電気工学部材、たとえばエンジンコイルまたは変圧器コイルおよび家庭用器機、ボイラーおよびラジエータを含む白色被覆を含む工業用塗装の分野での物品の塗装、接着および封止のために使用することができる。
【0129】
導電性の支持体の場合、通例かつ公知の方法で電着塗装(ETL)により製造されるプライマーを使用することができる。このためにアノード電着塗料(ATL)もカソード電着塗料(KTL)も使用することができるが、特にKLTを使用する。
【0130】
ABS、AMMA、ASA、CA、CAB、EP、UF、CF、MF、MPF、PF、PAN、PA、PE、HDPE、LDPE、LLDPE、UHMWPE、PC、PC/PBT、PC/PA、PET、PMMA、PP、PS、SB、PUR、PVC、RF、SAN、PBT、PPE、POM、PUR−RIM、SMC、BMC、PP−EPDMおよびUP(略号はDIN7728T1による)からなる、下塗りしたプラスチック部材または下塗りしていないプラスチック部材もまた塗装、接着または封止することができる。官能化されていない、および/または無極性の支持体表面の場合、該表面を被覆する前に公知の方法で前処理、たとえばプラズマまたは火炎により処理するか、または水性プライマーを施与することができる。
【0131】
適用した本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントの硬化もまた、体系的に特別なところはなく、通例かつ公知の熱的な方法、たとえば換気炉中での加熱またはIRランプによる照射により行い、これは化学線による照射により補うことができる(デュアル・キュア)。この場合、照射源、たとえば405nmまでの放射窓を開くために場合により鉛をドープした水銀高圧ランプまたは水銀定圧ランプ、または電子線源を適用することができる。
【0132】
得られる本発明による被覆、特に本発明による単層もしくは多層の着色および/または効果を与えるコーティングおよびクリアコーティングは、容易に製造することができ、かつ極端な気候条件下でも優れた光学的特性を有し、かつ極めて高い化学薬品耐性および耐候性ならびに耐引掻性を有する。従ってこれらは屋内および屋外領域で使用可能である。
【0133】
本発明による接着剤およびシーラントから製造された本発明による接着層およびシーリングもまた、極端な気候条件下で優れた接着力および封止力を、長期にわたって有する。これらもまた屋内および屋外領域で使用可能である。
【0134】
従って本発明による下塗りした、および下塗りしていない、少なくとも1種の本発明による被覆により被覆した、少なくとも1種の本発明によるシーラントで封止した、および/または少なくとも1種の本発明による接着剤で接着した支持体、特に自動車および有用車両の車体、プラスチック部材を含む工業用の部材、パッキング、コイル、白色の物品および電気工学部材、または家具は特別な技術的および経済的利点により、特に長い耐用時間により優れており、このことによってこれらは適用者にとって魅力的なものとなる。
【0135】
実施例
製造例1
コポリマー(マクロ開始剤)の製造
分散液の製造のために通常使用される、攪拌機、還流冷却器および3つの供給容器を備えたスチール製の反応器に、脱イオン水1591.1質量部を装入し、かつ70℃に加熱した。第一の供給容器中にアクリル酸308.2質量部、メチルメタクリレート555.2質量部およびジフェニルエチレン45.2質量部を装入した。第二の供給容器中に25%濃度のアンモニア溶液300.1質量部を装入した。第三の供給容器中に脱イオン水159質量部およびアンモニウムペルオキソジスルフェート68.2質量部を装入した。スチール製反応器中の内容物を強力に撹拌しながら3つの供給流を同時に開始した。第一および第二の供給流を4時間以内に計量供給した。第三の供給流は4.5時間以内に計量供給した。得られる反応混合物を4時間、70℃に維持し、かつ引き続き40℃に冷却し、かつ100μmのGAF−バグフィルターにより濾別した。得られる分散液は固体含有率33質量%(1時間、130℃)および遊離モノマーの含有率0.2質量%未満(ガスクロマトグラフィーにより測定)を有していた。
【0136】
該分散液をブロックコポリマー(A)の製造のために使用した。
【0137】
製造例2
ブロックコポリマー(A)の分散液の製造
分散液の製造のために通常使用される、攪拌機、還流冷却器および1つの供給容器を備えたスチール製の反応器に、脱イオン水1361.7質量部および製造例1による分散液240質量部を装入し、かつ撹拌下で75℃に加熱した。その後、供給容器から6時間以内に、n−ブチルメタクリレート260質量部、スチレン208質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート334質量部およびエチルヘキシルメタクリレート234.4質量部からなる混合物を計量供給した。得られる反応混合物を75℃で2時間、攪拌した。引き続き、得られる分散液を40℃に冷却し、かつ50μm−GAF−バグフィルターにより濾別した。分散液(A)は、固体含有率42.3質量%(1時間、130℃)および遊離モノマーの含有率0.2質量%未満(ガスクロマトグラフィーにより測定)を有していた。
【0138】
製造例3
ナノ粒子(B)の水性分散液の製造
熱分解法二酸化ケイ素(Degussa社のアエロジル(R)150)100質量部を脱イオン水600質量部中でガラスビーズ(SAZビーズ、1.6〜2.5mm、前処理済み)1060質量部を用いて30分間粉砕した。引き続きガラスビーズを分離した。
【0139】
例1
本発明による分散液の製造
製造例3の水性分散液(B)135質量部および製造例2の分散液(A)900質量部を実験室用ミル中で、ガラスビーズ(SAZビーズ、1.6〜2.5mm、前処理済み)1725質量部を用いて1.5時間粉砕した。引き続きガラスビーズを分離し、かつ得られる分散液を30μmのふるいにより濾過した。
【0140】
本発明による分散液は数ヶ月にわたって貯蔵安定性であり、かつ問題なく輸送することができた。該分散液は被覆材料、接着剤またはシーラントとして使用することができた。該分散液は容易に適用することができ、かつ優れたレベリングを示した。垂直面でも材料のたれは生じなかった。
【0141】
例2
本発明による分散液のクリアコートとしての使用
例の本発明による分散液をボックス型のナイフを用いてガラス板上に適用した。得られる湿った塗膜を140℃で20分間焼き付けた。得られるクリアコーティングは厚さ40μm、均質なレベリング、平滑な表面、高い光沢および高い透明度を有していた。該クリアコーティングは濁り、斑点およびゆず肌構造、クレータまたはピンホールのような表面欠陥を有していなかった。
【0142】
耐引掻性を当業者に公知のAmtec−試験を用いて本発明による多層コーティングを室温で7日間老化した後に測定した。光沢度(20゜)は20低下した。
【0143】
化学薬品耐性を当業者に公知のMB−勾配炉(gradient oven)試験を用いて室温で72時間のクリアコーティングの老化後に測定した。その際、1%濃度の硫酸は50℃で、パンクレアチンは48℃で、樹木の樹脂は60℃で、および脱イオン水は70℃以上で初めて最初のマーキングが生じた。
【0001】
本発明は揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液に関する。さらに本発明は揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液の新規の製造方法に関する。さらに本発明は、新規の被覆材料、接着剤およびシーラントとしての揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない新規の水性分散液の使用またはその製造に関する。特に本発明は、自動車の車体および部材、屋内および屋外領域での建築構造、ドア、窓および家具の塗装、接着およびシーリングのため、ならびにコイル、コンテナ、電気工学部材および白色の物品を含む工業用塗装の分野での塗装、接着およびシーリングのための新規の被覆材料、接着剤およびシーラントに関する。
【0002】
水性媒体中、一段階もしくは多段階で
a)オレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)(a)のオレフィン性不飽和モノマーとは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができるコポリマーの分散液の、被覆材料、特に水性ベースコート(ドイツ特許出願DE19930665A1を参照のこと)、サーフェイサーおよびストーンガードプライマー(ドイツ特許出願DE19930067A1を参照のこと)およびクリアコート(ドイツ特許出願DE19930664A1を参照のこと)中でのバインダーとしての使用が公知である。これらの分散液は揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない。これらは二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムをベースとする透明な充填材を含有していてもよく、これはたとえばRoempp Lexikon "Lacke und Druckfarben"、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第250〜252頁、"Fuellstoffe"に記載されている。透明充填材を具体的にはどのように配合すべきであるかはドイツ特許明細書には記載されていない。
【0003】
ドイツ特許出願DE19930665A1から公知の水性ベースコートおよびここから製造されるベースコーティングならびにドイツ特許出願DE19930067A1から公知のサーフェイサーおよびストーンガードプライマーおよびここから製造されるコーティングは優れた適用技術的な特性を有する。しかし水性ベースコート、サーフェイサーおよびストーンガードプライマーの適用挙動はさらに改善しなくてはならない。
【0004】
ドイツ特許出願DE19930664A1から公知のクリアコートおよびここから製造されるクリアコーティングは同様に優れた応用技術的な特性を有する。しかしクリアコートの適用挙動およびクリアコーティングの耐引掻性はさらに改善しなくてはならない。
【0005】
酸化アルミニウム、二酸化ケイ素および酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子は自体公知である。通常、該粒子はアルコール、たとえばイソプロパノール、ケトン、たとえばメチルイソブチルケトン中または化学線により硬化することができるモノマー中での分散液の形で分散させる。しかしアルコールまたはケトン中の分散液を使用する場合、ふたたび易揮発性の有機化合物が水性被覆材料、接着剤およびシーラント中に導入される。これに対してモノマーをベースとする分散液は水性の被覆材料、接着剤およびシーラント中に配合することができない。
【0006】
本出願の時点で未公開のドイツ特許出願DE10106567.1およびDE10106566.3には、モノマー(a)および(b)をミニエマルション中でラジカル共重合することにより製造されるコポリマーの水性分散液をベースとする水性被覆材料が記載されている。たしかにこの分散液は揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない。しかしミニエマルションの製造および安定化のために比較的大量の非揮発性の超疎水性有機化合物を使用しなくてはならず、該化合物は最終的に被覆材料およびここから製造される被覆の特性プロファイルに影響を与える。分散液はナノ粒子を含有していてもよいが、これは特に詳細に説明されていない。さらにナノ粒子をどのようにして分散液に配合すべきかは記載されていない。
【0007】
本発明の課題は、濁り、斑点または凝集物が生じることなく、比較的大量のナノ粒子を水性分散液中に安定させて導入して分散させることである。さらに本発明の課題は揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有しておらず、濁り、斑点または凝集物を生じることなく比較的大量のナノ粒子を含有し、容易に適用可能な被覆材料、接着剤およびシーラントとして、またはこれらの製造のために使用することができる新規の水性分散液を提供することである。新規の、揮発性有機成分を含有していないか、またはほぼ含有していない被覆材料、接着剤またはシーラントは、耐引掻性で、靭性で、応力亀裂もしくは乾燥亀裂を生じない被覆材料、接着剤およびシールを生じ、その際、揮発性有機化合物(VOC)が放出されない。さらに新規の、揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有していない水性分散液は容易な方法で製造することができるべきである。
【0008】
これに応じて新規の、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液が判明し、該分散液は
(A)水性媒体中、二段階もしくは多段階で
a)親水性もしくは疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができるブロックコポリマー少なくとも1種および
(B)親水性のナノ粒子
を含有する。
【0009】
以下では新規の、揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を略して「本発明による分散液」とよぶ。
【0010】
さらに揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を製造するための方法が判明し、該方法では、
(1)(A)水性媒体中、二段階もしくは多段階で
a)親水性もしくは疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種および
b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種
をラジカル共重合することにより製造することができるブロックコポリマー少なくとも1種を含有する、揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液少なくとも1種を
(2)親水性ナノ粒子少なくとも1種と混合する。
【0011】
以下では揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有していない水性分散液を製造するための新規の方法を略して「本発明による方法」とよぶ。
【0012】
さらなる本発明の対象は記載から明らかになる。
【0013】
従来技術を考慮すると、本発明の根底にある課題を、本発明による分散液および本発明による方法により解決することができたことは意外であり、かつ当業者が予測できるものではなかった。特にナノ粒子を容易な方法で通例の有機溶剤またはモノマーを使用することなく、従来可能であったよりも大量に水性分散液中に配合することができ、その際、濁り、斑点または凝集物が生じないことが意外であった。さらに意外であったのは、本発明による分散液の、被覆材料、接着剤またはシーラントとしての、およびこれらを製造するための幅広い使用可能性であった。本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントは容易に適用することができる。特に本発明による被覆材料はこの場合、均一なレベリングを示し、かつ耐引掻性で靭性の被覆を生じ、この被覆は表面欠陥および応力亀裂および乾燥亀裂を示さない。特に意外であったのは、本発明による被覆、接着剤およびシーラントの化学薬品耐性および耐候性であった。
【0014】
本発明の範囲で「揮発性有機成分を完全に、またはほぼ含有しない」とは、本発明による分散液およびナノ粒子もしくはその水性分散液が、分散液に対して2質量%未満、有利には1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満および特に有利には0.1質量%未完の含有率を有することを意味する。特にこの含有率はガスクロマトグラフィーによる検出限界を下回る。
【0015】
「親水性」および「疎水性」の概念に関しては、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York、1998年、第294頁、"Hydrophilie"ならびに第294および295頁、"Hydrophobie"を参照されたい。
【0016】
化学線とは、電磁線、たとえば近赤外線、可視光、紫外線またはX線、特に紫外線、あるいは粒子線、たとえば電子線であると理解する。
【0017】
本発明による分散液は本質的な成分として親水性ナノ粒子を含有する。
【0018】
有利にはナノ粒子は、50nm未満、有利には5〜50nm、特に10〜30nmの一次粒径を有する二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび遷移金属、有利にはモリブデンおよびタングステンのポリ酸およびヘテロポリ酸をベースとするナノ粒子からなる群から選択される。有利には親水性ナノ粒子はつや消し効果を有していない。特に有利には二酸化ケイ素をベースとするナノ粒子を使用する。
【0019】
特に有利には、多孔質ではなく、その凝集物および凝集体が鎖状の構造を有している親水性の熱分解法シリカおよび酸水素炎中での四塩化珪素の火炎加水分解により製造されるシリカを使用する。これらはたとえばDegussa社から商品名Aerosil(R)で市販されている。特に有利には沈降水ガラス、たとえばナノヘクトライト、たとえばSuedchemie社から商品名Optigel(R)で、またはLaporte社から商品名Laponite(R)で市販されているものを使用する。
【0020】
本発明による分散液におけるナノ粒子(B)の含有率は、広い範囲で変化してもよく、かつ個別の事例の要求に適合させる。有利にはその含有率は、そのつど本発明による分散液の固体に対して、0.1〜20質量%、有利には0.2〜15質量%、特に有利には0.3〜12質量%、殊に有利には0.4〜10質量%およびとりわけ0.5〜8質量%である。
【0021】
本発明による分散液の別の本質的な成分は、少なくとも1種のブロックコポリマー(A)である。
【0022】
ブロックコポリマー(A)は、二段階もしくは多段階で、特に二段で、親水性および疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー(a)少なくとも1種をラジカル共重合することにより製造することができる。
【0023】
適切な親水性モノマー(a)は、
(f1)中和剤によりアニオンに変えることができる官能基およびアニオン基、
または
(f2)中和剤および/または四級化剤によりカチオンに変えることができる官能基およびカチオン基
および
(f3)非イオン性の親水基
からなる群から選択される官能基(f)を少なくとも1つ、特に1つ有する。
【0024】
有利には官能基(f1)はカルボン酸基、スルホン酸基およびホスホン酸基、酸性の硫酸−およびリン酸エステル基ならびにカルボキシレート−、スルホネート−、ホスホネート−、スルフェートエステル−およびホスフェートエステル基からなる群から選択し、官能基(f2)は第一、第二および第三アミノ基、第一、第二、第三および第四アンモニウム基、第四ホスホニウム基および第三スルホニウム基からなる群から選択し、かつ官能基(f3)はω−ヒドロキシ−およびω−アルコキシ−ポリ(アルキレンオキシド)−1−イル基からなる群から選択する。
【0025】
官能基(f1)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸;オレフィン性不飽和スルホン酸またはホスホン酸、またはこれらの部分エステル;またはマレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルまたはフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、特にアクリル酸およびメタクリル酸である。
【0026】
官能基(f2)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は2−アミノエチルアクリレートおよび−メタクリレートまたはアリルアミンである。
【0027】
官能基(f3)を有する適切な親水性モノマー(a)の例は、ω−ヒドロキシ−もしくはω−メトキシ−ポリエチレンオキシド−1−イル、ω−メトキシ−ポリプロピレンオキシド−1−イル−もしくはω−メトキシ−ポリ(エチレンオキシド−コポリプロピレンオキシド)−1−イル−アクリレートもしくは−メタクリレートである。
【0028】
親水性モノマー(a)を選択する際には、官能基(f1)を有する親水性モノマー(a)と官能基(f2)を有する親水性モノマー(a)とを相互に組み合わせないように注意すべきである。というのは、これは不溶性の塩および高分子電解質錯体の形成につながりうるからである。これに対して官能基(f1)を有するか、または官能基(f2)を有する親水性モノマー(a)と、官能基(f3)を有する親水性モノマー(a)とは任意で組み合わせることができる。
【0029】
前記の親水性モノマー(a)の中から官能基(f1)を有するモノマー(a)が特に有利に使用される。
【0030】
この場合、有利にはアニオンに変えることができる官能基(f1)のための中和剤はアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリフェニルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノメチルプロパノール、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンからなる群から選択し、かつカチオンに変えることができる官能基(f2)のための中和剤を硫酸、塩酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびクエン酸からなる群から選択する。
【0031】
適切な疎水性のオレフィン性不飽和モノマー(a)の例は、
(1)アルキル基中に20個までの炭素原子を有するオレフィン性不飽和酸のほぼ酸基不含のエステル、たとえば(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−、エタクリル酸−、ビニルホスホン酸−もしくはビニルスルホン酸アルキル−もしくは−シクロアルキルエステル、特にメチル−、エチル−、プロピル−、n−ブチル−、s−ブチル−、t−ブチル−、ヘキシル−、エチルヘキシル−、ステアリル−およびラウリルアクリレート、−メタクリレート、−クロトネート、−エタクリレートもしくは−ビニルホスホネートまたはビニルスルホネート;環式脂肪族の(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−、エタクリル酸−、ビニルホスホン酸−もしくはビニルスルホン酸エステル、特にシクロヘキシル−、イソボルニル−、ジシクロペンタジエニル−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−メタノール−もしくはt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、−クロトネート、−エタクリレート、−ビニルホスホネートまたはビニルスルホネート。これらは副次的な量で高官能性(メタ)アクリル酸−、クロトン酸−もしくはエタクリル酸アルキル−もしくは−シクロアルキルエステル、たとえばエチレングリコール−、プロピレングリコール−、ジエチレングリコール−、ジプロピレングリコール−、ブチレングリコール−、ペンタン−1,5−ジオール−、ヘキサン−1,6−ジオール−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−またはシクロヘキサン−1,2−、−1,3−もしくは−1,4−ジオール−ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;またはペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレートならびに類似のエタクリレートまたはクロトネートを含有していてもよい。本発明の範囲ではこの場合、副次的な量の高官能性モノマー(1)とは、ブロックコポリマー(A)の架橋もしくはゲル化を生じない量であると理解する。というのも、該コポリマーは架橋したマイクロゲル粒子の形で存在すべきだからである。
【0032】
(2)分子あたり少なくとも1つのヒドロキシル基またはヒドロキシメチルアミノ基を有し、かつほぼ酸基不含のモノマー、たとえば
− ヒドロキシアルキル基がその中で炭素原子を20個まで有するα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸およびエタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえば2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシプロピル−、3−ヒドロキシブチル−、4−ヒドロキシブチルアクリレート、−メタクリレートもしくは−エタクリレート;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノール−もしくはメチルプロパンジオールモノアクリレート、−モノメタクリレート、−モノエタクリレートもしくは−モノクロトネート;または環式エステルからなる反応生成物、たとえばε−カプロラクタムおよびこれらのヒドロキシアルキルエステル;
− オレフィン性不飽和アルコール、たとえばアリルアルコール;
− ポリオールのアリルエーテル、たとえばトリメチロールプロパンモノアリルエーテルまたはペンタエリトリットモノ−、−ジ−もしくは−トリアリルエーテル。これらの高官能性モノマー(1)は一般に副次的な量で使用するのみである。本発明の範囲ではこの場合、副次的な量の高官能性モノマーとは、ブロックコポリマー(A)の架橋またはゲル化を生じない量であると理解する。というのは、該コポリマーは架橋したマイクロゲル粒子の形で存在すべきだからである;
分子中に5〜18個の炭素原子を有するα−位で分岐したモノカルボン酸のグリシジルエステルとα,β−オレフィン性カルボン酸との反応生成物。アクリル酸またはメタクリル酸と、第三α−炭素原子を有するカルボン酸のグリシジルエステルとの反応は、重合反応の前、その間もしくはその後で行うことができる。有利には成分(a1)としてアクリル酸および/またはメタクリル酸とバーサチック(R)酸のグリシジルエステルとの反応生成物を使用する。このグリシジルエステルはCardura (R) E10の商品名で市販されている。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第605〜606頁を参照のこと;
− α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステルおよびα,β−不飽和カルボン酸アミドのホルムアルデヒド付加物、たとえばN−メチロール−およびN,N−ジメチロール−アミノエチルアクリレート、−アミノエチルメタクリレート、−アクリルアミドおよび−メタクリルアミド;ならびに
− アクリルオキシシラン基およびヒドロキシル基を有するオレフィン性不飽和モノマー、これはヒドロキシ官能性シランとエピクロロヒドリンとの反応および引き続き該中間生成物とα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸およびメタクリル酸、またはこれらのヒドロキシアルキルエステルとの反応により製造される;
(3)分子中に5〜18個の炭素原子を有するα−位で分岐したモノカルボン酸のビニルエステル、たとえば商品名VeoVa(R)で市販されているVersatic(R)酸のビニルエステル;
(4)環式および/または非環式のオレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、ブト−1−エン、ペント−1−エン、ヘキセ−1−エン、シクロヘキセン、シクロペンテン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエン;
(5)α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアミド、たとえば(メタ)アクリル酸アミド、N−メチル−、N,N−ジメチル−、N−エチル−、N,N−ジエチル−、N−プロピル−、N,N−ジプロピル、N−ブチル−、N,N−ジブチル−および/またはN,N−シクロヘキシル−メチル−(メタ)アクリル酸アミド;
(6)エポキシ基を有するモノマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸のグリシジルエステル;
(7)ビニル芳香族炭化水素、たとえばスチレン、ビニルトルエンまたはα−アルキルスチレン、特にα−メチルスチレン;
(8)ニトリル、たとえばアクリルニトリルおよび/またはメタクリルニトリル;
(9)ビニルハロゲン化物、たとえば塩化ビニル、フッ化ビニル、二塩化ビニリデン、二フッ化ビニリデン;ビニルアミド、たとえばN−ビニルピロリドン;ビニルエーテル、たとえばエチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルおよびビニルシクロヘキシルエーテル;ならびにビニルエステル、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルからなる群から選択される化合物;
(10)アリルエーテルおよび−エステルからなる群から選択されるアリル化合物、たとえばプロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテルまたはアリルアセテートまたはアリルプロピオネート;これは高官能性モノマーに該当し、同様に前記が該当する;
(11)数平均分子量Mn1000〜40000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5有するポリシロキサンマクロモノマー、たとえば数平均分子量Mn1000〜40000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5有するポリシロキサンマクロモノマー、特に数平均分子量Mn2000〜20000、特に有利には2500〜10000およびとりわけ3000〜7000および平均して1分子あたりエチレン性不飽和二重結合を0.5〜2.5、有利には0.5〜1.5有するポリシロキサンマクロモノマー、これらはたとえはDE3807571A1、第5〜7頁、DE3706095A1、第3〜7欄、EP0358153B1、第3〜6頁、US4,754,014A1、第5〜9欄、DE4421823A1または国際特許出願WO92/22615、第12頁、第18行目から第18頁、第10行目に記載されている。
【0033】
(12)カルバメート基またはアロファネート基を有するモノマー、たとえばアクリロイルオキシ−またはメタクリロイルオキシエチル−、プロピル−もしくはブチルカルバメートもしくは−アロファネート;カルバメート基を有する好適なモノマーの別の例は、特許文献US3,479,328A1、US3,674,838A1、US4,126,747A1、US4,279,833A1またはUS4,340,497A1に記載されている。
【0034】
モノマー(b)として一般式Iの化合物を使用する。
【0035】
一般式I中で基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す。
【0036】
適切なアルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシルまたは2−エチルヘキシルである。
【0037】
適切なシクロアルキル基の例は、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0038】
適切なアルキルシクロアルキル基の例は、メチレンシクロヘキサン、エチレンシクロヘキサンまたはプロパン−1,3−ジイル−シクロヘキサンである。
【0039】
適切なシクロアルキルアルキル基の例は、2−、3−もしくは4−メチル−、−エチル−、−プロピル−もしくは−ブチルシクロヘキシ−1−イルである。
【0040】
適切なアリール基の例は、フェニル、ナフチルまたはビフェニルである。
【0041】
適切なアルキルアリール基の例は、ベンジルまたはエチレン−もしくはプロパン−1,3−ジイル−ベンゼンである。
【0042】
適切なシクロアルキルアリール基の例は2−、3−もしくは4−フェニルシクロヘキシ−1−イルである。
【0043】
適切なアリールアルキル基の例は、2−、3−もしくは4−メチル−、−エチル−、−プロピル−もしくは−ブチルフェン−1−イルである。
【0044】
適切なアリールシクロアルキル基の例は2−、3−もしくは4−シクロヘキシルフェン−1−イルである。
【0045】
前記の基R1、R2、R3およびR4は置換されていてもよい。このために電子吸引性または電子供与性の原子または有機基を使用することができる。
【0046】
適切な置換基の例はハロゲン原子、特に塩素およびフッ素、ニトリル基、ニトロ基、部分的に、もしくは完全にハロゲン化された、特に塩素化および/またはフッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基およびアリールシクロアルキル基、その際、前記で例示したもの、特にt−ブチルを含む;アリールオキシ基、アルキルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基、特にフェノキシ、ナフトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシまたはシクロヘキシルオキシ;アリールチオ基、アルキルチオ基およびシクロアルキルチオ基、特にフェニルチオ基、ナフチルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基またはシクロヘキシルチオ;ヒドロキシ基;および/または第一、第二および/または第三アミノ基、特にアミノ、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−フェニルアミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N,N−ジシクロヘキシルアミノ、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノまたはN−エチル−N−メチルアミノである。
【0047】
本発明により特に有利に使用されるモノマー(b)の例はジフェニルエチレン、ジナフタリンエチレン、シス−もしくはトランス−スチルベン、ビニリデン−ビス(4−N,N−ジメチルアミノベンゼン)、ビニリデン−ビス(4−アミノベンゼン)またはビニリデン−ビス(4−ニトロベンゼン)である。
【0048】
本発明によればモノマー(b)は単独で、または少なくとも2種類のモノマー(b)からなる混合物として使用することができる。
【0049】
反応の実施および得られるブロックコポリマー(A)の特性を考慮するとジフェニルエチレンが特に有利であり、かつ従って本発明により特に有利に使用される。
【0050】
前記のモノマー(a)はそれぞれ自体単独でモノマー(b)と重合することができる。しかし本発明によれば、少なくとも2種類のモノマー(a)を使用することが有利である。というのも、このことにより、得られるコポリマー(A)の特性プロファイルを特に有利な方法で極めて広い範囲で変化させ、かつ本発明による分散液のそのつどの使用目的に好適に適合させることができるからである。有利には、ブロックコポリマー(A)の特性プロファイルが実質的に前記の(メタ)アクリレートモノマーにより決定され、その際、その他のモノマークラスに由来するモノマー(a)がこの特性プロファイルを有利な方法で広く、かつ適切に変えるようにモノマー(a)を選択する。特にこの方法でブロックコポリマー(A)中にブロックコポリマー(A)を親水化する官能基を組み込み、該コポリマーが水性媒体中で分散または溶解することができる。さらに、以下に記載する、場合により使用される架橋剤の相補的な反応性官能基により熱的な架橋反応を開始することができる反応性の官能基を組み込むことができる。さらにブロックコポリマー(A)に自己架橋性の特性を付与する官能基、たとえばN−メチロール基またはN−アルコキシメチル基を組み込むことができる。
【0051】
従って、ブロックコポリマー(A)は、以下に記載される、場合により使用される架橋剤の相補的な反応性官能基により熱的な架橋反応を開始することができる反応性官能基を少なくとも1つ、有利には少なくとも2つ有していてもよい。この場合、反応性の官能基はモノマー(a)を介してブロックコポリマー(A)中に組み込むか、またはその合成後に重合に類似の反応により導入することができる。
【0052】
適切な本発明により使用するべき、架橋反応を開始する相補的な反応性官能基の例は以下の概要にまとめられている。この概要中で、変項R5は置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表し、変項R6およびR7は、同じか、または異なったアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を表すか、または相互に結合して脂肪族またはヘテロ脂肪族環を形成する。この種の適切な基の例は前記でR1、R2、R3およびR4に関して記載した基である。
【0053】
【表1】
【0054】
そのつどの相補的な反応性官能基の選択は、一方では本発明による分散液を貯蔵する際に不所望の反応を開始しないか、かつ/または場合により行われる、本発明による分散液もしくは該分散液から製造される被覆材料、接着剤およびシーラントの、化学線による硬化が妨げられることがないことに、および他方ではどの温度範囲で熱硬化を行うべきかに合わせて調整する。
【0055】
この場合、特に熱に敏感な支持体、たとえばプラスチックの場合、本発明によれば100℃、特に80℃を越えない温度範囲を選択すると有利である。この範囲条件を考慮すると、ヒドロキシル基およびイソシアネート基またはカルボキシル基およびエポキシ基が相補的な反応性官能基として有利であることが判明し、従って本発明による、二成分系または多成分系として存在する分散液または被覆材料、接着剤およびシーラントが本発明により有利に適用される。
【0056】
より高い架橋温度、たとえば100〜180℃を適用する場合、反応性官能基が有利にチオ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルバメート基、アロファネート基、カルボキシ基および/または(メタ)アクリレート基、特にヒドロキシル基であり、かつ相補的な反応性官能基が有利に無水物基、カルボキシ基、エポキシ基、ブロックトイソシアネート基、ウレタン基、メチロール基、メチロールエーテル基、シロキサン基、アミノ基、ヒドロキシル基および/またはβ−ヒドロキシアルキルアミド基である一成分系もまた考えられる。
【0057】
ブロックコポリマー(A)または該コポリマーを用いて製造される本発明による分散液はしかしまた、架橋剤を用いずに塗膜を形成し、かつ有利な被覆材料、接着剤およびシーリングを形成することができる。この場合、ブロックコポリマー(A)または分散液は物理的に硬化する。本発明の範囲では物理的な硬化および前記の相補的な反応性官能基による硬化は、「熱硬化」の上位概念の下にまとめられる。
【0058】
有利には第一段階(i)で少なくとも1種のモノマー(b)を少なくとも1種の親水性モノマー(a)と反応させてコポリマーまたはマクロ開始剤とすることにより、ブロックコポリマー(A)を製造する。次いでこのコポリマーまたはこのマクロ開始剤(macroinitiator)をその単離後または直接、反応混合物中で、有利には直接反応混合物中で、少なくとももう1つの段階(ii)で少なくとも1種の別の、有利には疎水性のモノマー(a)と、ラジカル条件下で反応させる。有利にはラジカル重合開始剤の不存在下で反応を実施する。
【0059】
しかしその際、段階(i)および(ii)を反応器中で順番に行ってもよい。このためにまず、モノマー(b)を少なくとも1種のモノマー(a)と完全に、または部分的に所望の適用および所望の特性に依存して反応させ、このことにより少なくとも1種の別のモノマー(a)を添加し、かつラジカル重合する。もう1つの実施態様で最初から少なくとも2種類のモノマー(a)を使用し、その際、モノマー(b)をまず少なくとも2種類のモノマー(a)と反応させ、かつ引き続き得られた特定の分子量を上回るコポリマーを別のモノマー(a)と反応させる。
【0060】
有利には第一段階(i)で形成されるコポリマーまたはマクロ開始剤対別の段階(ii)の別のモノマー(a)の質量比は1:25〜5:1、有利には1:22〜4:1、特に有利には1:18〜3:1、殊に有利には1:16〜2:1およびとりわけ1:15〜1:1である。
【0061】
この場合、反応の実施に応じて、場合により末端基も官能化されているブロック−、マルチブロック(multiblock)−、勾配(コ)ポリマー−、星形−および分枝鎖構造を有するブロックコポリマー(A)を製造することが可能である。
【0062】
使用可能なラジカル重合の開始剤のための例として次のものがあげられる:ジアルキルペルオキシド、たとえばジ−t−ブチルペルオキシドまたはジクミルペルオキシド;ヒドロペルオキシド、たとえばクメンヒドロペルオキシドまたはt−ブチルヒドロペルオキシド;ペルエステル、たとえばt−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノエートまたはt−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート;カリウム−、ナトリウム−もしくはアンモニウムペルオキソジスルフェート;アゾジニトリル、たとえばアゾビスイソブチロニトリル;C−C−分解開始剤、たとえばベンズピナコールシリルエーテル;または非酸化性の開始剤と過酸化水素との組み合わせ。適切な開始剤のその他の例は、ドイツ特許出願DE19628142A1、第3、第49行目〜第4頁、第6行目に記載されている。
【0063】
有利には比較的大量のラジカル開始剤を添加し、その際、反応混合物における開始剤の割合は、そのつどモノマー(a)および(b)ならびに開始剤の全量に対して特に有利には0.5〜50質量%、殊に有利には1〜20質量%およびとりわけ2〜15質量%である。
【0064】
有利には開始剤対モノマー(b)の質量比は、4:1〜1:4、特に有利には3:1〜1:3およびとりわけ2:1〜1:2である。その他の利点は、開始剤を記載の範囲内で過剰量で使用する場合に生じる。
【0065】
二段もしくは多段のラジカル共重合もしくはブロック共重合は水性媒体中で実施する。
【0066】
水性媒体は実質的に水を含有する。この場合、水性媒体は、共重合に否定的な影響を与えたり、または妨げとなったり、かつ/または揮発性有機化合物の放出につながらない限り、副次的な量で以下に詳細に記載する添加剤および/またはその他の可溶性の固体、液体または気体状の、低分子および/または高分子の物質、特に塩基を含有していてもよい。本発明の範囲では、「副次的な量」という概念は、水性媒体の水性の特性を妨げない量であると理解する。しかしまた水性媒体は純粋な水であってもよい。
【0067】
適切な塩基の例は低分子の塩基、たとえば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−およびトリエチルアミン、および/またはジメチルエタノールアミン、特にアンモニアおよび/またはジ−および/またはトリエタノールアミンである。
【0068】
(共)重合法のための反応器として通例かつ公知の攪拌反応器、撹拌反応基カスケード、管型反応器、ループ型反応器またはテイラー型反応器が考えられ、これらはたとえば特許文献DE19828742A1またはEP0498583A1またはK. Kataokaの論文、Chemical Engineering Science、第50巻、第9号、1995年、第1409〜1416頁に記載されている。有利にはラジカル共重合を攪拌反応器またはテイラー型反応器中で実施し、その際、テイラー型反応器は、反応媒体の動粘度が共重合に基づいて著しく変化する、特に上昇する場合でも、すべての反応器長さでテイラー流の条件が満足されているように配置する(ドイツ特許出願DE19828742A1を参照のこと)。
【0069】
共重合は有利には室温を上回り、かつそのつど使用されるモノマーの最も低い分解温度を下回って実施し、その際、有利には10〜150℃、殊に有利には50〜120℃、およびとりわけ55〜110℃の温度範囲を選択する。
【0070】
特に易揮発性モノマー(a)および/または(b)を使用する場合、共重合は加圧下、特に1.5〜3000バールで、有利には5〜1500バールおよびとりわけ10〜1000バールで実施することができる。
【0071】
分子量分布に関して、ブロックコポリマー(A)は何の制限も受けない。しかし有利には分子量分布Mw/Mnが標準液としてポリスチレンを使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定して4以下、有利には特に2以下、およびとりわけ1.5以下、ならびに個別の事例では1.3以下となるように共重合を実施する。ブロックコポリマー(A)の分子量は、モノマー(a)対モノマー(b)対ラジカル開始剤の比率の選択により広い範囲で制御することができる。その際、特にモノマー(b)の含有率は分子量を決定し、しかもモノマー(b)の割合が大きいほど、得られる分子量は小さくなる。
【0072】
本発明による分散液における本発明により使用すべきブロックコポリマー(A)の割合は、極めて広い範囲で変化することができる。有利にはその割合はそのつど本発明による分散液の固体に対して、85〜99.9質量%、好ましくは88〜99.8質量%、特に有利には90〜99.7質量%、およびとりわけ92〜99.6質量%、殊に93〜99.5質量%である。
【0073】
本発明による分散液はブロックコポリマー(A)およびナノ粒子(B)以外に、さらに通例かつ公知の添加剤を含有していてもよい。その際、揮発性有機化合物ではないか、または該化合物を含有していない添加剤のみを使用する。さらに添加剤の選択は、本発明による分散液および被覆材料、接着剤およびシーラントが顔料着色されているべきであるか、どうかに応じて調整する。従って当業者はそのつどの個別の事例に関して最適な添加剤を自身の一般的な専門知識に基づいて、場合により方向付け実験を用いながら選択することができる。
【0074】
着色された本発明による分散液、被覆材料、接着剤およびシーラントのために適切な添加剤の例は、着色および/または効果を与える、蛍光、導電性および/または磁気遮蔽顔料、金属粉末、可溶性の有機着色剤および/または有機および無機の透明または不透明充填剤である。
【0075】
着色された、および着色されていない本発明による分散液、被覆材料、接着剤およびシーラントのために適切な添加剤の例は、架橋剤、その他の、ブロックコポリマー(A)とは異なる、熱または化学線により硬化可能なバインダー、吸収剤、光安定剤、たとえば紫外線吸収剤またはラジカル捕捉剤、脱気剤、スリップ助剤、重合抑制剤、架橋のための触媒、熱に不安定なラジカル開始剤、光重合開始剤、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、湿潤剤および分散剤、カップリング剤、レベリング剤、塗膜形成助剤、たれ調整剤(SCA)、レオロジー調整剤(増粘剤)、接着促進剤、レベリング剤、塗膜形成助剤、難燃剤、腐食防止剤、流動化助剤、ワックスおよび/またはつや消し剤である。
【0076】
添加剤は単独で、または混合物として適用することができる。
【0077】
適切な効果顔料の例は、金属フレーク顔料、たとえば市販のアルミニウムブロンズ、DE3636183A1によるクロム酸塩処理したアルミニウムブロンズ、および市販の特殊鋼ブロンズならびに非金属の効果顔料、たとえば真珠光沢もしくは干渉顔料、ピンク色から赤褐色の色調を有している酸化鉄ベースのフレーク状の効果顔料、または液晶の効果顔料である。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第176頁、"Effektpigmente"および第380および381頁、"Metalloxid-Glimmer-Pigmente"から"Metallpigmente"および特許出願および特許DE3636156A1、DE3718446A1、DE3719804A1、DE3930601A1、EP0068311A1、EP0264843A1、EP0265820A1、EP0283852A1、EP0293746A1、EP0417567A1、US4,828,826AまたはUS5,244,649Aを参照のこと。
【0078】
適切な無機の着色顔料の例は白色顔料、たとえば二酸化チタン、亜鉛白、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、たとえばカーボンブラック、鉄マンガン黒またはスピネル黒;着色顔料、たとえば酸化クロム、酸化クロム水和物緑、コバルトグリーンまたはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットまたはコバルト−およびマンガンバイオレット、酸化鉄赤、カドミウムスルホセレニド、モリブデン赤またはウルトラマリンレッド;酸化鉄茶、ミックスブラウン、スピネル−およびコランダム相またはクロムオレンジ;または酸化鉄黄、ニッケルチタン黄、クロムチタン黄、硫化カドミウム、硫化亜鉛カドミウム、クロム黄またはビスマスバナジン酸塩である。
【0079】
適切な有機の着色顔料の例は、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリンブラックである。
【0080】
補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第180および181頁、"Eisenblau-Pigmente"から"Eisenoxidschwarz"、第451〜453頁、"Pigmente"から"Pigmentvolumenkonzentration"、第563頁、"Thioindigo-Pigmente"、第567頁、"Titandioxid-Pigmente"、第400および467頁、"Natuerlich vorkommende Pigmente"、第459頁、"Polycyclische Pigmente"、第52頁、"Azomethin-Pigmente"、および第379頁、"Metallkomplex-Pigmente"を参照のこと。
【0081】
蛍光顔料(昼光蛍光顔料)の例はビス(アゾメチン)顔料である。
【0082】
適切な導電性顔料の例は、二酸化チタン/酸化スズ顔料である。
【0083】
磁気遮閉顔料の例は、酸化鉄または二酸化クロムをベースとする顔料である。
【0084】
適切な金属粉末の例は金属および金属合金アルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズまたは真鍮からなる粉末である。
【0085】
適切な可溶性の有機着色剤は本発明による粉体塗料および該塗料から製造される被覆からの移行の傾向が少ないか、またはその傾向を有していない耐光性の有機着色剤である。移行傾向は当業者が自身の一般的な専門知識に基づいて評価し、かつ/または容易な方向付け前試験により、たとえば着色試験の範囲で確認することができる。
【0086】
適切な有機および無機充填剤の例は、白亜、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩、たとえばタルク、雲母またはカオリン、ケイ酸、酸化物、たとえば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムまたは有機充填剤、たとえばプラスチック粉末、特にポリアミドまたはポリアクリルニトリルである。補足的にRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第250頁以降、"Fuellstoffe"を参照のこと。
【0087】
有利には本発明による粉体塗料から製造される被覆の耐引掻性を改善すべき場合には雲母およびタルクを使用する。
【0088】
さらにフレーク状の無機充填剤、たとえばタルクまたは雲母およびフレーク状でない無機充填剤、たとえば白亜、ドロマイト、硫酸カルシウムまたは硫酸バリウムの混合物を使用することが有利である。というのは、このことにより粘度および流動性を極めて良好に調整することができるからである。
【0089】
二成分系または多成分系のために適切な架橋剤の例はポリイソシアネートである。
【0090】
ポリイソシアネートは分子あたり、統計学的に平均して少なくとも2.0、有利には2.0以上、および特に3.0以上のイソシアネート基を有する。イソシアネート基の数は原則として上限はない;しかし本発明によれば15、有利には12、特に有利には10、殊に有利には8.0およびとりわけ6.0の数を超えない場合が有利である。
【0091】
適切なポリイソシアネートの例は、ポリオールと過剰量のジイソシアネートとの反応により製造することができ、かつ有利には粘度の低いイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーである。
【0092】
適切なジイソシアネートの例はイソホロンジイソシアネート(=5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン)、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブト−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロブタン、1,3−ジイソシアナトシクロブタン、1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネートまたは二量体酸から誘導されるジイソシアネート、たとえばHenkel社から商品名DDI1410で市販されているもの、および特許文献WO97/49745およびWO97/49747に記載されているもの、特に2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチル−シクロヘキサンまたは1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(2−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−イソシアナトプロピ−1−イル)シクロヘキサン、1,2−、1,4−もしくは1,3−ビス(4−イソシアナトブチ−1−イル)シクロヘキサンまたはトランス/トランス−含有率30質量%以下、有利には25質量%以下、および特に20質量%以下の液状のビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、たとえば特許出願DE4414032A1、GB1220717A1、DE1618795A1またはDE1793785A1に記載されているもの、有利にはイソホロンジイソシアネート、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピ−1−イル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエチ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブチ−1−イル)−シクロヘキサンまたはHDI、特にHDIである。
【0093】
通例かつ公知の方法により前記のジイソシアネートから製造されるイソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、尿素基、カルボジイミド基および/またはウレトジオン基を有するポリイソシアネートを使用することもできる。適切な製造方法およびポリイソシアネートの例は、たとえば特許文献CA2,163,591A、US−A−4,419,513、US4,454,317A、EP0646608A、US4,801,675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5,258,482A1、US5,290,902A1、EP0649806A1、DE4229183A1またはEP0531820A1から公知である。
【0094】
適切な架橋剤の別の例は、ブロックトポリイソシアネートである。
【0095】
ブロックトポリイソシアネートを製造するための適切なブロック剤の例はUS特許文献US4,444,954AまたはUS5,972,189Aから公知のブロック剤、たとえば次のものである:
i)フェノール、たとえばフェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、これらの酸のエステルまたは2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;
ii)ラクタム、たとえばε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムまたはβ−プロピオラクタム;
iii)活性のメチレン化合物、たとえばジエチルマロネート、ジメチルマロネート、アセト酢酸エチルエステルまたはアセト酢酸メチルエステルまたはアセチルアセトン;
iv)アルコール、たとえばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール、2−(−ヒドロキシエトキシフェノール、2−(ヒドロキシプロポキシ)フェノール、グリコール酸、グリコール酸エステル、乳酸、乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−シクロヘキシルジメタノールまたはアセトシアンヒドリン;
v)メルカプタン、たとえばブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノールまたはエチルチオフェノール;
vi)酸アミド、たとえばアセトアニリド、アセトアニシジンアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミドまたはベンズアミド;
vii)イミド、たとえばスクシンイミド、フタルイミドまたはマレイミド;
viii)アミン、たとえばジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、
ジブチルアミンまたはブチルフェニルアミン;
ix)イミダゾール、たとえばイミダゾールまたは2−エチルイミダゾール;
x)尿素、たとえば尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素または1,3−ジフェニル尿素;
xi)カルバメート、たとえばN−フェニルカルバミン酸フェニルエステルまたは2−オキサゾリドン;
xii)イミン、たとえばエチレンイミン;
xiii)オキシム、たとえばアセトンオキシム、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジイソブチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムまたはクロロヘキサノンオキシム;
xiv)亜硫酸の塩、たとえば重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸カリウム;
xv)ヒドロキサム酸エステル、たとえばベンジルメタクリロヒドロキサメート(BMH)またはアリルメタクリロヒドロキサメート;または
xvi)置換されたピラゾール、ケトキシム、イミダゾールまたはトリアゾール;ならびに
xvii)これらのブロック剤の混合物、特にジメチルピラゾールおよびトリアゾール、マロンエステルおよびアセト酢酸エステル、ジメチルピラゾールおよびスクシンイミドまたはブチルジグリコールおよびトリメチロールプロパン。
【0096】
適切な架橋剤の別の例はすべての公知の脂肪族および/または環式脂肪族および/または芳香族の低分子、オリゴマーおよび高分子のポリエポキシド、たとえばビスフェノール−Aまたはビスフェノール−Fをベースとするものである。ポリエポキシドとしてたとえばShell社から商品名Epikote (R)で市販されてるもの、Nagase Chemicals Ltd(日本)の商品名Denacol (R)のポリエポキシド、たとえばDenacol EX-411(ペンタエリトリットポリグリシジルエーテル)、Denacol EX-321(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル)、Denacol EX-512(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)およびDenacol EX-521(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)またはトリメリト酸もしくはトリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)のグリシジルエステルもまた適切である。
【0097】
架橋剤として一般式
【0098】
【化1】
のトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン(TACT)を使用することもできる。
【0099】
適切なトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン(B)の例は、特許文献US4,939,213A、US5,084,541AまたはEP0624577A1に記載されている。特にトリス(メトキシ−、トリス(ブトキシ−および/またはトリス(2−エチルヘキソキシカルボニルアミノ)トリアジンを使用する。
【0100】
有利であるのはメチル−ブチル−混合エステル、ブチル−2−エチルヘキシル−混合エステルおよびブチルエステルである。これらは純粋なメチルエステルに対して、ポリマー溶融液中でのより良好な溶解度の利点を有し、かつ晶出の傾向が小さい。
【0101】
さらにアミノプラスト樹脂、たとえばメラミン樹脂を架橋剤として使用することができる。この場合、透明なトップコートまたはクリアコートのために適切なすべてのアミノプラスト樹脂またはこのようなアミノプラスト樹脂の混合物を使用することができる。特に、そのメチロール−および/またはメトキシメチル基が部分的にカルバメート基もしくはアロファネート基により脱官能化されている通例かつ公知のアミノプラスト樹脂が考えられる。この種の架橋剤は特許文献US4,710,542AおよびEP0245700B1ならびにB. Singhおよび共同執筆者による論文、"Carbamylmethylated Melamines、Novel Crosslinkers for the Coatings Industry"、Advanced Organic Coatings Science and Technology Series、1991年、第13巻、第193〜207頁に記載されている。アミノプラスト樹脂はバインダー(C)として適用することもできる。
【0102】
適切な架橋剤の別の例はβ−ヒドロキシアルキルアミド、たとえばN,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミドまたはN,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)アジパミドである。
【0103】
さらにカルボン酸、特に分子中に3〜20個の炭素原子を有する飽和の直鎖状脂肪族ジカルボン酸、特にドデカンジ酸を使用することができる。
【0104】
適切な架橋剤の別の例は、シロキサン、特に少なくとも1つのトリアルコキシ−またはジアルコキシシラン基を有するシロキサンである。
【0105】
具体的にどの架橋剤を適用するかは、ブロックコポリマー(A)中に含有されている相補的な反応性官能基に合わせて調整する。
【0106】
化学線により硬化可能なその他の適切なバインダーの例は、(メタ)アクリル官能性(メタ)アクリルコポリマー、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アミノアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート、イソシアナトアクリレートおよび相応するメタクリレートである。有利には、芳香族の構造単位を有していないバインダーを使用する。従って有利にはウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはポリエステル(メタ)アクリレート、特に有利には脂肪族ウレタンアクリレートを使用する。化学線により硬化可能な適切な添加剤の例はドイツ特許DE19709467C1から公知である。
【0107】
熱硬化性のその他の適切なバインダーの例は、前記の反応性官能基を含有している、直鎖状および/または分枝鎖状および/またはブロック状、くし形および/またはランダムに構成されたポリ(メタ)アクリレートまたはアクリレートコポリマー、ポリエステル、アルキド、ポリウレタン、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシド樹脂−アミン−付加物、(メタ)アクリレートジオール、部分的にけん化したポリビニルまたはポリ尿素である。
【0108】
熱硬化性の適切な反応性希釈剤は立体異性のジエチルオクタンジオールまたはヒドロキシル基を有する超分枝鎖状の化合物またはデンドリマーであり、たとえばこれらは特許出願DE19809643A1、DE19840605A1またはDE19805421A1に記載されている。
【0109】
化学線により硬化可能な適切な反応性希釈剤の例は、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第491頁、"Reaktivverduenner"に記載されている。
【0110】
熱に不安定な適切なラジカル開始剤の例は、有機過酸化物、有機アゾ化合物またはC−C−分解開始剤、たとえばジアルキルペルオキシド、ペルオキソカルボン酸、ペルオキソジカーボネート、ペルオキシドエステル、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、アゾジニトリルまたはベンズピナコールシリルエーテルである。
【0111】
架橋のために適切な触媒の例は、ビスマスラクテート、−シトレート、−エチルヘキサノエートまたは−ジメチロールプロピオネート、ジブチルスズジラウレート、リチウムデカノエートまたはジンクオクトエート、アミンでブロックされた有機スルホン酸、第四級アンモニウム化合物、アミン、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体、たとえば2−スチリルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールおよび2−ブチルイミダゾール、たとえばベルギー特許第756,693に記載されているもの、またはホスホニウム触媒、たとえばエチルトリフェニルホスホニウムヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート、エチルトリフェニルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体、テトラブチルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムブロミドおよびテトラブチルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体、たとえばUS特許文献3,477,990AまたはUS3,341,580Aに記載されているものである。
【0112】
適切な光重合開始剤の例はRoempp Lexikon、第9版改訂版、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、第4巻、1991年、またはRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1998年、第444〜446頁に記載されている。
【0113】
適切な酸化防止剤の例はヒドラジンおよびリン化合物である。
【0114】
適切な光安定剤の例はHALS化合物、ベンズトリアゾールまたはオキサルアニリドである。
【0115】
適切なラジカル捕捉剤および重合抑制剤の例は有機ホスファイトまたは2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体である。
【0116】
適切な脱気剤の例はジアザジシクロウンデカンまたはベンゾインである。
【0117】
適切な接着促進剤の例はトリシクロデカンジメタノールである。
【0118】
適切な塗膜形成助剤の例はセルロース誘導体である。
【0119】
適切なレオロジー調節剤(C)の例は特許文献WO94/22968、EP−A0276501、EP−A0249201またはWO97/12945から公知である;架橋した高分子のマイクロ粒子、たとえばEP−A0008127に開示されている粒子;無機層状ケイ酸塩、たとえばモンモリロナイトタイプのアルミニウム−マグネシウム−ケイ酸塩、ナトリウム−マグネシウム−およびナトリウム−マグネシウム−フッ素−リチウム−層状ケイ酸塩;ケイ酸、たとえばアエロジル;またはイオン性および/または会合性の作用を有する基を有する合成ポリマー、たとえばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン酸無水物−もしくはエチレン−マレイン酸無水物−コポリマーおよびこれらの誘導体または疎水性に変性されたエトキシル化ウレタンまたはポリアクリレート。
【0120】
前記の添加剤ならびにその他の添加剤のための別の例は、Johan Bielemanによる教科書"Lackadditive"、Wiley-VCH、Weinheim、New York、1998年に記載されている。
【0121】
前記のブロックコポリマー(A)およびナノ粒子(B)ならびに場合により少なくとも1種の前記の添加剤からの本発明による分散液の製造は、任意の適切な方法で行うことができる。有利には本発明による分散液は本発明による方法を用いて製造する。
【0122】
本発明による方法は、前記の通り、ブロックコポリマー(A)の分散液の製造から出発する。この分散液に次いで少なくとも1種、特に1種の前記の親水性ナノ粒子(B)を分散させる。
【0123】
有利には分散導入のために、揮発性有機化合物を含有していないか、またはほぼ含有していない、少なくとも1種、特に1種の親水性ナノ粒子(B)の水性分散液を製造する。この目的のためにナノ粒子(B)を水性媒体中で湿式粉砕により分散させる。粉砕のために通例かつ公知の装置、たとえば攪拌ミルまたは実験室用ミルを使用し、その際、通例かつ公知の粉砕媒体、たとえばガラスビーズを使用する。引き続き両方の水性分散液(A)および(B)を所望の量比で相互に混合し、その際、通例かつ公知の装置、たとえば攪拌機、溶解機、インライン−溶解機、攪拌ミル、実験室用ミルまたはウルトラツラックスを適用することができる。有利には得られる本発明による分散液をその目的に応じた使用の前に濾過する。
【0124】
本発明による分散液は被覆材料、接着剤およびシーラントとして、またはこれらの製造のために好適である。本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントにより揮発性有機化合物を放出することなく、有利な適用技術的特性を有する被覆、接着およびシーリングが得られる。
【0125】
本発明による分散液は被覆材料として、またはその製造のために特別な利点を有する。本発明による被覆材料はサーフェイサー、ストーンガードプライマー、水性ベースコート、ソリッドカラーコートまたはクリアコートとして使用することができる。これらの本発明による被覆材料により、揮発性有機化合物を放出することなく、有利な応用技術的特性を有する優れたサーフェイサーコーティング、ベースコーティングまたはクリアコーティングならびに着色および/または効果を与える多層コーティングが得られる。本発明による被覆材料はクリアコートとしてのその使用において特別な利点を示す。
【0126】
方法的に本発明による被覆材料、接着剤またはシーラントの適用は特別なところはなく、すべての通例の適用方法、たとえば噴霧、ナイフ塗布、刷毛塗り、流し塗り、浸漬、散布またはロール塗布により行うことができる。
【0127】
熱ならびに場合により化学線を用いて支持体の上またはその中に存在する層の硬化により損傷されないすべての支持体、たとえば金属、プラスチック、木材、セラミック、石材、テキスタイル、繊維複合材、皮革、ガラス、ガラス繊維、ガラスウールおよび石綿、鉱物−および樹脂結合した建築材料、たとえば石膏およびセメント板または屋根瓦、ならびにこれらの材料すべての複合材が適切である。
【0128】
従って本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントは、自動車の車体および部材、屋内および屋外領域での建築構造、ドア、窓および家具の塗装、接着およびシーリングのために、ならびにコイル、コンテナ、電気工学部材、たとえばエンジンコイルまたは変圧器コイルおよび家庭用器機、ボイラーおよびラジエータを含む白色被覆を含む工業用塗装の分野での物品の塗装、接着および封止のために使用することができる。
【0129】
導電性の支持体の場合、通例かつ公知の方法で電着塗装(ETL)により製造されるプライマーを使用することができる。このためにアノード電着塗料(ATL)もカソード電着塗料(KTL)も使用することができるが、特にKLTを使用する。
【0130】
ABS、AMMA、ASA、CA、CAB、EP、UF、CF、MF、MPF、PF、PAN、PA、PE、HDPE、LDPE、LLDPE、UHMWPE、PC、PC/PBT、PC/PA、PET、PMMA、PP、PS、SB、PUR、PVC、RF、SAN、PBT、PPE、POM、PUR−RIM、SMC、BMC、PP−EPDMおよびUP(略号はDIN7728T1による)からなる、下塗りしたプラスチック部材または下塗りしていないプラスチック部材もまた塗装、接着または封止することができる。官能化されていない、および/または無極性の支持体表面の場合、該表面を被覆する前に公知の方法で前処理、たとえばプラズマまたは火炎により処理するか、または水性プライマーを施与することができる。
【0131】
適用した本発明による被覆材料、接着剤およびシーラントの硬化もまた、体系的に特別なところはなく、通例かつ公知の熱的な方法、たとえば換気炉中での加熱またはIRランプによる照射により行い、これは化学線による照射により補うことができる(デュアル・キュア)。この場合、照射源、たとえば405nmまでの放射窓を開くために場合により鉛をドープした水銀高圧ランプまたは水銀定圧ランプ、または電子線源を適用することができる。
【0132】
得られる本発明による被覆、特に本発明による単層もしくは多層の着色および/または効果を与えるコーティングおよびクリアコーティングは、容易に製造することができ、かつ極端な気候条件下でも優れた光学的特性を有し、かつ極めて高い化学薬品耐性および耐候性ならびに耐引掻性を有する。従ってこれらは屋内および屋外領域で使用可能である。
【0133】
本発明による接着剤およびシーラントから製造された本発明による接着層およびシーリングもまた、極端な気候条件下で優れた接着力および封止力を、長期にわたって有する。これらもまた屋内および屋外領域で使用可能である。
【0134】
従って本発明による下塗りした、および下塗りしていない、少なくとも1種の本発明による被覆により被覆した、少なくとも1種の本発明によるシーラントで封止した、および/または少なくとも1種の本発明による接着剤で接着した支持体、特に自動車および有用車両の車体、プラスチック部材を含む工業用の部材、パッキング、コイル、白色の物品および電気工学部材、または家具は特別な技術的および経済的利点により、特に長い耐用時間により優れており、このことによってこれらは適用者にとって魅力的なものとなる。
【0135】
実施例
製造例1
コポリマー(マクロ開始剤)の製造
分散液の製造のために通常使用される、攪拌機、還流冷却器および3つの供給容器を備えたスチール製の反応器に、脱イオン水1591.1質量部を装入し、かつ70℃に加熱した。第一の供給容器中にアクリル酸308.2質量部、メチルメタクリレート555.2質量部およびジフェニルエチレン45.2質量部を装入した。第二の供給容器中に25%濃度のアンモニア溶液300.1質量部を装入した。第三の供給容器中に脱イオン水159質量部およびアンモニウムペルオキソジスルフェート68.2質量部を装入した。スチール製反応器中の内容物を強力に撹拌しながら3つの供給流を同時に開始した。第一および第二の供給流を4時間以内に計量供給した。第三の供給流は4.5時間以内に計量供給した。得られる反応混合物を4時間、70℃に維持し、かつ引き続き40℃に冷却し、かつ100μmのGAF−バグフィルターにより濾別した。得られる分散液は固体含有率33質量%(1時間、130℃)および遊離モノマーの含有率0.2質量%未満(ガスクロマトグラフィーにより測定)を有していた。
【0136】
該分散液をブロックコポリマー(A)の製造のために使用した。
【0137】
製造例2
ブロックコポリマー(A)の分散液の製造
分散液の製造のために通常使用される、攪拌機、還流冷却器および1つの供給容器を備えたスチール製の反応器に、脱イオン水1361.7質量部および製造例1による分散液240質量部を装入し、かつ撹拌下で75℃に加熱した。その後、供給容器から6時間以内に、n−ブチルメタクリレート260質量部、スチレン208質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート334質量部およびエチルヘキシルメタクリレート234.4質量部からなる混合物を計量供給した。得られる反応混合物を75℃で2時間、攪拌した。引き続き、得られる分散液を40℃に冷却し、かつ50μm−GAF−バグフィルターにより濾別した。分散液(A)は、固体含有率42.3質量%(1時間、130℃)および遊離モノマーの含有率0.2質量%未満(ガスクロマトグラフィーにより測定)を有していた。
【0138】
製造例3
ナノ粒子(B)の水性分散液の製造
熱分解法二酸化ケイ素(Degussa社のアエロジル(R)150)100質量部を脱イオン水600質量部中でガラスビーズ(SAZビーズ、1.6〜2.5mm、前処理済み)1060質量部を用いて30分間粉砕した。引き続きガラスビーズを分離した。
【0139】
例1
本発明による分散液の製造
製造例3の水性分散液(B)135質量部および製造例2の分散液(A)900質量部を実験室用ミル中で、ガラスビーズ(SAZビーズ、1.6〜2.5mm、前処理済み)1725質量部を用いて1.5時間粉砕した。引き続きガラスビーズを分離し、かつ得られる分散液を30μmのふるいにより濾過した。
【0140】
本発明による分散液は数ヶ月にわたって貯蔵安定性であり、かつ問題なく輸送することができた。該分散液は被覆材料、接着剤またはシーラントとして使用することができた。該分散液は容易に適用することができ、かつ優れたレベリングを示した。垂直面でも材料のたれは生じなかった。
【0141】
例2
本発明による分散液のクリアコートとしての使用
例の本発明による分散液をボックス型のナイフを用いてガラス板上に適用した。得られる湿った塗膜を140℃で20分間焼き付けた。得られるクリアコーティングは厚さ40μm、均質なレベリング、平滑な表面、高い光沢および高い透明度を有していた。該クリアコーティングは濁り、斑点およびゆず肌構造、クレータまたはピンホールのような表面欠陥を有していなかった。
【0142】
耐引掻性を当業者に公知のAmtec−試験を用いて本発明による多層コーティングを室温で7日間老化した後に測定した。光沢度(20゜)は20低下した。
【0143】
化学薬品耐性を当業者に公知のMB−勾配炉(gradient oven)試験を用いて室温で72時間のクリアコーティングの老化後に測定した。その際、1%濃度の硫酸は50℃で、パンクレアチンは48℃で、樹木の樹脂は60℃で、および脱イオン水は70℃以上で初めて最初のマーキングが生じた。
Claims (20)
- (A)ブロックコポリマー少なくとも1種、これは水性媒体中で、
(a)親水性および疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種、および
(b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは、置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種
を二段階もしくは多段階でラジカル共重合することにより製造される、
および
(B)親水性ナノ粒子
を含有する、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液。 - ブロックコポリマー(A)が、二段階のラジカルブロック共重合により製造可能である、請求項1記載の分散液。
- ブロックコポリマー(A)が、
(i)第一段階で少なくとも1種のモノマー(a)および少なくとも1種のモノマー(b)を水性媒体中でラジカル重合し、その後、
(ii)少なくとも別の段階で、得られたコポリマーを少なくとも1種の別のモノマー(a)とラジカル条件下で反応させる
ことにより製造可能である、請求項1または2記載の分散液。 - ブロックコポリマー(A)が、第一段階(i)で少なくとも1種のモノマー(b)を少なくとも1種の別の親水性モノマー(a)と反応させてコポリマーが得られることにより製造可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載の分散液。
- ブロックコポリマー(A)が、少なくとも1つの別の段階(ii)で、得られたコポリマーを少なくとも1種の別のモノマー(a)とラジカル条件下で、ラジカル重合の開始剤の不在下に反応させることにより製造可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の分散液。
- ブロックコポリマー(A)が、少なくとも1つの別の段階(ii)で、得られたコポリマーを少なくとも1種の疎水性モノマー(a)と反応させることにより製造可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の分散液。
- モノマー(b)のアリール基R1、R2、R3および/またはR4がフェニル基またはナフチル基である、請求項1から6までのいずれか1項記載の分散液。
- アリール基がフェニル基である、請求項7記載の分散液。
- モノマー(b)の基R1、R2、R3および/またはR4中の置換基が、電子吸引性または電子供与性の原子または有機基からなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の分散液。
- 置換基が、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、部分的に、または完全にハロゲン化されたアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基およびアリールシクロアルキル基;アリールオキシ基、アルキルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基;アリールチオ基、アルキルチオ基およびシクロアルキルチオ基および第一、第二および/または第三アミノ基からなる群から選択される、請求項9記載の分散液。
- 親水性モノマー(a)が、
(f1)中和剤によりアニオンに変えることができる官能基およびアニオン基
または
(f2)中和剤および/または四級化剤によりカチオンに変えることができる官能基およびカチオン基
および
(f3)非イオン性の親水基
からなる群から選択される官能基(f)を少なくとも1つ有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の分散液。 - 官能基(f1)が、カルボン酸基、スルホン酸基およびホスホン酸基、酸性の硫酸−およびリン酸エステル基ならびにカルボキシレート基、スルホネート基、ホスホネート基、スルフェートエステル基およびホスフェートエステル基からなる群から選択され、官能基(f2)が、第一、第二および第三アミノ基、第一、第二、第三および第四アンモニウム基、第四ホスホニウム基および第三スルホニウム基からなる群から選択され、かつ官能基(f3)が、ω−ヒドロキシ−およびω−アルコキシ−ポリ(アルキレンオキシド)−1−イル−基からなる群から選択される、請求項11記載の分散液。
- アニオンに変えることができる官能基(f1)のための中和剤が、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリフェニルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノメチルプロパノール、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンからなる群から選択され、かつカチオンに変えることができる官能基(f2)のための中和剤が、硫酸、塩酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびクエン酸からなる群から選択される、請求項11または12記載の分散液。
- 疎水性モノマー(a)が、
(1)オレフィン性不飽和酸の、ほぼ酸基不含のエステル、
(2)分子あたりヒドロキシル基またはヒドロキシメチルアミノ基を少なくとも1つ有し、かつほぼ酸基不含であるモノマー;
(3)分子中に5〜18個の炭素原子を有する、α−位で分岐したモノカルボン酸のビニルエステル、
(4)環式および/または非環式オレフィン;
(5)α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアミド;
(6)エポキシド基を有するモノマー;
(7)ビニル芳香族炭化水素;
(8)ニトリル;
(9)ビニルハロゲン化物、N−ビニルアミド、ビニルエーテルおよびビニルエステルからなる群から選択されるビニル化合物、
(10)アリルエーテルおよびアリルエステルからなる群から選択されるアリル化合物;
(11)数平均分子量Mn1000〜40000および分子あたり平均して0.5〜2.5のエチレン性不飽和二重結合を有するポリシロキサンマクロモノマー;および
(12)カルバメート基またはアロファネート基を有するモノマー
からなる群から選択される、請求項1から13までのいずれか1項記載の分散液。 - 分散液が、その固体に対して親水性ナノ粒子(B)を0.1〜20質量%含有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の分散液。
- 請求項1から15までのいずれか1項記載の揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有しない水性分散液の製造方法において、
(1)(A)水性媒体中、二段階もしくは多段階で、
(a)親水性および疎水性のオレフィン性不飽和モノマーからなる群から選択されるオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種、および
(b)オレフィン性不飽和モノマー(a)とは異なる、一般式I
R1R2C=CR3R4 (I)
[式中、基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ相互に無関係に水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキルアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基を表すが、ただしその際、変項R1、R2、R3およびR4の少なくとも2つは、置換もしくは非置換のアリール基、アリールアルキル基またはアリールシクロアルキル基、特に置換もしくは非置換のアリール基を表す]のオレフィン性不飽和モノマー少なくとも1種
をラジカル共重合することにより製造されるブロックコポリマー少なくとも1種を含有する、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液を
(2)親水性ナノ粒子(B)少なくとも1種と混合することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の揮発性有機化合物を完全に、またはほぼ含有しない水性分散液の製造方法。 - 親水性ナノ粒子(B)を、少なくとも1種の親水性ナノ粒子(B)の、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない少なくとも1種の水性分散液の形で混合する、請求項16記載の方法。
- 少なくとも1種の親水性ナノ粒子(B)の、揮発性有機化合物を含有しないか、またはほぼ含有しない水性分散液を、湿式粉砕により製造する、請求項17記載の方法。
- 請求項1から15までのいずれか1項記載の分散液および/または請求項16から18までのいずれか1項記載の方法により製造した分散液の、被覆材料、接着剤およびシーラントとしての、またはこれらを製造するための使用。
- 被覆材料、接着剤およびシーラントを、自動車の車体および部材、屋内および屋外領域の建築構造、ドア、窓および家具の塗装、接着およびシーリングのため、ならびにコイル、コンテナ、電気工学部材および白色の物品を含む工業用塗装の範囲での塗装、接着およびシーリングのために使用する、請求項19記載の使用。
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