JP2004531455A - アミノ(オキソ)酢酸タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤 - Google Patents
アミノ(オキソ)酢酸タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤 Download PDFInfo
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Abstract
式(I)を有する化合物またはその治療上許容され得る塩はタンパク質チロシンキナーゼPTP1B阻害剤である。前記化合物の製造方法、前記化合物を含む組成物及び前記化合物を用いる疾患の治療を開示している。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bを阻害するのに有用な化合物、前記化合物の製造方法、前記化合物を含む組成物及び前記化合物を用いる疾患の治療に関する。
【0002】
(発明の背景)
PTP1Bは、代謝、成長、増殖及び分化に関わる細胞シグナルメカニズムの調節に関与するタンパク質チロシンホスファターゼのファミリーである(Science,253,401−406(1991))。チロシンホスファターゼPTP1Bの過剰発現または改変活性は各種疾患の進行の原因となり得る(Ann.Rev.Biochem.,54,897−930(1985))。2つの別々の研究から、PTP1Bノックアウトマウスは高いブドウ糖耐性、高いインシュリン感受性及び高脂肪食に対して少ない体重増加を示すことが判明している。更に、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bの阻害がI型及びII型糖尿病、肥満症、自己免疫疾患、急性及び慢性炎症疾患、骨粗しょう症や各種ガンのような疾患の治療のために治療上有用であることを示唆する証拠もある(J.Natl.Cancer Inst.,86,372−378(1994);Mol.Cell.Biol.,14,6674−6682(1994);The EMBO J.,12,1937−1946(1993);J.Biol.Chem.,269,30659−30667(1994);及びBiochemical Pharmacology,54,703−711(1997))。
【0003】
未調節のタンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bが上記疾患において重要な役割を果たしているので、前記酵素を阻害する薬剤は臨床可能性について現在活発に研究されている主題である。国際特許出願公開第99/46236号パンフレット、同第99/46237号パンフレット、同99/46267号パンフレット及び第99/46268号パンフレットを参照されたい。これらの各文献には特定のヘテロアリール及びアリールアミノ(オキソ)酢酸タンパク質チロシンホスファターゼPTP1B阻害剤が教示されているが、これらの化合物の力価はpHレベルが5.5以上になると劇的に低下した(J.Biol.Chem.,275,10300−10307(2000)及びJ.Biol.Chem.,275,7101−7108(2000))。本発明は、生理学的pHレベルで有効であり、薬物開発のためにより適したPTP1B阻害剤を提供する。
【0004】
(発明の要旨)
従って、主たる態様において、本発明は式(I)を有するタンパク質チロシンホスファターゼPTP1B阻害剤またはその治療上許容され得る塩を提供する。
【0005】
【化4】
上記式中、
Aはアリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R1はアルコキシ、アルキル、アミノ、アミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;
R2はアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アミド、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、SO3H、PO(OH)2、CH2PO(OH)2、CHFPO(OH)2、CF2PO(OH)2、C(=NH)NH2、及び以下の5員ヘテロ環
【0006】
【化5】
(ここで、*は親分子部分への結合位置を指す)
からなる群から選択され;
R3、R4及びR5は独立して水素、アルコキシ、アルキル、アミド、アミノ、アミノスルホニル、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;及び
R6はアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(ヘテロシクロアルキル)アルキルからなる群から選択される。
【0007】
本発明の別の態様で、式(II):
【0008】
【化6】
[式中、
R3は水素、アミド、アルコキシ、アリールカルボニルアミノ、シアノ及びヒドロキシからなる群から選択され;
R6はアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(ヘテロシクロアルキル)アルキルからなる群から選択され;及び
各R7は独立して水素及びアルキルからなる群から選択される]
を有する化合物またはその治療上許容され得る塩を提供する。
【0009】
式(I)を有する化合物の好ましい実施態様において、Aはアリールである。
【0010】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシである。
【0011】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシである。
【0012】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシであり、R3、R4及びR5は独立して水素及びアルコキシからなる群から選択される。
【0013】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシであり、R3、R4及びR5は独立して水素及びアルコキシからなる群から選択され、R6はアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。
【0014】
本発明の別の態様で、式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む生理学的pHでタンパク質チロシンホスファターゼを阻害する方法を提供する。
【0015】
本発明の別の態様で、治療を要する患者に対して式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む前記患者におけるII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性を治療する方法を提供する。
【0016】
本発明の別の態様で、式(I)を有する化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物を提供する。
【0017】
本発明の別の態様で、式(II)を有する化合物を治療有効量の投与することを含む生理学的pHでタンパク質チロシンホスファターゼを阻害する方法を提供する。
【0018】
本発明の別の態様で、治療を要する患者に対して式(II)を有する化合物を治療有効量投与することを含む前記患者におけるII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性を治療する方法を提供する。
【0019】
本発明の別の態様で、式(II)を有する化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物を提供する。
【0020】
(発明の詳細説明)
本発明は、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bを阻害する化合物類を提供する。
【0021】
本明細書中、下記用語は以下のように定義される:
本明細書中、用語「アルカノイル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0022】
本明細書中、用語「アルケニル」は2〜6個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する1価の直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基を指す。
【0023】
本明細書中、用語「アルコキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0024】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシ基を指す。
【0025】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニルアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシカルボニル基を指す。
【0026】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシカルボニル基を指す。
【0027】
本明細書中、用語「アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する1価の飽和直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基を指す。
【0028】
本明細書中、用語「アルキルスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0029】
本明細書中、用語「アミド」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0030】
本明細書中、用語「アミドアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアミド基を指す。
【0031】
本明細書中、用語「アミドアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアミド基を指す。アミドアルキルのアルキル部分は、ヒドロキシ、チオアルコキシ、RARBN−(ここで、RA及びRBは独立して水素、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、アリールアルキル、アリールアルキルカルボニル、カルボキシアルキシカルボニルまたは窒素保護基から選択される)から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0032】
本明細書中、用語「アミノ」は−NR8R9[式中、R8及びR9は独立して水素、アルカノイル、アルケニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルスルホニル、アリール、アリールアルキル、カルボキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、窒素保護基、フェニルスルホニル及びRARBNカルボニルアルキル(ここで、RA及びRBは前記と同義である)から選択されるか、またはR8及びR9はこれらが結合している窒素原子と一緒になってモルホリニル、オキサジナニル、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択される環を形成する]を指す。
【0033】
本明細書中、用語「アミノアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0034】
本明細書中、用語「アミノアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。アミノアルキルのアルキル部分は、水素及びヒドロキシから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0035】
本明細書中、用語「アミノスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0036】
本明細書中、用語「アリール」はジヒドロナフチル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル及びテトラヒドロナフチルを指す。芳香族環に融合した不飽和または部分飽和環を有するアリール基は該基の飽和または不飽和部分を介して結合され得る。本発明のアリール基は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルスルホニル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル、フェニルカルボニル及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0037】
本明細書中、用語「アリールアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。アリールアルキルのアルキル部分は、アミド及びNRARB(ここで、RA及びRBは前記と同義である)で置換されていてもよい。
【0038】
本明細書中、用語「アリールアルキルカルボニル」はカルボニルを介して親分子部分に結合しているアリールアルキル基を指す。
【0039】
本明細書中、用語「アリールオキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
【0040】
本明細書中、用語「カルボニル」は−C(O)−を指す。
【0041】
本明細書中、用語「カルボキシ」は−CO2Hを指す。
【0042】
本明細書中、用語「カルボキシアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシ基を指す。
【0043】
本明細書中、用語「カルボキシアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシ基を指す。
【0044】
本明細書中、用語「カルボキシアルキルカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシアルキル基を指す。
【0045】
本明細書中、用語「シアノ」は−CNを指す。
【0046】
本明細書中、用語「シクロアルケニル」は少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を持つ4〜12個の炭素原子からなる1価の環式または二環式炭化水素を指す。
【0047】
本明細書中、用語「シクロアルケニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているシクロアルケニル基を指す。
【0048】
本明細書中、用語「シクロアルキル」は3〜12個の炭素原子からなる1価の飽和環式または二環式炭化水素を指す。本発明のシクロアルキル基は、アルカノイル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アミド、カルボキシ、ハロ及びヒドロキシからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい。
【0049】
本明細書中、用語「シクロアルキルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているシクロアルキル基を指す。
【0050】
本明細書中、用語「ハロ」はF、Cl、BrまたはIを指す。
【0051】
本明細書中、用語「ハロアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているハロ基を指す。
【0052】
本明細書中、用語「ヘテロアリール」は5〜6原子を有する環状の芳香族基を指し、前記原子のうち少なくとも1個は窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択され、残りの原子は炭素原子である。5員環は2個の2重結合を持ち、6員環は3個の二重結合を持つ。本発明のヘテロアリールの例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアジニル等である。本発明のヘテロアリール基は環中の炭素原子を介して親分子基に結合し、またはイミダゾール、インドール及びピラゾールのように環中の炭素原子または窒素原子を介して親分子基に結合する。本発明のヘテロアリール基はヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びフェニルからなる群から選択される第2の環に融合していてもよく、この場合ヘテロアリール基は融合環系のヘテロアリール部分、ヘテロシクロアルキル部分またはフェニル部分のいずれかを介して親分子基に結合し得る。この種のヘテロアリール基の例はキノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インドリル、チエノピラジニル、チエニルフラニル、チエニルピリジニル、2,3−ジヒドロチエノフラニル等である。本発明のヘテロアリール基は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、カルボキシ、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアルキル、フェニル、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0053】
本明細書中、用語「ヘテロアリールアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヘテロアリール基を指す。
【0054】
本明細書中、用語「ヘテロシクロアルキル」は酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される原子を少なくとも1個有する環状の非芳香族4〜6員環の基を指す。4員環は二重結合を持たず、5員環は0〜1個の二重結合を持ち、6員環は0〜2個の二重結合を持つ。本発明のヘテロシクロアルキル基の例は、ジヒドロピリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル等である。本発明のヘテロシクロアルキルは環中の炭素原子または窒素原子を介して親分子基に結合し得る。本発明のヘテロシクロアルキル基はフェニル環に融合していてもよく、この場合ヘテロシクロアルキル基は融合環系のヘテロシクロアルキル部分またはフェニル部分のいずれかを介して親分子基に結合し得る。この種のヘテロシクロアルキル基の例はベンゾジオキソリル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、クロマニル等である。本発明のヘテロシクロアルキル基は、アルカノイル、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
本明細書中、用語「(ヘテロシクロアルキル)アルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヘテロシクロアルキル基を指す。
【0056】
本明細書中、用語「ヒドロキシ」は−OHを指す。
【0057】
本明細書中、用語「ヒドロキシアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヒドロキシ基を指す。
【0058】
本明細書中、用語「ニトロ」は−NO2を指す。
【0059】
本明細書中、用語「窒素保護基」は合成過程で望ましくない副反応からアミノ基を保護する選択的に誘導可能であり且つ除去可能な基を指す。アミノ保護基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル(トリチル)、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル等が含まれる。
【0060】
本明細書中、用語「オキソ」は=Oを指す。
【0061】
本明細書中、用語「ペルフルオロアルコキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているペルフルオロアルキル基を指す。
【0062】
本明細書中、用語「ペルフルオロアルキル」は水素原子の全部がフッ素原子で置換されているアルキル基を指す。
【0063】
本明細書中、用語「フェニル」は未置換の6員芳香族環を指す。
【0064】
本明細書中、用語「フェニルアルコキシ」はアルコキシ基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0065】
本明細書中、用語「フェニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0066】
本明細書中、用語「フェニルカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0067】
本明細書中、用語「フェニルスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0068】
本明細書中、用語「スルホニル」は−SO2−を指す。
【0069】
本明細書中、用語「チオアルコキシ」は硫黄原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0070】
本発明化合物は、治療上許容され得る塩として存在し得る。用語「治療上許容され得る塩」は、水または油に溶解または分散し得、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を呈することなく疾患の治療に適しており、妥当な損益比のバランスを有し、所与の用途に対して有効である化合物の塩または双イオンを指す。前記塩は、本発明化合物の最終単離及び精製過程で調製され得るか、或いは本発明化合物のアミノ基を適当な酸と反応させることにより別途に調製され得る。代表的な塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が含まれる。本発明化合物のアミノ基は塩化、臭化及びヨウ化アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリル等)により4級化され得る。
【0071】
塩基付加塩は、本発明化合物の最終単離及び精製過程でカルボキシル基を金属カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム)の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、或いは有機第1級、第2級または第3級アミンのような適当な塩基と反応させることにより調製され得る。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン等から誘導される4級アミン塩も本発明の範疇として意図される。
【0072】
本発明化合物は治療上許容され得るプロドラッグとしても存在し得る。用語「治療上許容され得るプロドラッグ」は、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を呈することなく患者の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比のバランスを有し、所期の使用のために有効である前記プロドラッグまたは双性イオンを指す。用語「プロドラッグ」は、インビボで例えば血中での加水分解により式(I)を有する親化合物に速やかに変換される化合物を指す。
【0073】
本発明化合物中には不斉中心が存在し得る。化合物の各立体異性体は、キラル出発物質からの合成により、またはラセミ混合物を調製し、次いでジアステレオマー混合物に変換後分離、再結晶、クロマトグラフィー方法またはキラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離により分離することにより製造される。特定の立体化学を有する出発物質は市販されているかまたは下記する方法により調製され、当業界で公知の方法により分割される。
【0074】
本発明化合物中には幾何異性体が存在し得る。本発明は炭素−炭素二重結合、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基の周りの置換基を除去することにより生ずる各種幾何異性体及びその混合物を包含する。炭素−炭素二重結合の周りの置換基はZまたはE立体配置であることが明示され、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基の周りの置換基はシスまたはトランス立体配置であることが明示される。
【0075】
本発明化合物の治療用組成物は、有効量の本発明化合物を1つ以上の治療上許容され得る賦形剤と共に含む。本明細書中、用語「治療上許容され得る賦形剤」は、任意のタイプの非毒性で固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル化剤または製剤化助剤を指す。治療上許容され得る賦形剤の例には糖、セルロース及びその誘導体、オイル、グリコール、溶液、緩衝剤、着色剤、放出剤、被覆剤、矯味剤、矯臭剤、パフューム等が含まれる。治療用組成物は非経口、槽内、経口、直腸または腹腔内に投与され得る。
【0076】
本発明化合物を経口投与するための液体剤形は、エマルション、ミクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルとして本発明化合物を含む。液体剤形は、本発明化合物の他に希釈剤及び/または可溶化または乳化剤を含み得る。経口組成物は、不活性希釈剤の他に湿潤剤、乳化剤、矯味剤、矯臭剤及びパフュームを含み得る。
【0077】
本発明化合物の注射剤は、無菌で注射可能な水性及び油性の液体、懸濁液またはエマルションからなり、場合により非経口的に許容し得る希釈剤、分散剤、湿潤剤または懸濁剤と共に処方され得る。前記注射剤は細菌フィルターを介する濾過により滅菌され得るか、または注射可能媒体に溶解または分散する滅菌剤と共に処方され得る。
【0078】
本発明化合物によるPTP阻害は、水溶性が劣る結晶質または非晶質材料の液体または懸濁液を用いることにより遅延され得る。本発明化合物の吸収率はその溶解度に依存し、後者は結晶度に依存する。化合物を油中に溶解または懸濁することにより非経口的に投与した化合物の吸収を遅延させることができる。本発明化合物の注射可能なデポ剤は、該化合物を生分解性ポリマーでマイクロカプセル化することによっても調製され得る。化合物対ポリマー比及び使用するポリマーの種類に応じて、放出率をコントロールし得る。注射可能なデポ剤は化合物を体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルションで包囲することによっても製造される。
【0079】
本発明化合物を経口投与するための固体剤形にはカプセル剤、錠剤、ピル剤、散剤及び顆粒剤が含まれる。前記剤形において、本発明化合物は少なくとも1つの不活性で治療上許容され得る賦形剤(例えば、担体、充填剤、増量剤、崩壊剤、溶解遅延剤、湿潤剤、吸収剤または滑沢剤)と混合されている。カプセル剤、錠剤及びピル剤の場合には賦形剤は緩衝剤をも含み得る。直腸投与用座剤は、本発明化合物を常温では固体であるが直腸では流体である適当な非刺激性賦形剤と混合することにより製造され得る。
【0080】
本発明化合物は、上記した賦形剤の1つ以上を用いてマイクロカプセル化され得る。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、ピル剤及び顆粒剤の固体剤形は、(例えば、腸溶性及び徐放性)コーティング及びシェル(shell)を用いて製造され得る。前記剤形において、本発明化合物は少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得、場合により錠剤化滑沢剤及び助剤を含み得る。カプセル剤は場合により本発明化合物の腸管の所望部分への放出を遅らす不透明化剤をも含み得る。
【0081】
経皮パッチは、本発明化合物を身体に対して制御デリバリーするという追加の利点を有する。前記剤形は、本発明化合物を適当な媒体に溶解または分配することにより調製される。皮膚に対する本発明化合物のフラックス(flux)を増加させるために吸収増強剤をも使用することができ、吸収率は吸収率コントロール膜を用いるかまたは本発明化合物をポリマーマトリックスまたはゲル中に分散させることによりコントロールされ得る。
【0082】
タンパク質チロシンホスファターゼPTP1B活性により誘発されるかまたは増悪する疾患は、患者に対して本発明化合物を所望の結果を得るのに必要な治療有効量及び時間投与することにより治療または予防される。用語「治療有効量」は医学的治療のために適用可能な妥当な損益比でタンパク質チロシンホスファターゼPTP1B活性を治療するのに十分な化合物の量を指す。特定患者に対する具体的な治療有効量は、治療対象の疾患及び該疾患の重篤度;使用する化合物の活性;使用する特定組成物;患者の年令、体重、全身健康状態、性別及び食事;投与時期、投与経路、排泄率;治療期間;併合または同時治療で使用される薬物を含めた各種因子に依存する。
【0083】
1回または分割して投与される本発明化合物の1日総容量は、例えば0.01〜50mg/kg体重、より一般的には0.1〜25mg/kg体重であり得る。1回量投与組成物は、前記用量または前記1日用量を構成するように化合物の分割量を含み得る。通常、治療投与計画は治療を要する患者に対して約10〜1000mg/日の化合物を1回または分割して投与することを含む。
【0084】
式(II)を有する具体的化合物には、
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−エトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−(オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−カルボキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−ヨードアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−(1,3−オキサジナン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロブチル)アミノ)安息香酸、
2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−メチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−メチル−1H−インドール−1−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−2−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−4−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(3−メチルシクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−[(カルボキシカルボニル)(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ナフチル)アラニル]アミノ}ヘキサン酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−4−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチルフェニルアラニル−N−メチル−4−ニトロ−L−フェニルアラニンアミド、
N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−アセチル−6−(3−イソプロピルベンジル)−4−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2,3,5−ピペラジントリオン、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−ヒドロキシ安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド、
N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロヘキシルアミノ)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3,4,5−トリフルオロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロオクチルアミノ)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3−フェニルプロピル)ナフチルアラニンアミド、
メチル3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−ナフチル}−N−(メトキシカルボニル)アラニル−L−ノルロイシネート、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(2−フルオロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−({4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}メチル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フエニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1S)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−エチルフェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
4−[(ブチルアミノ)カルボニル]−2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){4−[2−ヒドロキシ−3−(ペンチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)プロピル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
式(II)で表される化合物を更に下記するが、これらの化合物は当業者により公知の合成方法を用いるかまたは本明細書に含まれるスキーム及び実施例に記載の合成方法を用いることにより製造され得る:
2−((カルボキシカルボニル)−2−((E)−2−カルボキシエテニル)アニリノ)安息香酸、
2−(2−((1E)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−プロペニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2,3−ジメチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−クロロ−3−メチルアニリノ)安息香酸、
2−(2−(アミノカルボニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((7−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((6−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)アニリノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル)(5−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸。
【0086】
生物学的活性の測定
大腸菌からのヒトタンパク質チロシンホスファターゼ1Bの精製:
ヒトタンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B,アミノ酸残基1−321)を大腸菌BL21(DE3)で発現させた。細胞ペーストを4細胞ペースト容量の、100mM MES(pH6.5)、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT、1mM PMSF、20U/ml ベンゾナーゼ、0.5mg/ml リゾチーム及び1mM MgCl2を含有する溶解緩衝液中に再懸濁させ、室温で35分間インキュベートした。細胞をRannieホモジナイザーを用いて11,000psiで溶解し、ホモジネートをBeckman GSAローターにおいて4℃、10,000×gで30分間清澄化した。上清を5カラム容量の、100mM MES(pH6.5)、100mM NaCl、1mM EDTA及び1mM DTTを含有する緩衝液で予め平衡化した5×21cmのS−Sepharose−FFカラム(Amersham Pharmacia Biotech)に充填し、10カラム容量の同一緩衝液で溶離させた。フラクション(各28ml)を10〜20%トリス−グリシンSDS−PAGEによりタンパク質についてアッセイした。>95%のタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを含有するフラクションを合わせた。
【0087】
タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性アッセイ:
タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性を、Nature,313,756−761(1985)に記載されているヒトインスリン受容体のβ−サブユニット(βIRK基質)の残基1135−1156に相当するトリホスホリル化ペプチドからのホスフェートの放出を測定することにより調べた。タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性は、50mM トリスHCl、50mM トリス塩基、150mM NaCl、3mM DTT、2nM タンパク質チロシンホスファターゼ1B(1−321)及び20μM βIRK基質を含有する50μlの最終アッセイ容量において測定した。5μlの10% DMSO中に各種濃度で含まれる試験化合物を、1%ウシ血清アルブミンで予備被覆した丸底微量滴定プレート(Costar)中20μM βIRK基質含有アッセイ緩衝液(25μl)において室温で5分間インキュベートした。アッセイ緩衝液中にタンパク質チロシンホスファターゼ1B酵素(20μl)を添加することによりアッセイを開始した。室温で10分間インキュベート後、0.01% ツイーン20含有マラカイトグリーン(Upstate Biotechnology Inc.)(100μl)を添加することにより反応を停止した。5分間インキュベート後、Victor IIプレートリーダー(フィンランド国トゥルクに所在のWallac)を用いてマラカイトグリーンの620nmでの吸光度を測定することによりβIRK基質から放出された遊離ホスフェートを定量した。
【0088】
本発明化合物は、約0.05〜約100μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害することが判明した。好ましくは、本発明化合物は約0.05〜約60μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害した。より好ましくは、本発明化合物は約0.05〜約21μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害した。
【0089】
従って、本発明化合物はタンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤として過剰発現または改変したタンパク質チロシンホスファターゼ1B活性により引き起こされる疾患を治療するために有用である。前記疾患には、自己免疫疾患、急性及び慢性炎症疾患、骨粗しょう症、肥満症、癌、悪性疾患、及びI型及びII型糖尿病が含まれる。
【0090】
合成方法
下記するスキーム及び実施例の記載中に使用した略号は次の通りである:
dba ジベンジリデンアセトン、
DMSO ジメチルスルホキシド、
NMP N−メチルピロリジノン、
DMF N,N−ジメチルホルムアミド、
TFA トリフルオロ酢酸、
THF テトラヒドロフラン、
EDAC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物。
【0091】
本発明の化合物及び製造方法は、本発明化合物を製造し得る方法を例示する下記の合成スキームを参照することによりより深く理解されるであろう。基R1、R2、R3、R4、R5及びR6は特記しない限り上に定義した通りである。
【0092】
【化7】
【0093】
スキーム1に示すように、式(2)(R9=アルキル;X=BrまたはI)を有する化合物をパラジウム触媒及び塩基の存在下で式(3)(R6=アリールまたはヘテロアリール)を有する化合物と反応させると、式(4)を有する化合物が形成され得る。代表的なパラジウム触媒にはPd2dba3+2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチル)アミノビフェニル、Pd2dba3+トリシクロヘキシルホスフィン、及びPd2dba3+PPh3が含まれる。代表的な塩基には水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウムが含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはベンゼン及びトルエンが含まれる。反応温度は約60〜約110℃であり、選択した方法に依存する。反応時間は通常約2〜約8時間である。
【0094】
式(4)を有する化合物は、酸化剤で処理することにより式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物に変換され得る。代表的な酸化剤にはKMnO4、オゾン、過酸化水素及びCrO3が含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはピリジン、水及びその混合物が含まれる。反応温度は約0〜約35℃であり、選択した方法に依存する。反応時間は通常約12〜約24時間である。
【0095】
式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物は、当業界で公知の方法により式(I)(R1=アルコキシ;R2=アルコキシカルボニル)を有する化合物に内部変換され得る。
【0096】
【化8】
【0097】
式(I)を有する化合物の別の合成方法をスキーム2に示す。式(5)(R9=アルキル)を有する化合物を式(3)(R6=アルキル、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)アルキル)を有する化合物と反応させると、式(6)を有する化合物が形成され得る。上記反応で使用される溶媒の例にはDMSO、ジオキサン及びNMPが含まれる。反応温度は約80〜約120℃である。反応時間は通常約12〜約24時間である。
【0098】
式(6)を有する化合物を塩基の存在下でクロロ(オキソ)酢酸エチル(7)と反応させると、式(8)を有する化合物が得られ得る。代表的な塩基にはピリジン、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンが含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル及びジオキサンが含まれる。反応温度は約20〜約30℃である。反応時間は通常約8〜約18時間である。
【0099】
式(8)を有する化合物を当業界で公知の方法により加水分解すると、式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物を得ることが出来る。
【0100】
【化9】
【0101】
式(I)を有する化合物の別の合成方法をスキーム3に示す。式(9)を有する化合物を触媒の酢酸銅(II)の存在下で式(3)(R6=アリールまたはヘテロアリール)を有する化合物と反応させると、式(10)を有する化合物が得られ得る。上記反応で使用される溶媒の例にはイソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール及びペンタノールが含まれる。反応温度は約70〜約100℃である。反応時間は通常約4〜約12時間である。
【0102】
式(10)を有する化合物をスキーム2に記載されている方法により式(11)を有する化合物に変換させた後、式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物に変換することが出来る。
【0103】
本発明を特定の好ましい実施態様に関連させて説明するが、これらの実施態様は本発明の範囲を限定するものではない。逆に、本発明は請求の範囲内に含まれ得るすべての改変、修飾及び均等を包含し得る。従って、好ましい実施態様を含めた下記実施例により本発明の好ましい実施を説明する。これらの実施例は特定の好ましい実施態様を説明するものであり、本発明の方法及び概念的側面を最も効果的に容易に理解し得ることを与えるために提示していると理解されたい。
【0104】
本発明化合物は、ACD/ChemSketch バージョン4.01(カナダ国オンタリオ州トロントに所在のAdvanced Chemistry Development,Inc.が開発)により命名されたかまたはACD命名法に一致すると見られる名前が付けられた。
【0105】
実施例1
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1A:(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸メチル
室温においてN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸(1.53g,6.74ミリモル)を含む溶液をK2CO3(900mg,6.51ミリモル)及びヨードメタン(0.5ml,8.0ミリモル)で処理し、3時間撹拌し、H2O(50ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0106】
実施例1B:(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸エチル
トルエン(2ml)中に実施例1Aの化合物(135mg,0.56ミリモル)、1−アミノナフタレン(80mg,0.56ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(3mg,0.003ミリモル)、2−ジシクロヘキシルホスフィン−2’−(N,N−ジメチル)アミノビフェニル(4mg,0.01ミリモル)及び鉱油中60% NaH分散液(50mg,1.2ミリモル)を含む混合物を5.5時間還流加熱し、水(10ml)及び1N HCl(5ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0107】
【化10】
【0108】
実施例1C:2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸
室温においてピリジン(1.2ml)中に実施例1Bの化合物(97mg,0.36ミリモル)を含む溶液を水(1.2ml)で処理し、0℃に冷却し、KMnO4(210mg,1.3ミリモル)で処理し、室温に加温し、17時間撹拌した。混合物をメタノール(0.2ml)で処理し、5分間撹拌し、1N NaOH(4ml)で処理し、珪藻土(セライト(登録商標))を介して濾過した。濾過ケーキを水(15ml)で洗浄し、合わせた濾液をジエチルエーテルで洗浄し、0℃に冷却し、12N HClを用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を100% アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の3:2混合物として得た。
【0109】
【化11】
【0110】
実施例2
2−((カルボキシカルボニル)(2−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに2−アミノナフタレンを用いて標記化合物を製造した。
【0111】
【化12】
【0112】
実施例3
2−((カルボキシカルボニル)−4−メトキシアニリノ)安息香酸
窒素雰囲気下密封管中に収容した4−メトキシアニリン(246mg,2ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(821mg,2.4ミリモル)、酢酸銅(II)(18.2mg,0.1ミリモル)及びイソプロパノール(4ml)の混合物を80℃に8時間加熱し、室温に冷却し、1N NaOH(3ml)で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。水性相を1N HClを用いてpH2に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をシリカゲルパッドを介して濾過し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン(5ml)中に前記濃縮物(427mg,1.75ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(762μl,4.38ミリモル)を含む溶液を0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(450μl,4.03ミリモル)でゆっくり処理し、1時間撹拌し、室温に加温し、16時間撹拌し、1N HCl(4ml)で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン/酢酸(50:50:0.8)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。室温においてエタノール(2ml)中に精製した濃縮物(86mg,0.25ミリモル)を含む溶液を1N NaOH(1ml)で処理し、30分間撹拌し、1N HCl(2ml)で処理し、アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(95:5)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。
【0113】
【化13】
【0114】
実施例4
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸
実施例4A:(2E)−3−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン酸エチル
室温においてTHF(10ml)中に60% NaH鉱油分散液(220mg,5.5ミリモル)を含む懸濁液をホスホノ酢酸トリエチル(1.14ml,5.75ミリモル)で処理し、5分間撹拌し、THF(2ml)中に2−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒド(1.07g,5.0ミリモル)を含む混合物を滴下して処理し、16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。濃縮物を酢酸エチル中に溶解し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(90:10)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0115】
実施例4B:2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸
(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸メチルの代わりに(2E)−3−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン酸エチルを用い、実施例1B〜Cに記載の手順に従って所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0116】
【化14】
【0117】
実施例5
2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
実施例5A:2−(2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
2−プロパノール(4ml)中に2−クロロ−5−メトキシアニリン(260mg,1.65ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(684mg,2.0ミリモル)及び酢酸銅(II)(15mg,0.83ミリモル)を含む混合物を1.5時間還流加熱し、1N NaOH(10ml)で希釈し、ヘキサンで抽出した。水性相を1M HClを用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0118】
実施例5B:2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
0℃において酢酸エチル(5ml)中に実施例5Aの化合物(354mg,1.27ミリモル)及びピリジン(0.5ml)を含む溶液をクロロ(オキソ)酢酸エチル(350ml,3.1ミリモル)で処理し、室温に加温し、2.5時間撹拌し、1N HCl(20ml)に注いだ。水性相をジエチルエーテルで抽出し、合わせた抽出物を水及び2N NaOHで洗浄した。合わせたNaOH洗浄液を1N HCl(20ml)を用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をアセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の混合物として得た。
【0119】
【化15】
【0120】
実施例6
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−エトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(2E)−3−(2−アミノフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて所望生成物を製造した。
【0121】
【化16】
【0122】
実施例7
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例7A:4−((((2S)−3−(4−アミノフェニル)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)アミノ)メチル)シクロヘキサン−カルボン酸メチル
室温においてN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中に(2S)−3−(4−アミノフェニル)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(350mg,1.25ミリモル)、4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル塩酸塩(285mg,1.50ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(335mg,1.75ミリモル)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(245mg,1.50ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミン(250μl,1.78ミリモル)を用いてpH6に調節し、16時間撹拌し、水で処理し、濾過した。固体を水で洗浄し、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、所望生成物を得た。
【0123】
実施例7B:2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに実施例7Aの化合物を用い、エチルオキサリルクロリドの代わりにtert−ブチルオキサリルクロリドを用いて所望生成物を製造した。5〜100% アセトニトリル/H2O+0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の混合物として得た。
【0124】
【化17】
【0125】
実施例8
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−カルボキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例7Bの化合物のHPLC精製により所望生成物が回転異性体の混合物として単離された。
【0126】
【化18】
【0127】
実施例9
2−((カルボキシカルボニル)−2−ヨードアニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−ヨードアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0128】
【化19】
【0129】
実施例10
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−(1,3−オキサジナン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−((1E)−3−(4−モルホリニル)−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルアミンを用いて所望生成物を製造した。
【0130】
【化20】
【0131】
実施例11
2−((カルボキシカルボニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリノ)安息 香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに3−トリフルオロメチルアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0132】
【化21】
【0133】
実施例12
2−((カルボキシカルボニル)(シクロブチル)アミノ)安息香酸
実施例22においてシクロヘキシルアミンの代わりにシクロブチルアミンを用いて所望生成物を製造した。
【0134】
【化22】
【0135】
実施例13
2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例13A:7−(ベンジルオキシ)−1−ナフタレンアミン
メタノール中1N KOH(10ml)中に8−アミノ−2−ナフトール(1.59g,10.0ミリモル)を含む溶液を濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、臭化ベンジル(1.2ml,10.1ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、H2O(50ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(70:30)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0136】
実施例13B:2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに実施例13Aの化合物を用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0137】
【化23】
【0138】
実施例14
2−((カルボキシカルボニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−(2−アミノフェニル)エタノールを用いて所望生成物を製造した。
【0139】
【化24】
【0140】
実施例15
2−((カルボキシカルボニル)−2−メチルアニリノ)安息香酸
実施例1において実施例1Aの化合物及び2−アミノナフタレンの代わりにそれぞれ(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸エチル及び2−メチルアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0141】
【化25】
【0142】
実施例16
2−((カルボキシカルボニル)(2−メチル−1H−インドール−1−イル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−メチル−1H−インドール−1−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0143】
【化26】
【0144】
実施例17
2−((カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
室温においてジオキサン(1ml)中に実施例13Bの化合物(74mg,0.17ミリモル)を含む溶液を10% Pd/C(10mg)及び60% HClO4(1滴)で処理し、H2(1気圧)下で4時間撹拌し、珪藻土(セライト(登録商標))を介して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。濃縮物をアセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の5:3混合物として得た。
【0145】
【化27】
【0146】
実施例18
2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例18A:1−(7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
実施例1Bにおいて1−アミノナフタレンの代わりに実施例13Aの化合物を用いて所望生成物を製造した。
【0147】
実施例18B:1−(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
室温において実施例18Aの化合物(397mg,1.05ミリモル)を酢酸中33% HBr(6ml)で処理し、1時間撹拌し、水(30ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水、飽和NaHCO3及びブラインで順次洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、シリカゲル(5ml)で処理し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(75:25)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0148】
実施例18B:1−(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
室温においてTHF(1ml)中に6−フェニル−1−ヘキサノール(31mg,0.17ミリモル)、実施例18Aの化合物(50mg,0.17ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(46mg,0.17ミリモル)を含む溶液をジエチルアゾジカルボキシレート(30ml,0.19ミリモル)で処理し、54時間撹拌し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)に溶解し、デカントし、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0149】
実施例18C:2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1Cにおいて実施例1Bの化合物の代わりに実施例18Bの化合物を用いて所望生成物を製造した。
【0150】
【化28】
【0151】
実施例19
2−((1,1’−ビフェニル)−2−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(1,1’−ビフェニル)−2−アミンを用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0152】
【化29】
【0153】
実施例20
2−((1,1’−ビフェニル)−4−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(1,1’−ビフェニル)−4−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0154】
【化30】
【0155】
実施例21
2−((カルボキシカルボニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレンアミンを用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0156】
【化31】
【0157】
実施例22
2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸
実施例22A:2−(シクロヘキシルアミノ)安息香酸メチル
DMSO(1ml)中に2−フルオロ安息香酸メチル(158mg,1ミリモル)及びシクロヘキシルアミン(210mg,2.05ミリモル)を含む混合物を100℃に18時間加熱し、水(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0158】
実施例22B:2−(シクロヘキシル(エトキシ(オキソ)アセチル)アミノ )安息香酸メチル
室温においてジエチルエーテル(1ml)中に実施例22Aの化合物(23mg,0.1ミリモル)を含む溶液をピリジン(15ml)及びクロロ(オキソ)酢酸エチル(15ml)で処理し、15時間撹拌し、1N HCl(5ml)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(70:30)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0159】
実施例22C:2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸
室温においてエタノール/水(5:1,1ml)中1N NaOH中に実施例22Bの化合物(18mg,0.054ミリモル)を含む混合物を2.5時間撹拌し、濃縮した。濃縮物を水(5ml)に溶解し、1N HCl(2ml)を用いてpH<7に調節し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0160】
【化32】
【0161】
実施例23
2−((カルボキシカルボニル)(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0162】
【化33】
【0163】
実施例24
2−((カルボキシカルボニル)(3−メチルシクロヘキシル)アミノ)安息香酸
実施例22においてシクロヘキシルアミンの代わりに3−メチルシクロヘキシルアミンを用いて所望生成物をジアステレオマーと回転異性体の混合物として製造した。
【0164】
【化34】
【0165】
スキーム1〜3及び上記実施例に従って、実施例25〜33の化合物を製造し得る。
【0166】
実施例25
2−((カルボキシカルボニル)−2((E)−2−カルボキシエテニル)アニリノ)安息香酸。
【0167】
実施例26
2−(2−((1E)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−プロペニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸。
【0168】
実施例27
2−((カルボキシカルボニル)−2,3−ジメチルアニリノ)安息香酸。
【0169】
実施例28
2−((カルボキシカルボニル)−4−クロロ−3−メチルアニリノ)安息香酸。
【0170】
実施例29
2−(2−(アミノカルボニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸。
【0171】
実施例30
2−((7−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸。
【0172】
実施例31
2−((6−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸。
【0173】
実施例32
2−((カルボキシカルボニル)(5−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸。
【0174】
実施例33
2−((カルボキシカルボニル)−4−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)アニリノ)安息香酸。
【0175】
実施例34
2−[(カルボキシカルボニル)(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸
実施例34A:トルエン−4−スルホン酸1−アミノ−ナフタレン−2−イル エステル
ジクロロメタン(150ml)中に1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(3g,15ミリモル)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.9g,15ミリモル)及びトリエチルアミン(4.3ml,31ミリモル)を含む混合物を周囲温度で18時間撹拌し、更にジクロロメタンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をジクロロメタン/ヘキサン(3:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(940mg,20%)を得た。
【0176】
実施例34B:2−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸
ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート及びトルエン−4−スルホン酸1−アミノ−ナフタレン−2−イルエステルを用い、実施例48Eに記載の方法に従って所望生成物を製造した。
【0177】
実施例34C:2−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレン−1−イル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
トルエン(10ml)中に2−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸(326mg,0.752ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.7ml,3.8ミリモル)を含む溶液にエチルオキサリルクロリド(0.4ml,3.8ミリモル)を添加した。反応物を18時間還流加熱し、冷却し、1M NaOHで抽出した。水性層をジエチルエーテルで抽出し、1M HClを添加してpH2に調節し、更に酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オキサルアミドエチルエステル(395mg,99%)を得た。このエステルを20%水性エタノール(20ml)と1.39M NaOH(8ml)の混合物に取り、周囲温度で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水に取り、1M HClを用いてpH2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチルを乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(253mg,96%)を得た。
【0178】
【化35】
【0179】
実施例35
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド
実施例35A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)アクリル酸メチルエステル
圧力管中に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に4−ブロモ−1−ナフチルアミン(2.5g,11.3ミリモル)、Pd(OAc)2(140mg,0.63ミリモル)及びP(o−トリル)3(570mg,1.87ミリモル)を含む混合物に2−アセトアミドアクリル酸メチル(2.1g,14.7ミリモル)及びトリエチルアミン(5.3ml,37.5ミリモル)を添加した。混合物に窒素を3分間フラッシュした後、密封し、110℃に4時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水に分配した。水性層を酢酸エチルで1回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2.5g,76%)を得た。
【0180】
実施例35B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸メチルエステル
N2雰囲気下酢酸エチル/メタノール(50ml,1:1(v/v))中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)アクリル酸メチルエステル(2.5g,8.8ミリモル)を含む溶液にPd/C(10%,250mg)を添加した。反応フラスコにH2バルーンを被せ、60℃に18時間加熱した。混合物をセライトを介して濾過し、濾過床を酢酸エチル/メタノール(2×25ml,1:1)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(2.5g,100%)を得た。
【0181】
実施例35C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸メチルエステル(2.5g,8.8ミリモル)を含む溶液に3N NaOH(4.75ml,14.3ミリモル)を滴下し、3時間撹拌した。混合物を減圧下で減量し、3N HClを用いてpH〜4.5に酸性化した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、メタノール/ジクロロメタン(10%,25ml)に取り、セライトを介して濾過した。濾過ケーキを更にメタノール/ジクロロメタン(10%,25ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(1.75g,74%)を得た。
【0182】
実施例35D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸(500mg,1.84ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(493mg,2.57ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(360mg,2.21ミリモル)及びアミルアミン(320μl,2.75ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミンを添加してpH〜6に調節し、5時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×15ml)で抽出した。合わせた酢酸エチルを水及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(552mg,1.62ミリモル,88%)を得た。
【0183】
実施例35E:2−[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−N−ペンチル−プロピオンアミド(552mg,1.62ミリモル)及びジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(580mg,1.78ミリモル)を含む懸濁液を撹拌し、ここに無水Cu(OAc)2(14.6mg,0.081ミリモル)を添加した。生じた混合物を95℃に1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、N,N−ジメチルホルムアミドを留去した。残渣を更に一定重量になるまでオイルポンプ上で濃縮した(790mg)。
【0184】
実施例35F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イル]−エトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
ジクロロメタン(10ml)中に2−[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸(790mg,1.71ミリモル)及びトリエチルアミン(680μl,5.13ミリモル)を含む溶液を撹拌し、0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(452μl,4.04ミリモル)で30分間かけてゆっくり処理し、室温に加温し、16時間撹拌し、1N HCl(4ml)で処理し、ジクロロメタン(2×20ml)で処理した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をGilson分取HPLCにより精製して、アシル化生成物(291mg,0.52ミリモル,2ステップで31%)を淡黄色泡状物として得た。
【0185】
実施例35G:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド
室温においてメタノール(5ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−ナフタレン−1−イル]−エトキシオキサリル−アミノ}安息香酸(291mg,0.52ミリモル)を含む溶液を1N NaOH(1.3ml,1.3ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、1N HCl(2ml)で処理し、アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(95:5)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物(200mg,0.37ミリモル,72%)を得た。
【0186】
【化36】
【0187】
実施例36
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)−フェニルアラニンアミド
実施例36A:2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)エタノール
10℃において酢酸(60ml)中に2−アミノフェネチルアルコール(10.0g,72.9ミリモル)を含む溶液に酢酸(5ml)中Br2(3.8ml,72.9ミリモル)を添加した。更に酢酸(30ml)を添加し、反応物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄した。次いで、固体を酢酸エチルと水性3N NaOHに分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(15.8g)を得た。
【0188】
実施例36B:4−ブロモ−2−(1−メチル−1−トリメチルシラニル−エトキシメチル)フェニルアミン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)エタノール(15.8g,72.8ミリモル)を含む溶液にイミダゾール(6.0g,88.1ミリモル)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(12.0g,79.6ミリモル)を順次添加した。生じた混合物を周囲温度で1.5時間撹拌し、水と酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、10〜15%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(15.0g,62.3%)を得た。
【0189】
MS(ESI+) m/e=330,332(M+H)+。
【0190】
実施例36C:2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)フェニル]プロピオン酸
4−ブロモ−2−エチルアラニンの代わりに4−ブロモ−2−(1−メチル−1−トリメチルシラニル−エトキシメチル)フェニルアラニンを用い、実施例79B〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。tert−ブチルジメチルシリル保護基は実施例79Cに記載の水素化ステップ中に除去した。
【0191】
MS(ESI+) m/e=381(M+H)+。
【0192】
実施例36D:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)フェニルアラニンアミド
2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0193】
【化37】
【0194】
実施例37
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ナフチル)アラニル]アミノ}ヘキサン酸
アミルアミンの代わりに6−アミノ−ヘキサン酸メチルエステルHCL塩を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0195】
【化38】
【0196】
実施例38
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38A:[2−(4−アミノ−フェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにN−boc−p−アミノフェニルアラニンを用い、実施例35Dの手順に従って標記化合物を製造した。
【0197】
実施例38B:[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
酢酸(5ml)中に[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.2g,3.4ミリモル)を含む溶液を撹拌し、ここにNaI(0.59g,3.9ミリモル)及びクロロアミン−T3水和物(1.1g,3.9ミリモル)を順次添加した。溶液を1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、Na2S2O4水溶液で希釈し、酢酸エチルと水性NaHCO3に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.78g,46%)を得た。
【0198】
MS(ESI+) m/e=476(M+H)+。
【0199】
実施例38C:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(222mg,0.47ミリモル)及びジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(168mg,0.49ミリモル)を含む懸濁液を撹拌し、ここに無水Cu(OAc)2(7.3mg,0.040ミリモル)を添加した。生じた混合物を95℃に1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、N,N−ジメチルホルムアミドを留去した。残渣を更に一定重量になるまでオイルポンプ上で濃縮して、標記化合物(306mg)を淡褐色固体として得た。
【0200】
MS(ESI+) m/e=534(M+H)+。
【0201】
実施例38D:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−フェニルアミノ]安息香酸
圧力管に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸(306mg,0.51ミリモル)、Pd(OAc)2(6mg,0.026ミリモル)及びP(o−トリル)3(23mg,0.80ミリモル)を含む混合物にアクリルアミド(66mg,0.93ミリモル)及びトリエチルアミン(0.25ml,1.79ミリモル)を添加した。混合物に3分間窒素をフラッシュした後、密封し、90℃に16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、溶媒をSpeedVacにて除去した。残渣をメタノールに取り、アセトニトリル/0.3M水性NH4OAcを溶離液とするGilson分取HPLCにより精製して、標記化合物(153mg,0.28ミリモル)を得た。
【0202】
MS(ESI+) m/e=539(M+H)+。
【0203】
実施例38E:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
ジクロロメタン(3ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−フェニルアミノ]安息香酸(153mg,0.28ミリモル)及びトリエチルアミン(119μl,0.85ミリモル)を含む溶液を撹拌し、0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(70μl,0.63ミリモル)で30分間かけてゆっくり処理し、室温に加温し、16時間撹拌し、水性1N HCl(4ml)で処理し、ジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をGilson分取HPLCにより精製した。室温においてメタノール(2ml)中の残渣(89mg,0.14ミリモル)を水性1N NaOH(0.42ml,0.42ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、水性1N HCl(1ml)で処理し、アセトニトリル/3mM 水性NH4OAcを溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物(65mg,76%)を得た。
【0204】
【化39】
【0205】
実施例39
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド
実施例39A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−イソプロピル−フェニル)プロピオン酸
実施例35Aにおいて4−ブロモ−1−ナフチルアミンの代わりに4−ブロモ−2−イソプロピルアニリンを用い、実施例35A〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0206】
実施例39B:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに実施例39Aの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−イソプロピル−フェニル)プロピオン酸を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0207】
【化40】
【0208】
実施例40
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸
実施例40A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イルフェニル)プロピオン酸
実施例35Aにおいて4−ブロモ−1−ナフチルアミンの代わりに4−ブロモ−2−ピペリジン−1−イルアニリンを用い、実施例35A〜Cに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0209】
実施例40B:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イルフェニル)プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに6−アミノヘキサン酸メチルエステルHClを用い、実施例D〜Gに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0210】
【化41】
【0211】
実施例41
2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
実施例41A:3−メチル−1−(2−ニトロフェニル)ピペリジン
DMSO(5ml)中に3−メチルピペリジン(0.848ml,7.22ミリモル)、2−クロロニトロベンゼン(1.04g,6.57ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(1.26ml,7.22ミリモル)を含む溶液をN2下90〜95℃に一晩加熱した。混合物を周囲温度に冷却した後、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)の混合物と水(1:1,全部で75ml)に分配した。有機相を分離し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、5〜8%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)ニトロベンゼン(1.03g)を得た。
【0212】
実施例41B:2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)フェニルアミン
エタノール/酢酸エチル(7/3ml)中に2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)ニトロベンゼン(1.00g,4.54ミリモル)及び10% Pd/C(0.24g,0.227ミリモル)を含む溶液を水素雰囲気下で24時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、固体を酢酸エチルで十分に洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(0.86g)を得た。
【0213】
実施例41C:2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)フェニルアミンを用い、実施例3に記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0214】
【化42】
【0215】
実施例42
2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
実施例42A:1−(4−メトキシメトキシ−2−ニトロフェニル)ピペリジン
周囲温度においてN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に4−クロロ−3−ニトロフェノール(1.0g,5.8ミリモル)及びK2CO3(1.6g,12ミリモル)を含む混合物にクロロメチルメチルエーテルをゆっくり添加した。10分後、ピペリジン(1.2ml,5.8ミリモル)を添加し、混合物を80℃に2日間加熱し、周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、15% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.98g,64%)を得た。
【0216】
実施例42B:2−[(5−メトキシメトキシ−2−ピペリジン−1−イルフェニル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
実施例41Bにおいて3−メチル−1−(2−ニトロフェニル)ピペリジンの代わりに1−(4−メトキシメトキシ−2−ニトロフェニル)ピペリジンを用い、実施例41B〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0217】
MS(ESI+) m/e=429(M+H)+。
【0218】
実施例42C:2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(2ml,1:1(v/v))中に2−[(5−メトキシメトキシ−2−ピペリジン−1−イルフェニル)−オキサリル−アミノ]安息香酸(25mg,0.058ミリモル)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルに取り、濾過した。濾過ケーキを一定重量になるまで乾燥して、標記化合物(15mg,67%)を得た。
【0219】
【化43】
【0220】
実施例43
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニ ル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例43A:2−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(10ml,1:1(v/v))中に実施例50Aの[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(500mg,1.3ミリモル)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、標記化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0221】
実施例43B:2−メタンスルホニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
0℃においてジクロロメタン(10ml)中に2−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド(368mg,1.3ミリモル)を含む溶液にトリエチルアミン(500μl,3.6ミリモル)及びメタンスルホニルクロリド(122μl,1.6ミリモル)を順次添加した。周囲温度で1時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルと水性3N HClに分配した。有機層を水性NaHCO3及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0222】
実施例43C:3−(4−アミノフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに2−メタンスルホニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチルプロピオンアミドを用い、実施例50Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0223】
実施例43D:3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−(4−アミノフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例38Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0224】
実施例43E:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸の代わりに3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例38C〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0225】
【化44】
【0226】
実施例44
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
メタノール/酢酸エチル(2ml,1:1(v/v))中に4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド(25mg,43ミリモル)及び10% PdC(10mg)を含む溶液を水素雰囲気下で2時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(20mg,80%)を得た。
【0227】
MS(ESI+) m/e=598(M+H)+。
【0228】
実施例45
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例45A:2−(3−イソプロピル−ウレイド)−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
メタンスルホニルクロリドの代わりにイソプロピルイソシアネートを用い、実施例43Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0229】
実施例45B:4−アミノ−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに2−(3−イソプロピル−ウレイド)−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例50Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0230】
実施例45C:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−アミノ−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチルL−フェニルアラニンアミドを用い、実施例38B〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0231】
【化45】
【0232】
実施例46
2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸
実施例46A:[1−(2−アミノフェニル)−ピペリジン−1−イル]−メタノール
3−メチルピペリジンの代わりにピペリジン−4−イルメタノールを用い、実施例41に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0233】
実施例46B:2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに[1−(2−アミノフェニル)−ピペリジン−4−イル]メタノールを用い、実施例3に記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0234】
【化46】
【0235】
実施例47
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−4−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに実施例40Aの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イル−フェニル)プロピオン酸を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0236】
【化47】
【0237】
実施例48
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチルフェニルアラニル−N−メチル−4−ニトロ−L−フェニルアラニンアミド
実施例48A:(S)−N−boc−4−ニトロフェニルアラニン
水性2M NaOH(10ml)及びTHF(5ml)中に(S)−4−ニトロフェニルアラニン(2.00g,9.51ミリモル)を含む溶液にTHF(5ml)中ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.00g,9.17ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌し、H2O(2×5ml)及び1M HCl(25ml)で希釈し、エーテル(3×25ml)で抽出した。合わせたエーテル層をブライン(125ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(2.51g,88%)を得た。
【0238】
実施例48B:(S)−[1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃においてTHF(30ml)中に(S)−N−boc−4−ニトロフェニルアラニン(2.5g,8.1ミリモル)及びトリエチルアミン(1.3ml,9.3ミリモル)を含む溶液にクロロギ酸イソブチル(1.0ml,7.7ミリモル)をゆっくり滴下した。10分後、メチルアミン(7ml,THF中2M)を添加した。反応物を0.5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をH2O(25ml)に懸濁し、濾過した。濾過ケーキを冷H2Oで洗浄し、フィルター上に放置して乾燥した。固体を酢酸エチルに懸濁し、減圧下で濃縮して、標記化合物(1.74g,66%)を得た。
【0239】
【化48】
【0240】
実施例48C:(S)−2−アミノ−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド
(S)−[1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(400mg,1.24ミリモル)をトリフルオロ酢酸(2ml)に溶解し、1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(30ml)及びH2O(5ml)に取った。H2Oと混合した酢酸エチルのアリコートが塩基性となるまで固体K2CO3を混合物に添加した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(900mg)を得た。
【0241】
【化49】
【0242】
実施例48D:2−(S)−[2−(S)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド及び2−(S)−[2−(R)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド
0℃においてN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中に(±)2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(310mg)、(S)−2−アミノ−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド(900mg,1.2ミリモル)及びトリエチルアミン(400μl)を含む溶液にPyBOP(980mg,1.88ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(3×35ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルから結晶化して、標記化合物(244mg,45%)を得た。
【0243】
【化50】
【0244】
実施例48E:2−(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチルカルバモイル]エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸及び2−(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチルカルバモイル]エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中に2−(S)−[2−(S)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド及び2−(S)−[2−(R)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド(244mg,0.536ミリモル)を含む混合物にジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(219mg,0.643ミリモル)及び酢酸銅(II)(14mg,14モル%)を添加した。混合物をN2下100℃で17時間撹拌し、0.2M NaOH(10ml)に注ぎ、ヘキサン(3×5ml)で抽出し、メタノールを用いてエマルションを分解した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を1M HCl(1×3ml)及びブライン(1×3ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルから沈殿させて、標記化合物(58mg,19%)を両ジアステレオマーの混合物として得た。
【0245】
【化51】
【0246】
実施例48F:2−[(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−オキサリルアミノ]安息香酸及び
2−[(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−オキサリルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(0.5ml)中に2−(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]−エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸及び2−(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]−エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸(33mg,0.057ミリモル)を含む混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(30μl,0.17ミリモル)及びエチルオキサリルクロリド(120μl,1.08ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で2.5時間撹拌した後、2M NaOH(2ml)を添加し、10分間撹拌した。混合物を水(3ml)で希釈し、1M HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルを用いて沈殿させて、標記化合物(14mg,37%)を得た。
【0247】
【化52】
【0248】
実施例49
N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例49A:2−アミノ−3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに実施例38Bの[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、実施例43Aに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0249】
実施例49B:{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例35Cの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにL−N−boc−フェニルアラニンを用い、アミルアミンの代わりに実施例49Aの2−アミノ−3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例35Dに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0250】
実施例49C:N−{1−[2−(4−アミノ−2−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}スクシンアミド酸メチルエステル
実施例43Aにおいて[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、アミルアミンの代わりに生じたアミンを用い、実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにモノコハク酸メチルを用い、実施例43A及び35Dに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0251】
実施例49D:N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38Cにおいて[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりにN−{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}スクシンアミド酸メチルエステルを用い、実施例38C〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0252】
MS(ESI+) m/e=758(M+H+)。
【0253】
実施例50
3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド
実施例50A:[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tertブチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中にN−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ニトロ−L−フェニルアラニン(10.0g,32.2ミリモル)、アミルアミン(4.9ml,42ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.0g,42ミリモル)及び3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン(5.8g,35ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミンを用いてpH7に調節し、一晩撹拌した。反応物を酢酸エチルに取り、H2O(4×25ml)、1N HCl(1×25ml)及び水性炭酸水素ナトリウム(1×25ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で乾燥した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0254】
【化53】
【0255】
実施例50B:[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
メタノール(50ml)中に[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(18.8g,49.5ミリモル)及び10% Pd/C(0.5g)を含む溶液を水素雰囲気下60psiで15分間振盪した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0256】
【化54】
【0257】
実施例50C:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(17.0g,48.6ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(20.0g,58.4ミリモル)及び酢酸銅(II)(1.3g,7.3ミリモル)を含む溶液を75℃に4時間加熱し、室温に冷却し、水性1N HClと酢酸エチル(200ml,1:1)に分配した。有機層をH2O(4回)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0258】
【化55】
【0259】
実施例50D:2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸
ジクロロメタン(200ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸(10.2g,21.7ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(50ml)を含む混合物を3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣(10.5g,21.7ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(8.0g,95ミリモル)を酢酸エチル/H2O(250ml,3:2)に取り、クロロギ酸アリル(2.4ml,22.6ミリモル)で処理した。混合物を1時間撹拌した後、酢酸エチル(100ml)で希釈した。有機層をH2O(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0260】
【化56】
【0261】
実施例50E:2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸
ジクロロメタン(25ml)中に2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸(7.0g,14.5ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(8.8ml,50.7ミリモル)を含む溶液にtert−ブチルオキサリルクロリド(5.2g,31.9ミリモル)を添加し、一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(75ml)と水性1N HCl(50ml)に分配した。有機層をH2O(2×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をジクロロメタンから沈殿して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0262】
【化57】
【0263】
実施例50F:2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペン チルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン(25ml)中に2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸(6.46g,11.1ミリモル)を含む溶液にジフェニルメチルジアゾメタン(3.25g,16.6ミリモル)を添加し、一晩撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、0〜10%酢酸エチル/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0264】
【化58】
【0265】
実施例50G:2−{[4−(2−アミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(50ml)中に2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(2.50g,3.35ミリモル)を含む溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(193mg,0.167ミリモル)及びピペリジン(0.829ml,8.37ミリモル)を順次添加した後、1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、1〜3% 2−プロパノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0266】
【化59】
【0267】
実施例50H:2−[(4−{2−[2−(3−ベンゾイル−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ]−2−ペンチルカルバモイル−エチル}−フェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン及び2−{[4−(2−アミノ−2−ベンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステルの混合物を実施例50Aに記載されているように処理して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0268】
【化60】
【0269】
実施例50I:3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド
ジクロロメタン(3ml)中に2−[(4−{2−[2−(3−ベンゾイルフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ]−2−ペンチルカルバモイル−エチル}−フェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(515mg,0.517ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(3ml)を含む溶液を3時間撹拌し、一定重量になるまで減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(3ml)中に残渣(351mg,0.435ミリモル)、トリエチルアミン(182μl,1.31ミリモル)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(101μl,0.439ミリモル)を含む溶液を一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、0〜70%アセトニトリル/(H2O中10mM酢酸アンモニウム)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0270】
【化61】
【0271】
実施例51
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−メタンスルホニル−ベンジルアミンを用い、2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Eに従って標記化合物を製造した。
【0272】
【化62】
【0273】
実施例52
2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル) アミノ]安息香酸
実施例52A:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル
[冷却した(−10℃)Ac2O(25ml)に発煙硝酸(5.15ml,12.0ミリモル)を15分間かけて滴下して製造した]冷硝酸溶液を、濃H2SO4(5ml)及び無水酢酸(200ml)中に2−ナフトエ酸(19.0g,11.0ミリモル)を含む冷(−10℃)溶液に10分間かけて滴下した。混合物を周囲温度で5時間撹拌し、氷水(1L)に注ぎ、濾過した。沈殿をH2O及びメタノールで洗浄し、真空下50℃で16時間乾燥した。残渣をエタノール(250ml)及び濃H2SO4(2ml)に取り、混合物を3日間還流した。混合物を冷却し、濾過し、真空下で減量し、濾過した。濾過ケーキを合わせ、酢酸エチルから結晶化して、標記化合物を得た。
【0274】
【化63】
【0275】
実施例52B:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸
メタノール/THF(60ml,4:1)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル(0.95g,3.9ミリモル)を含む溶液を2M NaOH(10ml)で処理し、16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水性2N HClに分配した。有機層をH2O(2×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0276】
【化64】
【0277】
実施例52C:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド
ジクロロメタン(3ml)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸(0.82g,3.8ミリモル)、ピリジン(1滴)及びN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)を含む混合物をチオニルクロリド(303μl,4.2ミリモル)で処理し、2日間撹拌した。混合物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。THF(150ml)中に残渣(650mg,2.76ミリモル)を含む溶液に濃NH4OH(0.5ml)を添加し、30分間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、残渣を5%メタノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0278】
【化65】
【0279】
実施例52D:8−アミノ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド
メタノール(3ml)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド(330mg,1.53ミリモル)及び5% Pd/C(30mg)を含む溶液を水素雰囲気下で撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0280】
【化66】
【0281】
実施例52E:2−(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸
2−[(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに8−アミノ−ナフタレン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例50Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0282】
【化67】
【0283】
実施例52F:2−[(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イル)−エトキシオキサリル−アミノ]安息香酸
2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸の代わりに2−(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸を用い、tert−ブチルオキサリルクロリドの代わりにエチルオキサリルクロリドを用い、実施例50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。生成物を0〜70%アセトニトリル/(H2O中0.1%トリフルオロ酢酸)を溶離液とする逆相HPLCにより精製した。化合物は回転異性体の3:2混合物であった。
【0284】
【化68】
【0285】
実施例52G:2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル)アミノ]安息香酸
メタノール(2ml)中に2−[(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イル)−エトキシオキサリル−アミノ]安息香酸(30mg,0.074ミリモル)及び水性2M NaOH(0.5ml)を含む溶液を3時間撹拌し、水性2N HClを用いて酸性化し、0〜70%アセトニトリル/(H2O中0.1%トリフルオロ酢酸)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を回転異性体の3:2混合物として得た。
【0286】
【化69】
【0287】
実施例53
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド及び
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−アセチル−6−(3−イソプロピルベンジル)−4−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2,3,5−ピペラジントリオン
アミルアミンの代わりに4−メタンスルホニル−ベンジルアミンHCl塩を用い、実施例35Dに従って標記化合物を製造した。
【0288】
【化70】
【0289】
実施例54
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−ヒドロキシ安息香酸
実施例54A:2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸
98%硫酸(50ml)に2−ブロモ−4−ニトロトルエン(7.0g,32ミリモル)を溶解し、この溶液を周囲温度を維持するように水浴に置きながらこの溶液に水(8ml)中に三酸化クロム(7.5g,75ミリモル)を含む溶液を滴下した。添加後、混合物を氷(200ml)に注ぎ、沈殿を集め、水(1×100ml)で洗浄した。粗生成物をジエチルエーテル(50ml)に取り、NaHCO3水溶液(2×25ml)で抽出した。合わせた重炭酸塩層を12M HClを添加して酸性化し、ジエチルエーテル(2×25ml)で抽出した。第2組のジエチルエーテル層をブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(4.0g,51%)を得た。
【0290】
【化71】
【0291】
実施例54B:2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸(1.0g,4.06ミリモル)及びK2CO3(560mg)を含む溶液にヨウ化メチル(500μl,8.03ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、水(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×10ml)及びブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(970mg,92%)を得た。
【0292】
【化72】
【0293】
実施例54C:2−ブロモ−4−アミノ安息香酸メチル
20%水性2−プロパノール(15ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル(970mg,3.73ミリモル)、鉄粉(1.25g,22.4ミリモル)及び塩化アンモニウム(239mg,4.48ミリモル)を含む溶液を30分間還流加熱し、冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(20ml)と水(5ml)に分配した。有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、標記化合物(813mg,95%)を得た。
【0294】
実施例54D:2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル
0℃において水(10ml)及び98% H2SO4(1ml)中に2−ブロモ−4−アミノ安息香酸メチル(813mg,3.53ミリモル)を含む混合物に対して、最少量の水に溶解したNaNO2水溶液(244mg,3.53ミリモル)を反応物の表面の下にピペットを介して添加した。15分後、混合物を濾過し、濾過ケーキをH2O(10ml)で洗浄した。合わせた濾液を15分間還流加熱し、周囲温度で18時間撹拌し、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(444mg,54%)を得た。
【0295】
実施例54E:2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸
2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(212mg,0.918ミリモル)に酢酸(3ml)中30%(w/w) HBrを添加した。溶液を100℃に5時間加熱し、H2O(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×5ml)及びブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(162mg,81%)を得た。
【0296】
【化73】
【0297】
実施例54F:2−ブロモ−4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル
2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸(1.62mg,0.747ミリモル)にメタノール中1M KOH(1.5ml)を添加した。すべての物質が溶解するまで混合物を撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)及びメタノール(0.5ml)に取った後、臭化ベンジル(300μl,1.68ミリモル)及びK2CO3(150mg,1.08ミリモル)を添加した。混合物を90℃に10分間加熱し、H2O(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせた有機層を水(1×5ml)及びブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(285mg,96%)を得た。
【0298】
実施例54G:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−アミノナフタレン
N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中に8−アミノ−2−ナフトール(3.18g,20.0ミリモル)、tert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(3.6g,24ミリモル)及びイミダゾール(2.8g,41ミリモル)を含む混合物を周囲温度で30分間撹拌し、水(70ml)及び水性1M HCl(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×30ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を15%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(4.39g,80%)を得た。
【0299】
【化74】
【0300】
実施例54H:4−ベンジルオキシ−2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸ベンジルエステ ル
トルエン(3ml)中に2−ブロモ−4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(285mg,0.717ミリモル)、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−アミノナフタレン(196mg,0.717ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4mg,0.004ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)−ジメチルアミン(6mg,0.015ミリモル)及び鉱油中60% NaH(45mg,1.1ミリモル)を含む混合物をN2下で1時間還流加熱し、水(10ml)に注ぎ、水性1M HClを用いてpH<3に酸性化し、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、10%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0301】
実施例54I:4−ヒドロキシ−2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸
THF(2ml)中に4−ベンジルオキシ−2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸ベンジルエステル及びフッ化テトラブチルアンモニウム(90mg,1.0ミリモル)を含む混合物を5分間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を水性0.2M HCl(10ml)に取り、ジエチルエーテル(2×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。2−プロパノール(2ml)中に残渣、10% Pd/C(10mg)及び60% HClO4(3滴)を含む混合物を1H2圧下で18時間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をトルエンに取り、減圧下で濃縮して水を除去して、標記化合物(134mg,45%)を得た。HPLC/MS分析は、適正な質量に相当するピーク及び小さな汚染物質ピークを示した。
【0302】
実施例54J:4−ヒドロキシ−2−[(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1− イル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の4−ヒドロキシ−2−(7−ヒドロキシナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸(134mg,0.454ミリモル)にトリエチルアミン(0.6ml,4.3ミリモル)及びエチルオキサリルクロリド(0.3ml,2.7ミリモル)を順次添加した。反応物を周囲温度で25分間撹拌し、2M NaOH(5ml)を添加し、更に30分間撹拌し、水(15ml)で希釈し、ジエチルエーテル(2×5ml)で抽出した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化し、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。水性層を酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(37mg,22%)を得た。
【0303】
【化75】
【0304】
実施例55
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド
実施例55A:2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−アセトアミドアクリル酸(10.3g,80.0ミリモル)及びK2CO3(10g,72.5ミリモル)を含む混合物に室温で臭化ベンジル(8.7ml,72.5ミリモル)を添加した後、室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水(50ml,1:1)に分配し、水性層を酢酸エチル(2×45ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0305】
【化76】
【0306】
実施例55B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル
アセトニトリル(200ml)中の2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル(80.0ミリモル)にPd(OAc)2(488mg,2.18ミリモル)、(o−Tol)3P(1.32g,4.35ミリモル)及びEt3N(20ml)を添加し、続いて4−ブロモ−2−エチルアニリン(14.5g,72.5ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩還流加熱し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、水性NaHCO3で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから沈殿させて、標記化合物(6.3g)を得た。濾液を再び沈殿させて、標記化合物を更に5g得た。
【0307】
【化77】
【0308】
実施例55C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル(5g)及び10% Pd−C(100mg)を含む混合物を水素雰囲気(4気圧)下周囲温度で一晩撹拌して、標記化合物を得た。
【0309】
【化78】
【0310】
実施例55D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(2.0g,8.0ミリモル)、Cs2CO3(2.61g,8.0ミリモル)及び臭化アリル(692μl,8.0ミリモル)を含む混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水(100ml,1:1)に分配した。有機相をブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(5:3)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.44g)を得た。
【0311】
【化79】
【0312】
実施例55E:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステルを用い、エチルオキサリルクロリドの代わりにtert−ブチルオキサリルクロリドを用い、実施例3に記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0313】
MS(APCI(+)) m/e=539(M+H)+。
【0314】
実施例55F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン中の2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸に対して、(TLCでモニタリングしてすべての出発物質が消費されたことが明らかとなるまで)ジフェニルジアゾメタンを添加した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0315】
【化80】
【0316】
実施例55G:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(25ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(3.4g,4.8ミリモル)、Pd(Ph3P)4(166mg,0.144ミリモル)及びモルホリン(0.5ml,5.8ミリモル)を含む混合物をN2雰囲気下で2時間撹拌し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機相を1N HCl(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(3.3g)を得た。
【0317】
【化81】
【0318】
実施例55H:5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸2−トリメチルシラニルエチルエステル
アセトニトリル(60ml)中にboc−d−アミノ吉草酸(13.0g,59.5ミリモル)、ピリジン(45ml)、(2−トリメチルシリル)エタノール(10.3ml,71.8ミリモル)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(13.5g,65.4ミリモル)を含む混合物を撹拌しながら氷浴にて1時間冷却した後、一晩冷蔵庫に保存した。懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して大部分のピリジンを除去し、酢酸エチルで希釈し、1N HCl及び飽和NaHCO3で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物(15.3g)を得た。
【0319】
【化82】
【0320】
実施例55I:2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
5−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(317mg,1.0ミリモル)を室温でジオキサン中4N HClで30分間処理した後、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の残渣、2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(665mg,1.0ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(321mg,1.0ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(521μl,3.0ミリモル)を周囲温度で一晩撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水性NaHCO3(1×30ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(480mg)を得た。
【0321】
MS(APCI(+)) m/e=864(M+H)+。
【0322】
実施例55J:2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチルフェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリルアミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(356mg,0.41ミリモル)を室温でTHF中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4ml)で2時間処理した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl(3×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(305mg)を得た。
【0323】
【化83】
【0324】
実施例55K:2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(1−フェニル−エチルカルバモイル)−ブチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(250μl)中に2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチルフェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル(25mg,0.03ミリモル)、1−フェニルエチルアミン(10μl,0.07ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(12mg,0.036ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(20μl)を含む混合物を周囲温度で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣を5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0325】
実施例55L:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド
実施例55Kの生成物を周囲温度でトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10ml,1:1)で3時間処理し、減圧下で濃縮し、5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とするHPLCにより精製して、標記化合物(8mg)を得た。
【0326】
【化84】
【0327】
実施例56
N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド
実施例56A:1−メチル−4−ニトロナフタレン
Davalli,S.,Lumazzi,L.,Macciantelli,D.,J.Org.Chem.,56,1739(1991)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0328】
実施例56B:3−(4−ニトロ−1−ナフチル)アラニン
Benigni,J.D.,Minnis,R.L.,J.Med.Chem.,10,293(1967)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0329】
実施例56C:2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸
ジオキサン(10ml)中に3−(4−ニトロ−1−ナフチル)アラニン(0.65g,2.5ミリモル)、水性NaHCO3(5ml)及びクロロギ酸メチル(230μl,3ミリモル,1.2当量)を含む混合物を3時間撹拌し、水性2N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0330】
MS(APCI(+)) m/e=319(M+H)+。
【0331】
実施例56D:2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸2−トリメチルシラニルエチルエステル
アセトニトリル(1.1ml)中に2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸(0.35g,1.1ミリモル)、ピリジン(0.78ml)及び2−トリメチルシリルエタノール(0.18ml,1.25ミリモル,1.1当量)を含む混合物を氷浴において冷却し、ここにジシクロヘキシルカルボジイミド(0.25g,1.21ミリモル)を添加した。混合物を撹拌しながら1時間冷却し、14時間冷蔵庫に入れた。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、ヘプタン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0332】
MS(ESI(−)) m/e=417(M−H)−。
【0333】
実施例56E:3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−2−メトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
メタノール(5ml)中に2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(1.1g,2.64ミリモル)及び10% Pd/C(0.056g)を含む混合物を水素雰囲気下で4時間撹拌した。混合物を珪藻土を介して濾過し、濾過ケーキをメタノール(2×25ml)で洗浄した。合わせたメタノールを減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0334】
MS(ESI(+)) m/e=389(M+H)+。
【0335】
実施例56F:2−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イルアミノ}安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−2−メトキシカルボニルアミノプロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(0.93g,2.40ミリモル)、ジフェニルヨードニウム2−カルボキシレート(1.22g,3.8ミリモル,1.5当量)及び酢酸銅(II)(25mg,0.14ミリモル,0.06当量)を含む混合物を100℃に14時間加熱した後、室温に冷却した。混合物を1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×35ml)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(1×25ml)、水(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0336】
MS(ESI(−)) m/e=507(M−H)−。
【0337】
実施例56G:2−{tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}アミノ)安息香酸
0℃においてジクロロメタン(8ml)中に2−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イルアミノ}安息香酸(0.7g,1.38ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(0.57ml)を含む混合物にtert−ブチルオキサリルクロリド(538mg,3.61ミリモル,2.6当量)をゆっくり添加した。反応物を1時間かけて室温まで加温し、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(10mg,0.08ミリモル,0.06当量)を添加した。反応物を14時間撹拌し、1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。有機層を1N HCl(2×30ml)、水(1×20ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0338】
MS(APCI(+)) m/e=637(M+H)+。
【0339】
実施例56H:2−(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
Miller,J.B.,J.Org.Chem.,24,560(1959)に記載の手順に従ってジフェニルジアゾメタンを製造した。
【0340】
アセトン(3ml)中に2−(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸(0.3g,0.47ミリモル)を含む混合物にジフェニルジアゾメタン(134mg,0.69ミリモル)を添加した。反応混合物を6時間撹拌し、1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機層を1N HCl(1×20ml)、水(2×15ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0341】
MS(ESI(+)) m/e=820(M+H2O+H)+。
【0342】
実施例56I:2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
テトラヒドロフラン(2.5ml)中の(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル(0.7g,0.87ミリモル)を氷浴において冷却し、ここにフッ化テトラブチルアンモニウム(1.5ml,テトラヒドロフラン中1M)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、周囲温度で1時間撹拌し、1N HCl(40ml)で希釈し、ジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(2×20ml)、水(1×20ml)及びブライン(2×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0343】
MS(ESI(+)) m/e=720(M+H2O+H)+。
【0344】
実施例56J:N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド
2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(1.053g,1.5ミリモル)を1,2−ジクロロメタン(15ml)に溶解して、0.1Mストック溶液を調製した。1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.23g,1.69ミリモル)を1,2−ジクロロエタン中20% N,N−ジメチルアセトアミド(10ml)に溶解して、0.17Mストック溶液を調製した。N−シクロヘキシルカルボジイミド,N’−メチルポリスチレンHL樹脂(Nova Biochem;35mg/ウェル,f=2ミリモル/g.0.070ミリモル)をRobbins反応ブロックのウェルに添加し、続いて0.17M 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール溶液(0.35ml,0.060ミリモル)及び0.1M 化合物 2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル溶液(0.5ml,0.050ミリモル)を添加した。ブロックを1時間振盪した後、N,N−ジメチルアセトアミド中の0.1M 1−ペンチルアミン溶液(0.35ml,0.035ミリモル)を第1ウェルに添加し、ブロックを14時間振盪した。トリス(2−アミノエチル)−アミンポリスチレンHL樹脂(Nova Biochem;35mg/ウェル,f=2.3ミリモル/g,0.080ミリモル)を添加して、未反応の酸(2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル)を除去した。ブロックを2時間振盪させた後、反応混合物をRobbins反応ブロックのフリットを介して回収ブロックに濾過し、樹脂を1,2−ジクロロエタンで洗浄した。回収ブロック中の濾液を真空下で濃縮した。1,2−ジクロロエタン/トリフルオロ酢酸/アニソール(50%,45%,5%,1ml)からなる溶液で3時間処理して保護基を除去した。混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を分取逆相HPLCにより精製した。
【0345】
【化85】
【0346】
実施例57
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロヘキシルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにシクロヘキシルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0347】
【化86】
【0348】
実施例58
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0349】
【化87】
【0350】
実施例59
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−(メチルスルホニル)ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0351】
【化88】
【0352】
実施例60
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3,4,5−トリフルオロベンジル)ナフチルアラニンアミド
ペンチルアミンの代わりに3,4,5−トリフルオロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0353】
【化89】
【0354】
実施例61
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロオクチルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにシクロオクチルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0355】
【化90】
【0356】
実施例62
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0357】
【化91】
【0358】
実施例63
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3−フェニルプロピル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに3−フェニルプロピルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0359】
【化92】
【0360】
実施例64
メチル3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミ ノ]−1−ナフチル}−N−(メトキシカルボニル)アラニル−L−ノルロイシネート
1−ペンチルアミンの代わりにL−メチル−ノルロイシネートを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0361】
【化93】
【0362】
実施例65
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(2−フルオロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに2−フルオロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0363】
【化94】
【0364】
実施例66
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0365】
【化95】
【0366】
実施例67
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−ブロモベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0367】
【化96】
【0368】
実施例68
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0369】
【化97】
【0370】
実施例69
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−(アミノスルホニル)ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0371】
【化98】
【0372】
実施例70
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−({4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}メチル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにトランス−4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0373】
【化99】
【0374】
実施例71
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、2−アセチルアミノ−3−(4−アミノナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0375】
【化100】
【0376】
実施例72
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸
実施例72A:2−ニトロ−4−カルボキシ安息香酸メチル
ジオキサン(50ml)中にニトロテレフタル酸ジメチル(5.98g,25.0ミリモル)及び水性1M NaOH(25ml)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残りの溶液を水(50ml)で希釈し、ジエチルエーテル(3×25ml)で抽出した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化した後、ジエチルエーテル(3×25ml)で抽出した。第2組のエーテル層をブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(25ml)及び水(25ml)から沈殿させて、標記化合物(2.0g,36%)を得た。
【0377】
【化101】
【0378】
実施例72B:3−ニトロ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に2−ニトロ−4−カルボキシ安息香酸メチル(1.13g,5.00ミリモル)及びK2CO3(680mg,4.92ミリモル)を含む溶液に臭化ベンジル(750μl,6.30ミリモル)を添加した。混合物を100℃で15分間加熱し、周囲温度に冷却し、水(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(2×10ml)及びブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を20%酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物(1.0g,63%)を得た。
【0379】
【化102】
【0380】
実施例72C:3−アミノ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル
2−プロパノール(15ml)及び水(3ml)中に3−ニトロ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル(958mg,3.04ミリモル)、鉄粉(990mg,18ミリモル)及び塩化アンモニウム(200mg,3.73ミリモル)を含む溶液を1時間還流加熱し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を水(10ml)及びジエチルエーテル(10ml)に分配した。エーテル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(528mg,61%)を得た。
【0381】
【化103】
【0382】
実施例72D:1−ヨード−7−ヒドロキシナフタレン
水(50ml)中に98% H2SO4(4ml)を含む溶液を8−アミノ−2−ナフトール(4.48g,30ミリモル)に添加した。混合物を氷浴で冷却した後、最少量の水中に水性NaNO2(2.50g,36.2ミリモル)を含む溶液をピペットを介してゆっくり添加して、反応物の表面下のニトリル溶液を排除した。10分後、最少量の水中にKI(15g,90ミリモル)を含む溶液をN2の発生をコントロールするようにゆっくり添加した。形成した泡状エマルションを分解すべくジエチルエーテルを添加し、反応物を周囲温度で18時間撹拌した。更にジエチルエーテル(50ml)を添加した後、固体NaHSO3を添加して、反応物からI2カラーを除いた。混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(150ml)で洗浄した。エーテル層を上清から分離し、水性層をジエチルエーテル(1×50ml)で抽出した。合わせたエーテル層及び酢酸エチル層をブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(3.2g,40%)を得た。
【0383】
【化104】
【0384】
実施例72E:1−ヨード−7−ジメチル−tert−ブチルシリルオキシナフタレン
N,N−ジメチルホルムアミド(27ml)中の1−ヨード−7−ヒドロキシナフタレン(3.05g,11.3ミリモル)に塩化tert−ブチルジメチルシリル(2.09g,13.9ミリモル)及びイミダゾール(1.85g,27ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、水性0.3M HCl(150ml)で希釈し、ヘキサン(2×50ml)で抽出した。合わせたヘキサン層を水(1×50ml)及びブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を110℃で2分間加熱して、副生成物を含有する過剰のシリコンの大部分を除去して、標記化合物(4.34g,100%)を得た。
【0385】
【化105】
【0386】
実施例72F:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ) −ナフタレン−1−イルアミノ]−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル
トルエン(13ml)中に3−アミノ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル(1.2g,4.21ミリモル)、1−ヨード−7−ジメチル−tert−ブチルシリルオキシナフタレン(1.62g,4.21ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19mg,0.019ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)ジメチルアミン(25mg,0.064ミリモル)及び鉱油中60% NaH(210mg,5.25ミリモル)を含む混合物をN2下80℃で17時間撹拌し、周囲温度に冷却し、水性0.1M HCl(50ml)に注いだ。混合物をジエチルエーテル(3×15ml)で抽出し、合わせたエーテル層をブライン(1×15ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を10%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.26g,55%)を得た。
【0387】
【化106】
【0388】
実施例72G:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル
ジオキサン(30ml)中の2−[7−(tert−ブチルジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル(1.26g)に60% HClO4(15滴)を添加した。18時間撹拌した後、NaHCO3水溶液(2ml)を添加し、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(15ml)と水(15ml)に分配した。酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(553mg,56%)を得た。
【0389】
【化107】
【0390】
実施例72H:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸1−メチルエステル
ジオキサン(10ml)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル(545mg,1.27ミリモル)、10% Pd−C(90mg)及び60% HClO4(2滴)を含む混合物を1水素圧下周囲温度で4時間撹拌した。混合物を濾過し、NaHCO3水溶液(1ml)を添加し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(15ml)と水性1M HCl(5ml)に分配し、層を分離した。有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(450mg)を得た。
【0391】
【化108】
【0392】
実施例72I:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタリルアミド1−メチルエステル
THF(2ml)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸1−メチルエステル(75mg,0.22ミリモル)を含む溶液にトリエチルアミン(155μl,1.11ミリモル)及びクロロギ酸イソブチル(80μl,0.62ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で30分間撹拌し、水性アンモニア(1ml)を添加し、反応物を5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(3ml)に取り、1M HCl(3×1ml)、NaHCO3水溶液(2×1ml)及びブライン(1×1ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0393】
実施例72J:2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸
エタノール/水(5:1)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタリルアミド1−メチルエステル及び1.39M NaOH(1ml)を含む混合物を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を水(1ml)と酢酸エチル(2ml)に分配し、混合物を水性1M HCl(2ml)を用いてpH<3に酸性化した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(2ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×2ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中に残渣、トリエチルアミン(200μl)及びエチルオキサリルクロリド(100μl)を含む溶液を周囲温度で40分間撹拌した後、水性2M NaOH(2ml)、水(6ml)を順次添加した。生じた溶液を10分間撹拌した後、酢酸エチル(2ml)及び12M HCl(0.5ml)を順次添加した。混合物を振盪した後分離し、水性相を酢酸エチル(2×1ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0.1%水性トリフルオロ酢酸/アセトニトリルを溶離液とする逆相HPLCで精製して、標記化合物(18mg,23%)を得た。
【0394】
【化109】
【0395】
実施例73
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
実施例73A:4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド
Bergeim,F.H.,Braker,W.,J.Am.Chem.Soc.,64,1459(1944)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0396】
実施例73B:4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−N−エチルベンゼンスルホンアミド
0℃においてジオキサン(15ml)中に4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド(1.68g,5ミリモル)を含む混合物に水性重炭酸ナトリウム(5ml)及びエチルアミン(10ミリモル,テトラヒドロフラン中2M溶液5ml)を順次添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、周囲温度まで2時間加温した。混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を水(1×20ml)、水性1N HCl(2×20ml)、水性NaHCO3(2×20ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を最少量のクロロホルムに溶解し、ヘキサンを添加して沈殿させた。混合物を濾過し、固体をヘキサン及びクロロホルムで洗浄して、標記化合物を得た。
【0397】
MS(APCI(+)) m/e=345(M+H)+。
【0398】
実施例73C:4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジルアミン
メタノール(5ml)中に4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−N−エチルベンゼンスルホンアミド(0.84g,2.44ミリモル)及びヒドラジン(0.38ml)を含有する溶液を窒素下で14時間撹拌し、水性NaHCO3で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水性NaHCO3(1×35ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノールを漸増させたトルエン/酢酸エチル(1:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0399】
MS(APCI(+)) m/e=215(M+H)+。
【0400】
実施例73D:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0401】
【化110】
【0402】
実施例74
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38Bの[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに実施例49Bの{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニル−エチル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、実施例38C〜Eの手順に従って標記化合物を製造した。
【0403】
MS(ESI+) m/e=780(M+Na)+,758(M+H)。
【0404】
NMRデータなし。
【0405】
実施例75
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1S)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ニトロ−(S)−α−メチルベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0406】
【化111】
【0407】
実施例76
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例35D〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0408】
【化112】
【0409】
実施例77
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ブロモベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0410】
【化113】
【0411】
実施例78
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
実施例78A:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル
トルエン(35ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル(2.86g,11.0ミリモル)、7−tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ−1−ナフチルアミン(3.01g,11.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(50mg,0.051ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)−ジメチルアミン(66mg,17ミリモル)及び鉱油中60% NaH(660mg,16.5ミリモル)を含む混合物をN2下2時間還流し、冷却し、水性1M HCl(1×15ml)及びブライン(1×15ml)で洗浄した。HCl層をジエチルエーテル(1×15ml)で抽出し、エーテル層をブライン(1×10ml)で洗浄した。合わせたエーテル層及びトルエン層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2.58g,52%)を得た。
【0412】
【化114】
【0413】
実施例78B:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−アミノ−安息香酸メチルエステル
2−プロパノール/水(5:1(v/v),8ml)中に2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル(796mg,1.76ミリモル)、鉄紛(580mg,10.5ミリモル)及び塩化アンモニウム(116mg,2.16ミリモル)を含む混合物を1.75時間還流加熱し、酢酸エチル(50ml)で希釈し、珪藻土を介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(653mg,88%)を得た。
【0414】
実施例78C:2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
酢酸エチル(1ml)中に2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−アミノ−安息香酸メチルエステル(73mg,0.17ミリモル)、トリエチルアミン(66μl,0.47ミリモル)及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾイルクロリド(40mg,0.22ミリモル)を含む溶液を10分間撹拌し、水性1M HCl(2×1ml)、NaHCO3水溶液(2×1ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、30%酢酸エチル/ヘキサン(37mg)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。残渣を排出し、エタノール/水(5:1)中の水性1.39M NaOH(1ml)中で14時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、水(1ml)に取り、ジエチルエーテル(3×1ml)で抽出した。水性層を酢酸エチル(3ml)と共に撹拌し、水性1M HCl(2ml)を添加して酸性化した。酢酸エチル層を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中に残渣、トリエチルアミン(200μl)及びエチルオキサリルクロリド(100μl)を含む混合物を周囲温度で10分間撹拌し、水性2M NaOH(2ml)を添加し、混合物を10分間放置した。均質な溶液が生ずるまで水を添加し、混合物を1.5時間放置した。12M HClを添加して混合物をpH=1まで酸性化し、酢酸エチル(4×1ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(1×1ml)及びブライン(1×1ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルを溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0415】
【化115】
【0416】
実施例79
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例79A:2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−アセトアミドアクリル酸(10.3g,80.0ミリモル)及びK2CO3(10g,72.5ミリモル)を含む混合物に室温において臭化ベンジル(8.7ml,72.5ミリモル)を添加し、室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水(50ml,1:1)に分配し、水性層を酢酸エチル(2×45ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0417】
【化116】
【0418】
実施例79B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−アクリル酸ベンジルエステル
アセトニトリル(200ml)中の2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル(80.0ミリモル)にPd(OAc)2(488mg,2.18ミリモル)、(o−Tol)3P(1.32g,4.35ミリモル)、Et3N(20ml)及び4−ブロモ−2−エチルアニリン(14.5g,72.5ミリモル)を順次添加した。反応混合物を一晩還流加熱し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、水性NaHCO3で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから沈殿させて、標記化合物(6.3g)を得た。濾液を再び沈殿させて、5gの標記化合物を更に得た。
【0419】
【化117】
【0420】
実施例79C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル(5g)及び10% Pd−C(100mg)を含む混合物を水素雰囲気(4気圧)下で一晩撹拌して、標記化合物を得た。
【0421】
【化118】
【0422】
実施例79D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオン酸アリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(2.0g,8.0ミリモル)、Cs2CO3(2.61g,8.0ミリモル)及び臭化アリル(692μl,8.0ミリモル)を含む混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水(100ml,1:1)に分配した。有機相をブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(5:3)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.44g)を得た。
【0423】
【化119】
【0424】
実施例79E:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステルを用い、実施例50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0425】
MS(APCI(+)) m/e=539(M+H)+。
【0426】
実施例79F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン中の2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸に対して、(TLCでモニタリングしてすべての出発物質が消費されたことが明らかとなるまで)ジフェニルジアゾメタンを添加した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0427】
【化120】
【0428】
実施例79G:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチル−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(25ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(3.4g,4.8ミリモル)、Pd(Ph3P)4(166mg,0.144ミリモル)及びモルホリン(0.5ml,5.8ミリモル)を含む混合物をN2雰囲気下で2時間撹拌し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機相を1N HCl(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(3.3g)を得た。
【0429】
【化121】
【0430】
実施例79H:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−(4−ニトロ−ベンジルカルバモイル)−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(250μl)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(25mg,0.038ミリモル)、4−ニトロベンジルアミン塩酸塩(15mg.0.08ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(16mg,0.048ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(26μl)を含む混合物を周囲温度で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣を5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0431】
実施例79I:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例79Hの生成物を周囲温度でトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10ml,1:1)で3時間処理し、減圧下で濃縮し、5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とするHPLCにより精製して、標記化合物(8mg)を得た。
【0432】
【化122】
【0433】
実施例80
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド
実施例79Hにおいて4−ニトロベンジルアミンの代わりに1−(4−ニトロフェニル)エチルアミンを用い、実施例79H〜Iに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0434】
【化123】
【0435】
実施例81
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−エチルフェニルアラニンアミド
実施例79Hにおいて4−ニトロベンジルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例79H〜Iに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0436】
【化124】
【0437】
実施例82
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0438】
【化125】
【0439】
実施例83
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用した2−アセチル−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ブロモ−(R)−α−メチルベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0440】
【化126】
【0441】
実施例84
4−[(ブチルアミノ)カルボニル]−2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸
実施例72Iにおいて水性アンモニアの代わりにn−ブチルアミンを用い、実施例72I〜Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。標記化合物を40%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0442】
【化127】
【0443】
実施例85
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例85A:2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−ピペリジン−1−イル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
実施例55Bにおいて4−ブロモ−2−エチルアニリンの代わりに4−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−アニリンを用い、実施例55B〜Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0444】
実施例85B:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例55Kで使用した2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステルの代わりに2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−ピペリジン−1−イル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−安息香酸ベンズヒドリルエステルを用い、1−フェニルエチルアミンの代わりに3−ヒドロキシアニリンを用い、実施例55Kに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0445】
【化128】
【0446】
実施例86
2−((カルボキシカルボニル){4−[2−ヒドロキシ−3−(ペンチルアミ ノ)プロピル]フェニル}アミノ)安息香酸
実施例86A:1−アリル−4−ニトロベンゼン
JOC,22,p.1418(1957)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0447】
実施例86B:4−アリル−フェニルアミン
エタノール/H2O(3:1)(200ml)中に1−アリル−4−ニトロベンゼン(1.92g,11.8ミリモル)、NH4Cl(1.89g,35.3ミリモル)及び鉄紛(4.60g,82.4ミリモル)を含む溶液を一晩還流加熱した。反応物を冷却し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶出液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0448】
MS(ESI(+)) m/e=134(M+H)+。
【0449】
実施例86C:2−(4−アリル−フェニルアミノ)安息香酸
[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−アリル−フェニルアミンを用い、実施例50Cの手順に従って標記化合物を製造した。
【0450】
【化129】
【0451】
実施例86D:2−[(4−アリル−フェニル)−ベンジルオキシオキサリル−アミノ]安息香酸
2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]−安息香酸の代わりに2−(4−アリル−フェニルアミノ)安息香酸を用い、tert−ブチルオキサリルクロリドの代わりにベンジルオキサリルクロリドを用い、実施例50Eの手順に従って標記化合物を製造した。生成物をジクロロメタン,1%メタノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリゲルクロマトグラフィーにより精製した。標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0452】
【化130】
【0453】
実施例86E:2−[(4−アリル−フェニル)−ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−{[4−(アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}−安息香酸の代わりに2−[(4−アリル−フェニル)ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸を用い、実施例50Fに記載の手順に従って標記化合物を製造した。標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0454】
【化131】
【0455】
実施例86F:2−[ベンジルオキシオキサリル−(4−オキシラニルメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(15ml)中に2−[(4−アリル−フェニル)ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル(1.42g,2.44ミリモル)を含む溶液を65% m−クロロペルオキシ安息香酸(780mg,2.94ミリモル)で処理し、一晩撹拌した。反応混合物を25〜40% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするクロマトグラフィーにかけて、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0456】
【化132】
【0457】
実施例86G:2−{ベンジルオキシオキサリル−[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−アミノ}−安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−メチル−2−プロパノール(5ml)中に2−[ベンジルオキシオキサリル−(4−オキシラニルメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル(256mg,0.428ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(112μl,0.642ミリモル)を含む溶液をアミルアミン(55μl,0.47ミリモル)で処理し、一晩還流した。反応物を減圧下で濃縮し、20〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0458】
【化133】
【0459】
実施例86H:2−{[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−オキサリル−アミノ}安息香酸
メタノール(3ml)中に2−{ベンジルオキシオキサリル−[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−アミノ}−安息香酸ベンズヒドリルエステル(60mg,0.93ミリモル)及び10% Pd/C(100mg)を含む溶液を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、0〜70%アセトニテリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0460】
【化134】
【0461】
実施例87
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
実施例87A:2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸
実施例50Cの[2−(4−アミノ−フェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−ブロモ−ナフタレン−1−イル−アミンを用い、実施例50Eの2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸の代わりに生成物を用い、実施例50C及び50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0462】
実施例87B:2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸の代わりに2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸を用い、実施例50Fに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0463】
MS(ESI(+)) m/e=653,655(M+NH4)+。
【0464】
実施例87C:2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(3−オキソ−ブチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
圧力管に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5ml)中に2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブチルオキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(230mg,0.36ミリモル)、Pd(OAc)2(4.0mg,0.018ミリモル)、P(o−トリル)3(11mg,0.036ミリモル)を含む混合物に3−ブテン−2−オール(47μl,0.54ミリモル)及びトリエチルアミン(127μl,0.90ミリモル)を添加した。混合物に窒素を3分間フラッシュし、ふたを被せ、100℃に30分間加熱した。反応混合物を周囲温度まで放冷し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20〜30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするAlltech Sep−Pakにより精製して、標記化合物(180mg,81%)を得た。
【0465】
MS(ESI(+)) m/e=645(M+NH4)+。
【0466】
実施例87D:2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
無水メタノール(1.0ml)中に2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(3−オキソ−ブチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(45mg,0.072ミリモル)及びアミルアミン(13μl,0.11ミリモル)を含む混合物を周囲温度で3時間撹拌し、NaBH4(30mg)を30分間かけて少しずつ添加し、2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(1.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0ml)及びレゾルシノール(30mg)とともに5時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をGilson分取HPLCにより精製して、標記化合物(22mg,0.046ミリモル,63%)を得た。
【0467】
【化135】
【0468】
実施例88
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)プロピル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
実施例87Bで使用した3−ブテン−2−オールの代わりにアリルアルコールを用い、実施例87に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0469】
【化136】
(技術分野)
本発明は、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bを阻害するのに有用な化合物、前記化合物の製造方法、前記化合物を含む組成物及び前記化合物を用いる疾患の治療に関する。
【0002】
(発明の背景)
PTP1Bは、代謝、成長、増殖及び分化に関わる細胞シグナルメカニズムの調節に関与するタンパク質チロシンホスファターゼのファミリーである(Science,253,401−406(1991))。チロシンホスファターゼPTP1Bの過剰発現または改変活性は各種疾患の進行の原因となり得る(Ann.Rev.Biochem.,54,897−930(1985))。2つの別々の研究から、PTP1Bノックアウトマウスは高いブドウ糖耐性、高いインシュリン感受性及び高脂肪食に対して少ない体重増加を示すことが判明している。更に、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bの阻害がI型及びII型糖尿病、肥満症、自己免疫疾患、急性及び慢性炎症疾患、骨粗しょう症や各種ガンのような疾患の治療のために治療上有用であることを示唆する証拠もある(J.Natl.Cancer Inst.,86,372−378(1994);Mol.Cell.Biol.,14,6674−6682(1994);The EMBO J.,12,1937−1946(1993);J.Biol.Chem.,269,30659−30667(1994);及びBiochemical Pharmacology,54,703−711(1997))。
【0003】
未調節のタンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bが上記疾患において重要な役割を果たしているので、前記酵素を阻害する薬剤は臨床可能性について現在活発に研究されている主題である。国際特許出願公開第99/46236号パンフレット、同第99/46237号パンフレット、同99/46267号パンフレット及び第99/46268号パンフレットを参照されたい。これらの各文献には特定のヘテロアリール及びアリールアミノ(オキソ)酢酸タンパク質チロシンホスファターゼPTP1B阻害剤が教示されているが、これらの化合物の力価はpHレベルが5.5以上になると劇的に低下した(J.Biol.Chem.,275,10300−10307(2000)及びJ.Biol.Chem.,275,7101−7108(2000))。本発明は、生理学的pHレベルで有効であり、薬物開発のためにより適したPTP1B阻害剤を提供する。
【0004】
(発明の要旨)
従って、主たる態様において、本発明は式(I)を有するタンパク質チロシンホスファターゼPTP1B阻害剤またはその治療上許容され得る塩を提供する。
【0005】
【化4】
上記式中、
Aはアリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R1はアルコキシ、アルキル、アミノ、アミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;
R2はアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アミド、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、SO3H、PO(OH)2、CH2PO(OH)2、CHFPO(OH)2、CF2PO(OH)2、C(=NH)NH2、及び以下の5員ヘテロ環
【0006】
【化5】
(ここで、*は親分子部分への結合位置を指す)
からなる群から選択され;
R3、R4及びR5は独立して水素、アルコキシ、アルキル、アミド、アミノ、アミノスルホニル、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;及び
R6はアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(ヘテロシクロアルキル)アルキルからなる群から選択される。
【0007】
本発明の別の態様で、式(II):
【0008】
【化6】
[式中、
R3は水素、アミド、アルコキシ、アリールカルボニルアミノ、シアノ及びヒドロキシからなる群から選択され;
R6はアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(ヘテロシクロアルキル)アルキルからなる群から選択され;及び
各R7は独立して水素及びアルキルからなる群から選択される]
を有する化合物またはその治療上許容され得る塩を提供する。
【0009】
式(I)を有する化合物の好ましい実施態様において、Aはアリールである。
【0010】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシである。
【0011】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシである。
【0012】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシであり、R3、R4及びR5は独立して水素及びアルコキシからなる群から選択される。
【0013】
式(I)を有する化合物の別の好ましい実施態様において、Aはアリールであり、R1はヒドロキシであり、R2はカルボキシであり、R3、R4及びR5は独立して水素及びアルコキシからなる群から選択され、R6はアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。
【0014】
本発明の別の態様で、式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む生理学的pHでタンパク質チロシンホスファターゼを阻害する方法を提供する。
【0015】
本発明の別の態様で、治療を要する患者に対して式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む前記患者におけるII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性を治療する方法を提供する。
【0016】
本発明の別の態様で、式(I)を有する化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物を提供する。
【0017】
本発明の別の態様で、式(II)を有する化合物を治療有効量の投与することを含む生理学的pHでタンパク質チロシンホスファターゼを阻害する方法を提供する。
【0018】
本発明の別の態様で、治療を要する患者に対して式(II)を有する化合物を治療有効量投与することを含む前記患者におけるII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性を治療する方法を提供する。
【0019】
本発明の別の態様で、式(II)を有する化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物を提供する。
【0020】
(発明の詳細説明)
本発明は、タンパク質チロシンホスファターゼPTP1Bを阻害する化合物類を提供する。
【0021】
本明細書中、下記用語は以下のように定義される:
本明細書中、用語「アルカノイル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0022】
本明細書中、用語「アルケニル」は2〜6個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する1価の直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基を指す。
【0023】
本明細書中、用語「アルコキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0024】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシ基を指す。
【0025】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニルアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシカルボニル基を指す。
【0026】
本明細書中、用語「アルコキシカルボニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアルコキシカルボニル基を指す。
【0027】
本明細書中、用語「アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する1価の飽和直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基を指す。
【0028】
本明細書中、用語「アルキルスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0029】
本明細書中、用語「アミド」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0030】
本明細書中、用語「アミドアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアミド基を指す。
【0031】
本明細書中、用語「アミドアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアミド基を指す。アミドアルキルのアルキル部分は、ヒドロキシ、チオアルコキシ、RARBN−(ここで、RA及びRBは独立して水素、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、アリールアルキル、アリールアルキルカルボニル、カルボキシアルキシカルボニルまたは窒素保護基から選択される)から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0032】
本明細書中、用語「アミノ」は−NR8R9[式中、R8及びR9は独立して水素、アルカノイル、アルケニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルスルホニル、アリール、アリールアルキル、カルボキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、窒素保護基、フェニルスルホニル及びRARBNカルボニルアルキル(ここで、RA及びRBは前記と同義である)から選択されるか、またはR8及びR9はこれらが結合している窒素原子と一緒になってモルホリニル、オキサジナニル、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択される環を形成する]を指す。
【0033】
本明細書中、用語「アミノアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0034】
本明細書中、用語「アミノアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。アミノアルキルのアルキル部分は、水素及びヒドロキシから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0035】
本明細書中、用語「アミノスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているアミノ基を指す。
【0036】
本明細書中、用語「アリール」はジヒドロナフチル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル及びテトラヒドロナフチルを指す。芳香族環に融合した不飽和または部分飽和環を有するアリール基は該基の飽和または不飽和部分を介して結合され得る。本発明のアリール基は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルスルホニル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル、フェニルカルボニル及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0037】
本明細書中、用語「アリールアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。アリールアルキルのアルキル部分は、アミド及びNRARB(ここで、RA及びRBは前記と同義である)で置換されていてもよい。
【0038】
本明細書中、用語「アリールアルキルカルボニル」はカルボニルを介して親分子部分に結合しているアリールアルキル基を指す。
【0039】
本明細書中、用語「アリールオキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
【0040】
本明細書中、用語「カルボニル」は−C(O)−を指す。
【0041】
本明細書中、用語「カルボキシ」は−CO2Hを指す。
【0042】
本明細書中、用語「カルボキシアルケニル」はアルケニル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシ基を指す。
【0043】
本明細書中、用語「カルボキシアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシ基を指す。
【0044】
本明細書中、用語「カルボキシアルキルカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているカルボキシアルキル基を指す。
【0045】
本明細書中、用語「シアノ」は−CNを指す。
【0046】
本明細書中、用語「シクロアルケニル」は少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を持つ4〜12個の炭素原子からなる1価の環式または二環式炭化水素を指す。
【0047】
本明細書中、用語「シクロアルケニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているシクロアルケニル基を指す。
【0048】
本明細書中、用語「シクロアルキル」は3〜12個の炭素原子からなる1価の飽和環式または二環式炭化水素を指す。本発明のシクロアルキル基は、アルカノイル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アミド、カルボキシ、ハロ及びヒドロキシからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい。
【0049】
本明細書中、用語「シクロアルキルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているシクロアルキル基を指す。
【0050】
本明細書中、用語「ハロ」はF、Cl、BrまたはIを指す。
【0051】
本明細書中、用語「ハロアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているハロ基を指す。
【0052】
本明細書中、用語「ヘテロアリール」は5〜6原子を有する環状の芳香族基を指し、前記原子のうち少なくとも1個は窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択され、残りの原子は炭素原子である。5員環は2個の2重結合を持ち、6員環は3個の二重結合を持つ。本発明のヘテロアリールの例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアジニル等である。本発明のヘテロアリール基は環中の炭素原子を介して親分子基に結合し、またはイミダゾール、インドール及びピラゾールのように環中の炭素原子または窒素原子を介して親分子基に結合する。本発明のヘテロアリール基はヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びフェニルからなる群から選択される第2の環に融合していてもよく、この場合ヘテロアリール基は融合環系のヘテロアリール部分、ヘテロシクロアルキル部分またはフェニル部分のいずれかを介して親分子基に結合し得る。この種のヘテロアリール基の例はキノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インドリル、チエノピラジニル、チエニルフラニル、チエニルピリジニル、2,3−ジヒドロチエノフラニル等である。本発明のヘテロアリール基は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、カルボキシ、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアルキル、フェニル、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0053】
本明細書中、用語「ヘテロアリールアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヘテロアリール基を指す。
【0054】
本明細書中、用語「ヘテロシクロアルキル」は酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される原子を少なくとも1個有する環状の非芳香族4〜6員環の基を指す。4員環は二重結合を持たず、5員環は0〜1個の二重結合を持ち、6員環は0〜2個の二重結合を持つ。本発明のヘテロシクロアルキル基の例は、ジヒドロピリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル等である。本発明のヘテロシクロアルキルは環中の炭素原子または窒素原子を介して親分子基に結合し得る。本発明のヘテロシクロアルキル基はフェニル環に融合していてもよく、この場合ヘテロシクロアルキル基は融合環系のヘテロシクロアルキル部分またはフェニル部分のいずれかを介して親分子基に結合し得る。この種のヘテロシクロアルキル基の例はベンゾジオキソリル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、クロマニル等である。本発明のヘテロシクロアルキル基は、アルカノイル、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アミドアルケニル、アミドアルキル、アミノ、アミノアルケニル、アミノアルキル、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ及びチオアルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
本明細書中、用語「(ヘテロシクロアルキル)アルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヘテロシクロアルキル基を指す。
【0056】
本明細書中、用語「ヒドロキシ」は−OHを指す。
【0057】
本明細書中、用語「ヒドロキシアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているヒドロキシ基を指す。
【0058】
本明細書中、用語「ニトロ」は−NO2を指す。
【0059】
本明細書中、用語「窒素保護基」は合成過程で望ましくない副反応からアミノ基を保護する選択的に誘導可能であり且つ除去可能な基を指す。アミノ保護基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル(トリチル)、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル等が含まれる。
【0060】
本明細書中、用語「オキソ」は=Oを指す。
【0061】
本明細書中、用語「ペルフルオロアルコキシ」は酸素原子を介して親分子部分に結合しているペルフルオロアルキル基を指す。
【0062】
本明細書中、用語「ペルフルオロアルキル」は水素原子の全部がフッ素原子で置換されているアルキル基を指す。
【0063】
本明細書中、用語「フェニル」は未置換の6員芳香族環を指す。
【0064】
本明細書中、用語「フェニルアルコキシ」はアルコキシ基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0065】
本明細書中、用語「フェニルアルキル」はアルキル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0066】
本明細書中、用語「フェニルカルボニル」はカルボニル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0067】
本明細書中、用語「フェニルスルホニル」はスルホニル基を介して親分子部分に結合しているフェニル基を指す。
【0068】
本明細書中、用語「スルホニル」は−SO2−を指す。
【0069】
本明細書中、用語「チオアルコキシ」は硫黄原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。
【0070】
本発明化合物は、治療上許容され得る塩として存在し得る。用語「治療上許容され得る塩」は、水または油に溶解または分散し得、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を呈することなく疾患の治療に適しており、妥当な損益比のバランスを有し、所与の用途に対して有効である化合物の塩または双イオンを指す。前記塩は、本発明化合物の最終単離及び精製過程で調製され得るか、或いは本発明化合物のアミノ基を適当な酸と反応させることにより別途に調製され得る。代表的な塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が含まれる。本発明化合物のアミノ基は塩化、臭化及びヨウ化アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリル等)により4級化され得る。
【0071】
塩基付加塩は、本発明化合物の最終単離及び精製過程でカルボキシル基を金属カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム)の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、或いは有機第1級、第2級または第3級アミンのような適当な塩基と反応させることにより調製され得る。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン等から誘導される4級アミン塩も本発明の範疇として意図される。
【0072】
本発明化合物は治療上許容され得るプロドラッグとしても存在し得る。用語「治療上許容され得るプロドラッグ」は、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を呈することなく患者の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比のバランスを有し、所期の使用のために有効である前記プロドラッグまたは双性イオンを指す。用語「プロドラッグ」は、インビボで例えば血中での加水分解により式(I)を有する親化合物に速やかに変換される化合物を指す。
【0073】
本発明化合物中には不斉中心が存在し得る。化合物の各立体異性体は、キラル出発物質からの合成により、またはラセミ混合物を調製し、次いでジアステレオマー混合物に変換後分離、再結晶、クロマトグラフィー方法またはキラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離により分離することにより製造される。特定の立体化学を有する出発物質は市販されているかまたは下記する方法により調製され、当業界で公知の方法により分割される。
【0074】
本発明化合物中には幾何異性体が存在し得る。本発明は炭素−炭素二重結合、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基の周りの置換基を除去することにより生ずる各種幾何異性体及びその混合物を包含する。炭素−炭素二重結合の周りの置換基はZまたはE立体配置であることが明示され、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基の周りの置換基はシスまたはトランス立体配置であることが明示される。
【0075】
本発明化合物の治療用組成物は、有効量の本発明化合物を1つ以上の治療上許容され得る賦形剤と共に含む。本明細書中、用語「治療上許容され得る賦形剤」は、任意のタイプの非毒性で固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル化剤または製剤化助剤を指す。治療上許容され得る賦形剤の例には糖、セルロース及びその誘導体、オイル、グリコール、溶液、緩衝剤、着色剤、放出剤、被覆剤、矯味剤、矯臭剤、パフューム等が含まれる。治療用組成物は非経口、槽内、経口、直腸または腹腔内に投与され得る。
【0076】
本発明化合物を経口投与するための液体剤形は、エマルション、ミクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルとして本発明化合物を含む。液体剤形は、本発明化合物の他に希釈剤及び/または可溶化または乳化剤を含み得る。経口組成物は、不活性希釈剤の他に湿潤剤、乳化剤、矯味剤、矯臭剤及びパフュームを含み得る。
【0077】
本発明化合物の注射剤は、無菌で注射可能な水性及び油性の液体、懸濁液またはエマルションからなり、場合により非経口的に許容し得る希釈剤、分散剤、湿潤剤または懸濁剤と共に処方され得る。前記注射剤は細菌フィルターを介する濾過により滅菌され得るか、または注射可能媒体に溶解または分散する滅菌剤と共に処方され得る。
【0078】
本発明化合物によるPTP阻害は、水溶性が劣る結晶質または非晶質材料の液体または懸濁液を用いることにより遅延され得る。本発明化合物の吸収率はその溶解度に依存し、後者は結晶度に依存する。化合物を油中に溶解または懸濁することにより非経口的に投与した化合物の吸収を遅延させることができる。本発明化合物の注射可能なデポ剤は、該化合物を生分解性ポリマーでマイクロカプセル化することによっても調製され得る。化合物対ポリマー比及び使用するポリマーの種類に応じて、放出率をコントロールし得る。注射可能なデポ剤は化合物を体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルションで包囲することによっても製造される。
【0079】
本発明化合物を経口投与するための固体剤形にはカプセル剤、錠剤、ピル剤、散剤及び顆粒剤が含まれる。前記剤形において、本発明化合物は少なくとも1つの不活性で治療上許容され得る賦形剤(例えば、担体、充填剤、増量剤、崩壊剤、溶解遅延剤、湿潤剤、吸収剤または滑沢剤)と混合されている。カプセル剤、錠剤及びピル剤の場合には賦形剤は緩衝剤をも含み得る。直腸投与用座剤は、本発明化合物を常温では固体であるが直腸では流体である適当な非刺激性賦形剤と混合することにより製造され得る。
【0080】
本発明化合物は、上記した賦形剤の1つ以上を用いてマイクロカプセル化され得る。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、ピル剤及び顆粒剤の固体剤形は、(例えば、腸溶性及び徐放性)コーティング及びシェル(shell)を用いて製造され得る。前記剤形において、本発明化合物は少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得、場合により錠剤化滑沢剤及び助剤を含み得る。カプセル剤は場合により本発明化合物の腸管の所望部分への放出を遅らす不透明化剤をも含み得る。
【0081】
経皮パッチは、本発明化合物を身体に対して制御デリバリーするという追加の利点を有する。前記剤形は、本発明化合物を適当な媒体に溶解または分配することにより調製される。皮膚に対する本発明化合物のフラックス(flux)を増加させるために吸収増強剤をも使用することができ、吸収率は吸収率コントロール膜を用いるかまたは本発明化合物をポリマーマトリックスまたはゲル中に分散させることによりコントロールされ得る。
【0082】
タンパク質チロシンホスファターゼPTP1B活性により誘発されるかまたは増悪する疾患は、患者に対して本発明化合物を所望の結果を得るのに必要な治療有効量及び時間投与することにより治療または予防される。用語「治療有効量」は医学的治療のために適用可能な妥当な損益比でタンパク質チロシンホスファターゼPTP1B活性を治療するのに十分な化合物の量を指す。特定患者に対する具体的な治療有効量は、治療対象の疾患及び該疾患の重篤度;使用する化合物の活性;使用する特定組成物;患者の年令、体重、全身健康状態、性別及び食事;投与時期、投与経路、排泄率;治療期間;併合または同時治療で使用される薬物を含めた各種因子に依存する。
【0083】
1回または分割して投与される本発明化合物の1日総容量は、例えば0.01〜50mg/kg体重、より一般的には0.1〜25mg/kg体重であり得る。1回量投与組成物は、前記用量または前記1日用量を構成するように化合物の分割量を含み得る。通常、治療投与計画は治療を要する患者に対して約10〜1000mg/日の化合物を1回または分割して投与することを含む。
【0084】
式(II)を有する具体的化合物には、
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−エトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−(オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−カルボキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−ヨードアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−(1,3−オキサジナン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロブチル)アミノ)安息香酸、
2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−メチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−メチル−1H−インドール−1−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−2−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−4−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(3−メチルシクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−[(カルボキシカルボニル)(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ナフチル)アラニル]アミノ}ヘキサン酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−4−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチルフェニルアラニル−N−メチル−4−ニトロ−L−フェニルアラニンアミド、
N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−アセチル−6−(3−イソプロピルベンジル)−4−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2,3,5−ピペラジントリオン、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−ヒドロキシ安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド、
N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロヘキシルアミノ)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3,4,5−トリフルオロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロオクチルアミノ)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3−フェニルプロピル)ナフチルアラニンアミド、
メチル3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−ナフチル}−N−(メトキシカルボニル)アラニル−L−ノルロイシネート、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(2−フルオロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−({4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}メチル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フエニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1S)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−エチルフェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
4−[(ブチルアミノ)カルボニル]−2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){4−[2−ヒドロキシ−3−(ペンチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)プロピル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
式(II)で表される化合物を更に下記するが、これらの化合物は当業者により公知の合成方法を用いるかまたは本明細書に含まれるスキーム及び実施例に記載の合成方法を用いることにより製造され得る:
2−((カルボキシカルボニル)−2−((E)−2−カルボキシエテニル)アニリノ)安息香酸、
2−(2−((1E)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−プロペニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2,3−ジメチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−クロロ−3−メチルアニリノ)安息香酸、
2−(2−(アミノカルボニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((7−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((6−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)アニリノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル)(5−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸。
【0086】
生物学的活性の測定
大腸菌からのヒトタンパク質チロシンホスファターゼ1Bの精製:
ヒトタンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B,アミノ酸残基1−321)を大腸菌BL21(DE3)で発現させた。細胞ペーストを4細胞ペースト容量の、100mM MES(pH6.5)、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT、1mM PMSF、20U/ml ベンゾナーゼ、0.5mg/ml リゾチーム及び1mM MgCl2を含有する溶解緩衝液中に再懸濁させ、室温で35分間インキュベートした。細胞をRannieホモジナイザーを用いて11,000psiで溶解し、ホモジネートをBeckman GSAローターにおいて4℃、10,000×gで30分間清澄化した。上清を5カラム容量の、100mM MES(pH6.5)、100mM NaCl、1mM EDTA及び1mM DTTを含有する緩衝液で予め平衡化した5×21cmのS−Sepharose−FFカラム(Amersham Pharmacia Biotech)に充填し、10カラム容量の同一緩衝液で溶離させた。フラクション(各28ml)を10〜20%トリス−グリシンSDS−PAGEによりタンパク質についてアッセイした。>95%のタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを含有するフラクションを合わせた。
【0087】
タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性アッセイ:
タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性を、Nature,313,756−761(1985)に記載されているヒトインスリン受容体のβ−サブユニット(βIRK基質)の残基1135−1156に相当するトリホスホリル化ペプチドからのホスフェートの放出を測定することにより調べた。タンパク質チロシンホスファターゼ1B活性は、50mM トリスHCl、50mM トリス塩基、150mM NaCl、3mM DTT、2nM タンパク質チロシンホスファターゼ1B(1−321)及び20μM βIRK基質を含有する50μlの最終アッセイ容量において測定した。5μlの10% DMSO中に各種濃度で含まれる試験化合物を、1%ウシ血清アルブミンで予備被覆した丸底微量滴定プレート(Costar)中20μM βIRK基質含有アッセイ緩衝液(25μl)において室温で5分間インキュベートした。アッセイ緩衝液中にタンパク質チロシンホスファターゼ1B酵素(20μl)を添加することによりアッセイを開始した。室温で10分間インキュベート後、0.01% ツイーン20含有マラカイトグリーン(Upstate Biotechnology Inc.)(100μl)を添加することにより反応を停止した。5分間インキュベート後、Victor IIプレートリーダー(フィンランド国トゥルクに所在のWallac)を用いてマラカイトグリーンの620nmでの吸光度を測定することによりβIRK基質から放出された遊離ホスフェートを定量した。
【0088】
本発明化合物は、約0.05〜約100μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害することが判明した。好ましくは、本発明化合物は約0.05〜約60μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害した。より好ましくは、本発明化合物は約0.05〜約21μMの範囲の阻害力価でタンパク質チロシンホスファターゼ1Bを阻害した。
【0089】
従って、本発明化合物はタンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤として過剰発現または改変したタンパク質チロシンホスファターゼ1B活性により引き起こされる疾患を治療するために有用である。前記疾患には、自己免疫疾患、急性及び慢性炎症疾患、骨粗しょう症、肥満症、癌、悪性疾患、及びI型及びII型糖尿病が含まれる。
【0090】
合成方法
下記するスキーム及び実施例の記載中に使用した略号は次の通りである:
dba ジベンジリデンアセトン、
DMSO ジメチルスルホキシド、
NMP N−メチルピロリジノン、
DMF N,N−ジメチルホルムアミド、
TFA トリフルオロ酢酸、
THF テトラヒドロフラン、
EDAC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物。
【0091】
本発明の化合物及び製造方法は、本発明化合物を製造し得る方法を例示する下記の合成スキームを参照することによりより深く理解されるであろう。基R1、R2、R3、R4、R5及びR6は特記しない限り上に定義した通りである。
【0092】
【化7】
【0093】
スキーム1に示すように、式(2)(R9=アルキル;X=BrまたはI)を有する化合物をパラジウム触媒及び塩基の存在下で式(3)(R6=アリールまたはヘテロアリール)を有する化合物と反応させると、式(4)を有する化合物が形成され得る。代表的なパラジウム触媒にはPd2dba3+2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチル)アミノビフェニル、Pd2dba3+トリシクロヘキシルホスフィン、及びPd2dba3+PPh3が含まれる。代表的な塩基には水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウムが含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはベンゼン及びトルエンが含まれる。反応温度は約60〜約110℃であり、選択した方法に依存する。反応時間は通常約2〜約8時間である。
【0094】
式(4)を有する化合物は、酸化剤で処理することにより式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物に変換され得る。代表的な酸化剤にはKMnO4、オゾン、過酸化水素及びCrO3が含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはピリジン、水及びその混合物が含まれる。反応温度は約0〜約35℃であり、選択した方法に依存する。反応時間は通常約12〜約24時間である。
【0095】
式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物は、当業界で公知の方法により式(I)(R1=アルコキシ;R2=アルコキシカルボニル)を有する化合物に内部変換され得る。
【0096】
【化8】
【0097】
式(I)を有する化合物の別の合成方法をスキーム2に示す。式(5)(R9=アルキル)を有する化合物を式(3)(R6=アルキル、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)アルキル)を有する化合物と反応させると、式(6)を有する化合物が形成され得る。上記反応で使用される溶媒の例にはDMSO、ジオキサン及びNMPが含まれる。反応温度は約80〜約120℃である。反応時間は通常約12〜約24時間である。
【0098】
式(6)を有する化合物を塩基の存在下でクロロ(オキソ)酢酸エチル(7)と反応させると、式(8)を有する化合物が得られ得る。代表的な塩基にはピリジン、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンが含まれる。上記反応で使用される溶媒の例にはジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル及びジオキサンが含まれる。反応温度は約20〜約30℃である。反応時間は通常約8〜約18時間である。
【0099】
式(8)を有する化合物を当業界で公知の方法により加水分解すると、式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物を得ることが出来る。
【0100】
【化9】
【0101】
式(I)を有する化合物の別の合成方法をスキーム3に示す。式(9)を有する化合物を触媒の酢酸銅(II)の存在下で式(3)(R6=アリールまたはヘテロアリール)を有する化合物と反応させると、式(10)を有する化合物が得られ得る。上記反応で使用される溶媒の例にはイソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール及びペンタノールが含まれる。反応温度は約70〜約100℃である。反応時間は通常約4〜約12時間である。
【0102】
式(10)を有する化合物をスキーム2に記載されている方法により式(11)を有する化合物に変換させた後、式(I)(R1=ヒドロキシ;R2=カルボキシ)を有する化合物に変換することが出来る。
【0103】
本発明を特定の好ましい実施態様に関連させて説明するが、これらの実施態様は本発明の範囲を限定するものではない。逆に、本発明は請求の範囲内に含まれ得るすべての改変、修飾及び均等を包含し得る。従って、好ましい実施態様を含めた下記実施例により本発明の好ましい実施を説明する。これらの実施例は特定の好ましい実施態様を説明するものであり、本発明の方法及び概念的側面を最も効果的に容易に理解し得ることを与えるために提示していると理解されたい。
【0104】
本発明化合物は、ACD/ChemSketch バージョン4.01(カナダ国オンタリオ州トロントに所在のAdvanced Chemistry Development,Inc.が開発)により命名されたかまたはACD命名法に一致すると見られる名前が付けられた。
【0105】
実施例1
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1A:(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸メチル
室温においてN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸(1.53g,6.74ミリモル)を含む溶液をK2CO3(900mg,6.51ミリモル)及びヨードメタン(0.5ml,8.0ミリモル)で処理し、3時間撹拌し、H2O(50ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0106】
実施例1B:(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸エチル
トルエン(2ml)中に実施例1Aの化合物(135mg,0.56ミリモル)、1−アミノナフタレン(80mg,0.56ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(3mg,0.003ミリモル)、2−ジシクロヘキシルホスフィン−2’−(N,N−ジメチル)アミノビフェニル(4mg,0.01ミリモル)及び鉱油中60% NaH分散液(50mg,1.2ミリモル)を含む混合物を5.5時間還流加熱し、水(10ml)及び1N HCl(5ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0107】
【化10】
【0108】
実施例1C:2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸
室温においてピリジン(1.2ml)中に実施例1Bの化合物(97mg,0.36ミリモル)を含む溶液を水(1.2ml)で処理し、0℃に冷却し、KMnO4(210mg,1.3ミリモル)で処理し、室温に加温し、17時間撹拌した。混合物をメタノール(0.2ml)で処理し、5分間撹拌し、1N NaOH(4ml)で処理し、珪藻土(セライト(登録商標))を介して濾過した。濾過ケーキを水(15ml)で洗浄し、合わせた濾液をジエチルエーテルで洗浄し、0℃に冷却し、12N HClを用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を100% アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の3:2混合物として得た。
【0109】
【化11】
【0110】
実施例2
2−((カルボキシカルボニル)(2−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに2−アミノナフタレンを用いて標記化合物を製造した。
【0111】
【化12】
【0112】
実施例3
2−((カルボキシカルボニル)−4−メトキシアニリノ)安息香酸
窒素雰囲気下密封管中に収容した4−メトキシアニリン(246mg,2ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(821mg,2.4ミリモル)、酢酸銅(II)(18.2mg,0.1ミリモル)及びイソプロパノール(4ml)の混合物を80℃に8時間加熱し、室温に冷却し、1N NaOH(3ml)で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。水性相を1N HClを用いてpH2に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をシリカゲルパッドを介して濾過し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン(5ml)中に前記濃縮物(427mg,1.75ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(762μl,4.38ミリモル)を含む溶液を0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(450μl,4.03ミリモル)でゆっくり処理し、1時間撹拌し、室温に加温し、16時間撹拌し、1N HCl(4ml)で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン/酢酸(50:50:0.8)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。室温においてエタノール(2ml)中に精製した濃縮物(86mg,0.25ミリモル)を含む溶液を1N NaOH(1ml)で処理し、30分間撹拌し、1N HCl(2ml)で処理し、アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(95:5)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。
【0113】
【化13】
【0114】
実施例4
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸
実施例4A:(2E)−3−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン酸エチル
室温においてTHF(10ml)中に60% NaH鉱油分散液(220mg,5.5ミリモル)を含む懸濁液をホスホノ酢酸トリエチル(1.14ml,5.75ミリモル)で処理し、5分間撹拌し、THF(2ml)中に2−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒド(1.07g,5.0ミリモル)を含む混合物を滴下して処理し、16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。濃縮物を酢酸エチル中に溶解し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(90:10)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0115】
実施例4B:2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸
(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸メチルの代わりに(2E)−3−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン酸エチルを用い、実施例1B〜Cに記載の手順に従って所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0116】
【化14】
【0117】
実施例5
2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
実施例5A:2−(2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
2−プロパノール(4ml)中に2−クロロ−5−メトキシアニリン(260mg,1.65ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(684mg,2.0ミリモル)及び酢酸銅(II)(15mg,0.83ミリモル)を含む混合物を1.5時間還流加熱し、1N NaOH(10ml)で希釈し、ヘキサンで抽出した。水性相を1M HClを用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0118】
実施例5B:2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸
0℃において酢酸エチル(5ml)中に実施例5Aの化合物(354mg,1.27ミリモル)及びピリジン(0.5ml)を含む溶液をクロロ(オキソ)酢酸エチル(350ml,3.1ミリモル)で処理し、室温に加温し、2.5時間撹拌し、1N HCl(20ml)に注いだ。水性相をジエチルエーテルで抽出し、合わせた抽出物を水及び2N NaOHで洗浄した。合わせたNaOH洗浄液を1N HCl(20ml)を用いてpH<7に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をアセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の混合物として得た。
【0119】
【化15】
【0120】
実施例6
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−エトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(2E)−3−(2−アミノフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて所望生成物を製造した。
【0121】
【化16】
【0122】
実施例7
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例7A:4−((((2S)−3−(4−アミノフェニル)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)アミノ)メチル)シクロヘキサン−カルボン酸メチル
室温においてN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中に(2S)−3−(4−アミノフェニル)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(350mg,1.25ミリモル)、4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル塩酸塩(285mg,1.50ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(335mg,1.75ミリモル)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(245mg,1.50ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミン(250μl,1.78ミリモル)を用いてpH6に調節し、16時間撹拌し、水で処理し、濾過した。固体を水で洗浄し、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、所望生成物を得た。
【0123】
実施例7B:2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに実施例7Aの化合物を用い、エチルオキサリルクロリドの代わりにtert−ブチルオキサリルクロリドを用いて所望生成物を製造した。5〜100% アセトニトリル/H2O+0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の混合物として得た。
【0124】
【化17】
【0125】
実施例8
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−カルボキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸
実施例7Bの化合物のHPLC精製により所望生成物が回転異性体の混合物として単離された。
【0126】
【化18】
【0127】
実施例9
2−((カルボキシカルボニル)−2−ヨードアニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−ヨードアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0128】
【化19】
【0129】
実施例10
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−(1,3−オキサジナン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−((1E)−3−(4−モルホリニル)−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルアミンを用いて所望生成物を製造した。
【0130】
【化20】
【0131】
実施例11
2−((カルボキシカルボニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリノ)安息 香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに3−トリフルオロメチルアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0132】
【化21】
【0133】
実施例12
2−((カルボキシカルボニル)(シクロブチル)アミノ)安息香酸
実施例22においてシクロヘキシルアミンの代わりにシクロブチルアミンを用いて所望生成物を製造した。
【0134】
【化22】
【0135】
実施例13
2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例13A:7−(ベンジルオキシ)−1−ナフタレンアミン
メタノール中1N KOH(10ml)中に8−アミノ−2−ナフトール(1.59g,10.0ミリモル)を含む溶液を濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、臭化ベンジル(1.2ml,10.1ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、H2O(50ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(70:30)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0136】
実施例13B:2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに実施例13Aの化合物を用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0137】
【化23】
【0138】
実施例14
2−((カルボキシカルボニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−(2−アミノフェニル)エタノールを用いて所望生成物を製造した。
【0139】
【化24】
【0140】
実施例15
2−((カルボキシカルボニル)−2−メチルアニリノ)安息香酸
実施例1において実施例1Aの化合物及び2−アミノナフタレンの代わりにそれぞれ(2E)−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン酸エチル及び2−メチルアニリンを用いて所望生成物を製造した。
【0141】
【化25】
【0142】
実施例16
2−((カルボキシカルボニル)(2−メチル−1H−インドール−1−イル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2−メチル−1H−インドール−1−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0143】
【化26】
【0144】
実施例17
2−((カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
室温においてジオキサン(1ml)中に実施例13Bの化合物(74mg,0.17ミリモル)を含む溶液を10% Pd/C(10mg)及び60% HClO4(1滴)で処理し、H2(1気圧)下で4時間撹拌し、珪藻土(セライト(登録商標))を介して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。濃縮物をアセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(70:30)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物を回転異性体の5:3混合物として得た。
【0145】
【化27】
【0146】
実施例18
2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例18A:1−(7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
実施例1Bにおいて1−アミノナフタレンの代わりに実施例13Aの化合物を用いて所望生成物を製造した。
【0147】
実施例18B:1−(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
室温において実施例18Aの化合物(397mg,1.05ミリモル)を酢酸中33% HBr(6ml)で処理し、1時間撹拌し、水(30ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水、飽和NaHCO3及びブラインで順次洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、シリカゲル(5ml)で処理し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(75:25)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0148】
実施例18B:1−(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)−2(1H)−キノリノン
室温においてTHF(1ml)中に6−フェニル−1−ヘキサノール(31mg,0.17ミリモル)、実施例18Aの化合物(50mg,0.17ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(46mg,0.17ミリモル)を含む溶液をジエチルアゾジカルボキシレート(30ml,0.19ミリモル)で処理し、54時間撹拌し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)に溶解し、デカントし、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0149】
実施例18C:2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸
実施例1Cにおいて実施例1Bの化合物の代わりに実施例18Bの化合物を用いて所望生成物を製造した。
【0150】
【化28】
【0151】
実施例19
2−((1,1’−ビフェニル)−2−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(1,1’−ビフェニル)−2−アミンを用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0152】
【化29】
【0153】
実施例20
2−((1,1’−ビフェニル)−4−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに(1,1’−ビフェニル)−4−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0154】
【化30】
【0155】
実施例21
2−((カルボキシカルボニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸
実施例1において1−アミノナフタレンの代わりに5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレンアミンを用いて所望生成物を回転異性体の混合物として製造した。
【0156】
【化31】
【0157】
実施例22
2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸
実施例22A:2−(シクロヘキシルアミノ)安息香酸メチル
DMSO(1ml)中に2−フルオロ安息香酸メチル(158mg,1ミリモル)及びシクロヘキシルアミン(210mg,2.05ミリモル)を含む混合物を100℃に18時間加熱し、水(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0158】
実施例22B:2−(シクロヘキシル(エトキシ(オキソ)アセチル)アミノ )安息香酸メチル
室温においてジエチルエーテル(1ml)中に実施例22Aの化合物(23mg,0.1ミリモル)を含む溶液をピリジン(15ml)及びクロロ(オキソ)酢酸エチル(15ml)で処理し、15時間撹拌し、1N HCl(5ml)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(70:30)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。
【0159】
実施例22C:2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸
室温においてエタノール/水(5:1,1ml)中1N NaOH中に実施例22Bの化合物(18mg,0.054ミリモル)を含む混合物を2.5時間撹拌し、濃縮した。濃縮物を水(5ml)に溶解し、1N HCl(2ml)を用いてpH<7に調節し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。
【0160】
【化32】
【0161】
実施例23
2−((カルボキシカルボニル)(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ)安息香酸
実施例3において4−メトキシアニリンの代わりに2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−アミンを用いて所望生成物を製造した。
【0162】
【化33】
【0163】
実施例24
2−((カルボキシカルボニル)(3−メチルシクロヘキシル)アミノ)安息香酸
実施例22においてシクロヘキシルアミンの代わりに3−メチルシクロヘキシルアミンを用いて所望生成物をジアステレオマーと回転異性体の混合物として製造した。
【0164】
【化34】
【0165】
スキーム1〜3及び上記実施例に従って、実施例25〜33の化合物を製造し得る。
【0166】
実施例25
2−((カルボキシカルボニル)−2((E)−2−カルボキシエテニル)アニリノ)安息香酸。
【0167】
実施例26
2−(2−((1E)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−プロペニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸。
【0168】
実施例27
2−((カルボキシカルボニル)−2,3−ジメチルアニリノ)安息香酸。
【0169】
実施例28
2−((カルボキシカルボニル)−4−クロロ−3−メチルアニリノ)安息香酸。
【0170】
実施例29
2−(2−(アミノカルボニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸。
【0171】
実施例30
2−((7−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸。
【0172】
実施例31
2−((6−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸。
【0173】
実施例32
2−((カルボキシカルボニル)(5−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸。
【0174】
実施例33
2−((カルボキシカルボニル)−4−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)アニリノ)安息香酸。
【0175】
実施例34
2−[(カルボキシカルボニル)(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸
実施例34A:トルエン−4−スルホン酸1−アミノ−ナフタレン−2−イル エステル
ジクロロメタン(150ml)中に1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(3g,15ミリモル)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.9g,15ミリモル)及びトリエチルアミン(4.3ml,31ミリモル)を含む混合物を周囲温度で18時間撹拌し、更にジクロロメタンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をジクロロメタン/ヘキサン(3:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(940mg,20%)を得た。
【0176】
実施例34B:2−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸
ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート及びトルエン−4−スルホン酸1−アミノ−ナフタレン−2−イルエステルを用い、実施例48Eに記載の方法に従って所望生成物を製造した。
【0177】
実施例34C:2−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレン−1−イル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
トルエン(10ml)中に2−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸(326mg,0.752ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.7ml,3.8ミリモル)を含む溶液にエチルオキサリルクロリド(0.4ml,3.8ミリモル)を添加した。反応物を18時間還流加熱し、冷却し、1M NaOHで抽出した。水性層をジエチルエーテルで抽出し、1M HClを添加してpH2に調節し、更に酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オキサルアミドエチルエステル(395mg,99%)を得た。このエステルを20%水性エタノール(20ml)と1.39M NaOH(8ml)の混合物に取り、周囲温度で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水に取り、1M HClを用いてpH2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチルを乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(253mg,96%)を得た。
【0178】
【化35】
【0179】
実施例35
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド
実施例35A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)アクリル酸メチルエステル
圧力管中に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に4−ブロモ−1−ナフチルアミン(2.5g,11.3ミリモル)、Pd(OAc)2(140mg,0.63ミリモル)及びP(o−トリル)3(570mg,1.87ミリモル)を含む混合物に2−アセトアミドアクリル酸メチル(2.1g,14.7ミリモル)及びトリエチルアミン(5.3ml,37.5ミリモル)を添加した。混合物に窒素を3分間フラッシュした後、密封し、110℃に4時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水に分配した。水性層を酢酸エチルで1回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2.5g,76%)を得た。
【0180】
実施例35B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸メチルエステル
N2雰囲気下酢酸エチル/メタノール(50ml,1:1(v/v))中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)アクリル酸メチルエステル(2.5g,8.8ミリモル)を含む溶液にPd/C(10%,250mg)を添加した。反応フラスコにH2バルーンを被せ、60℃に18時間加熱した。混合物をセライトを介して濾過し、濾過床を酢酸エチル/メタノール(2×25ml,1:1)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(2.5g,100%)を得た。
【0181】
実施例35C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸メチルエステル(2.5g,8.8ミリモル)を含む溶液に3N NaOH(4.75ml,14.3ミリモル)を滴下し、3時間撹拌した。混合物を減圧下で減量し、3N HClを用いてpH〜4.5に酸性化した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、メタノール/ジクロロメタン(10%,25ml)に取り、セライトを介して濾過した。濾過ケーキを更にメタノール/ジクロロメタン(10%,25ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(1.75g,74%)を得た。
【0182】
実施例35D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸(500mg,1.84ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(493mg,2.57ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(360mg,2.21ミリモル)及びアミルアミン(320μl,2.75ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミンを添加してpH〜6に調節し、5時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×15ml)で抽出した。合わせた酢酸エチルを水及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(552mg,1.62ミリモル,88%)を得た。
【0183】
実施例35E:2−[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−N−ペンチル−プロピオンアミド(552mg,1.62ミリモル)及びジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(580mg,1.78ミリモル)を含む懸濁液を撹拌し、ここに無水Cu(OAc)2(14.6mg,0.081ミリモル)を添加した。生じた混合物を95℃に1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、N,N−ジメチルホルムアミドを留去した。残渣を更に一定重量になるまでオイルポンプ上で濃縮した(790mg)。
【0184】
実施例35F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イル]−エトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
ジクロロメタン(10ml)中に2−[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸(790mg,1.71ミリモル)及びトリエチルアミン(680μl,5.13ミリモル)を含む溶液を撹拌し、0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(452μl,4.04ミリモル)で30分間かけてゆっくり処理し、室温に加温し、16時間撹拌し、1N HCl(4ml)で処理し、ジクロロメタン(2×20ml)で処理した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をGilson分取HPLCにより精製して、アシル化生成物(291mg,0.52ミリモル,2ステップで31%)を淡黄色泡状物として得た。
【0185】
実施例35G:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド
室温においてメタノール(5ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−ナフタレン−1−イル]−エトキシオキサリル−アミノ}安息香酸(291mg,0.52ミリモル)を含む溶液を1N NaOH(1.3ml,1.3ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、1N HCl(2ml)で処理し、アセトニトリル→(0.1%水性トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(95:5)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、所望生成物(200mg,0.37ミリモル,72%)を得た。
【0186】
【化36】
【0187】
実施例36
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)−フェニルアラニンアミド
実施例36A:2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)エタノール
10℃において酢酸(60ml)中に2−アミノフェネチルアルコール(10.0g,72.9ミリモル)を含む溶液に酢酸(5ml)中Br2(3.8ml,72.9ミリモル)を添加した。更に酢酸(30ml)を添加し、反応物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄した。次いで、固体を酢酸エチルと水性3N NaOHに分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(15.8g)を得た。
【0188】
実施例36B:4−ブロモ−2−(1−メチル−1−トリメチルシラニル−エトキシメチル)フェニルアミン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)エタノール(15.8g,72.8ミリモル)を含む溶液にイミダゾール(6.0g,88.1ミリモル)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(12.0g,79.6ミリモル)を順次添加した。生じた混合物を周囲温度で1.5時間撹拌し、水と酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、10〜15%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(15.0g,62.3%)を得た。
【0189】
MS(ESI+) m/e=330,332(M+H)+。
【0190】
実施例36C:2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)フェニル]プロピオン酸
4−ブロモ−2−エチルアラニンの代わりに4−ブロモ−2−(1−メチル−1−トリメチルシラニル−エトキシメチル)フェニルアラニンを用い、実施例79B〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。tert−ブチルジメチルシリル保護基は実施例79Cに記載の水素化ステップ中に除去した。
【0191】
MS(ESI+) m/e=381(M+H)+。
【0192】
実施例36D:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)フェニルアラニンアミド
2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0193】
【化37】
【0194】
実施例37
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ナフチル)アラニル]アミノ}ヘキサン酸
アミルアミンの代わりに6−アミノ−ヘキサン酸メチルエステルHCL塩を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0195】
【化38】
【0196】
実施例38
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38A:[2−(4−アミノ−フェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにN−boc−p−アミノフェニルアラニンを用い、実施例35Dの手順に従って標記化合物を製造した。
【0197】
実施例38B:[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
酢酸(5ml)中に[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.2g,3.4ミリモル)を含む溶液を撹拌し、ここにNaI(0.59g,3.9ミリモル)及びクロロアミン−T3水和物(1.1g,3.9ミリモル)を順次添加した。溶液を1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、Na2S2O4水溶液で希釈し、酢酸エチルと水性NaHCO3に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.78g,46%)を得た。
【0198】
MS(ESI+) m/e=476(M+H)+。
【0199】
実施例38C:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(222mg,0.47ミリモル)及びジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(168mg,0.49ミリモル)を含む懸濁液を撹拌し、ここに無水Cu(OAc)2(7.3mg,0.040ミリモル)を添加した。生じた混合物を95℃に1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、N,N−ジメチルホルムアミドを留去した。残渣を更に一定重量になるまでオイルポンプ上で濃縮して、標記化合物(306mg)を淡褐色固体として得た。
【0200】
MS(ESI+) m/e=534(M+H)+。
【0201】
実施例38D:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−フェニルアミノ]安息香酸
圧力管に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸(306mg,0.51ミリモル)、Pd(OAc)2(6mg,0.026ミリモル)及びP(o−トリル)3(23mg,0.80ミリモル)を含む混合物にアクリルアミド(66mg,0.93ミリモル)及びトリエチルアミン(0.25ml,1.79ミリモル)を添加した。混合物に3分間窒素をフラッシュした後、密封し、90℃に16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、溶媒をSpeedVacにて除去した。残渣をメタノールに取り、アセトニトリル/0.3M水性NH4OAcを溶離液とするGilson分取HPLCにより精製して、標記化合物(153mg,0.28ミリモル)を得た。
【0202】
MS(ESI+) m/e=539(M+H)+。
【0203】
実施例38E:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
ジクロロメタン(3ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−フェニルアミノ]安息香酸(153mg,0.28ミリモル)及びトリエチルアミン(119μl,0.85ミリモル)を含む溶液を撹拌し、0℃に冷却し、エチルオキサリルクロリド(70μl,0.63ミリモル)で30分間かけてゆっくり処理し、室温に加温し、16時間撹拌し、水性1N HCl(4ml)で処理し、ジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をGilson分取HPLCにより精製した。室温においてメタノール(2ml)中の残渣(89mg,0.14ミリモル)を水性1N NaOH(0.42ml,0.42ミリモル)で処理し、2時間撹拌し、水性1N HCl(1ml)で処理し、アセトニトリル/3mM 水性NH4OAcを溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物(65mg,76%)を得た。
【0204】
【化39】
【0205】
実施例39
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド
実施例39A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−イソプロピル−フェニル)プロピオン酸
実施例35Aにおいて4−ブロモ−1−ナフチルアミンの代わりに4−ブロモ−2−イソプロピルアニリンを用い、実施例35A〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0206】
実施例39B:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに実施例39Aの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−イソプロピル−フェニル)プロピオン酸を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0207】
【化40】
【0208】
実施例40
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸
実施例40A:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イルフェニル)プロピオン酸
実施例35Aにおいて4−ブロモ−1−ナフチルアミンの代わりに4−ブロモ−2−ピペリジン−1−イルアニリンを用い、実施例35A〜Cに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0209】
実施例40B:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イルフェニル)プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに6−アミノヘキサン酸メチルエステルHClを用い、実施例D〜Gに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0210】
【化41】
【0211】
実施例41
2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
実施例41A:3−メチル−1−(2−ニトロフェニル)ピペリジン
DMSO(5ml)中に3−メチルピペリジン(0.848ml,7.22ミリモル)、2−クロロニトロベンゼン(1.04g,6.57ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(1.26ml,7.22ミリモル)を含む溶液をN2下90〜95℃に一晩加熱した。混合物を周囲温度に冷却した後、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)の混合物と水(1:1,全部で75ml)に分配した。有機相を分離し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、5〜8%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)ニトロベンゼン(1.03g)を得た。
【0212】
実施例41B:2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)フェニルアミン
エタノール/酢酸エチル(7/3ml)中に2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)ニトロベンゼン(1.00g,4.54ミリモル)及び10% Pd/C(0.24g,0.227ミリモル)を含む溶液を水素雰囲気下で24時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、固体を酢酸エチルで十分に洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(0.86g)を得た。
【0213】
実施例41C:2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)フェニルアミンを用い、実施例3に記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0214】
【化42】
【0215】
実施例42
2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
実施例42A:1−(4−メトキシメトキシ−2−ニトロフェニル)ピペリジン
周囲温度においてN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に4−クロロ−3−ニトロフェノール(1.0g,5.8ミリモル)及びK2CO3(1.6g,12ミリモル)を含む混合物にクロロメチルメチルエーテルをゆっくり添加した。10分後、ピペリジン(1.2ml,5.8ミリモル)を添加し、混合物を80℃に2日間加熱し、周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、15% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.98g,64%)を得た。
【0216】
実施例42B:2−[(5−メトキシメトキシ−2−ピペリジン−1−イルフェニル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
実施例41Bにおいて3−メチル−1−(2−ニトロフェニル)ピペリジンの代わりに1−(4−メトキシメトキシ−2−ニトロフェニル)ピペリジンを用い、実施例41B〜Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0217】
MS(ESI+) m/e=429(M+H)+。
【0218】
実施例42C:2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(2ml,1:1(v/v))中に2−[(5−メトキシメトキシ−2−ピペリジン−1−イルフェニル)−オキサリル−アミノ]安息香酸(25mg,0.058ミリモル)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルに取り、濾過した。濾過ケーキを一定重量になるまで乾燥して、標記化合物(15mg,67%)を得た。
【0219】
【化43】
【0220】
実施例43
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニ ル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例43A:2−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(10ml,1:1(v/v))中に実施例50Aの[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(500mg,1.3ミリモル)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、標記化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0221】
実施例43B:2−メタンスルホニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
0℃においてジクロロメタン(10ml)中に2−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド(368mg,1.3ミリモル)を含む溶液にトリエチルアミン(500μl,3.6ミリモル)及びメタンスルホニルクロリド(122μl,1.6ミリモル)を順次添加した。周囲温度で1時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルと水性3N HClに分配した。有機層を水性NaHCO3及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0222】
実施例43C:3−(4−アミノフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに2−メタンスルホニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチルプロピオンアミドを用い、実施例50Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0223】
実施例43D:3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−(4−アミノフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例38Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0224】
実施例43E:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−2−ヨード−フェニルアミノ]安息香酸の代わりに3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−2−メタンスルホニルアミノ−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例38C〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0225】
【化44】
【0226】
実施例44
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
メタノール/酢酸エチル(2ml,1:1(v/v))中に4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド(25mg,43ミリモル)及び10% PdC(10mg)を含む溶液を水素雰囲気下で2時間撹拌した。混合物をセライトを介して濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(20mg,80%)を得た。
【0227】
MS(ESI+) m/e=598(M+H)+。
【0228】
実施例45
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例45A:2−(3−イソプロピル−ウレイド)−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
メタンスルホニルクロリドの代わりにイソプロピルイソシアネートを用い、実施例43Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0229】
実施例45B:4−アミノ−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに2−(3−イソプロピル−ウレイド)−3−(4−ニトロフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例50Bに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0230】
実施例45C:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−アミノ−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチルL−フェニルアラニンアミドを用い、実施例38B〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0231】
【化45】
【0232】
実施例46
2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸
実施例46A:[1−(2−アミノフェニル)−ピペリジン−1−イル]−メタノール
3−メチルピペリジンの代わりにピペリジン−4−イルメタノールを用い、実施例41に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0233】
実施例46B:2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに[1−(2−アミノフェニル)−ピペリジン−4−イル]メタノールを用い、実施例3に記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0234】
【化46】
【0235】
実施例47
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−4−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに実施例40Aの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−ピペリジン−1−イル−フェニル)プロピオン酸を用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0236】
【化47】
【0237】
実施例48
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチルフェニルアラニル−N−メチル−4−ニトロ−L−フェニルアラニンアミド
実施例48A:(S)−N−boc−4−ニトロフェニルアラニン
水性2M NaOH(10ml)及びTHF(5ml)中に(S)−4−ニトロフェニルアラニン(2.00g,9.51ミリモル)を含む溶液にTHF(5ml)中ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.00g,9.17ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌し、H2O(2×5ml)及び1M HCl(25ml)で希釈し、エーテル(3×25ml)で抽出した。合わせたエーテル層をブライン(125ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(2.51g,88%)を得た。
【0238】
実施例48B:(S)−[1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃においてTHF(30ml)中に(S)−N−boc−4−ニトロフェニルアラニン(2.5g,8.1ミリモル)及びトリエチルアミン(1.3ml,9.3ミリモル)を含む溶液にクロロギ酸イソブチル(1.0ml,7.7ミリモル)をゆっくり滴下した。10分後、メチルアミン(7ml,THF中2M)を添加した。反応物を0.5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をH2O(25ml)に懸濁し、濾過した。濾過ケーキを冷H2Oで洗浄し、フィルター上に放置して乾燥した。固体を酢酸エチルに懸濁し、減圧下で濃縮して、標記化合物(1.74g,66%)を得た。
【0239】
【化48】
【0240】
実施例48C:(S)−2−アミノ−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド
(S)−[1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(400mg,1.24ミリモル)をトリフルオロ酢酸(2ml)に溶解し、1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(30ml)及びH2O(5ml)に取った。H2Oと混合した酢酸エチルのアリコートが塩基性となるまで固体K2CO3を混合物に添加した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(900mg)を得た。
【0241】
【化49】
【0242】
実施例48D:2−(S)−[2−(S)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド及び2−(S)−[2−(R)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド
0℃においてN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中に(±)2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(310mg)、(S)−2−アミノ−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド(900mg,1.2ミリモル)及びトリエチルアミン(400μl)を含む溶液にPyBOP(980mg,1.88ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(3×35ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルから結晶化して、標記化合物(244mg,45%)を得た。
【0243】
【化50】
【0244】
実施例48E:2−(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチルカルバモイル]エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸及び2−(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチルカルバモイル]エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中に2−(S)−[2−(S)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド及び2−(S)−[2−(R)−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオニルアミノ]−N−メチル−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド(244mg,0.536ミリモル)を含む混合物にジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(219mg,0.643ミリモル)及び酢酸銅(II)(14mg,14モル%)を添加した。混合物をN2下100℃で17時間撹拌し、0.2M NaOH(10ml)に注ぎ、ヘキサン(3×5ml)で抽出し、メタノールを用いてエマルションを分解した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を1M HCl(1×3ml)及びブライン(1×3ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルから沈殿させて、標記化合物(58mg,19%)を両ジアステレオマーの混合物として得た。
【0245】
【化51】
【0246】
実施例48F:2−[(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−オキサリルアミノ]安息香酸及び
2−[(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−オキサリルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(0.5ml)中に2−(4−{2−(R)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]−エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸及び2−(4−{2−(S)−アセチルアミノ−2−[(S)−1−メチルカルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)−エチルカルバモイル]−エチル}−2−エチル−フェニルアミノ)安息香酸(33mg,0.057ミリモル)を含む混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(30μl,0.17ミリモル)及びエチルオキサリルクロリド(120μl,1.08ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で2.5時間撹拌した後、2M NaOH(2ml)を添加し、10分間撹拌した。混合物を水(3ml)で希釈し、1M HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルを用いて沈殿させて、標記化合物(14mg,37%)を得た。
【0247】
【化52】
【0248】
実施例49
N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例49A:2−アミノ−3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミド
[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに実施例38Bの[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、実施例43Aに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0249】
実施例49B:{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例35Cの2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにL−N−boc−フェニルアラニンを用い、アミルアミンの代わりに実施例49Aの2−アミノ−3−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−N−ペンチル−プロピオンアミドを用い、実施例35Dに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0250】
実施例49C:N−{1−[2−(4−アミノ−2−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}スクシンアミド酸メチルエステル
実施例43Aにおいて[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、アミルアミンの代わりに生じたアミンを用い、実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりにモノコハク酸メチルを用い、実施例43A及び35Dに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0251】
実施例49D:N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38Cにおいて[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりにN−{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}スクシンアミド酸メチルエステルを用い、実施例38C〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0252】
MS(ESI+) m/e=758(M+H+)。
【0253】
実施例50
3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド
実施例50A:[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tertブチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中にN−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ニトロ−L−フェニルアラニン(10.0g,32.2ミリモル)、アミルアミン(4.9ml,42ミリモル)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.0g,42ミリモル)及び3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン(5.8g,35ミリモル)を含む溶液をトリエチルアミンを用いてpH7に調節し、一晩撹拌した。反応物を酢酸エチルに取り、H2O(4×25ml)、1N HCl(1×25ml)及び水性炭酸水素ナトリウム(1×25ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で乾燥した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0254】
【化53】
【0255】
実施例50B:[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
メタノール(50ml)中に[2−(4−ニトロフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(18.8g,49.5ミリモル)及び10% Pd/C(0.5g)を含む溶液を水素雰囲気下60psiで15分間振盪した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0256】
【化54】
【0257】
実施例50C:2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(17.0g,48.6ミリモル)、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレート1水和物(20.0g,58.4ミリモル)及び酢酸銅(II)(1.3g,7.3ミリモル)を含む溶液を75℃に4時間加熱し、室温に冷却し、水性1N HClと酢酸エチル(200ml,1:1)に分配した。有機層をH2O(4回)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0258】
【化55】
【0259】
実施例50D:2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸
ジクロロメタン(200ml)中に2−[4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸(10.2g,21.7ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(50ml)を含む混合物を3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣(10.5g,21.7ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(8.0g,95ミリモル)を酢酸エチル/H2O(250ml,3:2)に取り、クロロギ酸アリル(2.4ml,22.6ミリモル)で処理した。混合物を1時間撹拌した後、酢酸エチル(100ml)で希釈した。有機層をH2O(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を得た。
【0260】
【化56】
【0261】
実施例50E:2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸
ジクロロメタン(25ml)中に2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸(7.0g,14.5ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(8.8ml,50.7ミリモル)を含む溶液にtert−ブチルオキサリルクロリド(5.2g,31.9ミリモル)を添加し、一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(75ml)と水性1N HCl(50ml)に分配した。有機層をH2O(2×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をジクロロメタンから沈殿して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0262】
【化57】
【0263】
実施例50F:2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペン チルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン(25ml)中に2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸(6.46g,11.1ミリモル)を含む溶液にジフェニルメチルジアゾメタン(3.25g,16.6ミリモル)を添加し、一晩撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、0〜10%酢酸エチル/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0264】
【化58】
【0265】
実施例50G:2−{[4−(2−アミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(50ml)中に2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(2.50g,3.35ミリモル)を含む溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(193mg,0.167ミリモル)及びピペリジン(0.829ml,8.37ミリモル)を順次添加した後、1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、1〜3% 2−プロパノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0266】
【化59】
【0267】
実施例50H:2−[(4−{2−[2−(3−ベンゾイル−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ]−2−ペンチルカルバモイル−エチル}−フェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン及び2−{[4−(2−アミノ−2−ベンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステルの混合物を実施例50Aに記載されているように処理して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0268】
【化60】
【0269】
実施例50I:3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド
ジクロロメタン(3ml)中に2−[(4−{2−[2−(3−ベンゾイルフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ]−2−ペンチルカルバモイル−エチル}−フェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(515mg,0.517ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(3ml)を含む溶液を3時間撹拌し、一定重量になるまで減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(3ml)中に残渣(351mg,0.435ミリモル)、トリエチルアミン(182μl,1.31ミリモル)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(101μl,0.439ミリモル)を含む溶液を一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、0〜70%アセトニトリル/(H2O中10mM酢酸アンモニウム)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0270】
【化61】
【0271】
実施例51
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−メタンスルホニル−ベンジルアミンを用い、2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Eに従って標記化合物を製造した。
【0272】
【化62】
【0273】
実施例52
2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル) アミノ]安息香酸
実施例52A:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル
[冷却した(−10℃)Ac2O(25ml)に発煙硝酸(5.15ml,12.0ミリモル)を15分間かけて滴下して製造した]冷硝酸溶液を、濃H2SO4(5ml)及び無水酢酸(200ml)中に2−ナフトエ酸(19.0g,11.0ミリモル)を含む冷(−10℃)溶液に10分間かけて滴下した。混合物を周囲温度で5時間撹拌し、氷水(1L)に注ぎ、濾過した。沈殿をH2O及びメタノールで洗浄し、真空下50℃で16時間乾燥した。残渣をエタノール(250ml)及び濃H2SO4(2ml)に取り、混合物を3日間還流した。混合物を冷却し、濾過し、真空下で減量し、濾過した。濾過ケーキを合わせ、酢酸エチルから結晶化して、標記化合物を得た。
【0274】
【化63】
【0275】
実施例52B:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸
メタノール/THF(60ml,4:1)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル(0.95g,3.9ミリモル)を含む溶液を2M NaOH(10ml)で処理し、16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水性2N HClに分配した。有機層をH2O(2×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0276】
【化64】
【0277】
実施例52C:8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド
ジクロロメタン(3ml)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸(0.82g,3.8ミリモル)、ピリジン(1滴)及びN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)を含む混合物をチオニルクロリド(303μl,4.2ミリモル)で処理し、2日間撹拌した。混合物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。THF(150ml)中に残渣(650mg,2.76ミリモル)を含む溶液に濃NH4OH(0.5ml)を添加し、30分間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、残渣を5%メタノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0278】
【化65】
【0279】
実施例52D:8−アミノ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド
メタノール(3ml)中に8−ニトロ−ナフタレン−2−カルボン酸アミド(330mg,1.53ミリモル)及び5% Pd/C(30mg)を含む溶液を水素雰囲気下で撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0280】
【化66】
【0281】
実施例52E:2−(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸
2−[(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに8−アミノ−ナフタレン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例50Cに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0282】
【化67】
【0283】
実施例52F:2−[(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イル)−エトキシオキサリル−アミノ]安息香酸
2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]安息香酸の代わりに2−(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸を用い、tert−ブチルオキサリルクロリドの代わりにエチルオキサリルクロリドを用い、実施例50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。生成物を0〜70%アセトニトリル/(H2O中0.1%トリフルオロ酢酸)を溶離液とする逆相HPLCにより精製した。化合物は回転異性体の3:2混合物であった。
【0284】
【化68】
【0285】
実施例52G:2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル)アミノ]安息香酸
メタノール(2ml)中に2−[(7−カルバモイル−ナフタレン−1−イル)−エトキシオキサリル−アミノ]安息香酸(30mg,0.074ミリモル)及び水性2M NaOH(0.5ml)を含む溶液を3時間撹拌し、水性2N HClを用いて酸性化し、0〜70%アセトニトリル/(H2O中0.1%トリフルオロ酢酸)を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を回転異性体の3:2混合物として得た。
【0286】
【化69】
【0287】
実施例53
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド及び
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−アセチル−6−(3−イソプロピルベンジル)−4−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2,3,5−ピペラジントリオン
アミルアミンの代わりに4−メタンスルホニル−ベンジルアミンHCl塩を用い、実施例35Dに従って標記化合物を製造した。
【0288】
【化70】
【0289】
実施例54
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−ヒドロキシ安息香酸
実施例54A:2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸
98%硫酸(50ml)に2−ブロモ−4−ニトロトルエン(7.0g,32ミリモル)を溶解し、この溶液を周囲温度を維持するように水浴に置きながらこの溶液に水(8ml)中に三酸化クロム(7.5g,75ミリモル)を含む溶液を滴下した。添加後、混合物を氷(200ml)に注ぎ、沈殿を集め、水(1×100ml)で洗浄した。粗生成物をジエチルエーテル(50ml)に取り、NaHCO3水溶液(2×25ml)で抽出した。合わせた重炭酸塩層を12M HClを添加して酸性化し、ジエチルエーテル(2×25ml)で抽出した。第2組のジエチルエーテル層をブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(4.0g,51%)を得た。
【0290】
【化71】
【0291】
実施例54B:2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸(1.0g,4.06ミリモル)及びK2CO3(560mg)を含む溶液にヨウ化メチル(500μl,8.03ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、水(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×10ml)及びブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(970mg,92%)を得た。
【0292】
【化72】
【0293】
実施例54C:2−ブロモ−4−アミノ安息香酸メチル
20%水性2−プロパノール(15ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル(970mg,3.73ミリモル)、鉄粉(1.25g,22.4ミリモル)及び塩化アンモニウム(239mg,4.48ミリモル)を含む溶液を30分間還流加熱し、冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(20ml)と水(5ml)に分配した。有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、標記化合物(813mg,95%)を得た。
【0294】
実施例54D:2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル
0℃において水(10ml)及び98% H2SO4(1ml)中に2−ブロモ−4−アミノ安息香酸メチル(813mg,3.53ミリモル)を含む混合物に対して、最少量の水に溶解したNaNO2水溶液(244mg,3.53ミリモル)を反応物の表面の下にピペットを介して添加した。15分後、混合物を濾過し、濾過ケーキをH2O(10ml)で洗浄した。合わせた濾液を15分間還流加熱し、周囲温度で18時間撹拌し、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(444mg,54%)を得た。
【0295】
実施例54E:2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸
2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(212mg,0.918ミリモル)に酢酸(3ml)中30%(w/w) HBrを添加した。溶液を100℃に5時間加熱し、H2O(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×5ml)及びブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(162mg,81%)を得た。
【0296】
【化73】
【0297】
実施例54F:2−ブロモ−4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル
2−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸(1.62mg,0.747ミリモル)にメタノール中1M KOH(1.5ml)を添加した。すべての物質が溶解するまで混合物を撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)及びメタノール(0.5ml)に取った後、臭化ベンジル(300μl,1.68ミリモル)及びK2CO3(150mg,1.08ミリモル)を添加した。混合物を90℃に10分間加熱し、H2O(10ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせた有機層を水(1×5ml)及びブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(285mg,96%)を得た。
【0298】
実施例54G:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−アミノナフタレン
N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中に8−アミノ−2−ナフトール(3.18g,20.0ミリモル)、tert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(3.6g,24ミリモル)及びイミダゾール(2.8g,41ミリモル)を含む混合物を周囲温度で30分間撹拌し、水(70ml)及び水性1M HCl(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×30ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を15%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(4.39g,80%)を得た。
【0299】
【化74】
【0300】
実施例54H:4−ベンジルオキシ−2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸ベンジルエステ ル
トルエン(3ml)中に2−ブロモ−4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(285mg,0.717ミリモル)、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−アミノナフタレン(196mg,0.717ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4mg,0.004ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)−ジメチルアミン(6mg,0.015ミリモル)及び鉱油中60% NaH(45mg,1.1ミリモル)を含む混合物をN2下で1時間還流加熱し、水(10ml)に注ぎ、水性1M HClを用いてpH<3に酸性化し、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、10%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0301】
実施例54I:4−ヒドロキシ−2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸
THF(2ml)中に4−ベンジルオキシ−2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]安息香酸ベンジルエステル及びフッ化テトラブチルアンモニウム(90mg,1.0ミリモル)を含む混合物を5分間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を水性0.2M HCl(10ml)に取り、ジエチルエーテル(2×5ml)で抽出した。合わせたエーテル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。2−プロパノール(2ml)中に残渣、10% Pd/C(10mg)及び60% HClO4(3滴)を含む混合物を1H2圧下で18時間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をトルエンに取り、減圧下で濃縮して水を除去して、標記化合物(134mg,45%)を得た。HPLC/MS分析は、適正な質量に相当するピーク及び小さな汚染物質ピークを示した。
【0302】
実施例54J:4−ヒドロキシ−2−[(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1− イル)−オキサリル−アミノ]安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の4−ヒドロキシ−2−(7−ヒドロキシナフタレン−1−イルアミノ)安息香酸(134mg,0.454ミリモル)にトリエチルアミン(0.6ml,4.3ミリモル)及びエチルオキサリルクロリド(0.3ml,2.7ミリモル)を順次添加した。反応物を周囲温度で25分間撹拌し、2M NaOH(5ml)を添加し、更に30分間撹拌し、水(15ml)で希釈し、ジエチルエーテル(2×5ml)で抽出した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化し、ジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。水性層を酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(37mg,22%)を得た。
【0303】
【化75】
【0304】
実施例55
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド
実施例55A:2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−アセトアミドアクリル酸(10.3g,80.0ミリモル)及びK2CO3(10g,72.5ミリモル)を含む混合物に室温で臭化ベンジル(8.7ml,72.5ミリモル)を添加した後、室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水(50ml,1:1)に分配し、水性層を酢酸エチル(2×45ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0305】
【化76】
【0306】
実施例55B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル
アセトニトリル(200ml)中の2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル(80.0ミリモル)にPd(OAc)2(488mg,2.18ミリモル)、(o−Tol)3P(1.32g,4.35ミリモル)及びEt3N(20ml)を添加し、続いて4−ブロモ−2−エチルアニリン(14.5g,72.5ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩還流加熱し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、水性NaHCO3で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから沈殿させて、標記化合物(6.3g)を得た。濾液を再び沈殿させて、標記化合物を更に5g得た。
【0307】
【化77】
【0308】
実施例55C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル(5g)及び10% Pd−C(100mg)を含む混合物を水素雰囲気(4気圧)下周囲温度で一晩撹拌して、標記化合物を得た。
【0309】
【化78】
【0310】
実施例55D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(2.0g,8.0ミリモル)、Cs2CO3(2.61g,8.0ミリモル)及び臭化アリル(692μl,8.0ミリモル)を含む混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水(100ml,1:1)に分配した。有機相をブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(5:3)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.44g)を得た。
【0311】
【化79】
【0312】
実施例55E:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
4−メトキシアニリンの代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステルを用い、エチルオキサリルクロリドの代わりにtert−ブチルオキサリルクロリドを用い、実施例3に記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0313】
MS(APCI(+)) m/e=539(M+H)+。
【0314】
実施例55F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン中の2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸に対して、(TLCでモニタリングしてすべての出発物質が消費されたことが明らかとなるまで)ジフェニルジアゾメタンを添加した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0315】
【化80】
【0316】
実施例55G:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(25ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(3.4g,4.8ミリモル)、Pd(Ph3P)4(166mg,0.144ミリモル)及びモルホリン(0.5ml,5.8ミリモル)を含む混合物をN2雰囲気下で2時間撹拌し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機相を1N HCl(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(3.3g)を得た。
【0317】
【化81】
【0318】
実施例55H:5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸2−トリメチルシラニルエチルエステル
アセトニトリル(60ml)中にboc−d−アミノ吉草酸(13.0g,59.5ミリモル)、ピリジン(45ml)、(2−トリメチルシリル)エタノール(10.3ml,71.8ミリモル)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(13.5g,65.4ミリモル)を含む混合物を撹拌しながら氷浴にて1時間冷却した後、一晩冷蔵庫に保存した。懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して大部分のピリジンを除去し、酢酸エチルで希釈し、1N HCl及び飽和NaHCO3で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。濃縮物をヘキサン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物(15.3g)を得た。
【0319】
【化82】
【0320】
実施例55I:2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
5−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(317mg,1.0ミリモル)を室温でジオキサン中4N HClで30分間処理した後、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の残渣、2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(665mg,1.0ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(321mg,1.0ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(521μl,3.0ミリモル)を周囲温度で一晩撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水性NaHCO3(1×30ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(480mg)を得た。
【0321】
MS(APCI(+)) m/e=864(M+H)+。
【0322】
実施例55J:2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチルフェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリルアミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(356mg,0.41ミリモル)を室温でTHF中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4ml)で2時間処理した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl(3×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(305mg)を得た。
【0323】
【化83】
【0324】
実施例55K:2−[(4−{2−アセチルアミノ−2−[4−(1−フェニル−エチルカルバモイル)−ブチルカルバモイル]エチル}−2−エチルフェニル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(250μl)中に2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチルフェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル(25mg,0.03ミリモル)、1−フェニルエチルアミン(10μl,0.07ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(12mg,0.036ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(20μl)を含む混合物を周囲温度で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣を5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0325】
実施例55L:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド
実施例55Kの生成物を周囲温度でトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10ml,1:1)で3時間処理し、減圧下で濃縮し、5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とするHPLCにより精製して、標記化合物(8mg)を得た。
【0326】
【化84】
【0327】
実施例56
N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド
実施例56A:1−メチル−4−ニトロナフタレン
Davalli,S.,Lumazzi,L.,Macciantelli,D.,J.Org.Chem.,56,1739(1991)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0328】
実施例56B:3−(4−ニトロ−1−ナフチル)アラニン
Benigni,J.D.,Minnis,R.L.,J.Med.Chem.,10,293(1967)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0329】
実施例56C:2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸
ジオキサン(10ml)中に3−(4−ニトロ−1−ナフチル)アラニン(0.65g,2.5ミリモル)、水性NaHCO3(5ml)及びクロロギ酸メチル(230μl,3ミリモル,1.2当量)を含む混合物を3時間撹拌し、水性2N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0330】
MS(APCI(+)) m/e=319(M+H)+。
【0331】
実施例56D:2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸2−トリメチルシラニルエチルエステル
アセトニトリル(1.1ml)中に2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸(0.35g,1.1ミリモル)、ピリジン(0.78ml)及び2−トリメチルシリルエタノール(0.18ml,1.25ミリモル,1.1当量)を含む混合物を氷浴において冷却し、ここにジシクロヘキシルカルボジイミド(0.25g,1.21ミリモル)を添加した。混合物を撹拌しながら1時間冷却し、14時間冷蔵庫に入れた。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、ヘプタン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0332】
MS(ESI(−)) m/e=417(M−H)−。
【0333】
実施例56E:3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−2−メトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
メタノール(5ml)中に2−メトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(1.1g,2.64ミリモル)及び10% Pd/C(0.056g)を含む混合物を水素雰囲気下で4時間撹拌した。混合物を珪藻土を介して濾過し、濾過ケーキをメタノール(2×25ml)で洗浄した。合わせたメタノールを減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0334】
MS(ESI(+)) m/e=389(M+H)+。
【0335】
実施例56F:2−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イルアミノ}安息香酸
N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−2−メトキシカルボニルアミノプロピオン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(0.93g,2.40ミリモル)、ジフェニルヨードニウム2−カルボキシレート(1.22g,3.8ミリモル,1.5当量)及び酢酸銅(II)(25mg,0.14ミリモル,0.06当量)を含む混合物を100℃に14時間加熱した後、室温に冷却した。混合物を1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×35ml)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(1×25ml)、水(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0336】
MS(ESI(−)) m/e=507(M−H)−。
【0337】
実施例56G:2−{tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}アミノ)安息香酸
0℃においてジクロロメタン(8ml)中に2−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イルアミノ}安息香酸(0.7g,1.38ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(0.57ml)を含む混合物にtert−ブチルオキサリルクロリド(538mg,3.61ミリモル,2.6当量)をゆっくり添加した。反応物を1時間かけて室温まで加温し、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(10mg,0.08ミリモル,0.06当量)を添加した。反応物を14時間撹拌し、1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。有機層を1N HCl(2×30ml)、水(1×20ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0338】
MS(APCI(+)) m/e=637(M+H)+。
【0339】
実施例56H:2−(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
Miller,J.B.,J.Org.Chem.,24,560(1959)に記載の手順に従ってジフェニルジアゾメタンを製造した。
【0340】
アセトン(3ml)中に2−(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸(0.3g,0.47ミリモル)を含む混合物にジフェニルジアゾメタン(134mg,0.69ミリモル)を添加した。反応混合物を6時間撹拌し、1N HClを用いてpH<3に酸性化し、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機層を1N HCl(1×20ml)、水(2×15ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0341】
MS(ESI(+)) m/e=820(M+H2O+H)+。
【0342】
実施例56I:2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
テトラヒドロフラン(2.5ml)中の(tert−ブトキシオキサリル−{4−[2−メトキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニル)−エチル]−ナフタレン−1−イル}−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル(0.7g,0.87ミリモル)を氷浴において冷却し、ここにフッ化テトラブチルアンモニウム(1.5ml,テトラヒドロフラン中1M)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、周囲温度で1時間撹拌し、1N HCl(40ml)で希釈し、ジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(2×20ml)、水(1×20ml)及びブライン(2×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をトルエン/酢酸エチル(10:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0343】
MS(ESI(+)) m/e=720(M+H2O+H)+。
【0344】
実施例56J:N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド
2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(1.053g,1.5ミリモル)を1,2−ジクロロメタン(15ml)に溶解して、0.1Mストック溶液を調製した。1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.23g,1.69ミリモル)を1,2−ジクロロエタン中20% N,N−ジメチルアセトアミド(10ml)に溶解して、0.17Mストック溶液を調製した。N−シクロヘキシルカルボジイミド,N’−メチルポリスチレンHL樹脂(Nova Biochem;35mg/ウェル,f=2ミリモル/g.0.070ミリモル)をRobbins反応ブロックのウェルに添加し、続いて0.17M 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール溶液(0.35ml,0.060ミリモル)及び0.1M 化合物 2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル溶液(0.5ml,0.050ミリモル)を添加した。ブロックを1時間振盪した後、N,N−ジメチルアセトアミド中の0.1M 1−ペンチルアミン溶液(0.35ml,0.035ミリモル)を第1ウェルに添加し、ブロックを14時間振盪した。トリス(2−アミノエチル)−アミンポリスチレンHL樹脂(Nova Biochem;35mg/ウェル,f=2.3ミリモル/g,0.080ミリモル)を添加して、未反応の酸(2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(2−カルボキシ−2−メトキシカルボニルアミノ−エチル)ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル)を除去した。ブロックを2時間振盪させた後、反応混合物をRobbins反応ブロックのフリットを介して回収ブロックに濾過し、樹脂を1,2−ジクロロエタンで洗浄した。回収ブロック中の濾液を真空下で濃縮した。1,2−ジクロロエタン/トリフルオロ酢酸/アニソール(50%,45%,5%,1ml)からなる溶液で3時間処理して保護基を除去した。混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を分取逆相HPLCにより精製した。
【0345】
【化85】
【0346】
実施例57
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロヘキシルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにシクロヘキシルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0347】
【化86】
【0348】
実施例58
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0349】
【化87】
【0350】
実施例59
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−(メチルスルホニル)ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の方法に従って標記化合物を製造した。
【0351】
【化88】
【0352】
実施例60
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3,4,5−トリフルオロベンジル)ナフチルアラニンアミド
ペンチルアミンの代わりに3,4,5−トリフルオロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0353】
【化89】
【0354】
実施例61
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロオクチルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにシクロオクチルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0355】
【化90】
【0356】
実施例62
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0357】
【化91】
【0358】
実施例63
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3−フェニルプロピル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに3−フェニルプロピルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0359】
【化92】
【0360】
実施例64
メチル3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミ ノ]−1−ナフチル}−N−(メトキシカルボニル)アラニル−L−ノルロイシネート
1−ペンチルアミンの代わりにL−メチル−ノルロイシネートを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0361】
【化93】
【0362】
実施例65
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(2−フルオロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに2−フルオロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0363】
【化94】
【0364】
実施例66
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0365】
【化95】
【0366】
実施例67
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−ブロモベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0367】
【化96】
【0368】
実施例68
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0369】
【化97】
【0370】
実施例69
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−(アミノスルホニル)ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0371】
【化98】
【0372】
実施例70
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−({4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}メチル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりにトランス−4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシルメチルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0373】
【化99】
【0374】
実施例71
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、2−アセチルアミノ−3−(4−アミノナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]プロピオン酸を用い、実施例35C〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0375】
【化100】
【0376】
実施例72
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸
実施例72A:2−ニトロ−4−カルボキシ安息香酸メチル
ジオキサン(50ml)中にニトロテレフタル酸ジメチル(5.98g,25.0ミリモル)及び水性1M NaOH(25ml)を含む溶液を周囲温度で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残りの溶液を水(50ml)で希釈し、ジエチルエーテル(3×25ml)で抽出した。水性層を1M HClを用いてpH<3に酸性化した後、ジエチルエーテル(3×25ml)で抽出した。第2組のエーテル層をブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(25ml)及び水(25ml)から沈殿させて、標記化合物(2.0g,36%)を得た。
【0377】
【化101】
【0378】
実施例72B:3−ニトロ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中に2−ニトロ−4−カルボキシ安息香酸メチル(1.13g,5.00ミリモル)及びK2CO3(680mg,4.92ミリモル)を含む溶液に臭化ベンジル(750μl,6.30ミリモル)を添加した。混合物を100℃で15分間加熱し、周囲温度に冷却し、水(30ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせたエーテル層を水(2×10ml)及びブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を20%酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、標記化合物(1.0g,63%)を得た。
【0379】
【化102】
【0380】
実施例72C:3−アミノ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル
2−プロパノール(15ml)及び水(3ml)中に3−ニトロ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル(958mg,3.04ミリモル)、鉄粉(990mg,18ミリモル)及び塩化アンモニウム(200mg,3.73ミリモル)を含む溶液を1時間還流加熱し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を水(10ml)及びジエチルエーテル(10ml)に分配した。エーテル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(528mg,61%)を得た。
【0381】
【化103】
【0382】
実施例72D:1−ヨード−7−ヒドロキシナフタレン
水(50ml)中に98% H2SO4(4ml)を含む溶液を8−アミノ−2−ナフトール(4.48g,30ミリモル)に添加した。混合物を氷浴で冷却した後、最少量の水中に水性NaNO2(2.50g,36.2ミリモル)を含む溶液をピペットを介してゆっくり添加して、反応物の表面下のニトリル溶液を排除した。10分後、最少量の水中にKI(15g,90ミリモル)を含む溶液をN2の発生をコントロールするようにゆっくり添加した。形成した泡状エマルションを分解すべくジエチルエーテルを添加し、反応物を周囲温度で18時間撹拌した。更にジエチルエーテル(50ml)を添加した後、固体NaHSO3を添加して、反応物からI2カラーを除いた。混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(150ml)で洗浄した。エーテル層を上清から分離し、水性層をジエチルエーテル(1×50ml)で抽出した。合わせたエーテル層及び酢酸エチル層をブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(3.2g,40%)を得た。
【0383】
【化104】
【0384】
実施例72E:1−ヨード−7−ジメチル−tert−ブチルシリルオキシナフタレン
N,N−ジメチルホルムアミド(27ml)中の1−ヨード−7−ヒドロキシナフタレン(3.05g,11.3ミリモル)に塩化tert−ブチルジメチルシリル(2.09g,13.9ミリモル)及びイミダゾール(1.85g,27ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、水性0.3M HCl(150ml)で希釈し、ヘキサン(2×50ml)で抽出した。合わせたヘキサン層を水(1×50ml)及びブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を110℃で2分間加熱して、副生成物を含有する過剰のシリコンの大部分を除去して、標記化合物(4.34g,100%)を得た。
【0385】
【化105】
【0386】
実施例72F:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ) −ナフタレン−1−イルアミノ]−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル
トルエン(13ml)中に3−アミノ−4−メトキシカルボニル安息香酸ベンジル(1.2g,4.21ミリモル)、1−ヨード−7−ジメチル−tert−ブチルシリルオキシナフタレン(1.62g,4.21ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19mg,0.019ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)ジメチルアミン(25mg,0.064ミリモル)及び鉱油中60% NaH(210mg,5.25ミリモル)を含む混合物をN2下80℃で17時間撹拌し、周囲温度に冷却し、水性0.1M HCl(50ml)に注いだ。混合物をジエチルエーテル(3×15ml)で抽出し、合わせたエーテル層をブライン(1×15ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を10%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.26g,55%)を得た。
【0387】
【化106】
【0388】
実施例72G:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル
ジオキサン(30ml)中の2−[7−(tert−ブチルジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル(1.26g)に60% HClO4(15滴)を添加した。18時間撹拌した後、NaHCO3水溶液(2ml)を添加し、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(15ml)と水(15ml)に分配した。酢酸エチル層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(553mg,56%)を得た。
【0389】
【化107】
【0390】
実施例72H:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸1−メチルエステル
ジオキサン(10ml)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸4−ベンジルエステル1−メチルエステル(545mg,1.27ミリモル)、10% Pd−C(90mg)及び60% HClO4(2滴)を含む混合物を1水素圧下周囲温度で4時間撹拌した。混合物を濾過し、NaHCO3水溶液(1ml)を添加し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(15ml)と水性1M HCl(5ml)に分配し、層を分離した。有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(450mg)を得た。
【0391】
【化108】
【0392】
実施例72I:2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタリルアミド1−メチルエステル
THF(2ml)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタル酸1−メチルエステル(75mg,0.22ミリモル)を含む溶液にトリエチルアミン(155μl,1.11ミリモル)及びクロロギ酸イソブチル(80μl,0.62ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度で30分間撹拌し、水性アンモニア(1ml)を添加し、反応物を5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(3ml)に取り、1M HCl(3×1ml)、NaHCO3水溶液(2×1ml)及びブライン(1×1ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0393】
実施例72J:2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸
エタノール/水(5:1)中に2−(7−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルアミノ)−テレフタリルアミド1−メチルエステル及び1.39M NaOH(1ml)を含む混合物を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を水(1ml)と酢酸エチル(2ml)に分配し、混合物を水性1M HCl(2ml)を用いてpH<3に酸性化した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(2ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×2ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中に残渣、トリエチルアミン(200μl)及びエチルオキサリルクロリド(100μl)を含む溶液を周囲温度で40分間撹拌した後、水性2M NaOH(2ml)、水(6ml)を順次添加した。生じた溶液を10分間撹拌した後、酢酸エチル(2ml)及び12M HCl(0.5ml)を順次添加した。混合物を振盪した後分離し、水性相を酢酸エチル(2×1ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0.1%水性トリフルオロ酢酸/アセトニトリルを溶離液とする逆相HPLCで精製して、標記化合物(18mg,23%)を得た。
【0394】
【化109】
【0395】
実施例73
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
実施例73A:4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド
Bergeim,F.H.,Braker,W.,J.Am.Chem.Soc.,64,1459(1944)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0396】
実施例73B:4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−N−エチルベンゼンスルホンアミド
0℃においてジオキサン(15ml)中に4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド(1.68g,5ミリモル)を含む混合物に水性重炭酸ナトリウム(5ml)及びエチルアミン(10ミリモル,テトラヒドロフラン中2M溶液5ml)を順次添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、周囲温度まで2時間加温した。混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を水(1×20ml)、水性1N HCl(2×20ml)、水性NaHCO3(2×20ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を最少量のクロロホルムに溶解し、ヘキサンを添加して沈殿させた。混合物を濾過し、固体をヘキサン及びクロロホルムで洗浄して、標記化合物を得た。
【0397】
MS(APCI(+)) m/e=345(M+H)+。
【0398】
実施例73C:4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジルアミン
メタノール(5ml)中に4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−N−エチルベンゼンスルホンアミド(0.84g,2.44ミリモル)及びヒドラジン(0.38ml)を含有する溶液を窒素下で14時間撹拌し、水性NaHCO3で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水性NaHCO3(1×35ml)及びブライン(1×30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノールを漸増させたトルエン/酢酸エチル(1:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0399】
MS(APCI(+)) m/e=215(M+H)+。
【0400】
実施例73D:4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド
1−ペンチルアミンの代わりに4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジルアミンを用い、実施例56Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0401】
【化110】
【0402】
実施例74
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド
実施例38Bの[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに実施例49Bの{1−[2−(4−アミノ−3−ヨードフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチルカルバモイル]−2−フェニル−エチル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを用い、実施例38C〜Eの手順に従って標記化合物を製造した。
【0403】
MS(ESI+) m/e=780(M+Na)+,758(M+H)。
【0404】
NMRデータなし。
【0405】
実施例75
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1S)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ニトロ−(S)−α−メチルベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0406】
【化111】
【0407】
実施例76
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例35D〜Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0408】
【化112】
【0409】
実施例77
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dにおいて2−アセチルアミノ−3−(4−アミノナフタレン−1−イル)プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ブロモベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0410】
【化113】
【0411】
実施例78
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
実施例78A:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル
トルエン(35ml)中に2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル(2.86g,11.0ミリモル)、7−tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ−1−ナフチルアミン(3.01g,11.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(50mg,0.051ミリモル)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−ビフェニル−2−イル)−ジメチルアミン(66mg,17ミリモル)及び鉱油中60% NaH(660mg,16.5ミリモル)を含む混合物をN2下2時間還流し、冷却し、水性1M HCl(1×15ml)及びブライン(1×15ml)で洗浄した。HCl層をジエチルエーテル(1×15ml)で抽出し、エーテル層をブライン(1×10ml)で洗浄した。合わせたエーテル層及びトルエン層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2.58g,52%)を得た。
【0412】
【化114】
【0413】
実施例78B:2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−アミノ−安息香酸メチルエステル
2−プロパノール/水(5:1(v/v),8ml)中に2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ナフタレン−1−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル(796mg,1.76ミリモル)、鉄紛(580mg,10.5ミリモル)及び塩化アンモニウム(116mg,2.16ミリモル)を含む混合物を1.75時間還流加熱し、酢酸エチル(50ml)で希釈し、珪藻土を介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を20%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(653mg,88%)を得た。
【0414】
実施例78C:2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
酢酸エチル(1ml)中に2−[7−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)ナフタレン−1−イルアミノ]−4−アミノ−安息香酸メチルエステル(73mg,0.17ミリモル)、トリエチルアミン(66μl,0.47ミリモル)及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾイルクロリド(40mg,0.22ミリモル)を含む溶液を10分間撹拌し、水性1M HCl(2×1ml)、NaHCO3水溶液(2×1ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、30%酢酸エチル/ヘキサン(37mg)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。残渣を排出し、エタノール/水(5:1)中の水性1.39M NaOH(1ml)中で14時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、水(1ml)に取り、ジエチルエーテル(3×1ml)で抽出した。水性層を酢酸エチル(3ml)と共に撹拌し、水性1M HCl(2ml)を添加して酸性化した。酢酸エチル層を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中に残渣、トリエチルアミン(200μl)及びエチルオキサリルクロリド(100μl)を含む混合物を周囲温度で10分間撹拌し、水性2M NaOH(2ml)を添加し、混合物を10分間放置した。均質な溶液が生ずるまで水を添加し、混合物を1.5時間放置した。12M HClを添加して混合物をpH=1まで酸性化し、酢酸エチル(4×1ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(1×1ml)及びブライン(1×1ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルを溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0415】
【化115】
【0416】
実施例79
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例79A:2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中に2−アセトアミドアクリル酸(10.3g,80.0ミリモル)及びK2CO3(10g,72.5ミリモル)を含む混合物に室温において臭化ベンジル(8.7ml,72.5ミリモル)を添加し、室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水(50ml,1:1)に分配し、水性層を酢酸エチル(2×45ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。
【0417】
【化116】
【0418】
実施例79B:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−アクリル酸ベンジルエステル
アセトニトリル(200ml)中の2−アセチルアミノ−アクリル酸ベンジルエステル(80.0ミリモル)にPd(OAc)2(488mg,2.18ミリモル)、(o−Tol)3P(1.32g,4.35ミリモル)、Et3N(20ml)及び4−ブロモ−2−エチルアニリン(14.5g,72.5ミリモル)を順次添加した。反応混合物を一晩還流加熱し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、水性NaHCO3で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから沈殿させて、標記化合物(6.3g)を得た。濾液を再び沈殿させて、5gの標記化合物を更に得た。
【0419】
【化117】
【0420】
実施例79C:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸
メタノール(50ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)アクリル酸ベンジルエステル(5g)及び10% Pd−C(100mg)を含む混合物を水素雰囲気(4気圧)下で一晩撹拌して、標記化合物を得た。
【0421】
【化118】
【0422】
実施例79D:2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−プロピオン酸アリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中に2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸(2.0g,8.0ミリモル)、Cs2CO3(2.61g,8.0ミリモル)及び臭化アリル(692μl,8.0ミリモル)を含む混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルと水(100ml,1:1)に分配した。有機相をブライン(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(5:3)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.44g)を得た。
【0423】
【化119】
【0424】
実施例79E:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸
2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロピオン酸アリルエステルを用い、実施例50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0425】
MS(APCI(+)) m/e=539(M+H)+。
【0426】
実施例79F:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
アセトン中の2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸に対して、(TLCでモニタリングしてすべての出発物質が消費されたことが明らかとなるまで)ジフェニルジアゾメタンを添加した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0427】
【化120】
【0428】
実施例79G:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチル−フェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(25ml)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−アリルオキシカルボニル−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(3.4g,4.8ミリモル)、Pd(Ph3P)4(166mg,0.144ミリモル)及びモルホリン(0.5ml,5.8ミリモル)を含む混合物をN2雰囲気下で2時間撹拌し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機相を1N HCl(1×25ml)及びブライン(1×25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(3.3g)を得た。
【0429】
【化121】
【0430】
実施例79H:2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−(4−ニトロ−ベンジルカルバモイル)−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(250μl)中に2−{[4−(2−アセチルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−2−エチルフェニル]−tert−ブトキシオキサリル−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(25mg,0.038ミリモル)、4−ニトロベンジルアミン塩酸塩(15mg.0.08ミリモル)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(16mg,0.048ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(26μl)を含む混合物を周囲温度で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣を5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0431】
実施例79I:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド
実施例79Hの生成物を周囲温度でトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10ml,1:1)で3時間処理し、減圧下で濃縮し、5〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とするHPLCにより精製して、標記化合物(8mg)を得た。
【0432】
【化122】
【0433】
実施例80
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド
実施例79Hにおいて4−ニトロベンジルアミンの代わりに1−(4−ニトロフェニル)エチルアミンを用い、実施例79H〜Iに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0434】
【化123】
【0435】
実施例81
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−エチルフェニルアラニンアミド
実施例79Hにおいて4−ニトロベンジルアミンの代わりに4−クロロベンジルアミンを用い、実施例79H〜Iに記載の手順に従って所望生成物を製造した。
【0436】
【化124】
【0437】
実施例82
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド
実施例35Dで使用したアミルアミンの代わりに4−ニトロベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0438】
【化125】
【0439】
実施例83
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド
実施例35Dで使用した2−アセチル−3−(4−アミノ−ナフタレン−1−イル)−プロピオン酸の代わりに2−アセチルアミノ−3−[4−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−プロピオン酸を用い、アミルアミンの代わりに4−ブロモ−(R)−α−メチルベンジルアミンを用い、実施例35D〜Gに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0440】
【化126】
【0441】
実施例84
4−[(ブチルアミノ)カルボニル]−2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸
実施例72Iにおいて水性アンモニアの代わりにn−ブチルアミンを用い、実施例72I〜Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。標記化合物を40%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0442】
【化127】
【0443】
実施例85
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例85A:2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−ピペリジン−1−イル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステル
実施例55Bにおいて4−ブロモ−2−エチルアニリンの代わりに4−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−アニリンを用い、実施例55B〜Jに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0444】
実施例85B:N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド
実施例55Kで使用した2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−エチル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸ベンズヒドリルエステルの代わりに2−({4−[2−アセチルアミノ−2−(4−カルボキシ−ブチルカルバモイル)−エチル]−2−ピペリジン−1−イル−フェニル}−tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−安息香酸ベンズヒドリルエステルを用い、1−フェニルエチルアミンの代わりに3−ヒドロキシアニリンを用い、実施例55Kに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0445】
【化128】
【0446】
実施例86
2−((カルボキシカルボニル){4−[2−ヒドロキシ−3−(ペンチルアミ ノ)プロピル]フェニル}アミノ)安息香酸
実施例86A:1−アリル−4−ニトロベンゼン
JOC,22,p.1418(1957)に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0447】
実施例86B:4−アリル−フェニルアミン
エタノール/H2O(3:1)(200ml)中に1−アリル−4−ニトロベンゼン(1.92g,11.8ミリモル)、NH4Cl(1.89g,35.3ミリモル)及び鉄紛(4.60g,82.4ミリモル)を含む溶液を一晩還流加熱した。反応物を冷却し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルを溶出液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
【0448】
MS(ESI(+)) m/e=134(M+H)+。
【0449】
実施例86C:2−(4−アリル−フェニルアミノ)安息香酸
[2−(4−アミノフェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−アリル−フェニルアミンを用い、実施例50Cの手順に従って標記化合物を製造した。
【0450】
【化129】
【0451】
実施例86D:2−[(4−アリル−フェニル)−ベンジルオキシオキサリル−アミノ]安息香酸
2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニルアミノ]−安息香酸の代わりに2−(4−アリル−フェニルアミノ)安息香酸を用い、tert−ブチルオキサリルクロリドの代わりにベンジルオキサリルクロリドを用い、実施例50Eの手順に従って標記化合物を製造した。生成物をジクロロメタン,1%メタノール/ジクロロメタンを溶離液とするシリゲルクロマトグラフィーにより精製した。標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0452】
【化130】
【0453】
実施例86E:2−[(4−アリル−フェニル)−ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−{[4−(アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}−安息香酸の代わりに2−[(4−アリル−フェニル)ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸を用い、実施例50Fに記載の手順に従って標記化合物を製造した。標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0454】
【化131】
【0455】
実施例86F:2−[ベンジルオキシオキサリル−(4−オキシラニルメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル
ジクロロメタン(15ml)中に2−[(4−アリル−フェニル)ベンジルオキシオキサリル−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル(1.42g,2.44ミリモル)を含む溶液を65% m−クロロペルオキシ安息香酸(780mg,2.94ミリモル)で処理し、一晩撹拌した。反応混合物を25〜40% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするクロマトグラフィーにかけて、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0456】
【化132】
【0457】
実施例86G:2−{ベンジルオキシオキサリル−[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−アミノ}−安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−メチル−2−プロパノール(5ml)中に2−[ベンジルオキシオキサリル−(4−オキシラニルメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸ベンズヒドリルエステル(256mg,0.428ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(112μl,0.642ミリモル)を含む溶液をアミルアミン(55μl,0.47ミリモル)で処理し、一晩還流した。反応物を減圧下で濃縮し、20〜100%アセトニトリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を回転異性体の1:1混合物として得た。
【0458】
【化133】
【0459】
実施例86H:2−{[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−オキサリル−アミノ}安息香酸
メタノール(3ml)中に2−{ベンジルオキシオキサリル−[4−(2−ヒドロキシ−3−ペンチルアミノ−プロピル)−フェニル]−アミノ}−安息香酸ベンズヒドリルエステル(60mg,0.93ミリモル)及び10% Pd/C(100mg)を含む溶液を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、0〜70%アセトニテリル/水性0.1%トリフルオロ酢酸を溶離液とする逆相HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0460】
【化134】
【0461】
実施例87
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
実施例87A:2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸
実施例50Cの[2−(4−アミノ−フェニル)−1−ペンチルカルバモイル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに4−ブロモ−ナフタレン−1−イル−アミンを用い、実施例50Eの2−[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)フェニルアミノ]安息香酸の代わりに生成物を用い、実施例50C及び50Eに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0462】
実施例87B:2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル
2−{[4−(2−アリルオキシカルボニルアミノ−2−ペンチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−tert−ブトキシオキサリルアミノ}安息香酸の代わりに2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブトキシオキサリル−アミノ]安息香酸を用い、実施例50Fに記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0463】
MS(ESI(+)) m/e=653,655(M+NH4)+。
【0464】
実施例87C:2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(3−オキソ−ブチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル
圧力管に収容した無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5ml)中に2−[(4−ブロモ−ナフタレン−1−イル)−tert−ブチルオキシオキサリル−アミノ]安息香酸ベンズヒドリルエステル(230mg,0.36ミリモル)、Pd(OAc)2(4.0mg,0.018ミリモル)、P(o−トリル)3(11mg,0.036ミリモル)を含む混合物に3−ブテン−2−オール(47μl,0.54ミリモル)及びトリエチルアミン(127μl,0.90ミリモル)を添加した。混合物に窒素を3分間フラッシュし、ふたを被せ、100℃に30分間加熱した。反応混合物を周囲温度まで放冷し、酢酸エチルと水(75ml,1:1)に分配した。有機層をブライン(2×25ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、20〜30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするAlltech Sep−Pakにより精製して、標記化合物(180mg,81%)を得た。
【0465】
MS(ESI(+)) m/e=645(M+NH4)+。
【0466】
実施例87D:2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
無水メタノール(1.0ml)中に2−{tert−ブトキシオキサリル−[4−(3−オキソ−ブチル)−ナフタレン−1−イル]−アミノ}安息香酸ベンズヒドリルエステル(45mg,0.072ミリモル)及びアミルアミン(13μl,0.11ミリモル)を含む混合物を周囲温度で3時間撹拌し、NaBH4(30mg)を30分間かけて少しずつ添加し、2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(1.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0ml)及びレゾルシノール(30mg)とともに5時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をGilson分取HPLCにより精製して、標記化合物(22mg,0.046ミリモル,63%)を得た。
【0467】
【化135】
【0468】
実施例88
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)プロピル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
実施例87Bで使用した3−ブテン−2−オールの代わりにアリルアルコールを用い、実施例87に記載の手順に従って標記化合物を製造した。
【0469】
【化136】
Claims (23)
- 式(I):
Aはアリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R1はアルコキシ、アルキル、アミノ、アミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;
R2はアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アミド、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、SO3H、PO(OH)2、CH2PO(OH)2、CHFPO(OH)2、CF2PO(OH)2、C(=NH)NH2、及び以下の5員ヘテロ環
からなる群から選択され;
R3、R4及びR5は独立して水素、アルコキシ、アルキル、アミド、アミノ、アミノスルホニル、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ペルフルオロアルコキシ及びペルフルオロアルキルからなる群から選択され;及び
R6はアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(ヘテロシクロアルキル)アルキルからなる群から選択される]
を有する化合物またはその治療上許容され得る塩。 - Aがアリールである請求の範囲第1項に記載の化合物。
- R1がヒドロキシである請求の範囲第3項に記載の化合物。
- R2がカルボキシである請求の範囲第4項に記載の化合物。
- R3、R4及びR5が独立して水素、アルコキシ、アミド、アリールカルボニルアミノ、シアノ及びヒドロキシからなる群から選択される請求の範囲第5項に記載の化合物。
- R6がアリールである請求の範囲第6項に記載の化合物。
- R6がシクロアルキルである請求の範囲第6項に記載の化合物。
- R6がヘテロアリールである請求の範囲第6項に記載の化合物。
- 請求の範囲第1項に記載の化合物を治療有効量投与することを含む生理学的pHでのタンパク質チロシンホスファターゼの阻害方法。
- 請求の範囲第1項に記載の化合物を治療有効量投与することを含むpH約6.5〜約8.5でのタンパク質チロシンホスファターゼの阻害方法。
- pHが約7.5である請求の範囲第11項に記載の方法。
- 患者に対して請求の範囲第1項に記載の化合物を治療有効量投与することを含む治療を要する患者における疾患の治療方法。
- 疾患がII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性からなる群から選択される請求の範囲第13項に記載の方法。
- 請求の範囲第1項に記載の化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物。
- 請求の範囲第2項に記載の化合物を治療有効量投与することを含む生理学的pHでのタンパク質チロシンホスファターゼの阻害方法。
- 請求の範囲第2項に記載の化合物を治療有効量投与することを含むpH約6.5〜約8.5でのタンパク質チロシンホスファターゼの阻害方法。
- pHが約7.5である請求の範囲第17項に記載の方法。
- 患者に対して請求の範囲第2項に記載の化合物を治療有効量投与することを含む治療を要する患者における疾患の治療方法。
- 疾患がII型糖尿病、肥満症、耐糖能異常及びインスリン抵抗性からなる群から選択される請求の範囲第19項に記載の方法。
- 請求の範囲第2項に記載の化合物を治療上許容され得る賦形剤と共に含む組成物。
- 2−((カルボキシカルボニル)−2−((E)−2−カルボキシエテニル)アニリノ)安息香酸、
2−(2−((1E)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−プロペニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2,3−ジメチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−クロロ−3−メチルアニリノ)安息香酸、
2−(2−(アミノカルボニル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((7−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((6−(アミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)アニリノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル)(5−(2,3−ジアミノ−3−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸
からなる群から選択される化合物。 - 2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−4−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(1−ナフチル)アミノ)−5−メトキシ安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−クロロ−5−メトキシアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−エトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−(オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−(4−((2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((4−カルボキシシクロヘキシル)メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)(カルボキシカルボニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−ヨードアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−((1E)−3−(1,3−オキサジナン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロブチル)アミノ)安息香酸、
2−((7−(ベンジルオキシ)−1−ナフチル)(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)−2−メチルアニリノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2−メチル−1H−インドール−1−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(7−((6−フェニルヘキシル)オキシ)−1−ナフチル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−2−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((1,1’−ビフェニル)−4−イル(カルボキシカルボニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(シクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル)(3−メチルシクロヘキシル)アミノ)安息香酸、
2−[(カルボキシカルボニル)(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−1−ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−3−(2−ヒドロキシエタン)−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ナフチル)アラニル]アミノ}ヘキサン酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−ペンチルフェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−6−{[N−アセチル−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニル]アミノ}ヘキサン酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[2−(3−メチル−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
2−{(カルボキシカルボニル)[5−ヒドロキシ−2−(1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−(メチルスルホニル)−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−N−[(イソプロピルアミノ)カルボニル]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){2−[4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−4−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチルフェニルアラニル−N−メチル−4−ニトロ−L−フェニルアラニンアミド、
N−(3−カルボキシプロパノイル)−L−フェニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
3−(4−ベンゾイルフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニル−3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]フェニル}−N−1−ペンチル−L−アラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
2−[[7−(アミノカルボニル)−1−ナフチル](カルボキシカルボニル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−イソプロピル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]フェニルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−アセチル−6−(3−イソプロピルベンジル)−4−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2,3,5−ピペラジントリオン、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−ヒドロキシ安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−{5−オキソ−5−[(1−フェニルエチル)アミノ]ペンチル}フェニルアラニンアミド、
N−(メトキシカルボニル)−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチルナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロヘキシルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3,4,5−トリフルオロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(シクロオクチルメチル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(3−フェニルプロピル)ナフチルアラニンアミド、
メチル3−{4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−1−ナフチル}−N−(メトキシカルボニル)アラニル−L−ノルロイシネート、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(2−フルオロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(メトキシカルボニル)−N−({4−[(メチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}メチル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−シアノ安息香酸、
4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{4−[(エチルアミノ)スルホニル]ベンジル}−N−(メトキシカルボニル)ナフチルアラニンアミド、
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フエニルアラニル−3−[(1E)−3−アミノ−3−オキソ−1−プロペニル]−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−ペンチル−L−フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1S)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ブロモベンジル)−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]−4−{[4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ}安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−(4−ニトロベンジル)フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−3−エチル−N−[(1R)−1−(4−ニトロフェニル)エチル]フェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−クロロベンジル)−3−エチルフェニルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−(4−ニトロベンジル)ナフチルアラニンアミド、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−[(1R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアラニンアミド、
4−[(ブチルアミノ)カルボニル]−2−[(カルボキシカルボニル)(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)アミノ]安息香酸、
N−アセチル−4−[(カルボキシカルボニル)(2−カルボキシフェニル)アミノ]−N−{5−[(3−ヒドロキシフェニル)アミノ]−5−オキソペンチル}−3−(1−ピペリジニル)フェニルアラニンアミド、
2−((カルボキシカルボニル){4−[2−ヒドロキシ−3−(ペンチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)安息香酸、
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)ブチル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸、及び
2−((カルボキシカルボニル){4−[3−(ペンチルアミノ)プロピル]−1−ナフチル}アミノ)安息香酸
からなる群から選択される化合物。
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2001
- 2001-08-29 JP JP2002523441A patent/JP2004531455A/ja not_active Withdrawn
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