JP2004530345A - 光伝送線及びこれを用いた光伝送システム - Google Patents
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- H04B10/25253—Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion due to chromatic dispersion using dispersion-compensating fibres with dispersion management, i.e. using a combination of different kind of fibres in the transmission system
Abstract
Description
【0001】
本願は、2001年3月30日出願の米国特許法第119(e)の仮出願第60/280,200号の優先権の利益を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、通信システムに使用される分散補償ファイバに関し、詳細には、非ゼロ分散シフトファイバの分散及び分散スロープを補償するための光ファイバに関する。
【背景技術】
【0003】
より高いビット伝送速度に対する需要の増加によって、分散の影響を制御し得る光伝送システムへの大きな需要が引き起こされた。一般的な光伝送システムの線形分析によれば、これら光伝送システムは10Gbit/秒で約1,000ps/nmの残余分散を許容することができるが、40Gbit/秒では約62ps/nmの残余分散を許容するに過ぎない。したがって、高いビット速度の伝送システム内で正確に分散を制御することが重要であり、かかる制御は転送速度の上昇とともに、ますます重要になることは明らかである。更に、正確な分散制御の必要性から、転送速度が40Gbit/秒に近づくにつれて伝送ファイバの分散スロープも補償されなければならないのである。
【0004】
これに対して、さまざまな解決案が非ゼロ分散シフトファイバを補償するために必要とされる低分散且つ低分散スロープ値を達成するために提案されてきた。これらには、光学結晶ファイバ、高次分散補償、分散補償グレーティング及びデュアルファイバ分散補償法が含まれる。これらの各解決案は、固有の重大な欠点を有する。
【0005】
光学結晶ファイバは、非ゼロ分散シフトファイバを補償するために必要とされるファイバと同様に、大なる負の分散及び負の分散スロープを有するように設計されている。しかしながら、これら光学結晶ファイバは、約10μm2以下の相対的に小なる実効断面積であって容認できない高いスプライス損失を生じる、という欠点を有する。故に、スプライス損失を減じるための伝送ファイバを用いる必要がある。加えて、光学結晶ファイバの本質的性質、すなわちファイバのコアのガラス/空気界面に関連した減衰は、1380nmの水ピークの残余吸収のため、関心の伝送ウインドウにおいて容認できないのである。更に、この光学結晶ファイバは、大規模に製造するのは非常に困難であって、高価である。
【0006】
高次の分散補償は、マルチモードファイバの高次モードの分散性質に依存する。高次モード、例えばLP02及びLP11では、基本モードよりも大なる負の分散及び分散スロープを有することが確認された。高次の分散補償は、典型的には、モードコンバータを経て1つの高次モードへの伝送基本モードのコンバージョンに依存する。その後、高次モードは、基本モードに加えてそのモードをサポートするファイバ内を伝播する。一定距離の後、高次モードは、第2のモード変換装置を経て基本モードへ戻して結合される。高次分散補償の解決に関連する課題は、効率の悪いモードコンバータ及び基本モードへの接続に対して抵抗となる一方で、高次モード伝送を許容する中間ファイバの製造性の困難性を含む。
【0007】
分散補償グレーティングは、チャープ化されたグレーティングを経た必須の差群遅延を達成するために利用される。必要なグレーティング長が大きくなるとき、これらの技術は一般的には分散及び分散スロープリプルを欠点として有する故に、分散補償グレーティングを利用した技術は、狭帯域の用途にのみ役立つとされる。
【0008】
非ゼロ分散シフトファイバの二重ファイバ分散補償による解決法は、分散補償及び分散スロープ補償が切り離されて別個に解決される点において、上記した分散補償グレーティング技術と同様である。一般的に、二重ファイバ分散補償技術は、分散スロープ補償ファイバに接続される分散補償ファイバの使用を含む。この種の解決案は、比較的小なる分散スロープを補償する分散スロープ補償ファイバの使用を必要とする。光ファイバの詳細にわたる分布モデリングは、分散スロープ、実効断面積及び曲げ感受性の間の相関を良く反映した結果となった。所与のファイバの導波路分散によって演じられる役割を増やすことによって、スロープを減少させることが可能であって、場合によっては負のスロープを生じ得る。しかしながら、実効断面積が減少するにつれ、ファイバの曲げ感受性が増加する。ファイバの実効断面積は、曲げ感受性の更なる低下の代価として増加し得る。分散スロープを減少させるか若しくは分散スロープを負にすることは、基本モードのカットオフ波長の非常に近くで動作するようになり、それと共により曲げ感受性の強いファイバとなり、また長波長、すなわち1560μmよりも大なる波長でより大なる信号損失となる。これらの関係の結果として、2本のファイバ分散及び分散スロープ補償解決案として使用可能なスロープ補償ファイバを製造することは極めて困難なのである。
【0009】
ここまで、分散を減じる若しくは排除するために利用できる最も現実的な幅広いバンドを有する商用技術は、分散補償ファイバモジュールであった。高密度波長分割多重化装置が16、32、40及びより多くのチャネルまで増加するにつれて、ブロードバンド分散補償製品は必要とされた。通信システムは、現在利用可能な効率的で信頼性の高いエルビウム添加ファイバ増幅器を利用するために、1550nm近傍の波長で信号の伝送が可能となるように設計されたシングルモード光ファイバを含む。このようなファイバは、ニューヨーク州コーニングのコーニング社で製造・販売されているLEAF(登録商標)光ファイバである。LEAFファイバは、従来のシングルモードファイバよりも本質的に低い分散であって且つ経済的にも優れる故に多くの新規なシステムに選択されてきた正の分散の非ゼロ分散シフトファイバである。
【0010】
40Gbit/秒よりも大の高いビット速度での情報転送や、長さ100kmよりも大なるシステムでの超長距離システムや光ネットワーキングへの興味と共に、非ゼロ分散シフトファイバ上でデータを運ぶネットワークにおいて分散補償ファイバを使用することが不可欠になった。非ゼロ分散シフトファイバと分散補償ファイバの初期の組合せでは、同一波長でのみ実質的に分散を補償していた。しかしながら、より高いビット速度、より長い到達距離及びより広いバンド幅は分散スロープがより正確に補償されることを要求した。したがって、分散及び分散スロープが補償されることを必要とする伝送ファイバの分散及び分散スロープに合致するように、分散補償ファイバが分散特性を有することが好ましい。上記した特性にマッチした分散及び分散スロープは、また、多数の分散補償ファイバシステムを表す。
【0011】
したがって、1550nm周辺で広い波長バンドに亘って、非ゼロ分散シフトファイバ及び他の正の分散光ファイバの分散を補償する能力を有する他の分散補償装置を開発することが望まれた。
【発明の開示】
【課題解決のための手段】
【0012】
本発明は非ゼロ分散シフトファイバの分散及び分散スロープを補償する装置に関する。本願明細書において開示される方法と装置は、非ゼロ分散シフトファイバの分散及び分散スロープの正確且つ完全な補償を可能にする。
【0013】
本発明の1つの特徴は、第1のカッパ値(κ)、すなわち1550nm波長で分散スロープに対する分散の比率を有し光信号を導く第1ファイバと、1550nm波長で約100nm以下の第2のκ値を有し光信号を導く第2ファイバと、第2ファイバの全分散及び分散スロープに第1ファイバの全分散及び分散スロープを整合させた第3のκ値を有し光信号を導くκ補償ファイバと、を含む光伝送線に関する。好ましくは、第2補償ファイバのκ値は、1550nm波長で約60nm以上である。第1ファイバ、第2ファイバ及びκ補償ファイバは光接続されて、これによって約1450nmから1600nmの間の波長バンド内の全分散及び全分散スロープを有する光伝送線を画定する。伝送リンクの全分散が1550nm波長で約-2.0ps/nm-km以上約2.0ps/nm-km以下の範囲内にあって、全分散スロープが1550nm波長で約-0.02ps/nm2-km以上約-0.02ps/nm2-km以下の範囲内にあるように第1のκ値、第2のκ値及び第3のκ値が好ましくは変化する
本発明の他の特徴は、κ値を有し光信号を導く伝送ファイバの分散及び分散スロープを補償するための分散補償モジュールに関する。当該モジュールは、1550nm波長で約100nm以下のκ値を有する光信号を導く第1補償ファイバと、第2ファイバの全分散及び分散スロープに第1ファイバの全分散及び分散スロープをマッチさせるκ値を有する光信号を導く第2補償ファイバとを含む。好ましくは、第2補償ファイバのκ値は、1550nm波長で約60nm以上である。第1及び第2補償ファイバは伝送ファイバと光接続されて、それによって全分散及び全分散スロープを有する光伝送線を画定する。光伝送線の全分散が1550nm波長で約-2.0ps/nm-km以上約2.0ps/nm-km以下の範囲内にあって、光伝送線の全分散スロープが1550nm波長で約-0.02ps/nm2-km以上約0.02ps/nm2-km以下の範囲内にあるように、第1補償ファイバのκ値及び第2補償ファイバのκ値は伝送ファイバのκ値と好ましくは変化する。
【0014】
本発明は更に上記した実施例による分散補償ファイバ及びモジュールを使用した光通信システムを含む。
【0015】
本発明は、正確且つ完全に分散及び分散スロープを補償するための直ちに利用できる導波路光ファイバを利用する。これにより、高コストの補償材料及び部品の必要性、及び/又は、製造が困難であって高価な且つ重大な信号損失を与える補償ファイバを必然的に使わざるを得なくなることを除去する。
【0016】
本発明の追加の特徴及び効果は後述するが、当業者であればこれらの記載から明らかであろうが、特許請求の範囲及び添付図面と共に以下の詳細な説明に記載された本発明を実施することによっても認識されるであろう。
【0017】
前述の説明は、本発明の典型例にすぎず、特許請求の範囲に定義された発明の性質及び特徴の理解のための概要を与えることを意図していることを理解されるであろう。添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれており、取り入れられて、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明のさまざまな特徴及び実施例を示し、発明の詳細な説明の記載とともに本発明の原理及び動作の説明を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本明細書の目的において、本発明は明白に反対のものとして指定された場合を除き、さまざまな他のオリエンテーション及びステップシーケンスを仮定し得ることを理解されるであろう。添付の図面において示され且つ詳細な説明に記載された特定の装置及び方法は、添付の特許請求の範囲に定義される発明の概念の典型的な実施例であることを理解されるであろう。特許請求の範囲の記載が明白に他であることを述べていない限り、本願明細書において開示された実施例に関する特定の寸法及び他の物理的な特性はこれを制限する様には考慮されない。
【定義】
【0019】
以下の定義および術語は、従来技術においても共通して使われている。
【0020】
完全に伝送ファイバの分散を補償する伝送ファイバ及び分散補償ファイバとの関係は、以下の一般的な式に従う。
【0021】
【数1】
【0022】
ここで、DDC(λc)は分散補償ファイバの分散、LDCは分散補償ファイバの長さ、Dt(λc)は伝送ファイバの分散、λcは光伝送バンドの中心波長、LTは伝送ファイバの長さである。分散補償ファイバ及び伝送ファイバの間の分散の所望とされる関係は、多数の補償ファイバから形成される分散補償ファイバにとって有効である。
【0023】
伝送線の光ファイバのκ値の所望の関係は以下の如きである。
【0024】
【数2】
【0025】
ここで、κDC(λc)は分散補償ファイバのκ値、DDCは分散補償ファイバの分散、SDCは分散補償ファイバの分散スロープ、κT(λT)は伝送ファイバのκ値、DTは伝送ファイバの分散であって、STは伝送ファイバの分散スロープである。2つ以上の補償ファイバが使用されるときに、κ値、分散及び分散スロープの間の関係も要求される。
【0026】
2ファイバ補償スキームにおいて、κ値、分散値及び分散スロープ値の間の所望の関係が以下の式によって定義される。
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】
ここで、κscは分散補償ファイバのκ値、κTは伝送ファイバのκ値、LFCはカッパ補償ファイバの長さ、DFCはカッパ補償ファイバの分散、LTは伝送ファイバの長さ、STは伝送ファイバの分散スロープである。
【0031】
まず、図1を参照して本発明による光信号伝送線10の実施例が示される。光信号伝送線10は、矢印13によって示される方向において光信号を導くようになされた伝送ファイバ12を含み、第1のκ値を有する。光信号伝送線10はまた、光信号13を導くようになされた第1カッパ補償ファイバ14を含み、1550nm波長で約100nm以下の第2のκ値を有する。伝送線10は、光信号13を導くようになされた分散補償ファイバ16を更に含み、1550nm波長で約60nm以上の第3のκ値を有する。伝送ファイバ12、カッパ補償ファイバ14及び分散補償ファイバ16は互いに光接続され、それによって全分散及び全分散スロープを有する光信号伝送線10を画定する。動作時に、伝送線10の全体の分散が約2.0ps/nm-km以下-2.0ps/nm-km以上の範囲内にあって、伝送線10の全分散スロープは、約0.02ps/nm2-km以下-0.02ps/nm2-km以上の範囲内にあるように、伝送ファイバ12の第1のκ値、カッパ補償ファイバ14の第2のκ値及び分散補償ファイバ16の第3のκ値が共動する。
【0032】
上記の如く、過去に提案された2ファイバ分散補償法は、第2の分散スロープ補償ファイバに第1の分散補償ファイバを接合することに基づいていた。しかしながら、これらの方法は、一般的に第2分散ファイバが比較的低いκ値、例えば50nm未満のκ値を有することを必要とする。100nm未満のκ値を有する特定の光ファイバの製造は、κ値が減少するにつれて困難となる。
【0033】
本方法は、少なくとも2つの連続したステップで、κ値を補償する補償ファイバを利用する。式3乃至5を参照するとカッパ補償ファイバ14は伝送ファイバ12の第1のκ値を増加させて有効となる。これによりかかるκ値が製造するのがより簡単である他の補償ファイバによって補償され得る。これは、分散補償ファイバ16のκ値は式3の伝送ファイバ12のκ値よりも大きくなければならないことを意味する。その結果として、カッパ補償ファイバ14の分散及び分散スロープが特定の状況を満たすように、変数X及びYは特定の状況を満たさなければならない。表1は、正の分散及び正の分散スロープを有するカッパ補償ファイバ14、負の分散及び負の分散スロープを有するカッパ補償ファイバ14、正の分散及び負の分散スロープを有するカッパ補償ファイバ14、及び、負の分散及び正の分散スロープを有するカッパ補償ファイバ14の4つの場合を示す。これらの4つの場合の結果は以下の表1に示す。ここで、κscは分散補償ファイバ16のκ値、κTは伝送ファイバ12のκ値、κfcはカッパ補償ファイバ14のκ値である。
【0034】
【表1】
表1において、カッパ補償ファイバ14がケースIIIに挙げられた特性を有する場合、伝送線10内に含まれるカッパ補償ファイバ14を有する効果がないことを示す。同様に、κTよりも大なるκscの解決が単一のファイバ分散及び分散スロープ補償に導かれる場合、ケースIIのファイバは除かれる。上記した如く、不可能でないとしても、充分に分散及び分散スロープを補償するのに適した光ファイバを製造することは多くの場合、困難なのである。最も好ましいκ補償ファイバは、出来るだけ高い負の分散スロープと高い正の分散値を有しているべきであることをケースI及びケースIVのファイバの評価において注意されたい。これは、ケースIVに適合したκ補償ファイバがケースIに適合したκ補償ファイバよりも優れることを意味する。しかしながら、低い正のスロープ及び大なる負のスロープを達成するためには、導波路分散が利用されなければならず、単一モード・ファイバの分散未満である分散値を結果として生ずる。したがって、カッパ補償ファイバ14は、上記の如きケースIの必要条件を満たさなければならず、正分散及び正分散スロープを有しなければならない。
【実施例】
【0035】
図1を参照して、光信号伝送線10に用いられる1つの適切なファイバ12は、大なる実効断面積の導波路光ファイバである。これは、例えば、米国特許第5,835,655号「大なる実効断面積の導波路」及び1998年9月11日出願の米国仮出願第60/099,979号の利益を請求された1999年8月13日出願の第09/373,944号「正分散・低分散勾配ファイバ」に開示される。これら両方とも、すべて引用により本願明細書に包含されたものとする。適切な大きさの実効断面積の屈折率分布が図2に示されている。好ましいファイバはニューヨーク州のコーニング社によって製造されているLEAF(登録商標)導波路光ファイバである。LEAFファイバの光学的特性及び性質のいくつかを表2に示す。
【0036】
【表2】
伝送ファイバ12は、好ましくは1550nmで好ましくは約2ps/nm-kmから約8ps/nm-kmの間の正の分散、0.15ps/nm2-kmよりも小、より好ましくは0.10ps/nm2-kmよりも小なる分散スロープ、60μm2を超える、より好ましくは65μm2を超える、最も好ましくは70μm2を超える実効断面積を有する。LEAFファイバは、約72μm2の大なる実効断面積を有し、高いパワーハンドリング能、高い光学SN比、長いアンプ間隔及び最大密度波長分割多重化チャネルプランの柔軟性を提供する。LEAFファイバの大なる実効断面積も、非線形性の影響を一律に減じる能力を提供する。本願明細書において開示される分散補償ファイバは、非ゼロ分散シフトファイバ、特にLEAFファイバの分散を補償する能力において例外的である。
【0037】
本実施例において、カッパ補償ファイバ14はSMF-28ファイバである。当該ファイバは、ニューヨーク州コーニングのコーニング社で製造され、入手可能である。SMF-28ファイバの光学的特性及び性質のいくつかが表3の一覧に示される。
【0038】
【表3】
加えて、SMF-28ファイバの屈折率分布は、図3において示される。式1にLEAF及びSMF-28ファイバの関連した分散及び分散スロープ値を導入して、100kmの伝送ファイバ12のスパンと、長さ約10km以下のカッパ補償ファイバ14とを仮定すると、1.332の強化項(κsc/κt)が算出される。基準点として1.332を使用して、式1を式2に書き直すことができる。これにより、他のκ補償ファイバの分散及び分散スロープを関連づける。この1.665SFC+0.332=0.025DFCが図4においてプロットされる。我々は曲がり感度、製造容易性及びファイバ性能における信頼性を犠牲にすることなしに図4に示される曲線よりも高い分散及び分散スロープ値を達成することは困難であることを見出した。
【0039】
例えば、分散補償ファイバ16は、2000年3月24日出願の米国仮出願第60/192,056号及び2000年4月12日出願の第60/196,437号の優先権の利益を請求された2001年3月9日出願の米国特許出願第09/802,696号「分散補償光ファイバ」に開示されたものから選択されたファイバであってもよい。これらは引用により本願明細書に完全に包含されるものとする。
【0040】
これらのファイバのうちの特に好ましい1つの光学的性質が表4に記載される。このファイバは、Δ1=1.8%、r1=1.8μm、Δ2=-0.69%、r2=5μm及び環状リングのピーク高さΔ3=0.7%とを有し、中心ピーク半径7.5μm及び半値高さ幅0.9μmとを有する図5に示されるそれと同様の屈折率分布を呈する。
【0041】
【表4】
図示した実施例において、伝送ファイバ12としてのLEAFファイバは、カッパ補償ファイバ14としてSMF-28ファイバに光学的に接続され、続いて、上記した如く、分散補償ファイバ16に光学的に接続されている。この実施例において、LEAFファイバは約50nmのκ値を有する。一方、SMF-28ファイバは約300nmのκ値を有する。各ファイバの適当な長さが使用されるときにSMF-28ファイバのκ値に接続されるLEAFファイバのκ値は約75nmのκ値を最終的に与える。他の相対的な長さ及び対応するκ値が以下に議論される。最終的なκ値は、約75nmの大きさを有する分散補償ファイバ16のκ値と接続されて、これによって伝送線10内の分散及び分散スロープの全補償を結果として達成する。好ましくは、全分散スロープが約0.02ps/nm2-km以下約-0.02ps/nm2-km以上の範囲内にあると共に、伝送線10の全分散が約2.0ps/nm-km以下約-2.0ps/nm-km以上の範囲内となるように、ファイバ12、14及び16の分散特性が選択される。より好ましくは、全分散スロープが約0.015ps/nm2-km以下約-0.015ps/nm2-km以上の範囲内にあることがより好ましいと共に、伝送線10の全分散が約0.1ps/nm-km以下約-0.1ps/nm-km以上の範囲内となるようにファイバ12、14及び16の分散特性が選択される。最も好ましくは、全分散スロープが約0ps/nm2-kmであって、伝送線10の全分散が約0ps/nm-kmであるようにファイバ12、14及び16の分散特性が選択される。
【0042】
伝送線10の好適な実施例は、約50nmのκ値を有するLEAFファイバ、約300nmのκ値を有するSMF-28ファイバ、及び、約75nmのκ値を有する分散補償ファイバ16を利用するものであるが、必要に応じて添付の特許請求の範囲の他の性質を表示している他のファイバが利用され得ることに留意する必要がある。通常、カッパ補償ファイバ14として利用される特定のファイバはできるだけ大なるκ値を有し、且つ、カッパ補償ファイバの分散は正であることが好適である。好ましくは、カッパ補償ファイバ14は100nm以上、より好ましくは200nmを超えるκ値を有しなければならない。最も好ましくは、カッパ補償ファイバ14は300nm以上のκ値を有しなければならない。
【0043】
伝送ファイバ12、カッパ補償ファイバ14及び分散補償ファイバ16のκ値は変化するとともに、それらの長さもまた、分散及び分散スロープ補償を最大にするために変化することにも注意されたい。分散補償ファイバ16のいくつかのκ値、伝送ファイバ12、カッパ補償ファイバ14及び分散補償ファイバ16の対応する長さが以下の表5に示される。
【0044】
【表5】
本実施例において、LEAFファイバの長さは好ましくは伝送線10の全長の72%から83%の間であって、SMF-28ファイバの長さは好ましくは伝送線10の全長の4%から7%の間であって、分散補償ファイバの長さは伝送線10の全長の13%から24%の間である。より好ましくは、LEAFファイバの長さは伝送線10の全長の約76%であって、SMF-28ファイバの長さは伝送線10の全長の約4.6%であって、分散補償ファイバの長さは伝送線10の全長の約19.0%である。
【0045】
図6に示すように、本発明による構成及び製造された光信号伝送線10は、、光通信システム20で使用される。システム20は、光信号送信機22及び光信号受信機24を含み、送信機22が伝送線10を介して受信機24に光信号13を送る。
【0046】
図7に示すように、カッパー補償ファイバ14及び分散補償ファイバ16は、本発明により好適に製造され且つ構成されて、分散補償モジュール26内で利用される。モジュール26は、四角形の箱、後部壁32及び前部壁34を形成している複数の側壁30を有するハウジング28を含む。モジュール26はまた、後部壁32から前方へ伸びている中央に配置された円筒ハブ36を含む。モジュール26は、ハウジング28内に収容されて、且つ、ハブ36の周囲に巻きつけられたカッパー補償ファイバ14及び/又は分散補償ファイバ16を更に含み、光伝送システムに容易に挿入されて接続できるように最適化され、これに関連するκ値を補償する。図8は、光通信システム20内で使用されるモジュール26である。
【0047】
本願明細書中に記載された本発明の好適な実施例についての多様なモディフィケーションが添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び観点から逸脱することなくなされ得ることは当業者であれば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を実施するための光信号伝送線の図である。
【図2】LEAF光導波路ファイバの屈折率分布の図である。
【図3】SMF-28光導波路ファイバの屈折率分布の図である。
【図4】κ分散補償ファイバの分散スロープに対する分散のグラフである。
【図5】分散補償ファイバの屈折率分布の図である。
【図6】光信号伝送線を使用したファイバ光通信システムの図である。
【図7】分散補償モジュールの斜視図及び内部を示す切欠図である。
【図8】モジュールを使用したファイバ光通信システムの図である。
Claims (50)
- 第1のκ値を有し光信号を導く第1ファイバと、
1550nm波長で約100nm以上の第2のκ値を有し光信号を導く第1ファイバと、
1550nm波長で約60nm以上の第3のκ値を有し光信号を導くκ補償ファイバと、を含む光信号伝送線であって、
前記第1ファイバ、前記第2ファイバ及び前記κ補償ファイバが光接続されて全分散及び全分散スロープを有する前記光伝送線を画定し、前記第1のκ値、前記第2のκ値及び前記第3のκ値は、前記伝送線の前記全分散が1550nm波長で約-2.0ps/km-nm以上約2.0ps/km-nm以下の範囲内、前記伝送線の前記全分散スロープが1550nm波長で約-0.02ps/nm2-km以上約0.02ps/nm2-km以下の範囲内であるようになされていることを特徴とする光信号伝送線。 - 前記第1ファイバの前記第1のκ値は1550nm波長で約60nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記第2ファイバの前記第2のκ値は1550nm波長で約200nm以上であることを特徴とする請求項2記載の光信号伝送線。
- 前記κ補償ファイバの前記第3のκ値は1550nm波長で約70nm以上であることを特徴とする請求項3記載の光信号伝送線。
- 前記第2ファイバの前記第2のκ値は1550nm波長で約300nm以上であることを特徴とする請求項4記載の光信号伝送線。
- 前記κファイバの前記第3のκ値は1550nm波長で約75nmであることを特徴とする請求項5記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバは約50μm2以上の実効断面積を有することを特徴とする請求項4記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバは約60μm2以上の実効断面積を有することを特徴とする請求項7記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバが約65μm2以上の実効断面積を有することを特徴とする請求項8記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバは正の分散を有することを特徴とする請求項7記載の光信号伝送線。
- 前記第2ファイバは負の分散を有することを特徴とする請求項10記載の光信号伝送線。
- 前記κ補償ファイバは正の分散を有することを特徴とする請求項11記載の光信号伝送線。
- 前記伝送線は全長を画定し、前記第1ファイバは前記全長の約72%から約82%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項12記載の光信号伝送システム。
- 前記第2ファイバは前記全長の約4%から約7%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項13記載の光信号伝送システム。
- 前記κ補償ファイバは前記全長の約13%から約24%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項14記載の光信号伝送システム。
- 前記第1ファイバ及び前記第2ファイバは互いに直接に接続されていることを特徴とする請求項15記載の光信号伝送線。
- 前記第2ファイバと前記κ補償ファイバとは互いに直接に接続されていることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバは正の分散を有することを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記第2ファイバは負の分散を有することを特徴とする請求項18記載の光信号伝送線。
- 前記κ補償ファイバは正の分散を有することを特徴とする請求項19記載の光信号伝送線。
- 前記第1ファイバは前記第2ファイバと直接に接続されており、前記第2ファイバは前記κ補償ファイバと直接に接続されていることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記伝送線は全長を画定し、前記第1ファイバは前記全長の約72%から約82%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項1記載の光信号伝送システム。
- 前記第2ファイバは前記全長の約4%から約7%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項22記載の光信号伝送システム。
- 前記κ補償ファイバは前記全長の約13%から約24%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項23記載の光信号伝送システム。
- 前記第1ファイバは約75kmの長さを有し、前記第2ファイバは約4.5kmの長さを有し、前記κ補償ファイバは約16.7kmの長さを有することを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記全分散は約-1ps/km-nm以上約1ps/km-nm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 前記全分散スロープは約-0.015ps/nm2-km以上約0.015ps/nm2-km以下の範囲内にあることを特徴とする請求項26記載の光信号伝送線。
- 前記全分散は約0ps/nm-kmであることを特徴とする請求項27記載の光信号伝送線。
- 前記全分散スロープは約0ps/nm2-kmであることを特徴とする請求項28記載の光信号伝送線。
- 前記κ補償ファイバの前記第3のκ値は1550nm波長で約70nmであることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送線。
- 光信号を送出する送信機と、前記送信機と光接続されて前記送信機から前記光信号を受信する請求項1記載の前記伝送線と、前記伝送線と光接続されて前記伝送線から前記光信号を受信する受信機と、を含む光信号伝送システム。
- 光信号を導くように調整されたκ値を有する伝送ファイバの分散及び分散スロープを補償する分散補償モジュールであって、前記分散補償モジュールは、1550nm波長で約100nm以下のκ値を有し前記光信号を導く第1補償ファイバと、1550nm波長で約60nm以上のκ値を有し前記光信号を導く第2補償ファイバと、を含み、前記第1及び第2補償ファイバは前記伝送ファイバと光接続されて、これらにより全分散及び全分散スロープを有する光伝送線を画定し、前記第1補償ファイバのκ値及び前記第2補償ファイバのκ値は前記伝送ファイバのκ値とともに、前記全分散が1550nm波長で約-2.0ps/nm-km以上約2.0ps/nm-km以下の範囲内にあって、且つ、前記全分散スロープが1550nm波長で約-0.02ps/nm2-km以上約0.02ps/nm2-kmの範囲内にあるように変化することを特徴とする分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバのκ値が1550nm波長で約300nm以上であることを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記第2補償ファイバのκ値が1550nm波長で約75nm以上であることを特徴とする請求項33記載の分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバの第2のκ値が1550nm波長で約300nmであることを特徴とする請求項33記載の分散補償モジュール。
- 前記第2補償ファイバの第3のκ値が1550nm波長で約75nmであることを特徴とする請求項35記載の分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバは正の分散を有することを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記第2補償ファイバは負の分散を有することを特徴とする請求項37記載の分散補償モジュール。
- 前記伝送線は全長を画定し、前記第1補償ファイバは前記全長の約4%から約7%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記第2補償ファイバは前記全長の約13%から約24%の範囲内の長さを有することを特徴とする請求項39記載の分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバは約4.5kmの長さを有し、且つ、前記第2補償ファイバは約16.7kmの長さを有することを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバは前記伝送ファイバと直接に接続されていることを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記第1補償ファイバ及び前記第2補償ファイバは互いに直接に接続されていることを特徴とする請求項42記載の分散補償モジュール。
- 前記全分散は約-1ps/nm-km以上約1ps/nm-km以下の範囲内にあることを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 前記全分散スロープは約-0.015ps/nmμm2-km以上約0.015ps/nmμm2-km以下の範囲内にあることを特徴とする請求項44記載の分散補償モジュール。
- 前記全分散は1550nm波長で約0ps/nm-kmであることを特徴とする請求項45記載の分散補償モジュール。
- 前記全分散スロープは1550nm波長で約0ps/nmμm2-kmであることを特徴とする請求項46記載の分散補償モジュール。
- 前記第2補償ファイバのκ値は1550nm波長で約75nmであることを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 更にハブを含み、前記第1補償ファイバ及び前記第2補償ファイバの少なくとも一方が前記ハブの周りに巻かれていることを特徴とする請求項32記載の分散補償モジュール。
- 更にハウジングを含み、前記第1補償ファイバ及び前記第2補償ファイバの少なくとも一方が前記ハウジング内に収納されていることを特徴とする請求項49記載の分散補償モジュール。
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