JP2004529108A - R−サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンを含んでなる医薬製剤 - Google Patents
R−サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンを含んでなる医薬製剤 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、R-サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せを含んでなる医薬製剤、ならびに医療、特に呼吸器疾患の予防および治療におけるそのような製剤の使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、R-サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せ、R-サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せを含有している医薬製剤、ならびに医療、特に呼吸器疾患の予防および治療におけるそのような製剤の使用、に関する。
【背景技術】
【0002】
サルメテロールは、効力があり、長期間持続するβ2アドレナリン受容体アゴニストであり、喘息などの閉塞性気道疾患を持つ患者の治療に広く処方されている。サルメテロールはそのラセミ体として、商品名SEREVENT(商標)で市販されている。
【0003】
サルメテロールのRおよびS異性体は公知である。欧州特許出願番号EP0422889およびUS5919827はサルメテロールのR-異性体に関するもので、そのR-異性体が特に有利な作用プロファイルを有していると記載している。さらにUS5919827は、特に喘息の治療にR-異性体を用いると、β-アドレナリン作用性薬物により通常は生じる望ましくない副作用を抑えながら、安全で効果的な治療が提供されると記載している。しかしながら、国際特許出願番号WO99/13867はその反対を記載している、すなわち、望ましくない副作用を抑えているのはサルメテロールのS-異性体の投与であると示唆している。
【0004】
プロピオン酸フルチカゾンは抗炎症性コルチコステロイドであり、GB 2088877に記載されており、系統的にはS-フルオロメチル-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-プロピオニルオキシ-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオエートと呼ばれる。プロピオン酸フルチカゾンは現在気管支喘息および関連疾患の治療に臨床的に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンは有効な治療薬であるが、有効且つ選択的な作用がありまた有利な作用プロファイルをもつ喘息治療薬に対する臨床的なニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物との組合せを提供する。
【0007】
本発明は、本明細書に記載される本発明の特定の態様ならびに好ましい態様の全ての組合せを包含することを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の製剤は、実質的にS-異性体を含まないR-異性体を用いるもので、この場合これは、R-異性体に対してS-異性体が10重量%未満、好ましくは1重量%未満、そして特には0.1重量%未満であることを意味する。
【0009】
本発明の適切な塩としては、有機酸または無機酸により生成されるものが挙げられる。生理学的に許容される酸付加塩としては、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、シュウ酸、フマール酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、ならびに1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のようなナフタレンカルボン酸が挙げられる。R-サルメテロールは、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(キシナホ酸)塩であるのが好ましい。
【0010】
本組合せの医薬を、同一の医薬製剤もしくは異なる医薬製剤で同時にもしくは順次に投与できることは理解されよう。順次的な投与の場合は、2番目の医薬を投与するときの遅れは、本組合せの有用な治療的効果を失うようなものであってはならない。
【0011】
本組合せの医薬を生の化学物質として投与することも可能であるが、それらを医薬製剤として提供するのが好ましい。本組合せの個々の医薬が別々に投与される場合は、これらは一般に、当技術分野においてこれまでに記載されているように、その1つ1つが医薬製剤として提供される。
【0012】
医薬製剤は、単一のパッケージに全治療コースが入っている「患者パック」の形で患者に処方されることが多い。患者パックは、薬剤師が大量サプライ品の中から患者の医薬サプライ分を分け取る伝統的な処方箋による方法に比較して、患者が、伝統的な処方箋では普通見られない、患者パックに入っているパッケージ添付文書を常時利用可能であるという点において有利である。パッケージ添付文書を入れることにより、医師の指示に対する患者の服薬遵守が改善されること、そしてそれゆえに大概さらによい治療に結びつくことが明らかとなっている。患者に本発明の正しい使用を指示するパッケージ添付文書が入っている単一患者パック、または各成分医薬の患者パックを用いて本発明の組合せを投与するのが、本発明のさらなる望ましい特徴であることは理解されよう。
【0013】
本発明のさらなる態様では、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤が提供される。本発明の好ましい態様では、キシナホ酸R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤が提供される。最も好ましい態様では、本医薬製剤は吸入による投与に適切である。
【0014】
上述したように、R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンならびにそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、呼吸器疾患の治療に使用されると記載されている。従って、R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンならびにそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、選択的β2-アドレナレン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防および治療に使用できる。そのような症状としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例:慢性で、ゼーゼーいう気管支炎、肺気腫)、気道感染症、および上気道疾患(例:アレルギー性鼻炎および季節性鼻炎などの鼻炎)などの、可逆性気道閉塞に関連する疾患が挙げられる。
【0015】
従って、本発明は、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療方法を提供し、その方法は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物との組合せの治療的に有効な量を投与することを含んでなる。本発明はさらに、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療方法を提供し、その方法は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。好ましい態様では、キシナホ酸R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤の治療的に有効な量を投与することを含んでなる方法が提供される。特に本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染症または上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療方法を提供する。
【0016】
別の実施形態では、治療用の、特に選択的β2アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防または治療に使用される、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組合せが提供される。特に、治療用の、中でも選択的β2アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防または治療に使用される、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物(適切にはキシナホ酸R-サルメテロール)、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤が提供される。好ましい態様では、本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染症または上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療に関する。
【0017】
治療効果を得るために必要とされるR-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、またはそれらの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量は、言うまでもなく、その特定の化合物、その投与の経路、治療を受けているその患者、治療を行っているその特定の疾患または疾病によって変わる。単品療法としてUS5919827は、R-サルメテロールを、通常1日当り1回以上、約25μg〜約50μg(マイクログラム)の用量を吸入によりヒトに投与することを教示しており、一方EP0422889は、1日当りの用量0.005mg〜100mgを教示している。単品療法としてプロピオン酸フルチカゾンは、1日2回100μg〜1000μg、好ましくは200μg〜500μgの用量をエアロゾル吸入により成人ヒトに投与する。本組合せの各成分の用量は一般に、単品で用いられる場合に各成分に対して用いられる用量になると考えられるが、本医薬の組合せを用いると、用いる医薬の1つまたは両方の投与量を下げることができる可能性がある。典型的には投与は、1日当り1回以上、例えば1〜8回行い、各回例えば1、2、3、または4パフ[puff]投与する。
【0018】
吸入による適切な1日当りの投与量は、例えばR-サルメテロール15μg〜10mg、好ましくは15〜200μgであり、従って、例えば1回のバルブの起動により10〜500μg、好ましくは25〜200μgが投与されることになり(且つこの用量は1回もしくは2回の起動で投与することができる)、そしてプロピオン酸フルチカゾンの投与量は50μg〜1.0mg、好ましくは100μg〜500μgである。典型的には計量式吸入器に使用される各充填されたキャニスターは、30、60、120、または200回分の計量用量またはパフの医薬を投与するのに十分な懸濁液が入っている。予定されたパフ回数分が投与されることを確実なものにするため、キャニスターに最大40パフ分に相当する懸濁液を過充填することは当業者には周知のことである。
【0019】
好ましい単位用量製剤は、本明細書中でこれまでに記載された、本医薬の医薬的に有効な用量、またはそれの適当な部分が入っているものである。計量式加圧エアロゾルでの投与用に設計されている製剤の場合は、治療的に有効な用量を投与するのに2回の起動が必要となるように、エアロゾルの1回の起動により治療的に有効な量の半分が投与されてもよい。
【0020】
本発明の医薬製剤は、さらなる治療用成分、特に吸入療法に有用なものをさらに含有していてもよい。従って、1つ以上のさらなる治療用成分が例えば次のようなものから適宜選択される:コデイン、ジヒドロモルフィン、エルゴタミン、フェンタニルあるいはモルフィンなどの鎮痛薬;ジルチアゼムなどの狭心症薬;クロモグリク酸塩(例えばナトリウム塩として)、ケトチフェンあるいはネドクロミル(例えばナトリウム塩として)などの抗アレルギー症薬;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類、ペンタミジンなどの抗感染症薬;メタピリレンなどの抗ヒスタミン薬;フルニソリド、ベクロメタゾン(好ましくはジプロピオン酸エステルとして)、ブデソニド、シクレソニド、ロフレポニド、チプレダン、トリアムシノロン(例えばアセトニドとして)、あるいはモメタソン(好ましくはフロン酸エステルとして)もしくは6α, 9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル) エステルなどの抗炎症薬;ノスカピンなどの鎮咳薬;アルブテロール(例えば遊離塩基または硫酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例えば臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例えばフマール酸塩として)、テルブタリン(例えば硫酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例えば酢酸塩として)、レプロテロール(例えば塩酸塩として)、レイミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、あるいは4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]-アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロンもしくは(-)-4-アミノ-3,5-ジクロロ-[[[6-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]-アミノ]メチル]ベンゼンメタノールなどの気管支拡張薬;アミロリドなどの利尿薬;イプラトロピウム(例えば臭化物として)、アトロピン、オキシトロピウムあるいはチオトロピウムなどの抗コリン作用薬;コルチゾン、ヒドロコルチゾンあるいはプレドニゾロンなどのホルモン;アミノフィリン、テオフィリン酸コリン、テオフィリン酸リシンあるいはテオフィリンなどのキサンチン類;ならびにインスリンあるいはグルカゴンなどの治療用タンパク質またはペプチド類。適切ならば、上記治療用成分は、塩の形態で(例えばアルカリ金属塩またはアミン塩としてあるいは酸付加塩として)またはエステルとして(例えば低級アルキルエステル)あるいは溶媒和物として(例えば水和物)用いて該治療用成分の活性および/または安定性を至適化するならびに/あるいはその推進剤中におけるその治療用成分の溶解度を最小にすることは当業者には明らかなことであると考えられる。また適切ならば、本治療用成分を光学的に純粋な形態で用い得ることは明らかなことであると考えられる。
【0021】
本発明の剤形としては、経口投与、非経口投与(皮下、皮内、筋内、静脈内、動脈内など)、吸入投与(各種の計量式加圧エアロゾル器、噴霧器または吹き入れ器により発生される微粒子粉末またはミスト)、直腸投与、および局所投与(皮膚、口腔、舌下、眼内など)に好適なものが挙げられるが、最も好適な経路は例えば被投与者の病状および疾患によって決まるものである。本製剤は都合よくは単位用量の形態で提供され得、製薬の分野で周知の方法によって製造され得る。全ての方法には、本活性成分医薬を、1つ以上の補助的成分から構成される担体と組み合せる段階が含まれる。通常製剤は、本医薬と、液体担体もしくは細かく粉砕された固体担体またはその両者を、均一で且つよく混じった集合状態にし、そしてそのあと必要な場合はその生成物を所望の剤形に成形することにより製造される。
【0022】
吸入用製剤としては、(ラクトースが入っているのが好ましい)粉末組成物と、(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適当なガスなどの適切な推進剤を用いて加圧パックから噴射される、例えば水溶液もしくは水性懸濁液としてまたはエアロゾルとして製剤化されている)スプレー用組成物が挙げられる。好適なエアロゾル製剤としては、EP 0372777およびWO93/11743に記載されているものが挙げられる。鼻腔内スプレーは、増粘剤、pHを調整するための緩衝用の塩または酸もしくはアルカリ、等張性調整剤あるいは酸化防止剤などの薬剤を加えて水性ビヒクルもしくは非水性ビヒクルと共に製剤化される。
【0023】
吸入器または吹き入れ器に使用される例えばゼラチンのカプセルとカートリッジ、または例えば貼り合わせアルミニウム箔のブリスターは、本医薬の粉末混合物および、ラクトースまたはデンプンのような適当な粉末基剤を入れて剤形化する。この点において、本乾燥粉末製剤を投与した場合、肺の中に実質的に全ての医薬が吸入されるように、本医薬を適切に微粉化する、つまり本医薬を100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、そして好ましくは1〜10ミクロンの粒径となるようにする。そのような本医薬の粒子は別の方法として、エアージェットミル、ボールミルまたはバイブレーターミル中での細砕、精密沈降[microprecipitation]、スプレー乾燥、凍結乾燥、あるいは超臨界媒体からの再結晶により適宜製造される。
【0024】
噴霧による吸入用溶液は、酸もしくはアルカリ、緩衝用塩、等張性調整剤あるいは抗菌剤などの薬剤を加えて、水性および/または有機ビヒクルと共に製剤化される。これらは濾過またはオートクレーブ中での加熱により滅菌されるか、あるいは非滅菌製品として提供される。このような製剤の投与に好適な噴霧器装置としては、空気圧式噴霧器および超音波式噴霧器ならびに携帯型噴霧器(例えばRESPIMAT(商標)という装置)が挙げられる。
【0025】
末梢エアロゾル経路による医薬の投与にエアロゾルを使用することは数十年前から知られている。そのようなエアロゾルは一般に、医薬、溶媒または界面活性剤などの1つ以上の賦形剤、および1つ以上の推進剤が入っている。
【0026】
過去に最も広く用いられた推進剤は、CCl3F(Freon(登録商標)11)、CCl2F2(Freon(登録商標)12)、またはCF2ClCF2Cl(Freon(登録商標)114)である。しかしながら、オゾン層に対するこれら推進剤ガスの有害な影響に基づくこれらのガスの段階的廃止により、エアロゾルスプレーの製造業者は成層圏オゾンを破壊しない新しい推進剤を使用することとなった。そのような「オゾンに優しい」ガスとしては、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)および1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)などの水素原子含有フルオロカーボンが挙げられる。
【0027】
従来のクロロフルオロカーボン推進剤を「オゾンに優しい」推進剤で置き換えると、得られる製品のライフ中に懸濁液安定性と医薬品性能に問題が生じ得る。このような問題に対して様々な解決策が記載されている。例えば欧州特許出願番号EP0372777は、薬剤および推進剤に加えて、医薬的使用に好適なエアロゾル製剤の必須成分として溶媒および界面活性剤を含んでなる懸濁液製剤および溶液製剤を開示している。国際特許出願番号WO92/08446およびWO92/08447は、医薬が界面活性剤でコートされている、サルメテロールなどの医薬製剤を開示している。WO93/11743、WO93/11744およびWO93/11745は、特に界面活性剤の存在を除外する、サルメテロールなどの医薬の懸濁液製剤を開示している。
【0028】
本発明の1つの好ましい態様では、(基本的に)、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、場合によっては1つ以上の他の治療用成分、ならびに推進剤としての1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはこれらの混合物から構成される医薬エアロゾル製剤が提供される。
【0029】
本発明の好ましいエアロゾル製剤は、基本的には医薬と推進剤の二成分系混合物であり、従って界面活性剤および溶媒などの通常エアロゾル製剤に使用される製剤用賦形剤を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、賦形剤の有意な量を含んでいない、すなわち製剤の特性に影響を与えるのに必要とされるであろう賦形剤の濃度よりも低い濃度で、例えば医薬の重量を基準にして0.0001% w/w未満の賦形剤が入っている製剤を意味する。
【0030】
本発明の吸入用製剤に用いるべき医薬は微粒子の形態(例えば微粉化された)にあり、そして典型的には、本エアロゾル製剤を投与した時に実質的に全ての医薬が肺の中に吸入されることを可能とするような粒子径を有しており、従って100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、そして好ましくは1〜10ミクロンの範囲、例えば1〜5ミクロンのものとする。
【0031】
最終製品としてのエアロゾル製剤は、製剤の全重量に対して望ましくは0.005〜10% w/w、好ましくは0.005〜5% w/w、特には0.01〜1.0% w/wの医薬を含有する。本発明の1つの好ましい態様では、そのエアロゾル製剤は、製剤の全重量に対して0.1〜10% w/wの医薬が入っている。
【0032】
本発明の好適なエアロゾル製剤に使用される推進剤は1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)、またはこれらの混合物である。好ましい推進剤は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンである。
【0033】
本発明の好適なエアロゾル製剤は、例えば超音波処理またはハイシェアミキサーを使って、適当な容器中で選択した推進剤中に本医薬を分散することで製造される。この工程は、懸濁液の安定性に対する水分の悪影響を避けるために、望ましくは無水の条件下で行う。
【0034】
本発明の好適なエアロゾル製剤は、長期に保存されたあとでも静置すると弱く凝集した懸濁液を形成するが、これは緩く撹拌することで容易に再分散されて、加圧吸入器で使用するのに好適な改善された噴射特性を持つ懸濁液を与える。本発明のエアロゾル製剤中での、界面活性剤、溶媒などの製剤賦形剤の使用の回避は、本製剤が従来の製剤に比べて実質的に味および匂いがしないこと、刺激がより少ないこと、毒性がより少ないことからこれもまた有利なことである。
【0035】
本発明のエアロゾル製剤の化学的および物理的安定性ならびに医薬品容認可能性は当業者に周知の方法により測定することができる。例えば、本成分の化学的安定性は、例えば本製剤を長期に保存したあとのHPLCアッセイにより測定することができる。物理的安定性データは、例えば、リークテスト法、バルブ噴射アッセイ(1回の起動当りの平均ショット重量)、用量再現性アッセイ(1回の起動当りの医薬)、スプレー分布分析、および集束ビーム反射率測定法などの他の通常の分析手法により得ることができる。
【0036】
本発明のエアロゾル製剤の粒子径分布は通常の方法、例えばカスケードインパクター法(例えばUS Pharmacopoeia, 23/NF18 General Test <601>, pages 1762 - 1765 に規定のもの)により、あるいはBritish Pharmacopaeia 1988, pages A204-207, Appendix XVII Cに規定されている「ツイン・インプリンジャー[Twin Impinger]」分析法により測定することができる。そのような方法により、エアロゾル製剤の「吸入可能な割合」を計算することができる。本明細書中で用いる場合「吸入可能な割合」という表現は、上記したツイン・インピンジャー法を用いて、1回の起動で噴射される医薬の総量に対するパーセントとして表わされる、1回の起動で下部インピンジャーチャンバーに回収される医薬の量を意味する。本発明の製剤は、医薬の20重量%以上、好ましいことには25〜70重量%、例えば30〜60重量%の吸入可能な割合を有していることが判明した。
【0037】
本発明のエアロゾル製剤は、医薬エアロゾル製剤を噴射するのに適切なキャニスター中に充填される。キャニスターは一般には、用いる推進剤の蒸気圧に耐えることができる容器を有しており、例えばプラスチック製ボトルまたはプラスチックコートされたガラス製ボトルあるいは好ましくは金属製の缶、例えば陽極酸化されていてもよい、ラッカーコートされていてもよい、および/またはプラスチックコートされていてもよいアルミニウム製缶などであり、そしてこの容器は計量バルブで閉栓されている。本発明の製剤に用いるのに好適な金属製キャニスター(例えばアルミニウム製のもの)は欧州特許出願番号EP0642992および国際特許出願番号WO96/32150に記載されている(参照により本明細書中に組み入れることとする)。上記明細書中に記載されている容器は、PTFEのような純フルオロカーボンポリマー、あるいは、PTFE/PESポリマーブレンドのようなフルオロカーボンポリマーと非フルオロカーボンポリマーのブレンドが内部コートがしてあり、キャニスター壁への薬剤の付着を最小限にしている。
【0038】
計量バルブは、1回の起動で製剤の計量された量を送出するよう設計されており、そのバルブからの推進剤の漏れを防止するためにガスケットが組み込まれている。このガスケットは、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチルゴム、黒色および白色ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、およびネオプレンなどの適当なエラストマー材料からつくられたものであってよい。適切なバルブは、エアロゾル産業界では周知の製造メーカーから市販されていて入手可能であり、例えばValois, France(例:DF10、DF30、DF60)、Bespak plc, UK(例:BK300、BK356)および3M-Neotechnic Ltd, UK(例:Spraymiser(商標))から市販されている。
【0039】
推進剤入りキャニスターの商業生産のための大規模バッチの製造には、医薬エアロゾル製造の当業者には周知である通常のバルク製造方法および装置を用いる。例を示すと、キャニスターに先ず粉末を充填し、そしてそのあと推進剤を充填するか、あるいは代わりの方法として、推進剤中に調製されている粉末の懸濁液を単一アリコート(小分け量)として充填するか、もしくは濃縮懸濁液のアリコートとして充填してそのあとストレートの推進剤で全薬剤をキャニスター中にフラッシングする。特に好ましい方法がEP491261に記載されているとともに特許請求(これの請求項1を参照されたい)されている(参照により本明細書中に組み入れることとする)。充填工程は、充填工程における薬剤粒子への水分の影響を制限するために、相対湿度が低く保たれた制御された雰囲気中で行うのが好ましい。医薬用途に製造されるバッチにおいては、通常、出荷検査の前に、充填されたキャニスターの1個1個が重量チェックされ、バッチ番号が付番され、保管のためにトレイの中に詰められる。
【0040】
各充填済みキャニスターは有利には使用の前に適当なチャネリング装置の中に組み込まれて、本医薬を患者の肺もしくは鼻腔の中に送入するための計量式吸入器を形成する。適切なチャネリング装置は、例えばバルブアクチュエーターと、(充填済みキャニスターから計量バルブを通って患者の鼻もしくは口に医薬が送入されるときに医薬が通過する)円筒状または円錐状の通路(例:マウスピース)を有してなる。計量式吸入器は、キャニスターから送出されたもしくはキャニスター中に残っている投与の回数を表示するための投与カウンターを有していてもよい。計量式吸入器は、1回の起動もしくは「パフ」当りある一定の単位用量の医薬、例えば1回のパフ当り10〜5000μgの範囲内の医薬を送出するように設計する。
【0041】
本明細書中に記載した充填済みキャニスターと計量式吸入器は本発明のさらなる態様をなす。
【実施例】
【0042】
本発明を以下の非限定的実施例により説明する。
【0043】
A:計量式吸入器
実施例1
キシナホ酸R-サルメテロール(5.8mg)とプロピオン酸フルチカゾン(8.000mg)を、WO96/32150に記載のPTFE/PESポリマーブレンドで内部コートされた8mL 0.6mm壁厚のアルミニウム製キャニスター中に直接秤量した。Valois DF60計量バルブをクリンプ嵌合し、そのあと1,1,1,2-テトラフルオロエタンを(6.000gまで)加え、次にこの充填されたキャニスターを5分間超音波処理した。得られたエアロゾルは、1回の起動で36.25μgのキシナホ酸R-サルメテロールと50.0μgのプロピオン酸フルチカゾンを送出する。
【0044】
実施例1に記載の本製剤の製造方法とは別の方法では、圧力容器中で本医薬と推進剤が混合される。得られる懸濁液のアリコートは、計量バルブを通って密閉キャニスター中に充填され、このあと推進剤のアリコートが充填される。
【0045】
同じような方法を以下の実施例2および3の製剤製造に用いることができる。
【0046】
実施例2
【0047】
実施例3
【0048】
B:乾燥粉末吸入器
実施例4
本医薬を微紛化し、そして上記の割合でラクトースとバルクブレンドした。このブレンドを、Diskhaler(Glaxo Group Limitedの商標)により投与されることになっている、特別に作製された二枚箔ブリスターパック中に充填する。
【0049】
同じような方法を実施例5〜7の製剤に対して用いることができる。
【0050】
実施例5
【0051】
実施例6
【0052】
実施例7
【0053】
本明細書および特許請求の範囲がその一部となっている本出願は、後続の出願に関する優先権主張の基礎として用い得る。そのような後続の出願の特許請求の範囲は、本明細書中に記載されている特徴もしくは特徴の組合せを含み得る。それらは、物クレーム、組成物クレーム、方法クレーム、あるいは使用クレームの形を取り得、そして、例えばまたこれに限定するものではないが、本特許請求の範囲にあるクレームを含み得る。
【0001】
本発明は、R-サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せ、R-サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せを含有している医薬製剤、ならびに医療、特に呼吸器疾患の予防および治療におけるそのような製剤の使用、に関する。
【背景技術】
【0002】
サルメテロールは、効力があり、長期間持続するβ2アドレナリン受容体アゴニストであり、喘息などの閉塞性気道疾患を持つ患者の治療に広く処方されている。サルメテロールはそのラセミ体として、商品名SEREVENT(商標)で市販されている。
【0003】
サルメテロールのRおよびS異性体は公知である。欧州特許出願番号EP0422889およびUS5919827はサルメテロールのR-異性体に関するもので、そのR-異性体が特に有利な作用プロファイルを有していると記載している。さらにUS5919827は、特に喘息の治療にR-異性体を用いると、β-アドレナリン作用性薬物により通常は生じる望ましくない副作用を抑えながら、安全で効果的な治療が提供されると記載している。しかしながら、国際特許出願番号WO99/13867はその反対を記載している、すなわち、望ましくない副作用を抑えているのはサルメテロールのS-異性体の投与であると示唆している。
【0004】
プロピオン酸フルチカゾンは抗炎症性コルチコステロイドであり、GB 2088877に記載されており、系統的にはS-フルオロメチル-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-プロピオニルオキシ-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオエートと呼ばれる。プロピオン酸フルチカゾンは現在気管支喘息および関連疾患の治療に臨床的に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンは有効な治療薬であるが、有効且つ選択的な作用がありまた有利な作用プロファイルをもつ喘息治療薬に対する臨床的なニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物との組合せを提供する。
【0007】
本発明は、本明細書に記載される本発明の特定の態様ならびに好ましい態様の全ての組合せを包含することを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の製剤は、実質的にS-異性体を含まないR-異性体を用いるもので、この場合これは、R-異性体に対してS-異性体が10重量%未満、好ましくは1重量%未満、そして特には0.1重量%未満であることを意味する。
【0009】
本発明の適切な塩としては、有機酸または無機酸により生成されるものが挙げられる。生理学的に許容される酸付加塩としては、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、シュウ酸、フマール酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、ならびに1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のようなナフタレンカルボン酸が挙げられる。R-サルメテロールは、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(キシナホ酸)塩であるのが好ましい。
【0010】
本組合せの医薬を、同一の医薬製剤もしくは異なる医薬製剤で同時にもしくは順次に投与できることは理解されよう。順次的な投与の場合は、2番目の医薬を投与するときの遅れは、本組合せの有用な治療的効果を失うようなものであってはならない。
【0011】
本組合せの医薬を生の化学物質として投与することも可能であるが、それらを医薬製剤として提供するのが好ましい。本組合せの個々の医薬が別々に投与される場合は、これらは一般に、当技術分野においてこれまでに記載されているように、その1つ1つが医薬製剤として提供される。
【0012】
医薬製剤は、単一のパッケージに全治療コースが入っている「患者パック」の形で患者に処方されることが多い。患者パックは、薬剤師が大量サプライ品の中から患者の医薬サプライ分を分け取る伝統的な処方箋による方法に比較して、患者が、伝統的な処方箋では普通見られない、患者パックに入っているパッケージ添付文書を常時利用可能であるという点において有利である。パッケージ添付文書を入れることにより、医師の指示に対する患者の服薬遵守が改善されること、そしてそれゆえに大概さらによい治療に結びつくことが明らかとなっている。患者に本発明の正しい使用を指示するパッケージ添付文書が入っている単一患者パック、または各成分医薬の患者パックを用いて本発明の組合せを投与するのが、本発明のさらなる望ましい特徴であることは理解されよう。
【0013】
本発明のさらなる態様では、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤が提供される。本発明の好ましい態様では、キシナホ酸R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤が提供される。最も好ましい態様では、本医薬製剤は吸入による投与に適切である。
【0014】
上述したように、R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンならびにそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、呼吸器疾患の治療に使用されると記載されている。従って、R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンならびにそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、選択的β2-アドレナレン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防および治療に使用できる。そのような症状としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例:慢性で、ゼーゼーいう気管支炎、肺気腫)、気道感染症、および上気道疾患(例:アレルギー性鼻炎および季節性鼻炎などの鼻炎)などの、可逆性気道閉塞に関連する疾患が挙げられる。
【0015】
従って、本発明は、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療方法を提供し、その方法は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物との組合せの治療的に有効な量を投与することを含んでなる。本発明はさらに、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療方法を提供し、その方法は、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。好ましい態様では、キシナホ酸R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤の治療的に有効な量を投与することを含んでなる方法が提供される。特に本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染症または上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療方法を提供する。
【0016】
別の実施形態では、治療用の、特に選択的β2アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防または治療に使用される、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の組合せが提供される。特に、治療用の、中でも選択的β2アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される臨床症状の予防または治療に使用される、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物(適切にはキシナホ酸R-サルメテロール)、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤が提供される。好ましい態様では、本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染症または上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療に関する。
【0017】
治療効果を得るために必要とされるR-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、またはそれらの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量は、言うまでもなく、その特定の化合物、その投与の経路、治療を受けているその患者、治療を行っているその特定の疾患または疾病によって変わる。単品療法としてUS5919827は、R-サルメテロールを、通常1日当り1回以上、約25μg〜約50μg(マイクログラム)の用量を吸入によりヒトに投与することを教示しており、一方EP0422889は、1日当りの用量0.005mg〜100mgを教示している。単品療法としてプロピオン酸フルチカゾンは、1日2回100μg〜1000μg、好ましくは200μg〜500μgの用量をエアロゾル吸入により成人ヒトに投与する。本組合せの各成分の用量は一般に、単品で用いられる場合に各成分に対して用いられる用量になると考えられるが、本医薬の組合せを用いると、用いる医薬の1つまたは両方の投与量を下げることができる可能性がある。典型的には投与は、1日当り1回以上、例えば1〜8回行い、各回例えば1、2、3、または4パフ[puff]投与する。
【0018】
吸入による適切な1日当りの投与量は、例えばR-サルメテロール15μg〜10mg、好ましくは15〜200μgであり、従って、例えば1回のバルブの起動により10〜500μg、好ましくは25〜200μgが投与されることになり(且つこの用量は1回もしくは2回の起動で投与することができる)、そしてプロピオン酸フルチカゾンの投与量は50μg〜1.0mg、好ましくは100μg〜500μgである。典型的には計量式吸入器に使用される各充填されたキャニスターは、30、60、120、または200回分の計量用量またはパフの医薬を投与するのに十分な懸濁液が入っている。予定されたパフ回数分が投与されることを確実なものにするため、キャニスターに最大40パフ分に相当する懸濁液を過充填することは当業者には周知のことである。
【0019】
好ましい単位用量製剤は、本明細書中でこれまでに記載された、本医薬の医薬的に有効な用量、またはそれの適当な部分が入っているものである。計量式加圧エアロゾルでの投与用に設計されている製剤の場合は、治療的に有効な用量を投与するのに2回の起動が必要となるように、エアロゾルの1回の起動により治療的に有効な量の半分が投与されてもよい。
【0020】
本発明の医薬製剤は、さらなる治療用成分、特に吸入療法に有用なものをさらに含有していてもよい。従って、1つ以上のさらなる治療用成分が例えば次のようなものから適宜選択される:コデイン、ジヒドロモルフィン、エルゴタミン、フェンタニルあるいはモルフィンなどの鎮痛薬;ジルチアゼムなどの狭心症薬;クロモグリク酸塩(例えばナトリウム塩として)、ケトチフェンあるいはネドクロミル(例えばナトリウム塩として)などの抗アレルギー症薬;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類、ペンタミジンなどの抗感染症薬;メタピリレンなどの抗ヒスタミン薬;フルニソリド、ベクロメタゾン(好ましくはジプロピオン酸エステルとして)、ブデソニド、シクレソニド、ロフレポニド、チプレダン、トリアムシノロン(例えばアセトニドとして)、あるいはモメタソン(好ましくはフロン酸エステルとして)もしくは6α, 9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル) エステルなどの抗炎症薬;ノスカピンなどの鎮咳薬;アルブテロール(例えば遊離塩基または硫酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例えば臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例えばフマール酸塩として)、テルブタリン(例えば硫酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例えば酢酸塩として)、レプロテロール(例えば塩酸塩として)、レイミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、あるいは4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]-アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロンもしくは(-)-4-アミノ-3,5-ジクロロ-[[[6-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]-アミノ]メチル]ベンゼンメタノールなどの気管支拡張薬;アミロリドなどの利尿薬;イプラトロピウム(例えば臭化物として)、アトロピン、オキシトロピウムあるいはチオトロピウムなどの抗コリン作用薬;コルチゾン、ヒドロコルチゾンあるいはプレドニゾロンなどのホルモン;アミノフィリン、テオフィリン酸コリン、テオフィリン酸リシンあるいはテオフィリンなどのキサンチン類;ならびにインスリンあるいはグルカゴンなどの治療用タンパク質またはペプチド類。適切ならば、上記治療用成分は、塩の形態で(例えばアルカリ金属塩またはアミン塩としてあるいは酸付加塩として)またはエステルとして(例えば低級アルキルエステル)あるいは溶媒和物として(例えば水和物)用いて該治療用成分の活性および/または安定性を至適化するならびに/あるいはその推進剤中におけるその治療用成分の溶解度を最小にすることは当業者には明らかなことであると考えられる。また適切ならば、本治療用成分を光学的に純粋な形態で用い得ることは明らかなことであると考えられる。
【0021】
本発明の剤形としては、経口投与、非経口投与(皮下、皮内、筋内、静脈内、動脈内など)、吸入投与(各種の計量式加圧エアロゾル器、噴霧器または吹き入れ器により発生される微粒子粉末またはミスト)、直腸投与、および局所投与(皮膚、口腔、舌下、眼内など)に好適なものが挙げられるが、最も好適な経路は例えば被投与者の病状および疾患によって決まるものである。本製剤は都合よくは単位用量の形態で提供され得、製薬の分野で周知の方法によって製造され得る。全ての方法には、本活性成分医薬を、1つ以上の補助的成分から構成される担体と組み合せる段階が含まれる。通常製剤は、本医薬と、液体担体もしくは細かく粉砕された固体担体またはその両者を、均一で且つよく混じった集合状態にし、そしてそのあと必要な場合はその生成物を所望の剤形に成形することにより製造される。
【0022】
吸入用製剤としては、(ラクトースが入っているのが好ましい)粉末組成物と、(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適当なガスなどの適切な推進剤を用いて加圧パックから噴射される、例えば水溶液もしくは水性懸濁液としてまたはエアロゾルとして製剤化されている)スプレー用組成物が挙げられる。好適なエアロゾル製剤としては、EP 0372777およびWO93/11743に記載されているものが挙げられる。鼻腔内スプレーは、増粘剤、pHを調整するための緩衝用の塩または酸もしくはアルカリ、等張性調整剤あるいは酸化防止剤などの薬剤を加えて水性ビヒクルもしくは非水性ビヒクルと共に製剤化される。
【0023】
吸入器または吹き入れ器に使用される例えばゼラチンのカプセルとカートリッジ、または例えば貼り合わせアルミニウム箔のブリスターは、本医薬の粉末混合物および、ラクトースまたはデンプンのような適当な粉末基剤を入れて剤形化する。この点において、本乾燥粉末製剤を投与した場合、肺の中に実質的に全ての医薬が吸入されるように、本医薬を適切に微粉化する、つまり本医薬を100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、そして好ましくは1〜10ミクロンの粒径となるようにする。そのような本医薬の粒子は別の方法として、エアージェットミル、ボールミルまたはバイブレーターミル中での細砕、精密沈降[microprecipitation]、スプレー乾燥、凍結乾燥、あるいは超臨界媒体からの再結晶により適宜製造される。
【0024】
噴霧による吸入用溶液は、酸もしくはアルカリ、緩衝用塩、等張性調整剤あるいは抗菌剤などの薬剤を加えて、水性および/または有機ビヒクルと共に製剤化される。これらは濾過またはオートクレーブ中での加熱により滅菌されるか、あるいは非滅菌製品として提供される。このような製剤の投与に好適な噴霧器装置としては、空気圧式噴霧器および超音波式噴霧器ならびに携帯型噴霧器(例えばRESPIMAT(商標)という装置)が挙げられる。
【0025】
末梢エアロゾル経路による医薬の投与にエアロゾルを使用することは数十年前から知られている。そのようなエアロゾルは一般に、医薬、溶媒または界面活性剤などの1つ以上の賦形剤、および1つ以上の推進剤が入っている。
【0026】
過去に最も広く用いられた推進剤は、CCl3F(Freon(登録商標)11)、CCl2F2(Freon(登録商標)12)、またはCF2ClCF2Cl(Freon(登録商標)114)である。しかしながら、オゾン層に対するこれら推進剤ガスの有害な影響に基づくこれらのガスの段階的廃止により、エアロゾルスプレーの製造業者は成層圏オゾンを破壊しない新しい推進剤を使用することとなった。そのような「オゾンに優しい」ガスとしては、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)および1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)などの水素原子含有フルオロカーボンが挙げられる。
【0027】
従来のクロロフルオロカーボン推進剤を「オゾンに優しい」推進剤で置き換えると、得られる製品のライフ中に懸濁液安定性と医薬品性能に問題が生じ得る。このような問題に対して様々な解決策が記載されている。例えば欧州特許出願番号EP0372777は、薬剤および推進剤に加えて、医薬的使用に好適なエアロゾル製剤の必須成分として溶媒および界面活性剤を含んでなる懸濁液製剤および溶液製剤を開示している。国際特許出願番号WO92/08446およびWO92/08447は、医薬が界面活性剤でコートされている、サルメテロールなどの医薬製剤を開示している。WO93/11743、WO93/11744およびWO93/11745は、特に界面活性剤の存在を除外する、サルメテロールなどの医薬の懸濁液製剤を開示している。
【0028】
本発明の1つの好ましい態様では、(基本的に)、R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、場合によっては1つ以上の他の治療用成分、ならびに推進剤としての1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはこれらの混合物から構成される医薬エアロゾル製剤が提供される。
【0029】
本発明の好ましいエアロゾル製剤は、基本的には医薬と推進剤の二成分系混合物であり、従って界面活性剤および溶媒などの通常エアロゾル製剤に使用される製剤用賦形剤を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、賦形剤の有意な量を含んでいない、すなわち製剤の特性に影響を与えるのに必要とされるであろう賦形剤の濃度よりも低い濃度で、例えば医薬の重量を基準にして0.0001% w/w未満の賦形剤が入っている製剤を意味する。
【0030】
本発明の吸入用製剤に用いるべき医薬は微粒子の形態(例えば微粉化された)にあり、そして典型的には、本エアロゾル製剤を投与した時に実質的に全ての医薬が肺の中に吸入されることを可能とするような粒子径を有しており、従って100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、そして好ましくは1〜10ミクロンの範囲、例えば1〜5ミクロンのものとする。
【0031】
最終製品としてのエアロゾル製剤は、製剤の全重量に対して望ましくは0.005〜10% w/w、好ましくは0.005〜5% w/w、特には0.01〜1.0% w/wの医薬を含有する。本発明の1つの好ましい態様では、そのエアロゾル製剤は、製剤の全重量に対して0.1〜10% w/wの医薬が入っている。
【0032】
本発明の好適なエアロゾル製剤に使用される推進剤は1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)、またはこれらの混合物である。好ましい推進剤は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンである。
【0033】
本発明の好適なエアロゾル製剤は、例えば超音波処理またはハイシェアミキサーを使って、適当な容器中で選択した推進剤中に本医薬を分散することで製造される。この工程は、懸濁液の安定性に対する水分の悪影響を避けるために、望ましくは無水の条件下で行う。
【0034】
本発明の好適なエアロゾル製剤は、長期に保存されたあとでも静置すると弱く凝集した懸濁液を形成するが、これは緩く撹拌することで容易に再分散されて、加圧吸入器で使用するのに好適な改善された噴射特性を持つ懸濁液を与える。本発明のエアロゾル製剤中での、界面活性剤、溶媒などの製剤賦形剤の使用の回避は、本製剤が従来の製剤に比べて実質的に味および匂いがしないこと、刺激がより少ないこと、毒性がより少ないことからこれもまた有利なことである。
【0035】
本発明のエアロゾル製剤の化学的および物理的安定性ならびに医薬品容認可能性は当業者に周知の方法により測定することができる。例えば、本成分の化学的安定性は、例えば本製剤を長期に保存したあとのHPLCアッセイにより測定することができる。物理的安定性データは、例えば、リークテスト法、バルブ噴射アッセイ(1回の起動当りの平均ショット重量)、用量再現性アッセイ(1回の起動当りの医薬)、スプレー分布分析、および集束ビーム反射率測定法などの他の通常の分析手法により得ることができる。
【0036】
本発明のエアロゾル製剤の粒子径分布は通常の方法、例えばカスケードインパクター法(例えばUS Pharmacopoeia, 23/NF18 General Test <601>, pages 1762 - 1765 に規定のもの)により、あるいはBritish Pharmacopaeia 1988, pages A204-207, Appendix XVII Cに規定されている「ツイン・インプリンジャー[Twin Impinger]」分析法により測定することができる。そのような方法により、エアロゾル製剤の「吸入可能な割合」を計算することができる。本明細書中で用いる場合「吸入可能な割合」という表現は、上記したツイン・インピンジャー法を用いて、1回の起動で噴射される医薬の総量に対するパーセントとして表わされる、1回の起動で下部インピンジャーチャンバーに回収される医薬の量を意味する。本発明の製剤は、医薬の20重量%以上、好ましいことには25〜70重量%、例えば30〜60重量%の吸入可能な割合を有していることが判明した。
【0037】
本発明のエアロゾル製剤は、医薬エアロゾル製剤を噴射するのに適切なキャニスター中に充填される。キャニスターは一般には、用いる推進剤の蒸気圧に耐えることができる容器を有しており、例えばプラスチック製ボトルまたはプラスチックコートされたガラス製ボトルあるいは好ましくは金属製の缶、例えば陽極酸化されていてもよい、ラッカーコートされていてもよい、および/またはプラスチックコートされていてもよいアルミニウム製缶などであり、そしてこの容器は計量バルブで閉栓されている。本発明の製剤に用いるのに好適な金属製キャニスター(例えばアルミニウム製のもの)は欧州特許出願番号EP0642992および国際特許出願番号WO96/32150に記載されている(参照により本明細書中に組み入れることとする)。上記明細書中に記載されている容器は、PTFEのような純フルオロカーボンポリマー、あるいは、PTFE/PESポリマーブレンドのようなフルオロカーボンポリマーと非フルオロカーボンポリマーのブレンドが内部コートがしてあり、キャニスター壁への薬剤の付着を最小限にしている。
【0038】
計量バルブは、1回の起動で製剤の計量された量を送出するよう設計されており、そのバルブからの推進剤の漏れを防止するためにガスケットが組み込まれている。このガスケットは、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチルゴム、黒色および白色ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、およびネオプレンなどの適当なエラストマー材料からつくられたものであってよい。適切なバルブは、エアロゾル産業界では周知の製造メーカーから市販されていて入手可能であり、例えばValois, France(例:DF10、DF30、DF60)、Bespak plc, UK(例:BK300、BK356)および3M-Neotechnic Ltd, UK(例:Spraymiser(商標))から市販されている。
【0039】
推進剤入りキャニスターの商業生産のための大規模バッチの製造には、医薬エアロゾル製造の当業者には周知である通常のバルク製造方法および装置を用いる。例を示すと、キャニスターに先ず粉末を充填し、そしてそのあと推進剤を充填するか、あるいは代わりの方法として、推進剤中に調製されている粉末の懸濁液を単一アリコート(小分け量)として充填するか、もしくは濃縮懸濁液のアリコートとして充填してそのあとストレートの推進剤で全薬剤をキャニスター中にフラッシングする。特に好ましい方法がEP491261に記載されているとともに特許請求(これの請求項1を参照されたい)されている(参照により本明細書中に組み入れることとする)。充填工程は、充填工程における薬剤粒子への水分の影響を制限するために、相対湿度が低く保たれた制御された雰囲気中で行うのが好ましい。医薬用途に製造されるバッチにおいては、通常、出荷検査の前に、充填されたキャニスターの1個1個が重量チェックされ、バッチ番号が付番され、保管のためにトレイの中に詰められる。
【0040】
各充填済みキャニスターは有利には使用の前に適当なチャネリング装置の中に組み込まれて、本医薬を患者の肺もしくは鼻腔の中に送入するための計量式吸入器を形成する。適切なチャネリング装置は、例えばバルブアクチュエーターと、(充填済みキャニスターから計量バルブを通って患者の鼻もしくは口に医薬が送入されるときに医薬が通過する)円筒状または円錐状の通路(例:マウスピース)を有してなる。計量式吸入器は、キャニスターから送出されたもしくはキャニスター中に残っている投与の回数を表示するための投与カウンターを有していてもよい。計量式吸入器は、1回の起動もしくは「パフ」当りある一定の単位用量の医薬、例えば1回のパフ当り10〜5000μgの範囲内の医薬を送出するように設計する。
【0041】
本明細書中に記載した充填済みキャニスターと計量式吸入器は本発明のさらなる態様をなす。
【実施例】
【0042】
本発明を以下の非限定的実施例により説明する。
【0043】
A:計量式吸入器
実施例1
キシナホ酸R-サルメテロール(5.8mg)とプロピオン酸フルチカゾン(8.000mg)を、WO96/32150に記載のPTFE/PESポリマーブレンドで内部コートされた8mL 0.6mm壁厚のアルミニウム製キャニスター中に直接秤量した。Valois DF60計量バルブをクリンプ嵌合し、そのあと1,1,1,2-テトラフルオロエタンを(6.000gまで)加え、次にこの充填されたキャニスターを5分間超音波処理した。得られたエアロゾルは、1回の起動で36.25μgのキシナホ酸R-サルメテロールと50.0μgのプロピオン酸フルチカゾンを送出する。
【0044】
実施例1に記載の本製剤の製造方法とは別の方法では、圧力容器中で本医薬と推進剤が混合される。得られる懸濁液のアリコートは、計量バルブを通って密閉キャニスター中に充填され、このあと推進剤のアリコートが充填される。
【0045】
同じような方法を以下の実施例2および3の製剤製造に用いることができる。
【0046】
実施例2
【0047】
実施例3
【0048】
B:乾燥粉末吸入器
実施例4
本医薬を微紛化し、そして上記の割合でラクトースとバルクブレンドした。このブレンドを、Diskhaler(Glaxo Group Limitedの商標)により投与されることになっている、特別に作製された二枚箔ブリスターパック中に充填する。
【0049】
同じような方法を実施例5〜7の製剤に対して用いることができる。
【0050】
実施例5
【0051】
実施例6
【0052】
実施例7
【0053】
本明細書および特許請求の範囲がその一部となっている本出願は、後続の出願に関する優先権主張の基礎として用い得る。そのような後続の出願の特許請求の範囲は、本明細書中に記載されている特徴もしくは特徴の組合せを含み得る。それらは、物クレーム、組成物クレーム、方法クレーム、あるいは使用クレームの形を取り得、そして、例えばまたこれに限定するものではないが、本特許請求の範囲にあるクレームを含み得る。
Claims (10)
- R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物との組合せ。
- R-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、およびプロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤。
- キシナホ酸R-サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤、および場合によっては1つ以上の他の治療用成分を含んでなる医薬製剤。
- 吸入による投与に適切である、請求項2または3に記載の医薬製剤。
- 基本的にR-サルメテロールまたはそれの生理学的に許容される塩、プロピオン酸フルチカゾンまたはそれの生理学的に許容される塩、場合によっては1つ以上の他の治療用成分またはそれの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および推進剤としての1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはそれらの混合物から構成される医薬エアロゾル製剤。
- 前記R-サルメテロールがそのキシナホ酸塩の形態にある、請求項5に記載の医薬エアロゾル製剤。
- 医薬エアロゾル製剤を送出するのに適切であって且つ使用される推進剤の蒸気圧に耐えることができるキャニスターであって、計量バルブで閉じられており且つ請求項2〜6のいずれか1項に記載の医薬製剤が入っている上記キャニスター。
- 適当なチャネリング装置の中に組み込まれている請求項7に記載のキャニスターを有している計量式吸入器。
- 選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドが指示される、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防もしくは治療方法であって、請求項2〜6のいずれか1項に記載の医薬製剤の治療的に有効な量を投与することを含んでなる上記方法。
- 前記臨床症状が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染症または上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連している疾患である、請求項9に記載の方法。
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