JP2004528104A - 体腔内の圧力監視のための装置と方法とシステム - Google Patents

体腔内の圧力監視のための装置と方法とシステム Download PDF

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Abstract

本発明は体腔内の圧力のディジタル・サンプリングと定量的な分析と表示のためのシステムと方法に関するものである。また本発明は、圧力を監視し、サンプリングし、記憶するための携帯用装置と、圧力を分析するためのソフトウエアとに関するものである。本発明は圧力を分析し表示するためのアルゴリズムと、分析を行うためのソフトウエアとを含む。コンピュータ・ソフトウエアは携帯用装置や種々のシステムの中に一体化してよい。ソフトウエアは、種々のレベルと継続時間の頭蓋内圧の高さの数のマトリクスとして、また所定の特性を持つ単一脈圧波の数のマトリクスとして、圧力曲線の種々の定量的な表示を提供する。パラメータは記録時間と心拍数との変動に応じて標準化してよい。データは種々の方法でオンラインで、または圧力監視後にオフラインで表示してよい。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の腔内の圧力を監視して分析するための装置とシステムとコンピュータ・プログラム製品に関するものであって、より詳しくは、頭蓋内圧や血圧やその他の体腔(例えば、脳脊髄液空間)内の圧力を監視して分析するための装置と方法とシステムに関するものであるが、これに制限されるものではない。本発明は、圧力測定値をサンプリングし、記録し、記憶し、処理するための装置と、圧力を定量的に分析するための方法とシステムとコンピュータ・ソフトウエアとを含む。本発明は、自由に動ける患者のディジタル圧力監視を行う技術的方法だけでなく、患者間および患者内で連続記録された圧力を比較する技術的方法を提供することを目的とする。コンピュータ・ソフトウエアはここに説明する携帯用装置内で用いてよく、または種々のコンピュータ・システムまたは生命徴候モニタ内に一体化してよい。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
頭蓋内圧監視の臨床的使用は1950年にJannyが、また1960年に Lundbergが初めて説明した。1980年代に新しい頭蓋内圧マイクロ変換器が導入されて以後、過去20年間に連続頭蓋内圧監視の臨床的応用は飛躍的に進んだ。いわゆる注入テストが1970年に Katzman と Hussey により導入された。注入テストは種々の方法で行われるが、基本的には脳脊髄液を脳脊髄液腔内に導入しながら髄液内の圧力を測定することにより行う。頭蓋内圧監視は、脳に損傷のある(例えば、頭部損傷や頭蓋内出血に起因する)重症患者を監視するのに最も広く用いられている。頭蓋内圧の異常亢進は脳を損傷し、場合によっては死に至ることが広く認められている。かかる場合には、患者の頭蓋骨内に圧力センサを埋め込み、患者の監視システムに接続する圧力変換器にこのセンサを接続する。
【0003】
頭蓋内圧は別の方法で測定してよい。固体または光ファイバ変換器を硬膜外または硬膜下の空間内に導入し、または脳の実質組織内に導入してよい。また頭蓋内圧は脳脊髄液内の圧力を測定することにより直接記録してよいが、これにはカテーテルを脳脊髄液空間内(一般には脳室内または腰椎腔内)に挿入する必要がある。注入テスト中は脳脊髄液内の圧力を記録する。
【0004】
多数の頭蓋内圧センサおよびマイクロ変換器(固体および光ファイバ変換器)が市販されている。最もよく使われている侵襲的な変換器としては、Codman(R)マイクロセンサICP変換器(Codman & Shurtlef Inc., Randolph, MA)、Camino(R)−110−4B(Camino Laboratories, San Diego, CA)がある。その他に、ICP監視カテーテル・キットOPX−SD(InnerSpace Medical, Irvine)、Epidyn(R)(Braun Melsungen, Berlin)、Gaeltec(R)ICT/B(Novotronic GmbH, Bonn)、HanniSet(R)(pvb medizintechnik gmbh, Kirchseeon)、Medex(R)(Medex medical GmbH, Ratingen)、Spiegelberg(R)(Spiegelberg KG, Hamburg)などがある。マイクロ変換器はアナログ信号を生成して装置に送る。頭蓋内圧監視によく用いられている装置としては、Codman ICPエキスプレス(Codman & Shurtlef Inc., Randolph, MA)、Camino OLM110−4B(Camino Laboratories, San Diego, CA)がある。これらの設備は他の監視システムに接続してよい。現在利用可能な設備は集中治療室内の重症患者(すなわち、頭部損傷または頭蓋内出血の患者)をオンラインで頭蓋内監視を行うために開発されたものである。頭蓋内圧はオンラインで記録され、緊急処置により頭蓋内圧の異常な上昇を防ぐのに用いられている。個人の場合には、後で分析するために圧力値を記憶しても臨床的価値は限定的である。
【0005】
集中治療室外の重症でない患者には、連続頭蓋内圧監視はあまり広く用いられていない。かかる患者グループは、水頭症や頭蓋骨癒合や短絡機能不全やその他の問題に起因する潜在的な頭蓋内高血圧症を持つ子供を含む。大人では、正常圧水頭症などの臨床的実体を含む。かかる患者の場合は、頭蓋内圧監視は患者がベッドの上に座るかまたは横になって目覚めている状態で行い、頭蓋内圧曲線の分析は頭蓋内圧監視が終わった後にオフラインで行う。かかる場合、頭蓋内圧監視の主な目的は異常に高い頭蓋内圧や頭蓋内圧の異常な上昇を検出することである。分析の結果は患者の手術(例えば、頭蓋外短絡治療や、短絡修正や、頭蓋拡張手術)を行うかどうかの手術前評価に用いてよい。この種の頭蓋内圧監視を行っている神経外科部門は少なく、一般に日常の臨床活動のためではなく研究のためである。これにはいくつかの理由がある。すなわち、侵襲的な頭蓋内圧監視は小さいが決定的な合併症の危険を伴う。頭蓋内圧曲線を高い信頼度で正確に分析するのは非常に困難であった。したがって、処置の結果が不確かであるのに合併症の危険を伴う処置を正当化することは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
集中治療室内の患者に用いるよう設計された頭蓋内圧監視用の現在利用可能な設備は、寝ていない患者を監視するためのニーズを満たしていない。利用可能な装置を用いるとき患者は寝ていなければならないので、頭蓋内圧の監視は生理的に十分でない。現在この種の監視に利用可能な設備は患者が携行できるような携帯用装置ではない。詳しく述べると、かかる場合には一般に過剰排液が問題なので、短絡機能不全の患者の評価は自由に動ける患者で行わなければならない。非侵襲的な圧力変換器の開発だけでなく、人体腔内に埋め込むことのできる圧力変換器の開発には、圧力のサンプリングと監視のための携帯用装置が必要である。
【0007】
臨床の場では、問題は数時間の連続圧力記録が正常か、境界線か、異常かである。通常、連続頭蓋内圧曲線は、平均頭蓋内圧を計算することにより評価する。圧力の上昇に関して、多くの著者はいわゆる圧力波を識別する。圧力波とは、LundbergのA波(50−10mmHgが5-20分継続する)と、B波(周波数0.5−2/分で最大50mmHg)と、C波(周波数4−8/分で最大20mmHg)である。しかしかかる波の記述は極めて主観的であって、波の形態の記述に基づいている。実際のところ、かかる波の記述は著者によって異なる。
【0008】
本発明は、単一脈圧波を分析し、かかる波の分析を日常の臨床業務に利用可能にする方法を扱う。頭蓋内圧の変動は心効果と呼吸効果から起こる。頭蓋内圧心波または脳脊髄液脈波は左心室の収縮の結果である。頭蓋内圧波または脳脊髄液脈波は動脈血圧波に似ている。すなわち、収縮上昇に続く拡張下降と重拍切痕が特徴である。また、呼吸サイクルに関連する圧力の変化は頭蓋内圧波に影響を与える。頭蓋内脈圧波の形態は動脈流入と静脈流出だけでなく、頭蓋内容の状態に依存する。頭蓋内圧の単一脈圧波は、一貫して存在して動脈波に対応する3つの山を含む。単一脈圧波では、最大の山をP1、すなわち衝撃波の頂上と呼ぶ。波の下降段階中に2つの山がある。すなわち、第2の山(P2)(第2峰と呼ぶことが多い)と、第3の山(P3)(重拍波と呼ぶことが多い)である。第2峰と重拍波との間に、動脈重拍切痕に対応する重拍切痕がある。ここでは、第1の山の振幅(ΔP1)を拡張最小圧力と収縮最大圧力との圧力差と定義し、第1の山の潜伏時間(ΔT1)を圧力が拡張最小から収縮最大まで増加するまでの時間間隔と定義する。立上がり時間(ΔP1/ΔT1)は、振幅を潜伏時間で割って得られる係数と定義する。
【0009】
単一脈圧波の形態はエラスタンスとコンプライアンスとに密接に関係する。エラスタンスは容積の変化の関数としての圧力の変化であって、容積の変化の頭蓋内圧への影響を記述する。コンプライアンスはエラスタンスの逆数であって、圧力の変化の関数としての容積の変化を表す。したがって、コンプライアンスは圧力の変化の頭蓋骨容積への影響を記述する。エラスタンスは臨床的に最も有用である。なぜなら、エラスタンスは頭蓋内容積の変化の頭蓋内圧への影響を記述するからである。頭蓋内圧と容積との関係は1966年にLangfittが記述して指数曲線を示した。曲線の任意の部分の傾斜は単一波の立上がり時間(ΔP/ΔT、すなわち、圧力の変化/容積の変化)に似ている。この曲線を圧力・容積曲線、またはエラスタンス曲線と呼ぶ。曲線の水平部分は空間補償の期間であり、垂直部分は空間代償不全の期間である。エラスタンスが増加すると心臓からの血塊に対する圧力応答が増加するので、単一脈圧波の振幅も増加する。しかし、単一波のパラメータの知識を日常の臨床業務に用いることはできなかった。
【0010】
重症でない患者に連続頭蓋内圧監視が広く用いられていない別の理由は、頭蓋内圧を分析するための一般的に認められた方法がまだないからである。単一脈圧波と圧力・容積曲線との関係に関しては大量の実験データが存在するが、この知識を臨床に応用するのは簡単ではなかった。臨床業務で頭蓋内圧を連続監視している間は、単一脈圧波は意思決定のために評価されていないし、用いられてもいない。種々の波の周波数分布を評価するための間接的方法は高速フーリエ変換、すなわちスペクトル分析であった。一人の患者の圧力と容積との関係を調べるには、脳脊髄液空間に液を注入するかまたはバルーンをふくらます。しかしかかる方法は侵襲的であり、また単一脈圧波の評価も行わない。臨床において、圧力曲線を分析することにより圧力と容積との関係、すなわちエラスタンスを探索する方法がない。一人の患者がエラスタンス曲線上に乗っていると正確に決定することのできる方法はない。
【0011】
通常、集中治療室での連続頭蓋圧力監視は、数値の平均圧力としてまたは視覚的に分析すべき曲線として圧力を表示する。単一波はモニタ上に表示されるが、単一波の特性の変化の傾向を調べる方法がない。また、圧力曲線だけに基づいてコンプライアンスを連続的に調べる方法は確立されていない。
【0012】
正常な平均頭蓋内圧はまだ定義されておらず、年齢に依存する。子供の場合、多くの著者は平均頭蓋内圧が10mmHg以下の場合を正常、平均頭蓋内圧が10−15mmHgの場合を境界線、平均頭蓋内圧が15mmHgを超える場合を異常と考えている。成人では、平均頭蓋内圧が12-15mmHg以下の場合が一般に正常と考えられている。しかし平均頭蓋内圧は、種々の継続時間の頭蓋内圧の高さを含む頭蓋内圧曲線の一面を示すだけである。別の頭蓋内圧曲線では、平均頭蓋内圧が同じでも高い圧力と低い圧力との比率が異なることは明らかである。また平坦波の記述は不正確なことがある。なぜなら、異なる波は一般に頭蓋内圧曲線の形態に基づいて識別されるが、A波とB波とC波の定義が医者によって異なるからである。これは、正常と見なされるB波の周波数が著者によって大幅に異なることから分かる。波の形態に基づいてB波を異なる種類に区別するという試みも行われている。このように、頭蓋内圧曲線の解釈は極めて観察者に依存する。圧力監視の結果は非常に重要である(手術であってもなくても)ので、頭蓋内圧監視の正確で信頼できる結論を得ることは、この方法が日常の臨床活動で関心を集めるために必要である。同様に、血圧の正常な変動についての正確な評価基準もない。現在の評価基準は幅が広い。
【0013】
圧力記録を(個人内でも個人間でも)正確に比較する方法は乏しい。頭蓋内圧については、平均頭蓋内圧または平坦波(A波またはB波)の分布を比較する。血圧については、収縮圧と拡張圧とを比較する。しかしこれらの方法は主観的であってあまり正確ではない。個人内の圧力を正確に比較することができれば、治療(例えば、血圧の治療)の前と後の圧力を比較するためにも、連続圧力監視を受けている患者の圧力傾向の変化を検出するためにも有用である。個人間の圧力記録を正確に比較することができれば、人体腔内の圧力の規範的な評価基準を確立するのに有用であろう。例えば、現在は個人の圧力を基準曲線と比較することは不可能である。
【0014】
血圧と頭蓋内圧の間には密接な関係がある。なぜなら、頭蓋内圧波は血圧波から作られるからである。例えば、脳潅流圧を計算して(すなわち平均動脈圧から頭蓋内圧を引いて)頭蓋内圧と血圧とを同時に評価することはいくつかの利点を有する。脳潅流圧の評価は重症の患者を監視する際の重要なパラメータである。血圧の監視(拡張圧力と収縮圧力の評価も含む)自体も日常の臨床業務に大きな位置を占める。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような背景から、本出願者は圧力記録の正確なディジタル・サンプリングと分析を行うための自由に動ける患者の圧力を監視する技術的方法と、個人内または個人間の圧力記録を比較する技術的方法とを開発した。
【0016】
圧力変換器とコンピュータ(すなわち、医療装置コンピュータなどのコンピュータの付加装置、生命徴候患者モニタ、圧力記録のサンプリングのための自立システム)の間で直接通信することのできる装置を開発した。また、圧力記録をサンプリングし、分析し、表示するための新しいアルゴリズムを開発してコンピュータ・ソフトウエアに組み込んだ。このコンピュータ・ソフトウエアは圧力記録を記録し、サンプリングし、分析し、種々の出力を与える。この技術的方法は、頭蓋内圧(または脳脊髄液圧)や、血圧や、その他の体腔圧などの種々の圧力に適用することができる。侵襲的または非侵襲的なセンサで圧力を記録してよい。
【0017】
本発明では、頭蓋内圧曲線を種々の方法で定量化する。圧力記録は、種々のレベルの頭蓋内圧の高さ(例えば、20,25,30mmHg)や継続期間(例えば、0.5,1,10,40分)の数のマトリクスとして、または種々のレベルと継続時間の頭蓋内圧変化の数のマトリクスとして与えてよい。また圧力記録はいくつかの特性を持つ単一脈圧波の数のマトリクスとして与えてよい。この文脈では、高さはゼロ・レベル(すなわち、大気圧に対して)を超える圧力の上昇と考える。20mmHgの高さは大気圧に対して20mmHgの圧力を表す。圧力の変化は種々のタイム・スタンプでの圧力の差を表す。5秒間にわたる5mmHgの圧力の変化は5秒の測定期間にわたる5mmHgの圧力の差を表す。因みに、各圧力記録はタイム・スタンプに従って測定する。全ての圧力信号は記録時間に従って測定する。血圧や脳潅流圧についても同じ分析を行うことできる。
【0018】
単一脈圧波のサンプリングと分析と表示については、相対的な圧力差と相対的な時間差を計算する。分析はゼロ・レベルすなわち大気圧に関係ないので、データ分析の結果はゼロ・レベルまたはゼロ・レベルのドリフトに影響されない。
【0019】
上述のように本発明を用いることにより、本出願者は127人の患者を含む研究において、平均頭蓋内圧の計算が頭蓋内圧の測度として不正確であることを示すことができた。平均頭蓋内圧と頭蓋内圧の高さの数との間の相関は弱かった。平均頭蓋内圧が正常であっても異常な頭蓋内圧の高さが大きな比率で存在することがある。頭蓋拡張手術の前と後で連続頭蓋内圧監視を行った16人の患者を含む別の研究において、本出願者は種々のレベルと継続時間の頭蓋内圧の高さの数を感度の高い方法で計算することにより、手術の後で頭蓋内圧が変化を示すことを発見した。手術の前と後の平均内圧を比較してもかかる変化は見られなかった。したがって、頭蓋内圧曲線のこの種の定量的分析は、平均頭蓋内圧を分析してLundbergのA,B,C波を記述する古典的方法に比べて、頭蓋内圧を分析するためのはるかに正確で信頼性できる方法であることが分かる。
【0020】
単一脈圧波について、本発明は次のパラメータの測定と分析を行う。
a) 最小値は単一波の拡張最小圧力または波の谷と定義する。
b) 最大値は単一波の収縮最大圧力または波の山と定義する。
c) 振幅は単一波の一連の増加中の圧力の収縮最大圧力と拡張最小圧力の圧力差と定義する。
d) 潜伏時間は一連の圧力が最小圧力から最大圧力まで増加するときの単一波の時間と定義する。
e) 立上がり時間は振幅を潜伏時間で割った値と定義し、立上がり時間係数と同じ意味である。
f) 波長は圧力が最小から変化して最小に戻るときの単一脈圧波の継続時間と定義し、心拍数を反映する。
【0021】
関連技術のところで述べたように、本発明の振幅と潜伏時間と立上がり時間は第1の山(P1)に関するものである。しかしこれは本発明の範囲を制限するものではない。なぜなら、振幅と潜伏時間と立上がり時間は第2の山(P2)でも第3の山(P3)でも計算するからである。
【0022】
本発明で、本出願者は単一脈圧波の特性の定量的分析により圧力に関する重要な新しい情報が判明したことを示した。これらの後者のパラメータは異常圧力を評価するのに重要である。本出願者は、定量的に分析され表示された単一脈圧波のパラメータがコンプライアンスとエラスタンスに関する情報を与えることを示した(出版していない)。
定量的方法は、血圧、頭蓋内圧(硬膜下、硬膜外、実質組織内、脳脊髄液圧)、脳潅流圧などの種々の圧力用に開発した。
【0023】
また、この定量的方法は種々のデータ表示を提供するために開発した。すなわち、
a) 記録期間中に所定の特性を持つ単一脈圧波の数または百分率のマトリクス表現と、
b) 基準データ(reference material)に対して個人間でまたは同じ個人内の異なる時間間隔で単一波を比較することができる単一脈圧波の図的表現と、
c) データの種々の統計的処理と、
である。
【0024】
本発明は、人体腔内の圧力の記録(侵襲的または非侵襲的)、記録した圧力信号のサンプリングと処理、数学的分析の実行、記録し分析したデータの表示(モニタ、平面スクリーン、コンピュータ・システムへの組込みなどにより)のための方法と、装置と、システムと、コンピュータ・プログラム製品とに関するものである。
本発明の1つの目的は、ベッドに横になっていない、自由に動ける人の頭蓋内圧などの体腔内の圧力を、血圧測定を同時に行いまたは行わずに、連続的にディジタル・サンプリングを行うための技術的方法を提供することである。したがって装置は小型であり、再充電可能な電池で駆動してよい。
【0025】
本発明の別の目的は、多数の頭蓋内圧記録を記録し記憶するための、すなわち少なくとも24−48時間、毎秒少なくとも10回、より好ましくは毎秒100回から少なくとも150回、圧力をサンプリングするための装置を提供することである。好ましくは、圧力をサンプリングする周波数は約10Hzから少なくとも150Hzまでの範囲で医者が選択することができる。更に分析するために、データはシリアル・ポートを介してパーソナル・コンピュータに、またはネットワーク接続で、転送してよい。単一脈圧波の監視中は、第1の山(P1)に関するパラメータを持つ単一波を監視するには100Hzの周波数がよい。
【0026】
本発明の別の目的は、種々の信号源(侵襲的な組み込まれたマイクロ変換器や、音または超音波信号を用いる非侵襲的な装置や、非侵襲的な装置で記録したその他の信号)からの頭蓋内圧または血圧を表す信号を記録する装置を提供することである。圧力信号が侵襲的な装置から得られたか非侵襲的な装置から得られたかに関わらず、圧力分析用のアルゴリズムを用いてよい。
本発明の別の目的は、ゼロ・レベルに依存する(すなわち、大気圧に対して較正する)ことなく頭蓋内圧を監視する技術的方法を提供することである。これは非侵襲的なセンサにより圧力をサンプリングする場合に特に重要である。本発明の1つの目的は、非侵襲的なセンサにより得られた連続頭蓋内圧記録を分析し表示する方法を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、頭蓋内圧のオンライン監視を行うための患者とモニタ/ネットワーク・ステーションとの間のインターフェースとして作用する装置を提供することである。
本発明の別の目的は、頭蓋内圧や血圧や脳潅流圧などの圧力サンプルを分析するための、種々の圧力曲線の定量的表示を含む新しい方法を提供することである。
異なる圧力を同時に監視してよい。
【0028】
本発明の更に別の目的は、例えば頭蓋内圧や血圧や脳潅流圧などを表す連続圧力記録を定量的に分析し表示するためのソフトウエアを提供することである。このソフトウエアは、種々のレベルと継続時間の圧力の高さのマトリクスや、種々のレベルと継続時間の圧力変化のマトリクスや、選択された特性を持つ単一脈圧波のパラメータの数のマトリクスの計算を含む、データを定量的に記述するための複数の選択肢を有する。
本発明の主な目的は頭蓋内圧と血圧とに関係するが、これは本発明の範囲を制限するものではない。本発明は他の体腔(例えば、脳脊髄液腔)内の圧力を測定する圧力センサに関連して用いることもできる。
【0029】
上に述べた種々の目的を考慮して、患者内の圧力を測定して分析する方法を開発した。この方法では、1つまたは複数のセンサを患者に取り付け、センサからの圧力信号を選択された間隔でサンプリングする。サンプリングした信号をディジタル形式に変換し、圧力の時間的変化を評価するために時間基準と共に記憶する。時間基準はディジタル値の一部として記憶してもよいし、圧力値を記憶しているメモリ位置すなわちメモリ・アドレスに関連づけてもよい。本発明のこの実施の形態では、記憶したサンプル値を分析して以下の少なくとも1つの表示を生成する。すなわち、レベルと継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力の高さの数と、レベル差と変化の継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力変化の数と、最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間に関する所定の特性を持つ脈圧波の数とである。この方法では、種々のサンプリング速度と測定期間の長さとを用いることができる。単一脈圧波の評価には特に100Hz以上のサンプリング速度を必要とする。数でなく、百分率を計算してもよい。単一波の任意の点を計算してよいし、また波の種々のパラメータを計算してよい。レベルと継続時間との任意の組合わせを持つ圧力の高さの数の計算と、最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間に関する所定の特性を持つ脈圧波の数の計算との間には基本的な違いがある。前者の方法はゼロ・レベル(すなわち、大気圧)に対する圧力を計算するが、後者の方法は圧力と時間の相対差を計算するのでゼロ・レベルとは無関係である。
【0030】
本発明の1つの目的は、エラスタンスに関する情報を与える圧力・容積(エラスタンス)曲線に一人の患者からの圧力を重ね合わせて単一脈圧波を処理するシステムを提供することである。この方法は、圧力の代償不全を従来の方法より早期に検出する複数の方法の1つを提供する。
【0031】
本発明の1つの目的は、体腔内の圧力すなわち血圧を評価するとき、圧力記録/曲線を定量的に正確に比較するためのシステムを提供することである。比較は、種々の記録期間や種々の心拍数や種々のゼロ・レベルを含む種々の連続圧力曲線の間で行ってよい。連続圧力記録の比較は、個人間および個人内(すなわち、治療の前と後や、種々の時間間隔での圧力記録の比較)について行ってよい。このシステムはコンピュータ・ソフトウエアに組み込まれた新しいアルゴリズムを含む。このアルゴリズムは圧力記録の分析のための定量的方法や、記録を表示するための方法を含む。このシステムは、市販の圧力変換器装置、コンピュータ・サーバ、医療装置コンピュータ、ここに述べる圧力監視のための携帯用装置などに組み込んでよい。
【0032】
種々の連続圧力曲線を比較する技術的方法は標準化手続きを含む。所定の記録期間中の数/百分率は、標準化された記録期間(例えば、1時間または10時間)中の数/百分率や標準化された心拍数に応じて標準化してよい。異なる個人について、所定の記録期間の定量的データは、選択された記録期間(例えば、1分、1時間、10時間の記録期間)中の数/百分率に応じてだけでなく、選択された心拍数(例えば、毎分60の心拍数)に応じて標準化してよい。このように、異なる個人の連続圧力記録を比較してよい。この方法によれば、複数の個人の記録に基づいて基準曲線を開発することができる。個々の事例について圧力曲線を比較することも可能になる。実時間でオンライン圧力監視中に、圧力傾向の変化を調べることができる。例えば、1時間の圧力記録の圧力特性の数と別の時間間隔のものとを比較することができる。
従来の平均頭蓋内圧の監視に比べて、単一波のパラメータを評価することにより脳コンプライアンスの変化を早期に警報し、早期に処置して圧力を下げることができる。
【0033】
本発明の1つの形態では、この方法に従って情報収集を行う装置を開発した。この装置は十分小型であって患者が携行することができるので、測定期間中に患者は自由に動くことができる。この装置は1個または複数個のセンサに接続する手段と、ディジタル測定値を作成する変換器と、測定信号のサンプリングとディジタル値のデータ・メモリへの記憶とを制御するプロセッサとを備える。またこの装置は、この装置を外部の計算手段に接続してデータ・メモリ内に記憶された値をアップロードするための、またはサンプル値を外部の計算手段に実時間で送るための、コネクタを備える。
【0034】
本発明の別の形態は、上記した方法に従って分析を行うシステムに関する。このシステムは、適切にプログラムされたコンピュータか、またはこの分析を行うために特に設計された専用設備の形でよい。このシステムは、ディジタル圧力サンプル値の集合を受けるための通信インターフェースと、これらの値を記憶するためのメモリと、上に説明した分析を行うためのプロセッサとを含む。またこのシステムは、プロセッサにより制御されかつプロセッサが行った任意に分析の結果の視覚表示を生成する機能を有するビデオ・インターフェースを含む。視覚表示はディスプレイ上に与えられる。またこのシステムは、実行する分析のパラメータをユーザが変更するための入力手段を備える。これは、このシステムを別のコンピュータ・サーバや医療装置コンピュータや生命徴候モニタ内に一体化してよいことを意味する。したがって、ここに述べる装置は本発明の適用に何の制限も与えない。
【0035】
ソフトウエアが計算した出力は、数のマトリクスや、図の表示や、個人の圧力と基準データとの比較または個人の以前の記録との比較などの、多くの方法で与えてよい。
最後に、本発明は上に述べた分析を行うコンピュータを制御するためのコンピュータ・プログラム製品を含む。このコンピュータ・プログラムはコンピュータ上にインストールしてもよいし、またはCD−ROMなどの搬送媒体、磁気記憶装置、情報を運ぶ伝播信号、その他の任意の他の公知の方法で運んでもよい。
本発明の特定の特徴は独立クレーム内に述べられており、また従属クレームは有利な実施の形態や代替形態について述べる。
【実施例1】
【0036】
図1は、患者の体腔内の圧力を測定するためのシステムのブロック図を示す。このシステムの主な構成要素は、圧力センサ16と、圧力変換器2と、圧力値を測定して記憶するための携帯用装置1と、登録された圧力値を受けて処理するためのパーソナル・コンピュータ6などのネットワーク・ステーションとを含む。装置1は、頭蓋内圧、血圧、他の体腔内の圧力すなわち血圧などの、患者内の圧力測定値をサンプリングして記憶するための中央処理ユニット8を備えるディジタル・システムである。以下の例では頭蓋内圧を測定するための実施の形態を説明するが、理解されるように、これは本発明の範囲を制限するものではない。
【0037】
小型で軽量なので、患者は装置1を容易に携行することができる。装置1は患者のベルトに固定してもよいし、紐のついた携帯ポーチに納めてもよい。または、装置1はネットワーク・ステーションまたはパーソナル・コンピュータ6と圧力センサ2とを接続するためのインターフェースとして用いてよい。これにより、圧力を実時間でオンライン監視を行った圧力曲線をディスプレイ上に表示することができる。装置1の種々の応用と装置1の構造の変形については更に図11に示す。
【0038】
本発明の実施の形態では、圧力センサ16は圧力を測定する体腔(患者の頭蓋骨など)内に埋め込む。センサ16は圧力変換器2に接続し、圧力変換器2はコネクタ4を介して装置1に接続する。当業者に知られているように、センサと変換器は同じものではない。すなわち、センサ自体は種々の物理的力を検出するものであるが、変換器はセンサからの信号を電圧信号または電流信号に変換するものである。装置1に接続できる圧力センサの種類に制限はない。音やその他の種類の信号を用いる非侵襲的な圧力評価用の変換器を含む種々の圧力センサ16と変換器2が市販されている。脳脊髄液空間などの液空間内の圧力を検出するセンサ16もある。信号の種類に関わらず、信号はアナログ・ディジタル変換器7内でアナログ形式からディジタル形式に変換する。
【0039】
多くの市販のセンサ16は、センサに与えられる機械的作用に基づくアナログ信号を出す。圧力変換器2内で、センサからの信号を電圧信号または電流信号に変換する。圧力変換器2は連続電圧信号または電流信号を作る。変換器からの電圧信号または電流信号は信号調整器5内で更に処理する。アナログ信号はアナログ・ディジタル変換器7内でディジタル信号に変換する。もちろん、種々の変形が可能である。データを例えば生命徴候モニタから収集する場合は、圧力変換器2もアナログ・ディジタル変換器7も共に生命徴候モニタ内に組み込んでよい。このディジタル信号は本発明に従って処理する。
【0040】
装置1は多くの方法で構築することができる。以下に述べる実施の形態は、メモリ9内に記憶されている命令に従って動作し、かつ共通のデータ・バス14で装置の種々の部分と通信する中央処理ユニット8を持つユニットに基づく。しかし多くの変形が可能である。中央処理ユニット8とメモリ9内に記憶された命令とを用いる代わりに、装置1の機能を例えばASICなどのハードウエア内に直接構築してよい。この装置では、ここに述べる圧力の分析と表示のためのシステムの使用について何の制限もない。
【0041】
装置1の主な構成要素は、受けたアナログ測定信号をディジタル値に変換するアナログ・ディジタル変換器7と、アナログ・ディジタル変換器7からディジタル値を受けて記憶するデータ・メモリ9である。入力/出力インターフェース15は、メモリ9内に記憶されたデータを処理するのにネットワーク・ステーションまたはパーソナル・コンピュータ6に送るためのものである。好ましくは、この装置は患者を装置の電気回路から保護する電気要素3と、アナログ・ディジタル変換器7の入力または出力に接続する信号調整器5と、装置の動作と設定の調整を制御する入力コントローラ10と、ディスプレイ・ユニット12と、警報ユニット13とを含む。入力コントローラ10とディスプレイ12と警報ユニット13とは、中央処理ユニット8および装置またはいずれかの他の部分(ASIC、ディスプレイ・ドライバ、電力センサ(図示しない)などに接続し、またこれらと通信する。
【0042】
アナログ測定信号は、圧力変換器2が接続するコネクタ4を介して装置が受けて信号調整器5に送る。好ましくは、電気要素3をインターフェース4と信号調整器5との間に設ける。これは電気エネルギーが逆に患者に送られることを防ぐ安全要素を表す。調整器5内では信号を処理して信号対雑音比を変える。これが必要な理由は、例えば歩行中に高い雑音が発生する可能性があるためである。信号調整器5はアナログ・フィルタでよい。または、信号調整器5は中央処理ユニット8の制御の下に動作するディジタル・フィルタでよい。この場合、信号調整器5はサンプリングされた信号をアナログからディジタルに変換した後に設ける。
【0043】
その他に、このソフトウエアは記録期間中の測定結果(artifacts)の数と測定結果比とを計算する。このプログラムは、測定結果比が選択されたレベルを超えると記録を除外するための選択肢を含む。
信号調整器5でアナログ信号を処理した後、アナログ信号をアナログ・ディジタル変換器7内でデジタル信号に変換する。中央処理ユニト8は装置1の種々の要素の動作を制御する。中央プロセッサはアナログ・ディジタル変換器7と通信し、ディジタルに変換された圧力測定値のサンプルを読み出してデータ・メモリ9に記憶する機能を有する。データ・メモリ9は、RAM、ディスクなどの磁気記憶装置類、公知の任意の他の適当な形式のデータ・メモリなどの、電子回路の形式でよい。
【0044】
前に述べたように、装置1は頭蓋骨内に埋め込まれたセンサ16からの頭蓋内圧を表す信号を受けるものとここでは説明している。しかしこの装置は、音や超音波やドップラ・デバイスなどの非侵襲的な装置からの信号を処理するための信号調整器5を内蔵してもよい。特定の目的の信号調整器5を持つ構造の装置1にするか、プログラミングを変更しまたは変更せずに同じ信号調整器5を異なる用途に用いるかは、実施の形態と特定のニーズに依存する。種々のレベルの感度を持つ種々のセンサ16と共に動作するように装置1が設計されている場合は、信号調整器は、望ましいセンサと共に動作するだけでなく、種々のセンサの出力範囲をアナログ・ディジタル変換器7の入力範囲に適応させるように調整することが可能でなければならない。この場合、信号調整器5は装置1の入力とアナログ・ディジタル変換器7との間に接続しなければならないことは明らかである。
【0045】
入力コントローラ10を含む装置1はプログラム可能であって、複数の命令を入力するための簡単なキーボードを有する。入力コントローラ10は較正機能を有し、センサ2を患者の頭蓋骨内に埋め込む前に圧力センサ16を大気圧に対して較正することができる。これにより、実際に監視する頭蓋内圧は大気圧と患者の頭蓋骨内の圧力との差である。因みに、本発明は大気圧に関係ない(したがってゼロ・レベルから独立した)連続相対的圧力記録を記録し分析するための方法も述べる。また、入力コントローラ10は圧力記録の間隔を選択する機能を含む。圧力は、例えば約1−10Hzから少なくとも150Hzまで(最も好ましくは100Hzと200Hzの間)サンプリング周波数を変えて記録してよい。単一脈圧波を監視するときは、好ましいサンプリング周波数は100Hz以上である。この場合、最小メモリ空間は少なくとも48時間にわたって毎秒少なくとも150回の記録(26,920,000記録)を記憶する容量が必要である。好ましくは、入力コントローラ10は実時間クロックを調整する機能も有する。なぜなら、各圧力サンプルはサンプルが作られた時を示す時間基準を含まなければならないからである。
【0046】
好ましくは、医者用の入力コントローラ10の機能は、オンオフ、較正、プロトコル(圧力サンプリングの周波数速度)、開始、クロック調整などを含む。患者または看護士用の機能は日中/夜間と事象とを含んでよい。
コネクタ11を介して、分析のためにデータをパーソナル・コンピュータ6に転送する。コネクタ11はシリアル・ポートでよく、またこの装置は好ましくは装置1の内部信号フォーマットを前記コネクタ11を介した通信用のフォーマットに変換する入力/出力インターフェース15を備える。
ディスプレイ12はディジタル圧力信号と実時間とをオンラインで示す。好ましくは、ディスプレイ12は中央処理ユニット8で制御する。
内部電池(図示しない)は装置1の電源で、好ましくは充電可能であるが、外部電源用の入力(図示しない)も備える。
【0047】
好ましい実施の形態では、装置1はメモリ容量の不足や電池容量の低下を示す警報機能を有する。この警報はディスプレイ12上に視覚表示するが、可聴警報信号を出すユニット13を含んでもよい。
装置1の使用中の電源となる電池の他に、主電池が電力低下状態になったかまたは取り外されたときにメモリ9の揮発部分内のデータを保持するための予備電池を装置1は含んでよい。代替としてまたは追加して、主電池の電力が低下したことを検出すると、上に述べた警報機能は所定のルーチンを起動してメモリの揮発部分内の全てのデータをメモリの不揮発部分に転送する。メモリの揮発部分は装置1の作業RAMであり、メモリの不揮発部分はROM、EEPROM、磁気記憶媒体、公知の他のメモリなどの、任意の組合わせでよい。しかし当業者が認めるように、本発明の範囲と精神の内で他のメモリ構成が可能である。
【0048】
前に述べたように、装置1はシリアル・ポート11を介してパーソナル・コンピュータ6に接続してよい。または、装置1はネットワーク・ステーションなどの別のディジタル・コンピュータ・ベースの監視システム6に接続してよい。これにより、圧力をオンラインで実時間監視して、記録を図で実時間表示することができる。この場合、装置1は据付け型のパーソナル・コンピュータのまたは平面スクリーンのインターフェースとして機能する。種々の応用を図11に示す。
好ましくは、装置1はソフトウエアで制御する。ソフトウエアはメモリ9の不揮発部分内に記憶され、中央プロセッサ8の動作を制御する。因みに、図では装置の種々のユニットが共通のデータ・バス14を介して通信するように示しているが、種々の構成要素を他の方法で相互接続してよい。
【0049】
装置1が圧力信号を1個の圧力センサから1つのチャンネルだけで受ける場合についてこれまで説明した。前に述べたように、装置は追加の圧力センサから信号を受けるための1つまたは複数の追加のチャンネルを含んでよい。本発明の好ましい実施の形態では装置は2つの入力チャンネルを備え、例えば頭蓋内圧と血圧とを同時に記録することができる。2つ以上の入力チャンネルを持つ実施の形態は追加のコネクタ4と電気要素3とを備える。信号調整器5とアナログ・ディジタル変換器7とは同じように二重にしてもよいし、または1個の信号調整器5および1個のアナログ・ディジタル変換器7またはそのいずれかを用いて、中央処理ユニト8の制御の下に複数の圧力信号チャンネルを多重通信方式で動作させてもよい。この装置が複数のチャンネルを備える場合は、データ・メモリ9の容量をそれに応じて増やさなければならない。
【0050】
本発明は、患者内の圧力を測定して分析するための方法にも関する。この方法について以下に説明する。
まず、体腔内の圧力を表す信号を圧力センサ16と変換器2から受けて、選択された間隔でサンプリングする。この信号をディジタル形式に変換して(7)、サンプルを作った時間を表す時間基準と共に記憶する(9)。時間基準はサンプル毎に記憶した時間基準値でなくてよい。サンプリング速度は分かっているので、測定期間の実際の開始時間基準を記憶すれば十分である。個々のサンプルの時間基準はメモリ内の相対アドレスにより与えられる。
【0051】
次に、記憶したサンプル値を分析して、以下の少なくとも1つの時間に関する表示を生成する。すなわち、
・ レベルと継続時間との任意に選択された組合わせを持つ圧力の高さの数、
・ レベル差と変化との継続時間の任意に選択された組合わせを持つ圧力変化の数、
・ 最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間などの所定の特性を持つ単一脈圧波の数。
【0052】
かかる分析はオンラインで行ってもオフラインで行ってもよい。オンライン分析中は分析を繰り返し行って、実時間でオンライン監視中に繰り返し提示する。これにより、繰り返された間隔で圧力特性を比較することができる。オフライン分析は記録期間が終わった後で行う。
【0053】
所定期間中に起こるレベルと継続時間との任意の組合わせを持つ圧力の高さの数を分析するには、記憶したサンプルを単に分析して、測定した圧力が所定圧力間隔内に留まった時間を決定する。本発明の好ましい実施の形態では、分析を行うユーザは圧力の高さの種々のレベルと継続時間とを定義する圧力間隔を手動で設定し、これらのパラメータの種々の値で分析を繰り返し行うことができる。レベルは線形目盛(例えば、5mmHg間隔)で測定してよく、時間目盛間隔は好ましくは時間と共に大きく(例えば,各間隔は前の短い間隔の2倍に)しなければならない。
【0054】
レベル差と変化の継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力変化の数の分析は、記憶したサンプルを分析して、圧力変化の大きさと変化が起こった期間とを決定すること含む。
単一脈圧波の分析は、所定時間間隔内に留まる高さだけでなく、波が最小値から最大値まで上昇した後で新しい最小値に戻る移行、またはその逆の移行を考慮に入れる。関心のある圧力波を識別する所定の特性は、単一脈拍波が最小値(最大値)から最小値(最大値)に戻るまでの時間と、最小値、最大値、単一波の振幅のどれかとの組合わせでよい。その他の所定の特性は単一波の立上がり時間である。
【0055】
圧力センサ16は、センサを患者の体腔内に埋め込んで取り付けてよいが、音響測定信号や超音波やドップラを用いるセンサや血圧を測る圧力センサにより、非侵襲的な方法で取り付けてもよい。一般に、頭蓋内圧を記録する非侵襲的なセンサの問題はゼロ・レベルがないことである。なぜなら、頭蓋内圧は大気圧に対して較正するからである。本発明は、単一圧波の分析中に圧力の相対差を計算することによりこの問題を解決する。これによりゼロ・レベルの必要性はなくなる。
【0056】
装置が小型なので、圧力信号のサンプリングと記憶とは患者が自由に動いている間に行ってよい。好ましくは、分析と図による表示のために、集めたデータをコンピュータ6に転送して分析を行う。この分析の一部として生成される表示は絶対数、百分率、時間単位当たりの数の形でよい。
【0057】
好ましい実施の形態では、サンプリング速度は少なくとも10Hzであり、測定値は少なくとも24時間にわたって収集する。更に好ましくは、測定を100Hzまたは少なくとも150Hzのサンプリング速度で行い、測定値は少なくとも48時間にわたって収集する。この装置の好ましい実施の形態では、医者は入力コントローラ10を介してサンプリング速度を設定することができる。
集めた圧力データの分析を行うコンピュータ6は普通のパーソナル・コンピュータでよく、または解析を行って結果の表示を生成するための専用ユニットでもよい。コンピュータは、本発明に係る記録された圧力データを分析するためのシステムの具体例である。
【0058】
コンピュータは詳細には示さない。好ましくは、上に述べた装置からディジタル圧力サンプル値の集合を受けるための標準の通信インターフェースと、受けたサンプル値を記録するためのハード・ドライブなどのデータ・メモリと、データ・メモリにアクセスしてサンプル値を分析して以下の値の少なくとも1つを決定する機能を有するマイクロプロセッサなどの処理手段とを含む。以下の値とは、レベルと継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力の高さの数と、レベル差と変化の継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力変化の数と、最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間に関する所定の特性を持つ単一脈圧波の数とである。コンピュータは更に、処理手段と通信して、またプロセッサ手段との組合わせで、圧力サンプル値に行った任意の分析の結果をグラフィカル・ユーザ・インターフェースと共に視覚表示する機能を有するビデオ・インターフェースを含む。ビデオ・インターフェースは、生成された視覚表示を表示するためのディスプレイに接続するグラフィックス・カードでよい。またコンピュータは、システムのユーザが分析の基礎とすべきパラメータを入力し変更するための入力手段を含む。通常、かかる入力手段はキーボードやマウスなどを含み、ユーザはディスプレイ上に表示されるグラフィカル・ユーザ・インターフェースにより支援される。
【0059】
分析の基礎とすべきパラメータは以下の少なくとも複数のものを含む。すなわち、多数の圧力の高さを定義する圧力間隔、多数の圧力変化ステップの大きさを定義する圧力変化間隔、多数の継続時間を定義する時間間隔、最小値、最大値、振幅、潜伏時間を含む圧力波特性、分析の種類の選択、数の表示を絶対値と百分率と時間単位当たりの数のどれにするかの選択などである。
【0060】
好ましくはコンピュータ6の動作は、コンピュータ6内に記憶され、かつコンピュータで分析を行うのに用いられるコンピュータ・プログラムにより制御する。ユーザが入力したパラメータがない場合は、好ましくはプログラムはデフォルト値に基づいて分析を行う。かかるコンピュータ・プログラムはコンピュータが読み取り可能な媒体(磁気ディスク、CD−ROM、その他の記憶手段など)に記憶してもよいし、インターネットなどのコンピュータ・ネットワークで送られる搬送信号として用いてもよい。
【0061】
図2は、上に述べたサンプリングの結果を示すのに用いられるコンピュータ・ソフトウエアのグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。このソフトウエアはディジタル圧力信号を処理する。連続圧力記録を図2に示すグラフィカル・ユーザ・インターフェースに示す前に、圧力信号をサンプリングして平均する。図2では、サンプル更新速度は30−100Hzの範囲であり、更新速度(平均間隔)は1−5秒の範囲であった。低周波サンプリングの場合は、更新速度は1−10Hzの間で変えてよい。最近の生命徴候モニタはこの種の平均を作成するコンピュータ・インターフェースを提供する。種々のソフトウエア・モジュールはこのインターフェースを通して出力を生成するかまたは呼び出すことができる。頭蓋内圧曲線34は種々の窓に示してよい。
【0062】
X軸20は表示時間、すなわち頭蓋内圧サンプリングの実時間(時間、分、秒で表示)を示す。Y軸21は絶対頭蓋内圧記録(mmHgで表示)を示す。記録中は事象(例えば、睡眠、歩行、着座)をマークすることができるし、これらは圧力グラフの上側にX軸に沿ってシンボル22で示される。機能33は記録期間を選択する(例えば、睡眠、歩行、着座中の頭蓋内圧曲線の部分を選択する)ためのものである。機能23は垂直および水平に種々の窓の大きさを選択するためのものである。図2の窓の中に示されている曲線34は約21時間の記録時間(すなわち、実際の記録時間)を示す。特殊な機能24は、窓の中に示されるデータの簡単な統計的分析(平均、標準偏差、中央値、記録の範囲と時間の計算)を行うためのものである。別の機能25は、本発明に従って単一頭蓋内圧曲線の定量的分析を行うソフトウエア・モジュールに転送するものである。この分析の結果を、図3−6を参照して後で説明する。
【0063】
別の機能26は、頭蓋内圧データを選択された窓から例えばスプレッド・シートまたはワード・プロセッシング応用で用いられるASCIIなどの選択されたテキスト・フォーマットを持つファイルに出力するためのものである。頭蓋内圧曲線は別の機能27で平滑化してよい。別の機能28は、頭蓋内圧曲線をプリントするのに用いられる。またこのソフトウエアは、患者のいくつかのデータ(仮り診断や検査の理由)を含む患者識別用の機能29を含む。更に、サンプリング・プロセスを制御するための開始ボタン31と停止ボタン32とがある。装置が複数の変換器2から圧力サンプル(例えば、頭蓋内圧や血圧)を集めた場合は、これらを同時に分析してよい。かかる機能は窓の中に表示された圧力記録にリンクする。任意の種類の圧力をこの方法で表示してよい。
【0064】
窓の大きさ(すなわち、観測時間)を変えて単一脈拍波を示してよい。各単一脈拍波は血圧波から作られる。心拍数と同様に、1分間の記録中に約50−70の単一脈拍波が記録される。しかし個人間および個人内で心拍数は大きく変動するので、これに従って1分間の記録中の単一脈拍頭蓋内圧波または血圧波の数は変動する。
【0065】
図2のグラフィカル・インターフェースは種々の機能を提示/表示する一例を表す。種々の変形が可能である。種々の圧力(例えば、頭蓋内圧、血圧、脳潅流圧)の連続圧力記録曲線を同じ窓に同時に表示してよい。連続記録を実時間で表示するので種々の圧力を比較することができる。圧力監視がオンライン監視用かオフライン監視用かに従ってグラフィカル・インターフェースを変更してよい。オンライン監視中は、統計的分析を繰り返し計算することにより、種々の時間間隔のものの比較を行うことができる。実時間の連続圧力曲線を1つの窓に示し、絶対圧力のパラメータ(平均圧力、標準偏差、範囲など)を別の窓に示し、単一波を更に別の窓に示してよい。
上に述べた機能やこれらを行うソフトウエア・モジュールは公知なので、詳細には説明しない。またそれ自体、本発明の一部を構成しない。
【0066】
次に図3は、頭蓋内圧曲線、または血圧曲線、または人体腔内の他の圧力を分析するためのソフトウエア・モジュールのグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。頭蓋内圧曲線34の選択された窓が、本発明の分析方法により得られた種々の量のチャートまたはマトリクス35として示されている。窓で表される任意の大きさの記録期間33を定量的な分析のために選択してよい。測定する圧力の種類に関係なく、同様のユーザ・インターフェースが用いられる。
【0067】
数学的関数は種々のルートによりソフトウエア内に実現してよい。1つの形態を簡単に説明する。種々のレベルと継続期間との圧力の高さの分析に必要なデータは圧力記録とこれに対応する時間記録とを含む。しきい値レベル(mmHgで表される圧力)と幅(秒で表される時間)という2つの変数を選択する。山(正方向のこぶ)と谷(負方向のこぶ)とを探索し、山と谷の正確なレベルを識別する。しきい値より低い山や、しきい値より窪みが大きな谷は無視する。ゼロ以下のしきい値について谷の探索を行う。ゼロより大きなしきい値については山の探索を行う。山/谷の分析はマトリクス内の幅/しきい値の組合わせ毎に行う。
【0068】
手続きを要約すると次の通りである。調べる圧力曲線34の部分を選択して(33)、データをユーザ・インターフェース内に示す。適当な幅/しきい値マトリクスを選択して、幅/しきい値の組合わせを指定する。用いる単位は、秒で表す時間(幅)37と、mmHgで表す圧力(しきい値)36である。ソフトウエアは所定の幅/しきい値の組合わせに適合するサンプルの数を記録する。分析の結果の出力は種々の幅としきい値との全ての組合わせの数を含むマトリクスである。かかるマトリクス35の一例を図3に示す。マトリクス35内に示すように、20秒/25mmHgという幅/しきい値の組合わせ(すなわち、20秒間続く25mmHgのICP高さ)が、実際の記録時間である21.10時間(45)中に63.00回起こった。このマトリクスでは、選択された記録期間42応じて数を標準化しなかった。圧力の高さは、大気圧に相当するゼロ・レベルに対するものである。
【0069】
第1のボタン38を押すと、ユーザはデータの表示を、レベル36と継続時間37との種々の組合わせを持つ頭蓋内圧の高さの数のチャートとして選択することができる。頭蓋内圧のレベルと継続時間とは各事例で選択することができる。好ましい実施の形態では、頭蓋内圧はmmHgで、継続時間は秒と分とで表す。血圧もmmHgで表してよい。測定する圧力の種類と無関係に、同じ方法で圧力を示すことができる。
第2のボタン39を押すと、ユーザはデータの表示を、種々のレベルの頭蓋内圧変化36と継続時間37との数のチャートとして選択することができる。変化は2つの記録の差、または記録と所定のまたは選択された値(例えば、平均圧力)との差でよい。
【0070】
第3のボタン40を押すと、ユーザはデータの表示を、所定の特性を持つ単一脈圧波の数として選択することができる。第4のボタン41を押すと、ユーザはこれらの特性を入力するための入力ダイアログ・ボックスにアクセスする。各単一脈圧波は、最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間で識別される。単一脈圧波のパラメータの分析と表示についての詳細は図7−10に示す。
チャート35の分析の結果の表示は、2つのボタン44の一方を押すことにより記録時間の絶対数値か百分率かに切り替えることができる。
【0071】
数はデータを時間単位当たりの数42として示すことにより標準化することができる。時間単位は個々の事例で選択してよい。図3に示すデータは21.1時間の記録時間(実際の記録時間45)に基づいたもので、この場合は記録を標準化しなかった(標準化入力ボックス42内がゼロになっている)。因みに、標準化は1分、1時間、10時間などの種々の時間単位に応じて行ってよい。単一脈圧波を計算すると心拍数も自動的に得られるので、数を所定の心拍数に応じて標準化することができる(詳細は図7に示す)。例えば、数は所定の心拍数60/分に応じて標準化してよい。
【0072】
マトリクス内に示される数を標準化できることは、個人内または個人間で圧力記録を比較するのに重要である。したがって、2つのマトリクス35を、例えば一人の人の2つの異なる時間で比較してよい。例えば、所定の特性(立上がり時間や振幅などのパラメータで定義される)を持つ単一波の数を記録時間中に計算することができる。
オンライン表示中にマトリクス35を繰り返し比較してよい。マトリクス35全体を示す必要はなく、いくつかの幅/しきい値の組合わせだけでよい。種々の時間間隔での複数の組合わせの間の差を示してよい。例えば、1時間の記録期間中に5分続く15,20,25mmHgの頭蓋内圧の数または百分率を計算してオンライン表示中に毎時間表示してよい。標準化された記録時間42と心拍数とに応じてデータを正規化することにより、個々の事例の種々の時間間隔の間の比較だけでなく、個人間の比較を正確に行うことができる。
【0073】
例えば血圧では、個人の薬物療法による治療の前と後の圧力曲線を比較してよい。または、個人の圧力記録を正常データと比較してよい。正常データは、個人の大きなグループからの記録に基づいて構築してよい。
これらの分析を行う方法については上に述べた。上に説明した種々のボタンはこの方法の種々のステップを行うためのソフトウエア・モジュールを呼び出す。
【0074】
元に戻って、特殊な機能43は分析したデータを、ASCIIなどの選択されたテキスト・フォーマットを持つテキスト・ファイルとして、またはデータを数学的および統計的またはそのいずれかで処理するためまたは表示を生成するためのアプリケーションと互換性のある他のファイルとして、保存するためのものである。
図4は、パラメータの異なる集合を持つ図3のグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一部を示す。詳しく述べると、継続時間の種々の時間間隔37は変更されており、またマトリクス35は時間単位42当たりの発生数として正規化された高さの数を示す。この場合、数は10時間の標準化された記録時間42(実際の記録期間45は9.01時間)から得られたものである。
【0075】
図3に示す結果は、レベルと継続時間との選択された組合わせを持つ圧力の高さの数の分析の結果である。図4に示すように、記憶したサンプルを分析して、所定期間37中に測定した圧力レベル36が、大気圧に対して-10、-5,0,5,10,15,20,25,30,35,40,45mmHgで表される所定圧力間隔内に留まった時間の長さを決定した。種々の期間は30、60,300,600,1200、2400秒にそれぞれ選択されている。図4では、10時間の記録期間42中の数に応じて結果を正規化した。結果マトリクス35内の結果の中で、10時間の測定期間に応じて正規化したときに、30秒の継続時間中に45mmHgの頭蓋内圧の高さが8.88回起こったことが分かる。同様に、10時間の記録期間に応じて正規化したときに、600秒の継続時間中に30mmHgの頭蓋内圧の高さが2.22回起こった。結果を正規化していない図3では、全ての結果が整数である。
【0076】
標準化手続き中に、数または百分率を所定の係数に応じて調整する。正規化した時間は個人毎に選択してよい。一例を示す。実際の記録時間が6時間の場合、10時間の記録時間に応じて標準化することは、圧力の高さの全ての数または百分率に10/6(すなわち、1.66666)という係数を掛けることを意味する。
次の例は、図2−4で説明した圧力波の関連の測定に関する本発明の種々の形態を示すものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0077】
(変形例1)
2歳11ヶ月の少女に短絡不全の恐れがあったので連続頭蓋内圧監視を行った。この少女は水頭症なので、前に頭蓋外短絡が設けられた。頭痛と無気力と過敏症のために短絡不全の恐れがあった。実際のところ、頭蓋内圧の増加や減少や正常化によりこれらの症状が現れる。この少女の睡眠中に頭蓋内圧監視を行った結果、平均頭蓋内圧が14.4mmHg、範囲が0.1-67.3mmHg、標準偏差(std)が5.7mmHgであった。頭蓋内圧監視の時間は544分であった。多くの医者の意見では、平均圧力14.4mmHgは境界線であり、15mmHgを超える圧力は異常である。したがって、頭蓋内圧監視に基づくと手術(短絡修正)の必要は見当たらなかった。この少女に治療を施さなかったので、頭痛と無気力の症状が2年以上続いた。
【0078】
頭蓋内圧曲線の再分析を本発明に係る方法により行った。図4は計算された種々のレベルの頭蓋内圧の高さと継続時間とのマトリクスを示す。異常な頭蓋内圧の高さが多数あること、例えば25mmHg以上の頭蓋内圧の高さが多数あることがはっきり示されている。10時間の標準化された記録時間中に、300秒続いた25mmHgの頭蓋内圧の高さが6.66回起こった。かかる高さは一般に異常と考えられる。この事例は、曲線が昔の評価基準に基づいて解釈されたために頭蓋内圧曲線が誤って解釈された例を示す。平均頭蓋内圧は許容値内であった。本発明のソフトウエアを適用したことにより、この患者に対する意思決定を変えさせたはずの重要な新しい情報が付け加えられた。
【0079】
図5は図4のグラフィカル・ユーザ・インターフェースの同じ部分を示すが、この場合はレベル差30と変化の継続時間37との選択された組合わせを持つ圧力の数の分析である。記憶したサンプルを分析して、相対的に−20,−15、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmHgで表されるいくつかの大きさ30の圧力変化と、これらの変化が起こった10,15,20,25,30,35,40,45,50秒で与えられる継続時間37との数を決定する。結果マトリクス35内に与えられる結果の中、15秒を超えて発生した2mmHgの圧力変化が10時間の期間当たり平均1.14回起こった。変化が0mmHgというのは、圧力が一定に保たれた期間を表す。またこのマトリクスでは、数は10時間の記録期間中の数に応じて標準化されている。標準化手続きにより、種々の時間間隔での個人内または個人間の圧力曲線を比較することができる。
【0080】
種々の方法を用いて所定の期間にわたる変化の数を計算してよい。1つの実施の形態を説明する。Xで表される信号がnサンプルある場合、所定の間隔(l)でn−1の変化を見つけることができる。Jiで示される変化はサンプル番号(Xi,Xi+1)、i=0,1,2,...,n−1、で表される要素のシーケンスに等しい。変化Ji自体は Xi+1−Xiで表される。この手続きの後、後者の分析に所定の変化の番号があるかどうか調べる。この番号が見つかった場合はカウンタを1だけ増やす。多数の間隔と変化とでマトリクスを作る場合、行は時間を表し、列は間隔を表す。この手続きを行うと種々の間隔の種々の変化が理解しやすい形で表現される。マトリクスが多数のA行とB列とを有する場合は、上に述べたシーケンスJiをAxB回行わなければならない。
【0081】
圧力曲線34を比較する手続きを更に図6に示す。手術の前(左側)と後(右側)の圧力曲線と、その下に圧力の高さの数のマトリクス35とが示されている。数は10時間の記録期間42に応じて標準化されている。詳細は以下の例2に与えられている。この例は図2−6で説明した本発明の種々の形態を示すためのものであるが、その範囲を制限するものではない。
【0082】
(変形例2)
頭蓋縫合の早期閉塞の疑いのある3年10ヶ月の男の子に連続頭蓋内圧監視を行った。この男の子は頭蓋内圧亢進の症状があった。睡眠中の頭蓋内圧曲線のデータは、平均頭蓋内圧が15.4mmHg、範囲が0−57.1mmHg、標準偏差が6.0mmHg、圧力記録時間が480分(8.0時間)であった。頭蓋内圧監視の結果に基づいて手術が行われた。主な処置である頭蓋拡張処置を行って頭蓋容積を増やすことにより頭蓋内圧を下げた。しかし手術の後、患者は依然として頭蓋内高血圧の症状を呈した。このため頭蓋内圧監視を繰り返すことが決まり、手術後6カ月間行われた。睡眠中のこの監視のデータは、平均頭蓋内圧が15.2mmHg、範囲が5.5−39.4mmHg、標準偏差が3.9mmHg、頭蓋内圧記録時間が591分(9.85時間)であった。手術後の平均頭蓋内圧が変わらなかったので、この新しい頭蓋内圧監視は決定的でなかった。
【0083】
振り返ってみると、圧力記録に基づいた結論が得られなかったので頭蓋内圧の監視は意味がなかった。手術後に圧力は変わらなかったが、頭蓋内圧監視の結果から頭蓋拡張手術後の頭蓋内圧の低下が全く見られなかったにも関わらず、新しい手術を行わないと決定された。頭蓋内圧監視に基づいて「様子を見よう」という方針が選択された。しかし後になって本発明に係る方法を手術の前と後の頭蓋内圧曲線に適用したところ、頭蓋内圧の高さの数が顕著に大幅に減少したことが分かった。手術の前と後の種々のレベルの頭蓋内圧の高さ36と継続時間37との数のマトリクス35を表1と図6に示す。
【0084】
図6は、種々のレベルの頭蓋内圧の高さ36(20−45mmHg)と継続時間37(0.5−40分)との頭蓋内圧曲線とこれに対応するマトリクス35とを示す(手術前は左側、手術後は右側)。マトリクス35は10時間の標準化された記録時間42(実際の記録時間45は、手術前が8時間、手術後が9.85時間)中の数で示される。この結果は、平均頭蓋内圧が変わらないにも関わらず、頭蓋内圧の高さの数を減らすのに手術が大きな影響を与えたことを示す。手術後には40または45mmHgの高さはゼロで、25,30,35mmHgの高さの数は顕著に大幅に減少した。一方で、20mmHgの頭蓋内圧の高さの数はあまり変わらなかった。例えば、10時間の標準化された記録時間中に、1分間続いた30mmHgの頭蓋内圧の高さが手術前に30回起こり(左側のマトリクス)、手術後に1回起こった(右側のマトリクス)。種々の統計的方法をこのデータに適用すると統計的に有意の変化があることが分かる。したがってこの方法を適用すれば、再手術を行わない方がよいことがより強くまたより確かに分かったはずである。手術をせずに2年間患者を観察したところ、この期間に患者は満足な展開を示した。
【0085】
上に述べた例から分かるように、本発明は圧力曲線を比較する正確な方法を提供する。標準化手続きは重要である。例えば、睡眠中の圧力を比較することは有用である。記録期間は異なってよいので、所定の記録時間に応じて標準化するのは有用である。例えば6つの記録時間の中から1つを選択することは代表的とは言えないであろう。
図2−6は、より長い継続時間(30秒以上)の圧力曲線の変化を示す。頭蓋内圧を参照したが、これは本発明を制限するものではない。他の体腔からの圧力も同じ方法で示してよい。
以下の図7−10では、単一脈圧波への本発明の適用を述べる。単一脈圧波の分析は、個人間および個人内の圧力を比較するための、より詳細な方法を表す。
【0086】
データの収集に関して、複数のステップは図2−6に示したプロセスと基本的に同じである。センサからの信号を連続電流信号または電圧信号に変換し、これを装置1またはその変形で更に処理する。連続電流信号または電圧信号をアナログ・ディジタル変換器内でディジタル信号に変換する。別の方法はデータを生命徴候モニタから収集することである。図2−6に示すデータとは異なり、単一波の分析には更に高いサンプリング速度が必要である。単一波分析に関して重要な点は、十分なサンプリング速度だけでなく、圧力波形を正しく再現するための十分な分解能を持つことである。本発明者のこれまでの経験から言えば、第1の山(P1)(図7参照)の最大値と最小値とを見つけ、また潜伏時間と振幅と立上がり時間とを計算するには、少なくとも100Hzのサンプリング速度で十分である。第2の山(P2)と第3の山(P3)の潜伏時間と振幅とを計算するには更に高いサンプリング速度(少なくとも200Hz)が必要である。アナログ・ディジタル変換器は少なくとも12ビットの分解能を有する必要がある。16ビット以上を用いることが好ましい。
【0087】
図7は定量的に分析する単一脈圧波のパラメータを示す。通常、全ての圧力信号は100Hz以上の記録周波数で記録する。単一脈圧波を持つ窓はボタン40(図3)を押すと開かれる。単一波は最大値46と最小値47とで定義される。別のボタン41(図3)を押すと、単一圧力曲線上の任意の点で振幅48、潜伏時間49、立上がり時間50というパラメータを計算することができる。
潜伏時間47は圧力が所定の圧力から別の圧力に変わるまでの時間間隔を表す。圧力は時間基準と共に記録するので、各圧力信号はその時間尺度上で識別される。最大値46と最小値47とで各単一波を識別する。1つの最小値47から別の最小値47に戻るまでの潜伏時間は心拍数であり、また波の継続時間である。最小値47から最大値46までの潜伏時間は、単一波の圧力が拡張圧から収縮圧まで増加する時間である。
【0088】
当業者に知られているように、単一頭蓋内圧波は3つの山、すなわち、第1(P1)と第2(P2)と第3(P3)の山を含む。第2の山(P2)を第2峰とも呼び、第3の波(P3)を重拍波とも呼ぶ。波形が正しく再生されるかどうかは十分な分解能と十分なサンプリング速度とに依存する。振幅48、潜伏時間49、立上がり時間50という表現はこれらの各山に関係する。第1の山(P1)の識別は最大値46と最小値47とに関係する。第2の山(P2)の識別は第1の山(P1)にも関係し、第3の山(P3)は第2の山(P2)に関係する。この実施の形態は第1の山(P1)に関係する振幅と潜伏時間と立上がり時間とに焦点を合わせるが、これは本発明の範囲を制限するものではない。第2の山(P2)と第3の山(P3)も参照してよい。
【0089】
第1の山(P1)では、振幅ΔP1は拡張最小圧力47と収縮最大圧力46との相対的圧力差を表す。潜伏時間ΔT1は、圧力が拡張最小圧力47から収縮最大圧力46に増加するまでの時間間隔である。立上がり時間ΔP1/ΔT1は圧力差を時間差で割った商である。圧力差と時間差は相対値を表す。任意の種類の関係を計算することができる。このソフトウエアにより、種々の振幅51と潜伏時間52という所定の波の特性を持つ単一脈圧波の数のマトリクス53を計算することができる。マトリクス53内の単一波のパラメータの任意の種類の組合わせを計算することができる。一般に、振幅51はmmHgで、継続時間52は秒で表される。
【0090】
結果は絶対数または百分率で示され、また結果は、実際の記録期間45と比較して、選択された記録時間42(例えば、1分、1時間、10時間の記録時間)に応じて標準化してよい。標準化手続き中に、選択されたパラメータを持つ単一波の数または百分率を、所定の係数を用いて調整する。正規化された時間は各個人で選択してよい。一例を挙げる。実際の記録時間が6時間であてこれを5分の記録時間に応じて標準化したい場合、この機能は単一波の全ての数を(6x60)/5(すなわち、72.0)という係数で割ることを意味する。
【0091】
単一脈圧波を計算すると心拍数が自動的に得られる。なぜなら、各頭蓋内単一脈圧波は血圧波から作られるからである。したがって、所定の記録時間中の特性を持つ単一波の数も、実際の心拍数54とは異なる所定の心拍数55に応じて標準化してよい。所定の心拍数に応じた標準化の手続きのとき、心拍数を予め選択しなければならない。心拍数の平均を計算しなければならない場合は、記録期間も選択しなければならない。一例を挙げるが、これは本発明の範囲を制限するものではない。いくつかの単一波の数または百分率を毎分60拍の心拍数に応じて標準化するとする。また、5秒の記録期間毎に心拍数を平均するとする。この5秒の記録期間中に平均心拍数を計算する。
【0092】
全連続記録期間が6時間とすると、この標準化分析は全部で4320回(x12/分、x720/時間)繰り返さなければならない。実際の平均心拍数が5秒間で毎秒120拍とすると、毎秒60拍の平均心拍数に応じて標準化するためには、5秒間の単一波の数または百分率を2で割らなければならない。他方で、5秒間の平均心拍数が30の場合は、毎秒60拍の心拍数に応じて標準化するためには、この5秒間の単一波の数または百分率に2という係数を掛けなければならない。かかる更新は5秒毎に繰り返し行うので、この方法により所定の心拍数に応じて標準化された数または百分率をオンラインの実時間更新を行うことができる。
【0093】
単一波のパラメータの表示では、多数の異なる形態が可能である。振幅51と潜伏時間52という所定の特性のマトリクス53を繰り返し表示して、種々の時間のマトリクス53を比較してよい。いくつかの単一波のパラメータだけを比較してよい。単一波のパラメータの数/百分率について任意の種類の統計的分析を行ってよい。
【0094】
図8は所定の特性を持つ単一脈圧波の計算を示す。単一波のパラメータを定量的に分析する数学的プロセスは種々の方法でソフトウエアで実現することができる。1つの実現方法をここに述べる。得られた信号について、まず最小値47と最大値46とを別個に検出する。最大しきい値を信号内の最低レベルに設定し、幅を所定の秒より広く設定する。種々のかかる所定の秒を選択してよく、その値は年齢に依存する。最初の検討では0.1−0.2秒の継続時間を用いたが、別の継続時間を用いてもよい。前に説明したように、最小しきい値は最大信号レベルに設定し、幅は所定の秒に設定する。この分析の後、全ての最大値46と最小値47とを、振幅の値と位置の値(すなわちタイム・スタンプ)と共に表示する。位置は処理の開始からのインデックスで示される。
【0095】
この手続きの結果、多数の偽の最大値と最小値とが検出される。言い換えると、検出された最大値46と最小値47とを選別しなければならない。これを行うと、許容される最大値と最小値の対が集められ、次回に動的パラメータ分析を行う機能にこれを用いることできる。まず、最大値と最小値のグループ分けを行う。各最大値46の後に最小値47が見つかる。この2つで最大値最小値対を形成する。後の最大値最小値対をしきい値レベルに対して調べる。しきい値は所定の値より大きくなければならない。これは最大振幅から最小振幅を引いて行う。この値がしきい値より小さい場合はこの対は放棄する。次に、この対を立上がり時間(ΔP1/ΔT1)に対して調べる。立上がり時間は、最大振幅から最小振幅を引いた値を、最大位置から最小位置を引いた値で割って表す。これにより、収集された信号内の例えば影により生じた対を除外する。所定の値以上の値を持つ立上がり時間の値は全て放棄する。放棄される立上がり時間については多くの異なる形態が可能である。これにより、最大値と最小値との集合は許容された値だけを含む。
【0096】
許容された最大値最小値対を用いて全ての動的値を計算する。計算する値は振幅(ΔP1)(mmHgで表された頭蓋内圧差)51、潜伏時間(ΔT1)52、立上がり時間(ΔP1/ΔT1)59、心拍数58である。これらの値は全て、許容された最大値最小値の対の中の情報を用いれば見つけるのは容易である。振幅(ΔP1)値51の集合はマトリクスの列情報を構成する情報を与える。潜伏時間(ΔT1)値52の集合はマトリクスの行情報を与える。種々の振幅51と潜伏時間52との組合わせのマトリクス53を計算する。
【0097】
単一脈圧波のパラメータの計算に関する重要な点は、本発明が圧力と時間の相対差を計算することである。かかる相対差は圧力のゼロ・レベルに関係しない。したがって、単一波の分析は圧力のゼロ・レベルに影響されないし、センサのゼロ・レベルのドリフトにも影響されない。因みに、図3−6の種々の継続時間の圧力の高さを計算する手続きは大気圧に対する絶対頭蓋内圧(または人体腔内の他の圧力)の計算を含む。頭蓋内圧を評価する従来の方法は大気圧に対する較正を用いる。本発明は単一圧力波の相対圧力を計算するもので、従来の方法のいくつかの問題を解決する。
【0098】
(a) 圧力の個人間および個人内の差の影響が減少する。個人間または個人内の連続圧力曲線を比較するとき、誤りの原因はゼロ・レベルの差(すなわちドリフトに起因するベースライン圧力の差)であろう。本発明では、正確なゼロ・レベルは計算する単一波のパラメータに影響を与えない。
(b) 通常、圧力センサのゼロ・レベルのドリフトは、特に圧力を数日間連続監視するとき、圧力センサが持つ問題である。ここで説明したように、圧力のゼロ・レベルのドリフトは計算する単一波のパラメータに影響を与えない。
【0099】
(c) 非侵襲的なセンサによる頭蓋内圧の連続監視が持つ主な問題はゼロ・レベルを決定することである。このため圧力の相対差を計算しなければならないがその出力データは正確ではない。なぜなら、かかる相対圧力の評価に基づいて頭蓋内圧を示すことはほとんど不可能だからである。本発明では、潜伏時間と振幅と立上がり時間という所定の特性を持つ単一波を正確に計算することができた。相対差を計算するのでゼロ・レベルは必要ない。非侵襲性なセンサにより単一波を計算するとき、本発明では高い精度で頭蓋内圧を決定することができる。数万の単一波を計算し、単一波のパラメータと平均頭蓋内圧とを比較することにより、振幅と立上がり時間と平均頭蓋内圧との間の高度の相関が見つかった。本発明では非侵襲的なセンサからの信号の単一波分析により圧力の相対的変化と頭蓋内圧とに関する情報が得られる。なぜなら、多数の比較に基づいて頭蓋内圧と単一波の特性との関係が予め分かっているからである。このプロセスは次の通りである。非侵襲的なセンサ16を患者に取り付けて変換器2に接続し、装置1で信号を処理しまたはこれを修正する。かかるセンサ16は音またはその他の信号を用いてよい。例えば、外耳にセンサ・デバイスを取り付け、頭蓋内圧を表す中耳内の圧力を検出する。信号を装置1内で変換してタイム・スタンプと共に記憶する。コンピュータ・ソフトウエアはディジタル信号を処理し、ここに説明した単一脈圧波のパラメータを定量的に分析する。頭蓋内圧の正確なゼロ・レベルを知らなくても単一波のパラメータの変化を連続的に追跡することができる。この方法は頭蓋内圧の変化を追跡する簡単な方法であって、頭蓋内圧に関する正確な情報が得られる。
【0100】
(d) 頭蓋内室内に圧力センサを永久に埋め込むことができる(例えば心室短絡に関して)。遠隔測定装置で圧力を記録してよい。またこの種の圧力監視ではゼロ・レベルのドリフトの問題が残るので、監視した圧力が正しいかどうかが問題になる。本発明では記録した圧力にゼロ・レベルのドリフトが影響を与えないので、この問題は解決される。
【0101】
単一脈圧波の探索はボタン40を押すことで始まり、ボタン41を押して単一波のパラメータを選択する。図8の上側の図は単一脈圧波57を示しており、X軸は時間記録20、Y軸は圧力レベル56である。Y軸に絶対圧力値が示されているが、注意すべきことは、単一脈圧波は相対圧力と時間差とを計算することにより得られることである。図8の左上の図に示すように、単一波は最小値47と最大値46とにより識別する。第1の山(P1)について、振幅(ΔP1)と潜伏時間(ΔT1)とが示されている。
【0102】
図8には、単一脈圧波の特性の数を計算するプロセスも示されている。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは頭蓋内圧34の曲線を示す。圧力曲線34を絶対頭蓋内圧記録21および表示時間20と共に表示する窓が示されている。実際の記録期間45は472.0秒であり、記録期間42は標準化されていない(出力ボックス42の中が0.00である)。この記録期間中に、所定の特性を持つ単一脈圧波の数を計算した。単一波の振幅51は2.0,2.5,3.0,3.5,4.0,4.5,5.0,5.5,6.0,6.5,7.0mmHgのどれかを選択した。単一波の潜伏時間52は0.23,0.25,0.26,0.27,0.28秒のどれかを選択した。
【0103】
これらの所定の特性を持つ単一脈圧波の数を計算してマトリクス53内に示した。例えば、472.0秒の記録期間中に、振幅が5.5mmHgで潜伏時間が0.28秒(すなわち、立上がり時間が5.5/0.28=19.64mmHg/秒)の単一脈圧波がこの記録期間中に43回起こった。この結果を例えば600秒の記録時間に応じて標準化してよい(42)。この場合、全ての数に600/472という係数を掛けなければならない。上に述べたように、この数も選択された心拍数に応じて標準化してよい。データの表示の方法については多くの異なる形態が可能である。
【0104】
本発明は圧力曲線を比較するための選択肢を与える。例えば、睡眠中の頭蓋内圧を監視している間に、いくつかの所定の特性を持つ単一波の数を計算してよい(例えば、振幅が4−8mmHg、潜伏時間が0.25−0.28秒)。かかる単一波の数は、標準化された記録期間(例えば、毎分または毎時間)と標準化された心拍数(例えば、70/分)とで計算してよい。単一波の数は同じ個人内の異なる時間(例えば、処置の前と後)で計算して比較してよい。または、単一波の数を個人内で計算して、この数を基準データと比較してよい。
【0105】
図9は、液を脳脊髄空間内に注入している間の頭蓋内圧(頭蓋内腔の区画の1つを表す脳脊髄液)34の記録を示す。圧力はY軸21に絶対値mmHgで表し、時間はX軸に秒で表す。頭蓋内圧34は生理食塩水を腰椎空間内に注入しながら同時に測定する。これを注入テストと呼ぶ。液を注入するに従って頭蓋内圧曲線34が上昇する様子を示す。圧力の増加を上側の図に示す。この図は立上がり時間59−60と心拍数58との同時計算も示す。立上がり時間については、2つのパラメータ(すなわち、ΔP1/ΔT1(59)とΔP1/ΔT2(60))を同時に計算する。図に示すように、立上がり時間ΔP1/ΔT1(59)とΔP1/ΔT2(60)とは時間と共に増加する。他方、心拍数53は圧力が増加するに従って減少する。これは、立上がり時間を繰り返し計算して時間(X軸)に対してプロットしてよいことを示す。
【0106】
警報機能は例えば所定のレベルより高いΔP1/ΔT1(59)の発生を警報するために設けてよい。立上がり時間は異常圧力の重要な予測量である。本発明の技術的方法により、所定の記録時間中に或る立上がり時間を持つ単一波の正確な数または百分率を計算することができる。例えば、5分の記録の間に例えば10−30mmHg/秒の立上がり時間を持つ単一波の数または百分率を繰り返し計算して図に示してよい。図9は単一波の特性を示すいくつかの例を示すが、かかる例は範囲を制限するものではない。
【0107】
図9で注意すべきは、立上がり時間が増加する従って心拍数が減少することである。これは、圧力の増加に従って代償不全が増加したために心拍数が減少したという生理的効果である。各単一波の相対的継続時間は心拍数に対応するので、心拍数を自動的に計算することができる。図9を観察すると、心拍数の同時記録の値も示されている。心拍数というパラメータは頭蓋内圧の異常について追加の情報を与える。
【0108】
図10は圧力曲線を比較する方法を示す。入力ボックス40(図3)を用いると種々の単一脈圧波を比較することができる。詳しく述べると、頭蓋内圧と血圧の単一脈圧波とを比較してよいが、任意の種類の圧力を比較してよい。同じ時間基準により実時間でオンライン監視中の種々の圧力波を同時に示す。出力はX軸20に時間を、Y軸に圧力21をとってよい。例えば、単一動脈血圧波61の曲線を単一頭蓋内脈圧波57と同時に示してよい。所定の記録期間45に単一脈圧波の数を計算し、この数を所定の記録期間に応じて標準化してよい(42)。また、実際の心拍数54を標準化された心拍数55に応じて標準化してよい。単一脈拍頭蓋内圧波57と動脈血圧波61との曲線を右上の図に示す。
【0109】
時間基準20が同じなので、複数の単一脈圧波を同じ時点で比較することができる。Y軸は絶対血圧値62と頭蓋内圧値56とを示す。頭蓋内圧について述べたように、マトリクスを計算して種々の単一波のパラメータの間の関係を定義することができる。図の左下に、頭蓋内圧波の立上がり時間(ΔP1−1/ΔT1−1)と血圧波の立上がり時間(ΔP1−2/ΔT1−2)との関係の数を定義するマトリクス65を示す。この関係(ΔP1−1/ΔT1−1)/(ΔP1−2/ΔT1−2)を計算した後、マトリクス65はこの関係が1,2,3,4の場合の数を示す。この例は計算する単一波の間の関係を制限するものではない。
【0110】
図11は本発明に係る装置の種々の応用を示す。前に述べたように、本発明は圧力記録を記録し、サンプリングし、分析し、表示するためのシステムと方法とを含む。また本発明は圧力記録の高周波サンプリングのための装置を内蔵する。理解されるように、ここに述べるシステムには多数の異なる形態が可能である。本発明は圧力信号をサンプリングして記録するための携帯用装置1(図1参照)を含むが、コンピュータ・ベースの方法を図11に示す多数のシステムや装置に組み込んでよい。
【0111】
まず、圧力信号は種々の圧力センサ16と変換器2(侵襲的または非侵襲的なシステム)から得てよい。頭蓋内圧については、多数の圧力センサ16が市販されている。頭蓋内圧は硬膜外空間、硬膜下空間、脳実質組織から、または脳脊髄液空間から評価してよい。また動脈血圧については、多数の市販の圧力センサ16が利用可能である。圧力センサ16は埋め込んでよく、また遠隔装置またはその他の装置で記録してもよい。例えば音やドップラやその他の信号を用いる非侵襲的な装置で圧力を記録してよい。ここに述べる方法は任意の信号源からの圧力信号を用いてよい。
【0112】
コンピュータ・ソフトウエアは、携帯用装置1だけでなく、ネットワーク・ステーション、パーソナル・コンピュータ、医療装置コンピュータ6、生命徴候モニタに接続するコンピュータ・サーバ6などの中に一体化してもよいし、生命徴候モニタ内に直接組み込んでもよい。定量的分析の結果はモニタ・スクリーン、平面スクリーン、その他の公知の装置に表示してよい。
装置1は種々に変更することが可能である。装置1の構成要素は、圧力変換器2の中に、または医療装置コンピュータ6を含む種々のコンピュータの中に一体化してよい。
【0113】
(I) 或る場合には、圧力信号は市販の圧力センサ16と変換器2から市販の生命徴候モニタに送信する。この場合、本発明1を生命徴候患者モニタに、または生命徴候患者モニタに例えばネットワークを介して接続するコンピュータ・サーバに組み込んでよい。データ処理の結果は平面スクリーンまたは生命徴候患者モニタに表示してよい。
【0114】
(II) 別の場合には、装置1を別の市販の装置の中に一体化する。かかる場合は後で述べるが、かかる例は装置を他のシステムの中に一体化することを制限するものではない。市販の圧力センサ16を頭蓋内圧の評価に(例えば、Codman ICPエキスプレス に結合するマイクロセンサICP変換器、 Codman & Shurtlef Inc., Randolph, MA)、または脳脊髄液圧の評価に(Baxter 監視キット)用いてよい。かかる圧力変換器2は携帯用装置1を介して医療装置コンピュータ6に直接接続する。この場合、変換器2の代わりに市販の設備を用いるように携帯用装置1を変更してよい。また、携帯用装置1は電気要素3、信号調整器5、アナログ・デジタル変換器7、中央処理ユニット8、入出力ユニット15を含んでよい。データ・メモリ9、入力コントローラ10、ディスプレイ12、警報ユニット13などの他の機能を医療装置コンピュータに組み込んでよい。この場合、圧力信号は市販の圧力変換器2から市販の医療装置コンピュータ6に直接転送し、本発明1をインターフェースとして用いる。圧力変換器2とインターフェースと医療装置コンピュータとをラック上に設けて患者が動けるようにし、患者が自由に動いているときに圧力を評価するようにしてよい。
【0115】
(III) 更に別の場合には、選択された期間に圧力信号を装置1で監視してサンプリングする。この場合、装置1は多くの方法で、しかも小型で軽量に構築し、患者が自分のポケット内に装置を入れて持ち運びできるようにしてよい。監視の期間が終わった後で装置をコンピュータに接続し、信号を分析して表示する。
(IV) 別の場合には、装置1全体を医療装置コンピュータの中に一体化してよい。
【0116】
本発明は人だけに用いられるものではなく、臨床業務においてまた科学的実験において、動物にも用いてよい。
本発明は種々の臨床的な問題を持つ患者の複数のグループに用いるものである。いくつかの例を挙げるが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
【0117】
ここに述べる本発明に係る連続頭蓋内圧または脳脊髄液圧の監視は大人にも子供にも用いてよい。(a)子供の場合は、水頭症、頭蓋骨癒合、擬似腫瘍脳炎、またその疑いに基づいて、頭蓋内高血圧を疑ってよい。(b)子供と大人の場合は、短絡不全に基づいて頭蓋内低血圧または高血圧を疑ってよい。(c)いわゆる正常圧水頭症の恐れのある大人の場合は、頭蓋内高血圧や脳脊髄液の異常吸収を疑ってよい。(d)集中治療室内の人の場合は、重要なことは頭蓋内圧と血圧との異常な変化を追跡することである。
【0118】
本発明に係る連続血圧監視は、(a)血圧の薬物治療の評価や、(b)患者の監視の一部として連続血圧監視を用いる集中治療室内の子供と大人に、用いてよい。
頭蓋内圧(脳脊髄液圧を含む)と血圧と脳潅流圧とに焦点を合わせているが、ここに述べる本発明に従って人体腔内の任意の種類の圧力を評価してよい。
全ての場合において、ここに述べる本発明を(a)圧力特性の実時間変化を表す圧力のオンライン監視と、(b)圧力監視が終わった後(すなわち、オフラインで)の圧力曲線の評価に用いてよい。
以下の例は本発明の種々の応用を示すものであって、その範囲を制限するものではない。
【0119】
異常に高いまたは低い頭蓋内圧および血圧またはそのいずれかの問題がある子供または大人に本発明を用いるときの手続きは次の通りである。小さな手術では、圧力センサ16を患者の頭蓋骨内に埋め込む。手術中に小さな穴を頭蓋骨内に開け、続いて小さな穴を硬膜内に開ける。センサを皮下の手術穴に通す。センサ16を変換器2に結合し、更に装置1に結合して、入力コントローラ10で大気圧に対して較正する。次に、センサ16を脳実質組織内に約1センチメートル入れる。手術穴を閉じて、縫合またはその他の手段によりセンサを皮膚に固定する。圧力サンプリングの周波数を入力コントローラ10で選択する。患者は手術後の最初の3-4時間はベッドに寝ていなければならないが、その後は装置を体につけたまま起きて歩いてよい。
【0120】
この手続きの前に、電池が充電されているか、装置1が十分なメモリ容量を持っているかをチェックしなければならない。さもなければ、警報機能13が患者/医者に警報する。連続圧力記録中、患者は自由に歩いてよい。入力コントローラ10は、患者または看護士が制御することのできるいくつかの機能を持つ小型のキーボードを含む。このコントローラは、歩行、着座、睡眠、痛い処置などの事象を示し、またこれらを頭蓋内圧曲線上に表示してよい。頭蓋内圧は約24−48時間、連続監視する。次に装置をセンサから切り離す。センサを患者から外す(この処置は局部麻酔を必要としない)。医者はシリアル・ポート11を介して装置1を自分のパーソナル・コンピュー6またはネットワーク・ステーションに接続してよい。
【0121】
ディジタル圧力データは、装置のメモリ9からハード・ディスクまたはジップ・ドライブまたはネットワーク・エリアに保存するために転送する。次に、上に述べたソフトウエア・プログラムでデータを分析してよい。前に述べたように頭蓋内圧曲線を分析してよい。上に述べたように、この装置は頭蓋内圧と血圧とを同時に記録できるように2チャンネルを有してよい。血圧記録は頭蓋内圧記録と同じ方法でサンプリングし、記憶し、分析する。かかる場合、分析と表示とは一般に圧力監視が終わった後に行う。一般に、睡眠中と覚醒状態の圧力を比較することは有用であろう。覚醒状態では、圧力を監視したのが患者がベッドに横になっていたときか立っていたときかを区別することが重要である。横になった位置から立ち上がった場合の、またはその逆の場合の圧力の変化を記録すると有用であろう。
【0122】
図11に示すようにこの手続きに種々の変更を行ってよい。圧力変換器は生命徴候モニタに直接接続してよく、圧力信号はネットワークを介して他のサーバまたはパーソナル・コンピュータに転送してよい。または、装置を変更して圧力変換器とコンピュータとの間のインターフェースとして用いてよい。ここでは圧力を記録するのに侵襲的な方法を述べたが、種々の非侵襲的なセンサを用いてよい。
【0123】
例えば、患者が頭蓋内出血と頭蓋内圧亢進との疑いで病院に送られる。病院が侵襲的なセンサを取り付ける機能を持たない場合は、非侵襲的なセンサを用いるのがよい。外耳管を介して圧力を検知する非侵襲的な圧力センサを圧力変換器2に結合し、更に装置1またはこれを変更した装置に接続する。本発明に係るソフトウエアはディジタル信号を処理し、頭蓋内圧を種々の方法で表示する。
【0124】
本発明は、短絡不全の疑いがあって頭蓋内短絡で治療された子供と大人に用いてもよい。よく知られているように、過大排液と過小排液が同じ症状を示すことがあり、これを正しく診断することができるのは頭蓋内圧監視だけである。本発明の主な利点は、自由に動ける患者に頭蓋内圧監視を行うことができることである。かかる場合は、ベッドに横になっている患者の頭蓋内圧を監視しても信頼できる結果は得られない。本発明は、心室短絡システムなどの頭蓋区画内に永久に埋め込まれたセンサと共に用いてもよい。
【0125】
本発明は、いわゆる正常圧水頭症を持つ大人の患者に用いることもできる。この症状は、痴呆症や不安定な歩行だけでなく、しばしば脳内の脳室増加に関連する尿失禁を含む。従来、主な問題は手術に最も適した候補を選ぶことであった。なぜなら、治療(一般に腹膜への脳室液の頭蓋外短絡)はリスクがあり、多くの患者で治療が成功していないからである。かかる患者については、予後の値が限られているので頭蓋内圧監視は広く用いられていない。前に述べたように、かかる患者の頭蓋内圧曲線を分析するのに従来用いられていた方法は正確でなかった。
【0126】
本発明は少なくとも2つの利点を有する。すなわち、携帯用装置1による連続頭蓋内圧監視はベッドに横になっているだけの患者の場合より多くの生理的状態を表示する。この装置は多数の頭蓋内圧記録をサンプリングして記憶する。第2に、この新しい装置と方法は現在用いられている方法よりはるかに正確に頭蓋内圧記録を評価することができる。この場合、個人間および個人内(治療の前と後)の連続圧力記録を比較することができる。かかる場合は、特に頭蓋内圧と脳脊髄液圧に関心がある。正常圧水頭症の評価では、注入テストも価値があることが分かっている。注入テスト中は、腰髄内または脳室内の脳脊髄液空間内で圧力を測定する。圧力の変化は生理食塩などの液の注入と同時に測定してもよい。本発明により注入テスト中の単一波を計算することができる。本出願者は、注入テストにおける変化は単一波のパラメータの計算により最も正確に現れることを示した。注入テスト中は、脳脊髄液空間内の圧力を記録し、液圧の評価に圧力変換器を用いる。圧力変換器はコンピュータに接続する。この場合、本発明1はアナログ・ディジタル変換器の形でよい。ソフトウエアをコンピュータ内に組み込んでデータのサンプリングや分析や表示を行ってよい。
【0127】
いわゆる注入テスト中に脳脊髄液内の圧力を測定するとき、カテーテルを脳脊髄液空間に(通常、脳室内にまたは腰椎液空間に)挿入する。カテーテルは液内の圧力を検知するための市販のセンサに接続する。この圧力センサ16はここに説明した装置1を介して市販のコンピュータに、または生命徴候モニタを介してコンピュータに接続してよい。この場合、装置1を変更して、センサとコンピュータとの間のインターフェースとして動作させる。液を脳脊髄液空間に注入している間に圧力記録を行う。本出願者は、単一脈圧波の記録を液の注入と同時に行ってよいことを示した。本発明では、単一脈圧波の種々のパラメータだけでなく、液の注入中の心拍数変動を計算してよい。この場合、単一脈圧波を評価する種々の方法を行ってよい。
【0128】
1分の記録中の単一波の分布を計算し、この場合に分かる容積変化に関連付けてよい。本発明では、所定の心拍数と所定の記録期間に応じて数または百分率を標準化することができる。例えば、種々の振幅51と潜伏時間52とを持つ単一波のマトリクス53を1分の記録中に繰り返し計算してよい。注入速度(したがって、容積変化)は分かっているので、Y軸に所定の単一波の百分率をとり、X軸に容積変化をとって、個人毎の曲線を計算してよい。多くの人の曲線が分かると、一人の人からの記録を複数の人からの基準曲線に重ね合わせることもできる。個人の頭蓋内圧記録を圧力容積すなわちエラスタンス曲線に重ね合わせることはこれまでは不可能であった。本発明はこの問題を技術的に解決する。本発明により任意の種類の単一脈拍波のパラメータを計算することができるので、種々の方法を行うことできる。
【0129】
オンライン表示については、圧力(例えば、頭蓋内圧や血圧)を平均圧力の数値の実時間表示としてまたは頭蓋内圧曲線の実時間表示として、従来の方法で与えてよい。本発明は単一脈圧波のパラメータの連続分析と表示との技術的方法を提供する。例えば、所定の記録期間(例えば、1分)中の立上がり時間(例えば、10−20mmHg/秒)の数または百分率を繰り返し計算して図示してよい。これにより、圧力の変化を従来の方法より前に検出し、圧力の悪化を早期に検出/警報することができる。
【0130】
また、本発明を用いて導入の前と後の血圧の変化を比較してよい。頭蓋内圧について述べた場合と同様に、連続血圧を計算して定量的に分析して表示することができる。単一脈圧波のパラメータの数または百分率の変化を比較してよい。血圧の治療の評価では、治療の前と後の圧力曲線の比較に関心がある。単一脈圧波のパラメータを血圧の薬物療法による治療の前と後に計算してよい。本発明はかかる治療の評価を詳細に行う方法を提供する。因みに、本発明は臨床的業務にも科学的業務にも用いてよい。圧力は人間でも動物でも監視してよい。特に、本発明は血圧の薬物療法を評価する動物実験に用いてよい。
【0131】
本発明は種々の形態の新しい技術的方法を示す。これについて以下にコメントする。
(a) 本発明は自由に歩ける個人の圧力をディジタル記録する技術的方法を提供する。本装置はミニコンピュータであり、電源は再充電可能な電池でよい。これにより、患者はこの装置を携行することができるので、単一脈圧波を含む圧力のより生理的な監視を行うことができる。頭蓋内圧監視用に現在利用できる装置は据置型であり、患者は監視中ベッドに横になっていなければならない。
【0132】
(b) 現在利用可能な装置とは異なり、本装置を用いれば多数の頭蓋内圧と血圧の記録をディジタルで記憶することができる。この点で重要なことは圧力記録の高周波サンプリングである。ただし、本発明では低周波サンプリングも可能である。これにより単一脈圧波を計算することができる。この携帯用装置は公知の標準的な構成要素を一体化しているので、圧力記録および処理のためのシステムを種々のシステムの中に一体化することもできる。
【0133】
(c) 最初、本発明は頭蓋内圧を24−48時間連続監視した後に頭蓋内圧と血圧とをオフラインで分析するように設計された。現在、頭蓋内圧監視に利用可能な設備はオンライン監視用に設計されており、集中治療室内の重症患者の圧力を即時導入により修正することができる。連続圧力曲線をオフラインで評価するとき、問題は曲線の代表的部分をどのように定義するかである。圧力は時間と共に変わるので、曲線の一部だけを選択すると圧力を誤解するような絵が与えられることがある。本発明は圧力記録を定量的に分析するための複数の方法を提供する。種々のレベルと継続時間の圧力の高さを正確に計算して、圧力曲線を客観的にかつ定量的に記述する。単一脈圧波も定量的に表示して分析する。ここに述べた標準化手続きにより、種々の人の曲線を比較することができる。ただし、記録時間は個人毎に異なってよい。この標準化手続きを用いないとき、これに代わる方法は種々の個人から同じ継続時間の圧力曲線を選択することであろう。この場合は曲線の一部を選択する必要があるが、曲線の代表的な部分を選択することは困難であろう。例えば、個人の頭蓋内圧または血圧を2回連続記録して(1つの記録は7時間、1つの記録は9時間)この2つの記録を比較しようとした場合、問題は曲線のどこを代表的な部分として比較するかである。本発明は記録を所定の記録期間に応じて標準化することによりこの問題を技術的に解決する。これにより全記録期間を評価に用いることができる。
【0134】
(d) 本発明の主な用途は圧力記録のオフライン評価であるが、本発明は単一脈圧波(血圧、頭蓋内圧、脳潅流圧、または人体腔内の他の圧力)のオンラインの実時間監視にも用いてよい。本発明は単一脈圧の特性の連続計算と表示とのための技術的方法を提供する。単一脈圧のパラメータの正確な数または百分率の計算と種々の時間のこれらのパラメータの比較とは、圧力の変化を早期に検出/警報する技術的方法を提供する。一例を挙げると、本発明により、1分または5分の記録中に、振幅が6mmHgで潜伏時間が0.23秒(立上がり時間は26mmHg/秒)の単一脈圧波の正確な数または百分率を計算することができる。所定の記録期間中にかかる波が60%存在すれば異常であるとすると、この単一脈圧波の百分率を繰り返し計算した結果を図示すれば医者にとって有益であろう。実際に、本発明により単一脈拍波のパラメータの任意の組合わせを繰り返し計算することができる。所定の記録時間中の或る立上がり時間(例えば、26mmHg/秒)の数または百分率の連続実時間計算は代替表示を表す。このように、本発明は圧力の悪化を早期に警報する技術的方法を提供する。
【0135】
(e) 圧力を定量的に評価するアルゴリズムと方法についてはこれまで示されていない。複数の著者が圧力波の周波数分布を調べる方法を用いている。特に、スペクトル分析すなわち高速フーリエ変換(すなわちスペクトル分析)が用いられている。かかる方法はここに述べた方法とは基本的に異なる。従来用いられている方法は診療所で用いられていないので、日常の臨床業務に有用でなかった。本発明の主な利点は、頭蓋内圧および血圧曲線を非常に正確に示して、正常と正常からの逸脱とを調べるための信頼できるツールを提供することである。ここに述べた単一脈圧波を評価するアルゴリズムは特にこの目的を達成する。ここに述べた患者にとって、頭蓋内圧曲線からの正確な情報は必須のものである。なぜなら、これらの結果は大きな手術を行うかどうかの決定に重要な影響を与えるからである。特に、単一脈圧波の種々のパラメータの評価は新しい詳細な情報を提供する。
【0136】
(f) 本発明は圧力センサのゼロ・ドリフトの問題やゼロ・レベルの識別の問題のない頭蓋内圧監視のための技術的方法を提供する。単一脈圧波を分析する定量的な方法は圧力と時間の相対的変化を用いるので、圧力のゼロ・レベルに依存しない。周知のように、圧力センサのゼロ・レベルのドリフトは方法上の問題(特に侵襲的なセンサにおいて)を表す。連続監視を例えば数日間にわたって行うとき、センサのゼロ・レベルのドリフトは誤った圧力記録を作成することがある。これは、かかるセンサを大気圧に対して較正するためである。同じ問題が、永久に埋め込まれた(例えば、脳室短絡システムで埋め込まれた)圧力センサに見られる。かかるセンサは例えば遠隔装置で記録する無線周波数信号を与える。本発明の信号処理ではゼロ・ドリフトの問題がない。非侵襲的なセンサの場合の問題はゼロ・レベルを定義することである。頭蓋内圧の場合、ゼロ・レベルを確立するには大気圧に対して較正する必要がある。本発明は単一波のパラメータの相対的変化を計算する。この場合、圧力のゼロ・レベルは知らなくてよい。本発明では単一脈圧波のパラメータの変化を時間と共に追跡するが、ゼロ・レベルを調整する必要はない。
【0137】
(g) 本発明は体腔内の圧力曲線の比較(すなわち、語の広い意味において波の比較)のための技術的方法を提供する。例えば、種々の時間での個人内の連続圧力記録の比較(例えば、圧力の連続監視中の比較)である。または、連続圧力記録を異なる時間(例えば、治療の前と後)に比較してよい。圧力曲線は個人間で比較してよいし、または或る個人からの連続圧力曲線を基準データと比較してよい。例えば、一人の人の連続頭蓋内圧を12時間監視する。潜伏時間と立上がり時間とに関する所定の特性を持つ単一脈圧波の数を計算する。曲線の一部だけを選択すると記録の精度が落ちるので、選択された記録期間に応じて全記録期間の数または百分率を標準化してよい。例えば、12時間の実際の記録期間中にいくつかの振幅と潜伏時間とを持つ単一波の数または百分率を、1時間の記録中の波の数に応じて標準化してよい。この方法を用いると、曲線の一部だけを選択するときの不正確さが除かれる。圧力の高周波変動の定量的な特性を計算するのに加えて圧力の低周波変動の定量的な分析を計算して、より完全な圧力の絵を提供してよい。低周波の圧力変化では、例えば1時間の記録中に10分続く20mmHgの圧力の高さの正規分布を計算してよい。正規分布にはいくらか個別の変動があるので正確な値を計算することができない。むしろ中央値を持つ分布と百分位数分布を計算する。
【0138】
(h) 本発明は、連続圧力記録を評価するときの単一波分析の臨床的応用について新しい技術的方法を提供する。単一脈圧波のパラメータを定量的に計算し、いくつかの単一波の数または百分率を計算する。所定の記録期間中に数/百分率を計算してよい。これにより本発明は1個人の連続圧力記録の、エラスタンスすなわち圧力・容積曲線上の位置を予測するユニークな方法を提供する。従来、圧力・容積(エラスタンス)曲線に個人の圧力記録を重ね合わせることはできなかった。なぜなら、この曲線は人によって異なり、また曲線は時間と共に変わってよいからである。この個人内および個人間の変動の影響は本発明により顕著に減少する。本発明は圧力・容積曲線の正常な変動の図を計算するためのツールを提供する。例えば、Langfitt が1966年に初めて述べた指数圧力・容積曲線(X軸に容積、Y軸に圧力)は百分位数による中央値として示してよい。本発明は、異常と考えられるいくつかの単一脈圧波の分布を計算するためのツールを提供する。例えば、振幅が6mmHgで潜伏時間が0.23秒の単一波が記録時間の60%存在することが分かると異常であるとすると、本発明は一人の患者についてかかる単一波の数と頻度とを計算するという選択肢を提供する。容積変化の速度が分かっているので、注入テスト中に圧力変化と容積の変化とが共に分かる。この場合は、曲線の種々のレベルで種々の波の分布を計算することができる。例えば、30mmHg/秒の立上がり時間を持つ単一波の分布を種々の圧力と容積で計算することができる。5分の記録時間中に、かかる単一波が曲線の水平部の1点での単一波の20%を構成し、曲線の垂直部の1点での単一波の80%を構成してよい。同じ計算を他の単一波について行ってよい。多くの患者の記録に基づいてノモグラムを計算してよい。これにより、この一人の人からの結果を圧力・容積曲線のノモグラムに重ね合わせてよく、この特定の人のエラスタンスの正確な記述が与えられる。
【0139】
(i) 本発明は圧力曲線の定量的な特性(圧力の高周波および低周波変動)の理解しやすい(すなわち、人体腔内の圧力について詳細な知識を持たない医者にとって理解しやすい)表現を与える。データ処理は非常に高速で行われるので、時間のかかる頭蓋内圧曲線の評価は必要ない。
【0140】
本発明の特定の実施の形態を説明したが、理解されるように、種々の変更、修正、追加、適応は特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲内にある。
【0141】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明に係るシステムの種々の構成要素のブロック図である。
【図2】圧力サンプリングの結果を示すのに用いられるグラフィカル・ユーザ・インターフェースである。
【図3】圧力曲線の分析を示して制御するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースである。
【図4】種々のレベルと継続時間についての、図3のグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一部を示す。
【図5】圧力サンプリングの結果を示すためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースである。
【図6】個人内の圧力曲線の比較を示す。
【図7】単一脈圧波の分析中に測定されるパラメータを示す。
【図8】単一脈圧波を示すためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一部である。
【図9】注入テスト中の単一脈圧波の圧力記録とパラメータを示すためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースである。
【図10】種々の単一脈圧波のパラメータの比較を示す。
【図11】本発明の種々の応用のブロック図である。

Claims (34)

  1. 患者の体腔内の圧力を測定して分析する方法であって、
    a) 所定期間(以後、記録期間と呼ぶ)中に少なくとも1個のセンサにより圧力を測定して、この圧力を表す少なくとも1つの信号を与え、
    b) 選択された間隔で前記圧力を表す前記信号をサンプリングし、前記サンプリングされた信号をディジタル形式に変換し、このディジタル・サンプル値を時間基準と共に記憶させ、
    c) この記憶したサンプル値を分析して、
    c1) レベルと継続時間との任意の選択された組合わせを持つ圧力の高さの数と、
    c2) レベル差と継続時間の変化との任意に選択された組合わせを持つ圧力変化の数と、
    c3) 最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間、任意の他の単一パルス波のパラメータに関する所定の特性を持つ単一脈圧波の数と、
    の少なくとも1つの表示を生成して、
    前記数が所定期間に関係し、かつ
    c3)で行う分析が、ゼロ基準レベルを含まない圧力と時間の相対差との計算およびゼロ基準レベルを含む絶対差の計算またはそれらのいずれかを含む、
    方法。
  2. ステップa)は患者の体腔内にセンサを埋め込むことを含む、請求項1記載の方法。
  3. ステップa)は音またはその他の測定信号を用いるセンサにより非侵襲的な技術を適用することを含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの信号は血圧を表し、ステップc1)−c3)に従う他の圧力信号は頭蓋内圧、血圧、脳脊髄液圧、脳潅流圧を表す、請求項1記載の方法。
  5. ステップc)は、
    c4) 記録期間中の測定結果の数の計算と、
    c5) 測定結果の計算と、
    c6) 前記測定結果比が或るレベルより高いとき、サンプル値と時間基準とのシーケンスの記録の除去と、
    を含む、請求項1記載の方法。
  6. ステップでの表示は絶対数または百分率または期間当たりの数の形の以下のデータ、すなわち、
    ・ 実際の記録期間中の絶対数または百分率と、
    ・ 標準化された記録期間(例えば、1分、1時間、10時間)中の数または百分率と、
    ・ 選択された心拍数(例えば、毎分60の標準化された心拍数)に応じて標準化された数または百分率と、
    ・ 標準データまたは基準データに関する数または百分率と、
    ・ 連続的な記録期間中に繰り返し計算された数または百分率と、
    を表示するステップを含む、請求項1記載の方法。
  7. ステップb)のサンプリング速度は少なくとも10Hzであり、記録期間は少なくとも24時間である、請求項1記載の方法。
  8. ステップb)のサンプリング速度は少なくとも100Hzである、請求項7記載の方法。
  9. ステップb)のサンプリング速度は少なくとも200Hzである、請求項7記載の方法。
  10. 前記記録期間は少なくとも48時間である、請求項7記載の方法。
  11. 患者に取り付けた圧力センサからの圧力記録を記録して記憶する装置であって、
    ・ 前記装置を圧力センサに接続するための第1のコネクタ(4)を有し、
    ・ 受けた圧力測定値をディジタル形式に変換するためのアナログ・ディジタル変換器(7)を有し、
    ・ 前記アナログ・ディジタル変換器(8)と通信する処理手段を有し、前記ディジタルに変換された圧力測定値のサンプルを読み取り、かつ前記処理手段に接続されたデータ・メモリ(9)に前記測定値を時間基準と共に記憶し、
    ・ 前記処理手段と通信する入力/出力インターフェース(10)を有し、かつ、前記装置を外部計算手段(6)に接続するための第2のコネクタ(22)に接続され、
    ・ 前記装置に電力を供給する電源を有する、装置。
  12. 更に、
    ・ 前記第1のコネクタに接続されて前記装置から前記センサへの電気エネルギーの伝送を防ぐための電気回路、
    を備える、請求項11記載の装置。
  13. 更に、
    ・ 前記受けた圧力測定信号からノイズを除去するための信号調整器、
    を有する、請求項11記載の装置。
  14. 前記信号調整器は前記第1のコネクタと前記アナログ・ディジタル変換器との間に接続するアナログ・フィルタである、請求項13記載の装置。
  15. 前記信号調整器は前記アナログ・ディジタル変換器の出力に接続するディジタル・フィルタである、請求項13記載の装置。
  16. 更に、
    ・ 制御および較正信号を入力するための入力コントローラ、
    を有する、請求項11記載の装置。
  17. 更に、
    ・ 前記処理手段に接続するディスプレイ、
    を有する、請求項11記載の装置。
  18. 前記データ・メモリは前記処理手段の動作を制御する命令を更に含む、請求項11記載の装置。
  19. 前記データ・メモリ内のメモリ容量が低下したことまたは前記電源の電力容量が低下したことを検出すると、可聴または可視の警報を生成する機能を有する警報回路を更に含む、請求項11記載の装置。
  20. 前記データ・メモリはランダム・アクセス・メモリ(RAM)回路である、請求項11記載の装置。
  21. 前記データ・メモリは磁気記憶装置である、請求項11記載の装置。
  22. 前記プロセッサと前記アナログ・ディジタル変換器との組合わせは受けた圧力測定値を少なくとも10Hzのサンプリング速度でサンプリングする機能を有する、請求項11記載の装置。
  23. 前記サンプリング速度は少なくとも100Hzである、請求項22記載の装置。
  24. 前記サンプリング速度は少なくとも150−200Hzである、請求項22記載の装置。
  25. 前記プロセッサは最小サンプリング速度と最大サンプリング速度との間のサンプリング速度で動作するように入力制御手段を通してプログラム可能である、請求項11記載の装置。
  26. 前記データ・メモリは前記受けた圧力測定値を最大サンプリング速度で少なくとも24時間連続サンプリングした値を記憶する容量を有する、請求項11記載の装置。
  27. 前記データ・メモリは前記受けた圧力測定値を最大サンプリング速度で少なくとも48時間連続サンプリングした値を記憶する容量を有する、請求項11記載の装置。
  28. 複数の入力コネクタと、2個以上の圧力センサからの圧力信号を連続記録するための前記入力コネクタからの圧力信号を多重通信する手段とを有する、請求項11記載の装置。
  29. 記録された圧力データを分析するシステムであって、
    a) ディジタル圧力サンプル値の集合を受けるための通信インターフェースを有し、
    b) 前記受けたサンプル値を時間基準と共に記憶するためのデータ・メモリを有し、
    c) 前記データ・メモリにアクセスする処理手段を有し、前記サンプル値を分析して、
    c1) レベルと継続時間との任意に選択された組合わせを持つ圧力の高さの数と、
    c2) レベル差と継続時間の変化との任意に選択された組合わせを持つ圧力変化の数と、
    c3) 最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間、任意の他の単一パルス波のパラメータに関する所定の特性を持つ単一脈圧波の数と、
    の少なくとも1つを決定し、
    前記数と期間との関係は、
    ・ 実際の記録期間中の圧力の高さ、または変化、または単一波のパラメータの数または百分率と、
    ・ 標準化された記録期間(例えば、1分または1時間)中の圧力の高さ、または変化、または単一波のパラメータの数または百分率と、
    ・ 標準化された心拍数に応じた記録期間中の圧力の高さ、または変化、または単一波のパラメータの数または百分率と、
    であり、
    実時間でオンラインの分析/表示は、
    d) 前記処理手段と通信し、前記プロセッサ手段との組合わせで、前記分析されたデータを示す機能を有するグラフィカル・ユーザ・インターフェースと共に前記圧力サンプルに行った任意の分析の結果の視覚表示を、
    ・ 前記記録期間中繰り返して、前記繰り返し分析されたデータの比較と共に、
    ・ 標準または基準データと共に、
    生成するビデオ・インターフェースと、
    e) 前記生成された視覚表示を表示するディスプレイと、
    f) 前記システムのユーザが前記分析と前記表示との基礎とすべきパラメータを入力し変更するのに用いる入力手段と、により可能である、ことを備える、システム。
  30. 前記パラメータは、
    ・ 圧力の高さの数を定義する圧力間隔と、
    ・ 圧力変化のステップの大きさの数を定義する圧力変化間隔と、
    ・ 継続時間の数を定義する期間と、
    ・ 最小値、最大値、振幅、潜伏時間を含む圧力波の特性と、
    ・ 分析の種類の選択と、
    ・ 絶対数としての数、または百分率、または標準化された記録期間中の数/百分率または所定の心拍数の数/百分率の表示の選択と、
    の少なくともいくつかを含む、請求項29記載のシステム。
  31. 圧力サンプルを時間基準と共に表す値の集合を記憶するコンピュータを制御するためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータで実行するプログラム命令が、
    ・ 前記サンプルの集合の分析の基礎とすべきパラメータの集合をユーザ・インターフェースから受けるか、または予め記憶されたデフォルト値として受け、
    ・ 前記サンプル値を分析して、
    1) レベルと継続時間との任意に選択された組合わせを持つ圧力の高さの数と、
    2) レベル差と継続時間の変化との任意に選択された組合わせを持つ圧力変化の数と、
    3) 最小値、最大値、振幅、潜伏時間、立上がり時間に関する所定の特性を持つ単一脈圧波の数と、ただし、前記数は或る期間(記録期間、標準化された期間など)または標準化された心拍数に関連する数、
    の少なくとも1つを決定し、
    ・ 前記分析の視覚表示を生成する、ステップを備えたコンピュータ・プログラム製品。
  32. コンピュータが読み取り可能な媒体に記憶される、請求項31記載のコンピュータ・プログラム製品。
  33. 伝播信号で伝送される、請求項31記載のコンピュータ・プログラム製品。
  34. 医療装置コンピュータ、コンピュータ・サーバ、生命徴候モニタなどの携帯用装置または種々のシステムの中に一体化される、請求項31記載のコンピュータ・プログラム製品。
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