JP4384047B2 - 単一パルス圧力波群の解析のための方法 - Google Patents

単一パルス圧力波群の解析のための方法 Download PDF

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Description

人の体腔内の圧力を監視することは、多数の疾病及び病態の診断及び管理において重要な役割を有する。本発明は、人又は動物の体上での、又は体内での圧力測定から導出可能な圧力信号を解析するための方法、すなわち、特定の間隔で前記信号をサンプリングするステップと、圧力信号を参照時間(time reference)と共に圧力関連デジタル・データに変換するステップとを含む方法に関する。
より詳細には、本発明は、添付の独立請求項1及び94の前文に規定されている方法に関する。
人及び動物内の圧力を連続監視することは、広く普及している。連続圧力監視の間、本発明の技術でなく今日の既存の技術(以下、従来又は現行技術と称する)は、数秒の圧力記録の平均又は曲線下の面積を計算する。たとえば、6秒の所与の時間系列(time sequence)について、平均圧力は、圧力サンプル・レベルすべての和をサンプル数で除したものとして計算することができる。最も現代的なモニタは、計算された圧力値を5〜10秒ごとに更新する。それによって、単一波群内の情報は失われる。平均圧力が前記時間系列中の単一圧力波群に対応するか否かは、未知である。したがって、バイタル・サイン・モニタのスコープ上で示される心臓収縮期圧力、平均圧力、心臓拡張期圧力の絶対数では、単一波分布がわからない。この応用例の根拠は、平均圧力と単一波群(single waves)の振幅との間の線形関係の仮定である。
連続圧力記録を評価する現行の戦略に伴ういくつかの問題がある。現行技術は、ゼロ圧力レベル、通常は大気圧に対する圧力の較正を用いる。この状況は、記録期間中のゼロ圧力レベルのドリフトなど、様々な問題を生じる。絶対ゼロ圧力レベルの差は、異なる圧力記録間で圧力の誤った、又は不正確な差を引き起こし、圧力曲線を比較することを困難にするおそれがある。誤った連続圧力記録の他の原因は、センサ故障、圧力センサの誤配置、患者の運動に関連する低品質のセンサ信号、他の理由の低い信号対雑音比である。圧力信号の品質が良好であるか、それとも不良であるかを、連続圧力信号を評価する現行の戦略に従って判断することは困難となる可能性がある。本発明は、単一圧力波群の評価を含む圧力関連デジタル・データの解析という新しい戦略を導入して、これらの問題を解決することを目的とする。
連続圧力信号は、心拍に関連して、時間の経過につれて変動する。人又は動物の体腔内では、単一圧力波群が、心拍動のそれぞれによって生み出される波から形成される。たとえば、頭蓋内血圧波と動脈血圧波は、頭蓋内圧力波が左心室の収縮から生じるため、密接に関連している。各鼓動は、単一圧力波と名付けられているパルス圧力波を引き起こす。これらの波は、心拍に関連して、心臓拡張期最小圧力と、後続の心臓収縮期最大圧力とを有する。以前、単一波パラメータの知識を日常の診療に取り入れることが可能でなかったとき、心拍数が変動し得るものであり、単一波群が時間の経過につれて頻繁に波動し、個人変動が大きいことに、この状況は関連している。いわゆるスペクトル解析又はフーリエ解析は、圧力の波動を評価するが、単一圧力波群を解析することによるものではない。
非侵襲性圧力監視は、血圧及び眼圧監視について部分的に確立されているが、単一波分布の識別と共に連続単一波監視を可能にする方法又は装置はない。具体的には、圧平眼圧測定が、眼内圧測定、血圧測定、及び乳幼児の頭蓋内圧の測定のための非侵襲的方法である。
診断及び治療上の理由で圧力を記録することができる、いくつかの人又は動物の体腔がある。たとえば、人又は動物の体腔内の圧力は、動脈血圧、頭蓋内圧、髄液圧、眼圧、尿道圧、胃腸管圧に関連する。本発明は、主に、血管、頭蓋内区画、髄液(CSF)系、眼球並びに尿道及び膀胱内での単一波群の監視から導出可能な圧力信号の解析のために設計された。しかし、これらの腔は、本発明の文脈における限定を表すものではない。他の腔は、食道、肛門管、及び指定されない他のものとすることができる。したがって、本発明は、圧力導出可能信号の解析のための一般的な方法に関するため、本発明は、いくつかの特定の人又は動物の体腔だけからの圧力の解析に限定されない。
本発明は、連続圧力関連信号の解析に関する。そのような圧力関連データは、様々な圧力センサ及び圧力トランスデューサから導出することができる。センサのタイプにかかわらず、連続圧力信号が測定され、単一波群をサンプリングするための機会を提供する。そのようなセンサの例は、侵襲性監視用の固体又は光ファイバ機械式センサ、及び、動脈血管若しくは静脈血管、髄液、又は膀胱/尿道など、流体系内圧力の侵襲性監視用のセンサである。圧力を示す信号を提供する様々な他のタイプのセンサがある。その例は、ドップラー技術の原理を使用する血圧の非侵襲性測定又は酸素飽和度の測定、並びにドップラー技術又は音響信号を使用する頭蓋内圧の非侵襲性測定である。非侵襲性監視の最もよく知られている原理は、圧平眼圧測定の原理を使用する。たとえば、圧平眼圧測定は、乳幼児における泉門圧、並びに眼圧及び動脈血圧の監視のために使用される。本発明に独自なものは、単一圧力波群を解析する本発明の方法を使用しながら単一圧力波群をより最適に検出することによる、単一波分布を決定するための機会である。
より具体的には、また、本発明の第1の態様で、方法は、選択された時間系列について、
a)前記デジタル・データから、前記圧力信号内の単一圧力波群を識別するステップと、
b)前記単一圧力波群について絶対平均圧力を計算するステップと、
c)前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップと、
d)振幅、待ち時間、立ち上がり時間係数に関連してそのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップと、
e)第1の行列内に振幅及び待ち時間の予め選択された値を有する単一圧力波の発生数をプロットするステップと、
f)第2の行列内に立ち上がり時間係数の予め選択された値を有する単一圧力波の発生数をプロットするステップと、
g)前記第1の行列内で振幅と待ち時間の組合せの均衡位置(balanced position)を決定するステップと、
h)前記第2の行列内で立ち上がり時間係数の均衡位置を決定するステップと、
i)ステップg)及び/又はh)で得られた均衡位置を数値として、又は加重値に関連するものとして提示するステップというさらなる発明のステップを含む。
本発明のこの第1の態様のさらなる諸実施例は、従属請求項2〜93に規定されている。
本発明の第2の態様では、より最適な単一圧力波検出のためにその方法が適用され、解析のための方法は、
− 前記単一圧力波関連パラメータ群を、短い時間系列、たとえば3秒間の間に識別するステップと、
− 前記時間系列中に単一圧力波関連パラメータ群について前記決定するステップに基づいて、解析出力を確立するステップと、
− 前記時間系列のそれぞれについて、前記単一圧力波解析出力に関連する送達可能な第1の制御信号を確立するステップであって、
− 前記第1の制御信号が、前記解析出力のための1つ又は複数の選択可能な基準に従って決定されるステップとをさらに含み、
その方法はさらに、
− 前記送達可能な第1の制御信号を、前記第1の送達可能な制御信号に対応するレギュレータ送達可能な第2の制御信号に修正するステップと、
− 前記第2の制御信号をセンサ調節デバイスに送達し、前記センサ調節デバイスの性能を修正させるステップとを含む。
本発明のこの第2の態様のさらなる諸実施例は、従属請求項95〜109に規定されている。
したがって、本発明は、特定のタイプの圧力信号に限定されないが、信号は、所与の時間系列について連続していなければならない。連続圧力監視中には、単一圧力波群が参照時間と共にサンプリングされる。アナログ圧力信号が、デジタル圧力関連データに変換される。各波は鼓動を表すため、サンプリング・レートが既知であるとき、心拍数は既知である。単一波分布の決定は、実時間/オンライン圧力監視の際に使用することができる。単一波群の処理は、圧力信号のサンプリング後に実行することができる。データ処理は、いくらかの遅延を伴って行われるが、遅延は観察された現象にとって重要でないため、監視は実時間である。単一波群の識別中には、連続圧力信号は、ノイズ信号が除去される濾波及び連結手順を受ける。各単一圧力波は、心臓拡張期最小(Pmin)値及び心臓収縮期最大(Pmax)値に従って識別される。誤ったPmin及びPmax値は除去される。正しいPmin/Pmax値の識別は、単一波振幅(ΔP)、待ち時間(ΔT)、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)値に対する所定の閾値によって行われる。正しく識別された単一圧力波群に対して、短い時間系列(たとえば、5秒ごと)について単一波パラメータ群[振幅(ΔP)、待ち時間(ΔT)、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)]が決定される。識別済み単一圧力波群を有するそのような短い時間系列が、選択された基準に従って受け入れられ、あるいは拒絶される。待ち時間は、圧力が心臓拡張期最小から心臓収縮期最大に増大したときの時間系列を表し、この時間系列中に発生した圧力変化が振幅である。単一波群についての最大(Pmax)値及び最小(Pmin)値が識別され、計算された行列は、垂直列に振幅(ΔP)を、水平行に待ち時間(ΔT)を含む。したがって、振幅は、列の命名に関連し、待ち時間は、行の命名に関連する。振幅と待ち時間の様々な組合せを有する単一波の数又は割合が、第1の行列内で計算される。振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)の発生の均衡位置が決定される。1次元の第2の行列内には、所与の立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)をプロットして単一圧力波の発生数がプロットされ、均衡位置が決定される。さらに、時間係数全体についての平均圧力として、又は前記時間系列中だけの単一圧力波群についての平均圧力として、前記時間系列中の絶対圧力値が決定される。記録シーケンスに関連するこれらの単一圧力波パラメータのすべてを、データベース内に記憶することができる。
単一波群は、固定の時間系列中(たとえば、5秒ごと)に、繰り返し記録される。そのような選択された時間系列は、好ましくは5〜15秒の間で様々な持続時間を有することができる。実際の心拍数は、この特定の状況において結果に影響を及ぼさないはずである)。様々なタイプのオンライン表示が可能である。振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)の均衡位置が2次元の加重行列内にプロットされたとき、均衡位置は、たとえば、トレンド・プロット(Y軸上の加重値とX軸上の時間)で、又はヒストグラム(X軸上の加重値とY軸上の発生の比率又は絶対数)で、1つの加重値として表すことができる。所与の時間系列について、単一波組合せの数又は割合がヒストグラム内で提示される。Y軸上では、待ち時間と振幅の様々な単一波組合せの発生割合(percentage occurrence)が示され、様々な待ち時間/振幅組合せが、X軸上で示される。たとえば、0.2|3.5というX軸上のラベルを有するヒストグラム内のバーは、実際の記録時間5秒の間の単一波の総数の割合において、0.2秒の待ち時間と3.5mmHgの振幅を有する単一波の発生割合を示す。行列及び/又はヒストグラムは、いくつかの統計解析にかけることができる。一実施例では、ヒストグラム又は行列内で均衡位置を決定することが有用である。この均衡位置は、セントロイド又は分布中心と称することができるが、これらの用語は、本発明の範囲の限定を表していない。本発明では、均衡位置という用語が好ましい。均衡位置は、第1の行列(表I参照)内の振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)組合せの発生の均衡位置を指すことも、第2の行列内の立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の均衡位置を指すこともできる。この状況では、均衡位置は、単一圧力波パラメータ組合せの平均頻度分布である。
本発明によれば、単一波分布の行列及びヒストグラムは、異常と見なすことができる単一波分布のための警報機能を含めて、オンラインで繰り返し計算することができる。それによって、単一波群の連続更新が、圧力を提示する代替の方法である。そのような実施においては、単一波分布を5秒又は10秒ごとに更新することができる。
本発明によれば、非侵襲性圧力センサによる単一圧力波群の検出から圧力信号をより最適に解析するための方法が説明される。圧力記録の短い時間系列中(たとえば、3秒ごと)に、単一圧力波パラメータ群が計算される。前記時間系列のそれぞれの間で、センサ調節デバイスに制御信号を送るレギュレータによってセンサ調節デバイスが修正される。処理装置内での前記解析の結果が制御信号をレギュレータに送り、レギュレータは、別の制御信号をセンサ調節デバイスに送る。それによって、単一波解析の本発明の方法は、最適な単一圧力波検出を提供するためにセンサ・デバイスの機能を修正することができる。一例が圧平眼圧測定に関連して述べられているが、これは、本発明の範囲の限定を表していない。空気圧ポンプとベローが、通常押付け(hold down)圧力と呼ばれる圧力が測定される腔(たとえば、動脈)の上方の皮膚及び組織に対してトランスデューサ・アレイを押し付ける。いくつかのデバイスでは、最適な圧力を決定するために最適な信号を測定するまで、モニタが、ある範囲の圧力値を探索する。しかし、単一波分布の決定は、これらの方法によって可能ではない。本発明は、最適な単一圧力波検出を可能にする。さらに、本発明によれば、独立した技法による較正の必要がない。乳幼児における泉門圧の監視に関しては、基本的に同じ原理が使用される。これらの場合、眼圧測定により新生児上で非侵襲的に圧力を測定することができる。単一圧力波をサンプリングするための機会を提供する眼圧測定の技法はない。
本発明の特定の特徴は、添付の独立方法請求項に述べられており、一方、関連の従属請求項は、それぞれ有利な、例示的な実施例とその代替について述べている。
単一パルス圧力波群1のサンプリング、解析、表示に関して、大気圧などゼロ圧力レベルに関係せずに、圧力の相対差が計算される。本発明は、時間系列内に含まれる以下のパラメータの測定及び解析を実現する(図1)。
a)最小(Pmin)2は、単一波の心臓拡張期最小圧力として、又は波の谷として定義される。個々の単一圧力波は、心臓拡張期最小(Pmin)値で開始/終了する。
b)最大(Pmax)3は、単一波の心臓収縮期最大圧力として、又は波のピークとして定義される。
c)振幅(ΔP)4は、圧力が心臓拡張期最小圧力(Pmin)から心臓収縮期最大圧力(Pmax)に増大したとき圧力差として定義される。
d)待ち時間(ΔT)5は、圧力が心臓拡張期最小圧力(Pmin)から心臓収縮期最大圧力(Pmax)に変化したとき、単一波の時間間隔として定義される。
e)立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6は、振幅を待ち時間で除した関係として定義される。
f)波長7は、波の開始を表す心臓拡張期最小圧力(Pmin)と、波の終了を表す心臓拡張期最小圧力(Pmin)との間の単一パルス圧力波の持続時間として定義される。波長は、Pmin−Pmin持続時間と呼ばれ、最初のPminは含まれ、終了Pminは含まれない。
波形が正しく再現されるか否かはまた、十分な解像度と、十分なサンプリング・レートによって決まる。図1aでは、標準化された単一パルス圧力波1が示され、定量的に解析することができる単一波の様々なパラメータを示す。単一の頭蓋内圧波は、3つのピーク、すなわち第1のピーク(P1)8、第2のピーク(P2)9、第3のピーク(P3)10を含む可能性がある。最大ピークは、第1のピーク(P1)8又は衝撃波の上端と呼ばれる。波の下向段階中には、2つのピーク、すなわち、しばしば潮汐波(tidal wave)と呼ばれる第2のピーク(P2)9と、しばしば重拍波(dicrotic wave)と呼ばれる第3のピーク(P3)10がある。従来技術より、絶対圧力値によって様々なピークが存在するか否か判定することができることは周知である。最大値(Pmax)3は、通常、第1のピーク(P1)8に関連するが、圧力が増大するにつれて、第2のピーク(P2)9もまた、最大値(Pmax)3になる可能性がある。この後者の場合には、心臓収縮期最大(Pmax)3は、第2のピーク(P2)9によって表される。最大値(Pmax)3及び最小値(Pmin)2に従って単一波群1を規定するアルゴリズムでは、最大値(Pmax)3が第1のピーク(P1)を表すのか、それとも第2のピーク(P2)を表すのか判定することは必ずしも可能でないことに留意されたい。誤解を避けるために、本発明は、心臓収縮期最大圧力値(Pmax)3と心臓拡張期最小圧力値(Pmin)2とに従って単一圧力波群1を識別することに関する。したがって、本願では、第1のピークの振幅(ΔP)4は、心臓拡張期最小圧力(Pmin)2と心臓収縮期最大圧力(Pmax)3との圧力差として定義され、第1のピークの待ち時間(ΔT)5は、圧力が心臓拡張期最小圧力2から心臓収縮期最大圧力3に増大する時間間隔として定義される。しかし、波の上端が第1のピークに対応するか否か正確に識別することは必ずしも可能でないことに留意されたい。様々なピークが識別されるか否かは、サンプリング・レート及び/又は分解能によって決まる。したがって、本明細書で述べられている方法は、異なるピーク(P1〜3)が識別されることを必要としない、換言すれば、本発明は、特定のピークP1〜P3の識別に限定されない。したがって、単一波群1は、心臓収縮期最大(Pmax)3が第1のピーク(P1)8に関連するのか、それとも第2のピーク(P2)9に関連するのかにかかわらず、心臓拡張期最小値(Pmin)2及び心臓収縮期最大値(Pmax)3に従って識別される。実際には、第1のピークと第2のピークを区別することはほぼ不可能となる可能性がある。
他の実施例では、第2のピーク(P2)9及び第3のピーク(P3)10を参照することができる。最大値及び最小値は、異なるピーク(P1〜P3)について指定することができ、また、単一圧力波パラメータ群である振幅4、待ち時間5、立ち上がり時間係数6は、特定の圧力ピーク(P1〜P3)8〜10のそれぞれを参照するものである。この状況では、第1のピーク(P1)8の識別は、最大3及び最小2に対するものである。また、第2のピーク(P2)9の識別は第1のピーク(P1)8に対するものであり、第3のピーク(P3)10は第2のピーク(P2)9に対するものである。この実施例は、各ピーク(P1〜P3)が単一圧力波1内で決定されることを必要とする。したがって、待ち時間4、振幅5、立ち上がり時間係数6は、前記単一圧力波群のそれぞれを参照するものとすることができる。
重要な本発明のステップは、所与の時間系列11内での単一圧力波パラメータ群の識別である。時間系列11は、連続圧力監視中の圧力記録の指定された期間を指す。現行技術を参照すると、連続圧力信号の絶対平均圧力は、通常、5〜10秒の短い時間系列11内で計算される。これが行われるのは、連続圧力記録のある時間中に圧力値を定期的に更新することが有用であるからである。現行技術に対して比較可能とするために、本発明者は、5秒持続時間と15秒持続時間の間の時間系列を選択する。したがって、時間系列の長さが5〜15秒の範囲内にあるべきであることが提案される。発明者は、5秒又は6秒の時間系列を使用することが有用であることを見出した。後者の状況では、連続記録期間は、一連の多数の連続する、6秒の短い時間系列を組み合わせたものと考えられる。6秒時間系列11の数は、連続圧力記録の1分の間で10、30分の間で300、1時間の間で600、10時間の間で6000、20時間の間で12000である。発明者は、これらの6秒時間系列11を記録期間の構成単位と見なした。しかし、時間系列は、ユーザによって選択された任意の持続時間のものとすることができるので、時間系列11(又は構成単位)の持続時間(たとえば、5又は6又は8秒持続時間)のこれらの提案は、本発明の範囲の限定と見なすべきでない。
図1bを参照すると、x軸上では、圧力記録の時間12が示され、y軸上では、圧力レベル13が示されている。時間スケール12に沿って、それぞれが6秒持続時間である2つの時間系列11が示されている。(第1と呼ばれる)第1の時間系列11は、時間スケール12上で秒1から6まで継続し、(I〜VIIIと採番された)8つの単一圧力波1を示す。(第2と呼ばれる)第2の時間系列11は、時間スケール12上で秒6から12まで継続し、やはり(I〜VIIIと採番された)8つの波1を含む。圧力スケール13上では、絶対圧力レベルが示され、さらに、単一波振幅4の値をも示す。図1bに示されているように、(第2と呼ばれる)第2の時間系列11内の第1の単一圧力波1は、Iと呼ばれる波である。この単一波1は、第2時間系列内でその最後の最小(Pmin)2を有する。発明者は、時間系列11が常に、最後のPminが前記時間系列内にある、完全な波長7(Pmin−Pmin)を有する単一圧力波1で開始するという基準を適用した。(第1と呼ばれる)第1時間系列を考えてみたとき、最後の波は、第1時間系列内で終了せず、第2時間系列内で終了する。したがって、この波は、第2時間系列内に含まれる。単一波群を解析から除外しないために、2つの時間系列11間に位置する単一圧力波1が、先行する時間系列内に位置するべきか、それとも後続の時間系列内に位置するべきか判定するために、基準を含めなければならない。戦略は選択された基準に依拠する。この戦略は、時間系列の概念に関して限定を表していない。
本発明において述べられている連続圧力信号の解析の方法は、そのような選択された時間系列中の連続圧力信号に適用される。本方法は、連続測定期間中に、連続する一連の前記時間系列内の前記時間系列のそれぞれについて、連続圧力信号すべてに適用される。したがって、連続圧力記録期間は、前記時間系列が選択された基準に従ってさらなる解析のために受け入れられる、又は拒絶される、連続する一連の前記時間系列を組み合わせたものと考えられる。
連続圧力信号の測定に基づいて、様々な戦略を使用し、単一波群を識別することができる。圧力信号は参照時間と共に記録されるため、各圧力信号は、時間スケール12上で識別することができる。一実施において、単一波群は、最大値(Pmax)3及び最小値(Pmin)2に従って識別される。以下は、最大値(Pmax)3及び最小値(Pmin)2を識別する手順の一実施例であるが、その実施例は、本発明の範囲を限定しないものとする。
圧力を示す信号をサンプリングする、また、前記信号をデジタル・データに変換する手順が述べられている。いくつかの戦略を使用することができるので、本明細書に述べられている特定のステップは、限定を表していない。信号条件付けの第1部は、ソフトウェア・フィルタである。このフィルタは、多くの高周波ノイズを除去する。高周波ノイズの発生源は指摘するのが必ずしも可能でないが、多数の異なる形状や大きさで常に存在することになる。様々なフィルタを使用することができる。発明者は、25Hzカットオフ周波数を有する25次ベッセル(Bessel)低域フィルタを適用することが有用であることを見出した。他のフィルタが使用可能である。フィルタは、過渡部と位相遅れを共に除去するようにプログラムされる。これは、信号内の最初の100サンプルのコピーを取り、次いで順序を逆にすることによって行われる。次いで、最初の100サンプルのコピーは、元の信号に連結される。このプロセスはまた、信号内の100個の最後のサンプルについて繰り返される。次いで、この信号がデジタル・フィルタ内で処理され、過渡部が、信号内の「新たに連結された」部分内に現れることになる。これは元の信号を破壊しない。位相遅れを除去するために、フィルタ済み信号は、フィルタ・アルゴリズムによって処理された信号からデータの部分集合を取ることによって復元される。部分集合は、元の信号に等しい長さでサンプル・インデックス109から取られる。このパラグラフ内で参照されている特定の値は、サンプリング周波数及び他の変数によって決まり、本発明の範囲の限定と見なすべきでない。
次に図2を参照する。人体内の大抵の圧力信号は、非常に動的な信号であり、心臓拡張期最小圧力及び心臓収縮期最大圧力に関連しない多数のピークと谷を含む。このパラグラフは、心臓収縮期最大(Pmax)3に関連するピークと、心臓拡張期最小圧力(Pmin)2に関連する谷とを規定する手順について述べる。ピーク(Pmax)及び谷(Pmin)の決定もまた、前記単一圧力波群1内の特定のピーク(P1〜P3)に関連する可能性があることに留意されたい。その信号もまた、人工的な信号と混同されることがある。この文脈では、ピークは最大値を、谷は最小値を指す。その結果、多数の望ましくない最大(Pmax)15及び最小(Pmin)14が検出される可能性がある。望ましくない、又は人工的な最小値(Pmin)14は、前記単一圧力波の心臓拡張期最小を表さない最小値であり、望ましくない、又は人工的な最大値(Pmax)15は、前記波の心臓収縮期最大値を表さない。望ましくない、又は人工的であると考えられるピーク又は谷は、識別手順中に使用される基準によって決まる。図2aに示されているように、最大値(Pmax)3及び最小値(Pmin)2を識別する手順は、常に多数の人工最大(Pmax)15及び最小(Pmin)14検出値を生じる。図2aでは、検出された最小値と最大値すべてが示されている。換言すれば、ピーク及び谷検出は、選択された基準に従って精練しなければならない。したがって、誤った最大値15及び最小値14を除去しなければならない。図2aでは、合計8つの誤った最大値15と、8つの誤った最小値14が示されている。取得された信号は、最初に、最小値と最大値の別個の検出を通る。最大ピーク閾値(又はピーク)が、予め定義された値より長い持続時間で、信号内の最も低いレベルに設定される。様々な予め定義された値を選ぶことができる。最小閾値(又は谷)は、最も高い信号レベルに設定され、谷の持続時間は、上述のように予め定義された値である。この解析の後で、最大値と最小値すべてが、振幅値及びロケーション値又はタイム・スタンプと共に表される。この手順は、多数の人工最大(Pmax)15及び最小(Pmin)14検出値を生じる。したがって、最大及び最小検出を精練しなければならない。精練の後において、その結果は、動的パラメータ解析を処理する関数に提示することができる承認済み最大(Pmax)3と最小(Pmin)2の対の集まりである(図2b)。最初に、最大値及び最小値のグループ化が実行される。最大ごとに後続の最小が見出される。この2つが、最大−最小(Pmin/Pmax)対をなす。後者の最大−最小対は、閾値レベルについて検査される。閾値は、所与の値より大きくなければならない。最大振幅及び最小振幅を減算することにより、これが行われる。発明者は、頭蓋内圧について次の基準を使用することが有用であることを見出した。すなわち、振幅(ΔP)4は、1.0mmHgと35.0mmHgの間に、待ち時間(ΔT)5は、0.10秒と0.40秒の間になければならない。動脈血圧の場合、閾値は、振幅(ΔP)4について30〜120mmHg、待ち時間(ΔT)5について0.10〜0.40秒であった。しかし、これらの閾値は、本発明の範囲の限定を表していない。他の閾値を使用することもできる。予め定義された値は、年齢に、また圧力のタイプ、圧力が測定される腔のタイプ、並びに潜在的な疾病など他の変数に依存する可能性がある。振幅(ΔP)4及び待ち時間(ΔT)5が予め選択された値と異なる場合、その対は廃棄される。動的な値はすべて、承認済み最小−最大(Pmin/Pmax)対を使用することによって計算される。承認済みPmin/Pmaxだけが、さらなる解析のために時間系列内に入力される。したがって、受け入れられたPmin/Pmax対は、受け入れられた心臓拡張期最小値(Pmin)2と、それに続く後続の心臓収縮期最大値(Pmax)3を指し、受け入れられた単一圧力波1を示す。どの心臓拡張期最小値(Pmin)2が単一圧力波を打ち切ると考えられるかに対しても基準が適用される。計算される値は、振幅(ΔP)(mmHgで表されるデルタ増分圧力)4、待ち時間(ΔT)5、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6、心拍数16である。最小から最大への待ち時間(ΔT)5は、単一波の圧力が心臓拡張期最小圧力(Pmin)2から心臓収縮期最大圧力(Pmax)3に増大した場合の時間である。その後で、ΔP/ΔT値6についてPmin/Pmax対が検査される。ΔP/ΔT値6は、(ピーク振幅−谷振幅)を(ピーク位置−谷位置)で除したものとして表すことができる。これは、たとえば収集された信号内のアーチファクトによって引き起こされたPmin/Pmax対をさらに除去することになる。所与の値以上の値を有するΔP/ΔT値はすべて、廃棄される。別の基準は、波長持続時間に関連する。波長は心拍数の尺度であるため、心拍数はさらに別の基準を表す。様々な基準を単一圧力波検出に適用した後で、ピークと谷の集まりは、今、承認済み単一圧力波群に対応する承認済みPmin/Pmax対だけを含んでいる。
図2bを参照すると、合計8つの受け入れられたPmin/Pmax対が示されている。個々の単一圧力波1は、時間スケール12上で参照時間と共に示され、単一波振幅のレベルは、圧力スケール13上で示されている。前記時間系列の持続時間は、6秒である。これらのPmin/Pmax対(すなわち、単一圧力波群)のそれぞれが心臓拡張期最小値2と、それに続く後続の最大値3を有することが示されている。さらに、時間系列11に対する単一圧力波群1の関係が示されている。最初の7つの受け入れられたPmin/Pmax対は、最初の7つの単一圧力波(I、II、III、IV、V、VI、VIIと呼ばれる波)に対応する。最後の受け入れられたPmin/Pmax対は、この時間系列11内に含まれないため、番号がない。これは、受け入れられた最小値2が時間系列11内で識別されなかったからである。そのような受け入れられた最小値2が後続の時間系列内で決定されたならば、この波は、次の時間系列内の最初の波となることになる(図1b参照)。
したがって、所与の記録期間の間、単一圧力波すべてが識別される。しかし、アーチファクトにより、いくつかの波を逃している。ソフトウェアは、アーチファクト及び逃した単一波の数の計算を可能にし、これを単一波の合計カウントに関連付ける。したがって、アーチファクト比を計算することができる。アーチファクトの数が非常に大きいと考えられるとすれば、記録期間を解析から除外することができる。そのようなアーチファクトは、受け入れられた単一圧力波群(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)のない圧力記録シーケンスに関連する。単一圧力波群を識別しないいくつかの理由がある。すなわち、圧力センサの故障は、誤った圧力記録を引き起こすおそれがある。圧力信号内のノイズは、別の理由である。正しい単一圧力波群の識別により、単一圧力波群を含む一部の圧力記録だけを含めるための機会が提供される。
単一波群の測定は、連続圧力信号を必要とするが、圧力信号は、可変レートでサンプリングすることができる。サンプリング周波数は、好ましくは10Hzを越えるものとするべきである。発明者は、最初に、最大値(Pmax)3及び最小値(Pmin)2を識別するために、少なくとも100Hzのサンプリング・レートを使用することで十分であることを見出した。個々のピーク(P1〜P3)8〜10について最大値Pmax3及び最小値Pmin2を見つけるために、より高いサンプリング・レート(少なくとも200Hz)が必要とされる可能性がある。谷(Pmin)及びピーク(Pmax)が特定のピークP1〜3を参照して決定されたとき、前記谷及びピークは、前記単一圧力波群についての、心臓収縮期最大圧力に関連する最大値(Pmax)、及び心臓拡張期最小圧力に関連する最小値(Pmin)に対するものである。
本発明は、特定の範囲のサンプリング周波数に限定されない。それどころか、サンプリング・レートは、様々な単一圧力波パラメータ群(すなわち、Pmin、Pmax、ΔP、ΔT、ΔP/ΔT)を検出するために十分なものであるべきである。
要するに、正しいPmin/Pmax対を識別する手順は、様々なステップを含む。すなわち、(1)デジタル圧力信号のフィルタ及び連結。(2)最小値(Pmin)及び最大値(Pmax)がすべて識別され、振幅値及びロケーション値(又はタイム・スタンプ)と共に表される。(3)Pmin/Pmax対がすべて識別され、最大値(Pmax)ごとに後続の最小値(Pmin)が見出される。(4)ΔP、ΔT、ΔP/ΔTのための閾値に関する予め選択された基準を満たすPmin/Pmax対だけが受け入れられる。(5)所与の時間系列についての単一圧力波パラメータ群が決定される。(6)時間系列のための基準に従って、時間系列がその後で受け入れられる、又は拒絶される。
時間系列11を参照して、どの単一圧力波群を含むべきであるかが問題となる。時間系列は、その時間系列の最初と最終部両方に一部の単一波群を含むことができる。この理由で波を廃棄することは有用でない。連続記録期間中に、2つの時間系列間で発生する単一圧力波群1は、選択された基準に従って第1又は第2の時間系列内に含まれる。本発明は、どの基準が使用されるかに限定されない。発明者は、次の手順を使用した。すなわち、第1に、時間系列11の最終部に関して、発明者は、時間系列11で、時間系列11内で終了しつつある単一波1、すなわち前記時間系列内のその最後のPminで終了する単一波である単一波1を含めることが有用であることを見出した。したがって、時間系列11内に含まれる最後の単一波1は、その最後のPminを含めて、その特定の時間系列内にその波長全体(Pmin−Pmax−Pmin)を有することになる。図2bに示されているように、単一波VII番の後の受け入れられたPmin/Pmax対は、提示されている時間系列内に含まれない。最後に受け入れられたPmin/Pmax対がPminを有していない場合、発明者は、次の時間系列が測定されるならば、この波を次の時間系列内で使用することが有用であることを見出した。それによって、次の時間系列の解析の結果を待つことなしに、前記時間系列について単一圧力波群を即座に解析することができる。第2に、時間系列11の第1部を考えたとき、第1の単一波1は、その最終Pminをこの時間系列内に有することになる。図1bを参照すると、(第2と呼ばれる)第2の時間系列内で、(Iと呼ばれる)第1の波は、その最終Pminが第2の時間系列内にある単一波である。同じ態様が図5a及び5bに示されている。
図1b、2a、2bには、単一圧力波群1の振幅(ΔP)4の値をも示す、絶対圧力レベルが圧力スケール13(y軸)上で示されている。振幅値(ΔP)4は、相対値であり、ゼロ圧力レベルに関連しない。なぜなら、振幅レベル(ΔP)4は、心臓収縮期最大圧力レベル(Pmax)3と心臓拡張期最小圧力レベル(Pmin)2との圧力差を表すからである。これは、本発明の重要な態様である。
単一圧力波群1の絶対圧力レベルもまた決定することができる。図1b、2a、2bの圧力スケール13は、大気ゼロ圧力レベルに関連する絶対圧力レベルを参照する。絶対圧力という用語は、圧力が大気ゼロ圧力レベルに関連する状況を指す。現行技術によれば、絶対圧力は、5秒の時間系列の間に圧力の平均(mean or average)として計算され、Y軸上で示されることができる。X軸は、圧力記録の時間を示す。本発明による曲線と、現行技術による従来の曲線との間の基本的な差は、圧力信号を処理する戦略に関連する。現行技術によれば、圧力は、5秒のシーケンスで処理することができ、5秒期間の間の連続圧力信号について平均又は曲線下の面積が計算される。この従来型手法によって、単一波群についての情報が失われる。平均圧力が計算される期間は、変わる可能性があり、監視システムに依存する。さらに、圧力サンプリング周波数に関して範囲が広い。大抵のモニタは、5〜8秒のシーケンスで平均圧力を計算するが、絶対平均圧力という用語は、特定の記録期間を指さない。
本発明は、時間系列に関連して、絶対平均圧力を計算することに関する新規の発明性のあるステップを導入する。この方法は、従来技術又は現行技術を表す方法1に対して、以下、方法2と称する。従来技術(方法1)と本発明による方法(方法2)との差は、図3aに示されている。絶対平均圧力が6秒の時間系列11の間に計算されることを考えると、現行技術は、図3aで合計と呼ばれる線によって示されている期間中の記録済み圧力信号すべてを考慮する。前記時間系列11についての絶対平均圧力は、すべてのサンプル値(圧力レベル)の和を前記時間系列中のサンプル数で除したものである。式1には、平均圧力を計算する手順が示されている(x=各サンプルについての圧力レベル、n=シーケンス内のサンプル数)。方法1により、図3aに提示されている時間系列について、絶対平均圧力1.85mmHgが計算された。
Figure 0004384047
図3aに示されている時間系列は、前記時間系列内の5つの受け入れられた単一圧力波1を示す(I、II、III、IV、Vと呼ばれる)。使用されている基準によれば、単一波IIIとIVの間の圧力信号は、単一圧力波群を示すものでなかった。本発明の基本概念は、圧力値は単一圧力レベルに関連するときだけ重要であるということである。なぜなら、単一圧力波群を示さない圧力信号は、圧力それ自体に関連せず、おそらくはノイズを表すからである。従来技術に従って計算された平均圧力は、圧力信号が単一圧力波群に関連するか否かを考慮しない。本発明は、新規の発明のステップ、すなわち、前記時間系列11についての平均圧力を、個々の単一圧力波(PminからPmin)すべてについての平均圧力の和を前記時間系列中の波数で除したものとして計算することを導入する。それによって、単一圧力波群に関連しない圧力サンプルは、特定の時間系列について絶対平均圧力を決定する際に含まれない。図3aに提示されている時間系列の場合、各個々の単一波(IからV)についての波長(PminからPmin)7が示されている。この状況では、公式1が各個々の単一波に適用され、各波は、心臓拡張期最小値で開始/終了し、前記単一圧力波1の波長(PminからPmin)7に等しい。式1によれば、各個々の単一波について、すべての圧力サンプル(圧力レベル)の和がサンプル数で除される。この特定の実施例では、サンプリング・レートが100Hzであった。絶対平均圧力は、単一圧力波Iについて2.5mmHg、波IIについて2.27mmHg、波IIIについて2.96mmHg、波IVについて−0.45mmHg、波Vについて1.07mmHgであった。第2に、時間系列全体について、前記時間系列中の各個々の単一波についての平均圧力の和が単一波数で除される。受け入れられない単一波群(又は時間系列)は、解析に含まれない。
方法2による図3aの時間系列についての平均圧力は、1.67mmHgであった[(2.5+2.27+2.96−0.45+1.07)/5]。実際に、方法1(1.85mmHg)と方法2(1.67mmHg)に従って計算された絶対平均圧力に関する差は小さかった。
図3bには、方法1又は方法2に従って計算された絶対平均圧力間の関係が示されている。y軸上では、絶対平均圧力17が方法1に従って計算された平均圧力を参照し、x軸上で方法2に従って計算された絶対平均圧力18を参照する。散布図19内の各プロットは、どちらかの方法によって計算された絶対平均値を参照する。どちらの方法も、合計75個の連続圧力記録における一連の連続時間系列中の個々の時間系列6秒に適用された。これらの75個の連続圧力記録は、それぞれ6秒間継続する合計873546個の時間系列11を含んでいた。これらの時間系列のうち、合計144835個の時間系列が、選択された基準に従って拒絶された。20862個の時間系列内で単一圧力波群が見出されなかった。それによって、図3bに提示されているプロットは、それぞれ6秒間継続する合計707849個の時間系列に基づくものである。図3bに示されているように、グループ・レベルでは、回帰線20によって示されているように、方法1と方法2に従って計算された平均圧力間に非常に高い相関が存在する。
両方の方法によって計算された絶対平均圧力間の非常に高い相関にかかわらず、本発明の方法(方法2)における主な利点は、単一圧力波群が識別されたときだけ絶対平均圧力が計算されることである。単一圧力波群が受け入れられない、又は識別されない場合、絶対平均圧力は計算されない。一方、方法1は、単一圧力波群が存在しようとしまいと平均圧力を計算する。次に、約11時間54分間継続する頭蓋内圧記録を示す図4を参照する。この連続記録期間は、連続する一連の7145個の時間系列11で構成されていた。合計7つの時間系列11だけが受け入れられ、一方、7134個の時間系列11が単一圧力波群を含んでおらず、4つの時間系列11が、選択された基準に従って拒絶された。図4aには、単一圧力波群を含んでいなかった6秒の時間系列11の1つの例が示されている。絶対圧力レベルは、2mmHgと3mmHgの間であった。図では、圧力信号は、単一圧力波群1に関連せず、望ましくない、又は人工的な最小値14及び最大値15だけを含んでいた。方法1によれば、各時間系列11についての平均圧力が、すべての圧力サンプル・レベルの和を圧力サンプル数で除したものとして計算される。図4bでは、それぞれ6秒である各時間系列内で計算された方法1による平均圧力17が、時間スケール12内の時間に対して繰り返しプロットされる。平均圧力トレンド・プロット(圧力曲線)21は、反復プロットで構成され、各プロットは、6秒時間系列11の平均圧力値を表す。圧力曲線21だけ考えたとき、その曲線が受け入れられるか否か知ることは可能でない。絶対平均圧力トレンド曲線21の例もまた、図9a、9c、10a、10c、11a、11cに示されている。図4cには、y軸が、方法2に従って計算された絶対平均圧力18を示し、x軸が時間スケール12を示す別のトレンド・プロットが示されている。図4cには圧力曲線が見出されなかった。したがって、本明細書に述べられている方法(方法2)による、所与の時間系列内での平均圧力の計算は、単一圧力波群が識別されないとき圧力値を計算しないという大きな利点をもたらす。単一圧力波群が存在するとき、本方法により、従来の技術に従って計算された絶対平均圧力に非常に似た絶対平均圧力値が得られる。
次に、図5a及び図5bを参照する。1つの単一波1は、波の持続時間(図1a及び図3a参照)である、1つの最小値(Pmin)から別の最小値(Pmin)に戻る持続時間を有する。時間系列11の間に、心拍数16を2つの方法(HR法1及び2)に従って計算することができる。第1の方法(HR法1)によれば、心拍数16は、前記時間系列中の単一圧力波の数を前記時間系列の持続時間で除したものに等しいと定義される。図5aを参照すると、心拍数は、波数を記録時間(秒)で除したものに等しい。6秒の第1の時間系列11の間に、7つの単一圧力波が識別されており(IからVII)、心拍数7/6秒(=1.2/秒)を与える。
別の戦略(HR法2)は、波数を前記単一圧力波の合計波長で除したものとして心拍数を定義している。1つの単一圧力波では、波長全体が、PminからPminまでの持続時間として定義される。心拍数は、ある時間系列中の単一圧力波の数を、これらの波が発生した時間系列の持続時間で除したものである。心拍数法2は、心拍数法1よりいくらか正確である。というのは、第1の方法だけが、単一波群が発生した時間系列の持続時間を含むからである。図5aを参照すると、7つの単一圧力波(IからVII)の波長(すなわち、Pmin−Pmax−Pmin)の和は5.7秒であり、心拍数は、7/5.7秒(=1.2/秒)となる。心拍数におけるいくらかの微差を2つの方法によって計算することができる。
本発明は、その解析方法を介して、少なくとも2つのレベルの、時間系列11が正しい単一圧力波群を含むかどうか検証することを含む。すなわち、(1)単一圧力波群が時間系列内に入るのを受け入れる、又は拒絶するための基準。(2)個々の時間系列を受け入れる、又は拒絶するための基準。時間系列11が、基準に従って受け入れられない場合、時間系列11は、さらなる解析に対して拒絶される。
第1に、単一波群1の識別のための主な戦略は、振幅(ΔP)4、待ち時間(ΔT)5、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6の範囲に関して、受け入れられたPmin/Pmax対に適用される基準に関連する。予め選択された要件を満たさない単一圧力波群は拒絶される。その最終Pmin2がその特定の時間系列11内にある第1の受け入れられたPmin/Pmax対である第1の受け入れられたPmin/Pmax対を含めて、新しい時間系列11が開始される。これについては、図2a及び図2bについて述べた。図2aには、合計17個のPmin/Pmax対が示されている。単一圧力波基準がこれら17個のPmin/Pmax対に適用された後で、合計8つのPmin/Pmax対だけが受け入れられた(図2b)。しかし、7つの単一圧力波(IからVII)だけが時間系列内に含まれた。なぜなら、波VIIの後に続く受け入れられたPmin/Pmax対は、その特定の時間系列内で受け入れられたPmin値が後に続かないからである。したがって、この後者の受け入れられたPmin/Pmax対は、受け入れ可能なPminが識別されたならば、後続の時間系列内に含まれた。
第2に、基準を個々の時間系列11に適用し、時間系列全体が受け入れられるか否か判定することができる。この戦略は、その時間系列中の単一圧力波の数(又は心拍数)に関連する。ある時間系列の間に、心拍数16は、生理学的制限内とするべきである。時間系列内の単一波の数について範囲を定義することができる。発明者は、心拍数を40〜180(すなわち、6秒の時間系列内で4〜18個の単一波)とするべきことを定義することが有用であることを見出した。したがって、4〜18の範囲外でいくつかの単一波を含む6秒の時間系列は、さらなる解析に対して受け入れられない。他の基準を使用することもできる。さらに、時間系列内での単一波の数の受け入れられる変動について閾値を規定することができる。いくつかの時間系列について、時間系列内の単一波の数の標準偏差を計算することができ、標準偏差からはるかに逸脱する単一波の数を有する時間系列が拒絶される。
同一の参照時間と共にいくつかの圧力が同時に監視されるとき、図5a及び図5bに示されているように、同一の時間系列内の単一圧力波の数を比較することができる。たとえば、同じ参照時間と共に、連続動脈血圧(ABP)(図5a)と頭蓋内圧(ICP)(図5b)を同時に監視することにより、同一の時間系列中のこれら2つの圧力について波数を比較する機会がもたらされる。所与の時間系列の間に、ICP波の単一波の数(NSW−ICP)は、ABP波の単一波の数(NSW−ABP)にほぼ等しくなるべきである[NSW−ABP−NSW−ICP<2]。同様に、ICP(又はCSFp)の単一波群から導出された心拍数(HR)(HRICP)を、ABPの心拍数(HR)(HRABP)と比較することができる。この記録期間中に、これらの圧力から導出された心拍数(HR)の差は、2未満となるべきである[HRABP−HRICP<2]。図5a及び図5bに示されているように、第1の時間系列(第1と呼ばれる)は、第2の時間系列(第2と呼ばれる)と同一な7つの単一波(I〜VIIと呼ばれる)を含む。単一波の数は、動脈血圧(図5a)と頭蓋内圧(図5b)の双方について等しかった(I〜VII番)ことに留意されたい。特定の数(2未満)は例示のためのものにすぎず、本発明の限定と見なすべきでない。
ある時間系列内の1つの圧力タイプについての波数間の比較はまた、別のソース、たとえばパルス・オキシメトリ(spO)又は心電図記録(ECG)からの心拍数測定値に対して比較することができる。動脈血圧波又は頭蓋内圧波から導出された、所与の記録期間中の心拍数16は、酸素飽和測定から、又は心電図記録(ECG)によって導出された心拍数に等しくなるべきである[HRP−O2−HRICP<2、HRECG−HRICP<2]。発明者は、単一波群の差の基準<2を使用することが有用であることを見出したが、他の基準を使用することもできる。
各時間系列11について、単一波及び単一波パラメータがすべて既知である。したがって、単一圧力波パラメータすべてについての標準偏差を計算することができる。相対圧力についての標準偏差は、時間系列11内の単一圧力波1すべてについて振幅(ΔP)4、待ち時間(ΔT)5、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6というパラメータを含む。絶対圧力についての標準偏差は、個々の単一圧力波1すべてについての平均圧力(すなわち、時間間隔内のすべての単一波の各個々の波についての、PminからPminの平均圧力)など絶対圧力値、前記時間系列中の個々の単一圧力波1すべてについての心臓拡張期最小(Pmin)2の標準偏差、時間系列11中の個々の単一波1すべてについての心臓収縮期最大圧力(Pmax)3の標準偏差を含む。時間系列の受け入れ又は拒絶のための他の基準は、本明細書で参照されている標準偏差についての制限に関連するものとすることができる。
受け入れられた時間系列(及び単一波群)と拒絶された時間系列(及び単一波群)の数/比率に関して反復更新が行われる。拒絶された時間系列の数、及び拒絶された単一圧力波の数についてログが作成される。また、異常なΔP4、ΔT5、ΔP/ΔT6、又はHR16の異常な変化など、拒絶の理由についてログが作成される。トレンド・プロットの拒絶された部分は、グラフ又は背景の色によって示すことができる。そのような統計の例は、図3b及び図4aに利用されている。
記録期間中に単一パルス圧力波群1を識別した後で、単一圧力波群が解析にかけられる。本発明の基礎は、予め選択された波の特性を有する単一パルス圧力波の数又は割合の行列36を計算することである。そのような特性の例は、待ち時間(ΔT)5及び振幅(ΔP)4である。振幅(ΔP)4と待ち時間(ΔT)5の組合せの行列36は、本明細書では第1の行列と称する。この場合も、表I、V、VIに提示されている行列内の待ち時間及び振幅は、心臓拡張期最小値(Pmin)2及び心臓収縮期最大値(Pmax)3によって識別された単一波群を参照する。図のように、振幅のグループは水平行上で示されており、待ち時間のグループは、垂直列上で示されている。前記行列36のセル内の各数37は、振幅4と待ち時間5の所与の組合せを有する単一波の総数を表す。別の状況では、数37は、割合を参照することができる。割合が使用されるとき、割合は波の総数に対するものである。振幅4は、通常mmHgで表され、待ち時間5は秒で表される。そのような行列36内のセルの数は、列及び行の数に応じて異なる可能性がある。発明者の経験に基づいて実施例を提供する。頭蓋内圧の場合、発明者は、0.5mmHgの間隔で0〜30.0mmHgに等しい振幅(ΔP)4の範囲を使用し、合計60列を提供することが有用であることを見出した。待ち時間(ΔT)5の範囲は、間隔0.01秒で0.10秒から0.40秒であり、合計30行を提供する。この行列では、総セル数は1800である。この実施例は、本発明の範囲の限定を表していない。一方、動脈血圧の場合、発明者は、2.0mmHgの間隔で30〜120mmHgの振幅(ΔP)の範囲を使用し、合計45列を提供した。待ち時間(ΔT)の範囲は、間隔0.01秒で0.10秒から0.40秒であり、合計30行を提供する。この行列では、合計セル数は1350である。ただし、これらは例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないものとする。
頭蓋内圧に適用された行列の小さな一部の例が、表Iに示されている。(第1の行列と称する)行列36は、1800個のセルからなる大きな行列の小さな一部を示すにすぎない。
Figure 0004384047
振幅値(ΔP)4は列内に提示され、待ち時間値(ΔT)5は行内に提示されている。たとえば、第1の列は第1の振幅(ΔP)グループに対応し、(0.5mmHgに対応する)0.5と呼ばれ、このグループは、0.5mmHg以上、1.0mmHg未満の振幅値(ΔP)4を含む(グループ範囲0.5≦ΔP<1によって示される)。グループの中点(又は平均)は、0.75である[(0.5+1.0)/2]。同様に、第1の待ち時間グループは0.1と呼ばれ、0.1秒の待ち時間に対応する。この待ち時間グループは、0.10秒以上、0.11秒未満の持続時間を有する待ち時間を含む(グループ範囲0.10≦ΔT<0.11によって示される)。グループ中点は0.105である[(0.10+0.11)/2]。振幅/待ち時間(ΔP/ΔT)行列は、行がΔTと呼ばれ、列がΔPと呼ばれる、ビンの2次元の集まりとわかる。セルはビンに等しい。各ビンは、ΔP/ΔTの組合せがどれだけ頻繁に現れたかを示す。観察が分類又はグループ化されるとき、グループの中点が使用される。データが「範囲」内にあるとき、データが分類される。一実施例として、表Iに提示されている行列内の第1のビンは、ΔT値が0.10秒以上、0.11秒未満で、0.5mmHg以上、1mmHg未満の範囲内に入るすべてのΔP値を含む。列と行との交点で見出される行列セルは、振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の特定の組合せを有する単一圧力波の数又は割合を示す。表I内に提示されている数は、それぞれ6秒間継続する10個の時間系列11を含む、1分間継続する頭蓋内圧記録を参照する。これらの6つの時間系列の間に、合計67個の単一圧力波が発生した。この記録期間中の様々な単一圧力波の分布が、表Iに示されている。たとえば、1.5mmHg以上、2.0mmHg未満の振幅(ΔP)4と、0.14秒以上、0.15秒未満の待ち時間(ΔT)とを有する単一圧力波1は、この行列内に提示されている時間系列中に5回発生した。
実時間監視中に、行列を5秒ごとに計算することができる。待ち時間と振幅の組合せを有する単一波の分布の重心(均衡位置)は、心拍数を考慮することなしに計算することができる。別の実施は、5秒又は10秒ごとの単一波分布の連続更新とすることができる。モニタ・ディスプレイ上では、多数のモニタ内で5秒ごとにヒストグラムが提示されるが、モニタ間で差がある可能性がある。本発明は、行列の更新の頻度に関してどんな制限も与えない。
発明者によって提案される好ましい手法は、連続圧力監視中の行列の反復計算である。前記時間系列11のそれぞれについて、行列36が計算される。たとえば、図5aを参照すると、(第1と呼ばれる)第1の時間系列について1つの行列が計算され、(第2と呼ばれる)第2の時間系列について新しい行列が計算される。(第1と呼ばれる)第1の時間系列11の場合、行列36は、7つの単一圧力波の振幅値(ΔP)4及び待ち時間値(ΔT)5を含む。(第2と呼ばれる)第2の時間系列11の場合、やはり7つの単一圧力波を含む新しい行列36が計算される。その後で、各個々の時間系列について、進行中の圧力測定中に新しいΔP/ΔTの組合せが行列セル内に入力される。行列は、そのような6秒時間系列中に動的に更新され、各セルは、新しい値を元の内容に追加することによって更新される。その6秒間隔の後で、手順は、新しい空の行列で開始して繰り返される。
行列36表示は、様々なタイプの解析にかけることができる。行列内の均衡位置は、セントロイド又は分布中心など数値の組合せ38として提示することができる。本発明によれば、待ち時間5と振幅4の予め選択された特性を有する単一波群1が計算され、単一波組合せの分布の表示と共に、単一波組合せの行列36が計算される。5秒期間について、たとえばセントロイド又は分布中心として単一波組合せの均衡位置を計算することができる。たとえば、0.17|2.0の組合せ38は、0.17秒の待ち時間と2.0mmHgの振幅の単一波組合せを参照する。実時間監視中には、これらの数値組合せを、5秒の時間系列11ごとに更新することができる。一実施例では、数値組合せ38は、装置のディスプレイ上で提示することができるが、これは本発明の範囲の限定でない。たとえば、監視システムのディスプレイ上での表示が可能である。
たとえば、セントロイド又は分布中心として決定された単一波組合せの均衡位置はまた、x軸上の時間と共に、xyチャート内のy軸上で提示することができる(図8e参照)。たとえば、単一波組合せのセントロイド又は分布中心は、記録期間中に、5秒ごとに繰り返し計算し、XYチャート内にプロットすることができる。この状況では、曲線は、ヒストグラム又は行列内の単一波組合せのセントロイド又は分布中心の数値組合せを反映する。
行列内の均衡位置は、セントロイド、分布中心、重心など、様々な名前を有する可能性がある。本明細書では、均衡位置という用語を使用することが好ましい。本明細書で述べられている状況では、均衡位置は、単一圧力波パラメータ群の発生の平均頻度分布を指す。本明細書では、振幅(ΔP)の均衡位置、待ち時間(ΔT)の均衡位置、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の均衡位置という用語が、それぞれ第1の行列と第2の行列に関連する用語として使用される。しかし、均衡位置という用語それ自体は、一般に、1次元行列又は2次元行列内での平均発生数を決定するための方法である。
表Iに提示されている行列を参照すると、異なる振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の組合せの分布の均衡位置を計算する手順が述べられている。表I内で参照されている数は、1分の記録期間に関するものである。しかし、この方法は、記録期間が5秒、6秒、又は10秒であろうと、1分又は10時間であろうと、同様である。均衡位置は、選択された期間中の振幅(ΔP)4及び待ち時間(ΔT)5の様々な発生の頻度分布に関連する。この方法は、同様に圧力のタイプ、グループ範囲、又はセル数など、要因に依存しない。振幅値及び待ち時間値の範囲に応じて、行列は、可変の列及び行の数を含むことができる。しかし、均衡位置の結果は、行列分解能によって決まる。
表Iに提示されている行列を参照すると、列は、振幅(ΔP)4グループを参照し、行は、待ち時間(ΔT)5グループを参照する。この系は、i個の行と、j個の列を有することになる。(第1の行列と称する)そのような2次元分布の均衡位置/セントロイド/平均頻度を計算するとき、両次元を考慮しなければならない。2つの変数があるため、平均(又は均衡位置)は、ΔT値|ΔP値のように2つの数によって与えなければならない。表Iを参照すると、行及び列の平均からの値が考慮される場合、その結果は、分布についての平均値と解釈することができる。表Iに提示されている数についての平均分布(又は均衡位置)は、2つの線間の交点ΔP=1.64及びΔT=0.135に位置する。これは、この2次元分布についての均衡位置(又は平均値)を説明するための最も正確な方法である。表Iに示されている行列内の均衡位置は、ΔP=1.64及びΔT=0.135であり、カウント12を有するセルに対応する。以下では、平均行値及び平均列値の計算に関していくらかの詳細が提供される。第1に、振幅値(ΔP)(列)に対して待ち時間(ΔT)平均値(又は行平均)が決定される。各待ち時間(ΔT)行についてのmが、式2を使用することによって決定される。
Figure 0004384047
上式で、Aは、振幅(ΔP)グループ値を参照して、j番目の列中点であり、wijは、i番目のΔT行及びj番目のΔP列セルの頻度(カウント)である。したがって、
Figure 0004384047
上式で、Bは、i番目の行ΔT中点値である(r=行)。「i番目のΔT行及びj番目のΔP列セル」という用語もまた説明を必要とするかもしれない。行i内の中点を通って水平線を引き、列j内の中点を通って垂線を引いた場合、2つの線は、あるセル内で互いに交差することになる。このセルは、座標「i番目の行及びj番目の列セル」を有する。一実施例として、表Iのデータを使用し、平均行値を計算する。式(2)及び式(3)を適用することにより、0.135秒(14.9/110.25)に等しい、列に対する行平均が与えられる。この計算は、表IIに、より詳しく示されている。
Figure 0004384047
第2に、ΔT値(行)に対するΔP平均値(列)が決定される。列ΔP平均値は、平均行ΔT値を見つけるために使用されたものと同じ手法を使用して見出される。最初に、各ΔP列についてのmが、式(4)で与えられるように見出される。
Figure 0004384047
上式で、Bは、ΔTグループ値を参照して、i番目の行ΔT中点であり、wijは、i番目の行及びj番目の列についての頻度である。したがって、
Figure 0004384047
上式で、Aはj番目の列ΔP値中点である(c=列)。この計算は表IIIに示されており、式(4)及び式(5)を使用して、行に対する列平均は、1.64mmHg(14.9/9.055)に等しくなる。
Figure 0004384047
最後に、均衡位置もまた(第2の行列と呼ばれる)1次元行列内で決定することができることを述べておくべきである。そのような行列は、所与の時間系列中の立ち上がり時間係数の発生の均衡位置を決定するために使用される。また、他の1次元行列変数/関係のために使用することができる。この状況では、立ち上がり時間係数は、予め定義された立ち上がり時間係数の1次元行列内でプロットされる。そのような1次元頻度分布では、2つの変数x及びwがある(xは各観察の値に等しく、wは頻度又はカウントに等しい)。xはΔP/ΔTに相当し、wは、様々なΔP/ΔTの組合せの発生数に相当する。この分布の平均は、式6に従って計算することができる。
Figure 0004384047
以上、振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の組合せの2次元行列(第1の行列と称する)の計算、また立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の組合せの1次元行列(第2の行列と称する)の計算について述べた。これらは実施例であり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意されたい。行列は、本明細書で論じられている単一圧力波パラメータ群のいずれかを含むことができ、任意の組合せが可能である。行列は、任意のタイプの圧力について計算することができる。グループの数は、選択することができる。
次に、図6a〜cを参照する。この図は、絶対平均圧力の計算と単一圧力波パラメータ群との差を示す。脳柔組織内に位置する、1〜2センチメートルだけ分離された2つの異なるセンサによって、頭蓋内圧が同時に測定された。センサ間の狭い位置を考えると、頭蓋内圧は同様であると予想されることになる。頭蓋内圧は、2つのセンサによって同時に測定された。測定値は同一の参照時間を有していたため、6秒持続時間の所与の時間系列内で計算された単一圧力波パラメータ群は、時間系列対時間系列で比較することができる。各時間系列11について、方法2に従って絶対平均圧力が、並びに振幅(ΔP)の均衡位置及び待ち時間(ΔT)の均衡位置が計算された。連続する一連の時間系列における時間系列対時間系列で、絶対平均圧力(図6a)、振幅(ΔP)の均衡位置(図6b)、及び待ち時間の均衡位置(図6c)に関して2つの圧力記録間の差が計算された。図6aを参照すると、x軸上で、時間系列の数22が示されている。この記録期間内で、最初の時間系列は1番で開始し、最後の時間系列は4100番で終了し、それぞれ記録期間の開始と終了を示す。したがって、連続記録期間は、一連の4100個の連続する時間系列11からなり、24600秒(6.8時間)に対応していた。x軸上では、絶対平均圧力の差23のためのスケールが示されている。差分圧力曲線24は、異なるセンサを用いた2つの圧力記録について、同一の時間系列内における絶対圧力の差のトレンド分布を示す。前記差分プロット24内の各プロットは、絶対平均圧力について同一の時間系列内の差を提示し、差は、前記2つのセンサの両方によって測定された圧力に関連していた。絶対圧力の大きな変動が示されている。時間系列1000番の場合、センサ1について絶対平均圧力は20.2mmHg、センサ2について33.3mmHgであり、平均圧力の差は−13.1mmHgであった。図6bでは、y軸上で振幅(ΔP)の均衡位置の差25が示されており、x軸上でその一連の時間系列22が示されている。均衡位置の差分曲線26は、連続する時間系列について、振幅(ΔP)の均衡位置の差を示す。トレンド曲線25は、同一の時間系列間の振幅(ΔP)の均衡位置の差が最小であることを示す。時間系列1000番の場合、センサ1について振幅の均衡位置は5.2mmHg、センサ2について5.6mmHgであった。均衡位置の差は0.4mmHgであった。同様に、待ち時間の均衡位置の差が図6cに示されている。図6cでは、y軸上で待ち時間(ΔT)の均衡位置の差27が示されており、x軸上で、連続する一連の時間系列22が示されている。待ち時間(ΔT)の均衡位置の差分トレンド・プロット28は、同一の時間系列で、異なるセンサを使用した異なる圧力曲線について、待ち時間(ΔT)の均衡位置間の最小の差を示す。振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)の均衡位置に比べて、絶対平均圧力によって圧力が予測されることの信頼性が低いことを図6a〜cに提示されている結果は示している。この場合も、時間系列が同一であったため、差は鼓動ごとに計算されたことに留意されたい。
時間系列に関して、絶対平均圧力と、振幅(ΔP)又は待ち時間(ΔP)の均衡位置とは、多数の異なる単一圧力波パラメータのいくつかにすぎない。単一圧力波群1に関連する様々なパラメータについて、以下で論じる。本発明の発明性のあるステップは、本発明に従って計算された単一圧力波関連パラメータ群をデータベース内に記憶することである。単一波1関連パラメータ群は、前記時間系列11に関連する。データベースを作成する前に、前記時間系列の持続時間を選択することができる。発明者は、その持続時間を5〜15秒持続時間のものとすべきであることを提案する。前記時間系列の特定の持続時間は、限定でない。発明者は、6秒持続時間の時間系列が選択されたデータベースを計算した。各時間系列内では、単一波関連パラメータ群は、前記時間系列内の個々の単一圧力波のそれぞれに、或いは、前記時間系列内の個々の単一波のグループに関連する可能性がある。
前記時間系列11内の個々の単一圧力波1のそれぞれについて、次のパラメータが記憶される(単一波パラメータ1〜6と称する)。
1.前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての心臓拡張期最小値(Pmin)2の絶対圧力値。
2.前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての心臓収縮期最大値(Pmax)3の絶対圧力値。
3.(各受け入れられたPmin/Pmax対に関連する)各受け入れられた単一波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての絶対圧力値。これは前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1についてのPminからPmin(波長)7の平均圧力である。
4.前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての相対振幅(ΔP)4圧力値。
5.前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての相対待ち時間値(ΔT)5。
6.前記時間系列11中の各個々の単一圧力波1(すなわち、受け入れられたPmin/Pmax対)についての相対立ち上がり時間係数値(ΔP/ΔT)6。
前記時間系列11内の単一圧力波のグループについて、次のパラメータが記憶される(時間系列パラメータ1〜12と称する)。
1.前記時間系列中の単一波の数(NSW)。
2.単一圧力波1の数を、前記時間系列11内の単一圧力波群の波長(PminからPmin)7の総持続時間で除したものとして計算された単一圧力波導出心拍数16。
3.単一圧力波1の数を、前記単一圧力波群が発生した前記時間系列11の総持続時間で除したものとして計算された単一圧力波導出心拍数16。
4.前記時間系列11中の個々の単一波1すべてについての絶対平均圧力の和(PminからPminの波長7全体)を、前記時間系列11内の単一波の数で除したものとして計算された、前記時間系列11についての絶対平均圧力(方法2と称する)。
5.前記時間系列11中に発生する個々の単一波1についての平均圧力の、平均圧力についての標準偏差。
6.前記時間系列中の心臓拡張期最小(Pmin)2についての標準偏差。これは前記時間系列11中の個々の単一波1すべての心臓拡張期最小(Pmin)2についての標準偏差として計算される。
7.前記時間系列11中の心臓収縮期最大値(Pmax)3についての標準偏差。これは前記時間系列11中に発生する個々の単一波1すべての心臓収縮期最大(Pmax)3についての標準偏差として計算される。
8.前記時間系列11中に発生する個々の単一波1すべての振幅(ΔP)4についての標準偏差。
9.前記時間系列11中に発生する個々の単一波1すべての待ち時間(ΔT)5についての標準偏差。
10.前記時間系列11中に発生する個々の単一波1すべての立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6についての標準偏差。
11.前記振幅/待ち時間行列(第1の行列と称する)内の振幅(ΔP)/待ち時間(ΔT)の組合せの均衡位置。
12.立ち上がり時間係数行列(第2の行列と称する)内の立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の均衡位置。
単一圧力波関連パラメータはすべて、各時間系列について計算される。各時間系列の持続時間が6秒に設定されていることを考えると、10時間の個々の記録は、6000時間系列からなる。たとえば、単独のパラメータ「振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の均衡位置」は2つの値(たとえば、0.12秒|6.25mmHg)からなり、これは、10時間記録期間中に12000個の値を与える(20(値/分)×60(分/時)×10(時間))。これらの12000個の値は、均衡位置振幅(ΔP)4の6000個の値と、均衡位置待ち時間(ΔT)5の6000個の値とを含む。したがって、時間系列ごとに単一波関連パラメータ群が記憶される。発明者は、最初に、6秒の時間系列に基づいてデータベースを作成した。初期の段階では、データベースは、数百万の前記時間系列からなっていた。データは連続的であるため、コンピュータはデジタル・データを処理するための時間を必要とするが、時間系列の持続時間を(たとえば、5秒持続時間に)変更することは容易である。
データベースはいくつかの目的を果たすが、重要な目的は、異なる単一波パラメータ間の関係を決定することである。同一の時間系列内のいくつかのパラメータ間の関係を決定することができるため、2つ以上の他のパラメータの関数として1つのパラメータを決定することも可能である。たとえば、1つの個々の圧力記録について、各時間系列内の単一圧力波パラメータ群を関連させることができる。この手順は、一方のパラメータがy軸上に、他方がx軸上にある散布プロット内で計算することができる。実施例を示す。10時間の連続圧力記録は、それぞれ6秒間継続する合計6000個の時間系列を含む。6000個の時間系列のうちの5400個が前記圧力記録から受け入れられたならば、この圧力記録は、振幅(ΔP)4の均衡位置の合計5400個の値と、待ち時間(ΔT)5の5400個の値とを含む。散布プロットでは、各値は、振幅(ΔP)4の均衡位置と待ち時間(ΔT)5の均衡位置の組合せを指す。5400個のプロット間の関係は、最もよくフィットする曲線を計算することによってさらに決定することができる。フィットの良好性は、様々な戦略によって決定することができる。所与の関係の場合、フィットの良好性、並びにプロットの広がりは異なる圧力記録の間で異なる可能性があることが、発明者の経験である。
パラメータ間の関係もまた、個々の圧力記録のグループについて決定することができる。たとえば、100個の個々の圧力記録のグループについて、振幅(ΔP)4と待ち時間(ΔT)5の均衡位置間の関係を決定することができる。各個々の圧力記録が、平均5400個の値の振幅(ΔP)4の均衡位置と、5400個の値の待ち時間(ΔT)5の均衡位置とを含むことを考えると、各変数の540000個の値の平均合計が使用可能である。そのような大きなサンプル内でこれらの変数間の関係を決定するために、様々な数学的手順が実行可能である。540000プロットの散布を作成することができる。関係もまた、合計データのランダム選択によって作成することができる。様々な数学的戦略が実行可能であるため、本発明は、大きなデータ内で関係を決定するための特定の戦略に限定しない。
図7a〜cでは、個々の圧力記録のグループ内の単一圧力波パラメータ間の関係を決定するトピックが対処される。これは1つの戦略の一実施例であるが、この実施例は、本発明の範囲を限定しないものとする。図6a〜cに提示されているデータは、合計40個の個々の圧力記録を表す。これらの40個の個々の圧力記録は、それぞれ6秒間継続する合計330540個の個々の時間系列11を含む。第1に、前記40個の個々の圧力記録の各個々の記録が考慮された。各個々の圧力記録について、最もよくフィットする式が、曲線が基礎とするパラメータの範囲に対して決定される。たとえば、ある圧力記録の場合、最もよくフィットする式は、2.5mmHgから6.7mmHgの振幅(ΔP)範囲について適用可能であり、一方、別の圧力記録では、5.4mmHgから12.0mmHgの振幅(ΔP)範囲について最もよくフィットする式が決定された。第2に、個々の圧力記録からの最もよくフィットする曲線31は、40個の個々の圧力記録すべての散布内でサンプリングされた。図7aでは、y軸は、振幅値(ΔP)の均衡位置値29を示し、x軸は、待ち時間(ΔT)の均衡位置30を示す。図7bは、x軸上の(方法2に従って計算された)絶対平均圧力18に対してプロットされたy軸上の振幅値(ΔP)の均衡位置29である。図7aでは、振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の均衡位置間の関係の個々の圧力記録に対応する回帰線31が示されている。個々の圧力記録すべてについての合計回帰線32が示されている。これは、330540個の時間系列を含む40個の個々の圧力記録のグループ全体について、振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の均衡位置間の関係に対応する。この関係は、指数関数的である。図7bでは、振幅(ΔP)の均衡位置29と絶対平均圧力18の間の関係のための個々の圧力記録について回帰線33が示されている。振幅(ΔP)の均衡位置29と絶対平均圧力18の間の関係に関する個々の回帰線すべてについての合計回帰線34が、図7bに示されている。図7aの合計回帰線32の式は、図7bの合計回帰線34の式と組み合わせることができる。どちらの式も振幅(ΔP)の均衡位置29という変数を含むため、変数の一方を他方の関数として計算することが可能である。この態様は図7cにさらに示されており、振幅(ΔP)の均衡位置29、待ち時間(ΔT)の均衡位置30、絶対平均圧力18という変数が3Dグラフ内でプロットされる。図7cでは、振幅(ΔP)の均衡位置29、待ち時間(ΔT)の均衡位置30、絶対平均圧力18という3つの変数の式に基づく3次元回帰線35のグラフが示されている。この3次元回帰線の式は、2つの他の変数の関数として1つの変数を示す。方法にかかわらず、この特定の関係について、モデル、すなわち、平均圧力=a+b×ΔP+b×ΔTが計算された。これに基づいて、式が決定された。すなわち、
予測平均圧力=3.214+1.3×ΔP+63.609×ΔT・・・(7)
この式は、図7a及び図7bに提示されているデータに対して関連することに留意されたい。他のデータの場合、他の式を計算することができる。この式は、ある単一圧力波パラメータを、2つの他の単一圧力波パラメータの関数としてどのように表すことができるかという実施例を提供するために含まれる。データは、選択的に選ばれているが、非常に多数の比較を含む。これらの図に示されているデータは、それぞれ6秒間継続する330540個の個々の時間系列11からなる。しかし、重要な疑問は、単一圧力波パラメータ間の信頼できる関係を提供することができる個々の圧力記録のデータベースをどのように確立するかである。本発明によれば、個々の圧力記録を、単一圧力波パラメータ間の関係を決定する際に含むことができるか否か判定するために、選択された基準が確立される。単一圧力波パラメータ群のあらゆる散布プロットが、フィットする曲線の式を決定するために有用であるわけではない。なぜなら、プロット内の変動が非常に大きい可能性があるからである。個々の圧力記録の回帰線についてフィットの良好性を決定することは、様々な戦略によって行うことができる。また、重要な問題は、どのパラメータ同士が互いに影響を及ぼすか、又は及ぼさないか判定することである。
単一圧力波関連パラメータ間の関係を決定する重要な態様は、行列内のセルに重みを与えるという、発明性のある手順である。振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の組合せの前記第1の行列を参照した(表I参照)。表I内で述べられている行列内のセルは、重み値として表すことができる。重みという語の代わりに、スコアという語を使用する可能性がある。この説明では、重みという語が好ましい。加重セル値は、前記行列(表I参照)内の各セルが、それぞれの列及び行の数に対応する2つの値でなく、1つの値によって表されることを意味する。本発明によれば、加重値は、観察ごとに作成される。この文脈では、観察は、データベースによって確立された関係を指す。
次に、重み行列である表IVを参照する。グループ名、範囲、中点は、表Iに示されている振幅/待ち時間行列に対応する。たとえば、1.5mmHgと呼ばれる振幅(ΔP)グループは、1.5mmHg以上、2.0mmHg未満の振幅値を含み、グループ中点値は、1.75mmHgに等しい。0.11秒と呼ばれる待ち時間(ΔT)グループは、0.11秒以上、0.12秒未満の待ち時間値を含み、グループ中点値は、0.115秒である。表IVを参照すると、図7cに提示されている関係の式は、前記行列内の各個々のセルに重み値を与えるために使用された。重み値は、予測平均(予測平均圧力=3.214+1.3×ΔP+63.609×ΔT)に等しいものとして考えられた。この式は、前記行列内の各振幅及び待ち時間グループに適用された。この式は、振幅値(ΔP)及び待ち時間値(ΔT)の均衡位置の関数として予測平均値を説明する。表IVを参照すると、振幅(ΔP)グループ及び待ち時間(ΔT)グループのグループ中点値は、各セルに予測平均値を与えるために、式に対する入力値として使用された。たとえば、図7cに関連する式7を使用することにより(予測平均圧力=3.214+1.3×ΔP+63.609×ΔT)、振幅(ΔP)グループ1.5mmHg(グループ中点1.75mmHg)と、待ち時間(ΔT)グループ0.11秒(グループ中点0.115秒)に対応するセルは、5.59mmHgの予測平均圧力値と共に表されることになる。この実施例では、行列全体が、図7aから図7cに提示されている関係に従って計算された式に従い加重される。図7aから図7cに提示されている関係に基づいて、前記行列内の各振幅(ΔP)グループについて1つの個々の式を計算することも可能である。それによって、各式は、振幅(ΔP)の範囲、たとえば、範囲0.5<ΔP≦1.0mmHgについて適用可能である。
提示されている数及び式は、例示的な実施例として使用されており、本発明を限定しないものとすることに留意されたい。計算される重み値は、観察データに従って決定された関係によって決まる。どの絶対圧力レベルがどの均衡位置ΔP及びΔTレベルに対応するかは、特定のデータ・セットについて計算された、フィットする曲線の式によって決まる。本発明は、どのタイプの観察に関係が基づくかに関して制限を設定しない。優先的には、プロットは、患者のグループに基づくべきである。しかし、異なる患者グループ、患者年齢、疾病状態について別個のプロットを作成することができる。これらの曲線は、測定される圧力のタイプ、圧力が測定される区画、圧力が測定される方法、圧力が測定される患者の年齢、並びに患者の疾病状態に応じていくらか異なる可能性がある。これらの状況では、ある種の重み行列は、特定の患者グループ又は疾病状態についてだけ使用することができる。
Figure 0004384047
図8では、単一波分布の決定を、圧力の実時間及びオンライン監視でどのように使用することができるかが示されている。イベントの第1のシーケンスは、連続する時間系列11内で振幅/待ち時間の組合せの均衡位置を計算することの概略全体像を提供する図8aから図8cに示されている。任意のタイプの圧力センサからの圧力信号をサンプリングすることができ、単一波群1が識別される。各時間系列11内で(5秒の持続時間と共に示されている、図8a)、単一圧力波群1が識別される。図8aでは、5秒の時間系列11内で7つの単一圧力波が示されている。前記時間系列11内の受け入れられた単一圧力波1すべてについて、単一圧力波パラメータである振幅(ΔP)4及び待ち時間(ΔT)5が第1の行列36内でプロットされる。図8bの第1の行列36は、頭蓋内圧について行列36の小さな一部を表すにすぎない。行列内で提示されている数37は、前記時間系列11中の待ち時間5と振幅4の異なる組合せを有する単一波の数である。数を提示することの代替形態は、組合せの割合の表示である。図8bを参照すると、振幅2.0mmHg、及び待ち時間0.13秒を有する単一波の発生数は、5秒の前記時間系列中に2であった。この行列36の場合、振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の数値38は、0.12秒|2.4mmHgであった(図8c)。この0.12|2.4の組合せは、待ち時間5が0.12秒であり、振幅4が2.4mmHgであった単一圧力波の組合せを指す。実際には、重心又はセントロイドなど、均衡位置に関して様々な用語を使用することができる。この文脈では、均衡位置は、先に詳しく述べたように、前記時間系列11内の、また、前記行列36内で表された、振幅4と待ち時間5の組合せの平均頻度分布を指す。図8a〜cの手順は、連続圧力監視中に、連続する一連の時間系列11内の新しい時間系列11ごとに繰り返される。したがって、この特定の実施例では、新しい均衡位置は、新たな5秒ごとに計算される。実時間監視中には、これらの数値組合せを5秒ごとに更新することができる。数値組合せ38は、装置又はモニタのディスプレイ上で提示することができる。
オンライン監視中には、医師又は看護人が5秒ごとに提示される新しい数値と関わることが困難となる可能性がある。したがって、表示の様々な実施例が図8d〜fに与えられている。これらの実施例すべてにおいて、均衡位置の2次元値が、1次元値として提示されている。本発明によれば、これは、行列セルの加重によって可能となる。それによって、2次元均衡位置を1次元加重値によって表すことができる。図8dでは、数又は比率39がy軸上に、加重均衡位置値40がx軸上にあるヒストグラム表示が示されている。たとえば、そのようなヒストグラムは、図9b、9d、10b、10dに示されているように、所与の記録期間について、前記記録期間中に発生する時間系列内における振幅及び待ち時間の均衡位置40の加重値の合計分布を明らかにすることができる。そのようなヒストグラムでは、各バー41は、前記5秒時間系列内における振幅及び待ち時間の均衡位置の所与の加重値を表し、前記加重値の数又は比率がx軸上で表されている。図8eでは、トレンド・プロット内で振幅/待ち時間の組合せの均衡位置40の加重値が表されており、時間スケール12がx軸上に、均衡位置40の加重値がy軸上にある。トレンド・プロット42では、各プロットが、5秒の時間系列内における振幅及び待ち時間の均衡位置40の加重値を表す。したがって、そのトレンド・プロットは、連続する一連の時間系列内における各時間系列の解析の出力を示す。除外される時間系列を処理するために基準を選択することができる。加重値のトレンド・プロット42の諸実施例が、図11b及び図11dにさらに与えられている。単一波分布を提示する第3の代替形態は、図8fに示されている。いわゆる内圧容量曲線の修正は、多数の個人について計算することができる。そのような曲線は、年齢に依存する可能性がある。発明者は、成人について、いわゆる注入試験によっていわゆる内圧容量曲線を計算しており、米国特許第09/843,702号及び国際特許出願PCT/NO 02/00164において先に述べられている。X軸上では、容積の変化43が示されている。Y軸上では、振幅及び待ち時間の均衡位置40が示されている。いわゆる注入試験中には、たとえば5秒ごとの同様の容積変化と共に、固定容積が頭蓋内区画に適用される。各5秒の間に、行列36の計算と共に単一波群が監視される。均衡位置40を計算し、Y軸上で表現することができる。固定容積変化43は、X軸上で示される。発明者は、そのような内圧容量曲線を多数の患者について計算することができた。それによって、正常曲線と異常曲線を共に示す参照曲線が計算された。そのような参照曲線は、装置のディスプレイ上で、又は他の監視システム上で示すことができる。実時間監視中には、単一波組合せの均衡位置を、たとえば5秒ごとの修正済み内圧容量曲線に対してプロットすることができる。それによって、単一の場合についての均衡位置の実時間及びオンライン更新は、実時間及びオンラインで計算し、参照曲線に関連させることができる。それによって、コンプライアンス/エラスタンスについての情報が得られる。
次に、単一の場合において2つの異なる頭蓋内圧記録を示す図9を参照する。圧力は、脳柔組織内に配置された1つのセンサ(図9a〜9b)と、硬膜外に配置された1つのセンサ(図9c〜9d)によって(同一の参照時間と共に)同時に記録された。硬膜外配置は、センサが硬膜の外側に配置され、実際に非侵襲性圧力監視をまねることを意味する。なぜなら、圧力が測定される腔内にセンサが配置されないからである。脳柔組織内と硬膜外で測定された圧力は共に、大気圧に対するものであり、絶対圧力を表す。両圧力曲線(図9a及び図9c)について、y軸上で絶対圧力17が、またx軸上で時間スケール12が提示されている。どちらのx軸も同一の時間系列を示し、鼓動対鼓動比較を可能とする。絶対圧力は、柔組織(図9a)圧力と硬膜外(図9c)圧力の圧力曲線21について異なることに留意されたい。図9aの場合、記録期間全体についての平均頭蓋内圧は、5.9mmHgであった。図9cの場合、記録期間全体についての平均頭蓋内圧は、8.35mmHgであった。この文脈では、5.9mmHgと8.35mmHgの絶対平均圧力値は、実際に、合計記録期間中の5秒時間間隔すべての平均を表す。一方、単一波群の分布は、各圧力曲線の右側に位置するヒストグラム内で示されているように(図9b及び図9d)、柔組織測定と硬膜外測定の間でほぼ同一であった。圧力曲線21は絶対圧力を示すが、ヒストグラムは、相対圧力によって定義された単一波群を参照する。単一波群の振幅は、相対圧力差として計算される。図9b及び図9dでは、前記記録期間中の振幅と待ち時間の均衡位置の加重値40すべてがx軸上で示されているヒストグラムが示されている。y軸上では、待ち時間/振幅のある組合せが、記録期間中の単一波の総数の割合において、どれだけ頻繁に発生したかというものである発生割合39が示されている。重み値によって表された振幅/待ち時間の組合せの各均衡位置は、ヒストグラム内で1本のバー41によって表される。たとえば、0.38|6.50というX軸上のラベルは、0.38秒の待ち時間と6.50mmHgの振幅の組合せを有する単一波群を参照する。この実施例では、値0.31|5.00、0.38|6.50、0.14|8.50は、均衡位置値を参照する。これらの値は、加重行列が使用されるとき、インデックス値と称することもできる。図9b及び図9dに提示されているヒストグラムは、実際に、図9a及び図9cに示されている記録期間中の時間系列11すべての加重均衡位置値40を示す。0.38|6.50の待ち時間|振幅の組合せに対応するバーは、単一波の総数に関連して単一波が発生した割合を示す。柔組織(図9b)圧力と硬膜外(図9d)圧力について、単一波分布は、ほぼ同一である。これらの圧力記録は、本発明のいくつかの重要な態様を示す。すなわち、従来の戦略によって記録された、圧力曲線内で示されている絶対圧力では、信頼できる圧力の説明が得られない。圧力曲線によって明らかにされた脳柔組織と硬膜上腔内の圧力は、著しく異なっていた。絶対圧力と曲線の形態は共に異なっていた。連続圧力記録は、単一波分布によって最も正確に説明される。単一波分布のヒストグラム表示は、脳柔組織と硬膜上腔内の圧力記録についてほぼ同一であった。したがって、単一波分布は、圧力が測定される腔内にセンサが配置されていようとなかろうと、等しく提示することができる。このような結果は、センサを泉門上に適用することによって泉門圧を非侵襲的に監視することにより、乳幼児における単一波分布を計算する着想をもたらした。図9a〜dに提示されている結果が、図6a〜cで述べられているように、差分プロット内で提示されるとき、絶対平均圧力が時間系列対時間系列で比較される。また、振幅及び待ち時間の均衡位置が時間系列対時間系列で比較される。なぜなら、両圧力曲線が同一の参照時間を有するからである。図9a〜dに提示されている結果のそのような差分プロットは、柔組織測定と硬膜測定の間の絶対平均圧力における著しい差を示した。同一の参照を有する時間系列間で、振幅及び待ち時間の均衡位置における差が最小であった。
次に、単一の症例における介入の前後で行列及びヒストグラムの表示がどのように変化するかを示す図10a〜dを参照する。第1の記録期間を参照すると、圧力曲線21(図10a)及びヒストグラム(図10b)が提示されている。第2の記録期間についてのトレンド・プロット21(図10c)及びヒストグラム(図10d)もまた提示されている。図10a及び図10bに対応する行列36は表Vに示されており、図10c及び図10dに対応する行列36は表VIに示されている。表V及び表VIに提示されている異なる振幅4及び待ち時間5グループの説明を、表Iについてさらに行う。表Iに提示されている行列36のセル内の数37は絶対数を表し、一方、表V及び表VI内の数は割合を参照する。介入前には、7.5mmHgの振幅4と0.26秒の待ち時間5の組合せが、単一波の総数のうち0.17%で発生した。介入後には、7.5mmHgの振幅4と0.26秒の待ち時間5の組合せは発生しなかった。この特定の実施例では、振幅4及び待ち時間5を含む行列36は、記録期間及び心拍数に対して標準化された。標準化されない数もまた提示することができる。標準化された記録期間は、1時間に設定された。実際の心拍数は、記録期間中に可変であったが、1分間70拍の標準化心拍数に標準化された。ヒストグラム(図10c、10d)を参照すると、y軸上で、ある待ち時間|振幅のある組合せが、単一波の総数の割合において、どれだけ頻繁に発生したかという発生の割合39が示されている。x軸上では、異なる加重待ち時間|振幅の組合せ40が示されている。一実施例として、これらのヒストグラムでは、x軸上のラベル0.14|8.50は、0.14秒の待ち時間5及び8.50mmHgの振幅4を有する単一波群を参照する。したがって、ラベル0.14|8.50に対応するバー41は、発生するこの組合せを有する単一波群の割合を、1時間の標準化された記録期間中の単一波の総数と、1分間70拍の標準化心拍数の割合として示す。介入の前(図10a、10b)と後(図10c、10d)では、行列(表V及び表VI)とヒストグラムは、単一波分布において著しい差を示し、単一波分布がより正常な方向で変化した。
図10はまた、記録期間全体について振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の分布39の一実施例として機能することができ、合計分布は、表V及び表VIにおける行列内で提示される。それによって、合計記録期間について、個々の時間系列内における振幅/待ち時間の組合せの均衡位置は、総数の比率38における数として提示される。この状況では、ヒストグラム内に示されているバー41は、選択された時間系列11中の振幅/待ち時間の組合せの均衡位置を参照する。図10b及び図10d内のヒストグラムは、振幅及び待ち時間の均衡位置がある圧力記録から別の圧力記録にどのように変化するかを示す。表V内の行列を参照すると、0.24秒|4mmHgという待ち時間/振幅の組合せの均衡位置は、表Vに提示されている行列36内で5.02%で発生し、一方、この組合せは、表VIの行列内で発生しなかった。この文脈では、行列36は通常、時間系列11ごとに計算され、振幅/待ち時間の組合せの均衡位置が、連続する一連の時間系列内の各個々の時間系列11について決定されることに留意されたい。一方、表V及び表VIに提示されている行列36は、記録期間全体について振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の分布を示す。
Figure 0004384047
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次に、図11を参照する。2つの連続頭蓋内圧曲線21が、図11a及び図11cに示されている。y軸上には、従来の技術(方法1)に従って計算された絶対平均圧力17のスケールがある。時間スケール12は、x軸上にある。トレンド曲線21は、平均圧力が、連続する一連の時間系列内の時間系列(この場合、6秒間)ごとに計算される平均圧力の連続プロットを表す。平均圧力21は、図11aにおいて図11cよりはるかに高い。絶対圧力曲線21(図11a及び図11c)の下方では、6秒ごとに計算された振幅及び待ち時間の均衡位置の、対応するトレンド・プロット42が示されている。表IVについて述べられているように、2次元均衡位置が1次元値として計算されている。表IVに提示されている行列36を加重するために使用された式(7番)を適用することにより、振幅4及び待ち時間5の各均衡位置が重み値として表された。加重値には、予測平均圧力40という用語が与えられ、図11b及び図11dのy軸上で示されている。時間スケール12は、図11a及び図11b、並びに図11c及び図11dについて同一である。したがって、加重均衡位置(予測平均圧力)のトレンド・プロット42は、予測平均圧力40と呼ばれる加重値として表される、時間系列11(6秒)ごとに計算された振幅4及び待ち時間5の均衡位置を示す。前記トレンド・プロット42内の各プロットは、連続する一連の時間系列内の時間系列11ごとの均衡位置を表す。加重均衡位置のトレンド・プロット42は、図11b及び図11dについて同様である。したがって、絶対平均圧力曲線21は、著しく異なったが、均衡位置の加重トレンド・プロット42は異ならなかった。図11b及び図11dにおける加重均衡位置のトレンド・プロット42は、図8eに概略的に提示されているトレンド・プロット42に対応する。x軸上で加重均衡位置40を示す、図9c、9d、10b、10dに提示されているヒストグラムは、図8dに示されているヒストグラム表示に対応する。トレンド・プロットとヒストグラムのどちらにも、振幅4及び待ち時間5の均衡位置の加重値40が提示されている。これらは、表示の諸実施例であり、本発明の範囲を限定しないものとする。
次に、図12を参照する。本発明は、特に圧力監視のために非侵襲的デバイスが使用されるとき、より最適な単一波検出のための戦略を提供するために、単一圧力波群1を解析するための方法を使用する。概略表現が図12aに提供されている。本発明は、圧力を表す信号を提供する様々なタイプのセンサ46と共に使用することができる。センサ・デバイス自体は、本発明の一部ではない。従来技術より、センサ46が圧力トランスデューサ47と共に動作することは周知である。励起信号がトランスデューサ47からセンサ46に印加され、センサ46は、圧力を表す新しい信号をトランスデューサ47に返す。次いで、トランスデューサ47はその信号を処理し、さらなる信号処理のためにより適している別の信号にする。センサ・デバイスは、圧力が測定される物体にセンサ46がどのように適用されるかを調節するセンサ調節デバイス48を組み込むこともできる。一般的に言えば、センサ・デバイスは、センサ46、トランスデューサ47、センサ調節デバイス48からなる。圧力トランスデューサ47からの圧力信号はさらに、参照時間と共に圧力関連デジタル・データに変換され、処理装置49内で、本発明に従って解析される。単一圧力波群の解析のための方法により、第1の制御信号50をレギュレータ・デバイス52に与える出力がもたらされる。前記レギュレータ・デバイスは、第1の制御信号50を処理装置49から別の第2の制御信号51に変換するトランスデューサとすることができる。レギュレータ52によって生成された第2の制御信号51は、センサ調節デバイス48の性能を修正する。センサ調節デバイスは、センサ/トランスデューサが、圧力を表す信号をサンプリングすることができるモードを修正する。それによって、単一圧力波群の解析のための本発明の方法は、圧力センサ・デバイスから導出可能な信号のサンプリング・モードを制御及び修正するために使用される。
センサ・デバイス自体も、そのようなセンサ・デバイスが動物又は人の体腔上で使用される方法も、本発明の一部ではないが、いくつかの実施例が、概念を例示するために与えられており、これは本発明の範囲の限定を表していない。最初に、圧平眼圧測定は、非侵襲性圧力測定のために広く使用される。圧力勾配は、加圧された弾性球の壁全体にわたって存在する。圧力センサが、平坦になった領域の表面に適用されたとき、圧力勾配は、平坦になった部分の上で存在しない。圧力測定は、平坦になった領域に一定圧力が加えられたとき行うことができる。圧平眼圧測定は、たとえば、非侵襲性血圧監視、眼圧(すなわち、眼球内の圧力)の監視、さらには泉門の開いた乳幼児における泉門圧を監視する際にも使用することができる。圧力センサ46は、皮膚又は眼球と接触する圧力要素からなる。センサ46からの信号は、圧力トランスデューサ47内で変換される。圧平眼圧測定の原理を使用して圧力が測定されるとき、トノメータによって検出される圧力脈動は、トノメータが測定表面に適用される圧力によって決まることが周知である。トノメータからの圧力が増大するにつれて、圧力波は、最も高い振幅を有する波が記録されるまで増大する。圧平眼圧測定が表面に適用される圧力が、信号検出の質を決定する。したがって、圧平眼圧測定用のデバイスは、トノメータが表面に適用される圧力を制御するセンサ調節デバイス48を含むことができる。そのようなセンサ調節デバイス48は、空気圧システムの制御を受ける、固体フレーム内の膨張可能なバルーンとすることができる。そのようなセンサ調節デバイス48は、空気の膨張を制御してセンサの空気室内に入れる機会を提供する。空気圧システムは、空気室圧力が自動的に調節され、最良の単一圧力波群を示すように、自動であり、また処理装置49によって制御される。他のセンサ46は、ドップラー信号を適用し、圧力関連信号を検出する。ドップラーによって検出された信号は、トランスデューサ47内で修正することができる。そのようなシステムでは、センサ調節デバイス48は、信号放出の方向、並びに信号の量及び質の取得を含めて、ドップラー信号が物体に適用される/物体から受信されるシステムを組み込む。ドップラー信号の放出及び検出は、信号放出源の角形成(angulations)に大いに依存する。この状況では、センサ調節デバイス48は、信号の方向及び強度の取得を含めて、ドップラー信号が物体にどのように適用されるか決定する。センサ46及びトランスデューサ47が音響信号を使用するとき、センサ調節デバイス48は、信号方向と、信号の量及び質とを制御することもできる。センサ・デバイス自体は、本発明の特定の特徴でないため、より詳細な説明は行わない。
圧力センサ・デバイスから導出可能な信号のサンプリング・モードを制御及び変更するための手順について、さらに図12b及び12cに示されている。デジタル信号は、連続する一連の短い時間系列11内の(たとえば、3秒間の)短い時間系列11中にサンプリング及び解析される。前記時間系列11内の単一波1関連パラメータ群の前記解析は、処理装置49によって実行される。すでにより詳しく述べたように、時間系列11ごとに、いくつかの単一圧力波1関連パラメータが計算される。次のパラメータの1つ又は複数が含まれる。
(1)前記時間系列11内の各識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]についての絶対平均圧力。
(2)前記時間系列11内の識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]すべてについての平均圧力の平均。
(3)前記時間系列11内の識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]すべてについての絶対平均圧力の標準偏差。
(4)前記時間系列11中の単一圧力波1の数。
(5)前記時間系列11中の単一圧力波導出心拍数16。
(6)前記時間系列11内の各識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]についての相対圧力振幅値(ΔP)4。
(7)前記時間系列11内の識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]すべてについての相対圧力振幅値(ΔP)4の標準偏差。
(8)前記時間系列11内の各識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]についての相対待ち時間値(ΔT)5。
(9)前記時間系列11内の識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]すべてについての相対待ち時間値(ΔT)5の標準偏差。
(10)前記時間系列11内の各識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]についての立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6。
(11)前記時間系列11内の識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]すべてについての立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6の標準偏差。
(12)前記時間系列11内の各識別された単一圧力波1[波長7(Pmin−Pmin)]についての相対待ち時間値(ΔT)5。
(13)前記時間系列11内の単一圧力波の振幅値(ΔP)4と待ち時間値(ΔT)5の組合せについての前記第1の行列36内の均衡位置。
(14)前記時間系列11内の単一圧力波立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)6の組合せについての前記第2の行列36内の均衡位置。
図12bは、単一圧力波1検出が修正される7つの時間系列11(1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目)を示す。単一圧力波1検出は、振幅4が最も明らかである3番目及び4番目の時間系列中に最適となる。各時間系列11について、前記解析手順は、単一圧力波1すべてに適用される。選択された基準は、解析出力に適用され、この実施例における3番目及び4番目の時間系列11について、最適な単一波検出を明らかにすることになる。
処理装置49における前記解析の出力は、レギュレータ52に適用される第1の制御信号50を確立し、又は修正する。第1の制御信号50のモードは、前記単一圧力波関連解析の出力によって決定される。各新しい時間系列の間で、解析結果に適用される基準に応じて、第1の制御信号50を決定することができる。第1の制御信号50は、レギュレータ52内で変換される。レギュレータ52は、第1の制御信号50を別の第2の制御信号51に変換するトランスデューサと考えることができる。レギュレータ52送達可能第2制御信号51は、センサ・デバイス内に組み込まれたセンサ調節デバイス48のタイプによって決まる可能性がある。したがって、この送達可能第2制御信号51は、広い意味でセンサ調節デバイス48を修正することができる。センサ46が表面に適用される圧力を空気圧システムが制御する圧平眼圧測定を参照して、実施例を提供する。レギュレータ52から送達される第2の制御信号51は、空気圧システム内の圧力レベルを決定することができ、それにより、トノメータが表面に適用される圧力が決定される。この実施例は、さらに図12cに示されている。この状況では、制御信号レベル53が空気圧システム内の圧力レベルを決定する。圧力レベル54は、新しい最初の3つの時間系列11(1番目、2番目、3番目の時間系列)ごとに増大される。図12bに示されているように、単一圧力波1検出は、新しい前記時間系列11ごとに改善される。制御信号レベル53、したがって圧力レベル54は、単一波1がほとんど変化しないままである3番目と4番目の時間系列11の間で一定に保たれる(図12c)。制御信号レベル53とそれに伴う圧力レベル54は、やはり単一波1検出も減少する後続の5番目、6番目、7番目の時間系列11中に減少する。レギュレータ52によって生成される第2の制御信号51はまた、ドップラー信号を使用してセンサ調節デバイス48を制御することができる。この状況では、第2の制御信号51は、ドップラー信号を使用して、センサ調節デバイス48の角形成並びに信号の質及び量を制御することができる。さらに、センサ・デバイスが音響信号を使用するとき、第2の制御信号51は、圧力が測定される表面に適用される音響信号の質及び量を決定するセンサ調節デバイス48を制御することができる。
前記単一圧力波1解析の結果は、異なる時間系列11について比較される。第1の制御信号50の変化と、別の第2の制御信号51における後続の変化とは、共にセンサ調節デバイス48の修正を生じる。単一圧力波パラメータ群が1つ又は複数の選択可能な基準を満たす解析出力に対応する送達可能な制御信号は、後続の圧力監視中に使用されることになる。選択可能な基準は、最適な単一圧力波検出が得られる制御信号に対応する。
それによってプロセスが実行される、戦略を制限することは、本発明の範囲内でない。システムは、前記解析を実行する処理装置49と、センサ調節デバイス48に適用される送達可能な第2の制御信号51を制御及び変更するレギュレータ52への送達可能な第1の制御信号50との間でフィードバック対話を提供する。図12b及び図12cに示されている説明に関連して、レギュレータ52と処理装置49の対話動作の一実施例について述べるが、これは本発明の範囲の限定を表していない。たとえば30秒の所与の期間中に、レギュレータ52は、それぞれ3秒で分けられた合計10個の異なる第2の制御信号51を送達する。30分の期間中には、前記3秒間隔のそれぞれの間で、センサ調節デバイス48が10回修正される。(それぞれ3秒間継続する)10個の時間系列11中に、単一圧力波群が処理装置49内で解析される。前記時間系列11のそれぞれについて、処理装置49内の解析の出力により、レギュレータ52からの第2の制御信号51に対応する第1の制御信号50が決定される。したがって、各時間系列11は前記レギュレータ52からの第2の制御信号51に対応し、第2の制御信号51は前記処理装置49内の単一圧力波1解析の出力に対応し、解析の出力はさらにレギュレータ52への第1の制御信号50に対応する。これらの対応する値は、30分の前記記録期間中における10個の時間系列11の各個々の時間系列について決定される。後続の圧力監視中には、処理装置49は、最適な単一圧力波1検出に対応する第1の制御信号50を送る。処理装置49からレギュレータ52へのこの第1の制御信号50は、別の第2の制御信号51をセンサ調節デバイス48に提供し、センサ調節デバイス48が単一圧力波1検出を行うことをさらに可能にする。(本明細書で30分間継続するとして例示されている)最適な制御信号を決定する手順は、進行中の圧力測定中に、選択された間隔で繰り返すことができる。このプロセスの様々な修正が可能である。たとえば、進行中の圧力監視中には、処理装置49は、単一圧力波1検出が最適となるレギュレータ48からの第2の制御信号51を自動的に決定することができる。
aは単一パルス圧力波のパラメータ群を示す図である。bは単一圧力波群が識別される2つの時間系列を示す図である。 aは連続圧力信号内の最大値及び最小値すべてが検出される1つの時間系列を示す図である。bは受け入れられた最小/最大(Pmin/Pmax)対だけが示されている同一の時間系列を示す図である。 aは2つの方法による、前記時間系列についての絶対平均圧力の計算を示す1つの時間系列を示す図である。bは時間系列の大きなグループについて2つの方法に従って計算された絶対平均圧力間の関係を示す図である。 aは誤った最小/最大(Pmin/Pmax)対だけが示されている1つの時間系列を示す図である。bは第1の方法に従って計算された絶対平均圧力のトレンド・プロットである。cは第2の方法に従って計算された絶対平均圧力のトレンド・プロットである。 aは連続的な動脈血圧測定について、同一の参照時間を有する2つの同一の時間系列を示す図である。bは連続的な頭蓋内圧測定について、同一の参照時間を有する2つの同一の時間系列を示す図である。 aは絶対平均圧力に関して、同一の参照時間を有する2つの同時連続圧力記録の差分プロットである。bは振幅の均衡位置に関して、同一の参照時間を有する2つの同時連続圧力記録の差分プロットである。cは待ち時間の均衡位置に関して、同一の参照時間を有する2つの同時連続圧力記録の差分プロットである。 aは振幅と待ち時間の均衡位置間の関係に最もよくフィットする曲線を決定するための散布プロットである。bは平均圧力と待ち時間の均衡位置との関係に最もよくフィットする曲線を決定するための散乱プロットである。cは平均圧力、振幅の均衡位置、待ち時間の均衡位置の間の関係に最もよくフィットする曲線を決定するための散乱プロットである。 aは時間系列内の単一圧力波群の決定を含む、単一波分布の実時間監視中の一連のイベントを示す図である。bは前記時間系列中の単一圧力波振幅と待ち時間の組合せを行列内にプロットすることを含む、単一波分布の実時間監視中の一連のイベントを示す図である。cは行列内で振幅と待ち時間の均衡位置の数値を決定することを含む、単一波分布の実時間監視中の一連のイベントを示す図である。dはヒストグラム内における時間系列内の振幅と待ち時間の均衡位置の加重値の表示である。eはトレンド・プロット内における時間系列内の振幅と待ち時間の均衡位置の加重値の表示である。fは内圧容量曲線内における時間系列内の振幅と待ち時間の均衡位置の加重値の表示である。 aは脳柔組織内における頭蓋内圧測定についての単一波分布の圧力曲線及びヒストグラムの表示である。bは脳柔組織内における頭蓋内圧測定についての単一波分布の圧力曲線及びヒストグラムの表示である。cは硬膜上腔内における頭蓋内圧測定についての単一波分布の圧力曲線及びヒストグラムの表示である。dは硬膜上腔内における頭蓋内圧測定についての単一波分布の圧力曲線及びヒストグラムの表示である。 aは圧力減少前の反復圧力曲線を示す図である。bは図10aに伴う、圧力減少前の単一波分布のヒストグラムである。cは圧力減少後の反復圧力曲線を示す図である。dは図10cに伴う、圧力減少後の単一波分布のヒストグラムである。 aは1個人についての絶対平均頭蓋内圧のトレンド・プロットである。bは前記時間系列内の振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の(予測平均圧力と呼ばれる)加重値のトレンド・プロットである。cは1個人についての絶対平均頭蓋内圧のトレンド・プロットである。dは前記時間系列内の振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の(予測平均圧力と呼ばれる)加重値のトレンド・プロットである。 aは処理装置、レギュレータ、センサ調節デバイスの間の相互作用のためのシステムの概観図である。bは前記時間系列中のより最適な単一圧力波検出の図である。cはセンサ調節デバイスに適用された制御信号レベルの修正を示す図である。

Claims (109)

  1. 人又は動物の体上での、又は体内での圧力測定から導出可能な圧力信号を解析するための方法であって、特定の間隔で前記信号をサンプリングするステップと、前記圧力信号を参照時間と共に圧力関連デジタル・データに変換するステップとを含み、
    選択可能な時間系列について、
    a)前記デジタル・データから、前記圧力信号内の単一圧力波群を識別するステップと、
    b)振幅、待ち時間、および立ち上がり時間係数から選択される、前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップと、
    )振幅、待ち時間、立ち上がり時間係数等の前記選択されたパラメータ群に関連してそのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップと、
    プロットをするステップであって、
    d1)第1の行列内に振幅及び待ち時間の予め選択された値を有する単一圧力波の発生数をプロットし、前記第1の行列内で振幅と待ち時間の組合せの均衡位置を決定し、記均衡位置を数値として又は重み値に関連するものとして提示するステップ、及び
    d2)第2の行列内に立ち上がり時間係数の予め選択された値を有する単一圧力波の発生数をプロットし、前記第2の行列内で立ち上がり時間係数の均衡位置を決定し、得られた前記均衡位置を数値として又は重み値に関連するものとして提示するステップ
    の少なくとも一つに基づいてプロットをするステップと、
    をさらに含む方法。
  2. 前記方法が、前記選択可能な時間系列中に連続圧力信号に適用される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記選択可能な時間系列が、5〜15秒の範囲内にある、請求項2に記載の方法。
  4. 2つの時間系列間で発生する単一圧力波群が、予め選択された基準に従って前記2つの時間系列の一方又は他方に含まれる、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 連続圧力記録期間が、連続する一連の前記選択可能な時間系列を組み合わせたものとされる請求項2に記載の方法。
  6. 前記選択可能な時間系列のどれかが、選択された基準に従ってさらなる解析のために受け入れられる、又は拒絶される、請求項5に記載の方法。
  7. 連続測定期間中に、連続する一連の前記時間系列内の前記時間系列のそれぞれについて、連続圧力信号すべてに本方法を適用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記識別するステップが、前記信号内の最小圧力値(谷)及び最大圧力値(ピーク)すべての決定を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 単一圧力波群を識別する前記ステップが、前記単一圧力波の心臓拡張期最小値に関連する最小圧力値(Pmin)及び心臓収縮期最大値に関連する最大圧力値(Pmax)を識別することに関連する、請求項1に記載の方法。
  10. 単一圧力波群を識別する前記ステップが、前記単一圧力波の最小−最大(Pmin/Pmax)対の決定を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記識別するステップが、正しい最小−最大(Pmin/Pmax)対に関連する前記単一圧力波パラメータの少なくとも1つを決定することを含み、前記パラメータが、振幅(ΔP)、待ち時間(ΔT)、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)のグループから選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記単一圧力波振幅が、圧力振幅=ΔP=心臓収縮期最大値(Pmax)−心臓拡張期最小値(Pmin)に関連する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記単一圧力波待ち時間が、待ち時間=ΔT=圧力が心臓拡張期最小圧力(Pmin)から心臓収縮期最大圧力(Pmax)に増大する時間系列に関連する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記単一圧力波立ち上がり時間係数が、振幅ΔPと待ち時間ΔTの間の関係ΔP/ΔTに関連する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記識別するステップが、予め選択された閾値外の振幅値(ΔP)又は待ち時間値(ΔT)又は立ち上がり時間係数値(ΔP/ΔT)を有する最小−最大圧力(Pmin/Pmax)対の除外を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 振幅(ΔP)、待ち時間(ΔT)、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)のグループから選択された前記単一圧力波パラメータ群が、相対値にすぎず、任意のゼロ圧力レベルから独立している、請求項1に記載の方法。
  17. 前記心臓収縮期最大圧力値(Pmax)が、前記単一圧力波内で発生する3つのピーク値の1つである、請求項9に記載の方法。
  18. 前記単一圧力波内の前記3つのピーク値の第1のピーク(P1)が、パーカッション波の上端に関連する振幅を有し、
    前記3つのピーク値の第2のピーク(P2)が、前記単一圧力波の潮汐波部分に関連する振幅を有し、
    前記3つのピーク値の第3のピーク(P3)が、前記単一圧力波の重拍波部分に関連する振幅を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記振幅値と待ち時間値の間の比に基づいて1つ又は複数の立ち上がり時間係数ΔP/ΔTを計算するステップをさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップが、絶対平均圧力のパラメータをさらに含み、前記そのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップが、絶対平均圧力のパラメータ群に関して識別するステップをさらに含み、かつ前記単一圧力波群の各個々の波についての絶対平均圧力が、圧力波形の時間中、すなわち、心臓拡張期最小圧力(Pmin)から心臓拡張期最小圧力(Pmin)の平均圧力に関連する、請求項1に記載の方法。
  21. 個々の単一圧力波についての平均圧力が、前記圧力波内の圧力レベルの和を圧力サンプル数で除したものである、請求項20に記載の方法。
  22. 個々の単一圧力波についての平均圧力が、前記単一圧力波についての曲線下の面積(AUC)である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップが、絶対平均圧力のパラメータをさらに含み、前記そのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップが、絶対平均圧力のパラメータ群に関して識別するステップをさらに含み、かつ前記選択可能な時間系列についての絶対平均圧力が、前記時間系列中の個々の単一圧力波すべてについての絶対平均圧力(波長Pmin−Pmin)の和を前記同一の時間系列内の単一圧力波数で除したものである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップが、絶対平均圧力のパラメータをさらに含み、前記そのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップが、絶対平均圧力のパラメータ群に関して識別するステップをさらに含み、かつ単一圧力波群の絶対平均圧力が、大気圧に対する絶対圧力に関連する、請求項1に記載の方法。
  25. 単一圧力波群が、前記単一波群の単一圧力波心臓拡張期最小圧力(Pmin)及び心臓収縮期最大圧力(Pmax)の絶対圧力値が選択された閾値外であるとき拒絶される、請求項1に記載の方法。
  26. 前記時間系列中の心拍数が、前記時間系列中の単一圧力波数を前記時間系列の持続時間で除したものに等しい、請求項1に記載の方法。
  27. 前記時間系列中の心拍数が、前記時間系列中の単一圧力波数を前記時間系列中の前記個々の単一圧力波すべてについての波長(Pmin−Pmin)の和で除したものに等しい、請求項1に記載の方法。
  28. 圧力記録の時間系列が、前記時間系列内の単一圧力波関連パラメータ群に従って受け入れられる、又は拒絶される、請求項1に記載の方法。
  29. 前記時間系列が、5〜15秒の範囲内の持続時間のものである、請求項28に記載の方法。
  30. 時間系列が、前記単一圧力波群の最小/最大(Pmin/Pmax)対値の絶対圧力の標準偏差が選択された閾値外であるとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  31. 時間系列が、振幅(ΔP)、待ち時間(ΔT)、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)のグループから選択された1つ又は複数の単一圧力波パラメータの標準偏差が選択された閾値外であるとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  32. 時間系列が、前記時間系列内の単一圧力波数が選択された閾値外であるとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  33. 時間系列が、前記時間系列についての単一圧力波導出心拍数が選択された閾値外であるとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  34. 時間系列が、同一の参照時間と共に、同一の時間系列中に記録された別の圧力から導出された単一圧力波数に比べて、前記時間系列についての単一圧力波数が選択された値外に逸脱したとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  35. 時間系列が、同一の参照時間と共に、同一の時間系列中に記録された別の圧力からの単一圧力波導出心拍数に比べて、前記時間系列についての単一圧力波導出心拍数が選択された値外に逸脱したとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  36. 時間系列が、他のソースから導出された心拍数に比べて、前記時間系列についての単一圧力波導出心拍数が選択された値外に逸脱したとき拒絶される、請求項28に記載の方法。
  37. 前記他のソースがパルス・オキシメトリ又は心電図記録である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記時間系列の拒絶又は受け入れが、進行中の圧力測定中に繰り返し実行される、請求項28から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 記録期間中の受け入れられた時間系列及び拒絶された時間系列についてログが作成される、請求項28から37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 1つ又は複数の単一圧力波関連パラメータに関連する予め選択された値を有する単一圧力波数の決定に基づいて前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つを作成し、各行列セルについて、前記第1の行列及び2の行列内の少なくとも一つにおけるそれぞれの交点で、前記単一圧力波群の特定のパラメータ間の合致の発生数を示すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  41. 前記第1の行列が、振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)に関連する予め選択された値を有する単一圧力波数を決定することに基づいて作成され、前記第1の行列の一方の軸が、圧力振幅(ΔP)の予め選択された値のアレイに関連し、前記第1の行列における他方の軸が、予め選択された待ち時間(ΔT)のアレイに関連し、各行列セルについて、前記第1の行列内のそれぞれの交点で、特定の圧力振幅(ΔP)と特定の待ち時間(ΔT)との合致の発生数を示すことが、前記時間系列にわたる単一圧力波群の連続測定に関連する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記第2の行列が、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)に関連する予め選択された値を有する単一圧力波数を決定することに基づいて作成され、前記第2の行列の一方の軸が、立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の予め選択された値のアレイに関連し、前記第2の行列内のセルごとに、前記時間系列にわたる単一圧力波群の連続測定に関連する予め選択された立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の発生が示される、請求項40に記載の方法。
  43. 前記単一圧力波パラメータ群がグループに分類され、前記グループが、前記単一波パラメータ値の範囲を反映する、請求項40に記載の方法。
  44. 前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つの反復更新が、前記時間系列中に、また測定期間内で取られる進行中の測定中に行われる、請求項40記載の方法。
  45. 前記反復更新が、5〜15秒ごとの時間範囲内で行われる、請求項44に記載の方法。
  46. 前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つが、一連の繰り返される時間系列内の各連続する時間系列について計算される、請求項40記載の方法。
  47. 前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ内の前記合致の発生が、特定の測定期間中の合致の実際数又は標準化ベースの数を介して示される、請求項40記載の方法。
  48. 前記合致の発生が、特定の測定期間中の合致の割合を介して示される、請求項40記載の方法。
  49. 前記合致の発生の数の前記標準化又は割合が、特定の測定期間の長さの関数である、請求項40に記載の方法。
  50. 前記標準化が、単一圧力波から導出された心拍数の波長に関連する、請求項47に記載の方法。
  51. 前記第1の行列内で前記単一圧力波振幅値(ΔP)及び待ち時間値(ΔT)の発生数について均衡位置を計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  52. 振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の組合せの数の前記第1の行列の均衡位置が、前記時間系列中の振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の組合せの平均頻度分布に関連する、請求項51に記載の方法。
  53. 均衡位置が、前記第2の行列内で前記単一圧力波立ち上がり時間係数値(ΔP/ΔT)の発生数について計算される、請求項1に記載の方法。
  54. 立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の前記第2の行列数の前記均衡位置が、前記選択された時間系列中の立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の平均頻度分布に関連する、請求項53に記載の方法。
  55. 前記時間系列内の前記行列均衡位置の反復計算が、測定期間にわたって取られる進行中の測定中に行われる、請求項50から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 新しい行列均衡位置が、測定期間にわたって取られる進行中の測定中に、連続する一連の前記時間系列内の各時間系列について計算される、請求項50から54のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記反復更新が、5〜15秒ごとの時間範囲内で行われる、請求項55から56に記載の方法。
  58. 前記第1又は第2の行列内の発生数の均衡位置が、数値として、又は重み値として提示される、請求項50から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップが、絶対平均圧力のパラメータをさらに含み、前記そのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップが、絶対平均圧力のパラメータ群に関して識別するステップをさらに含み、かつ前記単一圧力波関連デジタル・データをデータベース内に記憶するステップと、前記デジタル・データのセットを所与の時間系列に関連させるステップと、前記デジタル・データのセットを、連続する一連の前記時間系列内の個々の時間系列に関連させるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  60. 前記データベース内に記憶された前記単一圧力波関連デジタル・データが、次の特徴項目、すなわち、
    a)前記時間系列内の各受け入れられたPmin/Pmax対の心臓拡張期最小値(Pmin)についての絶対圧力値、
    b)前記時間系列内の各受け入れられたPmin/Pmax対の心臓収縮期最大値(Pmax)についての絶対圧力値、
    c)前記時間系列内の各個々の単一圧力波のPminからPmin(波長)の平均圧力である、各個々の単一圧力波についての絶対圧力値、
    d)前記時間系列内の各個々の単一圧力波についての相対振幅(ΔP)圧力値、
    e)前記時間系列内の各個々の単一圧力波についての相対待ち時間値(ΔT)、
    f)前記時間系列内の各個々の単一圧力波についての相対立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)、
    g)前記時間系列内の単一圧力波の数、
    h)単一圧力波の数を、前記時間系列内の単一圧力波群の波長(Pmin min)の総持続時間で除したものとして計算された単一圧力波導出心拍数、
    i)単一圧力波の数を、前記単一圧力波群が発生した前記時間系列の持続時間で除したものとして計算された単一圧力波導出心拍数、
    j)前記時間系列中の個々の単一波すべてについての絶対平均圧力の和(波長Pmin−Pmin)を、前記時間系列内の単一圧力波の数で除したものとして計算された、前記時間系列内で発生する個々の単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての絶対平均圧力値の平均、
    k)前記時間系列内の個々の単一圧力波すべての絶対平均圧力値についての標準偏差、
    l)前記時間系列内の個々の単一波すべての心臓拡張期最小圧力値(Pmin)についての標準偏差、
    m)前記時間系列内の個々の単一波すべての心臓収縮期最大圧力値(Pmax)についての標準偏差、
    n)前記時間系列内の個々の単一圧力波すべてについての圧力振幅値(ΔP)についての標準偏差、
    o)前記時間系列内の個々の単一圧力波すべての相対待ち時間(ΔT)についての標準偏差、
    p)前記時間系列内の個々の単一圧力波すべての相対立ち上がり時間係数値(ΔP/ΔT)についての標準偏差、
    q)前記時間系列内の単一圧力波振幅値(ΔP)と待ち時間値(ΔT)の組合せの前記第1の行列内の振幅(ΔP)/待ち時間(ΔT)の組合せの均衡位置、
    r)前記時間系列内の単一圧力波立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の前記第2の行列内の立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の均衡位置、
    のうち少なくとも1つを含む、請求項59に記載の方法。
  61. 前記時間系列が、5〜15秒の範囲内にある、請求項60に記載の方法。
  62. 前記単一圧力波関連デジタル圧力データをコンピュータ可読媒体上で記憶するステップと、
    前記単一圧力波関連デジタル圧力データのいずれかの中の、又はそれらの間の、差又は関係のグラフィカル表示及び統計解析を提供するステップとをさらに含む、請求項60に記載の方法。
  63. 前記データベース内に記憶された前記単一圧力波関連デジタル圧力データのいずれかの間の差又は関係が、統計的に解析される、請求項58から62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記統計的解析が、同一の時間系列及び同一の参照時間と共に、異なる圧力間における前記単一波パラメータ群の値の差をプロットすることを含む、請求項59から63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記差が、同一の時間系列及び同一の参照時間を伴う異なる圧力間の絶対平均圧力の差に関連する、請求項64に記載の方法。
  66. 前記差が、同一の時間系列及び同一の参照時間を伴う異なる圧力間の振幅(ΔP)の均衡位置の差に関連する、請求項64に記載の方法。
  67. 前記差が、同一の時間系列及び同一の参照時間を伴う異なる圧力間の待ち時間(ΔT)の均衡位置の差に関連する、請求項64に記載の方法。
  68. 前記差が、同一の時間系列及び同一の参照時間を伴う異なる圧力間の立ち上がり時間係数の差に関連する、請求項64に記載の方法。
  69. 前記統計解析が、各軸が前記単一圧力波パラメータの1つを参照する散布プロット内で単一圧力波パラメータ群をプロットすることを含む、請求項62又は63に記載の方法。
  70. 前記時間系列中の絶対平均圧力が、前記同一の時間系列中の振幅(ΔP)の均衡位置に関連付けられる、請求項59から64のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記時間系列中の絶対平均圧力が、前記同一の時間系列中の待ち時間(ΔT)の均衡位置に関連付けられる、請求項59から64のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記時間系列中の振幅(ΔP)の均衡位置が、前記同一の時間系列中の待ち時間(ΔT)の均衡位置に関連付けられる、請求項59記載の方法。
  73. 最もよくフィットする曲線又は式が、前記単一圧力波関連パラメータ群の任意の関係について確立される、請求項63及び69から72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記最もよくフィットする曲線又は式が、前記単一圧力波関連パラメータ群についての範囲に関連する、請求項73に記載の方法。
  75. もよくフィットする曲線又は式が、個々の圧力記録に基づいて作成され、前記個々の圧力記録が、連続する一連の前記時間系列について組み立てられる、請求項1、73又は74に記載の方法。
  76. 合計の最もよくフィットする曲線又は式が、々の圧力記録の2つ以上に基づいて作成される、請求項1、73又は74に記載の方法。
  77. 最もよくフィットする曲線又は式の平均タイプが、前記個々の圧力記録の2つ以上から作成される、請求項75又は76に記載の方法。
  78. 々の圧力記録が、選択可能な基準に従って前記合計の最もよくフィットする曲線又は式を決定する際に含まれ、前記選択可能な基準が、前記個々の圧力記録内の単一圧力波関連パラメータ群の分布に関連付けられる、請求項74から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 異なる単一圧力波パラメータ関係についての最もよくフィットする式が組み合わされる、請求項1、62から63、69から78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 1つの単一圧力波関連パラメータが、2つ以上の他の単一圧力波関連パラメータの関数として決定される、請求項79に記載の方法。
  81. 々の時間系列についての平均圧力が、間系列内の振幅及び待ち時間の均衡位置の関数として決定される、請求項1及び71から79のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記単一圧力波群の単一圧力波関連パラメータ群を計算するステップが、絶対平均圧力のパラメータをさらに含み、前記そのような波群の予め選択されたパラメータ値を有する単一圧力波の数を識別するステップが、絶対平均圧力のパラメータ群に関して識別するステップをさらに含み、かつ単一圧力波関連パラメータ群の前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つのセルに重みを与えるステップをさらに含み、前記重みが、前記単一圧力波関連パラメータ間の関係によって決定される、請求項1並びに59及び60のいずれか一項に記載の方法。
  83. 単一圧力波関連デジタル・データに基づいて前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つを作成するステップと、
    前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ内のそれぞれの交点部の各セル部で、前記単一圧力波群の特定のパラメータ間の合致の発生数を示し、前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ内の各セルを加重して重み値を与えるステップとをさらに含み、
    前記加重するステップが、
    個々の圧力記録について、前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ内で表された前記単一圧力波パラメータ群を含む単一圧力波パラメータ間の関係を計算するステップと、
    複数の個々の圧力記録について、前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ行列内で表された前記単一波パラメータ群を含む単一圧力波パラメータ間の関係を計算するステップと、
    前記重み値が前記行列内に含まれる前記単一波パラメータ群の関数である式を計算するステップと、
    前記式に従って前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ行列内の各セルに重み値を提供するステップであって、前記式内の入力値が前記第1の行列および第2の行列の少なくとも一つ行列の列及び行グループ中点であるステップと、
    特定の行列セル内の前記単一圧力波群の特定のパラメータ間の任意の合致の発生を、前記行列セルの前記重み値として提示するステップとを含む、請求項82に記載の方法。
  84. 振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)に関連する予め選択された値を有する単一圧力波の数を決定することに基づいて前記第1の行列を作成するステップであって、前記第1の行列の一方の軸が、圧力振幅(ΔP)の予め選択された値のアレイに関連付けられ、他方の軸が予め選択された待ち時間(ΔT)のアレイに関連付けられるステップと、
    前記第1の行列内のそれぞれの交点部の各セル部で、ある時間系列内の単一圧力波群の連続する測定に関連する単一圧力波振幅(ΔP)と待ち時間(ΔT)の特定の組合せ間における合致の発生数を示し、前記第1の行列内の各セルを加重して、前記時間系列中の平均圧力に関連する重み値を提供するステップとをさらに含み、
    前記行列セルの前記加重するステップが、
    個々の圧力記録又は複数の個々の圧力記録について、前記時間系列内での絶対平均圧力と単一圧力波振幅(ΔP)の均衡位置との関係について最もよくフィットする式を計算するステップと、
    個々の圧力記録又は複数の個々の圧力記録について、前記時間系列内での単一圧力波振幅(ΔP)の均衡位置と単一圧力波待ち時間(ΔT)の均衡位置との関係について最もよくフィットする式を計算するステップと、
    個々の圧力記録又は複数の個々の圧力記録について、前記時間系列内での絶対平均圧力と、単一圧力波振幅(ΔP)の均衡位置及び単一圧力波待ち時間(ΔT)の均衡位置との関係について最もよくフィットする式を計算するステップと、
    個々の圧力記録又は複数の個々の圧力記録について、前記時間系列内での単一圧力波振幅(ΔP)の均衡位置及び単一圧力波待ち時間(ΔT)の均衡位置の関数として絶対平均圧力間の関係について式を計算するステップと、
    前記行列内の各セルについて、平均圧力が、前記時間系列内での単一圧力波振幅(ΔP)の均衡位置及び単一圧力波待ち時間(ΔT)の均衡位置の関数である前記式から導出可能な平均圧力値を計算するステップであって、
    前記式に入力される前記振幅値(ΔP)及び待ち時間値(ΔT)が、前記振幅グループ値(ΔP)及び待ち時間グループ値(ΔT)の中点など、選択された基準に従って作成されるステップと、
    前記行列内のセルすべてについて、加重スケール値を決定する前記ステップを繰り返すステップとを含む、請求項83に記載の方法。
  85. 前記基準が、前記振幅グループ値(ΔP)及び待ち時間グループ値(ΔT)の中点である、請求項84に記載の方法。
  86. 行列セルに、前記行列の行及び列のパラメータ群の関数として表される値が与えられる、請求項83又は84に記載の方法。
  87. 振幅(ΔP)/待ち時間(ΔT)である前記第1の行列の行列セルすべてが平均圧力値によって表され、前記平均圧力値が、振幅値(ΔP)及び待ち時間値(ΔT)の均衡位置の関数であり、前記平均圧力値が予測平均圧力と呼ばれる、請求項83又は84に記載の方法。
  88. 振幅(ΔP)/待ち時間(ΔT)である前記第1の行列の行列セルが、前記第1の行列セルの平均圧力値に対応する選択された色によって表される、請求項83又は84に記載の方法。
  89. 所与の時間系列内の振幅(ΔP)及び待ち時間(ΔT)の前記2次元均衡位置が、1次元重みによって表される、請求項83又は84に記載の方法。
  90. さらに、振幅値及び待ち時間値の均衡位置の反復更新が、前記均衡位置の加重数の反復更新に対応し、前記重み値が、予測平均圧力値と呼ばれる前記平均圧力値である、請求項55に記載の方法。
  91. さらに、加重数としての振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の反復更新が、時間に対して行われ、前記均衡位置が、進行中の圧力測定中に、トレンド・プロット内で時間に対して重み値としてプロットされる、請求項55に記載の方法。
  92. さらに、前記時間系列中の加重数としての振幅と待ち時間の組合せの均衡位置の反復更新が、重み値として表され、ヒストグラム内で提示される、請求項55又は91に記載の方法。
  93. 圧力信号の前記解析が、頭蓋内圧、動脈血圧、髄液圧、脳潅流圧、眼圧、胃腸圧、尿道圧、又は任意のタイプの軟組織圧のうち1つ又は複数から選択された人又は動物の体圧に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
  94. 人又は動物の体上での、又は体内での圧力測定から導出可能な圧力信号を解析するための方法であって、特定の間隔で前記信号をサンプリングするステップと、前記圧力信号を参照時間と共に圧力関連デジタル・データに変換するステップとを含み、
    ある時間系列中に特定の間隔での圧力関連データをサンプリングし、前記サンプリングされたデータをデジタル・データのセットに変換し、前記デジタル・データ・セットから単一波群を識別するステップと、
    前記時間系列について前記単一圧力波群に関連するパラメータ群を決定するステップとをさらに含み、
    前記単一圧力波関連パラメータ群が、
    前記時間系列内の各識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)についての絶対平均圧力、
    前記時間系列内の識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての平均圧力の平均、
    前記時間系列内の識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての絶対平均圧力の標準偏差、
    前記時間系列中の単一圧力波の数、
    前記時間系列中の単一圧力波導出心拍数、
    前記時間系列内の各識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)についての相対圧力振幅値(ΔP)、
    前記時間系列内の識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての相対圧力振幅値(ΔP)の標準偏差、
    前記時間系列内の各識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)についての相対待ち時間値(ΔT)、
    前記時間系列内の識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての相対待ち時間値(ΔT)の標準偏差、
    前記時間系列内の各識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)についての立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)、
    前記時間系列内の識別された単一圧力波(波長Pmin−Pmin)すべてについての立ち上がり時間係数(ΔP/ΔT)の標準偏差、
    前記時間系列内の単一圧力波の振幅値(ΔP)と待ち時間値(ΔT)の組合せについての第1の行列内の均衡位置、
    前記時間系列内の単一圧力波立ち上がり時間係数値(ΔP/ΔT)の組合せについての第2の行列内の均衡位置
    のうち少なくとも1つ又は複数を含み、
    さらに、
    前記単一圧力波関連パラメータ群を、短い時間系列、たとえば3秒間の間に識別するステップと、
    前記時間系列中に単一圧力波関連パラメータ群について前記決定するステップに基づいて、解析出力を確立するステップと、
    前記時間系列のそれぞれについて、前記単一圧力波解析出力に関連する送達可能な第1の制御信号を確立するステップであって、
    前記第1の制御信号が、前記解析出力のための1つ又は複数の選択可能な基準に従って決定されるステップとを含み、
    さらに、
    前記送達可能な第1の制御信号を、前記第1の送達可能な制御信号に対応するレギュレータ送達可能な第2の制御信号に修正するステップと、
    前記第2の制御信号をセンサ調節デバイスに送達し、前記センサ調節デバイスの性能を修正させるステップとを含む方法。
  95. 前記解析が処理装置によって実行され、前記処理装置が、第1の制御信号をレギュレータに送達し、前記第1の制御信号が、前記解析の出力のための選択可能な基準に従って決定される、請求項94に記載の方法。
  96. 所与の時間系列についての単一圧力波関連デジタル・データの前記解析の出力が、前記送達可能な第1の制御信号の修正を生み出す、請求項94に記載の方法。
  97. 前記第1の制御信号の特徴が、後続の圧力監視から導出可能な前記単一圧力波解析の出力が特定の基準を満たすとき選択可能である、請求項94に記載の方法。
  98. 単一圧力波関連パラメータ群の前記選択された基準が、最適な単一圧力波検出のための基準に関連する、請求項94に記載の方法。
  99. 前記選択可能な第1の制御信号が、連続する一連の時間系列内の各個々の時間系列中に、前記連続する一連の時間系列内の各時間系列についての前記単一圧力波解析の出力に従って決定される、請求項94に記載の方法。
  100. 前記第1の制御信号が、レギュレータ内で、送達可能な第2の制御信号に変換され、前記選択可能な第2の制御信号が、前記選択可能な第1の制御信号に対応する、請求項94から99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 前記レギュレータ送達可能な第2の制御信号が、センサ調節デバイスの性能に修正を引き起こす、請求項100に記載の方法。
  102. 前記センサ調節デバイスが、レギュレータ送達可能な第2の制御信号に従って調整可能である、請求項101に記載の方法。
  103. 前記センサ調節デバイスが、圧力を示す信号を前記センサがサンプリングすることができるモードを修正する、請求項101から102に記載の方法。
  104. レギュレータへの送達可能な第1の制御信号を制御する、単一圧力波解析を実行する処理装置と、センサ調節デバイスへの送達可能な第2の制御信号を制御するレギュレータとの間にフィードバックがあり、前記フィードバック信号が、進行中の圧力測定中に選択された間隔で反復可能である、請求項94から103のいずれか一項に記載の方法。
  105. 所与の時間系列についての前記単一圧力波解析の出力が、前記第2の送達可能な制御信号に関連する、請求項104に記載の方法。
  106. 前記単一圧力波解析の出力が、一連の連続時間系列中に個々の時間系列について決定され、前記第2の制御信号が、前記個々の時間系列のそれぞれの間で別のレベルに修正され、前記第2の制御信号のレベルが、前記時間系列のそれぞれについての前記解析出力に関連する、請求項104から105に記載の方法。
  107. 前記第1の制御信号が、前記第2の制御信号に従って決定され、前記第2の制御信号が、前記第1の制御信号に従って決定される、請求項104から105に記載の方法。
  108. 前記送達可能な第1及び第2の制御信号が、最適な単一圧力波検出を示す前記単一圧力波解析の出力に関連し、前記第1及び第2の制御信号が、後続の圧力監視中に使用される、請求項94から107のいずれか一項に記載の方法。
  109. 前記人又は動物の体圧が、頭蓋内圧、動脈血圧、髄液圧、脳潅流圧、眼圧、胃腸圧、尿道圧、又は任意のタイプの軟組織圧のうち1つ又は複数である、請求項94に記載の方法。
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