JP2011115188A - 睡眠状態モニタリング装置、モニタリングシステムおよびコンピュータプログラム - Google Patents

睡眠状態モニタリング装置、モニタリングシステムおよびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、専門家または医療従事者の助けを必要とせずに使用者が在宅のまま睡眠の質を簡単にチェックできるような装置及び方法を提供することである。
【解決手段】
本発明は、在宅で睡眠状態についての測定を行うために、使用者の身体に接している圧力検出部から圧力波形を得る圧力波形取得部10と、圧力波形に所定の処理を行って拍動波形を抽出する拍動抽出部22と、拍動間隔を算出する拍動間隔算出部24と、前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定部26とを備える睡眠状態モニタリング装置を用い、また、コンピュータネットワークを通じて睡眠中の拍動間隔のデータを収集して健康管理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、睡眠状態モニタリング装置、モニタリングシステムおよびコンピュータプログラムに関する。
現在、人の健康管理を行ったり心身へのストレスを適切に管理するための手法のひとつとして、睡眠の質を管理することが求められている。睡眠の質を具体的に評価するには、睡眠を6つのカテゴリ、すなわち、覚醒、REM(Rapid Eye Movements)睡眠、ステージ1(S1)〜ステージ4(S4)に分類して評価することが行われており、このためには、通常、電気的計測が利用されている。なお、覚醒、REM睡眠、S1〜S4、は、この順に睡眠の深度が大きくなるが、通常の睡眠の状態の推移では、睡眠開始直後にREM睡眠になることはなく、一旦深い眠り(S3またはS4)になってから覚醒に向かって眠りが浅くなる際にREM睡眠の状態になる。この測定では、人(使用者または被験者)の身体のいくつかの部位に電極(皿電極)を装着して、例えば、頭皮からの脳波、アゴからの筋電位、眼の周辺からの眼球電位、および心電図を利用する必要がある。脳波から睡眠状態を判定する技術が、Rechtschaffen−Kales(R−K)の方法として知られている。また、心電図を利用する技術は、例えば特許文献1(特開2003−225211号公報)に開示されている。これらの測定手法による睡眠状態の評価は精度が高いという特徴を有するものの、正しい評価結果を得るためには、専門的知識を有する専門家または医療従事者がデータの解析を行う必要がある。また、電気的測定のために電極を測定時に装着するため、使用者に対する拘束性が高く、睡眠中の使用者に対して精神的な負担を与えてしまう。このため、これらの従来の技術は、睡眠の状態に影響すると共に、長期間にわたる継続的な測定を行うことも難しい。
また、睡眠状態の評価を上記以外の生体情報によって実現する手法について、多くの報告がなされている。この手法は、体振動の情報の採り方によりいくつかのバリエーションがあるが、その一つとして、体振動の大きさを指標として定義する方法(非特許文献1)が知られている。
さらに、自律神経成分比の研究によって睡眠ステージをごく大きく分類することが報告されている。非特許文献3には、心電図波形に基づいて自律神経成分比を求めて、浅い睡眠(S1またはS2)と、深い睡眠(S3またはS4)との間で判定を行うことが開示されている。
そして、 非特許文献5には、心疾患における心拍のスペクトルの変化について開示されており、また、非特許文献6には、心拍変動のパワースペクトルを応用して、糖尿病による初期段階の自律神経機能不全を検出しうることについて開示されている。
特開2003−225211号公報
渡辺崇士、渡辺嘉二郎: 就寝時無拘束計測生体データによる睡眠段階の推定、計測自動制御学会論文集、38(7), 581−589, (2002) 早野順一郎他: 心拍変動と自律神経機能、生物物理、28, 198―202, (1988) Baharav A, et al. : Fluctuations in autonomic nervous activity during sleep displayed by power spectrum analysis of heart rate variability, Neurology, 45, 1183―1187, (1995) Task Force of the European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology: Heart Rate Variability(HRV):Standards of Measurement, Physiological Interpretation, and Clinical Use, Circulation, 93(5), 1043−1065, (1996) Saul JP, Arai Y, Berger RD. et al.: Assessment of Autonomic regulation in chronic congestive heart failure by heart rate spectral analysis, American Journal of Cardiology, 61, 1292−1299, (1988) Yamasaki, Y, Ueda, N., Kishimoto, M et al.: Assessment of early stage autonomic nerve dysfunction in diabetic subjects; application of power spectral analysis of heart rate variability, Diabetes Research, 17(2), 73−80, (1991)
専門家または医療従事者の助けを必要とせずに使用者が在宅のまま睡眠の質を簡単にチェックできるような装置や方法があれば、自己の健康状態を把握することが可能となり、健康管理が容易になる。また、睡眠の質の低下が手軽に検出できれば、専門家または医療従事者が診断するための的確な情報を与えることができる。また、非特許文献3の手法では、心電図を測定する必要があるばかりでなく、睡眠ステージを細分するような判定は難しく、また、睡眠か覚醒かを判定することもできない。さらに、在宅のままの使用者の拍動間隔のゆらぎのデータを収集して使用者の健康状態を監視することも容易に行うことはできない。本発明は、上記いくつかの課題を解決することを課題とする。
本発明においては、使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得部と、該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出部と、該拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出部と、前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを該拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定部とを備える睡眠状態モニタリング装置が提供される。また本発明の睡眠状態モニタリングは、方法として、あるいは、圧力検出部に接続されたコンピュータにおいてコンピュータプログラムとして実施することもできる。
本明細書において、睡眠状態とは、覚醒、REM睡眠、ステージ1(S1)〜ステージ4(S4)という覚醒と睡眠の全ての状態を指すために用い、睡眠ステージとは、睡眠状態から覚醒を除いたもの、すなわち、REM睡眠、S1〜S4を指すために用いる。また、拍動とは、心臓の拍動およびそれに影響されて生じる振動、例えば、動脈の脈動による身体表面の振動を含む。
本発明においては、使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得部と、該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出部と、拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出部と、コンピュータネットワークを通じてデータを送信するデータ送信部とを備えたネットワークに接続されたモニタリング部と、該コンピュータネットワークを通じて該装置から少なくとも拍動間隔を含む時系列データを複数回受信し、受信した時系列データを使用者に対応させて該時系列データを記録するための記憶部とを有する睡眠状態モニタリングシステムであって、前記コンピュータネットワークに接続されたいずれかのコンピュータが、複数回にわたって受信した前記時系列データを使用者に対応付けて時間に対するグラフとして表示し、過去のある期間における該使用者の拍動間隔のゆらぎの変化を提示するデータ表示部を備えている、睡眠状態モニタリングシステムが提供される。この睡眠状態モニタリングシステムは、モニタリング部にコンピュータネットワークを通じて接続可能にされているコンピュータにおいてプログラムとして実施することもできる。
本発明のいずれかの実施形態によれば、使用者を拘束せず睡眠状態にも影響を与えることなく、覚醒しているか睡眠しているか、あるいは、使用者が睡眠しているのがどの睡眠ステージであるかなどの睡眠状態を監視することが可能になる。また、本発明のいずれかの実施形態によれば、拍動間隔のゆらぎによって使用者の健康状態を監視することが可能になる。
本発明の睡眠状態モニタリング装置の実施形態を示すブロック図である。 本発明の睡眠状態モニタリング方法の実施形態を示すフローチャートである。 本発明の睡眠状態モニタリング方法の実施形態において、睡眠か覚醒かを判定する処理を示すフローチャートである。 本発明の睡眠状態モニタリング方法の実施形態において、睡眠ステージを判定する処理を示すフローチャートである。 本発明の睡眠状態モニタリング方法の実施形態において、スペクトルパターン法によって睡眠ステージを判定する処理を示すフローチャートである。 本発明の睡眠状態モニタリング方法の実施形態において、自律神経成分比法によって睡眠ステージを判定する処理を示すフローチャートである。 本発明の睡眠状態モニタリングシステムの実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施例においてR波を特定する処理を行った結果を示すコンピュータ画面の例である。 本発明の実施例において被験者から得た体振動からRR間隔のパワースペクトルを得た結果を示すコンピュータ画面の例であり、覚醒状態(図9(A))、S1〜S4(図9(B)〜図9(E))およびREM睡眠(図9(F))の場合のパワースペクトルを示す図である。 本発明の実施例において被験者から得た体振動によって睡眠状態を判定した結果を示すコンピュータ画面の例である。 本発明の実施例において被験者から得た体振動によって睡眠状態を自動判定した結果と、従来の手法によって判定した結果を対比して示すコンピュータ画面の例である。 本発明の実施例において被験者から測定したRR間隔のゆらぎ(SDNN)を示すグラフである。
1.睡眠状態の判定
以下図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態においては、体振動波形から睡眠状態を判定する。体振動波形の取得は、図1に示したように、圧力波形取得部10とコンピュータ20とを備える睡眠状態モニタリング装置1によって行う。圧力波形取得部10は、空気圧センサー12、圧力を電気信号に変換するトランスデューサ部14、および、その電気信号をアナログ/デジタル変換するA/Dコンバータ16を含んでおり、本発明においては、これらを集合的に圧力波形取得部10と呼ぶ。空気圧センサー12は、例えばベッド100に配置されていて、その上に使用者が横たわることができるように作られている。例えば、気密性の高い袋状のエンベロープにスポンジ状の詰め物が封入されていて、全体として1cm〜3cm程度の厚み、30cm四方の正方形形状となるクッション状になっていて、使用者がその上に身体を横たえても睡眠が可能なような柔軟性や肌触りとなるように作られている。そして、そのエンベロープの周縁部の一箇所には、内部の空気と連通して圧力を伝播させることができるチューブが接続されていて、そのチューブがトランスデューサ部14に延びている。トランスデューサ部14には、そのチューブが接続される気密室があり、その気密室の一つの側面には開口部が設けられて、その開口部を塞ぐようにセラミックス製の圧電素子が配置されている。その圧電素子には、空気圧センサー12の内部の圧力波が伝達してアナログ値の圧電信号が生成され、その圧電信号は圧力波信号となって適当な増幅回路によって増幅される。増幅された圧力波信号は、A/D変換機16に入力され、デジタル化された圧力波信号が出力される。
デジタル化された圧力波信号は、コンピュータ20に入力される。コンピュータ20は、プログラムされた命令に従って、所定の処理を行う機能ブロックの集合として動作する。すなわち、コンピュータ20には、拍動抽出部22と、拍動間隔算出部24と、睡眠ステージ判定部26と、呼吸波形抽出部32と、呼吸間隔算出部34と、覚醒判定部36と、睡眠状態判定部42とが備えられる。その結果は、例えばモニター44に出力して視覚的に示すなどの手法によって使用者の睡眠状態として提示される。このように、圧力波形取得部と、コンピュータ20に実現される各機能ブロックによって、本発明の実施形態の睡眠状態モニタリング装置が構成される。なお、当業者には明らかであるように、コンピュータ20に備えられる適当な記憶手段によってデータが蓄積されたり、入出力手段によって処理の開始や休止、終了、中断などが制御されたりすることができる。
次に、本発明の睡眠状態モニタリング装置の実施形態における処理のフローの概要について説明する。本発明の睡眠状態モニタリング装置は、睡眠か覚醒かの判定と睡眠ステージの判定とからなる睡眠状態の判定を行うことができる。具体的には、図2に示したように、睡眠状態の判定のためには、まず、体振動データを取得する(S10)。そして、睡眠か覚醒かの判定する(S20)。睡眠である場合には(S30、YES)、睡眠ステージの判定をさらに行う(S40)。その後、あるいは、睡眠ではない場合(覚醒である場合、S30、NO)には、判定結果を出力する。このように、本発明の実施形態における体振動を用いた睡眠状態の判定の処理は、覚醒しているか睡眠しているかを判定する処理と、睡眠ステージを判定する処理とに分かれる。図示していないが、モニタリングの目的としては、この一連の処理を一定期間ごと(例えば1分ごと)に繰り返して、データの取得から睡眠状態の判定までを定期的に行ったり、あるいは、データを取得する処理のみを定期的に行い、適当な記憶手段にデータを格納しておいて、判定の処理を事後的に行ったりすることができる。
以下、本発明の実施形態において実施される睡眠ステージの判定手法と睡眠状態の判定手法について説明する。図3には、睡眠か覚醒かの判定するステップ(図2、S20)の詳細を示し、また、図4〜6には、睡眠ステージの判定のステップ(S40)の詳細を示す。
1.1.睡眠と覚醒との判定(S20)
使用者の睡眠状態のうち睡眠か覚醒かを判定するために、本発明は、体振動波形から呼吸波形を抽出して利用する形態により実施することができる。呼吸波形は、人の安静時の呼吸数からおのずとその範囲が定まり、例えば体振動のうちの0.13〜0.70Hzの周波数領域成分を呼吸波形とすることができる。このため、体振動波形をフィルタ処理し、0.13〜0.70Hzの周波数領域成分を抽出する(図3、S202)。呼吸波形からは、呼吸間隔のゆらぎを抽出する。このために、呼吸波形が極大値を示す時刻を算出してその時刻を呼吸のタイミングを代表する時刻(呼吸ピーク時刻)とし(S204)、各呼吸の呼吸ピーク時刻データからから直前の呼吸の呼吸ピーク時刻データを減算することにより、呼吸間隔のデータを生成する(S206)。そして、呼吸間隔についての変動係数(CV)を求めて(S208)、これを呼吸間隔の一様性についての指標とする。というのは、使用者が睡眠中である場合には呼吸間隔は一様性が高いため変動係数の値が小さくなるのに対し、使用者が覚醒中である場合には呼吸間隔は一様性が低くなって変動係数の値が大きくなるためである。具体的には、呼吸間隔のCVが0.2程度を閾値として設定し(S210)、それより大きい場合には覚醒状態(S212)、小さい場合には睡眠状態と判定することができる(S214)。
1.2.睡眠ステージの判定(S40)
睡眠ステージを判定する処理は、心拍または脈動による拍動のR波によって拍動のタイミングを特定する段階(S402)と、ある心拍とその直前の心拍との間の時間間隔(RR間隔)のデータを得る段階(S404)と、RR間隔のパワースペクトルを算出する段階(S406)と、睡眠ステージを判定する段階(S42)とに分けて実行される。
1.2.1.R波のタイミングの特定(S402)
睡眠ステージを判定する処理は、まず、体振動から、心電図(ECG)で言うところのR波に対応する波の部分を特定する。なお、R波の記載は、理解の容易のためにECGにおけるR波との表現を用いたものであり、特にECGのR波に直接対応するものだけに限定されるものではない。連なっている心拍や脈動によって身体の表面に伝わる圧力波において拍動同士の時間間隔を測定するために各拍動に対してその拍動を代表するタイミングとして定めるための特徴波形であれば任意である。このためには、体振動波形から拍動に当たる波を抽出する必要がある(図1、拍動抽出部22)。この抽出のためには、まず、体振動波形をバンドパスフィルターによって0.1Hz〜30Hzの範囲に帯域制限する。次に、フィルタ後の体振動波形を時間に関して二次微分する処理を行って、体振動の加速度の各時間のデータを算出する。そして、その体振動の加速度の時間毎のデータを、さらにバンドパスフィルターによって3〜30Hzの範囲に帯域制限して、その波形データがピーク値を示す時刻を特定する。拍動抽出部22はそのための微分ピーク処理部22Aを備えることができる。さらに、1秒未満の周期の体振動波形を用いて、波形データが急激に変化する区間に限定し、4秒程度の体振動波形の周期性とR波の周期性に注目して、取り出したピーク値の時刻がほぼ等間隔となるように補正して決定する。この時刻は、3〜30Hzの範囲で体振動の加速度が大きいと評価される時刻となるため、心臓の拍動のうち心室の興奮による振動つまり心電図におけるR波の時刻に相当するものと本願発明者は推測している。しかしながら、体振動から振動を抽出するという振動検出の性質上、その時刻には、心拍のみによる振動だけではなく、心臓による動脈による振動(脈動)などの影響があり得る。
1.2.2.RR間隔データの導出(S404)
このようにして得られたR波の時刻データからRR間隔(ある拍動とその直前の拍動との間の時間間隔)の時系列データを求める(図4、S404;図1、拍動間隔算出部24)。RR間隔は、各拍動のR波の時刻データから直前の拍動におけるR波の時刻データを減算することにより与える。このRR間隔のデータは、拍動のR波を検出した不均等間隔の各時刻における時間データである。このデータは、後の処理のため、一定のサンプリング間隔の時系列データにするのが好都合であり、補間処理を行ってRR間隔の時系列データを得る。これには、例えば2次補間などの処理を行うことができる。以上のようにして得られたRR間隔の時系列データから次に睡眠の深度を判定する。
1.2.3.RR間隔のパワースペクトルの算出(S406)
RR間隔の時系列データからパワースペクトルを求めて利用する(S406;図1、パワースペクトル算出部26A)。なお、パワースペクトルの算出は既知のいずれの方法も用いることができ、例えば、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いたり、Wiener-Khinchinの定理による自己相関に基づく手法などを用いることができる。パワースペクトルを算出するための窓関数(ウィンドウ関数)は任意であるが、判定の精度を高めるために2分間のデータを利用する。この点については後述する。
1.2.4.睡眠ステージの判定
次いで、睡眠ステージの判定行う(図4、S42;図1、睡眠ステージ判定部26)。睡眠ステージの判定は、睡眠している状態が、REM睡眠およびNon−REM睡眠(S1〜S4)のいずれであるかを判定する処理である。睡眠ステージの判定について、本発明は2つの実施の形態によって実施することができる。一つはRR間隔の時系列データのパワースペクトルのパターンから睡眠ステージを判定する実施形態(スペクトルパターン法)であり、もう一つは、RR間隔の時系列データから自律神経機能の働きを示す指標を算出して睡眠ステージの判定を行うもの(自律神経成分比法)である。
1.2.4.1.睡眠ステージの判定:スペクトルパターン法
従来の睡眠ステージの判定方法によって判定しておいた睡眠ステージとRR間隔のパワースペクトルとを対応付けておいて、各睡眠ステージについての典型的なスペクトルのパターン(「典型パターン」)を得ることができる。そして、ある被験者に対して測定されたRR間隔のパワースペクトルのパターン(以下、「未知パターン」)がいずれの典型パターンに類似するかを判定することによって、睡眠ステージを判定することができる。
図5を参照しながらその詳細を説明する。未知パターンがいずれの典型パターンに類似するかの判定は、RR間隔のパワースペクトルのパターンのうち、LF範囲(Low Frequency;0.04〜0.15Hz)およびHF範囲(High Frequency;0.15〜0.40Hz)においてパワーの最大値を求めて(図5、S422)、そのパワーの値のn分の1の値(nは2以上の整数)を求めて、その値における周波数幅を評価対象として行う。具体的には、まず、nを2にして(S424)、RR間隔のパワースペクトルの最大値の1/nの値を求める(S426)。そして、パワースペクトルに極大値を与える周波数の両側において、最大値の1/nとなる周波数を求めてその周波数同士の差(周波数幅)を計算する(S428)。この処理を、nを逐次増加(インクリメント)して(S432)所定の上限Nまで繰り返す(S430)。各nに対してそのときの周波数幅が与えられるので、周波数幅のn依存性がえられる。典型パターンについて同様に求めておいた周波数幅のn依存性に対して、未知パターンの周波数幅を対比させて、典型パターンと未知パターンの周波数幅の差を残差として算出する(S434)。こうして、各睡眠ステージの典型パターンに対する未知パターンの一致度を数値として得ることができる。ここで、未知パターンのLF範囲のピークは典型パターンのLF範囲のパターンのピークになるべく一致するようにマッチングさせ、同様に未知パターンのHF範囲のピークは典型パターンのHF範囲のパターンのピークとマッチングさせるようにして、異なる周波数範囲の間でのマッチングは行わない。そして、未知パターンに対して最も高い一致度(少ない残差)を示す典型パターンとなるような睡眠ステージを、その未知パターンの睡眠ステージとする(S436)。なお、ここに記載したLF範囲とHF範囲の周波数の範囲は、後述する自律神経成分比法における記載も含めて典型的なものであり、厳密に上述の周波数範囲にのみ限定されず、例えば、LF範囲を0.05〜0.15Hzなどとすることも本発明の開示の一部とする。
なお、スペクトルパターン法では、睡眠ステージの判定を行うことができるが、睡眠と覚醒のどちらにあるかの判定、すなわち、REM睡眠と覚醒との判定を行うことはできない。
本願発明者は、スペクトルパターン法において判定精度を高めるために、RR間隔のパワースペクトルについて、上述のLF範囲とHF範囲に加えて、VLF範囲(Very Low Frequency;0.01Hz〜0.04Hz)のスペクトルを利用することが有用であることを見出している。VLF範囲のスペクトルとは、RR間隔のパワースペクトルにおいてLF範囲よりも低周波に現れるスペクトルである。VLF範囲のスペクトルを正しく求めるためには、RR間隔の時系列データはそれに見合った期間だけのデータが必要となり、必要なスペクトル範囲の下限周波数の逆数をウインドウ期間とすることが必要となる。例えば、0.01Hzのパワースペクトルを正しく求めるためには、このウインドウ期間を100秒程度の適当な時間にすることが有効であり、実際に測定する場合には、例えば2分間以上に設定する。なお、VLF範囲のスペクトルを利用しない場合にはこれよりも短い時間、例えば60秒とすることができる。
スペクトルパターン法の実施形態として典型パターンを用いた一致判定を行う手法を上述したが、本発明は任意のパターン判定手法によって実施することができる。例えば、スペクトルのパターンに対してそれが判定されるべき結果(睡眠ステージのいずれか)を対応させる学習処理をニューラルネットワークに対して行っておいて、未知パターンに対してそのニューラルネットワークを作用させて判定する、いわゆる教師付ニューラルネットワーク学習システムを用いることができる。その他の任意の教師付学習の手法を実装することもできる。
1.2.4.2.睡眠ステージの判定:自律神経成分比法
自律神経機能の働きを示す自律神経成分比によっても、睡眠ステージの判定は可能である。このためには、まず、RR間隔のパワースペクトルにおいて、LF成分とHF成分とを求める。そして、LF成分とHF成分の比、すなわちLF/HF比(自律神経成分比)を算出する。これは、被験者の自律神経機能の働きがLF/HF比により評価できるためである(非特許文献2〜4参照)。この解析には、図6に示したように、LF範囲のパワースペクトルを算出してその範囲の積分値を得てLF成分とし(S442)、HF範囲のパワースペクトルを算出してその範囲の積分値を得てHF成分とする(S444)。そして、LF成分をHF成分で除算して得られるLF/HF比を求める(S446)。各睡眠ステージにおける典型的なLF/HF比とこのLF/HF比を比較して、睡眠ステージを判定する(S448)。LF/HF比は、小さいほど睡眠が深く大きいほど睡眠が浅いが、睡眠と覚醒のどちらにあるかの判定、すなわち、REM睡眠と覚醒との判定を行うことはできない。また、REM睡眠、S1〜S4の各睡眠ステージとLF/HF比との関係には個人差が大きいので、例えばスペクトルパターン法による睡眠ステージの判定結果との対応関係を予め測定しておいて、使用者ごとに適応させることも有効である。
なお、本願発明者らは、HF成分がある程度の値に満たない時刻に取得したデータでは、HF成分つまりRR間隔に高い周波数のゆらぎが少なく、睡眠ステージの判定に誤りが生じやすいことを見出している。睡眠ステージの判定に誤りが生じにくいのは、HF成分の値が例えば300msec以上の値になっている場合である。このため、睡眠ステージの判定の前に、HF成分が所定の値より大きいかどうかを判定することによって、睡眠ステージの判定の精度の優劣を推測することができる。特に、このようなHF成分の値に下限を設定して事前に用いることは、深い睡眠ステージであるS3あるいはS4にあるかどうかを正確に判定したい場合に特に有効である。
以上の実施の形態により、使用者の睡眠状態に影響を与えにくく、使用者が在宅で利用することができ、また、睡眠か覚醒かを判定できるような睡眠状態モニタリングシステムまたは方法が実現される。
2.睡眠時の拍動間隔のモニタリング
次に、睡眠時の拍動のモニタリングの手法について説明する。図7にこのモニタリング処理を行うための構成を示す。本発明では、コンピュータ50と圧力波形取得部10を集合的にモニタリング部2と呼ぶ。図1と同様に、体振動波形の取得には、圧力波形取得部10、すなわち、空気圧センサー12、圧力を電気信号に変換するトランスデューサ部14、および、その電気信号をアナログ/デジタル変換するA/Dコンバータ16を利用する。空気圧センサー12がベッド100に配置されていることができるのも同様である。また、図1と同様にトランスデューサ部14およびA/D変換機16が接続されて、デジタル化された圧力波信号が出力される。
デジタル化された圧力波信号は、コンピュータ50に入力される。コンピュータ50は、プログラムされた命令に従って、所定の処理を行う機能ブロックの集合として動作する。すなわち、コンピュータ50には、拍動抽出部22と、拍動間隔算出部24と、データ送信部46とが備えられる。
データ送信部46は、例えばインターネットやイントラネットなどのコンピュータネットワーク60を通じて記憶部70にデータをアップロードすることができる。記憶部70には、使用者のIDと対応付けたデータが複数回アップロードされており、コンピュータネットワーク60に接続されたいずれかのコンピュータにおいて、複数回にわたって受信したデータをつなげることによって複数回のアップロードされたデータを一つのグラフに表示することができる。このとき、使用者ごとにグラフに表示するために、同じ使用者のデータを検索して連結させるデータ生成部80が用いられる。そして、例えばモニター86に表示することができる。
アップロードされるデータは、拍動間隔のデータを含む任意の時系列データである。例えば、拍動間隔の時系列データそれのみであってもよいし、図1の睡眠ステージ判定部26と同様の睡眠ステージ判定部(図示しない)が備えられている場合には、拍動間隔のデータに加えて睡眠ステージの時系列データとすることもできる。図1の呼吸波形抽出部32と、呼吸間隔算出部34と、覚醒判定部36と、睡眠状態判定部42とに相当する機能ブロック(図示しない)を備えていれば、拍動間隔のデータに加えて、覚醒か睡眠の判定結果が含まれている時系列データとすることもできる。
データ生成部80は、モニター86に表示するためのデータを生成するほか、拍動間隔のデータに見られるゆらぎの強さに、通常とは異なる明らかな変化が生じるのを検知してアラーム信号を出力するゆらぎ検知部82を備えることができる。なお、ゆらぎ検知部82は、データ生成部80の一部としているが、コンピュータネットワーク60に接続されて使用者ごとのデータを記憶部70から呼び出すことができれば、コンピュータネットワーク60に接続された任意のコンピュータ機器に備えられていることができる。
ゆらぎ検知部82は、目的に応じて長さが定まるある期間(例えば1年間にわたるデータを記憶部70に蓄積する場合には、一ヶ月などの任意の所定期間)における拍動間隔の変化を監視している。この変化を検出するために、拍動間隔は、例えば拍動間隔データのもつ標準偏差の値である「SDNN」(Standard Deviation of Normal−to−Normal Intervals)のデータとすることもでき、変動係数の値などの数値となるように整理され、その値がある閾値を下回るかどうかという点で監視される。そして、例えば、その閾値を下回ったときにアラーム信号が送信されて、適当な手段によって使用者にフィードバックされる。このためには、例えば自動送信される電子メールや、パーソナライズされた管理用Webページにアラートを表示するなどの手法を用いることができる。
特にSDNNの値によって健康状態を監視する場合には、本願発明者らは、睡眠ステージの判定結果を組み合わせることが有効であることを見出した。すなわち、被験者の睡眠ステージがS1やS2である時刻に取得した拍動間隔データを用いると、そこから算出したSDNNが被験者の健康状態を良好に反映したものとならない場合があるのに対し、睡眠ステージがS3またはS4となる時刻において取得した拍動間隔データから算出したSDNNは、被験者の健康状態を良好に反映したものとなる。この原因は必ずしも明らかではないが、本願発明者は、睡眠ステージが浅いS1、S2のときには、被験者の睡眠状態が安定しておらず、その状態で取得されるSDNNには被験者の健康状態以外にも睡眠が浅いことを原因とする拍動間隔の変動が影響するのに対し、睡眠ステージが深いときにはそのような健康状態以外の原因が減少するためではないかと推測している。また、本発明の場合には、拍動の監視を圧力波形取得部によって行うことそれ自体が深い睡眠ステージS3あるいはS4の判定に適したものでもあるため、その点からも、拍動間隔のゆらぎであるSDNNを深い睡眠ステージにおいて取得することは測定システムの特質に適うものである。
これにより、在宅で測定される拍動間隔に現れる体調変化をいち早くキャッチして、睡眠時の拍動間隔として現れる使用者の体調の変化を知ることができ、体調管理を行うことができる。
3.睡眠ステージの判定における従来の手法との相関の確認
睡眠ステージの判定については、従来から確立されている手法と本発明の実施形態とを比較するために、被験者に、従来の手法による睡眠ステージの判定と本発明の実施の形態による睡眠の判定を行った実験結果について説明する。20歳代の男女25名を被験者とし、被験者に睡眠(昼眠)を取らせ、そのうちの90分間を測定に利用した。
3.1. 睡眠ステージの判定における従来の手法
被験者から脳波、アゴ筋電図、眼球電位図、心電図を採取して従来の手法による睡眠ステージの判定を行った。各測定値を得るために、被験者の身体の各部には皿電極をつけた。具体的には、脳波のためには頭頂に、アゴ筋電図のためにアゴに、眼球電位図のために眼の左右周辺に、そして、心電図のために足首接地により両手首に、それぞれ電極を装着した。皿電極には低周波増幅器を接続して電圧信号を増幅し、AD変換器によってデジタル値に変換したのち、データログ用のコンピュータによって記録をとった。脳波によって睡眠ステージを判定し、その際、前述のRechtschaffen−Kales(R−K)の方法に従った。
3.2.本発明の実施の形態の睡眠ステージの判定の手法
心拍動波形からR波を抽出し自律神経成分比を算出すると共に、呼吸波形も取得した。
本実施の形態の手法のための測定および解析のための装置としては、図1に記載の装置である圧力波形取得部10およびコンピュータ20を用い、そのコンピュータでは図1のような各機能ブロックとしてコンピュータを動作させ、図4〜6のような動作を行わせるために、体振動から心拍動成分と呼吸成分を抽出するソフトウエアモジュールと、心拍動波形からR波を抽出してスペクトルパターン法の解析を行うソフトウエアモジュールと、自律神経成分比法を実施するためのソフトウエアモジュールとを利用した。
3.3.R波のタイミングの相関
図8に、体振動からR波のタイミングを特定した例を示す。図8の上段のチャートC8Aには、体振動波形C8A−10と、それから算出した呼吸波形C8A−20も示している。中心線C8A−00の上部に示された波形C8A−2は、体振動波形C8A−10からR波の候補となる時刻を検出したものである。この検出は、拍動抽出部22によって行った。このとき、波形C8A−2のピークP1〜P8のうち、ピークP2´は誤検出されたものである。このような誤検出が生じたのはノイズなどの影響であるため、誤検出のピークを除去する処理を行う。この処理は、R波のある候補が得られた時点と次の候補が得られた時点が、予め設定した時間(例えば、0.5秒)以下になった場合には、その次の候補は採用しない処理などであり、拍動によらずに得られた可能性の高い波形をR波として採用しないようにする処理である。この処理を行って候補から誤検出のピークを除去し、中心線C8A−00の下部に示したようにR波の時刻を特定している。なお、この図は8秒間の現象を拡大して表示しているものである。
そして、従来の手法によって心電図から得たR波と、本発明の実施の形態によって得た体振動のデータから特定したR波との間で発生時点を比較した。その結果、空気圧センサーにより測定された体振動波形から求めたR波の発生時点の検出精度は、心電図から得たR波発生時点と比較して、両者の一致度は平均87%であった。また、このようにして算出したR波の時系列データ(0.1秒間隔の2次補間したもの)について、体振動から判定したRR間隔と心電図によるRR間隔との間の相関係数は、0.80〜0.95であり、平均相関係数は、0.87であった。
なお、図8の中段のチャートC8Bに現れる波形C8B−10は呼吸波形であり、横軸は時間で11分間の波形であり、縦軸は圧力波形(任意単位)である。また、チャートC8Bの波形C8B−20は推定したRR間隔である。
図8の下段のチャートC8Cは、RR間隔から上記実施形態の方法によって求めたパワースペクトルC8C−10である。ここに示したパワースペクトルC8C−10は、深い睡眠ステージにおける結果で、グラフに表示された周波数範囲は0.01〜0.40Hzの範囲のものであり、パワースペクトルには高周波(HF)範囲の0.25〜0.30Hzの位置に顕著なピークC8C−P1が現れた。
3.4.睡眠ステージ判定
そして、体振動から本実施の形態の手法によって睡眠ステージを判定した。睡眠ステージの判定のためには、前述のように2分間のデータを用いた。
3.4.1.スペクトルパターン法
具体的には、図8に関連して説明したような手法によって得られたパワースペクトルを未知の睡眠状態にある被験者から得て、そこにスペクトルパターン法を適用して睡眠ステージを判定した。まず、スペクトルパターン法の判断対象になるスペクトルの観察結果について説明する。
図9の(A)〜(E)に、覚醒、S1〜S4のそれぞれの睡眠状態の場合のパワースペクトルを示す。また、図9の(F)にREM睡眠のパワースペクトルを示す。これらのスペクトルにおいて、グラフ上は0.00〜0.01Hzおよび0.40〜0.50Hzの値も表示されているものの、利用する周波数範囲は0.01Hz〜0.40Hzである。これらの図に示すように、RR間隔のパワースペクトルは、図9の(A)の覚醒時ではRR間隔の変動が不規則なものである。その結果、RR間隔のパワースペクトルはLF、HFの範囲に小さな成分しか有さず、0.04Hz以下のVLF範囲が主要なスペクトルとなった。
また、図9の(B)および(C)に示す浅い睡眠ステージS1とS2においては、RR間隔の変動の波形(図示しない)にリズミカルな変化が見られ、パワースペクトルにもこれを反映するような明確なピークがLF範囲のスペクトルとHF範囲のスペクトルに現れた。このLF範囲のスペクトルは、睡眠ステージがS1からS2へ移行するとより大きくなった。
睡眠ステージS1は覚醒段階からS2との段階の移行状態にあり、覚醒時の特徴に近い分布すなわちLFとHFに亘る小さいパワースペクトル値の分布が見られた。睡眠ステージS1に覚醒状態のパワースペクトルが混入してくる場合もあるため、覚醒状態とS1の識別を実際のパワースペクトルのみから行うことは難しい。これに対し、図9の(C)に示す睡眠ステージS2は、LF範囲のスペクトルが存在するもののHF範囲のスペクトルがS1よりも明確に出現してくるので、S1とS2の識別はS1と覚醒状態の識別よりも容易である。
図9の(D)およびEに示す深い睡眠ステージであるS3とS4においては、睡眠が深くなるにつれてHF範囲のパワースペクトルがLF範囲のパワースペクトルより大きくなり、S4においてHF範囲のピークが主要なパワースペクトルとなる。従って、S4とS3の識別は、S1とS2との識別と同様に容易である。
そして、図9の(F)はREM睡眠のパワースペクトルパターンである。睡眠が覚醒に近づいたときに現れるREM睡眠では、覚醒及びS1とパターンが類似しているが、LF範囲のスペクトルが、S1の場合よりもより大きく複雑になるという特徴があった。
本発明者の検討によれば、REM睡眠と覚醒の区別は、RR間隔の時系列データから変動係数(CV)を求めることによって区別することができた。また、覚醒の推定には、呼吸のCVも考慮した。この手法は、入眠時、中途覚醒、睡眠終了後の覚醒の判定に有効であった。以上、観察者がRR間隔のパワースペクトルを直接観察した場合の特徴について述べた。
そして、以上のパターンの特徴から睡眠ステージの判定を再現性が高いものとするために、睡眠ステージの識別のために上述のスペクトルパターン法を適用した。その結果を図10と図11に示す。
図10は空気圧センサーから得た体振動波形C10A−10および呼吸波形C10A−20(最上段のチャートC10A)、検出したR波時系列C10B−10(上から2段目のチャートC10B)、抽出した呼吸数C10C−10と心拍数C10C−20(上から3段目のチャートC10C)、RR間隔のパワースペクトルC10D−10(最下段左のチャートC10D)、および、睡眠ステージの判定例C10E−10およびLF/HF比C10E−20(最下段右のチャートC10E)である。また、図11は、睡眠状態の判定結果を比較したものであり、折れ線R0は脳波を用いて従来の方法によって判定した結果であり、折れ線R1(破線)は、スペクトルパターン法によって自動判定した結果である。この自動判定結果の折れ線R1は、図10のチャートC10Eに示したものと同じ結果であり、縦軸は、1から−4にかけて、順に、覚醒、REM睡眠、S1〜S4を表わしており、76分の体振動の測定データから得られたものである。従来の手法と実施例の手法との間での一致度は約75%となった。
3.4.2.自律神経成分比法(LF/HF比を用いる方法)
次に、自律神経成分比法の実施例について説明する。上述の条件により取得した体振動波形から、浅い睡眠ステージ(S1とS2)と深い睡眠ステージ(S3とS4)との区別を自律神経成分比法により行った。このとき、浅い睡眠と深い睡眠の判定、LF/HF比が0.3より大きいときに浅い睡眠とし、0.3以下のときに深い睡眠と判定した。取得したデータの範囲では、この判定結果と、脳波による睡眠ステージの判定結果との一致度は共に80%以上となった。なお、このLF/HF比については、個人差が大きいため上記の判定基準は一例であり、例えば、判定の用いる使用者ごとの値は、参照可能なデータベースに別途記録しておくことができる。また、好適な例として、上述のようにHF成分の値そのものが所定の値に達した場合、すなわち、睡眠ステージの判定精度が一定程度に達した場合に、睡眠ステージの判定を行うように制御することも可能である。また、別の好適な例として、HF成分が所定の値、例えば300msecに達しない場合、すなわち、睡眠ステージの判定精度が一定程度に達しない場合には、睡眠ステージの判定を行った結果を出力する際、精度が良好でないことを示すフラグを付すことが可能である。
3.5.睡眠/覚醒の判定
以上のスペクトルパターン法および自律神経成分比法では覚醒時とREM睡眠の区別は難しいが、呼吸ピークの変動係数(CV)やRR間隔の変動係数(CV)を用いることで、両睡眠状態が区別可能となった。本発明の実施の形態の睡眠と覚醒との判定について、呼吸の変動係数(CV)によって判定を行った。その結果、呼吸のCVの閾値を0.2として、それ以上の値を覚醒と判定することが有効であった。また、RR間隔の変動係数(CV)には個人差が生じたが、特定の個人では十分に高い再現性が実現できた。
4.拍動モニタリング
次に、図7に示した装置を用いて拍動間隔(RR間隔)をモニタリングする睡眠状態モニタリングシステム6の作製例を説明する。
4.1.拍動モニタリング装置の動作
モニタリング部2は、R波のデータに対するRR間隔の算出処理を行う。そしてそのRR間隔のデータを、記憶部70を管理するデータサーバに一日一度アップロードする。アップロードは任意のデータ通信手段を用いることができるが、例えば、FTP(ファイルトランスファープロトコル)によってプットすることにより行うことができる。記憶部70におけるデータの蓄積の態様は任意であり、例えば、データサーバのファイルシステムのフォルダ(ディレクトリ)を利用して使用者のIDごとおよび日付ごとのCSV(Comma Separated Values)形式のコンピュータファイルを複数蓄積することができる。別の例としては、データベースマネージメントシステムなどを利用して適当なデータベースに蓄積することができる。なお、睡眠開始(入眠)のタイミングを適切に判定するため、コンピュータ50には図示しない光センサーを接続しておいて、周囲の照度情報によって測定開始のタイミングを制御することができる。さらに、測定の時間を入眠後の睡眠サイクル2回分に限定するために、測定開始後3時間のデータのみ取得することができる。また、一定以上の深さの睡眠にある場合のみ拍動間隔のデータを収集したり、後に睡眠ステージの判定結果を用いてデータ処理を行うことを可能とするために、各時刻でのRR間隔データに、それぞれの時刻での睡眠ステージの判定結果を合わせて取得することができる。これにより、例えば睡眠ステージがS3とS4の場合の拍動データを利用して、被験者の健康状態を良好に反映するようなSDNNのデータを取得することができる。
このCSV形式のファイルに含まれるRR間隔のデータから、RR間隔のゆらぎを算出する。このゆらぎの算出は、一定期間(例えば)に取得されたRR間隔のデータから標準偏差を算出してSDNNとして算出すること、あるいは、変動係数(CV)を算出することによって行うことができる。複数のCSVファイルに分かれている各日のデータは連結されて計算され、日付を追ってRR間隔のゆらぎを表示することができる。
また、ゆらぎ検知部82には、例えば、過去一ヶ月間のRR間隔のゆらぎの変動を監視する短期変動監視モジュール(図示しない)と、過去1年間のRR間隔のゆらぎの変動を監視する長期変動監視モジュール(図示しない)を実装することができる。ここで、短期変動監視モジュールおよび長期変動監視モジュールは、RR間隔のゆらぎに現れる変動がどのように推移するかをそれぞれの期間に合わせて監視している。これらのモジュールでは、使用者の健康状態を監視するために、睡眠の時間の中から監視に適した睡眠状態にある時間において取得されたRR間隔データを抽出することができる。このような監視に適した状態にある時間としては、例えば、RR間隔に長周期のゆらぎが生じていない時間を選択したり、あるいは、睡眠ステージがS3あるいはS4にある時間を選択することができる。このような目的で、図7に示した睡眠状態モニタリングシステム6には、図1に示した睡眠ステージ判定部26、呼吸波形抽出部32、呼吸間隔算出部34、覚醒判定部36、睡眠状態判定部42などの機能ブロックをさらに追加しておいて、短期変動監視モジュールおよび長期変動監視モジュールがそれらの機能ブロックからの出力によって動作が制御されることができる。これらにより、図7に示した睡眠状態モニタリングシステム6においては、RR間隔のゆらぎがどのように変動するかを、在宅の使用者に特段の負担をかけることなく、継続して監視することができる。
4.2.拍動モニタリングの測定例
以上のようにして測定したSDNNの実際のデータについて説明する。血糖値の高い1名の被験者を対象として、本実施例にて作製した拍動モニタリング装置によってSDNNを測定した。測定は、その被験者が運動療法を開始する第1日にあたる日と、運動療法を開始して第105日にあたる日の2回行い、それぞれの日の日中に約100分の睡眠を被験者に取らせて、その睡眠中にRR間隔のデータを取得した。そして、RR間隔のデータを60秒分だけ蓄積し、その60秒分のRR間隔のデータから標準偏差を算出して、60秒ごとにSDNNを得た。このとき、SDNNのデータに合わせて睡眠ステージの判定を行うために、睡眠ステージのデータも取得した。ここでの睡眠ステージの判定は、上記の条件に合わせるために、60秒のウインドウ期間によって求めたRR間隔のパワースペクトルを用い、上述のスペクトルパターン法による判定を行った。ウインドウ期間が60秒であるため、VLF範囲のパワースペクトルは利用していない。なお、上記被験者は、第1日と第105日の間に、運動療法として、週に3日以上実施し、各週の歩行距離が40km程度となるウォーキングを続けていた。
図12(A)および(B)は、共に、第1日および第105日のSDNNのデータであり、横軸は入眠後の経過時間(単位:分)、縦軸はSDNN(単位:ミリ秒)とした。図12(A)は、1分ごとに測定したSDNNをそのままプロットしたグラフであり、図12(B)は、測定されたSDNNのうち、被験者が睡眠ステージS3またはS4にある時刻に得られたデータをプロットしたグラフである。図12(A)のみから傾向を観ると、第1日のSDNNは第105日のSDNNより小さな値が多いといえる。その一方で、例えば、入眠後30分程度までは大きな違いが見られない。また、入眠後90分以降はこの関係はむしろ逆転している。
これに対し、睡眠ステージがS3とS4の場合のみをプロットした図12(B)では、いずれの日のデータからも、それぞれのデータ系列において大きく偏位しているデータが除かれており、また、入眠直後や後半のデータも除かれている。そして、図12(B)においてプロットされたSDNNは、第1日のものは20〜40msecに分布しているのに対し、第105日のものは概ね40msec以上に分布している。
さらに、図12(A)と(B)とを比較すると、図12(A)において、例えば第1日のデータのうちSDNNが大きな値を示しているものは、睡眠が浅いためにRR間隔の変動が大きくなり、SDNNが見かけ上大きな値を示していたことも分かる。
これに加えて、入眠後の経過時間によって深い睡眠のSDNNが抽出できるか見てみても、図12(A)と(B)との比較から、睡眠中は睡眠の深度が時間と共に複雑に変化していて図12(A)にはデータがあるのに(B)にはデータが残らない時刻が散発的に生じている。このため、入眠後の経過時間によって深い睡眠の時間を定めることはできない。この点は、主に図12(B)から、第1日と第105日の睡眠の深い時間帯が第1日は概ね入眠後25〜80分であり比較的早期であるのに対し、第105日は、入眠後40〜100分と遅くなっていることによっても裏づけられる。すなわち、上記実験結果は、測定結果によって睡眠ステージの判定を行うことなく入眠後の経過時間に依拠して深い睡眠のみのSDNNを抽出することが困難であることを意味している。
5.まとめ
以上、本発明の実施例において、空気圧センサーから心拍変動を抽出して、R波を検出し、心電図との比較において、高い精度でR波を特定することができた。また、呼吸ピークの変動係数(CV)やR波の変動係数によって睡眠と覚醒とを適切に区別することができた。さらに、特定したR波からRR間隔を求めてRR間隔のパワースペクトルを算出し、スペクトルパターン法及び自律神経成分比法によって睡眠ステージの判定が精度よく実行できることを示した。
睡眠/覚醒の判定においてR波の変動係数を用いたとき、あるいは、睡眠ステージの判定に自律神経成分比法を用いたときには、個人差の問題が残っているものの、特定の被験者に対しては高い再現性が得られた。
さらに、RR間隔のゆらぎがどのように変動するかを、在宅の使用者に特段の負担をかけることなく、継続して監視することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形、変更および組み合わせが可能である。たとえば、パターンの判定において、適当な人工知能システムを用いて、RR間隔のパワースペクトルパターンと、同時に従来の手法によって行った判定結果との関係を学習させて、パワースペクトルから睡眠ステージの判定結果を得ることができる。また、個人差が避けられない判定(例えばLF/HF比による判定)については、被験者別の判定基準を決めるようなファイルを利用して、被験者ごとに適応させた判定を実行することもできる。
また、図7に示したシステムによって、拍動の間隔における変化を監視して使用者や医療従事者に伝達することができる。使用者は、その情報に基づいて医療機関にて検査を受けるなどの対応を取ることができる。
1 睡眠状態モニタリング装置
2 モニタリング部
10 圧力波形取得部
12 空気圧センサー
14 トランスデューサ部
16 A/D変換機
20、50 コンピュータ
24 拍動間隔算出部
26 睡眠ステージ判定部
32 呼吸波形抽出部
34 呼吸間隔算出部
36 覚醒判定部
42 睡眠状態判定部
46 データ送信部
6 睡眠状態モニタリングシステム
60 コンピュータネットワーク
70 記憶部
80 データ生成部

Claims (28)

  1. 使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得部と、
    該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出部と、
    該拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出部と、
    前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを該拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定部と
    を備える睡眠状態モニタリング装置。
  2. 前記圧力波形に所定の処理を行って呼吸波形を抽出する呼吸波形抽出部と、
    該呼吸波形における各回の呼吸について、直前の呼吸からの時間間隔である呼吸間隔を算出する呼吸間隔算出部と、
    使用者が睡眠しているか覚醒しているかを該呼吸間隔から判定する覚醒判定部と
    をさらに備える請求項1に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  3. 前記覚醒判定部が、前記拍動間隔から拍動間隔の変動係数を算出し、該拍動間隔の変動係数によって睡眠か覚醒かを判定するものである、請求項2に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  4. 前記覚醒判定部が、前記呼吸間隔から呼吸間隔の変動係数を算出し、該呼吸間隔の変動係数によって睡眠か覚醒かを判定する、請求項2に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  5. 前記拍動間隔算出部は、微分処理とピーク判定とを組み合わせて前記拍動波形から各拍動のタイミングを示す時刻を特定する微分ピーク処理部を有する、請求項1に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  6. 前記睡眠ステージ判定部は、
    拍動間隔の時系列データから拍動間隔のゆらぎについてのパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出部と、
    該パワースペクトルの示すパターンを判定対象として睡眠ステージを判定するスペクトルパターン解析部と
    を備えている、請求項1に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  7. 前記スペクトルパターン解析部が、ニューラルネットワークの学習によるパターン判定部を備える、請求項6に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  8. 前記睡眠ステージ判定部は、拍動間隔の時系列データに含まれる拍動間隔のゆらぎについての低周波成分と高周波成分とを算出して該低周波成分と該高周波成分との比を計算するLF/HF比算出部を備え、該比の値によって睡眠ステージを判定するものである、請求項1に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  9. 前記睡眠ステージ判定部が、前記高周波成分の値が所定の値を超える場合の前記比の値によって睡眠ステージを判定するものである、請求項8に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  10. 前記所定の値が300msecである、請求項9に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  11. 前記圧力波形取得部が、使用者の身体を支える寝具と身体との間に配置される空気圧センサーを含む、請求項1に記載の睡眠状態モニタリング装置。
  12. 使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得ステップと、
    該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出ステップと、
    該拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出ステップと、
    前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを該拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定ステップと
    を含む睡眠状態モニタリング方法
  13. 前記圧力波形に所定の処理を行って呼吸波形を抽出する呼吸波形抽出ステップと、
    該呼吸波形における各回の呼吸について、直前の呼吸からの時間間隔である呼吸間隔を算出する呼吸間隔算出ステップと、
    使用者が睡眠しているか覚醒しているかを呼吸間隔から判定する覚醒判定ステップと
    をさらに含む請求項12に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  14. 前記覚醒判定ステップが、前記拍動間隔から拍動間隔の変動係数を算出し、該拍動間隔の変動係数によって睡眠か覚醒かを判定するものである、請求項13に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  15. 前記覚醒判定ステップが、前記呼吸間隔から呼吸間隔の変動係数を算出し、該呼吸間隔の変動係数によって睡眠か覚醒かを判定するものである、請求項13に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  16. 前記拍動間隔算出ステップは、微分処理とピーク判定とを組み合わせて前記拍動波形から各拍動のタイミングを示す時刻を特定する微分ピーク処理ステップを含む、請求項12に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  17. 前記睡眠ステージ判定ステップは、
    拍動間隔の時系列データから拍動間隔のゆらぎについてのパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出ステップと、
    該パワースペクトルの示すパターンを判定対象として睡眠ステージを判定するスペクトルパターン解析ステップと
    を含む、請求項12に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  18. 前記スペクトルパターン解析ステップが、学習を行わせたニューラルネットワークにパターンを判定させるステップを含む、請求項17に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  19. 前記睡眠ステージ判定ステップは、拍動間隔の時系列データに含まれる拍動間隔のゆらぎについての低周波成分と高周波成分とを算出して該低周波成分と該高周波成分との比を計算するLF/HF比算出ステップを含み、該比の値によって睡眠ステージを判定するステップである、請求項12に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  20. 前記睡眠ステージ判定ステップが前記高周波成分の値が所定の値を超えるかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項19に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  21. 前記所定の値が300msecである、請求項20に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  22. 前記圧力波形取得ステップが、使用者の身体を支える寝具と身体との間に配置される空気圧センサーによって圧力波形を取得するステップを含む、請求項12に記載の睡眠状態モニタリング方法。
  23. 使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接しており電気信号として圧力波形を得る圧力検出部に接続されたコンピュータに、請求項12〜22に記載のいずれかの方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
  24. 使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得部と、該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出部と、拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出部と、コンピュータネットワークを通じてデータを送信するデータ送信部とを備えたコンピュータネットワークに接続されたモニタリング部と、
    該コンピュータネットワークを通じて該モニタリング部から少なくとも拍動間隔を含む時系列データを複数回受信し、受信した時系列データを使用者に対応させて該時系列データを記録するための記憶部と
    を有する睡眠状態モニタリングシステムであって、前記コンピュータネットワークに接続されたいずれかのコンピュータが、複数回にわたって受信した前記時系列データを使用者に対応付けて時間に対するグラフとして表示し、過去のある期間における該使用者の拍動間隔のゆらぎの変化を提示するデータ表示部を備えている、睡眠状態モニタリングシステム。
  25. 前記コンピュータネットワークに接続されたいずれかのコンピュータが、過去のある期間における該使用者の拍動間隔のデータにおいて、拍動間隔のゆらぎを示す数値についての前記期間より短い短期間における変動を検知してアラーム信号を出力するゆらぎ変化探知部を有している請求項24に記載の睡眠状態モニタリングシステム。
  26. 前記コンピュータネットワークに接続されたいずれかのコンピュータまたは前記モニタリング部が、前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを該拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定部をさらに有しており、
    前記記憶部が、前記拍動間隔のゆらぎを示す数値を睡眠ステージ判定部が判定した睡眠ステージと関連付けて記憶する、請求項24に記載の睡眠状態モニタリングシステム。
  27. 前記コンピュータネットワークに接続されたいずれかのコンピュータまたは前記モニタリング部が、前記使用者の睡眠の深度の段階である睡眠ステージを該拍動間隔から判定する睡眠ステージ判定部をさらに有しており、
    前記記憶部が、睡眠ステージ判定部が判定した睡眠ステージがステージ3またはステージ4の場合にのみ前記拍動間隔のゆらぎを示す数値を記憶する、請求項24に記載の睡眠状態モニタリングシステム。
  28. 使用者の身体のいずれかの部分に直接または着衣を介して接している圧力検出部により、電気信号として圧力波形を得る圧力波形取得部と、該圧力波形に所定の処理を行って使用者の拍動波形を抽出する拍動抽出部と、拍動波形における各拍動について、直前の拍動からの時間間隔である拍動間隔を算出する拍動間隔算出部と、コンピュータネットワークを通じてデータを送信するデータ送信部とを備え、コンピュータネットワークに接続されているモニタリング部に該コンピュータネットワークを通じて接続可能にされたコンピュータを、請求項24または25のいずれかに記載のコンピュータとして動作させるためのコンピュータプログラム。
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