JP2004527294A - 連続可変視界を伴うmriの勾配コイルアセンブリ、画像形成装置、画像形成方法及び画像形成システムのための勾配コイルシステムをデザインする方法 - Google Patents

連続可変視界を伴うmriの勾配コイルアセンブリ、画像形成装置、画像形成方法及び画像形成システムのための勾配コイルシステムをデザインする方法 Download PDF

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Abstract

勾配コイルアセンブリ(22)は、磁気共鳴画像形成装置の主磁場を貫く磁場勾配を生成し、第1の有効な画像形成体積において略線形である磁場勾配を生成するベース勾配コイルのセット及び略0である一次モーメントを有する磁場勾配を生成する補正勾配コイルのセットを備える。補正勾配コイルのセットは、第1の有効な画像形成体積とは異なる第2の有効な画像体積において略線形である磁場勾配を生成するために、ベース勾配コイルのセットの高次項と結合する三次及びそれ以上の高次のモーメントを生成する。本発明の好適な実施形態においては、第2体積は、ベースコイル及び補正コイルに適用される電流量を調整することにより連続的に可変である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴技術に関する。本発明は、特に、医療用磁気共鳴撮像に関連するアプリケーションに関し、特にその関連において説明することとする。しかしながら、本発明はまた、他のタイプの磁気共鳴撮像システム、磁気共鳴分光システム等に関連するアプリケーションに利用できることが認識されるところとなる。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴画像形成において、線形の磁場勾配が空間エンコーディングのために用いられる。線形の磁場勾配を生成するために、勾配コイルが用いられる。勾配コイルは、一般に、大きさが一定である画像形成のための視界(FOV:Field Of View)を提供するために設計される。例えば、全身に適用する場合、勾配コイルは、一般に、十分な線形性、又はDSV(Diameter Spherical Volume)が45乃至50cmより大きい一様な磁場勾配を生成するために設計される。しかしながら、専用の心臓スキャナに対しては、DSVは35乃至40cmとすることが可能である。専用の頭を対象とするシステムに対しては、線形勾配は、DSVが20乃至25cmのDSVにおいて、十分線形である磁場勾配を生成するために設計される。有効なDSVが小さくなるにつれて勾配コイルの蓄積エネルギーは減少し、これにより、より高い性能、即ちより大きい勾配ピーク強度及びより速い勾配コイルのスイッチングが可能になる。勾配磁場の略線形領域(即ち、“有効な”DSV)の外側においては磁場勾配により画像の歪みが生じるが、その範囲内においてはそれ程ではない。有効なDSVの範囲内の不均一性を補正するため及び有効な画像形成のためのFOVをある程度拡張するために、ソフトウェアベースの歪み補正スキームが開発されてきた。
【0003】
上記の各々の専用装置の場合、勾配コイルは、一般に、特異な電気機械的構造体であり、所定のDSVの勾配コイルは周知であり、業界で遍く用いられている。例えば、最も一般的なものは、全身の画像形成アプリケーションのためのセルフシールド形の対称な勾配コイルのデザインである。減少した画像形成のDSVにおいて、性能(ピーク強度及びスイッチング速度)を強化するために、専用頭用のコイル及び専用心臓/頭用勾配コイルのデザインが製品化された。一般に、専用頭用勾配コイルのデザインについては、先端の神経/脳研究のアプリケーションのために継続的に議論されているが、身体へのアクセスは患者の心地よさの観点から好適であることが要求されている。
【0004】
勾配コイルは、重量が重い電気機械的装置であり、RF表面コイルのように、画像形成手順の途中で容易に取り外したり、他のRF表面コイルと交換したりすることができない。勾配コイルは、その消費電力が大きい性質のために、MRIシステムの内部に固定される構成要素とされる傾向にある。したがって、専用の勾配コイルにより、MRIシステムは専用の画像形成システムとされる傾向にあり、臨床アプリケーションの適用範囲が制限されることとなる。このように、大きいFOVと小さいFOVの適用の両方に対応するためには、一般に、高価な分離した専用装置、又は、勾配コイルは重くて挿入或いは交換が困難であるために小さい体積であって挿入可能な専用コイルを用いなければならない。
【0005】
近年、デュアル又はツインの勾配のデザインが文献に発表されており、それらは、大きい体積の画像形成能力、及び高性能で小さい体積の画像形成能力の両者を組み合わせて、単一の勾配コイルをもつ電気機械的パッケージを構成する試みである。Katznelson等による米国特許第5,736,858号明細書においては、2つの異なる有効DSVを可能にするように構成される2つの勾配コイルを提供するための手段について開示している。各々の勾配の軸、x軸、y軸及びz軸は2つの勾配コイルに関するものである。第1の勾配コイルは、第1のDSVにおいて線形の磁場勾配を生成するようにデザインされ、第2の勾配コイルは、第2の線形の磁場勾配を生成するように設計されており、それ故、第2勾配コイルが第1勾配コイルと直列に駆動されるとき、結果的に第2DSVは第1DSVより大きくなる。このスキームにおいて、DSVは2つの不連続な値をとることができ、それは連続的に可変ではない。第1勾配コイルは低い蓄積エネルギーを有し、単独の場合又は2つの勾配コイルが直列に接続されたとき、第2勾配コイルより速くスイッチングすることが可能である。他の実施形態においては、第1勾配コイルは、小さいFOVの適用に用いる勾配を生成し、第2コイルは、従来の大きいFOVの適用に用いられる勾配を生成し、そして信号増幅手段及びスイッチング手段は、一のコイル又は他のコイルが分離して用いられることを可能にする。好適な実施形態において、第1コイルは速いスイッチング、即ち小さいFOVの画像形成のために用いられ、そして、大きいFOVの画像形成及び/又は非常に大きい勾配強度を生成するために両方のコイルが共に用いられ、これにより、拡散画像形成のアプリケーションに用いることが可能となる。重要な点は、単独で又は組み合わせることにより、1つの又は2つの可能な画像形成のDSVにおいて線形勾配磁場を生成するように、各々のコイルをデザインすることである。好適な実施形態においては、比較的大きいDSVを生成するために、2つのコイルは一緒に(直列にして)用いられる。他の実施形態においては、2つの異なる大きさのDSVにおいて適正な歪みのない磁気共鳴画像を形成するために、各々のコイルを別々に用いることが可能である。Katznelson等は、略0の一次勾配を生成するために、第2勾配コイルが優先的に構成され/設計されたことを教示していない。更に、各々のコイルは、渦電流効果を最小化するために、セルフシールド形又はアクティブシールド形に設計されている。各々のコイルはそれぞれが線形勾配磁場を生成するため、この方法における問題点は、全出力における2つの勾配コイルは1つの電気機械的アセンブリの中に収容されることである。これにより、多くの径方向の空間が占有され、2つのコイルが電気機械的構造体の内部で異なる径方向の位置を占めるときは特に多くの径方向の空間が占有される。各々のコイルは、類似する大きい電流を流すために、十分大きい導体断面を必要とする。又、受動コイル及び電気的シムコイルのような他の構成要素において能力を適合させるとき、2つのコイルの冷却が問題となる。
【0006】
また、Kimmlingen等(“Gradient system with continuously variable field characteristics”,ISMRM 2000 (2000年、4月、米国デンバー市における国際会議))は、大きい磁場を得ることを目的として標準的な全身用コイルを採用し、小さいFOVにおいて線形勾配を生成するコイル巻き線のサブセットを特定することを提案したが、同等の(約20%小さい)ピーク勾配強度と実質的に低いインダクタンス(約45%小さい)をもち、比較的速い勾配スイッチングが可能である。スイッチング手段又は二重増幅器デザインが、両方のコイル部分を分離して動作させるために備えられ、それ故、サブセット又は全部のコイル巻き線を利用することが可能であり、サブセット又は他の巻き線に流れる電流量を調節することが可能であって、これはFOVの大きさに依存する。主な利点は、2つのコイルが、標準的な6層を備えて同じ径方向の位置を占めることにより、冷却及び構成がより簡単であり、よりコストの掛からないものとなっていることである。この方法の不利点は、より小さいFOVを提供するために、コイル巻き線の一部が取り除かれるとき、一部の勾配強度が失われることである。他の不利点は、組み合わされたコイルのみが最適にシールドされているため、シールドが妥協的なものとなり、渦電流効果の増大がもたらされることである。
【0007】
Petropoulosは、米国特許第6,049,207号明細書において、2つの一次コイルと1つの共通シールドコイルを備えた、二重勾配コイルアセンブリを開示している。各々の一次コイルは、共通シールドコイルと共に動作されるとき、異なる大きさのDSVにおいて線形の磁場勾配を生成する。残留渦電流の効果は2つのコイルにおいては等しくないので、必然的に、一方が他方より残留効果は良好となる。しかしながら、これは、各々の連続電流一次コイルと共通シールドコイルとの組み合わせを、離散化の前に整数の順番になるように制限することにより、最小化される。1つの共通シールドを備えるこの方法は、製造において一部の径方向の空間を使わないで済ませられる。しかしながら、2つの高電力の一次コイルがいまだに必要とされている。
【0008】
主磁場の一様性を改善するために、比較的低い電流/電力のシムコイルを用いることがまた、当該技術分野において知られている。しかしながら、そのようなシムコイルは、一般に、殆んど一次補正を行うようにデザインされており、例えば、Z2シムコイルは、主に二次補正磁場を提供し、物理的に分離しているZ3シムコイルは三次補正磁場を提供し、以下これに倣って提供する。
【0009】
本発明においては、可変の画像形成の視界を提供する新規で且つ改善された勾配コイルについて検討し、上記の問題点等を克服した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする手段】
【0010】
本発明の1つの特徴にしたがって、磁気共鳴画像形成装置における試験領域を横切る磁場勾配を誘導するための勾配コイルアセンブリが提供される。勾配コイルアセンブリは、試験領域のまわりに配置されるベース勾配コイルのセットを備える。ベース勾配コイルは、試験領域において流れる電流密度が第1画像形成体積において略線形で且つ第1画像形成体積の外側においては非線形である略線形の磁場勾配を生成するように配置された導電コイルループの配列を備える。補正勾配コイルのセットは、試験領域のまわりに配置され、試験領域において流れる電流密度が三次及びそれより高次の項と略存在しない一次の項とを有する磁場勾配を生成するように配置された導電コイルループの配列を備える。前記三次及びそれより高次の項は勾配が第1画像形成体積から第2画像体積まで線形である画像形成体積を増加させるために第1画像形成体積のまわりの非線形勾配を補う磁場勾配を生成するためのベース勾配コイルのセットの高次項と結合する。
【0011】
本発明の他の特徴にしたがって、磁気共鳴画像形成方法において、選択された画像形成体積において略線形である磁場勾配を生成する方法を提供する。ベース勾配コイルを用いて、第1磁場勾配は、第1電流をベース勾配コイルに供給することに応じて配置される。第1磁場勾配は、第1の有効な画像形成体積において、略線形である。第1磁場勾配は供給される電流に比例して増加する。補正コイルを用いて、第2磁場勾配は、補正コイルに第2電流を供給することに応じて、生成される。第2磁場勾配は略0の一次モーメントを有している。第2磁場勾配は、第2の有効な画像形成体積において略線形である結合された磁場勾配を生成するために第1磁場勾配と結合する。
【0012】
本発明の更に他の特徴にしたがって、可変の有効な画像形成球状体積を有する磁気共鳴画像形成システムのための勾配コイルシステムをデザインする方法は、第1画像形成体積において略線形である第1磁場勾配を生成するベースコイルをデザインする段階、並びに、略0である一次モーメントを有する第2磁場勾配を生成する補正コイルをデザインする段階であって、第1磁場勾配及び第2磁場勾配は第1画像形成体積とは異なる第2画像形成体積において略線形である第3磁場勾配を生成するために結合する、補正コイルをデザインする段階から構成される。
(発明の効果)
【0013】
本発明の1つの優位点は、大きい体積の画像形成アプリケーションと、速い勾配コイルのスイッチングと大きいピーク勾配強度を必要とする小さい体積の画像形成アプリケーションの両方を割り当てるために、可変の空間範囲の線形領域をもつ勾配磁場を生成することが可能である。
【0014】
本発明の他の優位点は、勾配の線形領域が対象となる領域に対して適合するように調整され、それ故、被検体における末梢神経への刺激についてのポテンシャルを減少させることである。
【0015】
本発明の他の優位点は、可変の視界が略0の一次勾配を生成し且つそれ故線形勾配磁場を生成する第2コイルに必要とされるものに比べて非常に小さい電流を流す補正コイルを提供することにより実現できることである。
【0016】
本発明の更に他の優位点は、当業者が、以下に詳細に説明する本発明の好適な実施形態を読むことによって、明瞭に理解されるであろうことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1を参照するに、主磁場制御器10は、超伝導磁石又は抵抗磁石12を制御することにより、略一様で一時的に一定の主磁場Bが試験領域14の中を貫くz軸に沿って生成される。図1においてはボアタイプの磁石を示したが、本発明の実施形態においては、同様に、オープン磁石システム及び他の既知のタイプのMRIスキャナに適用することが可能である。カウチ(図示せず)が、試験領域14内で試験される対象物を浮かせている。磁気共鳴エコーの生成システムは、磁気スピンを反転し又は励起するために一連の高周波(RF)及び磁場勾配パルスを利用し、磁気共鳴を誘導し、磁気共鳴の焦点を再度定め、磁気共鳴を操作し、空間的又はその他の状態に磁気共鳴をエンコードし、スピンを飽和させ、及び一連の磁気共鳴画像及び分光データを生成する。更に具体的には、勾配パルス増幅器20は、試験領域14のx、y及びz軸に沿った磁場勾配を生成するために、選択された勾配コイルアセンブリ22の一部又は一対の勾配コイルアセンブリ22に対して電流パルスを適用する。デジタル高周波送信器24は、RFパルスを試験領域に送信するために、全身用RFコイル26に高周波パルス又はパルスパケットを送信する。典型的な高周波パルスは、互いに結合する短期継続時間をもつ直接的連続パルスセグメントのパケットから構成され、何れかの適用される勾配は選択的な磁気共鳴操作を達成する。全身への適用のために、共鳴信号は、一般に、全身用RFコイル又は他の適切なぴったり嵌め込まれたRFコイル26によって感知される。対象物の局所的領域の画像を生成するために、特殊な高周波コイルが所定の領域に連続的に配置される。例えば、ボアのアイソセンタにおける所定領域を取り囲むようにして、挿入可能なRFコイルを挿入することが可能である。挿入可能なRFコイルは、磁気共鳴を励起するために用いられ、患者から試験領域内に発せられる磁気共鳴信号を受け取る。また、全身用コイルのRF送信により導かれる共鳴信号のみを受け取るために、挿入可能なRFコイルを用いることが可能である。結果として生じた高周波信号は、全身用RFコイル26、挿入可能なRFコイル又は他の特定なRFコイルにより受け取られ、受信器30、好適にはデジタル受信器により復調される。
【0018】
シーケンス制御回路40は、エコー平面画像形成、エコー立体画像形成、勾配及びスピンエコー画像形成、高速スピンエコー画像形成等の任意の複数の多重エコーシーケンスを生成するために、勾配パルス増幅器20と送信器24を制御する。各々のRF励起パルスに続いて、共鳴信号はレシーバ30により増幅され且つ復調され、そしてk空間データメモリ32内でサンプリングされる。受け取られたデータは、二次元フーリエ変換又は他の適切な再構成アルゴリズムを適用する再構成プロセッサ50によって画像表示のために再構成される。画像は、患者についての平面スライス、多数の平行な平面スライス、三次元体積等を表示することが可能である。画像は、次いで、ビデオモニタ56等の人間を見ることが可能な表示装置に表示するための画像データフォーマットするビデオプロセッサ54によりアクセスすることが可能である画像メモリ52に記憶される。
【0019】
勾配コイルアセンブリ22は、DSV1で表される、第1の有効DSVを有する基本的な勾配コイルのデザインを備えている。即ち、基本的な勾配コイルは、DSV1において略線形であるがロールオフの状態になり、又はDSV1以外の部分においては非線形になる。勾配コイルアセンブリ22は、有効なDSVがDSV2で表される第2の有効DSVであって、このときDSV2>DSV1であるような第2有効DSVまで拡張されるように、第1勾配コイルのデザインの磁場に加えられる磁場を生成する補正コイル又はシム勾配コイルを更に含む。更に具体的には、補正コイルは、DSV1の外側の非線形ベースコイルの勾配を調節し、DSV2の外側において略線形になるようにする。他の実施形態においては、例えば、補正勾配コイルにおける電流方向を反対向きにすることにより、DSV2<DSV1となることを検討した。本発明の実施形態の勾配コイルシステムの特異な性質は、補正勾配コイルのデザインが略0の一次勾配を生成することである。それに代えて、補正勾配コイルのデザインは、ベース勾配コイルのデザインの高次の項と結合する三次及びそれより高次の空間勾配を生成する。この方法において、補正勾配コイルのデザインが用いられるとき、有効な画像形成DSVを拡張するために、線形性/一様性を改善することにより、画像形成DSVは拡張される。補正コイル磁場の可変量を用いることにより、画像ボリュームの範囲において、有効なDSVを可変にすることが可能である。
【0020】
例としては、勾配コイルは、一般に、人間の全身の画像形成を行うために、約45乃至50cmのDSVにおいて許容可能である線形勾配磁場を生成するように設計されている。勾配磁場の空間的非線形性又が、非一様性が画像歪みとして明らかになった。本発明の実勢形態にしたがって、ベース勾配コイルは、脳又は心臓のような、比較的小さいDSV1を必要とする生態組織又は構造体の画像を形成するために特定の優位性(小さい蓄積エネルギーであって、それ故、速いスイッチング能力)を有する比較的小さい有効DSVを持つように設計されている。本発明の好適な一実施形態においては、このDSV1は約20乃至25cmである。DSV1と大きいDSV2との間の非線形磁場を補正する補正コイルが計算により求められる。補正コイルは、DSV1からDSV2までの有効な画像形成体積を増加/拡張するために、ベース勾配コイルの空間的非線形性を部分的に補償する、略0の第一次勾配磁場を生成する。ベース勾配コイル及び補正コイルを共に用いる場合は、より大きいDSVコイルのデザインの場合に一般にそうであるように、ベースコイル単独の場合に比べてより大きい蓄積エネルギーが得られる。
【0021】
補正コイルのデザインを数多くの方法により選択することが可能である。しかしながら、デザインの方法に拘わらず、可能なDSVの領域において用いるときに渦電流効果を最小にするように、ベースコイルのデザイン及び補正コイルのデザインの両方を選択することが好ましい。例えば、制約を設けて目標の磁場と最小のエネルギーを得る方法は、本発明の一実施形態において、ベースコイル又は補正コイルの解決方法に到達するために用いられる。他の実施形態として、補正コイルの電流分布は、線形勾配体積DSV1及びDSV2を生成するコイルのために電流分布を減ずることにより、達成される。このスキームにおいて、第1段階は、最も大きいDSV、例えば勾配強度27mT/mに対して好適な値に設定される勾配強度であるDSV1とDSV2を生成する電流を決定する段階である。これらの電流差は、略0の勾配強度である補正電流分布を規定する。27mT/mにおいてベースコイルに上乗せがなされるとき、その結果、オリジナルの勾配強度27mT/mはより大きいDSVをもつようになる。勾配強度が、有効なDSVに影響を及ぼすことなく変化する場合、電流は比例的に変化する。より小さいDSVに対する好適な勾配強度を、利用可能なピーク電流、例えば50mT/mを伴って得られるように、より小さいDSV電流又はベースコイルを離散化することが可能である。これに伴う効果は、27mT/mにおいて動作されるとき、離散したベースコイルにおいてはより小さい電流で済むことである。
【0022】
ベースコイル及び補正コイルは、異なる半径方向の位置を占める。しかしながら、補正コイルは、完全な線形勾配コイルに比べて実質的に少ない電流を用いて動作することができる。このように、より小さい導体断面積を用いることが可能であり、例えば水による冷却のために、より大きい空間効率が可能になる。
【0023】
DSVを選択することは、連続FOV調節器42が、オペレータにFOVの選択を可能にするために備えられていることを意味する。これは、例えば、所定の走査実験に先立って実行される“試験的”又は“調節”手法の間になされる。DSVの選択は、コントラスト、解像度等の他のパラメータが同様に入力されるユーザインタフェースを用いて、オペレータによりなされる。このように、DSVは、画像形成がなされる構造または領域に合わせて調整される。
【0024】
MR画像形成のアプリケーションにおける画像品質を強化する1つの方法は、勾配の非線形性を補償する歪み補正を用いることによるものであり、例えば、結果として得られる画像に関するソフトウェアにおいて実施される。歪み補正は、勾配コイルの性質に依存する。しかしながら、本発明の実施形態にしたがった可変FOV勾配コイルを用いると、そのような勾配コイルの性質は、選択されたFOVにより変化する傾向をもつ。このように、本発明の好適な実施形態にしたがって、可変の電気的画像歪み補正アルゴリズムを用いることができる。勾配コイルの性質のよる画像歪みを説明するために、球面調和関数、テーラー展開級数等が用いられる。補正係数又は補正モデルは、特定の画像形成方法のために用いられる組み合わされたベースコイル且つ補正コイルの実際の組み合わされた性質に基づいている。したがって、補正ファクタは、補正コイルとベースコイルのどれ位の部分が用いられているかに依存して変化し、これは用いられるFOV又は画像形成のDSVに依存し、更に特定の画像形成方法又は画像形成の構造に依存する。したがって、選択されたDSVの関数として変化する勾配の歪みの性質を補正するために、任意に可変の又は適応可能な歪み補正プロセッサ46を発展的に備えることができる。
【0025】
画像形成体積の領域における勾配の非線形性/非均一性は、予め測定又は計算することができる。得られたデータを、再構成された画像データの補正のために用いる。例えば、選択可能なDSV領域における歪み補正係数/モデルを、ベースコイルと補正コイルにおける相対的電流量に基づいて予めプログラムされたルックアップテーブルを用いて、予め計算し、そして記憶する。
【0026】
画像品質を改善するための他の方法は、渦電流補正を備えることである。一時的な勾配技術が一般に用いられるため、画像形成装置の導体構造のような導体材料の近く且つ勾配コイル間において、磁気結合が生成される。そのような磁気結合は、勾配磁場を低下させる残留磁気を誘導する渦電流を生成する。一般に、渦電流効果を併せ持つ増幅電流パルスが所望の出力磁場を生成するように、電流パルスを予め歪めるために、強調フィルタを用いる。渦電流効果は、画像形成DSV内の空間的位置により変化する、例えば、脳における最適な渦電流補正は、一般に、ショルダにおける最適な渦電流補正とは異なる。したがって、生体組織がDSV内のどこに位置するかに基づいて、異なる渦電流補正を用いることが可能である。しかしながら、本発明の実施形態における可変のFOV勾配コイルの場合には、選択されたDSVに対する渦電流の性質のベースと補正との組み合わせに基づいて、同じ生体組織または空間的位置において、異なる渦電流補正を更に可能にすることは好適である。したがって、本発明の好適な実施形態においては、任意のプリエンファシス補正回路44を備え、ベースコイルと補償コイルにおける相対的電流量に基づいて勾配を予め補償することができる。予め補償することは全体的なDSV領域における渦電流の性質の演繹的知識に基づいており、且つ選択されたDSVと他のファクタに基づいて修正される。シールドは、一時電流と渦電流が誘導される構造体の間の結合を減少させることにより、渦電流効果を減少させることが可能である。しかしながら、本発明の好適であるよくシールドされた実施形態においては、特に、最高の飽和、速いスピンエコー、エコーの平面画像形成等の非常に敏感な画像形成技術のために、渦電流補正を好適に用いることができる。
【0027】
本発明の実施形態における可変のDSVコイルのシステムを設計する好適な方法は、選択された勾配強度(例えば、約27mT/m)を生成するために、各々、初期的に設計された第1DSV(例えば、35cm)コイルのデザインと第2DSV(例えば、50cm)コイルのデザインのための電流分布を減じることにより、補正されたコイルの電流分布を得る段階を含む。例えば、ベースコイルの連続的な電流分布は、35cmのDSVの有効な画像形成体積を生成する電流分布である。補正コイルの連続的な電流分布は、ベースコイルの電流分布に対して十分な強度において加算されたとき、50cmのDSVの有効な画像形成体積を生成するような、電流分布を示す。補正コイルは、略0の第一次勾配磁場を生成する。それどころか、三次、四次及びそれ以上の高次の“補正”項のみが生成される。十分な電流より小さい電流を補正コイルに適用することにより、結果的に部分的な補正が得られ、有効なDSVを35cmより大きく且つ50cmより小さい値まで増加する。
【0028】
模範的な一次であってz勾配ベースコイル及び補正コイルの組み合わせについての連続的電流分布を図2に示し、二次のz勾配(シールド)ベースコイル及び補正コイルについての連続的電流分布を図3に示す。説明を簡単にするために、実際には、必要とされるベースコイルのピーク強度、例えば50mT/mを達成するために離散化する前に、ベースコイルの電流分布をスケールアップするが、ベースコイルについての連続的電流は28mT/mの勾配強度に対するものである。図示されている、補正コイルの連続的な電流は、ベースコイルが28mT/mにおいて動作されるときであって、ベースコイルに加算されるとき、50cmのDSVを生成する電流である。
【0029】
図4乃至6は、パラメータαにより表されるベースコイル電流に加えられる補正コイル電流量の関数として、(1)Bz磁場の変化、(2)勾配磁場の線形性(%による)及び(3)勾配磁場の一様性(%による)をそれぞれ示している。これは、有効な画像形成体積が、どのように、αを増加させることにより拡張することが可能であり、又はαを減少させることにより縮小することが可能であるかをデモンストレーションとして示すものである。補正コイル且つベースコイル電流量のスケーリング方法は次式で表される。
correction coil=α*I@28mT/m
base coil=(1−α)[I@50mT/m−I@28mT/m]
+I@28mT/m
図4は、zに対するBzについての2つの極端な場合、即ちα=0とα=1.25の場合について示している。図5及び6は、異なるαの値に伴うz勾配コイルに対する線形性及び一様性をそれぞれ示している。z勾配コイルについて図4乃至6に示した結果を表1にまとめた。
【0030】
【表1】
Figure 2004527294
図7は、模範的な一次x勾配のベースコイル及び補正コイルを示し、図8は、模範的な二次x勾配(シールド)のベースコイル及び補正コイルを示している。図7及び8は、27mT/mの勾配強度に基づく連続的電流分布Jzを示している。
【0031】
ここで、図9乃至12を参照するに、例としてのx勾配のベースコイルと補正コイルの離散化についての離散的なコイルの重心パターンを、一次及び二次のそれぞれについて示している。図9及び10は、一次及び二次のベースコイルに関する電流パターンを、それぞれ示している。図11及び12は、一次及び二次の補正コイルに関する電流パターンを、それぞれ示している。一次コイルについては、487Aに対して50mT/mを与える離散化を用いている。ベースコイルが27mT/m又は264Aにおいて動作されるとき、十分な補正コイルの加算は、27mT/mにおいて50cmDSVを生成する。図に示した例において用いられる補正コイルの離散化についての補正コイル電流は175Aである。
【0032】
図13乃至5は、(1)Bz磁場の変化、(2)勾配磁場の線形性(%による)及び(3)勾配磁場の一様性(%による)を、ベースコイル電流に加算される補正コイル電流量(α)の関数として、それぞれ示している。この方法において、有効な画像形成体積は、αを増加させることにより拡張することが可能であり、又はαを減少させることにより縮小することが可能である。特に注目すべきことは、αが増加するにつれて、z軸に沿って一様性が改善されることである。z勾配の場合を参照して上記したように、補正コイル及びベースコイルの電流量のスケーリング方法は、次式により表わされる。
correction coil=α*I@27mT/m
base coil=(1−α)[I@50mT/m−I@27mT/m]
+I@27mT/m
図13は、xに対するBxについての2つの極端な場合、即ちα=0とα=1.25の場合について示している。図14及び15は、異なるαの値に伴うx勾配コイルに対する線形性及び一様性をそれぞれ示している。x勾配コイルについての結果を表2にまとめた。
【0033】
【表2】
Figure 2004527294
y勾配コイルアセンブリのデザインは、x勾配コイルアセンブリのデザインを単に中心軸について90°回転させたものと同一の操作により得られる。調節可能なコイルシステムについて好適な実施形態を参照して説明してきたが、又、種々の他の選択の余地及び構成を検討することは評価に値することである。例えば、本発明の実施形態においては、主によくシールドされた場合であって、ベースコイル及び補正コイルのそれぞれが対応するシールドコイルを共通に伴う場合について述べたものである。しかしながら、両方のコイルはシールドしないことが可能である。又、ベースコイル及び補正コイルの一方をシールドし、他方をシールドしないことが可能である。又、種々のアプリケーションの制約に適応するために、種々の大きさ、長さ及び幾何学的配置の勾配コイルアセンブリをデザインすることが可能である。ベースコイル及び補正コイルは同じ長さ、又は異なる長さにすることが可能である。又、本発明の好適な実施形態において、ベースコイル及び補正コイルにおける電流は、連続的に可変的なDSVを生成するようにスケーラブル(scalable)である。しかしながら、又、離散的に可変的な画像形成DSVを検討することができる。例えば、ベースコイル及び補正コイルが直列の状態で動作されるとき、それらはDSV2を生成し、ベースコイルが単独で動作されるとき、DSV1を生成し、このとき、DSV2はDSV1より大きく、それ故、2つの動作モードのみがあるように、ベースコイル及び補正コイルをデザインすることが可能である。更に他の本発明の実施形態においては、有効な画像形成体積DSV1より小さい有効な画像形成体積DSV2を生成し、このとき、有効な画像形成体積の大きさをDSV2からDSV1に減少させるように補正コイルがデザインされているように、ベースコイルをデザインすることが可能である。同様に、有効な画像形成体積DSV2より小さい有効な画像形成体積DSV1を生成し、このとき、有効な画像形成体積の大きさをDSV1からDSV2に増加させるように補正コイルがデザインされているように、ベースコイルをデザインすることが可能である。極めて高い勾配強度のために、2つ(又はそれ以上)のベースコイルを備え、2つのベースコイルが直列状態で電源を入れられるとき、ベースコイルについてのピークの勾配強度を2倍にすることが可能である。本発明の他の実施形態においては、補正コイルを挟んで2つのベースコイルを用い、両方のベースコイルの効果的な冷却を可能にするように導管に水を直接流すことによって、補正コイルを水冷式にすることが可能である。補正コイルにおいて電流を逆向きにすることが可能である。したがって、一次のベースコイルの一方方向のみにおいて電流が流れる場合であっても、一次の補正コイルは両方の方向において電流が流れることが可能である。同様に、補正シールドコイルにおいては又、逆方向に電流が流れることが可能である。
【0034】
0である一次勾配であるコイルは理想的な場合であり、本明細書で用いた “略0である一次勾配”の表現は、最小の一次勾配を排除することを意図するものではない。同様に、本明細書で用いた “略線形的な”の表現は、勾配磁場において小さい非線形性又は非一様性を排除することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態にしたがった可変FOV勾配コイルアセンブリを備えた磁気共鳴画像形成装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の一次のz勾配のベースコイル及び補正コイルの連続的電流分布のJφ成分についてのグラフである。
【図3】本発明の実施形態の二次のz勾配(シールド)のベースコイル及び補正コイルの連続的電流分布のJφ成分についてのグラフである。
【図4】2つの極端な場合(α=0及びα=1.25)についてのρ=0におけるzの関数としてのz勾配のBz磁場成分に関するグラフである。αは補正コイル電流量に関するパラメータであり、α=0は0である補正電流に対応することに留意されたい。
【図5】異なるαの値に対する本発明の実施形態のz勾配コイルについてのBz磁場成分の線形性における変化を示すグラフである。
【図6】異なるαの値に対する本発明の実施形態のz勾配コイルについてのBz磁場成分の一様性における変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態の模範的な一次のx勾配のベースコイル及び補正コイルの連続的電流分布のJφ成分についてのグラフである。
【図8】本発明の実施形態の模範的な二次のx勾配(シールド)のベースコイル及び補正コイルの連続的電流分布のJφ成分についてのグラフである。
【図9】第1のx勾配のベースコイルについての離散的電流パターンを示すグラフである。
【図10】第2のx勾配のベースコイルについての離散的電流パターンを示すグラフである。
【図11】第1のx勾配の補正コイルについての離散的電流パターンを示すグラフである。
【図12】第2のx勾配の補正コイルについての離散的電流パターンを示すグラフである。
【図13】2つの極端な場合(α=0及びα=1.25)についてのz=0及びρ=0におけるxの関数としてのx勾配のBz磁場成分に関するグラフである。
【図14】異なるαの値に対するx勾配コイルについてのBz磁場成分の線形性における変化を示すグラフである。
【図15】異なるαの値に対するx勾配コイルについてのBz磁場成分の一様性における変化を示すグラフである。

Claims (20)

  1. 試験領域を貫いて一時的に一定の磁場を生成するための磁石を備える磁気共鳴画像形成装置における試験領域を横切る磁場勾配を誘導するための勾配コイルアセンブリであって:
    流れる電流密度が第1画像形成体積において略線形であり且つ第1画像形成体積の外側において非線形である略線形の磁場勾配を生成するように配置された導電コイルループの配列を備えた、試験領域のまわりに配置されたベース勾配コイルのセット;並びに
    流れる電流密度が三次及びそれより高次の項と略0である一次の項とを有する磁場勾配を生成するように配置された導電コイルループの配列を備えた、試験領域のまわりに配置された補正勾配コイルのセットであって、前記三次及びそれより高次の項は勾配が第1画像形成体積から第2画像体積まで線形である画像形成体積を増加させるために第1画像形成体積のまわりの非線形勾配を補う磁場勾配を生成するためのベース勾配コイルのセットの高次の項と結合する、補正勾配コイルのセット;
    から構成されることを特徴とする勾配コイルアセンブリ。
  2. 請求項1に記載のアセンブリであって、ベース勾配コイルのセットと補正勾配コイルのセットの一方又は両方がシールドされる、ことを特徴とするアセンブリ。
  3. 請求項1又は2の何れか一項に記載のアセンブリであって、ベース勾配コイルのセット及び補正勾配コイルのセットに電流を供給するための増幅器から更に構成される、ことを特徴とするアセンブリ。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のアセンブリであって、第2の有効な画像形成体積は、ベース勾配コイルのセット及び補正勾配コイルのセットの一方又は両方に供給される電流量を変化させること応じて、連続的に可変であること、ことを特徴とするアセンブリ。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のアセンブリであって、ベース勾配コイルのセット及び補正勾配コイルのセットは試験領域のまわりの異なる径方向の位置を占める、ことを特徴とするアセンブリ。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のアセンブリであって、
    第2の有効な画像形成体積は第1の有効な画像形成体積より大きい、ことを特徴とするアセンブリ。
  7. 試験領域を貫いて主磁場を生成するための主磁石システム;
    高周波信号を試験領域に伝送し且つ試験領域に配置された双極子を選択的に励起するための試験領域に隣接して配置された高周波コイル;
    高周波コイルを動作させるための高周波伝送器;
    試験領域における双極子を共鳴させることにより磁気共鳴信号を受信する受信器;
    人間による読み取り可能な表示装置における表示のために受信された磁気共鳴信号から画像表示を再構成する画像プロセッサ;並びに
    請求項1乃至6の何れか一項にしたがった勾配コイルアセンブリ;
    から構成されることを特徴とする磁気共鳴画像形成装置。
  8. 請求項7に記載の装置であって:
    画像形成の視界の選択を可能にするユーザインタフェース;並びに
    選択された視界に略適合する空間的範囲において略線形である磁場勾配を生成するために選択された視界に応じたベース勾配コイルのセットと補正勾配コイルのセットを供給する電流量を自動的に変化させるシーケンス制御器;
    から更に構成される、ことを特徴とする磁気共鳴画像形成装置。
  9. 請求項7又は8の何れか一項に記載の磁気共鳴画像形成装置であって、
    磁場勾配における予め確認された空間的にマッピングされた非一様性にしたがって再構成された画像表示を補正するための画像歪み補正装置であって、空間的にマッピングされた非一様性は選択された画像形成体積にしたがって変化する、画像歪み補正手段;並びに
    勾配活性化プロファイルにより誘導された渦電流に起因する勾配活性化プロファイルにおける歪みを補償するプリエンファシス補正手段であって、プリエンファシス補正は選択された画像形成体積に適応可能である、プリエンファシス補正手段;
    から更に構成される、ことを特徴とする磁気共鳴画像形成装置。
  10. 磁気共鳴画像形成装置の試験領域を貫く一時的に一定の磁場を生成する段階;
    試験領域における選択された双極子において磁気共鳴を励起し且つ操作する段階;
    復調された共鳴信号を画像に再構成する段階;並びに
    請求項1乃至6の何れか一項にしたがった勾配コイルアセンブリを用いて一時的に一定な磁場を横切る勾配磁場を誘導する段階;
    から構成される、ことを特徴とする磁気共鳴画像形成方法。
  11. 選択された画像形成体積において略線形である磁場勾配を生成する、磁気共鳴画像形成方法であって:
    ベース勾配コイルを用いて、ベース勾配コイルに第1電流を供給することに応じて第1磁場勾配を生成する段階であって、第1磁場勾配は第1の有効な画像形成体積において略線形であり、第1磁場勾配は供給された電流と比例して増加する、第1磁場勾配を生成する段階;並びに
    補正コイルを用いて、補正コイルに第2電流を供給することに応じて第2磁場勾配を生成する段階であって、第2磁場勾配の一次モーメントは略0であり、第2磁場勾配は第2の有効な画像形成体積において略線形である結合された磁場勾配を生成するために第1磁場勾配と結合する、第2磁場勾配を生成する段階、
    から構成されることを特徴とする磁気共鳴画像形成方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって:
    画像形成体積に適合する補正コイルのセットに流す電流を連続的に調整する段階;
    から更に構成される、ことを特徴とする方法。
  13. 請求項11又は12の何れか一項に記載の方法であって、勾配磁場を含む段階は:
    略線形の領域を有する結合された勾配磁場を生成するために、ベース勾配コイルのセットに第1電流を適用し且つ補正勾配コイルのセットに第2電流を適用する手順;並びに
    前記略線形の領域の勾配強度及び空間的範囲を選択的に調整するために、第1電流及び第2電流を選択的に可変にして適用する手順;
    を含む、ことを特徴とする方法。
  14. 請求項11乃至13の何れか一項に記載の方法であって、第1電流及び第2電流は、画像形成の視野を選択するユーザの入力に応じて選択される、ことを特徴とする方法。
  15. 請求項11乃至14の何れか一項に記載の方法であって:
    ベース勾配コイルに電流を且つ補正勾配コイルに電流を同時に供給する段階であって、電流量は選択された画像形成体積において略線形である磁場勾配を形成するために選択された各々のコイルに流される、段階;
    から更に構成される、ことを特徴とする方法。
  16. 請求項11乃至15の何れか一項に記載の方法であって:
    複数の有効な画像形成体積において略線形である複数の磁場勾配を生成するために可変量の電流パルスを流す段階;並びに
    複数の補正マップを生成するために複数の画像形成体積における結果として生じる勾配磁場の非線形性をマッピング又は計算する段階;
    から更に構成される、ことを特徴とする方法。
  17. 請求項11乃至16の何れか一項に記載の方法であって:
    選択された画像形成体積の画像表示を再構成する段階;
    選択された画像体積に対応する補正マップの1つを選択する段階;並びに
    選択された補正マップを用いて再構成された画像表示を補正する段階;
    から更に構成される、ことを特徴とする方法。
  18. 請求項11乃至17の何れか一項に記載の方法であって:
    複数の有効な画像形成体積において略線形である複数の磁場勾配を生成するために可変量の電流パルスを流す段階;
    複数のプレエンファシス補正を計算するために複数の画像形成体積における渦電流効果を測定する段階;並びに
    選択された画像形成体積に対応するプレエンファシス補正の1つを電流パルスに適用する段階;
    から構成される、ことを特徴とする方法。
  19. 可変の有効な画像形成球状体積を有する磁気共鳴画像形成システムのための勾配コイルシステムをデザインする方法であって:
    第1画像形成体積において略線形である第1磁場勾配を生成するベースコイルをデザインする段階;並びに
    略0である一次モーメントを有する第2磁場勾配を生成する補正コイルをデザインする段階であって、第1磁場勾配及び第2磁場勾配は第1画像形成体積とは異なる第2画像形成体積において略線形である第3磁場勾配を生成するために結合する、補正コイルをデザインする段階;
    から構成されることを特徴とする方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、補正コイルをデザインする段階は:
    第1磁場勾配を生成する第1電流分布を計算する手順;
    第3磁場勾配を生成する第2電流分布を計算する手順;並びに
    補正コイルを決める第3電流分布を計算するために第2電流分布から第1電流分布を減算する手順;
    から構成されることを特徴とする方法。
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