JP2004523642A - 高度の路面保持性を有するタイヤ、トレッドバンド、およびそれらに使用されるエラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の要素を含む車輪用タイヤであって、前記要素が、(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと、(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーとを含むエラストマー組成物を含み、前記コポリマーが、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないタイヤ。好ましくは、前記組成物を含む前記要素はタイヤのトレッドバンドである。上記エラストマー組成物は、タイヤの通常の動作温度(40℃〜70℃)で転動抵抗が低く、トレッドバンドに前記温度を超える熱的応力が加わった時に、高度の路面保持性を有するトレッドバンドを製造することを可能にする。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪用タイヤ、トレッドバンド、および架橋性エラストマー組成物に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含む架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の要素を含む車輪用タイヤに関する。
【0003】
本発明は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含む架橋性エラストマー組成物を含むトレッドバンドに関し、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含むエラストマー組成物にも関する。
【背景技術】
【0004】
公知のとおり、ゴム業界、車輪用タイヤ、特に非常に高性能なタイヤの製造業界では、解決が最も難しい問題の1つは、常に、タイヤの通常の動作温度(40℃〜70℃)で低い転動抵抗、および、タイヤが高度の熱機械応力、たとえば車両を「過酷な操作」条件で運転した結果生じる応力の後、前記温度を超えた時の良好な路面保持性の両方を得ることである。
【0005】
先行技術では、通常の動作温度より広範囲の温度におけるタイヤの性能を改善するための試みがなされてきた。
【0006】
欧州特許出願EP117 834号には、硫黄架橋エラストマー組成物からなるトレッドバンドを備えたタイヤであって、前記エラストマー組成物が、約2phr〜約15phr、好ましくは約3phr〜約10phrのポリスチレン樹脂で、軟化点が約90℃〜約120℃、好ましくは約90℃〜約110℃の粒子状の樹脂を含む分散体を含む、タイヤが記載されている。タイヤのトレッドバンド中に前記ポリスチレン樹脂が存在すると、通常の使用条件における転動抵抗を変えずに、湿潤表面での保持性を増加し、かつ特に高度の摩擦条件における保持性を確実にすると言われている。この点に関して、以下のように説明される。トレッドバンドの温度が、特に高度の摩擦条件により120℃〜150℃に達すると、温度値はポリスチレン樹脂の軟化点を超え、トレッドバンドの外側部分が軟化し、タイヤの牽引力が増加し、路面保持性が改善されると考えられる。一方、タイヤを約70℃までの温度で通常どおりに使用する場合、温度値はポリスチレン樹脂の軟化点未満であり、この樹脂は不動態の状態(passive)を保ち、タイヤは低い転動抵抗値を維持する。
【0007】
特許出願EP1 029 874号には、リモネン、ジシクロペンタジエンおよびt−ブチルスチレンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用されるポリマー樹脂が記載されている。前記ポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0008】
特許出願EP1 063 246号には、リモネン、ジメチルジシクロペンタジエン、インデンおよびビニルトルエンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用されるポリマー樹脂が記載されている。このポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0009】
特許出願EP 1 050 547号には、リモネンおよびジメチルジシクロペンタジエンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用される樹脂が記載されている。このポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0010】
特許出願EP754 070号には、架橋性不飽和鎖を含むポリマーベースと、周囲温度で固体の少なくとも1種類の有機化合物であって、ポリマーベース中で実質的に不溶性であり、80℃〜160℃の一次または二次転移温度、および10 000〜1 000 000の平均分子重量を有する化合物とを含む架橋性エラストマー組成物が記載されている。前記有機化合物は、ポリフェニレンエーテル(たとえばヒュルズ(Huels)のヴェストラン(商標)(Vestoran))、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ターポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、スチレン/イソプレン(SIS)、スチレン/ブタジエン(SBS)、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(S−E/B−S)、およびスチレン/エチレン−プロピレン(S/E−P)ブロックコポリマー、またはこれらの混合物から選択される。上記のエラストマー組成物は、トレッドバンドの製造に使用することができ、通常の使用温度(40℃〜70℃)における低い転動抵抗、およびタイヤが高度の熱機械的応力により前記温度を超えた場合における高度の路面保持性の両方を有するタイヤを得ることを可能にすると言われている。
【0011】
米国特許第5 744 566号には、以下のコモノマーからなる不飽和ランダムコポリマーが記載されている:
(a1)2〜20個の炭素原子を含むα−オレフィン;
(a2)芳香族環を含むビニルモノマー;
(a3)分子中にビニル基を含む非共役トリエンまたはテトラエン。
【0012】
前記コポリマーは、エラストマー組成物に使用され、良好な動的疲労強度(dynamic fatigue strength)(耐屈曲性)、並びに大気作用、熱、オゾンおよび低温に対する抵抗力を有すると言われている。さらに、前記コポリマーは、不飽和側鎖が存在するために、化学反応性、加工性、相溶性、ジエンエラストマーたとえば天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン/ブタジエン(SBR)コポリマー、ニトリルゴム、クロロプレンとの架橋性の点で、良好な成果を示すと言われている。前記コポリマーを含むエラストマー組成物は、とりわけタイヤ側壁の製造に特に適すると言われている。
【0013】
欧州特許出願第EP889 091号には、タイヤの側壁またはトレッドバンドを製造する時に使用されるエラストマー組成物であって、(i)エチレンと、(ii)ビニル芳香族化合物と、(iii)非共役ポリエンと、任意に(iv)少なくとも3個の炭素原子を含むα−オレフィンとの重合から得られる不飽和オレフィンコポリマーを含むエラストマー組成物が記載されている。タイヤの側壁のためのエラストマー組成物中に前記オレフィンコポリマーが存在する場合、引張特性および耐コーナリング疲労性を改善し、燃料消費量を減少させることができると言われている。タイヤのトレッドバンドのためのエラストマー組成物中に前記オレフィンコポリマーが存在すると、引張特性、耐磨耗性、湿潤表面における路面保持性を改善し、低い転動抵抗が得られると言われている。
【発明の開示】
【0014】
上記の先行技術は、オレフィンコポリマー中の二重結合の存在、つまり不飽和オレフィンコポリマーの使用は、架橋製品の製造、特にタイヤの製造に有利に使用できる架橋性エラストマー組成物を得る上で重要であることを示している。
【0015】
本願特許出願人が考えるところでは、上記の特性を同時に得ること、つまり通常の使用温度における低い転動抵抗、およびタイヤが前記温度を超えた時の十分な路面保持性の両方を得ることが難しいということは、主に、これらの特性が、タイヤのトレッドバンドを構成するエラストマー組成物のヒステリシス特性、つまりエラストマー材料に動的応力が加わった時に、エラストマー材料によって散逸されるエネルギーの量によって、正反対の傾向で影響を受けるという事実によるものである。
【0016】
実際、タイヤに望ましい低い転動抵抗を得るには、ヒステリシス値が低く、その結果、転動時に限られた量のエネルギーを散逸させることができる組成のエラストマー組成物を使用する必要がある。逆に、タイヤに望ましい高度の路面保持性を得るには、ヒステリシス値が高く、その結果、多量のエネルギーを散逸させて、トレッドバンドと地面との間に良好な付着性を確保することができる組成のエラストマー組成物を使用する必要がある。
【0017】
したがって、上記の問題を解決するには、タイヤのトレッドバンドを構成するエラストマー組成物が、タイヤが動作する温度範囲に応じて正反対で、相互に矛盾するヒステリシス作用を有する必要があるとすると、なおさら難しい。
【0018】
本願特許出願人は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーを使用することにより、架橋製品の製造、特にタイヤの製造に有利に使用することができる架橋性エラストマー組成物が得られることを発見した。こうして、タイヤの動作温度に応じて異なるヒステリシス作用を有する架橋性エラストマー組成物を得ることができ、以下が可能である:
− 湿潤表面(0℃〜10℃)における満足な路面保持性;
− タイヤの通常動作温度(40℃〜70℃)における低い転動抵抗;
− タイヤが高度の熱機械的応力により前記温度を超えた場合の満足な路面保持性。
【0019】
さらに、得られた架橋エラストマー製品は、引張および動的の両方に関して良好な機械的特性を維持し、しかも耐摩擦性を犠牲にする必要はない。
【0020】
本発明は、第1の態様では、架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の要素を含む車輪用のタイヤであって、前記要素が:
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物を含むタイヤに関する。
【0021】
好ましい一実施態様によると、本発明は、車輪用タイヤであって、
− ほぼトロイダル構成に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを有するカーカス構造であって、その対向する側縁が、それぞれ左側および右側ビードワイヤに対応し、各々のビードワイヤがそれぞれのビード内に囲まれている、カーカス構造と;
− 前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含むベルト構造と;
− 前記ベルト構造に周方向に重畳されたトレッドバンドと;
− 前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された1対の側壁とを含み、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物を含む前記要素がトレッドバンドであるタイヤに関する。
【0022】
本発明は、その他の態様によると、車輪のタイヤ用トレッドバンドであって、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含む架橋性エラストマー組成物を含むトレッドバンドに関する。
【0023】
本発明は、その他の態様によると、エラストマー組成物であって、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物に関する。
【0024】
本発明は、その他の態様によると、エラストマー組成物を架橋することにより得られる架橋エラストマー製品であって、前記エラストマー組成物が、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含む製品に関する。
【0025】
好ましい一実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、0.1phr〜100phr、好ましくは3phr〜50phr、さらに好ましくは5phr〜20prhの量でエラストマー組成物中に存在する。
【0026】
本明細書および請求の範囲の目的上、「phr」という用語は、エラストマー性基剤100重量部に付き、エラストマー組成物の特定成分の重量部を示すことを意図しており、エラストマー組成物としては、以下で定義する少なくとも1種類の他のエラストマーポリマー(c)と任意にブレンドされた、1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)を含む。
【0027】
その他の好ましい実施態様によると、前記エラストマー組成物は、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)も含む。
【0028】
好ましい一実施態様によると、本発明に使用される1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)は、タイヤの製造に特に適する硫黄架橋性エラストマー組成物に一般に使用されるもの、つまり一般に20℃未満、好ましくは0℃〜−90℃のガラス転移温度(Tg)を有する1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマーから選択される。これらのホモポリマーまたはコポリマーは、1,3−ブタジエン、モノビニラレンおよび/または極性コモノマー以外の共役ジオレフィンから選択した少なくとも1種類のコモノマーと任意にブレンドされた、1,3−ブタジエンの溶液重合、乳化重合もしくは気相重合により得られる。
【0029】
1,3−ブタジエン以外の共役ジオレフィンは、一般に5〜12個、好ましくは5〜8個の炭素原子を含み、たとえば、イソプレン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;1,3−ヘキサジエン;3−ブチル−1,3−オクタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;またはこれらの混合物からなる群から選択される。イソプレンは、特に好ましい。
【0030】
コモノマーとして任意に使用されるモノビニラレンは、一般に8〜20個の炭素原子、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、たとえばスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン;各種アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはスチレンのアリールアルキル誘導体、たとえば、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−p−トリルスチレン、4−(4−フェニルブチル)スチレン、またはこれらの混合物から選択される。スチレンは、特に好ましい。
【0031】
任意に使用することができる極性コモノマーは、たとえば、ビニルピリジン、ビニルキノリン、アクリルおよびアルキルアクリル酸エステル、ニトリル、またはこれらの混合物、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル、またはこれらの混合物から選択される。
【0032】
本発明の好ましい一実施態様によると、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、一般に以下の組成を有する:25〜100重量%、好ましくは35〜95重量%の1,3−ブタジエン;0〜75重量%、好ましくは5〜65重量%のモノビニラレン、好ましくはスチレン。
【0033】
その他の好ましい実施態様によると、前記1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、1,3−ブタジエン以外の0〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の共役ジオレフィンおよび/または0〜60重量%、好ましくは15〜50重量%の極性コモノマーを含むことができる。
【0034】
好ましくは、本発明に使用される1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、たとえば、ポリ(1,3−ブタジエン)(特に、高度の1,4−シス含量を含むポリ(1,3−ブタジエン))、1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、またはこれらの混合物から選択される。
【0035】
同様に使用することができる1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、適切な末端剤またはカップリング剤との反応により官能化されたものである。特に、有機金属開始剤(特に、有機リチウム開始剤)の存在下で陰イオン重合により得られた1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマーは、開始剤から誘導した残留性有機金属基を適切な末端剤またはカップリング剤、たとえばイミン;カルボジイミド;ハロゲン化アルキルスズ;置換ベンゾフェノン;アルコキシランまたはアリールオキシランと反応させて官能化することができる(たとえば、欧州特許EP451 604号、または米国特許第4 742 124号および米国特許第4 550 142号を参照)。
【0036】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)に関して、「芳香族α−オレフィン」という用語は、以下の式(I)のオレフィンを一般に意味し:
CH2=CH−(R1R2C)x−C6H5−y(R3)y (I)
上記式中、R1、R2、R3は、互いに同一であっても異なっても良く、水素、または1〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し、あるいはR1およびR2と異なるR3は、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基を表し、前記アシルオキシ基は、1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で任意に置換され、xは、0または1〜5の整数であり、yは0、1または2である。
【0037】
式(I)のオレフィンの具体例は、スチレン;モノまたはポリアルキルスチレン、たとえば4−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン;官能基を含むスチレン誘導体、たとえば、メトキシスチレン、エトキシスチレン、 ビニル安息香酸、 メチル安息香酸ビニル、 ビニルベンジルアセテート、 ヒドロキシスチレン、 クロロスチレン、 ジビニルベンゼン;フェニル−置換アルケン、たとえばアリルベンゼン、4−フェニルブテン−1、3−フェニルブテン−1、4−(4−メチルフェニル)ブテン−1、4−(3−メチルフェニル)ブテン−1、4−(2−メチルフェニル)ブテン−1、4−(4−エチルフェニル)ブテン−1、4−(4−ブチルフェニル)ブテン−1、5−フェニルペンテン−1、4−フェニルペンテン−1、3−フェニルペンテン−1、5−(4−メチルフェニル)ペンテン−1、4−(2−メチルフェニル)−ペンテン−1、3−(4−メチルフェニル)ペンテン−1、6−フェニルヘキセン−1、5−フェニルヘキセン−1、4−フェニルヘキセン−1、3−フェニルヘキセン−1、6−(4−メチルフェニル)ヘキセン−1、5−(2−メチルフェニル)ヘキセン−1、 4−(4−メチルフェニル)ヘキセン−1、3−(2−メチルフェニル)ヘキセン−1、7−フェニルヘプテン−1、6−フェニルヘプテン−1、5−フェニルヘプテン−1、4−フェニルヘプテン−1、8−フェニルオクテン−1、7−フェニルオクテン−1、6−フェニルオクテン−1、5−フェニルオクテン−1、4−フェニルオクテン−1、3−フェニルオクテン−1、10−フェニルデセン−1;またはこれらの混合物である。芳香族α−オレフィンは、スチレン、ビニルトルエンまたはこれらの混合物から選択することが好ましい。スチレンは、特に好ましい。
【0038】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は:
− 密度が0.86g/cm3〜1.05cm3、好ましくは0.92g/cm3〜1.0g/cm3であり;
− ASTM規格D1238−00に従って測定したメルトフローインデックス(MFI)が0.1g/10分〜35g/10分、好ましくは0.5g/10分〜20g/10分であることを特徴とする。
【0039】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、DSC(示差走査熱量計)により測定したガラス転移温度が少なくとも−25℃であり、融点がない。
【0040】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、共にDSC(示差走査熱量計)で測定して、少なくとも−25℃のガラス転移温度、および少なくとも25℃の融点を有する。
【0041】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、一般に、50モル%〜97モル%、好ましくは60モル%〜93モル%のエチレン;3モル%〜50モル%、好ましくは7モル%〜40モル%の芳香族α−オレフィンという組成を有する。
【0042】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、分子量分布(MWD)指数が5未満、好ましくは1.5〜3.5である。前記分子量分布指数は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との間の比率として定義され、従来の技術に従って、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定することができる。
【0043】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、モノマー単位の配列で高度の位置規則性を特徴とする。特に、前記コポリマーは、ある量の−CH2−基を−(CH2)n−配列に有し、ただし、nは、−CH2−基全体の量に対して5モル%未満、好ましくは1モル%未満の偶整数である。−(CH2)n−配列の量は、従来の技術に従って13C−NMR分析により決定される。
【0044】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、45%を超える組成分布指数を特徴とし、前記指数は、α−オレフィンの平均合計モル分率50%の範囲内のα−オレフィン含量を含むコポリマー分子の重量%と定義される。
【0045】
組成分布指数は、コポリマー分子中における芳香族α−オレフィンの分布の測定単位であり、たとえば米国特許第5 008 204号またはJ.Poly.Sci.Poly,Phys.ed.、第20巻、441ページ(1982年)に記載されている昇温溶出分別法により決定することができる。
【0046】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、「シングルサイト」触媒、たとえばメタロセン触媒、またはいわゆる「幾何拘束型触媒」(CGC触媒)の存在下におけるエチレンと芳香族α−オレフィンとの共重合により得られる。
【0047】
オレフィンの共重合に使用されるメタロセン触媒は、たとえば、一般にIV型の遷移金属、特にチタン、ジルコニウムまたはハフニウムと、2種類の任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子であって、助触媒、たとえばアルミノキサン、好ましくはメチルアルミノキサン、またはホウ素化合物と組み合わせて使用される配位子との間の配位錯体である(たとえば、Adv.Organomet.Chem.(有機金属化学特論)第18巻、99ページ(1980年);Adv.Organomet.Chem.(有機金属化学特論)、第32巻、325ページ(1991年);J.M.S.−Rev.Macromol.Chem.Phys.(高分子化学物理学)、第C34(3)巻、439ページ(1994年);J.Organometallic Chemistry(有機金属化学)、第479巻、1〜29ページ(1994年);Angew.Chem.int.Ed.Engl.第34巻、1143ページ(1995年);Prog.Polym.Sci.、第20巻、459ページ(1995年);Adv.Polym.Sci.(高分子化学特論)、第127巻、144ページ(1997年);米国特許第5 229 478号、または特許出願WO93/19107号、EP 35 342号、EP 129 368号、EP 277 003号、EP 277 004号、EP 632 065号を参照。)
オレフィンの重合に使用されるいわゆる「幾何拘束型触媒」という触媒は、たとえば、一般に3〜10族またはランタニド系の金属と、1種類の任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子であって、助触媒、たとえばアルミノキサン、好ましくはメチルアルミノキサンまたはホウ素化合物と組み合わせて使用される配位子との間の配位錯体である(たとえば、Organometallics(有機金属)、第16巻、3649ページ(1997年);J.Am.Chem.Soc.、第118巻、13021ページ(1996年);J.Am.Chem.Soc.、第118巻、12451ページ(1996年);J.Organometallic Chemistry(有機金属化学)、第482巻、169ページ(1994年);J.Am.Chem.Soc.、第116巻、4623ページ(1994年);Organometallics(有機金属)、第9巻、867ページ(1990年);米国特許第5 096 867号、米国特許第5 414 040号、または特許出願WO92/00333号、WO97/15583号、WO01/12708号、EP416 815号、EP418 044号、EP420 436号、EP514 828号を参照。)
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのメタロセン触媒の存在下におけるコポリマー(b)の合成は、たとえばMacromol.Rapid.Commun.、第17巻、745〜748ページ(1996年)、またはMakromol.Chem.、第191巻、2378〜2396ページ(1990年)に記載されている。
【0048】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのいわゆる「幾何拘束型触媒」の存在下におけるコポリマー(b)の合成は、たとえば、Macromol.Chem.Phys.、第197巻、1071〜1083ページ(1996年);Macrmolecules、第32巻、7587〜7593ページ、または特許出願WO01/112078号、EP 514 828号、EP 416 815号に記載されている。
【0049】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、以下から選択した官能基を任意に含むことができる:カルボキシル基、無水物基、エステル基、シラン基、エポキシド基。コポリマー中に存在する官能基の量は、一般に、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)100重量部に対して0.05〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0050】
官能基は、少エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)の生成時に導入され、そのため少なくとも1種類のエチレン不飽和を含む対応する官能化モノマーと共重合させるか、または遊離基開始剤(radical initiator)(特に有機過酸化物)の存在下で前記官能化モノマーをグラフト重合させて、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)をその後変性させる。
【0051】
あるいは、官能基の導入は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)上で既存の基を適切な反応物と反応させる、たとえば、主鎖に沿っているか、および/または側基として二重結合を含むジエンポリマーを、カルボン酸もしくはその誘導体の存在下で、過酸(たとえばm−クロロ過安息香酸もしくは過酢酸)または過酸化水素とエポキシ化反応させることにより行うことができる。
【0052】
使用できる官能化モノマーとしては、たとえば、少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むシラン;少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むエポキシド;少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むモノカルボン酸、好ましくはジカルボン酸、またはその誘導体、特に無水物もしくはエステルが挙げられる。
【0053】
少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むシランの例としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン(allylmethyldimethoxylsilane)、アリルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むエポキシドの例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸のモノグリシジルエステル、マレイン酸のグリシジルエステル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
少なくとも1種類のエチレン不飽和またはその誘導体を含むモノカルボン酸またはジカルボン酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物、およびこれらから誘導された無水物もしくはエステル、またはこれらの混合物が挙げられる。無水マレイン酸は、特に好ましい。
【0056】
上記のとおり、エラストマー組成物は、1,3−ブタジエンコポリマーまたはホモポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)を含んでも良い。
【0057】
好ましい一実施態様によると、前記エラストマーポリマー(c)は、タイヤの製造に特に適する硫黄架橋性エラストマー組成物に一般に使用されるジエンエラストマーポリマーから、つまり一般に20℃未満、好ましくは0℃〜−90℃のガラス転移温度(Tg)を有するエラストマー不飽和鎖ホモポリマーまたはコポリマーから選択される。これらのホモポリマーまたはコポリマーは、自然に由来するか、または1種類以上の共役ジオレフィンの溶液重合、乳化重合もしくは気相重合により得られ、一般に50重量%以下の量の1種類以上のモノビニラレンと任意にブレンドされる。
【0058】
共役ジオレフィンは、一般に5〜12個、好ましくは5〜8個の炭素原子を含み、たとえばイソプレン;1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン;3−ブチル−1,3−オクタジエンまたはこれらの混合物からなる群から選択される。イソプレンは、特に好ましい。
【0059】
コモノマーとして任意に使用されるモノビニラレンは、一般に8〜20個、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、たとえば、スチレン;1−ビニルナフタレン;2−ビニルナフタレン;各種のアルキル;シクロアルキル;アリール;アルキルアリールまたはスチレンのアリールアルキル誘導体、たとえばα−メチルスチレン;3−メチルスチレン;4−プロピルスチレン;4−シクロヘキシルスチレン;4−ドデシルスチレン;2−エチル−4−ベンジルスチレン;4−p−トリルスチレン;4−(4−フェニルブチル)スチレンまたはこれらの混合物から選択される。スチレンは、特に好ましい。
【0060】
好ましくは、本発明に使用される1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)は、たとえば、シス−1,4−ポリイソプレン(天然または合成、好ましくは天然ゴム);3,4−ポリイソプレン;スチレン/イソプレンコポリマー、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0061】
その他の好ましい実施態様によると、1,3−ブタジエンコポリマーまたはホモポリマー以外の前記エラストマーポリマー(c)は、1種類以上のモノオレフィンとオレフィンコモノマーとのエラストマーポリマー、またはその誘導体から選択される。モノオレフィンは、一般に3〜12個の炭素原子を含むエチレンおよびα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはこれらの混合物から選択される。以下は好ましい:エチレン、α−オレフィン、おおび任意にジエンのコポリマー;イソブテンホモポリマー、またはイソブテンと少量のジエンとのコポリマーで、少なくとも部分的にハロゲン化したコポリマー。任意に存在するジエンは、一般に、4〜20個の炭素原子を含み、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、ビニルノルボルネン、またはこれらの混合物から選択することが好ましい。これらの中で、特に好ましいのは、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)もしくはエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM);ポリイソブテン;ブチルゴム;ハロブチルゴム、特にクロロブチルゴムもしくはブロモブチルゴム、またはこれらの混合物である。
【0062】
適切な末端剤またはカップリング剤と反応させて官能化した、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)を使用しても良い。特に、有機金属開始剤(特に有機リチウム開始剤)の存在下で陰イオン重合により得られたエラストマーポリマーは、開始剤から誘導した残留性有機金属基を適切な末端剤またはカップリング剤、たとえばイミン;カルボジイミド;ハロゲン化アルキルスズ;置換ベンゾフェノン;アルコキシランまたはアリールオキシランと反応させて官能化することができる(たとえば、欧州特許EP451 604号、または米国特許第4 742 124号および米国特許第4 550 142号を参照)。
【0063】
少なくとも1種類の補強充填剤は、一般に0.1phr〜120phr、好ましくは20phr〜90phrの量で、本発明によるエラストマー組成物に有利に添加することができる。補強充填剤は、特にタイヤ用の架橋製品に一般に使用されるもの、たとえばカーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、カオリン、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0064】
本発明により使用されるカーボンブラックの種類は、従来タイヤの製造に使用され、一般に20m2/gの表面積を有するものから選択することができる(ISO規格6810に記載されているCTAB吸収により決定する)。
【0065】
本発明により使用されるシリカは、一般に、BET表面積(ISO規格5794/1により測定)が50m2/g〜500m2/g、好ましくは70m2/g〜200m2/gである熱分解シリカ、好ましくは沈降シリカである。
【0066】
シリカを含む補強充填剤が存在する場合、エラストマー組成物は、加硫処理時にシリカと相互作用して、シリカをエラストマーベースに結合させることができるカップリング剤を有利に含むことができる。
【0067】
使用することが好ましいカップリング剤は、たとえば以下の構造式(II)により特定されるシランベースのカップリング剤である:
(R)3Si−CnH2n−X (II)
式中、R基は、互いに同じかまたは異なっても良く、R基の少なくとも一方がアルコキシ基もしくはアリールオキシ基であることを条件として、アルキル、アルコキシもしくはアリールオキシ基またはハロゲン原子から選択する;nは、1〜6の整数である;Xは、ニトロソ、メルカプト、アミノ、エポキシド、ビニル、イミド、クロロ、mおよびnが1〜6の整数であり、R基が上記のように定義される−(S)mCnH2n−Si−(R)3から選択される基である。
【0068】
これらのカップリング剤の中で、シラン結合剤のビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si69)は特に好ましく、それ自体で使用するか、またはカップリング剤をエラストマー組成物に導入するのを容易にするために、適度な量の不活性充填剤(たとえば、カーボンブラック)と適切に混合される。
【0069】
本発明によるエラストマー組成物は、公知の技術、特に、ジエンエラストマーに一般に使用される硫黄ベースの加硫処理システムを使って、加硫処理を施すことができる。このために、組成物には、熱化学処理の第1段階後に、硫黄ベースの加硫処理剤が、加硫活性剤および促進剤と共に導入される。第2処理段階では、温度を一般に120℃未満、好ましくは100℃未満に保ち、望ましくない予備架橋現象を防止する。
【0070】
最も有利に使用される加硫処理剤は、当業者が周知している促進剤および活性剤とともに、硫黄、または硫黄含有分子(硫黄供与体)である。
【0071】
特に効果的な活性剤は、亜鉛化合物、特にZnO、ZnCO3、8〜18個の炭素原子を含む飽和または不飽和脂肪酸の亜鉛塩、たとえばステアリン酸亜鉛であって、好ましくはZnO及び脂肪酸からエラストマー組成物中にin situで形成されるもの、および同様にBiO、PbO、Pb3O4、PbO2、またはこれらの混合物である。
【0072】
一般に使用される促進剤は、ジチオカルバミン酸塩、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、スルフェンアミド、チウラム、アミン、キサントゲン酸塩、またはこれらの混合物から選択する。
【0073】
本発明によるエラストマー組成物は、その他の一般に使用されている添加剤で、組成物に意図される特定の用途に基づいて選択した添加剤を含むことができる。たとえば、前記組成物には、以下の添加剤を含むことができる:酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤、接着剤、抗オゾン剤、変性樹脂、繊維(たとえば、ケブラー(登録商標)(Kevlar)パルプ)、またはこれらの混合物を添加することができる。
【0074】
特に、加工性をさらに改善するために、可塑剤を本発明によるエラストマー組成物に添加することができ、可塑剤は、鉱油、植物油、合成潤滑油、またはこれらの混合物、たとえば芳香油、ナフテン油、フタレート、大豆油、またはこれらの混合物から選択する。可塑剤の量は、一般に2phr〜100phr、好ましくは5phr〜50phrの範囲である。
【0075】
本発明によるエラストマー組成物は、先行技術で公知の技法により、ポリマー成分を、任意に存在する補強充填剤およびその他の添加剤と混合して製造することができる。混合は、たとえば開放ミル型混合機を使用するか、接線回転子(Banbury)もしくは連結回転子(Intermix)を備えるタイプの内部混合機を使用するか、またはKo−Kneader型(Buss)もしくは同時回転もしくは逆回転2軸スクリュータイプの連続混合機内で行うことができる。
【0076】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、粉末、顆粒または小球の形態(in the form of powder, granules or pellets)で使用することができる。
【0077】
本発明について、多数の具体的な実施態様により、添付の図1に関してさらに詳細に説明する。図1は、本発明により製造されたタイヤの一部分の断面図である。
【0078】
「a」は軸方向を示し、「r」は半径方向を示す。分かりやすくするため、図1は、タイヤの一部分のみを示すが、図示されていない他の部分は同じであり、半径方向「r」に対して対称に構成されている。
【0079】
タイヤ(100)は、対向する側方縁部が個々のビードワイヤ(102)に結合されている少なくとも1つのカーカスプライ(101)を含む。カーカスプライ(101)とビードワイヤ(102)との結合は、この場合、カーカスプライ(101)の対向する側方縁部をビードワイヤ(102)周囲で折り返して、図1に示すように、いわゆるカーカスの折返し(101a)を形成して行われる。
【0080】
あるいは、従来のビードワイヤ(102)は、周方向に伸張不能な一対の環状挿入物であって、同心コイル状に配置された細長要素から形成された挿入物(図1に示さない)と置き換えることができる(たとえば、欧州特許出願EP928 680号およびEP928 702号参照)。この場合、カーカスプライ(101)は、前記環状挿入物の周囲で折り返されず、第1のカーカスプライの外側に適用された第2のカーカスプライ(図1に示さない)により結合する。
【0081】
カーカスプライ(101)は、一般に、互いに平行に配置されて、少なくとも部分的にエラストマー化合物で被覆された複数の補強コードから成る。これらの補強コードは、一般に、紡織繊維(textile fibres)、たとえばレーヨン、ナイロンもしくはポリエチレンテレフタレート、または互いに撚り合わせて、合金で被覆した鋼ワイヤ(たとえば、銅/亜鉛、亜鉛/マンガン、亜鉛/モリブデン/コバルト合金など)から製造される。
【0082】
ゴム引きしたカーカスプライ(101)は、一般にラジアルタイプであり、つまり、周方向に対してほぼ垂直に配置された補強コードを含む。各々のビードワイヤ(102)は、タイヤ(100)の内周方向縁部に沿って画定されるビード(103)内に囲まれる。ビード(103)によって、タイヤは、車輪の一部を構成するリム(図1に示さない)上に係合する。各々のカーカスの折返し(101a)は、ビードワイヤ(102)が埋め込まれるビード充填剤(104)を含む。耐磨耗性ストリップ(105)は、一般に、カーカスの折返し(101a)に対して軸方向外側位置に配置される。
【0083】
ベルト構造(106)は、ゴム引きされたカーカスプライ(101)の円周に沿って付与される。図1の特定の実施態様では、ベルト構造(106)は、複数の補強コード、一般に金属コードを含む2本のベルトストリップ(106a、106b)を含み、これらの補強コードは、各々のストリップ内で互いに平行であり、隣接するストリップと交差して、周方向に対して予め決められた角度を形成するように方向付けられる。半径方向に一番外側では、ベルトストリップ(106b)には、「0°ベルト」として一般に周知されている少なくとも1つの0°補強層(106c)が任意に付与され、この補強層は、一般に、複数の補強コード、通常は紡織コードを含み、これらの補強コードは、周方向に対して数度の角度で配置されて、エラストマー材料で被覆されて互いに結合される。
【0084】
側壁(108)も、ゴム引きカーカスプライ(101)の外側に付与され、この側壁は、軸方向外側位置で、ビード(103)からベルト構造(106)の端部まで延在する。
【0085】
側方縁部が側壁(108)に接続されるトレッドバンド(109)は、ベルト構造(106)の半径方向外側の位置に周方向に付与される。本発明により製造されるトレッドバンド(109)は、外側に、地面に接触するように設計された転動面(109a)を有する。横断ノッチ(図1に示さない)により接続されて、転動面(109a)上に分布する様々な形状およびサイズの複数のブロックを画定する周方向溝が、この転動面(109a)に一般に設けられるが、転動面(109a)は、分かりやすくするために図1には平滑であるように示す。
【0086】
一般に「小型側壁」として公知の、エラストマー材料から製造されるストリップ(110)は、任意に、側壁(108)とトレッドバンド(109)との間の接続領域に存在して良い。この小型側壁は、トレッドバンドとの同時押出しにより一般に得られ、トレッドバンド(109)と側壁(108)との間の機械的相互作用を改善することができる。あるいは、側壁(108)の端部部分は、トレッドバンド(109)の側方縁部を直接的に被覆する。一般に「キャップ&ベース」として公知の構造(図1には示さない)をトレッドバンド(109)と共に形成する下層を、任意に、ベルト構造(106)とトレッドバンド(109)との間に配置することができる。
【0087】
エラストマー材料の層(111)は、「付着シート」として機能し、つまりトレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間を接続することができ、この層は、トレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間に配置される。
【0088】
チューブレスタイヤの場合、一般に「ライナー」として公知のゴム層(112)が、タイヤの膨張空気に対する必要な不浸透性を与え、やはり、ゴム引きカーカスプライ(101)に対して半径方向内側位置に設けられる。
【0089】
本発明によりタイヤを製造する方法は、たとえばEP 199 064号、米国特許第4 872 822号、米国特許第4 768 937号に記載されている先行技術で公知の技法および装置を用いて行うことができ、この方法は、グリーンタイヤを製造する少なくとも1つの段階と、このタイヤを加硫処理する少なくとも1つの段階とを含む。
【0090】
さらに詳細には、タイヤを製造するための方法は、タイヤの各部品(カーカスプライ、ベルト構造、ビードワイヤ、充填物、側壁およびトレッドバンド)に対応する一連の半完成品を事前に、互いに関係なく製造する段階を含み、これらの半完成品は、その後、適切な製造機械を使用して、互いに結合される。次に、後続の加硫処理段階は、上記の半完成品を互いに接合して、一体構造のブロック、つまり完成タイヤを形成する。
【0091】
当然、上記の半完成品を製造する段階の前に、前記半完成品を構成する様々な配合物を従来技術により調合して成形する段階が行われる。
【0092】
このようにして得られたグリーンタイヤは、後続の成形および加硫処理段階に渡される。このために、使用する加硫処理成形型は、壁部を有する成形キャビティ内に、処理されるタイヤを収容するように設計され、この壁部は、加硫処理が終了した時点でタイヤ外面を画定するように逆成形される。
【0093】
半完成品を使用せずに、タイヤまたはタイヤの部品を製造するための別法による方法は、たとえば上記の特許出願EP 928 680号およびEP 928 702号に開示されている。
【0094】
グリーンタイヤは、タイヤの内面により画定された空間内に加圧流体を導入して、グリーンタイヤの外面を成形キャビティの壁部に対して圧迫して成形することができる。最も広く実践されている成形方法の1つでは、エラストマー材料から製造され、蒸気および/または別の流体を圧力下で充填された加硫チャンバーが、成形キャビティ内部に閉鎖されたタイヤ内で膨張する。こうして、グリーンタイヤは、成形キャビティの内壁に圧迫され、所望の成形品が得られる。あるいは、成形は、膨張する加硫チャンバーがなくても、たとえば特許EP 242 840号に記載されているように、上記のように得られるタイヤ内面の構成に応じてトロイダル状金属支持体を賦形して、この支持体をタイヤ内部に設けることにより行うことができる。トロイダル状金属支持体と未加工エラストマー材料との熱膨張係数の差は、適切な成形圧力を得るために利用される。
【0095】
この時点では、タイヤ内に存在する未加工エラストマー材料を加硫処理する段階が行われる。このため、加硫処理成形型の外壁は、加熱流体(一般に蒸気)に接触するように配置され、それにより、外壁がほぼ100℃〜230℃の最高温度に達する。同時に、タイヤを成形キャビティの壁部に圧迫するために使用した流体と同じ加圧流体を使用して、タイヤの内面を加硫温度まで加熱し、100℃〜250℃の最高温度まで加熱する。エラストマー材料の質量全体を十分な程度まで加硫するのに必要な時間は、一般に3分から90分の間で異なる可能性があり、主にタイヤの寸法によって決まる。加硫が完了したら、タイヤを加硫処理成形型から取り出す。
【0096】
本発明は、特にタイヤに関連して図示したが、本発明により製造することができるその他の架橋エラストマー製品として、たとえばコンベヤベルト、駆動ベルトまたは可撓性管が挙げられる。
【0097】
本発明について、多くの実施例により以下で詳細に説明するが、単なる例として説明するものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1
エチレン/スチレンコポリマーの調製
320mLのトルエン、110mLのスチレン、およびメチルアルミノキサンが10%wt/vol.のトルエン溶液10mLは、機械式攪拌機と、温度自動調節用ジャケットと、溶剤および試薬液を導入するための真空および窒素に接続するためのバルブとを取り付けた1Lガラスオートクレーブ(Buchi)内に導入し、窒素雰囲気下および室温で作業した。次に、反応体を温度調節して50℃に維持し、1気圧でエチレンを飽和させた。2.7×10−5モルのη1、η5(t−ブチルアミドジメチルシリル)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)二塩化チタンおよび2.7×10−3モルのメチルアルミノキサンを含む20mLのトルエン溶液を射出した。重合は、温度を50℃に維持し、エチレンの圧力を3気圧まで増加させて行った。これらの条件下で150分後、メタノールを射出することにより、重合を停止した。得られたコポリマーは、エタノールから沈殿させ、塩化水素酸で酸性化し、洗浄して濾過し、真空下で恒量まで乾燥させた。収量は70gだった。使用した重合条件および得られたエチレン/スチレンコポリマーの特性を表1に記載する。
【0098】
スチレン含量は、13C−NMR分析により、L.Oliva等がMacromolecules(高分子)、第30巻、5616〜5619ページ(1997年)に記載しているように作業して決定した。ガラス転移温度(Tg)は、メトラートレド(Mettler Toledo)のDSC 820示差走査熱量計を使って決定した。分析するサンプルには、以下の温度プログラムを適用した:
− 10℃/分の割合で−100℃から150℃まで加熱;
− 150℃で5分間等温;
− 2℃/分の割合で−100℃まで冷却;
− −100℃で10分間等温;
− 10℃/分の割合で150℃まで加熱。
【0099】
【表1】
実施例2〜5
エラストマー組成物の調製
表2に記載するエラストマー組成物は、以下のように調製した(表2には、各種成分の量をphrで表す)。
【0100】
硫黄および促進剤を除くすべての成分は、内部混合機(Pomini PL 1.6型)内で約5分間混合した(第1段階)。145±5℃の温度に達した後直ちに、エラストマー組成物を排出した。次に、硫黄および促進剤を添加して、開放ミル型混合機内で混合した(第2段階)。
【0101】
【表2】
【0102】
静的機械的特性は、151℃で30分間加硫した上記エラストマー組成物のサンプルについて、ISO規格37に従って測定し、国際ゴム硬度(IRHD)は、23℃および100℃で測定した(ISO規格48に従って)。得られた結果を表3に示す。
【0103】
表3は、牽引−圧縮モードのインストロン(Instron)動的装置を使用して、以下の方法で測定した動的機械的特性をも示す。円筒状の架橋材料の試験片(長さ=25mm、直径=14mm)は、最初の長さに対して長手方向に10%変形するまで圧縮予荷重を加え、全体の試験期間にわたって予め決めた温度(70℃または10℃)に維持し、予荷重下の長さに対して±3.33%の振幅、10Hzの周波数で動的正弦波歪を加えた。動的機械的特性は、動的弾性率(E’)およびタンデルタ(損失係数)の値で表す。周知のとおり、タンデルタ値は、共に上記の動的測定で決定される粘弾性(E’’)と弾性率(E’)との比率で決定される。
【0104】
最後に、DIN吸収値をISO規格4649に従って測定して、実施例2の基準組成(100に設定)に対する相対容量損失として表して、表3に記載する。
【0105】
【表3】
【0106】
実施例6〜9
エラストマー組成物の調製
表4に記載のエラストマー組成物(各種成分の量をphrで表す)は、実施例2〜5に記載した方法と同じ方法で調製した。
【0107】
【表4】
【0108】
こうして得られたエラストマー組成物について、実施例2〜5と同じ測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0109】
【表5】
【0110】
表3および表5に記載した結果は、本発明によるエチレン/スチレンコポリマーを含む架橋製品(実施例5及び9)が、改善されたヒステリシス特性を有することを示す。特に、エチレン/スチレンコポリマーを含む組成物のタンデルタ値は、温度の上昇と共に減少するが、比較例の樹脂を含む組成物のタンデルタ値の減少よりは少ない。したがって、本発明によるエラストマー組成物は、転動抵抗を低くすることができ、その結果、タイヤの通常の動作温度における燃料消費量が限られ、高温における路面保持性が改善される。さらに、こうした効果は、耐磨耗性を損なうことなく得られた。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明により製造されたタイヤの一部分の断面図である。
【0001】
本発明は、車輪用タイヤ、トレッドバンド、および架橋性エラストマー組成物に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含む架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の要素を含む車輪用タイヤに関する。
【0003】
本発明は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含む架橋性エラストマー組成物を含むトレッドバンドに関し、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーを含むエラストマー組成物にも関する。
【背景技術】
【0004】
公知のとおり、ゴム業界、車輪用タイヤ、特に非常に高性能なタイヤの製造業界では、解決が最も難しい問題の1つは、常に、タイヤの通常の動作温度(40℃〜70℃)で低い転動抵抗、および、タイヤが高度の熱機械応力、たとえば車両を「過酷な操作」条件で運転した結果生じる応力の後、前記温度を超えた時の良好な路面保持性の両方を得ることである。
【0005】
先行技術では、通常の動作温度より広範囲の温度におけるタイヤの性能を改善するための試みがなされてきた。
【0006】
欧州特許出願EP117 834号には、硫黄架橋エラストマー組成物からなるトレッドバンドを備えたタイヤであって、前記エラストマー組成物が、約2phr〜約15phr、好ましくは約3phr〜約10phrのポリスチレン樹脂で、軟化点が約90℃〜約120℃、好ましくは約90℃〜約110℃の粒子状の樹脂を含む分散体を含む、タイヤが記載されている。タイヤのトレッドバンド中に前記ポリスチレン樹脂が存在すると、通常の使用条件における転動抵抗を変えずに、湿潤表面での保持性を増加し、かつ特に高度の摩擦条件における保持性を確実にすると言われている。この点に関して、以下のように説明される。トレッドバンドの温度が、特に高度の摩擦条件により120℃〜150℃に達すると、温度値はポリスチレン樹脂の軟化点を超え、トレッドバンドの外側部分が軟化し、タイヤの牽引力が増加し、路面保持性が改善されると考えられる。一方、タイヤを約70℃までの温度で通常どおりに使用する場合、温度値はポリスチレン樹脂の軟化点未満であり、この樹脂は不動態の状態(passive)を保ち、タイヤは低い転動抵抗値を維持する。
【0007】
特許出願EP1 029 874号には、リモネン、ジシクロペンタジエンおよびt−ブチルスチレンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用されるポリマー樹脂が記載されている。前記ポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0008】
特許出願EP1 063 246号には、リモネン、ジメチルジシクロペンタジエン、インデンおよびビニルトルエンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用されるポリマー樹脂が記載されている。このポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0009】
特許出願EP 1 050 547号には、リモネンおよびジメチルジシクロペンタジエンの重合から誘導されるポリマー樹脂で、タイヤのトレッドバンドを製造するためのエラストマー組成物に使用される樹脂が記載されている。このポリマー樹脂がタイヤのトレッドバンド中に存在すると、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼさずに、乾燥表面上の保持性を増加することができると言われている。
【0010】
特許出願EP754 070号には、架橋性不飽和鎖を含むポリマーベースと、周囲温度で固体の少なくとも1種類の有機化合物であって、ポリマーベース中で実質的に不溶性であり、80℃〜160℃の一次または二次転移温度、および10 000〜1 000 000の平均分子重量を有する化合物とを含む架橋性エラストマー組成物が記載されている。前記有機化合物は、ポリフェニレンエーテル(たとえばヒュルズ(Huels)のヴェストラン(商標)(Vestoran))、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ターポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、スチレン/イソプレン(SIS)、スチレン/ブタジエン(SBS)、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(S−E/B−S)、およびスチレン/エチレン−プロピレン(S/E−P)ブロックコポリマー、またはこれらの混合物から選択される。上記のエラストマー組成物は、トレッドバンドの製造に使用することができ、通常の使用温度(40℃〜70℃)における低い転動抵抗、およびタイヤが高度の熱機械的応力により前記温度を超えた場合における高度の路面保持性の両方を有するタイヤを得ることを可能にすると言われている。
【0011】
米国特許第5 744 566号には、以下のコモノマーからなる不飽和ランダムコポリマーが記載されている:
(a1)2〜20個の炭素原子を含むα−オレフィン;
(a2)芳香族環を含むビニルモノマー;
(a3)分子中にビニル基を含む非共役トリエンまたはテトラエン。
【0012】
前記コポリマーは、エラストマー組成物に使用され、良好な動的疲労強度(dynamic fatigue strength)(耐屈曲性)、並びに大気作用、熱、オゾンおよび低温に対する抵抗力を有すると言われている。さらに、前記コポリマーは、不飽和側鎖が存在するために、化学反応性、加工性、相溶性、ジエンエラストマーたとえば天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン/ブタジエン(SBR)コポリマー、ニトリルゴム、クロロプレンとの架橋性の点で、良好な成果を示すと言われている。前記コポリマーを含むエラストマー組成物は、とりわけタイヤ側壁の製造に特に適すると言われている。
【0013】
欧州特許出願第EP889 091号には、タイヤの側壁またはトレッドバンドを製造する時に使用されるエラストマー組成物であって、(i)エチレンと、(ii)ビニル芳香族化合物と、(iii)非共役ポリエンと、任意に(iv)少なくとも3個の炭素原子を含むα−オレフィンとの重合から得られる不飽和オレフィンコポリマーを含むエラストマー組成物が記載されている。タイヤの側壁のためのエラストマー組成物中に前記オレフィンコポリマーが存在する場合、引張特性および耐コーナリング疲労性を改善し、燃料消費量を減少させることができると言われている。タイヤのトレッドバンドのためのエラストマー組成物中に前記オレフィンコポリマーが存在すると、引張特性、耐磨耗性、湿潤表面における路面保持性を改善し、低い転動抵抗が得られると言われている。
【発明の開示】
【0014】
上記の先行技術は、オレフィンコポリマー中の二重結合の存在、つまり不飽和オレフィンコポリマーの使用は、架橋製品の製造、特にタイヤの製造に有利に使用できる架橋性エラストマー組成物を得る上で重要であることを示している。
【0015】
本願特許出願人が考えるところでは、上記の特性を同時に得ること、つまり通常の使用温度における低い転動抵抗、およびタイヤが前記温度を超えた時の十分な路面保持性の両方を得ることが難しいということは、主に、これらの特性が、タイヤのトレッドバンドを構成するエラストマー組成物のヒステリシス特性、つまりエラストマー材料に動的応力が加わった時に、エラストマー材料によって散逸されるエネルギーの量によって、正反対の傾向で影響を受けるという事実によるものである。
【0016】
実際、タイヤに望ましい低い転動抵抗を得るには、ヒステリシス値が低く、その結果、転動時に限られた量のエネルギーを散逸させることができる組成のエラストマー組成物を使用する必要がある。逆に、タイヤに望ましい高度の路面保持性を得るには、ヒステリシス値が高く、その結果、多量のエネルギーを散逸させて、トレッドバンドと地面との間に良好な付着性を確保することができる組成のエラストマー組成物を使用する必要がある。
【0017】
したがって、上記の問題を解決するには、タイヤのトレッドバンドを構成するエラストマー組成物が、タイヤが動作する温度範囲に応じて正反対で、相互に矛盾するヒステリシス作用を有する必要があるとすると、なおさら難しい。
【0018】
本願特許出願人は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーを使用することにより、架橋製品の製造、特にタイヤの製造に有利に使用することができる架橋性エラストマー組成物が得られることを発見した。こうして、タイヤの動作温度に応じて異なるヒステリシス作用を有する架橋性エラストマー組成物を得ることができ、以下が可能である:
− 湿潤表面(0℃〜10℃)における満足な路面保持性;
− タイヤの通常動作温度(40℃〜70℃)における低い転動抵抗;
− タイヤが高度の熱機械的応力により前記温度を超えた場合の満足な路面保持性。
【0019】
さらに、得られた架橋エラストマー製品は、引張および動的の両方に関して良好な機械的特性を維持し、しかも耐摩擦性を犠牲にする必要はない。
【0020】
本発明は、第1の態様では、架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の要素を含む車輪用のタイヤであって、前記要素が:
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物を含むタイヤに関する。
【0021】
好ましい一実施態様によると、本発明は、車輪用タイヤであって、
− ほぼトロイダル構成に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを有するカーカス構造であって、その対向する側縁が、それぞれ左側および右側ビードワイヤに対応し、各々のビードワイヤがそれぞれのビード内に囲まれている、カーカス構造と;
− 前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含むベルト構造と;
− 前記ベルト構造に周方向に重畳されたトレッドバンドと;
− 前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された1対の側壁とを含み、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物を含む前記要素がトレッドバンドであるタイヤに関する。
【0022】
本発明は、その他の態様によると、車輪のタイヤ用トレッドバンドであって、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含む架橋性エラストマー組成物を含むトレッドバンドに関する。
【0023】
本発明は、その他の態様によると、エラストマー組成物であって、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物に関する。
【0024】
本発明は、その他の態様によると、エラストマー組成物を架橋することにより得られる架橋エラストマー製品であって、前記エラストマー組成物が、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含む製品に関する。
【0025】
好ましい一実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、0.1phr〜100phr、好ましくは3phr〜50phr、さらに好ましくは5phr〜20prhの量でエラストマー組成物中に存在する。
【0026】
本明細書および請求の範囲の目的上、「phr」という用語は、エラストマー性基剤100重量部に付き、エラストマー組成物の特定成分の重量部を示すことを意図しており、エラストマー組成物としては、以下で定義する少なくとも1種類の他のエラストマーポリマー(c)と任意にブレンドされた、1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)を含む。
【0027】
その他の好ましい実施態様によると、前記エラストマー組成物は、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)も含む。
【0028】
好ましい一実施態様によると、本発明に使用される1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)は、タイヤの製造に特に適する硫黄架橋性エラストマー組成物に一般に使用されるもの、つまり一般に20℃未満、好ましくは0℃〜−90℃のガラス転移温度(Tg)を有する1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマーから選択される。これらのホモポリマーまたはコポリマーは、1,3−ブタジエン、モノビニラレンおよび/または極性コモノマー以外の共役ジオレフィンから選択した少なくとも1種類のコモノマーと任意にブレンドされた、1,3−ブタジエンの溶液重合、乳化重合もしくは気相重合により得られる。
【0029】
1,3−ブタジエン以外の共役ジオレフィンは、一般に5〜12個、好ましくは5〜8個の炭素原子を含み、たとえば、イソプレン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;1,3−ヘキサジエン;3−ブチル−1,3−オクタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;またはこれらの混合物からなる群から選択される。イソプレンは、特に好ましい。
【0030】
コモノマーとして任意に使用されるモノビニラレンは、一般に8〜20個の炭素原子、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、たとえばスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン;各種アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはスチレンのアリールアルキル誘導体、たとえば、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−p−トリルスチレン、4−(4−フェニルブチル)スチレン、またはこれらの混合物から選択される。スチレンは、特に好ましい。
【0031】
任意に使用することができる極性コモノマーは、たとえば、ビニルピリジン、ビニルキノリン、アクリルおよびアルキルアクリル酸エステル、ニトリル、またはこれらの混合物、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル、またはこれらの混合物から選択される。
【0032】
本発明の好ましい一実施態様によると、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、一般に以下の組成を有する:25〜100重量%、好ましくは35〜95重量%の1,3−ブタジエン;0〜75重量%、好ましくは5〜65重量%のモノビニラレン、好ましくはスチレン。
【0033】
その他の好ましい実施態様によると、前記1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、1,3−ブタジエン以外の0〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の共役ジオレフィンおよび/または0〜60重量%、好ましくは15〜50重量%の極性コモノマーを含むことができる。
【0034】
好ましくは、本発明に使用される1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、たとえば、ポリ(1,3−ブタジエン)(特に、高度の1,4−シス含量を含むポリ(1,3−ブタジエン))、1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、またはこれらの混合物から選択される。
【0035】
同様に使用することができる1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)は、適切な末端剤またはカップリング剤との反応により官能化されたものである。特に、有機金属開始剤(特に、有機リチウム開始剤)の存在下で陰イオン重合により得られた1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマーは、開始剤から誘導した残留性有機金属基を適切な末端剤またはカップリング剤、たとえばイミン;カルボジイミド;ハロゲン化アルキルスズ;置換ベンゾフェノン;アルコキシランまたはアリールオキシランと反応させて官能化することができる(たとえば、欧州特許EP451 604号、または米国特許第4 742 124号および米国特許第4 550 142号を参照)。
【0036】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)に関して、「芳香族α−オレフィン」という用語は、以下の式(I)のオレフィンを一般に意味し:
CH2=CH−(R1R2C)x−C6H5−y(R3)y (I)
上記式中、R1、R2、R3は、互いに同一であっても異なっても良く、水素、または1〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し、あるいはR1およびR2と異なるR3は、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基を表し、前記アシルオキシ基は、1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で任意に置換され、xは、0または1〜5の整数であり、yは0、1または2である。
【0037】
式(I)のオレフィンの具体例は、スチレン;モノまたはポリアルキルスチレン、たとえば4−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン;官能基を含むスチレン誘導体、たとえば、メトキシスチレン、エトキシスチレン、 ビニル安息香酸、 メチル安息香酸ビニル、 ビニルベンジルアセテート、 ヒドロキシスチレン、 クロロスチレン、 ジビニルベンゼン;フェニル−置換アルケン、たとえばアリルベンゼン、4−フェニルブテン−1、3−フェニルブテン−1、4−(4−メチルフェニル)ブテン−1、4−(3−メチルフェニル)ブテン−1、4−(2−メチルフェニル)ブテン−1、4−(4−エチルフェニル)ブテン−1、4−(4−ブチルフェニル)ブテン−1、5−フェニルペンテン−1、4−フェニルペンテン−1、3−フェニルペンテン−1、5−(4−メチルフェニル)ペンテン−1、4−(2−メチルフェニル)−ペンテン−1、3−(4−メチルフェニル)ペンテン−1、6−フェニルヘキセン−1、5−フェニルヘキセン−1、4−フェニルヘキセン−1、3−フェニルヘキセン−1、6−(4−メチルフェニル)ヘキセン−1、5−(2−メチルフェニル)ヘキセン−1、 4−(4−メチルフェニル)ヘキセン−1、3−(2−メチルフェニル)ヘキセン−1、7−フェニルヘプテン−1、6−フェニルヘプテン−1、5−フェニルヘプテン−1、4−フェニルヘプテン−1、8−フェニルオクテン−1、7−フェニルオクテン−1、6−フェニルオクテン−1、5−フェニルオクテン−1、4−フェニルオクテン−1、3−フェニルオクテン−1、10−フェニルデセン−1;またはこれらの混合物である。芳香族α−オレフィンは、スチレン、ビニルトルエンまたはこれらの混合物から選択することが好ましい。スチレンは、特に好ましい。
【0038】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は:
− 密度が0.86g/cm3〜1.05cm3、好ましくは0.92g/cm3〜1.0g/cm3であり;
− ASTM規格D1238−00に従って測定したメルトフローインデックス(MFI)が0.1g/10分〜35g/10分、好ましくは0.5g/10分〜20g/10分であることを特徴とする。
【0039】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、DSC(示差走査熱量計)により測定したガラス転移温度が少なくとも−25℃であり、融点がない。
【0040】
もう1つの好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、共にDSC(示差走査熱量計)で測定して、少なくとも−25℃のガラス転移温度、および少なくとも25℃の融点を有する。
【0041】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、一般に、50モル%〜97モル%、好ましくは60モル%〜93モル%のエチレン;3モル%〜50モル%、好ましくは7モル%〜40モル%の芳香族α−オレフィンという組成を有する。
【0042】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、分子量分布(MWD)指数が5未満、好ましくは1.5〜3.5である。前記分子量分布指数は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との間の比率として定義され、従来の技術に従って、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定することができる。
【0043】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、モノマー単位の配列で高度の位置規則性を特徴とする。特に、前記コポリマーは、ある量の−CH2−基を−(CH2)n−配列に有し、ただし、nは、−CH2−基全体の量に対して5モル%未満、好ましくは1モル%未満の偶整数である。−(CH2)n−配列の量は、従来の技術に従って13C−NMR分析により決定される。
【0044】
その他の好ましい実施態様によると、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの前記コポリマー(b)は、45%を超える組成分布指数を特徴とし、前記指数は、α−オレフィンの平均合計モル分率50%の範囲内のα−オレフィン含量を含むコポリマー分子の重量%と定義される。
【0045】
組成分布指数は、コポリマー分子中における芳香族α−オレフィンの分布の測定単位であり、たとえば米国特許第5 008 204号またはJ.Poly.Sci.Poly,Phys.ed.、第20巻、441ページ(1982年)に記載されている昇温溶出分別法により決定することができる。
【0046】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、「シングルサイト」触媒、たとえばメタロセン触媒、またはいわゆる「幾何拘束型触媒」(CGC触媒)の存在下におけるエチレンと芳香族α−オレフィンとの共重合により得られる。
【0047】
オレフィンの共重合に使用されるメタロセン触媒は、たとえば、一般にIV型の遷移金属、特にチタン、ジルコニウムまたはハフニウムと、2種類の任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子であって、助触媒、たとえばアルミノキサン、好ましくはメチルアルミノキサン、またはホウ素化合物と組み合わせて使用される配位子との間の配位錯体である(たとえば、Adv.Organomet.Chem.(有機金属化学特論)第18巻、99ページ(1980年);Adv.Organomet.Chem.(有機金属化学特論)、第32巻、325ページ(1991年);J.M.S.−Rev.Macromol.Chem.Phys.(高分子化学物理学)、第C34(3)巻、439ページ(1994年);J.Organometallic Chemistry(有機金属化学)、第479巻、1〜29ページ(1994年);Angew.Chem.int.Ed.Engl.第34巻、1143ページ(1995年);Prog.Polym.Sci.、第20巻、459ページ(1995年);Adv.Polym.Sci.(高分子化学特論)、第127巻、144ページ(1997年);米国特許第5 229 478号、または特許出願WO93/19107号、EP 35 342号、EP 129 368号、EP 277 003号、EP 277 004号、EP 632 065号を参照。)
オレフィンの重合に使用されるいわゆる「幾何拘束型触媒」という触媒は、たとえば、一般に3〜10族またはランタニド系の金属と、1種類の任意に置換されたシクロペンタジエニル配位子であって、助触媒、たとえばアルミノキサン、好ましくはメチルアルミノキサンまたはホウ素化合物と組み合わせて使用される配位子との間の配位錯体である(たとえば、Organometallics(有機金属)、第16巻、3649ページ(1997年);J.Am.Chem.Soc.、第118巻、13021ページ(1996年);J.Am.Chem.Soc.、第118巻、12451ページ(1996年);J.Organometallic Chemistry(有機金属化学)、第482巻、169ページ(1994年);J.Am.Chem.Soc.、第116巻、4623ページ(1994年);Organometallics(有機金属)、第9巻、867ページ(1990年);米国特許第5 096 867号、米国特許第5 414 040号、または特許出願WO92/00333号、WO97/15583号、WO01/12708号、EP416 815号、EP418 044号、EP420 436号、EP514 828号を参照。)
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのメタロセン触媒の存在下におけるコポリマー(b)の合成は、たとえばMacromol.Rapid.Commun.、第17巻、745〜748ページ(1996年)、またはMakromol.Chem.、第191巻、2378〜2396ページ(1990年)に記載されている。
【0048】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのいわゆる「幾何拘束型触媒」の存在下におけるコポリマー(b)の合成は、たとえば、Macromol.Chem.Phys.、第197巻、1071〜1083ページ(1996年);Macrmolecules、第32巻、7587〜7593ページ、または特許出願WO01/112078号、EP 514 828号、EP 416 815号に記載されている。
【0049】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、以下から選択した官能基を任意に含むことができる:カルボキシル基、無水物基、エステル基、シラン基、エポキシド基。コポリマー中に存在する官能基の量は、一般に、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)100重量部に対して0.05〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0050】
官能基は、少エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)の生成時に導入され、そのため少なくとも1種類のエチレン不飽和を含む対応する官能化モノマーと共重合させるか、または遊離基開始剤(radical initiator)(特に有機過酸化物)の存在下で前記官能化モノマーをグラフト重合させて、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)をその後変性させる。
【0051】
あるいは、官能基の導入は、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)上で既存の基を適切な反応物と反応させる、たとえば、主鎖に沿っているか、および/または側基として二重結合を含むジエンポリマーを、カルボン酸もしくはその誘導体の存在下で、過酸(たとえばm−クロロ過安息香酸もしくは過酢酸)または過酸化水素とエポキシ化反応させることにより行うことができる。
【0052】
使用できる官能化モノマーとしては、たとえば、少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むシラン;少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むエポキシド;少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むモノカルボン酸、好ましくはジカルボン酸、またはその誘導体、特に無水物もしくはエステルが挙げられる。
【0053】
少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むシランの例としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン(allylmethyldimethoxylsilane)、アリルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
少なくとも1種類のエチレン不飽和を含むエポキシドの例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸のモノグリシジルエステル、マレイン酸のグリシジルエステル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
少なくとも1種類のエチレン不飽和またはその誘導体を含むモノカルボン酸またはジカルボン酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物、およびこれらから誘導された無水物もしくはエステル、またはこれらの混合物が挙げられる。無水マレイン酸は、特に好ましい。
【0056】
上記のとおり、エラストマー組成物は、1,3−ブタジエンコポリマーまたはホモポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)を含んでも良い。
【0057】
好ましい一実施態様によると、前記エラストマーポリマー(c)は、タイヤの製造に特に適する硫黄架橋性エラストマー組成物に一般に使用されるジエンエラストマーポリマーから、つまり一般に20℃未満、好ましくは0℃〜−90℃のガラス転移温度(Tg)を有するエラストマー不飽和鎖ホモポリマーまたはコポリマーから選択される。これらのホモポリマーまたはコポリマーは、自然に由来するか、または1種類以上の共役ジオレフィンの溶液重合、乳化重合もしくは気相重合により得られ、一般に50重量%以下の量の1種類以上のモノビニラレンと任意にブレンドされる。
【0058】
共役ジオレフィンは、一般に5〜12個、好ましくは5〜8個の炭素原子を含み、たとえばイソプレン;1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン;3−ブチル−1,3−オクタジエンまたはこれらの混合物からなる群から選択される。イソプレンは、特に好ましい。
【0059】
コモノマーとして任意に使用されるモノビニラレンは、一般に8〜20個、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、たとえば、スチレン;1−ビニルナフタレン;2−ビニルナフタレン;各種のアルキル;シクロアルキル;アリール;アルキルアリールまたはスチレンのアリールアルキル誘導体、たとえばα−メチルスチレン;3−メチルスチレン;4−プロピルスチレン;4−シクロヘキシルスチレン;4−ドデシルスチレン;2−エチル−4−ベンジルスチレン;4−p−トリルスチレン;4−(4−フェニルブチル)スチレンまたはこれらの混合物から選択される。スチレンは、特に好ましい。
【0060】
好ましくは、本発明に使用される1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)は、たとえば、シス−1,4−ポリイソプレン(天然または合成、好ましくは天然ゴム);3,4−ポリイソプレン;スチレン/イソプレンコポリマー、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0061】
その他の好ましい実施態様によると、1,3−ブタジエンコポリマーまたはホモポリマー以外の前記エラストマーポリマー(c)は、1種類以上のモノオレフィンとオレフィンコモノマーとのエラストマーポリマー、またはその誘導体から選択される。モノオレフィンは、一般に3〜12個の炭素原子を含むエチレンおよびα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはこれらの混合物から選択される。以下は好ましい:エチレン、α−オレフィン、おおび任意にジエンのコポリマー;イソブテンホモポリマー、またはイソブテンと少量のジエンとのコポリマーで、少なくとも部分的にハロゲン化したコポリマー。任意に存在するジエンは、一般に、4〜20個の炭素原子を含み、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、ビニルノルボルネン、またはこれらの混合物から選択することが好ましい。これらの中で、特に好ましいのは、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)もしくはエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM);ポリイソブテン;ブチルゴム;ハロブチルゴム、特にクロロブチルゴムもしくはブロモブチルゴム、またはこれらの混合物である。
【0062】
適切な末端剤またはカップリング剤と反応させて官能化した、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)を使用しても良い。特に、有機金属開始剤(特に有機リチウム開始剤)の存在下で陰イオン重合により得られたエラストマーポリマーは、開始剤から誘導した残留性有機金属基を適切な末端剤またはカップリング剤、たとえばイミン;カルボジイミド;ハロゲン化アルキルスズ;置換ベンゾフェノン;アルコキシランまたはアリールオキシランと反応させて官能化することができる(たとえば、欧州特許EP451 604号、または米国特許第4 742 124号および米国特許第4 550 142号を参照)。
【0063】
少なくとも1種類の補強充填剤は、一般に0.1phr〜120phr、好ましくは20phr〜90phrの量で、本発明によるエラストマー組成物に有利に添加することができる。補強充填剤は、特にタイヤ用の架橋製品に一般に使用されるもの、たとえばカーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、カオリン、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0064】
本発明により使用されるカーボンブラックの種類は、従来タイヤの製造に使用され、一般に20m2/gの表面積を有するものから選択することができる(ISO規格6810に記載されているCTAB吸収により決定する)。
【0065】
本発明により使用されるシリカは、一般に、BET表面積(ISO規格5794/1により測定)が50m2/g〜500m2/g、好ましくは70m2/g〜200m2/gである熱分解シリカ、好ましくは沈降シリカである。
【0066】
シリカを含む補強充填剤が存在する場合、エラストマー組成物は、加硫処理時にシリカと相互作用して、シリカをエラストマーベースに結合させることができるカップリング剤を有利に含むことができる。
【0067】
使用することが好ましいカップリング剤は、たとえば以下の構造式(II)により特定されるシランベースのカップリング剤である:
(R)3Si−CnH2n−X (II)
式中、R基は、互いに同じかまたは異なっても良く、R基の少なくとも一方がアルコキシ基もしくはアリールオキシ基であることを条件として、アルキル、アルコキシもしくはアリールオキシ基またはハロゲン原子から選択する;nは、1〜6の整数である;Xは、ニトロソ、メルカプト、アミノ、エポキシド、ビニル、イミド、クロロ、mおよびnが1〜6の整数であり、R基が上記のように定義される−(S)mCnH2n−Si−(R)3から選択される基である。
【0068】
これらのカップリング剤の中で、シラン結合剤のビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si69)は特に好ましく、それ自体で使用するか、またはカップリング剤をエラストマー組成物に導入するのを容易にするために、適度な量の不活性充填剤(たとえば、カーボンブラック)と適切に混合される。
【0069】
本発明によるエラストマー組成物は、公知の技術、特に、ジエンエラストマーに一般に使用される硫黄ベースの加硫処理システムを使って、加硫処理を施すことができる。このために、組成物には、熱化学処理の第1段階後に、硫黄ベースの加硫処理剤が、加硫活性剤および促進剤と共に導入される。第2処理段階では、温度を一般に120℃未満、好ましくは100℃未満に保ち、望ましくない予備架橋現象を防止する。
【0070】
最も有利に使用される加硫処理剤は、当業者が周知している促進剤および活性剤とともに、硫黄、または硫黄含有分子(硫黄供与体)である。
【0071】
特に効果的な活性剤は、亜鉛化合物、特にZnO、ZnCO3、8〜18個の炭素原子を含む飽和または不飽和脂肪酸の亜鉛塩、たとえばステアリン酸亜鉛であって、好ましくはZnO及び脂肪酸からエラストマー組成物中にin situで形成されるもの、および同様にBiO、PbO、Pb3O4、PbO2、またはこれらの混合物である。
【0072】
一般に使用される促進剤は、ジチオカルバミン酸塩、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、スルフェンアミド、チウラム、アミン、キサントゲン酸塩、またはこれらの混合物から選択する。
【0073】
本発明によるエラストマー組成物は、その他の一般に使用されている添加剤で、組成物に意図される特定の用途に基づいて選択した添加剤を含むことができる。たとえば、前記組成物には、以下の添加剤を含むことができる:酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤、接着剤、抗オゾン剤、変性樹脂、繊維(たとえば、ケブラー(登録商標)(Kevlar)パルプ)、またはこれらの混合物を添加することができる。
【0074】
特に、加工性をさらに改善するために、可塑剤を本発明によるエラストマー組成物に添加することができ、可塑剤は、鉱油、植物油、合成潤滑油、またはこれらの混合物、たとえば芳香油、ナフテン油、フタレート、大豆油、またはこれらの混合物から選択する。可塑剤の量は、一般に2phr〜100phr、好ましくは5phr〜50phrの範囲である。
【0075】
本発明によるエラストマー組成物は、先行技術で公知の技法により、ポリマー成分を、任意に存在する補強充填剤およびその他の添加剤と混合して製造することができる。混合は、たとえば開放ミル型混合機を使用するか、接線回転子(Banbury)もしくは連結回転子(Intermix)を備えるタイプの内部混合機を使用するか、またはKo−Kneader型(Buss)もしくは同時回転もしくは逆回転2軸スクリュータイプの連続混合機内で行うことができる。
【0076】
エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)は、粉末、顆粒または小球の形態(in the form of powder, granules or pellets)で使用することができる。
【0077】
本発明について、多数の具体的な実施態様により、添付の図1に関してさらに詳細に説明する。図1は、本発明により製造されたタイヤの一部分の断面図である。
【0078】
「a」は軸方向を示し、「r」は半径方向を示す。分かりやすくするため、図1は、タイヤの一部分のみを示すが、図示されていない他の部分は同じであり、半径方向「r」に対して対称に構成されている。
【0079】
タイヤ(100)は、対向する側方縁部が個々のビードワイヤ(102)に結合されている少なくとも1つのカーカスプライ(101)を含む。カーカスプライ(101)とビードワイヤ(102)との結合は、この場合、カーカスプライ(101)の対向する側方縁部をビードワイヤ(102)周囲で折り返して、図1に示すように、いわゆるカーカスの折返し(101a)を形成して行われる。
【0080】
あるいは、従来のビードワイヤ(102)は、周方向に伸張不能な一対の環状挿入物であって、同心コイル状に配置された細長要素から形成された挿入物(図1に示さない)と置き換えることができる(たとえば、欧州特許出願EP928 680号およびEP928 702号参照)。この場合、カーカスプライ(101)は、前記環状挿入物の周囲で折り返されず、第1のカーカスプライの外側に適用された第2のカーカスプライ(図1に示さない)により結合する。
【0081】
カーカスプライ(101)は、一般に、互いに平行に配置されて、少なくとも部分的にエラストマー化合物で被覆された複数の補強コードから成る。これらの補強コードは、一般に、紡織繊維(textile fibres)、たとえばレーヨン、ナイロンもしくはポリエチレンテレフタレート、または互いに撚り合わせて、合金で被覆した鋼ワイヤ(たとえば、銅/亜鉛、亜鉛/マンガン、亜鉛/モリブデン/コバルト合金など)から製造される。
【0082】
ゴム引きしたカーカスプライ(101)は、一般にラジアルタイプであり、つまり、周方向に対してほぼ垂直に配置された補強コードを含む。各々のビードワイヤ(102)は、タイヤ(100)の内周方向縁部に沿って画定されるビード(103)内に囲まれる。ビード(103)によって、タイヤは、車輪の一部を構成するリム(図1に示さない)上に係合する。各々のカーカスの折返し(101a)は、ビードワイヤ(102)が埋め込まれるビード充填剤(104)を含む。耐磨耗性ストリップ(105)は、一般に、カーカスの折返し(101a)に対して軸方向外側位置に配置される。
【0083】
ベルト構造(106)は、ゴム引きされたカーカスプライ(101)の円周に沿って付与される。図1の特定の実施態様では、ベルト構造(106)は、複数の補強コード、一般に金属コードを含む2本のベルトストリップ(106a、106b)を含み、これらの補強コードは、各々のストリップ内で互いに平行であり、隣接するストリップと交差して、周方向に対して予め決められた角度を形成するように方向付けられる。半径方向に一番外側では、ベルトストリップ(106b)には、「0°ベルト」として一般に周知されている少なくとも1つの0°補強層(106c)が任意に付与され、この補強層は、一般に、複数の補強コード、通常は紡織コードを含み、これらの補強コードは、周方向に対して数度の角度で配置されて、エラストマー材料で被覆されて互いに結合される。
【0084】
側壁(108)も、ゴム引きカーカスプライ(101)の外側に付与され、この側壁は、軸方向外側位置で、ビード(103)からベルト構造(106)の端部まで延在する。
【0085】
側方縁部が側壁(108)に接続されるトレッドバンド(109)は、ベルト構造(106)の半径方向外側の位置に周方向に付与される。本発明により製造されるトレッドバンド(109)は、外側に、地面に接触するように設計された転動面(109a)を有する。横断ノッチ(図1に示さない)により接続されて、転動面(109a)上に分布する様々な形状およびサイズの複数のブロックを画定する周方向溝が、この転動面(109a)に一般に設けられるが、転動面(109a)は、分かりやすくするために図1には平滑であるように示す。
【0086】
一般に「小型側壁」として公知の、エラストマー材料から製造されるストリップ(110)は、任意に、側壁(108)とトレッドバンド(109)との間の接続領域に存在して良い。この小型側壁は、トレッドバンドとの同時押出しにより一般に得られ、トレッドバンド(109)と側壁(108)との間の機械的相互作用を改善することができる。あるいは、側壁(108)の端部部分は、トレッドバンド(109)の側方縁部を直接的に被覆する。一般に「キャップ&ベース」として公知の構造(図1には示さない)をトレッドバンド(109)と共に形成する下層を、任意に、ベルト構造(106)とトレッドバンド(109)との間に配置することができる。
【0087】
エラストマー材料の層(111)は、「付着シート」として機能し、つまりトレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間を接続することができ、この層は、トレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間に配置される。
【0088】
チューブレスタイヤの場合、一般に「ライナー」として公知のゴム層(112)が、タイヤの膨張空気に対する必要な不浸透性を与え、やはり、ゴム引きカーカスプライ(101)に対して半径方向内側位置に設けられる。
【0089】
本発明によりタイヤを製造する方法は、たとえばEP 199 064号、米国特許第4 872 822号、米国特許第4 768 937号に記載されている先行技術で公知の技法および装置を用いて行うことができ、この方法は、グリーンタイヤを製造する少なくとも1つの段階と、このタイヤを加硫処理する少なくとも1つの段階とを含む。
【0090】
さらに詳細には、タイヤを製造するための方法は、タイヤの各部品(カーカスプライ、ベルト構造、ビードワイヤ、充填物、側壁およびトレッドバンド)に対応する一連の半完成品を事前に、互いに関係なく製造する段階を含み、これらの半完成品は、その後、適切な製造機械を使用して、互いに結合される。次に、後続の加硫処理段階は、上記の半完成品を互いに接合して、一体構造のブロック、つまり完成タイヤを形成する。
【0091】
当然、上記の半完成品を製造する段階の前に、前記半完成品を構成する様々な配合物を従来技術により調合して成形する段階が行われる。
【0092】
このようにして得られたグリーンタイヤは、後続の成形および加硫処理段階に渡される。このために、使用する加硫処理成形型は、壁部を有する成形キャビティ内に、処理されるタイヤを収容するように設計され、この壁部は、加硫処理が終了した時点でタイヤ外面を画定するように逆成形される。
【0093】
半完成品を使用せずに、タイヤまたはタイヤの部品を製造するための別法による方法は、たとえば上記の特許出願EP 928 680号およびEP 928 702号に開示されている。
【0094】
グリーンタイヤは、タイヤの内面により画定された空間内に加圧流体を導入して、グリーンタイヤの外面を成形キャビティの壁部に対して圧迫して成形することができる。最も広く実践されている成形方法の1つでは、エラストマー材料から製造され、蒸気および/または別の流体を圧力下で充填された加硫チャンバーが、成形キャビティ内部に閉鎖されたタイヤ内で膨張する。こうして、グリーンタイヤは、成形キャビティの内壁に圧迫され、所望の成形品が得られる。あるいは、成形は、膨張する加硫チャンバーがなくても、たとえば特許EP 242 840号に記載されているように、上記のように得られるタイヤ内面の構成に応じてトロイダル状金属支持体を賦形して、この支持体をタイヤ内部に設けることにより行うことができる。トロイダル状金属支持体と未加工エラストマー材料との熱膨張係数の差は、適切な成形圧力を得るために利用される。
【0095】
この時点では、タイヤ内に存在する未加工エラストマー材料を加硫処理する段階が行われる。このため、加硫処理成形型の外壁は、加熱流体(一般に蒸気)に接触するように配置され、それにより、外壁がほぼ100℃〜230℃の最高温度に達する。同時に、タイヤを成形キャビティの壁部に圧迫するために使用した流体と同じ加圧流体を使用して、タイヤの内面を加硫温度まで加熱し、100℃〜250℃の最高温度まで加熱する。エラストマー材料の質量全体を十分な程度まで加硫するのに必要な時間は、一般に3分から90分の間で異なる可能性があり、主にタイヤの寸法によって決まる。加硫が完了したら、タイヤを加硫処理成形型から取り出す。
【0096】
本発明は、特にタイヤに関連して図示したが、本発明により製造することができるその他の架橋エラストマー製品として、たとえばコンベヤベルト、駆動ベルトまたは可撓性管が挙げられる。
【0097】
本発明について、多くの実施例により以下で詳細に説明するが、単なる例として説明するものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1
エチレン/スチレンコポリマーの調製
320mLのトルエン、110mLのスチレン、およびメチルアルミノキサンが10%wt/vol.のトルエン溶液10mLは、機械式攪拌機と、温度自動調節用ジャケットと、溶剤および試薬液を導入するための真空および窒素に接続するためのバルブとを取り付けた1Lガラスオートクレーブ(Buchi)内に導入し、窒素雰囲気下および室温で作業した。次に、反応体を温度調節して50℃に維持し、1気圧でエチレンを飽和させた。2.7×10−5モルのη1、η5(t−ブチルアミドジメチルシリル)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)二塩化チタンおよび2.7×10−3モルのメチルアルミノキサンを含む20mLのトルエン溶液を射出した。重合は、温度を50℃に維持し、エチレンの圧力を3気圧まで増加させて行った。これらの条件下で150分後、メタノールを射出することにより、重合を停止した。得られたコポリマーは、エタノールから沈殿させ、塩化水素酸で酸性化し、洗浄して濾過し、真空下で恒量まで乾燥させた。収量は70gだった。使用した重合条件および得られたエチレン/スチレンコポリマーの特性を表1に記載する。
【0098】
スチレン含量は、13C−NMR分析により、L.Oliva等がMacromolecules(高分子)、第30巻、5616〜5619ページ(1997年)に記載しているように作業して決定した。ガラス転移温度(Tg)は、メトラートレド(Mettler Toledo)のDSC 820示差走査熱量計を使って決定した。分析するサンプルには、以下の温度プログラムを適用した:
− 10℃/分の割合で−100℃から150℃まで加熱;
− 150℃で5分間等温;
− 2℃/分の割合で−100℃まで冷却;
− −100℃で10分間等温;
− 10℃/分の割合で150℃まで加熱。
【0099】
【表1】
実施例2〜5
エラストマー組成物の調製
表2に記載するエラストマー組成物は、以下のように調製した(表2には、各種成分の量をphrで表す)。
【0100】
硫黄および促進剤を除くすべての成分は、内部混合機(Pomini PL 1.6型)内で約5分間混合した(第1段階)。145±5℃の温度に達した後直ちに、エラストマー組成物を排出した。次に、硫黄および促進剤を添加して、開放ミル型混合機内で混合した(第2段階)。
【0101】
【表2】
【0102】
静的機械的特性は、151℃で30分間加硫した上記エラストマー組成物のサンプルについて、ISO規格37に従って測定し、国際ゴム硬度(IRHD)は、23℃および100℃で測定した(ISO規格48に従って)。得られた結果を表3に示す。
【0103】
表3は、牽引−圧縮モードのインストロン(Instron)動的装置を使用して、以下の方法で測定した動的機械的特性をも示す。円筒状の架橋材料の試験片(長さ=25mm、直径=14mm)は、最初の長さに対して長手方向に10%変形するまで圧縮予荷重を加え、全体の試験期間にわたって予め決めた温度(70℃または10℃)に維持し、予荷重下の長さに対して±3.33%の振幅、10Hzの周波数で動的正弦波歪を加えた。動的機械的特性は、動的弾性率(E’)およびタンデルタ(損失係数)の値で表す。周知のとおり、タンデルタ値は、共に上記の動的測定で決定される粘弾性(E’’)と弾性率(E’)との比率で決定される。
【0104】
最後に、DIN吸収値をISO規格4649に従って測定して、実施例2の基準組成(100に設定)に対する相対容量損失として表して、表3に記載する。
【0105】
【表3】
【0106】
実施例6〜9
エラストマー組成物の調製
表4に記載のエラストマー組成物(各種成分の量をphrで表す)は、実施例2〜5に記載した方法と同じ方法で調製した。
【0107】
【表4】
【0108】
こうして得られたエラストマー組成物について、実施例2〜5と同じ測定を行った。得られた結果を表5に示す。
【0109】
【表5】
【0110】
表3および表5に記載した結果は、本発明によるエチレン/スチレンコポリマーを含む架橋製品(実施例5及び9)が、改善されたヒステリシス特性を有することを示す。特に、エチレン/スチレンコポリマーを含む組成物のタンデルタ値は、温度の上昇と共に減少するが、比較例の樹脂を含む組成物のタンデルタ値の減少よりは少ない。したがって、本発明によるエラストマー組成物は、転動抵抗を低くすることができ、その結果、タイヤの通常の動作温度における燃料消費量が限られ、高温における路面保持性が改善される。さらに、こうした効果は、耐磨耗性を損なうことなく得られた。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明により製造されたタイヤの一部分の断面図である。
Claims (51)
- 架橋エラストマー材料から製造された少なくとも1個の要素を含む車輪用タイヤであって、前記要素が、
(a) 1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと、
(b) エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと、
を含むエラストマー組成物を含むタイヤ。 - 車輪用タイヤであって、
− ほぼトロイダル構成に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを有するカーカス構造であって、その対向側縁が、それぞれの左側および右側ビードワイヤに対応し、各々のビードワイヤがそれぞれのビード内に囲まれている、カーカス構造と、
− 前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含むベルト構造と、
− 前記ベルト構造上に周方向に重畳されたトレッドバンドと、
− 前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された1対の側壁とを含み、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと、
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと、
を含むエラストマー組成物を含む前記要素がトレッドバンドである、請求項1に記載のタイヤ。 - エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、0.1phr〜100phrの量で前記エラストマー組成物中に存在する、請求項1または2に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、3phr〜50phrの量で前記エラストマー組成物中に存在する、請求項3に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、5phr〜20phrの量で前記エラストマー組成物中に存在する、請求項4に記載の車輪用タイヤ。
- 前記コポリマー(b)中、前記芳香族α−オレフィンが、式(I)のオレフィンであり:
CH2=CH−(R1R2C)x−C6H5−y(R3)y (I)
式中、R1、R2、R3は、互いに同一であっても異なっても良く、水素、または1〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し、あるいはR1およびR2と異なるR3は、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基を表し、前記アシルオキシ基は、1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で任意に置換され、xは0または1〜5の整数であり、yは0、1または2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。 - 芳香族α−オレフィンが、スチレン;モノもくしはポリアルキルスチレン;官能基を含むスチレン誘導体;フェニル置換アルケン;またはこれらの混合物から選択される、請求項6に記載の車輪用タイヤ。
- 芳香族α−オレフィンがスチレンである、請求項7に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンとのコポリマー(b)が、0.86g/cm3〜1.05g/cm3の密度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、0.1g/10分〜35g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、少なくとも−25℃のガラス転移温度を有し、融点をもたない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、少なくとも−25℃のガラス転移温度、および少なくとも25℃の融点を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、以下の組成:50モル%〜97モル%のエチレン;3モル%〜50モル%の芳香族α−オレフィンを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、5未満の分子量分布(MWD)指数を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、カルボキシル基、無水物基、エステル基、シラン基、エポキシド基から選択される官能基を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 官能基が、エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィン(b)とのコポリマー100重量部に対して、0.05〜50重量部の量で存在する、請求項15に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)が、20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)が、以下の組成:25〜100重量%の1,3−ブタジエン;0〜75重量%のモノビニラレンを有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- モノビニラレンがスチレンである、請求項18に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)が、1,3−ブタジエン以外の0〜60重量%の共役ジオレフィン、および/または0〜60重量%の極性コモノマーを含む、請求項18または19に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)が、ポリ(1,3−ブタジエン)、1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレン/1,3−ブタジエンコポリマー、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、またはこれらの混合物から選択される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンのエラストマーホモポリマーまたはコポリマー(a)が、適切な末端剤またはカップリング剤との反応により官能化される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 前記エラストマー組成物が、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有するエラストマーホモポリマーまたはコポリマーである、請求項23に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、シス−1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、スチレン/イソプレンコポリマー、またはこれらの混合物から選択される、請求項23に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、1種類以上のモノオレフィンとオレフィンコモノマーとのエラストマーポリマー、またはその誘導体である、請求項23に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)またはエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM);ポリイソブテン;ブチルゴム;ハロブチルゴム、またはこれらの混合物から選択される、請求項26に記載の車輪用タイヤ。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、適切な末端剤とカップリング剤との反応により官能化されるエラストマーポリマーである、請求項23〜27のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 少なくとも1種類の補強充填剤が、0.1phr〜120phrの量でエラストマー組成物中に存在する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の車輪用タイヤ。
- 前記補強充填剤がカーボンブラックである、請求項29に記載の車輪用タイヤ。
- 前記補強充填剤がシリカである、請求項29に記載の車輪用タイヤ。
- 前記エラストマー組成物がシリカカップリング剤を含む、請求項31に記載の車輪用タイヤ。
- 架橋性エラストマー組成物を含む車輪のタイヤ用トレッドバンドであって、
(a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとの少なくとも1種類のコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むトレッドバンド。 - エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、請求項3〜16のいずれか一項により規定される、請求項33に記載のトレッドバンド。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)が、請求項17〜22のいずれか一項により規定される、請求項33または34に記載のトレッドバンド。
- 前記エラストマー組成物が、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)を含む、請求項33〜35に記載のトレッドバンド。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、請求項23〜28のいずれか一項により規定される、請求項36に記載のトレッドバンド。
- 少なくとも1種類の補強充填剤が、0.1phr〜120phrの量で前記エラストマー組成物中に存在する、請求項33〜37のいずれか一項に記載のトレッドバンド。
- 前記補強充填剤がカーボンブラックである、請求項38に記載のトレッドバンド。
- 前記補強充填剤がシリカである、請求項38に記載のトレッドバンド。
- 前記エラストマー組成物がシリカカップリング剤を含む、請求項40に記載のトレッドバンド。
- (a)1,3−ブタジエンの少なくとも1種類のエラストマーホモポリマーまたはコポリマーと;
(b)エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマーであって、エチレン二重結合を含む側鎖を本質的に含まないコポリマーと;
を含むエラストマー組成物。 - エチレンと少なくとも1種類の芳香族α−オレフィンとのコポリマー(b)が、請求項3〜16のいずれか一項により規定される、請求項42に記載のエラストマー組成物。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー(a)が、請求項17〜22のいずれか一項により規定される、請求項42または43に記載のエラストマー組成物。
- エラストマー組成物が、1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外の少なくとも1種類のエラストマーポリマー(c)を含む、請求項42〜44のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
- 1,3−ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー以外のエラストマーポリマー(c)が、請求項23〜28のいずれか一項により規定される、請求項45に記載のエラストマー組成物。
- 少なくとも1種類の補強充填剤が、0.1phr〜120phrの量で前記エラストマー組成物中に存在する、請求項42〜46のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
- 前記補強充填剤がカーボンブラックである、請求項47に記載のエラストマー組成物。
- 前記補強充填剤がシリカである、請求項47に記載のエラストマー組成物。
- 前記エラストマー組成物がシリカカップリング剤を含む、請求項49に記載のエラストマー組成物。
- 請求項42〜50のいずれか一項に記載のエラストマー組成物を加硫処理することにより得られる架橋エラストマー製品。
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