JP2004522770A - レチノイド肝炎治療 - Google Patents
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Abstract
本発明は、治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイド(例えば全トランス型レチノイン酸)を投与することを含んでなる、肝炎の治療方法に関する。特定の実施形態において、肝炎の形態は、A型、B型、C型、D型、E型、およびG型肝炎であり、その治療はリポソーム性の全トランス型レチノイン酸による。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイド(例えば全トランス型レチノイン酸)を投与することを含んでなる、肝炎の治療方法に関する。特定の実施形態において、肝炎の形態は、A型、B型、C型、D型、E型、およびG型肝炎ウイルスによる感染によって引き起こされるウイルス性の肝炎であり、その治療にはリポソーム性の全トランス型レチノイン酸が用いられる。
【背景技術】
【0002】
肝炎は炎症性の肝臓疾患であり、食欲の減退、暗色尿、疲労、および場合により発熱を伴う。特定の場合においては、肝臓が肥大し、黄疸を発症しうる。慢性および急性の肝炎が共に知られている。定義によれば、急性の形態は、通常約8週間後に治癒する。この形態はほとんど肝不全を生じない。慢性のウイルス性肝炎患者はしばしば感染性でありつづける。慢性のウイルス性肝炎グループは、肝硬変または肝細胞癌のような肝臓疾患を罹患し続けるリスクがある。
【0003】
肝炎の原因と種類には多数あるけれども、ウイルスを病因とする肝炎が最も一般的である。現在同定されている肝炎ウイルス株は、A型、B型、C型、D型、E型、およびG型である。知見の増加と研究ツールのさらなる高度化により名称が変化してきたことに注目されたい。A型は、以前は感染性肝炎と呼ばれていた。B型は以前血清肝炎と呼ばれ、C型は非A、非B型肝炎(いくつかの例外を含む)と呼ばれていた。D型はデルタ肝炎と呼ばれていた。さらなる肝炎ウイルスが正式に同定され、単離されている。その他のウイルスが二次的な影響(副次的効果)としての肝炎を示すことが知られている。かかるウイルスには、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルスならびに黄熱病ウイルスが含まれる。肝炎は特定の寄生虫または細菌による感染の二次的な影響(副次的効果)でもある。非ウイルス性の肝炎は、自己免疫疾患、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、ならびに薬物、化学物質、またはアルコールにより誘発された肝臓疾患等、毒物に起因する疾患とも関連する。
【0004】
特に注目されているものはB型肝炎およびC型肝炎である。C型肝炎は1988年までウイルスとしては特別な同定がなされていなかった。それ以前は、C型肝炎は非A、非B型肝炎と呼ばれるクラスに分類されており、おそらく大多数の非A、非B型肝炎の症例が含まれていた。いずれかの特定の理論に拘束されるものではないが、「フラビウイルス」として表される型のRNAウイルスがC型肝炎の原因であると考えられている。このRNAウイルスは、脂質エンベロープを有する40〜50ナノメートルの鎖状一本鎖RNA(リボ核酸)として表されている。天然状態では、この脂質エンベロープは、「スパイク」と呼ばれる糖タンパク質ポリマーで覆われている。いずれかの特定の理論に拘束されるものではないが、さらにB型肝炎は、ヘパドナウイルスとして知られる型の二本鎖DNAウイルスにより引き起こされると考えられている。ヘパドナウイルスは、ポリメラーゼと結合しているコア中にdsDNAを含有し、表面抗原からなるカプセルに覆われている42 nmの粒子である。
【0005】
これまで、慢性のウイルス性肝炎に対して満足できる治療法は存在せず、特にB型またはC型肝炎に関してはそうであった。特定の抗ウイルス化合物(例えば、リバビリンおよびラミブジン)とインターフェロンαの併用が治療の中軸である。残念なことに、応答率が50%を超えることはほとんどない。B型肝炎に対する予防的方法は、ワクチンの形態で提案されている。C型肝炎ワクチンの有効性は実証されていない。しかし、これらの慢性感染症両方の罹患者数は、20億人を超えている。
【0006】
現在、ヒトエンテロ・ウイルスについて注目されている。ヒトエンテロ・ウイルスは多くの病気を引き起こす事が知られている。分類学的には、エンテロ・ウイルスは、ピコルナウイルス科ファミリーの属として分類されている。この属は、通常、5つの主要なグループに分けられる。これらグループは、(i) ポリオウイルス、(ii) コックサッキーウイルスA群、(iii) コックサッキーウイルスB群、(iv) エコウイルス、または(v) 「新型の」エンテロ・ウイルスである。最近では、A型肝炎ウイルスをエンテロ・ウイルス属から除外する研究者もいる。エンテロ・ウイルスは、VP1 遺伝子座における高度の遺伝子多様性を特徴とする。特に、エコウイルス3、 4、 6、 7、 9および11、ならびにコックサッキーウイルスA9、 B2、 B3、 B5、およびB9がある。
【0007】
慢性疾患についても注目されたい。慢性疾患とは、長期にわたり、自然には症状が軽快することがなく、また完全に治癒することがめったにない疾患である。エプスタイン・バーウイルスなどのウイルス起源の慢性疾患は、B型肝炎およびC型肝炎と同様に、特に注目される。
【0008】
エンテロ・ウイルスによる疾患およびウイルス成分による慢性疾患の利用可能な治療は満足し得るものではない。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、治療を必要とする被験者に、治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を投与することを含んでなり、特に治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸(特にリポソーム性の全トランス型レチノイン酸)を少なくとも約1日おきに少なくとも約10mg使用することを含んでなる、肝炎の治療方法に関する。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量のリポソーム性の全トランス型レチノイン酸は、少なくとも約1日おきに少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、およびさらに少なくとも約100mgと様々である。この方法は、A型、B型、C型、D型、E型、またはG型肝炎を含むウイルス性肝炎に特に有用である。
【0010】
本発明は、治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイドを投与することを含んでなる、肝炎の治療方法も含む。特定の実施形態において、このレチノイドには、リポソーム形態であって、治療的に有効な量で、必要に応じて少なくとも約1日おきに投与されるレチノイドが含まれる。少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、およびさらに少なくとも約100mgである量について言及する。
【0011】
さらに本発明は、治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を被験者に投与することを含んでなるエンテロ・ウイルス感染被験者の治療方法を含む。特定の実施形態において、これには、リポソーム形態であって、治療的に有効な量で、必要に応じて少なくとも約1日おきに投与されるレチノイドが含まれる。少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、および少なくともさらに約100mgまたはそれ以上の量である量について言及する。この方法は、リポソーム性または遊離型の全トランス型レチノイン酸の使用を意図するものである。この方法により治療する特定のエンテロ・ウイルス感染は、(i) ポリオウイルス、(ii) コックサッキーウイルスA群、(iii) コックサッキーウイルスB群、(iv) エコウイルスまたは(v) 「新型の」エンテロ・ウイルスからなる群より選択される。特に、エコウイルス3、4、6、7、9または11およびコックサッキーウイルスA9、B2、B3、B5、またはB9について言及する。
【0012】
さらなる実施形態において、本発明は、治療的に有効な量のレチノイド、特に好ましくはリポソーム形態のレチノイドを被験者に投与することを含んでなる、該被験者における慢性ウイルス性疾患の治療方法を含む。特定の被験者において、治療的に有効なレチノイドの量は、少なくとも約1日おきに少なくとも約50mgである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は以下の定義によってより理解されるであろう:
A. ATRAとは、全トランス型のレチノイン酸(all-trans retinoic acid)であるレチノイドを意味する。通常レチノイドには、トランスレチノイン酸および全トランス型レチノールが含まれる。その他のレチノイドとしては、レチノイン酸メチルエステル、レチノイン酸エチルエステル、レチノイン酸のフェニル相同体、エトレチナート、レチノール、レチニルアセテート、レチンアルデヒド、全トランス型レチノイン酸および 13-シス型レチノイン酸がある。経口投与に好適な場合が多い非リポソーム性レチノイドは、「遊離型」とよばれる。「遊離型」ATRAについて特に言及する。何人かの研究者が示唆しているように、「遊離型」あるいはATRAの経口形態は多くの場合、摂取後に血清タンパク質やその他の成分と結合するため、溶液状態で非結合であるという意味での「遊離」ではない。便宜上、本明細書中では「遊離型」という用語を、血清その他の生物学的流体中における現象的な結合状態については考慮せずに、非リポソーム性の形態について使用するものとする。
【0014】
B. リポソーム性ATRAまたはレチノイドは、脂質に結合した全てのATRAまたはレチノイドの形態を包含するものと広く理解されている。より狭義に定義される場合、「リポソーム」は、脂質、脂肪酸、脂質二重層構造、単ラメラ性小胞および非晶質性脂質小胞を含むほぼ球状の構造である。古典的にはリポソームは、内部に水性の内容物を閉じ込め完全に閉鎖された脂質二重層の膜である。リポソームは単ラメラ性の小胞(単一の二重層膜を有する)または多ラメラ性の小胞(各々が次の層と水性の層により隔てられた複数の二重層により特徴づけられる、タマネギに似た構造)でありうる。二重膜は疎水性の「尾」部と親水性の「頭」部を有する2つの脂質単層からなる。膜の二重層構造は、脂質単層の疎水性(非極性)の「尾」が二重層の内側に向き、一方で親水性の「頭」が水相に向いている。
【0015】
リポソームは単一もしくは同心円状の複数のリン脂質二重層からなり、医療的に特に、薬剤を体内に輸送するために用いられる。簡便のため、本明細書中で使用する薬剤:脂質集合体(drug: lipid aggregates)はリポソームおよびリポソーム性の語に含まれるものとする。非リポソーム性の脂質担持形態の例については、 Fountainによる米国特許第4,610,868 号において言及されており、この教示内容は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0016】
米国特許第 5,811,119号「癌治療におけるカロテノイド類の組成および使用(Formulation and Use of Carotenoids in the Treatment of Cancer)」で開示されたリポソーム性ATRA ("L-ATRA") およびレチノイドについて参照されたい。その教示内容は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0017】
簡便のため、「リポソーム性ATRA」あるいは「リポソーム性レチノイド」は古典的なリポソームとは異なる高比率の薬剤:脂質複合体をも含む。
【0018】
C. 肝炎は食欲の減退、暗色尿、疲労、および場合により発熱を伴う炎症性の肝臓疾患であると広く解釈されている。肝臓の肥大と黄疸を伴うことが普通であり、慢性および急性の肝炎が共に知られている。A型、B型、C型、D型、E型、およびG型の現在同定されているウイルス性肝炎のウイルス株が注目されているが、全ての既知のまたは新たに発見されるウイルス性肝炎のウイルス株もまた本発明に含まれる。
【0019】
D. 薬剤の量について、治療的に有効な量とは、かかる治療を必要とする被験者の、多数の(薬剤に対し)反応応答するメンバーにおける、薬剤投与に対する特定の薬理学的な反応を提供する量をさす。遊離型のATRAに対し、治療的に有効な量は約10、約15、約50 から約150 mg/m2を含み、特に約65 mg/m2 、さらには約90 mg/m2を含む。特定の実施形態においては、治療的に有効な量は、少なくとも約1日おきに約50 から約150 mg である。L-ATRAに対し、治療的に有効な量は約10、約15、約50 から約150 mg/m2を含み、特に約65 mg/m2 、さらには約67.5 mg/m2を含む。特定の実施形態においては、L-ATRAの治療的に有効な量は、少なくとも約1日おきに約50 から約150 mg である。特定の場合においては、毒性応答の回避または阻害濃度の維持のために、しばしばより多い用量またはより少ない用量を必要とする。より少ない用量による一日あたり二回投与を意図するものである。
【0020】
驚くべきことに、ある種の認識されている抗癌活性のほかに、レチノイド(ATRAを含む)が、肝炎(特にB型肝炎およびC型肝炎)患者のウイルス量を減少させる作用を見出だした。特定の実施形態では、リポソーム性レチノイド(例えばL-ATRA)が有効である。
【0021】
実施例1
リポソーム性 ATRA
24歳女性がAPLと診断され、迅速にL-ATRA (Atragen (登録商標), Aronex Pharmaceuticals, The Woodlands, TX)プロトコールに登録され、L-ATRA治療を開始した。6回目の治療薬投与後、この患者は、悪心、嘔吐および頭痛を発症し、内視鏡検査、静脈内薬物投与および血液貯蔵を必要とする、マロリー‐ヴァイス症候群および上部消化管出血と診断された。この患者は、用量を減らすことなく、L-ATRAの投与を継続した。7回目の投与後、この患者はATRA症候群を発症したので、試験薬の用量を25%減少させることが必要となった。この患者のATRA症候群は回復し、21回のL-ATRA 投与を受けた。この時点で第一段階の完全な癌の回復(first complete cancer remission)を達成した。
【0022】
18日後、この患者は統合療法(consolidation therapy)の最初のコースを開始することを許可された。この許可期間中、患者はインフルエンザ様症状と軽度の黄疸症状を呈した。血液検査の結果、肝臓の酵素活性(SPGTおよび SGOT)の顕著な増加、高ビリルビン血症、およびアルカリホスファターゼ活性増大を示した。血清学的試験の結果、抗C型肝炎抗体陽性、C型ウイルス肝炎のPCR分析陽性であった。
研究プロトコルに従って、この患者は肝臓疾患の進行により研究対象から除外された。除外された後、この患者は特別に、L-ATRAをベースに用いた単独薬剤の9ヶ月にわたる使用を開始した。この治療期間における患者の初発のウイルス量は427,174 コピー数/ml (全血)であった。患者はL-ATRA を1週間に3度100mg/m2、あるいは1日おきに 67.5 mg/m2 の投与を特別に受け始めた (QOD)。開始後約3週間後、 12用量目のL-ATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はC型肝炎に対し正常値であった (肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。
【0023】
L-ATRA の特別な投与を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の回復(first complete cancer remission) 状態を維持しており、PCRテスト陰性で良好な状態であった。
【0024】
実施例2
遊離型 ATRA
34 歳女性が血清学試験によりC型肝炎ウイルス陽性と診断された。
【0025】
この患者は直ちに遊離型 ATRA を1日おきに約100mgまたは 67.5 mg/m2投与された (QOD)。患者の治療開始時におけるウイルス量は約300,00 コピー数/ml (全血)であった。患者は1週間あたり3回の遊離型ATRA (経口による) を投与された。治療開始約3週間後、12用量目のATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はC型肝炎に対し正常値であった(肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。ATRA の使用を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の抑止(first complete cancer remission) 状態を維持しており、PCRテスト陰性である。
【0026】
実施例3
遊離型 ATRA
54歳男性が血清学試験によりA型肝炎ウイルス陽性と診断された。
【0027】
この患者は直ちに遊離型 ATRA を1日おきに約100mgまたは 67.5 mg/m2投与された (QOD)。患者の治療開始時におけるウイルス量は約300,00 コピー数/ml (全血)であった。患者は1週間あたり3回の遊離型ATRA (経口による) を投与された。治療開始約3週間後、12用量目のATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はA型肝炎に対し正常値であった (肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。ATRA の使用を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の抑止(first complete cancer remission )状態を維持しており、PCRテスト陰性である。
【0028】
実施例4
B型肝炎におけるリポソーム性 ATRA
新しく診断された/前もって治療されていないAPLに罹患した7歳ヒスパニック系女性に、90mg/m2の用量でL-ATRA (ATRAGEN (登録商標)) QODの投与を開始した。ベースラインでは、病歴および血清学的試験結果は、患者のHBV慢性キャリアー状態(HBsAg陽性、HBcAg陽性およびHBeAg陽性)と一致していたが、LFT(liver function test;肝機能テスト)では正常値内であった。
【0029】
L-ATRAの7回目の投与後、肝臓トランスアミナーゼの上昇(グレードIレベル)が観察され、12回目投与(3週間後)後には グレードIIIレベルになった。5日後(患者が血液学的完全寛解(HCR)に到達した時点)に血清学的試験を行ったところ、依然として、HbsAg、HbcAgおよびHbeAgに対して陽性を示した。6週間半の初期治療による生検の結果は、グレードIIの慢性肝炎および線維症であることが示された。
【0030】
細胞毒性を有する化学療法が患者の肝臓の状態をさらに悪化させうることを考慮して、この患者には統合治療としての L-ATRA 単独療法が行われた。この治療は最初の治療から10週間半後に、67.5 mg/m2 TIW で開始された。6週間半の時点で、患者がABTRAGENに関連して発症したと判断される進行性の中程度の剥離性皮膚炎を起こした後、L-ATRA は再度差し控えられ、その1週間後に再開された。この時以来(それから4週間後)、この患者のLFTは正常値内に保たれた。
【0031】
すべての引用文献およびそれらの教示は、参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0032】
本発明の組成物は、有益な薬理学的特性を有する。該組成物は、ヒト医学および獣医学において、ウイルスの増殖、特にエンテロ・ウイルスおよび肝炎関連ウイルスの増殖を阻害する。投与には、長期的、短期的または断続的処方計画を含むことを意図するものである。
【0033】
該組成物は、A型、B型、C型、D型、E型およびG型肝炎の治療に特に有用である。
【0034】
さらに、該組成物はin vitroの方法においても使用することができる。かかる方法には、移植または自己移植のために増殖させている培養において、ならびに、診断またはスクリーニング方法(例えば、肝炎発症器官に対して感受性であるアッセイ)において、肝組織細胞培養物を処理することによりウイルスの増殖を妨害することも含まれる。いくつかの実施形態において、in vitroまたは体外で処理した組織、細胞または物質を、処理後に被験者(組織、細胞または物質の供給源と同一である必要はない)に再び導入することもできる。本発明の化合物は、担体、賦形剤およびその他の薬物と混合して使用することも、または放射線治療と併用することもできる。
【0035】
本発明の組成物は、広く動物に投与され、かかる動物としては、限定されるものではないが、家畜、家庭用ペット、ヒト、ウシ、ネコ、イヌ、家禽類等が挙げられる。経腸投与および非経口投与は、本発明の範囲にあることを意図するものである。
【0036】
非経口投与のためには、注射可能な、無菌溶液、好ましくは油状または水性の溶液、ならびに懸濁液、エマルジョン、またはインプラント(坐剤を含む)が特に好適である。アンプルは便利な剤形である。皮下投与および静脈内投与を特に意図するものである。
【0037】
非経口投与のためには、錠剤、糖衣錠、液剤、ドロップ、坐剤、またはカプセル剤が特に好適である。甘いビヒクルを使用する場合には、シロップ、エリキシールなども使用することができる。
【0038】
本発明の薬理学的に活性な組成物は、従来のガレノス式薬剤調合術にしたがい加工し、患者、被験者(例えば、ヒトを含む哺乳動物)に投与するための医薬を製造することができる。
【0039】
本発明の組成物は、通常の賦形剤(すなわち、非経口、経腸(例えば、経口もしくは吸入)または局所適用に適した製薬上許容される有機または無機担体物質であって、活性組成物に対しては悪影響を及ぼさないもの)と混合して使用することができる。製薬上許容される適切な担体には、限定されるものではないが、水、塩、糖の溶液等が含まれる。医薬製剤は無菌にすることができ、所望であれば、その他の補助物質(例えば)と混合することができる。さらに、所望の場合、放射線治療薬またはその他の抗ウイルスもしくは抗腫瘍治療薬を含むその他の活性物質と組み合わせることができる。特に、αインターフェロン, リバビリン, アマンタジン, ガンシクロビル, アシクロビル, ジドブジン, ホスカーネット, ジデオキシシトシン, ジデオキシイノシン, リマンタジン, スタブジン, ファムシクロビル, およびトリフルリジンなどの抗ウイルス薬との併用について言及する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態においては、剤形にはかかる組成物の使用のための説明書も含まれる。
【0041】
非経口投与のために特に適しているのは、注射可能な無菌溶液、好ましくは懸濁液である。アンプルは便利な単位投与形態である。
【0042】
持続性または指向性放出組成物を製剤化することができる(例えば、リポソーム、または異なる分解能を有するコーティング、例えばマイクロカプセル化、多層コーティング等による活性成分の保護)。該新規組成物を凍結乾燥し、得られた凍結乾燥物を、例えば、注射用生成物の製造に使用することができる。
【0043】
通常、本発明の組成物は、毎日、ないし1週間ごとに7日のうち約5日から7日のうち約3日の頻度で投与する、15〜300mg /m2以上、特に約90 mg/m2 のリポソーム性ATRAを含んでなる単位投与剤形に調剤される。
【0044】
特定の場合における実際に好ましい活性組成物の量は、使用する特定の組成物、配合した特定の組成物、投与様式、および治療する特定の部位・器官にしたがい変化することは明らかである。所定の被験者に対する用量は、本発明の組成物と既知の薬剤との異なる活性を従来の手法(例えば、適当な通常の薬理学的プロトコールによる)で通常どおり検討することにより決定することができる。
【0001】
本発明は、治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイド(例えば全トランス型レチノイン酸)を投与することを含んでなる、肝炎の治療方法に関する。特定の実施形態において、肝炎の形態は、A型、B型、C型、D型、E型、およびG型肝炎ウイルスによる感染によって引き起こされるウイルス性の肝炎であり、その治療にはリポソーム性の全トランス型レチノイン酸が用いられる。
【背景技術】
【0002】
肝炎は炎症性の肝臓疾患であり、食欲の減退、暗色尿、疲労、および場合により発熱を伴う。特定の場合においては、肝臓が肥大し、黄疸を発症しうる。慢性および急性の肝炎が共に知られている。定義によれば、急性の形態は、通常約8週間後に治癒する。この形態はほとんど肝不全を生じない。慢性のウイルス性肝炎患者はしばしば感染性でありつづける。慢性のウイルス性肝炎グループは、肝硬変または肝細胞癌のような肝臓疾患を罹患し続けるリスクがある。
【0003】
肝炎の原因と種類には多数あるけれども、ウイルスを病因とする肝炎が最も一般的である。現在同定されている肝炎ウイルス株は、A型、B型、C型、D型、E型、およびG型である。知見の増加と研究ツールのさらなる高度化により名称が変化してきたことに注目されたい。A型は、以前は感染性肝炎と呼ばれていた。B型は以前血清肝炎と呼ばれ、C型は非A、非B型肝炎(いくつかの例外を含む)と呼ばれていた。D型はデルタ肝炎と呼ばれていた。さらなる肝炎ウイルスが正式に同定され、単離されている。その他のウイルスが二次的な影響(副次的効果)としての肝炎を示すことが知られている。かかるウイルスには、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルスならびに黄熱病ウイルスが含まれる。肝炎は特定の寄生虫または細菌による感染の二次的な影響(副次的効果)でもある。非ウイルス性の肝炎は、自己免疫疾患、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、ならびに薬物、化学物質、またはアルコールにより誘発された肝臓疾患等、毒物に起因する疾患とも関連する。
【0004】
特に注目されているものはB型肝炎およびC型肝炎である。C型肝炎は1988年までウイルスとしては特別な同定がなされていなかった。それ以前は、C型肝炎は非A、非B型肝炎と呼ばれるクラスに分類されており、おそらく大多数の非A、非B型肝炎の症例が含まれていた。いずれかの特定の理論に拘束されるものではないが、「フラビウイルス」として表される型のRNAウイルスがC型肝炎の原因であると考えられている。このRNAウイルスは、脂質エンベロープを有する40〜50ナノメートルの鎖状一本鎖RNA(リボ核酸)として表されている。天然状態では、この脂質エンベロープは、「スパイク」と呼ばれる糖タンパク質ポリマーで覆われている。いずれかの特定の理論に拘束されるものではないが、さらにB型肝炎は、ヘパドナウイルスとして知られる型の二本鎖DNAウイルスにより引き起こされると考えられている。ヘパドナウイルスは、ポリメラーゼと結合しているコア中にdsDNAを含有し、表面抗原からなるカプセルに覆われている42 nmの粒子である。
【0005】
これまで、慢性のウイルス性肝炎に対して満足できる治療法は存在せず、特にB型またはC型肝炎に関してはそうであった。特定の抗ウイルス化合物(例えば、リバビリンおよびラミブジン)とインターフェロンαの併用が治療の中軸である。残念なことに、応答率が50%を超えることはほとんどない。B型肝炎に対する予防的方法は、ワクチンの形態で提案されている。C型肝炎ワクチンの有効性は実証されていない。しかし、これらの慢性感染症両方の罹患者数は、20億人を超えている。
【0006】
現在、ヒトエンテロ・ウイルスについて注目されている。ヒトエンテロ・ウイルスは多くの病気を引き起こす事が知られている。分類学的には、エンテロ・ウイルスは、ピコルナウイルス科ファミリーの属として分類されている。この属は、通常、5つの主要なグループに分けられる。これらグループは、(i) ポリオウイルス、(ii) コックサッキーウイルスA群、(iii) コックサッキーウイルスB群、(iv) エコウイルス、または(v) 「新型の」エンテロ・ウイルスである。最近では、A型肝炎ウイルスをエンテロ・ウイルス属から除外する研究者もいる。エンテロ・ウイルスは、VP1 遺伝子座における高度の遺伝子多様性を特徴とする。特に、エコウイルス3、 4、 6、 7、 9および11、ならびにコックサッキーウイルスA9、 B2、 B3、 B5、およびB9がある。
【0007】
慢性疾患についても注目されたい。慢性疾患とは、長期にわたり、自然には症状が軽快することがなく、また完全に治癒することがめったにない疾患である。エプスタイン・バーウイルスなどのウイルス起源の慢性疾患は、B型肝炎およびC型肝炎と同様に、特に注目される。
【0008】
エンテロ・ウイルスによる疾患およびウイルス成分による慢性疾患の利用可能な治療は満足し得るものではない。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、治療を必要とする被験者に、治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を投与することを含んでなり、特に治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸(特にリポソーム性の全トランス型レチノイン酸)を少なくとも約1日おきに少なくとも約10mg使用することを含んでなる、肝炎の治療方法に関する。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量のリポソーム性の全トランス型レチノイン酸は、少なくとも約1日おきに少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、およびさらに少なくとも約100mgと様々である。この方法は、A型、B型、C型、D型、E型、またはG型肝炎を含むウイルス性肝炎に特に有用である。
【0010】
本発明は、治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイドを投与することを含んでなる、肝炎の治療方法も含む。特定の実施形態において、このレチノイドには、リポソーム形態であって、治療的に有効な量で、必要に応じて少なくとも約1日おきに投与されるレチノイドが含まれる。少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、およびさらに少なくとも約100mgである量について言及する。
【0011】
さらに本発明は、治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を被験者に投与することを含んでなるエンテロ・ウイルス感染被験者の治療方法を含む。特定の実施形態において、これには、リポソーム形態であって、治療的に有効な量で、必要に応じて少なくとも約1日おきに投与されるレチノイドが含まれる。少なくとも約10 mg/m2、少なくとも約15 mg/m2、少なくとも約50 mg/m2、少なくとも約65 mg/m2 (特に少なくとも約67.5 mg/m2)、少なくとも約150 mg/m2、および少なくともさらに約100mgまたはそれ以上の量である量について言及する。この方法は、リポソーム性または遊離型の全トランス型レチノイン酸の使用を意図するものである。この方法により治療する特定のエンテロ・ウイルス感染は、(i) ポリオウイルス、(ii) コックサッキーウイルスA群、(iii) コックサッキーウイルスB群、(iv) エコウイルスまたは(v) 「新型の」エンテロ・ウイルスからなる群より選択される。特に、エコウイルス3、4、6、7、9または11およびコックサッキーウイルスA9、B2、B3、B5、またはB9について言及する。
【0012】
さらなる実施形態において、本発明は、治療的に有効な量のレチノイド、特に好ましくはリポソーム形態のレチノイドを被験者に投与することを含んでなる、該被験者における慢性ウイルス性疾患の治療方法を含む。特定の被験者において、治療的に有効なレチノイドの量は、少なくとも約1日おきに少なくとも約50mgである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は以下の定義によってより理解されるであろう:
A. ATRAとは、全トランス型のレチノイン酸(all-trans retinoic acid)であるレチノイドを意味する。通常レチノイドには、トランスレチノイン酸および全トランス型レチノールが含まれる。その他のレチノイドとしては、レチノイン酸メチルエステル、レチノイン酸エチルエステル、レチノイン酸のフェニル相同体、エトレチナート、レチノール、レチニルアセテート、レチンアルデヒド、全トランス型レチノイン酸および 13-シス型レチノイン酸がある。経口投与に好適な場合が多い非リポソーム性レチノイドは、「遊離型」とよばれる。「遊離型」ATRAについて特に言及する。何人かの研究者が示唆しているように、「遊離型」あるいはATRAの経口形態は多くの場合、摂取後に血清タンパク質やその他の成分と結合するため、溶液状態で非結合であるという意味での「遊離」ではない。便宜上、本明細書中では「遊離型」という用語を、血清その他の生物学的流体中における現象的な結合状態については考慮せずに、非リポソーム性の形態について使用するものとする。
【0014】
B. リポソーム性ATRAまたはレチノイドは、脂質に結合した全てのATRAまたはレチノイドの形態を包含するものと広く理解されている。より狭義に定義される場合、「リポソーム」は、脂質、脂肪酸、脂質二重層構造、単ラメラ性小胞および非晶質性脂質小胞を含むほぼ球状の構造である。古典的にはリポソームは、内部に水性の内容物を閉じ込め完全に閉鎖された脂質二重層の膜である。リポソームは単ラメラ性の小胞(単一の二重層膜を有する)または多ラメラ性の小胞(各々が次の層と水性の層により隔てられた複数の二重層により特徴づけられる、タマネギに似た構造)でありうる。二重膜は疎水性の「尾」部と親水性の「頭」部を有する2つの脂質単層からなる。膜の二重層構造は、脂質単層の疎水性(非極性)の「尾」が二重層の内側に向き、一方で親水性の「頭」が水相に向いている。
【0015】
リポソームは単一もしくは同心円状の複数のリン脂質二重層からなり、医療的に特に、薬剤を体内に輸送するために用いられる。簡便のため、本明細書中で使用する薬剤:脂質集合体(drug: lipid aggregates)はリポソームおよびリポソーム性の語に含まれるものとする。非リポソーム性の脂質担持形態の例については、 Fountainによる米国特許第4,610,868 号において言及されており、この教示内容は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0016】
米国特許第 5,811,119号「癌治療におけるカロテノイド類の組成および使用(Formulation and Use of Carotenoids in the Treatment of Cancer)」で開示されたリポソーム性ATRA ("L-ATRA") およびレチノイドについて参照されたい。その教示内容は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0017】
簡便のため、「リポソーム性ATRA」あるいは「リポソーム性レチノイド」は古典的なリポソームとは異なる高比率の薬剤:脂質複合体をも含む。
【0018】
C. 肝炎は食欲の減退、暗色尿、疲労、および場合により発熱を伴う炎症性の肝臓疾患であると広く解釈されている。肝臓の肥大と黄疸を伴うことが普通であり、慢性および急性の肝炎が共に知られている。A型、B型、C型、D型、E型、およびG型の現在同定されているウイルス性肝炎のウイルス株が注目されているが、全ての既知のまたは新たに発見されるウイルス性肝炎のウイルス株もまた本発明に含まれる。
【0019】
D. 薬剤の量について、治療的に有効な量とは、かかる治療を必要とする被験者の、多数の(薬剤に対し)反応応答するメンバーにおける、薬剤投与に対する特定の薬理学的な反応を提供する量をさす。遊離型のATRAに対し、治療的に有効な量は約10、約15、約50 から約150 mg/m2を含み、特に約65 mg/m2 、さらには約90 mg/m2を含む。特定の実施形態においては、治療的に有効な量は、少なくとも約1日おきに約50 から約150 mg である。L-ATRAに対し、治療的に有効な量は約10、約15、約50 から約150 mg/m2を含み、特に約65 mg/m2 、さらには約67.5 mg/m2を含む。特定の実施形態においては、L-ATRAの治療的に有効な量は、少なくとも約1日おきに約50 から約150 mg である。特定の場合においては、毒性応答の回避または阻害濃度の維持のために、しばしばより多い用量またはより少ない用量を必要とする。より少ない用量による一日あたり二回投与を意図するものである。
【0020】
驚くべきことに、ある種の認識されている抗癌活性のほかに、レチノイド(ATRAを含む)が、肝炎(特にB型肝炎およびC型肝炎)患者のウイルス量を減少させる作用を見出だした。特定の実施形態では、リポソーム性レチノイド(例えばL-ATRA)が有効である。
【0021】
実施例1
リポソーム性 ATRA
24歳女性がAPLと診断され、迅速にL-ATRA (Atragen (登録商標), Aronex Pharmaceuticals, The Woodlands, TX)プロトコールに登録され、L-ATRA治療を開始した。6回目の治療薬投与後、この患者は、悪心、嘔吐および頭痛を発症し、内視鏡検査、静脈内薬物投与および血液貯蔵を必要とする、マロリー‐ヴァイス症候群および上部消化管出血と診断された。この患者は、用量を減らすことなく、L-ATRAの投与を継続した。7回目の投与後、この患者はATRA症候群を発症したので、試験薬の用量を25%減少させることが必要となった。この患者のATRA症候群は回復し、21回のL-ATRA 投与を受けた。この時点で第一段階の完全な癌の回復(first complete cancer remission)を達成した。
【0022】
18日後、この患者は統合療法(consolidation therapy)の最初のコースを開始することを許可された。この許可期間中、患者はインフルエンザ様症状と軽度の黄疸症状を呈した。血液検査の結果、肝臓の酵素活性(SPGTおよび SGOT)の顕著な増加、高ビリルビン血症、およびアルカリホスファターゼ活性増大を示した。血清学的試験の結果、抗C型肝炎抗体陽性、C型ウイルス肝炎のPCR分析陽性であった。
研究プロトコルに従って、この患者は肝臓疾患の進行により研究対象から除外された。除外された後、この患者は特別に、L-ATRAをベースに用いた単独薬剤の9ヶ月にわたる使用を開始した。この治療期間における患者の初発のウイルス量は427,174 コピー数/ml (全血)であった。患者はL-ATRA を1週間に3度100mg/m2、あるいは1日おきに 67.5 mg/m2 の投与を特別に受け始めた (QOD)。開始後約3週間後、 12用量目のL-ATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はC型肝炎に対し正常値であった (肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。
【0023】
L-ATRA の特別な投与を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の回復(first complete cancer remission) 状態を維持しており、PCRテスト陰性で良好な状態であった。
【0024】
実施例2
遊離型 ATRA
34 歳女性が血清学試験によりC型肝炎ウイルス陽性と診断された。
【0025】
この患者は直ちに遊離型 ATRA を1日おきに約100mgまたは 67.5 mg/m2投与された (QOD)。患者の治療開始時におけるウイルス量は約300,00 コピー数/ml (全血)であった。患者は1週間あたり3回の遊離型ATRA (経口による) を投与された。治療開始約3週間後、12用量目のATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はC型肝炎に対し正常値であった(肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。ATRA の使用を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の抑止(first complete cancer remission) 状態を維持しており、PCRテスト陰性である。
【0026】
実施例3
遊離型 ATRA
54歳男性が血清学試験によりA型肝炎ウイルス陽性と診断された。
【0027】
この患者は直ちに遊離型 ATRA を1日おきに約100mgまたは 67.5 mg/m2投与された (QOD)。患者の治療開始時におけるウイルス量は約300,00 コピー数/ml (全血)であった。患者は1週間あたり3回の遊離型ATRA (経口による) を投与された。治療開始約3週間後、12用量目のATRA投与後に、この患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であった。この時点から継続して1ヶ月の間患者のウイルス量は1, 000 コピー数/ml未満であり、血液中化学成分はA型肝炎に対し正常値であった (肝臓酵素 (SPGTおよび SGOT)、ビリルビン、およびアルカリホスファターゼ)。ATRA の使用を開始して4ヶ月後、この患者は依然として第一段階の完全な癌の抑止(first complete cancer remission )状態を維持しており、PCRテスト陰性である。
【0028】
実施例4
B型肝炎におけるリポソーム性 ATRA
新しく診断された/前もって治療されていないAPLに罹患した7歳ヒスパニック系女性に、90mg/m2の用量でL-ATRA (ATRAGEN (登録商標)) QODの投与を開始した。ベースラインでは、病歴および血清学的試験結果は、患者のHBV慢性キャリアー状態(HBsAg陽性、HBcAg陽性およびHBeAg陽性)と一致していたが、LFT(liver function test;肝機能テスト)では正常値内であった。
【0029】
L-ATRAの7回目の投与後、肝臓トランスアミナーゼの上昇(グレードIレベル)が観察され、12回目投与(3週間後)後には グレードIIIレベルになった。5日後(患者が血液学的完全寛解(HCR)に到達した時点)に血清学的試験を行ったところ、依然として、HbsAg、HbcAgおよびHbeAgに対して陽性を示した。6週間半の初期治療による生検の結果は、グレードIIの慢性肝炎および線維症であることが示された。
【0030】
細胞毒性を有する化学療法が患者の肝臓の状態をさらに悪化させうることを考慮して、この患者には統合治療としての L-ATRA 単独療法が行われた。この治療は最初の治療から10週間半後に、67.5 mg/m2 TIW で開始された。6週間半の時点で、患者がABTRAGENに関連して発症したと判断される進行性の中程度の剥離性皮膚炎を起こした後、L-ATRA は再度差し控えられ、その1週間後に再開された。この時以来(それから4週間後)、この患者のLFTは正常値内に保たれた。
【0031】
すべての引用文献およびそれらの教示は、参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0032】
本発明の組成物は、有益な薬理学的特性を有する。該組成物は、ヒト医学および獣医学において、ウイルスの増殖、特にエンテロ・ウイルスおよび肝炎関連ウイルスの増殖を阻害する。投与には、長期的、短期的または断続的処方計画を含むことを意図するものである。
【0033】
該組成物は、A型、B型、C型、D型、E型およびG型肝炎の治療に特に有用である。
【0034】
さらに、該組成物はin vitroの方法においても使用することができる。かかる方法には、移植または自己移植のために増殖させている培養において、ならびに、診断またはスクリーニング方法(例えば、肝炎発症器官に対して感受性であるアッセイ)において、肝組織細胞培養物を処理することによりウイルスの増殖を妨害することも含まれる。いくつかの実施形態において、in vitroまたは体外で処理した組織、細胞または物質を、処理後に被験者(組織、細胞または物質の供給源と同一である必要はない)に再び導入することもできる。本発明の化合物は、担体、賦形剤およびその他の薬物と混合して使用することも、または放射線治療と併用することもできる。
【0035】
本発明の組成物は、広く動物に投与され、かかる動物としては、限定されるものではないが、家畜、家庭用ペット、ヒト、ウシ、ネコ、イヌ、家禽類等が挙げられる。経腸投与および非経口投与は、本発明の範囲にあることを意図するものである。
【0036】
非経口投与のためには、注射可能な、無菌溶液、好ましくは油状または水性の溶液、ならびに懸濁液、エマルジョン、またはインプラント(坐剤を含む)が特に好適である。アンプルは便利な剤形である。皮下投与および静脈内投与を特に意図するものである。
【0037】
非経口投与のためには、錠剤、糖衣錠、液剤、ドロップ、坐剤、またはカプセル剤が特に好適である。甘いビヒクルを使用する場合には、シロップ、エリキシールなども使用することができる。
【0038】
本発明の薬理学的に活性な組成物は、従来のガレノス式薬剤調合術にしたがい加工し、患者、被験者(例えば、ヒトを含む哺乳動物)に投与するための医薬を製造することができる。
【0039】
本発明の組成物は、通常の賦形剤(すなわち、非経口、経腸(例えば、経口もしくは吸入)または局所適用に適した製薬上許容される有機または無機担体物質であって、活性組成物に対しては悪影響を及ぼさないもの)と混合して使用することができる。製薬上許容される適切な担体には、限定されるものではないが、水、塩、糖の溶液等が含まれる。医薬製剤は無菌にすることができ、所望であれば、その他の補助物質(例えば)と混合することができる。さらに、所望の場合、放射線治療薬またはその他の抗ウイルスもしくは抗腫瘍治療薬を含むその他の活性物質と組み合わせることができる。特に、αインターフェロン, リバビリン, アマンタジン, ガンシクロビル, アシクロビル, ジドブジン, ホスカーネット, ジデオキシシトシン, ジデオキシイノシン, リマンタジン, スタブジン, ファムシクロビル, およびトリフルリジンなどの抗ウイルス薬との併用について言及する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態においては、剤形にはかかる組成物の使用のための説明書も含まれる。
【0041】
非経口投与のために特に適しているのは、注射可能な無菌溶液、好ましくは懸濁液である。アンプルは便利な単位投与形態である。
【0042】
持続性または指向性放出組成物を製剤化することができる(例えば、リポソーム、または異なる分解能を有するコーティング、例えばマイクロカプセル化、多層コーティング等による活性成分の保護)。該新規組成物を凍結乾燥し、得られた凍結乾燥物を、例えば、注射用生成物の製造に使用することができる。
【0043】
通常、本発明の組成物は、毎日、ないし1週間ごとに7日のうち約5日から7日のうち約3日の頻度で投与する、15〜300mg /m2以上、特に約90 mg/m2 のリポソーム性ATRAを含んでなる単位投与剤形に調剤される。
【0044】
特定の場合における実際に好ましい活性組成物の量は、使用する特定の組成物、配合した特定の組成物、投与様式、および治療する特定の部位・器官にしたがい変化することは明らかである。所定の被験者に対する用量は、本発明の組成物と既知の薬剤との異なる活性を従来の手法(例えば、適当な通常の薬理学的プロトコールによる)で通常どおり検討することにより決定することができる。
Claims (32)
- 治療を必要とする被験者に治療的に有効な量の全トラ
ンス型レチノイン酸を投与することを含んでなる、肝炎の治療方法。 - 全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約10mgである、請求項1記載の方法。
- 全トランス型レチノイン酸がリポソーム性の全トランス型レチノイン酸である、請求項1記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約100mgである、請求項3記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約65 mg/m2である、請求項3記載の方法。
- 肝炎がウイルス性肝炎である、請求項1記載の方法。
- ウイルス性肝炎が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、またはG型肝炎である、請求項6記載の方法。
- ウイルス性肝炎がC型肝炎である、請求項6記載の方法。
- 該量が10 mg/m2である、請求項3記載の方法。
- 該量が少なくとも約15 mg/m2である、請求項9記載の方法。
- 該量が少なくとも約50 mg/m2である、請求項10記載の方法。
- 治療を必要とする被験者に治療的に有効な量のレチノイドを投与することを含んでなる、肝炎の治療方法。
- レチノイドがリポソーム形態である、請求項12記載の方法。
- レチノイドの治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約10mgである、請求項12記載の方法。
- 治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を感染被験者に投与することを含んでなる、感染被験者のエンテロ・ウイルス感染を治療する方法。
- 全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約10mgである、請求項15記載の方法。
- 全トランス型レチノイン酸がリポソーム性の全トランス型レチノイン酸である、請求項15記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約100mgである、請求項17記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約65 mg/m2である、請求項17記載の方法。
- エンテロ・ウイルス感染が、(i) ポリオウイルス、(ii) コックサッキーウイルスA群、(iii) コックサッキーウイルスB群、(iv) エコウイルスまたは(v) 「新型の」エンテロ・ウイルスからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
- エンテロ・ウイルス感染が、エコウイルス3、4、6、7、9または11およびコックサッキーウイルスA9、B2、B3、B5、またはB9からなる群より選択される、請求項15記載の方法。
- 治療的に有効な量のレチノイドを感染被験者に投与することを含んでなる、感染被験者のエンテロ・ウイルス感染を治療する方法。
- レチノイドがリポソーム形態である、請求項24記載の方法。
- レチノイドの治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約10mgである、請求項24記載の方法。
- 治療的に有効な量の全トランス型レチノイン酸を被験者に投与することを含んでなる、被験者の慢性ウイルス性疾患を治療する方法。
- 全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約10mgである、請求項27記載の方法。
- 全トランス型レチノイン酸がリポソーム性の全トランス型レチノイン酸である、請求項27記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約100 mgである、請求項29記載の方法。
- リポソーム性の全トランス型レチノイン酸の治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約65 mg/m2である、請求項29記載の方法。
- 治療的に有効な量のレチノイドを被験者に投与することを含んでなる、被験者の慢性ウイルス性疾患を治療する方法。
- レチノイドがリポソーム形態である、請求項32記載の方法。
- レチノイドの治療的に有効な量が、少なくとも約1日おきに少なくとも約50mgである、請求項32記載の方法。
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