JP2004521618A5 - - Google Patents

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【特許請求の範囲】
【請求項1】 天然に存在するアレルゲンの変異体であって各々が前記天然に存在するアレルゲンのIgE結合能力と比べて変異アレルゲンの特異的なIgE結合能力を減少させる少なくとも四つの変異を有し、
変異の各々が、別の残基による一つの表面露出アミノ酸残基の置換であって、前記天然に存在するアレルゲン由来する分類学上の種の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列の同じ位置に存在せず、
少なくとも四つの変異(第一変異の各々が、互いに少なくとも15Å隔てられて、少なくとも一つの面積800Å2である円形表面領域が変異を含まないように配置されることを特徴とする、前記組換えアレルゲン。
【請求項2】 第一変異が互いに少なくとも20Å隔てられている、請求項1記載の組換えアレルゲン。
【請求項3】 少なくとも四つの第一変異に加えて、前記第一変異のいずれかから少なくとも15Å以内に位置する少なくとも一つの更なる変異(第二変異を含み、
前記第二変異の各々が、前記天然に存在するアレルゲンと比べて変異アレルゲンの特異的IgE結合能力を減少させ、
前記第二変異の各々は、他の残基による一つの表面露出アミノ酸残基の置換であって前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の種の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列の同じ位置に存在せず、
前記第二変異が前記円形領域の外側に位置する、請求項1又は2に記載の組換えアレルゲン。
【請求項4】 天然に存在するアレルゲンの置換される表面露出アミノ酸の少なくとも一つが、少なくとも20%より高い溶媒接触性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項5】 天然に存在するアレルゲンの置換される表面露出アミノ酸の少なくとも一つが、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質において70%より高い同一性で保存されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項6】 前記天然に存在するアレルゲンと本質的に同じα炭素骨格三次構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項7】 変異体アレルゲンへ組み込まれる各アミノ酸残基が前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の属の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列の同じ位置に存在しない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項8】 変異アレルゲンに対する特異的IgE結合性が少なくとも5%減少されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項9】 変異体及び天然に存在するアレルゲン分子のα炭素骨格三次構造を比較した場合、原子座標の平均標準偏差が2Åより小さいことを特徴とする、請求項6記載の組換えアレルゲン。
【請求項10】 前記円形表面領域が15〜25アミノ酸残基の原子を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか記載の組換えアレルゲン。
【請求項11】 表面露出アミノ酸残基が溶媒接触性に関して順位付けられること、及び、より溶媒接触可能であるアミノ酸のうち一つ以上のアミノ酸が置換されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項12】 表面露出アミノ酸残基が、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質における保存の程度に関して順位付けられること、及び、より保存されるアミノ酸のうち一つ以上のアミノ酸が置換されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項13】 変異体アレルゲンが天然に存在しないアレルゲンである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項14】 5〜20の第一変異を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項15】 変異体アレルゲンが第一変異あたり1〜4つの第二変異を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項16】 一つ以上の置換が部位特異的変異誘発によって行われることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項17】 一つ以上の置換がDNAシャッフリングによって行われることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項18】 吸入アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項19】 花粉アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項18記載の組換えアレルゲン。
【請求項20】 分類学上ファガレス目、オレアレス目又はピナレス目由来の花粉アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項19記載の組換えアレルゲン。
【請求項21】 Bet v 1の変異体であることを特徴とする、請求項20記載の組換えアレルゲン。
【請求項22】 一つ以上の置換がV2, D72, E87, K-129, E-60, N-47, K-65, P-108, N-159, D-93, K-123, K-32, D-125, R-145, D-109, E-127, Q-36, E-131, L-152, E-6, E-96, D-156, P-63, H-76, E-8, K-134, E-45, T-10, V-12, K-20, S-155, H-126, P-50, N-78, K-119, V-2, L-24, E-42, N-4, A-153, I-44, E-138, G-61, A-130, R-70, N-28, P-35, S-149, K-103, Y-150, H-154, N-43, A-106, K-115, P-14, Y-5, K-137, E-141, E-87及びE-73からなる群より選択される、請求項21記載の組換えアレルゲン。
【請求項23】 分類学上ポアレス目由来の花粉アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項19記載の組換えアレルゲン。
【請求項24】 分類学上アステラレス目又はウルチカレス目由来の花粉アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項19記載の組換えアレルゲン。
【請求項25】 チリダニアレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項18記載の組換えアレルゲン。
【請求項26】 デルマトファゴイデス由来のダニアレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項25記載の組換えアレルゲン。
【請求項27】 ゴキブリアレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項18記載の組換えアレルゲン。
【請求項28】 動物アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項18記載の組換えアレルゲン。
【請求項29】 ネコ、イヌ又はウマ由来の動物アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項28記載の組換えアレルゲン。
【請求項30】 毒物アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項31】 分類学上ヒメノプテラ目由来の毒物アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項30記載の組換えアレルゲン。
【請求項32】 分類学上ベスピダエ目、アピダエ目又はフォルミコイダエ目由来の毒物アレルゲンの変異体であることを特徴とする、請求項31記載の組換えアレルゲン。
【請求項33】 Ves v 5の変異体であることを特徴とする、請求項30〜32のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項34】 一つ以上の置換がK-16, K-185, K-11, K-44, K-210, R-63, K-13, F-6, K-149, K-128, E-184, K-112, F-157, E-3, K-29, N-203, N-34, K-78, K-151, L-15, L-158, Y-102, W-186, K-134, D-87, K-52, T-67, T-125, K-150, Y-40, Q-48, L-65, K-81, Q-101, Q-208, K-144, N-8, N-70, H-104, Q-45, K-137, K-159, E-205, N-82, A-111, D-131, K-24, V-36, N-7, M-138, T-209, V-84, K-172, V-19, D-56, P-73, G-33, T-106, N-170, L-28, T-43, Q-114, C-10, K-60, N-31, K-47, E-5, D-145, V-38, A-127, D-156, E-204, P-71, G-26, Y-129, D-141, F-201, R-68, N-200, D-49, S-153, K-35, S-39, Y-25, V-37, G-18, W-85及びI-182からなる群より選択されることを特徴とする、請求項33記載の組換えアレルゲン。
【請求項35】 医薬品として使用するための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン。
【請求項36】 アレルギーを予防及び/又は治療するための医薬品を調製するための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲンの使用。
【請求項37】 各変異体が他の変異体の少なくとも一つに存在しない第一変異の少なくとも一つを有し、前記各変異体について第二変異が前記第一変異の各々から半径15Åの範囲内に存在しない、請求項1〜34のいずれか1項に記載の2つ以上の組換え変異体アレルゲンを含む組成物。
【請求項38】 2〜12の変異体を含む請求項37記載の組成物。
【請求項39】 医薬品として使用するための、請求項37又は38記載の組成物。
【請求項40】 アレルギーを予防及び/又は治療するための医薬品を調製するための、請求項37又は38に記載の組成物の使用。
【請求項41】 請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン、又は、請求項37若しくは38に記載の組成物を含み、これに組合せて任意で医薬として許容される担体及び/又は賦形剤、及びアジュバントを含んでもよいことを特徴とする医薬組成物。
【請求項42】 アレルギーを患う患者における、天然に存在するアレルゲンによって誘発されるアレルギー反応に対するワクチンの形態であることを特徴とする、請求項41記載の医薬組成物。
【請求項43】 a)天然に存在するアレルゲンにおいて少なくとも20%の溶媒接触性を有するアミノ酸残基の番号を同定すること;
b)前記同定されたアミノ酸残基から少なくとも四つのアミノ酸残基を選択することであって、各選択されたアミノ酸が各他の選択されたアミノ酸から少なくとも15Å隔てられており、少なくとも一つの面積800Å2の円形表面領域が前記選択されたアミノ酸を含まないように配置されるように前記選択を行うこと;及び
c)前記各選択されたアミノ酸に対して、前記天然に存在するアレルゲンの結合能力と比べて変異アレルゲンの特異的IgE結合能力を減少させる第一変異を起こすことであって、前記第一変異の各々は別のアミノ酸による前記選択されたアミノ酸残基の置換であって前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の種の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列の同じ位置に存在しないこと
を特徴とする、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲンを調製する方法。
【請求項44】 請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲンをコードするDNA、又は、少なくとも一つのB細胞エピトープを有するペプチドをコードする、その誘導体を含むDNA、その部分配列を含むDNA、その縮重配列を含むDNA又はストリンジェントな条件下でそれらとハイブリダイズするDNA
【請求項45】 以下に示す配列の誘導体であって、
V2, D72, E87, K-129, E-60, N-47, K-65, P-108, N-159, D-93, K-123, K-32, D-125, R-145, D-109, E-127, Q-36, E-131, L-152, E-6, E-96, D-156, P-63, H-76, E-8, K-134, E-45, T-10, V-12, K-20, S-155, H-126, P-50, N-78, K-119, V-2, L-24, E-42, N-4, A-153, I-44, E-138, G-61, A-130, R-70, N-28, P-35, S-149, K-103, Y-150, H-154, N-43, A-106, K-115, P-14, Y-5, K-137, E-141, E-87及びE-73からなる群より選択される変異を少なくとも四つ有するアレルゲンをコードするように変異している、請求項44記載のDNA。
1 ggtgtgttta attatgagac tgagaccacc tctgttatcc cagcagctcg actgttcaag
61 gcctttatcc ttgatggcga taacctcttt ccaaaggttg caccccaagc cattagcagt
121 gttgaaaaca ttgaaggaaa tggagggcct ggaaccatta agaagatcag ctttcccgaa
181 ggcctccctt tcaagtacgt gaaggacaga gttgatgagg tggaccacac aaacttcaaa
241 tacaattaca gcgtgatcga gggcggtccc ataggcgaca cattggagaa gatctccaac
301 gagataaaga tagtggcaac ccctgatgga ggatccatct tgaagatcag caacaagtac
361 cacaccaaag gtgaccatga ggtgaaggca gagcaggtta aggcaagtaa agaaatgggc
421 gagacacttt tgagggccgt tgagagctac ctcttggcac actccgatgc ctacaactaa
【請求項46】 以下に示す配列の誘導体であって、
K-16, K-185, K-11, K-44, K-210, R-63, K-13, F-6, K-149, K-128, E-184, K-112, F-157, E-3, K-29, N-203, N-34, K-78, K-151, L-15, L-158, Y-102, W-186, K-134, D-87, K-52, T-67, T-125, K-150, Y-40, Q-48, L-65, K-81, Q-101, Q-208, K-144, N-8, N-70, H-104, Q-45, K-137, K-159, E-205, N-82, A-111, D-131, K-24, V-36, N-7, M-138, T-209, V-84, K-172, V-19, D-56, P-73, G-33, T-106, N-170, L-28, T-43, Q-114, C-10, K-60, N-31, K-47, E-5, D-145, V-38, A-127, D-156, E-204, P-71, G-26, Y-129, D-141, F-201, R-68, N-200, D-49, S-153, K-35, S-39, Y-25, V-37, G-18, W-85及びI-182からなる群より選択される変異を少なくとも四つ有するアレルゲンをコードするように変異している、請求項44記載のDNA。
1 aacaattatt gtaaaataaa atgtttgaaa ggaggtgtcc atactgcctg caaatatgga
61 agtcttaaac cgaattgcgg taataaggta gtggtatcct atggtctaac gaaacaagag
121 aaacaagaca tcttaaagga gcacaatgac tttagacaaa aaattgcacg aggattggag
181 actagaggta atcctggacc acagcctcca gcgaagaata tgaaaaattt ggtatggaac
241 gacgagttag cttatatcgc ccaagtgtgg gctaatcaat gtcaatatgg tcacgatact
301 tgcagggatg tagcaaaata tcaggttgga caaaacgtag ccttaacagg tagcacggct
361 gctaaatacg atgatccagt taaactagtt aaaatgtggg aagatgaagt gaaagattat
421 aatcctaaga aaaagttttc gggaaacgac tttctgaaaa ccggccatta cactcaaatg
481 gtttgggcta acaccaagga agttggttgt ggaagtataa aatacattca agagaaatgg
541 cacaaacatt accttgtatg taattatgga cccagcggaa actttaagaa tgaggaactt
601 tatcaaacaa agtaa
【請求項47】 以下に示す配列の誘導体であって、R-128, D-129, H-11, H-30, S-1, K-77, Y-75, R-31, K-82, K-6, K-96, K-48, K-55, K-89, Q-85, W-92, I-97, H-22, V-65, S-24, H-74, K-126, L-61, P-26, N-93, D-64, I-28, K-14, K-100, E-62, I-127, E-102, E-25, P-66, L-17, G-60, P-95, E-53, V-81, K-51, N-103, Q-2, N-46, E-42, T-91, D-87, N-10, M-111, C-8, H-124, I-68, P-79, K-109及びR-128, D-129, H-11, H-30, S-1, K-77, Y-75, R-31, K-82, K-6, K-96, K-48, K-55, K-89, Q-85, W-92, I-97, H-22, V-65, S-24, H-74, K-126, L-61, P-26, N-93, D-64, I-28, K-14, K-100, E-62, I-127, E-102, E-25, P-66, L-17, G-60, P-95, E-53, V-81, K-51, N-103, Q-2, N-46, E-42, T-91, D-87, N-10, M-111, C-8, H-124, I-68, P-79, K-109及びK-15からなる群より選択される変異を少なくとも四つ有するアレルゲンをコードするように変異している、請求項44記載のDNA。
1 cacaaattct tctttcttcc ttactactga tcattaatct gaaaacaaaa ccaaacaaac
61 cattcaaaat gatgtacaaa attttgtgtc tttcattgtt ggtcgcagcc gttgctcgtg
121 atcaagtcga tgtcaaagat tgtgccaatc atgaaatcaa aaaagttttg gtaccaggat
181 gccatggttc agaaccatgt atcattcatc gtggtaaacc attccaattg gaagccgttt
241 tcgaagccaa ccaaaacaca aaaacggcta aaattgaaat caaagcctca atcgatggtt
301 tagaagttga tgttcccggt atcgatccaa atgcatgcca ttacatgaaa tgcccattgg
361 ttaaaggaca acaatatgat attaaatata catggaatgt tccgaaaatt gcaccaaaat
421 ctgaaaatgt tgtcgtcact gttaaagtta tgggtgatga tggtgttttg gcctgtgcta
481 ttgctactca tgctaaaatc cgcgattaaa tcaaacaaaa tttattgatt ttgtaatcac
541 aaatgattga ttttctttcc aaaaaaaaaa taaataaaat tttgggaatt c
【請求項48】 請求項44〜47のいずれか1項に記載のDNAを含む、発現ベクター。
【請求項49】 請求項48記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項50】 請求項49記載の宿主細胞を培養する工程を含む、組換え変異体アレルゲンを作製する方法。
【請求項51】 天然に存在するアレルゲンに対して特異的なT細胞クローン又はT細胞株を刺激する能力を有するT細胞エピトープを少なくとも一つ含む、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換えアレルゲン又は請求項44〜47のいずれか1項に記載のDNAによってコードされる組換えアレルゲン。
【請求項52】 請求項1〜34のいずれか1項に記載の組換え変異体アレルゲン又は請求項37若しくは38記載の組成物を、IgEを含む対象者由来のサンプルと混合する工程;及び
得られた混合物を、前記サンプル中のIgEと前記変異体との間の反応性レベルについて評価する工程;
を含む、組換え変異体アレルゲンに対する対象者由来のサンプルの免疫応答を評価するためのアッセイ。
アトピー性アレルギーに関与する抗体は、本来IgEクラスの免疫グロブリンに属する。IgEは、肥満細胞及び好塩基球の表面の特異的レセプターに結合する。
肥満細胞に結合したIgEと特異的アレルゲンの複合体形成に続く細胞表面上のレセプターの架橋結合が、標的細胞のレセプターを通じたシグナル伝達及び生理反応を生じさせる。脱顆粒が特にヒスタミン、へパリン、好酸性白血球に対する化学走化因子、気管平滑筋細胞の長期的な収縮を引き起こすロイコトリエンC4、D4及びE4の放出を生じさせる。その結果生じる影響は、事実上全身又は局所的であり得る。
抗体媒介性の過敏反応は四種類、すなわちI型、II型、III型及びIV型に分類することができる。I型アレルギー反応は、抗原の曝露に続いて数秒又は数分以内に起こる古典的即時型過敏反応である。これらの症状はアレルゲン特異的IgEによって媒介されている。
一般的にアレルギー反応は、例えば花粉、チリダニ(house dust mite)、動物の毛及びフケ、毒物及び食品に存在するタンパク質アレルゲンに対する応答として観察される。
アレルギー反応を減少させる又は排除するために、慎重に制御され繰り返されるアレルギーワクチン投与が通常用いられる。アレルギーワクチン接種は、かなり長期間にわたって投与量を増加しながら非経口、鼻腔内又は舌下投与によって伝統的に行われており、患者の脱感作を導く。その正確な免疫学的メカニズムは知られていないが、誘導されるアレルゲン特異的T細胞の表現型の違いが特に重要であると考えられる。
(発明の目的)
本発明の理論的根拠
本発明はユニークな原理に基づいている。この原理によると、成功したアレルギーワクチン接種のメカニズムは進行中のTh2型免疫応答の変更ではなく、むしろB細胞及び抗体形成物による三次エピトープ認識に関する新しい免疫応答の並行的開始である。この新しい免疫応答は部分的にTh1型免疫応答であると信じられている。このモデルは、成功したワクチン接種治療により特異的IgEレベルが影響されないこと、及び、成功した治療は多くの場合アレルゲン特異的IgG4の実質的な増加を伴うことの観察によって支持される。加えて、アレルゲン攻撃前後の鼻のバイオプシー研究はTh2様表現型を有するT細胞の減少を示さないが、むしろTh1様T細胞の増加が観察される。ワクチン(又は医薬組成物)が気道以外の経路を経て投与される場合、進行中のTh2応答とは物理的に離れた位置において新しい免疫応答が発達し、二つの応答が並行して存在することを可能にしていることが仮定される。
免疫系の別の重要な側面は、いわゆる優性IgE結合エピトープの存在の表明である。これら優性IgE結合エピトープは、抗体結合を収容するのに充分な大きさの密着した表面領域に依存する三次構造によって構成されており、近縁種由来のイソアレルゲン、変異体及び/又は相同アレルゲンのうちで保存されることが提唱される。相同アレルゲン上の同様なエピトープに結合する能力がある交差反応性のIgEの存在は、例えばハンノキ、カバノキ及びハシバミといった種々の近縁種、多様な草本種又はデルマトファゴイデス属のチリダニの様々な種に対してアレルギー患者が頻繁に反応するという臨床観察によって支持される。これはさらに、近縁種由来の相同アレルゲン間のIgE交差反応性、及び、相同アレルゲンに対するIgE結合を阻害する一つのアレルゲンの能力を実証する研究室での実験(Ipsen et al.1992,参考文献16)によって支持される。曝露及び免疫応答は、用量依存的な様式に関連することがよく知られている。これらの観察の組合せに基づき、保存表面領域は非保存表面領域よりも高用量で免疫系に対して曝露されて高親和性を伴うIgE抗体産生を生じることが仮定され、従って「優性IgE結合エピトープ」という用語で呼ぶ。
この原理によると、アレルゲンは天然アレルゲンと本質的に同じα炭素骨格三次構造を有し、IgE結合性の減少を目的とする変異誘発のための標的を表す保存パッチを取り囲む領域の表面トポロジーの保存を確実にすることが必要不可欠である。これらの基準を満たすことにより、アレルゲンは安全性を妥協することなく防御免疫応答を発生させることにおいてその効果が改善し、相対的に高い用量で投与される可能性を有する。さらに本発明は、アレルギー症状はエフェクター細胞、すなわち肥満細胞及び好塩基球の表面に高親和性IgEレセプターFceRIを介して結合した二つの特異的IgEとアレルゲンの架橋結合により引き起こされるという発見に基づく。説明のために、我々はIgE結合エピトープを伴うアレルゲンの理論的モデルを示す図15に言及する。肥満細胞からのメディエーター放出の誘導及びそれによるアレルギー症状は、肥満細胞表面に結合したIgEのアレルゲン媒介架橋結合によって影響を受ける(図15Aを参照)。図15Bに示す状態において、エピトープの二つがIgE結合能力を減少するように変異させられて、それによりアレルゲン媒介架橋結合が妨害される。これに関連して、アレルゲンは通常三つより多いB細胞エピトープを含むことを述べるべきである。しかしながら、図15に描かれた理論上の状態から、より多くのエピトープがIgE結合能力を除去又は減少されるように変異させられるにつれて、アレルゲン媒介架橋結合及び結果として生ずるアレルギー症状の危険性がより低下することが想定され得る。
しかしながら、変異アレルゲンがIgG応答を含む新しい免疫応答を生じることが可能になるためには、アレルゲンは少なくとも一つの原型のエピトープを含まなければならない。好ましくは、この原型のエピトープが優性エピトープである。なぜならそのような変異アレルゲンがワクチン接種に用いられる場合、改善された防御を提供するであろうからである。
結論として、本発明の発明概念は、複数のB細胞エピトープにおいてIgE結合性を減少する変異及び少なくとも一つの原型のエピトープを有する変異アレルゲンが、一方ではアレルゲン媒介架橋結合を減少し他方ではIgEに競合する結合能力を有するIgG応答の発生を可能にし得るという認識に基づく。このように、前記変異アレルゲンはアナフィラキシー反応の危険性を強く減少させ得る点で非常に有利なアレルゲンを構成するであろう。
また、本発明は、理想的にはその多数又は全エピトープが原型のまま提示されるような変異アレルゲンの異なる混合物を含むワクチンは、アレルギー症状に対して防御を誘導する能力において、この変異アレルゲンの起源である天然に存在するアレルゲンと同等な効果が有り得るという認識に基づく。
(発明の要約)
本発明は、各変異エピトープの特異的IgE結合能力の減少を目的として、複数の特定の重要な位置、すなわちIgE結合エピトープへの人為的なアミノ酸置換の導入に関する。
本発明は、以下の点で特徴付けられる組換えアレルゲンを提供する。この組換えアレルゲンは天然に存在するアレルゲンの変異体であって、各々が前記天然に存在するアレルゲンのIgE結合能力と比べて変異アレルゲンの特異的IgE結合能力を減少する少なくとも四つの第一変異を有し、各第一変異は他の残基による一つの表面露出アミノ酸残基の置換であって前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の目の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列の同じ位置に存在せず、各第一変異は各他の第一変異から少なくとも15Å隔てられており、かつ面積800Å2の円形表面領域の少なくとも一つが変異を含まないように配置される。
理論に縛られることなく、B細胞エピトープはアレルゲンの全表面の大部分にわたって分布し得ることが信じられている。さらに、少なくとも複数のエピトープが重複エピトープの多数を含むエピトープのクラスターの一部を構成することの実験証拠が存在する。従って本発明に対する理論的根拠は、どの表面露出アミノ酸も変異の潜在的部位を構成し、結果として変異は特異的IgEを結合する能力を減少し得ることである。
従って、第一変異は相互に関してその位置によって規定され、すなわち離して隔てられ、それらがエピトープの分離クラスターに存在する変異であることを確実にする。
本発明は、請求項1に記載する二つ以上の異なる組換え変異体アレルゲンを含む組成物も提供する。各前記変異体は少なくとも一つの主要な変異を有することによって規定され、その変異は別の変異体の少なくとも一つには存在しない。各変異体に対して各前記主要な第一変異から半径15Åの範囲内に第二変異は存在しない。この組成物は、好ましくは2〜12、さらに好ましくは3〜10、さらに好ましくは4〜8、最も好ましくは5〜7の変異体を含む。
本発明は、a)〜c)の点で特徴付けられる請求項1記載の組換えアレルゲンの調製方法も提供する。
a) 天然に存在するアレルゲンにおいて少なくとも20%の溶媒接触性を有するアミノ酸の番号を同定すること;
b)同定されたアミノ酸残基から少なくとも四つを選択することであって、各選択されたアミノ酸は他の選択されたアミノ酸の各々から少なくとも15Å隔てられており、面積800Å2の円形表面領域内の少なくとも一つに存在しないように配置されていること;及び
c)選択されたアミノ酸の各々に対して、前記天然に存在するアレルゲンの結合能力と比べて変異アレルゲンの特異的IgE結合能力を減少する第一変異を行うことであって、各第一変異は選択されたアミノ酸残基の別のアミノ酸による置換であって前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の目の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列において同じ位置に存在しないこと。
別の側面において本発明は、対応する天然に存在するアレルゲンをコードするDNAのDNAシャッフリング(shuffling)(分子育種)によって得られたDNA配列からアレルゲンが作製されることによって特徴付けられる、本発明の組換えアレルゲンの調製方法に関する。
さらに、本発明は医薬品として使用するための請求項1の組換えアレルゲンに関する。
また、本発明はアレルギーを予防及び/又は治療するための医薬品を調製するための請求項1の組換えアレルゲンの使用に関する。
さらに、本発明は医薬品として使用するための請求項37の組成物に関する。
また、本発明はアレルギーを予防及び/又は治療するための医薬品を調製するための請求項37の組成物の使用に関する。
さらに、本発明は請求項1の組換えアレルゲン又は請求項37の組成物を含み、これに組合せて医薬的に許容される担体及び/又は賦形剤を含んでもよく、アジュバントを含んでもよいことを特徴とする医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、アレルギーを患う患者において天然に存在するアレルゲンによって誘発されるアレルギー反応に対するワクチンの形態をとり得る。
また、本発明は請求項1の組換えアレルゲン、請求項37の組成物、又は、請求項41-42の医薬組成物を対象者に投与することを含む、対象者に免疫応答を発生させる方法に関する。
さらに、本発明は請求項1の組換えアレルゲン、請求項37の組成物、又は、請求項41-42の医薬組成物を対象者に投与することを含む、対象者のワクチン接種又は治療に関する。
また、本発明は請求項1の組換えアレルゲン又は請求項37の組成物を医薬的に許容される物質及び/又は賦形剤とともに混合することを含む、請求項41又は42の医薬組成物を調製する方法に関する
た、本発明は請求項1の組換えアレルゲン、請求項37の組成物、又は、請求項41-42の医薬組成物を対象者に投与することを含む、患者のアレルギー反応の治療、予防又は軽減のための方法に関する。
さらに本発明は、本発明のアレルゲンをコードするDNA配列、その誘導体、その部分配列、その縮重配列、又は、ストリンジェントな条件下でそれらとハイブリダイズする配列であって、少なくとも一つのB細胞エピトープを有するペプチドをコードする前記誘導体、前記部分的配列、前記縮重配列又は前記ハイブリダイズする配列に関する。
また、本発明は本発明のDNAを含む発現ベクターに関する。
さらに、本発明は本発明の発現ベクターを含む宿主細胞に関する。
加えて、本発明は本発明の宿主細胞を培養する工程を含む組換え変異体アレルゲンを作製する方法に関する。
最後に、本発明は、天然に存在するアレルゲンに特異的なT細胞クローン又はT細胞株を刺激する能力がある少なくとも一つのT細胞エピトープを含む、本発明の組換えアレルゲン又は本発明のDNA配列によってコードされる組換えアレルゲンに関する。本発明の変異体は、T細胞刺激指標の測定による同様な様式/程度でアレルゲン特異的T細胞株を刺激し得るのが好ましい。
(発明の詳細な説明)
本発明の好ましい態様では、第一変異同士が20Å、好ましくは25Å、最も好ましくは30Å隔てられている。
アレルゲンは特異的IgEに対して幾つかの潜在的結合領域を含み、その各領域はおよそ800Å2の大きさを有し、その各表面領域は重複エピトープの多数を含むことが信じられている。このように、アレルゲンは800Å2で分割された表面領域の潜在的第一変異の幾つかを有する。
好ましくは、本発明の組換えアレルゲンが5〜20、好ましくは6〜15、さらに好ましくは7〜12、最も好ましくは8〜10の第一変異を含む。
本発明の好ましい態様では、変異を含まない表面領域が700Å2、好ましくは600Å2、さらに好ましくは500Å2、最も好ましくは400Å2の面積を有する。
本発明の好ましい態様では、組換えアレルゲンが、前記天然に存在するアレルゲンの結合能力に比べて各々が変異アレルゲンの特異的IgE結合能力を減少する第二変異を幾つか含み、この各第二変異は別の残基による一つの表面露出アミノ酸残基の置換であって前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の種の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列において同じ位置に存在せず、前記円形領域の外側に位置する。
第二変異は第一変異の近くに位置付けることができ、すなわち第二変異は第一変異によって変異された同じエピトープに対する付加的な変異であるだろう。
本発明の好ましい態様では、天然に存在するアレルゲンにおいて置換される少なくとも一つの表面露出アミノ酸が20%より高く、好ましくは30%より高く、さらに好ましくは40%より高く、最も好ましくは50%より高い溶媒接触性を有する。
本発明の別の好ましい態様では、天然に存在するアレルゲンにおいて置換される少なくとも一つの表面露出アミノ酸が、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質において70%より高く、好ましくは80%より高く、最も好ましくは90%より高い同一性で保存される。
好ましくは、本発明の組換えアレルゲンが本質的に前記天然に存在するアレルゲンと同じα炭素骨格三次構造を有する。
変異体及び天然に存在するアレルゲン分子のα炭素骨格三次構造を比較した場合、原子座標の平均標準偏差が2Åより小さいのが好ましい。
本発明の組換えアレルゲンの好ましい態様では、変異体アレルゲンに組み込まれる各アミノ酸残基は、前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の属、好ましくは亜科、さらに好ましくは科、さらに好ましくは上科、さらに好ましくは亜綱、さらに好ましくは亜目、最も好ましくは目の範囲内にある既知相同タンパク質のアミノ酸配列において同じ位置に存在しない。
本発明の好ましい態様では、本発明の組換え変異体アレルゲンは天然に存在しないアレルゲンである。
変異アレルゲンに対する特異的IgE結合性が、起源特異的IgE反応性アレルギー患者由来の血清又はそのプールを用いた免疫アッセイにおいて、天然に存在するイソアレルゲン又は同様な組換えタンパク質と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%減少されるのが好ましい。
変異体の減少したIgE結合性及び減少した架橋結合媒介能力を評価する別の手段は、変異体のヒスタミン放出(HR)を開始する能力である。ヒスタミンの放出は種々のヒスタミン放出アッセイで測定することができる。変異体の減少したヒスタミン放出は、細胞表面の特異的IgE結合に対する減少した親和性、及び、架橋結合促進の減少した能力に由来する。天然に存在するアレルゲンと比較して本発明の変異体に対し、HRが好ましくは5〜100%、さらに好ましくは25〜100%、さらに好ましくは50〜100%、最も好ましくは75〜100%減少される。
一般的に、変異を含まない面積800Å2の円形表面領域は、15〜25のアミノ酸残基の原子を含む。
本発明の好ましい組換えアレルゲンは、表面露出アミノ酸残基が溶媒接触性に関して順位付けられ、より溶媒接触可能なアミノ酸残基のうち一つ以上のアミノ酸が置換されることに特徴付けられる。
本発明のさらに好ましい組換えアレルゲンは、表面露出アミノ酸残基が前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質における保存の程度に関して順位付けられ、より保存されたアミノ酸のうち一つ以上のアミノ酸が置換されることに特徴付けられる。
好ましくは、本発明の組換えアレルゲンは第一変異あたり一つ〜四つの第二変異を含む。
本発明の好ましい態様は、一つ以上の置換が部位特異的変異誘発によって行われることに特徴付けられる。
本発明の別の好ましい態様は、一つ以上の置換がランダム変異誘発によって行われることに特徴付けられる。
本発明のさらに好ましい態様は、一つ以上の置換がDNAシャッフリングによって行われることに特徴付けられる。
本発明の組換えアレルゲンは、特に樹木、草本、ハーブ、菌類、チリダニ、ゴキブリ及び動物の毛若しくはフケに由来する吸入アレルゲンの変異体であるのが適切であろう。樹木、草本又はハーブ由来の重要な花粉アレルゲンは、特にカバノキ(ベツラ(Betula))、ハンノキ(アルナス(Alnus))、ハシバミ(コリルス(Corylus))、シデ(カルピナス(Carpinus))及びオリーブ(オレア(Olea))を含む分類学上ファガレス(Fagales)目、オレアレス(Oleales)目及びピナレス(Pinales)目、特にロリウム(Lolium)属、フェレウム(Phleum)属、ポア(Poa)属、シノドン(Cynodon)属、ダクチリス(Dactylis)属及びセカレ(Secale)属の草本を含むポアレス(Poales)目、特にアンブロシア(Ambrosia)属及びアルテミシア(Artemisia)属のハーブを含むアステラレス(Asterales)目及びウルチカレス(Urticales)目に由来する。菌類由来の重要な吸入アレルゲンは、特にオルターナリア(Alternaria)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属に由来する。他の重要な吸入アレルゲンは、デルマトファゴイデス属のチリダニ由来、ゴキブリ由来及びネコ、イヌ及びウマのような哺乳動物由来である。さらに、本発明の組換えアレルゲンはミツバチ(アピダエ(Apidae)上科)、ワスプ(ベスピデア(Vespidea)上科)及びアリ(フォルミコイダエ(Formicoidae)上科)を含む分類学上ヒメノプテラ(Hymenoptera)目に由来するような虫が刺すこと又は噛むことに由来するアレルゲンを含む毒物アレルゲンの変異体であり得る。
特異的アレルゲン成分は、例えばファガレス目のBet v 1(B.ベルルコサ(verrucosa)、カバノキ)、Aln g 1(アルナス・グルチノサ(glutinosa)、ハンノキ)、Cor a 1(コリルス・アベラナ(avelana)、ハシバミ)及びCar b 1(カルピナス・ベツルス(betulus)、シデ)を含む。他のものは、Cry j 1(ピナレス)、Amb a 1及び2、Art v 1(アステラレス)、Par j 1(ウルチカレス)、Ole e 1(オレアレス)、Ave e 1、Cyn d 1、Dac g 1、Fes p 1、Hol l 1、Lol p 1及び5、Pas n 1、Phl p 1及び5、Poa p 1、2及び5、Sec c 1及び5、及びSor h 1(種々の草本の花粉)、Alt a 1及びCla h 1(菌類)、Der f 1及び2、Der p 1及び2(チリダニ、それぞれD.ファリナエ及びD.プテロニスシナス(pteronyssinus)、Lep d 1及び2(レピドグリフュス・デストルクター(Lepidoglyphus destructor);倉庫(storage)ダニ)、Bla g 1及び2、Per a 1(ゴキブリ、それぞれブラテルラ・ジャーマニカ(Blatella germanica)及びペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana))、Fel d 1(ネコ)、Can f 1(イヌ)、Equ c 1、2及び3(ウマ)、Apis m 1及び2(ミツバチ)、Ves v 1、2及び5、Pol a 1、2及び5(全スズメバチ)及びSol i 1、2、3及び4(ハリアリ)である。
一つの態様では、組換えアレルゲンはBet v 1の変異体である。置換に対して潜在的に適切なアミノ酸は、アミノ酸V2, D72, E87, K-129, E-60, N-47, K-65, P-108, N-159, D-93, K-123, K-32, D-125, R-145, D-109, E-127, Q-36, E-131, L-152, E-6, E-96, D-156, P-63, H-76, E-8, K-134, E-45, T-10, V-12, K-20, S-155, H-126, P-50, N-78, K-119, V-2, L-24, E-42, N-4, A-153, I-44, E-138, G-61, A-130, R-70, N-28, P-35, S-149, K-103, Y-150, H-154, N-43, A-106, K-115, P-14, Y-5, K-137, E-141, E-87及びE-73を含む。一つ以上の第一置換及び第二置換は、V2F, V2L, V2I, V2M, Y5V, T10P, T10A, K20N, D25E, N28T, K32Q, Q36A, Q36K, E42S, E45S, N47S, K55N, K65N, D72H, D72Q, D72N, T77A, N78K, E87G, E96L, K97S, K103V, P108G, D109N, K123I, D125Y, K129N, K134E, R145E, S149R, S149T, D156H及び+160Nからなる群より選択され得る(+は付加的なアミノ酸が含まれることを意味する)。
本発明によるBet v 1変異体の例は以下である(用いられている括弧は第一及び第二変異を示す):
変異体A:
(Asn28Thr, Lys32Gln), (Asn78Lys, Lys103Val), Arg145Glu, (Asp156His, +160Asn)
変異体B:
Tyr5Val, Glu42Ser, Glu45Ser, Asn78Lys, Lys103Val, Lys123Ile, Lys134Glu, Asp156His
変異体2595(実施例2):
N28T, K32Q, E45S, P108G
変異体2628(実施例4):
Tyr5Val, Glu45Ser, Lys65Asn, Lys97Ser, Lys134Glu
変異体2637(実施例4):
Ala16Pro, (Asn28Thr, Lys32Gln), Lys103Thr, Pro108Gly, (Leu152Lys, Ala153Gly, Ser155Pro)
変異体2724:
N28T, K32Q, N78K, K103V, P108G, R145E, D156H, +160N
変異体2733(実施例4):
(Tyr5Val, Lys134Glu), (Asn28Thr, Lys32Gln), Glu45Ser, Lys65Asn, (Asn78Lys, Lys103Val), Lys97Ser, Pro108Gly, Arg145Glu, (Asp156His, +160Asn)
変異体2744:
(Tyr5Val, Lys134Glu), (Glu42Ser, Glu45Ser), (Asn78Lys, Lys103Val), Lys123Ile, (Asp156His, +160Asn)
変異体2753(実施例4):
(Asn28Thr, Lys32Gln), Lys65Asn, (Glu96Leu, Lys97Ser), (Pro108Gly, Asp109Asn), (Asp125Tyr, Glu127Ser), Arg145Glu
変異体2744+2595:
Y5V, N28T, K32Q, E42S, E45S, N78K, K103V, P108G, K123I, K134E, D156H, +160N
変異体2744+2628:
Y5V, E42S, E45S, K65N, N78K, K97S, K103V, K123I, K134E, D156H, +160N
変異体2744+2595+2628:
Y5V, N28T, K32Q, E42S, E45S, K65N, N78K, K97S, K103V, P108G, K123I, K134E, D156H, +160N
さらに、上記変異体の全ては以下の置換を一つ以上含む:V2F, V2L, V2I, V2M, T10A, K20N, Q36A又はQ36K, D72H, D72Q, D72N, E87G, K129N及びS149R又はS149T。
別の態様では、組換えアレルゲンは分類学上ベスピダエ目、アピダエ目及びフォルミコイダエ目由来の毒物アレルゲンに由来する。
さらなる態様では、組換えアレルゲンはVes v 5に由来する。置換に対して潜在的に適切なアミノ酸は、アミノ酸K-16, K-185, K-11, K-44, K-210, R-63, K-13, F-6, K-149, K-128, E-184, K-112, F-157, E-3, K-29, N-203, N-34, K-78, K-151, L-15, L-158, Y-102, W-186, K-134, D-87, K-52, T-67, T-125, K-150, Y-40, Q-48, L-65, K-81, Q-101, Q-208, K-144, N-8, N-70, H-104, Q-45, K-137, K-159, E-205, N-82, A-111, D-131, K-24, V-36, N-7, M-138, T-209, V-84, K-172, V-19, D-56, P-73, G-33, T-106, N-170, L-28, T-43, Q-114, C-10, K-60, N-31, K-47, E-5, D-145, V-38, A-127, D-156, E-204, P-71, G-26, Y-129, D-141, F-201, R-68, N-200, D-49, S-153, K-35, S-39, Y-25, V-37, G-18, W-85及びI-182を含む。一つ以上の第一置換及び第二置換は、K29A, T67A, K78A, V84S, Y102A, K112S, K144A, K202M及びN203Gからなる群より選択され得る。
さらなる態様では、組換えアレルゲンはDer p 2に由来する。置換に対して潜在的に適切なアミノ酸は、アミノ酸R-128, D-129, H-11, H-30, S-1, K-77, Y-75, R-31, K-82, K-6, K-96, K-48, K-55, K-89, Q-85, W-92, I-97, H-22, V-65, S-24, H-74, K-126, L-61, P-26, N-93, D-64, I-28, K-14, K-100, E-62, I-127, E-102, E-25, P-66, L-17, G-60, P-95, E-53, V-81, K-51, N-103, Q-2, N-46, E-42, T-91, D-87, N-10, M-111, C-8, H-124, I-68, P-79, K-109及びR-128, D-129, H-11, H-30, S-1, K-77, Y-75, R-31, K-82, K-6, K-96, K-48, K-55, K-89, Q-85, W-92, I-97, H-22, V-65, S-24, H-74, K-126, L-61, P-26, N-93, D-64, I-28, K-14, K-100, E-62, I-127, E-102, E-25, P-66, L-17, G-60, P-95, E-53, V-81, K-51, N-103, Q-2, N-46, E-42, T-91, D-87, N-10, M-111, C-8, H-124, I-68, P-79, K-109, K-15を含む。一つ以上の第一置換及び第二置換は、K6A, N10S, K15E, S24N, H30N, K48A, E62S, H74N, K77N, K82N, K100N及びR128Qからなる群より選択され得る。
本発明によるBet v 1変異体の例は、以下である。
変異体A:
K6A, K15E, H30N, E62S
変異体B:
K6A, K15E, H30N, E62S, H74N, K82N
変異体C:
K6A, N10S, K15E, S24N, H30N, K48A, E62S, H74N, K77N, K82N, K100N及びR128Q
本研究の組換えアレルゲンを調製する方法
既に述べたように、本発明は本発明の組換え変異体アレルゲンを調製する方法にも関する(請求項43を参照)。
本発明によると置換に適する表面露出アミノ酸は、表面露出の程度を表す溶媒(水)接触性の情報に基づいて同定され得る。本発明の方法の好ましい態様は、前記同定されたアミノ酸残基を溶媒接触性に関して順位付けすること、及び、より溶媒に接触可能なアミノ酸のうち一つ以上のアミノ酸を置換することによって特徴付けられる。
本発明において置換に適する表面露出アミノ酸の同定に貢献し得る第二パラメーターは、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質においてアミノ酸が保存される程度である。あるいは、前記天然に存在するアレルゲンが由来する分類学上の属、亜科、科、上科、亜綱、亜目又は目の範囲内にある全既知相同タンパク質における程度が、前記第二パラメーターとして用いられる。
従って、本発明の方法の好ましい態様は、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質において70%より高く、好ましくは80%より高く、最も好ましくは90%より高い同一性が保存される同定されたアミノ酸残基を選択することに特徴付けられる。
さらに、本発明の方法の特に好ましい態様は、前記天然に存在するアレルゲンが由来する種の範囲内にある全既知相同タンパク質における保存の程度に関して前記同定されたアミノ酸残基を順位付けすること、及び、より保存されたアミノ酸のうち一つ以上のアミノ酸を置換することに特徴付けられる。
本発明の方法のさらなる好ましい態様は、前記天然に存在するアレルゲンと本質的に同じα炭素骨格三次構造を有する変異体アレルゲンを形成するように、同定されたアミノ酸を選択することを含む。
本発明の方法のもう一つの好ましい態様は、アミノ酸残基の置換が部位特異的変異誘発によって行われることに特徴付けられる。
本発明の方法の別の好ましい態様は、アミノ酸残基の置換がDNAシャッフリングによって行われることに特徴付けられる。
部位特異的変異誘発のためのアミノ酸残基の選択
変異誘発のためのアミノ酸残基の選択は、チリダニ(Der p 2/f 2及びEur m 2)及び倉庫ダニ(Tyr p 2、Lep d 2、Gly d 2)由来のアレルゲンのうちで高く溶媒露出され高く保存された残基の同定に基づいた。高く溶媒露出されたアミノ酸残基は、Der p 2 NMR構造(#1.9、1A9V.pdb)の分子表面解析によって視覚的に同定した。12のアミノ酸残基を、変異誘発のために選択した:K6A, N10S, K15E, S24N, H30N, K48A, E62S, H74N, K77N, K82N, K100N及びR128Q。
部位特異的変異誘発
一つの第一変異及びそれら複数の組合せを有する組換え変異体アレルゲンの構築を、以下に記述する。
Der p 2変異体をコードする発現プラスミドを、鋳型DNAとしてpCBo06を用いて作製した。特定の変異を取り込んだセンス及びアンチセンスプライマーを用いて、PCR反応を行った。特定の変異を生成させるためにPCR反応に用いたプライマー対を、図31に列挙する。この図では、変異をボールド体で表し、その後に続くクローニング工程に用いた制限酵素部位に下線を引いている。変異体K6A、K15E、H30N、H74N及びK82Nの構築のため、本質的には「Der p 2のpGAPZα-Aへのクローニング」の節で記述するようにPCR反応を行った。精製PCRフラグメントを表示の制限酵素部位(図31を参照)で消化し、ゲル精製し、同様に消化したpCBo06にライゲーションし、E.coli DH5αへトランスフォームした。
実施例1においてBet v 1変異体生成について記述した選択的PCR変異誘発方法論を用い、変異E62Sを生成させた。二つの変異特異的オリゴヌクレオチドプライマーを、特定の変異を網羅するように合成した(OB47及びOB48、図31に記載した)。第二増幅工程に対して用いた二つの追加プライマーは、「Der p 2のpGAPZα-Aへの挿入」の節で記述するOB27及びOB28であった。
作製した変異体アレルゲンは実施例4で記述する方法、例えば円二色性(CD)分光法、結晶化、IgE結合特性の測定、ヒスタミン放出、T細胞増殖刺激能力等と同じ方法を用いて特徴付ける。
実施例6
特異的アレルギーワクチン接種のための改良された安全性を有する変異組換えダニアレルゲン(Der p 2)
この実施例において、チリダニアレルゲンにおける本発明の概念の応用を一つのアレルゲン、Der p 2によって例証する。他のチリダニアレルゲンの操作は、同等の手順によって行うことができる。
変異組換えDer p 2分子の設計
配列番号3は、野生型イソフォームであるDer p 2-ALK-Gクローンのヌクレオチド配列及び導き出されたアミノ酸配列を示す。
配列番号3:Der p 2-ALK-Gのヌクレオチド配列及び導き出されたアミノ酸配列GAT CAA GTC GAT GTC AAA GAT TGT GCC AAT CAT GAA ATC AAA AAA 45
D Q V D V K D C A N H E I K K 15
GTT TTG GTA CCA GGA TGC CAT GGT TCA GAA CCA TGT ATC ATT CAT 90
V L V P G C H G S E P C I I H 30
CGT GGT AAA CCA TTC CAA TTG GAA GCT TTA TTC GAA GCC AAT CAA 135
R G K P F Q L E A L F E A N Q 45
AAC TCA AAA ACA GCT AAA ATT GAA ATC AAA GCT TCA ATC GAT GGT 180
N S K T A K I E I K A S I D G 60
TTA GAA GTT GAT GTT CCC GGT ATC GAT CCA AAT GCA TGC CAT TAT 225
L E V D V P G I D P N A C H Y 75
ATG AAA TGT CCA TTG GTT AAA GGA CAA CAA TAT GAT ATT AAA TAT 270
M K C P L V K G Q Q Y D I K Y 90
ACA TGG AAT GTT CCA AAA ATT GCA CCA AAA TCT GAA AAT GTT GTC 315
T W N V P K I A P K S E N V V 105
GTC ACT GTT AAA GTT TTG GGT GAT AAT GGT GTT TTG GCC TGT GCT 360
V T V K V L G D N G V L A C A 120
ATT GCT ACT CAT GCT AAA ATC CGC GAT 387
I A T H A K I R D 129
図32は、ExPaSy分子生物学サーバー(http://www.expasy.ch/)において、配列番号3に示すDer p 2-ALK-Gアミノ酸配列を入力配列として用いたBLAST検索にClustalWアルゴリズムを用いて行った配列アラインメントを示す。このアラインメントは、チリダニ種すなわちDer p 2、Der f 2及びEur m 2由来の配列を含む。図32において、Der p 2-ALK-Gタンパク質配列における同じ位置のアミノ酸と同一であるアミノ酸残基は、灰色背景上に黒色の文字を用いて強調する。同一でないアミノ酸は、白色背景上に黒色で印刷する。
表面構造像
チリダニグループ2アレルゲンを表すアミノ酸配列は85%より高い類似性を有し、分子表面の幾らかを保存する(灰色に着色したゾーン)(図33を参照)。
図33は、Der p 2-ALK-Gタンパク質配列を公知のPDB:1A9V NMR構造(PDBファイルに含まれる10のうちの構造番号1)に重ね合わせた際の、四つの異なる角度から見た表面輪郭を示す。
全体表面にわたり25〜30Åの距離範囲内に空間的に分布する保存され高く溶媒露出されたアミノ酸を、変異のために選択する。以下の節では、次の情報を与える:変異のために適切であると考えられるアミノ酸のリスト(A)、設計された変異体のリスト(B)及び前記設計された変異体を表すDNA配列(C)。図34は一例として、変異体番号1の表面輪郭を示す。灰色は保存されたアミノ酸残基を示す。黒色は、変異のために選択されたアミノ酸残基を示す。
実施例7
特異的アレルギーワクチン接種のための改良された安全性を有する変異組換えダニアレルゲン(Der p 1)
この実施例において、チリダニアレルゲンにおける本発明の概念の応用を一つのアレルゲン、Der p 1によって例証する。他のチリダニアレルゲンの操作は、同等な手順によって行うことができる。
変異組換えDer p 1分子の設計
配列番号4は、野生型イソフォームであるDer p 1-ALKクローンのヌクレオチド配列及び導き出されたアミノ酸配列を示す。
図35は、ExPaSy分子生物学サーバー(http://www.expasy.ch/)において、配列番号4に示すDer p 1-ALKアミノ酸配列を入力配列として用いたBLAST検索にClustalWアルゴリズムを用いて行った配列アラインメントを示す。このアラインメントは、チリダニ種すなわちDer p 1、Der f 1及びEur m 1由来の配列を含む。図35において、Der p 1-ALKタンパク質配列における同じ位置のアミノ酸と同一であるアミノ酸残基を、灰色背景上に黒色の文字を用いて強調する。同一でないアミノ酸は白色背景上に黒色で印刷する。
表面構造像
チリダニグループ1アレルゲンを表すアミノ酸配列はある程度類似しており、分子表面の幾らかは保存されている(灰色に着色したゾーン)(図36を参照)。図36は、Der p 1-ALKタンパク質配列をDer p 1分子構造モデルに重ね合わせた際の、四つの異なる角度から見た表面輪郭を示す。
全体表面にわたり25〜30Åの距離範囲内に空間的に分布する保存され高く溶媒露出されたアミノ酸を、変異のために選択する。以下の節で、次の情報を与える:変異のために適切であると考えられるアミノ酸のリスト(A)、設計された変異体のリスト(B)及び前記設計された変異体を表すDNA配列(C)。図37は、一例として変異体番号11の表面輪郭を示す。灰色は、保存されたアミノ酸残基を示す。黒色は、変異のために選択されたアミノ酸残基を示す。
【図32】
他のグループ2のチリダニアレルゲンと共にDer p 2の配列一覧表を示す。
【図35】
図35A及びBは、他のグループ1のチリダニアレルゲンと共にDer p 1の配列一覧表を示す。
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