JP2004518799A - 水性炭化水素燃料エマルジョンを製造するための連続プロセス - Google Patents
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Abstract
水性炭化水素燃料を、連続プロセスによって製造する。さらに、この連続プロセスは、少なくとも2つの乳化デバイスを連続して使用して、1.0ミクロン未満の平均直径を有する水性液滴を含む水性炭化水素燃料を製造する。本発明は、水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスに関し、このプロセスは、(1)液体炭化水素燃料および乳化剤を混合して、炭化水素燃料/添加剤混合物を形成する工程:(2)この炭化水素燃料/添加剤混合物を、剪断条件下で水と乳化させて、水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する工程であって、ここでこの乳化は少なくとも2つの乳化剤によって連続して達成される、工程、を包含する。
Description
【0001】
本願は、米国特許出願09/483,481(2000年1月14日出願)(これは、米国特許出願09/349,268(1999年7月7日出願)の一部継続である、米国特許出願09/390,925(1999年9月7日出願)の一部継続である)の一部継続である。これらの先願の開示全ては、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、連続プロセスにより水性炭化水素燃料組成物を作製するためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、ディーゼル燃料またはガソリンの様な水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスに関する。
【0003】
(発明の背景)
燃焼室内で燃料と混合した水を使用する内燃機関、特にディーゼル機関は、出力単位あたり低いNOx、炭化水素、および粒子状の排出物を生成し得る。窒素酸化物は、スモッグおよび汚染の原因となるので、環境的な問題である。政府の規制および環境問題は、機関からのNOxの排出を減少する必要性に駆られている。
【0004】
ディーゼル燃料機関は、燃焼の間に達成される比較的高い炎温度に起因して、NOxを生成する。NOxの生成の減少は、触媒コンバーターの使用、「クリーンな」燃料の使用、排気ガスの再循環および機関のタイミング変化を伴う。これらの方法は、代表的に、高価であるかまたは商業的な使用を複雑にする。
【0005】
水は、燃焼に対して不活性であるが、最大燃焼温度が低くなるほど、粒子およびNOxの形成が減少する。水が燃料に添加される場合、水はエマルジョンを形成し、そしてこれらのエマルジョンは一般に、不安定である。小さい粒子サイズの適切な燃料中水型エマルジョンを達成しそして維持することは困難である。連続的に作製され得、かつ貯蔵中に安定であり得る、安定な燃料中水型エマルジョンを作製することが有益である。
【0006】
バッチブレンドプロセスよりも増加した処理量、増加した剪断効率、および費用効果に起因して、連続プロセスによって安定な燃料中水型エマルジョンを生成することが有益である。出願人は、小さい粒子サイズの安定な燃料中水型エマルジョンを作製するための連続プロセスを発見した。
【0007】
本明細書中で使用する場合、用語「NOx」とは、窒素酸化物である、NO、NO2、N2Oまたはそれら2つ以上の混合物のいずれかをいう。用語「水性炭化水素燃料エマルジョン」および「水燃料エマルジョン」は、交換可能である。用語「水性炭化水素燃料」および「水燃料ブレンド」は、交換可能である。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスに関し、このプロセスは、(1)液体炭化水素燃料および乳化剤を混合して、炭化水素燃料/添加剤混合物を形成する工程:(2)この炭化水素燃料/添加剤混合物を、剪断条件下で水と乳化させて、水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する工程であって、ここでこの乳化は少なくとも2つの乳化剤によって連続して達成される、工程、を包含する。この水性炭化水素燃料エマルジョンは、連続した燃料相中に不連続な水相を含む。この不連続な水相は、水性炭化水素燃料エマルジョンが第2の乳化剤により処理される時点までに、1.0ミクロンの平均直径を有する水性液滴を含む。
【0009】
この水炭化水素燃料エマルジョンは、水、燃料(例えば、ディーゼル、ガソリンなど)および乳化剤から構成される。乳化剤は、以下を含むが、これらに限定されない:(i)少なくとも1つのヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの反応により作製される少なくとも1つの燃料可溶性生成物であって、このアシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50〜約500個の炭素原子を有する、燃料可溶性生成物;(ii)約1〜約40の親水性−親油性バランス(HLB)を有するイオン性化合物または非イオン性化合物のうちの少なくとも1つ;(iii)(i)および(ii)の混合物;または(iv)(i)、(ii)または(iii)と組み合わせた、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、硝酸エステル、ニトロアミン、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩からなる群から選択される水溶性化合物。
【0010】
水炭化水素燃料エマルジョンは、必要に応じて、添加剤を含む。この添加剤としては、限定されないが、セタン向上剤、有機溶媒、不凍剤、界面活性剤、燃料におけるそれらの使用について公知の他の添加剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0011】
本発明はさらに、水性炭化水素燃料を連続的に作製するための装置を提供し、この装置は、以下:少なくとも2つの乳化剤(連続して);炭化水素燃料/添加剤混合物を含むタンク、または炭化水素燃料、乳化剤、添加剤、水、不凍剤もしくはそれらの組み合わせのための別個のタンク;この炭化水素燃料、添加剤および/または乳化剤を、このタンクから第1の乳化デバイスに移送するためのポンプおよび導管;水を、水供給源から第1の乳化デバイスに移送するための導管:水性炭化水素燃料エマルジョンを、第1の乳化デバイスから第2の乳化デバイスに移送するための導管;この水性炭化水素燃料エマルジョンを、第2の乳化デバイスから燃料貯蔵タンクに移送するための導管;この燃料貯蔵タンクから水性炭化水素燃料エマルジョンを分配するための導管;(i)タンクから第1の乳化デバイスへの成分の移送、(ii)水供給源から第1の乳化デバイスへの水の移送、(iii)第1の乳化デバイスにおける炭化水素燃料/添加剤混合物と水との乳化、(iv)第1の乳化デバイスから第2の乳化デバイスの水性炭化水素燃料エマルジョンの移送、(v)第2の乳化デバイスにおける炭化水素燃料エマルジョンのさらなる乳化、および(vi)第2の乳化デバイスから燃料貯蔵タンクへの水性炭化水素燃料エマルジョンの移送、を制御するためのプログラム可能制御装置;および(vii)このプログラム可能制御装置を制御するためのコンピューター、を備える。
【0012】
一実施形態において、この連続プロセスのための装置は、自動的に作動するコンテナ移送型装置の形態である。このユニットは、その設置場所でプログラムされそして局所的にモニタリングされ得るか、またはこのユニットは、その設置場所から離れた位置からプログラムされそしてモニタリングされ得る。この水燃料ブレンドは、その設置場所で、最終消費者に分配される。このことは、本発明に従って調製された水性炭化水素燃料エマルジョンを広範な分布のネットワークにおける最終消費者に対して利用可能にする方法を提供する。
【0013】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書中で使用する場合、用語「ヒドロカルビル置換基」、「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビルで置換された」、「炭化水素基」などは、分子の残部に直接結合した1つ以上の炭素原子を有し、炭化水素または主に炭化水素の特性を有する基をいうために使用される。例としては、以下が挙げられる:
(1)純粋な炭化水素基、すなわち、脂肪族基(例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキレン)、および脂環式基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、芳香族基、および芳香族置換芳香族基、脂肪族置換芳香族基および脂環式置換芳香族基、ならびに環式基(ここで環は分子の別の部分を介して完成される(例えば、2つの置換基が一緒になって脂環式基を形成する));
(2)置換炭化水素基、すなわち、本発明の状況において、この基の主な炭化水素特性を変更しない非炭化水素基(例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソおよびスルホキシ)を含む炭化水素基;
(3)ヘテロ置換炭化水素基、すなわち、本発明の状況において、主な炭化水素特性を有しつつ、環内またはそうでなければ炭素原子からなる鎖内に炭素以外の原子を含む置換基を含む、炭化水素基。ヘテロ原子としては、硫黄、酸素および窒素が挙げられる。一般に、炭化水素基中の炭素原子10個あたり、2つ以下非炭化水素置換基、一実施形態においては、1つ以下の非炭化水素置換基が、存在する。
【0014】
用語「低級」とは、アルキル、アルケニルおよびアルコキシのような用語と共に使用される場合、合計7個までの炭素原子を含むこのような基を示すことが意図される。
【0015】
用語「水溶性」とは、25℃の水100ミリリットルあたり少なくとも1g程度まで水に可溶性である物質をいう。
【0016】
用語「燃料可溶性」とは、25℃の燃料100ミリリットルあたり少なくとも1g程度まで燃料に可溶性である物質をいう。
【0017】
用語「水燃料エマルジョン」は、水性炭化水素燃料/添加剤エマルジョンと交換可能である。
【0018】
用語「水燃料ブレンド」は、水性炭化水素燃料と交換可能である。
【0019】
用語「燃料−化学添加剤混合物」は、炭化水素燃料/添加剤混合物と交換可能である。
【0020】
(連続プロセス)
本発明は、安定なエマルジョンを形成することによって水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスを提供し、ここで、水は、燃料の連続相に分散され、ここで、水滴は、1.0ミクロン以下の平均直径を有する。この液滴サイズは、容量で表される。本発明は、別の実施形態において、水性炭化水素燃料を連続的に作製するための装置を提供する。この連続プロセス装置は、少なくとも2つの連続した乳化ミキサー、タンク(炭化水素燃料、乳化剤、添加剤およびそれらの組み合わせ含む)、水を含むタンク、生成物タンク、ポンプ、燃料を移送するための導管、およびプログラム可能制御装置を備え、その結果、このプロセスは自動化され得る。
【0021】
本発明の実施において、水性炭化水素燃料は、燃料、乳化剤、添加剤および/または水の流速をモニタリングおよび調節して、所望の水滴サイズを有する安定なエマルジョンを形成し得る連続プロセスによって作製される。以下に記載されるプロセスおよび装置は、連続プロセスの一実施形態を示す。図1を参照すると、この装置は、燃料添加剤タンク(10)、水供給タンク(14)、生成物タンク(18)、第1の乳化デバイス(22)、第2の乳化デバイス(26)、および燃料ディスペンサー(30)を備える。最初に、炭化水素燃料および乳化剤が、燃料添加剤タンク(10)中で混合されて、均一な炭化水素燃料/添加剤混合物が形成される。別の実施形態において、炭化水素燃料、乳化剤および添加剤の供給物は、慎重な供給により、または慎重な供給の代替の組み合わせにより水タンク(10)に添加されて、均一な炭化水素燃料/添加剤混合物が形成される。別の実施形態において、乳化剤、燃料および添加剤は、動的に混合され、そして連続的に供給され、次いで、水蒸気で処理されて、水性炭化水素燃料エマルジョンが形成される。
【0022】
炭化水素燃料/添加剤混合物は、約50重量%〜約99重量%の炭化水素燃料、別の実施形態において、約85重量%〜約98重量%の炭化水素燃料、別の実施形態において、約95重量%〜約98重量%の炭化水素燃料を含み、そしてこの炭化水素燃料/添加剤混合物は、約0.05重量%〜約25重量%の乳化剤、別の実施形態において、約2重量%〜約15重量%の乳化剤、別の実施形態において、約2重量%〜約5重量%の乳化剤をさらに含む。
【0023】
必要に応じて、添加剤が、乳化剤、燃料、水またはそれらの組み合わせに添加され得る。この添加剤としては、セタン価向上剤、有機溶媒、不凍剤、界面活性剤、燃料において使用するために公知の他の添加剤などが挙げられるが、これらに限定されない。この添加剤は、この添加剤の溶解度に依存して、第1の乳化デバイスの前に、そしてあるいは別の方法では、乳化剤、添加水素燃料または水に添加される。しかし、この添加剤を乳化剤に添加して、添加剤乳化剤混合物を形成することが好ましい。この添加剤は一般に、添加剤乳化剤混合物の約1重量%〜約40重量%、別の実施形態において、5重量%〜約30重量%、別の実施形態において、約7重量%〜約25重量%の範囲である。
【0024】
炭化水素燃料/添加剤混合物ストリームは、炭化水素燃料タンク出口(34)を出て、一般に毎分約0.5ガロン〜1000ガロンの速度で導管(38)を流れ、そして別の実施形態においては、導管(38)を通って第一乳化デバイス(22)へと、毎分約10ガロン〜約600ガロンの速度で流れる。炭化水素燃料/添加剤混合物:水の比は、約50〜約99:約50〜約1の範囲であり、別の実施形態においては約85〜約95:約15〜約5、別の実施形態においては約75〜約85:約25〜約15、そして別の実施形態においては、約70〜約75:約30〜約25の範囲である。
【0025】
必要に応じて、不凍剤、硝酸アンモニウムまたはこれらの混合物(これらに限定されない)を含み得る水は、導管(46)を通って水供給タンク出口(36)から第一乳化デバイス(22)へと、毎分0.5ガロン〜1000ガロンの速度で流れ、別の実施形態においては、毎分約10ガロン〜約600ガロンの速度で流れる。硝酸アンモニウムは一般に、水溶液として水混合物中に添加される。1つの実施形態において、水、アルコールおよび/または硝酸アンモニウムは、ダイナミックに混合され、そして燃料添加剤ストリームに連続的に供給される。別の実施形態において、水、不凍剤、硝酸アンモニウムまたはこれらの混合物は、分離タンクおよびまたはそれらの組み合わせから第一乳化デバイス(22)へと流れるか、または第一乳化デバイス(22)の前に混合される。1つの実施形態において、水アルコール、水−硝酸アンモニウム、または水アルコール硝酸アンモニウム混合物は、第一乳化デバイス(22)の前に、または第一乳化デバイス(22)において、直ぐに炭化水素燃料添加剤混合物に出会う。
【0026】
開始および停止の間、炭化水素燃料添加剤ストリームは、炭化水素燃料添加剤に対する水の比が、定常状態よりも決して大きくならないようなストリームである。
【0027】
1つの実施形態において、燃料添加剤タンク(10)と第一乳化デバイス(22)の間に、供給ポンプ(42)、フローメータ(44)、遮断バルブ(46)、チェックバルブ(48)、温度ゲージ(50)および圧力ゲージ(53)が、連続して配置される。1つの実施形態において、水タンク(14)と第一乳化デバイスとの間に、バルブ(54)、水供給ポンプ(56)、フローメータ(58)、遮断バルブ(60)およびチェックバルブ(62)が連続して配置される。
【0028】
第一剪断は、一般に、第一乳化デバイス(22)の中であり、そして一般に周囲条件下で進行する。第一の乳化は、一般に、約0psi〜約10psiの範囲、別の実施形態においては、約10psi〜約80psiの範囲、そして別の実施形態においては、約15psi〜約30psiの範囲の圧力低下で生じる。
【0029】
第一乳化デバイス(22)を使用して、成分を完全に混合し、燃料中のより不均一な水滴分布を生じ、そして水滴サイズを減少させるために必要ないくらかの剪断を与え、その結果、第二乳化デバイスは、所望の水滴サイズを提供する。この工程は、混合物を通じて、より不均一な成分濃度を分散させる。第一乳化デバイス(22)をまた使用して、第二乳化ミキサー(26)に供給される前に、添加剤が水性成分と良好に接触することを保証する。エマルジョンが1ミクロンより大きい(別の実施形態においては約1ミクロン〜約1000ミクロン、そして別の実施形態においては約50ミクロン〜約100ミクロン、そして別の実施形態においては約1ミクロン〜約20ミクロンの)平均液滴粒子サイズを有するように進行するまで、このエマルジョンは、第一乳化デバイス(22)において混合される。
【0030】
第一の乳化は、産業において使用される任意の方法(混合、機械的ミキサー攪拌、静的混合、剪断混合、音波混合、高圧ホモジナイザーなどが挙げられるが、これらに限定されない)によって生じる。第一乳化デバイスの例としては、Aquashear、パイプライン静的混合などが挙げられるが、これらに限定されない。Aquashearは、低圧の水力剪断デバイスである。材料は、混合チャンバへと、穿孔穴を有する2つの外装板を通される。この2つの板は、対抗する回転フローを引き起こし、そして材料の混合を可能にする。Aquashearミキサーは、Flow Process Technologies Inc.から入手できる。
【0031】
次いで、このエマルジョンは、導管(68)を通って、第二乳化デバイス(26)まで直接、第一乳化デバイス出口(64)から流れ出す。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間には、中間の維持タンクは存在しない。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間に、導管(68)に沿って、温度ゲージ(70)、圧力ゲージ(72)、バルブ(80)およびフローメーター(82)が連続して配置される。エマルジョンストリームは、第一乳化デバイス(22)から第二乳化デバイス(26)へと直接流れる。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間には、維持タンクは存在しない。このエマルジョンは、第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間で熟成されない。一般に、第一乳化デバイス(22)から第二乳化デバイス(26)へと、このエマルジョンが流れる時間は、5分未満であり、別の実施形態では4分未満であり、別の実施形態では3分未満であり、別の実施形態では2分未満であり、別の実施形態では1分未満であり、そして別の実施形態では30秒未満である。
【0032】
第二の乳化は、高剪断デバイスであり、そして周囲条件下で生じる。第二乳化デバイス(26)は、約0.01ミクロン〜約1ミクロンの範囲、別の実施形態においては約0.1、ミクロン〜約0.95ミクロンの範囲、別の実施形態においては約0.1ミクロン〜約0.8ミクロンの範囲、および別の実施形態においては約0.1ミクロン〜約0.7ミクロンの範囲の平均粒子液滴サイズを有するエマルジョンを生じる。本発明の重要な特徴は、水性燃料生成物の水相が、1ミクロン未満の平均直径を有する水滴から構成されることである。従って、この第二の乳化は、このような平均粒子サイズを提供するに十分な条件下で実施される。
【0033】
IKA Work Dispax、IK剪断ミキサーが挙げられるがこれらに限定されない、使用され得る高剪断デバイスとしては、3段階のローター/ステーターの組み合わせを有するDR3−6が挙げられる。このローター/ステータージェネレーターの先端速度は、モーターを制御する可変性周波数ドライブによって異なり得る。Silversonミキサーは、ローター/ステーター設計を組み込む2段階ミキサーである。このミキサーは、遠心分離ポンプに類似した高容量ポンピング特徴を有する。Silverson Corporationによるインライン剪断ミキサー(ローター−ステーター乳化アプローチ);Jet Mixers(ベンチュリ型/キャビテーション剪断ミキサー);Sonic Corp.により製造されたUltrasonolator(超音波乳化アプローチ);Microfluidics Inc.によって利用可能なMicrofluidizer(高圧ホモジナイゼーション剪断ミキサー);超音波ミキサー;および任意の他の利用可能な高剪断ミキサー。
【0034】
連続して使用され、そして最終剪断サイズについて使用される1以上の乳化デバイスが存在し得る。これらの乳化デバイスは、水滴の平均粒子サイズを、1ミクロン未満まで減少させる能力を有するべきである。少なくとも2つの乳化デバイスを連続して使用することによって、さらなる剪断が、エマルジョンに向けられる。このことは、全体の粒子サイズを減少させ、そしてエマルジョン安定性を増大させる。第一乳化デバイスおよび第二乳化デバイスについて記載されるミキサーは、一般に相互交換可能であるが、第二乳化デバイスは、高剪断デバイスである必要がある。
【0035】
次いで、このエマルジョンは、導管(86)を通って、第二乳化デバイス(84)から生成物タンク(18)へと流れる。導管(86)に沿って、サンプリングバルブ(88)、温度ゲージ(90)、圧力ゲージ(92)およびチェックバルブ(94)が連続して配置される。
【0036】
この連続プロセスは、一般に、周囲条件下で実行される。この連続プロセスは、一般に、大気圧で行われる。この連続プロセスは、一般に、周囲温度で生じる。1つの実施形態において、この温度は、周囲温度〜約212°Fの範囲であり、別の実施形態においては約40°F〜約150°Fの範囲である。
【0037】
プログラム可能な論理制御器(plc)(図1には示されない)は、水性炭化水素添加剤混合物、水および水性炭化水素燃料エマルジョンの連続的なフローを支配し、それによって所定の混和比に従って流速および混合比を制御するために提供される。このplcは、操作者による成分割合の入力を記憶する。次いで、plcは、これらの割合を使用して、必要な各成分の容積/フローを規定する。連続フローシークエンスは、plc中にプログラムされる。plcは、電子的に、全てのレベル切り替え、バルブ位置および流体メータをモニターする。
【0038】
(実施例1)
この実施例は、連続プロセスによる、水混和燃料生成物の作製を示す。以下の組成を有する混合物を、これらの成分を一緒に(使用)することによって調製した。
【0039】
23.8重量%の2−エチルヘキシルニトレート;
7.1重量%のヘキサデシルスクシネート−アミノエステル/塩界面活性剤;
9.3重量%の水中54重量%の硝酸アンモニウム;
40重量%の2000 Mn PIBスクシネート−アミノエステル−塩塩界面活性剤;
19.8重量%の1000 Mn PIBスクシネート−イミド/アミド界面活性剤。
【0040】
約2.5重量%の上記添加剤乳化混合物を、BP Low Sulfur Diesel Supreme燃料の約97.5重量%まで添加し、そして連続的に混合して、炭化水素燃料混合物を生成する。この炭化水素燃料混合物を、毎分9.92ガロンの流速で、室温にて、毎分約2.8ガロンの流速を有する水と混合した。次いで、この水−燃料を、導管を通して第一剪断ミキサーへとポンピングした。この第一剪断ミキサーは、毎分約12ガロンの流速で、約7psigの圧力低下を用いる、Aquashear Mixerであった。次いで、得られたエマルジョンを導管を通して第二剪断ミキサー(約8000rpm(1分当たりの回転)で作動する3つの超微細混合要素を有する、12 GPM IKA Works Dispaxミキサー)へとポンピングした。
【0041】
このプロセシングストリームを、第一剪断ミキサーの入り口の可能な限り近くで導入した。この生成物を、導管を通して、第二剪断ミキサーから生成物タンクへとポンピングした。バッチプロセスを介して作製された同一処方物を用いる連続プロセスによって作製された得られたエマルジョンの粒子サイズを、以下に示す:
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
最終生成物は、バッチ混和プロセスによって作製された粒子よりも小さい平均粒子サイズを代表的に有する水混和燃料エマルジョンである。この実施例は、連続プロセスが、粒子サイズ分析および最終エマルジョンの安定性によって測定されるように、バッチ生成水燃料と比較して、予期せず一貫した高品質を生じたことを示した。
【0044】
連続プロセスによって生成された水混和燃料生成物は、バッチプロセスによる処理時間よりも短い処理時間を含む。さらに、バッチプロセスにおいて、バッチ剪断プロセスの流体動力学に基づいて、水混和燃料生成物を生成するために必要とされる、最小で5の統計的タンクターンオーバーが存在する。統計的タンクターンオーバーの数は、混和ユニットのスループットと直接関連する。従って、同じ水混和燃料生成物を作製するための連続プロセスは、増大したスループットおよび効率に起因して、バッチプロセスを超えて重要である。
【0045】
(エンジン)
本発明に従って操作され得るエンジンとしては、移動手段(海を含む)および定置電力プラントの両方についての全ての圧縮点火(内燃機関)エンジン(ディーゼル、ガソリンなどを含むがこれらに限定されない)が挙げられる。使用され得るエンジンとしては、自動車、トラック(例えば、全てのクラスのトラック)、バス(例えば、市内バス)、機関車、重税ディーゼルエンジン、定置機関(どんな定義でも)などが挙げられるが、これらに限定されない。オン道路エンジンおよびオフ道路エンジン(on− and off− highway engine)(新しいエンジンおよび使用中のエンジンを含む)が含まれる。これらには、1サイクル当たり2ストローク型のディーゼルエンジンおよび1サイクル当たり4ストローク型のディーゼルエンジンが挙げられる。
【0046】
(水燃料エマルジョン)
1つの実施形態において、水燃料エマルジョンは、以下から構成される:連続燃料相;不連続な水相または水性相;および乳化量の乳化剤。このエマルジョンは、他の添加剤(セタン改善剤、有機溶媒、不凍剤などが挙げられるがこれらに限定されない)を含み得る。これらのエマルジョンは、以下の工程によって調製され得る:(1)標準的な混合技術を使用して、燃料、乳化剤および他の所望の添加剤を混合して、燃料−化学添加剤混合物(炭化水素燃料/添加剤混合物)を形成する工程;および(2)乳化条件下で、燃料−化学添加剤混合物を水(および必要に応じて不凍剤)と混合して、所望の水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する工程。あるいは、乳化剤において使用される水溶性化合物(iii)を、高剪断混合の前に水と混合し得る。
【0047】
水性炭化水素燃料エマルジョンの水相または水性相は、1.0ミクロン未満の平均直径を有する液滴からなる。従って、このエマルジョンは一般に、剪断混合によって生じ、そしてこのような液滴サイズを生じるのに十分な条件下で実施される。
【0048】
(液体炭化水素燃料)
液体炭化水素燃料は、炭化水素性石油留出燃料、非炭化水素性の水、油、植物由来の液体燃料、鉱物由来の液体燃料およびこれらの混合物を含む。液体炭化水素燃料は、任意および全ての炭化水素性石油留出燃料であり得、これには、ASTM Specification D439によって規定されるモーターガソリンまたはASTM Specification D396によって規定されるディーゼル燃料もしくは燃料油など(ケロシン、ナフサ、脂肪族化合物およびパラフィン系化合物)が挙げられるが、これらに限定されない。非炭化水素性物質を含む液体炭化水素燃料としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなど)、有機窒素化合物など;植物もしくは鉱物供給源由来の液体燃料(例えば、トウモロコシ、アルファルファ、頁岩、石炭など)。液体炭化水素燃料はまた、1以上の炭化水素性燃料および1以上の比炭化水素性物質を含む。このような混合物の例は、ガソリンおよびエタノールの組み合わせ、ならびにディーゼル燃料およびエーテルの組み合わせである。
【0049】
1つの実施形態において、この液体炭化水素燃料は、任意のガソリンである。一般に、ガソリンは、10%蒸留点にて約60℃〜90%蒸留点にて約205℃のASTM蒸留範囲を有する炭化水素の混合物である。1つの実施形態において、このガソリンは、約10ppm以下の塩素含量によって特徴付けられる、無塩素または低塩素のガソリンである。
【0050】
1つの実施形態において、この液体炭化水素燃料は、任意のディーゼル燃料である。これらのディーゼル燃料は代表的に、約300℃〜約390℃、そして1つの実施形態では約330℃〜約350℃の範囲の90%蒸留点温度を有する。これらの燃料の粘度は代表的に、40℃にて約1.3〜約24センチストークスの範囲に及ぶ。ディーゼル燃料は、ASTM D975に指定されるような、等級番号1−D、2−Dまたは4−Dのいずれかとして分類され得る。これらのディーゼル燃料は、アルコールおよびエステルを含み得る。1つの実施形態では、ディーゼル燃料は、ASTM D2622−87に指定される試験方法によって決定した場合に約0.05重量%までの硫黄含有量を有する(低硫黄ディーゼル燃料)。1つの実施形態では、ディーゼル燃料は、約10ppm以下の塩素含有量によって特徴付けられる、無塩素または低塩素のディーゼル燃料である。
【0051】
通常は液体の炭化水素燃料は、約50重量%〜約95重量%、そして1つの実施形態では約60重量%〜約95重量%、そして1つの実施形態では約65重量%〜約85重量%、そして1つの実施形態では約70重量%〜約80重量%の濃度で本発明の水性炭化水素燃料組成物中に存在する。
【0052】
(水)
水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する際に使用される水は、任意の供給源から採取され得る。この水としては、水道水、脱イオン水、脱塩水、例えば、逆浸透または蒸留などを使用して精製された水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
この水は、約1重量%〜約50重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約50重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約40重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約25重量%、そして1つの実施形態では約10重量(water)%〜約20重量(water)%の濃度で、本発明の水性炭化水素燃料組成物中に存在する。
【0054】
(乳化剤)
この乳化剤は、以下から構成される:(i)少なくとも1種の燃料可溶性生成物であって、該燃料可溶性生成物は、少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、該アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する;(ii)少なくとも1つのイオン性または非イオン性化合物であって、該イオン性または非イオン性化合物は、1実施形態では、約1〜約40、1実施形態では、約1〜約30、1実施形態では約1〜約20、および1実施形態では約1〜約15の親水性−親油性バランス(HLB)を有する;(iii)(i)および(ii)の混合物;または(iv)水溶性化合物であって、該水溶性化合物は、(i)、(ii)、または(iii)と組み合わせたアミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される。この乳化剤は、この水燃料乳化剤中にて、約0.05重量%〜約20重量%、1実施形態では、約0.05重量%〜約10重量%、および1実施形態では、約0.1重量%〜約5重量%、および1実施形態では、約0.1重量%〜約3重量%の濃度で、存在し得る。
【0055】
(燃料可溶性生成物(i))
燃料可溶性生成物(i)は、少なくとも1種の燃料可溶性生成物であり得、該燃料可溶性生成物は、少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、該アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する。
【0056】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、カルボン酸またはこのような酸の反応性等価物であり得る。これらの反応性等価物は、酸ハロゲン化物、無水物、またはエステル(部分エステルを含めて)などであり得る。これらのカルボン酸アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子、1実施形態では、約50個〜約300個の炭素原子、1実施形態では、約60個〜約200個の炭素原子を含有し得る。1実施形態では、これらのアシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約700〜約3000、1実施形態では、約900〜約2300の数平均分子量を有する。
【0057】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、1種またはそれ以上のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬(これは、そのカルボキシル基を除いて、2個〜約20個の炭素原子を含有する)と以下でさらに詳細に記述する1種またはそれ以上のオレフィン性重合体とを反応させることにより、製造され得る。
【0058】
このα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬は、本質的に、一塩基性または多塩基性のいずれかであり得る。この一塩基性α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸の例には、次式に相当するカルボン酸が挙げられる:
【0059】
【化1】
ここで、Rは、水素、または飽和脂肪族または脂環式アリール基、アルキルアリール基または複素環式基であり、好ましくは、水素または低級アルキル基であり、そしてR1は、水素または低級アルキル基である。RおよびR1の全炭素原子数は、一般に、約18個の炭素原子を超えない。有用な一塩基性α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸の特定の例には、アクリル酸;メタクリル酸;ケイ皮酸;クロトン酸;3−フェニルプロペン酸;α,β−デセン酸が挙げられる。これらの多塩基酸試薬は、好ましくは、ジカルボン酸であるが、トリ−およびテトラカルボン酸が、使用できる。例示の多塩基酸には、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸およびシトラコン酸が挙げられる。このα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬の反応性等価物には、上述の酸の無水物、エステルまたはアミド官能性誘導体が挙げられる。有用な反応性等価物は、無水マレイン酸である。
【0060】
このオレフィン重合体が誘導され得るオレフィンモノマーは、1個またはそれ以上のエチレン性不飽和基を有することにより特徴づけられる重合可能なオレフィンモノマーである。これらは、モノオレフィン性モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンおよび1−オクテン)またはポリオレフィン性モノマー(通常、ジオレフィン性モノマー(例えば、1,3−ブタジエンおよびイソプレン))であり得る。通常、これらのモノマーは、末端オレフィン(すなわち、>C=CH2基が存在することにより特徴づけられるオレフィン)である。しかしながら、ある種の内部オレフィン(これらは、時には、中間オレフィン(medial olefins)と呼ばれている)もまた、モノマーとして作用し得る。これらの中間オレフィンモノマーが用いられる場合、それらは、通常、インターポリマーであるオレフィン重合体を生成する末端オレフィンと組み合わせて、使用される。このオレフィン重合体はまた、芳香族基(特に、フェニル基および低級アルキル置換および/または低級アルコキシ置換フェニル基(例えば、パラ(第三級ブチル)フェニル基))および脂環式基(例えば、重合可能な環状オレフィンまたは脂環式置換した重合可能な環状オレフィン)を含有し得るものの、これらの炭化水素置換基は、通常、このような基を含有しない。それにもかかわらず、1,3−ジエンおよびスチレン(例えば、1,3−ブタジエンおよびスチレン)またはパラ(第三級ブチル)スチレンのようなインターポリマーから誘導したオレフィン重合体は、この一般規則の例外である。1実施形態では、このオレフィン重合体は、1種またはそれ以上のジエンから誘導した部分水素化重合体である。一般に、これらのオレフィン重合体は、約2個〜約30個の炭素原子、1実施形態では、約2個〜約16個の炭素原子を有する末端ヒドロカルビルオレフィンの単独重合体またはインターポリマーである。さらに典型的なクラスのオレフィン重合体は、2個〜約6個の炭素原子、特に、2個〜約4個の炭素原子を有する末端オレフィンの単独重合体およびインターポリマーからなる群から選択される。
【0061】
これらのオレフィン重合体を調製するために使用され得る末端オレフィンモノマーおよび中間オレフィンモノマーの特定の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、2−ペンテン、プロピレンテトラマー、ジイソブチレン、イソブチレントリマー、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1−ヘプテン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、スチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、アリルアルコール、1−メチル酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、エチルビニルエーテル、およびメチルビニルケトンが挙げられる。これらのうち、純粋なヒドロカルビルモノマーは、さらに典型的であり、末端オレフィンモノマーは、特に有用である。
【0062】
1実施形態では、これらのオレフィン重合体は、ルイス酸触媒(例えば、塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素)の存在下にて、C4精製流(これは、約35重量%〜約75重量%のブテン含量、および約30重量%〜約60重量%のイソブテン含量を有する)の重合により得られるもののようなポリイソブテン類である。これらポリイソブチレン類は、一般に、主として(すなわち、全繰り返し単位の約50重量%より多い量で)、次式の立体配置のイソブテン繰り返し単位を含有する:
【0063】
【化2】
1実施形態では、このオレフィン重合体は、約700〜約3000、1実施形態では、約900〜約2300の数平均分子量を有するポリイソブテン基(またはポリイソブチレン基)である。
【0064】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、以下の式に対応して表わされるヒドロカルビル置換コハク酸または無水物である:
【0065】
【化3】
ここで、Rは、約50個〜約500個の炭素原子、1実施形態では、約50個〜約300個の炭素原子、1実施形態では、約60個〜約200個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。マレイン酸またはその無水物またはその誘導体をハロ炭化水素でアルキル化することにより、またはマレイン酸またはその無水物を末端二重結合を有するオレフィン性重合体と反応させることにより、これらのヒドロカルビル置換コハク酸またはその無水物を生成することは、当業者に周知であり、本明細書中で詳細に述べる必要はない。
【0066】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤であり得、これは、ヒドロカルビル置換基およびコハク酸基からなる。これらのヒドロカルビル置換基は、上述のオレフィン性重合体から誘導される。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、このヒドロカルビル置換基の各当量に対して、その構造内に、平均して、少なくとも1.3個のコハク酸基、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個のコハク酸基、1実施形態では、約1.5個〜約2.5個のコハク酸基、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基が存在することにより、特徴付けられる。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、このヒドロカルビル置換基の各当量に対して、その構造内に、約1.0個〜約1.3個のコハク酸基、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基、1実施形態では、約1.0個〜約1.1個のコハク酸基が存在することにより、特徴付けられる。
【0067】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり、このポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有し、該第一ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられる。
【0068】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり、このポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有し、該ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられる。
【0069】
本発明の目的のために、このヒドロカルビル置換コハク酸のヒドロカルビル置換基の当量は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤中に存在している全ヒドロカルビル置換基の全重量をそのヒドロカルビル置換基が誘導されるポリオレフィンの数平均分子量(Mn)で割ることにより得られた数値であるとみなされる。それゆえ、もし、ヒドロカルビル置換アシル化剤が、40,000の全ヒドロカルビル置換基の全重量により特徴付けられ、それらのヒドロカルビル置換基が誘導されるポリオレフィンのMn値が2000であるなら、その置換コハク酸アシル化剤は、全体で20(40,000/2000=20)当量の置換基により、特徴付けられる。
【0070】
コハク酸基と、このヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤中に存在している置換基の当量との比(「コハク酸比」とも呼ばれる)は、従来技術(例えば、ケン価化または酸価)を使用して、当業者により決定できる。例えば、無水マレイン酸がアシル化プロセスにおいて用いられる場合のコハク化比を計算するには、以下の式が使用できる。
【0071】
【化4】
この等式では、SRは、コハク化比であり、Mnは、数平均分子量であり、そしてケン化価はケン化の値である。上記の等式では、アシル化剤のケン化価=最終反応混合物の測定したケン化価/AIであり、ここで、AIは、0と1の間の数(しかし、0には等しくない)として表わされる活性成分含量である。それゆえ、80%の活性成分含量は、0.8のAI値に対応する。このAI値は、カラムクロマトグラフィー(これは、最終反応混合物中の未反応ポリアルケンの量を決定するのに使用できる)のような技術を使用して、計算できる。概算としては、AIの値は、100から未反応ポリアルケンの割合を差し引いた後、100で割り、決定される。
【0072】
燃料可溶性生成物(i)は、アンモニアおよび/またはアミンを使用して、形成され得る。このアシル化剤と反応して生成物(i)を形成するのに有用なアミンには、モノアミン、ポリアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
これらのモノアミンは、アミン官能性を1個だけ有するのに対して、これらのポリアミンは、2個またはそれ以上のアミン官能性を有する。これらのアミンは、第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンであり得る。第一級アミンは、少なくとも1個の−NH2基が存在することにより、特徴付けられる;第二級アミンは、少なくとも1個のH−N<基が存在することにより、特徴付けられる。第三級アミンは、その−NH2基またはH−N<基中の水素原子をヒドロカルビル基で置き換えたこと以外は、第一級および第二級アミンと類似している。第一級および第二級モノアミンの例には、エチルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、アリルアミン、イソブチルアミン、ココアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、メチルラウリルアミン、オレイルアミン、N−メチルオクチルアミン、ドデシルアミンおよびオクタデシルアミンが挙げられる。第三級モノアミンの適切な例には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノメチルジメチルアミン、モノエチルジメチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルペンチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルヘプチルアミンおよびジメチルオクチルアミンが挙げられる。
【0074】
このアミンは、ヒドロキシアミンであり得る。このヒドロキシアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであり得る。典型的には、これらのヒドロキシアミンは、第一級、第二級または第三級アルカノールアミンである。
【0075】
このアルカノールアミンは、次式により表わされ得る:
【0076】
【化5】
ここで、上式では、各Rは、別個に、1個〜約8個の炭素原子のヒドロカルビル基、または2個〜約8個の炭素原子のヒドロキシ置換ヒドロカルビル基であり、そして各R’は、別個に、2個〜約18個の炭素原子を有するヒドロカルビレン(すなわち、二価炭化水素)基である。このような式中の−R’−OH基は、ヒドロキシ置換ヒドロキシロカルビレン基を表わす。R’は、環式基、脂環族基または芳香族基であり得る。1実施形態では、R’は、非環式の直鎖または分枝アルキレン基(例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,2−オクタデシレン基など)である。同一分子中に2個のR基が存在しているとき、それらは、直接の炭素−炭素結合により、またはヘテロ原子(例えば、酸素、窒素またはイオウ)を介して結合され、5員、6員、7員または8員環構造を形成し得る。このような複素環アミンの例には、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−モルホリン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−チオモルホリン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−ピペリジン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−オキサゾリジン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−チアゾリジンなどが挙げられる。しかしながら、典型的には、各Rは、別個に、7個までの炭素原子を有する低級アルキル基である。
【0077】
上記ヒドロキシアミンの適切な例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジ−(3−ヒドロキシプロピル)アミン、N−(3−ヒドロキシブチル)アミン、N−(4−ヒドロキシブチル)アミン、およびN,N−ジ−(2−ヒドロキシプロピル)アミンが挙げられる。
【0078】
このアミンは、アルキレンポリアミンであり得る。次式により表わされるアルキレンポリアミンは、特に有用である:
【0079】
【化6】
ここで、nは、1と約10の間、および1つの実施形態では約2〜約7の平均値を有し、「アルキレン」基は、1個〜約10個の炭素原子、1実施形態では、約2個〜約6個の炭素原子を有し、そして、各Rは、別個に、水素、約30個までの炭素原子の脂肪族基またはヒドロキシ置換脂肪族基である。これらのアルキレンポリアミンとしては、メチレンポリアミン、エチレンポリアミン、ブチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミンなどが挙げられる。このようなポリアミンの特定の例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ペンタエチレンヘキサミン、またはそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0080】
エチレンポリアミンは、有用である。これらは、「Ethylene Amines(エチレンアミン)」の表題で、Kirk Othmerの「Encyclopedia of Chemical Technology」(第2版、7巻、22〜37ページ、Interscience Publishers,New York(1965年))に詳細に記述されている。これらのポリアミンは、二塩化エチレンとアンモニアとの反応によってか、またはエチレンイミンと開環試薬(例えば、水、アンモニアなど)との反応によって調製される。これらの反応の結果、環状縮合生成物(例えば、ピペラジン)を含む、ポリアルキレンポリアミンの錯体混合物が生成する。
【0081】
1実施形態では、このアミンは、ポリアミンボトムス(polyamine bottoms)またはヘビーポリアミン(heavy polyamine)である。「ポリアミンボトムス」との用語は、これらのポリアミンボトムスを残基として残すように、ポリアミン混合物をストリッピングして、低分子量ポリアミンおよび揮発性成分を除去することにより得られるポリアミンを意味する。1実施形態では、これらのポリアミンボトムスは、約2重量%未満の全ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを有するとして特徴付けられる。有用なポリアミンボトムスは、E−100の商品名称で、Dow Chemicalから入手できる。この物質は、15.6℃で1.0168の比重、33.15重量%の窒素含量、および40℃で121センチストークスの粘度を有するとして、記述されている。使用され得る別のポリアミンボトムスは、HPA−Xの商品名称で、Union Carbideから市販されている。このポリアミンボトムス生成物は、環状縮合生成物(例えば、ピペラジン)およびジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンのより高級な同族体(higher analog)などを含有する。
【0082】
「ヘビーポリアミン」との用語は、1分子あたり7個以上の窒素原子を含有するポリアミン、または1分子あたり7個以上の窒素、および1分子あたり2個以上の第一級アミンを含有するポリアミンオリゴマーを意味する。これらは、欧州特許第EP0770098号に記載されており、その内容は、このようなヘビーポリアミンの開示について、本明細書中で参考として援用されている。
【0083】
燃料可溶性生成物(i)は、塩、エステル、エステル/塩、アミド、イミド、またはそれらの2種以上の組合せであり得る。この塩は、このアシル化剤およびアンモニアまたはアミンの分子残基を含む内部塩であり得、ここで、これらのカルボキシル基の1個は、同じ基内の窒素原子にイオン結合する;または、それは、外部塩であり得、ここで、そのイオン性の塩は、同じ分子の一部ではない窒素原子で形成される。1実施形態では、このアミンは、ヒドロキシアミンであり、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換無水コハク酸であり、得られる燃料可溶性生成物は、半分のエステルおよび半分の塩(すなわち、エステル/塩)である。1実施形態では、このアミンは、アルキレンポリアミンであり、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換無水コハク酸であり、得られる燃料可溶性生成物は、スクシンイミドである。
【0084】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、所望の生成物の形成を提供する条件下にて実行される。典型的には、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤およびアンモニアまたはアミンは、共に混合され、そして必要に応じて、通常液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下で、所望生成物が形成されるまで、約50℃〜約250℃、1実施形態では、約80℃〜約200℃の範囲の温度まで、加熱される。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤およびアンモニアまたはアミンは、アンモニアまたはアミン1当量あたり、約0.3〜約3当量のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤を提供するのに十分な量で反応される。1実施形態では、この比は、約0.5:1〜約2:1であり、1実施形態では、約1:1である。
【0085】
1実施形態では、燃料可溶性生成物(i)は、以下の(i)(a)および(i)(b)を含有する:(i)(a)第1燃料可溶性生成物であって、この第1燃料可溶性生成物は、第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、この第1アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する;および(i)(b)第2燃料可溶性生成物であって、この第2燃料可溶性生成物は、第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、この第2アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する。この実施形態では、生成物(i)(a)および(i)(b)は、異なる。例えば、第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量は、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量とは異なり得る。1実施形態では、第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約1500〜約3000の範囲、1実施形態では、約1800〜約2300の範囲であり得、そして、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の範囲であり得る。第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、このポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有する。第1ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、少なくとも約1.3個、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。第1燃料可溶性生成物(i)(a)で使用されるアミンは、アルカノールアミンであり得、その生成物は、エステル/塩の形状であり得る。第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、この第2ポリイソブテン置換無水コハク酸のポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有する。この第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。この第2燃料可溶性生成物(i)(b)で使用されるアミンは、アルカノールアミンであり得、その生成物は、エステル/塩の形状であり得るか、またはこのアミンは、アルキレンポリアミンであり得、その生成物は、スクシンイミドの形状であり得る。燃料可溶性生成物(i)は、以下から構成され得る:約1重量%〜約99重量%、1実施形態では、約30重量%〜約70重量%の生成物(i)(a);および約99重量%〜約1重量%、1実施形態では、約70重量%〜約30重量%の生成物(i)(b)。
【0086】
1実施形態では、燃料可溶性生成物(i)は、以下の(i)(a)および(i)(b)を含有する:(i)(a)第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤であって、この第1アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する、第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤;および(i)(b)第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤であって、この第2アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有し、この第1アシル化剤および第2アシル化剤は、同一または異なり;この第1アシル化剤および第2アシル化剤は、2個以上の第一級アミノ基、2個以上の第二級アミノ基、少なくとも1個の第1級アミノ基および少なくとも1個の第二級アミノ基、少なくとも2個の水酸基、または少なくとも1個の第1級または第二級アミノ基および少なくとも1個の水酸基を有する化合物から誘導した連結基により、共にカップリングされており;このカップリングしたアシル化剤は、アンモニアまたはアミンと反応される。第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量は、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量と同一または異なり得る。1実施形態では、第1および/または第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約1500〜約3000の範囲、1実施形態では、約1800〜約2300の範囲であり得る。1実施形態では、第1および/または第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の範囲であり得る。第1および/または第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、そのポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有する。第1および/または第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、少なくとも約1.3個、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。第1および/または第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、そのポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有する。第1および/または第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。その連結基は、上述のアミンまたはヒドロキシアミンのいずれかから誘導され得、これらは、2個以上の第一級アミノ基、2個以上の第二級アミノ基、少なくとも1個の第一級アミノ基および少なくとも1個の第二級アミノ基を有するか、または少なくとも1個の第一級または第二級アミノ基および少なくとも1個の水酸基を有する。この連結基はまた、ポリオールから誘導され得る。このポリオールは、次式により表わされる化合物であり得る:
R−(OH)m
ここで、上式では、Rは、mの原子価を有する有機基であり、Rは、炭素−酸素結合を介して、このOH基に結合され、そしてmは、2〜約10、1実施形態では、2〜約6の整数である。このポリオールは、グリコールであり得る。アルキレングリコールが有用である。使用され得るポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、1,7−ヘプタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,2,5−ヘキサントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、1,10−デカンジオール、ジギタロース、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールエタン)、または2−ヒドロキシメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)などが挙げられる。前述のものの2種以上の混合物が、使用され得る。
【0087】
これらの連結生成物の調製で利用される反応物の比は、広範囲にわたって変わり得る。一般に、第1および第2アシル化剤の各々の各当量に対して、少なくとも約1当量の連結化合物が使用される。連結化合物の上限は、第1および第2アシル化剤の各当量に対して、約2当量の連結化合物である。一般に、第1アシル化剤:第2アシル化剤の当量比は、約4:1〜約1:4、1実施形態では、約1.5:1である。
【0088】
第1および第2アシル化剤の当量数は、各々に存在しているカルボン酸官能基の総数に依存している。これらのアシル化剤の各々に対する当量数を決定する際に、カルボン酸アシル化剤として反応できないカルボキシル官能性は、除外される。しかしながら、一般に、これらのアシル化剤中の各カルボキシ基について、1当量の各アシル化剤が存在している。例えば、1モルのオレフィン重合体および1モルの無水マレイン酸の反応から誘導される無水物中なら、2当量が存在することになる。
【0089】
1当量のポリアミンの重量は、ポリアミンの分子量を、この分子に存在する窒素の総数により除算したものである。ポリアミンが、連結化合物として用いられる場合、第三級アミノ基を計数しない。1当量のポリアミンの市販の混合物の重量は、窒素の原子量(14)を、ポリアミンの中に含まれる%Nで除算することにより、決定され得;従って、34の%Nを有するポリアミン混合物は、41.2の当量を有する。1当量のアンモニアまたはモノアミンの重量は、それらの分子量に等しい。
【0090】
1当量のポリオールの重量は、その分子量を、分子の中に存在するヒドロキシル基の総数により除算したものである。従って、1当量のエチレングリコールの重量は、その分子量の1/2である。
【0091】
連結化合物として使用される1当量のヒドロキシアミンの重量は、その分子量を、分子の中に存在する−OH基、>NH基および−NH2基の総数により除算したものに等しい。
【0092】
第1および第2アシル化剤は、従来のエステルおよび/またはアミド形成技術に従って、この連結化合物と反応され得る。これは、通常、必要に応じて、通常液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下でアシル化剤と連結化合物とを加熱することを含む、少なくとも約30℃の温度から最も低い分解温度を有する反応成分および/または生成物の分解温度までの温度が用いられ得る。この温度は、これらのアシル化剤が無水物である場合、約50℃〜約130℃、1実施形態では、約80℃〜約100℃の範囲であり得る。他方、これらのアシル化剤が酸である場合、この温度は、約100℃〜約300℃の範囲であり得、約125℃〜約250℃の範囲の温度が、しばしば、使用される。
【0093】
この反応により製造した連結生成物は、これらのアシル化剤の各々の電荷および連結化合物上の反応部位の数に依存した統計的混合物の形態であり得る。例えば、等モル比の第1および第2アシル化剤を、エチレングリコールと反応させる場合、その生成物は、以下の(1)、(2)および(3)の混合物から構成される:(1)1分子の第1アシル化剤がエチレングリコールを介して1分子の第2アシル化剤と連結した化合物の約50%;(2)2分子の第1アシル化剤がエチレングリコールを介して結合した化合物の約25%;および(3)2分子の第2アシル化剤がエチレングリコールを介して共に結合した化合物の約25%。
【0094】
連結されたアシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、従来の技術を用いて塩、エステル/塩、アミドまたはイミド形成条件下で実行され得る。代表的には、これらの成分は互いに混合され、そして、必要に応じて、通常の液体(実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤)の存在下で、所望の塩生成物が形成されるまで、約20℃から、最も低い分解温度を有する反応成分および/または生成物の分解温度までの範囲の温度、および1つの実施形態では、約50℃〜130℃の範囲の温度、および1つの実施形態では約80℃〜約110℃の範囲の温度まで加熱される。
【0095】
以下の実施例は、上記の燃料可溶性生成物の調製を例証するために提供される。
【0096】
(実施例2)
12リットルの4つ口フラスコに、Adibis ADX 101G(7513g)を充填する。Adibis ADX 101G(これは、Lubrizol Adibisから入手可能な生成物である)は、ポリイソブテン置換無水コハク酸の混合物から構成され、ここで60重量%が第1ポリイソブテン置換無水コハク酸(ここで、このポリイソブテン置換基は、2300の数平均分子量を有し、そして80重量%のメチルビニリデン異性体含量を有するポリイソブテンから誘導される)であり、そして40重量%が、第2のポリイソブテン置換無水コハク酸である(ここで、このポリイソブテン置換基は、1000の数平均分子量を有し、そして85重量%のメチルビニリデン異性体含量を有するポリイソブテンから誘導される)。生成物は、30重量%の希釈オイル含量、および1.4のコハク酸化(succination)比(未反応ポリイソブテンについて補正した後)を有する。このフラスコにオーバーヘッドスターラー、熱電対、頂部に窒素の入口を備えた添加漏斗、および凝縮器を備え付ける。無水コハク酸混合物を撹拌し、そして95℃まで加熱し、そしてエチレングリコール(137g)を、5分間かけて、添加漏斗で添加する。得られる混合物を撹拌し、そして102〜107℃で4時間維持する。反応温度が107℃を超えないように、ジメチルエタノールアミン(392g)をこの混合物に30分間かけて充填する。この混合物を2時間100〜105℃で維持し、ろ過し、褐色の粘性の生成物を得る。
【0097】
(実施例3)
3リットルの4つ口フラスコに、Adibis ADX 101G(1410g)を充填する。このフラスコにオーバーヘッドスターラー、熱電対、頂部に窒素の入口を備えた添加漏斗、および凝縮器を備え付ける。無水コハク酸混合物を撹拌し、そして61℃まで加熱する。エチレングリコール(26.3g)を、5分間かけて、添加漏斗で添加する。得られる混合物を撹拌し、そして105〜110℃に加熱し、その温度で4.5時間維持する。この混合物を96℃に冷却し、反応温度が100℃を超えないように、ジメチルアミノエタノール(77.1g)をこの混合物に5分間かけて充填する。この混合物を1時間95℃で維持し、次いで、160℃で4時間維持する。生成物は、褐色の粘性生成物である。
【0098】
燃料可溶性生成物(i)は、水燃料エマルジョン中、エマルジョンの総重量に基づいて、約15重量%までの濃度、そして1つの実施形態において約0.1〜約15重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約10重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約5重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約2重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約1重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約0.7重量%の濃度で存在し得る。
【0099】
(イオン性または非イオン性化合物(ii))
イオン性または非イオン性化合物(ii)は、約1〜約40、そして1つの実施形態において、約4〜約15の範囲の親水性−親油性バランス(HLB、これは、界面活性剤分子上の極性(親水性)基および非極性(親油性)基のサイズおよび強度をいう)を有する。これらの化合物の例は、North American & International Editionの「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」、1998に開示される。North American Edition,1−235頁、およびInternational Editionの1−199頁は、約1〜約40(1つの実施形態において約1〜約30、1つの実施形態において約1〜20、そして別の実施形態において約1〜約10)の範囲のHLBを有するこのようなイオン性および非イオン性化合物の開示について本明細書中で参考として援用される。有用な化合物には、アルカノールアミド、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシド、ポリ(オキシアルキレン)化合物(アルキレンオキシド繰返し単位を含むブロックコポリマーを含む)、カルボキシル化アルコールエトキシレート、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アミンおよびアミド、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪エステルおよびオイル、脂肪エステル、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、グリコールエステル、ソルビタンエステル、イミダゾリン誘導体、レシチンおよび誘導体、リグニンおよび誘導体、モノグリセリドおよび誘導体、オレフィンスルホネート、リン酸エステルおよび誘導体、プロポキシル化およびエトキシル化脂肪酸またはアルコールまたはアルキルフェノール、ソルビタン誘導体、スクロースエステルおよび誘導体、スルフェートまたはアルコールまたはエトキシル化アルコールまたは脂肪エステル、ドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホン酸塩、または縮合ナフタレンまたは石油、スルホサクシネートおよび誘導体、ならびにトリデシルおよびドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
【0100】
1つの実施形態において、このイオン性または非イオン性化合物(ii)は、約12〜約30個の炭素原子を有するアシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることによって作製される燃料可溶性生成物である。このアシル化剤は、約12〜約24個の炭素原子を含み得、そして1つの実施形態において、約12〜約18個の炭素原子を含み得る。このアシル化剤は、カルボン酸またはその反応性等価物であり得る。この反応性等価物には、酸ハライド、無水物、エステルなどが挙げられる。これらのアシル化剤は、一塩基酸または多塩基酸であり得る。この多塩基酸は、好ましくは、ジカルボン酸であるが、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸も使用され得る。これらのアシル化剤は脂肪酸であり得る。例には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらのアシル化剤は、それぞれ以下の式で表される、コハク酸または無水コハク酸であり得る:
【0101】
【化7】
ここで、上述の式の各Rは、約10〜約28個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、そして1つの実施形態では、約12〜約20個の炭素原子のヒドロカルビル基である。例としては、テトラプロピレン置換のコハク酸または無水コハク酸、ヘキサデシルコハク酸または無水ヘキサデシルコハク酸などが挙げられる。アミンは、燃料可溶性生成物(i)を作製する際に有用であるような上記のアミンのいずれかであり得る。アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応生成物は、塩、エステル、アミド、イミドまたはそれらの組み合わせであり得る。この塩は、アシル化剤の分子の残基およびアンモニアまたはアミンの分子の残基を含む、カルボキシル基の1つが同じ基内の窒素原子にイオン結合する内部塩であり得るか;または同じ分子の一部ではない窒素原子でイオン塩の基が形成される外部塩であり得る。アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、所望の生成物の形成のために提供された条件下で行われる。代表的には、アシル化剤およびアンモニアまたはアミンが一緒に混合され、そして所望の生成物が形成するまで、必要に応じて通常は液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下で、約50℃〜約250℃(1つの実施形態では、約80℃〜約200℃)の範囲の温度に加熱される。1つの実施形態では、アシル化剤およびアンモニアまたはアミンを、アンモニアまたはアミンの1当量あたり、約0.3〜約3当量のアシル化剤を提供するに十分な量で反応させる。1つの実施形態では、この比は、約0.5:1から約2:1までであり、そして1つの実施形態では、約1:1である。
【0102】
1つの実施形態では、イオン性または非イオン性の化合物(ii)は、無水ヘキサデシルコハク酸とジメチルエタノールアミンとを、約1:1から約1:1.5までの当量比(すなわち、カルボニル:アミンの比)(1つの実施形態では、約1:1.35)で反応させることにより作製されるエステル/塩である。
【0103】
イオン性または非イオン性の化合物(ii)は、約15重量%まで、そして1つの実施形態では、約0.01〜約15重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約10重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約5重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約3重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約1重量%の濃度で、水燃料エマルジョン中に存在し得る。
【0104】
(水溶性化合物)
水溶性化合物は、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、またはこれらの2つ以上の混合物であり得る。これらの化合物は、上記の燃料可溶性生成物(i)およびイオン性または非イオン性化合物(ii)とは異なる。これらの水溶性化合物としては、有機硝酸アミン、硝酸エステル、アジド、ニトラミン、およびニトロ化合物が挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、硫化物、スルホン酸塩なども含まれる。
【0105】
以下の式
k[G(NR3)y]y+nXp−
により表されるアミンまたはアンモニウム塩が特に有用であり、ここでGは、水素または1〜約8個の炭素原子(そして1つの実施形態では1〜約2個の炭素原子)のy価を有する有機基であり;各Rは、独立して水素または1〜約10個の炭素原子(そして1つの実施形態では1〜約5個の炭素原子、そして1つの実施形態では、1〜約2個の炭素原子)のヒドロカルビル基であり;Xp−は、p価を有するアニオンであり;そしてk、y、nおよびpは、独立して少なくとも1の整数である。GがH、yが1である場合、正電荷ky+の和は、負電荷nXp−の和に等しい。1つの実施形態では、Xは、硝酸イオンであり;そして1つの実施形態では、Xは、酢酸イオンである。例としては、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸メチルアンモニウム、酢酸メチルアンモニウム、エチレンジアミン二酢酸、硝酸尿素、尿素および硝酸グアニジウムが挙げられる。硝酸アンモニウムは、特に有用である。
【0106】
1つの実施形態では、水溶性化合物は、エマルジョン安定剤として機能する。すなわち、これは、水燃料エマルジョンを安定化するように作用する。従って、1つの実施形態において、水溶性化合物は、エマルジョン安定量で水燃料エマルジョン中に存在する。
【0107】
1つの実施形態では、この水溶性化合物は、燃焼改良剤として機能する。燃焼改良剤は、燃料組成物の質量燃焼速度を増加させる能力により特徴付けられる。このような燃焼改良剤の存在は、エンジンの出力の改善をもたらす。従って、1つの実施形態において、水溶性化合物は、燃焼改善量で水燃料エマルジョン中に存在する。
【0108】
この水溶性化合物は、約0.001〜約1重量%(1つの実施形態では、約0.01〜約1重量%)の濃度で、水燃料エマルジョン中に存在し得る。
【0109】
(セタン向上剤)
1つの実施形態では、水燃料エマルジョンは、セタン向上剤を含む。有用であるセタン向上剤としては、過酸化物、ニトレート、ニトリト、ニトロカルバメートなどが挙げられるが、これらに限定されない。有用なセタン向上剤としては、ニトロプロパン、ジニトロプロパン、テトラニトロメタン、2−ニトロ−2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。置換または非置換の脂肪族アルコールまたは脂環式アルコール(これらのアルコールは、一価であってもよいし、多価であってもよい)の硝酸エステルもまた含まれる。これらとしては、約10個までの炭素原子(1つの実施形態では、約2〜約10個の炭素原子)を有する置換または非置換のアルキルニトレートまたはシクロアルキルニトレートが挙げられる。アルキル基は、直鎖アルキル基もしくは分枝アルキル基、または直鎖アルキル基および分枝アルキル基の混合のいずれかであり得る。例としては、メチルニトレート、エチルニトレート、n−プロピルニトレート、イソプロピルニトレート、アリルニトレート、n−ブチルニトレート、イソブチルニトレート、sec−ブチルニトレート、tert−ブチルニトレート、n−アミルニトレート、イソアミルニトレート、2−アミルニトレート、3−アミルニトレート、tert−アミルニトレート、n−ヘキシルニトレート、n−ヘプチルニトレート、n−オクチルニトレート、2−エチルヘキシルニトレート、sec−オクチルニトレート、n−ノニルニトレート、n−デシルニトレート、シクロペンチルニトレート、シクロヘキシルニトレート、メチルシクロヘキシルニトレートおよびイソプロピルシクロヘキシルニトレートが挙げられる。アルコキシ置換脂肪族アルコールの硝酸エステル(例えば、2−エトキシエチルニトレート、2−(2−エトキシ−エトキシ)エチルニトレート、1−メトキシプロピル−2−ニトレート、4−エトキシブチルニトレートなど)、およびジオールニトレート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジニトレート)もまた、有用である。特に有用なセタン向上剤は、2−エチルヘキシルニトレートである。
【0110】
水燃料エマルジョン中のセタン向上剤の濃度は、所望のセタン価をこのようなエマルジョンに提供するに十分な任意の濃度であり得る。1つの実施形態では、セタン向上剤の濃度は、約10重量%までのレベルであり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約10重量%であり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約5重量%であり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約1重量%である。
【0111】
(さらなる添加剤)
前述の材料に加えて、当業者に周知である他の燃料添加剤が、本発明の水燃料エマルジョンに使用され得る。これらには、染料、アルキル化コハク酸および無水アルキル化コハク酸のようなさび止め剤、細菌発育阻止剤、ゴム状化インヒビター、金属非活性化剤、シリンダー上部の潤滑剤などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのさらなる添加剤は、水燃料エマルジョンの総重量に基づいて約1重量%までの濃度で使用され得、そして1つの実施形態では、約0.01〜約1重量%である。
【0112】
本発明の水燃料エマルジョン中の化学添加剤(上記の乳化剤を含む)の総濃度は、約0.05〜約30重量%であり得、そして1つの実施形態では、約0.1〜約20重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約15重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約10重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約5重量%の範囲であり得る。
【0113】
(有機溶媒)
添加剤(上記の乳化剤を含む)は、ナフサ、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはディーゼル燃料のような実質的に不活性な、通常は液体の有機溶媒で希釈されて、添加剤濃縮物を形成し得、これは次いで、燃料および水と混合されて、水燃料エマルジョンを形成する。これらの濃縮物(推定)は、一般に、約10重量%〜約90重量%の前述の溶媒を含む。
【0114】
これらの水燃料エマルジョンは、約60重量%まで(1つの実施形態では、約0.01〜約50重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約20重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約5重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約3重量%)の有機溶媒を含み得る。
【0115】
(不凍剤)
1つの実施形態では、本発明の水燃料エマルジョンは、不凍剤を含む。不凍剤は、代表的にはアルコールである。例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、グリセロールおよびこれらの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。不凍剤は、代表的には、水燃料エマルジョン中で使用される水の凍結を防ぐに十分な濃度で使用される。従って、この濃度は、燃料が貯蔵もしくは使用される温度に依存する。1つの実施形態では、この濃度は、水燃料エマルジョンの重量に基づいて、20重量%までのレベルであり、そして1つの実施形態では、約0.1〜約20重量%であり、そして1つの実施形態では、約1〜約10重量%である。
【0116】
(実施例4)
本実施例は、本発明の水−ディーゼル燃料エマルジョンの例示的な例を提供する。以下に示される数値は、重量部である。
【0117】
【表3】
1無水ヘキサデシルコハク酸とジメチルエタノールアミンとを、1:1.35のモル比で反応させることによって調製された、エステル/塩。
2脂肪族溶媒。
【0118】
エマルジョンを、従来の混合を使用して、水を除いて、処方物AおよびBにおける全ての成分を混合することによって調製する。次いで、得られたディーゼル燃料−化学添加剤混合物を、高剪断混合条件下で水と混合して、水−ディーゼルエマルジョンを得る。高剪断ミキサーは、Advanced Engineering Ltd.によって、Model No.ADIL 4S−30で提供され、これは、4つの超微細分散ヘッド(superfine dispersion heads)および二重作用メカニカルシールを備えた、4段階複数剪断インラインミキサーとして識別される。
【0119】
(実施例5)
水−燃料エマルジョンについてのさらなる処方物を以下に示す。以下に示される数値は、重量部である。以下に示される乳化剤1は、実施例3に示される乳化剤と同じである。乳化剤2は、ポリイソブテン−(Mn=2000)置換無水コハク酸(ポリイソブテンに対するコハク酸基の当量比が1.7)をジメチルエタノールアミンと、1:1の当量比(1モルの無水コハク酸基 対 2モルのアミン)で反応させることによって調製されるエステル/塩である。乳化剤3は、ポリイソブテン−(Mn=1000)置換無水モノコハク酸およびエチレンポリアミン混合物(約80重量%のヘビーポリアミンおよび20重量%のジエチレントリアミンからなる)から誘導されるスクシンイミドである。有機溶媒は、芳香族溶媒である。
【0120】
【表4】
(実施例6)
【0121】
【表5】
(実施例7)
実施例および本発明の上記説明から、当業者は、本発明における改良、変更および改変を認知する。このような改良、変更および改変は、特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【0122】
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明してきたが、明細書を読むに際してそれらの種々の改変が当業者に明らかとなることが理解されるべきである。従って、本明細書中で開示される発明が、添付の請求の範囲の範囲内に含まれる場合には、そのような改変を網羅することが意図されることが理解されるべきである。
本願は、米国特許出願09/483,481(2000年1月14日出願)(これは、米国特許出願09/349,268(1999年7月7日出願)の一部継続である、米国特許出願09/390,925(1999年9月7日出願)の一部継続である)の一部継続である。これらの先願の開示全ては、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、連続プロセスにより水性炭化水素燃料組成物を作製するためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、ディーゼル燃料またはガソリンの様な水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスに関する。
【0003】
(発明の背景)
燃焼室内で燃料と混合した水を使用する内燃機関、特にディーゼル機関は、出力単位あたり低いNOx、炭化水素、および粒子状の排出物を生成し得る。窒素酸化物は、スモッグおよび汚染の原因となるので、環境的な問題である。政府の規制および環境問題は、機関からのNOxの排出を減少する必要性に駆られている。
【0004】
ディーゼル燃料機関は、燃焼の間に達成される比較的高い炎温度に起因して、NOxを生成する。NOxの生成の減少は、触媒コンバーターの使用、「クリーンな」燃料の使用、排気ガスの再循環および機関のタイミング変化を伴う。これらの方法は、代表的に、高価であるかまたは商業的な使用を複雑にする。
【0005】
水は、燃焼に対して不活性であるが、最大燃焼温度が低くなるほど、粒子およびNOxの形成が減少する。水が燃料に添加される場合、水はエマルジョンを形成し、そしてこれらのエマルジョンは一般に、不安定である。小さい粒子サイズの適切な燃料中水型エマルジョンを達成しそして維持することは困難である。連続的に作製され得、かつ貯蔵中に安定であり得る、安定な燃料中水型エマルジョンを作製することが有益である。
【0006】
バッチブレンドプロセスよりも増加した処理量、増加した剪断効率、および費用効果に起因して、連続プロセスによって安定な燃料中水型エマルジョンを生成することが有益である。出願人は、小さい粒子サイズの安定な燃料中水型エマルジョンを作製するための連続プロセスを発見した。
【0007】
本明細書中で使用する場合、用語「NOx」とは、窒素酸化物である、NO、NO2、N2Oまたはそれら2つ以上の混合物のいずれかをいう。用語「水性炭化水素燃料エマルジョン」および「水燃料エマルジョン」は、交換可能である。用語「水性炭化水素燃料」および「水燃料ブレンド」は、交換可能である。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスに関し、このプロセスは、(1)液体炭化水素燃料および乳化剤を混合して、炭化水素燃料/添加剤混合物を形成する工程:(2)この炭化水素燃料/添加剤混合物を、剪断条件下で水と乳化させて、水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する工程であって、ここでこの乳化は少なくとも2つの乳化剤によって連続して達成される、工程、を包含する。この水性炭化水素燃料エマルジョンは、連続した燃料相中に不連続な水相を含む。この不連続な水相は、水性炭化水素燃料エマルジョンが第2の乳化剤により処理される時点までに、1.0ミクロンの平均直径を有する水性液滴を含む。
【0009】
この水炭化水素燃料エマルジョンは、水、燃料(例えば、ディーゼル、ガソリンなど)および乳化剤から構成される。乳化剤は、以下を含むが、これらに限定されない:(i)少なくとも1つのヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの反応により作製される少なくとも1つの燃料可溶性生成物であって、このアシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50〜約500個の炭素原子を有する、燃料可溶性生成物;(ii)約1〜約40の親水性−親油性バランス(HLB)を有するイオン性化合物または非イオン性化合物のうちの少なくとも1つ;(iii)(i)および(ii)の混合物;または(iv)(i)、(ii)または(iii)と組み合わせた、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、硝酸エステル、ニトロアミン、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩からなる群から選択される水溶性化合物。
【0010】
水炭化水素燃料エマルジョンは、必要に応じて、添加剤を含む。この添加剤としては、限定されないが、セタン向上剤、有機溶媒、不凍剤、界面活性剤、燃料におけるそれらの使用について公知の他の添加剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0011】
本発明はさらに、水性炭化水素燃料を連続的に作製するための装置を提供し、この装置は、以下:少なくとも2つの乳化剤(連続して);炭化水素燃料/添加剤混合物を含むタンク、または炭化水素燃料、乳化剤、添加剤、水、不凍剤もしくはそれらの組み合わせのための別個のタンク;この炭化水素燃料、添加剤および/または乳化剤を、このタンクから第1の乳化デバイスに移送するためのポンプおよび導管;水を、水供給源から第1の乳化デバイスに移送するための導管:水性炭化水素燃料エマルジョンを、第1の乳化デバイスから第2の乳化デバイスに移送するための導管;この水性炭化水素燃料エマルジョンを、第2の乳化デバイスから燃料貯蔵タンクに移送するための導管;この燃料貯蔵タンクから水性炭化水素燃料エマルジョンを分配するための導管;(i)タンクから第1の乳化デバイスへの成分の移送、(ii)水供給源から第1の乳化デバイスへの水の移送、(iii)第1の乳化デバイスにおける炭化水素燃料/添加剤混合物と水との乳化、(iv)第1の乳化デバイスから第2の乳化デバイスの水性炭化水素燃料エマルジョンの移送、(v)第2の乳化デバイスにおける炭化水素燃料エマルジョンのさらなる乳化、および(vi)第2の乳化デバイスから燃料貯蔵タンクへの水性炭化水素燃料エマルジョンの移送、を制御するためのプログラム可能制御装置;および(vii)このプログラム可能制御装置を制御するためのコンピューター、を備える。
【0012】
一実施形態において、この連続プロセスのための装置は、自動的に作動するコンテナ移送型装置の形態である。このユニットは、その設置場所でプログラムされそして局所的にモニタリングされ得るか、またはこのユニットは、その設置場所から離れた位置からプログラムされそしてモニタリングされ得る。この水燃料ブレンドは、その設置場所で、最終消費者に分配される。このことは、本発明に従って調製された水性炭化水素燃料エマルジョンを広範な分布のネットワークにおける最終消費者に対して利用可能にする方法を提供する。
【0013】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書中で使用する場合、用語「ヒドロカルビル置換基」、「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビルで置換された」、「炭化水素基」などは、分子の残部に直接結合した1つ以上の炭素原子を有し、炭化水素または主に炭化水素の特性を有する基をいうために使用される。例としては、以下が挙げられる:
(1)純粋な炭化水素基、すなわち、脂肪族基(例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキレン)、および脂環式基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、芳香族基、および芳香族置換芳香族基、脂肪族置換芳香族基および脂環式置換芳香族基、ならびに環式基(ここで環は分子の別の部分を介して完成される(例えば、2つの置換基が一緒になって脂環式基を形成する));
(2)置換炭化水素基、すなわち、本発明の状況において、この基の主な炭化水素特性を変更しない非炭化水素基(例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソおよびスルホキシ)を含む炭化水素基;
(3)ヘテロ置換炭化水素基、すなわち、本発明の状況において、主な炭化水素特性を有しつつ、環内またはそうでなければ炭素原子からなる鎖内に炭素以外の原子を含む置換基を含む、炭化水素基。ヘテロ原子としては、硫黄、酸素および窒素が挙げられる。一般に、炭化水素基中の炭素原子10個あたり、2つ以下非炭化水素置換基、一実施形態においては、1つ以下の非炭化水素置換基が、存在する。
【0014】
用語「低級」とは、アルキル、アルケニルおよびアルコキシのような用語と共に使用される場合、合計7個までの炭素原子を含むこのような基を示すことが意図される。
【0015】
用語「水溶性」とは、25℃の水100ミリリットルあたり少なくとも1g程度まで水に可溶性である物質をいう。
【0016】
用語「燃料可溶性」とは、25℃の燃料100ミリリットルあたり少なくとも1g程度まで燃料に可溶性である物質をいう。
【0017】
用語「水燃料エマルジョン」は、水性炭化水素燃料/添加剤エマルジョンと交換可能である。
【0018】
用語「水燃料ブレンド」は、水性炭化水素燃料と交換可能である。
【0019】
用語「燃料−化学添加剤混合物」は、炭化水素燃料/添加剤混合物と交換可能である。
【0020】
(連続プロセス)
本発明は、安定なエマルジョンを形成することによって水性炭化水素燃料を作製するための連続プロセスを提供し、ここで、水は、燃料の連続相に分散され、ここで、水滴は、1.0ミクロン以下の平均直径を有する。この液滴サイズは、容量で表される。本発明は、別の実施形態において、水性炭化水素燃料を連続的に作製するための装置を提供する。この連続プロセス装置は、少なくとも2つの連続した乳化ミキサー、タンク(炭化水素燃料、乳化剤、添加剤およびそれらの組み合わせ含む)、水を含むタンク、生成物タンク、ポンプ、燃料を移送するための導管、およびプログラム可能制御装置を備え、その結果、このプロセスは自動化され得る。
【0021】
本発明の実施において、水性炭化水素燃料は、燃料、乳化剤、添加剤および/または水の流速をモニタリングおよび調節して、所望の水滴サイズを有する安定なエマルジョンを形成し得る連続プロセスによって作製される。以下に記載されるプロセスおよび装置は、連続プロセスの一実施形態を示す。図1を参照すると、この装置は、燃料添加剤タンク(10)、水供給タンク(14)、生成物タンク(18)、第1の乳化デバイス(22)、第2の乳化デバイス(26)、および燃料ディスペンサー(30)を備える。最初に、炭化水素燃料および乳化剤が、燃料添加剤タンク(10)中で混合されて、均一な炭化水素燃料/添加剤混合物が形成される。別の実施形態において、炭化水素燃料、乳化剤および添加剤の供給物は、慎重な供給により、または慎重な供給の代替の組み合わせにより水タンク(10)に添加されて、均一な炭化水素燃料/添加剤混合物が形成される。別の実施形態において、乳化剤、燃料および添加剤は、動的に混合され、そして連続的に供給され、次いで、水蒸気で処理されて、水性炭化水素燃料エマルジョンが形成される。
【0022】
炭化水素燃料/添加剤混合物は、約50重量%〜約99重量%の炭化水素燃料、別の実施形態において、約85重量%〜約98重量%の炭化水素燃料、別の実施形態において、約95重量%〜約98重量%の炭化水素燃料を含み、そしてこの炭化水素燃料/添加剤混合物は、約0.05重量%〜約25重量%の乳化剤、別の実施形態において、約2重量%〜約15重量%の乳化剤、別の実施形態において、約2重量%〜約5重量%の乳化剤をさらに含む。
【0023】
必要に応じて、添加剤が、乳化剤、燃料、水またはそれらの組み合わせに添加され得る。この添加剤としては、セタン価向上剤、有機溶媒、不凍剤、界面活性剤、燃料において使用するために公知の他の添加剤などが挙げられるが、これらに限定されない。この添加剤は、この添加剤の溶解度に依存して、第1の乳化デバイスの前に、そしてあるいは別の方法では、乳化剤、添加水素燃料または水に添加される。しかし、この添加剤を乳化剤に添加して、添加剤乳化剤混合物を形成することが好ましい。この添加剤は一般に、添加剤乳化剤混合物の約1重量%〜約40重量%、別の実施形態において、5重量%〜約30重量%、別の実施形態において、約7重量%〜約25重量%の範囲である。
【0024】
炭化水素燃料/添加剤混合物ストリームは、炭化水素燃料タンク出口(34)を出て、一般に毎分約0.5ガロン〜1000ガロンの速度で導管(38)を流れ、そして別の実施形態においては、導管(38)を通って第一乳化デバイス(22)へと、毎分約10ガロン〜約600ガロンの速度で流れる。炭化水素燃料/添加剤混合物:水の比は、約50〜約99:約50〜約1の範囲であり、別の実施形態においては約85〜約95:約15〜約5、別の実施形態においては約75〜約85:約25〜約15、そして別の実施形態においては、約70〜約75:約30〜約25の範囲である。
【0025】
必要に応じて、不凍剤、硝酸アンモニウムまたはこれらの混合物(これらに限定されない)を含み得る水は、導管(46)を通って水供給タンク出口(36)から第一乳化デバイス(22)へと、毎分0.5ガロン〜1000ガロンの速度で流れ、別の実施形態においては、毎分約10ガロン〜約600ガロンの速度で流れる。硝酸アンモニウムは一般に、水溶液として水混合物中に添加される。1つの実施形態において、水、アルコールおよび/または硝酸アンモニウムは、ダイナミックに混合され、そして燃料添加剤ストリームに連続的に供給される。別の実施形態において、水、不凍剤、硝酸アンモニウムまたはこれらの混合物は、分離タンクおよびまたはそれらの組み合わせから第一乳化デバイス(22)へと流れるか、または第一乳化デバイス(22)の前に混合される。1つの実施形態において、水アルコール、水−硝酸アンモニウム、または水アルコール硝酸アンモニウム混合物は、第一乳化デバイス(22)の前に、または第一乳化デバイス(22)において、直ぐに炭化水素燃料添加剤混合物に出会う。
【0026】
開始および停止の間、炭化水素燃料添加剤ストリームは、炭化水素燃料添加剤に対する水の比が、定常状態よりも決して大きくならないようなストリームである。
【0027】
1つの実施形態において、燃料添加剤タンク(10)と第一乳化デバイス(22)の間に、供給ポンプ(42)、フローメータ(44)、遮断バルブ(46)、チェックバルブ(48)、温度ゲージ(50)および圧力ゲージ(53)が、連続して配置される。1つの実施形態において、水タンク(14)と第一乳化デバイスとの間に、バルブ(54)、水供給ポンプ(56)、フローメータ(58)、遮断バルブ(60)およびチェックバルブ(62)が連続して配置される。
【0028】
第一剪断は、一般に、第一乳化デバイス(22)の中であり、そして一般に周囲条件下で進行する。第一の乳化は、一般に、約0psi〜約10psiの範囲、別の実施形態においては、約10psi〜約80psiの範囲、そして別の実施形態においては、約15psi〜約30psiの範囲の圧力低下で生じる。
【0029】
第一乳化デバイス(22)を使用して、成分を完全に混合し、燃料中のより不均一な水滴分布を生じ、そして水滴サイズを減少させるために必要ないくらかの剪断を与え、その結果、第二乳化デバイスは、所望の水滴サイズを提供する。この工程は、混合物を通じて、より不均一な成分濃度を分散させる。第一乳化デバイス(22)をまた使用して、第二乳化ミキサー(26)に供給される前に、添加剤が水性成分と良好に接触することを保証する。エマルジョンが1ミクロンより大きい(別の実施形態においては約1ミクロン〜約1000ミクロン、そして別の実施形態においては約50ミクロン〜約100ミクロン、そして別の実施形態においては約1ミクロン〜約20ミクロンの)平均液滴粒子サイズを有するように進行するまで、このエマルジョンは、第一乳化デバイス(22)において混合される。
【0030】
第一の乳化は、産業において使用される任意の方法(混合、機械的ミキサー攪拌、静的混合、剪断混合、音波混合、高圧ホモジナイザーなどが挙げられるが、これらに限定されない)によって生じる。第一乳化デバイスの例としては、Aquashear、パイプライン静的混合などが挙げられるが、これらに限定されない。Aquashearは、低圧の水力剪断デバイスである。材料は、混合チャンバへと、穿孔穴を有する2つの外装板を通される。この2つの板は、対抗する回転フローを引き起こし、そして材料の混合を可能にする。Aquashearミキサーは、Flow Process Technologies Inc.から入手できる。
【0031】
次いで、このエマルジョンは、導管(68)を通って、第二乳化デバイス(26)まで直接、第一乳化デバイス出口(64)から流れ出す。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間には、中間の維持タンクは存在しない。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間に、導管(68)に沿って、温度ゲージ(70)、圧力ゲージ(72)、バルブ(80)およびフローメーター(82)が連続して配置される。エマルジョンストリームは、第一乳化デバイス(22)から第二乳化デバイス(26)へと直接流れる。第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間には、維持タンクは存在しない。このエマルジョンは、第一乳化デバイス(22)と第二乳化デバイス(26)との間で熟成されない。一般に、第一乳化デバイス(22)から第二乳化デバイス(26)へと、このエマルジョンが流れる時間は、5分未満であり、別の実施形態では4分未満であり、別の実施形態では3分未満であり、別の実施形態では2分未満であり、別の実施形態では1分未満であり、そして別の実施形態では30秒未満である。
【0032】
第二の乳化は、高剪断デバイスであり、そして周囲条件下で生じる。第二乳化デバイス(26)は、約0.01ミクロン〜約1ミクロンの範囲、別の実施形態においては約0.1、ミクロン〜約0.95ミクロンの範囲、別の実施形態においては約0.1ミクロン〜約0.8ミクロンの範囲、および別の実施形態においては約0.1ミクロン〜約0.7ミクロンの範囲の平均粒子液滴サイズを有するエマルジョンを生じる。本発明の重要な特徴は、水性燃料生成物の水相が、1ミクロン未満の平均直径を有する水滴から構成されることである。従って、この第二の乳化は、このような平均粒子サイズを提供するに十分な条件下で実施される。
【0033】
IKA Work Dispax、IK剪断ミキサーが挙げられるがこれらに限定されない、使用され得る高剪断デバイスとしては、3段階のローター/ステーターの組み合わせを有するDR3−6が挙げられる。このローター/ステータージェネレーターの先端速度は、モーターを制御する可変性周波数ドライブによって異なり得る。Silversonミキサーは、ローター/ステーター設計を組み込む2段階ミキサーである。このミキサーは、遠心分離ポンプに類似した高容量ポンピング特徴を有する。Silverson Corporationによるインライン剪断ミキサー(ローター−ステーター乳化アプローチ);Jet Mixers(ベンチュリ型/キャビテーション剪断ミキサー);Sonic Corp.により製造されたUltrasonolator(超音波乳化アプローチ);Microfluidics Inc.によって利用可能なMicrofluidizer(高圧ホモジナイゼーション剪断ミキサー);超音波ミキサー;および任意の他の利用可能な高剪断ミキサー。
【0034】
連続して使用され、そして最終剪断サイズについて使用される1以上の乳化デバイスが存在し得る。これらの乳化デバイスは、水滴の平均粒子サイズを、1ミクロン未満まで減少させる能力を有するべきである。少なくとも2つの乳化デバイスを連続して使用することによって、さらなる剪断が、エマルジョンに向けられる。このことは、全体の粒子サイズを減少させ、そしてエマルジョン安定性を増大させる。第一乳化デバイスおよび第二乳化デバイスについて記載されるミキサーは、一般に相互交換可能であるが、第二乳化デバイスは、高剪断デバイスである必要がある。
【0035】
次いで、このエマルジョンは、導管(86)を通って、第二乳化デバイス(84)から生成物タンク(18)へと流れる。導管(86)に沿って、サンプリングバルブ(88)、温度ゲージ(90)、圧力ゲージ(92)およびチェックバルブ(94)が連続して配置される。
【0036】
この連続プロセスは、一般に、周囲条件下で実行される。この連続プロセスは、一般に、大気圧で行われる。この連続プロセスは、一般に、周囲温度で生じる。1つの実施形態において、この温度は、周囲温度〜約212°Fの範囲であり、別の実施形態においては約40°F〜約150°Fの範囲である。
【0037】
プログラム可能な論理制御器(plc)(図1には示されない)は、水性炭化水素添加剤混合物、水および水性炭化水素燃料エマルジョンの連続的なフローを支配し、それによって所定の混和比に従って流速および混合比を制御するために提供される。このplcは、操作者による成分割合の入力を記憶する。次いで、plcは、これらの割合を使用して、必要な各成分の容積/フローを規定する。連続フローシークエンスは、plc中にプログラムされる。plcは、電子的に、全てのレベル切り替え、バルブ位置および流体メータをモニターする。
【0038】
(実施例1)
この実施例は、連続プロセスによる、水混和燃料生成物の作製を示す。以下の組成を有する混合物を、これらの成分を一緒に(使用)することによって調製した。
【0039】
23.8重量%の2−エチルヘキシルニトレート;
7.1重量%のヘキサデシルスクシネート−アミノエステル/塩界面活性剤;
9.3重量%の水中54重量%の硝酸アンモニウム;
40重量%の2000 Mn PIBスクシネート−アミノエステル−塩塩界面活性剤;
19.8重量%の1000 Mn PIBスクシネート−イミド/アミド界面活性剤。
【0040】
約2.5重量%の上記添加剤乳化混合物を、BP Low Sulfur Diesel Supreme燃料の約97.5重量%まで添加し、そして連続的に混合して、炭化水素燃料混合物を生成する。この炭化水素燃料混合物を、毎分9.92ガロンの流速で、室温にて、毎分約2.8ガロンの流速を有する水と混合した。次いで、この水−燃料を、導管を通して第一剪断ミキサーへとポンピングした。この第一剪断ミキサーは、毎分約12ガロンの流速で、約7psigの圧力低下を用いる、Aquashear Mixerであった。次いで、得られたエマルジョンを導管を通して第二剪断ミキサー(約8000rpm(1分当たりの回転)で作動する3つの超微細混合要素を有する、12 GPM IKA Works Dispaxミキサー)へとポンピングした。
【0041】
このプロセシングストリームを、第一剪断ミキサーの入り口の可能な限り近くで導入した。この生成物を、導管を通して、第二剪断ミキサーから生成物タンクへとポンピングした。バッチプロセスを介して作製された同一処方物を用いる連続プロセスによって作製された得られたエマルジョンの粒子サイズを、以下に示す:
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
最終生成物は、バッチ混和プロセスによって作製された粒子よりも小さい平均粒子サイズを代表的に有する水混和燃料エマルジョンである。この実施例は、連続プロセスが、粒子サイズ分析および最終エマルジョンの安定性によって測定されるように、バッチ生成水燃料と比較して、予期せず一貫した高品質を生じたことを示した。
【0044】
連続プロセスによって生成された水混和燃料生成物は、バッチプロセスによる処理時間よりも短い処理時間を含む。さらに、バッチプロセスにおいて、バッチ剪断プロセスの流体動力学に基づいて、水混和燃料生成物を生成するために必要とされる、最小で5の統計的タンクターンオーバーが存在する。統計的タンクターンオーバーの数は、混和ユニットのスループットと直接関連する。従って、同じ水混和燃料生成物を作製するための連続プロセスは、増大したスループットおよび効率に起因して、バッチプロセスを超えて重要である。
【0045】
(エンジン)
本発明に従って操作され得るエンジンとしては、移動手段(海を含む)および定置電力プラントの両方についての全ての圧縮点火(内燃機関)エンジン(ディーゼル、ガソリンなどを含むがこれらに限定されない)が挙げられる。使用され得るエンジンとしては、自動車、トラック(例えば、全てのクラスのトラック)、バス(例えば、市内バス)、機関車、重税ディーゼルエンジン、定置機関(どんな定義でも)などが挙げられるが、これらに限定されない。オン道路エンジンおよびオフ道路エンジン(on− and off− highway engine)(新しいエンジンおよび使用中のエンジンを含む)が含まれる。これらには、1サイクル当たり2ストローク型のディーゼルエンジンおよび1サイクル当たり4ストローク型のディーゼルエンジンが挙げられる。
【0046】
(水燃料エマルジョン)
1つの実施形態において、水燃料エマルジョンは、以下から構成される:連続燃料相;不連続な水相または水性相;および乳化量の乳化剤。このエマルジョンは、他の添加剤(セタン改善剤、有機溶媒、不凍剤などが挙げられるがこれらに限定されない)を含み得る。これらのエマルジョンは、以下の工程によって調製され得る:(1)標準的な混合技術を使用して、燃料、乳化剤および他の所望の添加剤を混合して、燃料−化学添加剤混合物(炭化水素燃料/添加剤混合物)を形成する工程;および(2)乳化条件下で、燃料−化学添加剤混合物を水(および必要に応じて不凍剤)と混合して、所望の水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する工程。あるいは、乳化剤において使用される水溶性化合物(iii)を、高剪断混合の前に水と混合し得る。
【0047】
水性炭化水素燃料エマルジョンの水相または水性相は、1.0ミクロン未満の平均直径を有する液滴からなる。従って、このエマルジョンは一般に、剪断混合によって生じ、そしてこのような液滴サイズを生じるのに十分な条件下で実施される。
【0048】
(液体炭化水素燃料)
液体炭化水素燃料は、炭化水素性石油留出燃料、非炭化水素性の水、油、植物由来の液体燃料、鉱物由来の液体燃料およびこれらの混合物を含む。液体炭化水素燃料は、任意および全ての炭化水素性石油留出燃料であり得、これには、ASTM Specification D439によって規定されるモーターガソリンまたはASTM Specification D396によって規定されるディーゼル燃料もしくは燃料油など(ケロシン、ナフサ、脂肪族化合物およびパラフィン系化合物)が挙げられるが、これらに限定されない。非炭化水素性物質を含む液体炭化水素燃料としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなど)、有機窒素化合物など;植物もしくは鉱物供給源由来の液体燃料(例えば、トウモロコシ、アルファルファ、頁岩、石炭など)。液体炭化水素燃料はまた、1以上の炭化水素性燃料および1以上の比炭化水素性物質を含む。このような混合物の例は、ガソリンおよびエタノールの組み合わせ、ならびにディーゼル燃料およびエーテルの組み合わせである。
【0049】
1つの実施形態において、この液体炭化水素燃料は、任意のガソリンである。一般に、ガソリンは、10%蒸留点にて約60℃〜90%蒸留点にて約205℃のASTM蒸留範囲を有する炭化水素の混合物である。1つの実施形態において、このガソリンは、約10ppm以下の塩素含量によって特徴付けられる、無塩素または低塩素のガソリンである。
【0050】
1つの実施形態において、この液体炭化水素燃料は、任意のディーゼル燃料である。これらのディーゼル燃料は代表的に、約300℃〜約390℃、そして1つの実施形態では約330℃〜約350℃の範囲の90%蒸留点温度を有する。これらの燃料の粘度は代表的に、40℃にて約1.3〜約24センチストークスの範囲に及ぶ。ディーゼル燃料は、ASTM D975に指定されるような、等級番号1−D、2−Dまたは4−Dのいずれかとして分類され得る。これらのディーゼル燃料は、アルコールおよびエステルを含み得る。1つの実施形態では、ディーゼル燃料は、ASTM D2622−87に指定される試験方法によって決定した場合に約0.05重量%までの硫黄含有量を有する(低硫黄ディーゼル燃料)。1つの実施形態では、ディーゼル燃料は、約10ppm以下の塩素含有量によって特徴付けられる、無塩素または低塩素のディーゼル燃料である。
【0051】
通常は液体の炭化水素燃料は、約50重量%〜約95重量%、そして1つの実施形態では約60重量%〜約95重量%、そして1つの実施形態では約65重量%〜約85重量%、そして1つの実施形態では約70重量%〜約80重量%の濃度で本発明の水性炭化水素燃料組成物中に存在する。
【0052】
(水)
水性炭化水素燃料エマルジョンを形成する際に使用される水は、任意の供給源から採取され得る。この水としては、水道水、脱イオン水、脱塩水、例えば、逆浸透または蒸留などを使用して精製された水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
この水は、約1重量%〜約50重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約50重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約40重量%、そして1つの実施形態では約5重量%〜約25重量%、そして1つの実施形態では約10重量(water)%〜約20重量(water)%の濃度で、本発明の水性炭化水素燃料組成物中に存在する。
【0054】
(乳化剤)
この乳化剤は、以下から構成される:(i)少なくとも1種の燃料可溶性生成物であって、該燃料可溶性生成物は、少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、該アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する;(ii)少なくとも1つのイオン性または非イオン性化合物であって、該イオン性または非イオン性化合物は、1実施形態では、約1〜約40、1実施形態では、約1〜約30、1実施形態では約1〜約20、および1実施形態では約1〜約15の親水性−親油性バランス(HLB)を有する;(iii)(i)および(ii)の混合物;または(iv)水溶性化合物であって、該水溶性化合物は、(i)、(ii)、または(iii)と組み合わせたアミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される。この乳化剤は、この水燃料乳化剤中にて、約0.05重量%〜約20重量%、1実施形態では、約0.05重量%〜約10重量%、および1実施形態では、約0.1重量%〜約5重量%、および1実施形態では、約0.1重量%〜約3重量%の濃度で、存在し得る。
【0055】
(燃料可溶性生成物(i))
燃料可溶性生成物(i)は、少なくとも1種の燃料可溶性生成物であり得、該燃料可溶性生成物は、少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、該アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する。
【0056】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、カルボン酸またはこのような酸の反応性等価物であり得る。これらの反応性等価物は、酸ハロゲン化物、無水物、またはエステル(部分エステルを含めて)などであり得る。これらのカルボン酸アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子、1実施形態では、約50個〜約300個の炭素原子、1実施形態では、約60個〜約200個の炭素原子を含有し得る。1実施形態では、これらのアシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約700〜約3000、1実施形態では、約900〜約2300の数平均分子量を有する。
【0057】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、1種またはそれ以上のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬(これは、そのカルボキシル基を除いて、2個〜約20個の炭素原子を含有する)と以下でさらに詳細に記述する1種またはそれ以上のオレフィン性重合体とを反応させることにより、製造され得る。
【0058】
このα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬は、本質的に、一塩基性または多塩基性のいずれかであり得る。この一塩基性α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸の例には、次式に相当するカルボン酸が挙げられる:
【0059】
【化1】
ここで、Rは、水素、または飽和脂肪族または脂環式アリール基、アルキルアリール基または複素環式基であり、好ましくは、水素または低級アルキル基であり、そしてR1は、水素または低級アルキル基である。RおよびR1の全炭素原子数は、一般に、約18個の炭素原子を超えない。有用な一塩基性α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸の特定の例には、アクリル酸;メタクリル酸;ケイ皮酸;クロトン酸;3−フェニルプロペン酸;α,β−デセン酸が挙げられる。これらの多塩基酸試薬は、好ましくは、ジカルボン酸であるが、トリ−およびテトラカルボン酸が、使用できる。例示の多塩基酸には、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸およびシトラコン酸が挙げられる。このα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬の反応性等価物には、上述の酸の無水物、エステルまたはアミド官能性誘導体が挙げられる。有用な反応性等価物は、無水マレイン酸である。
【0060】
このオレフィン重合体が誘導され得るオレフィンモノマーは、1個またはそれ以上のエチレン性不飽和基を有することにより特徴づけられる重合可能なオレフィンモノマーである。これらは、モノオレフィン性モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンおよび1−オクテン)またはポリオレフィン性モノマー(通常、ジオレフィン性モノマー(例えば、1,3−ブタジエンおよびイソプレン))であり得る。通常、これらのモノマーは、末端オレフィン(すなわち、>C=CH2基が存在することにより特徴づけられるオレフィン)である。しかしながら、ある種の内部オレフィン(これらは、時には、中間オレフィン(medial olefins)と呼ばれている)もまた、モノマーとして作用し得る。これらの中間オレフィンモノマーが用いられる場合、それらは、通常、インターポリマーであるオレフィン重合体を生成する末端オレフィンと組み合わせて、使用される。このオレフィン重合体はまた、芳香族基(特に、フェニル基および低級アルキル置換および/または低級アルコキシ置換フェニル基(例えば、パラ(第三級ブチル)フェニル基))および脂環式基(例えば、重合可能な環状オレフィンまたは脂環式置換した重合可能な環状オレフィン)を含有し得るものの、これらの炭化水素置換基は、通常、このような基を含有しない。それにもかかわらず、1,3−ジエンおよびスチレン(例えば、1,3−ブタジエンおよびスチレン)またはパラ(第三級ブチル)スチレンのようなインターポリマーから誘導したオレフィン重合体は、この一般規則の例外である。1実施形態では、このオレフィン重合体は、1種またはそれ以上のジエンから誘導した部分水素化重合体である。一般に、これらのオレフィン重合体は、約2個〜約30個の炭素原子、1実施形態では、約2個〜約16個の炭素原子を有する末端ヒドロカルビルオレフィンの単独重合体またはインターポリマーである。さらに典型的なクラスのオレフィン重合体は、2個〜約6個の炭素原子、特に、2個〜約4個の炭素原子を有する末端オレフィンの単独重合体およびインターポリマーからなる群から選択される。
【0061】
これらのオレフィン重合体を調製するために使用され得る末端オレフィンモノマーおよび中間オレフィンモノマーの特定の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、2−ペンテン、プロピレンテトラマー、ジイソブチレン、イソブチレントリマー、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1−ヘプテン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、スチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、アリルアルコール、1−メチル酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、エチルビニルエーテル、およびメチルビニルケトンが挙げられる。これらのうち、純粋なヒドロカルビルモノマーは、さらに典型的であり、末端オレフィンモノマーは、特に有用である。
【0062】
1実施形態では、これらのオレフィン重合体は、ルイス酸触媒(例えば、塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素)の存在下にて、C4精製流(これは、約35重量%〜約75重量%のブテン含量、および約30重量%〜約60重量%のイソブテン含量を有する)の重合により得られるもののようなポリイソブテン類である。これらポリイソブチレン類は、一般に、主として(すなわち、全繰り返し単位の約50重量%より多い量で)、次式の立体配置のイソブテン繰り返し単位を含有する:
【0063】
【化2】
1実施形態では、このオレフィン重合体は、約700〜約3000、1実施形態では、約900〜約2300の数平均分子量を有するポリイソブテン基(またはポリイソブチレン基)である。
【0064】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、以下の式に対応して表わされるヒドロカルビル置換コハク酸または無水物である:
【0065】
【化3】
ここで、Rは、約50個〜約500個の炭素原子、1実施形態では、約50個〜約300個の炭素原子、1実施形態では、約60個〜約200個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。マレイン酸またはその無水物またはその誘導体をハロ炭化水素でアルキル化することにより、またはマレイン酸またはその無水物を末端二重結合を有するオレフィン性重合体と反応させることにより、これらのヒドロカルビル置換コハク酸またはその無水物を生成することは、当業者に周知であり、本明細書中で詳細に述べる必要はない。
【0066】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤であり得、これは、ヒドロカルビル置換基およびコハク酸基からなる。これらのヒドロカルビル置換基は、上述のオレフィン性重合体から誘導される。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、このヒドロカルビル置換基の各当量に対して、その構造内に、平均して、少なくとも1.3個のコハク酸基、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個のコハク酸基、1実施形態では、約1.5個〜約2.5個のコハク酸基、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基が存在することにより、特徴付けられる。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、このヒドロカルビル置換基の各当量に対して、その構造内に、約1.0個〜約1.3個のコハク酸基、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基、1実施形態では、約1.0個〜約1.1個のコハク酸基が存在することにより、特徴付けられる。
【0067】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり、このポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有し、該第一ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられる。
【0068】
1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり、このポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有し、該ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられる。
【0069】
本発明の目的のために、このヒドロカルビル置換コハク酸のヒドロカルビル置換基の当量は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤中に存在している全ヒドロカルビル置換基の全重量をそのヒドロカルビル置換基が誘導されるポリオレフィンの数平均分子量(Mn)で割ることにより得られた数値であるとみなされる。それゆえ、もし、ヒドロカルビル置換アシル化剤が、40,000の全ヒドロカルビル置換基の全重量により特徴付けられ、それらのヒドロカルビル置換基が誘導されるポリオレフィンのMn値が2000であるなら、その置換コハク酸アシル化剤は、全体で20(40,000/2000=20)当量の置換基により、特徴付けられる。
【0070】
コハク酸基と、このヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤中に存在している置換基の当量との比(「コハク酸比」とも呼ばれる)は、従来技術(例えば、ケン価化または酸価)を使用して、当業者により決定できる。例えば、無水マレイン酸がアシル化プロセスにおいて用いられる場合のコハク化比を計算するには、以下の式が使用できる。
【0071】
【化4】
この等式では、SRは、コハク化比であり、Mnは、数平均分子量であり、そしてケン化価はケン化の値である。上記の等式では、アシル化剤のケン化価=最終反応混合物の測定したケン化価/AIであり、ここで、AIは、0と1の間の数(しかし、0には等しくない)として表わされる活性成分含量である。それゆえ、80%の活性成分含量は、0.8のAI値に対応する。このAI値は、カラムクロマトグラフィー(これは、最終反応混合物中の未反応ポリアルケンの量を決定するのに使用できる)のような技術を使用して、計算できる。概算としては、AIの値は、100から未反応ポリアルケンの割合を差し引いた後、100で割り、決定される。
【0072】
燃料可溶性生成物(i)は、アンモニアおよび/またはアミンを使用して、形成され得る。このアシル化剤と反応して生成物(i)を形成するのに有用なアミンには、モノアミン、ポリアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
これらのモノアミンは、アミン官能性を1個だけ有するのに対して、これらのポリアミンは、2個またはそれ以上のアミン官能性を有する。これらのアミンは、第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンであり得る。第一級アミンは、少なくとも1個の−NH2基が存在することにより、特徴付けられる;第二級アミンは、少なくとも1個のH−N<基が存在することにより、特徴付けられる。第三級アミンは、その−NH2基またはH−N<基中の水素原子をヒドロカルビル基で置き換えたこと以外は、第一級および第二級アミンと類似している。第一級および第二級モノアミンの例には、エチルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、アリルアミン、イソブチルアミン、ココアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、メチルラウリルアミン、オレイルアミン、N−メチルオクチルアミン、ドデシルアミンおよびオクタデシルアミンが挙げられる。第三級モノアミンの適切な例には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノメチルジメチルアミン、モノエチルジメチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルペンチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルヘプチルアミンおよびジメチルオクチルアミンが挙げられる。
【0074】
このアミンは、ヒドロキシアミンであり得る。このヒドロキシアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであり得る。典型的には、これらのヒドロキシアミンは、第一級、第二級または第三級アルカノールアミンである。
【0075】
このアルカノールアミンは、次式により表わされ得る:
【0076】
【化5】
ここで、上式では、各Rは、別個に、1個〜約8個の炭素原子のヒドロカルビル基、または2個〜約8個の炭素原子のヒドロキシ置換ヒドロカルビル基であり、そして各R’は、別個に、2個〜約18個の炭素原子を有するヒドロカルビレン(すなわち、二価炭化水素)基である。このような式中の−R’−OH基は、ヒドロキシ置換ヒドロキシロカルビレン基を表わす。R’は、環式基、脂環族基または芳香族基であり得る。1実施形態では、R’は、非環式の直鎖または分枝アルキレン基(例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,2−オクタデシレン基など)である。同一分子中に2個のR基が存在しているとき、それらは、直接の炭素−炭素結合により、またはヘテロ原子(例えば、酸素、窒素またはイオウ)を介して結合され、5員、6員、7員または8員環構造を形成し得る。このような複素環アミンの例には、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−モルホリン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−チオモルホリン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−ピペリジン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−オキサゾリジン、N−(ヒドロキシ低級アルキル)−チアゾリジンなどが挙げられる。しかしながら、典型的には、各Rは、別個に、7個までの炭素原子を有する低級アルキル基である。
【0077】
上記ヒドロキシアミンの適切な例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジ−(3−ヒドロキシプロピル)アミン、N−(3−ヒドロキシブチル)アミン、N−(4−ヒドロキシブチル)アミン、およびN,N−ジ−(2−ヒドロキシプロピル)アミンが挙げられる。
【0078】
このアミンは、アルキレンポリアミンであり得る。次式により表わされるアルキレンポリアミンは、特に有用である:
【0079】
【化6】
ここで、nは、1と約10の間、および1つの実施形態では約2〜約7の平均値を有し、「アルキレン」基は、1個〜約10個の炭素原子、1実施形態では、約2個〜約6個の炭素原子を有し、そして、各Rは、別個に、水素、約30個までの炭素原子の脂肪族基またはヒドロキシ置換脂肪族基である。これらのアルキレンポリアミンとしては、メチレンポリアミン、エチレンポリアミン、ブチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミンなどが挙げられる。このようなポリアミンの特定の例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ペンタエチレンヘキサミン、またはそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0080】
エチレンポリアミンは、有用である。これらは、「Ethylene Amines(エチレンアミン)」の表題で、Kirk Othmerの「Encyclopedia of Chemical Technology」(第2版、7巻、22〜37ページ、Interscience Publishers,New York(1965年))に詳細に記述されている。これらのポリアミンは、二塩化エチレンとアンモニアとの反応によってか、またはエチレンイミンと開環試薬(例えば、水、アンモニアなど)との反応によって調製される。これらの反応の結果、環状縮合生成物(例えば、ピペラジン)を含む、ポリアルキレンポリアミンの錯体混合物が生成する。
【0081】
1実施形態では、このアミンは、ポリアミンボトムス(polyamine bottoms)またはヘビーポリアミン(heavy polyamine)である。「ポリアミンボトムス」との用語は、これらのポリアミンボトムスを残基として残すように、ポリアミン混合物をストリッピングして、低分子量ポリアミンおよび揮発性成分を除去することにより得られるポリアミンを意味する。1実施形態では、これらのポリアミンボトムスは、約2重量%未満の全ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを有するとして特徴付けられる。有用なポリアミンボトムスは、E−100の商品名称で、Dow Chemicalから入手できる。この物質は、15.6℃で1.0168の比重、33.15重量%の窒素含量、および40℃で121センチストークスの粘度を有するとして、記述されている。使用され得る別のポリアミンボトムスは、HPA−Xの商品名称で、Union Carbideから市販されている。このポリアミンボトムス生成物は、環状縮合生成物(例えば、ピペラジン)およびジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンのより高級な同族体(higher analog)などを含有する。
【0082】
「ヘビーポリアミン」との用語は、1分子あたり7個以上の窒素原子を含有するポリアミン、または1分子あたり7個以上の窒素、および1分子あたり2個以上の第一級アミンを含有するポリアミンオリゴマーを意味する。これらは、欧州特許第EP0770098号に記載されており、その内容は、このようなヘビーポリアミンの開示について、本明細書中で参考として援用されている。
【0083】
燃料可溶性生成物(i)は、塩、エステル、エステル/塩、アミド、イミド、またはそれらの2種以上の組合せであり得る。この塩は、このアシル化剤およびアンモニアまたはアミンの分子残基を含む内部塩であり得、ここで、これらのカルボキシル基の1個は、同じ基内の窒素原子にイオン結合する;または、それは、外部塩であり得、ここで、そのイオン性の塩は、同じ分子の一部ではない窒素原子で形成される。1実施形態では、このアミンは、ヒドロキシアミンであり、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換無水コハク酸であり、得られる燃料可溶性生成物は、半分のエステルおよび半分の塩(すなわち、エステル/塩)である。1実施形態では、このアミンは、アルキレンポリアミンであり、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ヒドロカルビル置換無水コハク酸であり、得られる燃料可溶性生成物は、スクシンイミドである。
【0084】
このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、所望の生成物の形成を提供する条件下にて実行される。典型的には、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤およびアンモニアまたはアミンは、共に混合され、そして必要に応じて、通常液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下で、所望生成物が形成されるまで、約50℃〜約250℃、1実施形態では、約80℃〜約200℃の範囲の温度まで、加熱される。1実施形態では、このヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤およびアンモニアまたはアミンは、アンモニアまたはアミン1当量あたり、約0.3〜約3当量のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤を提供するのに十分な量で反応される。1実施形態では、この比は、約0.5:1〜約2:1であり、1実施形態では、約1:1である。
【0085】
1実施形態では、燃料可溶性生成物(i)は、以下の(i)(a)および(i)(b)を含有する:(i)(a)第1燃料可溶性生成物であって、この第1燃料可溶性生成物は、第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、この第1アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する;および(i)(b)第2燃料可溶性生成物であって、この第2燃料可溶性生成物は、第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることにより製造され、この第2アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する。この実施形態では、生成物(i)(a)および(i)(b)は、異なる。例えば、第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量は、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量とは異なり得る。1実施形態では、第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約1500〜約3000の範囲、1実施形態では、約1800〜約2300の範囲であり得、そして、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の範囲であり得る。第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、このポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有する。第1ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、少なくとも約1.3個、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。第1燃料可溶性生成物(i)(a)で使用されるアミンは、アルカノールアミンであり得、その生成物は、エステル/塩の形状であり得る。第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、この第2ポリイソブテン置換無水コハク酸のポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有する。この第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。この第2燃料可溶性生成物(i)(b)で使用されるアミンは、アルカノールアミンであり得、その生成物は、エステル/塩の形状であり得るか、またはこのアミンは、アルキレンポリアミンであり得、その生成物は、スクシンイミドの形状であり得る。燃料可溶性生成物(i)は、以下から構成され得る:約1重量%〜約99重量%、1実施形態では、約30重量%〜約70重量%の生成物(i)(a);および約99重量%〜約1重量%、1実施形態では、約70重量%〜約30重量%の生成物(i)(b)。
【0086】
1実施形態では、燃料可溶性生成物(i)は、以下の(i)(a)および(i)(b)を含有する:(i)(a)第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤であって、この第1アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有する、第1ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤;および(i)(b)第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤であって、この第2アシル化剤のヒドロカルビル置換基は、約50個〜約500個の炭素原子を有し、この第1アシル化剤および第2アシル化剤は、同一または異なり;この第1アシル化剤および第2アシル化剤は、2個以上の第一級アミノ基、2個以上の第二級アミノ基、少なくとも1個の第1級アミノ基および少なくとも1個の第二級アミノ基、少なくとも2個の水酸基、または少なくとも1個の第1級または第二級アミノ基および少なくとも1個の水酸基を有する化合物から誘導した連結基により、共にカップリングされており;このカップリングしたアシル化剤は、アンモニアまたはアミンと反応される。第1アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量は、第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の分子量と同一または異なり得る。1実施形態では、第1および/または第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約1500〜約3000の範囲、1実施形態では、約1800〜約2300の範囲であり得る。1実施形態では、第1および/または第2アシル化剤のためのヒドロカルビル置換基の数平均分子量は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の範囲であり得る。第1および/または第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、そのポリイソブテン置換基は、約1500〜約3000、1実施形態では、約1800〜約2300の数平均分子量を有する。第1および/または第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、少なくとも約1.3個、1実施形態では、約1.3個〜約2.5個、1実施形態では、約1.7個〜約2.1個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。第1および/または第2ヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤は、ポリイソブテン置換無水コハク酸であり得、そのポリイソブテン置換基は、約700〜約1300、1実施形態では、約800〜約1000の数平均分子量を有する。第1および/または第2ポリイソブテン置換無水コハク酸は、そのポリイソブテン置換基1当量あたり、約1.0個〜約1.3個、1実施形態では、約1.0個〜約1.2個のコハク酸基により、特徴付けられ得る。その連結基は、上述のアミンまたはヒドロキシアミンのいずれかから誘導され得、これらは、2個以上の第一級アミノ基、2個以上の第二級アミノ基、少なくとも1個の第一級アミノ基および少なくとも1個の第二級アミノ基を有するか、または少なくとも1個の第一級または第二級アミノ基および少なくとも1個の水酸基を有する。この連結基はまた、ポリオールから誘導され得る。このポリオールは、次式により表わされる化合物であり得る:
R−(OH)m
ここで、上式では、Rは、mの原子価を有する有機基であり、Rは、炭素−酸素結合を介して、このOH基に結合され、そしてmは、2〜約10、1実施形態では、2〜約6の整数である。このポリオールは、グリコールであり得る。アルキレングリコールが有用である。使用され得るポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、1,7−ヘプタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,2,5−ヘキサントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、1,10−デカンジオール、ジギタロース、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールエタン)、または2−ヒドロキシメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)などが挙げられる。前述のものの2種以上の混合物が、使用され得る。
【0087】
これらの連結生成物の調製で利用される反応物の比は、広範囲にわたって変わり得る。一般に、第1および第2アシル化剤の各々の各当量に対して、少なくとも約1当量の連結化合物が使用される。連結化合物の上限は、第1および第2アシル化剤の各当量に対して、約2当量の連結化合物である。一般に、第1アシル化剤:第2アシル化剤の当量比は、約4:1〜約1:4、1実施形態では、約1.5:1である。
【0088】
第1および第2アシル化剤の当量数は、各々に存在しているカルボン酸官能基の総数に依存している。これらのアシル化剤の各々に対する当量数を決定する際に、カルボン酸アシル化剤として反応できないカルボキシル官能性は、除外される。しかしながら、一般に、これらのアシル化剤中の各カルボキシ基について、1当量の各アシル化剤が存在している。例えば、1モルのオレフィン重合体および1モルの無水マレイン酸の反応から誘導される無水物中なら、2当量が存在することになる。
【0089】
1当量のポリアミンの重量は、ポリアミンの分子量を、この分子に存在する窒素の総数により除算したものである。ポリアミンが、連結化合物として用いられる場合、第三級アミノ基を計数しない。1当量のポリアミンの市販の混合物の重量は、窒素の原子量(14)を、ポリアミンの中に含まれる%Nで除算することにより、決定され得;従って、34の%Nを有するポリアミン混合物は、41.2の当量を有する。1当量のアンモニアまたはモノアミンの重量は、それらの分子量に等しい。
【0090】
1当量のポリオールの重量は、その分子量を、分子の中に存在するヒドロキシル基の総数により除算したものである。従って、1当量のエチレングリコールの重量は、その分子量の1/2である。
【0091】
連結化合物として使用される1当量のヒドロキシアミンの重量は、その分子量を、分子の中に存在する−OH基、>NH基および−NH2基の総数により除算したものに等しい。
【0092】
第1および第2アシル化剤は、従来のエステルおよび/またはアミド形成技術に従って、この連結化合物と反応され得る。これは、通常、必要に応じて、通常液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下でアシル化剤と連結化合物とを加熱することを含む、少なくとも約30℃の温度から最も低い分解温度を有する反応成分および/または生成物の分解温度までの温度が用いられ得る。この温度は、これらのアシル化剤が無水物である場合、約50℃〜約130℃、1実施形態では、約80℃〜約100℃の範囲であり得る。他方、これらのアシル化剤が酸である場合、この温度は、約100℃〜約300℃の範囲であり得、約125℃〜約250℃の範囲の温度が、しばしば、使用される。
【0093】
この反応により製造した連結生成物は、これらのアシル化剤の各々の電荷および連結化合物上の反応部位の数に依存した統計的混合物の形態であり得る。例えば、等モル比の第1および第2アシル化剤を、エチレングリコールと反応させる場合、その生成物は、以下の(1)、(2)および(3)の混合物から構成される:(1)1分子の第1アシル化剤がエチレングリコールを介して1分子の第2アシル化剤と連結した化合物の約50%;(2)2分子の第1アシル化剤がエチレングリコールを介して結合した化合物の約25%;および(3)2分子の第2アシル化剤がエチレングリコールを介して共に結合した化合物の約25%。
【0094】
連結されたアシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、従来の技術を用いて塩、エステル/塩、アミドまたはイミド形成条件下で実行され得る。代表的には、これらの成分は互いに混合され、そして、必要に応じて、通常の液体(実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤)の存在下で、所望の塩生成物が形成されるまで、約20℃から、最も低い分解温度を有する反応成分および/または生成物の分解温度までの範囲の温度、および1つの実施形態では、約50℃〜130℃の範囲の温度、および1つの実施形態では約80℃〜約110℃の範囲の温度まで加熱される。
【0095】
以下の実施例は、上記の燃料可溶性生成物の調製を例証するために提供される。
【0096】
(実施例2)
12リットルの4つ口フラスコに、Adibis ADX 101G(7513g)を充填する。Adibis ADX 101G(これは、Lubrizol Adibisから入手可能な生成物である)は、ポリイソブテン置換無水コハク酸の混合物から構成され、ここで60重量%が第1ポリイソブテン置換無水コハク酸(ここで、このポリイソブテン置換基は、2300の数平均分子量を有し、そして80重量%のメチルビニリデン異性体含量を有するポリイソブテンから誘導される)であり、そして40重量%が、第2のポリイソブテン置換無水コハク酸である(ここで、このポリイソブテン置換基は、1000の数平均分子量を有し、そして85重量%のメチルビニリデン異性体含量を有するポリイソブテンから誘導される)。生成物は、30重量%の希釈オイル含量、および1.4のコハク酸化(succination)比(未反応ポリイソブテンについて補正した後)を有する。このフラスコにオーバーヘッドスターラー、熱電対、頂部に窒素の入口を備えた添加漏斗、および凝縮器を備え付ける。無水コハク酸混合物を撹拌し、そして95℃まで加熱し、そしてエチレングリコール(137g)を、5分間かけて、添加漏斗で添加する。得られる混合物を撹拌し、そして102〜107℃で4時間維持する。反応温度が107℃を超えないように、ジメチルエタノールアミン(392g)をこの混合物に30分間かけて充填する。この混合物を2時間100〜105℃で維持し、ろ過し、褐色の粘性の生成物を得る。
【0097】
(実施例3)
3リットルの4つ口フラスコに、Adibis ADX 101G(1410g)を充填する。このフラスコにオーバーヘッドスターラー、熱電対、頂部に窒素の入口を備えた添加漏斗、および凝縮器を備え付ける。無水コハク酸混合物を撹拌し、そして61℃まで加熱する。エチレングリコール(26.3g)を、5分間かけて、添加漏斗で添加する。得られる混合物を撹拌し、そして105〜110℃に加熱し、その温度で4.5時間維持する。この混合物を96℃に冷却し、反応温度が100℃を超えないように、ジメチルアミノエタノール(77.1g)をこの混合物に5分間かけて充填する。この混合物を1時間95℃で維持し、次いで、160℃で4時間維持する。生成物は、褐色の粘性生成物である。
【0098】
燃料可溶性生成物(i)は、水燃料エマルジョン中、エマルジョンの総重量に基づいて、約15重量%までの濃度、そして1つの実施形態において約0.1〜約15重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約10重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約5重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約2重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約1重量%の濃度で、そして1つの実施形態において、約0.1〜約0.7重量%の濃度で存在し得る。
【0099】
(イオン性または非イオン性化合物(ii))
イオン性または非イオン性化合物(ii)は、約1〜約40、そして1つの実施形態において、約4〜約15の範囲の親水性−親油性バランス(HLB、これは、界面活性剤分子上の極性(親水性)基および非極性(親油性)基のサイズおよび強度をいう)を有する。これらの化合物の例は、North American & International Editionの「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」、1998に開示される。North American Edition,1−235頁、およびInternational Editionの1−199頁は、約1〜約40(1つの実施形態において約1〜約30、1つの実施形態において約1〜20、そして別の実施形態において約1〜約10)の範囲のHLBを有するこのようなイオン性および非イオン性化合物の開示について本明細書中で参考として援用される。有用な化合物には、アルカノールアミド、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシド、ポリ(オキシアルキレン)化合物(アルキレンオキシド繰返し単位を含むブロックコポリマーを含む)、カルボキシル化アルコールエトキシレート、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アミンおよびアミド、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪エステルおよびオイル、脂肪エステル、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、グリコールエステル、ソルビタンエステル、イミダゾリン誘導体、レシチンおよび誘導体、リグニンおよび誘導体、モノグリセリドおよび誘導体、オレフィンスルホネート、リン酸エステルおよび誘導体、プロポキシル化およびエトキシル化脂肪酸またはアルコールまたはアルキルフェノール、ソルビタン誘導体、スクロースエステルおよび誘導体、スルフェートまたはアルコールまたはエトキシル化アルコールまたは脂肪エステル、ドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホン酸塩、または縮合ナフタレンまたは石油、スルホサクシネートおよび誘導体、ならびにトリデシルおよびドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
【0100】
1つの実施形態において、このイオン性または非イオン性化合物(ii)は、約12〜約30個の炭素原子を有するアシル化剤とアンモニアまたはアミンとを反応させることによって作製される燃料可溶性生成物である。このアシル化剤は、約12〜約24個の炭素原子を含み得、そして1つの実施形態において、約12〜約18個の炭素原子を含み得る。このアシル化剤は、カルボン酸またはその反応性等価物であり得る。この反応性等価物には、酸ハライド、無水物、エステルなどが挙げられる。これらのアシル化剤は、一塩基酸または多塩基酸であり得る。この多塩基酸は、好ましくは、ジカルボン酸であるが、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸も使用され得る。これらのアシル化剤は脂肪酸であり得る。例には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらのアシル化剤は、それぞれ以下の式で表される、コハク酸または無水コハク酸であり得る:
【0101】
【化7】
ここで、上述の式の各Rは、約10〜約28個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、そして1つの実施形態では、約12〜約20個の炭素原子のヒドロカルビル基である。例としては、テトラプロピレン置換のコハク酸または無水コハク酸、ヘキサデシルコハク酸または無水ヘキサデシルコハク酸などが挙げられる。アミンは、燃料可溶性生成物(i)を作製する際に有用であるような上記のアミンのいずれかであり得る。アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応生成物は、塩、エステル、アミド、イミドまたはそれらの組み合わせであり得る。この塩は、アシル化剤の分子の残基およびアンモニアまたはアミンの分子の残基を含む、カルボキシル基の1つが同じ基内の窒素原子にイオン結合する内部塩であり得るか;または同じ分子の一部ではない窒素原子でイオン塩の基が形成される外部塩であり得る。アシル化剤とアンモニアまたはアミンとの間の反応は、所望の生成物の形成のために提供された条件下で行われる。代表的には、アシル化剤およびアンモニアまたはアミンが一緒に混合され、そして所望の生成物が形成するまで、必要に応じて通常は液体の、実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下で、約50℃〜約250℃(1つの実施形態では、約80℃〜約200℃)の範囲の温度に加熱される。1つの実施形態では、アシル化剤およびアンモニアまたはアミンを、アンモニアまたはアミンの1当量あたり、約0.3〜約3当量のアシル化剤を提供するに十分な量で反応させる。1つの実施形態では、この比は、約0.5:1から約2:1までであり、そして1つの実施形態では、約1:1である。
【0102】
1つの実施形態では、イオン性または非イオン性の化合物(ii)は、無水ヘキサデシルコハク酸とジメチルエタノールアミンとを、約1:1から約1:1.5までの当量比(すなわち、カルボニル:アミンの比)(1つの実施形態では、約1:1.35)で反応させることにより作製されるエステル/塩である。
【0103】
イオン性または非イオン性の化合物(ii)は、約15重量%まで、そして1つの実施形態では、約0.01〜約15重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約10重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約5重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約3重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約1重量%の濃度で、水燃料エマルジョン中に存在し得る。
【0104】
(水溶性化合物)
水溶性化合物は、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、またはこれらの2つ以上の混合物であり得る。これらの化合物は、上記の燃料可溶性生成物(i)およびイオン性または非イオン性化合物(ii)とは異なる。これらの水溶性化合物としては、有機硝酸アミン、硝酸エステル、アジド、ニトラミン、およびニトロ化合物が挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、硫化物、スルホン酸塩なども含まれる。
【0105】
以下の式
k[G(NR3)y]y+nXp−
により表されるアミンまたはアンモニウム塩が特に有用であり、ここでGは、水素または1〜約8個の炭素原子(そして1つの実施形態では1〜約2個の炭素原子)のy価を有する有機基であり;各Rは、独立して水素または1〜約10個の炭素原子(そして1つの実施形態では1〜約5個の炭素原子、そして1つの実施形態では、1〜約2個の炭素原子)のヒドロカルビル基であり;Xp−は、p価を有するアニオンであり;そしてk、y、nおよびpは、独立して少なくとも1の整数である。GがH、yが1である場合、正電荷ky+の和は、負電荷nXp−の和に等しい。1つの実施形態では、Xは、硝酸イオンであり;そして1つの実施形態では、Xは、酢酸イオンである。例としては、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸メチルアンモニウム、酢酸メチルアンモニウム、エチレンジアミン二酢酸、硝酸尿素、尿素および硝酸グアニジウムが挙げられる。硝酸アンモニウムは、特に有用である。
【0106】
1つの実施形態では、水溶性化合物は、エマルジョン安定剤として機能する。すなわち、これは、水燃料エマルジョンを安定化するように作用する。従って、1つの実施形態において、水溶性化合物は、エマルジョン安定量で水燃料エマルジョン中に存在する。
【0107】
1つの実施形態では、この水溶性化合物は、燃焼改良剤として機能する。燃焼改良剤は、燃料組成物の質量燃焼速度を増加させる能力により特徴付けられる。このような燃焼改良剤の存在は、エンジンの出力の改善をもたらす。従って、1つの実施形態において、水溶性化合物は、燃焼改善量で水燃料エマルジョン中に存在する。
【0108】
この水溶性化合物は、約0.001〜約1重量%(1つの実施形態では、約0.01〜約1重量%)の濃度で、水燃料エマルジョン中に存在し得る。
【0109】
(セタン向上剤)
1つの実施形態では、水燃料エマルジョンは、セタン向上剤を含む。有用であるセタン向上剤としては、過酸化物、ニトレート、ニトリト、ニトロカルバメートなどが挙げられるが、これらに限定されない。有用なセタン向上剤としては、ニトロプロパン、ジニトロプロパン、テトラニトロメタン、2−ニトロ−2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。置換または非置換の脂肪族アルコールまたは脂環式アルコール(これらのアルコールは、一価であってもよいし、多価であってもよい)の硝酸エステルもまた含まれる。これらとしては、約10個までの炭素原子(1つの実施形態では、約2〜約10個の炭素原子)を有する置換または非置換のアルキルニトレートまたはシクロアルキルニトレートが挙げられる。アルキル基は、直鎖アルキル基もしくは分枝アルキル基、または直鎖アルキル基および分枝アルキル基の混合のいずれかであり得る。例としては、メチルニトレート、エチルニトレート、n−プロピルニトレート、イソプロピルニトレート、アリルニトレート、n−ブチルニトレート、イソブチルニトレート、sec−ブチルニトレート、tert−ブチルニトレート、n−アミルニトレート、イソアミルニトレート、2−アミルニトレート、3−アミルニトレート、tert−アミルニトレート、n−ヘキシルニトレート、n−ヘプチルニトレート、n−オクチルニトレート、2−エチルヘキシルニトレート、sec−オクチルニトレート、n−ノニルニトレート、n−デシルニトレート、シクロペンチルニトレート、シクロヘキシルニトレート、メチルシクロヘキシルニトレートおよびイソプロピルシクロヘキシルニトレートが挙げられる。アルコキシ置換脂肪族アルコールの硝酸エステル(例えば、2−エトキシエチルニトレート、2−(2−エトキシ−エトキシ)エチルニトレート、1−メトキシプロピル−2−ニトレート、4−エトキシブチルニトレートなど)、およびジオールニトレート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジニトレート)もまた、有用である。特に有用なセタン向上剤は、2−エチルヘキシルニトレートである。
【0110】
水燃料エマルジョン中のセタン向上剤の濃度は、所望のセタン価をこのようなエマルジョンに提供するに十分な任意の濃度であり得る。1つの実施形態では、セタン向上剤の濃度は、約10重量%までのレベルであり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約10重量%であり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約5重量%であり、そして1つの実施形態では、約0.05〜約1重量%である。
【0111】
(さらなる添加剤)
前述の材料に加えて、当業者に周知である他の燃料添加剤が、本発明の水燃料エマルジョンに使用され得る。これらには、染料、アルキル化コハク酸および無水アルキル化コハク酸のようなさび止め剤、細菌発育阻止剤、ゴム状化インヒビター、金属非活性化剤、シリンダー上部の潤滑剤などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのさらなる添加剤は、水燃料エマルジョンの総重量に基づいて約1重量%までの濃度で使用され得、そして1つの実施形態では、約0.01〜約1重量%である。
【0112】
本発明の水燃料エマルジョン中の化学添加剤(上記の乳化剤を含む)の総濃度は、約0.05〜約30重量%であり得、そして1つの実施形態では、約0.1〜約20重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約15重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約10重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約5重量%の範囲であり得る。
【0113】
(有機溶媒)
添加剤(上記の乳化剤を含む)は、ナフサ、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはディーゼル燃料のような実質的に不活性な、通常は液体の有機溶媒で希釈されて、添加剤濃縮物を形成し得、これは次いで、燃料および水と混合されて、水燃料エマルジョンを形成する。これらの濃縮物(推定)は、一般に、約10重量%〜約90重量%の前述の溶媒を含む。
【0114】
これらの水燃料エマルジョンは、約60重量%まで(1つの実施形態では、約0.01〜約50重量%、そして1つの実施形態では、約0.01〜約20重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約5重量%、そして1つの実施形態では、約0.1〜約3重量%)の有機溶媒を含み得る。
【0115】
(不凍剤)
1つの実施形態では、本発明の水燃料エマルジョンは、不凍剤を含む。不凍剤は、代表的にはアルコールである。例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、グリセロールおよびこれらの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。不凍剤は、代表的には、水燃料エマルジョン中で使用される水の凍結を防ぐに十分な濃度で使用される。従って、この濃度は、燃料が貯蔵もしくは使用される温度に依存する。1つの実施形態では、この濃度は、水燃料エマルジョンの重量に基づいて、20重量%までのレベルであり、そして1つの実施形態では、約0.1〜約20重量%であり、そして1つの実施形態では、約1〜約10重量%である。
【0116】
(実施例4)
本実施例は、本発明の水−ディーゼル燃料エマルジョンの例示的な例を提供する。以下に示される数値は、重量部である。
【0117】
【表3】
1無水ヘキサデシルコハク酸とジメチルエタノールアミンとを、1:1.35のモル比で反応させることによって調製された、エステル/塩。
2脂肪族溶媒。
【0118】
エマルジョンを、従来の混合を使用して、水を除いて、処方物AおよびBにおける全ての成分を混合することによって調製する。次いで、得られたディーゼル燃料−化学添加剤混合物を、高剪断混合条件下で水と混合して、水−ディーゼルエマルジョンを得る。高剪断ミキサーは、Advanced Engineering Ltd.によって、Model No.ADIL 4S−30で提供され、これは、4つの超微細分散ヘッド(superfine dispersion heads)および二重作用メカニカルシールを備えた、4段階複数剪断インラインミキサーとして識別される。
【0119】
(実施例5)
水−燃料エマルジョンについてのさらなる処方物を以下に示す。以下に示される数値は、重量部である。以下に示される乳化剤1は、実施例3に示される乳化剤と同じである。乳化剤2は、ポリイソブテン−(Mn=2000)置換無水コハク酸(ポリイソブテンに対するコハク酸基の当量比が1.7)をジメチルエタノールアミンと、1:1の当量比(1モルの無水コハク酸基 対 2モルのアミン)で反応させることによって調製されるエステル/塩である。乳化剤3は、ポリイソブテン−(Mn=1000)置換無水モノコハク酸およびエチレンポリアミン混合物(約80重量%のヘビーポリアミンおよび20重量%のジエチレントリアミンからなる)から誘導されるスクシンイミドである。有機溶媒は、芳香族溶媒である。
【0120】
【表4】
(実施例6)
【0121】
【表5】
(実施例7)
実施例および本発明の上記説明から、当業者は、本発明における改良、変更および改変を認知する。このような改良、変更および改変は、特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【0122】
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明してきたが、明細書を読むに際してそれらの種々の改変が当業者に明らかとなることが理解されるべきである。従って、本明細書中で開示される発明が、添付の請求の範囲の範囲内に含まれる場合には、そのような改変を網羅することが意図されることが理解されるべきである。
Claims (10)
- 水性炭化水素燃料を製造するためのプロセスであって:
(a)約50重量%〜約99重量%の液体炭化水素燃料および約0.05重量%〜約25重量%の乳化剤を含む炭化水素燃料/添加剤混合物を調製する工程であって、該乳化剤が、(i)少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤をアンモニアまたはアミンと反応させることによって製造される少なくとも1種の燃料可溶性生成物であって、該ヒドロカルビル置換アシル化剤が、約50個〜約500個の炭素原子を有する、少なくとも1種の燃料可溶性生成物;(ii)約1〜約40の親水性−親油性バランスを有する、少なくとも1種のイオン性または非イオン性化合物;(iii)(i)および(ii)の混合物;あるいは(iv)(i)、(ii)または(iii)と組み合わせた、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、硝酸エステル、ニトラミン、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびこれらの混合物、からなる群より選択される水溶性化合物、あるいは(iv)(i)、(ii)または(iii)と組み合わせた、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、硝酸エステル、ニトラミン、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびこれらの混合物、からなる群より選択される水溶性化合物から構成され、そしてここで、該炭化水素燃料/添加剤混合物が、約85重量%〜約99.9重量%の液体炭化水素燃料および約0.1重量%〜約15重量%の乳化剤を含む、工程;
(b)該炭化水素燃料および乳化剤を、水、水−不凍剤、水硝酸アンモニウム、水−不凍剤硝酸アンモニウム混合物またはこれらの組み合わせからなる群より選択される水混合物を用いて乳化して、第1乳化デバイス内で1ミクロンより大きい平均直径を有する水粒子サイズを有する水性炭化水素燃料/添加剤エマルジョンを形成する工程であって、炭化水素燃料/添加剤混合物:水の比が、約85〜約95:約15〜約5の範囲であり、そして該炭化水素燃料/添加剤混合物が、1分当たり約0.5ガロン〜約1000ガロンの範囲の速度で流れ、そして該水混合物が、0.5ガロン〜約1000ガロンの範囲の速度で流れる、工程;
(c)該水性炭化水素燃料/添加剤エマルジョンを第2乳化デバイスに直接移す工程;
(d)該第2乳化デバイス中で、1ミクロン未満の平均直径を有する粒子サイズに該エマルジョンを剪断する速度で、該水性炭化水素燃料/添加剤エマルジョンを混合する工程;
(e)工程(d)由来の該水性炭化水素燃料添加剤エマルジョンを、保存タンクに移す工程、を包含し、ここで、該プロセスが、連続プロセスである、プロセス。 - 前記水溶性化合物が硝酸アンモニウムである、請求項1に記載のプロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、前記乳化剤(i)が、(i)(a)アシル化剤とアルカノールアミンとの、少なくとも1種の反応生成物、および(i)(b)アシル化剤と、ポリアミンボトムス、少なくとも1種のヘビーポリアミンまたはこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種のエチレンポリアミンとの、少なくとも1種の反応生成物の組み合わせである、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、前記炭化水素燃料/添加剤混合物に、セタン向上剤、有機溶媒、界面活性剤、他の燃料添加剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される添加剤を、添加剤乳化剤混合物の約1重量%〜約40重量%の範囲で添加する工程を包含する、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、前記炭化水素燃料/添加剤混合物および水を、前記第1混合デバイスの前、該第1混合デバイス中またはその組み合わせで組み合わせる工程を包含し、ここで、前記第1乳化工程と前記第2乳化工程との間に炭化水素燃料添加剤水エマルジョンのエージングがない、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、前記炭化水素燃料/添加剤混合物が、1分当たり約10ガロン〜約600ガロンの範囲の速度で流れ、そして前記水混合物が、約10ガロン〜約600ガロンの範囲の速度で流れ、そしてここで、炭化水素燃料/添加剤混合物:水の比が、約85〜約95:約15〜約5の範囲である、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、前記第1乳化が、約1ミクロンより大きい〜約1000ミクロンの範囲の平均液滴粒子サイズを有するエマルジョンを生じ、そして前記第2乳化が、約0.01ミクロン〜約1ミクロンの範囲の平均液滴粒子サイズを有するエマルジョンを生じる、プロセス。
- 水性炭化水素燃料を連続的に製造するための装置であって、
(a)連続した少なくとも2つの乳化デバイスであって、該2つの乳化デバイスの間に保持タンクがない、乳化デバイス;
(b)炭化水素燃料/添加剤混合物を含むタンク;
(c)該タンクから第1乳化デバイスに、該炭化水素燃料/添加剤混合物を移すための導管;
(d)水供給源から該第1乳化デバイスに、水を移すための導管;
(e)該第1乳化デバイスから第2乳化デバイスに、該水性炭化水素燃料エマルジョンを移すための導管;
(f)該第2乳化デバイスから燃料保存タンクまたは燃料供給される物体に、該水性炭化水素燃料エマルジョンを移すための導管;
(h)該燃料保存タンクから該水性炭化水素燃料エマルジョンを分配するための導管;
(i)該連続プロセスを自動的に制御するためのプログラム可能論理制御装置、
を備え、ここで、該水性炭化水素燃料エマルジョンが、1ミクロン未満の平均液滴粒子サイズを有する、装置。 - 請求項8に記載の装置であって、前記第1乳化デバイスが、剪断ミキサー、機械的ミキサー、かきまぜ機、攪拌タンク、スタティックミキサー、音響ミキサー、パイプラインスタティックミキサー、液圧剪断ミキサー、回転剪断ミキサー、アクアシヤーミキサー、高圧ホモジナイザー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され、そして前記第2乳化デバイスが、アクアシヤーミキサー、パイプラインスタティックミキサー、液圧剪断デバイス、回転剪断ミキサー、超音波混合、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される高剪断ミキサーからなる群より選択される、装置。
- 請求項8に記載の装置であって、前記炭化水素燃料/添加剤混合物が、約50重量%〜約99重量%の液体炭化水素燃料および約0.05重量%〜約25重量%の乳化剤を含み、該乳化剤が、(i)少なくとも1種のヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤をアンモニアまたはアミンと反応させることによって製造される少なくとも1種の燃料可溶性生成物であって、該ヒドロカルビル置換アシル化剤が、約50個〜約500個の炭素原子を有する、少なくとも1種の燃料可溶性生成物;(ii)約1〜約40の親水性−親油性バランスを有する、少なくとも1種のイオン性または非イオン性化合物;(iii)(i)および(ii)の混合物;あるいは(iv)(i)、(ii)または(iii)と組み合わせた、アミン塩、アンモニウム塩、アジド化合物、ニトロ化合物、硝酸エステル、ニトラミン、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびこれらの混合物、からなる群より選択される水溶性化合物を含む、装置。
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