JP2004518716A - 骨多孔症予防および治療用医薬組成物 - Google Patents

骨多孔症予防および治療用医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明はデスとルキシン(destruxin)誘導体を有効成分として含有する骨多孔症の予防および治療用として有用な医薬組成物に関するものであり、黴から分離した本発明のサイクロデプシペプタイド(cyclodepsipeptide)は副甲状腺ホルモンが存在するか否かに関わらず破骨細胞に対し優れた活性抑制効果がある。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は骨多孔症予防および治療剤組成物に関し、より詳細には、本発明はデストルキシン(destruxin)誘導体を有効成分として含有する骨多孔症の予防および治療剤として有用な薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
骨多孔症は老齢化するに従って骨の密度が減少して生じる疾患であって、代謝性骨疾患のうち最も多い疾病である。このような骨多孔症は先進国で既に大きな社会問題として台頭し、その治療のために多くの研究が進まれており、最近韓国でも老齢社会に差し掛かりながら重要な老人疾患の一つとして台頭している。米国では約1,000万名が骨多孔症患者であり、約1,800万名が低い骨密度を有しているため、骨多孔症の予防および治療が時急な社会的課題として知られている。米国の場合、一生間女性2名のうち1名、そして白人男性8名のうち1名が骨多孔症と関連した骨折を経験するものと予想しており、既に200万名以上の米国男性達が骨多孔症で苦しんでおり、毎年9万名の米国男性が骨盤骨折で苦しんでおり、そのうちの1/3が1年内に死亡している。既に老齢社会になったヨーロッパの先進国でも骨多孔症治療剤の需要が最近毎年約10%の急激な増加勢を見せている。
【0003】
骨の組織は骨牙細胞による形成と破骨細胞による破壊吸収が絶え間なく繰り返られる動的な組織である。このような骨吸収と骨形成の機転には不明確な点が多いが、骨多孔症は骨吸収と骨形成のバランスが崩れて発生するもので、骨吸収が骨形成より亢進することに起因する疾患であって、現在破骨細胞に対し強力な阻害活性を有する骨吸収抑制剤の開発が活発に行われている。
【0004】
一方、デストルキシン誘導体は昆虫に寄生する黴であるメタルヒジウムアニソプリエ(Metarhizium anisopliae)を初めとする諸黴らから分離されたサイクロデプシペプタイド(cyclodepsipeptides)であって、殺虫活性を有するものと良く知られている物質であり、最近には抗ウイルス活性、リュケミア細胞に対する細胞毒性もあるとのことが公知されており(F.Cavelier et al.,J.Peptide Res.,50,1997,94‐101)、強心剤またはエリトロポイエチンの誘導物質などとして使用できることも知られている。しかし、今までデスとルキシン誘導体が骨多孔症予防および治療に有効であるとのことについては全く知られたことがなく、また、この物質の細胞生理活性作用機転はデストルキシン誘導体が昆虫のNa+‐ATPaseの機能を阻害することにより殺虫効果を現すものと知られている。
【0005】
骨の代謝において、石灰化された骨の成分は骨吸収(bone resorption)に関与し、この際、破骨細胞は骨の表面に存在しながら骨吸収を担当し、この過程で形成された細胞滓を除去する(Rossなど、1995)。また、骨吸収を担当する前記破骨細胞は色々なホルモン作用を受けるが、この際、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)は骨基質の吸収を促進させる破骨細胞の数を増加させ活性化させてカルシウムを遊離させる。
【0006】
このように骨多孔症誘発に重要な役割をする破骨細胞は、その特性上骨を分解するために強い酸を分泌するが、これのために多くのH+‐ATPaseを使用している。本発明者達はNa+‐ATPaseとH+‐ATPaseは遺伝子水準で相異な部分もあるが、同じ空胞性エチピアーゼ系列(vacuolar ATPase family)であって共通的な部分も有していることに着目してデストルキシン誘導体についての研究を継続した結果、デストルキシン誘導体が破骨細胞増加および活性化の阻害能を有しているだけでなく、破骨細胞阻害能が非常に優れていることを確認し、これにより本発明を完成することになった。
【0007】
従って、本発明の目的は、破骨細胞の阻害能があるデストルキシン誘導体を含有する骨多孔症予防および治療用薬剤組成物を提供することにある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は下記化学式(I)で示されるデストルキシン(destruxin)誘導体を有効成分として含有する薬剤組成物をその特徴とする。
化学式(I)
Figure 2004518716
但し、前記式でRはCH,CH‐CH=CH,CHCH(CH,CHCH(CH)CHOH,
Figure 2004518716
,CHCH(CH)COOH,CHCH(OH)CHCl,CH‐C≡CHまたはCHCH(OCOCH)CHClであり、R,RおよびRはHまたはCHであり、RとRはCH(CH)CHCHまたはCH(CHであり、nは2または3である。
【0009】
デストルキシン誘導体は公知された方法(Phytochemistry,Vol.20,pp.715‐723,1981;J.Chem.Soc.Perkin.Trans./,2347‐2357,1989;J.Peptide Res.50,1997,94‐101;J.Antibiotics,Vol.50,1007‐1013,1997;J.Nat.Prod.,61,290‐293,1998など)に記述された方法1により製造することができる。これによると多く知られているデストルキシン誘導体であるデストルキシンA,B,C,D,E,A1,A,B1,B,C,D1,D,E1およびEなどだけでなく、ロゼオトキシンB、ロゼオカルジン、デスメチルデストルキシンB、そしてR1がクロロハイドリンまたはアセチル化クロロハイドリンなどで置換された各種のデストルキシン誘導体らの製造方法・分離方法とその用途などが公知されている。本発明のデストルキシン誘導体は薬剤学的に許容される塩として使用されることもできるが、通常の無機酸または有機酸科の塩でありうる。
【0010】
本発明により用いられうるデストルキシン誘導体は次の表1の通りである。
本発明によるデストルキシン誘導体
【表1】
Figure 2004518716
【0011】
本発明による前記化学式(I)で表示されるデストルキシン誘導体は破骨細胞に対する抑制効果が非常に強力であるため、臨床的に有用な骨多孔症予防および治療剤として用いられうる。従って、本発明は前記化学式(I)で表示されるデストルキシン誘導体とその薬剤学的に許容可能な塩を活性成分として含有する薬剤組成物に関するものである。
本発明の薬剤組成物を臨床的に利用するときには薬剤学的分野で通常的な担体と一緒に配合して通常的な製剤、例えば、錠剤、カプセル剤、トロッキー剤、液剤、懸濁剤などの経口投与用製剤、そして注射用溶液または懸濁液、または注射時に注射用蒸留水に製造して用いることができる即時使用型注射用乾燥粉末などの形態である注射用製剤、その他スプレーに用入られる液剤、延いては座剤またはパッチ剤などの多様な製剤に製型化することができる。
【0012】
通常的な担体を用いて製造された薬剤学的製剤は、経口投与したり、非経口、例えば、静脈内、皮下、腹腔内、鼻腔または口腔などの体腔または局所に投与することができる。また、本発明によるデストルキシン誘導体の人体に対する投与量は、一般的に大人に1日0.1μg〜100mg、望ましくは100μg〜〜1mgの量を投与するようにし、医師または薬師の判断により一定時間間隔で1日数回、望ましくは1回乃至は6回に分割投与することもできる。
【0013】
本発明ではデストルキシン誘導体が骨吸収を抑制する程度を測定して、これを骨多孔症抑制活性として調査するために破骨細胞の骨吸収抑制能試験法を確立して検索に用いた。試験法は骨切片に生成された破骨細胞の骨吸収の痕跡であるピット(pit)の数と面積を測定するのであり、この際、骨吸収が抑制された程ピットの面積が減るので、対象群と区別することができる。また、別の試験法は破骨細胞の骨格を維持する機能を有しているアクチンリング(actin ring)を観察するのであり、この際、破骨細胞が阻害を受けた程アクチンリングが正常的な構造を有しなくなるので、対象群と区別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の具体的な構成および作用を次の実施例に拠りもっと詳細に説明するが、本発明の権利範囲がこれら実施例にのみ限定されるのではなく、当業者間で容易に実施することができる如何なる変更も可能である。
【実施例1】
【0015】
:破骨細胞の準備
本実施例では骨牙細胞と骨髄細胞の共存培養により破骨細胞を次の通り準備した。
実験例1:骨牙細胞の準備
生後1日のマウス50匹を70%のエタノールに溺死させた後、各マウスから頭蓋骨(calvaria)を得てこれをα‐MEM培地(Gibco社製品)にジスパーゼ(dispase,べリンガーマンハイム社製品)とコラゲナーゼ(collagenase,Wako社製品)をそれぞれ0.2%,0.1%になるよう溶解した培地10mLが盛られた50mL遠心分離用チューブに入れる。37℃で5分間200rpmで震盪した後、培地を回収し、培地が除去された試験管に更に0.2%のジスパーゼ,0.1%のコラゲナーゼが含まれたα‐MEM培地10mLを入れて、37℃で10分間200rpmで震盪した後、また培地を回収した。この操作を3回繰り返し実施して骨牙細胞が含まれた培地40mLを回収した。この液を1000rpmで5Fetal Calf Serum)が10%含まれたα‐MEM(10%FCS)培地10mLを入れて懸濁させ、更分間遠心分離した後、培地は捨て沈澱した骨牙細胞に血清(FCS:にα‐MEM(10%FCS)培地15mLを入れて25mLに作った。前記溶液5mLを予めα‐MEM(10%FCS)培地10mLが含まれた100×20mm培養皿五つにそれぞれ入れて、37℃、5%のCOで培養した。2日間培養した後、細胞を観察して回収した。この際、破骨細胞の回収は、培養皿の培地を除去し、0.2%のコラゲナーゼが含まれたα‐MEM(10%FCS(‐))培地を2mLずつ入れて、約20分間37℃で5%のCOに放置した後、表面に付着した細胞を取り離し、取り離された培地は全て集めて1000rpmで遠心分離して完了した。前記骨牙細胞の細胞液を更にα‐MEM(10%FCS)培地で懸濁して準備し、次の実験に供試材料として用いた。
【0016】
実験例2:骨髄細胞の準備
ddYマウス(6〜9週齢の雄)を脊髄脱臼で犠牲させて、70%のエタノールで消毒した後〔以下、操作はクリーンベンチ(Clean Bench)で遂行した〕、大腿骨および脛骨部分の皮層を切開して付着筋肉を除去した。脛骨の円心部を切断し膝関節を脱臼させて脛骨および大腿骨を摘出した。摘出された骨端を切断し25ゲージ(Gage)の注射器を利用して大腿骨および脛骨の円心末端部分にα‐MEM(10%FCS)培地1〜2mLを注入して骨髄細胞を集めたのであり、2〜3匹ずつそれぞれこの操作を遂行した。1000rpmで遠心分離して細胞を集めた後、培地を除去し、沈澱した細胞のうち赤血球を除去するために0.83%のNHClが含まれた10mM Tris HCl緩衝液(pH7.5)3mLを添加した。更に1000rpmで遠心分離した後、上層溶液を除去した。このようにして脛骨一つ当り約1×10個の骨髄細胞を得たのであり、この骨髄細胞は下記実験例3の共存培養に直ちに用いられた。
【0017】
実験例3:破骨細胞の準備
破骨細胞の形成と分離はコラゲンゲル溶液がコーテイングされた培地上でなされ、コラゲンゲル溶液コーテイング培地の製造は次の通りにした。コラゲンゲル、5倍濃度のα‐MEM培地(NaHCOを含む)、2.2%のNaHCOまたは200mMのHEPESを含む0.05M NaOH緩衝液(pH7.4)をそれぞれ7:2:1の割合で低温で混合して、約4〜5mLを100mL培養皿に注ぎ、コラゲン溶液が培養皿の全体面に均一に塗布されるよう良く振った後、37℃で5分間ゲル化させて4℃で保管した。塗布されたコラゲンゲル溶液培地に前記実験例1と2で準備した骨牙細胞(約1×10細胞)と骨髄細胞(約1×10細胞)を活性ビタミンD(10‐8M)が含まれたα‐MEM(10%FCS)培地で2日毎に培地を替えながら6〜8日間共存培養を行った。培養液を除去しジスパーゼとコラゲナーゼが含まれたα‐MEM培地(10%FCSが含まれていない)を3mL添加した後、37℃で約300rpmで震盪させてコラゲンゲルが溶解されるようにした。
入口が広いポリプロピレンピペットで細胞を混濁させて50ml遠心管に移し、200rpmで5分間遠心分離した後、α‐MEM培地(10%のFCSを含む)で懸濁して、破骨細胞溶液を準備した。
破骨細胞の典型的な特徴はTRAP(tartrate‐resistant acid phospatase)活性、多量のカルシトニン収容体および骨吸収能を有するという点である。従って、本発明では破骨細胞を他の細胞と区分するためにTRAP染色をすることにより容易に確認した。
【実施例2】
【0018】
:破骨細胞の生成確認
実験例1:TRAP(tartrate‐resistant acid phospatase)反応液の調剤
基質ナフトール(Naphtol)AS‐MXポスペート(Sigma社製品)5mgをN,N‐ジメチルホルムアミド0.5mLに溶解した後、50mMタルタル酸(Sigma社製品)を含む0.1N NaHCO緩衝液(pH5)を50mLになるように添加し、色素(Fast red violet LB sait)(Sigma社製品)30mgを入れて溶解させた。
【0019】
実験例2:TRAP染色
破骨細胞が形成されたプレートから培地を除去し、10%のホルマリンを入れて、5〜10分間固定した後、乾燥した。前記実験例1で調剤したエタノール/アセトン(1/1)溶液に再び固定した後、また乾燥した。TRAP溶液を入れ、室温で10〜15分間放置した後、反応液を除去し、これを水洗・乾燥して、顕微鏡で観察した結果、多量の破骨細胞が生成されたのが図1の通り確認された。
【実施例3】
【0020】
:破骨細胞の骨吸収能検定
実験例1:ピット測定法
破骨細胞の最も重要な特性は骨を分解することであるため、骨の表面で成長している破骨細胞が骨表面の骨吸収痕跡(ピット;pit)を測定することにより、破骨細胞の骨吸収能の有無を調査した。
骨の切片を1mm厚さに切断してメタノールに入れ、U.V殺菌燈がともされた前記クリーンベンチで殺菌した後、準備した骨の切片を96well plateに一つずつ入れて、α‐MEM培地(10%のFCSを含む)100μlを入れた。破骨細胞のピット形成阻害活性を測定すべきデストルキシンE(Destruxin E)を最高3μl入れた後、準備した破骨細胞溶液100μlを入れて良く振って混合し、37℃、5%CO下で1日間培養した。培養後、顕微鏡で骨の切片周辺の破骨細胞状態を観察し、4℃で保管した。
骨の切片に生成されたピットの数と面積を測定して対象群と比較すれば活性を測定することができるため、ピットを顕微鏡で観察するために骨の切片を破骨細胞が成長した部分を上向きにして96well plateから取り出して紙タオルに置き、染色液へマトキシン溶液(Sigma社製品)6μLを骨の切片上に添加した。3〜5分後に前記ヘマトキシン溶液を除去し、酸性溶液で染色液を完全に除去した後、骨の切片を顕微鏡で観察してピットの数を測定した結果、図2および図3(A)の通リであった。図2(A)は正常的な破骨細胞の形態を示し、(B)は骨の表面で破骨細胞の骨吸収作用に因り形成されたピットの様子であり、(C)はデストルキシンEで処理した後に破骨細胞が変形されて萎縮した様子を示し、(D)はデストルキシンEを処理した後に破骨細胞の骨吸収作用の結果減少したピットの形態を示している。図3(A)はデストルキシンEが処理された培地で成長した破骨細胞が生成したピットの数と正常培地で成長した破骨細胞の数を数値化したグラフであるところ、デストルキシンEの濃度が増加する程ピットの数が減少していることが分かった。また、デストルキシンEは、次の表2から見られる通り、10nMで50%の阻害活性(IC50)を有するものと確認された。
【0021】
本発明によるデストルキシンEによる破骨細胞のピット阻害活性
【表2】
Figure 2004518716
【0022】
実験例2:アクチンリング検定法(Actin ring assay)
また、破骨細胞の骨格を維持する機能を有しているアクチンリングの観察のために前記実験例1のTRAP染色法の代りにアクチンリング検定法を用いた。培地を除去しホルマリンで10分間固定し、Tween20で1回洗浄してメタノールに溶解された300Uロドアミンパロイジン(Rhodamine phalloidin)(Sigma社製品)で30分間光が入らない暗所で処理し、UV光源下で細胞内アクチンリングの分布を観察した。実験結果、表3から見られる通り、8nM(IC50)で破骨細胞の50%が正常的なアクチンリングの構造を有しないものと確認された。図3の(B)はデストルキシンで処理された破骨細胞のアクチンリングが正常か否かを正常的な破骨細胞と相対的に比較したグラフであるところ、デストルキシンEの濃度増加に従って正常的なアクチンリングの数が減少しているのが分かった。
本発明のよるデストルキシンEによる破骨細胞のアクチンリング阻害活性
【表3】
Figure 2004518716
【実施例4】
【0023】
:マウスの器官培養によるデストルキシンEの45Ca遊離阻害能調査
妊娠15〜16日のddyマウスに45Caでラベリングされた塩化カルシウム溶液を皮下注射して骨にラベリングをした後、1日後にマウスをエーテル(Ether)で麻酔させ、70%のエタノールで全身を消毒した後、マウスの腹を切開して子宮を切り開き胎マウスを摘出して消毒した実験皿に移した。摘出された胎マウスの前足を切り取って骨を摘出したが、これは実体顕微鏡下で行い、皮層を剥がした後に腰骨(radius)と脊骨(ulna)に付いている筋肉を取り離し、各骨の両側末端にある軟骨部を切り取った。この際、骨が乾かないようにし、全培養をする前にBGJb培地(Gibco社製品)を0.5mlずつ24wellの皿に入れ、ステーンレススチール膜を培地に入れて、その上に準備した骨を置いた。24時間培養後にデストルキシンEが含まれた培地に移し72時間培養した。この際、人体でカルシウム放出を誘導する副甲状腺ホルモン(PTH)を共に使用してその阻害活性を測定しようとした。培養終了後には骨だけを掬い上げて5%のTCAで骨の中に存在する45Ca量を測定すると共に培地内に存在する45Ca量を測定した。この際、骨吸収活性は次の通り計算した。
骨吸収活性=培養液中の45Ca放出量/(培養液中の45Ca放出量+骨中の45Ca量)×100
図4(A)は45Ca放出に対するデストルキシンEの濃度依存的な抑制効果を数値化したグラフであるところ、デストルキシンEの濃度が増加する程45Ca放出が減少しているのが分かった。また、図4(B)はデストルキシンEと鰻カルシトシンの抑制効果を比較したグラフであって、デストルキシンEの抑制効果が鰻カルシトシンの抑制効果よりずっと優れるのが分かった。
【実施例5】
【0024】
:デストルキシンB(Destruxin B)の破骨細胞阻害
本発明によるデストルキシンBの破骨細胞阻害活性実験を前記実施例4と同一の過程を経て実施した。デストルキシンBの場合は、表4から分かる通り、IC50(ピット阻害活性)とIC50(アクチンリング阻害活性)がそれぞれ0.2μM,0.6μMであって、デストルキシンEより活性は低いが破骨細胞阻害活性は非常に優れるものと判明された。
本発明によるデストルキシンBの破骨細胞阻害活性
【表4】
Figure 2004518716
【実施例6】
【0025】
:破骨細胞の形態および生存に対するデストルキシン誘導体A,B,Eの作用
本発明によるデストルキシン誘導体A,B,Eを破骨細胞に処理してED50(5培養界に存在する50%破骨細胞の形態変化を誘導する濃度)とMIC(培養界に存在する全ての破骨細胞の生存を阻害する最小濃度)を測定した。デストルキシンAの場合には、表5から分かる通り、ED50とMICがそれぞれ0.2μM,20μMと現れ、デストルキシンBの場合にはED50とMICがそれぞれ0.3μM,10μMと現れ、デストルキシンEの場合にはED50とMICがそれぞれ0.3μM,10μMと現れ、デストルキシンEの場合にはED50とMICがそれぞれ0.02μM,0.2μMと現れたので、デストルキシンEの場合に抑制効果が特にもっと優れるのが分かった。
破骨細胞の形態および生存に対するデストルキシン誘導体の作用
【表5】
Figure 2004518716
ED50:培養界に存在する50%破骨細胞の形態変化を誘導する濃度
MIC:培養世界に存在する全ての破骨細胞の生存を阻害する最小濃度
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上、実施例と実験例により分かる通り、本発明によれば、デストルキシン誘導体の骨多孔症と関連する疾患の予防および治療用薬剤組成物としての新たな用途を提供する効果がある。また、本発明によれば、化合物デストルキシン誘導体を有効成分として含有した骨多孔症の予防および治療用薬剤組成物を提供する優れた効果があるため、化学および医薬産業上非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】TRAP染色した成熟した破骨細胞を示す。
【図2】(A)は正常的な破骨細胞の形態を示し、(B)は骨の表面で破骨細胞の骨吸収作用により形成されたピットを示し、(C)はデストルキシンEで処理した後に破骨細胞が変形されて萎縮した様子を示し、(D)はデストルキシンE処理後に減少されたピットを示す。
【図3】(A)はデストルキシンEでの濃度に対しての生成したピット数を示す。(B)はデストルキシンEで処理した破骨細胞のアクチンリングが正常な破骨細胞と相対的に正常な構造かを比較したグラフを示す。
【図4】骨吸収作用を誘発する副甲状腺ホルモン(PTH)を添加したが、デストルキシンEにより骨吸収作用が更に減少されたのを示すグラフである。
【図5】(A)と(B)は器官培養における45Caの放出に対するデストルキシンEの効果を示すグラフであって、(A)はデストルキシンEが含まれた培地の濃度に従って45Ca放出が大いに減少していることを示すグラフであり、(B)はデストルキシンEの抑制効果が鰻カルシトシンの抑制効果よりもっと優れていることを示すグラフである。

Claims (4)

  1. 下記化学式(I)で表示されるデストルキシン誘導体を有効成分として含有する骨多孔症の予防および治療用医薬組成物。
    Figure 2004518716
    但し、前記式でRはCH,CH‐CH=CH、CHCH(CH,CHCH(CH)CHOH、
    Figure 2004518716
    ,CHCH(CH)COOH,CHCH(OH)CHCl,CH‐C≡CHまたはCHCH(OCOCH)CHClであり、R,RおよびRはHまたはCHであり、RとRCH(CH)CHCHまたはCH(CHであり、nは2または3である。
  2. 前記デストルキシン誘導体がデストルキシンEである請求項1記載の骨多孔症予防および治療用医薬組成物。
  3. 前記デストルキシン誘導体がデストルキシンBである請求項1記載の骨多孔症予防および治療用医薬組成物。
  4. 前記デストルキシン誘導体がデストルキシンAである請求項1記載の骨多孔症予防および治療用医薬組成物。
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