JP2004518180A - 人間の顔に対する眼鏡の光学的効果をシミュレートおよび実証する方法 - Google Patents

人間の顔に対する眼鏡の光学的効果をシミュレートおよび実証する方法 Download PDF

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Abstract

特定の眼鏡フレームおよびその眼鏡フレームに装着される光学レンズが眼鏡装用者の外観に及ぼす効果を、別の人間(仮想観測者)により知覚されるごとく実証するための方法を記載する。
本発明は以下の特徴を有する。
−眼鏡装用者の顔の画像を、その画像がコンピュータにおいて処理できるような態様で作成する。
−眼の正面でそれぞれの眼鏡フレームの構成を決定する。
−(仮想)観測者の眼の回転中心を通過する主光線の計算(光線追跡)によって顔の画像を平面に投影し、それによりその平面において顔の平面像を生成する。−眼鏡を「装用した」顔のそのように生成された平面像の観測者が、眼鏡レンズによる顔の眼の部分の歪みおよびそれとともに眼鏡レンズの品質を評価できるように、眼鏡フレームのレンズリムまたは眼鏡レンズのエッジ内に存在する主光線の経路を計算する際に、それぞれのレンズリムに(仮想的に)装着された各眼鏡レンズの、主光線が通過する領域の光学パワーおよび眼の正面におけるその構成を考慮する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の眼鏡フレームおよびその眼鏡フレームに装着された光学レンズが眼鏡装用者の外観に及ぼす効果を、別の人間(仮想観測者)により知覚されるごとく実証する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡レンズを実証する、または眼鏡レンズの特性を評価するためのいくつかの方法が知られている。眼鏡レンズの光学特性、等高線の表現または、眼鏡レンズの各種光学特性の擬似三次元表現を実証するために、例えば、表面非点収差または全非点収差、表面度数または度、および外観も、頻繁に使用される。これらの表現は、技術的性質のものであり、例えば眼科医といった当業者によってのみ解釈することができる。
【0003】
ヨーロッパ特許第1018691A1号は、視覚的印象をシミュレートするための方法および装置を記載している。この公報に記載された方法は、眼鏡レンズの潜在的購買者が、その買おうとする眼鏡レンズにより自分がどのように見ることができるようになるかを判断できるようにする。それらの眼鏡レンズを使用する時のその者自身の外観の評価は、これらの周知の方法では可能ではない。
【0004】
一般に、製品「眼鏡」の、すなわち将来の使用者により選定されたある眼鏡フレームおよび、使用者により選定されたかまたはその者に推奨された眼鏡レンズの極めて大きな技術的複雑さは、限られた範囲のみ眼鏡装用者によって理解され得るにすぎない。
【0005】
眼鏡フレームの選択は通常、フレームがその人に似合うかどうかを眼鏡装用者が直ちにわかるので、眼鏡装用者に対しいかなる大きな問題も呈することはない。さらに、フレームの選択には様々な援助が得られる。従って例えば、顧客がそれらの写真またはビデオ記録を比較することによって自分に最も似合う眼鏡フレームを選ぶことができるように、様々な眼鏡フレームを装用して顧客の写真を撮る、ということが知られている。このようなやり方は、強い屈折異常の顧客にとって、新しいフレームを着けた自己自身を鏡ではっきりと見ることができないので、特に好ましい。
【0006】
これまで市販されてきたすべての実証手段の不利益は、単に様々な眼鏡フレームが評価できるだけで、眼鏡フレームに装着された眼鏡レンズが顧客の顔の外観に及ぼす効果は評価できないことである。正確に述べれば、周知の実証手段は、例えば眼鏡レンズの屈折誤差または非点収差といった光学特性の評価、すなわち眼鏡装用者自身が見ることができるものの評価を可能にするにすぎず、眼鏡装用者の外観、すなわち眼鏡装用者が他人によってどのように知覚されるかということの評価は可能にしない。
【0007】
しかし、眼鏡レンズの品質は、決定的にではないが、眼鏡装用者が他人にどのように見えるかということにも存する。過度に強く選択された曲率(ベースカーブ)のために過度に強く拡大する眼鏡を装用した場合、いわゆる「出目効果」が現れるであろう。過度に小さい曲率(眼鏡レンズの前面の平均曲率)のために大面積の反射像または小さい反射像を示す眼鏡が装用された場合、顔が変わる。さらに、不適切な反射防止特性により不快な残存反射色を示すかまたは、適切な反射防止特性により美的な残存反射色を呈する眼鏡を装用した場合も、顔が変わる。
【0008】
顧客が眼鏡を最適に選ぶことができるようにするために、眼鏡フレームだけでなく眼鏡フレームに装着される眼鏡レンズにも考慮がなされなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、眼鏡を購入する際に特定の種類のレンズおよび特定の反射防止特性の決定を行う上で眼鏡装用者を援助する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的は、特定の眼鏡フレームおよびその眼鏡フレームに装着される光学レンズが眼鏡装用者の外観に及ぼす効果を、別の人間(仮想観測者)により知覚されるごとく実証する方法を規定する請求項1の記載に従って達成され、その方法は以下の特徴を有する。
−眼鏡装用者の顔の画像を、その画像がコンピュータにおいて処理できるような態様で作成する。
−眼の正面でそれぞれの眼鏡フレームの構成を決定する。
−(仮想)観測者の眼の回転中心を通過する主光線の計算(光線追跡)によって顔の画像を平面に投影し、それによりその平面において顔の平面像を生成する。−眼鏡を「装用した」顔のそのように生成された平面像の観測者が、眼鏡レンズによる顔の眼の部分の歪みおよび、従って眼鏡レンズの品質を評価できるように、それぞれのレンズリムに(仮想的に)装着された各眼鏡レンズの、主光線が通過する領域の光学パワーおよび眼の正面におけるその構成を、眼鏡フレームのレンズリムまたは眼鏡レンズのエッジ内に存在する主光線の経路を計算する際に考慮する。
【0011】
ここにおいて、主光線の計算は、眼鏡フレームの実際の位置(全視角度、装着点高さ、頂点距離など)が決定され以後考慮される、眼鏡レンズのいわゆる「装用時」位置に関して行われる。
【0012】
顔の画像は、任意の画像、特に各種標準画像から選択可能な画像とすることができる。あるいはまた、顔の画像は、電子画像記録機により撮られた人間の写真としてもよい。この場合特に、眼鏡フレームおよび/または眼鏡レンズを選択したいと望んでいる人間の写真が使用され、その写真はその人間が眼鏡フレームを装用した状態で撮られる。
【0013】
コンピュータは、表現された人間の顔に眼鏡フレームの画像を生成する。眼鏡フレームのレンズリムまたは眼鏡レンズのエッジ内に存在する主光線の経路を計算する際に、眼鏡を「装用した」顔のそのように生成された平面像の観測者が、眼鏡レンズによる顔の眼の部分の歪みおよびそれとともに眼鏡レンズの品質を評価できるように、それぞれのレンズリムに(仮想的に)装着された各眼鏡レンズの、主光線が通過する領域の光学パワーおよび眼の正面におけるその構成が考慮される。特に、いわゆる出目効果が生じるかどうかまたは、乱れた反射像によって外観が損なわれるかどうかを評価することができる。
【0014】
顔の画像は、二次元画像または、深さに関する情報を与えた三次元画像とすることができる。
【0015】
三次元画像を使用する場合、異なる頭の位置で顔の様々な画像が計算される。結果として得られる一連の写真は、特に短いフィルムとして示すことができる。顔の単数または複数の画像がピクセル画像である場合にそれは有利である。
【0016】
さらに、選定された格子点におけるピクセル点だけが計算され、中間ピクセル点は適切な方法によって補間により決定される場合もそれは有利である。
【0017】
これは、計算を実行するために必要な時間を短縮し、顧客は過度に長時間待つ必要がない。結果として得られた画像は、例えばPCで、顧客に示すことができ、顧客は、様々な曲率および/または反射防止特性の自己の顔への効果を観察および比較することができる。従って、顧客に対し特定の眼鏡を装用した時にその者が別の人間に与える印象を実証することによって、顧客は、それまで理論的にしか説明されなかった利点を視覚的に示され得る。
【0018】
光線追跡法に従った計算だけでなく、波面の計算(波動追跡法)を行うことができ、これは眼鏡レンズによる不明瞭な結像を考慮する。
【0019】
眼鏡レンズの前面および後面における任意の形状の任意に配置されたグレア光源の主光線の反射が計算され、また、像平面と同じほどまでに延長する反射像が、コーティングに依存する強度および残存反射色、眼鏡レンズ材料の屈折率およびアッベ数に従って計算および追跡される。
【0020】
上述の方法を実行するための装置は、画像の支持装置、眼鏡レンズの支持装置、グレア光源、仮想観測者の顔の支持装置および主光線を計算するためのコンピュータを含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明は、全体的な発明概念の限定を伴うことなく、本文においてより明示的に記載されていない本発明の全部の詳細の開示に関して明らかに注意を喚起する図面に関連した実施形態の助成により例示として説明される。
【0022】
図1は、特定の眼鏡フレームおよびそのフレームに装着された光学レンズが眼鏡装用者の外観に及ぼす効果を、別の人間(仮想観測者)により知覚されるごとく実証するための本発明の方法の手順を例示している。
【0023】
「仮想観測者」の眼の回転中心は、参照符号1により指示されている。光線は、眼の回転中心1から、眼鏡装用者の顔の原ピクセル画像2に進み、その正面に特定の眼鏡レンズ3が、装用時の位置において、すなわち、特定の眼鏡フレームによって決定される通り、頂点距離、傾き、セントレーションなどを有して配置される。眼鏡装用者の顔を表現するピクセル画像2は、その画像がコンピュータにおいて処理され得るように作成される。
【0024】
仮想観測者の眼の回転中心1から進む光線の一部4は、屈折されることなく眼鏡レンズ3を迂回するが、眼鏡レンズ3を通過する主光線5は、前面および後面で、すなわち2回、屈折される。眼鏡レンズ3を通過する主光線の経路を計算する際に、それぞれの眼鏡リムに(仮想的に)挿入された各眼鏡レンズの光学パワーおよび眼の正面におけるその構成が考慮され、その結果、眼鏡を「装用した」顔のそのように生成された平面像の観測者は、眼鏡レンズによる顔の眼の部分の歪みおよび、従って眼鏡レンズの品質を評価できる。
【0025】
そのために、仮想観測者の眼の回転中心1を通過する画像2の各ピクセルからの主光線が計算される。この計算から得られる画像は、像平面6において生成され、顧客に示される。さらに、グレア光源7の効果も実証され得る。グレア光源から発する光線8は、眼鏡レンズの表面で反射され、像平面6において反射像を生じる。全部の光学構成要素の位置は自由に選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
画像の計算のための光学構成要素の略図である。
【符号の説明】
1 仮想観測者の眼の回転中心
2 原ピクセル画像(物体平面)
3 眼鏡レンズ
4 非屈折光線
5 眼鏡レンズで屈折された光線
6 計算されたピクセル画像(像平面)
7 グレア光源
8 グレア光線

Claims (15)

  1. 特定の眼鏡フレームおよびその眼鏡フレームに装着される光学レンズが眼鏡装用者の外観に及ぼす効果を、別の人間(仮想観測者)により知覚されるごとく実証する方法であって、以下の特徴、
    −眼鏡装用者の顔の画像を、その画像がコンピュータにおいて処理できるような態様で作成することと、
    −眼の正面でそれぞれの眼鏡フレームの構成を決定することと、
    −(仮想)観測者の眼の回転中心を通過する主光線の計算(光線追跡)によって顔の画像を平面に投影し、それによりその平面において顔の平面像を生成することと、
    −眼鏡を「装用した」顔のそのように生成された平面像の観測者が、眼鏡レンズによる顔の眼の部分の歪みおよびそれとともに眼鏡レンズの品質を評価できるように、眼鏡フレームのレンズリムまたは眼鏡レンズのエッジ内に存在する主光線の経路を計算する際に、それぞれのレンズリムに(仮想的に)装着された各眼鏡レンズの、主光線が通過する領域の光学パワーおよび眼の正面におけるその構成を考慮することとを含む、方法。
  2. 主光線の計算は、眼鏡レンズのいわゆる「装用時」位置に関して実行されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 顔の画像は、任意の画像、特に各種標準画像から選択可能な画像であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 顔の画像は、電子画像記録機で記録された人間の写真であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 眼鏡フレームおよび/または眼鏡レンズを選択したいと望んでいる人間の写真が画像として使用されることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 眼鏡フレームを装用している人間の写真が撮られることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
  7. コンピュータは、表現された人間の顔に眼鏡フレームの画像を生成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 顔の画像は、二次元画像であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 顔の画像は、三次元画像であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  10. 異なる頭の位置で顔の様々な画像が計算され、結果として得られる一連の画像が短いフィルムとして実証されることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 顔の単数または複数の画像がピクセル画像であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 選定された格子点におけるピクセル点だけが計算され、中間ピクセル点は適切な方法によって補間されることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 光線追跡法に従った計算だけでなく、眼鏡レンズによる不明瞭な結像を考慮する、波面の計算(波動追跡法)が行われることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 眼鏡レンズの前面および後面における任意の形状の任意に配置されたグレア光源の主光線の反射が計算され、また、
    像平面と同じほどまでに延長する反射像が、コーティングに依存する強度および残存反射色、眼鏡レンズ材料の屈折率およびアッベ数に従って計算および追跡されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の方法を実行するための装置であって、
    −画像の支持装置と、
    −眼鏡レンズの支持装置と、
    −グレア光源と、
    −仮想観測者の顔の支持装置と、
    −主光線を計算するためのコンピュータとを含む、装置。
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