JP2004516734A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アンテナ装置たとえば自動車間の距離または速度を測定するためのアンテナ装置に関する。この場合、信号波を受信または送信する装置2と、この送受信装置2の下方に配置された多層の支持体5と、この支持体5において送受信装置2の対向する表面に配置されアースされた第1の電位面4と、この第1の電位面4内に配置された結合装置3と、第1の電位面4の下方においてできるかぎりその近くに配置された電気接続区間7と、この電気接続区間7の下方に配置されアースされた第2の電位面10が設けられている。

Description

【0001】
従来の技術
本発明はアンテナ装置たとえば自動車間の距離または速度を求めるためのスロット結合アンテナ装置に関する。
【0002】
本発明はアンテナ分野の任意の適用領域で利用できるけれども、本発明ならびに本発明の基礎とする問題点について自動車間の距離または速度を求めるための車載アンテナ装置を引き合いに出して説明する。
【0003】
レーダ(マイクロ波)たとえば短距離レーダを用いて距離と速度を測定するシステムはすでに知られている。このため従来は殊に放射面アンテナ装置(パッチアンテナ)が用いられており、この場合、放射面(パッチ)は基板材料上にじかにまたは発泡材料を介して取り付けられている。放射面はアンテナ側でフィードラインまたは結合スロットにより励起される。この場合、フィードラインをたいていは異なる別の材料に取り付けることができ、その際に個々のレイヤもしくは層を互いに上下に接続する必要がある。しかしながらこのようなアンテナ装置の欠点は、個々の材料層の相対的な調整および精密な位置決めが非常に複雑となり実施が困難なことである。
【0004】
さらに本出願人の知っているアンテナ装置はいわゆるトリプレート(triplate)技術によって製造されており、このアンテナ装置の場合には2つの金属化部の間に電気接続区間が配置されている。この種のアンテナ装置はたとえば、孔の開けられた個々の金属プレートとアンテナパターンもしくはフィードラインを備えたシートと発泡中間層とから成る。個々の層はたとえばねじ留めによりまとめられ、すべって位置がずれないよう保護されている。相当に複雑な構成ならびにそのために必要とされる煩雑な製造プロセスゆえに、この種のアンテナ装置は非常にコストがかかる。
【0005】
さらに本出願人の知っているアンテナ装置は、たとえばFR4基板から成る積層被着されたプリント配線板上に取り付けられている。このプリント配線板の上にいわゆるソフトボードが積層され、このソフトボードの一方の面に結合スロットが設けられている。この場合、FR4基板から面が削り取られ、この削り取られた面に発泡材料がはめ込まれ、金属製の放射面ないしはパッチがたとえばフィルムによってその上に取り付けられる。このようなアプローチの欠点は煩雑な製造方法が必要なことであり、それというのも孔を削りだして発泡材料を組み込まなければならないからである。
【0006】
これに加えてすべての公知の装置においてたとえばプロセッサクロック、コンポーネントからの放射などによって有効周波数外で妨害放射が発生し、それらを阻止するのは非常に困難である。しかもたとえばフィードラインによって電磁的な有効放射のかなりの割合が望ましくない方向たとえば自動車のシャーシまたはエンジンの方向へ放射され、それによって不利なことにそこに存在する部品に影響が及ぼされるおそれがある。
【0007】
したがって本発明の課題は概略的にいえば、コンパクトな構造をもちかつ望ましくない方向への電磁放射を減少させるようにしたアンテナ装置を提供することにある。
【0008】
発明の利点
公知の試みに対し請求項1または請求項2の特徴部分に記載の構成を備えた本発明によるアンテナ装置のもつ利点は、製造プロセスが簡単になり、いっそうコンパクトなセンサが得られ、望ましくない放射方向での電磁エネルギーもしくは電磁波が良好に遮蔽されることにある。
【0009】
第1の電位面と第2の電位面との間の多層の支持体内部で第1の電位面の下方においてできるかぎりその近くに電気接続区間を適切に配置することにより、コンパクトかつ簡単に製造可能なアンテナ装置が得られる。第1の電位面下方においてできるかぎりその近くに接続区間を適切に配置することにより、電磁放射の大部分が接続区間を介して結合装置を通って強制的に上方に向かうようになり、その際、下方に向かって第2の電位面の方向で同じ配置により遮蔽が行われ、したがってアンテナ装置下方では僅かな放射しか発生しない。
【0010】
従属請求項には請求項1または2記載のアンテナ装置の有利な実施形態が示されている。
【0011】
1つの有利な実施形態によれば、それぞれ少なくとも1つの結合装置が送受信装置の下方において所定の間隔で配置されている。
【0012】
1つの有利な実施形態によれば、結合装置と接続区間との間に支持体の少なくとも1つの層が配置されている。
【0013】
別の有利な実施形態によれば、接続区間と第2の電位面との間に支持体の少なくとも1つの層が設けられている。
【0014】
さらに別の有利な実施形態によれば、結合装置と接続区間との間の支持体の少なくとも1つの層は、接続区間と第2の電位面との間の少なくとも1つの層よりも厚さが薄い。有利には、結合装置と接続区間との間の誘電性支持体の少なくとも1つの層は、接続区間であるフィードラインと第2の電位面であるアース面との間の少なくとも1つの層の厚さの約半分または3分の1である。製造技術的に有利な層は約150μmの厚さで製造され、この寸法は装置の共振特性に好適に作用するので、支持体をこのような厚さをもつ個々の層から製造することができる。しかし層厚および個々の層の個数はこれに限定されるものではなく、多種多様に変形可能である。
【0015】
別の有利な実施形態によれば、送信および/または受信装置は直角の放射面(パッチ)として構成されている。これらのパッチによって、簡単かつ有利に製造可能な共振器が形成される。
【0016】
さらに別の有利な実施形態によれば、多層の誘電性支持体は低温セラミック(LTCC)である。このセラミックは高い誘電率を有しており、ただ1つの材料系から成るコンパクトなセンサが形成される。しかもLTCCはシリコンの膨張に整合されており、すでに低温(約900°C)で複数の層をその上の相応の構造とともに熱処理して、コンパクトに焼結させることができる。
【0017】
別の有利な実施形態によれば、放射面は一列に互いに所定の間隔をおいて隔てられている。適切な配置によって、望ましい指向性もしくは放射方向や放射出力等を達成することができる。
【0018】
別の有利な実施形態によれば、結合装置は結合スロットとして構成されている。結合スロットは放射面を電磁的に励起するために用いられる。結合スロットは有利には第1のアース面のエッチングにより形成され、それぞれ放射面の下方で中央に配置されている。その際、結合スロットはそれぞれ放射面のほぼ幅全体にわたり延在している。相応のアースの設計を望ましい共振特性に整合させることができる。
【0019】
別の有利な実施形態によれば、フィードラインは支持体平面において結合スロットに対し垂直に形成されている。とはいえ結合装置を異なる支持体平面の間にも配置することもでき、それによって上下間の妨害が低減される。
【0020】
別の有利な実施形態によればアンテナ装置は電磁放射遮蔽のため所定の領域でスルーホールを有しており、この場合、スルーホールは互いに平行にかつ誘電性支持体の層平面に対し垂直に、たとえば2つのアース平面の間に配置されている。さらにスルーホールは有利には、遮蔽チャンバ形成のため遮蔽すべき放射の波長よりも短い間隔で互いに隔てられている。
【0021】
別の有利な実施形態によれば、放射面は適切な発泡材料上に取り付けられている。
【0022】
別の有利な実施形態によれば、放射面は装置ケーシングカバーに取り付けられている。これにより、上に放射面の取り付けられたカバーと支持体プレートというたった2つの部材から成るコンパクトなアンテナ装置が得られる。
【0023】
別の有利な実施形態によればフィードラインはそれぞれ少なくとも1つの接触接続装置により、支持体表面に配置された給電回路網と電気的に接続されている。これにより支持体の層の間のフィードラインは、簡単に取り付け可能な1つの共通の給電回路網により制御される。とはいえ給電回路網を必ずしも表面に取り付けなくてもよい。
【0024】
別の有利な実施形態によれば放射面、電位面、接続区間、スルーホールおよび接触接続装置は導電材料から成り、たとえば金、銀、銅またはアルミニウムから成る。
【0025】
別の有利な実施形態によれば、接続区間および/または接触接続装置はマイクロストリップ技術および/またはコプレーナ技術によって形成されている。これにより遮蔽に有利な広い平面の電位面ないしはアース面を備えたコンパクトなセンサが得られる。
【0026】
さらに別の有利な実施形態によれば、結合スロットを任意の形状とすることができる。
【0027】
図面
図面には本発明の実施例が示されており、次にこれについて説明する。
【0028】
図1は、本発明の1つの実施例による接続区間と結合スロットと送信装置および/または受信装置の配置構成を下から見た図である。
【0029】
図2は、図1における配置構成の斜視図である。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施例によるアンテナ装置の横断面図である。
【0031】
図4は、本発明の第2の実施例によるアンテナ装置の横断面図である。
【0032】
図5は、本発明の1つの実施例によるアンテナ装置を上から見た図である。
【0033】
図6は、本発明の1つの実施例によるアンテナ装置の出力ダイアグラムである。
【0034】
実施例の説明
図中、同じ参照符号は同じコンポーネントまたは機能が同一のコンポーネントを表す。
【0035】
図1および図2には、フィードラインの形式の電気接続区間7、結合スロットの形式の結合装置3、放射面(いわゆるパッチ)の形式の送受信装置2が示されている。この種の装置はスロット結合パッチアンテナと称する。
【0036】
図1および図2には、誘電性支持体(基板)5およびアースされている第1および第2の電位面4,10もしくはアース面4,10は書き込まれていない。図示されている放射面2は、発泡材料上に取り付けられているかまたは有利には装置のケーシングカバーに取り付けられている(図示せず)。
【0037】
図1および図2に基づき、スロット結合パッチアンテナの原理について簡単に説明する。フィードライン7に対し給電装置(図示せず)によって電磁エネルギーが供給される。フィードライン7は電磁エネルギーがフィードライン7から結合スロット3へ伝達されるよう、対応する結合スロット3の下方に設けられている。結合スロット3の上方に設けられている放射面2は結合スロット3から放射されたエネルギーを受容し、それにより適切な配置と寸法によって共振状態におかれる。このようにして放射面2は特定のQでこのエネルギーを再び放射し、この配置構成によって周波数帯域内で精密に最適化可能な形状を得ることができる。
【0038】
図3には、本発明の第1の実施例によるアンテナ装置の横断面図が示されている。放射面2は誘電性支持体5の上方で、たとえばケーシングカバー(図示せず)に固定的に取り付けられている。
【0039】
支持体5は誘電性基板から成り、これは有利にはLTCCセラミック(Low Temperature Cofiered Ceramic)によって構成されている。このLTCCセラミックは高周波に適したガラスセラミックであり、多層技術で製造されている。したがってGHzレンジのレーダを用いた自動車領域での距離測定および/または速度測定において使用するのに殊に適している。しかもセラミックは約150μmの層厚をもつ複数の層として製造して複数の層を上下に積み重ねることができ、その際、支持体平面(xy平面)による幾何学的な変化を伴わずに構造全体を比較的低い温度ですでに最適に焼結させることができる。このようなガラスセラミックは高圧のもとでは支持体軸方向(z方向)においてのみ収縮する。このため高精度に位置決め可能なコンパクトなシステムが得られる。
【0040】
この装置はさらに第1のアース面4を有しており、これは放射面2と対向する誘電性支持体5の表面上に配置されている。この第1のアース面4において有利にはそれぞれ結合スロット3が、たとえば直角に形成された放射面2の下方において特定の間隔で配置されている。結合スロット3は有利には第1のアース面4のエッチングにより形成される。さらに結合スロット3は放射面2の下方中央でそれぞれ、図1に示されているようにほぼ放射面の幅にわたって延在している。結合スロット3は有利には、上方のアース面4がそれぞれ電磁放射の波長の約4分の1の間隔でそれぞれ中断されるように配置されている。したがって開放端部での波の反射によりそれが反射し、適正な位相で到来波と合成される。その結果、結合スロット3の下のフィードライン7のところで球面波が生じる。
【0041】
結合スロット3の励起は電気フィードライン7によって行われ、これは本発明によればそれぞれ結合スロット3の下方に配置されており、その際、結合スロット3とフィードライン7との間には支持体5の誘電体層51が配置されていて、これは約150μmの厚さを有する。
【0042】
フィードライン7は接触接続装置13を介して、給電回路網14すなわちアンテナ制御のためのアンテナセンサの高周波回路部と接続されている。多層技術によって、異なる平面においてもいっそう良好な絶縁のためにフィードライン7を導くことができ、これにより望ましくない結合効果が十分に排除される。誘電性支持体5の表面にフィードライン7を案内することによって、制御に必要なコンポーネントを放射の僅かな個所に配置することができる。
【0043】
さらに本発明によるアンテナ装置は第2のアース面10を有しており、これはフィードライン7の下方に配置されていて、この第2のアース面10とフィードライン7との間には誘電性支持体5の複数の層52,53,54が設けられており、それらは厚さ150μmである。
【0044】
フィードライン7が第2のアース面10よりも結合スロット3つまり第1のアース面4の近くに配置されているこのような非対称なトリプレート配置構成によって、結合スロット3の方向でフィードライン7を励起したときにいっそう大きい電界強度が発生する。したがってエネルギーの大部分は結合スロット3を通って空気に出力結合され、その上に位置する放射面に伝達される。第2のアース面10までの間隔が広くなっていることから、この方向では電界の発生が小さくなり、そのためこの方向ではエネルギーの僅かな部分しか放射されない。それゆえ結合スロット3もしくは放射面2の方向での有効放射すなわち電磁エネルギーの成分を増大させることができる。
【0045】
図3に示されている本発明の第1の実施例の場合、結合スロット3とフィードライン7との間には厚さ約150μmのセラミック層51だけしか存在していないのに対し、フィードライン7と下方の第2のアース面10との間にはそれぞれ厚さ約150μmの3つの層52,53,54が配置されている。とはいえ層の個数も個々の層の厚さも、要求される共振特性もしくは要求されるアンテナ特性に応じて変化させることができる。
【0046】
たとえば図5に示されているように複数の放射面2と結合スロット3を相互に所定の間隔で一列に配置することによって、望ましい出力利得、開口角およびサイドローブの抑圧を要求に合わせて整合させることができる。
【0047】
これに加えてアンテナ装置1は有利には連続的または局所的に貫通したスルーホール12を有しており、これらのスルーホールは電磁放射遮蔽のため有利には特定の領域で互いに平行に誘電性支持体5のz方向で垂直に配置されている。
【0048】
有利にはこれらのスルーホール12は、遮蔽すべき放射の波長よりも小さい間隔をおいて互いに隔てられている。このようにして分離壁を組み込むことによって安価な電磁遮蔽を行うことができる。その理由は、望ましくない方向に伝播する放射(xy平面)はスルーホールにより形成されたチャンバゆえに害を及ぼす方向には伝播することができないからであり、これによってサイドローブが抑圧される。
【0049】
しかもチャンバ構成を適切に選定することにより、浮遊するエネルギーを適正な位相で有効放射に加えることができる。たとえば波長の20分の1から5分の1の高さで放射面2を配置することによって、有効周波数の10%を超える帯域幅を発生させることができる。
【0050】
アンテナ装置1の給電は既述のように非対称なトリプレート配置により行われる。フィードライン7は誘電性支持体5の個々の層の間に配置されており、たとえば第1の層51と第2、第3、第4の層52,53,54との間に配置されている。通常はコンポーネントは支持体5の外面に設けられているので、フィードライン7を接触接続装置13によって支持体5の対応する表面に置くことができる。そこにおいて有利にはマイクロストライプ技術によって後続処理される。しかしながら遮蔽措置を支援するため、図5に示されているようにコプレーナ技術も利用できる。また、整合回路網および/または分配回路網14を支持体5の内部に配置もしくは埋め込むようにしてもよい。
【0051】
有利には放射面2、アース面4,10、フィードライン7、スルーホール12および接触接続装置13を良好な導電性材料たとえば金、銀、銅またはアルミニウムから成る。
【0052】
図4には、本発明の第2の実施例によるアンテナ装置の断面図が示されている。この実施例で説明しないコンポーネントあるいは機能は第1の実施例と類似しているとみなしてよく、したがって以下では説明不要である。
【0053】
第1の実施例とは異なり図4に示されているように給電回路網14は、支持体5において放射面2とは反対側の表面つまりは望ましい放射方向とは反対側に配置されている。結合スロット3および給電回路網14は、支持体5においてそれぞれ反対側の表面に存在している。したがって僅かな所要スペースしか必要とされず設計上有利である一方、漂遊放射によりコンポーネントが妨害されることも少なくなる。
【0054】
フィードライン7はやはり接触接続装置13により、給電回路網14の配置されている表面に案内される。したがって図4に示されているように、フィードライン7は支持体5の下面に向かって案内されることになる。
【0055】
アンテナ装置はやはり、LTCCセラミックにおける非対称のトリプレート線路として形成されている。さらにここでも相応のスルーホール12によって、付加的な遮蔽のため遮蔽されたチャンバが形成される。
【0056】
この第2の実施例の利点は殊にアンテナ装置の表面が小さくなることだが、それに付随して厚さが増大する。なぜならば望ましくない共振作用をさらに抑える目的で、第1の実施例とは異なり付加的な層55が必要とされるからである。とはいうものの、付加的な層55に起因して厚さが約150μm増大するだけで長さを約1〜2cm節約することができ、したがって実質的にコンパクトなアンテナ装置が得られるようになる。
【0057】
このような面積節約型の構造のさらに別の利点は、アンテナは給電回路網14のコンポーネントとは逆方向に放射することであり、そのためそれらのコンポーネントの動作が妨害されないことである。
【0058】
しかも図4に示されているようにアンテナ面は面全体にわたり金属化されており、結合スロット3だけしか有していない。アンテナ面上にそれ以外の回路部分は存在せず、したがって非常に良好な遮蔽が達成される。
【0059】
図5に示されているように相応のスルーホール12を使用することにより、不所望な方向の電磁放射の遮蔽のためにチャンバを付加的に形成することができる。
【0060】
図6には、本発明の第1の実施例によるアンテナ装置の整合もしくは反射減衰量のグラフが示されている。中心周波数が約24Ghzであれば約20dBの整合および約3GHzの帯域幅が生じる。
【0061】
このように本発明によればほとんど異ならない材料で構築されたコンパクトなセンサを得ることができ、このセンサはまえもって定められた周波数範囲において高いパフォーマンスをもち、いっそう精確な指向性を有しており、さらに所定の方向での不所望な放射を良好に抑圧することができる。非対称のトリプレート配置と共働して支持体の上面もしくは下面に広い面積の金属化アース面が設けられていることにより、強制的に電磁放射の大部分が結合スロットを介して放射面方向に出力結合されるようになる。さらにスルーホールによって付加的に、支持体平面(xy平面)における放射が阻止される。
【0062】
これまで本発明について有利な実施例に基づき説明してきたが、本発明はそのような形態に限定されるものではなく、多種多様に変形可能である。
【0063】
従来技術において知られている問題点はこれまで説明した配置および構造によって初めて、まったく現れなくなる。
【0064】
シリコン、ガリウム砒素(GaAs)、軟質繊維板もしくはソフトボード、FR4、多層セラミックなど他の基板技術も利用できる。同様に他の層厚、周波数範囲または材料も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1つの実施例による接続区間と結合スロットと送信装置および/または受信装置の配置構成を下から見た図である。
【図2】
図1における配置構成の斜視図である。
【図3】
本発明の第1の実施例によるアンテナ装置の横断面図である。
【図4】
本発明の第2の実施例によるアンテナ装置の横断面図である。
【図5】
本発明の1つの実施例によるアンテナ装置を上から見た図である。
【図6】
本発明の1つの実施例によるアンテナ装置の出力ダイアグラムである。

Claims (24)

  1. アンテナ装置(1)たとえば自動車間の距離または速度を求めるためのアンテナ装置において、
    信号波を受信または送信する装置(2)と、
    該信号波を受信または送信する装置(2)の下方に配置された多層の支持体(5)と、
    該支持体(5)において前記信号波を受信または送信する装置(2)と対向する側の表面上に配置されアースされている第1の電位面(4)と、
    該第1の電位面(4)内に配置された結合装置(3)と、
    該第1の電位面(4)の下方でその近くに配置された電気接続区間(7)と、
    該電気接続区間(7)の下方に配置されアースされている第2の電位面(10)が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. アンテナ装置(1)たとえば自動車間の距離または速度を求めるためのアンテナ装置において、
    多層の支持体(5)と、
    該支持体(5)の上側表面上に配置されアースされている第1の電位面(4)と、
    該第1の電位面(4)内に配置された結合装置(3)と、
    該第1の電位面(4)の下方に配置されアースされている第2の電位面(10)と、
    前記の第1の電位面(4)と第2の電位面(10)との間で前記支持体(5)の層間に配置された電気接続区間(7)が設けられており、該電気接続区間(7)の配置により、伝達すべき電磁エネルギーの大部分が前記結合装置(3)を介して出力結合または入力結合されることを特徴とするアンテナ装置。
  3. それぞれ少なくとも1つの結合装置(3)が送受信装置(2)の下方において所定の間隔で配置されている、請求項1または2記載のアンテナ装置。
  4. 前記支持体(5)の少なくとも1つの層(51)が結合装置(3)と接続区間(7)との間に配置されている、請求項1から3のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  5. 前記支持体(5)の少なくとも1つの層(52,53,54,55)が接続区間(7)と第2の電位面(10)との間に設けられている、請求項1から4のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  6. 結合装置(3)と接続区間(7)との間の支持体(5)の少なくとも1つの層(51)は、接続区間(7)と第2の電位面(10)との間の少なくとも1つの層(52,53,54)よりも厚さが薄い、請求項4または5記載のアンテナ装置。
  7. 結合装置(3)と接続区間(7)との間の支持体(5)の少なくとも1つの層(51)は、接続区間(7)と第2の電位面(10)との間の少なくとも1つの層(52,53,54)の厚さの約半分または約3分の1である、請求項4から6のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  8. 前記送受信装置(2)は直角の放射面(パッチ)(2)として構成されている、請求項1から7のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  9. 前記支持体(5)の個々の層(51,52,53,54,55)は低温で熱処理可能な誘電性セラミック(LTCCセラミック)から成り、該熱処理により個々の層(51,52,53,54,55)が溶融されて結合される、請求項1から8のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  10. 前記支持体(5)の個々の層(51,52,53,54,55)はそれぞれ約150μmの厚さである、請求項1から9のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  11. 前記送受信装置(2)は一列に配置されており、所定の間隔をおいて互いに隔てられている、請求項1から10のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  12. 前記結合装置(3)は結合スロット(3)として設けられている、請求項1から11のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  13. 前記結合スロット(3)は第1の電位面(4)のエッチングにより形成されている、請求項12記載のアンテナ装置。
  14. それぞれ1つの結合スロット(3)は放射面(2)の下方中央で該放射面のほぼ幅全体にわたり延在している、請求項8から13のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  15. 前記接続区間(7)はフィードライン(7)として、支持体平面内で結合スロット(3)に対し垂直に形成されている、請求項12から14のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  16. 電磁放射に対する遮蔽部を形成するため実質的に垂直に延在するコンタクト部材(12)が設けられている、請求項1から15のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  17. 前記コンタクト部材(12)は互いに平行に配置されている、請求項16記載のアンテナ装置。
  18. 前記コンタクト部材(12)は互いに所定の間隔で配置されており、該間隔は遮蔽すべき放射の波長よりも短い、請求項17記載のアンテナ装置。
  19. 前記送受信装置(2)は適切な発泡層上に取り付けられている、請求項1から18のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  20. 前記送受信装置(2)は装置ケーシングカバーに取り付けられている、請求項1から19のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  21. 前記接続区間(7)はそれぞれ少なくとも1つの接触接続装置(13)により、前記支持体(5)の表面に配置された給電回路網(14)と電気的に接続されている、請求項1から20のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  22. 前記の送受信装置(2)、電位面(4,10)、接続区間(7)、コンタクト部材(12)および接触接続装置(13)は導電材料から成り、たとえば金、銀、銅またはアルミニウムから成る、請求項1から21のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  23. 前記の接続区間および/または接触接続装置はマイクロストリップ技術および/またはコプレーナ技術によって形成されている、請求項1から22のいずれか1項記載のアンテナ装置。
  24. 前記結合スロット(3)は任意の形状で形成可能であり、たとえば直線状、H字状、U字状として形成可能である、請求項12から23のいずれか1項記載のアンテナ装置。
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