JP2006516370A - 電磁放射を放射および/または受信するための装置および方法 - Google Patents

電磁放射を放射および/または受信するための装置および方法 Download PDF

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Abstract

電磁放射を放射および/または受信するための装置(100)および方法を発展し、該装置(100)のエレベーション方向(E)のビームローブの角度(Θ)を簡単かつ低コストで実現するため、異なるアンテナ素子(32,34,36,38)によって放射および/または受信される放射の位相シフト(Δφ)、ないしは電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向(E)の角度(Θ)が、
・線路(20)の実効誘電率(εeff)とりわけ伝播係数を変化させることによって調整され、および/または
・少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメント(50,52,54)を、線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)までの間隔が変更可能であるように配置することによって調整されるように構成することが提案される。

Description

技術分野
本発明は、電磁放射を放射および/または受信するための次の形式の装置に関する。すなわち、少なくとも1つの単層または多層の基板を有しており、該基板はたとえば、少なくとも1つの金属層も有しており、該基板上には、プレーナ形に形成された少なくとも1つの線路が少なくとも2つのアンテナ素子とともに取り付けられており、該線路はたとえば、ストリップ線路または対称的コプレーナ線路または非対称的コプレーナ線路またはマイクロストリップ線路またはスロット線路またはコプレーナ2ストリップ線路の形態であり、前記2つのアンテナ素子は、たとえばビーム素子であり、たとえば少なくとも部分的に直列の給電および/またはたとえば少なくとも部分的に同相の給電および/またはたとえば少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的な給電等である該アンテナ素子の給電は、たとえば
・少なくとも1つの給電網を、該基板の該アンテナ素子と向かい合う上面に直接的または容量的に結合することによって行われるか、または
・少なくとも1つの給電網を、該基板の該アンテナ素子と反対側の下面から、それぞれ少なくとも1つのスロットによって電磁的に結合することにより行われるか、または、
・該基板の該アンテナ素子と反対側の下面から、それぞれ少なくとも1つの電気的な貫通案内部を介して行われ、
該基板の該アンテナ素子と反対側の下面に、少なくとも1つのメタライゼーション層が配置される形式の装置に関する。ここでは電磁放射は、たとえばHF(高周波)レーダ電磁放射である。
さらに本発明は、電磁放射を放射および/または受信するための次の形式の方法にも関する。すなわち、少なくとも2つのアンテナ素子によって放射および/または受信し、該少なくとも2つのアンテナ素子は、とりわけビーム素子であり、該ビーム素子には、プレーナ形に形成された線路を介して、とりわけ少なくとも部分的に直列的に、および/またはとりわけ少なくとも部分的に同相で、および/またはとりわけ少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的に、たとえば
・少なくとも1つの給電網を、少なくとも1つの基板の該アンテナ素子と向かい合う上面と直接的または容量的に結合することによって給電するか、または、
・それぞれ少なくとも1つのスロットによって少なくとも1つの給電網を電磁的に結合することにより、少なくとも1つの基板の該アンテナ素子とは反対側の下面から給電するか、または、
・それぞれ少なくとも1つの電気的な貫通案内部を介して、少なくとも1つの基板の該アンテナ素子と反対側の下面から給電し、
該少なくとも1つの基板は単層または多層であり、たとえば少なくとも1つの金属層も有しており、該基板の該アンテナ素子と反対側の下面には、少なくとも1つの金属層が設けられている形式の方法に関する。該電磁放射はとりわけHF(高周波)レーダ放射であり、前記線路は、たとえばストリップ線路の形態であるか、または対称的または非対称的なコプレーナ線路であるか、またはマイクロストリップ線路の形態であるか、またはスロット線路の形態であるか、またはコプレーナ2ストリップ線路の形態である。
従来の技術
たとえば自動車等の移動手段の周辺のセンシングは基本的に、LIDA(LIght Detecting And Ranging)、RADAR(RAdio Detecting And Ranging)、ビデオまたは超音波によって行われる。
移動手段とりわけ自動車では、レーダセンサがますます普及している。現在のシステムは、自動的に間隔および/または速度を制御するのに使用される。現在は開発段階にある将来のシステムは、別の機能を実現することを期待されている。このような別の機能はたとえば、ストップアンドゴー作動等の快適システムから安全システムまでのような機能である。この安全システムは、エアバッグまたはシートベルトテンショナを高精度にしたり、エアバッグトリガ時点を最適化したり、衝突警告および衝突回避に使用されるシステムである。
このような適用では、移動手段の周囲の広範囲の領域ないしは該移動手段の周囲全体をセンシングしなければならない。こうするために、移動手段の周囲に複数のセンサが配置される。周波数が77ギガヘルツである市販の自動車用レーダセンサのセンサのアンテナは通常、電波レンズとして構成されており、周波数が24ギガヘルツおよび77ギガヘルツである将来のレーダセンサでは、プレーナ形アンテナが試作されている。
これに関しては従来技術から、プレーナ形の位相制御式アレイアンテナ(「フェーズドアレイ“phased array”」)を軍用レーダシステムで使用することが公知になっている。
水平方向(アジマス方向A;図1A,図1Bおよび図1Cを参照せよ)のターゲットオブジェクトの角度位置を求めるためには、アナログレベルでのビーム成形時(図1Aおよび図1Bを参照せよ)に複数のビームローブが形成される。こうするために、移相器P(図1Aを参照)を有し信号分配器L(図1Aを参照)またはビーム成形エレメントないしはビーム成形網(図1Bを参照)を有する位相制御型のアレイアンテナG("phased array")が使用されて、位相占有状態が生成される。ここでの例は、Rotman-/Archer-/Gentレンズ、バトラー(Butler)マトリクスまたはブラス(Blass)マトリクスである。
ビーム成形網S(図1Bを参照)の回路側の出力端は、切替スイッチを介して並列または直列にベースバンドに混合され、処理ユニットVによって後続処理される。
デジタルレベル(図1Cを参照)におけるビーム成形では、デジタル評価のためにすべてのアンテナ列の信号が、直列接続された低雑音アンプR(いわゆるLNA(Low Noise Amplifier))およびローパスフィルタTによってベースバンドにダウンミキシングされ、アナログ/デジタル変換器Wによってデジタル化される。
前記のコンセプトおよび基本的思想は、図1A、図1Bおよび図1Cにそれぞれ受信経路に関して示されている。
垂直方向(エレベーション方向E;図1A、図1Bおよび図1Cを参照)には通常、複数のアンテナ素子が相互に重なり合って配置されており、これらのアンテナ素子は1つの列以内では、相互に固定的な位相関係および振幅関係で駆動制御される。これによって、エレベーション方向Eにビームの集束が達成され、この集束を利用して到達範囲が拡大され、非常に低い高度または比較的高い高度にある不所望のターゲットが消失される。
アレイアンテナGは通常、たとえばガラス、セラミックスまたはソフトボード等のHF(高周波)基板上にプレーナ形に構成される。このようなアレイアンテナGのアンテナ素子として使用されるのは、一般的にはパッチであり、択一的な例としてダイポール放射体またはスロット放射体がある。現在の研究作業では、自動車において適用するために、低コストのシステムに前記コンセプトを転用することに取り組んでいる。
レーダセンサを取り付ける際には、とりわけ側部領域に対して、センサの取り付けサイズおよび形状に関して高度な条件が要求される。プレーナ形アンテナを使用することにより、センサは平坦になる。レーダセンサは、車両の金属製の外壁の後ろに取り付けることができないので、側部領域における取り付け空間としてとりわけ、車両のコーナーに被覆された(プラスチック製)バンパ、プラスチック製の飾り縁、スクラッチおよび衝突の保護部材およびスポイラが残る。
これと関連して考えなければならないのは、自動車の外壁は通常、正確に垂直にはなっていないことである。すなわち、レーダセンサを場合によっては斜めに取り付けなければならないということになる。というのも、バンパおよび飾り縁等の後ろに形成されている取り付け空間は、垂直な取り付けに十分でないからだ。レーダセンサの取り付け角度は一般的に、自動車における取り付け場所が異なる場合および/または異なる自動車間で異なってくる。
たとえば4個または6個のエレメントをエレベーション方向に有するSRR(Short Range Radar)センサが開発段階にあり、このようなSRRセンサではビームローブは広幅であるため、垂直線から約±5°〜約±10°のオーダのずれを伴う傾いた取り付けは許容することができる。
しかし、近距離から中程度の距離のプレーナ形センサまたはプレーナ形LRR(Long Range Radar)/ACC(Adaptive Cruise Control)センサを考察すると、必要なアンテナゲインを得るためには、ビームローブのエレベーション方向の幅は未だ数度になる。したがって、可能な限り正確に水平線に沿って方向付けられたビームローブが必要不可欠になる。
間隔が30mである場合、ビームが上方に3°偏向されるだけでも、ビームローブは最大で、センサの取り付け場所より1.60m上方にあることになる(図2を参照。3°傾斜して取り付けられている場合のビームローブの偏向が視覚的に図解されている)。
ここで、プレーナ形HF(高周波)線路およびプレーナ形アンテナに関しては現在、低コストのHF(高周波)回路を構成するために、たとえばコプレーナ線路、マイクロストリップ線路またはスロット線路等のプレーナ形HF(高周波)線路が使用される。
これら3つのプレーナ線路の種類を、それぞれ基本モードの電界の基本的な経過とともに例として図解する。
・図3Aには、(対称的または非対称的な)コプレーナ線路(いわゆる「coplanar waveguide」)として図解されている。
・図3Bには、マイクロストリップ線路(いわゆる「microstrip line」)として図解されている。
・図3Cには、スロット線路(いわゆる「slot line」)として図解されている。
図3A、図3Bおよび図3Cに示されたプレーナ線路タイプの他にも、別のプレーナ線路タイプが数多く存在し、たとえばストリップ線路またはコプレーナ2ストリップ線路がある(たとえば“Integrierte Mikrowellenschaltungen”(R.K.Hoffman著、Springer出版社、ベルリン、1983年)を参照されたい)。
さらに、以下の変更箇所が存在する:
・基板下面のメタライゼーション
・多層の基板
・金属導体路を被覆する誘電体層
多層の基板の場合、多層の金属層も考えられる。
基板として使用されるのは、ガラス、セラミックスまたはプラスチック等の特別なマイクロ波基板である。プラスチックに充填材を充填するか、またはプラスチックをガラス繊維によって補強することができる。このようなマイクロ波基板上に、たとえばダイポール放射器、パッチ放射器またはスロット放射器を有するプレーナ形アンテナが取り付けられる。このことに関する詳細は、たとえば“Millimeter-Wave Microstrip and Printed Circuit Antennas”(P.Bhartia, K.V.S.Rao, R.S.Tomar著、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)に記載されている。
図4A、図4Bおよび図4Cに、プレーナ形アンテナの給電部の可能な構成が示されている:
・図4Aに示された直列給電(いわゆる“series feed”)の場合、アンテナ素子間に電気的な経路長が生じる。この経路長を介して、エレベーション方向に固定的なビーム偏向に調整することができる。
・図4Bに示された同相給電(いわゆる“corporate feed”)の場合、アンテナ素子すべてに同相で給電され、振幅は通常、対称的に外側に向かうほど低減し、副次的なローブは低減される。
直列給電(図4A参照)と同相給電(図4B参照)との組み合わせが、図4Cに示された位相振幅対称給電である。ここでは、アンテナ素子に同相で給電する必要はないが、位相偏差および振幅占有状態は対称的であり、さらに給電網は、同相給電(図4B参照)の場合より小さい。
図5Aに示された直接的な直列給電または図5Bに示された容量的な直列給電の両構成例から理解できるように、アンテナ素子は給電網に直接結合することができる。
これに対して択一的に、基板下面からアンテナ素子に、
・電磁的な結合(いわゆるスロット結合、図6A参照)によって直列給電するか、または
・電気的なHF(高周波)貫通案内部(いわゆる「通路(vias)」、図6B参照)によって直列給電することができる(『Millimeter-Wave Microstrip and Printed Circuit Antennas』(P. Bhartia, K.V.S. Rao, R.S. Tomar著、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)を参照されたい)。
これに応じて信号分配網は、アンテナ素子と同一の金属面上に設けられるか、またはアンテナ素子に対向する基板面上に設けられる。後者の場合には基板は、内側に設けられ疎らに中断されたメタライゼーションを有するか、ないしは複数の金属層および誘電体層から構成される。さらに配電および給電は、内側に設けられた基板層で行われる。
ここでエレベーション方向のビーム掃引に触れると、アンテナ素子間のエレベーション方向の位相関係を調整することにより、ビームローブがエレベーション方向に掃引され、レーダセンサの取付が斜めになっている場合、ビームローブは垂直方向(一般的には、水平面に対して平行な方向)に所望の角度に方向付けられる。
放射素子間の位相シフトによるこのようなビーム偏向は、図7に図解されている。全般的な基礎、および位相シフトΔφと偏向角度Θとの間の関数的な関係は、『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B. Bhat著、第1〜2巻、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)に記載されている。
これに関して放射素子間の位相関係は、種々の手段(i)および/または(ii)によって調整される:
(i)各エレベーション角度ごとにアンテナないしは給電網の特別な設計が、最も簡単には、アンテナ素子を駆動制御するための給電網内の線路長が異なることにより実現される。
こうするためには、ユーザから希望された各エレベーション角度ごとに、ないしは有利に段階付けされた所定の数のエレベーション角度で、異なるHF(高周波)ボードを製造して相応のセンサに導入しなければならない。このことは製造および保管の際に、物流管理上および組織上の著しく大きな手間を必要とする。
さらに、型式表示またはHF(高周波)ボードの取り違えによって、センサが所定のエレベーション角度を有さないという誤りが起こることもある。その際にはレーダシステムは全く機能しないか、または非常に狭い到達範囲でしか機能しないか、または限られた状況でしか機能しなくなる。
このような誤りを発見するのは決して容易ではない。というのもこのような誤ったエレベーション角度は、表面的にはセンサで識別されることがなく、センサを開けてHF(高周波)ボードを精密に検査するか、またはビーム特性を測定することでしか識別できない。このことは実際には、自動車工場で実施することができない。
(ii)アンテナ素子間において電子的または別の手段で調整可能な移相器(『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B.Bhat著、第1〜2巻、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)を参照されたい)が、必要な移相器の数およびそれに関連するコストが原因で、場合によってはセンサの構造サイズが嵩むために使用できない。
ここでは、移相器が機械的に「トリム」されている、調整されたエレベーション角度または型式表示が取り違えられるという上記の誤りが起こりうる。
確かに電子的に制御される移相器を備えたレーダセンサのエレベーション角度は、自動車電子回路との情報交換によって適正値に設定することができ、エラーの発生を伴うことはないが、上記のようにコスト上の理由から、電子的に制御される移相器が使用できなくなる。
発明の詳細な説明:課題、解決手段、利点
本発明では、上記で列挙した欠点および短所から出発し、かつ包括的な従来技術を踏襲して、冒頭に述べた形式の装置および冒頭に述べた形式の方法を以下のように発展させることを課題とする。すなわち、レーダセンサのビームローブのエレベーション方向の角度の調整を簡単かつ低コストで実現でき、実施可能なすべてのエレベーション角度で電子的およびHF(高周波)のモジュールを変更する必要がなくなるように発展させることを課題とする。
本発明ではさらに、移相モジュールおよび/または型式表示の取り違えによって生じる誤り、または誤った「トリム」によって生じる誤りを排除しなければならない。
前記課題は、請求項1に記載された特徴を有する装置と、請求項18に記載された特徴を有する方法とによって解決される。すなわち、
異なるアンテナ素子によって放射および/または受信される電磁放射間の位相シフト、ないしは電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向の角度とりわけエレベーション角度が、
・該線路の実効誘電率とりわけ伝播係数を変化させることによって調整され、および/または
・少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメントを、該線路および/またはアンテナ素子までの間隔が変更可能であるように配置することによって調整されるように構成されており、
前記エレメントは、たとえば金属から形成されていることを特徴とする装置と、
異なるアンテナ素子によって放射および/または受信される電磁放射間の位相シフト、ないしは電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向の角度たとえばエレベーション角度を、
・該線路の実効誘電率たとえば伝播係数を変化させることによって調整し、および/または
・少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメントを、該線路および/またはアンテナ素子に対する間隔が変更可能であるように配置することによって調整し、
前記エレメントは、たとえば少なくとも部分的に金属から形成されていることを特徴とする方法
とによって解決される。
本発明の有利な構成および目的に適った発展形態が、各従属請求項に記載されている。
それによれば本発明における思想は、本発明の基本として高周波電磁放射を送信および/または受信するために使用される1つまたは複数のレーダアンテナを、移動手段の外側または内側に非垂直に取り付けるために、とりわけ自動車の外側または内側に取り付けるために構成することを基礎としている。
本発明の中心は、移動手段用とりわけ自動車用のレーダアンテナのビームローブのエレベーション方向のビーム角度を調整することである。こうするためには少なくとも1つのプレーナ形HF(高周波)信号路を、意識的かつ目的に沿って、
・信号路の実効誘電率とりわけ伝播係数を、たとえば誘電性の材料から成る少なくとも1つのキャップによって変化させる(いわゆる“dielectric loading”)か、または
・導電性の材料から成る少なくとも1つのエレメントを、信号路からある程度の間隔をおいて取り付けるか、または
・これら双方の技術的手段を組み合わせることによって特性変化(Verstimmen)させる。前記導電性の材料から成る少なくとも1つのエレメントは、たとえば金属性の少なくとも1つのRadom(レーダドーム(Radar dome))である。
機械的に制御される移相器において、いわゆる「ダイエレクトリックローディング(dielectric loading)」の原理は従来技術からすでにそれ自体に公知である(機械的に制御される1つの移相器を構成する簡単な手段が、たとえば『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B.Bhat著、第1〜2巻、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)に記載されている)。
ここでは、機械的制御される移相器における「ダイエレクトリックローディング」の原理は、線路の実効誘電率を変化させることである。たとえばマイクロストリップ線路またはストリップライン等のプレーナ線路の場合(『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B. Bhat著、第1〜2巻、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)第73頁を参照されたい)、こうするためには、該プレーナ線路を包囲する材料を変更する。その際にはたとえば、誘電性の材料から成るプレートをプレーナ線路に押しつける。
この原理は、たとえばコプレーナ線路、スロット線路および多数の対称的および非対称的なストリップ線路等の別のプレーナ線路にも適用できる。それと同様に、誘電性の材料の物を導波管内部に挿入することにより、該導波管の実効誘電率を変化させることもできる(『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B. Bhat著、第1〜2巻、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)第75頁を参照されたい)。
誘電性の導波路の実効誘電率を変化させる択一的な手段が、導電性のエレメントと導波路との間隔を変更することである。この原理は従来技術のWO00/54368A1において、誘電性の導波路上で導電性プレートを機械的に上下に動かすことによってビーム掃引を行うために使用される。
しかし本発明では、WO00/54368A1の記載とは異なって、誘電性の導波路を使用するのではなく、むしろプレーナ形のHF(高周波)線路を使用する。このHF線路は多様な実施形態において、たとえばコプレーナ線路(=いわゆる“coplanar waveguide”)、マイクロストリップ線路(=いわゆる“microstrip line”)、スロット線路(=いわゆる“slot line”)、または別の対称的および/または非対称的なストリップ線路として構成される(プレーナ形HF(高周波)線路の構成に関しては、『Integrierte Mikrowellenschaltungen』(R.K. Hoffmann著、Springer出版社、ベルリン、1983年)も参照されたい)。
WO00/54368A1に記載された従来技術と比較して、本発明による発明的かつ新たな構成は、基板上における誘電性の導波路の複雑な処理が省略されるという点で有利である。
また、誘電性導波路と、送信信号を生成するかないしは受信信号を後続処理するHF(高周波)回路との間の移行部も省略される。このHF(高周波)回路は、プレーナ形のHF(高周波)線路とともに構成するのが目的に適っている。位相(関係)およびアンテナダイアグラムが誘電体のキャップによって影響されるHF(高周波)回路およびプレーナ形のHF(高周波)線路は有利には、同一の基板上に設けられる。
さらに本発明では、WO00/54368A1に記載された従来技術と異なり、導電性とりわけ金属性の少なくとも1つのエレメントだけでなく、択一的または補足的に、レーダセンサの個々のビーム素子間の位相(差)を調整するための誘電性のエレメントも少なくとも1つ使用される。
このことは、WO00/54368A1にて開示されたような誘電性の導波路では原則的に、非常に限られた場合にだけ可能である。というのも誘電性の導波路における導波は、導波路と周囲の空気との間の誘電率の差と関連するからだ。ここで誘電性のエレメントを誘電性の導波路の直近に位置付けると、電力の一部が誘電性のエレメントに出力結合されるので、不所望に損失されてしまう。
本発明とWO00/54368A1の記載内容とを区別する別の基準は、従来技術から公知の対象は、ビームローブによって時間的に反復して所定の角度領域を走査する「スキャン型」アンテナに関するものであるのに対し、本発明は有利には、ビームローブを(レーダ)センサのキャップによって固定的に調整することを対象としていることである。
本発明の重要な本装置および本方法の発展形態では、付加的に
・エレベーション角度、および/または
・センサの型式識別子、および/または
・車種と、センサが固有のエレベーション角度で設けられる取り付け場所
が、直接、
・有利にはキャップ形に形成された誘電性のエレメントの少なくとも1つのラベル、および/または
・有利にはキャップ形に形成された導電性のエレメントの少なくとも1つのラベル
に表示される。このようにして、センサの取り違えは排除される。
本発明の有利な実施形態では、異なるエレベーション角度は、
・給電網(いわゆる「フィードネットワーク」)から誘電性のキャップまでの間隔を介して、および/または
・給電網から導電性のキャップまでの間隔を介して
精確に調整される。
それに対して択一的または補足的に、キャップの材料を介して、とりわけキャップの材料の誘電率を介して、異なるエレベーション角度を正確に調整することもできる。
また択一的または補足的に、キャップをエレベーション角度に依存して適切に構造化することにより、たとえば孔の形態、溝の形態、コラムの形態、複数の段の形態、および/または蜂の巣の形態等に構造化することにより、異なるエレベーション角度を正確に調整することもできる。
特に有利なのは、誘電性のキャップまたは金属コーティングされたキャップを、少なくとも1つの周期的な構造によって構造化し、いわゆる「遅波」構造を形成することである。この周期的な構造はたとえば、PBG(光バンドギャップ(Photonic Band Gap))構造である。周波数の通過帯域および阻止帯域を有するこのような周期的な構造によって、特に大きな位相シフトひいては特に大きなエレベーション角度を達成することができる。このような周期的な構造は、たとえば導波路からそれ自体に既知になっている。
これと関連して前記のような「遅波」構造により、2つのパッチ素子(=アンテナ素子またはビーム(放射)素子)間の直接的な接続において必要な位相シフトを実現することができる。その際には、アンテナ素子またはビーム(放射)素子の給電部間に存在する空間に収容するのが困難であり付加的な損失を引き起こしてしまう迂回的な線路は必要ない。SRR(近距離レーダ、Short Range Radar)に適用する場合、「遅波」構造は特に適している。というのも、「遅波」構造は特に広帯域であるからだ。
誘電性および/または導電性のエレメントと基板を有するHF(高周波)ボードとの間の間隔は比較的に正確に調整され、本発明によるセンサデバイスの寿命にわたって一定に維持されるので、この間隔の公差領域は数十μmの領域になると推定される。
それゆえ本発明の目的に適った発展形態では、誘電体のボディおよび/または導電性のボディの材料は、HF(高周波)ボードの材料に近似する熱膨張係数を有する。この熱膨張係数は、最適なケースではHFボードの材料と等しい熱膨張係数であり、ここではとりわけ、基板の材料と等しい熱膨張係数である。
ここで、異なるエレベーション角度に対してすべての誘電性および/または導電性のエレメントないしはボディが同一の材料から構成されるか、または少なくとも熱膨張特性の点で類似する材料から構成されている場合、誘電性および/または導電性のエレメントを前記のように構造化することによって、エレベーション角度を調整することができる。
本発明の有利な実施形態では、誘電性の材料および/または導電性のエレメントは機械的に、たとえばスペーサを介してねじ止めまたはクランプすることによってHF(高周波)ボードに結合されるか、または直接的なコンタクトでHF(高周波)ボードに結合される。この直接的なコンタクトは、たとえば点状の面コンタクトによって実現することもできる。択一的または補足的な手段は、誘電性および/または導電性のボディとHF(高周波)ボードとを点状または完全に接着することである。
本発明および本方法の重要な発展形態では、誘電性の材料および/または導電性のエレメントは複数部分に分けて構成することもできる。こうするためにはたとえば、位相ひいてはアンテナダイアグラムに影響するエレメントを、フィードネットワークまたは給電網の上方に取り付けるか、またはフィードネットワークまたは給電網の下方に取り付ける。その際には少なくとも1つの別のエレメントによって、レーダ回路は環境の影響から保護される。この別のエレメントは、有利にはキャップ状に形成される。
それに対して択一的または補足的に、位相ひいてはアンテナダイアグラムに影響するエレメントはキャップの少なくとも1つの切欠内に設けられ、このキャップとともに給電網の上方または給電網の下方に取り付けられる。
本発明の有利な構成では、位相で特性変化される領域と位相で特性変化されない領域との間の移行部は、両領域間の漸次的な移行によって実現される。換言すれば、誘電性および/または金属性のボディからプレーナ線路までの間隔はこの移行領域で、有利には連続的に、たとえば線形の台形状に延在するか、または複数の小さな段で変化する。
これと関連して、障害のないプレーナ線路の領域において誘電性および/または金属性のボディのメタライゼーションを省略することができる(ないしは、Radom(Radar dome)または「レーダドーム」として構成される実施例の場合は省略すべきである)。しかし、目的に沿って障害が設けられたプレーナ線路との移行領域は、一貫してメタライゼーションすることができる。
本発明の有利な実施形態では、フィードネットワークまたは給電網を少なくとも1つの別の線路タイプで構成することにより、誘電性の材料または導電性のエレメントによる位相の影響をより強くする。たとえばHF(高周波)回路はマイクロストリップ線路(=いわゆる“microstrip lines”)から構成されるのに対し、位相ひいてはアンテナダイアグラムが影響されるように構成された領域において給電網はコプレーナ形に構成される。
このように異なった構成の基礎となっているのは、コプレーナ線路またはスロット線路の場合には、線路上方の空気中に誘導される電磁界の成分がマイクロストリップ線路より大きいということである。したがって、誘電性のキャップまたは導電性のエレメントによる影響は大きくなる。
車高調整部を備えていない移動手段、とりわけ車高調整部を備えていない自動車の負荷が異なっても、エレベーション方向にレーダビームを等しい角度に維持するためには、位相に影響する誘電性および/または導電性のエレメントは、目的に応じて調整可能であるように構成される。このような調整はたとえば、少なくとも1つの電動機を介して行われる。
本発明の有利な発展形態では(レーダ)センサは、目的に応じて外部からアクセス可能な少なくとも1つのコーディングエレメントを有する。このコーディングエレメントは、たとえば少なくとも1つのジャンパまたは少なくとも1つのスイッチである。
このようなコーディングエレメントを介して、角度評価の目的でセンサに対して取り付け位置が通知される。こうすると、センサを「ちょうどひっくり返して」かつ「上下逆さま」に取り付けることができ、特に、上方向のビーム偏向が望ましいかまたは下方向のビーム偏向が望ましいかに依存して取り付けられる。
このようにして(レーダ)センサは、キャップエレメントの種類に関してのみ、キャップエレメントが誘電性であるかまたは金属性であるかに関してのみ構成すればよくなり、このような種類のキャップエレメントによって実現され一方向にのみ行われるビーム偏向を、最適化ないしは最大限にすることができる。
本発明はさらに、機械的に制御される少なくとも1つの移相器にも関する。該移相器は、少なくとも1つの導電性のエレメントから少なくとも1つのプレーナ形HF(高周波)線路までの間隔の変化に関する。前記プレーナ形HF線路はたとえば、
・少なくとも1つのストリップ線路、または
・(対称的または非対称的な)少なくとも1つのコプレーナ線路(=いわゆる“coplanar waveguide”)、または
・少なくとも1つのマイクロストリップ線路(=いわゆる“microstrip line”)、または
・少なくとも1つのスロット線路(=いわゆる“slot line”)、または
・少なくとも1つのコプレーナ2ストリップ線路
である(線路タイプの定義に関して:『Integrierte Microwellenschaltungen』(R.K. Hoffmann著、Springer出版社、ベルリン、1983年)第93頁を参照されたい)。
本発明はまた、次の形式の少なくとも1つの誘電性導波路にも関する。すなわち、エレベーション方向の電磁放射の放射および/または受信の位相シフトないしは角度、とりわけエレベーション角度は、少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメントを異なって離隔して配置することにより調整される形式の誘電性導波路にも関する。前記エレメントはとりわけ、少なくとも部分的に金属から形成されている。
これと関連して誘電性の導波路の場合、少なくとも1つの導電性エレメントを配置することは、少なくとも1つの誘電性のエレメントを配置することと比較して有利である。というのも、誘電性の導波路における「ダイエレクトリックローディング」の作用は次の理由で非常に制限されているからだ。すなわち、該誘電性の導波路の導波が空気との境界面における全反射と関連し、かつ1つまたは複数の誘電性エレメントによって引き起こされた「ダイエレクトリックローディング」が強くなると、波は誘導されなくなってしまうという理由で、非常に制限されているからだ。
最後に本発明は、前記形式による少なくとも1つの装置および/または前記形式の少なくとも1つの方法を自動車分野に、とりわけ車両周辺センサ系に適用することに関する。ここではたとえば、自動車においてエアバッグをトリガするためのプリクラッシュセンシングの枠内で関連するような、少なくとも1つのオブジェクトの角度位置の測定および検出に適用される。
ここでは、とりわけレーダセンサ系であるセンサ系によって、検出されたオブジェクトと発生する可能性のある衝突が起こるか否かが検出される。前記オブジェクトは、たとえば別の自動車である。衝突が起こる場合には付加的に、どのような速度およびどのような衝突点で衝突が起こるかが検出される。
これらのデータを把握すれば、自動車の運転手の命を救うことになるミリ秒の時間が得られ、このミリ秒の時間中に準備手段が、たとえばエアバッグの駆動時またはシートベルトシステムの緊張時に実施される。
本発明による装置および方法を使用できる別の使用領域は、パーキングアシスタンスシステム、死角検出ないしは死角監視、または、走行速度を適応的に自動制御するための既存の装置の拡張部であるストップアンドゴーシステムである。これは、たとえばACC(Adaptive Cruise Control)システム(=適応的な速度制御のためのシステム)である。
したがって、本発明において提案されるプレーナアンテナシステムは、たとえば第3世代のLRR(Long Range Radar)領域でもACC(Adaptive Cruise Control)システムでも使用することができ、またSRR(Short Range Radar)領域でも使用することができる。
これと関連して、LRR(Long Range Radar)とは一般的に、遠方領域の機能のための長距離到達可能なレーダを指す。このレーダは典型的には、ACC(Adaptive Cruise Control)機能で77GHzの周波数で使用される。
原則的にSRR(Short Range Radar)システムには、エレベーション角度を目的に応じて調整することが必要であると見なされる場合、本発明で提案されたアンテナ素子またはビーム(放射)素子と本発明で提案された誘電性ないしは金属性のボディとが備えられる。前記ボディは、とりわけキャップ状になっている。
次世代のSRR(Short Range Radar)では、このことは次の場合にますます当てはまる。すなわち、
・とりわけ受信側において、到達範囲拡大と関連してエレベーション方向のビーム集束をより強力にすべき場合、または
・とりわけ送信側において、より大きくひいてはより強力に集束するアンテナアレイを使用して、副次的ローブをさらに低減する場合。
これと関連して、SRR(Short Range Radar)は一般的に、近距離機能のための近距離到達可能なレーダを指す。このレーダは典型的には、パーキングアシスト機能またはエアバッグをトリガするためのプリクラッシュ機能で24GHzの周波数で使用される。
ここではとりわけ、本発明による構造は、ビームローブの方向がエレベーション方向に、車両固有の誘電性および/または導電性の少なくとも1つのキャップによって調整されるSRR(Short Range Radar)センサにおいて使用される。
図面の簡単な説明
すでに前記で述べたように、本発明の思想を有利に実現および発展するために種々の手段が存在する。これらの手段に関しては、請求項1および18に従属する請求項に記載されており、本発明の別の構成、特徴および利点を以下で、図8A〜36に示された実施例に基づいて詳細に説明する。
図1A 従来技術による、移相器を介してアナログビーム成形するための第1の構成の一部の概略図である。
図1B 従来技術による、ビーム成形網を介してアナログビーム成形するための第2の構成の一部の概略図である。
図1C 従来技術による、デジタルビーム成形するための構成の一部の概略図である。
図2 従来技術による、レーダセンサの取付が斜めである場合のビームローブの偏向の側面図である。
図3A プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、従来技術の第1の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。
図3B プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、従来技術の第2の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。
図3C プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、従来技術の第3の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。
図4A 従来技術による、アンテナ素子に直列給電の形態で給電するための第1の構成の概略図である。
図4B 従来技術による、アンテナ素子に同相給電の形態で給電するための第2の構成の概略図である。
図4C 従来技術による、アンテナ素子に位相振幅対称給電の形態で給電するための第3の構成の概略図である。
図5A 従来技術による、アンテナ素子に直接的または容量的に直列給電するための第1の構成の平面図である。
図5B 従来技術による、アンテナ素子に直接的または容量的に直列給電するための第2の構成の平面図である。
図6A 従来技術による、アンテナ素子に基板下面からスロット電磁結合によって直列給電するための第1の構成の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図6B 従来技術による、アンテナ素子に基板下面から電気的なHF(高周波)貫通案内部を介して直列給電するための第2の構成の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図7 従来技術による、放射素子間の位相シフトによるビーム偏向のための構成の概略図である。
図8A プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。
図8B プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。
図8C プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。
図9A プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。
図9B プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。
図9C プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。
図10A プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。
図10B プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。
図10C プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。
図11 本発明による装置の第4の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図12 本発明による装置の第5の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図13 本発明による装置の第6の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図14 本発明による装置の第7の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。
図15 本発明による装置の第8の実施例の概略図である。
図16 本発明による装置の第9の実施例の概略図である。
図17 差分が2値である移相エレメントが取り付けられている装置の概略図である。
図18 本発明による装置の第10の実施例の概略図である。
図19 本発明による装置の第11の実施例の概略図である。
図20 本発明による装置の第12の実施例の概略図である。
図21 本発明による装置の第13の実施例の概略図である。
図22 本発明による装置の第14の実施例の概略図である。
図23 本発明による装置の第15の実施例の概略図である。
図24 シミュレーション計算のために構成された、本発明による簡単な給電網の実施例の概略図である。
図25 本発明による誘電性のキャップ状のボディを設ける場合の、図24の簡単な給電網を備えた構成の第1のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。
図26 本発明による金属性のキャップ状のボディを設ける場合の、図24の簡単な給電網を備えた構成のシミュレーションモデルの、図25に対して択一的な実施例を斜視的に示した図である。
図27 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、デシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を3次元プロットで示した図である。
図28 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数においてデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図29 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成、および図24の簡単な給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図30 本発明によるメアンダ状の給電網を有する構成の第2のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。
図31 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度でプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図32 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成、および図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図33 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、および図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図34 本発明による同相給電網を有する構成の第3のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。
図35 図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「前方」)、および図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「後方」)のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図36 図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「前方」)の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、および図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「後方」)の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。
図1A〜36において同一または同様の構成、要素および特徴には、同一の参照記号が付与されている。
本発明を実施するための最良の手段
以下で本発明による(レーダ)装置100と、1つまたは複数のオブジェクトをセンシング、検出および/または評価するための、該装置100に関連する方法を例解する。該装置100は、とりわけ近距離範囲用に構成されている。
このコンテクストでは、アンテナとして機能する装置100は本発明では基本的に、HF(高周波)レーダ電磁放射を送信および/または受信するために使用される。
ここでは装置100は、誘電率εr,1を有する基板層10を備えている。基板10の下面10uには、メタライゼーション層12が取り付けられている(図3Bの従来技術の構成と、図8Bの本装置100の第1の実施例、図9Bの本装置100の第2の実施例および図10Bの本装置100の第3の実施例とを参照されたい)。
基板10の上面10o上では、プレーナ形として形成されたフィードネットワークまたは給電網が1つまたは複数の線路20の形態で延在する。例として、図3A,3B,3C(=従来技術による構成)および図8A,8B,8C(=本装置100の第1の実施例)、図9A,9B,9C(=本装置100の第2の実施例)および図10A,10B,10C(=本装置100の第3の実施例)にそれぞれ異なる3つのプレーナ線路タイプが、基本モードの電界の基本的な経過とともに示されている。すなわち、
・図3A,8A,9A,10Aには対称的なコプレーナ線路(=いわゆる“coplanar waveguide”)が示されている。
・図3B,8B,9B,10Bにはマイクロストリップ線路(=いわゆる“microstrip line”)が示されている。
・図3C,8C,9C,10Cにはスロット線路(=いわゆる“slot line”)が示されている。
このプレーナ線路装置20は、同様に基板形のHF(高周波)ボード10上に取り付けられた複数のアンテナ素子またはビーム(放射)素子32,34,36,38に接続されている(図4A,4B,4C,5A,5B,6A,6Bの従来技術による構成と、図11の本装置100の第4の実施例、図12の本装置100の第5の実施例、図13の本装置100の第6の実施例、図14の本装置100の第7の実施例、図15の本装置100の第8の実施例、図16の本装置100の第9の実施例、差分が2値である移相エレメント60,62,64を備えた図17の装置、図18の本装置100の第10の実施例、図19の本装置100の第11の実施例、図20の本装置100の第12の実施例、図21の本装置100の第13の実施例、図22の本装置100の第14の実施例および図23の本装置100の第15の実施例とを参照されたい)。
これらの放射素子32,34,36,38には異なって給電することができ、たとえば直列給電22sとして給電することができる(いわゆる“series feed”:図4A,5A,5B,6A,6Bの従来技術による構成と、図11の本装置100の第4の実施例、図12の本装置100の第5の実施例、図13の本装置100の第6の実施例、図14の本装置100の第7の実施例、図15の本装置100の第8の実施例、図22の本装置100の第14の実施例および図23の本装置100の第15の実施例とを参照されたい)。
このような直列給電22sでは、フィードネットワークまたは給電網は基板10の上面10oで直接的または容量的に結合される(図5A,5Bの従来技術による構成と、図11の本装置100の第4の実施例および図12の本装置100の第5の実施例とを参照されたい)。
このように給電網を基板10の上面10oで直接的または容量的に結合することに対して択一的に、基板10の下面10uから、給電網をそれぞれスロット32s,34s,36s,38sによって電磁的に結合することによって直列給電22sを行うこともできる(図6Aの従来技術による構成と、図13の本装置100の第6の実施例、図22の本装置100の第14の実施例および図23の本装置100の第15の実施例とを参照されたい)。
このように給電網を基板10の下面10uから電磁的に結合することに対して択一的に、基板10の下面10uから電気的な貫通案内部32d,34d,36d,38dをそれぞれ介して直列給電22sを行うこともできる(図6Bの従来技術による構成と、図14の本装置100の第7の実施例とを参照されたい)。
直列給電22sの手法に対して択一的または補足的なアンテナ素子32,34,36,38の給電法が、同相給電22gである(=いわゆる“corporate feed”:図4Bの従来技術の構成と、差分が2値である3つの移相エレメント60,62,64を備えた図17の装置、図18の本装置100の第10の実施例、図19の本装置100の第11の実施例、図20の本装置100の第12の実施例および図21の本装置100の第13の実施例とを参照されたい)。
直列給電22sの手法および/または同相給電22gの手法に対して択一的または補足的なアンテナ素子32,34,36,38の別の給電法が、位相振幅対称給電22pである(図4Cの従来技術による構成と、図16の本装置100の第9の実施例とを参照されたい)。
ここで本発明の中心になっているのは、プレーナ形HF(高周波)信号路20を意識的かつ目的に応じて特性変化させることにより、自動車200用に構成された本発明のレーダアンテナまたはレーダ装置100のエレベーション方向Eのビーム角度が調整されるように構成することだと理解できる。
図8A,8B,8Cに示された本発明の第1の実施例では、前記のようにプレーナ形HF(高周波)信号路20を意識的かつ目的に応じて特性変化させ、ひいてはアンテナ素子32,34,36,38間の位相差Δφと結果として得られるアンテナダイアグラムとを意識的かつ目的に応じて調整するために、信号路20の実効誘電率εeffすなわち伝播係数を変化させる(いわゆる“ダイエレクトリックローディング(dielectric loading”)。そのためには、誘電率εr,2>1を有する誘電体材料から成るキャップ40を、プレーナ信号路20の上方に所定の間隔をおいて配置する。
ここでは線路20上方の誘電体材料40の誘電率εr,2を増大させることにより、該線路20における伝播係数が増大し、ひいては2つの放射素子32,34ないしは34,36ないしは36,38間の位相差Δφが増大する。
図9A,9B,9Cに示された本発明の第2の実施例では、プレーナ形HF(高周波)信号路20を意識的かつ目的に応じて特性変化させ、ひいてはアンテナ素子32,34,36,38間の位相差Δφと結果として得られるアンテナダイアグラムを意識的かつ目的に応じて調整するために、導電性材料から成るプレート形または層形のエレメント50が、信号路20から所定の間隔をおいて取り付けられる。
ここでは、中間スペースに空気を伴って線路20上方に導電性エレメント50を取り付けることにより、該線路20における伝播係数が低減され、ひいては2つの放射素子32,34ないしは34,36ないしは36,38間の位相差Δφが低減される。
図9A,9B,9Cに示された第2の実施例の場合ように位相差Δφひいてはエレベーション角度Θが金属性エレメント50によって調整される場合、この金属性エレメント50は、プラスチック製キャップを部分的ないしは完全にメタライゼーションすることによって有利に製造することができる。
図10A,10B,10Cに示された本発明の第3の実施例では、プレーナ形HF(高周波)信号路20を意識的かつ目的に応じて特性変化させ、ひいてはアンテナ素子32,34,36,38間の位相差Δφと結果として得られるアンテナダイアグラムを意識的かつ目的に応じて調整するために、前記2つの技術的手段(=誘電性エレメント+導電性エレメント)を組み合わせて、線路20と反対側に導電層50sがコーティングされた誘電性材料から成るキャップ40が形成される。これに対して択一的に、導電性エレメント50に1つまたは複数の誘電体層40sがコーティングされる変形形態も考えられる。
誘電性キャップ40による“ダイエレクトリックローディング”(図8A,8B,8C参照)、ないしは導電性エレメント50の取り付け(図9A,9B,9C参照)、ないしは両技術的手段の組み合わせ(図10A,10B,10C参照)を実施するためには、所望のエレベーション角度Θに依存して適切に、センサ100の
・誘電性キャップ40(図8A,8B,8C参照)を形成するか、ないしは
・導電性キャップ50(図9A,9B,9C参照)を形成するか、ないしは
・導電層50sを有する誘電性キャップ40(図10A,10B,10C参照)を形成する(比較のために、図3A,3B,3Cに従来技術から公知である、障害物のない各線路20が示されている)。
これら前記の3つの異なる基本的構成によって、本発明では個々の移相器が制御されるのではなく、実際にはフィードネットワークまたは給電網全体が特性変化されるか、またはフィードネットワークまたは給電網の構成部分の比較的多くが特性変化される。それゆえ給電網は、少なくとも部分的に直列給電部22s(いわゆる“series feed”)として構成される(『Millimeter-Wave Microstrip and Printed Circuit Antennas』(P. Bhartia, K.V.S. Rao, R.S. Tomar著、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)第161頁参照)。
異なるエレベーション角度Θを実現するためには、異なるキャップを取り付けるだけでよい。センサ100の電子的モジュールおよびHF(高周波)モジュールは、どのような角度でも同一である。このことが、直列給電部を有する直接結合式のアンテナ素子32,34,36に関して図11(=本装置100の第4の実施例)および図12(本装置100の第5の実施例)で図解されている。
図11では、キャップ40は同様に形成され、ボード10に対して比較的大きな間隔をおいて配置されており、ビーム素子32,34,36間を延在する線路20ひいては該線路20の位相Δφに該キャップが与える影響は少ない。
図12ではキャップ40は段付きで形成され、誘電性であり、および/または部分的にメタライゼーションされている。図11とは逆に、ビーム素子32,34,36間を延在する線路20ひいては該線路20の位相Δφに該キャップ40が与える影響は強くなっており、線路20における位相Δφに影響する(図12の左に示された)領域40b(=位相で“特性変化”される領域)と該線路20における位相Δφに影響しない(図12の右に示された)領域40n(=位相で“特性変化”されない領域)との間の移行部40tは漸次的に構成されている。すなわち、移行領域40tにおける誘電性キャップ40から線路20までの間隔は連続的に、すなわち線形の台形状に変化する(図12参照)。
さらに、図11に示された第4の実施例のおよび図12に示された第5の実施例の各図示内容から理解できるように、給電網をビーム素子32,34,36,38と同一のメタライゼーション面に配置することができる。こうすることにより、直接結合式のビーム素子32,34,36,38の直接的または容量的な直列給電が実現される(『Millimeter-Wave Microstrip and Printed Circuit Antennas』(P. Bhartia, K.V.S. Rao, R.S. Tomar著、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)第133〜134頁を参照されたい)。
その際、誘電性キャップ40ないしは導電性キャップ50は同時に、Radom(Radar dome)または「レーダドーム」を形成する。すなわち、パッチ素子用の電磁放射透過性のドーム形の耐候性保護部を形成する。これはたとえば、レーダ100のアンテナ装置用のプラスチックカバーの形態で形成される。
給電網はまた、図13に示された第6の実施例および図14に示された第7の実施例の各図示内容から理解できるように、基板10の放射素子32,34,36,38に対向する面上に構成することもできる。
放射器32ないしは34ないしは36ないしは38はこの場合、
・スロット32sないしは34sないしは36sないしは38sによる電磁的結合によって励振されるか(図13に示された第6の実施例を参照のこと)、または
・HF(高周波)貫通案内部32dないしは34dないしは36dないしは38d(いわゆる「通路」)等による電磁的結合によって励振される。その際、エレベーション角度Θを決定する誘電性キャップ40は、センサ100の裏面、すなわちセンサ100のビーム側とは反対側に設けられている。
図13に示された直列給電(=第6の実施例)および図14に示された直列給電(=第7の実施例)では前記のことは、誘電性および/または金属性のキャップ40による位相Δφおよび結果として得られるアンテナダイアグラムの調整が、基板10を通過して行われることを意味する。
この場合でも、線路20における位相Δφに影響する(図13ないしは図14にそれぞれ左に示された)領域40b(=位相で「特性変化」される領域)と、該線路20における位相Δφに影響しない(図13ないしは図14にそれぞれ左に示された)領域40n(=位相で「特性変化」されない領域)との間の移行部40tは、漸次的に構成されている。このことは、移行領域40tにおける誘電性キャップ40から線路20までの間隔が連続的に、すなわち線形の台形状に変化することを意味する(図13および14を参照)。
図15に示された装置100の第8の実施例では、誘電率εr,2の誘電性材料から成るプレート形ボディ40によって引き起こされる、直列給電22sの場合のビーム偏向が図解されているのに対し、該装置100の第9の実施例に基づく図16には、位相対称給電22pの場合のビーム偏向が示されている(ここで、従来技術による図4Cの図示内容も参照されたい)。
位相(振幅)対称給電22pはその対称性ゆえに、とりわけ副次的ローブを低減するという点で、中間から外側に向かって降下する信号分配のための給電部の設計をさらに簡略化できるので、有利な特性を有する。また有利には、位相振幅対称給電22pに固有の対称性に起因して、エレベーション方向に「斜視」が僅かにしか起こらないか、または全く起こることもない。
図16の第9の実施例にて図解されているように、アンテナ素子32,34,36,38間の各位相差Δφは、
・この種のフィードネットワークまたは給電網の中央給電部の一方の側(=図16の上側の領域)で、誘電性キャップ40による「ダイエレクトリックローディング」によって増大され、
・この種のフィードネットワークまたは給電網の中央給電部の他方の側(=図16の下側の領域)において、導電性ボディ50を設けることにより減少される。
こうすることにより、該給電網でもエレベーション角度Θが調整される。
図17,図18,図19,図20および図21に、同相給電22gの5つの異なる変形形態が示されている。これらの変形形態は、アンテナ素子32,34,36,38間において360°の位相差を伴うことなく機能するように構成されているので、とりわけ広帯域のレーダシステム(いわゆるUWB(Ultra Wide Band)レーダシステム)および広帯域の通信システム(いわゆるUWB(Ultra Wide Band)通信システム)に適している。
このコンテキストでは、UWB(Ultra Wide Band)システムとは一般的に、パルス信号によって動作し、パルス長が非常に短く、帯域幅が非常に大きいレーダシステムおよび通信システムを指す。
こうするために給電網には、
・2Δφの位相シフトを引き起こす、差分が2値である第1の移相エレメント60と、
・Δφの位相シフトを引き起こす、差分が2値である第2の移相エレメント62と、
・Δφの位相シフトを引き起こす、差分が2値である第3の移相エレメント64と
が挿入される(図17参照)。これによって、所定のビーム偏向nΔφに調整される(ここでは、第1のビーム素子32ではn=0、ないしは第2のビーム素子34ではn=1、ないしは第3のビーム素子36ではn=2、ないしは第4のビーム素子38ではn=3である)。
・2Δφの位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第1の誘電性エレメント40と、
・Δφの位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第2の誘電性エレメント42と、
・Δφの位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第3の誘電性エレメント44と
により、差分が2値である前記3つの移相エレメント60,62,64を使用して形成された位相シフトnΔφは、
・ビーム偏向が縮小されるかまたは消失するように補償されるか(図18に示された第10の実施例)、または
・ビーム偏向がたとえば2nΔφ(ここではn=0,1,2,3)にまで増大されるように増幅される(図19に示された第11の実施例)。
ここでは前記3つの誘電性エレメント40,42,44は、適切に構造化された誘電性キャップとして形成される。第1の誘電性キャップ(<−−>位相シフト2Δφ)は第2の誘電性キャップ42(<−−>位相シフトΔφ)の2倍の長さで形成され、第3の誘電性キャップ44(<−−>位相シフトΔφ)の2倍の長さで形成される。
誘電性キャップ40,42,44を使用する代わりに、導電性エレメント50,52,54を使用してビーム偏向を補償ないしは増幅することもできる。すなわち、
・2(−Δφ)の位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第1の導電性エレメント50と、
・−Δφの位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第2の導電性エレメント52と、
・−Δφの位相シフトを引き起こす、適切に構造化された第3の導電性エレメント54とによって、
差分が2値である3つの移相エレメント60,62,64によって形成された位相シフトnΔφは、
・ビーム偏向が縮小ないしは消失するように補償されるか(図20に示された第12の実施例を参照)、または
・ビーム偏向がたとえば2nΔφ(ここでは、n=0,1,2,3)にまで増大されるように増幅される(図21に示された第13の実施例を参照)。
ここでは前記3つの導電性エレメント50,52,54は、適切に構造化された金属性キャップとして形成される。第1の金属性キャップ(<−−>位相シフト 2(−Δφ))は第2の金属性キャップ52(<−−>位相シフト −Δφ)の2倍の長さで形成され、第3の金属性キャップ54(<−−>位相シフト −Δφ)の2倍の長さで形成される。
図18(=第10の実施例)と図20(=第12の実施例)とを比較し、図19(=第11の実施例)と図21(=第13の実施例)とを比較すると理解できるように、図18および20においてビーム偏向を消失させる場合ないしは図19および21においてビーム放射を図17に関して2倍にする場合、位相シフトnΔφに影響するエレメント40,42,44ないしは50,52,54をフィードネットワークまたは給電網の個々の枝部分にそれぞれ対向して配置することの基礎となっているのは、給電網における実効誘電率εeff、ひいてはアンテナ素子32,34,36,38間の位相シフトnΔφを
・誘電性材料40,42,44によって上昇させ(図18および図19参照)、プレーナ線路システム20が電気的に長くなるようにすること、および
・導電性材料50,52,54によって低減し(図20および図21参照)、プレーナ線路システム20が電気的に短くなるようにすることである。
メアンダ状給電網の形態、すなわち、位相と結果として得られるアンテナダイアグラムに対する影響をより強くするために給電線路20をメアンダ状に案内する形態の本発明の2つの変形形態が、図22(本装置100の第14の実施例)および図23(本装置100の第15の実施例)に示されている。
このような構成によって、ビーム(放射)素子32,34,36,38の電磁界を相互に逆平行に方向付けするか(図22参照)または平行に方向付けすることにより(図23参照)、ビーム(放射)素子32,34,36,38間の電気長が、半分の波長の倍数になる。その際には、それぞれたとえばHF(高周波)ボード10の裏面からスロット電磁結合が行われる。
以下で、本発明の構成および機能原理を、詳細かつ理論的に説明する。まず、エレベーション方向Eのビーム偏向Θを取り上げる。
図7では、ビーム角度Θは以下のように、2つのアンテナ素子またはビーム(放射)素子32,34,36,38間の位相シフトΔφに関連する(『Microwave and Millimeter Wave Phase Shifters』(S.K. Koul, B. Bhat著、Artech House、ボストン、ロンドン、1991年)第1〜2巻を参照されたい):
Δφ=Δφ−Δφ=(ω/c)・a・sinΘ
無損失の線路の伝播係数には、近似的に以下の数式が当てはまる(TEM(Transversal ElectroMagnetic)波用の線路、すなわち伝播方向に電磁界成分を有さない電磁波用の線路では、厳密に当てはまる):
β=ω・(L’・C’)1/2=ω・(μ・ε・εeff1/2
したがって、2つの構成の誘電性キャップの実効誘電率εeffに依存する2つの素子間の位相シフトΔφの比Δφ/Δφには、以下のようになることが分かる:
Figure 2006516370
したがって、ビーム偏向Θは以下のようにして得られる:
Θ= arcsin{Δφ/[2πa’]・[(εeff,2eff,1)1/2-1]}
ここで誘電性エレメント40の間隔aは、波長λに基づいて正規化される:
a’=a/λ
誘電性材料40の誘電率εeffの影響なしでビーム偏向が消失する(Θ=0°)場合、2つのアンテナ素子32,34ないしは34,36ないしは36,38間の位相差はΔφ=2πになる。
消失しないビーム偏向(Θ≠0°)が上方向および下方向に発生し、とりわけ「ダイエレクトリックローディング」(<−−>少なくとも1つの誘電性ボディ40を設けること)を導入しなければならない場合、位相差Δφ<2πが選択される。というのも「ダイエレクトリックローディング」によって、線路20を電気的にのみ長くすることができるからだ。
さらに、伝播係数βの他に線路インピーダンスZも変化することを考慮すると:
Z=(L’/C’)1/2〜εeff −1/2
ある程度の不整合は、通常は許容される。容量C’およびインダクタンスL’が同様に変化する構成が見つからない限り、この不整合によって、実現可能な最大のビーム偏向Θが決定される。
このような構成は、本発明では基本的に、少なくとも1つのプラスチック製キャップを部分的または完全にメタライゼーションし、該プラスチック製キャップが金属性エレメント50としてエレベーション角度Θを調整するように作用することによって実現される(図9A,9B,9Cに示された第2の実施例を参照)。
また、2つのアンテナ素子またはビーム(放射)素子32,34,36,38間の線路20の長さないしは位相シフトΔφをΔφ=n2πにまで増大するという、本発明の基本的な手段も存在する(図18に示された第10の実施例および図19に示された第11の実施例を参照)
ここで達成可能なプレーナ線路20の実効誘電率εeffの変化に触れると、一般的には、マイクロストリップ線路(=いわゆる“microstrip line”)の実効誘電率と基板10の誘電率εr,1とのずれは、(対称的または非対称的な)コプレーナ線路(=いわゆる“coplanar waveguide”)の誘電率またはスロット線路(=いわゆる“slot line”)の誘電率の場合よりも一般的に小さいことが確認される。
このようなプレーナ線路の実効誘電率の評価は、『Foundations for Microwave Engineering』(R. E. Collin著、第2版、McGraw-Hill International Editions、ニューヨーク他、1992年)第151頁および第176頁に記載されている。
限りなく薄いメタライゼーションと基板10上方に空気とを伴うコプレーナ線路およびスロット線路の場合、実効誘電率は
εeff=0.5・(εr,1+1)
である。ここでは、εr,1は基板10の誘電率である。
マイクロストリップ線路では、実効誘電率εeffは基板10の厚さhおよびマイクロストリップの幅wに依存する。メタライゼーションが限りなく薄くかつ基板10上方に空気が存在する場合、
w<hの場合
εeff = 0.5・(εr,1+1) + 0.5・(εr,1-1)・(1+12h/w)−1/2 + 0.02 (εr,1-1)・(1-w/h)
w<hの場合
εeff = 0.5・(εr,1+1) + 0.5・(εr,1-1)・(1+12h/w)−1/2
これが意味するところは、マイクロストリップ線路の実効誘電率εeffは常に、コプレーナ線路またはスロット線路の実効誘電率εeffより大きいということである。
上記の数式から、基板10の誘電率εr,1に等しい誘電率εr,2を有する材料40によって「ダイエレクトリックローディング」を行うことにより、最大で、基板10の誘電率εr,1に等しい実効誘電率εeffが得られるという結果になる。
コプレーナ線路またはスロット線路では、基板10の誘電率εr,1より大きい誘電率εr,2を有する誘電性キャップ40を使用すると、最大で実効誘電率εeff=0.5・(εr,1+εr,2)に到達し、マイクロストリップ線路では第2の導電性面を付加しなければならないので(図10A,10B,10Cを参照)、対称的なストリップ線路が得られる。
さらに「ダイエレクトリックローディング」を伴うマイクロストリップ線路では、実効誘電率εeffは常に、コプレーナ線路またはスロット線路において同様に「ダイエレクトリックローディング」を行う場合よりも小さい。
それに対して、導電性エレメント50を線路20上方に配置した場合、実効誘電率εeffは理論的に、値1まで低減される。精確な結果は、シミュレーションプログラムによって得られる。
以下の表に幾つかの例を挙げる。
Figure 2006516370
マイクロストリップ線路(SRR;24GHzの周波数の場合には8mm)は、24GHz〜10mil Ro3003の周波数の場合の50Ω線路に適用される。50Ωの線路インピーダンスが41Ωにまで低減することにより、s11=−20dBの整合が実現される。
不整合が小さいと同時にビーム偏向Θに対して大きな調整領域が必要とされる場合、アンテナ素子またはビーム(放射)素子32,34,36,38の間隔aをエレベーション方向Eに縮小することができる。
ここで本発明の機能原理を説明および実証するため、以下でシミュレーションに関する結果を紹介する。まず、直列給電を考察する。
SRR(Short Range Radar)センサのビーム(放射)素子(スロット結合式のパッチ)に関して、直列給電のための最適化されていない仮定上の設計が計算されている。それに相応して図24に、シミュレーション計算のための(簡単な)フィードネットワークまたは給電網が示されている。ここでは、4つのパッチすべてにおける線路は同じであることが基礎となっている。すなわち、すべてのアンテナ素子またはビーム(放射)素子におけるパワー出力結合は名目上同じであり、アンテナ素子またはビーム(放射)素子の間隔は、λ=8mmまたはΔφ=2πである。
直列給電部の設計において値は、アンテナ素子またはビーム(放射)素子までのブランチ間のすべての接続(回路図では垂直に延在する)が、可能な限り大きな長さで、近い線路インピーダンス(40Ω〜50Ω)で形成され、誘電性および/または導電性のキャップによる影響が可能な限り均一になるように設定される。それゆえ線路は最後の素子までに、45Ωのインピーダンスレベルに変換される(線路ではそれぞれのインピーダンスレベルが指定される)。
直列給電のためのこのような設計は、電磁波用の有限エレメント‐シミュレーションプログラムの枠内のHFSS(High Frequency Structure Simulator)モデルで、3次元構造に変換される。ここでは、スロット結合式のパッチ素子が使用される。
このようなHFSSシミュレーションモデルを、スロット結合式かつ直列給電式の4つのパッチに関して図25に示す。ここでは、Radom(Radar dome)およびRadom(Radar dome)用の接着材も含まれている。パッチまでのブランチ線路の分岐における参照面の位置に関して、別個のシミュレーション計算が行われる。それに応じて、ブランチ線路は全体で350μm長くなっている。
誘電性および/または金属性のキャップの影響のシミュレーション計算を、次の2つの構成で行う:
・フィードネットワークまたは給電網の下方の空間全体に誘電体が充填され、20μmの厚さのメタライゼーションの面、すなわち導体路に近接する空間には空気が存在する構成(図25参照)。
・信号分配網の領域において漸次的に導体路に近づけられるキャップが、給電網の下方に取り付けられる構成(図26参照。ここではHFSSシミュレーションモデルが図示されているが、特に金属性キャップの影響に関してシミュレーション計算するのに使用される線路、結合スロットおよびキャップのみ示されている)。
図27は、簡単なフィードネットワークまたは給電網を有する構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が3次元でプロットされた図である。この構成には誘電性および/または導電性のキャップは設けられておらず、周波数は24GHzである。
図28には、簡単なフィードネットワークまたは給電網を有し誘電性および/または導電性のキャップを有さない構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされている。この直列給電によってビーム角度は周波数に依存する。ここでは、22GHz、24GHz、26GHzおよび28GHzという異なる周波数を考察する。
図29には、周波数が24GHzの場合の、簡単なフィードネットワークまたは給電網を有する構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされている。ここでは、次の異なる構成に対して作成されている:
・誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・誘電率ε=3を有する誘電性キャップが導体路上に直接設けられ、完全に被覆している構成(図25参照)
・誘電率ε=4.2を有する誘電性のキャップが導体路上に直接設けられ、完全に被覆している構成(図25参照)
・金属性キャップが導体路から100μmの距離に設けられており、縁部領域において漸次的に信号分配網に近づけられる構成(図26参照)。
ここでは、前記ですでに説明したように、約±10°の旋回範囲が得られる。
前記ではシミュレーション結果に基づいて、一般的な直列給電の場合の本発明の機能原理を説明および実証したが、以下では、メアンダ状の直列給電部の場合の異なる結果を、一部はシミュレーションに基づいて考察する:
図30には、図22(=本装置100の第14の実施例)および図23(=本装置100の第15の実施例)と同様に、メアンダ状のフィードネットワークまたは給電網が示されている。ここではこのフィードネットワークまたは給電網は、Δφ=4πの電気長(2λ、すなわち基板の波長の2倍に相応する)を有するアンテナ素子またはビーム(放射)素子ないしはパッチを接続することにより、ビームローブの偏向が可能な限り大きくなる。
さらに、アンテナ素子またはビーム(放射)素子ないしはパッチの間隔は6mm(25GHzの場合、0.5λに相応する)にまで低減されるので、ビームローブの偏向はさらに増大される。図30に示されたフィードネットワークまたは給電網では、振幅占有状態が0.5/1/1/0.5の場合、信号分配は0.25/1/1/0.25となる。したがって副次的ローブは、最大の主ローブより低く約−20dBにまで低減される。さらに、主ローブが拡大される。
図31は、メアンダ状のフィードネットワークまたは給電網を有し誘電性および/または導電性のキャップを有さない構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされた図である。ここでは、22GHz、24GHz、26GHzおよび28GHzという異なる周波数を考察する。
パッチ間の線路長が図28と比較して長くなっていることにより、ビーム角度はさらに周波数に依存するようになる。6mmのアンテナ素子またはビーム(放射)素子ないしはパッチの間隔は、26GHzの自由空間波長の半分に相応する。それより高い周波数は、図31に記録されていない。というのも、「グレーティングローブ(grating lobe)」が発生するからである。
図32には、周波数が24GHzの場合の、メアンダ状のフィードネットワークまたは給電網を有する構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされている。ここでは、次の異なる構成に応じて作成されている:
・誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・誘電率ε=2を有する誘電性キャップ
・誘電率ε=3を有する誘電性キャップ
・導体路から200μmの距離に設けられた金属性キャップ
・導体路から400μmの距離に設けられた金属性キャップ
ここでは、金属性のキャップが短い距離にあると、ビーム形状を劣化させるので、200mmの距離にある金属性キャップによって−7°のビーム偏向が達成される。
偏向をより大きくするためには、メアンダ状給電網を特別に、金属性キャップを使用するために構成しなければならない。それに対して、誘電性キャップはこのような構成の場合、非常に大きなビーム偏向を実現する。このビーム偏向は、誘電率ε=2ですでに15°より大きくなり、誘電率ε=3で30°の角度を達成する。
図33には、メアンダ状のフィードネットワークまたは給電網を有する構成のエレベーション方向の指向性が、24GHz〜26GHzの周波数領域で以下の異なる構成においてデシベルで測定され、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされている:
・周波数が24GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が25GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が26GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が24GHzである場合の、誘電率ε=2を有する誘電性キャップ
・周波数が25GHzである場合の、誘電率ε=2を有する誘電性キャップ
・周波数が26GHzである場合の、誘電率ε=2を有する誘電性キャップ
・周波数が24GHzである場合の、誘電率ε=3を有する誘電性キャップ
・周波数が25GHzである場合の、誘電率ε=3を有する誘電性キャップ
・周波率が26GHzである場合の、誘電率ε=3を有する誘電性キャップ
ここでは、周波数に依存する最大ビームの角度差は、ビーム偏向が大きくなると後退するが、そこでも非常に大きいままである。
したがって、上記で挙げられた2つの構成(図24〜29に示された簡単なフィードネットワークまたは給電網;図30〜33に示されたメアンダ状のフィードネットワークまたは給電網)は主に、比較的狭帯域の適用に適しており、たとえばプレーナ形アンテナを使用する長距離レーダ(いわゆるLRR(Long Range Radar)。典型的には、77GHzの周波数で動作し間隔を制御するクルーズコントロール、すなわちACC(Adaptive Cruise Control)システムのためのレーダ)に適しているのに対し、次の図34,35および36では、差分が2値である位相差を有し同相で構成された給電網が、図17、図18(=本装置100の第10の実施例)、図19(=本装置100の第11の実施例)、図20(=本装置100の第12の実施例)および図21(=本装置100の第13の実施例)に類似して検証される。
図34には、すべてのアンテナ素子に基本的に同相で給電する同相給電網、すなわち消失する位相シフト(Δφ=0)で給電する同相給電網が示されている。
大きなビーム偏向を得るために、パッチから第1の分岐までの線路長は約8mmになっている。すなわち、パッチから第1の分岐までの線路長は約λに相応する。第1の分岐と第2の分岐との間の線路長は、約10mm〜約12mmである。
同相給電網には、アンテナ素子またはビーム(放射)素子間の約35°の位相シフトが挿入される。この位相シフトは上記の線路長で、誘電率ε=3を有する誘電性キャップによってちょうど補償される(図18参照)。
こうすることにより、設計によって誘電性および/または導電性のキャップを使用しないビーム偏向は約10°になる。振幅占有状態はここでも0.5/1/1/0.5(図30参照)であり、アンテナ素子またはビーム(放射)素子相互間の間隔は5.4mmである。
導体路より下方の領域は、「前進方向」ないしは「前方向」のビーム偏向および「後退方向」ないしは「後方向」のビーム偏向のために使用される誘電性キャップの領域である。
図35には、周波数が24GHzの場合の、同相のフィードネットワークまたは給電網を有する構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性が、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対して以下の異なる構成においてプロットされている:
・誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ(設計でのビーム偏向)
・誘電率ε=3を有する誘電性キャップ(「前進方向」のビーム偏向)
・誘電率ε=3を有する誘電性キャップ(「後退方向」のビーム偏向)。
ここでは、線路長によって予め決定された約10°のビーム偏向を、第1の誘電性キャップによって精確に補償する。さらに、第1の誘電性キャップと異なって成形された第2の誘電性キャップによって、ビーム偏向は2倍以上になる。
図36には、同相のフィードネットワークまたは給電網を有する構成のエレベーション方向の指向性がデシベルで、20GHz〜28GHzの周波数領域で次の異なる構成で測定され、度で測定されたビーム偏向角度(z軸を起点とする)に対してプロットされている:
・周波数が20GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が22GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が24GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が26GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が28GHzである場合の、誘電性および/または金属性のキャップを有さないアレイ
・周波数が20GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「前進方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が22GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「前進方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が24GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「前進方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が26GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「前進方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が28GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「前進方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が20GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「後退方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が22GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「後退方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が24GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「後退方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が26GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「後退方向の旋回」にある誘電性キャップ
・周波数が28GHzである場合の、誘電率ε=3を有し領域「後退方向の旋回」にある誘電性キャップ
ここでは、誘電性および/または金属性のキャップを有さない構成でも、ビーム偏向を補償する誘電性キャップ(領域「後退方向の旋回」)でも、周波数に伴う最大ビームローブの変化が比較的小さくなっている。
「前進方向」旋回時の周波数に伴う最大値の変化もまた、比較的小さくなっているが、副次的ローブとちょうど同じように、さらに最適化できる。このような最適化にはとりわけ、
・誘電性および/または導電性のキャップの形状および配置と、
・アンテナ素子またはビーム(放射)素子の位相誤差と、
・アンテナ素子またはビーム(放射)素子相互間の間隔と
が含まれる。
まとめて考察すると、3つの異なる給電網(図24〜29に示された簡単なフィードネットワークまたは給電網;図30〜33に示されたメアンダ状のフィードネットワークまたは給電網;図34〜36に示された、差分が2値である位相差を伴う同相給電網)における前記の実施例は、本発明の枠内で提案されたプレーナ形レーダアンテナのエレベーション角度の調整のポテンシャルを示している。
ここではシミュレーション計算のために、24GHzの周波数で4つのスロット結合式パッチのうち列が使用される。これらのパッチは、最適化されたアンテナ素子またはビーム(放射)素子としてシミュレーションのために使用できるように設けられている。4つのアンテナ素子またはビーム(放射)素子に限定するのは、シミュレーションの手間を低減するためである。
この列のビームローブは確かに広幅で、旋回領域には数dBの指向性の差しか生じず、とりわけ旋回による付加的な損失ゆえに、これらの構成のための手間は有利でない場合もあるが、このシミュレーションによって、ビーム旋回の効果が明らかになっている。さらに、給電網の設計を最適化することによって、副次的ローブおよび「グレーティングローブ」をより良好に抑圧することもできるようになる。
プレーナ形アンテナを中程度の距離領域およびLRR(Long Range Radar)適用で使用する場合、約20個のアンテナ素子またはビーム(放射)素子を有する列を使用することにより、必要なアンテナゲインを達成することができる。その際にも、ビームローブは未だ数度の幅にしかならないので、垂線から約5°〜約10°ずれて取り付けることは、決して許容することができない。
簡単な直列給電は、狭帯域のLRR(Long Range Radar)に最も大きな関連性を有する。ここでは特に、「ダイエレクトリックローディング」によって実現される角度領域が限定される。補正は、
・比較的高い誘電率を有する材料を使用して行われるか、または
・たとえばコプレーナ線路等の択一的な線路タイプを使用することによって行われるか、または
・いわゆる「スローウェーブ」構造および/またはいわゆるPBG(Photonic Band Gap)構造を、とりわけキャップ状の誘電性ないしは導電性のボディで使用することによって行われる。
同相給電網(図34〜36参照)の実施例では、広帯域のシステムおよび大きな旋回領域のためのポテンシャルが示されている。しかし、このような給電網は実に面倒で、大きくなってしまう。
本発明の成果に関して立証するためには、たとえば2つの異なる自動車に起因して取り付け角度が異なっている場合の、2つのレーダセンサを開けて比較する。給電網およびアンテナが設けられたボードが同一であり、とりわけキャップ状の誘電性ないしは導電性のボディが異なっていれば、この立証は成功である。
導体路および/またはアンテナ素子ないしはビーム(放射)素子に非透過性のコーティングが設けられている場合(この場合、ボードが同一であるか否かは不明である)、このコーティングはたとえば溶媒によって除去するか、またはHF(高周波)ボードのレントゲン画像を作成することができる。
とりわけキャップ状の誘電性ないしは金属性のボディが、たとえば塗装によって見かけ上は同一になっており、かつ同一の寸法を有する場合、とりわけキャップ状の誘電性ないしは金属性のキャップの誘電率を求めることができる。こうするために、適した測定技術が存在する。
従来技術による、移相器を介してアナログビーム成形するための第1の構成の一部の概略図である。 従来技術による、ビーム成形網を介してアナログビーム成形するための第2の構成の一部の概略図である。 従来技術による、デジタルビーム成形するための構成の一部の概略図である。 従来技術による、レーダセンサの取付が斜めである場合のビームローブの偏向の側面図である。 プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、従来技術の第1の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。 プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、従来技術の第2の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。 プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、従来技術の第3の装置の断面図(上のイメージ部)および平面図(下のイメージ部)である。 従来技術による、アンテナ素子に直列給電の形態で給電するための第1の構成の概略図である。 従来技術による、アンテナ素子に同相給電の形態で給電するための第2の構成の概略図である。 従来技術による、アンテナ素子に位相振幅対称給電の形態で給電するための第3の構成の概略図である。 従来技術による、アンテナ素子に直接的または容量的に直列給電するための第1の構成の平面図である。 従来技術による、アンテナ素子に直接的または容量的に直列給電するための第2の構成の平面図である。 従来技術による、アンテナ素子に基板下面からスロット電磁結合によって直列給電するための第1の構成の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 従来技術による、アンテナ素子に基板下面から電気的なHF(高周波)貫通案内部を介して直列給電するための第2の構成の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 従来技術による、放射素子間の位相シフトによるビーム偏向のための構成の概略図である。 プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第1の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第2の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がコプレーナ線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がマイクロストリップ線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。 プレーナ線路構成がスロット線路として構成されている、本発明による装置の第3の実施例の断面図である。 本発明による装置の第4の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 本発明による装置の第5の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 本発明による装置の第6の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 本発明による装置の第7の実施例の断面図(右上のイメージ部)、側面図(左のイメージ部)および平面図(右下のイメージ部)である。 本発明による装置の第8の実施例の概略図である。 本発明による装置の第9の実施例の概略図である。 差分が2値である移相エレメントが取り付けられている装置の概略図である。 本発明による装置の第10の実施例の概略図である。 本発明による装置の第11の実施例の概略図である。 本発明による装置の第12の実施例の概略図である。 本発明による装置の第13の実施例の概略図である。 本発明による装置の第14の実施例の概略図である。 本発明による装置の第15の実施例の概略図である。 シミュレーション計算のために構成された、本発明による簡単な給電網の実施例の概略図である。 本発明による誘電性のキャップ状のボディを設ける場合の、図24の簡単な給電網を備えた構成の第1のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。 本発明による金属性のキャップ状のボディを設ける場合の、図24の簡単な給電網を備えた構成のシミュレーションモデルの、図25に対して択一的な実施例を斜視的に示した図である。 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、デシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を3次元プロットで示した図である。 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数においてデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図24の簡単な給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成、および図24の簡単な給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 本発明によるメアンダ状の給電網を有する構成の第2のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度でプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成、および図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、および図30のメアンダ状給電網が設けられ本発明による金属性のキャップ状ボディが設けられた構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 本発明による同相給電網を有する構成の第3のシミュレーションモデルの実施例を斜視的に示した図である。 図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成、図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「前方」)、および図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「後方」)のデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。 図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性および/または金属性のキャップ状ボディが設けられていない構成の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「前方」)の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性、および図34の同相給電網が設けられ本発明による誘電性のキャップ状ボディが設けられた構成(ビーム偏向:「後方」)の、異なる周波数でデシベルで測定されたエレベーション方向の指向性を、2次元グラフィックスで、度で測定されたビーム偏向角度に対してプロットした図(いわゆる、エレベーション方向のアンテナダイアグラム)である。

Claims (25)

  1. 電磁放射を放射および/または受信するための装置(100)であって、
    該電磁放射は、たとえばHF(高周波)レーダ電磁放射であり、
    単層および多層の少なくとも1つの基板(10)が設けられており、
    該少なくとも1つの基板(10)はたとえば、少なくとも1つの金属層も有しており、
    該基板(10)上に、プレーナ形に形成された少なくとも1つの線路(20)が少なくとも2つのアンテナ素子(32,34,36,38)とともに取り付けられており、
    該プレーナ形に形成された線路(20)はたとえば、ストリップ線路の形態で形成されているか、または対称的または非対称的なコプレーナ線路(20k)の形態で形成されているか、またはマイクロストリップ線路(20m)の形態で形成されているか、またはスロット線路(20s)の形態で形成されているか、またはコプレーナ2ストリップ線路の形態で形成されており、
    該少なくとも2つのアンテナ素子(32,34,36,38)は、たとえばビーム素子であり、
    該アンテナ素子(32,34,36,38)のとりわけ少なくとも部分的に直列の給電(22s)および/またはとりわけ少なくとも部分的に同相の給電(22g)および/またはとりわけ少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的な給電(22p)は、たとえば
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と向かい合う上面(10o)において、少なくとも1つの給電網を直接的または容量的に結合することによって行われるか、または
    ・それぞれ少なくとも1つのスロット(32s,34s,36s,38s)によって少なくとも1つの給電網を、該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)から電磁的に結合することによって行われるか、または
    ・少なくとも1つの電気的な貫通案内部(32d,34d,36d,38d)を介して、該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)から行われ、
    該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に、少なくとも1つのメタライゼーション層(12)が配置されている形式のものにおいて、
    異なるアンテナ素子(32,34,36,38)によって放射および/または受信される電磁放射間の位相シフト(Δφ)、ないしは電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向(E)の角度(Θ)とりわけエレベーション角度が、
    ・該線路(20)の実効誘電率(εeff)とりわけ伝播係数を変化させることによって調整され、および/または
    ・少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメント(50,52,54)を、該線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)までの間隔が変更可能であるように配置することによって調整されるように構成されており、
    前記エレメント(50,52,54)は、たとえば金属から形成されていることを特徴とする装置。
  2. 該線路(20)の実効誘電率(εeff)、ひいては該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)は、誘電性の材料(40,42,44)を該線路(20)および/または該アンテナ素子(32,34,36,38)までの間隔が変更可能であるように、
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と向かい合う上面(10o)に、たとえば該線路(20)の上方に誘電性の材料(40,42,44)と線路(20)との間に空気を伴って配置することにより、変化とりわけ増大するように構成され、および/または
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に、たとえば該線路(20)の下方に誘電性の材料(40,42,44)と線路(20)との間に空気を伴って配置することにより、変化とりわけ増大するように構成されており、
    前記誘電性の材料(40,42,44)は、たとえばキャップ状に形成されている、請求項1記載の装置。
  3. 該線路(20)の実効誘電率(εeff)、ひいては該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)は、導電性のエレメント(50,52,54)を該線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)までの間隔が変更可能であるように、
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と向かい合う上面(10o)に、たとえば該線路(20)の上方に導電性のエレメント(50,52,54)と線路(20)との間に空気を伴って配置することにより、変化とりわけ低減するように構成され、および/または
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に、たとえば該線路(20)の下方に導電性のエレメント(50,52,54)と線路(20)との間に空気を伴って配置することにより、変化とりわけ低減するように構成されており、
    前記導電性のエレメント(50,52,54)は、たとえばキャップ状に形成されており、たとえば部分的または完全にメタライゼーションされたプラスチック製キャップとして構成されている、請求項1または2記載の装置。
  4. ・前記誘電性の材料(40)は、少なくとも1つの導電性の層(50s)を有し、および/または
    ・前記導電性のエレメント(50)は、少なくとも1つの誘電性の層(40s)を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
  5. ・該装置(100)の型式表示、および/または
    ・該装置(100)を設けるための移動手段(200)とりわけ自動車の型式表示、および/または
    ・該装置(100)のエレベーション角度(Θ)、および/または
    ・該装置(100)を選択されたエレベーション角度(Θ)で設けるための、該移動手段(200)における取り付け場所
    が、前記誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)に、表示とりわけ刻印されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
  6. 該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)、および/または電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向(E)の角度(Θ)たとえばエレベーション角度は、
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)から給電網までの間隔を変化させることによって、精確に調整たとえば拡大されるように構成され、および/または
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)の誘電率(εr,2)によって、精確に調整たとえば拡大されるように構成され、および/または
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)をエレベーション角度(Θ)に依存して構造化し、たとえば周期的に構造化し、たとえば孔、溝、コラム、複数の段または蜂の巣形状によって、または「スローウェーブ」構造の形成によるPBG(Photonic Band Gap)構造等によって構造化することによって、精確に調整たとえば正確に拡大されるように構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
  7. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)は、基板(10)の材料と等しい熱膨張係数または近似する熱膨張係数を有し、
    該基板(10)は、たとえばHF(高周波)ボードとして形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
  8. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)は、たとえばHF(高周波)ボードとして形成された基板(10)と、
    ・たとえば点状の面コンタクトを介して、直接的にコンタクトされているか、または
    ・少なくとも1つのスペーサを介して、クランプおよび/またはねじ止めをオプションで使用して結合されているか、または
    ・点状または完全な接着によって結合されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
  9. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)は一体成形または複数部分に分かれて、たとえば
    ・位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)に影響する少なくとも1つの誘電性および/または導電性のエレメントを、給電網上方および/または給電網下方に配置することによって、かつ
    ・位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)に影響する少なくとも1つの別の誘電性および/または導電性のエレメントによって該装置(100)を、たとえば環境の影響から保護するように構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
  10. 前記(別の)誘電性および/または導電性のエレメントは、誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)の少なくとも1つの切欠内に挿入できるように形成され、該誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)とともに、給電網上方および/または給電網下方に取り付け可能であるように構成されている、請求項9記載の装置。
  11. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)から該線路(20)までの間隔は、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)に影響する領域(40bないしは50b)から、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)に影響しないとりわけメタライゼーションされていない領域(40nないしは50n)までの移行領域(40,42,44tないしは50t)において、
    ・漸次的に、たとえば段状に増大するか、または
    ・連続的に、たとえば線形の台形状に増大する
    ように形成されており、
    前記移行領域(40,42,44tないしは50t)は、たとえばメタライゼーションされている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
  12. 少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的な給電(22p)の場合、
    ・給電網の中央給電部の一方の側で、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)が誘電性の材料(40,42,44)によって拡大され、
    ・該給電網の中央給電部の他方の側で、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)が導電性のエレメント(50,52,54)によって縮小される
    ように構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
  13. 位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)の影響を強化するため、給電網は、該線路(20)自体と異なるタイプで形成されており、たとえばコプレーナ線路(20k)の形態で形成されるか、またはスロット線路(20s)の形態で形成されるか、またはコプレーナ2ストリップ線路の形態で形成され、
    該線路(20)は、たとえばマイクロストリップ線路(20m)の形態で形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
  14. たとえば、特に広帯域のレーダシステムまたはUWB(Ultra Wide Band)レーダシステムの場合、所定のビーム偏向(Θ)に調整するため、差分が2値である少なくとも1つの移相エレメント(60,62,64)が給電網に挿入されており、
    誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)によって、
    ・ビームローブの偏向が縮小されるように補償されるか、または
    ・ビームローブの偏向が拡大されるように増幅されるように構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
  15. 位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)の影響を強化するため、該線路(20)たとえば給電線路はメアンダ状に、
    ・該アンテナ素子(32,34,36,38)の電磁界が相互に逆平行または相互に平行に方向付けられるように案内され、および/または
    ・該アンテナ素子(32,34,36,38)間の電気長が、放射および/または受信される電磁放射の波長の半分の倍数になるように案内されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
  16. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)は、放射および/または受信される電磁放射を、該移動手段の負荷が異なってもエレベーション方向に等しい角度(Θ)に、たとえば等しいエレベーション角度に維持するため、たとえば少なくとも1つの電動機によって調整可能であるように構成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
  17. 該装置(100)の取り付け位置の通信および記憶を行うため、たとえば該装置(100)外部からアクセス可能な少なくとも1つの符号化エレメントが設けられおり、
    前記符号化エレメントは、たとえば少なくとも1つのジャンパおよび/または少なくとも1つのスイッチである、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
  18. 電磁放射を放射および/または受信する方法であって、
    該電磁放射は、たとえばHF(高周波)レーダ電磁放射であり、
    少なくとも2つのアンテナ素子(32,34,36,38)を使用し、
    該アンテナ素子(32,34,36,38)は、たとえばビーム素子であり、
    該アンテナ素子(32,34,36,38)は、プレーナ形に形成された少なくとも1つの線路(20)を介して、たとえば少なくとも部分的に直列的(22s)および/またはたとえば少なくとも部分的に同相(22g)および/またはたとえば少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的(22p)に、たとえば
    ・少なくとも1つの給電網を、単層または多層の少なくとも1つの基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と向かい合う上面(10o)において直接的または容量的に結合することによって給電するか、または
    ・それぞれ少なくとも1つのスロット(32s,34s,36s,38s)によって、少なくとも1つの給電網を、単層または多層の少なくとも1つの基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)から電磁的に結合することによって給電するか、または
    ・それぞれ少なくとも1つの電気的な貫通案内部(32d,34d,36d,38d)を介して、単層または多層の少なくとも1つの基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)から給電し、
    該線路(20)はたとえば、ストリップ線路の形態で形成されているか、または対称的または非対称的なコプレーナ線路(20k)の形態で形成されているか、またはマイクロストリップ(20m)の形態で形成されているか、またはスロット線路(20s)の形態で形成されているか、またはコプレーナ2ストリップ線路の形態で形成されており、
    該少なくとも1つの基板(10)は、たとえば少なくとも1つの金属性の層も有しており、
    該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に、少なくとも1つのメタライゼーション層(12)を設けることができる形式のものにおいて、
    異なるアンテナ素子(32,34,36,38)によって放射および/または受信される電磁放射間の位相シフト(Δφ)、ないしは電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向(E)の角度(Θ)たとえばエレベーション角度を、
    ・該線路(20)の実効誘電率(εeff)たとえば伝播係数を変化させることによって調整し、および/または
    ・少なくとも部分的に導電性の材料から形成された少なくとも1つのエレメントを、該線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)に対する間隔が変更可能であるように配置することによって調整し、
    前記エレメント(50,52,54)は、たとえば少なくとも部分的に金属から形成されていることを特徴とする方法。
  19. 該線路(20)の実効誘電率(εeff)、ひいては該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)を、
    ・誘電性の材料(40,42,44)を、該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)に向かい合う上面(10o)に、たとえば線路(20)の上方に該誘電性の材料(40,42,44)と該線路(20)との間に空気を伴って、該アンテナ素子(32,34,36,38)に対する間隔が変更可能であるように配置することによって変化たとえば拡大し、および/または
    ・誘電性の材料(40,42,44)を該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に、たとえば該線路(10)下方に該誘電性の材料(40,42,44)と該線路(20)との間に空気を伴って、該アンテナ素子(32,34,36,38)に対する間隔が変更可能であるように配置することによって変化たとえば拡大し、
    前記誘電性の材料(40,42,44)は、たとえばキャップ状に形成されている、請求項18記載の方法。
  20. 該線路(20)の実効誘電率(εeff)、ひいては該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)を、
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と向かい合う上面(10o)に導電性のエレメント(50,52,54)を、たとえば該線路(20)上方に該導電性のエレメント(50,52,54)と該線路(20)との間に空気を伴って、該線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)に対する間隔が変更可能であるように配置することによって変更たとえば縮小するか、または
    ・該基板(10)のアンテナ素子(32,34,36,38)と反対側の下面(10u)に導電性のエレメント(50,52,54)を、たとえば該線路(20)下方に該導電性のエレメント(50,52,54)と該線路(20)との間に空気を伴って、該線路(20)および/またはアンテナ素子(32,34,36,38)に対する間隔が変更可能であるように配置することによって変更たとえば縮小し、
    前記導電性のエレメント(50,52,54)は、たとえばキャップ状に形成され、たとえば部分的または完全にメタライゼーションされたプラスチック製のキャップとして形成されている、請求項18または19記載の方法。
  21. 該アンテナ素子(32,34,36,38)間の位相シフト(Δφ)および/または電磁放射の放射および/または受信のエレベーション方向(E)の角度(Θ)とりわけエレベーション角度を、
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)から給電網までの間隔を変更することによって、精確に調整、たとえば正確に拡大し、および/または
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)の誘電率(εr,2)を選択することによって、精確に調整、たとえば正確に拡大し、および/または
    ・金属コーティング(50s)されているかまたは誘電性である材料(40,42,44)を、たとえば孔、溝、コラム、複数の段、蜂の巣形状によってエレベーション角度(Θ)に依存してたとえば周期的に構造化するか、または「スローウェーブ」構造の形成によるPBG(Photonic Band Gap)構造等によってエレベーション角度(Θ)に依存してたとえば周期的に構造化することによって、精確に調整、たとえば正確に拡大する、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 少なくとも部分的に位相対称的および/または振幅対称的な給電(22p)の場合、
    ・給電網の中央給電部の一方の側で、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)を、誘電性の材料(40,42,44)によって拡大し、
    ・該給電網の中央給電部の他方の側で、位相シフト(Δφ)および/またはエレベーション角度(Θ)を、導電性のエレメント(50,52,54)によって縮小する、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
  23. たとえば、特に広帯域のレーダシステムまたはUWB(Ultra Wide Band)レーダシステムの場合、差分が2値である少なくとも1つの移相エレメント(60,62,64)を給電網に挿入することによって、所定のビーム偏向(Θ)に調整し、
    前記誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)によって、
    ・ビームローブの偏向が縮小されるように補償するか、または
    ・ビームローブの偏向が拡大されるように増幅する、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 誘電性の材料(40,42,44)および/または導電性のエレメント(50,52,54)を、たとえば少なくとも1つの電動機を介して調整し、該移動手段(200)の負荷が異なっても、放射および/または受信される電磁放射をエレベーション方向(E)に等しい角度に、たとえば等しいエレベーション角度に維持する、請求項18から23までのいずれか1項記載の方法。
  25. 移動手段(200)の周辺領域をセンシングたとえばレーダセンシングするために、少なくとも装置(100)および/または方法を使用する方法であって、
    該移動手段(200)は、たとえば自動車であり、
    少なくとも請求項1から17までのいずれか1項記載の装置(100)および/または請求項18から24までのいずれか1項記載の方法を使用する形式の方法において、
    たとえば
    ・該移動手段(200)の周辺にある少なくとも1つのオブジェクトの間隔および/または速度を、オブジェクト一義的に測定するため、または
    ・該移動手段(200)の間隔および/または速度を自動的に制御するため、または
    ・該移動手段(200)のストップアンドゴー運転のため、または
    ・該移動手段(200)の運転時に安全性を、
    ・エアバッグおよび/またはシートベルトテンショナの精度向上することによって、または
    ・エアバッグおよび/またはシートベルトテンショナのトリガ時点を最適化することによって、または
    ・たとえば別の移動手段(202)との衝突を警告または回避することによって、
    向上させるために、該装置(100)および方法を使用することを特徴とする方法。
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