JP2004515661A - 一定の充填剤含量を有する紙の製造方法 - Google Patents

一定の充填剤含量を有する紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は充填剤含有紙の製造を制御する方法に関する。充填剤と保持剤は両方とも、かかる紙製造プロセスにおいて紙製造システムに送り込まれる。紙中の充填剤の量が、充填剤濃度または白水または原料中の全濃度と同様に、測定される。充填剤は、該システムが大体予定された濃度レベル(制御値)まで充填剤で緩和されるようになる量で送り込まれ、その量は測定プロセスにより求められるものである。保持剤の連続添加は丁度良い瞬間に測定された紙中の充填剤の量に専ら基づき、存在する充填剤の測定量が所望のレベルより低いとき、保持剤の添加量が増される一方、存在する充填剤の測定された量が所望のレベルより高いとき、保持剤の添加量は減らされるようになし、充填剤の連続添加は、少なくとも長期間で見て、白水または原料中の測定された充填剤の濃度レベルに専ら基づき、測定されたレベルが制御値より低いとき、充填剤の添加は増されるが、測定されたレベルが制御値より高いとき、添加される充填剤量は減らされる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一定の充填剤含量を有する紙を製造する方法に関するものである。
【0002】
本発明は一定の充填剤と保持剤を含む任意の型式の紙の製造に適用可能である。充填剤含量は非常に低いレベルから高いレベルまで、例えば紙の全重量の1または数パーセントから 30 %までの範囲にわたることができる。重量に関して、保持剤含量は充填剤含量よりずっと低い。通常はその数分の1に過ぎず、一般的には充填剤含量に関して所定の関係をもつ。
【0003】
紙は主として、パルプ繊維からなる。パルプは機械的に、化学機械的に及び化学的に製造することができる。軟木材、硬木材を含むリグノセルロース材料はパルプの製造の出発材料として使用される。典型的パルプファーニッシュ(furnish)は種々のパルプ繊維の混合物からなる。パルプは漂白されない、半漂白される、そして完全漂白されることができる。この後者のパルプは普及しているパルプである。リサイクルされた繊維は完全にかまたは部分的に紙中のベース(base)を構成することができる。パルプは、時には、合成繊維の混合物を含むことができる。紙は1つ以上の紙化学薬品(paper chemicals)の形をなす他の成分を含むことができる。普通のかかる添加剤はデンプン、疎水化剤、ニアンシングカラー(nyancing colours)及び蛍光増白剤である。或る紙は後処理を施される。後処理の例は表面サイジング(sizing)、被覆及びカレンダー掛けである。
【0004】
充填剤を含むことができる型式の例は微細紙である。即ち被覆されない及び被覆された筆記用紙と印刷紙、安全紙、ライナー、ラベル紙、定式紙、及び包み紙である。また新聞紙及び雑誌の如き印刷紙を含む木材(wood)は充填剤(filler)を含むことができる。
【0005】
【従来の技術】
充填剤を有する紙を提供する主な理由は紙の或る性質を改善するためである。この手法での1つの重要な性質は紙の不透明度、即ち不透明性である。或る充填剤は紙の明るさ及び/又は白さを改善する。かかる充填剤の1例は PCC 沈殿炭酸カルシウム)、即ち沈殿炭酸カルシウムである。また充填剤は、紙の表面平滑度を改善し、改善された印刷性をもたらす。更に、大多数の充填剤はパルプ繊維より単位重量当たりの価格がかなり安い。これは、完全漂白した化学パルプに関して特にその通りである。かくして、充填剤混合物は紙製造のコストを減らす。充填剤の使用に危険性があることには注意する価値があり、そして特に大量に使用する場合紙の強度は充填剤を含んでいない紙と比較して大なり小なり損なわれる。
【0006】
充填剤を含む紙の製造は濃厚パルプ懸濁液の製造で始まる。この懸濁液は色々な手法で造ることができる。梱型式(bale form)の乾燥パルプをベースとした紙製造の場合、例えば濃厚パルプ懸濁液を得るために、パルプは水中で、通常は、長循環(long circulation)から取られた白水中で水洗いされる。隣接したパルプ工場から該紙工場に導管を通して送り込まれる懸濁液形式のパルプをベースとした紙製造の場合、懸濁液は通常は、凝集性のパルプケーキを得るために、最初に、例えば約 2 %乃至約 15 %のコンシステンシー(consistency)から脱水される。パルプ繊維を含まない結果として出来た水は、紙構造に新鮮なパルプ繊維を送るための輸送手段として、更新使用用の導管を通してパルプ工場に送り戻される。紙工場で得られたパルプケーキは、濃厚パルプ懸濁液を得るために、破断されそして長循環からきた白水と混合される。
【0007】
濃厚パルプ懸濁液の形をなすパルプ繊維は通常は、該システム中で引き続き前進する前に、打砕(beating)プロセスを施される。もしパルプ供給物(furnish)が例えば、2つの異なったパルプを含むとき、これらのパルプは通常は、2つのパルプ懸濁液を一緒に混合する前に、各々別々に打砕される。
【0008】
比較的大量の損紙(paper broke)が下記の製紙プロセスで得られる。なぜ損紙が得られるかという幾つかの理由がある。不変の主な理由は前進する紙ウエブの外縁が日常業務として、切除されるからである。スクラップ発生はもう1つの理由である、即ち造られる紙はその紙に課された品質要件を定期的に満たさないからである。第3の理由は、前進している紙ウエブは或る理由または他の理由から,破断することがあるからである。かかる損紙は通常は、パルプ製造機中の白水内で水洗いされた後、製紙チエーン(chain)に戻される。パルプ損紙の形をなすこの出発材料は充填剤を含み、結果として出来る濃厚パルプ懸濁液もまた充填剤を含む。関連する損紙の量は 40 %の高さに、かつそれより高くさえなることができる。このことは、それ自体問題である。しかし、これに関連して更に困難な問題は、損紙の量が時間と共に変化することである。これは、入来する濃厚パルプ懸濁液の充填剤含量もまた時間と共に変化することを意味する。
【0009】
濃厚パルプ懸濁液は、短循環(short circulation)へ及びヘッドボックスへ行く途中で、バッチ様式で白水でもって希釈される。1つ以上の紙化学薬品(papar chemicals)が、かかる懸濁液希釈の場合、 濃厚パルプ懸濁液に送り込まれることができる。白水によるパルプ懸濁液のかなりの希釈は、低い固体物質含量をもつ原料を得るために、短循環の始めにおいて例えばワイヤピットで、行われる。新鮮な充填剤は幾つかの位置でパルプ懸濁液に、例えば濃厚パルプ懸濁液にまたはワイヤピットの直ぐ下流側の原料に送り込まれることができる。保持剤は上記の位置でパルプ懸濁液に送り込まれることができ、そしてまた、後で、短循環中に、即ちヘッドボックスの近くに、送り込まれることができる。
【0010】
パルプ懸濁液中の液相の主部分は不断に循環する白水からなる。しかし、永続的または一時的な白水の不足は新鮮水で埋め合わせることができる。
【0011】
大部分の充填剤は、パルプ繊維(例えば 3000μmの長さと、例えば 30μmの幅をもつ)の寸法または表面積に関して、極めて小さい表面積(例えば 10μmより小さい直径)をもつ粒子形状をなしている。充填剤が紙ウエブ中にそれ自身で留まるか、またはウエブによって自発的に取り上げられるチャンスは比較的小さい。ワイヤクロス(wire cloth)上で紙を形成するとき、特にすべてのパルプ繊維は該クロス上に留められ、そしてその上にベッド(bed)またはネットワーク(network)を形成するだろう。ネットワーク中の孔の数は、多くのファクターによって、特に製紙機械中で精密に適用される紙製造プロセスの型式によって決定され、及び単位面積当たりの重量または製造される紙の坪量(grammage)によっても決定される。紙坪量の増加とパルプ繊維ベッドの厚さの増加間には直接的関連があり、パルプ繊維ベッド厚さの増加は取り上げられる充填剤の量の増加をもたらすのが自然である。しかし充填剤の自発的吸収または保持は紙中に所望の充填剤含量を提供するのに不十分である。それ故、パルプ繊維ベッド中に、それによって湿潤紙ウエブ中に、それがワイヤを出るにつれてそして例えば製紙機械のプレスセクションに送り込まれるにつれて、充填剤を合体させるの助ける1つ以上の物質または化学薬品(chemicals)を添加する必要がある。湿潤紙ウエブはそれと関連した無端フェルトに運ばれる。この物質または化学薬品は保持剤と称される。保持剤の使用は比較的多い充填剤が紙ウエブ中に残りそして紙ウエブに付随していきそして比較的少ない充填剤がパルプ繊維を通してそしてワイヤベッドを通して滑り落ちて、排水または白水と一緒にワイヤトレイ内に入るという結果をもたらす。保持剤を使用し、そしてその使用が大量であるにもかかわらず、ヘッドボックス内に供給されそしてその後ワイヤクロス上に広げられる原料中にあるほんの小部分の充填剤は紙ウエブ中に留められるが、充填剤の大部分はそれが紙ウエブと下にあるワイヤクロスを通過するにつれて、排水に付随していくだろう。これは全システム中の(更に主として、短循環と長循環の両方中を循環する大量の白水中の)充填剤の合計量に関して見たとき、白水中の充填剤の量はまだ、比較的高くそして非常に多いということを意味する。
【0012】
上記状況を基礎とすれば、最終製品、即ち仕上がった紙が、例えば所定のパーセンテージ値で表した、所望の充填剤含量または充填剤コンシステンシー(consistency)を絶えずかつ持続的に含むような手法で、充填剤含有紙の製造を制御するのは困難であることは容易に分かるだろう。紙のバイヤーまたはユーザーは紙の品質が常に同じであることに興味をもつ。そしてこれに関して、紙の充填剤含量が常に意図した含量であることそしてこの充填剤含量が絶えずバッチからバッチへと得られることが重要である。
【0013】
上記した点を考慮して紙の製造を制御できるようになすために、或る型式の測定装置の助けをかりて実施される測定作業が長らく使用されてきた。これらの測定作業の1つは、前進する紙ウエブの充填剤含量を、非破壊測定プロセスによって、通常は製紙機械の終端で決定することを含む。上記充填剤含量は時には灰分 (ash content)と称される。もう1つの測定作業は循環中かまたはそれとの直接連結部中の何れかの中の白水の充填剤濃度を決定すること含む。代案として、充填剤濃度は白水中に既に存在している少量のパルプ繊維と一緒に決定される(全濃度)。2つの測定プロセスは通常は、断続的に、例えば、夫々の測定行為の間にほんの数秒から例えば 30 秒 までの範囲の間隔をおいて行われる。
【0014】
慣例の制御技術では、保持剤の添加と充填剤濃度の添加の両者は添加をなすうちに変化する。添加される保持剤の量は、白水中で測定された充填剤の量に精密に基づいており、そして添加される充填剤の量は紙ウエブ中の充填剤の測定された含量に基づいている。この制御原理は仕上がった紙の充填剤含量に比較的大きい変動をもたらすことが分かった。容認された紙の充填剤含量は狭い範囲内で変化することが許されるに過ぎないので、くずとして捨てられなければならない紙は過剰になり過ぎる。更に、この制御原理の結果として、紙中の1充填剤含量からもう1つの充填剤含量への切り換えは、例えば 15 乃至 19 %への、またはその反対への切り換えは、時間的に不必要に長くなり、更に、多くの紙を不必要にくずとして捨てることを必要とする。入来する濃厚パルプ懸濁液中の充填剤の量を変えることによって起こる前述の問題は、上記の制御原理によって完全には克服されない。新たに測定された過度に低い仕上がった紙中の充填剤の量を、例えば濃厚パルプ懸濁液にまたは原料に、多量の充填剤を添加して、補正する試みは、或る程度失敗するよう運命づけられている。というのは、該システム中の液体、主に白水の全量は全体として、非常に大きく、循環する充填剤の量もまた大きいことを意味し、また該システムに添加された充填剤の量の瞬間的増加は、循環する液体システム中の充填剤濃度の増加に関して急速に有効となるのは不可能であることを意味するからである。これはまた、より多くの充填剤量が紙ウエブ内に留まりそして紙ウエブによって保持される結果をもたらすだろう。かかるシステムはこれらの理由から極めて制御が遅い。
【0015】
フィンランド国特許出願第97 4327号及びそれに対応する国際(PCT)特許出願第WO99/27182号は特に、既知の技術に関して、製紙機械の短循環中の紙特性のより速いそしてより有効な制御の形の利点を提供するよう主張する方法を記載している。紙特性によって意味されるのは主として紙の充填剤含量である。これに関連する方法は不完全に説明されたプロセスで補われた上述の既知の技術に基づいていることは明らかであり、充填剤の連続添加と保持剤の連続添加の両者は両方とも、白水中の測定された充填剤濃度と、紙の測定された充填剤含量または灰分含量(これは使用される用語である)とに基づいている。
【0016】
【発明の開示】
技術的問題
上述の如く、充填剤含有紙の製造で充填剤含量を制御するために従来使用された技術は得られる充填剤含量に過度に高い変動を結果としてもたらす。かかる技術の適用もまた、紙中の1充填剤含量からもう1つの充填剤含量に変えるとき、過度に長い切り換え時間を結果としてもたらす。両方のこれらの欠陥は、仕上がった紙の過大な量をくずとして捨てる結果をもたらす。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの問題の解決策を提供し、かつ一定の充填剤含量を有する紙を製造する方法に関するものであり、該方法は、
a) 水、パルプ繊維、水洗いされた損紙から生じる通常の充填剤、及び通常の種々の紙化学薬品を含む濃厚パルプ懸濁液を製紙機械のヘッドボックスに向かう方向に通し、
b) 原料を形成するよう、ヘッドボックスへ行く途中で、水を通常は白水を濃厚パルプ懸濁液に添加し、
c) 少なくとも1つの充填剤を、濃厚パルプ懸濁液及び/又は原料及び/又は上記添加水に添加し、
d) 少なくとも1つの保持剤を、濃厚パルプ懸濁液及び/又は原料及び/又は上記添加水に添加し、
e) 例えば湿潤紙ウエブを形成するように、ヘッドボックスを経て、湿潤装置、通常はワイヤセクション上に最終調製された原料を広げ、そして白水と称されるウエブから排水された水を湿潤装置の下に収集し、そして短循環と長循環と夫々称される2つの液体ベースの材料の流れに通常は分けられかつその中に含まれる新鮮な濃厚パルプ懸濁液に上記水を供給するために、上記白水を紙製造プロセスに戻し、
f) 湿潤紙ウエブが湿潤装置を出て行くようになし、その後典型的には少なくとも1つの段階で上記ウエブをプレスしかつ乾燥し、かつ任意に引き続き上記ウエブを処理し、及び/又は上記ウエブをロール上に収集し、またはウエブをシートに変え、そして
g) 紙の充填剤含量を或る位置で測定し、
h) 白水中のまたは原料中の、充填剤の濃度、または充填剤プラスパルプ繊維の濃度(全濃度)を、好適には、短循環中の或る位置でまたはそれとの直接の連結部で測定すること、
を含んでなる方法において、
該システムを通常予定された濃度レベル(制御値)まで充填剤で緩衝するような量の充填剤を添加し、上記レベルは測定プロセス(h)により査定され、
充填剤の連続添加を、白水または原料中の充填剤の測定された充填剤濃度のレベルに専ら基づかせ、そして測定されたレベルが制御レベルより低いとき、添加される充填剤の量を増加し、そして少なくとも長期間のうちで見たとき上記測定されたレベルが制御レベルより高いとき、添加される充填剤の量を減らし、白水システムまたは緩衝システムが、紙ウエブが充填剤の意図した量を取り上げることを保証するのに十分な充填剤を常に利用可能となすようになし、そして丁度良い瞬間に、保持剤の連続添加を紙中で測定された充填剤の量(g)に専ら基づかせ、そして紙中の充填剤の測定された量が一定に保たれるべきレベルより低いとき、添加される保持剤の量を増し、そしてレベルが一定に保たれるべきレベルより高いとき、添加される保持剤の量を減らし、それによって紙の充填剤含量を一定に保たれるべきレベルに戻す迅速な補正を結果としてもたらすことを含むことを特徴とする。
【0018】
充填剤に関しては、任意の既知の充填剤が使用できる。1つ以上の充填剤を使用することも全く可能である。単数または複数の充填剤は1つ以上の位置で供給できる。1つの充填剤を使用するのが普通であり、充填剤の全量が短循環の最初の位置で原料に供給される。充填剤添加物が2つ以上の量に、例えば一方が濃厚パルプ懸濁液にそして他方が原料に送り込まれる2つの部分量に分けられるのを防止するのは容易である。2つの部分量の添加物が添加中に変化させられるかどうか、または一方の添加物が固定されるかまたは一定であるかどうかそして他方の添加物が添加過程中に変化させられるかどうかは任意である。充填剤の例は、カオリン粘土、炭酸カルシウム(石灰石、大理石及びチョークの如き自然に生じる物質、またはPCC の形をなす新しく製造された物質の何れかの形をなすもの)、二酸化チタン、及び滑石である。
【0019】
単位時間当たりに該システムに装入される充填剤の量は幾つかのファクターに依存し、そして充填剤が充填剤含有紙の製造の始動段階で添加されるときと充填剤が安定段階で添加されるときの間に区別がなされなければならない。もし高い充填剤含量、例えば 20 %を含む紙が安定段階で造られるならば、充填剤のより多い量が液体システムまたは白水から絶えず取り入れられ、この充填剤は湿潤紙ウエブに入りそしてそれに付随する。そして少なくとも長期間内に、充填剤用の液体システムにそこから取った充填剤を補償する必要があるので、上記単数または複数の位置で多量の充填剤を添加する必要がある。損紙が出発材料としての一部として使用されるとき(新たに供給されるパルプ繊維に加えて)、それが正規の場合であるが、入来する濃厚パルプ懸濁液は既に比較的多量の充填剤を含んでいるだろう。存在する充填剤の量は出発材料の全量中の損紙の量及びまた関連する損紙中に存在する充填剤の量、例えば 10 対 20 %と共に変化するだろう。丁度良いときに所定の個所で添加される充填剤の量は今述べたばかりの事情に一部依存するかも知れず、またしばしば依存するものである。本発明を機能させるための各添加の場合に、所定量の充填剤の添加のための絶対的要件はない。その理由は、該システム中に充填剤緩衝剤が存在するからであり、そして唯一の絶対的必要性は、緩衝剤システムが紙ウエブ中に取り上げられルべき緩衝剤の意図した量のために利用できる十分な充填剤をもつことである。このことは本文中で引き続き説明する。
【0020】
充填剤は最初に液体例えば白水中で充填剤をスラリー化することによって添加され、次いで、或る調整器の助けをかりてまたは上記制御原理に従って作動する幾つかの調整器の助けをかりて、液体をその充填剤含量と共に、前進しているパルプ繊維懸濁液にまたは水中に上記可能な位置で送り込む。単数または複数の調整器はコンピュータプログラムに中に備えられることができ、または機械的に構成されることができ、または電子部品からなることができる。
【0021】
保持剤に関しては、既知のどんな保持剤でも使用することができる。使用を1つ以上の位置で該システムに送り込まれる単一の保持剤に制限することは全く可能である。2つ以上の保持剤例えば2つの保持剤の使用は有利である。これらの保持剤は1つの同じ位置で添加される。各保持剤が夫々の位置で該システムに添加されないようにするのは容易である。両添加物は添加をなす過程で変えることができ、同様に、一方の添加量は一定に保つことができるが、他方の添加量は必要に応じて毎時変えられる。充填剤含量が該システムに添加される位置から明らかに、短循環内の比較的ずっと前方で、即ち比較的ヘッドボックスの近くで、必要な保持剤の一部を添加するのは有利である。保持剤の例は、無機質保持剤と合成水溶性の有機ポリマーである。
【0022】
無機質保持剤の例は、アラン(alun)、ベントナイト粘土、及びシリカゾル、及び種々の珪酸塩である。合成水溶性有機ポリマーの例は、ポリアクリルアミド、ポリエチレンアミン、及びポリアミンである。ポリマーはカチオン、アニオン、及び非イオンポリマーとすることができる。幾つかの異なった型式で入手し得る上記紙化学デンプン(paper chemical starch)は時には保持剤グループ内に含まれる。該システム中におけるデンプンの存在は充填剤の保持に影響を与えるということは、少なくとも支持されることができる。
【0023】
単位時間当たりに該システムへ装入される保持剤の量はもまた、幾つかのファクターに依存する。概して言えば、高充填剤含量を有する紙を製造するときには、低充填剤含量の紙を製造するときより多い保持剤が消費される。その1つの理由は、充填剤含有紙を製造するときには、保持剤の存在によって直接影響されない自発的保持が生じる。これに関して、自発的保持は該システム中の充填剤の存在に、例えば白水中の充填剤の濃度に奴隷的には従わないと云うことができる。普通はこの濃度は白水中の充填剤の濃度の増大に伴って増すものである。上述の如く、この自発的保持は、造られる紙の単位面積当たりの紙坪量(grammage)または重量によって、かつそれとともにパルプ繊維ベッドの、または紙ウエブ中のベースを形成するパルプ繊維ネットワークの厚さによって影響される。自発的保持はまた、使用される製紙機械の型式によっても影響される。紙中に存在しかつかつ自発的保持をによって含まれなかった充填剤の量は、該システムに供給された保持剤に起因してかつその助けをかりて、存在する。充填剤の場合から明らかに、該システムは、この物質が添加されるとき、保持剤で緩衝されないが、保持剤の添加の増大は、上記紙または紙ウエブ中に合体されかつその中に留まる充填剤の量の増大を、殆ど瞬間的に結果としてもたらす。これは、本文中で引き続き例示される如く、なぜ(way)実質上一定の充填剤含量を有する充填剤含有紙を持続的に造ることが可能であるのかの理由であり、またはなぜ実質上一定の充填剤含量を有する充填剤含有紙を持続的に造ることが可能であるのかの、寄与ファクターである。もし単位時間あたりに装入される充填剤の量に関して単位時間あたりに該システムに装入される保持剤の量を設定することが選択されるならば任意の直接関係はなく、また均等に変わる任意の関係もまだないことが分かるだろう。しかし、保持剤の重量による添加は、該システムへの充填剤の添加の10 分の数%乃至約5% までの範囲内にあると概括的に云うことができる。上記関係は主として紙の充填剤含量と紙の型式に依存する。
【0024】
保持剤添加は最初に、保持剤を液体例えば白水中でスラリー化し及び/又は溶解し、そして上記液体をその保持剤含量と共に前進しているパルプ繊維懸濁液にまたは水に上記可能な位置で、調整器の助けをかりてまたは上記制御原理に従って作動する幾つかの調整器の助けをかりて、送り込むことによって行われる。単数または複数の調整器はコンピュータプログラム内に備えられ、または機械的に構成され、または電子部品からなることができる。
【0025】
紙の充填剤含量を測定する装置は、紙ウエブがワイヤセクション中で形成される場所から仕上がった紙が製紙機械の端でローラまたはボビン上に巻かれる場所までにおいて、紙ウエブに隣接した任意の場所に置くことができる。前進している紙ウエブに隣接した固定位置に据え付けられる装置と、上記ウエブを横切っていく装置がある。測定装置は紙ウエブの乾燥が完了し、かくしてウエブが 90 %を超える乾燥固体をもつ位置に非常に便利に置かれることができる。
【0026】
任意型式の既知の測定装置を使用することができる。以下で、充填剤含有紙の製造に典型的に使用される測定装置の1型式が説明される。
【0027】
該装置は2つの部分、例えば紙ウエブの下に置かれた送信器と、例えば上記ウエブの上に置かれた受信器とからなる。 送信器部分によって放出された X 線は紙ウエブを通過して、受信器部分に行き、そこで上記 X 線は所定電圧の電流に変換される。紙ウエブを通過した若干のX 線は充填剤粒子に衝突し、それによって吸収され、送信器によって放出されたX 線の数と異なる受信器によって受信されたX 線の数を結果として生じる。充填剤粒子が紙ウエブ中に存在すればするう程、X 線はますます吸収され、受信器を出てより弱い電圧として測定される電流はますます弱くなる。測定される電圧差は紙中の充填剤の量の差に関連し、例えば紙坪量のパーセンテージとして与えられる。上記原理に従って作動する測定装置の例は Honeywell 2237−xx x−ray Ash Sensorと、ABB Accuray,Smart2−Componentと、3−Component Ash Sensors である。
【0028】
送信器部分と受信器部分を含む上記測定装置は固定して、即ち測定が前進している紙ウエブの唯一の場所で行われるように、据え付けることができる。代案として、送信器と受信器の両方は、前進している紙を横切ってお互いに同期的に移動し、それによってウエブの全幅を横切って測定するように、シャットル(shuttle)上に据え付けることができる。
【0029】
白水または原料の充填剤含量はまた、任意の既知の測定装置によって測定することができる。充填剤含有紙の製造に典型的に使用される測定装置の1型式は以下に説明される。
【0030】
測定装置は特に、透明な測定セル(cell)を含む。所定の容量例えば白水が単位時間当たりにセルを通して流される。有極レーザー光、即ち1つの同じ平面内の1つの同じ波長の光が、白水流を通して送られ、その白水流は多量の充填剤粒子と少量のパルプ繊維、またはどちらかといえば繊維断片を含む。光線の一部は充填剤粒子と繊維断片に衝突しそしてはね返って、或る一定の角度をなした経路を通って側方へ行く。これらの経路は光線が衝突する材料の型式に依存する。光放射場所の直後で測定セルの前に置かれているのは、感光性検知器である。この検知器は色々な角度ではね返る光を捉える。決定されるのは光の後方散乱と、異なった角度での消滅である。例えば白水中の充填剤濃度はこの手法で測定することができる。
【0031】
例えば白水中の固体材料の全濃度を測定作業によって決定することも可能である。これは装入されていない白水を通過することができる有極レーザー光の量を測定し、かつこの光の量を、放射された有極レーザー光の量と比較することによって行うことができる。白水中の固体物質の量が多ければ多い程、乱されかつ減極される送信される有極レーザー光は多くなる。
【0032】
KAJAANIRM−200, KAJAANIRM 及び BTGREG−5300 は上記原理に従って機能する測定装置の1例である。
本発明は、或る出発材料が常に充填剤含有損紙からなる紙製造プロセスへの適用が最適であることが分かったが、本発明はまた、その出発材料が損紙を含まない充填剤含有紙の製造に、或る一定の利点をもって適用することができる。
【0033】
利点
本発明方法によって提供される重大な1利点は、それが紙の所望の充填剤含量からの逸れが驚く程小さいという結果を生じることである。その結果、充填剤含量の誤りに因りくずとして捨てられなければならない紙の量は極めて少ない。
【0034】
製造された紙の充填剤含量のこれらの低い逸れはまた、高いまたは非常に高い充填剤含量をもつ紙を造りたいときに、制御値を従来の値より高い値に設定することを可能にする。前述の如く、高い充填剤含量は充填剤を含まない紙に関して紙の強度を減少させるという結果としてもたらす。主として興味があるのは仕上がった変えられた紙の強度ではなく、製紙機械中を前進している紙ウエブの強度である。過度に低いウエブ強度はウエブに繰り返し破れを生じることがり、このことは次いで、損紙の高い容量と優良紙の低い生産を結果としてもたらす。現在の制御技術を適用するとき、充填剤含量は、所望の平均値の周りでかなりはっきりと両方向に揺動する。前進している紙が典型的な現在の極めて高い機械速度で破れることがあるような臨界的充填剤含量からほんの1つまたはそれ以上のパーセンテージポイント離れている紙充填剤含量を望むときには、すべての事にもかかわらず(despite evering、慣例の制御技術を実施するとき、所望の充填剤含量に制御値をおくことが選ばれる。このことは、製造される紙の出来るだけ多くが容認された広い範囲の外にない充填剤含量をもつことを保証するために、なされる。これに関して、充填剤含量の下方への広がりが充填剤含量の上方への広がりより大きいく逸れることは許されないことは認められるべきである。本発明によって製造された紙の充填剤含量の小さい逸れは、充填剤含量制御値が容認された広がり範囲の上半分に置かれることを許すという結果をもたらす。上記含量が概してほんの1パーセンテージポイントだけ増すように充填剤含量を持続的に制御する能力は紙製造コストに関して直接的効果をもつ。
【0035】
同様の利点はまた、強度の面から危険でない紙中の低い充填剤含量で得られる。即ち、制御値もまたそのとき、容認された範囲内の上半分内に置かれ、これは持続的に、紙の僅かに高い充填剤含量を結果としてもたらし、それによって紙製造コストを低下させる。
【0036】
また、本発明の制御方法は慣例の制御技術よりずっと高い直接的効果をもち、製造される紙中で1充填剤含量からもう1つの充填剤含量に切り換える際の遷移時間が短くなることが分かった。
【0037】
白水中の充填剤濃度に望まれかつ本発明の好適実施例に従って達成された低い変動は、円滑な紙製造系列を提供し、また紙製造プロセスの故障をより少なくするという結果をもたらす。
【0038】
最良の実施例
以下、本発明を図1のフローチャートを参照して、かつ最後に具体例を参照して部分的に詳細に説明する。
【0039】
図1は本発明方法の1実施例の概略図である。
濃厚なパルプが導管1を通して短循環2内に供給される。濃厚なパルプ懸濁液はパルプ繊維(1型式のパルプまたは数型式の例えば2型式のパルプが含まれていようがいまいが、いずれにしろ、パルプ繊維の型式は製造すべき紙の型式に依存する)、水(主として白水)、充填剤(filler)(損紙スラリーから生起する)及び1つ以上の紙化学薬品(paper chamicals)を含む。導管1を通して短循環2内に供給された濃厚パルプ懸濁液は 2乃至4%のパルプ濃度をもつことができる。
【0040】
濃厚パルプ懸濁液は導管3内に導入され、この導管は脱気タンク4から生起する白水を含んでいる。上記濃厚パルプ懸濁液はそれで希釈されて、ワイヤピット(wire pit)5内に供給される。パルプ懸濁液はワイヤピット内の白水で更に希釈され、上記水はワイヤトレイ6から導管7を通してワイヤピット5に進むものである。その結果、原料が出来る。導管1を通して送り込まれた濃厚パルプ懸濁液は時には、当業界に熟練した或る一定の人によって、原料と称される。かかる言葉の使用は悪くはないが、我々は、簡単なかつより容易に理解される手法で本発明方法を説明できるようになすために、本文において、濃厚パルプ懸濁液と原料の間を区別するためにかかる言葉を選択している。
【0041】
新鮮な充填剤がワイヤピット5の出口へ水性分散体の形で原料に供給される。添加された充填剤の量は仕上がった紙の所望の充填剤含量によって主として決まる。充填剤の添加が詳細に調整される方法は本テキスト内で引き続き説明する。色々な型式の充填剤は上文で例示されており、かつ個々の場合に選択される充填剤は数個のファクターに依存するものである。
【0042】
原料はポンプ9によって導管10を通して更に進められる。充填剤はポンプ9の近くへ送り込まれるので、充填剤は原料と有効に混合されて、原料内に分配される。枝管11と12は原料を渦巻浄化器またはハイドロサイクロンの夫々のバッテリ13、14に進める。容認(accept)パルプ が枝導管15、16を通してかつ導管17を通して上記脱気タンク4に進められる。拒絶物は回収され、導管21を通してここでは説明しない別途の取り扱い設備へ進められる。原料は多数のディッパー(dipper)導管を通してタンク4に送り込まれる。その名前が示す如く、原料は上記タンク4中で脱気され、そしてこの原料は更に該システムに沿って実質上空気無しの状態でかつ或る一定量の白水(この白水については前述した)を含んで、そのタンクから進められる。原料の発泡を制限する意図で、発泡抑制化学薬品が位置4の上流側で原料に送り込まれることができる。
【0043】
原料は供給ポンプ18によって導管19、20を経てふるい分け作業部へ供給される。第1の保持剤が、導管22を通して、ポンプ18の直ぐ上流側で導管19中の原料に送り込まれる。保持剤は白水中でスラリー化されることができるか、または白水中に溶解されることができる。各枝導管23、24は原料を夫々のスクリーン25、26に供給する。容認パルプは枝導管27を通してかつ導管29を通してヘッドボックス(head box)30に供給される。ふるい分け作業部で得られた拒絶物は回収されそして導管31を通してここでは説明しない別途の取り扱い設備へ進められる。第2の保持剤は導管32を通して、ヘッドボックス30の直ぐ上流側で導管29中の原料に送り込まれる。この保持剤は白水中でスラリー化されるか、または溶解されることができる。この結果、実質上最終のまたは仕上がった原料となる。
【0044】
原料はヘッドボックス30の助けをかりて、ワイヤセクション33中のワイヤ上に分配される。実質上パルプ繊維からなる原料の固体物質濃度は上記位置で 0.5 乃至 1.5 %の範囲にわたる。ワイヤ上での紙ウエブの形成と同時に、液体または水の大量が重力でかつ吸引ボックスの助けをかりての両方によって排出される。この液体または白水と称される上記水はワイヤトレイ6内に集められる。導管7を通してワイヤトレイ6からワイヤピット5に取り入れらた白水の一部は導管34を通して引き出され、そしてヘッドボックス30内で原料を最終希釈するためにヘッドボックス30へ、そしてその特定部分内に戻される。
【0045】
結果としてできた凝集性の紙ウエブ35はプレスセクション36へ進められそしてその後、前乾燥器37に、次いで後乾燥器38に進められる。その後、それは最終的に、巻き取りドラム(タムブールtambour)39上に巻き取られる。
【0046】
例えば紙重量のパーセンテージで示した仕上がった紙中の充填剤含量は測定装置40によって断続的に決定される。上記測定装置は早期に記載したものに従って横移動型のものとすることができる。測定信号、即ち測定された充填剤含量は充填剤含量調整器41に送られる、上記調整器は導管22を経て供給される保持剤の流量を制御する流量調整器42に信号を送る。更に詳細には、導管22中にある弁は、保持剤のより高い流量を望むときより広く開くように、そして保持剤の流量の減少を望むときは保持剤の通過を減らすために、それ相応に閉じるように、既知の手法で制御される。また、流量調整システムは流量メータを含み、それによって、所望量の保持剤が導管22を通して実際に流れることを保証することができる。製紙機械の生産量の変化中における充填剤含量の動乱を最少限にするために、保持剤の計量は、それが生産量の変化に自動的に追随するようフィードフォワード(feed−forward)信号を与えられることができる。生産量の増加は該システムに計量供給される保持剤の量の増加を要求する。フィードフォワード設備は、生産量の所定のパーセンテージ変化が該システムに計量供給される保持剤の同じパーセンテージ変化をもたらすように、設計される。このことは、紙の測定された充填剤含量に関する上記制御に加えて起こる。
【0047】
充填剤濃度及び/又は白水中の全濃度を断続的に測定するための装置43が導管34に連結されており、その導管を通して白水が流れるようになっている。典型的な測定装置は透明な測定セル(cell)を含み、そのセルを通して非常に小さい容量の白水が流されるようになっている。測定を行う手法は早期により詳細に記載している。例えば白水のリットル当たりグラム数で測定された充填剤濃度を表す信号は充填剤濃度調整器44に測定装置43から送られる。信号は流量調整器45に調整器44から送られ、この調整器は導管8を経て該システムに送り込まれるべき充填剤の流量を制御する。この調整器45は調整器42と同様な手法で作動し、またこの場合流量メータを含む。
【0048】
製紙機械の生産の変化中に白水の充填剤濃度の動乱を最少限にするために、充填剤流量はそれが充填剤要求の変化に自動的に従うようフィードフォワード信号を与えられることができる。増大する生産または紙中の充填剤に関する制御値の増大は、長期の運転中、該システムに計量供給される充填剤の量を増加する必要性を与える。紙の充填剤含量の制御値により製紙機械の生産を増すことによって、計算された充填剤消費値が得られる。フィードフォワードカップリングは、計算された充填剤消費の所定のパーセンテージ変化が白水中の充填剤の測定された濃度に関する上記の調節を与えるように、設計される。
【0049】
本発明の上記実施例の場合、充填剤は1つ(位置8で)供給されるが、保持剤は2つ(位置22と32で)供給される。位置32で供給される保持剤に関して、この保持剤は例えば、ベントナイト粘土からなることができるが、供給される保持剤の量は一定値をもつよう選択されている。即ち、保持剤の1つのかつ同じ流量が原料の1つのかつ同じ流量に供給される。保持剤のこの一定の装入の大きさは幾つかのファクターに依存し、例えば、仕上がった紙中の充填剤の所望量及び単位時間当たりに該システムに装入した充填剤の量に依存する。保持剤としてベントナイト粘土を使用するときには、上記保持剤ができるだけヘッドボックスの近くで該システムに添加されるとき、最適の効果が得られることが分かった。
【0050】
位置22における保持剤に関しては、この保持剤は例えば、合成、水溶性有機ポリマーからなることができるものであるが、装入される保持剤の量は要求に従って変化する。かかる保持剤で良好な効果を得るために、該保持剤は図1に示す如く、供給ポンプ18の直ぐ上流側で該システムに装入されるべきであることが分かった。保持剤を流れ方向において短循環内により早期に添加することは全く可能であるが、その場合には保持剤は幾つかの経路をとりそして再循環させられ、それによって該保持剤が電荷を失って、紙形成プロセスで、即ちワイヤセクション33において、最適な利用がなされないという危険性がある。
【0051】
早期に記載した制御原理に従って、位置22で保持剤の添加を変えることは下記の手法で行われる。
【0052】
所定量の例えば 21 %の、所定の充填剤を含む紙を造ることを望むとき、充填剤の所定の適切な流量が導管8を通して送り込まれなければならないことは、経験上知られている。また、現在の条件では、所定の保持剤を導管22を経て一定量該システムに添加するのは適切であることも、経験上知られている。また、上記第2保持剤の適切な添加は導管22を経ることであることも経験上知られている。製紙プロセスが良好に進んでいるとき、仕上がった紙の充填剤含量は位置40で短いインターバルで測定される。もしこれらの測定が、紙の充填剤含量または濃度が例えば、21.0%の代わりに 21,5 % であることを示すならば、制御機能が作動させられる。測定された値が信号で位置40から充填剤含量調整器41へ送られ、上記充填剤含量調整器41は保持剤流量調整器42へ、保持剤の流量が或る一定限度まで減らされるべきであることを指示する信号を送る。というのは、今取ったばかりの測定値が、紙の充填剤含量が僅かに高過ぎることを示すからである。原料への保持剤の供給の減少は、ワイヤ上に形成されている紙ウエブ中への充填剤の吸収を減らすのに迅速に有効となり、それによって紙中に21 %の所望の充填剤含量を得ることができる。もし測定された充填剤含量が所望の、例えば 20.5 %より低ければ、保持剤の流量はそれ相応の程度まで導管22を通して増大させられる。原料への保持剤の供給の増大は、ワイヤ上に形成されている途中で、紙ウエブ中への充填剤の吸収の増大に有効となり、それによって紙中に 21 %の所望の充填剤含量を得ることができる。
【0053】
上述のことを達成するために、白水中を含む、該システム中の充填剤含量は、該システムに添加される保持剤の量及び製造された紙中の充填剤の含量と一定の関係をもつ必要はない。というのは、長期間にわたっての充填剤の連続添加が過度に低くかつ白水中の充填剤濃度が不断に減少するときには、紙中に正確な充填剤含量を維持することができるからである。勿論、緩衝(buffer)システム中における充填剤の消耗のためにより低い限界が存在する。
【0054】
充填剤含量調整器41の構造は当業者には既知である。フィードバック調整器が通常使用される。調整器の最も普通の型式は PID 調整器と称され、専ら“制御エラー”e に基づいて作動し、下記の関係が制御エラー e と制御信号 u の間にある;
【0055】
【数式1】
Figure 2004515661
【0056】
制御信号は3つの項からなり、ここで、 P は エラーに比例する比例項を表し、 D はエラーの導関数に比例する導関数項を表し、 I はエラーの導関数に比例する積分項である。このことは例えば、
【外1】
Figure 2004515661
著の
【外2】
Figure 2004515661
と題する小冊子形式の
【外3】
Figure 2004515661
に教示されている。色々な項が上記式において追加的に組み合わされる。所望の機能が3つの定数、K, T, 及び T を調節することによって 調整器に設定される。幾つかの異なった方法が、これらの定数を調整されるべきプロセスに適合させるために利用できる。1つの使用可能の方法は Lambda 法と称される。
【0057】
早期に述べた如く、導管8を通る充填剤の流量は実質上、造られる紙の充填剤含量、換言すればワイヤセクション33中のワイヤ上に形成される紙ウエブによって不断に吸収されかつその紙ウエブに合体される充填剤含量に少なくとも部分的に依存する。
【0058】
白水の充填剤濃度は所定の間隔をおいて測定装置43の助けをかりて調査される。通常は、短循環中の充填剤濃度の所望のレベルは、所定の紙品質については1つで、同じである。これは製紙機械の作業能力と関係がある。白水の充填剤濃度を含む該システムの充填剤濃度を時間の経過にわたって一定に維持することは、製紙機械の運転に関して有利であることが分かった。例えば、制御値はリットル当たり 4 グラムとすることができる。もし、測定された値がリットル当たり 3.8 グラムであれば、この値は信号形式で充填剤濃度調整器44に送られる。この調整器は次いで、充填剤流量調整器45に、導管中の充填剤の流量は増されるべきであるという意味の信号を送る。これは、調整器45に連結された導管8中の弁を更に広く開くことによって行われる。また、流量調整器は流量計を含み、これによって意図した流量が導管8を通して実際に流れるかどうかが確かめられる。もし測定された値が高過ぎること、例えばリットル当たり 4.2 グラムであれることが分かれば、導管8を通る充填剤の流量はそれ相応の程度まで減少させられる。
【0059】
充填剤濃度調整器44は既知の種類のものであり、前述したものと同じ型式のもの、即ち位置41に置かれた調整器と同じものとすることができる。調整器44の周りに構成された制御システムは、すべての白水を含む短循環中の充填剤用の緩衝システムは調節するのが遅いことを考慮に入れる。換言すれば、たとえ充填剤の流量が或る一定位置で大幅に増大させられても、充填剤の点状(punctiform)のかなりの増大が、非常に大きな全容量の白水中の充填剤濃度の増大をもたらすまでには、長い時間がかかるだろう。調整器44用の制御プログラムは上述した充填剤含量調整器用の制御プログラムとほヾ同様である。
【0060】
図1に示す充填剤含有紙の製造を示すフローチャートから分かる如く、白水(例えば、導管7に沿うどこかで取られた)に基づく長循環(long circulation)は含まれておらず、また導管1を通して短循環に送り込まれた濃厚パルプ懸濁液のためのすべての作り上げ(work−up)ステーションも含まれていない。これは範囲(scope)と透明さ(clarity)の理由から除外されている。
【0061】
例1
本発明方法は、充填剤含有緻密紙を製造するための、図1に示すフローチャートと大部分一致する種類の製紙機械でテストされた。かかる紙を製造するための慣例の技術との比較を行った。
【0062】
濃厚パルプ懸濁液が毎分 16,500 リットルの流量で導管1を通して供給された。濃厚パルプ懸濁液の出発材料は 隣接したパルプミル(mill)から送り込まれた60 %新鮮パルプと 40 %損紙(paper broke)であった。次いで、新鮮パルプは 90 % ISO の輝度をもつ 65 %樺材硫酸塩パルプと、90 % ISO の輝度をもつ 35 %松材硫酸塩パルプからなっていた。2つの新鮮パルプの各々は混合容器内で混合される前に本質的に精製された。その容器内には水洗いされた損紙も供給された。損紙は約 21.5 %の充填剤含量をもち、その充填剤は沈殿炭酸カルシウム(PCC)からなっていた。入来する濃厚パルプ懸濁液はかくして容易に見積もることができるかなりの量の充填剤を含んでいた。原料デンプンが、導管1へ行く途中で、濃厚パルプ懸濁液に添加された。
【0063】
52 パーセンテージ PCC の形の新鮮充填剤が毎分 90 リットルの適切な流量で導管8を通して送り込まれた。充填剤密度はリットル当たり 770 であった。少量の幾つかの着色料(colour tints) が同時に添加された。蛍光増白剤を含む追加の紙化学薬品が短循環に更に添加された。
【0064】
4 g/l の密度をもつ合成ポリマーの形をなす第1の保持剤が導管22を通して送り込まれた。この保持剤の流量は平均して、毎分約 50 リットルであった。
【0065】
リットル当たり 35 グラムの密度をもつべントナイト粘土の形をなす第2の保持剤は導管32を経て該システムに送り込まれた。この保持剤の流量は一定で、毎分 30 リットルであった。
【0066】
ヘッドボックス30を出る原料は 0.9 乃至 1.0 %の固体物質含量をもっていた。仕上がった紙の充填剤含量についての制御値は 21.5 %であった。紙の単位面積当たりの重量は平方メートル当たり 80 グラムであった。該機械の速度は毎分約 970 メートルで、時間当たり約 30 トンの紙の生産量をもたらした。仕上がった紙は約 4.5 %の水分含量をもっていた。
【0067】
紙は製紙チェーン(chain)の終わり近くの位置でフィルムプレス内で表面サイズ付け(surface sized)をされた。表面サイズ(surface size)は平方メートル当たり約 4 グラムに相当する量で付けられた。図1のフローチャートにはフィルムプレスは示されていないが、このプレスは関連する製紙機械の前乾燥器37の直ぐ下流側に置かれた。
【0068】
図2は充填剤含有紙を製造する慣例技術を用いたときの、4カレンダー日にわたって仕上けられた紙の充填剤含量と、充填剤含有紙の製造に本発明技術を用いたときの、後続の4カレンダー日期間にわたって仕上けられた紙の充填剤含量を示す。
【0069】
慣例技術は特に、紙の充填剤含量が位置40で、また、白水中の充填剤濃度が位置43で測定されることを意味する。しかし、紙の測定された充填剤含量は位置22で保持剤の添加を制御するのに使用されないが、位置8で充填剤の添加を制御するために使用される。もし紙の充填剤含量の測定された値が所望値即ち制御値より高いならば、充填剤の流量は位置8で減らされるが、もし所定された値が低すぎるならば、充填剤の流量は位置8で増やされるように、制御が行われた。更に、もし白水中の、即ち位置43における充填剤濃度が制御値より高ければ、保持剤の流量は位置22で増やされるが、もし充填剤濃度の測定された値が低すぎるならば、保持剤の流量は位置22で減らされるように、位置22の保持剤の流量は制御された。
【0070】
上述の慣例の制御技術を適用したときの、仕上がった紙の充填剤含量は図2の矢印の左に示されている。これから分かる如く、充填剤含量は所望の制御値の周りで大きく変化する。該システムはどんな場合にもハウリング(howling)にすら到達した。
【0071】
位置40で測定された紙の充填剤含量についての信号が充填剤含量調整器41に送られる限りでは、図2で矢印を付された時点に、上述の慣例の制御技術からの離脱がなされた。この調整器は次いで、図1に従ってかつ詳細に上記した本発明の制御技術に従って、保持剤流量調整器42に信号を送った。新規な制御技術を適用するとき、位置43での白水中の充填剤濃度の測定は最初のカレンダー日の間中、自動かつコンピュータ制御された制御システムから解放された。その代わり、位置8における充填剤の計量供給はこのカレンダー日の間中、オペレータによって手動で行われた。
【0072】
図2から、 21.5 %の仕上がった紙中の充填剤含量についての制御値は本発明を実施するとき約 2.5 カレンダー日の期間にわたって使用されたことが分かった。そのとき、制御値は 22.0 %に切り換えられ、その後、古い制御値、即ち 21.5 %の値が使用された短い期間が続いた。テスト運転は 22 %の制御値で終了した。
【0073】
新規な制御技術が慣例の制御技術より優越することは図2から明らかである。新規な技術を適用するとき、本発明は仕上がった紙の充填剤含量の変動が、古い慣例の技術に関してかなり減少する。製造された紙の充填剤含量の標準偏差が 21.5 %の制御値で図2の矢印の両側で1カレンダー日について計算された。伝統的制御技術の場合、標準偏差は 0.95 であり、本発明の制御技術の場合、標準偏差は 0.14 であった。換言すれば、紙の充填剤含量の変動は、本発明の制御技術を実施するとき、殆ど7回改善された。
【0074】
位置43で白水中で測定された充填剤濃度に基づいて位置8で充填剤を計量供給するために自動化された制御システムは約1カレンダー日の後に作動させられた。それの作動方法は詳細に前述した。
【0075】
図3から明らかな如く、慣例の制御技術(矢印の左側)と、本発明制御技術(矢印の右側)の好適定実施例の両方に関して、制御値はリットル当たり 4 グラムであった。充填剤濃度についての制御値の周りの変動もまた、この場合、驚く程重要な仕方で変化する。白水中の充填剤濃度についての制御値周りの低い変動は関連する製紙機械の運転性に関して有利であることが分かった。
【0076】
本発明に従って実施された上述のテスト運転では、紙の充填剤含量に関するデータは 20 秒毎に得られたが、白水中の充填剤濃度に関する情報は 4 秒毎に得られた。これらの測定間隔の使用は決して必須でなく、その測定間隔は個別に決定することができ、特に、使用される測定装置の型式に依存する。
【0077】
図2と3を調査すれば、毎日毎日紙中に実質上一定の充填剤含量を得るために、白水中で測定された充填剤濃度に基づいて充填剤を該システムへ添加することを制御し始める必要は絶対にないことが分かるだろう。しかしかかる測定は他の理由から明らかに好ましいものである。上記のテスト運転では、本発明の好適実施例に従った位置8における充填剤の添加の制御は、1カレンダー日の後まで、始められなかった。それにもかかわらず、紙は、本発明に従ってテストを開始した後、ほんの数十分の後に正確な充填剤含量をもった。
【0078】
強制的でない“第2”の制御が始まったとき、位置8における充填剤の添加は、測定値が位置43で取られる毎に変えられ、そうするのが適切であることを示した。換言すれば、長い期間の間中、小さい変化が4秒毎に充填剤の流量になされることができた。そうすることは絶対的に必要なことではない。というのは所定の期間にわたって、位置43での所定の測定に基づいて、充填剤の流量を比較的大きく変化させることは十分に可能であるからである。その経験は、所定の比較的長期間の後、全システムの充填剤濃度を一般的に増大させ、位置43の測定は上記期間の間中周知のパターンに従うことを阻止(check)することを示した。かくして、もし何らかのあり得る意図しない理由から充填剤の流れが位置8で突然止むならば、それは大失敗ではなく、充填剤の供給は限定された期間にわたって止められる。
【0079】
原則として、条件は位置22の保持剤の添加に関して異なっている。もし、この場合、保持剤の流量を増すために制御システムによって与えられた命令が無視されるならば、紙は実質上この無視期間中、過度に低い充填剤含量が得られるだろう。
【0080】
図2に示す曲線と同様でありかつ製造された紙中の充填剤含量を1レベルからもう1つのレベルに切り換えることが本発明の技術によって慣例の技術よりずっと迅速に行われ得ることを確かめる曲線が見いだされると、結論として云われる。この事実はまた、スクラップにする必要のある紙量を最少限にするために貢献する。紙が依然としてスクラップ化されるという事実は特に、充填剤含量以外の品質パラメータが設定された測定値から外れることがあり得るという事実に起因している。上記曲線はスペースと範囲の理由から含まれていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填剤含有紙の製造方法の応用法を示すフローチャートである。
【図2】慣例の技術と、本発明により製造した紙の充填剤含量をパーセンテージで示す図表である。
【図3】慣例の技術と、本発明の1好適実施例によって充填剤含有紙を製造した場合において、白水中の充填剤濃度をリットル当たりのグラム数で示す図表である。

Claims (10)

  1. 一定の充填剤含量を有する紙の製造方法であって、
    a) 水、パルプ繊維、損紙のスラリー化から得られた通常の充填剤、及び通常の種々の紙化学薬品を含む濃厚パルプ懸濁液を製紙機械中のヘッドボックスに向かって通し、
    b) 原料を形成するよう、ヘッドボックスへ行く途中で、追加の水、通常は白水を濃厚パルプ懸濁液に更に添加し、
    c) 少なくとも1つの充填剤を、濃厚パルプ懸濁液及び/又は原料及び/又は上記追加の水に添加し、
    d) 少なくとも1つの保持剤を、濃厚パルプ懸濁液及び/又は原料及び/又は上記追加の水に添加し、
    e) 例えば湿潤紙ウエブを形成するように、ヘッドボックスを経て、湿潤装置、通常はワイヤセクション上に最終調製された原料を広げ、そして白水と称される出来た排水を湿潤装置の下に、収集し、そして短循環と長循環と夫々称される2つの液体ベースの材料の流れに通常は分けられかつその中に含まれる新鮮な濃厚パルプ懸濁液に送り込むために、上記水を紙製造プロセスに戻し、
    f) 湿潤紙ウエブが湿潤装置を出て行くようになし、次いで少なくとも1つの段階で上記ウエブをプレスしかつ乾燥し、かつ上記ウエブに任意に後処理を施し、及び/又は上記ウエブをロール上に収集し、またはウエブをシートに変え、そして
    g) 紙の充填剤含量を或る位置で測定し、
    h) 白水中のまたは原料中の、充填剤の濃度または充填剤プラスパルプ繊維の濃度(全濃度)を、好適には、短循環中の或る位置で、またはそれとの直接の連結部で、測定すること、
    を含んでなる方法において、
    或る量の充填剤を添加して、該システムが通常予定された濃度レベル(制御値)まで充填剤で緩衝されるようになし、上記レベルは測定値(h)により求められるものであり、
    充填剤の連続添加を白水または原料中の充填剤の測定された濃度に専ら基づかせて、測定されたレベルが制御値より低いとき、充填剤の添加が増されそして上記測定されたレベルが制御値より高いとき、充填剤の添加が少なくとも長期間、減らされるようになし、白水システムまたは緩衝システムが紙ウエブが充填剤の意図した量を吸収できるのに十分な充填剤を常に利用できるようになし、そして保持剤の連続添加を紙中の充填剤の新たに測定された量に専ら基づかせて、、紙中の充填剤の測定された量が一定に保たれるべきレベルより低いとき、保持剤の添加が増されるようになし、そして充填剤の測定された量が一定に保たれるべきレベルより高いとき、保持剤の添加が減らされ、それによって紙の充填剤含量の迅速な補正をもらして、一定に保たれるべきレベルに戻すこと、
    を特徴とする方法。
  2. 1つ以上の位置で1つの充填剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 充填剤の全量を短循環の始めの位置で原料に添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 該システムに充填剤を添加する前に充填剤を液体中でスラリー化すること、及び上記液体とその充填剤含量を、前進しているパルプ繊維懸濁液にまたは水に上記位置で上記制御原理に従って作動する1つまたは数個の調整器の助けをかりて供給することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
  5. 1つ以上の位置で該システムに2つの保持剤を添加することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 2つの保持剤を各々夫々の位置で原料に添加し、一方の保持剤は短い距離をおいた個所で、丁度よい瞬間に紙中で測定された充填剤含量の量(g)に依存している可変の量で短循環内に添加され、一方、他方の保持剤は、例えば紙製造にかつ紙の意図した充填剤含量に基づく一定量で短循環中の更に前方の、即ちヘッドボックスに近い個所で添加されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  7. 該システムに添加する前に保持剤を液体中でスラリー化しまたは溶解させ、液体はその保持剤と一緒に、記載された位置で、上記制御原理に従って作動する1つまたは数個の調整器の助けをかりて、前進するパルプ繊維懸濁液にまたは水に添加されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 90 %より上の乾燥固体含量をもつ最終的に乾燥された紙ウエブ上で紙の充填剤含量を測定することに特徴を有する請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  9. ワイヤセクションの下で収集装置から移送された白水の流れから取られた白水の副流(sub−flow)中の白水の充填剤濃度を測定し、上記収集装置はワイヤトレイと称されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の方法。
  10. ヘッドボックスの直ぐ上流側の、または上記ヘッドボックス内の位置で原料の充填剤濃度を測定することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の方法。
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