JP2004514914A - マルチモード型電子装置のモード機能を作動可能/作動不能とする方法およびその装置 - Google Patents

マルチモード型電子装置のモード機能を作動可能/作動不能とする方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

多機能型電子装置(1)の作動モードを可能若しくは不能にする方法を提供する。この方法は、モードを作動可能/作動不能とするモードに表示されるまでモード選択機構(6)を作動させることによって、複数のモードからモードを作動可能/作動不能とするモードを選択し、集積回路(2)をモードの作動可能/作動不能モードに移行させ、モード選択機構(6)がモード機能の表示を介して循環するに伴って、複数のモード内において少なくとも1個の表示済みモード機能の少なくともモード機能表示体を表示し、作動可能または作動不能とすることが必要なときにモード機能を選択し、モード機能が作動不能であったときには作動不能から作動可能へとモード機能をスイッチングし、モード機能が作動可能の場合には作動可能から作動不能へとスイッチングを行うことを特徴とする。更に、上記方法を達成するための電子装置(1)を提供する。好適な実施例としては、上記電子装置は計時装置、特に腕時計が望ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に限定するものではないが時計などの時間表示装置などの電子装置の作動モード選択方法に関し、特に多くの作動モードの中から手動によりモードや機能を付与/停止(即ち、作動可能/作動不能)にすることが可能となり、以て、その電子装置において使用者にとってより具体的且つ望ましい機能をカスタマイズする(即ち、使用者個々の仕様モードとする)ことの可能な、電子装置用の改良されたモード選択方法並びに装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のモードを備えた時計については本願出願人の所有する米国特許第4,783,773号、同第4,780,864号、同第5,555,226号及び同第4,283,784号などに記載されているとおり周知である。
【0003】
使用者が、あれば便利であるとか或いは好適であると発見する更に多くのモードが存在し、これらのモードを電子機器の機能として取り込もうとする傾向が従来より引き続き見られる。電子装置(例示的に挙げれば時計など)に見られる最も一般的なモードとしては、時間表示モード(TIME−OF−DAY、或いはTOD)、日付モード(DATE)、クロノグラフ(CHRONO、即ち、典型的にはストップウオッチ)モード、アラームモード(ALARM)、更には、代替時間領域モード(T2モード)がある。こらのモードの全てが、手動で作動可能な側部或いは頂部の押しボタンを使用して順番に(シーケンシャルに)作動させることで機能させ、更に、最近では巻真や頂部リングを回転させて行うものもあり、例えば本願出願人による米国特許出願第09/327,769号(1999年03月08日出願)、同第09/327,769号(1999年06月07日出願)、及び同第09/359,223号(1999年07月22日出願)に記載されており、これらの出願の記載内容は本願発明の説明にも関連するものである。
【0004】
よく知られているように、時計の設計者やプログラマー達は「ユーザー・フレンドリー」と称して一層「使用者に優しい」時計や他の電子機器とすべく鋭意研究を重ねている。その一例として、更に多くの利用可能なモードを提供しようとする一方で、他方では使用者が更に容易且つ便利に上記のような作動モードに行き来できるようにすることが挙げられる。
【0005】
従来技術における顕著な欠陥としては、更に多くの選択肢を利用者に与えてしまうことではなく、情報量の過多とその過大情報がもたらすイライラ感が問題である。即ち、前記の時間表示(TOD)モード、ストップウオッチ(CHRONO)モード、及びアラーム(ALARM)モードにする場合、その他の不必要なモードを経由して継続的に循環移動させなければならず、また、別の利用者にとっては前記時間表示(TOD)モードと前記代替時間領域(T2)モードだけが必要なこともあり、これがイライラ感を引き起こすことになる。時計は付加的な特性とモード利用可能性を具備してプログラムされているので、過剰なユーザー情報の利用可能性が増大すると共に、これに伴ってイライラ感も増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、利用者が自分独自の仕様とすること(即ち、カスタム仕様)ができ、より具体的に電子装置の機能を特定・形成して、上記の欠陥を克服できることが望ましいわけである。本発明は、上記を達成し且つ以下に述べる利点を達成せんとするものである。
【0007】
以上より、本発明の主たる目的は、マルチモード(多機能)型電子機器の、改良されたプログラミングとモード選択方法を提供し、利用者が自分独自のカスタム仕様化をすることができて電子機器、特に時計の機能を更に具体的に形成することが可能な改良された方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、電子機器の改良されたモード選択方法によって電子機器自体を利用者に優しいものとすることの可能な方法を提供することである。
【0009】
本発明の更に別の目的は、簡単なユーザー・インターフェースとすることで市場性が高く、更に広い範囲の使用者に適合できる、改良されたモード選択方法を提供することである。
【0010】
本発明の更に別の目的は、電子機器の製造者、設計者或いはプログラマーが利用者に要求された機能性を付与することができ、且つ、利用者が個々に独自仕様とすることができて利用者の要求と好みに合致するようにした構造と方法とを提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、付加的なモード能力と機能性とを提供できる多機能型装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、改良されたマルチ・レベルの利用者用のインタフェースを備えた装置を提供することである。
【0013】
本発明の更に別の目的は、利用者が容易にアクセス可能なマルチ・レベルモードの能力を有する装置を提供することである。
【0014】
本発明の更に別の目的及び利点は、図面を参照して説明する以下の記載より明確となるであろう。
【0015】
前記の従来技術の問題点並びに本発明の目的と効果は、本発明の実施例に基づく方法と構造によって解決され且つ達成されるものであり、改良されたモード選択及びプログラミング方法並びにその構造について、以下に記載する。
【0016】
【問題を解決するための手段】
本発明は、モード選択機構と、少なくともモード選択機構において作動する集積回路と、更に作動モードを作動可能/作動不能(enabling/disabling)とするモードを備えた多機能(マルチモード)型電子機器の、モード機能を作動可能、或いは作動不能とすることのできる方法を提供するものである。好ましい実施例において、上記方法は、モードの作動可能/作動不能のモードが表示されるまでモード選択機構を作動させることで複数のモードからモードの作動可能/作動不能のモードを選択する行程、集積回路をモード作動可能/作動不能にする行程、モード選択機構がモード機能の表示を介して循環するに伴って、複数のモード内の表示されたモード機能の少なくとも1個の、少なくともモード機能表示体を表示する行程、及び、作動可能または作動不能が望ましいモード機能を選択し、モード機能が作動不能の場合には作動不能から作動可能へモード機能のスイッチングを開始し、もしモード機能が作動可能の場合には作動可能の一つから作動不能へとスイッチングを開始する行程、を備えている。
【0017】
本発明の具体的な1実施例として、上記モード選択機構は回転型スイッチ機構を備え、また、上記の方法は、モードの作動可能/作動不能とするモードが表示されて、スイッチング機構を第1の位置から第2の位置へと移動することで集積回路がモードの作動可能/作動不能モードに入るようにするまで、スイッチング機構を第1又は第2の方向へ回転してモードの作動可能/作動不能モードを選択する行程を有している。更に、作動不能から作動可能へのモード機能、或いは、作動可能から作動不能へのモード機能のスイッチングの開始は、集積回路と作動結合した押しボタンを押圧する行程により達成できる。
【0018】
本発明は、更に前記の方法を実施する電子装置を提供する。好ましい構造としては、(a)複数のモード間において循環が可能な装置であって少なくともモード選択モードにおいて 作動可能であり、(b)1個或いはそれ以上のモードを選択的に作動可能若しくは作動不能とするモードの作動可能/作動不能モードにて作動可能な集積回路と、複数のモード間を循環し、モードの作動可能/作動不能モードを選択し、且つ、モードの作動可能/作動不能モードを行うスイッチング機構と、複数のモード内においてそれぞれの表示されたモード機能のための少なくともモード機能表示体を表す手段と、モードが作動不能の時はモード機能を作動可能とし、モードが作動可能状態のときはモード機能を作動不能とする作動可能/作動不能装置とを備えている。同様に、スイッチング機構は回転型のスイッチング機構とすることができる。好ましい態様としては、前記電子装置は例えば腕時計のような計時装置とするのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
前記従来の技術について説明したように、また、以下の記載より理解されるように、本発明の方法を実施できる機構上の態様としては数多く存在する。本発明による機構上の実施例としては前記した出願中の米国明細書に記載した回転型スイッチ機構が挙げられる。但し、本発明を実施する上では側部及び/又は頂部搭載型の押し部材を採用するのが良い。
【0020】
概して、本発明は利用者に対して、電子機器の記憶装置に蓄積された種々モードのいわば「図書館」の中にある、電子機器に設けられたモード機能を作動可能及び/又は作動不能とすることができる能力をもたらすものである。一つの実施例において、全てのモードが最初は作動可能とされた結果、利用者にとって不必要なモード機能を停止、即ち作動不能とするものである。これとは別に、最初は全てのモード機能を作動不能とし、利用者が必要に応じて作動可能な状態に移行させる。更には、機器を先ず立ち上げて、例えば前記時間(TOD)モードなどの所定のモードを可能とし(この場合、停止不能とすることができないようにすることも含めて)、他方、必要であれば任意のモードを作動可能とする。これらの特徴と意図された構造は本願明細書の記載より当業者が理解できるものである。
【0021】
本発明の好ましい実施例を図1を参照して以下に述べる。但し、以下の説明は本発明の一実施例を明確にするための簡便な記載であることに留意されたい。このような簡略化は発明を例示的に述べることを意図したものであり、発明自体を限定するものではない。例えば、モード選択手段(モードセレクター)は、当該技術分野で周知でありその目的のための押し部材(以下、モードボタンと称する)とすることができ、或いは、前記出願中の明細書(米国出願番号第09/327,769号)に記載されたような、少なくとも2つの軸方向位置に配置できる回転型スイッチング機構を備えた構造とすることもできる。搭載された集積回路は、少なくとも作動モード状態において作動可能であり、この作動モード状態では装置が例えば時間(TOD)モード、日付(DATE)モード、アラーム(ALARM)モードなどの状態にあるものであり、また、複数のモード状態の間を機器が循環できるモード選択モード、更に、モードの作動可能/作動不能モードにおいても作動可能である。上記モードボタンによってモード間の循環的作動が可能となり、或いは、2つの軸位置の一方であるときに回転型スイッチング機構が上記の機能を行うこともできる。複数のモードから次のモードへの選択は、次の作動モードが表示されるまでスイッチング機構を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることで達成できる。モードボタンを押し続けることでも上記同様の作動が可能である。いったんモードの作動可能/作動不能モードが選択されると、スイッチング機構を2つの軸位置から2番目の位置に移すことでモードの作動可能/作動不能モードへの移行が達成される。その後、時計方向又は反時計方向に1回回動してモードの作動可能/作動不能モードにすると、モード機能の表示が変わり、以下に記載のようにモード機能を作動可能および作動不能とさせることになる。所定のボタン(但し、以下記載のものでなければならないことはない)構造とすることのできる選択ボタン、例えばモードの作動可能/作動不能ボタン、を使用して、モード機能が作動不能のときにはモード機能を作動可能とし、モード機能が作動可能状態のときには、モード機能を作動不能とすることができる。
尚、図1において、「1.5s」は1.5秒を意味し、「SET」はセット即ち設定を意味し、CWとCCWは、それぞれ時計回り方向と反時計回り方向を指す。
【0022】
図1に示す実施例では、モードボタンをそれぞれ作動することで、或いは、機器が回転型スイッチング機構を採用している場合には、スイッチング機構(それが第1の位置にある時に)を時計回り方向(CW)又は反時計回り方向(CCW)に回転させることで、作動モードのリスト(モード一覧表)内から次のモードを選択する。例えば、機器自体が時間(TOD)モードにあると仮定する(ブロック10参照)。モードリストの中で、モードボタンを押圧することで、或いは回転型スイッチング機構をCW(時計回り方向)に回動することでアクセス可能な次のモードが機器の表示装置に表示され、この実施例では、ストップウオッチ(CHRONO)モードである(ブロック20参照)。更に時計回り方向(CW)の回転行うと、アラーム(ALARM)モードの表示が出る(ブロック30参照)。選択された或るモードが表示された後で、モードボタンの更なる押圧を行わず、或いは回転型スイッチング機構を更に回動させることなく、機器は所定のモード(例えば、上記の例ではそれぞれブロック15,ブロック25,或いはブロック35)に移行するのが好ましい。このように、所定のモード設定が発生する。望ましくは、スイッチング機構の非回動状態、或いはモードボタンの非押圧状態を1.5秒続けた場合には、機器が選択されたモードに移行するようにする。この1.5秒の遅延を採用することで、使用者は自分に必要な個々のモードを指定することが可能となる。上記のソフトウエア手法の多くは市販の時計にすでに備わっている。
【0023】
本発明によれば、利用可能なモードの一つは、作動可能/作動不能モード(E/Dモード)である。追加のモード機能が利用者によって付与されて使用に供されるようにしたり、使用から取り除いて作動不能とするモードは、このモードの中にある。
【0024】
例えば、この実施例において上記アラーム(ALARM)モードから時計回り方向(CW)への回動を続けると前記作動可能/作動不能(E/D)モードが表示される(ブロック40参照)。そして、例えば前記1.5秒待機することによって、機器は上記作動可能/作動不能(E/D)モードに入り、 表示体には「引いて設定」(PULL TO SET」)が表示される(ブロック45参照)。回転型スイッチング機構を第2の軸位置に移動すると、機器はモード機能の利用可能な「図書館」の間を循環させることができる。(この場合、使用者は押しボタンを押圧によってブロック45に到達する。)かくして、機器はモード付与/停止モードへと移行する(ブロック50参照)。現時点では第2の位置に位置されている選択された押しボタンへの押圧、或いはスイッチング機構の時計方向或いは反時計方向の回転を継続することによって、複数のモード中のそれぞれの表示されたモード機能の為のモード機能表示体(例えば符号51,56,61を参照)を表示させることとなる。作動可能又は作動不能が望ましい特定のモード機能が一旦選択されると、モード機能が停止状態にあるときは使用者は作動不能から作動可能状態へとスイッチングを開始し、また、モード機能が作動可能状態にあるときには作動可能状態から作動不能状態へとスイッチングを始める。
【0025】
モードの作動可能/作動不能ボタンを使用することで所定モードの作動可能/作動不能機能を係止状態にできる。図示例の場合、クロノ、即ちストップウオッチ(CHRONO)モード機能は、前記作動可能/作動不能(E/D)モード(ブロック50参照)に現れる最初のモード機能であり、この実施例では、表示体が「オン(ON)」となっていることから現時点は作動可能状態となっている。選択された作動可能/作動不能ボタンを押圧すると、前記ストップウオッチ(CHRONO)モードを作動不能とする(ブロック52参照)。望ましくは、表示装置が「オフ(OFF)」或いは「作動不能」なる表示によって作動の実施不能性を表示できるようにする。所望により、選択された作動可能/作動不能ボタンを2度目に押圧すると、再びストップウオッチ(CHRONO)モード機能が作動可能となる(ブロック54参照)。
【0026】
図1に示したフローチャートを継続する場合、図示された時計回り方向(CW)又は反時計回り方向(CCW)にスイッチング機構をその第2の軸位置にて回動し続けると、表示装置には追加のモード機能が表示される。例えば、ストップウオッチ(CHRONO)モード機能に続いて、アラーム(ALARM)モード機能が現れ(ブロック55)、このアラーム(ALARM)モード機能の後にタイマー(TIMER)モード機能が現れる(ブロック60参照)。前記の通り、この実施例の場合、前記E/Dボタンを押圧すると、図示状態では「OFF」若しくは「作動不能」となっていた前記タイマー(TIMER)を「ON」とする(ブロック62)。
【0027】
設定巻真をその第1の位置に戻すことによって、機器をモード選択モードに復帰させ、作動可能な複数のモード間を再び循環できるようにしている。しかしながら、タイマー(TIMER)モードは今では使用者が利用できるモードの一つである。このような場合、設定巻真を回動し続けると、一方向(即ち、CWである時計方向)に循環すると、時間(TOD)モード(ブロック10参照)が再び現れる前に、タイマー(TIMER)モードが表示装置に現れる。
【0028】
以上の記載は本発明の好ましい実施例について述べたものであるが、いくつかの留意事項がある。例えば、時間(TOD)、クロノ、即ちストップウオッチ(CHRONO)或いはアラーム(ALARM)などの特定のモードにおいて、そのモード内の設定情報がひとたび周知の方法でなされ得る。しかしながら、時間、アラーム、或いは他の情報を設定すること自体は本発明の要旨とするところではない。更に、専用のE/Dボタンを採用することもできる。但し、スタート/ストップボタンは他のボタンなど他のボタンを使用することができる。即ち、機器内のモードに従って複数の機能を備えた多機能型のボタンを本発明に採用することも可能である。例えば、タイマー(TIMER)モードにおいて「スタート/ストップ」はタイマーの開始と停止を機能させることができるが、前記作動可能/作動不能(E/D)モードの場合には、上記「スタート/ストップ」ボタンは作動可能/作動不能(E/D)ボタンとして作動する。従って、実際のボタンの数は最小限に抑えることができる。
【0029】
また、使用者にとって望ましい方法にてモードを指示するために、ソフトウエアをそれに対応して構成することも可能である。即ち、上記の例ではタイマー(TIMER)モードは図中ブロック60にて可能となる。利用者にとって任意であるのは、モードの連続の中で使用者がタイマー(TIMER)モードを見た位置を選択することである。但し、この追加的な特徴は好ましく、本発明者が意図するところである。
【0030】
次に、本発明の方法は上記の通りであり、それを実施するための機構的な実施態様について以下に簡単に説明する。図2は本発明によるマルチモードで多機能型の電子時計1の回路構成を示している。この電子回路は機器のケース(図示せず)の凹所に収納され、他の機能とともに計時機能を果たすように作動可能となっている。この回路はプログラム可能なマイクロコンピュータ(以下、マイコン)2を、プリント回路基板(図示せず)に貼り付けたICチップの形で有している。このマイコン2は、計時機能と上記の選択及び駆動モードの全てを達成するための好ましい指令を実行するようにプログラムされたマイクロプロセッサを含んでいる。このマイコンは記憶装置8も備えている。記憶装置8は例えばデータ数値や可変数値を蓄積し、これが機器の一つ若しくはそれ以上の作動モードにおいてマイクロプロセッサ7によって使用される。具体的には、マイクロプロセッサ7によって読み出し且つ実行するソフトウエアのルーチンとして、記憶装置は電子時計設定とモード選択方法を蓄積することができる。この電子回路は計時回路3を具備することができ、これが他の事項と共にその日の時間を示す時間表示信号を発するものとすることができる。例えばスイッチング機構からの他の信号同様に、計時回路3からの信号は、前記回転型スイッチング機構若しくは押しボタンS1及び/又はS2を備えたスイッチング機構6によって、マイコン2で処理される。例えば、スイッチング機構6が所定の軸方向の設定位置内で作動されるに伴って第1群の入力信号が形成され、スイッチング機構6が時計回り方向(CW)又は反時計回り方向(CCW)に回転されると第2の入力信号群が形成される。入力信号はマイクロプロセッサ7に送り込まれ、例えば表示装置の情報の数値またはモード表示を所定の順序で変化させるべく処理される。この点に関して、マイコン2から制御信号が計時回路3に送られて計時回路3内で1個若しくはそれ以上の数値を設定し、または変更する。
【0031】
上記の通り本発明ではスイッチング機構6と入力信号は、従来の設定機能中に押し部材の作動によって形成される信号を補い、或いは好ましくはそれに代えて置き換えることが可能であるが、押し部材で操作する装置の置き換えも本発明の意図するところである。この目的のためには、スイッチS1及びS2が通常の方法にて形成される。更に、スイッチの一方(例えばスイッチS1)は、上記の通り作動可能から作動不能へ、或いは作動不能から作動可能へとモード機能のスイッチングを開始する前記作動可能/作動不能ボタンとして使用することができる。機器のその他の作動、例えばランプや高周波時間ベースの形成の仕方などについては当技術分野において周知であるので詳細な説明は省略する。好適な実施例において、スイッチング機構6は設定巻真と結合した竜頭と、スイッチング装置(図示せず)並びにその他の全ての機構(前記の出願中の米国出願明細書に記載のもの)を含んでいる。表示ブス(bus)4を介した出力信号が液晶表示装置(LCD)5などの表示装置に送られる。このLCD5は時刻やその他の時間に関係する情報をマイコン2の指令に基づくなどして表示する。
【0032】
以上の説明より明らかなように本発明の目的が効率よく達成されると共に、本発明の技術的思想を逸脱することなく種々の改変が可能であることから、上記の全ての事項が本発明の好適な実施例に含まれるものであり発明を限定的に解釈されるものではない。
【0033】
以上の記載は本発明の好適な実施例を説明したものであり発明の技術的思想の範囲内で種々変更できるものである。
例えば、本発明においては、モードの作動可能/作動不能モードが表示されるまでモード選択機構の作動を開始することによって、複数のモードからモードの作動可能/作動不能モードを選択するようにし、これによって集積回路がモードの作動可能/作動不能モードに移行させ、そして、モード機能群を介してモード選択機構が循環しながら、複数のモード内にて表示されたモード機能群のモード機能表示体(インジケータ)を少なくとも表示するように、容易に改変することが可能である。換言すれば、或る特定のモード(例えば、タイマー(TIMER)、アラーム(ALARM)、クロノ、即ちストップウオッチ(CHRONO)、日付(DATE)など)の表示体(インジケータ)を表すことに代えて、本発明ではモードのグループ群を同時に選択することも可能である。即ち、対応する個々のモードを、表示体と、更に特別のモードが複数存在するモード群(例えば、スポーツ(SPORTS)、トラベル(TRAVEL)、地域的時間帯を指すタイムゾーン(TIMEZONE)などのモード)の作動可能/作動不能モードに置き換えることも可能である。
【0034】
一つの実施例としては、モードの全グループが同時に作動可能/作動不能としている。この場合、次のステップを有する。即ち、作動可能/作動不能が望ましいモード機能のグループを選択する行程、そして、もしモード機能のグループが作動不能の場合は作動不能から作動可能へと、また、モード機能のグループが作動可能の場合には作動可能から作動不能へと、それぞれモード機能グループのスイッチングを開始するというものである。
【0035】
本発明の更に別の態様としては、選択されたモード機能グループを可能にする行程と、作動可能又は作動不能が望ましい選択されたモード機能グループから第1のモード機能を選択する行程、そして、上記第1のモード機能が作動不能であるときには作動不能から作動可能へと、また、第1のモード機能が作動可能であるときには作動可能から作動不能へと、それぞれ上記第1の第1のモード機能のスイッチングを開始する行程、とすることができる。このように、選択されたグループのモード内にて更に別の個々のモードを作動可能又は作動不能として、使用者に応じて電子機器を特別仕様とすることができる。この点に関して、次のステップを含むようにすることも可能である。即ち、モードの作動可能/作動不能モードから抜け出てモード選択モードに戻り、そして、作動可能であって現時点では循環行程中に表示された選択されたグループのモード機能内にて少なくとも第1のモード機能を有するモード間において循環を継続し、これによって第1のモード機能はそれが作動可能となる前には表示されないようにする。このように、グループ内の選択されたモード機能だけが、作動可能となった後で表示されるのである。同様に、本発明の方法では次のステップを必要とするのみである。即ち、モード機能の選択されたグループを作動可能とする行程、モードの作動可能/作動不能モードを離れ、モード選択モードに戻り、そして、作動状態とされ且つ現在では循環行程中に表示されたモード機能の選択されたグループ内でモード機能を有するモード間で循環を継続し、これによって選択されたモード機能のグループが作動可能となる前には表示されていない状態とする。このように、1グループ内での全てのモードが即座に作動可能状態とされる。
【0036】
以上、本発明の具体的な実施例として時計について説明したが、本発明は請求項に記載のように時計以外の装置や機器、例えば家庭やオフィス内での壁面取り付け型や携帯型の保安装置や機密保持装置などにも採用できるものである。従って、本願明細書及び請求項に記載した事項は時計以外の装置や機器にも採用し得るものである。即ち、本発明は上記したように、特定のモードや機能を作動可能又は作動不能とすることのできる全ての電子機器に採用できるものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、上記のような構成を有するすることから、前記した発明の目的と効果を達成することのできる有用な発明である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモードの作動可能/作動不能の方法を、例えば時計などの電子機器に採用した場合の方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明を実施するためのマルチモード型の装置における集積回路と他の要素を示す簡略図である。
【符号の説明】
1 多機能(マルチモード)型電子装置
2 集積回路
3 計時回路
6 モード選択(スイッチング)機構
7 マイクロプロセッサ
8 メモリー

Claims (18)

  1. モード選択機構と少なくともモード選択機構において作動可能な集積回路とを有すると共に、モードを作動可能/作動不能とするモードを備えてなるマルチモード型電子装置のモード機能を作動可能又は作動不能にする方法であって、
    モードを作動可能/作動不能とするモードに表示されるまでモード選択機構を作動させることによって、複数のモードからモードを作動可能/作動不能とするモードを選択し、
    上記集積回路をモードを作動可能/作動不能とするモードに移行させ、
    モード選択機構がモード機能の表示を介して循環するに伴って、複数のモード内において少なくとも1個の表示済みモード機能の少なくともモード機能表示体を表示し、
    作動可能または作動不能とすることが必要なときにモード機能を選択し、モード機能が作動不能であったときには作動不能から作動可能へとモード機能をスイッチングし、モード機能が作動可能の場合には作動可能から作動不能へとスイッチングを開始することを特徴とする、モード機能を作動可能又は作動不能にする方法。
  2. 上記モード選択機構は、回転型スイッチング機構を有してなり、更に、上記モード作動可能/作動不能モードが表示されるまで第1又は第2の方向に上記スイッチング機構を回転させて上記モード作動可能/作動不能モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記集積回路をモードの作動可能/作動不能モードに移行させる行程を、追加のモード機能を更に表示することなく所定の時間だけ経過させることで達成することを特徴とする請求項1の方法。
  4. 上記集積回路をモードの作動可能/作動不能モードに移行させる行程を、上記回転型スイッチング機構を第1の位置から第2の位置に移動することによって達成することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 作動不能状態から作動可能状態へ、又は作動可能から作動不能へモード機能をスイッチングする行程は、上記集積回路に作動結合した押し部材を押圧することで達成するようにした、請求項1に記載の方法。
  6. モードの作動可能/作動不能モードから抜け出てモード選択モードに戻る行程を含む請求項1に記載の方法。
  7. 請求項6において上記モードの作動可能/作動不能モードから抜け出てモード選択モードに戻る行程の後に、作動可能なモード間を循環する行程、上記モードの作動可能/作動不能モードを選択する行程、モードの作動可能/作動不能モードに上記集積回路を移行させる行程、作動可能状態が必要な第1のモード機能を選択し、且つ作動不能から作動可能へとモード機能をスイッチングを開始する行程と、モードの上記作動可能/作動不能モードを抜け出て上記モード選択モードに戻り、且つ、循環行程中に表示された第1のモードを現に有する有し作動可能となっているモード間を循環し続ける行程を有することによって、作動可能となる前には上記第1のモードが表示されないようにした、請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも2つの軸方向位置に設置可能な回転型スイッチング機構機構と、少なくともモード選択機構において作動可能な集積回路とを有すると共に、モードを作動可能/作動不能とするモードを備えてなるマルチモード型電子装置のモード機能を作動可能又は作動不能にする方法であって、
    上記少なくとも2個の軸方向の第1の位置に上記スイッチング機構が存在するときに、上記モードの作動可能/作動不能モードが表示されるまで、上記スイッチング機構を第1又は第2の位置にて回転させることによって複数のモードからモードの作動可能/作動不能モードを選択し、
    上記スイッチング機構を少なくとも2つの軸方向位置から第2の位置にスイッチングすることでモードの作動可能/作動不能モードに移行させ、
    上記スイッチング機構を上記第1又は第2の方向に回転させながら、複数のモード内において表示されたモード機能の、少なくともモード機能表示体を表示し、
    作動可能又は作動不能が望ましいモード機能を選択し、モード機能が不能状態にあるときには可能状態とし、モード機能が可能状態にあるときには不能状態とすべくモード機能のスイッチングを開始するようにした、マルチモード型電子装置のモード機能を作動可能又は作動不能にする方法。
  9. 複数のモード間において循環可能な装置であって少なくともモード選択モードにおいて作動可能な集積回路を備え、且つ、複数のモードの一つ若しくはそれ以上を選択的に作動可能又は作動不能とする電子装置であって、
    上記複数のモード間において循環し、モードの作動可能/作動不能モードを選択し、且つ、上記モードの作動可能/作動不能モードに移行するようにしたスイッチング機構と、
    上記複数のモードにおいてそれぞれの表示されたモード機能のための少なくともモード機能表示体を表示する手段と、更に、
    上記モードが作動不能なトキニはモード機能を作動可能とし、モードが作動可能なときには作動不能とする作動可能/作動不能手段、
    とを備えてなる電子装置。
  10. 上記スイッチング機構は、少なくとも2つの軸方向の位置に配置可能であり上記集積回路と作動結合することの可能な回転型スイッチング機構であり、上記回転型スイッチング機構は、上記回転型スイッチング機構が第1又は第2の位置にて回転されたときに複数のモード間を循環し、且つ、上記スイッチング機構を少なくとも2つの軸方向位置の第2の位置に配置することによって上記モード作動可能/作動不能モードに移行するようにしてなる、請求項9に記載の電子装置。
  11. 作動可能又は作動不能とする上記モード機能は、上記選択されたモード機能が表示されたときに上記スイッチング機構の回動を停止することによって選択されるようにした、請求項9に記載の電子装置。
  12. 上記集積回路と作動結合する押しボタンを有し、このボタンの作動により、選択されたモード機能が以前に作動不能であるときには作動可能とし、以前に作動可能の時は作動不能とするようにした、請求項11に記載の電子装置。
  13. 上記電子装置は計時装置である請求項9に記載の電子装置。
  14. 上記計時装置は腕時計である請求項13の電子装置。
  15. モード選択機構と少なくともモード選択機構において作動可能な集積回路とを有すると共に、モードを作動可能/作動不能とするモードを備えてなるマルチモード型電子装置のモード機能を作動可能又は作動不能にする方法であって、
    モードを作動可能/作動不能とするモードに表示されるまでモード選択機構を作動させることによって、複数のモードからモードを作動可能/作動不能とするモードを選択し、
    上記集積回路をモードを作動可能/作動不能とするモードに移行させ、
    モード選択機構がモード機能の表示を介して循環するに伴って、複数のモード内において少なくとも表示済みモード機能のグループのモード機能表示体を表示し、
    作動可能または作動不能とすることが必要なときに上記グループのモード機能を選択し、グループモード機能が作動不能であったときには作動不能から作動可能へとグループモード機能をスイッチングし、グループモード機能が作動可能の場合には作動可能から作動不能へとスイッチングを開始することを特徴とする、モード機能を作動可能又は作動不能にする方法。
  16. 選択されたグループのモード機能を作動可能とし、
    作動可能又は作動不能が要求されるモード機能の選択されたグループから少なくとも第1のモード機能を選択し、上記第1のモード機能が作動不能であるときには作動可能とし、上記第1のモード機能が作動可能であるときには作動不能とするように、上記第1のモード機能のスイッチングを開始してなる、請求項15に記載の方法。
  17. 上記モードの作動可能/作動不能状態から抜け出してモード選択モードに戻り、上記複数のモード間において循環を継続し、上記複数のモードは作動可能状態にあって現時点では循環行程中において表示されるモード機能グループ内に少なくとも第1のモード機能を有し、これによって上記第1のモード機能が同可能状態となる前には表示されないようにしてなる、請求項16に記載の方法。
  18. 選択されグループのモード機能を作動可能状態にし、上記モードの作動可能/作動不能状態から抜け出してモード選択モードに戻り、上記複数のモード間において循環を継続し、上記複数のモードは作動可能状態にあって現時点では循環行程中において表示されるモード機能グループ内にモード機能を有し、これによって上記モード機能が作動可能状態となる前には表示されないようにしてなる、請求項15に記載の方法。
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