JP2020159696A - 電子時計及び表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のタイミングで時間の計測を開始させることができる電子時計及び表示方法を提供する。【解決手段】電子時計は、異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、表示部の動作を制御する制御部と、時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、を備え、制御部は、操作受付部に対して行われた第1の入力操作に応じて、その時点での表示モードから、第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を表示部へ示す経過時間表示モードに切り替える第1の表示切替制御B1を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、電子時計及び表示方法に関する。
従来、ストップウォッチ機能やタイマー機能といった、時間を計測する機能を備えた電子時計がある(例えば、特許文献1)。このような電子時計により時間の計測を開始させる場合には、まず所定の入力操作を行って時間の計測が可能な動作モード(例えば、ストップウォッチモードやタイマーモード)に遷移させた上で、時間の計測の開始を指示する所定の入力操作を行う。
特開2015−206770号公報
しかしながら、上記従来の技術では、計測開始前に動作モードの遷移のための時間や手間が掛かることに起因して、所望のタイミングで時間の計測を開始させることができない場合があるという課題がある。
この発明の目的は、所望のタイミングで時間の計測を開始させることができる電子時計及び表示方法を提供することにある。
異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、
前記表示部の動作を制御する制御部と、
時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作受付部に対して行われた前記第1の入力操作に応じて、その時点での前記表示モードから、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を前記表示部へ示す経過時間表示モードに切り替える第1の表示切替制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、所望のタイミングで時間の計測を開始させることができる。
電子時計の正面図である。 電子時計の機能構成を示すブロック図である。 時刻表示モード及びストップウォッチモードにおける電子時計の動作を説明する図である。 第1の表示切替制御による各指針の回転動作を示す図である。 第1の表示切替処理の制御手順を示すフローチャートである。 指針早送り処理の制御手順を示すフローチャートである。 第2の表示切替処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例に係る電子時計の正面図であり、電子時計のダイレクトスタート及びダイレクトリターンの動作を説明する図である。
以下、本発明の電子時計及び表示方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1の正面図である。
また、図2は、電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
この電子時計1は、図1に示すように、腕時計のようにユーザの腕に装着されるものであり、フレーム2と、フレーム2の内部に設けられた文字盤3と、文字盤3の表示面側(上面側)に配置された秒針11、分針12、時針13、24時間針14、副分針15、副時針16、副24時間針17及び機能針18と、文字盤3の下方に配置された日車19と、フレーム2の側面に設けられた押しボタンB1、押しボタンB2及びりゅうずC1とを備える。以降、秒針11、分針12、時針13、24時間針14、副分針15、副時針16、副24時間針17、機能針18及び日車19の一部又は全部をまとめて指針11〜19のようにも記す。
文字盤3及び指針11〜18の上方は、図示略の透明な風防ガラスで覆われている。また、日車19の下面(文字盤3に対向する面とは反対側)のフレーム2内には、電子時計1の駆動制御に係る各構成及び電源部が設けられ、裏蓋で覆われている。
文字盤3には、時刻や他の種々の機能に係る表示を行うための目盛や標識が設けられている。また、4時の方向には、開口部3aが設けられ、日車19上の日付標識が選択的に露出可能となっている。また、文字盤3には、小窓4、5、6、7が設けられている。
これらの指針11〜19及び文字盤3により表示部Dが構成される。指針11〜19は、それぞれ回転動作することで文字盤3(標識や目盛)との位置関係により予め定められた表示内容を示す指示動作を行う。表示部Dは、指針11〜18が指し示す方向や日車19の回転角度(開口部3aから露出される標識)に応じて、日時や計測時間のアナログ表示を行う。
秒針11は、文字盤3の略中央を回転軸として文字盤3に平行な面内で回転可能に設けられている。秒針11は、複数の歯車列である輪列機構61を介して伝えられるステッピングモータ51のステップ動作に応じて1秒に対応する角度(6度)ずつ回転動作する。
分針12及び時針13は、文字盤3の略中央を回転軸として、それぞれ文字盤3に平行な面内で回転可能に設けられている。また、24時間針14は、小窓4の略中央を回転軸として文字盤3に平行な面内で回転可能に設けられている。分針12、時針13及び24時間針14は、輪列機構62を介して伝えられるステッピングモータ52のステップ動作に応じ、それぞれ所定の角度ずつ連動して回転動作する。1ステップ当たりの時針13の回転角度は、分針12の回転角度の1/12となっており、分針12が60分で360度(一周)移動するごとに、時針13が1時間に対応する30度移動する。また、1ステップ当たりの24時間針14の回転角度は、時針13の回転角度の1/2となっている。
秒針11、分針12、時針13及び24時間針14により表示される時刻は、近距離無線通信、ここではBluetooth(登録商標)により外部の電子機器(例えば、スマートフォン)から取得された時刻情報に基づく基本時刻である。また、Bluetoothによる外部の電子機器とのペアリングが行えない場合など、基本時刻が取得できない状況下では、指針11〜14は、予めユーザにより設定されたデュアルタイム(第2時刻)を表示する。
また、秒針11は、時刻の表示に用いられると共に、後述するストップウォッチ機能の実行時に、計測時間を示すのにも用いられる。
副分針15及び副時針16は、小窓5の内部で回転可能に設けられている。また、副24時間針17は、小窓6の内部で回転可能に設けられている。これらの副分針15、副時針16及び副24時間針17により、上述の指針11〜14により示される時刻とは異なる時刻を表示することができる。本実施形態では、指針15〜17は、上述のデュアルタイムを表示する。また、指針15〜17は、ストップウォッチ機能の実行時に、計測時間を示すのにも用いられる。
副分針15、副時針16及び副24時間針17は、輪列機構63を介して伝えられるステッピングモータ53のステップ動作に応じてそれぞれ所定の角度ずつ連動して回転動作する。副時針16の1ステップ当たりの回転角度は、副分針15の回転角度の1/12となっており、副分針15が60分で360度(一周)移動するごとに、副時針16が1時間に対応する30度移動する。また、1ステップ当たりの副24時間針17の回転角度は、副時針16の回転角度の1/2となっている。
機能針18は、小窓7の内部で所定の角度範囲内で回転(往復)可能に設けられている。機能針18は、曜日やその他の機能に係る種々の表示を行うための指針である。また、機能針18は、ストップウォッチ機能において2回目以降のラップタイムが取得された場合に、1つ前のラップタイムとの差分時間(秒)を表示するのに用いられる。機能針18は、輪列機構64を介し、ステッピングモータ54のステップ動作に応じて所定の角度ずつ回転動作する。
日車19は、文字盤3の下面側に当該文字盤3と平行に設けられた回転可能な円盤部材(中央に孔部が設けられた円環状を含む)であり、一の円周上に日付を示す「1」〜「31」の日付標識が所定間隔で順番に設けられている。日車19が回転動作されることにより、これらの日付標識のうちの一つが開口部3aから選択的に露出されることで、指針11〜14により示される時刻と対応する日の情報が示される。日車19は、輪列機構65を介し、ステッピングモータ55のステップ動作に応じて所定の角度ずつ回転動作する。
ステッピングモータ51〜55は、それぞれモータ駆動回路50から入力される駆動パルスの電圧波形に基づいてステップ駆動されて、指針11〜19を上述した1ステップ当たりの回転角度ずつ、正転方向(時刻、時間が進む方向)又は逆転方向(時刻、時間が戻る方向)に回転移動させる。これらのステッピングモータ51〜55は、時刻又は計測時間の表示中には、1pps(pulse per second)の駆動パルスにより駆動動作する。また、ステッピングモータ51〜55は、正転方向に最速で90ppsの駆動パルスにより駆動動作して指針11〜19を正転方向に早送り回転させることが可能であり、また逆転方向に最速で30ppsの駆動パルスにより駆動動作して指針11〜19を逆転方向に早送り回転させることが可能である。
輪列機構61〜65には、複数の歯車間にそれぞれ遊び(バックラッシュ)があり、回転方向を反転させた場合に、当該バックラッシュに応じたステップ数空回りが生じる。この空回りステップ数(バックラッシュステップ数)は、各輪列機構について予め検査されて、ROM42などに記憶保持されている。
押しボタンB1、B2及びりゅうずC1は、操作受付部47が備える外部からの入力操作を受け付ける構成である。押しボタンB1、B2は、外部からの押下操作を受け付ける。りゅうずC1は、初期位置から引き出された状態で、回転操作を受け付ける。りゅうずC1は、2段階で引き出すことが可能であり、各引き出し位置で回転操作を受け付ける。操作受付部47は、これら押しボタンB1、B2の押下操作及びりゅうずC1の引き出し、押し戻し、回転操作を検出して、操作種別に応じた入力信号をCPU41に出力する。
電子時計1は、上述の各構成に加えて駆動制御に係る構成として、図2に示すように、CPU41(制御部)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、発振回路44と、分周回路45と、計時回路46と、報知動作部48と、通信部49と、モータ駆動回路50などを備える。これらの構成間では、バス30を介して互いにコマンドやデータのやり取りが行われる。
CPU41は、各種演算処理を行い、電子時計1の全体動作を統括制御するプロセッサである。CPU41は、指針11〜17により、計時回路46が計数する日時に応じた時刻を表示させ、また、機能針18及び日車19により曜日と日付の表示を行わせる。また、CPU41は、指針11、15〜17により、ストップウォッチ機能が実行されて計測された時間を表示させる。CPU41は、指針11〜17により時刻を表示させる場合には、1ステップごとに、計時回路46が計数する日時と各指針の位置が整合しているか否かを判定し、整合している場合にモータ駆動回路50からステッピングモータ51〜53に対して駆動パルスを供給させて、次のステップ動作を行わせる。同様に、CPU41は、指針11、15〜17により計測時間を表示させる場合には、1ステップごとに、CPU41が計数している時間(計測時間情報431)と各指針の位置が整合しているか否かを判定し、整合している場合にモータ駆動回路50からステッピングモータ51、53に対して駆動パルスを供給させて、次のステップ動作を行わせる。また、CPU41は、通信部49を介して外部から取得された時刻情報に基づいて計時回路46に信号を送り、計時回路46が計数する基本時刻を修正(補正)する。また、CPU41は、ユーザによるデュアルタイムの設定の変更に応じて、計時回路46が計数するデュアルタイムを修正する。また、CPU41は、ストップウォッチ機能、アラーム報知機能などの実行される各種機能に応じた制御を行うプログラムを呼び出して実行する。
ROM42は、電子時計1の動作制御に係るプログラム421や設定データを格納する。ROM42には、上書き更新が可能なフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが含まれていても良い。
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データや更新可能な設定データを記憶する揮発性メモリである。この更新可能な設定データには、アラーム報知動作の実行有無(可否)及び実行時刻に係る設定などが含まれ得る。また、読み書き更新可能なデータとして、ストップウォッチ機能においてCPU41が計数している計測時間に係る計測時間情報431や、ラップタイムの計測結果に係るラップタイム情報432などが記憶される。ラップタイム情報432に記憶可能なラップタイムの数は、電子時計1の用途などに応じて定めることができる。本実施形態では、200本のラップタイムが記憶可能となっている。
これらCPU41、ROM42及びRAM43は、単一のICチップ上などに形成可能である。
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して分周回路45に出力する。発振回路44には、例えば、水晶発振子などが用いられる。
分周回路45は、発振回路44から入力された所定の周波数信号を分周してCPU41などが動作に用いる周波数信号(クロック信号)に変換して出力する。この変換先の周波数は、CPU41からの制御命令などに応じて変更可能とされても良い。
計時回路46は、分周回路45から入力されたクロック信号に基づいて、基本時刻及びデュアルタイムをそれぞれ計数して保持する。この計時回路46が保持する時刻は、電子時計1独自のフォーマットで数値を計数するものであっても良いし、年月日時分秒の形で保持しているものであっても良い。
操作受付部47は、押しボタンB1、B2の押下状態やりゅうずC1の引き出し操作、回転操作及び押し戻し操作を各々検知し、電気信号に変換してCPU41に出力する。
報知動作部48は、CPU41からの制御信号に応じてユーザに所定の報知動作を行う。報知動作部48は、例えば、ビープ音を発生するビープ音出力部や、振動を発生する振動発生部などを有する。ビープ音発生部や振動発生部には、それぞれ、圧電素子やおもり付きモータなど周知の構成が用いられ得る。
通信部49は、外部の電子機器と通信を行う場合のデータの送受信及びその制御を行う。通信部49は、例えば、Bluetoothにより外部の電子機器と無線通信が可能であり、外部から時刻情報などの設定データなどを受信取得したり、計測時間情報431及びラップタイム情報432を外部に送信出力したりすることができる。
モータ駆動回路50は、CPU41から入力された制御信号に応じてステッピングモータ51〜55をそれぞれ駆動してステップ動作させるための駆動電圧パルスを適切なタイミング及びパルス幅で出力する。駆動電圧パルスの幅は、CPU41からの制御信号により適宜調節されることが可能となっている。また、複数のステッピングモータを同時に駆動する制御信号が入力された場合には、モータ駆動回路50は、電子時計1の最大負荷に応じて問題が生じない範囲で適宜駆動タイミングをずらして駆動電圧パルスを出力する。
次に、本実施形態の電子時計1における時間計測及び表示に係る動作について説明する。
電子時計1では、現在時刻を表示する時刻表示機能、及び時間を計測して計測結果を表示するストップウォッチ機能が実行可能となっている。これらの機能がユーザ操作に基づいて起動されると、対応する制御用のプログラム421がROM42から読み出されて実行される。以下では、時刻表示機能が実行されている状態における表示部Dの表示モードを時刻表示モードと記し、ストップウォッチ機能が実行されている状態における表示部Dの表示モードをストップウォッチモード(経過時間表示モード)と記す。このように、電子時計1の表示部Dは、異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示することができる。以下では、表示部Dの表示モードを切り替えることを「(モードの)遷移」とも記す。
図3は、時刻表示モード及びストップウォッチモードにおける電子時計1の動作を説明する図である。
図3に示すように、ストップウォッチモードでは、時間を計測して計測中の時間を表示する時間計測動作A1、時間の計測を一時停止する一時停止動作A2、ラップタイムを取得して表示するラップタイム取得表示動作A3、計測時間を初期値(0秒)に戻すリセット動作A4が実行可能となっている。以下ではこれらの動作をまとめて動作A1〜A4などとも記す。
図3では、時刻表示モード、及びストップウォッチモードの各動作A1〜A4の実行中に、押しボタンB1、B2に対する入力操作がなされた場合の動作の遷移が矢印で示されている。以下の動作の遷移の説明では、押しボタンB1(B2)を押下する入力操作(押下操作)を行うことを、単に「押しボタンB1(B2)を押す」とも記す。
時刻表示モードでは、CPU41による制御下で、表示部Dは、指針11〜19により現在時刻を表示する。
時刻表示モードにおいて押しボタンB1が押されると、ストップウォッチモードに遷移するとともに、時間計測動作A1が開始される。すなわち、時刻表示モードにおいては、押しボタンB1に、ストップウォッチモードへのモード遷移、及び時間計測動作A1の開始の2つの指示機能が割り当てられている。これにより、ユーザは、押しボタンB1を押す単一の入力操作により、ストップウォッチモードへの遷移と、時間計測動作A1の開始とを一度に指示することができる。以下では、時刻表示モードにおいて行われた押しボタンB1の押下操作に応じて時間計測動作A1が直接開始される動作を、「ダイレクトスタート」とも記す。また、時刻表示モードにおいて押しボタンB1を押す入力操作が、「時間の計測の開始を指示する第1の入力操作」に相当する。
詳しくは、時刻表示モードにおいて押しボタンB1が押されると、押しボタンB1が押された時点で時間の計測が開始される。すなわち、CPU41により、分周回路45から入力される所定の周波数の分周信号が計数されて、計測開始タイミングからの経過時間を表す計測時間情報431としてRAM43に記憶、更新される。
また、押しボタンB1を押下する入力操作に応じて、表示部Dによる表示が、時刻表示から、計測されている時間を示す表示(押しボタンB1が押された時点からの経過時間の情報を示す経過時間表示)に切り替わる。具体的には、押しボタンB1が押された時点からの経過時間に応じた移動先の位置まで、秒針11、副分針15、副時針16及び副24時間針17が早送り回転する。また、機能針18は、12時方向の位置に向かって早送り回転する。そして、早送り回転が終了した指針から、計測時間に応じた通常速度の運針に移行する。このように、経過時間表示において経過時間の進行を表示するときの回転速度より速い回転速度で指針11、15〜18が早送り回転することで、表示部Dにおける表示が短時間で経過時間表示に切り替わる。
表示部Dの表示を、時刻表示モードにおける時刻から、ストップウォッチモードにおける経過時間表示に切り替えるためにCPU41が行う制御が、第1の表示切替制御に相当する。
なお、分針12、時針13、24時間針14及び日車19は、ストップウォッチモードにおいても引き続き基本時刻を表示する。
図4は、第1の表示切替制御による各指針の回転動作を示す図である。
図4では、指針の早送り回転が2重線の矢印で描かれ、早送り回転の終了後、計測時間に応じた通常速度の運針が行われているときの指針の回転が単線の矢印で描かれている。
時刻表示モードにおいて押しボタンB1が押されると、図4(a)に示すように、秒針11が正転方向に最高速度で(90ppsで)早送り回転する。また、副分針15、副時針16、副24時間針17が、正転方向及び逆転方向のうち移動先の位置までの移動時間が短くなる回転方向に、最高速度で(正転方向の場合は90pps、逆転方向の場合は30ppsで)早送り回転する。また、機能針18が、12時方向の位置に向かって早送り回転する。そして、押しボタンB1が押された時点からの経過時間に応じた移動先の位置まで早送り回転された指針は(すなわち、計測中の時間に対応する位置に一致した指針は)、以降、計測時間に応じた通常速度の運針に移行する。
図4の例では、まず秒針11が計測中の時間に対応する位置に到達して早送り回転が終了し、計測時間の秒数の表示を開始する(図4(b))。また、機能針18が12時方向の位置に到達してその位置で停止する(図4(c))。その後、副分針15、副時針16、副24時間針17の早送り回転が終了して、計測時間の時分の表示を開始する(図4(c))。図4(c)に示されている表示が「経過時間表示」に相当する。指針15〜17は連動して回転するため、通常、秒針11及び機能針18よりも早送り回転の終了タイミングが遅くなるが、秒針11が計測時間の表示を開始しているため、ユーザは必要な計測時間の情報を得ることができる。
このように、指針11、15〜17は、リセット(帰零)位置では停止せず、時刻表示を行っていた位置から、計測時間を表す位置まで直接早送り回転する。
図3に示すように、時間計測動作A1の実行中に押しボタンB1が押されると、時間の計測が一時停止され、指針11、15〜17の回転動作が停止する(一時停止動作A2)。また、一時停止動作A2の実行後に(すなわち一時停止中に)押しボタンB1が押されると、時間の計測、及び指針11、15〜17の回転動作が再開される(時間計測動作A1)。
時間計測動作A1の実行中に押しボタンB2が押されると、ラップタイム取得表示動作A3が実行される。ラップタイム取得表示動作A3では、押しボタンB2が押された時点での計測時間がラップタイムとしてRAM43のラップタイム情報432に記憶されるとともに、計測時間情報431における計測時間が初期値(0秒)に戻されて(リセットされて)新たに時間の計測が開始される。また、押しボタンB2が押された時点で指針11、15〜17が一時停止することで、ラップタイムが表示される。また、取得されたラップタイムが2本目以降のラップタイムである場合には、1つ前のラップタイムとの差分時間(ラップタイム差)が機能針18により表示される。
ラップタイム取得表示動作A3の開始から所定時間(ここでは、10秒)が経過すると、指針11、15〜17が、新たに計測開始された時間(この時点では、10秒)を示す位置に自動的に早送り回転する(フライバック)。また、機能針18が、ラップタイム差0秒を示す位置に早送り回転する。なお、機能針18は、次にラップタイム取得表示動作A3が開始されるまで、直近のラップタイム差の表示を維持していても良い。
また、ラップタイム取得表示動作A3の実行中に押しボタンB1が押されると、上述した一時停止動作A2が実行される。
なお、図3では記載が省略されているが、ラップタイム取得表示動作A3の実行中にさらに押しボタンB2が押された場合には、新たにラップタイム取得表示動作A3が開始されて、ラップタイムがRAM43に記憶され、指針11、15〜18によりラップタイムが表示される。
一時停止動作A2の実行後に(すなわち、時間計測の一時停止中に)押しボタンB2が押されると、リセット動作A4が実行される。リセット動作では、計測時間情報431における計測時間が初期値(0秒)に戻されるとともに、ラップタイム情報432のラップタイムがクリアされ、指針11、15〜18が零時の位置に早送り回転する。
リセット動作A4の実行後に押しボタンB1が押されると、時間計測動作A1が実行される。
ストップウォッチモードのこれら各動作における表示部Dによる表示には、時間計測動作A1における計測中の時間の表示(時刻表示モードからのダイレクトスタート時の経過時間表示を含む)、一時停止動作A2における指針11、15〜17が停止した状態の表示、ラップタイム取得表示動作A3におけるラップタイムの表示、及びリセット動作A4におけるリセット後の表示などが含まれる。以下では、ストップウォッチモードにおけるこれらの表示を、まとめて時間計測表示とも記す。
リセット動作A4の実行後に押しボタンB2が押されると、ストップウォッチモードが終了して時刻表示モードに遷移する。ここでは、計時回路46が計数している現在時刻が取得され、指針11、15〜18が現在時刻の位置(秒針11及び機能針18は、基本時刻に応じた位置、指針15〜17は、デュアルタイムに応じた位置)に早送り回転する。そして、早送り回転が終了した指針から、通常の時刻表示の運針に移行する。
また、ストップウォッチモードにおける任意の動作A1〜A4の実行中に(すなわち、表示部Dにより、任意の時間計測表示が行われているときに)、押しボタンB1に対して、所定時間以上継続する押下操作(以下では、長押し操作とも記す)が行われると、ストップウォッチモードの動作が強制的に終了して時刻表示モードに遷移する。上記の所定時間、すなわち長押し時間は、数秒程度とすることができ、本実施形態では2秒である。押しボタンB1の長押し操作に応じて時刻表示モードに遷移する動作を、以下では「ダイレクトリターン」とも記す。
ダイレクトリターンが開始されると、計測時間情報431における計測時間が初期値(0秒)に戻されるとともに、ラップタイム情報432のラップタイムがクリアされ、指針11、15〜18が現在時刻の位置に早送り回転する。そして、早送り回転が終了した指針から、通常の時刻表示の運針に移行する。
押しボタンB1に対する長押し操作が、「時間の計測に係る時間計測表示の終了を指示する第2の入力操作」に相当する。また、上記長押し操作に応じて、表示部Dによる表示を、ストップウォッチモードにおける時間計測表示から時刻表示モードにおける時刻表示に切り替える制御が、第2の表示切替制御に相当する。
本実施形態の電子時計1では、分針12及び時針13が、時刻表示モード及びストップウォッチモードのいずれにおいても現在時刻を表示し、秒針11の動作も、見かけ上は現在時刻を表示しているときと同様である。このため、時刻表示モード及びストップウォッチモードのいずれで動作しているかを判別しにくい場合があるが、押しボタンB1の長押し操作によるダイレクトリターンが可能となっていることで、簡易かつ確実に時刻表示モードに遷移させることができる。
図3において矢印で示されている各動作遷移では、報知動作部48による報知動作が併せて行われても良い。報知動作としてビープ音を発生させる場合には、遷移先の動作に応じてビープ音の長さや発生回数を異ならせても良い。
なお、図3では省略されているが、時刻表示モードでりゅうずC1が1段階引き出されると、アラーム報知動作及びデュアルタイムに係る設定を行う第1設定モードに遷移する。第1設定モードでアラーム報知動作の設定(実行可否及び実行時刻等)が行われると、設定内容に応じて、設定された時刻に所定のアラーム報知動作が実行される。また、第1設定モードでデュアルタイムの設定が変更されると、当該変更に応じて、計時回路46が計数しているデュアルタイムが修正される。
また、りゅうずC1が2段階引き出されると、各指針の位置の微調整や、Bluetoothによるペアリングに係る各種設定を行う第2設定モードに遷移する。
りゅうずC1が初期位置に押し戻されると、第1設定モード又は第2設定モードが終了して時刻表示モードに遷移する。
また、ストップウォッチモードでは、図3に示した各動作A1〜A4に加えて、スプリットタイムを取得して表示するスプリットタイム取得表示動作などがさらに実行可能とされていても良い。
図5は、ダイレクトスタートを行うための第1の表示切替処理の、CPU41による制御手順(上述した第1の表示切替制御の手順)を示すフローチャートである。この第1の表示切替処理は、時刻表示モードにおいて押しボタンB1が押された場合に開始される。
第1の表示切替処理が開始されると、CPU41は、時間の計測を開始する(ステップS101)。すなわち、CPU41は、分周回路45から入力される所定の周波数の分周信号を計数して、押しボタンB1が押された時点からの経過時間を表す計測時間情報431としてRAM43に記憶させる。
CPU41は、秒針11、副分針15、副時針16、副24時間針17及び機能針18の移動先位置を、計測時間に対応する位置に設定し(ステップS102)、後述する指針早送り処理を呼び出して実行する(ステップS103)。
CPU41は、早送り回転が完了した指針から順次、現在の計数時間に応じた1ppsの運針を開始し(ステップS104)、第1の表示切替処理を終了させる。
図6は、指針早送り処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
指針早送り処理が開始されると、CPU41は、モータ駆動回路50に制御信号を出力して秒針11を移動先位置まで最高速度(90pps)で正転方向に早送り回転させる(ステップS201)。ここでは、CPU41は、ステッピングモータ51のステップ駆動ごとに、秒針11の位置が現在の計数時間に対応する位置に一致したか否かを判定し、一致したと判定されるまで秒針11を正転方向に早送り回転させる。
CPU41は、機能針18を移動先位置(12時方向の位置)まで最高速度で早送り回転させる(ステップS202)。機能針18の回転方向は、ステップS202の開始時点での機能針18の位置により定まる。
CPU41は、副分針15、副時針16及び副24時間針17の現在位置と、移動先位置とを比較して、正転方向及び逆転方向のうち移動に要する最短時間が短くなる方向を特定する(ステップS203)。ここでは、CPU41は、正転方向の最高速度と逆転方向の最高速度との相違を考慮した最短時間に基づいて回転方向を特定する。
CPU41は、副分針15、副時針16及び副24時間針17の回転方向が逆転方向に設定されたか否かを判定し(ステップS204)、逆転方向に設定されたと判定された場合には(ステップS204で“Yes”)、ROM42から指針15〜17のバックラッシュステップ数を読み出し、モータ駆動回路50に制御信号を出力して、指針15〜17をバックラッシュステップ数だけ30ppsで逆転方向に早送り回転させる(ステップS205)(空回り中には、実際には指針15〜17は回転しない)。
ステップS205の処理が終了した場合、又はステップS204の処理において指針15〜17の回転方向が正転方向に設定されたと判別された場合には(ステップS204で“No”)、CPU41は、モータ駆動回路50に制御信号を出力し、これらの指針15〜17が移動先位置に到達するまで(すなわち、指針15〜17の位置が、その時点での計測時間に対応する位置に一致するまで)、設定された回転方向で早送りさせる(ステップS206)。ここでは、CPU41は、ステッピングモータ53のステップ駆動ごとに、指針15〜17の位置がその時点での計測時間に対応する位置に一致するか否かを判定し、一致したと判定されるまで指針15〜17を早送り回転させる。
指針15〜17の早送り回転が終了すると、CPU41は、指針15〜17を逆転方向に早送り回転させたか否かを判定する(ステップS207)。逆転方向に早送り回転させたと判定された場合には(ステップS207で“YES”)、CPU41は、モータ駆動回路50に制御信号を出力し、指針15〜17のバックラッシュステップ数だけ正転方向に90ppsで早送り回転させる(ステップS208)。ここでも指針15〜17は、空回り中には実際には移動しない。
ステップS208の処理が終了した場合、又はステップS207の処理において指針15〜17を正転方向に早送り回転させたと判定された場合(ステップS207で“NO”)には、CPU41は、指針早送り処理を終了して処理を第1の表示切替処理に戻す。
図7は、ダイレクトリターンを行うための第2の表示切替処理の、CPU41による制御手順(上述した第2の表示切替制御の手順)を示すフローチャートである。この第2の表示切替処理は、ストップウォッチモードにおいて押しボタンB1に対する長押し操作が行われた場合に開始される。
第2の表示切替処理が開始されると、CPU41は、計時回路46から現在時刻を取得する(ステップS301)。
CPU41は、秒針11、副分針15、副時針16、副24時間針17及び機能針18の移動先位置を、現在時刻(秒針11及び機能針18は基本時刻、指針15〜17はデュアルタイム)に対応する位置に設定し(ステップS302)、指針早送り処理を呼び出して実行する(ステップS303)。ステップS303で呼び出される指針早送り処理では、CPU41は、秒針11の位置が基本時刻に対応する位置に一致するまで秒針11を正転方向に早送り回転させ、機能針18が基本時刻の曜日に対応する位置に一致するまで機能針18を早送り回転させ、指針15〜17の位置がデュアルタイムに対応する位置に一致するまで指針15〜17を正転方向又は逆転方向に早送り回転させる。
CPU41は、早送り回転が完了した指針から順次、現在時刻に応じた1ppsの運針を開始し(ステップS304)、第2の表示切替処理を終了させる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。本変形例の電子時計1は、デジタル表示を行う表示部Dを備えている点で上記実施形態と異なる。
図8は、本変形例に係る電子時計1の正面図であり、電子時計1のダイレクトスタート及びダイレクトリターンの動作を説明する図である。
図8に示すように、電子時計1は、フレーム2と、フレーム2の正面側に設けられた表示部Dと、フレーム2の側面に設けられた押しボタンB1、B2とを備える。
表示部Dは、特には限られないが、例えば、液晶表示ディスプレイ(LCD)である。表示部Dは、時刻などの数値や所定の標識を表示するためのセグメント表示部D1、及び曜日などの情報を表示するためのドットマトリクス表示部D2により構成されている。
図8の上側には、時刻表示モードの電子時計1が示されている。ここでは、セグメント表示部D1には、午前(AM)8時52分48秒であることが示され、ドットマトリクス表示部D2には、火曜日(TUE)であることが示されている。
図8の下側には、ストップウォッチモードの電子時計1が示されている。ここでは、セグメント表示部D1において、ストップウォッチモードであることを示す「SW」の標識とともに、計測中の時間が表示されている。
本変形例の電子時計1も、ダイレクトスタート及びダイレクトリターンが可能となっている。すなわち、時刻表示モードにおいて押しボタンB1を押すことで、ストップウォッチモードに遷移するとともに、時間計測動作が直接開始される。また、ストップウォッチモードにおいて押しボタンB1を長押しすることで、ストップウォッチモードの任意の動作から時刻表示モードに遷移する。
本変形例の電子時計1における押しボタンB1、B2の機能は、上記実施形態と同一とすることができ、この場合には、ダイレクトスタート及びダイレクトリターンを除いた各動作遷移は、図3に示した内容と同一である。
以上のように、本実施形態に係る電子時計1は、異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部Dと、表示部Dの動作を制御する制御部としてのCPU41と、時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を押しボタンB1により受け付ける操作受付部47と、を備え、CPU41は、押しボタンB1に対して行われた第1の入力操作に応じて、その時点での表示モードから、第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を表示部Dへ示すストップウォッチモード(経過時間表示モード)に切り替える第1の表示切替制御を行う。
これによれば、ユーザは、押しボタンB1を押下する単一の入力操作(第1の入力操作)により、ストップウォッチモードへの遷移と、時間計測動作A1の開始とを一度に指示することができる(すなわち、ダイレクトスタートを行わせることができる)。よって、時間の計測を開始させるために、ストップウォッチモードに遷移させるための入力操作と、モード遷移後に時間の計測の開始を指示する入力操作と、を必要としていた従来の技術と比較して、より簡易かつ短時間の操作で、迷うことなく時間の計測を開始させることができる。また、単一の入力操作により直接時間の計測が開始されるため、所望のタイミングで時間の計測を開始させて、計測時間を表示させることができる。
また、表示部Dは、回転可能に設けられた指針11、15〜17を有し、CPU41は、指針11、15〜17の回転を制御し、第1の表示切替制御では、第1の入力操作が行われた時点からの経過時間に応じた移動先の位置まで指針11、15〜17を早送り回転させる。これによれば、指針によるアナログ表示を行う表示部Dを備えた電子時計1において、所望のタイミングで時間の計測を開始させて、計測時間を表示させることができる。
また、第1の表示切替制御における指針11、15〜17の早送りの回転速度は、ストップウォッチモードにおいて経過時間の進行を表示するときの指針11、15〜17の回転速度より速い。これにより、計測中の時間が表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
また、CPU41は、表示部Dに時刻情報の表示を行わせる時刻表示モードへ切り替えることが可能であり、時刻表示モードの実行中に行われた第1の入力操作に応じて、表示部Dの表示モードを時刻表示モードからストップウォッチモードに切り替える第1の表示切替制御を行う。これにより、時刻表示モードの実行中において、所望のタイミングで時間の計測を開始させて、計測時間を表示させることができる。
また、操作受付部47は、第1の表示切替制御の終了後に行われている、ストップウォッチモードの終了を指示する第2の入力操作を押しボタンB1により受け付け、CPU41は、ストップウォッチモードでの表示を表示部Dに行わせているときに押しボタンB1に対して行われた第2の入力操作に応じて、表示部Dの表示モードをストップウォッチモードから所定の表示モードに切り替える第2の表示切替制御を行う。これによれば、ユーザは、押しボタンB1に対する単一の入力操作(第2の入力操作)により、ストップウォッチモードの任意の動作を終了させて、時刻表示モード等の所定の表示モードに遷移させることができる(すなわち、ダイレクトリターンを行わせることができる)。特に、アナログ表示を行う表示部Dを備えた電子時計1では、指針の動作が見かけ上は現在時刻を表示しているときと同様であるため、時刻表示モード及びストップウォッチモードのいずれで動作しているかを判別しにくい場合があるが、第2の入力操作によるダイレクトリターンが可能となっていることで、簡易かつ確実にストップウォッチモードの動作を終了させて時刻表示モード等の所定の表示モードに切り替えることができる。
また、操作受付部47は、押下操作を受け付ける押しボタンB1を有し、第2の入力操作は、押しボタンB1に対する所定時間以上継続する押下操作である。このように、通常の短時間の押下操作とは異なる長押し操作が第2の入力操作として定められていることで、第2の入力操作を他の入力操作と区別して受け付けることができる。よって、ユーザは、長押し操作により、意図どおりに確実にダイレクトリターンを行わせることができる。
また、本実施形態に係る表示方法は、異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部Dと、時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部47と、を備えた電子時計1における表示方法であって、操作受付部47に対して行われた第1の入力操作に応じて、その時点での表示モードから、第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を表示部Dへ示すストップウォッチモード(経過時間表示モード)に切り替える。
このような方法によれば、ユーザは、押しボタンB1を押下する単一の入力操作(第1の入力操作)により、ストップウォッチモードへの遷移と、時間計測動作A1の開始とを一度に指示することができる(すなわち、ダイレクトスタートを行わせることができる)。よって、より簡易かつ短時間の操作で、迷うことなく時間の計測を開始させることができる。また、単一の入力操作により直接時間の計測が開始されるため、所望のタイミングで時間の計測を開始させて、計測時間を表示させることができる。
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る電子時計及び表示方法の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、経過時間表示モードとしてストップウォッチモードを例に挙げて説明したが、これに限定する趣旨ではなく、経過時間表示モードは、タイマーモードなどの、時間の計測結果を表示する任意の表示モードとすることができる。すなわち、第1の入力操作に応じて、時間の計測が直接開始されて経過時間表示モードに遷移する態様であれば、計測する時間の種別は特に限定されない。
また、上記実施形態では、第1の入力操作及び第2の入力操作がいずれも押しボタンB1に対する押下操作である例を用いて説明したが、これに限られず、別個の押しボタンに対する押下操作がそれぞれ第1の入力操作及び第2の入力操作とされていても良い。この場合の第2の入力操作は、長押し操作に代えて、通常の短時間の押下操作であっても良い。
また、第1の入力操作及び第2の入力操作は、押しボタンに対する押下操作に限られない。例えば、第1の入力操作及び第2の入力操作は、りゅうずの引き出し又は押し込み操作などであっても良いし、操作受付部47が、表示部Dに設けられたタッチパネルを含む構成において、当該タッチパネルに対してなされる接触操作であっても良い。
また、ダイレクトスタートが行われるときの表示部Dの表示モードは、時刻表示モードに限られない。すなわち、時刻表示モードを除く任意の表示モードとなっているときに第1の入力操作が受け付けられて、ダイレクトスタートが行われても良い。
また、ダイレクトリターンによる遷移先の表示モードは、時刻表示モードに限られない。例えば、ストップウォッチモードの開始前の表示モードが時刻表示モード以外の表示モードである場合に、ダイレクトリターンにより、当該時刻表示モード以外の表示モードに遷移するようになっていても良い。特に、デジタル表示の表示部Dを備えた変形例の電子時計1では、標識などにより現在の表示モードを明確に表示することができるため、ダイレクトリターンによって時刻表示モード以外の表示モードに違和感なく遷移させることができる。
また、押しボタンの長押し時間に応じてダイレクトリターンによる遷移先の表示モードを選択できるようにしても良い。例えば、押しボタンを2秒以上長押しすることで、ストップウォッチモードの開始前に行われていた表示モードに遷移し、4秒以上長押しすることで時刻表示モードに遷移するようにしても良い。
また、電子時計1は、3つ以上の押しボタンを備えていても良い。このうちいずれかの押しボタンには、表示モードを遷移させる機能が割り当てられていても良い。この場合における表示モードには、時刻表示モードの他に、タイマーモード、世界の各地の時刻を表示する世界時計モード、アラーム報知時刻を設定するアラーム設定モードなどを含めることができる。また、ストップウォッチモードが、押しボタンにより遷移可能な表示モードに含められても良い。すなわち、ダイレクトスタートの他に、押しボタンに対する入力操作に応じたモード遷移によってもストップウォッチモードへの遷移が可能とされていても良い。
また、上記実施形態では、指針早送り処理において、秒針11は正転方向に早送り回転させ、副分針15、副時針16及び副24時間針17は正転方向及び逆転方向のうち早送り時間が短くなる方向に早送り回転させることとしたが、これに限られない。すなわち、秒針11を、正転方向及び逆転方向のうち早送り時間が短くなる方向に早送り回転させることとしても良い。また、副分針15、副時針16及び副24時間針17を、常に正転方向に早送り回転させることとしても良い。
また、上記実施形態では、分針12、時針13及び24時間針14が連動して回転し、副分針15、副時針16及び副24時間針17が連動して回転する例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。すなわち、分針12、時針13及び24時間針14の一部又は全部が独立して回転する構成としても良く、また副分針15、副時針16及び副24時間針17の一部又は全部が独立して回転する構成としても良い。特に、副時針16及び副24時間針17を副分針15と独立して回転可能な構成とすることで、ダイレクトスタート及びダイレクトリターンにおける早送り時間を短縮させることができる。
また、上記実施形態では、ストップウォッチモードにおける計測時間の時分を副分針15、副時針16及び副24時間針17により表示させる例を用いて説明したが、これに限られず、分針12、時針13及び24時間針14により計測時間の時分を表示させても良い。
また、上記実施形態では、腕時計型の電子時計1を例に挙げて説明したが、これに限られない。その他各種携帯型のものであっても良く、床や机上などに載置された場合に好適に表示を視認可能な形状を有するものであっても良い。
また、以上の説明では、本発明に係るCPU41による表示切替制御に係る処理動作のプログラム421のコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの各種不揮発性メモリを含み得るROM42を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)や、CD−ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
また、上記実施形態における電子時計1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、
前記表示部の動作を制御する制御部と、
時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作受付部に対して行われた前記第1の入力操作に応じて、その時点での前記表示モードから、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を前記表示部へ示す経過時間表示モードに切り替える第1の表示切替制御を行うことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記表示部は、回転可能に設けられた指針を有し、
前記制御部は、
前記指針の回転を制御し、
前記第1の表示切替制御では、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間に応じた移動先の位置まで前記指針を早送り回転させることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
<請求項3>
前記第1の表示切替制御における前記指針の早送りの回転速度は、前記経過時間表示モードにおいて前記経過時間の進行を表示するときの前記指針の回転速度より速いことを特徴とする請求項2に記載の電子時計。
<請求項4>
前記制御部は、
前記表示部に時刻情報の表示を行わせる時刻表示モードへ切り替えることが可能であり、
前記時刻表示モードの実行中に行われた前記第1の入力操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記時刻表示モードから前記経過時間表示モードに切り替える前記第1の表示切替制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子時計。
<請求項5>
前記操作受付部は、前記第1の表示切替制御の終了後に行われている、前記経過時間表示モードの終了を指示する第2の入力操作を受け付け、
前記制御部は、前記経過時間表示モードでの表示を前記表示部に行わせているときに前記操作受付部に対して行われた前記第2の入力操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記経過時間表示モードから所定の前記表示モードに切り替える第2の表示切替制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子時計。
<請求項6>
前記操作受付部は、押下操作を受け付ける押しボタンを有し、
前記第2の入力操作は、前記押しボタンに対する所定時間以上継続する前記押下操作であることを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
<請求項7>
異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、を備えた電子時計における表示方法であって、
前記操作受付部に対して行われた前記第1の入力操作に応じて、その時点での前記表示モードから、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を前記表示部へ示す経過時間表示モードに切り替えることを特徴とする表示方法。
1 電子時計
2 フレーム
3 文字盤
3a 開口部
4〜7 小窓
11 秒針
12 分針
13 時針
14 24時間針
15 副分針
16 副時針
17 副24時間針
18 機能針
19 日車
30 バス
41 CPU(制御部)
42 ROM
421 プログラム
43 RAM
431 計測時間情報
432 ラップタイム情報
44 発振回路
45 分周回路
46 計時回路
47 操作受付部
48 報知動作部
49 通信部
50 モータ駆動回路
51〜55 ステッピングモータ
61〜65 輪列機構
B1、B2 押しボタン
C1 りゅうず
D 表示部

Claims (7)

  1. 異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、
    前記表示部の動作を制御する制御部と、
    時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作受付部に対して行われた前記第1の入力操作に応じて、その時点での前記表示モードから、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を前記表示部へ示す経過時間表示モードに切り替える第1の表示切替制御を行うことを特徴とする電子時計。
  2. 前記表示部は、回転可能に設けられた指針を有し、
    前記制御部は、
    前記指針の回転を制御し、
    前記第1の表示切替制御では、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間に応じた移動先の位置まで前記指針を早送り回転させることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記第1の表示切替制御における前記指針の早送りの回転速度は、前記経過時間表示モードにおいて前記経過時間の進行を表示するときの前記指針の回転速度より速いことを特徴とする請求項2に記載の電子時計。
  4. 前記制御部は、
    前記表示部に時刻情報の表示を行わせる時刻表示モードへ切り替えることが可能であり、
    前記時刻表示モードの実行中に行われた前記第1の入力操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記時刻表示モードから前記経過時間表示モードに切り替える前記第1の表示切替制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子時計。
  5. 前記操作受付部は、前記第1の表示切替制御の終了後に行われている、前記経過時間表示モードの終了を指示する第2の入力操作を受け付け、
    前記制御部は、前記経過時間表示モードでの表示を前記表示部に行わせているときに前記操作受付部に対して行われた前記第2の入力操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記経過時間表示モードから所定の前記表示モードに切り替える第2の表示切替制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子時計。
  6. 前記操作受付部は、押下操作を受け付ける押しボタンを有し、
    前記第2の入力操作は、前記押しボタンに対する所定時間以上継続する前記押下操作であることを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
  7. 異なる情報を表示する複数の表示モードを切り替えて表示する表示部と、時間の計測の開始を指示する第1の入力操作を受け付ける操作受付部と、を備えた電子時計における表示方法であって、
    前記操作受付部に対して行われた前記第1の入力操作に応じて、その時点での前記表示モードから、前記第1の入力操作が行われた時点からの経過時間の情報を前記表示部へ示す経過時間表示モードに切り替えることを特徴とする表示方法。
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