JP2004514154A - 超音波プローブ - Google Patents

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Abstract

本発明は、超音波プローブに関する。具体的には、超音波変換器を収容し、被検体(30)の表面(28)と接触するハウジング(20)と、被検体(30)の表面(28)の各部分の電子画像を周期的に送り出すデジタルカメラ(36)と、デジタルカメラ(36)によって捕捉される少なくとも1つの画像のための画像メモリ(42)を有する画像処理回路(40)を備える。画像処理回路(40)は、測定開始の場所(48)より始まる前記ハウジング(20)の移動を記憶し、この場所(48)に関連するハウジング(20)の実際位置を保持する移動メモリ(46)をも備える。
【選択図】図1

Description

【0001】
本発明は、超音波プローブに関し、さらに具体的には手動検査に使用される超音波プローブに関する。この超音波プローブは、超音波クリスタル(ultrasonic crystal)を収容するハウジングと、被検体の表面と接触する接触面を備える。
【0002】
このような種類の超音波プローブに関しては、広範な従来技術が存在する。超音波検査では、超音波試験結果に対応する被検体上の場所を可能な限り正確に認識することが望まれる。すなわち、超音波試験結果と、その対応する場所との関連付けが望まれる。このような理由から、溶接試験の際に、検出される欠陥の位置を正確に特定できることが目標とされる。同様に、チューブまたはコンテナの残存肉厚の測定の際に、所定の超音波検査結果が測定された場所を正確に識別することが望ましい。これは、超音波信号を認識することだけでなく、被検体の表面における超音波プローブの各位置を認識することも意味する。
【0003】
従来技術においては、測定が開始されると同時に、例えばその場所に関連する2つまたは3つの軸上のプローブの位置など、超音波プローブの位置を測定するシステムが存在する。現在のところ、縦方向の移動における0.1mmの分解能、および回転方向の移動における0.1°の分解能が達成されている。また、相対位置データと各超音波試験結果より、欠陥の絶対位置を正確に測定することが可能である。結果として、欠陥場所の補修作業および組織的な監視等を、有利かつ選択的に行うことができる。
【0004】
一般に使用されている、手動超音波検査における位置データの測定方法には、いくつかの大きな欠点がある。例えば位置を検出する際に、空気音センサおよび/または機械ガイドといった追加の電子機器構成部品が必要であるが、これら部品には人間工学上の問題点がある。すなわち、機械部品は摩耗を起こし、空気音センサのサイズは、具体的にインストールや調整を行うにはサイズが比較的大きい。また、このような用途に使用される既知の方法や装置は高コストである。
【0005】
これらのことから、本発明の目的は、測定開始の場所を識別する機能として、被検体上の位置座標を確認し出力する超音波プローブを提供することである。これにより、既知のシステムにおける欠点は回避される。
【0006】
この目的に対処するものとしては、超音波プローブ、さらに具体的には手動検査に使用される超音波プローブであって、
超音波クリスタルを収容し、被検体の表面と接触する接触面を有するハウジングと、
前記ハウジングに割り当てられ、被検体の表面を捕捉する方向に向けられ、被検体表面の各部分の電子画像を周期的に送り出す少なくとも1つのデジタルカメラと、
前記デジタルカメラによって捕捉される少なくとも1つの画像のための画像メモリと、前記デジタルカメラによって異なる時間に捕捉される被検体の表面における重複部分の2つの電子画像を比較し、この表面上での前記ハウジングの移動を測定し出力する比較器を有する画像処理回路と、
測定開始の場所より始まる前記ハウジングの移動を記憶し、この場所に関連する前記ハウジングの実際位置を保持する移動メモリを備える超音波プローブである。
【0007】
第一に、この超音波プローブは、このようなタイプのプローブにおいて一般的な機能を持つ典型的な超音波プローブである。例として、DE−book J・クラウトクレーマー(J.Krautkramer)およびK・クラウトクレーマー(K.Krautkramer)らの「超音波による物質検査」(“Werkstoffprufung mit Ultraschall”[“Material Inspection with Ultrasounds”])第6版、シュプリンガー・フェアラーク社を参照されたい。
従って、この超音波プローブは、従来の超音波プローブと同様に活用することができる。この超音波プローブは、例えば二重変換器プローブとして構成される。
【0008】
また、本発明に従う超音波プローブは、測定開始の際に識別された場所に関する被検体の表面上の各位置を示す手段を備える。
【0009】
この目的のために、少なくとも1つのデジタルカメラがハウジングにしっかりと固定される。このデジタルカメラはハウジングに好適に設けられ、被検体の表面を捕捉する方向に向けられ、アクティブ音響素子の中心ビームが交差する表面に可能な限り近接した場所の表面の画像を送り出す。
【0010】
このデジタルカメラによって、デジタルカメラのレンズの真下に位置する表面部分、つまり被写体の平面の電子画像が周期的に捕捉される。この部分は、被検体の表面全体と比較すると小さい部分である。この部分の寸法は例えば2×2〜4×4mmと、数ミリ単位とすることができる。このデジタルカメラは、各表面部分の画像を所定の一定時間の間隔で捕えることが望ましい。
【0011】
デジタルカメラの下方に接続された画像処理回路では、デジタルカメラで捕えた少なくとも1つの画像を画像メモリに保存する。この画像は後にデジタルカメラが捕捉する画像と比較器によって比較される。比較器はこの2つの電子画像を移動させて、それぞれの画像の一致を探す。つまり、対応する画像領域が一致するまで移動を行う。これは、捕捉され比較される2つの電子画像の時間間隔が、捕捉される電子画像の対角線以上の距離をハウジングが移動する時間を越えてはいけないことを意味する。この場合、比較される電子画像において一致する部分が含まれなくなり、比較ができなくなる。
【0012】
被検体表面での実際の移動は、関連する必要な移動の2つの個別画像を比較器で比較し、それぞれの一致を見つけることにより計算することができる。この計算では、光学素子の画像スケールが実質的な考慮に入れられる。これにより、第1のイメージの撮像時から、第2のイメージの撮像時までのプローブの移動を示す位置信号を送り出すことができる。被検体の表面におけるプローブの各実際位置は、測定開始の場所から始まる個別の移動情報データの合計から得られる。
【0013】
このようにして、光学システムによる位置検出の基準が形成される。前記デジタルカメラには、CCDセンサが好適に備えられる。デジタルカメラの被写体視野には、捕捉される表面部分を照らすための照明素子が好適に割り当てられる。プローブの移動に合わせて、移動メモリに保持される位置情報データからプローブの実際位置が測定される。
【0014】
今日では、位置測定に利用される電子手段や光学手段は、極小のサイズおよび低コストで得ることができる。このため、従来の超音波プローブのハウジング内に、完全な画像評価装置を収容することが可能である。さらに具体的には、本発明の超音波プローブによって、空間的に小さな欠陥の評価を被検体の表面に平行して行うことができる。チューブ、パイプライン、コンテナおよびボイラーの建設における溶接試験では、各々の場所を試験結果に示すことができる。
【0015】
二重変換器(double transducer)プローブの使用によって、場所座標の測定において簡易に適用することが可能である。ハウジング内に収容される送受信用クリスタルは、減衰ウェブによって分離される。少なくとも1つのデジタルカメラにより、これらプローブの2つの軸を最も容易な方法で測定することが可能である。これにより、湾曲したチューブの残存肉厚を有利に測定することができる。
【0016】
移動した距離は移動メモリにおいて合計される。これにより検査を有利に行うことができ、人間工学面でも向上する。プローブを誘導する検査者は、最適な状況で試験を実行することができる。機械部品は摩耗を起こさず、場所座標に関する情報を加えない検査と比較して、検査の安全性が大きく向上する。位置捕捉のための機械システムと比較すると、60%ものコスト節約が可能である。また、検査の徹底的な文書化が可能である。
【0017】
特に好適な開発においては、2つのデジタルカメラを備え、これらのカメラはハウジング内で間隔をあけて置かれ、それぞれ下方に接続される画像処理回路を有し、これら2つの画像処理回路から画像処理のための出力を受ける回転評価ステップを備える。以前の回転状況と関連したハウジングの回転は、2つの前記画像処理回路から得られるハウジングの位置に関する各種情報から測定され出力される。測定開始の際の回転状況より始まる回転情報は、回転メモリに保持される。
【0018】
2つのデジタルカメラを使用した場合、プローブの軸における回転角度の位置を変換機能により非常に容易に測定することができる。1つのカメラのみでこの位置を捕捉することも原則的には可能だが、その場合、比較器による画像の比較は、電子画像を互いに関連する画素の境界中で移動させて行うだけでなく、2つの方向に向けて部分的領域が一致するまで行なうが、その上比較する2つの電子画像を互いに呼応して回転させなければならない。この方法ではコストが大幅に増加し、比較器での電子評価に要する時間も大幅に増加する。従って、第2のカメラを設置する方が、容易かつ有利な方法である。
【0019】
2つのデジタルカメラを有する実施形態においては、測定開始の際の状況より始まる、測定された回転情報を保存する回転メモリを備える。このようにして、測定開始の際の状況と比較した各全体回転が認識される。
【0020】
好適な開発においては、移動メモリに固定して割り当てられ、各位置で利用可能な超音波情報を位置情報とともに保存する信号メモリを備える。これにより、超音波検査の結果に容易にアクセスできる。評価は異なる方法で実行することができる。従って、例えば信号があらかじめ設定された基準値を上回った場合など、重大な超音波検査試験結果が得られた場合はいつでも、この状況をディスプレイに表示することが特に望ましい。こうして検査体の表面上の欠陥場所および他の欠陥は、例えばモニタに表示される。これにより、得られた情報のさらなる処理を容易に行うことができる。
【0021】
開始スイッチは非常に有用であることが分かっている。この開始スイッチは超音波プローブのハウジングに好適に設けられる。この開始スイッチには、それぞれ独立した様々な機能を共に割り当てることができる。開始スイッチを作動させると、移動メモリがリセットおよび再起動され、続いて送られてくる移動情報の合計を行う。この開始スイッチは、位置捕捉のための光学装置および電子装置の起動に使用することもできる。その結果、起動前のこれらの装置を、低電流オフ機能の状態にすることができる。また、証明手段もオフにすることができる。
【0022】
超音波プローブと被検体の表面の間には、必要ではないが、例えば水などの結合手段を備えることも可能である。この場合、光学位置検出機能は影響を受けないことが分かっている。
【0023】
本発明のさらなる利点および特徴は、後の特許請求の範囲において、また図のみを参照した例として以下に示される実施形態の非限定的説明において明示される。図の内容は次の通りである。
【0024】
図1は、二重変換器プローブとして構成された超音波プローブの側面の概略描写である。
図2は、図1と類似した超音波プローブの描写であるが、ここでは2つのデジタルカメラを有している。
図3は、図1と同様の超音波プローブのブロック図である。
図4は、図2と同様の超音波プローブのブロック図である。
図5は、欠陥場所を有する被検体の表面を表示したモニタの描写である。
【0025】
この超音波プローブは、物質の非破壊検査での使用を対象としている。この検査はパルス・エコー法に基づいて行われる。図1および図3で示される超音波プローブでは、超音波クリスタルを収容するハウジング20を備えている。1つの送信用クリスタル22と、1つの受信用クリスタル23が示されている。送信用クリスタル22は先導体(leading body)24に設置され、受信用クリスタル23は先導体25に設置される。これら2つの先導体24、25は保護体26の上に配置され、先導層および保護層を形成する。この保護体26は、被検体30の表面28に接触する。保護体26はアクリル樹脂材料などの透明な、好ましくは曇りのない材料で作られている。保護体26の下部、自在に接触できる部分は、ハウジング20が被検体30の表面28に接触するための接触面を形成する。
【0026】
二重変換器プローブの場合によく見られるように、一方の送信用クリスタル22とその先導体24および他方の受信用クリスタル23とその先導体25の間に、減衰ウェブ(attentuation web)32が設けられており、スペーサ部分を形成している。このウェブには光ファイバ34を通す穴が設けられている。一本の光ファイバの代わりに、一束の光ファイバを用いることもできる。光ファイバ34は保護体26の中で、光ファイバが向けられた表面28に近接した位置で止められている(点線を参照されたい)。光ファイバは、表面28の小部分をハウジング20内に配置されたデジタルカメラ36に転送する。またこのカメラは、CAMとして参照される。使用したデジタルカメラは、HPの光学反射センサHDNS−2000である。このカメラには、同社から入手可能であり、HDNS−2100として販売されているレンズ38が割り当てられている。また、他のデジタルカメラを利用することもできる。
【0027】
デジタルカメラ36は、さらに具体的にはCCDとして構成された画素の平面アレイ(マトリックス)を備えた光検出アレイを有する。レンズ38はこのアレイに、表面28の考察された部分を描く。
【0028】
デジタルカメラ36は、表面28の考察された部分の電子画像(以下、フレームと呼ぶ)を周期的に捕捉する。一般的には、フレームは8msごとに捕捉される。
【0029】
画像処理回路40は、デジタルカメラ36の下方に接続される。この回路は画像メモリ42(FMEMと称する)を備え、デジタルカメラ36が補足する少なくとも1つのフレームに適合されている。このフレームはさらに具体的には、カメラで補足し画像メモリ42に保存した最後から2番目のフレームである。比較器44(COMPとして示す)では、このフレームを実際のフレームと比較する。2つのフレームを画素の行と列に平行して画素ごとに移動させ、フレームの画像領域の一致を探す。この比較は、これらのフレームが被検体30の表面の重複する部分を含んでいるという条件下でのみ可能である。これにより、被写体の平面、すなわち被検体30の表面28における移動は、デジタルカメラ36の画像面にある2つのフレームの移動から計算することが可能となる。このため、レンズ38も含めたデジタルカメラ36の画像比率が、実質的考慮に入れられる。
【0030】
結果として、画像処理回路40は、比較した2つのフレームが移動メモリ(MMEMと称する)に捕捉された時間の間隔における、ハウジング20の移動についての情報を送信する。移動メモリ46は、受信する移動を継続的に保存する。これらの移動はx値とy値に変換され、直交座標システムに入力される。このように、ハウジング20の実際位置は、常に移動メモリ46に保持される。
【0031】
移動メモリ46では、測定開始の際にハウジングが占める場所48から始まる移動を合計する。測定の開始は開始スイッチ50によって入力される。開始スイッチ50を作動させると、移動メモリ46はまずリセットまたはゼロに変更される。それから、移動メモリは受信するすべての移動情報を保存するが、この情報はすなわち2方向への増加を意味する。移動メモリ46の情報はモニタ52に表示することもできるが、この表示については後に説明する。
【0032】
図1に示すように、表面28の考察された部分は、照明手段52によって照らされ、この場合では、照明手段はLEDとして構成されている。可能な限り大きな輪郭を得るために、表面28は側方より好適に照らされる。照明手段52は、開始スイッチ50の作動によってのみオンにすることが有用である。いくつかの連続するフレームで完全な一致が見つかり、その結果ハウジング20の移動が検出されない場合、回路40は低電流モードに切り替えられる。
【0033】
図1に示すように、照明手段52は透明な保護体26を通して放射するようにハウジング20に設置されている。また、この照明手段は保護体26の内部に収容することもできる。保護体26と表面28の間に結合手段が使用される場合は、水などの完全に透明な手段を使用することが望ましい。
【0034】
図1および図3で示される実施形態とは対照的に、図2および図4で示されるプローブには2つのデジタルカメラ36および37が備えられている(CAMおよびCAM2を参照)。これらのカメラはハウジング20内で互いに離されて設置され、実際にはクリスタル23の両側にそれぞれ配置されている。このクリスタル23は送信用クリスタルとすることもでき、その後方には減衰体54が割り当てられている。また、音響伝播の方向に先導体25が備えられ、保護体26と接触するようになっている。
【0035】
2つのデジタルカメラ36、37および2つの照明手段52の配置は、図1で示される実施形態での配置を実質的に2倍にしたものである。図1の実施形態と対照的に、デジタルカメラ36に表面28部分の画像を転送する際には、光ファイバは使用されず、その代わりとしてデジタルカメラ36、37の各レンズ38が保護体26に収容される。これらのレンズはまた、保護体26の上部表面または近接部分に配置することもできる。
【0036】
第2のデジタルカメラ37(CAM2と称する)によって得られる追加的機能を、図4を参照して以下に説明する。この図は、2つのデジタルカメラ36、37と、各カメラの下方に接続された画像処理回路40を示している。この図はまた、被検体30の表面28も示している。この表面において互いに離れた各部分が捕捉される。各画像出力回路40の出力では、デジタルカメラ36、37の1つ1つの位置増加に関する情報が利用可能である。この情報は次のように処理される。位置の測定には、1つのデジタルカメラ36(図4では下側のカメラ)のみを使用するため、これは図2と比較して違いはない。上側のデジタルカメラ37は、下側のデジタルカメラ36と関連して、ハウジング20の回転に関する情報を送り出すためだけに使用される。この目的のために、2つの画像処理回路40の移動情報データは、評価ステップ56(ROTと称する)に転送される。そこで異なる増加が比較され、考察されたフレーム間で確認できるハウジング20の各回転が測定される。回転メモリ58(ROTMと称する)は、評価ステップ56の下方に接続される。測定開始の場所58の状況より始まるハウジング20の回転状況は、この回転メモリに保存される。
【0037】
すでに説明したように、デジタルカメラ36、37は8msごとにフレームを捕捉する。次に、画像が評価される。従って、非常に少ない時間しか必要とせず、画像は1ms以下で評価される。比較器ステップ44では、比較されるフレームを画素の行と列の方向へ画素ごとに移動させることにより、短い画像評価が達成される。これらのフレームは、互いに関連せずに回転される。しかし原則的には、比較器44にて個別フレームを互いに関連して回転させることもできる。この場合、第2のデジタルカメラ37は不要である。
【0038】
また、図3および図4は超音波アレイを示している。クリスタル23は、いずれの追加体もなく示されている。このクリスタル23は、一方で送信器60(TRANSMとして示す)に接続され、他方で受信器62(RECとして示す)に接続される。メモリ64(SMEMとして示す)は、受信器62の下方に接続される。また、このメモリ64は移動メモリ46に接続される。評価後に受信器62から得られた超音波試験結果と、これら超音波試験結果が得られた各位置は、メモリ64に保存される。なお、各位置は場所48に関連する。
【0039】
有利な開発においては、位置測定のための装置(例えばGPS方式によるグローバル・ポジショニングを行うための回路など)を超音波プローブに割り当てることができる。これにより、測定開始の際に認識される場所48の絶対値を測定することができる。測定された絶対値は移動メモリ46またはメモリ64に記録される。
【0040】
図5は、本発明に従った超音波プローブで超音波測定を行い、モニタ66に表示した場合の描写である。USD15タイプの出願人の超音波探傷器に、本発明に従った位置測定を行うためのCLF4タイプの先導体等を有するクリスタルアレイを、図1に示す構造で付加的に取り付けて使用した。
【0041】
試験の対象である加工物、すなわち被検体30としては、長方形の鋼板を使用した。この鋼板に、直径3mmおよび深さ2.5mmの穴をドリルで開けた。装置USD15の口径は、開始2mm、幅1mmに調整した。このようにして、この穴から欠陥信号が送り出されるようにした。
【0042】
まず、被検体30の1つの角にプローブを配置した。次に、開始スイッチ50を押し、プローブを隣接する角に移動させた。これを、被検体30の外周がスキャンされるまで繰り返した。これにより、モニタ66に点線で表示された輪郭68を得ることができた。
【0043】
被検体30の左下の角を、測定開始の場所48として選択した。ここで、開始スイッチ50を作動させた。検査の開始は、経路70によって概略的に示される。被検体30の表面28上でプローブを誘導した完全な検査経路は示されていないが、それを示すことも可能である。しかし、この特定の場合に関しては、完全な検査経路を示すことは図の読みやすさに影響を与える。図5では、装置USD15が欠陥信号を送り出した場合のみ、それを描いた情報が、モニタ66またはその上方に接続されたコンピュータに送り出された。その結果、穴をスキャンした際に短い点線が描かれ、それらすべての点線によって欠陥の画像72が形成された。ほぼ円形の黒い点が認められた。このようにして、欠陥を正確に特定することができた。

Claims (7)

  1. 超音波プローブ、さらに具体的には手動検査のための超音波プローブであって、
    超音波クリスタルを収容し、被検体(30)の表面(28)と接触する接触面を有するハウジング(20)と、
    前記ハウジング(20)に割り当てられ、前記ハウジング(20)に好適に収容され、被検体(30)の表面(28)を捕捉する方向に向けられ、被検体(30)の表面(28)の各部分の電子画像を周期的に送り出す少なくとも1つのデジタルカメラ(36)と、
    前記デジタルカメラ(36)によって捕捉される少なくとも1つの画像のための画像メモリ(42)と、前記デジタルカメラ(36)によって異なる時間に捕捉される被検体(30)の表面(28)における重複部分の2つの電子画像を比較し、この表面(28)上での前記ハウジング(20)の移動を測定し出力する比較器(44)を有する画像処理回路(40)と、
    測定開始の場所(48)より始まる前記ハウジング(20)の移動を記憶し、この場所(48)に関連するハウジング(20)の実際位置を保持する移動メモリ(46)を備えることを特徴とする超音波プローブ。
  2. 2つのデジタルカメラ(36)、(37)を備え、前記カメラはハウジング(20)内で間隔をあけて置かれ、それぞれ下方に接続される画像処理回路(40)を有し、これら2つの画像処理回路(40)からの出力を受け、これら2つの画像処理回路(40)から得られるハウジング(20)の位置に関する各種情報から、以前の回転状況と関連したハウジング(20)の回転を測定し出力する回転評価ステップ(56)と、測定開始の際の回転状況より始まる回転情報を保持する回転メモリ(58)と共に備えられるカメラである
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  3. 前記ハウジング(20)に照明手段(52)が割り当てられ、さらに具体的には照明手段(52)が前記ハウジング(20)に設けられ、前記照明手段(52)はデジタルカメラ(36)によって撮られる被検体(30)の表面(28)の領域を照らす方向に向けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  4. 前記照明手段(52)の発する光が被検体(30)の表面(28)に可能な限り浅い角度で当たることを特徴
    とする請求項3記載の超音波プローブ。
  5. 前記ハウジング(20)に好適に設けられた開始スイッチ(50)を備え、この開始スイッチ(50)を作動させることにより、利用可能な位置(48)をさらなる移動の新規の開始位置として前記移動メモリ(46)に記憶することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  6. ハウジング(20)において自在に接触できる境界面を形成する保護体(26)が設けられ、この保護体(26)は接触面を構成し、この保護体(26)は透明で、可能ならば曇りのない透明であり、さらに具体的にはアクリル樹脂材料で作られている
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  7. 前記デジタルカメラ(36)、(37)が保護体(26)の内側に設けられていることを特徴
    とする請求項6記載の超音波プローブ。
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