JP2004514068A - 情報機能を有する袖付きフルファッション衣類 - Google Patents

Abstract

本発明は、袖に対応し且つ袖を含むことが可能な織物衣類（２０）を製造するためのフルファッション織りプロセスを含む。衣類（２０）は、単一の一体化された布地のみで作られ、不連続部や縫い目がない。更に、この衣類は、選択された１つ以上の検出コンポーネントを衣類（２０）の織りの中に含むことにより、１つ以上の身体の生命徴候（２５）若しくは衣類の穿通（２４）、又はそれらの両方を監視する機能等の情報機能を含むことが可能である。

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、袖に対応し且つ袖を含むことが可能な単一ピースの織物衣類を製造するための、フルファッション織りプロセスに関する。この衣類は、不連続部や縫い目がない単一の一体化された布地のみで作られる。更に、この衣類は、衣類に情報機能を設けるための、情報の収集、処理、及び送受信のための統合インフラコンポーネントを含むことができる。
【０００２】
背景技術
織物では、経糸及び緯糸としてそれぞれ知られる２組の糸が、織機上で互いに直角に織り交ぜられる。伝統的な製織技術は、一般的に、二次元の布地を製造する。そのような織布から三次元の衣類を成形するには、従来、布地を裁断及び縫製することが必要である。
【０００３】
筒織りは伝統的な織物の特殊な変形であり、織機で布の筒が製造される。しかし、これまで筒織りは、裁断及び縫製を必要とせずにアームホールや袖等の衣類の不連続部に対応することが不可能だったので、シャツ等のフルファッション織り衣類の製造には使用できなかった。
【０００４】
ジャヤラマンら（Ｊａｙａｒａｍａｎ，ｅｔ ａｌ．）の米国特許第６，１４５，５５１号は、アームホールを有する織物衣類を製造するためのフルファッション織りプロセスを開示している。この衣類は、不連続部や縫い目がない単一の一体構造であり、アームホールは、裁断や縫製ではなく製織プロセス自体で得られたものである。しかし、ジャヤラマンの特許のプロセスは、袖を有するフルファッション衣類の製織には備えていない。
【０００５】
従って、衣類を成形するための布地パーツの裁断及び縫製の必要性をなくした、袖付きのフルファッション織り衣類の製造プロセスの必要性がある。本発明が主に関するのは、そのようなプロセス及び製品である。本発明のフルファッション織りプロセスを用いれば、二次元の布地に必要な側部の縫い目及び袖を縫う付加的な工程が回避される。
【０００６】
或いは、ジャヤラマンらによる１９９９年３月１９日に出願された係属出願の米国特許出願第０９／２７３，１７５号は、情報の収集、処理、及び送受信のための統合インフラを含む布地又は衣類を開示している。この布地は、「着用可能なマザーボード」として機能し、導電性繊維の相互接続を用いることにより、多くの独立形ワイヤやケーブルを必要とせずに、多くのデータ収集センサを衣類に統合する。情報は、単一の電子リード又はトランシーバを介して、複数のモニタ装置に送信されてもよい。
【０００７】
本発明の製織技術と、ジャヤラマンの同時係属出願の導電性繊維、光学繊維、又はそれらの両方の相互接続とを用いると、情報の収集、処理、及び送受信のための統合インフラを組み込んだ、袖付きのフルファッション織り衣類の製造が可能である。
【０００８】
発明の概要
従って、本発明の目的は、不連続部や縫い目がない、一体化された単一ピースのみで構成された、袖付きのフルファッション織り衣類を製造する製織プロセスの提供である。
【０００９】
本発明の別の目的は、所望される場合の首回りの仕上げ以外は布地の裁断及び縫製を必要とせずに、例えばシャツ等の、袖に対応可能な衣類を成形することである。
【００１０】
本発明の更に別の目的は、１つ以上の身体的徴候及び／又は衣類の穿通を監視する機能等の情報機能を有することが可能な、袖付きのフルファッション衣類、並びにそのような衣類の製造プロセスの提供である。
【００１１】
本発明のフルファッション織り衣類では、１つ目の筒状構造部と、２つ目の二層構造部と、３つ目の自己縫い綴じ（ｓｅｌｆ−ｓｔｉｔｃｈｅｄ）層構造部との、３つの異なる織り構造が用いられる。「ワンピース型」の衣類を作るために前身ごろ、後身ごろ及び袖を縫い合わせる必要がある、織物で作られた通常のシャツの構造とは異なり、本発明の布地は、製織プロセスで、袖付きの一体化された「ワンピース型」衣類として現れる。織物の筒状部では、前身ごろ及び後身ごろで、１本又は１組の糸のみが螺旋状に連続して織り交ぜられる。このプロセスは、全体を参照して本明細書で全てを上述した場合と同様に援用する米国特許出願第０９／１５７，６０７号に記載されている。
【００１２】
経糸は２組に分けられ、一方は衣類の身ごろ用であり、他方は２つの袖用である。本発明の織物の身ごろの筒状構造部に対する引通し図では、一方が布地の前身ごろ用で他方が後身ごろ用の、２つの異なる経糸の組が交互に用いられる。リフトプランは、ハーネスの移動のシーケンスを与える。織機のハーネスは、布地の前身ごろ及び後身ごろを交互に表すリフトプランによって上昇させられる。これは二重布構造であるので、前身ごろ及び後身ごろの両方の経糸が、織機のリードの同一デント内に配置される。
【００１３】
筒状の布地で必要な緯糸は１組の連続した糸のみであるが、本発明のフルファッション織り衣類では、袖に対応する場合には、２組の糸が必要である。これは、この衣類の二重構造部の革新的な性質によるものである。自己縫い綴じ構造部では、経糸の前身ごろ及び後身ごろの組は、２組の緯糸と共に織られ、袖が閉じられる。
【００１４】
本フルファッション織り衣類の革新的な一面は、二層構造部に自己縫い綴じ層構造部を組み合わせることによって袖を作ることにある。筒状構造部とは異なり、衣類の二層構造部には２組の糸があり、１つの二層構造部が衣類の前身ごろ及び後身ごろに分離されて用いられる。筒状構造部から２組の糸が用いられているので、自己縫い綴じ層部及び二層構造部を組み合わせた布地を、筒状構造部から連続して織ることができる。次に、独立形二層構造部を、この複合自己縫い綴じ−二層構造部から織ることができる。次に、この独立形二層構造部に、別の複合自己縫い綴じ−二層構造部を連続してつなげることができる。同様に、この複合自己縫い綴じ−二層構造部から、筒状構造部を連続して織ることができる。このように、例えば、上述したように第１の筒状構造部に、複合自己縫い綴じ−二層構造部を続け、次に独立形二層構造部を続け、その次に複合自己縫い綴じ−二層構造部を続け、この複合自己縫い綴じ−二層構造部から第２の筒状構造部を連続して織ることによって、フルファッション織り衣類を作ってもよい。連続して織られた筒状構造、自己縫い綴じ構造部及び二層構造部の他の組み合わせを作ってもよい。更に、本発明のフルファッション織りプロセスは、袖付きの衣類の製造に限定されず、類似の付属物を必要とし得る任意のフルファッション衣類の製造に概ね適用可能である。
【００１５】
特に１つの実施形態では、このような織物衣類を実現するために、例えば、８ハーネス織機を用いることができる。織機の８個のハーネスは２組に分けられる。各組は４個のハーネスを含む。各組の４個のハーネスのうち、２個のハーネスは衣類の前身ごろ層に用いられ、別の２個のハーネスは後身ごろ層に用いられる。衣類の両側に対するリフトシーケンス（ｌｉｆｔｉｎｇ ｓｅｑｕｅｎｃｅ）は同一であるので、二層構造部の両側に同時に袖が作られる。このように、袖が作られた、単一の連続織り衣類が製造される。
【００１６】
別の実施形態では、本発明に従って作られる織物衣類は、情報機能を有する衣類として成形されてもよい。この衣類には、血圧、心拍数及び体温等の、１つ以上の身体生命徴候を監視する手段と、衣類の穿通を監視する手段とを設けることができる。この袖付きワンピース構造は、患者の腕の下での生命徴候の監視も可能にする。この袖付き衣類は、そのシームレス設計により、ほとんど移動できない寝たきりの患者に特に有用である。
【００１７】
この織物衣類は、ベースの布地（「快適性コンポーネント」）と、少なくとも１つの検出コンポーネントとで構成される。検出コンポーネントは、穿通検出材料コンポーネント、導電性材料コンポーネントのいずれか、又はそれらの両方であることが可能である。好ましい穿通検出コンポーネントは、プラスチック光学繊維（ＰＯＦ）である。好ましい導電性材料コンポーネントは、ポリエチレン、ナイロン又は他の絶縁性の外装を有するドーピングされた無機繊維、又は、ポリエチレンの外装を有する細いゲージの金属線である。任意に、布地は、必要性及び用途に応じて、スパンデックス（ＳＰＡＮＤＥＸ）繊維等の形状適応コンポーネントや、ＮＥＧＡ−ＳＴＡＴ等の静電気放散コンポーネントを含むことも可能である。これらの各コンポーネントは、本発明のフルファッション織りプロセスに組み込むことができ、それにより、フルファッション衣類に組み込むことができる。
【００１８】
検出コンポーネントは、とりわけ、（ｉ）発射体の穿通（ｐｒｏｊｅｃｔｉｌｅ ｐｅｎｅｔｒａｔｉｏｎ）の検出を補助可能なこと、及び（ｉｉ）情報又はデータを、通信中の他の装置に又は他の装置から伝達するための「データバス」又は「マザーボード」として作用することの、２つの主要機能の作用が可能である。これらの機能は、一緒に又は個々に用いることができる。導電性繊維は、（人間／動物の身体に取り付けられた又は布地の構造に組み込まれた）センサから、心拍数、呼吸数、声及び／又は他の任意の所望の身体的特性を監視するモニタ装置に情報を送るのを、補助することができる。このように、本発明は、全体を参照して本明細書に全てを上述する場合と同様に援用する係属出願の米国特許出願第０９／２７３，１７５号に記載されている導電性繊維の相互接続を用いて、着用者に関する情報を収集／処理する装置の「（プラグ式の）接続」を容易にする着用可能な情報インフラを有する、柔軟な袖付き衣類を製造する。所望の最終用途に応じて、布地又は衣類には、ＰＯＦ及び導電性繊維の両方ではなく、ＰＯＦは組み込まずに導電性繊維のみを組み込むことも、又はその逆も可能である。ＰＯＦの数、長さ及びピッチ（糸の間隔）は、所望の最終用途の要件に合うように変更できる。同様に、導電性繊維の数、長さ及びピッチ（糸の間隔）も、所望の最終用途の要件に合うように変更できる。
【００１９】
後述する相互接続技術を用いて、布地にコネクタを取り付けることができる。布地にセンサを組み込み、及び／又は人間若しくは動物の身体に取り付け、布地に組み込まれたコネクタに接続することができる。これらのセンサを用いて、生命徴候等の１つ以上の身体的徴候を監視できる。このように、本発明の布地又は衣類は、情報処理のための有用且つ柔軟な情報インフラとして作用する。適切な導電性繊維に適切に接続することにより、所望の監視機能が作られる。或いは、ＰＯＦ又は他の検出コンポーネントは、導電性繊維の代わりに又はそれに加えて、様々な用途のための「データバス」として作用できる。
【００２０】
本発明の本明細書の説明から、袖付きのフルファッション織り衣類を作ることができ、裁断及び縫製を必要とせずに袖などの衣類の不連続部に対応し、情報機能を有する衣類を作ることができる、フルファッション織りプロセスが提供されることがわかる。本発明の上記及び他の長所は、添付の図面と共に、以下の明細及び特許請求の範囲を読めば明らかになる。
【００２１】
例示的な実施形態の詳細説明
次に、図面を参照すると、複数の図面を通して、同一参照番号は同一要素を表し、本発明のフルファッション織りプロセス及び製品が詳細に示されている。
【００２２】
Ａ．本発明のフルファッション織りプロセス及び衣類
図１に示されるように、本発明に従って、フルファッション織り衣類が作られる。３つの異なる織り構造が用いられ、１つ目は衣類の身ごろの筒状構造であり、２つ目は二層構造であり、３つ目はの自己縫い綴じ（ｓｅｌｆ−ｓｔｉｔｃｈｅｄ）層構造である。本明細書では「複合自己縫い綴じ−二層構造」と呼ぶ、「自己縫い綴じ」層構造と二層構造との組み合わせを用いて、衣類にいかなる縫い目もない袖を形成する。この縫い目のない衣類を作る能力により、より快適な多用途の衣類が得られる。
【００２３】
本発明の説明を補助するために、本発明のフルファッション織りプロセスによって成形された、ニットＴシャツに類似の丸首袖付きシャツ等の衣類を参照する。しかし、本発明はそのような衣類のみに限定されないことを認識されたい。
【００２４】
１．衣類の身ごろの説明
ワンピース型衣類を作るために前身ごろ、後身ごろ及び袖を縫い合わせる必要がある、織物で作られた通常のシャツの構造とは異なり、本発明の構造は、本発明のフルファッション織りプロセスで、袖付きの一体化された「ワンピース」型衣類として現れる。布地及びそれから成形される任意の衣類の筒状部を作るために、前身ごろ及び後身ごろで、１本又は１組の糸のみが螺旋状に連続して織り交ぜられる。
【００２５】
図２は、この衣類の引通し図を示す。引通し図は、経糸の端部がハーネスフレームにわたって配分される配列パターンを示す。引通し図では、２つの異なる組の糸が、一方を衣類の前身ごろＦに、他方を後身ごろＢにというように交互に用いられる。図３のリフトプランは、ピック又は緯糸を次々と挿入する各回に上昇又は下降されるハーネスの選択を定める。織機のハーネスは、衣類の前身ごろ及び後身ごろを交互に表すリフトプランによって上昇される。これは二重布構造なので、前身ごろ及び後身ごろの両方の経糸が、織機のリードの同一デント内に配置される。
【００２６】
図１の衣類の区画Ａは、図３（区画Ａとしても示されている）の経糸のリフトシーケンス（ｌｉｆｔｉｎｇ ｓｅｑｕｅｎｃｅ）によって作られる。グループ１の経糸（図３のグループ２の各側に示されている）は、グループ２の経糸によって形成される衣類の身ごろの各端部の袖の製造に関与する。
【００２７】
筒状の布地で必要な緯糸は１組の連続した糸のみであるが、本発明のフルファッション織り衣類の一実施形態では、２組の糸を用いる。これは、一体化された袖の革新的な性質によるものである。
【００２８】
２．衣類の袖の説明
本フルファッション織り衣類の革新的な一面は、衣類の自己縫い綴じ層構造部と二層構造部とを組み合わせることによって袖を作ることにある。筒状構造部とは異なり、衣類の二層構造部には２組の糸があり、１つの二層構造部が衣類の前身ごろ及び後身ごろに分離されて用いられる。筒状構造部から２組の糸が用いられているので、自己縫い綴じ層部及び二層構造部を組み合わせた布地を、筒状構造部から連続して織ることができる。次に、独立形二層構造部を、この複合自己縫い綴じ−二層構造部から織ることができる。次に、独立形二層構造部に、別の複合自己縫い綴じ−二層構造部を連続してつなげることができる。
【００２９】
図１の衣類の区画Ｂは、図３（区画Ｂとしても示されている）の経糸のリフトシーケンスによって作られ、これは、図３の区画Ｃと記されたリフトシーケンスによって形成される袖を閉じる、複合自己縫い綴じ−二層構造部を生じる。衣類の袖及び身ごろは図１にも区画Ｃとして示されており、これは独立形二層構造部である。図１の衣類の区画Ｄは区画Ｂと同じであり、図３に区画Ｄと記されているリフトシーケンスによって形成され、衣類の袖を閉じる。
【００３０】
筒織りは伝統的な製織の特殊な変形であり、織機で布の筒が製造される。この技術では、（例えば、今日のシャツの仕立てに必要な首回りの仕上げ以外は）布地の裁断及び縫製が不要になり、得られる構造が通常の袖付きアンダーシャツに似ている、即ち、両脇にいかなる縫い目もないので、本フルファッション織り衣類を製造するために、伝統的な織物ではなくこの技術を選択した。この衣類に更に襟を取り付けて成形してもよいことが、当業者には理解されよう。
【００３１】
布地の基本構造は平織りであるのが好ましい（しかし、用途に応じて他の織り方を用いることもできる）。織機上の経糸のシーケンスは、所望のグループの糸を必要に応じてドロップさせることができるように、「ブロック織り」用に設定される。複合自己縫い綴じ−二層構造を用いて、衣類にいかなる縫い目もない袖を形成する。
【００３２】
このような織物の衣類の製造を可能にする織機は、手動モード及び自動モードで操作可能な有杼（シャットル）織機であるＡＶＬコンピュ・ドビー（Ｃｏｍｐｕ−Ｄｏｂｂｙ）である。この織機は、設計ソフトウェアを用いて作られた設計を杼口制御機構に直接ダウンロードできるように、コンピュータとインタフェースで接続可能である。或いは、ジャカード織機を用いてもよい。ドビー織機を用いたので、このような織機での織布の製造を説明する。織物の衣類を製造するための織機の構成の１つを示す。
【表１】

【００３３】
本発明による袖付き織物衣類を製造するために、次の工程に従うことができる。
１．設計ソフトウェアに織りのパターンを入力し、それをＡＶＬコンピュ−ドビーにダウンロードする。
２．２インチ間隔の区画ワープビームに対して１６０個のパーンを用意する。
３．区画ワープビームに経糸を２２インチ幅に仕掛ける。
４．必要な数のドロップワイヤを取り付ける。
５．ドロップワイヤに１６００個の端部を引通す。
６．２４個のハーネスの綜絖に、１６００個の端部を、定められた織りパターンに基づく特定のシーケンスで引通す。
７．１６００個の端部をリードに引通す。
８．端部を、各端部上のワープビームに結ぶ。
９．２個のシャットル（杼）を有する緯糸に対して８個のボビンを用意する。
【００３４】
織機の２４個のハーネスは２組に分けられる。各組は１２個のハーネスを含む。各組の１２個のハーネスのうち、６個のハーネスは衣類の前身ごろ層に用いられ、別の６個のハーネスは後身ごろ層に用いられる。衣類の両側に対する引通しシーケンスは同一であるので、衣類の両側に同時に袖が作られる。
【００３５】
本発明に従った織物衣類の製造は、２４個のハーネスを有する織機の使用に限定されないことは、当業者には明らかである。例えば、４８個のハーネスを有する織機、又は４００個のフックを有するジャカード織機を用いることもできる。
【００３６】
この織物衣類は、従来の織物に適用可能な任意の糸で作られてよい。糸の材料の選択は、通常、布地の最終用途によって決定され、快適性、フィット感、布地の手触り、通気性、吸湿性及び糸の構造的特徴の検討に基づく。適切な糸としては、綿、ポリエステル／綿の混紡、マイクロデニールポリエステル／綿の混紡、及びメラクロン（ＭＥＲＡＫＬＯＮ）（ダウテックス・インダストリーズ（Ｄａｗｔｅｘ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ）社製）等のポリプロピレン繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
【００３７】
Ｂ．本発明による情報機能
本発明の織物衣類及びプロセスは、裁断及び縫製を不要にする長所に加えて、情報機能を有する袖付き衣類の基礎を提供し得る。このように、衣類に、血圧、心拍数、脈拍数及び体温等の身体的徴候を監視する手段と、衣類の穿通を監視する手段とを設けることができる。このような情報機能を有する衣類は、布地のベース又は「快適性コンポーネント」と、情報インフラコンポーネントとで構成される。更に、所望に応じて、形状適応コンポーネント及び静電気放散コンポーネントを含んでもよい。
【００３８】
情報インフラコンポーネントは、穿通検出コンポーネント、導電性コンポーネント、センサ類、プロセッサ類、又は無線送信装置の、任意のもの又は全てを、個々に又は任意の組み合わせで含むことが可能である。情報インフラコンポーネントは、対象者からの情報の取得、処理、及び、ローカル又は遠隔モニタユニットへの送信機能がある。
【００３９】
図４は、本発明の衣類２０の代表的な一設計を示している。衣類２０は、上述したように織られて成形された単一ピースの衣類で構成され、通常のＴシャツと類似している。図中の凡例は、２インチの区分内の衣類の様々な構造的要素に対する、糸の相対的な配分を示すものである。
【００４０】
快適性コンポーネント２２は布地のベースである。快適性コンポーネントは、通常、着用者の肌と直接接触し、衣類に必要な快適性を与える。従って、選択された材料は、例えば、布地の良好な手触り、通気性、吸湿性及び伸縮性等の、一般的なアンダーシャツと比較して少なくとも同レベルの快適性及びフィット感を与えるべきである。
【００４１】
快適性コンポーネントは、従来の織物に適用可能な任意の糸で構成できる。糸の材料の選択は、通常、布地の最終用途によって決定され、快適性、フィット感、布地の手触り、通気性、吸湿性及び糸の構造的特徴の検討に基づく。適切な糸としては、綿、ポリエステル／綿の混紡、マイクロデニールポリエステル／綿の混紡、及びメラクロン（ＭＥＲＡＫＬＯＮ）（ダウテックス・インダストリーズ（Ｄａｗｔｅｘ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ）社製）等のポリプロピレン繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
【００４２】
快適性コンポーネントに用いるのに特に適した主な繊維は、メラクロン、及び、マイクロデニールポリエステル／綿を含むポリエステル／綿の混紡である。メラクロンは、純ポリプロピレン繊維に伴う短所の幾つかを克服するよう変性された、ポリプロピレン繊維である。性能要件に照らしたメラクロンの重要な特徴は、（ａ）良好な吸湿性及び快適性、（ｂ）嵩があるが重くない、（ｃ）乾燥が速い、（ｄ）良好な機械的特性及び染色堅牢性、（ｅ）非アレルギー性及び抗菌性、及び（ｆ）細菌の成長を防ぎ悪臭を生じないことである。マイクロデニールポリエステル／綿の混紡は非常に多用途の繊維であり、その特徴は、（ａ）良好な感触、即ち手触り、（ｂ）良好な吸湿性、（ｃ）良好な機械的特性及び耐摩耗性、及び（ｄ）加工の容易さである。尚、このような性能要件を満たす他の繊維も適切である。マイクロデニールポリエステル／綿の混紡繊維は、ノースカロライナ州（Ｎｏｒｔｈ Ｃａｒｏｌｉｎａ）のハンビー・テキスタイル・リサーチ（Ｈａｍｂｙ Ｔｅｘｔｉｌｅ Ｒｅｓｅｒｃｈ）から入手可能である。混紡に用いるマイクロデニール繊維は、デュポン（ＤｕＰｏｎｔ）から入手可能である。メラクロン糸は、カナダ国トロント（Ｔｏｒｏｎｔｏ， Ｃａｎａｄａ）のダウテックス・インコーポレイテッド（Ｄａｗｔｅｘ Ｉｎｃ．）から入手可能である。図２では、メラクロンは、布地の経糸方向及び緯糸方向の両方に示されている。
【００４３】
衣類の検出コンポーネントは、衣類の穿通を検出する材料２４、又は１つ以上の身体的徴候を検出する材料２５、又はそれらの両方を含むことができる。これらの材料は、布地の快適性コンポーネントを織っている間に織り込まれる。衣類の成形の完了後、これらの材料をモニタ（「個人状態モニタ」又はＰＳＭと呼ぶ）に接続することができる。詳細は後述するが、モニタは、検出材料からの読み取りを行い、読み取りデータをモニタし、読み取りデータ及び所望のモニタ設定に応じて警報を発する。
【００４４】
穿通検出及び警報を設けるのに適した材料としては、シリカ系光学繊維、プラスチック光学繊維及びシリコーンゴム光学繊維が挙げられる。適切な光学繊維は、送信される所望の信号及び必要なデータストリームをサポート可能な帯域幅を有する充填媒質を有するものを含む。シリカ系光学繊維は、高帯域幅の長距離用途で用いられるように設計されている。シリカ系光学繊維の非常に小さいシリカのコア及び低い開口数（ＮＡ）は、（５００ｍｈｚ^＊ｋｍまでの）大きな帯域幅と、（０．５ｄＢ／ｋｍほどの）低い減衰とを提供する。しかし、このような繊維は、設置の労賃が高いことと、繊維が裂ける危険性があることにより、好ましくない。
【００４５】
プラスチック光学繊維（ＰＯＦ）は、ガラス（シリカ系）繊維と同じ長所の多くを有するが、重量及びコストが低い。一部のセンサ及び医療用途のような特定の繊維の用途では、用いられる繊維の長さは（数メートル未満と）非常に短く、繊維損失及び繊維分散は問題ではない。その代わりに、良好な光学的透明性、適切な機械的強度及び柔軟性が特性として必要であり、プラスチック又はポリマー繊維が好ましい。更に、プラスチック光学繊維は、ガラス繊維のように裂けないので、ガラス繊維よりも安全にライナーに用いることができる。
【００４６】
比較的短い長さでは、ＰＯＦはガラス繊維を超える幾つかの固有の長所を有する。ＰＯＦは、比較的高い開口数（ＮＡ）を示し、これは、より多くの電力を送る能力に寄与する。更に、ＮＡが高いと、ＰＯＦが、繊維の曲げ及び撓みによって生じる光損失の影響を受けにくくなる。可視波長領域における伝達は、他のスペクトルにおける伝達よりも比較的高い。医療用センサの大半では、光のスペクトルの可視領域の波長によってトランスデューサが作動されるので、これは長所である。その光の伝達の性質により、ＰＯＦは、ガラス繊維と類似した高帯域幅の能力を提供すると共に、ガラス繊維と同様に電磁的な影響を受けない（ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃ ｉｍｍｕｎｉｔｙ）。ＰＯＦは、比較的安価であることに加え、過剰な繊維を溶かして光学品質の端部仕上げをするホットプレート手順を用いて端部処理できる。この簡単な端部処理を、従来の接続システムであってもよいＰＯＦ接続システムのスナップ固定設計と組み合わせると、１分以内でノードの端部処理ができる。これにより、設置コストが非常に低くなる。更に、ＰＯＦは、比較的穏やかでない環境で示される、より荒っぽい機械的扱いにも耐えることができる。可視波長を短い距離にわたって伝えるために、安価且つ耐久性のある光学繊維が必要な用途では、現在、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）又はスチレン系ポリマーで作られたＰＯＦが主に用いられている。
【００４７】
第三種光学繊維であるシリコーンゴム光学繊維（ＳＲＯＦ）は、優れた曲げ特性及び弾性回復を備える。しかし、これらは比較的厚く（５ｍｍ程度）、信号減衰の程度が高い。また、これらは高い湿度の影響を受けると共に、まだ市販されていない。よって、たとえ本発明の衣類におけるこれらの繊維の使用が好ましくなくても、これらを用いることは可能である。これらの繊維は、テネシー州オークリッジ（Ｏａｋ Ｒｉｄｇｅ， Ｔｅｎｎｅｓｓｅｅ）に所在するオークリッジ国立研究所（Ｏａｋ Ｒｉｄｇｅ Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｌａｂ）から入手できる。
【００４８】
図４では、本明細書ではＰＯＦである検出コンポーネント２４は布地の緯糸方向に示されているが、緯糸方向のみに制限される必要はない。織布に穿通検出コンポーネント材料を組み込むために、好ましくはプラスチック光学繊維（ＰＯＦ）である材料は、フルファッション織り布地製造プロセスの間に、螺旋状に構造と一体化される。ＰＯＦは、アームホールの下方では終端しない。上述の製織プロセスの変形により、ＰＯＦは布地を通していかなる不連続部もなく連続している。これにより、単一の統合された布地が１つだけ生じ、ＰＯＦに関する限り、継ぎ目もない。好ましいプラスチック光学繊維は、ニューヨーク（Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ）に所在するトーレ・インダストリーズ（Ｔｏｒａｙ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ）の製品であり、特に、製品コードＰＧＵ−ＣＤ−５０１−１０−Ｅ光学繊維コードが好ましい。使用可能な別のＰＯＦは、トーレ・インダストリーズの製品コードＰＧＳ−ＧＢ２５０光学繊維コードである。
【００４９】
その代わりに、又はそれに加えて、検出コンポーネントは、導電性材料コンポーネント（ＥＣＣ）２５で構成されてもよい。導電性繊維は、約０．０７×１０^−３〜１０Ｋオーム／ｃｍの抵抗を有するのが好ましい。ＥＣＣ２５を、身体上のセンサを介して、心拍数、脈拍数、体温及び血圧を含む１つ以上の身体生命徴候を監視するため、並びに、個人状態モニタ（ＰＳＭ）にリンクするために用いることができる。適切な材料としては、後述する、第三種の真性導電性ポリマー、ドーピングされた無機繊維及び金属繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
【００５０】
導電性（無機）物質を添加しなくても電流を通すポリマーは、「真性導電性ポリマー」（ＩＣＰ）として知られている。導電性ポリマーは、共役構造、即ち、炭素原子と主鎖との間の単結合と二重結合とが交互になった構造を有する。１９７０年代の後期に、高い導電性を有する形態のポリアセチレンを作ることが可能であり、化学的酸化によりその導電性を更に高められることが発見された。その後、例えばポリチオフェンやポリピロール等の、共役（交互になった単結合と二重結合）炭素主鎖を有する多くの他のポリマーが、同様の挙動を示している。当初は、従来のポリマーの加工性と、発見された導電性とを組み合わせることができると思われていた。しかし、導電性ポリマーは、空気中ではどちらかというと不安定であり、機械的特性が劣り、容易に加工できないことがわかった。また、全ての真性導電性ポリマーは、いかなる溶剤にも不溶であり、溶融点や他の軟化挙動を有さない。従って、これらを、通常の熱可塑性ポリマーと同様に加工することはできず、通常は、様々な分散方法を用いて加工される。これらの短所により、完全に導電性ポリマーで構成された、良好な機械的特性を有する繊維はまだ市販されておらず、よって、今のところ本発明で用いるには好ましくないが、それらを用いることは可能である。
【００５１】
導電性繊維の更に別の種類は、無機粒子又は金属粒子がドーピングされたもので構成される。これらの繊維の導電性は、金属粒子が十分にドーピングされた場合にはかなり高いが、これにより繊維の柔軟性が低下する。このような繊維は、適切に絶縁されれば、センサからの情報をモニタユニットに伝えるために用いることができる。
【００５２】
ポリエチレン又はポリ塩化ビニルで絶縁された銅やステンレス鋼等の金属繊維も、布地内の導電性繊維として使用可能である。銅及びステンレス鋼は、電流を伝える能力が非常に高く、ドーピングされたいかなるポリマー繊維よりも効率が高い。また、金属繊維は強度が高く、伸び、ネックダウン（ｎｅｃｋ−ｄｏｗｎ）、クリープ、切れ目（ｎｉｃｋｓ）及び破断に対する耐性が良好である。従って、非常に小径（０．１ｍｍ程度）の金属繊維は、センサからモニタユニットに情報を伝えるのに十分である。絶縁が施されていても、繊維の直径は０．３ｍｍ未満であるので、これらの繊維は非常に柔軟であり、布地に容易に組み込むことができる。また、金属繊維の設置及びＰＳＭユニットへの接続は簡単であり、特別なコネクタ、工具、化合物及び手順は必要ない。
【００５３】
この目的に適した高い導電性を有する糸の一例は、ベルギー国ウェッテレン（Ｗｅｔｔｅｒｅｎ Ｂｅｌｇｉｕｍ）に所在するベキンテックス（Ｂｅｋｉｎｔｅｘ）ＮＶの子会社であるジョージア州マリエッタ（Ｍａｒｉｅｔｔａ， Ｇｅｏｒｇｉａ）に所在するベカート・コーポレーション（Ｂｅｋａｅｒｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）から入手可能なベキノックス（Ｂｅｋｉｎｏｘ）である。この糸はステンレス鋼繊維で構成されており、６０オーム−メートルの抵抗を有する。この糸の曲げ剛性は、ポリアミド高抵抗糸に比肩するものであり、本発明のデータバスに容易に組み込むことができる。
【００５４】
このように、本発明の衣類用の検出コンポーネントに好ましい導電性材料は、（ｉ）ポリエチレン、ナイロン又は他の絶縁外装を有するドーピングされた無機繊維、（ｉｉ）絶縁されたステンレス鋼繊維、及び（ｉｉｉ）ポリエチレンの外装を有する細い銅線である。これらの繊維は全て、容易に衣類に組み込むことができると共に、後述する弾性プリント回路基板の要素として作用することが可能である。入手可能なドーピングされた無機繊維の一例は、サウスカロライナ州（Ｓｏｕｔｈ Ｃａｒｏｌｉｎａ）に所在するソーコイト・インダストリーズ（Ｓａｕｑｕｏｉｔ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ）のＸ−Ｓｔａｔｉｃがコーティングされたナイロン（Ｔ６６）である。入手可能な細い銅線の一例は、ジョージア州アトランタ（Ａｔｌａｎｔａ， Ｇｅｏｒｇｉａ）に所在するエイク・エレクトニクス（Ａｃｋ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）の２４ゲージ絶縁銅線である。
【００５５】
導電性コンポーネント繊維２５を、２つの方法で織布に組み込むことができる。即ち、（ａ）検出要素として作用する規則的な間隔で配置された糸、及び、（ｂ）センサからＰＳＭに信号を伝えるための正確に配置された糸である。これらを、織布の経糸及び緯糸方向に配分できる。
【００５６】
形状適応コンポーネント（ＦＦＣ）２６は、所望に応じて、着用者に対する形状適応を提供する。より重要なのは、着用者が動いている間も、形状適応コンポーネントが、センサを着用者の身体上の適切な位置に保つことである。従って、選択される材料は、必要な形状適応を与えるために高い伸縮性を有すると同時に、衣類の他のコンポーネント用に選択された材料と適合すべきである。これらの要件を満たす任意の繊維が適している。好ましい形状適応コンポーネントは、ウレタン基を有するブロックポリマーであるスパンデックス（ＳＰＡＮＤＥＸ）繊維である。この繊維の破断時の伸びは５００〜６００％の範囲であるので、衣類に必要な形状適応を与えることができる。この繊維の弾性回復も非常に高く（２〜５％の伸びから９９％の回復）、強度は０．６〜０．９グレイン／デニールの範囲である。この繊維は薬品に対して耐性があると共に、洗濯機による洗濯の繰り返し及び発汗の作用に対しても耐久性がある。この繊維は、様々な線密度のものが入手可能である。
【００５７】
図４の緯糸方向に示されているスパンデックスバンド２６は、筒状織布が所望の形状適応を与えるためのＦＦＣである。これらのバンドは「ストラップ」のように挙動するが、目立たず、布地に良好に一体化されている。衣類が良好にフィットするのを確実にするために、着用者が何かを結ぶ必要はない。更に、スパンデックスバンドは、通常の呼吸中に着用者の胸部が伸縮するにつれ、伸縮する。スパンデックス繊維は、デラウェア州ウィルミントン（Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎ， Ｄｅｌａｗａｒｅ）に所在のＥ．Ｉ．デュポン・ド・ネムール（Ｅ． Ｉ． ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ）から入手できる。
【００５８】
静電気放散コンポーネント（ＳＤＣ）２８の目的は、この情報機能付き衣類の使用中に蓄積したいかなる静電荷も迅速に放散することである。このようなコンポーネントは、常に必要というわけではないかもしれない。しかし、或る条件下では数千ボルトが生じる場合もあり、ＰＳＭユニットの高感度の電子コンポーネントが損傷することもあり得る。従って、選択された材料は、布地に適切な静電放電（ＥＳＤ）保護を与えなければならない。
【００５９】
デュポン（ＤｕＰｏｎｔ）によって製造されたバイコンポーネントファイバーであるＮＥＧＡ−ＳＴＡＴは、静電気放散コンポーネント（ＳＤＣ）として好ましい材料である。この繊維は三裂状の導電性コアを有し、導電性コアはポリエステル又はナイロンで外装されている。この独特の三裂状導電性コアは、誘導によってベース材料の表面電荷を中和し、空気電離及び伝導によって電荷を放散する。ＮＥＧＡ−ＳＴＡＴ繊維の非導電性のポリエステル又はナイロンの表面は、糸からの表面電荷の放出を制御し、特定の最終用途の要件に従って接地された又は接地されない用途において、材料の静電気を効果的に制御する。ポリエステル又はナイロンの外殻は、高頻度の洗濯及び摩耗に対する耐久性と、酸及び放射線に対する保護とを有する、効果的な耐摩耗寿命性能を確実にする。静電気を効果的に放散でき、且つ、着用可能で洗濯可能な衣類のコンポーネントとして機能できるものであれば、他の材料を用いてもよい。
【００６０】
再び図４を参照すると、シャツの高さ、即ち、布地の経糸方向に沿って配置されているＮＥＧＡ−ＳＴＡＴ繊維２８は、静電気放散コンポーネント（ＳＤＣ）である。示されている間隔は、望ましい程度の静電放電に適している。筒織りの衣類に対しては、これは通常、布地の経糸方向に導入されるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【００６１】
図５を参照すると、Ｔ型コネクタ（衣類に用いる「ボタンクリップ」と類似）等のコネクタを用いて、身体センサ３２をＰＳＭに向かう導電性繊維に接続できる。本発明の衣類の設計を（これらのコネクタを用いて）モジュール化することにより、センサを衣類から独立させることができる。これにより、異なる体型に対応する。コネクタは、ワイヤ類へのセンサの取り付けを比較的容易にする。衣類からのセンサの分離の更に別の長所は、衣類を洗濯する際にセンサは洗濯される必要がなく、センサの損傷が最小限になることである。しかし、センサ３２は、織布の構造に織り込まれていてもよいことを認識されたい。
【００６２】
本発明の情報機能付き衣類の製造に用いるのに好ましい材料の仕様は、次の通りである。
【表２】

【００６３】
上記の糸の番手は、一般的に下着に用いられる複数のサイズの糸を用いた初期実験に基づいて選択された。他の番手の糸を用いることもできる。図４は、筒織りの布地の仕様も示している。この実施形態の布地の重量は、だいたい１０オンス／平方ヤード以下である。上記の材料は、本衣類の製造に用いるのに好ましい材料であるが、この明細書を読めば、これらの好ましい材料の代わりに他の材料を用いてもよく、それでも、本発明による知覚的看護用衣類が提供されることが容易に認識されよう。
【００６４】
Ｃ．衣類の情報機能
衣類アセンブリの穿通警報及び生命徴候監視機能を説明するために、衣類アセンブリの作用について述べる。
【００６５】
穿通警報
１．正確にタイミングされたパルスが、検出衣類に統合されたＰＯＦを通って送られる。
２．ＰＯＦに破断がなければ、信号パルスがレシーバーに受け取られ、穿通が無いことを示す「通知」がＰＳＭユニットに送られる。
３．穿通によりどこかで光学繊維が破断している場合は、信号パルスは、衝撃点、即ち破断箇所から１つ目の送信機にはね返る。送信機と信号パルスの通知との間で経過した時間は、信号が破断箇所に到達するまでに移動した長さを示すので、穿通の正確な箇所が識別される。
４．ＰＳＭユニットが、送信機を介して、穿通の位置を特定する穿通警報を送信する。
【００６６】
身体的徴候の監視
１．センサからの信号が、衣類の導電性コンポーネント（ＥＣＣ）を介してＰＳＭユニットに送られる。
２．センサからの信号が通常範囲内であり、且つ、ＰＳＭユニットが穿通警報を受信していない場合は、ＰＳＭユニットによって、身体的徴候の示度が、後の処理のために記録される。
３．しかし、示度が通常から逸脱している場合、又は、ＰＳＭユニットが穿通警報を受信した場合は、身体的徴候の示度は、送信機を用いて送信される。
【００６７】
このように、ここに提案された情報機能付き衣類は、展開が容易であると共に、身体的徴候及び／又は穿通を監視するための全ての機能的要件を満たす。ＰＯＦの実際の穿通の位置の検出は、光学時間領域反射率計（Ｏｐｔｉｃａｌ Ｔｉｍｅ Ｄｏｍａｉｎ Ｒｅｆｌｅｃｔｏｍｅｔｅｒ）によって判定できる。
【００６８】
本発明の好ましい形態を開示したが、当業者が、添付の特許請求の範囲で述べられる本発明及びその等価物の精神及び範囲から逸脱せずに、多くの変形、追加及び削除を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
袖が一体化されたフルファッション衣類の構成を示す図である。（発明の開示と共に与えられている。）
【図２】
図１の衣類用の引通し図を示す図である。
【図３】
図１の衣類用のリフトプランを示す図である。
【図４】
情報機能を有する衣類の形態の、本発明の別の実施形態を示す図である。
【図５】
図４の衣類のセンサの相互接続を示す図である。

Claims (20)

1. 袖が一体化されたフルファッション衣類を連続的に織るプロセスであって、
   一方の組が衣類の前身ごろ用であると共に他方の組が衣類の後身ごろ用である、交互に用いられる少なくとも２組の経糸を設ける工程と、
   少なくとも２組の緯糸を設ける工程と、
   衣類の筒状構造部、該筒状構造部から連続した複合自己縫い綴じ−二層構造部、該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続した独立形二層構造部、及び、該独立形二層構造部から連続した複合自己縫い綴じ−二層構造部を、緯糸及び経糸から織る工程と、
   を含み、
   前記衣類を形成するために前記各種構造部が次々と連続して織られる、プロセス。
2. 前記筒状構造部を織る前記工程が、１本又は１組の糸を前記衣類の前身ごろ及び後身ごろにおいて螺旋状に連続して織り交ぜることを含む、請求項１に記載のプロセス。
3. 身体の生命徴候又は衣類の穿通を監視する機能を設けるための検出コンポーネント繊維を織り込む工程を更に含む、請求項１に記載のプロセス。
4. 前記検出コンポーネント繊維が、光学繊維及び導電性繊維のいずれか又はそれらの両方の群から選択される、請求項３に記載のプロセス。
5. 形状適応コンポーネント繊維を織り込む工程を更に含む、請求項１に記載のプロセス。
6. 静電気放散コンポーネント繊維を織り込む工程を更に含む、請求項１に記載のプロセス。
7. 前記独立形二層構造部を散在させた前記複合自己縫い綴じ−二層構造部を織る前記工程が、前記構造部において前記衣類の両側に袖を生じる、請求項１に記載のプロセス。
8. 前記筒状構造から連続して前記複合自己縫い綴じ−二層構造部が織られ、該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続して独立形二層構造部が織られ、該独立形二層構造部から連続して第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部が織られる、請求項１に記載のプロセス。
9. 袖が一体化された織物衣類であって、
   （ａ）筒状構造部と、
   （ｂ）該筒状構造から連続して織られた複合自己縫い綴じ−二層構造部と、
   （ｃ）該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続して織られた独立形二層構造部と、
   （ｄ）該独立形二層構造部から連続して織られた第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部と
   （ｅ）前記衣類を形成するために次々と連続して織られた前記各種構造部と、
   を有する織物衣類。
10. 前記独立形二層構造を散在させた２つの前記複合自己縫い綴じ−二層構造部によって形成される前記構造部が、前記衣類の両側に袖を含む、請求項９に記載の織物衣類。
11. 前記筒状構造部が、前記衣類の前身ごろ及び後身ごろにおいて螺旋状に連続して織り交ぜられた１本又は１組の糸を含む、請求項９に記載の織物衣類。
12. 身体の生命徴候又は衣類の穿通を監視する機能を設けるための検出コンポーネント繊維を更に含む、請求項９に記載の織物衣類。
13. 前記検出コンポーネントが、光学繊維及び導電性繊維のいずれか又はそれらの両方から成る群から選択される、請求項１２に記載の織物衣類。
14. 形状適応コンポーネント繊維を更に含む、請求項９に記載の織物衣類。
15. 静電気放散コンポーネント繊維を更に含む、請求項９に記載の織物衣類。
16. 前記筒状構造から連続して前記複合自己縫い綴じ−二層構造部が織られ、該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続して独立形二層構造部が織られ、該独立形二層構造部から連続して第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部が織られる、請求項９に記載の織物衣類。
17. （ａ）筒状構造部、複合自己縫い綴じ−二層構造部、独立形二層構造部及び第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部を含む織物構造と、
    （ｂ）光学繊維、導電性繊維のいずれか又はそれらの両方から成る群から選択された検出コンポーネント繊維と、
    を含む、袖が一体化された織物衣類。
18. （ａ）筒状構造部と、該筒状構造から連続して織られた複合自己縫い綴じ−二層構造部と、該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続して織られた独立形二層構造部と、該独立形二層構造部から連続して織られた第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部とを含み、前記衣類を形成するために前記各種構造部が次々と連続して織られた織物構造と、
    （ｂ）光学繊維、導電性繊維のいずれか又はそれらの両方から成る群から選択された検出コンポーネント繊維と、
    を含む、袖が一体化された織物衣類。
19. 袖が一体化されたフルファッション衣類を連続的に織るプロセスであって、筒状構造部、複合自己縫い綴じ−二層構造部、独立形二層構造部及び第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部をそれぞれ製造する複数の工程を含むプロセス。
20. 袖が一体化されたフルファッション衣類を連続的に織るプロセスであって、
    筒状構造部、該筒状構造から連続して織られた複合自己縫い綴じ−二層構造部、該複合自己縫い綴じ−二層構造部から連続して織られた独立形二層構造部、及び、該独立形二層構造部から連続して織られた第２の複合自己縫い綴じ−二層構造部を織り、前記衣類を形成するために前記各種構造部が次々と連続して織られる工程を含む、前記衣類の快適性コンポーネントを織る工程と、
    光学繊維、導電性繊維のいずれか又はそれらの両方から成る群から選択された検出コンポーネント繊維を、前記衣類の前記快適性コンポーネントに織り込む工程と、
    を含むプロセス。

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