JPH04506545A - 電磁放射遮蔽織物及びそれにより作られた衣服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 電磁放射遮蔽織物及びそれにより作られた衣服本発明は電磁放射遮蔽織物および それにより作られた衣服に関するものである。

ＤＥ−Ａ−２９２３２８６から、直角に交わる縦糸と緯糸がステンレス鋼の鋼繊 維と織物用繊維を紡ぎ合わせた混紡糸から作られた織物が公知である。その鋼糸 は非常に細いもので、たとえば直径２５マイクロメートル以下にできる。この文 献では、網の目の寸法は少なくとも０．５平方センチメートルであることが提案 されている。この織物は、帯電防止ネットワークを得て静電荷を防ぐために、た とえばカーペットフロア−または作業着用にデザインされたものである。

しかしそうした繊維は、特に病院職員がたとえばＸ線、ＥＣＧおよびＥＥＧ機器 のような電子医療装置を操作するときや、たとえば操作員がレーダー装置にさら されたときに、マイクロ波やその他の電磁放射に対しては効果的な防護ができな い。電子装置を設備する過程で心臓のペースメーカーもまた小型化され改善され たが、それと同時に、日常生活で発生するような、たとえば放送局やＴＶ局、様 々な電気機器、電気モーター、自動車の電気・電子点火制御装置、髭剃り器、家 庭電気機具、電子コンピュータ装置などの電磁放射の干渉にさらされやすくなっ た。現代の心臓ペースメーカーは正常な心臓の鼓動が妨げられたときにのみペー スメーカー機能に取って変わるために設計されたもので、心臓の鼓動が正常なと きには干渉しないようにされている。しかし、電磁放射が発生すれば心臓のペー スメーカーの制御が妨げられてしまい、現在の心臓の活動に関して過った情報が 受け取られ、その場合制御できなくなることがある。

一方、電磁放射を遮蔽する衣服が存在するのは事実で、たとえばＵＳ−Ａ−４１ ９６３５５で公知のベストがある。しかしこのベストは、その構造と重量により 、重すぎて着心地がよくないため、通常の応用には適さない。

本発明によれば、織物とそれにより作られた衣服が提供され、それらは特にマイ クロ波の範囲の電磁放射に対する遮蔽に非常に適しており、同時に、通常の衣服 着用時と同様の着心地を実現する。

本発明は、ある強度以下の放射は健康を損なうことなく受容されるため、電磁放 射に対する全面的な遮蔽は必要でないこと、および、このことにより着心地を損 なうことなく衣服によって十分な遮蔽が達成できることへの認識に基づくもので ある。

電磁放射に対する遮蔽のために、本発明は直角に交わった縦糸と緯糸がステンレ ス鋼と織物用繊維からなる鋼繊維の混紡糸から作られた織物を提供する。このた めに、その織物は通常の衣服用織物の品質を持ち、そこでは、その織物用繊維は 綿繊維を含み、直径６から１０マイクロメートルで混紡糸の重量当り１０から１ ５パーセントの含量を構成する鋼繊維と結合し、繊維中の縦糸と緯糸の配分およ び縦糸と緯糸の構成は本質的に同量であり、縦方向と緯方向の混紡糸の数はそれ ぞれ、センナメートル当り１８から２０本で、その織物の混紡糸の精巧さは３０ から５０テツクス（ｇ／ｋｍ）の範囲内で、特に３８から４０テツクスであるた め、その織物によって１０ＧＨｚの周波数の電磁放射に対して２０から４０ｄＢ までの遮蔽が達成される。

本発明に従って示される鋼繊維の含量および細かさに基づいて、過剰な電磁マイ クロ波の放射に対する効果的な遮蔽に適した織物が、それはど堅すぎない衣服用 織物の品質で得られる。ゆえに、鋼繊維を含まない衣服に比べてもひけを取らな い衣服を作ることができる。遮蔽効果のために、鋼繊維と織物繊維は、鋼繊維の 本質的部分が混合紡ぎ糸の外面にさらされ、繊維の十分な相互電気接点が繊維の 縦糸と緯糸の交差点で達成されて、ファラデーケージを形成するように互いに混 紡され結合されることが肝要である。混紡糸断面の鋼繊維の平均数は１０から１ ５であることが望ましい。

鋼繊維の厚さはなるべくなら８マイクロメートル、混紡糸中の鋼繊維の含量はな るべくなら重量当り１３．５パーセントがよい。鋼繊維の長さは綿繊維の長さの 範囲内であることが望ましいため、なるべ（なら３から１０センチメートルメー トルがよい。さらに綿繊維とポリアミド繊維の混紡糸を提供することは可能だが 、綿だけでできた織物繊維を提供することが望ましい。

綿は湿気を吸収することができるため、吸湿性を増すことにより導電性が向上す る。

撚り合わせた単糸の紡ぎ糸、つまり一度撚り合わせただけの紡ぎ糸を使用するこ とはできるが、それぞれが撚り合わせた織物繊維と鋼繊維からなる二度撚りの混 紡糸を使用することが望ましく、そこにおいて、単糸は１６から２０テツクスの 糸の細かさで５５０から６５０巻きの巻き度合いで、特にメートル当９２巻きで あり、二度撚り糸の巻き度合いは４００から４８０巻きで、特にメートル当りＺ 巻きである。

本発明に従う織物は軽量で（織物の重量はなるべ（なら１６０グラム／平方メー トルの範囲）、空気を通し、別個の鋼繊維がなくその代わりにたとえば織物繊維 に金属を塗布した場合のように電磁放射に対する遮蔽効果を損なうことなく、他 の衣類と同様に洗うことができる。　さらに、本発明に従う織物は染色できるた め、好ましい流行の素材の衣服をそれから作ることができる。

マイクロ波の放射に対して心臓のペースメーカーを遮蔽することが証明され、か つそれが非常に効果的である本発明に従う織物は、鋼繊維の糸と純綿から作られ た。縦糸と緯糸はＲ１６から１８テツクスの細かさの単糸からなるＲ３８から４ ０テツクスの細かさの二度撚りの糸から作られた。単糸の巻き度合いは５９０か ら６４０　Ｚ／メートルで、混紡糸の巻き度合は４２０から４４０　Ｚ／メート ルだった。単糸に紡がれた鋼繊維の含量は混紡糸の重量当り約１３．５パーセン トだった。織物の糸密度は縦糸方向と緯糸方向にそれぞれ１８から２０本／セン チメートノ１で、織物繊維の平均重量は１６０ｇ／平方メートルだった。織物は ６３８か６６７２Ｎの破壊力で９から１４パーセントの伸び率だった。

本発明に従う衣服は、完全に、もしくは部分的に本発明に従う織物から作られて いる。この織物は衣服全体を形成することもできるし、その裏張りとしても用い られる。その織物自体に他の織物粗材で裏張りすることもできる。この織物を製 造するために、通常の織物片は切り出され、合わせ目に添って縫い合わせられる 。本発明によると、その織物は上述した本発明に従う織物／鋼繊維織物で作られ ていて、その衣服の着用者の少なくとも上腕の肘付近までだけでな（、上半身と 臀部も被うことが肝要である。縫合部領域の遮蔽効果の妨害を避けるために、縫 合部は互いに折り返して、同様に本発明に従う織物繊維／鋼繊維の混紡糸で少な くとも二度伏せ縫いしなければならない。しかし、縫い糸の鋼繊維の含量は織物 用糸の含量よりもあるいは大きいかも知れない。その衣服のジッパ−やボタンフ ァスナーのようなファスナーはすべて金属部分があってはならず、本発明に従う 織物繊維／鋼繊維織物からなる内部ボーダーバンドまたはフラップが取付けられ 、少なくとも５センチメートル、なるべくなら７センチメードルの重ね幅を与え なければならない。その織物にポケットを取付ける場合には、遮蔽効果を妨げな いようにポケットは内側に付けられるのではなく、織物の上に取付Ｇづなければ ならない本発明の衣服の好適な実施例において、その衣服は少なくとも肘までの 丈の袖を持ち、着用者の臀部を被い、閉じることのできるネックラインを持つシ ャツまたはＴシャツの形であり、そのネックラインは閉じていないときでも本発 明に従う織物繊維／鋼繊維織物から作られた内部フラップによって被われる。多 数の実験で証明されたように、そうした衣服は心臓ペースメーカーの装着者が電 磁放射の妨害に対して心臓ペースメーカーを効果的に遮蔽するのに最適であり、 それと同時に、他のシャツやＴシャツと同様の着心地を達成している。その発明 によって、この種のシャツやＴシャツは、他のシャツやＴシャツと同様に見える ように作ることができるため、この種の衣服からは装着者が心臓ペースメーカー を必要とするという事実が外から見ただけでははわからない。

他の好適な実施例において、レーダー装置の操作員に適した本発明の衣服はオー バーオールの形をしており、本発明に従う織物繊維／鋼繊維織物は少なくとも上 腕と臀部だけでなく上半身と、少な（とも膝までを被う。

電子医療機器から発散する電磁放射の影響に対する病院の職員のための保護服と して、上着またはブラウスとズボンの上下からなる一組の衣服が提案されており 、そこではズボンは上着またはブラウスと少なくとも１０センチメートル重なっ ており、上着またはブラウスの胸部にはヴエルクロ型（マジックテープ）ファス ナーによって合わせられる織物繊維／鋼繊維の重ね合わせ部がある。本発明に従 う衣服は快適な織物粗材で作られているため、完全に密着して着ることができ、 またヴエルクロ型ファスナーにより上着やブラウスが着用中に外れることはない 。この取り合わせにおいて、織物の一方の重ね合わせ部はなるべくなら着用者の 一方の肩に達し、他方は少なくとも着用者の体の中央に達したほうがよい。この 衣服のズボンのウェストの寸法もなるべくならヴエルクロ型のファスナーによっ て調整できるほうがよい。本発明に従う衣服において、裏張りは本発明に従う織 物繊維／鋼繊維織物で形成することができ、またその衣服の外側は、たとえば病 院服に通常用いられる品質の軽い綿布で作られてよい。

本発明に従う衣服がオーバーオールまたは上下のスーツとして実施されるとき、 本発明に従う織物粗材を含む立ち襟をなるべくなら付は加えて提供することが望 ましい。

本発明は本発明に従う衣服に関して説明され、図面で描写される。図面に第２図 はオーバーオールの形状の本発明に従う衣服を示し、第３図から第５図は上下の スーツ形状の本発明に従う衣服を前面、側面、後面から示し、 第６図と第７図は第３図から第５図に従う衣服の上着の前面図と側面図を示し、 第８図と第９図は第３図から第５図に従う衣服のズボンの前面図と側面図を示し 、 第１０図は第３図から第９図に従う衣服の縫合部のデザインを示す。

第１図に従うＴシャツまたはシャツは心臓ペースメーカーを装着している人のた めに提供されたもので、特にマイクロ波の範囲の電磁放射に対して心臓ペースメ ーカーを遮蔽するためにデザインされた。このために、そのＴシャツは木綿と鋼 繊維の混紡糸を互いに織り込んだ上に詳述された織物から作られている。Ｔシャ ツは着用者の上半身を完全に被い、その下縁６は明らかに着用者の臀部を越える 長さである。折襟１のついたＴシャツのネックライン２はプラスチック材のジッ プファスナー３によって閉じることができ、そのシップファスナー３の下にはそ れが完全に開いているときでもネックライン２を完全に被う内部フラップ４があ る。内部フラップ４はＴシャツの他の部分と同一の織物材で作られており、Ｔシ ャツの袖５は有害な放射が横からも侵入することがないように肘までの長さであ る。これらの袖５の長さは少な（とも２０センチメートルでなければならない。

第２図に従うオーバーオールは、例えばレーダー要員の作業着として使用でき、 本発明に従う織物部品からも作ることができる。オーバーオールはシップファス ナー３によって立ち襟７の上縁まで閉じることができる。シップファスナー３は プラスチック材でも作ることができ、その下には少なくとも７センチメ一ドル幅 の織物材で作られている内部ボーダーバンド（示されない）がシップファスナー の長さ分ある。ポケット１０は織物材の上にあり、それに縫い付けられている。

これらのポケットは異なる織布で作られてよい第３図から第９図までに従う保護 用のスーツは、電子医療機器から生ずるマイクロ波の放射にさらされる病院の職 員用の保護服として提供される。この保護服のズボンだけでなく上着も、保護効 果を持たない軽い綿織物粗材のような外布と、本発明に従う織物材で作られる裏 地で作られている。この裏地は衣服全体に取付けられている。上着の前部分には 一方の肩まで延びる拡がった外部１４と、内部ボーダー１７が胸の中央まで延び る内部１３がある。上着は外部１４を内部１３の上に重ね合わせるとき、ヴエル クロ型ファスナーストリップ１８によって閉じられる。上着１５には立ち襟７と 肘までの長さの袖５がある。ズボン１６はシップファスナー３によって前で閉じ ることができるが、そのファスナーの下には少な（とも幅５センチメートルの特 に幅広の内部ボーダーバンド２１がついている。ズボンのウェストの寸法はヴエ ルクロ型ファスナーストリップ１８によって調整できる。さらに、ズボンには取 付はポケット１０がある。

第１図から第９図に従うそれぞれの衣服は、織物片を縫合部１９にそって縫い合 わせて仕立てる。第１０図に示されるように、縫合部１９は互いに折り返され、 少なくとも２本の縫い目で縫い合わされる。

ｒＣＴ／ＥＰ　９０１００１２９ 国際調査報告 ＰＣＴ／ＥＰ　９０１００１２９

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. １．直角に交差した縦糸と緯糸からなり、前記糸がステンレス鋼繊維と織物用繊 維を混ぜ合わせた混紡糸として作られている衣服用織物において、その織物用繊 維は綿繊維を含み鋼繊維と撚り合わせてあり、鋼繊維は直径６から１０マイクロ メートルで混紡糸の重量当り１０から１５パーセントの含量で、織物中の縦糸と 緯糸の配分と縦糸と緯糸の構造はほぼ同じで、縦方向と緯方向の混紡糸の数はそ れぞれセンチメートル当り１８から２０本で、織物の糸の細かさは３０から５０ テックスの範囲内であることを特徴としており、それによってスチール鋼の一部 は混紡糸の外面にさらされ、前記交差点で縦糸と緯糸間には相互電気接点が存在 してファラデー・ケージを形成するため、１０ＧＨｚの周波数の電磁放射に対す る２０から４０ｄＢまでの遮蔽がその織物によって達成されることを特徴とする 電磁放射遮蔽織物。
2. ２．混紡糸はそれぞれが織物繊維と鋼繊維から作られた二本の撚り合わせた単糸 からなる二度撚りの混紡糸からなることを特徴としているクレイム１に従う織物 において、単糸は１６から２０テックスの細かさとメートル当り５５０から６５ ０巻きの巻き度合いであり、二度撚り糸の巻き度合いはメートル当り４００から ４８０巻きであることを特徴とする電磁放射遮蔽織物。
3. ３．鋼繊維の繊維厚さは８マイクロメートルで、混紡糸の鋼繊維の含量は混紡糸 の重量当り１３．５パーセントであることを特徴とする請求項１記載の電磁放射 遮蔽織物。
4. ４．鋼繊維の長さが３から１０センチメートルであることを特徴とする請求項１ 記載の電磁放射遮蔽織物。
5. ５．織物繊維が綿のみからできていることを特徴とする請求項１記載の電磁放射 遮蔽織物。
6. ６．織物の重量が平方メートル当り１３０から１９０グラムであることを特徴と する請求項１記載の電磁放射遮蔽織物。
7. ７．衣服用織物はクレイム１から６までの特徴の何れかを有し、袖（５）は少な くとも肘までの丈で、縫合部（１９）は互いに折り返され混紡糸からなる縫い糸 で少なくとも二本の縫い目（２０）で伏せ縫いされ、ファスナー（３、１８）は 金属部分がなく、衣服用織物でできていて少なくとも幅５センチメートルの内部 ボーダーバンド（２１）またはフラップ（４）が下に付いていることを特徴とす る、人が着用するための衣服で、その衣服は完全にもしくは部分的に一枚の衣服 用織物から作られており、その衣服は着用者の少なくとも上半身と臀部を被うよ うな構造であり、さらに、首から胸にかけた領域と袖を具え、その一枚の織物は 縫合面に添って伏せ続いされ、少なくとも首から胸にかけた領域でファスナーに よって開閉するようにしたことを特徴とする電磁放射遮蔽織物により作られた衣 服。
8. ８．織物には、鋼繊維と織物繊維から作られた前記衣服用織物の上に布で作られ たポケット（１０）が取付けられていることを特徴とする請求項７記載の電磁放 射遮蔽織物により作られた衣服。
9. ９．肘までの丈の袖（５）があり、鋼繊維と織物繊維で作られたＴシャツによっ て実施されたことを特徴とする請求項７記載の電磁放射遮蔽織物により作られた 衣服。
10. １０．立ち襟（７）のついたワンピース型オーバーオールであることを特徴とす るクレイム７に従う衣服において、その織物は着用者の脚部の少なくとも膝まで を被う。
11. １１．上着（１５）またはブラウスとズボン（１６）からなることを特徴とする クレイム７に従う衣服において、ズボン（１６）は上着（１５）またはブラウス のそれぞれと少なくとも１０センチメートルだけ重なっており、上着（１５）ま たはブラウスはそれぞれ互いに重なり合う織物部品（１３、１４）があり、その 織物部品（１３、１４）は互いに結合するヴェルクロ型ファスナー（１８）によ って一緒にされることを特徴とする電磁放射遮蔽織物により作られた衣服。
12. １２．上着（１５）を閉じるとき、重なり合う織物部品（１３または１４）の一 方が着用者の一方の肩まで達し、他方の織物部品が少なくとも着用者の体の中央 に達することを特徴とする請求項１１記載の電磁放射遮蔽織物により作られた衣 服。
13. １３．ズボン（１６）の寸法調節はプラスチック材でできたヴェルクロ型ファス ナー（１８）によって行われることを特徴とする請求項１１記載の電磁放射遮蔽 織物により作られた衣服。
14. １４．上着（１５）またはブラウスにはそれそれ、鋼繊維と織物繊維の織物から 作られている立ち襟（７）がついていることを特徴とする請求項１１記載の電磁 放射遮蔽織物により作られた衣服。