JP2004509608A - レチノイドにより調節される遺伝子の発現を同定する試薬及び方法 - Google Patents

レチノイドにより調節される遺伝子の発現を同定する試薬及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、レチノイドにより誘導される成長抑制遺伝子を同定する。本発明は、これらの細胞遺伝子の発現を誘導するレチノイド以外の化合物を同定するための、試薬及び方法を提供する。本発明はまた、組換え哺乳動物細胞であり、レチノイドにより調節される遺伝子のプロモーターの転写制御下でリポーター遺伝子を発現する組換え発現作成物を含む試薬、および、該細胞を使用して、これらの細胞遺伝子の発現を調節するレチノイド以外の化合物を同定する方法を提供する。

Description

【0001】
(発明の背景)
本出願は、2000年5月26日に提出された、米国仮特許出願番号第60/207,535号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、国立衛生研究所からの補助金、RO1CA62099により支援された。政府は、本発明にある権利を有し得る。
【0003】
1.発明の分野
本発明は、細胞遺伝子発現の変化、及び、細胞遺伝子発現の変化をもたらす化合物に関する。特に、本発明は、その発現が、レチノイン酸及びビタミンAに化学的に関連しているレチノイドとして知られる分類の化合物により調節される遺伝子の同定に関する。より具体的には、本発明は、これらの細胞遺伝子の発現を調節するレチノイド以外の化合物を同定する方法を提供する。本発明はまた、レチノイドにより調節される遺伝子のプロモーターの転写制御下でリポーター遺伝子を発現する組換え発現作成物を含む組換え哺乳動物細胞である試薬、及び、これらの細胞遺伝子の発現を調節するレチノイド以外の化合物を同定するために該細胞を使用する方法を提供する。
【0004】
2.関連分野の要約
レチノイドは、ビタミンAの天然または合成誘導体である。それらは、リガンド依存的な転写因子として作用する核受容体に結合することにより、転写レベルで細胞成長及び分化を調節する分類の臨床的に重要な分化剤を含む。これらの化合物は、レチノイド受容体を発現するインビボ及びインビトロで多くの腫瘍細胞型における、細胞分化または末端増殖停止を誘導し(Warrell、1997、癌、腫瘍学の原理及び実践(DeVitaら編)、483〜490頁(Lippincott−Raven、フィラディルフィア)、これによりそれらは、前骨髄球性白血病などのいくつかの癌の処置及び癌化学防御に有用となっている。
【0005】
レチノイド作用の標的は細胞核であり、レチノイドは、RAR(レチノイン酸受容体)及びRXR(レチノイドX受容体)と呼ばれる、2種類の受容体に結合する(Mangelsdorfら、1994、「レチノイド受容体」レチノイド:生物学、化学及び医学、Spornら編、ニューヨーク;Raven Press、319〜351頁)。レチノイド結合受容体分子は、転写因子として作用する、ホモ(RXR−RXR)及びヘテロダイマー(RAR−RXR)を形成する。これらのダイマーは、RARE(レチノイン酸応答エレメント)と呼ばれるレチノイド応答性標的遺伝子のプロモーターにおける特異的シス調節配列に結合し、その転写を調節する。遺伝子発現の生じた変化は、標的遺伝子発現のレチノイド受容体調節により直接に、または、レチノイド活性化シグナル伝達経路、例えば、転写因子AP−1により活性化される経路の作用により間接的に引き起こされる。これらの遺伝子発現変化は、最終的に、レチノイドの成長抑制作用に関与する(Warrell、同上)。
【0006】
レチノイドは、癌処置においていくつかの臨床的な成功を示したが、その使用は、耐性の発達(Millerら、1998、Cancer 83:1471〜1482)または毒性という、少なくとも2つの因子により制限されている。耐性の発達は、一部には、レチノイン酸受容体及びレチノイド受容体を介した経路の変化による(Millerら、同書)。毒性は、一般に、レチノイドによる処置により生じる遺伝子発現の多面発現変化から生じる、レチノイドの広範な生理的結果に帰せられる。
【0007】
以前、上皮細胞において数個の成長抑制遺伝子が、レチノイドにより誘導されることが判明した。しかし、これらの遺伝子のいずれも、単独ではレチノイドの成長抑制作用に関与していないことが示された。
【0008】
Adamoら、1992、Endocrinology 131:1858〜1866は、乳癌細胞系におけるインシュリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP−3)の誘導を開示した。
【0009】
Swisshelmら、1995、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4472〜4476は、別のインシュリン様成長因子結合タンパク質であるIGFBP−7(インシュリン様成長因子結合タンパク質関連タンパク質1すなわちIGFBP−rP1、及びmac25としても知られる)を、フェンレチニド(4−ヒドロキシフェニルレチナミド、4−HPR)による細胞の処置により誘導されるタンパク質として同定した。このタンパク質はまた、哺乳動物癌細胞系において下方制御されることが示された。
【0010】
Katoら、1996、Oncogene 12:1361〜1364は、mac25cDNAの骨肉腫細胞系への導入により成長が阻害されたことを示した。
【0011】
Gucevら、1996、Cancer Res.56:1545〜1550は、IGFBP−3を、全トランスレチノイン酸(RA)及びトランスフォーミング成長因子β(TGF−β)の両方により、乳癌細胞で誘導されるタンパク質として同定した。これらの細胞におけるRA媒介成長抑制は、IGFBP−3発現を阻害する細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入することにより、または、外来性IGFBP−3を細胞に導入することにより軽減した。
【0012】
DiSepioら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:14811〜14815は、推定腫瘍サプレッサー遺伝子である、タザロテン誘導遺伝子3(TIG−3、レチノイド誘導性遺伝子1、すなわちRIG−1としても知られる)は、初期ヒトケラチノサイトにおいて誘導されることを示した。TIG−3は、癌細胞での発現の減少を示し、発現時には癌細胞の成長を阻害し、そして、既知の腫瘍サプレッサー遺伝子H−rev107と配列相同性を共有する。
【0013】
Huangら、2000、Molec.Cell.Endocrinol.159:15〜24は、TIG−3が、インビトロでの胃癌細胞系においてレチノイドにより誘導されたことを示した。
【0014】
Liuら、2000、J.Cancer.Res.Clin.Oncol.126:85〜90は、肝癌細胞系における転移サプレッサー遺伝子nm23−H1のRA誘導発現を報告した。
【0015】
従来技術の教義により、レチノイド媒介成長抑制の1つの機序は、腫瘍サプレッサー遺伝子、及び、抑制されているか、または、その発現が腫瘍細胞において下方制御されている、腫瘍サプレッサー遺伝子及び他の成長抑制遺伝子の活性化(または再活性化)であることが示唆される。しかし、当分野の報告は、レチノイド誘導成長停止の条件下で活性化される成長抑制遺伝子の実体または数を示すことができていない。かかる報告はまた、レチノイド誘導遺伝子が、そのプロモーター中のRARE部位を通して直接誘導されたのか、または間接的に誘導されたのかを示すことができていない。後者の場合、レチノイドに応答性ではない細胞においてさえ、該成長抑制遺伝子を活性化することが可能であろう。
【0016】
当分野には、発現がレチノイドにより調節される遺伝子、特に、レチノイドにより間接的に誘導される成長抑制遺伝子を同定する必要が依然としてある。また、当分野には、レチノイド調節される細胞遺伝子、特に成長抑制遺伝子の発現に対する、化合物の作用を評価する方法を開発する必要がある。さらに、現在の臨床使用において、耐性が容易に発達せず、レチノイドの毒性及び他の全身的副作用のない、細胞遺伝子発現に対するレチノイドの作用を模倣した代替の化合物を開発する必要がある。
【0017】
(発明の要約)
本発明は、発現がレチノイドにより調節される遺伝子、並びに、該化合物に対する耐性または毒性を引き起こすことなく、レチノイドの作用を模倣する化合物を同定するための試薬及び方法を提供する。
【0018】
第一の態様において、本発明は、遺伝子の発現がレチノイドにより誘導され、RARE部位を含まない、遺伝子に由来するプロモーターに作動可能に連結したリポーター遺伝子をコードする組換え発現作成物を提供する。好ましい実施形態において、リポーター遺伝子は、ホタルルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質、またはアルカリホスファターゼをコードする。好ましいレチノイドは、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナートおよびレチノール(ビタミンA)を含む。本発明の組換え発現作成物を含む最も好ましいプロモーターは、レチノイドにより誘導され、成長抑制活性を示すことが知られている、細胞遺伝子由来のプロモーターである。好ましい実施形態において、細胞遺伝子プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)またはセレクチンL(配列番号12)に由来する。特に好ましい実施形態において、プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)である。
【0019】
第二の実施形態において、本発明は、レチノイド誘導性細胞遺伝子由来のプロモーターの転写制御下にあるリポーター遺伝子をコードする、発明の組換え発現作成物を含む哺乳動物細胞を提供する。好ましい実施形態において、リポーター遺伝子は、ホタルルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセトルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質、またはアルカリホスファターゼをコードする。好ましいレチノイドは、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナート及びレチノールを含む。発明の組換え発現作成物を含む最も好ましいプロモーターは、レチノイドにより誘導され、成長抑制活性を有することが知られている細胞遺伝子由来の、または、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)またはセレクチンL(配列番号12)由来のプロモーターである。特に好ましい実施形態において、プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)に由来する。
【0020】
第三の実施形態において、本発明は、哺乳動物細胞においてレチノイド誘導性遺伝子の発現を誘導する化合物を同定する方法を提供する。この方法では、レチノイド誘導性細胞遺伝子由来のプロモーターの転写制御下にあるリポーター遺伝子をコードする本発明の組換え発現作成物を含む本発明に記載の組換え哺乳動物細胞を、化合物の存在下及び不在下で哺乳動物細胞において少なくとも1つのレチノイド誘導遺伝子の発現を誘導する条件下で培養する。化合物の存在下における細胞のリポーター遺伝子発現を、化合物の不在下における該細胞のリポーター遺伝子発現と比較する。リポーター遺伝子発現が、化合物の不在下よりも化合物の存在下の方が高い場合に、レチノイド誘導遺伝子発現を誘導する化合物と同定する。好ましい実施形態において、リポーター遺伝子は、ホタルルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセトルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質、またはアルカリホスファターゼをコードする。好ましいレチノイドは、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナート及びレチノールを含む。本発明の組換え発現作成物を含む最も好ましいプロモーターは、レチノイドにより誘導され、成長抑制活性を示すことが知られるか、または、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)またはセレクチンL(配列番号12)に由来する、細胞遺伝子のプロモーターである。特に好ましい実施形態において、プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)に由来する。好ましい実施形態において、リポーター遺伝子の発現は、免疫学的試薬を使用して、相補的で検出可能なように標識された核酸に対するハイブリダイゼーションにより、または、リポーター遺伝子産物の活性を検出することにより検出する。
【0021】
第四の実施形態において、本発明は、哺乳動物細胞においてレチノイド誘導性遺伝子の発現を誘導する化合物の同定法を提供する。本発明のこの態様において、哺乳動物細胞を、化合物の存在下及び不在下で培養する。その後、細胞を、発現がレチノイドにより誘導される少なくとも1つの細胞遺伝子の発現についてアッセイする。下位区分(b)の細胞遺伝子の発現が、化合物の不在下よりも化合物の存在下の方が高い場合、哺乳動物細胞においてレチノイド誘導性遺伝子の発現を誘導する化合物と同定する。好ましいレチノイドは、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナートまたはレチノールを含む。遺伝子は、レチノイドにより誘導され、成長抑制活性またはヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;NCBI受託番号M35878.1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(受託番号AC004503.1)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;受託番号AH009382.1)、ユビキチン様タンパク質FAT10(受託番号AL031983)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;受託番号U91729)、プロテインC阻害剤(PCI;受託番号AL049839.3)、T細胞受容体γ(受託番号AC006033.2)、レチナールオキシダーゼ(受託番号AF010260)、Bene(受託番号AP001234.3)、HIF−2α/EPAS−1(受託番号NT_005065.3)、セレクチンL(受託番号AL021940.1)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;受託番号AL136295.2)を有することが知られている細胞遺伝子である。特に好ましい実施形態において、遺伝子は、ヒトIGFBP−3、βIG−H3、EPLIN、FAT10またはPA28αである。好ましい実施形態において、細胞遺伝子の発現は、免疫学的試薬を使用して、相補的で検出可能なように標識された核酸に対するハイブリダイゼーションにより、または、遺伝子産物の活性を検出することにより検出する。
【0022】
本発明は、癌を有する動物を処置して、疾患を予防または寛解するための方法も提供する。この態様において、レチノイド誘導遺伝子の発現を誘導する本発明により同定される化合物の治療有効投与量を、それを必要とする動物、最も好ましくはヒトに投与する。
【0023】
本発明の特に好ましい実施形態は、ある好ましい実施形態及び特許請求の範囲の以下のより詳細な説明から明らかとなろう。
【0024】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、レチノイドにより発現が誘導される遺伝子を提供する。本発明はまた、レチノイドの遺伝子発現誘導特性を模倣しているが、レチノイド処理に特徴的である毒性及び細胞が耐性を発達する傾向のない、化合物を同定するための、試薬及び方法も提供する。
【0025】
本発明者らは、ヒト乳癌MCF−7細胞などのレチノイド感受性細胞のレチノイドによる処理は、レチノイド誘導性遺伝子のコホートを含む遺伝子群の発現を誘導すると決定した。これらの遺伝子のいくつかは成長抑制遺伝子、すなわち、その発現が腫瘍細胞の成長または腫瘍原性を阻害する遺伝子である。これらの遺伝子は、とりわけ、腫瘍細胞、及び、不適切にまたは病原的に増殖する他の細胞において、その成長を阻害するために、誘導すべき標的として重要である。発現がレチノイドにより調節可能である遺伝子は、RAREと呼ばれる、そのプロモーターに特定のクラスの配列を含むことが当分野では知られていた(Mangelsdorfら、1994、レチノイド:生物学、化学、及び医学、(Spornら編)、327〜330頁(Raven Press、ニューヨーク)。しかし、驚くべきことに、本発明者らにより決定されたMCF−7細胞でレチノイドにより最も強力に誘導される1つの遺伝子を除く全ての遺伝子が、そのプロモーターに該RARE配列を含まなかった。この意外な結果により、レチノイドは、これらの遺伝子のRARE配列へのRXRホモダイマーまたはRAR−RXRヘテロダイマー結合を必要としない機序により、これらの遺伝子を間接的に活性化することが示された。この結果により、レチノイド以外の化合物は、レチノイド感受性及びレチノイド非感受性細胞の両方において、これらの(及び、おそらく他の)成長抑制遺伝子の発現を誘導できるはずであることが示唆された。本発明より前には、レチノイド非感受性細胞を、レチノイド誘導性成長抑制遺伝子を発現するように誘導できることを疑う理由はなかった。
【0026】
本明細書に開示したのは、哺乳動物細胞において成長抑制効果を有する数個の遺伝子を含む、13個のレチノイド誘導性遺伝子の本発明者らによる発見である。当業者は、これらの結果は完全ではなく、他の成長抑制遺伝子も、哺乳動物細胞においてレチノイドにより誘導され得ることを理解するだろう。本結果を鑑みて、当業者はまた、これらの追加的な遺伝子のいくつかは、そのプロモーターにRARE配列を欠き、従って、レチノイドにより間接的に誘導されると期待されることを理解するだろう。本明細書に開示したように、プロモーターにRARE配列を欠いたレチノイド誘導性遺伝子は、細胞増殖に対する生理学的に基づいた成長抑制効果を模倣したレチノイド以外の化合物を同定するための有用な標的である。該化合物の同定は、有利には、哺乳動物細胞、特に腫瘍細胞及び不適切または病的に増殖する他の細胞において、成長停止を引き起こす代替的な薬剤を提供する。該化合物は、レチノイドの成長抑制効果を模倣できるので有益である。
【0027】
該化合物の別の利点は、従来技術で既知の他の成長抑制化合物で見られる全身性副作用を引き起こすことなく、成長抑制効果を示すことを期待できることである。例えば、従来技術で既知の多くの成長抑制薬物及び化合物は、不利には、p21遺伝子発現を誘導し、これは、その発現が、本明細書に参考として取込んだ、疾患、特に年齢関連疾患、例えばアルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、腎疾患、及び関節炎の発達に関連している(2001年2月1日に提出された共所有及び同時係属米国特許出願番号第60/_____(代理人名簿番号99,216−E)及び2001年5月21日に提出された米国特許出願番号第09/_____(代理人名簿番号99,216−F)、複数の遺伝子を活性化することにより老化、成長停止及びアポトーシスを誘導する。これに対し、MCF−7細胞におけるレチノイン酸誘導成長抑制は、p21を誘導しない(Zhuら、1997、Exp.Cell.Res.234:293〜299)。レチノイドにより誘導される本明細書に同定した遺伝子は、動物で発現した場合に、疾患或いは不利または病的な作用に関連していないことが知られている。従って、本明細書に同定した1つまたは複数の遺伝子の発現を誘導することによるレチノイドの成長抑制効果を模倣した該化合物の同定により、かかる副作用は減少または全く示さないことが期待でき、これによりそれらは、抗腫瘍及び他の療法のより良好な薬剤となる。従って、当分野で既知の成長抑制化合物の毒性副作用を引き起こすことなくレチノイドの成長抑制効果を模倣した化合物の発見は、有利には、本発明により提供される。
【0028】
本明細書に提供したように、レチノイドに応答性であるがそのプロモーターにRARE部位を含まない哺乳動物遺伝子は、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;NCBI受託番号M35878.1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(受託番号AC004503.1)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;受託番号AH009382.1)、ユビキチン様タンパク質FAT10(受託番号AL031983)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;受託番号U91729)、プロテインC阻害剤(PCI;受託番号AL049839.3)、T細胞受容体γ(受託番号AC006033.2)、レチナールオキシダーゼ(受託番号AF010260)、Bene(受託番号AP001234.3)、HIF−2α/EPAS−1(受託番号NT_005065.3)、セレクチンL(受託番号AL021940.1)またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;受託番号AL136295.2)を含む。
【0029】
本発明の目的では、「細胞」または「細胞群」なる言及は等価であるとし、特に、当分野で既知のように育成及び維持された哺乳動物細胞のインビトロ培養物を包含する。
【0030】
本発明の目的では、複数形の「細胞遺伝子」の言及は、単一の遺伝子並びに2つ以上の遺伝子を包含するものとする。また、細胞遺伝子発現、または、細胞遺伝子に由来するプロモーターの転写制御下にあるリポーター作成物の調節の効果を、第一遺伝子で検出でき、その後、該効果を、第二または任意の数の追加的な遺伝子またはリポーター遺伝子作成物を試験することにより複製できることが当業者により理解されるだろう。または、2つ以上の遺伝子またはリポーター遺伝子作成物の発現を同時に本発明の範囲内でアッセイできる。
【0031】
本明細書に使用したような、「RARE部位」なる語は、1つ、2つまたは5つのヌクレオチドだけ離れた、2つの六量体コアモチーフ(Mangelsdorfら、1994、レチノイド:生物学、化学、及び医学(Spornら編)、327〜330頁(Raven Press、ニューヨーク)に定義の通り)を包含するものとし、ここでの六量体モチーフは、直列、逆方向または回文構造反復として整列している。
【0032】
本発明者らは、MCF−7ヒト乳癌細胞を、低用量のレチノイドで処理すると、最小限の細胞毒性を伴い次第に成長停止及び細胞老化の表現型特徴を誘導する(Changら、1999、Cancer Res.59:3761〜3767)。比較的低用量のRAが、MCF−7細胞において不可逆的な成長停止を誘導することが判明したが、細胞死により引き起こされる細胞数の減少はほんの僅かであった。「低用量」のRA(10〜100nM)によるこの効果が顕現するのには、4〜6日間の連続的なRAへの暴露が必要であった。低用量のレチノイド処理は、拡大し平坦な細胞形態の発達及び老化関連マーカーSA−β−ガラクトシダーゼ(SA−β−gal)の発現を含む、細胞老化に特徴的な処理細胞における表現型特徴の発達を伴った。SA−β−galの誘導も、フェンレチニドでの処理後にインビボでMCF−10T新哺乳動物上皮細胞の異種移植片で観察された。これらの結果により、レチノイド処理は、細胞分裂停止用量で投与した場合に、インビボ及びインビトロで、腫瘍細胞に老化を誘導することが示唆された。
【0033】
老化は、当業者に既知の多くの方法で哺乳動物細胞に誘導できる。例えば、老化は、インビボまたはインビトロで、正常な細胞成長の当然の結果であり:正常細胞が老化する前に受けることのできる、細胞分裂、継代または世代の数は限定されている。正確な数は、細胞型及び起源種により変化する(Hayflick&Moorhead、1961、Exp.Cell.Res.25:585〜621)。老化はまた、大半の抗癌薬または照射などの細胞毒性薬物での処理により、正常及び腫瘍細胞の両方に誘導できる。Changら、1999、Cancer Res.59:3761〜3767参照。老化はまた、その細胞に、腫瘍サプレッサー遺伝子(例えばp53、p21、p16またはRb)を形質導入し、そこで該遺伝子を発現することにより、任意の哺乳動物細胞で迅速に誘導できる。Sugrueら、1997、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:9648〜9653;Uhrbornら、1997、Oncogene 15:505〜514;Xuら、1997、Oncogene 15:2589〜2596;Vogtら、1998、Cell Growth Differ.:139〜146参照。哺乳動物細胞に老化を誘導するこれら及び他の手段並びに方法は、当業者により認識及び理解され、本発明の範囲内に該当する。
【0034】
本発明の試薬は、レチノイドに応答して細胞遺伝子発現を誘導できる、任意の哺乳動物細胞、好ましくは齧歯類または霊長類細胞、より好ましくはマウス細胞、最も好ましくはヒト細胞を含み、該遺伝子は、遺伝子工学により導入した内因性遺伝子または外来性遺伝子である。好ましい細胞は、哺乳動物細胞、好ましくは齧歯類または霊長類細胞、より好ましくはマウスまたはヒト細胞を含む。
【0035】
組換え発現作成物は、当業者に理解されているような適切な哺乳動物細胞に導入できる。該作成物の好ましい実施形態は、当分野で既知のような、感染性ベクター、より好ましくはウイルスベクター、最も好ましくはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアウイルスベクターで作成する。一般に、哺乳動物細胞、生物工学:実践的なアプローチ(Butler編)、オックスフォード大学出版:ニューヨーク、1991、57〜84頁参照。
【0036】
本発明はまた、リポーター遺伝子が、発現がレチノイドにより誘導される遺伝子のプロモーターの転写制御下にある、組換え発現作成物を提供する。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、レチノイドは、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナートまたはレチノールである。好ましい実施形態において、プロモーターは、発現が、レチノイドによる細胞の処理によって誘導または別様に増加する遺伝子に由来し、好ましくは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)、またはセレクチンL(配列番号12)に由来する。最も好ましくは、プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)またはセレクチンL(配列番号12)に由来する。最も好ましくは、プロモーターは、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパクFAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)に由来する。その後、これらのリポーター遺伝子は、レチノイド誘導遺伝子発現効果の高感度で簡便な指示薬として使用され、哺乳動物細胞でレチノイドの効果を模倣した化合物を容易に同定できる。これらの作成物用の宿主細胞は、任意の哺乳動物細胞を含む。本発明のこの態様の実践に有用なリポーター遺伝子は、蛍ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質、及びアルカリホスファターゼを含むがこれに限定されない。
【0037】
以下の実施例は、本発明のある好ましい実施形態をさらに説明するものであり、限定する性質のものではない。
【0038】
(実施例1)
レチノイン酸での処理による遺伝子発現調節の解析
細胞学的及び遺伝子発現解析を実施して、MCF−7細胞培養液に対するレチノイン酸処理の効果を決定した。
【0039】
クローン原性アッセイを実施して、100nMのRAで様々な時間で処理した後に、MCF−7細胞における増殖能の差異を解析した。細胞を、1〜7日間、100nMのRAに暴露し、各時間点における処理後のそのコロニー形成能について試験した。図1Aに示したように、非処理対照に規準化したプレーティング効率は、100nMのRAと共に細胞をインキュベートする時間の経過と共に減少した。減少は、最初は急速で(RAと共に2日間インキュベートした後にはプレーティング効率は100%から40%に)、7日目には最終プレーティング効率は約10%までよりゆっくりと減少した。図1Bは、様々な濃度のRAにおける、MCF−7細胞のプレーティング効率を示し;これらの結果は、全ての試験した用量における(10nMまで低い)プレーティング効率の用量依存的減少を示す。プレーティング効率の有意な減少が、細胞成長に対するレチノイドの効果の研究に慣用的に使用される濃度(≧1μM)よりもはるかに低い濃度で観察された。
【0040】
これらの結果は、レチノイドにより調節された細胞遺伝子発現の変化に因る、細胞成長及び増殖能の減少と一致した。遺伝子発現変化を研究するために、ポリ(A)+RNAを、非処理MCF−7細胞から、及び、100nMのRAで5日間処理した細胞から単離した。cDNAを、これらのRNA個体群から調製し、cDNAを、異なるヒト遺伝子及びESTの>7,000個のcDNAを含むcDNAマイクロアレイ(ヒトUniGEM V cDNAマイクロアレイ、Incyte Genomics、ミズーリ州セントルイス)とハイブリダイズさせた。cDNAプローブ合成、マイクロアレイとのハイブリダイゼーション、及びシグナル解析を、Incyte Genomicsの市販サービスにより実施した。
【0041】
マイクロアレイ中のRNA処理細胞のどの遺伝子も、相対的なハイブリダイゼーション強度の2.5倍以上の増加、または、3倍以上の減少を示さなかった。マイクロアレイハイブリダイゼーションにおいて最大の差異を示した計47個の遺伝子のRNAレベルの変化を、逆転写PCR(RT−PCR)解析により試験した。これらの中で、「平衡差次的発現」(相対的ハイブリダイゼーション強度の尺度)において、27個の遺伝子が1.4〜2.5倍の増加を示し、20個の遺伝子が1.7〜3.0倍の減少を示した。
【0042】
RT−PCR解析を、内部規準標準物質としてβ−アクチンを使用して、実質的に記載のように実施した(Noonanら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:7160〜7164)。RAにより最も強力に誘導された、13個の遺伝子のRT−PCRプライマーの配列及びPCR条件は以下の通りである:
【表1】
Figure 2004509608
【表2】
Figure 2004509608
【0043】
RT−PCRアッセイにより、47個中43個の遺伝子の発現の変化が確認され、13個の上方制御された遺伝子が、マイクロアレイハイブリダイゼーションにより示されたよりもはるかに強力に(5〜10倍以上)RAにより誘導されたことが示唆され;これらの結果を図2A及び2Bに示す。これらの13個の遺伝子のRNAレベルの変化の時間経緯の解析(図2A)により、クローン原性の消失と平行して、RA処理の1から4日間の間に、その発現が増加したことが示された(図1Aに示す)。遺伝子発現のRA用量依存性の解析(図2Bに示す)により、これらのほぼ全ての遺伝子が、検出可能なクローン原性の消失をもたらした最も低い用量のRA(10nM)によってさえ誘導されることが示された。全13個の遺伝子は、乳癌化学防御に使用される、1μMの別のレチノイドであるフェンレチニドでの処理によっても誘導された(これらの結果は図2Cに示す)。
【0044】
この群の3つの遺伝子の誘導を試験し、EPLINに対するウサギポリクローナル抗体(UCLAのDavid Chang博士より贈与)、及び、IGFBP−3及びEPAS−1/HIF−2αに対するヤギポリクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc.、カリフォルニア州サンタクルス)及び標準的な技術を使用して、図3Aに示した免疫細胞化学アッセイにより、タンパク質レベルで確認した。抗体染色は、製造業者の指示に従って、ベクタステインキット(Vector Labs、カリフォルニア州バーリンゲーム)を使用して検出した。これらの結果により、RA処理細胞におけるIGFBP−3、EPAS−1/HIF2α、及びEPLINmRNAの誘導は、対応するタンパク質の発現の増加を伴ったことが示される。
【0045】
これらの結果により、RA及びフェンレチニドは、これらのレチノイドが細胞成長を阻害し老化表現型を誘導する条件下で、共通の遺伝子セットの発現を強力に誘導することが示された。
【0046】
(実施例2)
レチノイン酸での処理により、MCF−7細胞に誘導された遺伝子の生物学的機能
実施例1に考察したように検出した遺伝子は、文献探索により、レチノイドの細胞効果に関連した生物学的機能を有することが判明した。
【0047】
顕著には、レチノイドにより強力に誘導された13個中4個の遺伝子が、抗増殖活性を有すると報告されている。第一の遺伝子は、乳癌細胞でRAにより誘導可能であり、これらの細胞の成長を阻害することが示された分泌因子である、インシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3)をコードする(Adamoら、1992、Endocrinology 131:1858〜1866;Gucevら、1996、Cancer Res.56:1545〜1550)。IGF隔絶におけるその役割に加えて、IGFBP−3は、近年、レチノイド受容体RXRαに結合し、その転写活性を調節することが判明した(Liuら、2000、J.Biol.Chem.275:33607〜33613)。IGFBP−3の誘導は、図3Aに示した免疫細胞化学アッセイにより確認した。
【0048】
レチノイドでの処理により誘導される別の成長抑制遺伝子は、数個の細胞型においてTFG−βにより誘導可能である、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3をコードする(Skonierら、1992、DNA Cell Biol.11:511〜522)。βIG−H3の形質移入により、チャイニーズハムスター卵巣細胞の腫瘍原性が阻害されることが示された(Skonierら、1994、DNA Cell Biol.13:571〜584)。βIG−H3は、正常なヒト線維芽細胞では発現されるが、悪性形質転換されたヒト線維芽細胞では発現されず(Schenker&Trueb、1998、Exp.Cell.Res.239:161〜168)、これは、この遺伝子が腫瘍サプレッサーであり得ることを示唆する。
【0049】
第三の遺伝子は、初期上皮細胞に発現されるが、異なる型の癌では下方制御されているアクチン結合タンパク質である、EPLINと呼ばれるLIMドメインタンパク質をコードする(Maul&Chang、1999、Oncogene 18:7838〜7841)。EPLINの異所的発現は、骨肉腫細胞系で細胞増殖を抑制することが示された(MaulとChang、同上)。EPLIN遺伝子は、EPLINα及びEPLINβという2つのタンパク質アイソフォームをコードし、大きい方の(β)アイソフォームが、より強力な成長抑制効果を示す。観察されたEPLIN遺伝子発現の誘導は、免疫細胞化学及びイムノブロットアッセイにより確認した(結果を図3A及び3Bに示す)。これらのアッセイを、EPLINに対するウサギポリクローナル抗体(UCLAのDavid Chang博士より贈与)を使用して実施し、標準的な技術により実施した。抗体染色は、免疫細胞化学ではベクタステインキット(Vector Labs)を使用して、イムノブロットではホースラディッシュペルオキシダーゼ抱合ヤギ抗ウサギIgG(Santa Cruz)を使用して検出した。MCF−7細胞におけるEPLINの電気泳動移動度(110kDa;図3B)は、βアイソフォームに対応し、これは、このアイソフォームによるより強力な成長抑制を示した当該技術に一致する。
【0050】
第四の遺伝子は、ユビキチン様タンパク質FAT10をコードする。FAT10は、紡錘体タンパク質Mad2と相互作用し、HeLa癌細胞におけるその過剰発現は、細胞生存に有害であると報告された(Liuら、1999、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:4313〜4318)。
【0051】
レチノイン酸処理は、レチノイン酸受容体RARα(Zhuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:14807〜14812)及びサイクリンD(Spinellaら、1999、J.Biol.Chem.274:22013〜22018)のプロテアソームを介した分解を促進することが知られている。プロテアソームを介したサイクリンDの分解は、レチノイド誘導成長停止の機序として提唱されている(Spinellaら、同上)。顕著なことには、RA誘導遺伝子の1つが、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α)をコードしている。PA28αの発現は、プロテアソームを活性化するのに十分であり(Groettrupら、1996、Nature 381:166〜168)、この遺伝子の誘導は、少なくとも一部には、レチノイドによるプロテアソーム活性化を説明し得る。それ故、Pa28αは別の成長抑制剤と捉えることができる。
【0052】
さらに別のRA誘導遺伝子は、ビタミンAからRAを合成する第一段階を触媒する酵素である、レチナールオキシダーゼ(アルデヒドオキシダーゼ)をコードしている(Huangら、1999、Arch.Biochem.Biophys.364:264〜272)。観察されたレチナールオキシダーゼの誘導により、レチノイド処理は、処理細胞におけるRA合成を刺激し得、正のフィードバック機序を提供する可能性があることが示唆される。
【0053】
βIG−H3とは別に、2つの他の誘導遺伝子は、老化に似た平板な形態及びRA処理MCF−7細胞の接着の増加に寄与し得る、分泌タンパク質をコードする。これらの1つは、細胞外マトリックスの細胞接着因子であるMac−2結合タンパク質(Mac−2BP)をコードしている(Sasakiら、1998、EMBO J.17:1606〜1613)。Mac−2BPはまた、p21により誘導されたヒト線維肉腫細胞の老化でも上方制御されている(Changら、2000、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:4291〜4296)。他の遺伝子は、普通肝臓により産生される非特異的セリンプロテアーゼ阻害剤である、プロテインC阻害剤(PCI)をコードしている。レチノイド処理MCF−7細胞は、老化マーカーを発現しているが、この細胞系でRAにより強力に誘導されるどの遺伝子も、上皮細胞分化に関与していない。しかし、誘導遺伝子の2つは、白血球ホーミング受容体L−セレクチン及びT細胞受容体を含む、造血系統に特異的な膜貫通タンパク質をコードしている。これらの遺伝子の誘導は、造血悪性疾患におけるレチノイドの十分に文書化されている分化効果に相関している(Warrell、1997、同書)。RAはまた、既知の機能を全く有さないBeneという別の膜貫通タンパク質を誘導する。
【0054】
最後の2つのRA誘導遺伝子は、既知または推定の転写調節因子をコードしている。それらの1つは、遺伝子発現に対する、低酸素症及びいくつかの他のストレス因子の効果を媒介する、PASドメイン転写因子のファミリーの一員であるHIF−2α/EPAS−1である(Semenza、1999、Annu.Rev.Cell.Dev.Biol.15:551〜578)。興味深いことに、IGFBP−3はまた、低酸素症刺激遺伝子の1つである(Feldserら、1999、Cancer Res.59:3915〜3918)。HIF−2α/EPAS−1の誘導は、図3Aに示した免疫細胞化学アッセイにより確認した。
【0055】
最後のRA誘導遺伝子は、リングフィンガータンパク質RNF(受託番号YO7828)をコードしている。RNF機能は不明であるが、それは、調節タンパク質の1ファミリーと25〜38%のアミノ酸同一性を共有し、そのいくつかは、レチノイド応答、老化または分化に関与している。これらは、レチノイド受容体のリガンド依存的転写活性化補助因子として機能するTIF1α(Le Douarinら、1995、EMBO J.14:2020〜2033)、並びに、PMLのt(15;17)転位置でRARαと融合する前骨髄球性白血病(PML)遺伝子(Kakizukaら、1991、Cell 66:663〜674)を含む。PMLは、近年、ヒト線維芽細胞において変異RASにより誘導される加速老化のメディエーターとして同定された(Ferbeyreら、2000、Genes Dev.14:2015〜2027)。同じファミリーの別のメンバーはHERF1であり、これは、赤血球の末端分化に必要である(Haradaら、1999、Mol.Cell.Biol.19:3808〜3815)。興味深いことに、HERF1、RNF及びFAT10は全て、染色体6p21.3の主要組織適合遺伝子座に位置する。この遺伝子座はまた、RARαの遺伝子を含み、これはRAにより誘導され(Shangら、1999、J.Biol.Chem.274:18005〜18010)、老化哺乳動物細胞で上方制御されていると報告された(Swisshelmら、1994、Cell Growth Differ.:133〜141)。
【0056】
本明細書に開示したように、レチノイドでの乳癌細胞の処理は、同時に、新生物細胞(EPLIN及びβIG−H3)で選択的に下方制御されている候補腫瘍サプレッサーを含む、既知の抗増殖機能をもつ数個の遺伝子を誘導する。UniGemVアレイは、全てのヒト遺伝子の僅か一部を含むので、レチノイドにより同時誘導される成長抑制剤の実際の数は、本明細書で同定した遺伝子よりもはるかに多いはずである。しかし、追加のレチノイド誘導性成長抑制剤は、本明細書に記載のcDNAプローブを、より大きなcDNAアレイまたはアレイの組合せにハイブリダイズすることにより、または、当分野で公知の方法を使用して差次的cDNAクローニングを実施することにより容易に同定できる(例として、本明細書に参考として取込んだ国際特許出願公開公報第WO00/61751号参照)。
【0057】
これらの結果により、レチノイドは、数個の成長抑制遺伝子を誘導でき、これは、レチノイド関連耐性または毒性を引き起こすことなく、これらの遺伝子の1つ以上を誘導できる化合物をスクリーニングするための試薬を開発する基礎を提供することが実証された。
【0058】
(実施例3)
レチノイン酸で誘導されるレチノイド調節プロモーター−リポーター遺伝子作成物の作成
レチノイド誘導遺伝子の転写制御下にあるリポーター遺伝子作成物を作製するために、それぞれの遺伝子の最長の利用可能なcDNA配列の5′末端の1400〜1500bp上流を含む、レチノイドにより強力に誘導される全13個の遺伝子のプロモーター配列をヒトゲノムデータベース中に同定した。
【0059】
その後、これらの配列を、http://www.ucmb.ulb.ac.be/bioinformatics/rsa−tools/で入手可能な調節配列解析ツールを使用して、様々な配向で、RARE部位の2つの空間的に近くに配置された六量体コアモチーフ(Mangelsdorfら、1994、レチノイド:生物学、化学及び医学(Spornら編)、327〜330頁(Raven Press、ニューヨーク)の存在について解析した。
【0060】
唯1つのプロモーターのみに見られる推定RARE部位であるリングフィンガータンパク質RNFで、ここで配列:
AGGTCACAGCCAGTTCA (配列番号42)
(下線部はRAREコアモチーフを示す;Mangelsdorfら、1994、同書)は、見かけの転写開始部位の約360bp上流に逆配向で出現する。他のプロモーターのいずれも、識別可能なRARE配列を含まず、これは、これらの遺伝子の大半が、間接的な機序によりレチノイドにより誘導されることを示唆する。興味深いことに、RNFはまた、唯1日間の処理後にその最大の発現に到達するこの群における唯一の遺伝子であり(図2A参照)、これは、RNFがレチノイドにより直接誘導可能であることを示唆する。
【0061】
RA処理MCF−7細胞での強力かつ持続した誘導を示す成長抑制遺伝子のいずれも、そのプロモーターにRARE部位を含まないことは注目すべきことであり、これは、レチノイド受容体を欠いた細胞において、非レチノイド誘導剤を使用して、これらの成長抑制遺伝子を誘導することが可能であり得ることを示唆する。レチノイド誘導遺伝子、特にプロモーターにRARE配列を欠いた遺伝子由来のプロモーターの転写制御下にあるレポーター遺伝子含有作成物によって、毒性または耐性の発達を引き起こすことなく、レチノイドの遺伝子誘導効果を模倣した様式で、これらの遺伝子からの遺伝子発現誘導能について、試験化合物をスクリーニングすることが可能となる。
【0062】
該リポーター遺伝子作成物は以下のように調製する。βIG−H3などのレチノイド調節遺伝子のプロモーター領域は、cDNAの5′末端に隣接するとして、ゲノム配列(NCBI受託番号AC004503)に同定されている。プロモーター特異的DNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅は、鋳型としてヒトMCF−7細胞由来のゲノムDNA、及び、βIG−H3用の以下のプライマー:
5′GGCCAGGTGCCTCTTCTTAG3′(センス)(配列番号43)
及び
5′CGGCTCCAGGGAAGTGAG3′(アンチセンス)(配列番号44)
を使用して、PfuTurboDNAポリメラーゼ(Stratagene)及び28サイクルのPCRを使用して実施し、ここでの各サイクルは95℃で45秒間、60℃で1分30秒間、72℃で2分間からなる。1020bpの断片をこの方法を使用して増幅し、TOPO TAクローニングベクターpCRII/TOPO(Invitrogen)にクローニングする。この作成物の配列同一性を確認し、その後、正しい配向のプロモーターを含むHindIII−XhoI断片を、標準的な組換え遺伝子技術(Sambrookら、1990、分子クローニング:実験マニュアル、Cold Spring Harbor Laboratory Press:ニューヨーク)を使用して、ホタルルシフェラーゼ−リポーターベクターpGL2−Basic(Promega、ウィスコンシン州マディソン)のHindIII及びXhoI部位に挿入する。
【0063】
この作成物が哺乳動物細胞でレチノイド誘導性ルシフェラーゼ発現を駆動する能力は、本明細書に参考として取込んだ2001年2月1日に提出された米国仮特許出願番号第60/_____(代理人名簿番号99,216−E)及び2001年5月21日に提出された米国特許出願番号第09/_____に記載のように、一過性形質移入アッセイで実証する。簡潔には、形質移入はLIPOFECTAMINE2000(Life Technologies,Inc.、ゲーサーズバーグ)を使用して実施する。細胞を、1mL中に2mMグルタミン、10%FBS、0.1mM NEAA(非必須アミノ酸、GIBCO)、1mMピルビン酸ナトリウム、及び10μg/mLインシュリンを含み、ペニシリン/ストレプトマイシンを含まない培地に、12ウェルプレートへ70,000細胞/ウェルの密度でプレーティングする。細胞が培養皿に付着するのに十分な時間、細胞を培養した後、形質移入を、製造業者の指示に従って、1μgのpGL2−ベーシックベクターDNA及び1μgのpGL2−βIG−H3プロモーターDNAを使用して実施した。10時間後、培養培地を、標準的な組織培養濃度のペニシリン/ストレプトマイシンを含む培地と交換する。その後、細胞を、100nMのRAの存在下または不在下で72時間培養した。インキュベート後、細胞を、2回リン酸緩衝食塩水で洗浄し、100μLのリポーター溶解緩衝液(Promega)に捕集した。溶解液を10分間室温で放置し、その後、細胞試料を凍結し37℃の水浴で解凍するためにドライアイス−エタノール浴を使用して、1サイクルの凍結/解凍を行なう。50μLのアリコートをホタルルシフェラーゼアッセイ(Promega)のために新しい管に移す。ルシフェラーゼ活性を、5秒間の遅延期間及び15秒間の積分時間で、47.9%の感度で、Turner20/20ルミノメーターを使用して上記のように測定する。追加のアリコートを、細胞溶解液から取り出し、バイオ−ラッドタンパク質アッセイキット(Bradford assay)を使用してタンパク質濃度を測定する。各試料のルシフェラーゼ活性を、タンパク質含量に規準化し、タンパク質1μgあたりのルシフェラーゼ活性として表現する。全アッセイを三重に実施し、平均及び標準偏差として示す。
【0064】
レチノイドで調節されるルシフェラーゼ発現をもつ安定に形質移入された細胞系を開発するために、上記の作成物を、プロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ選択マーカーを有する、pBabePuroなどの選択マーカーをコードするベクターを用いた同時形質移入により、MCF7細胞などのレチノイドによる成長抑制を受けやすい細胞系に導入する。形質移入は、LIPOFECTAMINE2000(Life Technologies,Inc.、メリーランド州ゲーサーズバーグ)を使用して、10:1の比の作成物並びに選択マーカーを含むプラスミドまたは他のベクターを使用して実施する。安定な形質転換体を、プラスミドまたはベクターによりコードされる選択マーカーに特異的な、適切な量の選択剤を使用して選択する。選択剤に抵抗性の細胞系を単離し、ルシフェラーゼ活性について、100nMのRA、または、レシピエント細胞系で成長抑制を引き起こす濃度の別のレチノイドの存在下及び不在下で試験する(Promegaのルシフェラーゼアッセイシステムを使用)。
【0065】
このアッセイは以下のように実施する。細胞を、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミン及び10%牛胎児血清(FCS)を含む1mLの培地中、12ウェルのプレートに、40,000細胞/ウェルの密度でプレーティングする。付着後、細胞を、100nMのRAで処理するか、または種々の時間の間、未処理で放置する。細胞を2回リン酸緩衝食塩水で洗浄し、300μLのリポーター溶解緩衝液(RLB;Promega)に捕集した。溶解液を、簡潔に、10,000gで遠心分離して破砕片をペレット化し、50μLの分割量を、ホタルルシフェラーゼアッセイ(Promega)で使用するために新しいチューブに移す。ルシフェラーゼ活性を、5秒間の遅延期間及び15秒間の積分時間で、55.6%の感度で、Turner20/20ルミノメーターを使用して測定する。追加の一定分量を、バイオ−ラッドタンパク質アッセイキット(Bradford assay)を使用してタンパク質濃度を測定するために、細胞溶解液から取り出す。各試料のルシフェラーゼ活性をタンパク質含量に規準化し、タンパク質1μgあたりのルシフェラーゼ活性として表現する。全アッセイを三重で実施し、平均及び標準偏差として示す。
【0066】
かかる作成物及び細胞は、レチノイド誘導遺伝子発現を誘導する化合物を同定するためのスクリーニングアッセイの基礎を提供する。同じ型のスクリーニングはまた、安定に形質移入した細胞系ではなく、むしろレチノイド誘導性遺伝子のプロモーター作成物を用いて、一過性形質移入アッセイを使用して実施できる。ルシフェラーゼ発現に基づいたハイスループットなスクリーニング法は当分野で公知である(一過性の形質移入をベースとしたアッセイの近年の例としてStorzら、1999、Analyt.Biochem.276:97〜104、及び、安定に形質移入された細胞系に基づいたスクリーニングの例についてはRoosら、2000、Virology 273:307〜315を参照)。これらの細胞及びアッセイを使用して同定した化合物は、次に、併発毒性またはレチノイド耐性を生じる傾向なく、レチノイド誘導遺伝子の遺伝子発現を誘導できる治療剤を開発するのに有用である。
【0067】
レチノイドによるMCF−7細胞の処理により誘導すべき、本明細書に示した遺伝子のほぼ全てのプロモーターにレチノイド応答性エレメントが存在しないことによって、レチノイド以外の化合物を、レチノイドの不在下で、または、レチノイド受容体を欠失した細胞において、レチノイド誘導性遺伝子発現の誘導能についてスクリーニングできることが示唆される。該スクリーニングアッセイは、以下のように実施する。上記のように調製し、レチノイドによる誘導性について確認した、組換え発現作成物は、レチノイドに感受性であろうが非感受性であろうが、レチノイン酸受容体を欠失していることが知られる、例えばHT1080細胞(A.T.C.C.受託番号CCL121)などの、任意の哺乳動物細胞系への形質移入により導入する。安定な形質転換体を、プラスミドまたはベクターによりコードされる選択マーカーに特異的な適切な量の選択剤を使用して選択し、選択剤に抵抗性の細胞系をこれにより単離する。
【0068】
これらの細胞は、上記のようなルシフェラーゼ活性アッセイ(ルシフェラーゼアッセイシステム、Promegaを使用)に使用する。これらのアッセイは、種々の時間、試験すべき漸増量の化合物の存在下または不在下で培養するか、または、化合物を含まない培地中で培養した細胞に実施する。
【0069】
このアッセイは、実質的に上記のように実施する。細胞を、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミン及び10%牛胎児血清(FCS)を含む1mLの培地中、12ウェルのプレートに、40,000細胞/ウェルの密度でプレーティングする。付着後、細胞を、試験すべき漸増量の化合物で処理するか、または、種々の時間、未処理で放置する。細胞をPBSで洗浄し、300μLのRLBに捕集し、簡潔に遠心分離にかけて破砕片を除去し、その後、ホタルルシフェラーゼアッセイを使用して上記のようにアッセイする。タンパク質濃度を決定して、ルシフェラーゼ結果を規準化し、これは、タンパク質1μgあたりのルシフェラーゼ活性として表現する。全アッセイを三重に実施し、平均及び標準偏差として示す。最後に、細胞を、細胞計測またはMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)、メチレンブルーまたは他の細胞特異的株で染色後に細胞数を測定することにより、試験化合物による成長抑制について平行してアッセイする。
【0070】
前記の開示は、本発明のある特定の実施形態を強調し、それに等価な全ての修飾または代替物は、添付の特許請求の範囲に示したような本発明の精神及び範囲内であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1A及び1Bは、MCF−7細胞によるコロニー形成に対するレチノイン酸(RA)の効果を示したグラフである。各アッセイにおいて、P100あたり1.5×10個の細胞を、RAの不在下または存在下でプレーティングした。クローン原性アッセイのために、処理後に細胞をトリプシン処理し、P100あたり2,500個の細胞をプレーティングし、薬物を含まない培地中で育成した。少なくとも60〜80個の細胞を含むコロニーを、プレーティングの12〜14日後に計測し;これらの結果を、非処理細胞により形成されたコロニー数により規準化した。各点は、三重アッセイの平均及び標準誤差を示す。図1Aは、示した日数の間、100nMのRAで処理した効果を示す。図1Bは、示した用量のRAで40時間処理した効果を示す。
【図2】
図2Aから2Cは、実施例1に記載したようなレチノイド誘導性遺伝子の発現の変化をRT−PCRにより解析した結果を示す。各遺伝子の実体の後に、NCBI受託番号(括弧内)を示す。図2Aは、100nMのRAの添加後の表示された日における、遺伝子発現の変化の時間経緯を示す。「R5」及び「R8」の名称は、それぞれ、5日間のRA処理による放出の5日後及び8日後に対応する。図2Bは、示した用量のRAで40時間処理した効果を示す。図2Cは、1μMのフェンレチニドの添加後の指定した日にちにおける、遺伝子発現の変化の時間経緯を示す。
【図3】
図3Aは顕微鏡写真であり、図3Bは、RA処理細胞における、IGFBP−3、HIF2α/EPAS−1及びEPLINタンパク質の誘導を示したイムノブロットの写真である。図3Aは、非処理MCF−7細胞、及び5日間100nMのRAで処理した細胞における、IGFBP−3、HIF2α/EPAS−1及びEPLINの免疫細胞化学解析の結果を示す。図3Bは、非処理MCF−7細胞、及び、指定した日数の間100nMのRAで処理した細胞における、EPLINのイムノブロット解析を示す。

Claims (20)

  1. 発現がレチノイドにより誘導される遺伝子に由来するプロモーターに作動可能に連結したリポーター遺伝子をコードする組換え発現作成物であって、該プロモーターはRARE部位を含まない、前記発現作成物。
  2. リポーター遺伝子が、ホタルルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質、またはアルカリホスファターゼをコードする、請求項1に記載の組換え発現作成物。
  3. レチノイドが、全トランスレチノイン酸、フェンレチニド、9−シスレチノイン酸、13−シスレチノイン酸、エトレチナートまたはレチノールである、請求項1に記載の組換え発現作成物。
  4. プロモーターが、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、プロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;配列番号6)、プロテインC阻害剤(PCI;配列番号7)、T細胞受容体γ(配列番号8)、レチナールオキシダーゼ(配列番号9)、Bene(配列番号10)、HIF−2α/EPAS−1(配列番号11)またはセレクチンL(配列番号12)に由来するプロモーターである、請求項1に記載の組換え発現作成物。
  5. プロモーターが細胞遺伝子由来のプロモーターであり、哺乳動物細胞におけるその発現はレチノイドにより誘導され、それにより細胞の成長を阻害する、請求項1に記載の組換え発現作成物。
  6. プロモーターが、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;配列番号1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(配列番号2)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;配列番号3)、ユビキチン様タンパク質FAT10(配列番号4)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;配列番号5)に由来するプロモーターである、請求項5に記載の組換え発現作成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6に記載の組換え発現作成物を含む、組換え哺乳動物細胞。
  8. 哺乳動物細胞においてレチノイド誘導性遺伝子の発現を誘導する化合物を同定する方法であって、該方法は、
    (a)化合物の存在下及び不在下で請求項7に記載の組換え哺乳動物細胞を培養し:
    (b)化合物の存在下での該細胞におけるリポーター遺伝子発現を、化合物の不在下での該細胞におけるリポーター遺伝子発現と比較し;そして
    (c)リポーター遺伝子発現が、化合物の不在下よりも化合物の存在下の方がより高い場合に、レチノイド誘導遺伝子発現を誘導する化合物と同定する段階を含む、前記方法。
  9. リポーター遺伝子の発現が、免疫学的試薬を使用して検出される、請求項8の方法。
  10. リポーター遺伝子の発現が、リポーター遺伝子産物の活性をアッセイすることにより検出される、請求項8の方法。
  11. リポーター遺伝子の発現が、相補的核酸に対するハイブリダイゼーションにより検出される、請求項8の方法。
  12. 哺乳動物細胞におけるレチノイド誘導遺伝子の発現を誘導する化合物を同定する方法であって、
    (a)化合物の存在下及び不在下で細胞を培養し;
    (b)発現がレチノイドにより誘導される少なくとも1つの細胞遺伝子の発現の変化について細胞をアッセイし、ここでのプロモーターはRARE部位を含まず;そして
    (c)下位区分(b)の細胞遺伝子の発現が、化合物の存在下でより高い場合に、レチノイド誘導遺伝子発現の誘導物質として化合物を同定する段階を含む、前記方法。
  13. 細胞遺伝子が、インシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3;NCBI受託番号M35878.1)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3(受託番号AC004503.1)、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN;受託番号AH009382.1)、ユビキチン様タンパク質FAT10(受託番号AL031983)、Mac−2結合タンパク質(Mac−2BP;受託番号U91729)、プロテインC阻害剤(PCI;受託番号AL049839.3)、T細胞受容体γ(受託番号AC006033.2)、レチナールオキシダーゼ(受託番号AF010260)、Bene(受託番号AP001234.3)、HIF−2α/EPAS−1(受託番号NT_005065.3)、セレクチンL(受託番号AL021940.1)、またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α;受託番号AL136295.2)である、請求項13の方法。
  14. 細胞遺伝子が、哺乳動物細胞におけるその発現がレチノイドにより誘導され、それにより細胞の成長を阻害する遺伝子である、請求項12の方法。
  15. 細胞遺伝子が、ヒトインシュリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP−3)、分泌細胞接着タンパク質βIG−H3、新生物に欠失した上皮タンパク質(EPLIN)、ユビキチン様タンパク質FAT10またはプロテアソームアクチベーターPA28サブユニットα(PA28α)である、請求項12の方法。
  16. 細胞遺伝子の発現が、免疫学的試薬を使用して検出される、請求項12の方法。
  17. 細胞遺伝子の発現が、細胞遺伝子産物の活性をアッセイすることにより検出される、請求項12の方法。
  18. 細胞遺伝子の発現が、相補的核酸に対するハイブリダイゼーションにより検出される、請求項12の方法。
  19. 癌の作用を予防または寛解するように動物を処置する方法であって、該方法は、それを必要とする動物に、請求項8または12の方法に従って同定した化合物の医薬組成物の治療有効量を投与する段階を含む、前記方法。
  20. 動物がヒトである、請求項19の方法。
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