JP2004508362A - 4α−アリールエピカテキンの合成 - Google Patents

4α−アリールエピカテキンの合成 Download PDF

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Abstract

4α−結合したエピカテキン単位を含有するオリゴマープロシアニジンは現存しており、これまで立体選択的合成により入手できていない。臭化アリールからのハロゲン/金属の交換により誘導されたアリールリチウム試薬との保護された4−ケトンの反応により、原型的な二量体であるエピカテキン−4α,8−エピカテキンの調製がここに提供される。得られた第3ベンジルアルコールからの4−ヒドロキシル基の除去は、完全に立体選択的な様式で、トリ−n−ブチルスズヒドリドおよびトリフルオロ酢酸により行われて、β面から排他的に水素化物が得られる。

Description

【0001】
関連出願の説明
本出願は、2000年9月5日に出願された米国特許出願第09/655360号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、広く、ポリフェノール生成物に関し、特に、プロアントシアニジンに関する。本発明はさらに、ポリフェノール天然生成物および他の関連する化合物を調製する合成方法に関する。
【0003】
発明の背景
プロアントシアニジン(非加水分解型のタンニン)は、様々な生物学的活性、食品中に広範囲に存在すること、および結果として生じる人間の健康のための関連性のために、現在関心を集めているポリフェノール天然生成物の一群である。
【0004】
プロアントシアニジンは、その芳香環に1つまたはいくつかのヒドロキシル基を、しばしば3位置に追加のヒドロキシル基を有するダイマーまたはオリゴマーフラバノイドである。A環およびB環の11の異なるヒドロキシル化パターンが天然で見つかっている。代表的なプロアントシアニジンとしては、以下のものが挙げられる:
【化5】
Figure 2004508362
プロアントシアニジンのポリフェノールモノマー単位上の置換基の立体化学は、相対立体化学、「アルファ/ベータ」または「シス/トランス」に関して記載されるであろう。「アルファ」(α)という用語は、置換基がフラバン環の平面の下に向いていることを示し、一方で、「ベータ」(β)という用語は、置換基がその環の平面の上に向いていることを示す。「シス」という用語は、2つの置換基が環の同じ面に向いていることを示し、一方で、「トランス」という用語は、2つの置換基が環の反対の面に向いていることを示す。
【0005】
天然供給源からの純粋なプロアントシアニジンの単離は、オリゴメリゼーション度が増すにつれ、次第に難しくなる。チオ開裂による分解によって、基礎的モノマー単位を同定することができるが、フラバン間結合の位置と立体化学を解明する課題は些細なことではない。これらの要因の両方のために、四量体よりも大きいオリゴマーは従来技術においてわずかしか定義されていない。プロアントシアニジンおよびそれらの元のモノマーも、様々な誘導体の形態、例えば、没食子酸またはヘキサヒドロキシ二石炭酸のような、ヒドロキシル化芳香族カルボン酸を持つエステルまたはグリコシドの形態で天然に生じる。
【0006】
プロアントシアニジンの中でも、2つの亜類型のプロシアニジン(5,7,3’,4’−ヒドロキシル化)およびプロデルフィニジン(5,7,3’,4’,5’−ヒドロキシル化)が、人間の食品、例えば、ココアにおいて広く行き渡っている。カカオプロシアニジンは主に、エピカテキン(カテキンのC−3エピマー)構成単位からなる。デカマーまでのサイズのオリゴマーが同定されている。これらのオリゴマーは、ペンタマーからは、様々なガン細胞系統に対して成長阻害活性を示す。(Romanczk,L.J.Jr.; Hammerstone,J.F.,Jr.; Buck,M.M.米国特許第5554645号、1996年9月10日)フラバン−3−オールは、(2S)−フェニルアラニンからフラバン−3,4−ジオールを経て、生合成により得られる。これらのジオール中間体は、位置C−4において高安定化されたカルベニウムイオン(またはキノンメチド)を容易に形成し、これは、実質的にフリーデル・クラフツアルキル化プロセスであるプロセスにおいてフラバン−3−オールのA環を攻撃して、フラバン間結合を形成する。このプロセスは、一回または数回繰り返すことができ、ダイマーと共に、非加水分解型のタンニン、縮合タンニン、またはプロアントシアニジンとして知られている鎖状オリゴマーが得られる。当業者には理解されるように、これらの化合物の構造的複雑さは、モノマー単位における異なるヒドロキシル化パターンおよびC−3立体化学、フラバン間結合の異なる位置化学および立体化学、並びに追加の構造的変更の結果として、鎖長と共に急激に増す。それに加え、鎖の枝分れは、6位置と8位置の両方においてモノマー単位のアルキル化により生じるであろう。
【0007】
ココアから精製した化合物に指定される構造を明確に証明するために、合成により調製された所定の構造のエピカテキンダイマーおよびオリゴマーを比較しなければならない。合成モノマー、ダイマーおよびオリゴマーは、抗ガン活性の様々なイン・ビトロモデルにおいて、最終的には、イン・ビボモデルにおいて、構造−活性の関係を構築するのに有用である。
【0008】
プロシアニジンにより課せられた合成の課題は、フラバン間の位置化学および立体化学、並びに酸、塩基、および酸化剤に対する保護されていない化合物の感受性を制御する上での難点に関係する。フラバン−3−オールと4−置換求電子フラバンとの間の縮合は、伝統的に弱酸性媒体中でフェノール保護基を使用せずに行われ、または最近では、4−置換基としてベンジルチオの代わりにAgBFにより行われている。その生成物は、過剰の求核構成単位の施用にもかかわらず、位置異性体および時には立体異性体、並びに高級オリゴマーの混合物である。それらの異性体は、通常、セファデックス(Sephadex)LH−20上でのゲルクロマトグラフィーにより分離された。このプロセスでは、HPLCカラムまたはこの吸着材のための薄層板のような高速分析器具が利用できないために、特定の分離操作の各々に関して進展するのに膨大な時間を投資する必要がある。さらに、高価な天然生成物である(+)−タキシホリン(4−ケトン)の還元により、またはその商業的な供給源が同定するのが難しいかまたは存在しない天然のプロアントシアニジンオリゴマー分画のその場の分解またはチオ開裂分解により調製される、光学的に純粋な非保護4−置換カテキンおよびエピカテキンは容易には得られない。
【0009】
したがって、従来技術の合成では、構成単位として保護されたオリゴマープロシアニジンを用いていることは意外なことではない。さらなる誘因として、アルコールのヒドロキシルの保護ではなく、フェノールのヒドロキシルを保護することにより、アセチル保護基を用いたカテキンの場合に行われてきたように、3−エステルおよび3−グリコシドのような誘導体を位置選択的に合成できるであろう。3−O−ベンジル−5,7,3’,4’−テトラ−O−メチルカテキンの8−ブロモ誘導体が、ハロゲン−リチウム交換を施され、O−メチル化4−ケトンと反応させられて、したがって、完全な位置制御が確実となる興味深い手法が報告された。しかしながら、メチルO−遮断基は、遊離ダイマーを得るために除去できない。残りの発表された研究では、反応パートナーの内の一方または両方にフェノール保護基を含めると共に、上述した求電子置換プロセスを使用した。
【0010】
所定のエピカテキンオリゴマーの合成に向けられた本出願人自身の以前の研究は、5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)エピカテキンによる5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−(−)−エピカテキンのTiCl媒介アルキル化を用いていた。収率が分子量の増加と共に急激に減少する高級オリゴマーの他に、フラバン間結合のベータ立体化学を持つ1つのダイマー生成物(プロシアニジンB誘導体)が得られた。
【0011】
ごく最近まで、これらの化合物におけるフラバン間結合の位置化学および立体化学の指定に用いられた分析方法は、どのようなダイマープロアントシアニジンの構造の独立した確認によっても正しいことが証明されなかった。プロアントシアニジンおよびその誘導体の不十分な結晶化能のために、X線結晶学は適用できなかった。H NMR結合定数および円偏光二色性に基づく立体化学の指定は、C環が立体配座的に柔軟であるという基礎的事実をなおざりにする。控えめな観点から、柔軟な分子の特定の立体配座の前提は、それらの源(直感的または計算的)にもかかわらず、構造を証明するための慎重な手法とは考えられない。
【0012】
天然供給源から様々なプロアントシアニジンを単離した後に行われた合成方法論の進歩により、プロシアニジンBにおいて以前に推定された4β立体化学を明白に証明することが今ではできる。共通の誘導体によりプロシアニジンBについて校正された、区別を付けて保護されたエピカテキンダイマーは、一連の脱官能化工程が行われ、最後に、そのベンズヒドリルエステルとして単離される、(R)−(−)−2,4−ジフェニル酪酸に分解された。この分解生成物の唯一の残りの不斉中心は、プロシアニジンB中の「頂部」エピカテキン部分のC−4から直接導かれ、したがって、その絶対配置がX線結晶学により確定した前記分解生成物の旋光性の徴候により、C−4での絶対配置が示された。
【0013】
当業者には、今では、比較のためのエピカテキン−4α,8−エピカテキンとしてデフォルトで認識できる、反対の立体異性体の真正の試料を持つ重要性が認識されるであろう。C環の置換基の2,3−シスおよび3,4−シスの関係が同時に仮定されたプロアントシアニジンの文献の報告は珍しく、エピカテキン−4α,8−エピカテキンは、天然供給源からは単離されていない。実際、4α−結合単位を含有するどのようなプロシアニジンの立体選択的合成も、今日まで全く報告されていない。
【0014】
4β,8−ダイマーを形成する過程において、2−アリール基および3−酸素が、フラバン求核体の推定されるカルボカチオン性中間体に対する手法をそのβ面に向ける上で協同するということはもっともな推定である。したがって、単に反応条件を変更することにより、または3−ヒドロキシル基の内の1つまたは両方に保護基を取り付けることにより、4α−立体異性体に到達する可能性は、見込みがないと考えられた。それゆえ、4α位置で置換されたエピカテキンを調製する新規な合成方法が必要とされている。この開示は、そのまだ満たされていない必要性に対して提言されたものである。
【0015】
発明の概要
本発明の方法により、好ましくは、芳香族ラジカルにより、4α位置で置換された保護されていないエピカテキン誘導体を調製することができる。ある好ましい実施の形態において、ダイマーであるエピカテキン−4α,8−エピカテキンが調製される。本発明の利点の1つは、より敏感な最終的な極性中間体よりも、各々の段階で容易に分離できる非極性中間体の形成である。
【0016】
本発明の方法において重大な工程は、既に適所に芳香族単位を持つC−4−カルボカチオンが、そのβ面から水素化物求核体により攻撃され、これにより、4−アリール基がα面を占めさせられる変換である。カルボカチオンは、第3アルコールから都合良く生成されるであろう。このアルコールは、アリール有機金属試薬および保護された4−ケト−エピカテキンから入手できる。
【0017】
本発明は、4α−アリール置換エピカテキンを調製する方法に向けられている。この方法は、
(A) 5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンのC−3ヒドロキシル基を保護基により保護することにより、適切に保護されたエピカテキンを形成して、化学式:
【化6】
Figure 2004508362
を有し、Bnがベンジル基であり、Rがヒドロキシル保護基である化合物を生成し、
(B) 保護されたエピカテキンの4−位置を酸化して、化学式:
【化7】
Figure 2004508362
を有する保護されたフラバン−4−ワンを生成し、
(C) フラバン−4−ワンを求核アリール有機金属試薬と接触させて、化学式:
【化8】
Figure 2004508362
の化合物を生成し、
(D) C−4位置を立体選択的に脱酸素化して、化学式:
【化9】
Figure 2004508362
の化合物を生成し、
(E) 必要に応じて、C−3ヒドロキシル基を脱保護し、次いでさらに必要に応じて、C−3ヒドロキシル基を適切なアセチル化剤でアセチル化し、その後、ベンジル基を除去して、または
(F) 必要に応じて、C−3ヒドロキシル基を脱保護し、ベンジル基を除去して、化学式:
【化10】
Figure 2004508362
を有する遊離4α−アリール−エピカテキンを生成する、
各工程を有してなる。
【0018】
また、ベンジル基を除去した後に、フェノール基をアシル化することにより、4α−アリールエピカテキンの他の誘導体を調製する方法も提供される。
【0019】
本発明は、ある態様において、エピカテキン−エピカテキンダイマーまたはエピカテキン−カテキンダイマーを調製する方法であって、求核アリール有機金属試薬が、保護された8−ブロモエピカテキン、または保護された8−ブロモカテキンもしくはそれらの誘導体から導かれるものである方法に関する。
【0020】
提案された実施の形態
ここに用いているように、エピカテキン(カテキンのエピマー)という用語は、化学式:
【化11】
Figure 2004508362
の化合物を称する。
【0021】
5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンは、各々のフェノールヒドロキシル基のプロトンがベンジル基により置換されているエピカテキンを称する。有機合成の当業者には、テトラ−O−ベンジルエピカテキンを調製する方法が数多くあることが認識されるであろう。そのような化合物を得る特に有用な方法の1つが、Tueckmantel等, J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081により記載されている。
【0022】
ここに用いているように、「アリール」は、芳香族炭化水素化合物または複素環を意味する。アリール基はフェニルまたは置換フェニルであってよく、ここで、置換基は、求核有機金属試薬の形成に適合するという条件で、ハロ、アリール、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルコキシからなる群より選択される。アリール基は、他の芳香族環または飽和炭化水素環もしくは複素環の環系に組み込まれてもよい。
【0023】
本発明の方法における重要な変換は、5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンのC−3位置でのヒドロキシル基の保護である。ある実施の形態において、その保護としては、完全に保護されたエピカテキンを得るための、臭化ベンジルのようなハロゲン化ベンジルによるアルキル化が挙げられる。一般に、反応は、塩基、特に、アルカリ金属水素化物、ジアルキルアミド、ビス(トリアルキルシリル)アミドまたは水酸化物のような強塩基、より好ましくは、水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物の存在下で行われる。反応は、一般に、極性有機溶媒中で行われる。当業者は、特定の塩基と相溶性のある溶媒を選択できるであろう。好ましい溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド、またはN−メチルピロリジノンであってよい。より好ましい溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミドである。典型的な反応温度は、約0℃から溶媒の還流温度まで、好ましくは、約15℃から約40℃までの温度、より好ましくは、約23℃である。全ての試薬を添加した後、反応体は、15分から24時間まで、好ましくは、30分から1時間までの期間に亘り撹拌される。
【0024】
別の実施の形態において、5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンのC−3位置でヒドロキシル基を保護するのに用いられる保護基は、ベンジル基に対して垂直である。一般に、反応は、シリルエーテルを得るためのC−3ヒドロキシル基のO−シリル化を含む。シリル化剤は塩化シリルであってよい。ケイ素上のアルキル置換基が第3ブチルジメチルである場合、シリル化剤は塩化第3ブチルジメチルシリルであり、反応は、4−(ジメチルアミノ)ピリジンを持つトリエチルアミン、またはイミダゾールのような弱塩基の存在下で行われる。反応は、不活性極性有機溶媒、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、またはTHF中で行われる。典型的に、O−シリル化反応は、0℃から約40℃まで、好ましくは、約15℃から約30℃までの温度、より好ましくは、約23℃で、約1時間から約24時間までの期間に亘り、好ましくは、約6時間から約12時間までの期間に亘り、より好ましくは、約12時間に亘り行われる。当業者には、ヒドロキシル基をシリル化する他の方法が適していることが理解されるであろう。シリル化剤はトリフルオロメタンスルホン酸シリルであってよく、この場合、好ましい塩基はピリジンまたは2,6−ルチジンであり、溶媒はジクロロメタンまたはクロロホルムである。
【0025】
当業者には、5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモエピカテキンまたは5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモカテキンのC−3ヒドロキシルを同様な様式で保護できることが認識されるであろう。
【0026】
本発明の方法の別の重要な工程は、保護されたエピカテキンの酸化である。酸化は、どのような適切な酸化剤を用いて行っても差し支えない。一般に、酸化は二工程で行われる。第1の工程は、おそらく4β立体化学を持つ保護された4−ヒドロキシエピカテキンを提供するためのC−4メチレンの第2アルコールへの変換を含む。この反応は、一般に、保護されたエピカテキンを、酸化剤、好ましくは、テトラ酢酸鉛、または2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)のような、O−アルキル化カテキンおよびエピカテキンを酸化するのに用いられてきた試薬と接触させることにより行われる。より好ましくは、DDQのような電子が不足したキノン型の酸化剤またはそれらの変種が用いられる。反応は、有機溶媒中、好ましくは、アルキル基が1から4までの炭素原子を持つジアルキルエーテル、テトラヒドロフランのような環状エーテル、もしくはジクロロメタンまたはクロロホルムのような塩素化溶媒中で行われる。DDQが酸化剤である場合、溶媒中には水が存在する。反応は、一般に、0℃から溶媒の還流温度までの温度で、好ましくは、約15℃から約30℃までの温度で、より好ましくは、約23℃で、約1時間から約24時間までの期間に亘り、好ましくは、約6時間から約12時間までの期間に亘り、より好ましくは、約12時間に亘り行われる。
【0027】
第2の工程は、保護された4−ヒドロキシエピカテキンの保護されたフラバン−4−ワンへの転化を含むさらなる酸化である。この反応は、酸化剤、好ましくは、N−メチルモルホリン−N−オキシドおよび過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを組み合わせることにより形成された酸化剤の存在下で、かつ非反応性乾燥剤、好ましくは、モレキュラーシーブの存在下で行われる。この酸化技法は、J.Chem.Soc.,Chem.Commun,1987,1625においてLey等により記載されている。一般に、そのような反応は、有機溶媒、好ましくは、ジクロロメタンのような塩素化アルカン中において、0℃から溶媒の還流温度までの温度で、好ましくは、約15℃から約30℃までの温度で、より好ましくは、約23℃で、約1時間から約24時間までの期間に亘り、好ましくは、約6時間から約12時間までの期間に亘り、より好ましくは、約12時間に亘り行われる。
【0028】
本発明の方法におけるさらなる変換としては、保護された4−アリール−4−ヒドロキシエピカテキンを生成するための、保護されたフラバン−4−ワンの求核アリール有機金属試薬との反応が挙げられる。一般に、この反応は、最初に、無水エーテル溶媒中、好ましくは、テトラヒドロフラン中、不活性雰囲気において、約−100℃から約0℃までの温度で、約1時間から約24時間の期間に亘り、ハロゲン化アリール、好ましくは、臭化アリールをアルキルリチウムと、好ましくは、第3ブチルリチウムと組み合わせることにより求核アリール有機金属試薬をその場で形成し、次いで、これも無水エーテル溶媒中、好ましくは、テトラヒドロフラン中、不活性雰囲気において、約−100℃から約0℃までの温度で、約1時間から約24時間の期間に亘り、形成された求核アリール有機金属試薬を保護されたフラバン−4−ワンと接触させることにより行われる。当業者には、グリニャール試薬のような他の有機金属試薬を本発明に用いてもよいことが理解されよう。
【0029】
当業者には、ハロゲン化アリール以外の材料から、ある求核アリール有機金属試薬を形成してもよいことも理解されるであろう。特に、求核アリール有機金属試薬は、オルトメタレーションおよびトランスメタレーションとして当該技術分野において知られているプロセスにより調製してもよい。
【0030】
本発明のある特定の実施の形態は、2,4,6−トリメトキシフェニルリチウムの保護されたフラバン−4−ワンとの反応を提供する。本発明のさらなる特定の実施の形態は、本発明の求核有機金属試薬を形成するための、保護された8−ブロモエピカテキンまたは保護された8−ブロモカテキンの第3ブチルリチウムによる処理を検討する。典型的な保護された8−ブロモ−エピカテキンは、5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモ−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキンであり、これは、無水エーテル溶媒中、好ましくは、テトラヒドロフラン中、不活性雰囲気において、約−100℃から約0℃までの温度で、約1時間から約24時間の期間に亘り、アルキルリチウム、好ましくは、第3ブチルリチウムにより処理され、次いで、これも無水エーテル溶媒中、好ましくは、テトラヒドロフラン中、不活性雰囲気において、約−100℃から約0℃までの温度で、約1時間から約24時間の期間に亘り、形成されたアリールリチウムが保護されたフラバン−4−ワンと接触させられる。
【0031】
本発明の方法は、保護された4α−アリールエピカテキンを単独の立体異性体として得るための、保護された4−アリール−4−ヒドロキシエピカテキンの脱酸素化を提供する。脱酸素化は、還元剤、好ましくは、各々のアルキル基が1から4までの炭素原子を含有しているトリアルキルシランを有機酸と、不活性有機溶媒、好ましくは、ジクロロメタンのような塩素化アルカン中において、0℃から還流温度までの温度で、約5分から約24時間までの期間に亘り組み合わせることにより形成された還元剤の存在下で行われる。より好ましくは、反応は、各々のアルキル部分が1から6までの炭素を含有している水素化トリアルキルスズを過フルオロカルボン酸と、不活性有機溶媒、好ましくは、ジクロロメタンのような塩素化アルカン中において、0℃から還流温度までの温度で、約5分から約24時間までの期間に亘り組み合わせることにより形成された還元剤の存在下で行われる。
【0032】
本発明はさらに、C−3ヒドロキシル基で、もしくは4−アリール置換基がそれ自体でカテキンまたはエピカテキンである場合には、両方のC−3ヒドロキシル基で、脱保護すべき、保護された4−アリール−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンを提供する。C−3ヒドロキシル基がシリル基により保護されている実施の形態において、脱保護反応は、フッ化物により、一般的には、アセトニトリル中のフッ化水素酸水溶液により行われる。当業者には、C−3ヒドロキシル基は、脱保護後に、さらに誘導体化されてもよいことが理解されるであろう。一般に、誘導体化は、C−3ヒドロキシル基の活性化酸または酸塩化物のようなアシル化剤によるアシル化を含む。好ましいアシル化剤は、酸塩化物としてトリ−O−ベンジル没食子酸を活性化させることにより形成されたものである。当業者には、適切なアシル化剤を形成するために、酸を様々な様式で活性化してもよいことが理解されるであろう。
【0033】
本発明の方法の別の重要な工程としては、ベンジル基の除去が挙げられる。ベンジル基は、保護された芳香族ヒドロキシル基(すなわち、フェノール)および保護された脂肪族ヒドロキシル基から水素化分解により除去してもよい。一般に、水素化分解反応は、メタノール、エタノール、酢酸エチルまたはそれらの混合物のような適切な有機溶媒中において、標準の温度と圧力で、または約1−5バールの高圧で、より好ましくは、約3.5−5バールで、水素ガス雰囲気において行われる。一般に、ベンジル基の除去を促進するために、金属触媒が用いられる。好ましい触媒は、固体支持体に吸着されたPd、Pt、またはNiであり、より好ましい触媒は、炭素に吸着された水酸化パラジウムである。しかしながら、当業者には、ベンジル基の除去を促進するために、様々な他の触媒を用いても差し支えないことが理解されるであろう。ある実施の形態において、ベンジル基を除去することにより、遊離した4−アリールエピカテキンが生成され、これは単離され、精製されるであろう。あるいは、水素化分解粗生成物は、この粗生成物を無水酢酸および塩基と反応させることにより、その酢酸誘導体に直接転化させても差し支えない。4−アリール置換基がエピカテキンであるより好ましい実施の形態において、水素化分解により、遊離したエピカテキン−4α,8−エピカテキンが生成され、アセチル化により、デカアセテート誘導体が生成される。これらのアセテート誘導体は、H NMR分光法によりそれらのC−4エピマーとは異なることが示されているので、かつそれらのフラバン間結合の4,8−位置は、出発材料の構造の必然的な結果であるので、この方法により生成された遊離したエピカテキンダイマーは、これまで知られていないエピカテキン−4α,8−エピカテキンとして明白に同定される。
【0034】
別の実施の形態において、ベンジル基は、C−3ヒドロキシル基がアシル化されて、C−3で誘導体化された遊離した4−アリールエピカテキンが生成された後に除去される。
【0035】
本発明はまた、アシル化剤の成分として導入されたベンジル基の除去を提供する。トリ−O−ベンジル没食子酸の活性化された誘導体により、少なくとも1つのC−3ヒドロキシル基がアシル化されている好ましい実施の形態において、没食子酸ヒドロキシル基にあるベンジル基は、前記エピカテキンまたはカテキンの一団からのベンジル基の除去と共に、一工程で除去しても差し支えない。
【0036】
本発明を、以下の非限定的実施例によりさらに説明する。
【0037】
実施例
一般方法  パールマン(Pearlman)の触媒(炭素上の20%の水酸化パラジウム)をアルドリッチ(Aldrich)社から購入した。この触媒は50%以下の水を含有していた。Hおよび13C NMRスペクトルを、それぞれ、300MHzおよび75MHzの公称周波数で得た。Hおよび13C NMRスペクトルは、そのように印されていれば内部TMSに関係付けられ、そうでなければ、CDCl信号(δ 77.00)に関係付けられている。燃焼分析:マイクロ・アナリシス社(Micro−Analysis, Inc.)(デラウェア州、ウィルミントン)。カラムクロマトグラフィー(cc):メルクシリカゲル60(No.7734−7)、粒径63−200μm。薄層クロマトグラフィー:メルクシリカゲル60F254(No.7734−7)、層厚250μm;アルカリ過マンガン酸カリウム溶液による視覚化。
【0038】
実施例1:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジルエピカテキンの調製
10mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(Tueckmantel等,J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081)中の180gの水素化ナトリウム(油中60%)の懸濁液に、10mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の2.60g(4.00ミリモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンの溶液を室温で加えた。1時間後、0.56mL(4.7ミリモル)の臭化ベンジルを加えた。この混合物を一晩撹拌し、氷水中に注ぎ、50mLのジクロロメタンにより3回抽出した。混合有機相を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:6)により精製して、無色の非晶質固体として2.20g(74%)の生成物を得た:
【表1】
Figure 2004508362
実施例2:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンの調製
20mLのテトラヒドロフランおよび0.16mL(8.9ミリモル)の水中の2.20g(3.38ミリモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジルエピカテキンの溶液に、2.00g(7.4ミリモル)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノンを室温で加えた。混合物を一晩撹拌し、次いで、0.91g(7.4ミリモル)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加え、撹拌を5分間継続し、20gのシリカゲルを加えた。蒸発後、この残留物をシリカゲル(酢酸エチル/ヘキサン 1:4、次いで、ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:4)で濾過して、白色気泡体として1.05g(47%)の生成物を得た:
【表2】
Figure 2004508362
実施例3:(2R,3S)−3,5,7,3’,4’−ペンタキス(ベンジルオキシ)フラバン−4−ワンの調製
8mLの乾燥ジクロロメタン中の1.00g(1.32ミリモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンの溶液に、300mgの4Åモレキュラーシーブ、180mg(1.54ミリモル)のN−メチルモルホリン−N−オキシド、および58mg(165マイクロモル)の過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを室温で加えた。この反応混合物を一晩撹拌し、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン/ヘキサン 1:1:10)により精製して、白色気泡体として0.66g(66%)の前記ケトンを得た:
【表3】
Figure 2004508362
実施例4:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの調製
1mlの乾燥テトラヒドロフラン中の32mg(130マイクロモル)の1−ブロモ−2,4,6−トリメトキシベンゼンの溶液に、85μL(145マイクロモル)の第3ブチルリチウム(1.7Mのペンタン中)を−78℃で加えた。−78℃での1時間後、1mlの乾燥テトラヒドロフラン中の50mg(66マイクロモル)の(2R,3S)−3,5,7,3’,4’−ペンタキス(ベンジルオキシ)フラバン−4−ワンの溶液を加えた。−78℃でのもう3時間後、2mLの塩化アンモニウム水溶液を加え、生成物を、10mLのジクロロメタン中に3回抽出した。混合有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:4)により精製し、25mg(45%)の生成物を得た:
【表4】
Figure 2004508362
実施例5:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4α−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの調製
(a)トリエチルシラン/トリフルオロ酢酸による還元:1mLのジクロロメタン中の22mg(24マイクロモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの溶液に、38μL(0.24ミリモル)のトリエチルシランを、次いで、22μL(0.29ミリモル)のトリフルオロ酢酸を、室温で加えた。2時間後、固体の炭酸ナトリウムを加えた。濾過、蒸発、および薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:3)による精製により、15mg(69%)の生成物を得た。
【0039】
(b)トリブチルスズヒドリド/トリフルオロ酢酸による還元:1mLのジクロロメタン中の46mg(24マイクロモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの溶液に、20μL(74マイクロモル)のトリブチルスズヒドリドを、次いで、75μLの1Mのトリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを室温で加えた。10分後、固体の炭酸ナトリウムを加えた。濾過、蒸発、および薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:2)による精製によって、39mg(86%)の生成物を得た:
【表5】
Figure 2004508362
実施例6:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−アセチル−4α−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの調製
2:1の比率のメタノール/酢酸エチル6mL中の100mg(110マイクロモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4α−(2,4,6−トリメトキシフェニル)エピカテキンの溶液に、炭素上の20%の水酸化パラジウム20mgを加えた。この混合物を3時間に亘り1バールの水素の元で撹拌し、その期間の後、薄層クロマトグラフィーにより、反応の完了が示された。触媒を濾過により除き、メタノールで洗浄した。溶液を蒸発させ、残留物を真空中で乾燥させ、4mLの無水酢酸/ピリジン中に室温で溶解させた。一晩撹拌した後、混合物を蒸発させ、40mLのジクロロメタンを加え、それらの相を分離し、有機相を10mLの水および10mLの塩水で5回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶液を蒸発させ、粗生成物を薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:1)により精製して、30mg(41%)の前記ペンタアセテートを得た:
【表6】
Figure 2004508362
実施例7:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキンの調製
6mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の4.37g(6.72ミリモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン(Tueckmantel等,J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081)、0.69g(10.1ミリモル、1.5当量)、および1.42g(9.4ミリモル、1.4当量)の塩化第3ブチルジメチルシリルの溶液を19.5時間に亘り閉じられたフラスコ中において室温で撹拌した。1:5の比率の酢酸エチル/ヘキサンによるシリカゲル上での直接カラムクロマトグラフィー、蒸発、および真空中での乾燥により、黄色っぽいガラスとして5.02g(98%)の前記シリルエーテルを得た:
【表7】
Figure 2004508362
実施例8:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)−4−ヒドロキシエピカテキンの調製
10mLのテトラヒドロフランおよび0.10mL(5.6ミリモル)の水中の1.52g(1.98ミリモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキンの溶液に、1.34g(5.9ミリモル)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノンを室温で加えた。この混合物を一晩撹拌し、次いで、0.61g(5.0ミリモル)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加え、撹拌を5分間に亘り継続し、20gのシリカゲルを加えた。蒸発後、残留物をシリカゲル(酢酸エチル/ヘキサン 1:4)上で濾過して、白色気泡体として1.12g(72%)の生成物を得た:
【表8】
Figure 2004508362
実施例9:(2R,3S)−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−[(第3ブチルジメチルシリル)オキシ]フラバン−4−ワンの調製
2mLの乾燥ジクロロメタン中の0.39g(0.50ミリモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)−4−ヒドロキシエピカテキンの溶液に、100mgの4Åのモレキュラーシーブ、60mg(0.55ミリモル)のN−メチルモルホリン−N−オキシド、および20mg(55マイクロモル)の過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌し、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:4)により精製して、白色気泡体として0.38g(99%)の前記ケトンを得た:
【表9】
Figure 2004508362
実施例10:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモ−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキンの調製
1mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の180mg(247マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモエピカテキン(Tueckmantel等,J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081)、56mg(0.37ミリモル)の塩化第3ブチルジメチルシリル、および49mg(0.72ミリモル)のイミダゾールを一晩室温で撹拌した。この混合物を氷水中に注ぎ、20mLのエーテルで3回抽出した。混合有機相を20mLの水および20mLの塩水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。蒸発およびカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:4)により、気泡体として187mg(88%)の生成物を得た:
【表10】
Figure 2004508362
実施例11:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)−4−ヒドロキシエピカテキン−4,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン]の調製
2mLの乾燥テトラヒドロフラン中の450mg(533マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモ−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキンの溶液に、0.64mL(1.1ミリモル)の第3ブチルリチウム(ペンタン中で1.7M)を−78℃で窒素雰囲気下で加えた。60分間に亘る−78℃での撹拌後、2mLの乾燥テトラヒドロフラン中の280mg(359マイクロモル)の(2R,3S)−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−[(第3ブチルジメチルシリル)オキシ]フラバン−4−ワンの溶液を加えた。−78℃でもう3時間経過した後、2mLの塩化アンモニウム水溶液を加え、この混合物を室温まで暖まらせ、20mLのジクロロメタンにより3回抽出した。混合有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させ、その残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:10)上でクロマトグラフィーにかけて、無色気泡体として410mg(74%)の生成物を得た:
【表11】
Figure 2004508362
実施例12:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン−4α,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン]の調製
1mLの乾燥ジクロロメタン中の240mg(155マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)−4−ヒドロキシエピカテキン−4,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン]の溶液に、50μL(186マイクロモル)のトリ−n−ブチルスズヒドリドを、次いで、154μLのトリフルオロ酢酸(ジクロロメタン中で1M)を0℃で加えた。1時間後、1gの固体の炭酸ナトリウムを加え、この溶液を濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:10)上でクロマトグラフィーにかけて、無色気泡体として181mg(76%)の生成物を得た:
【表12】
Figure 2004508362
実施例13:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−(5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン)の調製
1mLのアセトニトリル中の130mg(85マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン−4α,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(第3ブチルジメチルシリル)エピカテキン]の溶液に、50μLの48%フッ化水素酸水溶液を0℃で加えた。この混合物を8時間に亘り室温で撹拌し、次いで、10mLの酢酸エチルを加え、この溶液を各々10mLの、重炭酸ナトリウム水溶液、水、および塩水により洗浄した。硫酸マグネシウム上での乾燥および蒸発後、残留物をシリカゲル上で1:1:5の比率のジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサンによりクロマトグラフィーにかけて、気泡体として89mg(81%)の生成物を得た:
【表13】
Figure 2004508362
実施例14:5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(3,4,5−トリ−O−ベンジルガロイル)エピカテキン]の調製
1mLの無水ジクロロメタン中の68mg(154マイクロモル)のトリ−O−ベンジル没食子酸および1μLのN,N−ジメチルホルムアミドの懸濁液に、15μL(0.17ミリモル)の塩化オキサリルを加えた。水分を除いて、2時間に亘り室温で撹拌した後、得られた溶液を蒸発させ、残留物を真空中で乾燥させた。0.5mLの無水ピリジン中の40mg(31マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−(5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン)の溶液を前記粗製酸塩化物に加え、24mg(0.20ミリモル)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加え、混合物を48時間に亘り閉じたフラスコ中において室温で撹拌した。20μLの水を添加した後、室温での撹拌を2時間に亘り継続した。10mLの5%HClを加え、その生成物を5mLのジクロロメタン中に3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮し、粗製材料を1:4の比率の酢酸エチル/ヘキサンによりシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製した。蒸発および真空中での乾燥により、50mg(94%)の生成物を生成した:
【表14】
Figure 2004508362
実施例15:エピカテキン−4α,8−(3−O−ガロイルエピカテキン)の調製
4mLの酢酸エチル/メタノール(1:1)中の22mg(13マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−[5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−3−O−(3,4,5−トリ−O−ベンジルガロイル)エピカテキン]の溶液を、4.5時間に亘り、炭素上の20%の水酸化パラジウム33mgの上において室温および3.5バールで水素化した。綿による濾過および蒸発後、残留物を2mLの水(HPLC等級)から凍結乾燥させて、無色の非晶質固体として6.3mg(67%)のエピカテキン−4α,8−(3−O−ガロイルエピカテキン)を得た:
【表15】
Figure 2004508362
実施例16:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−8−ブロモエピカテキンの調製
2mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の29mg(0.73ミリモル)の水素化ナトリウム(油中60%)の懸濁液に、3mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の450mg(617マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン(Tueckmantel等,J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081)を室温で加えた。30分に亘る撹拌後、90μL(0.73ミリモル)の臭化ベンジルおよび20mg(54マイクロモル)のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加えた。この混合物を一晩撹拌し、氷水中に注ぎ、50mLの酢酸エチルにより3回抽出した。混合有機相を50mLの水および50mLの塩水により3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:2)により、480mg(95%)の生成物を得た:
【表16】
Figure 2004508362
実施例17:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−8−ブロモカテキンの調製
0.23g(5.8ミリモル)の水素化ナトリウム(鉱油中で60%の懸濁液)に、8mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の2.82g(3.87ミリモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルカテキン(Tueckmantel等,J.Am.Chem.Soc.1999,121,12073−12081)を撹拌しながら窒素雰囲気下において室温で加えた。10分後、水冷しながら、0.74mL(6.2ミリモル)の純粋な臭化ベンジルを10分以内で加えた。この混合物を70分間に亘り室温で撹拌し、次いで、1mLの水により注意深く加水分解した。80mLの水を加え、生成物を40+20mLのトルエン中に抽出し、混合有機相を80mLの水で洗浄し、蒸発させた。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、先駆物を1:2:17の比率の酢酸エチル/クロロホルム/ヘキサンにより除去し、生成物を、1:9:10の比率の酢酸エチル/クロロホルム/ヘキサンにより溶離した。蒸発および真空中での乾燥(室温で、次いで、80℃で)により、無色ガラスとして3.13g(99%)の生成物を得た:
【表17】
Figure 2004508362
実施例18:3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキン−4,8−(ペンタ−O−ベンジルエピカテキン)の調製
1mlの乾燥テトラヒドロフラン中の200mg(244マイクロモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−8−ブロモカテキンの溶液に、0.30mL(0.51ミリモル)の第3ブチルリチウム(ペンタン中で1.7M)を窒素下において−78℃で加えた。90分間に亘り−78℃で撹拌した後、1mlの乾燥テトラヒドロフラン中の120mg(159マイクロモル)の(2R,3S)−3,5,7,3’,4’−ペンタキス(ベンジルオキシ)フラバン−4−ワンの溶液を加えた。−78℃でのもう3時間後、2mLの塩化アンモニウム水溶液を加え、この混合物を室温まで暖まらせ、20mLのジクロロメタンにより3回抽出した。混合有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させ、残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:8)上でクロマトグラフィーにかけて、無色気泡体として165mg(69%)の生成物を得た:
【表18】
Figure 2004508362
実施例19:ペンタ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−(ペンタ−O−ベンジルエピカテキン)の調製
1mLの乾燥ジクロロメタン中の70mg(46.8マイクロモル)の3,5,7,3’,4’−ペンタ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキン−4,8−(ペンタ−O−ベンジルエピカテキン)の溶液に、20μL(74マイクロモル)のトリ−n−ブチルスズヒドリドを、次いで、71μLのトリフルオロ酢酸(ジクロロメタン中で1M)を0℃で加えた。1時間後、1gの固体の炭酸ナトリウムを加え、この溶液を濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン 1:1:8)上でクロマトグラフィーにかけて、無色気泡体として55mg(79%)の生成物を得た:
【表19】
Figure 2004508362
実施例20:エピカテキン−4α,8−エピカテキンの調製
5mLのメタノール/テトラヒドロフラン/水(20:20:1)中の40mg(31マイクロモル)の5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−(5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキン)の溶液を、5時間に亘り、室温および5バールで炭素上の20%の水酸化パラジウム60mgの上で水素化した。この触媒をセライト上で濾過により除去し、固体を10mLのメタノールにより洗浄し、溶液を蒸発させた。残留物をHPLC等級の水中に溶解させ、この溶液を5mLのトルエンで洗浄して、非極性不純物を除去した。この溶液を再度蒸発させ、次いで、5mLのHPLC等級の水から凍結乾燥させて、無色の非晶質固体として13mg(73%)のエピカテキン−4α,8−エピカテキンを得た:
【表20】
Figure 2004508362
実施例21:ペンタ−O−アセチルエピカテキン−4α,8−(ペンタ−O−アセチルエピカテキン)の調製
2mLのメタノールおよび1mLの酢酸エチル中の75mg(51マイクロモル)のペンタ−O−ベンジルエピカテキン−4α,8−(ペンタ−O−ベンジルエピカテキン)の溶液に、炭素上の20%の水酸化パラジウム10mgを加えた。この混合物を10時間に亘り1バールの水素下で撹拌し、濾過し、蒸発させた。この脱保護された粗製ダイマーを1:2の比率の無水酢酸/ピリジン3mL中に溶解させ、この混合物を一晩撹拌した。蒸発後、30mLの酢酸エチルを加えた。この溶液を20mLの水および20mLの塩水により5回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲル(酢酸エチル/ヘキサン 2:1)上でクロマトグラフィーにかけて、12mg(24%)のパーアセテートを得た:
【表21】
Figure 2004508362

Claims (24)

  1. 4α−アリール置換エピカテキン誘導体を調製する方法であって、
    (a) 5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンのC−3ヒドロキシル基を保護し、
    (b) C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンのC−4位置を酸化し、
    (c) C−4が酸化され、C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンに求核アリール有機金属試薬を加え、
    (d) C−3が保護された4−アリール−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンのC−4位置を脱酸素化して、C−3が保護された4α−アリール−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンを得る、
    各工程を有してなることを特徴とする方法。
  2. C−3保護基を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ベンジル基を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記ベンジル基が水素化分解により除去されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. ヒドロキシル基をアセチル化する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  6. 前記4−アリール置換基がエピカテキンの誘導体またはカテキンの誘導体であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. エピカテキンまたはカテキンが、該エピカテキンまたはカテキンのC−8位置により連結されていることを特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 前記求核アリール有機金属試薬が、C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−8−ブロモエピカテキンを第3ブチルリチウムと反応させることにより形成されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  9. 前記4−アリール置換基がトリメトキシフェニルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. C−3保護基がベンジル基またはトリアルキルシリル保護基であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 前記トリアルキルシリル保護基が第3ブチルジメチルシリル基であることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記酸化工程において、C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−ケトエピカテキンが生成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 前記酸化工程が、
    (a) 前記C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンをキノン型の酸化剤と反応させて、C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンを形成し、
    (b) 前記C−3が保護された5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンを、N−メチルモルホリン−N−オキシドおよび過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムと反応させる、
    ことにより行われることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 前記脱酸素化工程が、4−アリール−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジル−4−ヒドロキシエピカテキンをトリアルキル金属水素化物および有機酸と反応させることにより行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  15. 前記トリアルキル金属水素化物がトリブチルスズヒドリドまたはトリエチルシランであり、前記有機酸がトリフルオロ酢酸であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 前記4−アリール−5,7,3’,4’−テトラ−O−ベンジルエピカテキンをC−3位置で誘導体化して、少なくとも1つのC−3エステルを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  17. 誘導体化剤が、カフェー酸、桂皮酸、クマル酸、フェルラ酸、没食子酸、ヒドロキシ安息香酸およびシナピン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. ベンジル基を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 前記ベンジル基が水素化分解により除去されることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. ヒドロキシル基をアセチル化する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
  21. 化学式:
    Figure 2004508362
    の化合物であって、
    Rが水素、ベンジルまたはアセチルであり、Xがヒドロキシまたはβ−水素であることを特徴とする化合物。
  22. 化学式:
    Figure 2004508362
    の化合物であって、
    がシリルベースの保護基またはベンジル型の保護基であり、XおよびYが独立して水素またはヒドロキシであるか、またはXおよびYが共に酸素であり、Zが水素またはハロゲンであることを特徴とする化合物。
  23. 化学式:
    Figure 2004508362
    の化合物であって、
    がシリルベースの保護基またはベンジル型の保護基であり、Xが水素またはβ−水素であることを特徴とする化合物。
  24. 化学式:
    Figure 2004508362
    の化合物であって、
    が水素、ベンジルまたはアセチルであり、RおよびRが独立して水素、アセチル、保護されたガロイルまたはガロイルであることを特徴とする化合物。
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