JP2004508098A - 歯根歯槽管の治療用器具 - Google Patents

Abstract

歯根歯槽管の先端部分の治療用の器具は、少なくとも１つの螺旋作業稜線部を有している円錐形の軸（１）を有している。器具の前部作用部（２）は、少なくとも２つの連続する円錐形から成っており、それらの円錐形の開度（β，χ）は、その後部作用部の方向において、器具の前部尖端部から減少して行く。

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、歯根歯槽管の治療用器具を、本発明の目的として有しており、その治療用器具は、先細の軸を具備しており、この先細の軸は、その長さの少なくとも部分であって、その作用部を構成しているものの上に、切削用の即ち治療用の少なくとも１つの螺旋状稜線部を有している。
【０００２】
【発明の背景】
感染した歯根の治療は、特定の器具（例えば、神経摘出器、ヘドストレーム、ＮｉＴｉ即ちニッケル−チタンの回転可能な器具）の助けを借りての、歯髄の摘出により、次いで、可変サイズの且つ円錐形の器具の助けを借りての、連続的な中ぐりによる、歯槽管の付形により、行なわれる。最後の作業は、歯槽管を（例えば、ガッタパーチャコーン、アマルガム、セメントを用いて）塞ぐことである。
【０００３】
歯槽管の付形は、第１に、拡大する余地のある冠状部及び中央部における歯槽管の拡大をもたらすことと、第２に、感染した組織の機械的な除去により、歯槽管の先端部分をより容易に治療することとから成っている。
【０００４】
第１段階（即ち、歯槽管の拡大）は、種々の方法に従って行なわれ得る。所謂「ステップバック（Ｓｔｅｐ ｂａｃｋ）」法は、一連の器具であって、直径が増大していくものを、直径が増大する毎に中ぐり長を減少させることにより、歯槽管内へ前進させることから成っている。
【０００５】
このプロセスは、完遂するのに長時間を要する。更に、この方法は、階段状のチャンネルを備えている内腔であって余り好ましくないものを、結果的にもたらす。「クラウンダウン（Ｃｒｏｗｎ−Ｄｏｗｎ）」と呼ばれている第２の方法は、歯根管の冠状部を先ず拡大し、その後、だんだん細くなって行く一連の器具により、先端領域まで穿通することから成っている。ここで再び、この作業は、長時間を要するが、器具を破損する危険性を低減させるという利点を有している。一の構成概念の、数個の円錐形を備えている器具を使用する第３の方法が、提案されており、その円錐形は、尖端部において、火炎形状であり、細く且つ先細になされており、そして、ハンドルに向かって旋削されている切削部の端部において、太く且つはっきりとした円錐形であるものである。そのような工具は、歯科医が歯根管を迅速に付形するのを可能にする。何故ならば、本出願人のスイス国特許ＣＨ−６８９．９９６号に記載されているように、それを行なうのに、歯科医は、種々のサイズ及び形状の多数の器具を使用するのではなく、少ない数の器具を使用するだけであるからである。
【０００６】
歯根管の付形の第２段階は、管の先端領域を形成することから成っている。ここでは、管の最適な閉塞を得るべく十分に大きい容積を有するように、はっきりとした円錐形が、望ましい。用意されている円錐形は、管の冠状部からの方向において縮径している。
【０００７】
【発明の概要】
本発明の目的は、少数の器具の助けを借りての歯槽管の付形を可能にする一連の器具を提供することであり、もって、その作業は、歯科医のより少ないストレスで且つ患者に対する完全な安全性で、より迅速に実施され得、そして、本発明は、請求項１に記載されている特徴によって区別されている。
【０００８】
【本発明を実施するための好適な実施形態】
添付図面を参照するに、本発明に係る器具であって、歯槽管を付形する第２段階において、即ち先端部分を火炎状にすることにおいて、歯科医の向上した作業安楽さを可能にすべく構成されているものは、少なくとも１つの螺旋作業稜線部（切削用又は非切削用）を有している円錐形の軸１をそれが具備している、ということによって特徴付けられている。約１４ｍｍよりも通常は大きい長さの、器具の作用部２は、２つの又は複数の円錐形の中に閉じている包絡面を具備しており、その円錐形の開度は、作用部２の後部部分の方向において、工具の尖端部３から減少している（即ち、外側のサイズ即ち直径は、増大している）。
【０００９】
従って、そのような器具は、前部作業部２上の数ミリメートルの長さの末端部であって、ほぼオジーブ状の形状即ち湾曲し且つ先細の形状を具備しているものを、有している。
【００１０】
このため、このタイプの２つの又は３つの器具から成る器具のセットであって、一の器具から他の器具へと直径が増大しており、器具の尖端部が約０．１ｍｍ〜約３ｍｍで通常構成されているものにより、歯科医は、遭遇するところの実際上全ての歯根管の先端を付形することができる。
【００１１】
しばしば、存在する器具のセットのうちの単一の器具だけで、与えられた歯根管の先端部分の付形に対して十分であろう。
【００１２】
これらの器具は、ハンドルでの手動使用に対して又はハンドピースによって回転駆動されるべく構成されている後部部分を具備することによる機械化使用に対して、用意され得る。
【００１３】
より具体的に図面に示されているように、器具の最末端部３の包絡面の円錐形の角度αは、更に後ろに（即ち器具のハンドルの方向において）位置させられている器具の作用部の位置ｂ及びｃにおける器具の円錐形を表している角度β及びχよりも大きい。
【００１４】
そのような器具により、約４％〜約６％の大きい円錐性であって、良好な閉塞を可能にするものを有している歯槽管の先端部分を形成することが、可能になる。このように、生成される容積がより大きくなるので、歯槽管を実質的に又は完全に封止すべく、全ての孔及び間隙をより容易に塞ぐことが、可能であり、これにより、治療後感染が、避けられる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明に係る器具の作業尖端部を示している。

Claims (3)

1. 歯根歯槽管の先端部分の治療用の器具であって、
   少なくとも１つの螺旋作業稜線部を有しており且つ前部作用部を有している円錐形の軸を具備しており、
   その前部作用部は、少なくとも２つの連続する円錐形を具備しており、
   それらの円錐形の開度は、前記後部作用部の方向において、器具の前部尖端部から減少して行く、
   器具。
2. 前記作用部が、器具の尖端部から減少して行く値の、異なる開度の複数の円錐形を具備しており、これにより、オジーブの全体形状を有しており、そのオジーブの尖端部が、器具の尖端部を形成している請求項１の器具。
3. 前記作用部が、約１４ｍｍよりも大きい長さを有している請求項１の器具。

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