JP2004507669A - 微小孔を持つ潤滑シール - Google Patents

微小孔を持つ潤滑シール Download PDF

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Abstract

(a)対向面を持つ表面領域(11、113)、(b)細孔形状を持つ、前記表面の一つ以上内の複数の微小孔、そして(c)前記表面の間の流体(116)の流れからなり、前記微小孔を通過する流体の前記流れが、前記表面間に揚力を提供する潤滑流体静力学シール。好適実施例においては、表面領域の対向面は名目上平行である。名目上平行な面は、製造が簡単で、従来の技術による種々の収束面構成よりもかなり安価である。また、名目上平行な表面構成は、液体潤滑及び気体潤滑流体動力学シール用途の両方で、さらに、流体動力学的な、そして流体静力学的な揚力が発生するハイブリッド・シールの用途でも用いることができる。

Description

【0001】
【発明の分野及び背景】
本発明は、摩擦作用が改善したシール、特に、微小孔の存在によって負荷容量が改善した耐力面を持つシールに関する。
【0002】
流体潤滑の理論から、潤滑薄膜によって切り離された二つの平行な面が、互いに対して、ある相対速度で滑る場合、潤滑薄膜内には、流体力学上の圧力は全く発生せず、したがって分離力も全く発生しないことは、よく知られている。流体力学的に圧力を蓄積させるには、滑動方向に薄膜厚を収束させるメカニズムが必要である。従来の応用では、しばしば、例えば流体スラスト軸受及びジャーナル軸受等の滑り面の間に、ある種の調整あるいは偏心を設けるようにして、この効果を得ている。
【0003】
液体潤滑剤に関しては、これまで、特に滑り面上における波形形態にあるマクロ面構造が、平行面スラスト軸受及びメカニカルシールのために研究されてきた。これらの場合における負荷容量は、波状面上への非対称な流体動力学的圧力分布に依存し、収束する薄膜領域での圧力増加は、発散する薄膜領域での圧力降下よりかなり大きい。これは、圧力降下には、キャビテーションによる下限があるが、圧力増加には有効な上限がないためである。滑り面上に突き出す微小隆起の形態にあるマイクロ面構造も、また、局所的なキャビテーションを持つ局所的に非対称な圧力分布を発生させるように用いることもできる。これらの微小隆起を統合した効果は、平行な滑り面間に分離力を発生させるのに有用である。非対称な圧力分布は、また、窪んだ表面構造によっても得ることができ、軸受及びメカニカルシール内には、種々の形状の溝が用いられている。例えば、「非接触の、漏れのない螺旋溝液面シールの開発」(T. W. Lai, ”Development of Non−Contacting, Non−Leaking Spiral Groove Liquid Face Seals, Lubr. Eng., vol. 50, pp. 625−640(1994))を参照。
【0004】
エトション(Etsion)氏らの米国特許第5,952,080号には、耐力面に微小孔を持つ高性能の軸受をデザインするための方法が開示されている。異なる微小孔形状及び密度を持つ一組の座面の流体動力学的圧力分布が、数値的にモデル化され、この数値モデルによって決定した最適な密度及び形状を持つ微小孔を設けるように軸受の耐力面を製造する。単一のレーザ・パルスによって、ほぼ円錐状の微小孔を形成してもよい。細孔の大きさ及び形状は、レーザ光線の分布、レーザ光線出力、そして焦点調整システムの光学パラメータを制御することによって調整する。
【0005】
微小孔形式のマイクロ面構造には、他のマイクロ面構造、特に移動耐力面内の突出構造に優る、次のような複数の利点がある。
1.製造の容易さ。
2.理論的なモデルを用いて、細孔の大きさ、形状及び分布の最適化が可能。
3.動かない(静的な)状態での優れた密閉性能。
4.潤滑不足状態下で、例えば、始動時に、そして潤滑剤損失後に、潤滑剤の ためのマイクロレザバーを提供。
【0006】
流体動力学的気体シールは、本質的に、流体動力学的液体シールと同じ原理で作用するが、潤滑剤の物理的性質に既知の明確な差があるため、デザイン及び作動原理が異なる。次の物理的性質において、かなり差違がある。
【0007】
1.圧力分布
非圧縮性流体では、完全な収束及び発散薄膜は、雰囲気圧よりも高い圧力、そして雰囲気圧よりも低い圧力を持つ。 しかし、高度に圧縮が可能な気体薄膜では、圧力は常に雰囲気圧よりも高い。非圧縮性薄膜の流体動力学上の圧力は、雰囲気圧から独立しており、このため、圧力上昇と雰囲気圧とを加算することによって、絶対圧力を求めることができる。他方、圧縮性薄膜の流体動力学上の圧力は、雰囲気圧に応じる。
【0008】
2.可変密度
気体は圧縮可能であるため、モデリング及び性能おける重大なエラーを防ぐために密度を変数として扱わなくてはならない。このことは、モデリングのための数学をかなり複雑にし、シールの作用に影響を与える。
【0009】
3.寸法精度
気体軸受内の薄膜は、液体(非圧縮)潤滑よりもかなり薄くなる傾向があるため、最小薄膜厚が、座面の表面荒さと同じ程度になることがある。
【0010】
4.熱伝達
気体潤滑シールでは、シール面の冷却及び潤滑に、液体よりも気体が用いられるが、気体の熱容量は、液体の熱容量よりもかなり小さいという特徴がある。結果的に、気体シールは、シール面で発生する熱を取り除くことには適していない。
【0011】
5.粘度
温度上昇に伴って粘度が減少する非圧縮性流体と異なり、圧縮性流体の粘度は、温度上昇に伴って増加する傾向がある。
【0012】
圧縮性、そして非圧縮の潤滑剤の物理的性質における差は、ポンプ、コンプレッサ等のための非接触気体潤滑シールの開発が、20世紀における密閉技術の分野で最も意義のあるものであると、ネツェル(Netzel)氏は述べている(Lubrication Engineering, pp. 36−41, May 1999)。さらに、このような気体潤滑シールをデザインするための原理は、それらに対応する液体潤滑シールのものと異なる。
【0013】
従来の技術における最も効率的な設計要素は、螺旋状の溝を持つシール面である。シャフトの回転に応じて、各螺旋溝内に圧力が蓄積され、これによって生じる流体動力学的な揚力が、シール面を分離し、シール面を横切る気体の通過を可能にする。
【0014】
強調すべきことは、螺旋溝シールは、シール面における、低NPSH(有効吸込ヘッド)作動を含む種々の作動上の問題、シール・フラッシュの喪失をもたらす機械的な問題、そして他の摩擦問題にさらされることである。さらに、螺旋溝を持つ円周領域は、液体システムのシールにおける幅に比べ、シールの環状領域の幅がかなり大きく、材料及び製作コストが高い。
【0015】
今日まで、流体動力学的に揚力を提供する手段としての微小孔技術の用途は、ほとんど液体潤滑シールに限定されてきた。微小孔を持つ気体潤滑流体動力学的軸受のモデリングは、参照によって本文に組み込んだ、エトション氏らのPCT出願第US97/16764号に示され、そして大気圧における空気軸受の揚力の向上が開示されたが、特に、圧縮性、そして非圧縮性潤滑剤の物理的性質における上記の顕著な相違、そしてそこから生じる必然的なシール・のデザインの差違から判断して、微小孔による流体動力学的揚力技術の応用によって、気体潤滑流体シールを用いるたいていの用途に対して、実用的な程度の揚力を提供することが可能であると考えることはほとんどなかった。さらに、下記に説明するように、PCT出願第US97/16764号を含む従来の技術における合わせシール面は、複雑で、製造コストが高い。
【0016】
強調すべきことは、液体システムが提供する流体動力学的揚力は、液体の非圧縮性に基づいていることである。発散領域内の最低圧力がキャビテーションによって限定されるのに対して、収束領域内の最高圧力は無制限である。圧力カーブにおけるこの非対称の作用が流体動力学的揚力を引き起こすのである。このため、流体動力学的揚力を促進する微小孔の適用は、低圧システムに最も効率的である。高圧システムでは、発散領域内の圧力降下の可能性が、流体動力学的揚力の全体的な効果を低下させる。
【0017】
したがって、液体システムが提供する流体動力学的揚力は、主に液体のキャビテーション特性に関連し、そして定義によれば、気体はキャビテーションを起こさないため、ハードディスク用途とは異なり、かなりの分離力を必要とする気体シールに対して、微小孔技術が適当で有利であると考えることはほとんどなかった。
【0018】
したがって、今日までの、流体動力学的気体潤滑シールのデザインは、主に螺旋溝技術、そして気体システムに適することが既知である他の従来の技術に集中してきた。
【0019】
流体動力学的気体潤滑シールの主な特徴の一つとして、気体の圧力は、面を切り離して、接触から起こる過剰な摩耗を避けるのに有用である。産業用気体タービン等の、従来の軸密閉システムでは、主軸シールは、半径方向へシールを越えて適用される高圧からの、シールを横切る差圧によって軸近く保持される。このとき、圧力勾配があまりに高い場合、シールは軸に対して押し付けられる。この問題を抑えるため、従来の軸シールには、時々、流体動力学的揚力を発生する内面上にリフティング装置が設けられて、接触圧から生じる摩耗が少なくなるようにデザインされている。
【0020】
軸の表面で収束する半径方向内面を持つ環状気体シールの製造は、特に気体システムに必要な寸法精度から判断すると、複雑で、費用がかかる。
【0021】
航空機エンジンでは、主軸気体シールが最も重要である。産業用気体タービンの場合と同様、シール寿命及び低圧性能の両限界が、現在、航空機エンジンの主軸シールのデザイン及び作動における大きな関心事である。
【0022】
航空機主軸シール用途としては、主に二つのタイプのシールが用いられる。低圧用途では円周シールが最も頻繁に用いられ、高圧用途では面シールが用いられる。これらの軸受孔シールの目的は、軸受孔内に熱い気体を入れず、軸受孔室内に軸受冷却油を含み、そして微粒子を軸受から遠ざけることである。
【0023】
円周シールは、エンジンの固定フレームに取り付けた金属ハウジングからなり、このハウジングの内部に、多数の部分からなる一つのカーボン・リングを、環の状態で円周ガーターバネによって保持する。カーボン・リングの孔は、回転軸上の硬質被覆スリーブとすれ合い、漏出に対するバリヤを生じる。カーボン・リングは、また、シール・ハウジングに対して静的なシールを形成する。
【0024】
面シールは、エンジンの固定フレームに取り付けた金属ホルダからなり、このホルダによって、通常、金属バンドの状態へ収縮された固形カーボン・リングを回転しないように保持する。さらに、このカーボン・リングを、軸方向にホルダとカーボン・リングとの間に取り付けた圧縮バネによって、回転側面、あるいは軸上に取り付けた合わせ環に対して軸方向に押す。なお、合わせ環は、摩耗を抑えるため硬質コーティングが施されることが多い。カーボン・リングとホルダとの間の界面に位置する静止シールによって、これらの二つの部品間の漏出を防ぐ。
【0025】
軸スリーブ(あるいは合わせ環)とカーボン・シール・リングとの間の接触によって、それらの表面に摩耗が生じ、長期間に渡り密閉性能が悪化する。この摩耗の問題は、シール合わせ面間の接触圧が増加する、高圧気体において深刻である。多くの条件下で、これらのデザインでは過剰な摩耗があるため、接触シールの代わりに、特別な揚力幾何学的配置を持つラビリンス・シール及び面シール等の非接触タイプのシールが用いられている。しかしながら、ラビリンス・シールは密閉性が低く、また、シール面上の揚力形状の製造コストは高い。
【0026】
したがって、既知のものに比べ、より単純なデザインで、かつ製造が容易であり、より効率的、強靭、そして経済的な気体潤滑流体シールの必要性が広く認識される。そして、そのようなものを獲得することは大変有利である。
【0027】
エムラー(M?ller)氏が教えるように(「流体静力学的な、そして流体動力学的な面シール」“Face Seals: Hydrostatic and Hydrodynamic”, ASLE Education Course on Fluid Film Sealing, 1972))、流体動力学的なシール面の安定した分離を得るためには、面の間に能動的に流体動力学的圧力を発生させる必要がある。発生する分離力の大きさ、そして流体動力学的シールの有効性は、その性質上、表面速度及び粘度に依存する。特に、これらの特性は、下記の一次元レイノルズ方程式の一般式から明白であるように、微小孔を持つ流体動力学シールに対する物理的な基礎を提供する。
【0028】
【数式1】
Figure 2004507669
【0029】
ここで、
Pは流体動力学的圧力であり、
ρは流体密度であり、
hは局所的な薄膜厚であり、
μは流体粘度であり、
vはx方向へのすべり速度である。
【0030】
上記のように、エトション氏らへの米国特許第5,952,080号には、耐力面に微小孔を持つ高性能の軸受をデザインするための方法が開示されている。そこに定義された用語「軸受」は、軸受だけではなく、例えばピストン等の往復運動システムを含む、負荷を担って相互に移動する接触面を持つすべてのシステムを示す。
【0031】
エトション氏への米国特許第6,002,100号には、耐力面に微小孔を持つ高性能の軸受をデザインするための方法が開示されている。微小孔は、深さが2から10ミクロンであって、アスペクト比が7対20程度であることが好ましい。米国特許第6,002,100号によれば、この独創的な方法は、「流体動力学的圧力分布のモデル化に基づいており、このため、相対運動する潤滑耐力面に適用される」。
【0032】
流体静力学シール(気体及び液体)は、分離力が、表面速度及び粘度によってではなく、差圧によって発生するという点で、流体動力学シール(気体及び液体)から明白に識別可能である。したがって、前述の特許は、相対運動する潤滑耐力面、すなわち、流体動力学的な用途に限定されるのは当然である。
【0033】
さらに、微小孔を持つ流体動力学的な液体シールに関しては、作動圧力の増加に応じて、微小孔の発散及び収束領域にわたる圧力カーブが、発散領域でより大きな圧力降下が起こるため、非対称性がかなり低くなり、性能が損なわれることが分かっている。その結果、微小孔が提供する流体動力学的揚力は、約15気圧以上の圧力において、ほぼ無視できる程度になる。
【0034】
これと全く対照的に、流体静力学シールでは、流体静力学的な揚力はシール面間の相対運動から独立している。さらに、流体静力学シールでは、レイノルズの方程式における動的な項が消失するので、粘度は重要ではない。面分離は、合わせ面に沿う流体静力学的圧力分布によって決定される。多分、最も重要なことは、流体静力学シールは、流体動力学的潤滑があまり有効ではなく、また微小孔技術が特に効果的ではないことが知られている、5から200気圧の圧力範囲、より典型的には10から100気圧の範囲で作動するということである。
【0035】
流体静力学的な液体シールに加えて、流体静力学的な気体シールも一般的である。上記のように、微小孔技術の有効性は、中から高粘度の非圧縮性液体を用いる液体流体動力学的システムに対してのみ知られていた。流体静力学的に気体潤滑であるシールへ、微小孔技術の有効な応用は、気体が、流体動力学的揚力を損なう高圧縮性及び低粘性を持つということを考えた場合、特に驚くべきことである。
【0036】
微小孔に基づく流体動力学シールの既知の特徴、すなわち単純なデザイン、製造の容易さ、優位な流体動力学的揚力、摩耗の減少、信頼性及び経済性を、流体静力学シールに与えるようにして、微小孔技術に基礎を置く、あるいは微小孔技術で改良した液体及び気体流体静力学シールを得ることは、非常に有利なことである。
【0037】
【発明の要約】
本発明の目的は、既存の収束面技術よりも単純で製造コストがより安価な面を持つが、適当な揚力を達成する流体動力学的で、かつ流体静力学的なシールを提供することである。
【0038】
本発明のもう一つの目的は、従来の技術シールに比べ、優位な流体動力学的揚力を達成する流体動力学的な気体潤滑シールを提供することによって、接触圧から生じる摩耗を減少させ、シールの有用寿命を長くすることである。
【0039】
さらに、本発明の目的は、従来の技術によるシールに比べ、よりコンパクトで、製造が容易で安価、かつ流体動力学的で、溝のない気体潤滑シールを提供することである。
【0040】
本発明のもう一つの目的は、密閉性能を疎かにすることなくシール寿命がかなり向上するように、流体動力学的揚力を強調した主軸気体シール・システムを提供することである。
【0041】
さらに、本発明の目的は、ラビリンス・シールや他の非接触シール・システムを含む既存のシステムに比べ、単純で経済的な主軸気体シール・システムを提供することである。
【0042】
さらにもう一つの本発明の目的は、従来の技術による流体静力学シールに比べ、よりコンパクトで、製造が容易で安価、かつ気体そして/あるいは液体によって潤滑される流体静力学シールを提供することである。
【0043】
本発明によれば、次のものからなる潤滑流体静力学シールが提供される。(a)対向面を持つ二つの表面領域。(b)これらの面の一つ以上に存在する、細孔形状を持つ複数の微小孔。そして(c)前記面の間にある流体の、圧力によって誘発された流れ。この場合、圧力に誘発された流れが、微小孔を通過することによって、前記面の間に揚力を発生させる。
【0044】
好適実施例においては、この流体は気体である。もう一つの好適実施例では、流体は液体である。
【0045】
収束面を持つ(段差面を含む)既知の面シールとは全く対照的に、このようなシールの対向面が、微小孔技術を用いることによって名目上平行にできることを発見した。名目上平行な表面の製造は、角度のある、そして/あるいは段差のある面の製造に比べ、製造が単純で、かなり安価である。名目上平行なシール面のデザイン及び製造は、液体潤滑及び気体潤滑流体動力学シール、そして流体静力学シールを含む、微小孔を持つ種々様々のシール及び軸受に適用することができる。
【0046】
既知の技術であるピストン及びシリンダ・システムは、典型的に、ピストンあるいはピストン・リングの半径方向の表面領域と、シリンダ・ライニングとの間に、軸方向に不均一な隙間を必要とするが、本発明は、単純で製造が容易な、名目上平行な表面の使用を可能にする。本発明の好適実施例においては、次のものからなる潤滑流体動力学シールが提供される。(a)第一面を含む内面領域を持つシリンダ。(b)シリンダ内に配置され、第二面を含む半径方向の表面領域を持つピストン・ユニット。(c)細孔形状を持つ、前記面の一つ以上に存在する複数の微小孔。そして(d)第一面と第二面との間に位置した流体。この場合、微小孔を通過して流体が流れることによって、前記面の間に揚力が発生する。また、第一面と第二面とは名目上平行である。
【0047】
好適実施例では、ピストン・ユニットそして/あるいはシリンダ・ライニング上の微小孔は、約3ミクロンから約15ミクロンの深さがある。微小孔が約5ミクロンから約10ミクロンの深さであれば、より好ましい。
【0048】
もう一つの好適実施例では、微小孔は、表面の面積で約5%から約30%を覆う。微小孔が表面の面積で約10%から約20%を覆えば、より好ましい。
【0049】
さらに、もう一つの好適実施例では、ピストン・ユニットは、さらに少なくとも一つのピストン・リングを含み、そして、前記半径方向の表面領域上の面がピストン・リング面である。ピストン・リング上の微小孔に加えて、ピストンの半径方向の面を微小孔で覆ってもよい。下記に詳細に説明するが、これによって揚力を強めて他の利点をもたらすことができる。
【0050】
さらにもう一つの好適実施例では、第一面の細孔形状及び第二面の細孔形状が、流体動力学的な耐力状態、潤滑不足状態、あるいはこれら両方の状態からなるグループから選択した状態に対して最適化される。
【0051】
本発明によれば、次のものからなる流体動力学的な気体シールが提供される。(a)対向面を持つ二つの表面領域。(b)これら面の少なくとも一つに存在する、細孔形状を持つ複数の微小孔。そして(c)面の間に位置する気体。面の相対運動によって誘発されて気体が微小孔を通過して流れるため、対向面の間に揚力が発生する。また、対向面は名目上平行である。
【0052】
シールの合わせ面の一つに適用された微小孔は、流体動力学的なマイクロ軸受として作用し、適合面の間の接触を阻止する、あるいは相当に低下させる驚くほど強力な、そして有益な流体動力学的揚力を提供する。このため、摩擦及び摩耗がかなり減少する。
【0053】
細孔形状は、深さhp と直径Dとによってパラメータ化されるが、この場合、hp /Dは0.002から0.05の範囲にあることが好ましい。さらに、0.005から0.02の範囲になれば、より好ましい。
【0054】
好適実施例においては、細孔形状はほぼ回転対称である。
【0055】
もう一つの好適実施例では、微小孔は、ほぼ均一な様式で表面上に配置される。この場合、微小孔は、表面の面積で15から45%を覆うことが好ましく、微小孔が表面の20から30面積%を覆えば、より好ましい。
【0056】
好適実施例では、流体動力学的な気体シールの表面上の微小孔は、直径で少なくとも約100から150ミクロンである。微小孔は約1から3ミクロンの深さであることが好ましい。
【0057】
好適実施例では、微小孔は、従来の技術による気体潤滑面シールのリフティング装置(螺旋溝、ローリー・ステップ等)の間に形成し、このようなシールの流体動力学的揚力を強め、有用寿命を延ばすことができる。また、流体動力学的揚力は、シール・ダムの表面に微小孔を形成することによっても強めることができる。
【0058】
もう一つの好適実施例では、表面領域の対向する名目上平行な面は半径方向に順応している。このような構成は、特に気体潤滑円周軸シールとして適当である。
【0059】
さらにもう一つの好適実施例では、本発明によるシールは、流体動力学的な、そして流体静力学的な揚力を提供するハイブリッド・シールである。高相対速度においては、流体動力学的な分離力、そして流体静力学的な分離力の両方から揚力が発生する。低相対速度においては、揚力の流体動力学的な成分は無視できる程度になるが、流体静力学的な揚力が密閉間隙に沿う差圧に基づくため、これはほとんど影響を受けない。潤滑ハイブリッド・シールは、(a)相対運動をする対向面を持つ二つの表面領域、(b)細孔形状を持つ、対向面の一つ以上に存在する複数の微小孔、そして(c)対向面の間に位置した流体からなり、微小孔を通過する対向面の相対運動、そして対向面に沿う差圧によって、流体の流れが誘発され、対向面の間に揚力が発生する。
【0060】
好適実施例では、微小孔の適用によって、ハイブリッド・シール表面領域の対向面を名目上平行にすることが可能である。
【0061】
もう一つの好適実施例では、ハイブリッド・シールは液体で潤滑される。
【0062】
さらにもう一つの好適実施例では、各々の細孔形状は、流体静力学的な揚力に対して、また流体動力学的揚力に対して最適化される。
【0063】
明細書及び下記の請求項の箇所に用いる用語「シール」は、軸受を含む、荷重を受ける接触面を持つすべてのシステムに言及する。
【0064】
明細書及び下記の請求項の箇所に用いる用語「名目上平行な」あるいは「名目上平行な面」は、巨視的な輪郭がほぼ平行である面のことを意味する。このような名目上平行な表面の一例としては、平行な状態に配置した面を持つ複数の平板がある。もう一つの例としては、軸を囲む環がある。この場合、環は軸の半径方向の表面に平行な内面を持つ。この表面形状は、特に「半径方向に順応する」として知られている。
【0065】
【好適実施例の説明】
本発明は、(a)対向面を持つ二つの表面領域、(b)細孔形状を持つ一つ以上の面内にある複数の微小孔、そして(c)それらの面の間に位置する流体からなる、潤滑流体静力学シールに関する。このシールでは、微小孔を通過する、圧力誘発による流体の流れが面の間に揚力を提供する。
【0066】
好適実施例においては、表面領域の対向面は、名目上平行な構成であり、従来の技術による種々の収束面形状よりも製造が容易でかなり安価である。名目上平行な表面構成は、また、下記に詳細に述べるが、液体潤滑及び気体潤滑流体動力学シール、そしてハイブリッド・シール(流体動力学的で流体静力学的な結合型)にも用いることができる。
【0067】
本発明による潤滑シールの原理及び作動は、図面及びその説明文から明確に理解することができる。
【0068】
さて、図面を参照する。図1は、エトション氏らの米国特許第5,952,080号からの抜粋で、微小孔を含む面を持つ軸受の概略的な断面図である。軸受110は、幅Cの間隙116で分離した上側シール・リング112の上面111、そして下側シール・リング114の下面113からなる。下面で113内には、直径D及び深さhp の、二つの球状細孔120及び122が設けられている。米国特許第5,952,080には、半球形の、そして円錐の細孔を含む代替的な形状が表されている。
【0069】
米国特許第5,952,080号に開示されている軸受の合わせ面は名目上平行であるように見えるが、名目上平行な面というのは、モデル化及び計算の目的で、制御セルの開発を可能にするために行った仮定であることが、その明細書から明白である。多くのこのような仮定が、この明細書内に用いられている。例えば、
1.シールは、一定の薄膜厚で分離した平行面を持つ全液体非接触シールである。
2.シール・リングの曲率効果は無視できる。したがって、均一な周速度U、そしてシールの外周から内周への線状圧力降下が仮定できる。
3.シール液は、一定の粘度μを持つニュートン液体である。
4.キャビテーションが起こる場合はいつも、半ゾンマーフェルト状態が仮定される。この仮定によって、制御セルの周りの流れに特定なエラーが導入されるが、負荷容量に対する解決策の一般的な傾向を変えないため、計算時間が短くて済む。
【0070】
これらの仮定は、シールの性能を向上させる手段として、あるいは製造コスト等を低減するために行われるものではなく、理論的にモデル化して、解決策の一般的な傾向を変えることなく容易に解決するために、複雑なシステムを単純化させるものである。前述の明細書は、微小孔技術の多くの利点を述べるが、名目上平行なシール面の重要な利点については説明がない。
【0071】
図2a及び2bは、従来の技術による流体静力学シール・リングの概略的な横断面図である。頂部シール・リング200は、扁平でディスク形状である。図2aにおける底部シール・リング100は、シール・リングの外側130と内側120との間の間隙110を減少させるように、頂部シール・リング200に対向する段差上面160を持つ。収束対向面間の間隙110を流体が通過することによって、流体静力学的な揚力効果が発生する。
【0072】
図2bにおける底部シール・リング100は、頂部シール・リング200に対向する扁平な、収束上面160を持つ。図2aの場合と同様、シール・リングの外側130と内側120との間の間隙110は減少する。収束対向面間の間隙110を流体を通過することによって、流体静力学的な揚力が発生する。
【0073】
図3aは、本発明による環状の流体静力学シール・リング100の概略的な上面図である。シール・リングの外側130と内側120との間の半径方向の圧力降下が維持されている。長方形の様式で細孔が配置されているが、(例えば、同心の)規則的な、あるいは不規則的な配置でもよい。複数の微小孔150が、環の外側領域に向かって、より多く配置されることが好ましい。環の内面領域、幅b内には、微小孔が全く存在せず、この領域はシール・ダムに同様な様式で作用する。環の全幅△rは、△r=ro−riと定義する。この場合、roはシール・リングの外側130の半径であり、riはシール・リングの内側120の半径である。流体静力学的な面シールの性能を特徴づけする二つの重要なパラメータは、
【0074】
【数式2】
Figure 2004507669
で定まる幅比率βと、
【0075】
【数式3】
Figure 2004507669
【0076】
で定まる、シール面間の大きな隙間と小さな隙間との間の有効比率、隙間比率αである。この場合、
Spは細孔密度あるいは範囲(面積割合)であり、
hpは細孔高さであり、
Cはシール面の間の隙間であり、
εは、比率hp/Dである(Dは細孔直径)。
流体静力学シールは、α値が1.4から1.8までの範囲で最も効果的であり、α値が1.5から1.6までであることがより好ましい。
【0077】
図3bは、本発明による頂部リング200及び底部リング100の概略的な断面図である。流体は頂部リング200及び底部リング100の間の間隙300内に位置する。上記の、従来の技術によるコスト高なシール形状とは異なり、本発明によるデザインでは、対向シール面が名目上平行になることが許容される。微小孔の存在によって、シール幅(△r−b)の部分に、効果的により高い隙間が提供されるため、流体静力学的な揚力が発生する。微小孔を用いた有効間隙幅の変更は、シール面の高圧側に向かって、微小孔の深さ180を増加させる、そして/あるいはシール面の高圧側に向かって、微小孔の密度をより高くする(図示せず)等を含み、種々の方法によって達成することができる。
【0078】
上記の説明から、流体静力学シールにおける揚力達成のための微小孔の使用は、流体動力学シールにおける揚力達成のための微小孔の使用とはかなり異なることは明白である。微小孔が提供する流体動力学的揚力は、細孔を横切る非対称な圧力カーブから生じ、この非対称な圧力カーブは、シール面の相対運動から発生する。
【0079】
しかしながら、流体静力学シールでは、シールを横切る圧力降下から揚力が発生する。流体静力学的な用途における微小孔の目的は、この面シールが、収束面を持つ面シールのように作用するよう、歪んだ状態にある面シール間の間隙を効果的に広げることである。微小孔を持つ流体静力学的な面シールは、優れた揚力を達成でき、微小孔及び名目上平行な面を持つ面シールの製造は、特に容易で安価であるということが分かっている。
【0080】
流体静力学シールは、一般的に5から200気圧以上の作動圧力、通常10から200気圧の間で用いられる。流体動力学的な液体シールは、約15気圧を超えると、圧力カーブがますます対称になるため、ほとんど効果がない。結果的に、本発明による流体静力学シールにおける微小孔技術の使用は、用途範囲を著しく広げることになる。
【0081】
流体静力学シールにおける微小孔技術の使用の物理的な基礎は、流体動力学シールのものとは根本的に異なるため、個々の微小孔の、そして複数の微小孔の種々の特性も、根本的に違っていると理論づけることができる。流体動力学シールでは、密閉性能は、主に、細孔深さと細孔直径と間の比率によって定まる。しかし、流体静力学シールでは、シールの有効性に最も強く影響するのは、隙間比率(そして、より程度に影響するのが幅比率)である。
【0082】
本発明によって、流体静力学的な用途における最適な微小孔深さは、典型的に、約20から100ミクロンであることが発見されている。これは、米国特許第5,834,094号に開示された流体動力学的な軸受に対する最適な微小孔深さよりも程度が大きい。
【0083】
好適実施例においては、流体静力学シールは気体によって潤滑される。もう一つの好適実施例では、流体静力学シールは液体によって潤滑される。
【0084】
好適実施例では、流体静力学シールの対向面の少なくとも一つは、半径方向に外向きの面(△r−b)と半径方向に内向きの面(b)とを含み、複数の微小孔が半径方向に外向きの面に位置する。この場合、半径方向に外向きの面の15面積%から45面積%の間の範囲に渡って微小孔が設けられる。
【0085】
さらにもう一つの好適実施例では、本発明によるシールは、流体動力学的な、そして流体静力学的な揚力を提供するハイブリッド・シール(図4a及び4b)である。高相対速度においては、揚力は、流体動力学的な分離力及び流体静力学的な分離力の両方から発生する。しかし、低相対速度においては、揚力の流体動力学的な分力は無視できる程度であり、流体静力学的な揚力は、間隙に沿う圧力に基づくため、流体静力学的な揚力はほとんど影響を受けない。流体静力学的な揚力を得るようにデザインした微小孔は、有効な収束間隙を提供するため、収束面を持つシールに同様の状態で、流体静力学的な揚力を生じる。
【0086】
図4aは、本発明による環状ハイブリッド・シール・リング600の概略的な上面図である。このシール・リングの外側630と内側620との間には、半径方向の圧力降下が維持される。細孔は長方形様式に配置されているが、(例えば、同心の)規則的な、あるいは不規則的な他の構成で配置されてよい。二組の微小孔、すなわち、外側の複数の微小孔650、そして内側の複数の微小孔660は、シール・リング600の面上に位置し、内側の複数660は、環の内面領域、幅b内に位置する。
【0087】
図4bは、本発明による頂部リング200及び底部リング600の概略的な断面図である。流体は、頂部リング200と底部リング600との間の間隙300内に位置する。頂部リング200及び底部リング600の対向面は名目上平行である。外側の複数の微小孔650は、環の外側領域に向かってより多く配置され、また内側の複数の微小孔660よりも深いことが好ましい。外側の複数の微小孔650は流体静力学的な揚力を得るように最適化し、内側の複数の微小孔660は流体動力学的揚力を得るように最適化することが好ましい。
【0088】
上記のように、エトション氏らへの米国特許第5,952,080には、高性能の、耐力面に微小孔を持つ軸受をデザインするための方法が開示されている。そこに定義された用語「軸受」は、例えば、それ自体が軸受ではないピストン等の往復運動システムを含む、負荷を担って相対的に移動する接触面を持つすべてのシステムに言及する。
【0089】
図5は、従来の技術による、シリンダ100内のピストン・アセンブリ200の一部の横断面図である。ピストン・アセンブリは、ピストン表面の溝270に嵌められた耐力ピストン・リング250を含む。これらの耐力ピストン・リングは、典型的に、シリンダ・ライニング150に接触する収束及び発散接触面290を持つ。収束及び発散面は、リングとシリンダ・ライニング150との間に分離力を発生させるようにデザインされている。
【0090】
米国特許第5,952,080号によれば、耐力面に微小孔を設けて、性能を改善することが可能である。ところが、この性能向上は製造コストの増加を伴う。
【0091】
しかし、収束及び発散接触面のデザインを、シリンダ・ライニングに名目上平行なテクスチャード接触面等の製造が容易なデザインに置き換えることによって、製造コストを実際に減少させることが可能なことを発見した。さらに、ピストン自体の表面に微小孔を設けることによって、揚力を強めることができる。ピストン表面は、実際にシリンダ・ライニングに接触することはないが、流体動力学的揚力を誘発するのに十分に近い距離にある(また、ピストンの相対速度は十分に高速である)。
【0092】
図6aは、本発明による、シリンダ100内の耐力ピストン・リング250を持つピストン200の一部を示す横断面図である。この場合、流体は、ピストンとシリンダとの間の間隙300に位置する。耐力リング表面260及びピストン表面280は微小孔で表面加工されている。これらの微小孔は、流体動力学的なマイクロ軸受として作用し、適合面間の接触を阻止し、あるいは大きく低減し、摩擦及び摩耗をかなり低下させる驚くほど強力な揚力を提供する。
【0093】
図6bは、図6aの耐力ピストン・リング250の一部を示す拡大図である。微小孔265によって、ピストン・リング面260がシリンダ・ライニングに名目上平行になるのに十分な分離力が発生する。
【0094】
図6aにもう一度言及すれば、ピストン200とシリンダ・ライニング150との間の間隙が非常に小さく、ピストンの相対速度が高速で、そしてピストン上の利用可能な表面積が大きいため、ピストン表面上の微小孔280によって、相当な流体動力学的揚力が発生する。シリンダの内側を移動するピストンが、時折、僅かに偏心して運動することがあるのは異常なことではない。この運動は、ピストンとシリンダ・ライニングとの半径方向の面の間の接触を起こし、摩耗及び破損の恐れがある。ピストン表面上の微小孔は、この運動を沈め、接触及び摩耗を低下させる。さらに、ピストン・リング250の侵食あるいは破損の場合、ピストン表面上の微小孔は、ピストンへの損傷を防ぐための十分な揚力を提供する。
【0095】
好適実施例では、シリンダの表面上に微小孔が形成される。もう一つの好適実施例では、流体動力学的な耐力状態に対して、また潤滑不足状態に対して、耐力面上の微小孔形状が最適化される。例えば、既知の技術によって、流体動力学的な耐力状態に対してピストン・リング面とピストン面とを最適化し、また、既知の方法によって、潤滑不足状態に対してシリンダ・ライニングを最適化する。
【0096】
本発明によれば、次のものからなる気体潤滑流体動力学シールが提供される。(a)相対運動する対向面を持つ表面領域。(b)細孔形状を持つ、一つ以上の表面内の複数の微小孔。そして(c)対向面の間に位置し、これらの面の相対運動によって誘発されて流れる気体。この場合、微小孔を通過する流れが、面の間に揚力を提供する。また、対向面は名目上平行である。
【0097】
シールの合わせ面の一つ以上で適用した微小孔は、適合面間の接触を阻止し、あるいは相当に低下させ、摩擦及び摩耗をかなり減少させる驚くほど強力で有益な流体動力学的揚力を提供する。
【0098】
細孔形状は、深さhp と直径Dとによってパラメータ化されるが、hp /Dは、0.002から0.05までの範囲が好ましく、0.005から0.02であれば、より好ましい。
【0099】
好適実施例では、細孔形状はほぼ回転対称である。
【0100】
もう一つの好適実施例では、微小孔は、ほぼ均一な様式で表面上に配置される。微小孔は、15から45の面積%で表面を覆うことが好ましく、微小孔が20から30の面積%で表面を覆えば、より好ましい。
【0101】
好適実施例では、気体潤滑流体動力学シールの表面の微小孔は、少なくとも約100から150ミクロンの直径を持つ。
【0102】
図7に示す好適実施例においては、微小孔750は、気体潤滑面シール700の螺旋溝780間に形成されて、このようなシールの流体動力学的揚力を強め、性能及び有用寿命を向上させる。
【0103】
同様に、微小孔はまた、螺旋溝間の微小孔の代わりに、あるいはそれらに加えて、シール・ダム面上に形成することもできる。
【0104】
もう一つの好適実施例では、表面領域の対向する名目上平行な面は、半径方向に順応する。このような構成は、特に気体潤滑円周軸シールに対して適当である。このような微小孔を、シール面の一つ、あるいは両方に設けることによって、接触及び摩耗が減少し、シールの有効作動寿命が延びる。
【0105】
上記の説明は、単に例として役立てることを意図したものであり、本発明の精神及び範囲内において、多くの他の実施例が可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
例として、次の添付図面を参照しながら、本発明を説明する。
【図1】球形微小孔を持つ、従来の技術による軸受の概略的な断面図である。
【図2a】段差面を持つ、従来の技術によるシール・リングの横断面図である。
【図2b】シール面が、次第に収束する面を含む、従来の技術によるシール・リングの横断面図である。
【図3a】本発明による、複数の微小孔を持つ流体静力学シール・リングの上面図である。
【図3b】図3aの流体静力学シール・リングの横断面図である。合わせシール面と共に、流体静力学シール・リングの微小孔の位置を示す。
【図4a】本発明による、流体動力学的な、そして流体静力学的な揚力を提供する二組の複数の微小孔を持つハイブリッド・シール・リングの上面図である。
【図4b】図4aのハイブリッド・シール・リングの横断面図である。合わせシール面と共に、シール・リングの二組の微小孔の位置を示す。
【図5】従来の技術による、シリンダ内の、耐力ピストン・リングを持つピストンの一部の横断面図である。耐力ピストン・リングは、軸方向に発散及び収束する接触面を持つ。
【図6a】本発明による、シリンダ内の、ピストン・リングを持つピストンの一部の横断面図である。ピストン・リング及びピストン表面は、微小孔を含むテクスチャード面を持つ。
【図6b】図6aの耐力ピストン・リングの断面図であり、シリンダ・ライニングに名目上平行な、ピストン・リングのテクスチャード面を示す。
【図7】螺旋溝を持つ気体潤滑流体動力学シール・リングの上面図であり、流体動力学的揚力を増強するために複数の微小孔が設けられている。

Claims (42)

  1. (a)対向面を持つ二つの表面領域、
    (b)前記対向面の少なくとも一面内に存在する、細孔形状を持つ複数の微小孔、そして
    (c)前記対向面の間に位置する気体からなり、
    前記対向面の相対運動によって、前記気体が前記複数の微小孔を通過して流れるように誘導され、前記微小孔を通過する前記流れが、前記対向面の間に揚力を発生させるように、前記微小孔がデザインされて配置され、そして前記対向面が名目上平行であることを特徴とする気体潤滑流体動力学シール。
  2. 前記細孔形状が深さhp 及び直径Dによってパラメータ化され、hp /Dが約0.002から約0.05の間にある、請求項1に記載の装置。
  3. hp /Dが約0.005から約0.02の間にある、請求項2に記載の装置。
  4. 前記細孔形状が、ほぼ回転対称である、請求項1に記載の装置。
  5. 前記微小孔が前記面上にほぼ均一に配置される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記微小孔が、前記面の15面積%から45面積%を覆う、請求項1に記載の装置。
  7. 前記微小孔が、前記面の20面積%から30面積%を覆う、請求項1に記載の装置。
  8. 前記微小孔の少なくともいくつかが、少なくとも約100ミクロンの直径を持つ、請求項1に記載の装置。
  9. さらに、前記対向面の周りに螺旋溝、そして面を持つシール・ダムからなり、
    前記微小孔が前記螺旋溝の間に形成されている、請求項1に記載の装置。
  10. 前記微小孔が前記シール・ダムの前記面上に形成されている、請求項9に記載の装置。
  11. 対向面を持つ前記表面領域が半径方向に順応している、請求項1に記載の装置。
  12. (a)対向面を持つ二つの表面領域、
    (b)前記対向面の少なくとも一つ内にある、細孔形状を持つ複数の微小孔、そして
    (c)前記対向面の間に位置する流体からなり、
    外部から加えた半径方向の差圧によって、前記流体が、前記対向面間を流れるように誘発し、この流れが前記微小孔を通過して前記面の間に流体静力学的な揚力を発生させるように、前記微小孔がデザインされて配置されている、潤滑流体静力学シール。
  13. 前記流体が液体である、請求項12に記載の装置。
  14. 前記流体が気体である、請求項12に記載の装置。
  15. 前記対向面が隙間比率αを持ち、この隙間比率αが1.4と1.8との間にある、請求項12に記載の装置。
  16. 前記対向面が隙間比率αを持ち、この隙間比率αが1.5と1.6との間にある、請求項12に記載の装置。
  17. 前記対向面の少なくとも一つが、約0.2から約0.5の幅比率βを持つ、請求項12に記載の装置。
  18. 前記対向面の少なくとも一つが、約0.3から約0.4の幅比率βを持つ、請求項12に記載の装置。
  19. 前記対向面の少なくとも一つが、半径方向に外向きの面と半径方向に内向きの面とを含み、この半径方向に外向きの面上に前記複数の微小孔が位置し、この半径方向に外向きの面の15面積%から45面積%を前記微小孔が覆う、請求項12に記載の装置。
  20. 前記対向面が名目上平行である、請求項12に記載の装置。
  21. (a)第一面を含む内面領域を持つシリンダ、
    (b)前記シリンダ内に配置され、第二面を含む半径方向の表面領域を持つ、ピストンからなるピストン・ユニット、
    (c)前記第一面、前記第二面、そして前記第一面と前記第二面の両方からなるグループから選択した面上にある、少なくとも一組の複数の微小孔、そして
    (d)前記第一面と前記第二面との間に位置した流体からなり、
    この流体の流れが前記微小孔を通過して、前記第一面と前記第二面との間に揚力を発生させるように、前記微小孔がデザインされて配置され、前記第一面と前記第二面が名目上平行である、潤滑耐力装置。
  22. 前記微小孔が約3ミクロンから約15ミクロンの深さを持つ、請求項21に記載の装置。
  23. 前記微小孔が約5ミクロンから約10ミクロンの深さを持つ、請求項21に記載の装置。
  24. 前記微小孔が、前記面の約5面積%から約30面積%を覆う、請求項21に記載の装置。
  25. 前記微小孔が、前記面の約10面積%から約20面積%を覆う、請求項21に記載の装置。
  26. 前記第一及び第二面の一つ以上に存在する前記複数の微小孔の前記細孔形状が、流体動力学的耐力状態に対して、また潤滑不足状態に対して最適化されている、請求項21に記載の装置。
  27. 前記ピストン・ユニットが、さらに少なくとも一つのピストン・リングを含み、前記第二面がピストン・リング面である、請求項21に記載の装置。
  28. さらに、複数の微小孔を持つピストン表面を含む、請求項27に記載の装置。
  29. (a)対向面を持つ二つの表面領域、
    (b)前記対向面の少なくとも一つに存在する、各々が細孔形状を持つ少なくとも一組の複数の微小孔、そして
    (c)前記対向面の間に位置する流体からなり、
    前記微小孔を通過する前記対向面の相対運動によって、また外部から加えられる半径方向の差圧によって、前記流体が前記対向面に沿って流れるように誘発され、前記微小孔を通過する前記流れによって、前記対向面の間に流体静力学的な揚力と流体動力学的な揚力との両方が発生するように、前記微小孔がデザインされて配置されている、潤滑ハイブリッド・シール。
  30. 前記対向面が名目上平行である、請求項29に記載の装置。
  31. 前記流体が液体である、請求項29に記載の装置。
  32. 前記流体が気体である、請求項29に記載の装置。
  33. 前記対向面が、流体静力学的な揚力に対して最適化した細孔形状を持つ複数の微小孔がある第一面と、流体動力学的揚力に対して最適化した細孔形状を持つ複数の微小孔がある第二面とを含む、請求項29に記載の装置。
  34. 前記対向面の一つが、流体静力学的な揚力に対して最適化した細孔形状を持つ第一の複数の微小孔と、流体動力学的揚力に対して最適化した細孔形状を持つ第二の複数の微小孔とを含む、請求項29に記載の装置。
  35. 前記差圧が高圧領域と低圧領域とを区画形成し、この高圧領域内に前記微小孔が配置されている、請求項12に記載の装置。
  36. 前記シールが有効間隙幅を持ち、この間隙幅が前記対向面の高圧側の方向へ大きく増加する、請求項12に記載の装置。
  37. 前記複数の微小孔が種々の特有な深さの微小孔を含み、種々の特有の深さを持つ前記微小孔が、前記高圧側の方向で、前記特有な深さが増加するように相対的に配置されている、請求項36に記載の装置。
  38. 前記複数が種々の密度を持ち、前記微小孔が、前記高圧側の方向で、前記密度が増加するように配置されている、請求項36に記載の装置。
  39. 前記差圧が高圧領域と低圧領域とを区画形成し、この高圧領域内に前記微小孔が配置されている、請求項29に記載の装置。
  40. 前記シールが有効間隙幅を持ち、この間隙幅が前記対向面の高圧側の方向へ大きく増加する、請求項29に記載の装置。
  41. 前記複数の微小孔が種々の特有な深さの微小孔を含み、種々の特有の深さを持つ前記微小孔が、前記高圧側の方向で、前記特有の深さが増加するように相対的に配置されている、請求項40に記載の装置。
  42. 前記複数の微小孔が種々の密度を持ち、前記微小孔が、前記高圧側の方向で、前記密度が増加するように配置されている、請求項40に記載の装置。
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