JP2004507604A - 繊維形成性ポリアミド組成物 - Google Patents
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Abstract
スルホネート含有モノマーからのポリアミド繊維においては、溶融粘度が上がったり、重合度および重合速度に限界があったり、反応器からの溶融物の排出が困難であったり、溶融重合時に過度の泡立ちがあったりなどの問題点があるが、そのような問題点を有しない、溶融紡糸によって製造されるポリアミド繊維を、繊維形成性ポリアミドと、ポリアミドまたはポリエステルのような熱可塑性キャリヤー樹脂中に1種または複数のスルホネート化芳香族酸反応剤を含むコンセントレートと、を含む組成物から得ることができる。
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は染み抵抗性(stain resistant)および汚れ抵抗性(soil resistant)のポリアミド組成物およびそれからの繊維に関し、この繊維は特に、織物物品、カーペットおよび床敷物に有用なものである。
【0002】
【従来技術】
ポリアミド繊維から製造した物品、特に服飾品や、布張り椅子、壁張り材料およびカーペット地などの編織物は、特定の着色剤を含む各種の飲食物などを不注意により付着させると、染みができてしまう。例えばソフトドリンクの酸性色素による染みは、ポリアミド繊維にとっては特にやっかいなものであるが、その理由は、そのようなポリアミド繊維の中にアミン末端基やアミド結合といった酸性色素の受容体となるサイトが存在しているからである。特に大きな問題となるのは、繊維が無色の場合や、「原液染色」、すなわち、紡糸する前にポリマーの溶融物に顔料を添加することによって着色している場合である。これらとは別の方法である浴染め法では繊維や繊維を用いた製造物品を着色するために使用されている酸性色素による中和を受けているのに対し、先の2つの場合ではその酸性色素受容体サイトは、中和されていない。
【0003】
ポリアミド繊維における、不注意による染み、特に酸性色素による染みに対する抵抗性を向上させるための方法はいくつが提案されている。1つの方法として、いわゆる局所的な「染みブロッカー」をポリアミド繊維の表面にコーティングし、酸性色素の染み成分が、ポリアミド繊維の中の酸性色素受容体サイトを攻撃できないようにするものがある。当業者には公知の局所的な染みブロッカーの主なタイプとしては、スルホネート芳香族コンデンセート(SAC)がある。SACおよびその使用に関しては多くの特許が存在するが、その方法の例をあげれば、米国特許第5 145 486号(チバーガイギー社「Ciba−Geigy」)、米国特許第4 680 212号(モンサント社「Monsanto」)、および米国特許第4 780 099号(デュポン社「DuPont」)などがある。SACにより局所的にコーティングしたポリアミドには欠点がある。それは、そのような局所的なコーティングによる保護作用が一時的に過ぎず、使用中あるいは手入れによって、効果がなくなったり、除去されてしまうことが起こりうるからである。このような処理をしたカーペット繊維の場合だと、そのコーティングがカーペット上を歩行されることによって擦り切れたり、クリーニングによって除去されてしまうこともある。商業施設や病院のカーペット地は定期的に、かなり強いアルカリ系のクリーニング剤を用いてクリーニングされることが多く、これらの場合は特に簡単にSACコーティングがはがれることがある。このように保護コーティングが実際にはがれるのに加えて、一般にSACは、光、窒素酸化物、熱老化などに対する抵抗性が乏しく、最後の点は特に、床下暖房の場合に問題となる。また、SACのベースカラーは無色ではないので、ベース繊維に与えた色合いが変化してくる可能性もある。
【0004】
酸性色素による染みに対するポリアミド繊維の抵抗性を向上させる別な方法としては、その内のいくつかのモノマーがスルホネート部分を有するモノマー類を共重合させて得たポリアミドから繊維を製造するものがある。そのようなシステムの典型例は、米国特許第3 542 743号(モンサント社「Monsanto」)、米国特許第3 846 507号(ユニオン・カーバイド社「Union Carbide」)、米国特許第3 898 200号(アライド・ケミカル社「Allied Chemical Corporation」)、米国特許第4 391 9968号(モンテジソン社「Montedison」)、米国特許第5 108 684号(デュポン社「DuPont」)、米国特許第5 164 261号(デュポン社)、および欧州特許第517 203号(ビーエーエスエフ社(BASF))などに開示されている。これら従来技術の発明のすべてにおいて、教示されているのは、重合段階でまずスルホネートコポリアミドを形成させることであって、その場合、スルホネート含有コモノマーが、繊維紡糸のためのベースポリマーとして使用されるポリアミドの構成要素となっている。これらの特許はすべて、ポリアミドの染色性または染み抵抗特性を改良することに関している。
【0005】
繊維は一般に、溶融紡糸によりポリアミドから調製する。スルホネート含有ポリアミドは、相対溶液粘度が同程度のスルホネート非含有ポリアミドと比較した場合、溶融粘度がより高くなるのが通常で、その結果バッチ式のオートクレーブ反応容器中での重合速度が抑えられるために実際に得られる重合度に限界が生じ、同時に、重合させた溶融物を反応器から効率的に排出させることにおいても支障が生じる。その上、界面活性剤的な性質を有するスルホネートが存在するために、溶融重合工程で過度の泡立ちが起きて、そのため反応混合物の撹拌が不十分となり、製品が不均一となってしまう。スルホネート含有ポリアミドコポリマーにおけるさらなる問題点としては、スルホネート基が吸湿性を持っているために、スルホネートを含まないポリアミドに比較して、乾燥させるのが一般により困難となることがある。
【0006】
糸の色の濃さが異なれば、それに応じて染みに対する防御においても異なったレベルが必要となる。というのも、淡い色合いのものでは、濃いものに比べると染みが目立つからである。したがって、最終的な糸の色に応じてポリアミドの染み抵抗性のレベルを変えることを可能としながら、それぞれの糸にとって最適な処方とするために別々のポリアミド原料を揃えておく必要はないことになれば都合がよい。高い濃度でスルホネート部分を含有するスルホネートコポリアミドを使用することによって、この目標を達成しようとする試みもなされてきた。その場合、このコポリアミドそのものを繊維形成性ポリアミドに添加することで、全イオウ含量を先行技術で明らかになっている範囲内とし、最終的な繊維に染みブロッキング性を効果的に付与する。例えば、米国特許第3 846 507号(ユニオン・カーバイド・カナダ社「Union Carbide Canada」)では、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミンおよび5−スルホイソフタル酸からの高イオウ含量コポリマーを用いており、次いでこれを、繊維形成性ポリアミドとコンパウンディングして、染み抵抗性を有する繊維を製造している。同様の高イオウ含量のコポリアミドは、米国特許第5 889 138号(ソルティア社「Solutia Inc.」)でも権利請求されている。しかしながら、少なくともポリアミド系繊維での染みブロッカーのレベルを変えるためにより簡便な方法が求められているということに対する部分的な解決法を提供しているとはいうものの、上記の方法では、先に述べたような不利な面を有するスルホネートコポリマーがまだ使用されている。上記の2種類の引用文献と同様な手法として、PCT出願第96/17982号(モンサント社「Monsant」)では、染みブロッキング性のポリアミドに対する添加物として高スルホネートコポリマーを使用しているが、ただしこの場合、ポリアミド系ではないコポリマーを使用することが提案されている。この場合、そのようなコポリマーを製造しようとすると、スルホネートコポリアミドの場合と同じような問題が起き、また同様の高吸湿性も有しているが、それらの問題に加えて、当業者にはよく知られているところであるが、異なった種類のポリマーの間での相溶性の問題までも加わってくる。
【0007】
ポリアミド繊維の染みの問題に加えて、ポリアミド繊維の汚れもまた、問題である。織物、カーペットおよび床材用途に用いられる繊維は、汚れを取り込みにくい、すなわち繊維に汚れが付きにくいことが最も好ましく、また、その次として、繊維が一旦汚れた場合にも容易にクリーニングできる必要がある。ポリアミドでの汚れ防止法としては通常、以下の2つの方法のいずれかが採用されている。
すなわち、第1の方法は、繊維の上に、本質的に「犠牲」となるコーティングを施しておくもので、そのコーティングが汚れを取り込むがクリーニングに際しては必ず除去されるように、設計されている。この方法において、よく知られ、また実績のあるのがデンプンである。この方法には、クリーニングをする度に繊維にコーティングをし直して汚れ抵抗性を維持しなければならない、という欠点がある。
汚れ防止のための第2の方法は、異なったタイプのコーティングを用いて、ポリアミドの表面エネルギーまたは親水性と疎水性とのバランスを変化させ、それにより、汚れを付きにくくするものである。繊維に対する局所的なコーティング剤として用いられ、こういう方面で最も好まれているのがフッ素化化合物である。フッ素化学製品を繊維の上にコーティングすることによって、表面の濡れを防止または減少させ、それによって、繊維表面と繊維を汚す可能性のある物質との接触を最小限に抑え、またその物質を除去しやすくする。この分野における特許の例をあげれば、米国特許第3 816 167号、米国特許第3 896 035号、米国再発行特許第30 337号、および、米国特許第4 043 964号(いずれもスリーエム社「3M」)などがある。局所的な汚れ防止コーティングを使用しても、SACの場合と同様な難点があり、使用中、日常の手入れ、あるいはクリーニングによってカーペットから除去されてしまう可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、ポリアミドから製造された繊維に染み抵抗性を付与するための、新規で非常に有利な方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、汚れが付きにくい性質を有しまた汚れたとしても容易にクリーニングできるような汚れ抵抗性能を持つ、染み抵抗性ポリアミド繊維を提供することである。
【0009】
【発明の概要】
本発明によれば、酸性色素による染みに対する抵抗性と汚れ抵抗性とを有するポリアミド繊維を、繊維形成性ポリアミドと、本質的に熱可塑性キャリヤー樹脂にコンパウンディングしたスルホネート反応剤からなるコンセントレートと、を含むポリアミド組成物から製造し、そのポリアミド繊維は好ましくは、溶融紡糸、延伸それに任意にその延伸糸を巻縮加工することにより製造する。本発明に含まれるのは、ポリアミド組成物、その製造方法、および、本発明の繊維から製造された物品、特に服飾品、織物物品、カーペットおよび床敷物などである。
【0010】
【好適な実施態様の説明】
本明細書においては、下記の用語は、特段の記載がない限り、以下に記す意味を有している:
「反応剤(reagent)」という用語は、繊維形成性ポリアミド中にある、遊離酸による染色が可能なサイトと会合する(この用語については後に述べる)ような、化合物または化合物の組み合わせを意味しており、その反応剤によってそれらのサイトが酸性色素と会合することを不可能とするもので、ここでその反応剤自体は、酸性色素と会合することも取り込むこともない。
【0011】
「会合する(associates)」または「会合(association)」という用語は、反応剤とポリアミド中の遊離の酸性色素受容体サイトとの間で起きる物理的な相互作用を意味し、その作用により、ポリアミドによる酸性色素の取り込み、すなわち染みを防ぐことになる。そのような物理的な相互作用は、例えば、塩の生成、水素結合、双極子−双極子相互作用、ファンデルワールス力、配位錯形成反応などの1つまたは複数の形をとることができる。
【0012】
「酸性色素による染み(acid dye stain)」という用語は、ポリアミド中の遊離の酸性色素受容体サイトと反応または会合することによって、酸性色素としての機能を発揮し、実質的にポリアミドを永久的に変色させたり染みを与えるような、単一の物質または複数の物質の組み合せを意味している。
【0013】
「酸性色素受容体サイト(acid dye sites)」という用語は、ポリアミド中に存在する塩基性の化学基またはサイトを意味していて、これらが酸性色素と反応または会合することによって、ポリマーに染みができる。
【0014】
酸性色素受容体サイトが酸性色素による染みを取り込むことを「不能とする(disabling)」という用語は、反応剤と酸性色素受容体サイトとの間の会合効果を意味しており、それによって酸性色素受容体サイトが、例えばある種のソフトドリンクやトマト系製品などに含まれ、染みの原因となるような酸性色素との会合ができにくくなるのである。
【0015】
「コンセントレート」という用語は、紡糸して繊維とするための最終的なポリマー物質に包含される添加物と、本質的に不活性なキャリヤー樹脂、例えば熱可塑性ポリアミドまたはポリエステルとからなる組み合せを意味する。このような組み合せでは必要な添加物をキャリヤー樹脂中に高濃度で含ませ、その全体を所定の繊維形成性ポリアミドと組み合わせたり「薄めたり(let down)」してから紡糸により繊維として、繊維中での添加物を所望のレベルに合わせる。以下で説明するような、本発明によるこの添加方法での予期しなかった利点に加えて、ポリマーのコンパウンディング業界ではよく知られたことではあるが、添加物のコンセントレートを使用すると、ポリマーに少量の添加物質を直接加えるよりは多くのメリットがある。そのようなメリットを挙げてみると、前記の添加物の分散が調節でき、最終コンパウンドへの添加物をより正確に計量でき、着色性または有害性添加物の場合には、調節された環境でキャリヤー樹脂への添加が実行できるために装置の汚染や作業者に対する危険物質の暴露を防止することができる。
【0016】
本発明が基づいているのは、以下のような発見である。すなわち、繊維形成性ポリアミドを、スルホネート反応剤と熱可塑性キャリヤー樹脂との組み合わせからなるコンセントレートと共に溶融コンパウンディングすることによって、ポリアミド繊維に、酸性色素による染みに対する抵抗性と汚れ抵抗性を最適なレベルで付与することが可能となる、ということを見出した。このプロセスは、繊維形成性ポリアミドを重合させた後、そして、繊維を形成させる前に実施する。それによって本発明では、染み抵抗性かつ汚れ防止性のポリアミド繊維を得るための先行技術に付随した数々の問題点を回避することが可能となった。
【0017】
これらの組成物はまず、反応剤と熱可塑性キャリヤー樹脂とを、通常の押出設備と方法を用いてコンパウンディングすることによって調製するが、これらのことについては当該技術分野の当業者には公知である。このコンセントレートを次いで、繊維紡糸設備の中で繊維形成性ポリアミドと溶融コンパウンディングし、所望の繊維を製造する。本発明により製造した製品の繊維は、従来技術の方法により得られたものと同等の耐久性のある染み抵抗性を示し、かつ、そのような従来技術による方法に潜在的に付随していたような問題点を回避している。こうして得られた製品の繊維はまた、これら同様の従来技術の方法によるものよりは、優れた汚れ抵抗性も特徴としている。
【0018】
ここでの熱可塑性キャリヤー樹脂は熱的に安定で溶融加工が可能なポリエステルやポリアミドのような縮合ポリマーで、繊維形成性ポリアミドと相溶性のあるものであればどのようなものでもよく、また、その性質が結晶性、非晶性のいずれであってもよい。この樹脂の加工温度が300℃未満であれば好ましいが、より好ましくは270℃未満である。コンセントレートを調製するために好適なポリエステルをあげてみると、PETとして知られるポリ(エチレンテレフタレート)、PTTとして知られるポリ(トリメチレンテレフタレート)、PBTとして知られるポリ(ブチレンテレフタレート)、およびそれらのコポリマー(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート−コ−イソフタレート)またはPETGとして知られるポリ(エチレンテレフタレート)と1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステル)、およびそれらの混合物やブレンド物などがあるが、これらに限定されるわけではない。好適なポリアミドをあげてみると、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマー、およびポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)(3Me6T)などがあるが、これらに限定されるわけではない。最も好ましいポリアミドは、加工中の分解傾向が、ポリアミド6,6と比べて、より低いタイプである。このような最も好ましいポリアミドは、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマーおよび、ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)(3Me6T)である。これらの樹脂を、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6とポリアミド6,6とからのコポリマー、ポリアミド6,12、およびポリアミド6,9、または、先に述べてポリエステル樹脂とブレンドあるいは混合したものも、好適である。本発明の開発中に見出されたことであるが、コンセントレートを製造するために溶融状態で反応剤をポリアミド6または6,6のいずれかとコンパウンディングする場合、ポリアミドキャリヤー樹脂がかなりの程度で分解することが、溶液相対粘度の測定から判明した。さらに、ポリアミド6または6,6中にコンパウンディングできる反応剤の量の限界は、コンセントレートの全重量の約20重量%までであった。繊維形成性ポリアミドを延伸および巻縮加工して得られる製品の繊維で、繊維の紡糸ラインでこれらのポリアミド6または6,6系のコンセントレートを添加した場合には、その繊維の染み抵抗性は良くなかった。
【0019】
反応剤は、スルホネートタイプのもの単独またはそのようなタイプの2種以上を組み合わせたものであるが、無色のスルホネート芳香族化合物であれば好ましい。反応剤がスルホイソフタル酸からの誘導体であるのが最も好ましいが、好ましくは5−スルホイソフタル酸の1価または多価金属塩(ここでその金属はアルカリ金属またはアルカリ土類金属)であり、最も好ましい反応剤は5−スルホイソフタル酸のナトリウムまたはリチウム塩である。また別の好適な反応剤としてはスルホ安息香酸があり、中でも3−スルホ安息香酸またはそのナトリウム塩もしくはリチウム塩が好ましい。
【0020】
本発明はどのような繊維形成性ポリアミドにも、また、繊維形成性ポリアミドのアロイまたはブレンド物にも、適用できる。好適なポリアミドを挙げると、ポリアミド6およびポリアミド6,6、ポリアミド6と6,6とのコポリマー、ポリアミド6,12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマー、ポリアミド6,9、ポリアミド11、ポリアミド12、およびこれらの混合物またはブレンド物などがある。繊維形成性ポリアミドがポリアミド6または6,6のいずれかであれば、最も好ましい。
【0021】
キャリヤー樹脂と組み合せる場合、反応剤は、粉末状、ペレット状、圧縮された状態など、どのような形態であってもよい。キャリヤー樹脂も、粉末、粒子またはペレットなどで用いることができる。反応剤とキャリヤー樹脂を組み合わせるには、熱可塑性溶融物中に固体を分散分布させるのに適するよう設計された溶融押出機、最も好ましくはスクリュー型押出機を用いるのが好ましい。最適なのは、完全かみ合い型の二軸スクリュー押出機で両方のスクリューが同じ方向に回転する(コローテーティング)タイプのものであるが、他のタイプ、例えば、逆回転タイプ、部分的かみ合い型、非かみ合い型なども使用できる。この押出機では、最小のバレル長さ対直径の比が少なくとも21:1であるのが好ましいが、ただし、使用するそれぞれのコンパウンディングでのプロセスパラメーターに応じた適当な比であるならばどのような比にしてもよい、ということは理解されたい。反応剤とキャリヤー樹脂は、溶融コンパウンディングをする前に乾燥させて、その水分含量を5000ppm未満としておくのが好ましい。成分からの脱水方法でそれに代わるものとしては、押出機バレルに1または複数のガス抜き口を設けて、コンパウンディングをしながら脱気させる方法がある。ガス抜き口から水分を抜き出すには、真空を利用するのが好ましく、その真空度は10インチHg(254mmHg)以上、好ましくは15インチHg(381mmHg)以上である。蒸発速度をさらに上げてやるために、ガス抜き口の上流側または下流側のいずれかに設けた注入口から実質的に乾燥した窒素ガスを注入してやることもできる。乾燥法と脱気法を組み合わせてもよい。反応剤とキャリヤー樹脂は、この2成分のブレンド物として単一の供給ホッパーから押出機に供給してもよいし、あるいは、重量計量供給装置もしくは容積供給装置のような適当なタイプのホッパーから別々に供給してもよい。成分をブレンドしてから用いる場合には、ブレンド物を調製するにはダブルコーンブレンダーを用いるのがよいが、他のタイプのブレンダーも使用することができる。分散および分布混合を達成するために、供給、移動、混合および/または混練部材を含むように押出機のスクリューを設計することは、ポリマーの溶融加工技術に関する当業者には公知のことである。スクリューの設計によって、押出機の中で混合物をコンパウンディングするための平均の滞留時間が決まってくる。一般的に言って、スクリュー設計において、混合および混練部材部分全体のスクリューの長さの割合を大きくするほど、押出機の中でのコンパウンディング混合物の滞留時間は長くなる。押出機バレル中での平均滞留時間を30秒から4分の間にするのが好ましいが、反応剤とキャリヤー樹脂の間で共有結合が形成されるようなことが無く、しかも完全なブレンドが達成されるように選択する。
【0022】
混合プロセスの際の、押出機での温度分布の設定および望ましい溶融温度は主として、選択したキャリヤー樹脂の種類とグレードによって決まってくる。例えば、PETを使用する場合には、好適な溶融温度は約275℃から約295℃の間であり、PBTの場合には、好適な溶融温度は約245℃から約265℃の間である。PTTの場合には、好適な溶融温度は約240℃から約260℃の間であり、PETGの場合には、好適な溶融温度は約265℃から約285℃の間である。最適な溶融温度は、用いたグレードにも依存する。コンセントレートが調製できたら、コンパウンディング用押出機のダイから押出した溶融物を冷却・固化させてからペレット化する。典型的には、溶融物の冷却と固化は、ストランドを水浴中に通してから、ストランドペレタイザーに供給する。他のタイプの冷却、固化、ペレット化も可能で、例えば、いわゆる水中ペレタイザーなどで行ってもよい。
【0023】
こうして調製したコンセントレートには、コンセントレートの全重量を基準にして、反応剤を約10重量%から約65重量%までの量で含んでいればよいが、好ましくは約20重量%から約50重量%までである。
【0024】
コンセントレートおよび繊維形成性ポリアミドの水分含量は、繊維を溶融紡糸する前に調節しておく。水分含量を調節することによって、コンセントレート中の反応剤と繊維形成性ポリアミドとの間の会合が促進され、製品の繊維の染み抵抗性が向上する。溶融紡糸をする前のコンセントレート中の水分含量は、700ppm未満であるのが好ましいが、最も好ましくは200ppm未満であって、これを最適に達成するには、コンセントレートを乾燥させる。従来技術による高および低イオウ含量いずれのコポリアミドと比較しても、本発明のコンセントレートは容易に乾燥することができる。このコンセントレートを次いで、水分含量調節ずみの繊維形成性ポリアミドと溶融コンパウンディングする。このポリアミドは、水分含量が1500ppm未満になるまで乾燥させたものが好ましいが、1000ppm未満にしておけば最も好ましい。
【0025】
繊維形成性ポリアミドの量および、コンセントレートに対する比率は、必要に応じて変えることができる。本発明の特色の1つは、製品の繊維の染み抵抗性を、糸の色合いに応じて自由に決め得ることである。色が濃い場合には、染みが目立ちにくいので、コンセントレートの形の反応剤の添加量を少なくすることができる。通常は、コンセントレートの使用量は、組み合わせた状態でイオウ含量が重量で約1000ppmから約3000ppmまでになるようにするのが好ましい。このポリアミドの相対溶液粘度(RV)が2.0より大きく、好ましくは3.1よりは大きくかつ4.0未満となるようにすべきである。このRVは、使用する紡糸方法および希望する製品の糸のデニールによって決まってくる。またこのポリアミドに含まれるアミン末端基(AEG)の量は、106gあたり50当量未満、好ましくは106gあたり30当量未満としなければならない。
【0026】
このコンセントレートをポリアミドと混合する割合は、繊維製品において必要とされる染み抵抗性のレベルに合わせて任意に決めることができる。このような混合を実施するには、いくつもの方法がある。例えば、ポリアミドとコンセントレートとを、紡糸する前にコンパウンディング操作によって組み合わせることもできるし、また、繊維の溶融紡糸の段階で直接組み合わせることもできる。繊維の溶融紡糸プロセスは、当業者に公知の通常の操作ならばどれを用いて実施しても構わない。繊維を形成させるプロセスに、機能性添加物を加えてもよいが、それらの例をあげれば、抗酸化剤、安定剤、着色剤、加工助剤、核化剤、殺菌剤、静電防止添加物、抗オゾン剤、滑剤、染み防止剤、汚れ防止剤、溶融粘度向上剤、難燃剤、あるいはそれらの混合物などがあるが、これらに限定されるわけではない。こうして紡糸した繊維を次いで延伸してから、随意に巻縮加工にかける(textured)が、その場合には、エアジェット巻縮加工または機械的巻縮加工をする。本発明により製造された繊維製品は、従来技術の方法によって製造したものと同等の耐久性のある染み抵抗性を有している。この繊維製品はまた、従来技術の方法によって製造したものよりは優れた汚れ抵抗性を有しており、しかも、重要な製品物性、例えば、耐摩耗性(外観の保持)、漂白、紫外光線および窒素酸化物暴露に対する染色堅牢度などの点でも、損なわれているところはない。
【0027】
本発明の繊維を抽出分析した結果、この反応剤は前記繊維から簡単に除去されるようなことはなく、反応剤が前記繊維のポリマーマトリックスと十分に一体化されているということが分かったが、このことについては以下の実施例で論ずる。本発明の繊維におけるこの特色は、驚くべきものである。当業者には公知のことであるが、低分子量の、ポリマーではない添加物(例えば、安定剤や抗酸化剤など)は、それらをコンパウンディングしたポリマーからは比較的容易に抽出され、特に、それから製造した物品が体積に対して表面積が大きな、例えば繊維のような場合には、その傾向が大きい。そのこととは対照的に、このコンセントレートを抽出分析すると、反応剤がコンセントレートキャリヤーと実質的には化学反応していないことも判明した。
【0028】
本発明により製造した繊維や糸のいずれからも、従来からの公知の方法によるものよりも酸性色素による染みに対する高い抵抗性や汚れに対する高い抵抗性を有するポリアミドを必要とするような、新規な織物、カーペットその他の物品の製造に使用することができる。巻縮糸は、当業者に公知の製造方法を使用することによってカーペットを製造するには最も理想的なもので、それらの製造方法としては、タフト化、製織、接着、ニードル織、ニットなどがある。これらの製法の詳細は、H.ブロディ(Brody)編『合成繊維材料(Synthetic Fiber Materials)』(ロングマン(Longman)社出版、1994年)の第134から140頁に記載がある。そこにおける開示は、ここに引用することにより、本明細書に組み入れたこととする。
【0029】
【試験方法】
記載する実施例では、各種の試験方法を用いて、本発明を実施することで得られる繊維から製造したカーペット試料および、比較例として他の方法により製造した試料の性能および挙動を評価している。特に、試料の染み抵抗性の評価では、標準的な試験を使用している。その試験ではFD&Cのレッド40(Red 40)色素の酸性化溶液を使用するが、この色素はクラフト・ゼネラル・フーズ社(Kraft General Foods Inc.)から市販されているチェリー風味のクール・エード(Kool−Aid、登録商標)に含まれているものである。これらの試験方法については以下に記述する。
【0030】
【レッド40染み試験】
FD&Cのレッド40色素(Cl Food Red 17)の0.1000g±0.0030gを、1000ccの蒸留水に溶解させる。この色素溶液のpHを、工業グレードのクエン酸を少量添加することによって、2.80から2.90の間に調整した。こうしてpHを調整した溶液を放置して、環境温度すなわち21℃±1℃としてから、使用した。カーペットの試料を硬く平坦で非孔質な表面に置いた。レッド40色素溶液を50ml±1ml、カーペット上に置いた2インチ(50.8mm)のリングの中に注いだ。プランジャーをリングの中にさし込んで、回転させることなく上下に5回動かして、溶液が平均して与えられ、繊維が完全に濡れるようにした。リングを外し、カーペットを環境温度で24時間放置して風乾させた。ついでこのカーペットを温度45℃±5℃として水道水の流水で2分間洗浄した。吸引脱水機を用いて、可能な限りの水を除いた。次いでこのカーペットを環境温度でさらに24時間放置して風乾させた。この乾燥をしている間に、赤色色素がカーペットの表面に浮き出した場合は、上記の洗浄工程を繰返した。このカーペットの表糸の染み抵抗性は、AATCCの赤色40号染みスケールとの目視による比較で評価したが、このスケールは、米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists、AATCC、ノースカロライナ州・リサーチ・トライアングル・パーク)から入手できる。このスケールは10枚の、FD&Cのレッド40の強さが次第に増加するように着色した透明な正方形フィルムで構成されていて、番号が1から10まで付けてあって、1番が最も濃く、10番が無色になっている。染みの無いカーペット試料をスケールの複数の着色部分の下に置き、染みのあるカーペットをスケールの単一の着色部分の下に置き、昼光またはそれと同等の照明のもとで観察した。この光の表面に対する入射角は45±5度にしなければならず、観察する方向は表面に対して90±5度の方向でなければならない。しみの付いたカーペットを、染みのないカーペットの、染みスケール正方形で最も近い数のものと比較して、それにより最も色合いが合ったものを求めた。染みの付いたカーペットの色がスケールの2つの正方形の中間になった場合は、0.5刻みのグレードを与えた。着色正方形の番号、あるいは2つの正方形の中間で色が合えば2つの正方形の中間の番号を染み評価点(Stain Rating)と呼ぶ。
【0031】
【カーペットの摩耗試験】
タフテッドカーペットをASTM試験法D5252−92にしたがって試験したが、回転数は50,000回転、温度70°F(21.1℃)、相対湿度50%であった。試験後にエレクトロラックス(Electrolux)社の縦型真空掃除機LXE型を用いてカーペットを処理してから、グレード付けを行った。ただし、ASTM試験法に記載されているような2000回転毎の掃除機による処理は行わなかった。摩耗したカーペット試料のグレード付けには、カーペット・アンド・ラグ・インスティチュート・リファレンス・スケールA(Carpet and Rug Institute Reference Scale A)を使用した。このスケールは1から4までの番号を付けた4枚の写真で構成されており、その順に、摩耗、外観の劣化、もつれの程度がひどくなっている。グレード1は、摩耗がひどい試料であることを示す。グレード5は、摩耗がまったく観察されないことを示す。試験後の試料が、2枚の写真の中間の状態ならば、グレードで0.5を与える。通常の当業者には知られたことであるが、この試験は人が歩行している状態を模したものである。試験ドラムの1回転が、8から12回踏みつけたことに相当すると考えられている。
【0032】
【汚れ試験】
上に記したカーペット摩耗試験で用いたのと同様の装置を使用して、タフテッドカーペットの汚れ試験を行った。25.5インチ×8.25インチ(64.7cm×21.0cm)の大きさにしたカーペット試料の上に、1.5000±0.0020gのSPS−2001標準カーペット・ドライ・ソイル(Standard Carpet Dry Soil)(スリーエム社「3M」、ミネソタ州・セントポール)より入手可能)を、目の細かなふるいを使って均等に散布した。このカーペットを慎重に試験ドラムの中に入れ、ソイルが全く付着していないフリントペレット(それぞれの重さ5.03±0.03g)150個をそのドラムに加えた。ドラムの蓋をしっかり閉じ、ドラムをドラムローラーの上に置いた。このドラムを500回転させたが、これを1回のソイリングサイクルと呼ぶ。それからカーペットをドラムから取り出し、エレクトロラックス社の縦型真空掃除機LXE型の手持ち式のビーターバーで処理した。汚れ付け後に掃除機で処理したカーペットを、AATCC染み用グレースケールを使用してのグレード付けを行った。このスケールは10ペアのグレー長方形で構成されていて、それぞれのペアで、色またはコントラストの差が大きくなるようになっている。このスケールは0.5刻みで1から5までのグレードがあり、グレード1が色またはコントラストで最大の変化、グレード5が色またはコントラストの変化なしである。複数のソイリングサイクルでの効果を評価する場合には、この試験を必要なだけ繰返してもよい。
【0033】
次いで、このようにして汚れを付けたカーペットを温水道水(55℃±5℃)により簡単に洗浄できるかどうかを評価したが、それには、ウィンザー社(「Windsor Industries Inc.」、コロラド州・イーグルウッド)から販売されているウィンザー(登録商標)パスポート(「Passport」、商標)ウェット・エクストラクター(カーペット・クリーナー)のデラックス・ハンド・ツール(Deluxe Hand Tool)を使用した。この評価では、水だけを用い、洗剤や他のクリーニング剤は使用しなかった。カーペットの上で向きを反対にしながら、水の散布と濡れの吸い取りをハンド・ツールで5回繰返した。このカーペットを環境温度で24時間放置して風乾させてから、AATCCグレースケールを使用して汚れのグレード付けを行った。
【0034】
【窒素酸化物に対する染色堅牢度試験】
窒素酸化物に対する染色堅牢度をAATCC試験法164−1997にしたがって試験したが、サイクルは1、3および5サイクルとし、温度40℃±1℃、相対湿度87.5±2.5%で実施した。
【0035】
【加速紫外光(UV)耐候性試験】
紫外光に対する染色堅牢度を、AATCC試験法16、オプションEにしたがって試験した。カーペット試料の表糸側(表側)を暴露させた。カーペット試料の裏側は覆って(裏打ちをして)暴露を避けた。結果を判断するために標準試料と比較するような方法は取らず、試料の暴露部分を、マスキングした部分と比較した。光に対する染色堅牢度のグレード付けには、AATCCの色変化のためのグレースケール(Grey Scale for Color Change)を用いた。環境温度(乾球温度)を43℃±2℃、ブラックパネル温度を63℃±1℃、そして相対湿度を30%±5%とした。暴露は、AATCCブルー・ウール・光堅牢度標準(Blue Wool Lightfastness Standard)L4により調節した。放射エネルギーは170kJ、暴露経過時間は85時間とした。試験装置の型は、キセノンアークタイプで、アトラス・エレクトリック・デバイス社「Atlas Electric Devices Co.」製造の65−WR型、製造番号XE−523FCであり、これには2列の試料ラックと蒸留水供給パーツが付属していた。
【0036】
【漂白試験】
カーペットを硬く平坦で非孔質な表面に置いた。通常の漂白剤である、クロロックス(「Clorox」、登録商標)(クロロックス社「The Clorox Comapany」、カリフォルニア州・オークランドの登録商標)の20ml±1mlを、カーペットの上に置いた2インチ(50.8mm)のリングの中に注入した。この漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムが5.25%、不活性成分が94.75%含まれている。プランジャーをリングの中にさし込んで、回転させることなく上下に5回動かして、クロロックスの塗布が平均して与えられ、繊維が完全に濡れるようにする。リングを外し、カーペットを環境温度で24時間放置して風乾させた。ついでこのカーペットを温度45℃±5℃とした流水で2分間洗浄した。吸引脱水機を用いて、可能な限りの水を除いた。次いでこのカーペットを環境温度でさらに24時間放置して風乾させた。このカーペットを次いでAATCCの色変化のためのグレースケールを用いて、グレード付けした。
【0037】
【反応剤の抽出試験】
5.0000g±0.0010gの糸を、あらかじめ重量を測定してある丸底フラスコ中の100mlのメタノール中に漬け、コンデンサーを取り付けた。メタノールを加熱して、還流状態に16時間保った。環境温度にまで冷却してから、糸をメタノールから取り出し、メタノール50mlずつで2回さらに洗浄し、このメタノールはフラスコ内の還流メタノールに加えた。フラスコ中のメタノールを蒸発乾固させた。次いで、そこでの残分の重量を測定した。この方法による残分の検出限界は、0.3重量%であることが分かった。
【0038】
【実施例】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、これらに限定されるわけではない。
実施例では、以下に記載するような、紡糸、延伸−巻縮、カーペットタフト化方法を用いた。
【0039】
【紡糸】
当業者には公知の型と構成を有するガス抜き口なしの溶融紡糸押出システムを用いて紡糸することで未延伸の糸を得た。ポリマー溶融物は、50×250メッシュ金網を含む金網パックを通して濾過してから、3裂(Y形)の孔を有する60穴ダイに計量供給した。得られる60本のフィラメントを2×××30フィラメント束に分け、紡糸仕上げ剤を塗布し、この2つの束を別々のワインダーに巻き上げ、未延伸糸とするが、このもののデニールは長さ9000mあたり1850gで、フィラメントカウントが30(すなわち、「1850/30Y」)であった。
【0040】
【糸の延伸−巻縮】
得られた1850/30Y未延伸糸の4端を、機械的延伸巻縮機で、延伸比3.6で共巻縮させると、2400/120Yの嵩高連続フィラメント(BCF)糸が得られた。
【0041】
【カーペットのタフト化】
BCF糸をタフト化して、1/10thゲージ、3/16インチ(4.76mm)パイル高さレベルのループカーペット構造とし、ラテックスバッキングで裏打ちをすると、糸面重量が約20オンス(567g)となった。本発明の検討を行う開発段階の過程において、バッキングを変えると、カーペットの表糸の性質、すなわち摩耗性や染み抵抗性などが変化することが見出された。以下の実施例においては、すべて同一のラテックスバッキングを用いている。このラテックスは、エックスエル社「XL Corp.」、ジョージア州・カルフーン)製のSTIX320(登録商標)カスタム・ラグ・ラミネーティング・アドヘーシブ(Custom Rug Laminating Adhesive)である。
【0042】
【実施例1〜4(比較例)】
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンからのナイロン塩を重合させ、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを加えたスルホネート化ポリアミド6,6樹脂を溶融紡糸、延伸および巻縮させたが、この樹脂では、イオウ含量が2300ppm、RV=2.7で、米国特許第5,108,684号に記載されているものに類似しており、水分含量は650ppmであった。各種の顔料を含む配合済みの顔料コンセントレートを溶融紡糸段階で添加し、糸をベージュ色(淡い小麦色)に着色した。銅/ヨウ化物系の安定剤も添加した。糸に対して油分が0.3%になるよう、ゴウルストン・テクノロジーズ社(「Goulstone Technologies」、ノースカロライナ州・モンロー)製のルロール(Lurol)NF6239紡糸仕上げ剤を糸に塗布し、合わせて、3M社(ミネソタ州・セントポール)製のフッ素化汚れ防止剤のスコッチガード(Scotchguard)FC−248を各種のレベルで加えた。紡糸仕上げ剤のレベルは、フーリエ変換赤外(FTIR)法により定量した。糸に付着したフッ素量は燃焼法により定量した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表1に示した。
【0043】
【実施例5】
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンからのナイロン塩を重合させて、RV=3.2、AEG量が106gあたり27当量、水分含量が500ppm未満としたポリアミド6,6樹脂と、水分含量が170ppmになるまで乾燥させた5−スルホイソフタル酸のリチウム塩の10重量%とを、溶融コンパウンディングした。この溶融コンパウンディングは、40mmの同方向回転の2軸スクリュー押出機中で実施したが、この押出機の長さ対直径比は24:1であり、22インチHg(558.8mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。この押出しプロセスで得られたコンセントレートのストランドは極端に脆く、ペレタイズ化するのは困難であった。このポリアミドベースのコンセントレートのRVは2.0であった。このポリアミドベースのコンセントレートが20重量%となるよう、このコンセントレートを製造するのに用いた同じポリアミド樹脂原料に添加し、それを溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.0であった。
【0044】
実施例6(スルホネート化をしないポリアミドが染み抵抗性で劣ることを示すための比較例)
実施例5で用いたのと同じポリアミド6,6を溶融紡糸、延伸、巻縮させたが、いかなる形でもイオウを全く加えなかった。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.0であった。
【0045】
実施例7(スルホネートコポリアミドにPETを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
IV=0.67で水分含量が50ppm未満になるまで予備乾燥させたPETを10重量%、実施例1〜4のスルホン化ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。銅/ヨウ化物系安定剤を含む、配合済みのオフホワイト顔料コンセントレート(シーリングホワイト「Ceiling White」)も、紡糸工程の間に添加した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。予想外に改善されたような汚れ抵抗性は全く認められなかった。
【0046】
実施例8(スルホネートコポリアミドにPBTを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
水分含量が80ppmになるまで予備乾燥させたPBTを10重量%、実施例1〜4の予備乾燥させたスルホン化コポリアミド樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7で用いたのと同じ、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。
【0047】
実施例9(スルホネート化しないポリアミドにPETを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
実施例7のPETを10重量%、実施例5の予備乾燥させた(スルホネート化していない)ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.5であった。
【0048】
実施例10(スルホネート化しないポリアミドにPBTを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
実施例8のPBTを10重量%、実施例5の予備乾燥させた(スルホネート化していない)ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.5であった。
【0049】
【実施例11〜14】
キャリヤー樹脂としてPET、PBT、PTTおよびPETGを用いて、4種類のコンセントレートを調製した。これら4種類のコンセントレートそれぞれを、以下の方法にしたがって製造し、繊維形成性ポリアミド樹脂中で評価した。水分含量を1000ppm未満としたポリエステルおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム(重量基準で50:50)を、30mmの二軸スクリュー押出機中で溶融コンパウンディングしたが、この押出機の長さ対直径比は約30:1であり、15〜20インチHg(381〜508mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。押出機によって連続ストランドが形成されるが、このものは容易にペレタイズ化することができた。こうして得られたコンセントレートを乾燥させて、水分含量を100ppm未満としたが、ただし、PETGキャリヤー樹脂を用いたコンセントレートだけは、水分含量450ppmに乾燥させた。コンセントレートを溶融紡糸工程の間に、実施例5の(スルホネート化しない)ポリアミド6,6樹脂に添加した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。実施例11の糸は、PETGキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例12の糸は、PBTキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例13の糸は、PTTキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例14の糸は、PETキャリヤー樹脂を使用して調製した。結果を表2に示した。
【0050】
実施例11〜14で得られた糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。これら4つの実施例では残分は認められなかった。
【0051】
【実施例15(さらなる比較例)】
実施例1のスルホネート化ポリアミド6,6樹脂を、実施例10〜13と同様の、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートと共に溶融紡糸し、未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.35%になるように、この糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。この糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。この実施例では残分は認められなかった。
【0052】
【実施例16(さらなる比較例)】
実施例5のスルホネート化していないポリアミド6,6樹脂を、実施例7と同様の、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートと共に溶融紡糸し、未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。この糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。この実施例では残分は認められなかった。
【0053】
【実施例17】
IV=0.80のPBTおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム(重量基準で50:50)を含むコンセントレートを、長さ対直径の比が約34:1の、40mm全かみ合い型二軸スクリュー押出機を用いて溶融コンパウンディングした。このPBTは乾燥させて水分含量を500ppm未満としたものであるのに対し、5−スルホイソフタル酸ナトリウムは乾燥させて、その水分含量を1500ppmから2000ppmの間としたものであった。PBTと5−スルホイソフタル酸ナトリウムは別々に、重量計量供給装置を用いて押出機に供給した。このバレルでは、21インチHg(533.4mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。押出機のバレル中におけるコンパウンディング混合物の平均滞留時間は約90秒であった。スクリューの回転速度を250rpmに設定したところ、押出機からの吐出量は約125ポンド/時間(56.7kg/時間)となった。押出機バレルの長手方向を6つの加熱ゾーンに分けてあるこの押出機での温度分布は、210℃/230℃/250℃/250℃/250℃/250℃に設定した。押出機をこれらの条件で運転すると、押出機バレルの先端での溶融物の温度は252℃となった。ダイから押し出される溶融ストランドを水浴中で冷却・固化させてから、ストランドペレタイザーを用いてペレット化した。
【0054】
得られたコンセントレートのペレットを粉砕して微粉末とし、ソックスレータイプの装置を使用してメタノールで16時間抽出した。ロータリーエバポレーターを使用して乾燥させてメタノールを蒸発させて、抽出可能成分を分離した。抽出された物質は白色粉末であった。この白色粉末の49.6重量%は、コンセントレートからの抽出物であった。この抽出物のFTIRスペクトルは、原料に用いた5−スルホイソフタル酸ナトリウムのスペクトルに近いものであった。
【0055】
このコンセントレートを水分含量が100〜150ppmになるまで乾燥させ、次いで実施例11〜14に記載したと同様に、他の添加物とともにポリアミド6,6樹脂に添加し紡糸および巻縮加工をしたが、ただし、NF−6239/FC−248による仕上げに代えて、0.13重量%のスコッチガードFC−354を含めて、ゴウルストン社のルロールNF−7063紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.35%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト法によりカーペットとしてから評価した。このカーペットの評価結果を表2に示した。
【0056】
【実施例18】
リルサン・アエスノ(Rilsan AESNO)TLという商品名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)から販売されているポリアミド12樹脂を、33重量%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムと溶融コンパウンディングしたが、それには真空脱気孔付きの43mm二軸スクリュー押出機を使用し、溶融温度は197℃とし、26.5インチHg(673mmHg)で真空脱気した。樹脂および塩のいずれも、水分含量が200ppm未満になるまで乾燥させてから、コンパウンディングした。得られたコンセントレートを水分含量400ppm未満になるまで乾燥させてから、実施例5で使用したのと同じ乾燥ポリアミド6,6樹脂と、重量で9/94の比でブレンドした。このブレンド物を、断面が円形の136穴の紡糸口金を使用して溶融紡糸して、全フィラメント束が4600デニールのものを得た。紡糸しただけの糸を、延伸比3.6で熱延伸した。この延伸糸は靱性が3.5g/デニール、破断時伸びが20%であった。この糸1gを、先に「レッド40染み試験」のところで記載したのと同様に調製したレッド40色素溶液50mlに1時間浸漬した。この糸を次いで、約115°F(46℃)に温めた水道水で1分間すすぎ洗いした。糸を放置乾燥させてから、染みの程度をAATCC赤色40号染みスケールを使用して評価した。染みをつけた糸の染み評価点は8.5であった。
【0057】
得られたコンセントレートのペレットを粉砕して微粉末とし、ソックスレータイプの装置を使用してメタノールで16時間抽出した。ロータリーエバポレーターを使用して乾燥させてメタノールを蒸発させて、抽出可能成分を分離した。抽出された物質は白色粉末であった。この白色粉末の32.8重量%は、コンセントレートからの抽出物であった。この抽出物のFTIRスペクトルは、原料に用いた5−スルホイソフタル酸ナトリウムのスペクトルに近いものであった。
【0058】
【実施例19】
プラタミド(Platamid)H30の商品名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)から販売されているポリアミド6/6,6/6,12のターポリマーを、乾燥空気雰囲気中で、乾燥器設定温度91℃で15時間乾燥させた。この樹脂を25重量%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムと溶融コンパウンディングしたが、それには真空脱気付きの二軸スクリュー押出機を使用し、溶融温度は195℃とし、26.5インチHg(673mmHg)で真空脱気した。この塩は、水分含量を400ppm未満としてから、コンパウンディングした。こうして得られたコンセントレートを400ppm未満にまで乾燥させてから、実施例18と同じポリアミド6,6樹脂と共に溶融紡糸および延伸した。この延伸糸は靱性が3.8g/デニール、破断時伸びが26%であった。この延伸糸を実施例18と同様に、レッド40色素で染みを付けた。その染み評価点は9.0であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【技術分野】
本発明は染み抵抗性(stain resistant)および汚れ抵抗性(soil resistant)のポリアミド組成物およびそれからの繊維に関し、この繊維は特に、織物物品、カーペットおよび床敷物に有用なものである。
【0002】
【従来技術】
ポリアミド繊維から製造した物品、特に服飾品や、布張り椅子、壁張り材料およびカーペット地などの編織物は、特定の着色剤を含む各種の飲食物などを不注意により付着させると、染みができてしまう。例えばソフトドリンクの酸性色素による染みは、ポリアミド繊維にとっては特にやっかいなものであるが、その理由は、そのようなポリアミド繊維の中にアミン末端基やアミド結合といった酸性色素の受容体となるサイトが存在しているからである。特に大きな問題となるのは、繊維が無色の場合や、「原液染色」、すなわち、紡糸する前にポリマーの溶融物に顔料を添加することによって着色している場合である。これらとは別の方法である浴染め法では繊維や繊維を用いた製造物品を着色するために使用されている酸性色素による中和を受けているのに対し、先の2つの場合ではその酸性色素受容体サイトは、中和されていない。
【0003】
ポリアミド繊維における、不注意による染み、特に酸性色素による染みに対する抵抗性を向上させるための方法はいくつが提案されている。1つの方法として、いわゆる局所的な「染みブロッカー」をポリアミド繊維の表面にコーティングし、酸性色素の染み成分が、ポリアミド繊維の中の酸性色素受容体サイトを攻撃できないようにするものがある。当業者には公知の局所的な染みブロッカーの主なタイプとしては、スルホネート芳香族コンデンセート(SAC)がある。SACおよびその使用に関しては多くの特許が存在するが、その方法の例をあげれば、米国特許第5 145 486号(チバーガイギー社「Ciba−Geigy」)、米国特許第4 680 212号(モンサント社「Monsanto」)、および米国特許第4 780 099号(デュポン社「DuPont」)などがある。SACにより局所的にコーティングしたポリアミドには欠点がある。それは、そのような局所的なコーティングによる保護作用が一時的に過ぎず、使用中あるいは手入れによって、効果がなくなったり、除去されてしまうことが起こりうるからである。このような処理をしたカーペット繊維の場合だと、そのコーティングがカーペット上を歩行されることによって擦り切れたり、クリーニングによって除去されてしまうこともある。商業施設や病院のカーペット地は定期的に、かなり強いアルカリ系のクリーニング剤を用いてクリーニングされることが多く、これらの場合は特に簡単にSACコーティングがはがれることがある。このように保護コーティングが実際にはがれるのに加えて、一般にSACは、光、窒素酸化物、熱老化などに対する抵抗性が乏しく、最後の点は特に、床下暖房の場合に問題となる。また、SACのベースカラーは無色ではないので、ベース繊維に与えた色合いが変化してくる可能性もある。
【0004】
酸性色素による染みに対するポリアミド繊維の抵抗性を向上させる別な方法としては、その内のいくつかのモノマーがスルホネート部分を有するモノマー類を共重合させて得たポリアミドから繊維を製造するものがある。そのようなシステムの典型例は、米国特許第3 542 743号(モンサント社「Monsanto」)、米国特許第3 846 507号(ユニオン・カーバイド社「Union Carbide」)、米国特許第3 898 200号(アライド・ケミカル社「Allied Chemical Corporation」)、米国特許第4 391 9968号(モンテジソン社「Montedison」)、米国特許第5 108 684号(デュポン社「DuPont」)、米国特許第5 164 261号(デュポン社)、および欧州特許第517 203号(ビーエーエスエフ社(BASF))などに開示されている。これら従来技術の発明のすべてにおいて、教示されているのは、重合段階でまずスルホネートコポリアミドを形成させることであって、その場合、スルホネート含有コモノマーが、繊維紡糸のためのベースポリマーとして使用されるポリアミドの構成要素となっている。これらの特許はすべて、ポリアミドの染色性または染み抵抗特性を改良することに関している。
【0005】
繊維は一般に、溶融紡糸によりポリアミドから調製する。スルホネート含有ポリアミドは、相対溶液粘度が同程度のスルホネート非含有ポリアミドと比較した場合、溶融粘度がより高くなるのが通常で、その結果バッチ式のオートクレーブ反応容器中での重合速度が抑えられるために実際に得られる重合度に限界が生じ、同時に、重合させた溶融物を反応器から効率的に排出させることにおいても支障が生じる。その上、界面活性剤的な性質を有するスルホネートが存在するために、溶融重合工程で過度の泡立ちが起きて、そのため反応混合物の撹拌が不十分となり、製品が不均一となってしまう。スルホネート含有ポリアミドコポリマーにおけるさらなる問題点としては、スルホネート基が吸湿性を持っているために、スルホネートを含まないポリアミドに比較して、乾燥させるのが一般により困難となることがある。
【0006】
糸の色の濃さが異なれば、それに応じて染みに対する防御においても異なったレベルが必要となる。というのも、淡い色合いのものでは、濃いものに比べると染みが目立つからである。したがって、最終的な糸の色に応じてポリアミドの染み抵抗性のレベルを変えることを可能としながら、それぞれの糸にとって最適な処方とするために別々のポリアミド原料を揃えておく必要はないことになれば都合がよい。高い濃度でスルホネート部分を含有するスルホネートコポリアミドを使用することによって、この目標を達成しようとする試みもなされてきた。その場合、このコポリアミドそのものを繊維形成性ポリアミドに添加することで、全イオウ含量を先行技術で明らかになっている範囲内とし、最終的な繊維に染みブロッキング性を効果的に付与する。例えば、米国特許第3 846 507号(ユニオン・カーバイド・カナダ社「Union Carbide Canada」)では、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミンおよび5−スルホイソフタル酸からの高イオウ含量コポリマーを用いており、次いでこれを、繊維形成性ポリアミドとコンパウンディングして、染み抵抗性を有する繊維を製造している。同様の高イオウ含量のコポリアミドは、米国特許第5 889 138号(ソルティア社「Solutia Inc.」)でも権利請求されている。しかしながら、少なくともポリアミド系繊維での染みブロッカーのレベルを変えるためにより簡便な方法が求められているということに対する部分的な解決法を提供しているとはいうものの、上記の方法では、先に述べたような不利な面を有するスルホネートコポリマーがまだ使用されている。上記の2種類の引用文献と同様な手法として、PCT出願第96/17982号(モンサント社「Monsant」)では、染みブロッキング性のポリアミドに対する添加物として高スルホネートコポリマーを使用しているが、ただしこの場合、ポリアミド系ではないコポリマーを使用することが提案されている。この場合、そのようなコポリマーを製造しようとすると、スルホネートコポリアミドの場合と同じような問題が起き、また同様の高吸湿性も有しているが、それらの問題に加えて、当業者にはよく知られているところであるが、異なった種類のポリマーの間での相溶性の問題までも加わってくる。
【0007】
ポリアミド繊維の染みの問題に加えて、ポリアミド繊維の汚れもまた、問題である。織物、カーペットおよび床材用途に用いられる繊維は、汚れを取り込みにくい、すなわち繊維に汚れが付きにくいことが最も好ましく、また、その次として、繊維が一旦汚れた場合にも容易にクリーニングできる必要がある。ポリアミドでの汚れ防止法としては通常、以下の2つの方法のいずれかが採用されている。
すなわち、第1の方法は、繊維の上に、本質的に「犠牲」となるコーティングを施しておくもので、そのコーティングが汚れを取り込むがクリーニングに際しては必ず除去されるように、設計されている。この方法において、よく知られ、また実績のあるのがデンプンである。この方法には、クリーニングをする度に繊維にコーティングをし直して汚れ抵抗性を維持しなければならない、という欠点がある。
汚れ防止のための第2の方法は、異なったタイプのコーティングを用いて、ポリアミドの表面エネルギーまたは親水性と疎水性とのバランスを変化させ、それにより、汚れを付きにくくするものである。繊維に対する局所的なコーティング剤として用いられ、こういう方面で最も好まれているのがフッ素化化合物である。フッ素化学製品を繊維の上にコーティングすることによって、表面の濡れを防止または減少させ、それによって、繊維表面と繊維を汚す可能性のある物質との接触を最小限に抑え、またその物質を除去しやすくする。この分野における特許の例をあげれば、米国特許第3 816 167号、米国特許第3 896 035号、米国再発行特許第30 337号、および、米国特許第4 043 964号(いずれもスリーエム社「3M」)などがある。局所的な汚れ防止コーティングを使用しても、SACの場合と同様な難点があり、使用中、日常の手入れ、あるいはクリーニングによってカーペットから除去されてしまう可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、ポリアミドから製造された繊維に染み抵抗性を付与するための、新規で非常に有利な方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、汚れが付きにくい性質を有しまた汚れたとしても容易にクリーニングできるような汚れ抵抗性能を持つ、染み抵抗性ポリアミド繊維を提供することである。
【0009】
【発明の概要】
本発明によれば、酸性色素による染みに対する抵抗性と汚れ抵抗性とを有するポリアミド繊維を、繊維形成性ポリアミドと、本質的に熱可塑性キャリヤー樹脂にコンパウンディングしたスルホネート反応剤からなるコンセントレートと、を含むポリアミド組成物から製造し、そのポリアミド繊維は好ましくは、溶融紡糸、延伸それに任意にその延伸糸を巻縮加工することにより製造する。本発明に含まれるのは、ポリアミド組成物、その製造方法、および、本発明の繊維から製造された物品、特に服飾品、織物物品、カーペットおよび床敷物などである。
【0010】
【好適な実施態様の説明】
本明細書においては、下記の用語は、特段の記載がない限り、以下に記す意味を有している:
「反応剤(reagent)」という用語は、繊維形成性ポリアミド中にある、遊離酸による染色が可能なサイトと会合する(この用語については後に述べる)ような、化合物または化合物の組み合わせを意味しており、その反応剤によってそれらのサイトが酸性色素と会合することを不可能とするもので、ここでその反応剤自体は、酸性色素と会合することも取り込むこともない。
【0011】
「会合する(associates)」または「会合(association)」という用語は、反応剤とポリアミド中の遊離の酸性色素受容体サイトとの間で起きる物理的な相互作用を意味し、その作用により、ポリアミドによる酸性色素の取り込み、すなわち染みを防ぐことになる。そのような物理的な相互作用は、例えば、塩の生成、水素結合、双極子−双極子相互作用、ファンデルワールス力、配位錯形成反応などの1つまたは複数の形をとることができる。
【0012】
「酸性色素による染み(acid dye stain)」という用語は、ポリアミド中の遊離の酸性色素受容体サイトと反応または会合することによって、酸性色素としての機能を発揮し、実質的にポリアミドを永久的に変色させたり染みを与えるような、単一の物質または複数の物質の組み合せを意味している。
【0013】
「酸性色素受容体サイト(acid dye sites)」という用語は、ポリアミド中に存在する塩基性の化学基またはサイトを意味していて、これらが酸性色素と反応または会合することによって、ポリマーに染みができる。
【0014】
酸性色素受容体サイトが酸性色素による染みを取り込むことを「不能とする(disabling)」という用語は、反応剤と酸性色素受容体サイトとの間の会合効果を意味しており、それによって酸性色素受容体サイトが、例えばある種のソフトドリンクやトマト系製品などに含まれ、染みの原因となるような酸性色素との会合ができにくくなるのである。
【0015】
「コンセントレート」という用語は、紡糸して繊維とするための最終的なポリマー物質に包含される添加物と、本質的に不活性なキャリヤー樹脂、例えば熱可塑性ポリアミドまたはポリエステルとからなる組み合せを意味する。このような組み合せでは必要な添加物をキャリヤー樹脂中に高濃度で含ませ、その全体を所定の繊維形成性ポリアミドと組み合わせたり「薄めたり(let down)」してから紡糸により繊維として、繊維中での添加物を所望のレベルに合わせる。以下で説明するような、本発明によるこの添加方法での予期しなかった利点に加えて、ポリマーのコンパウンディング業界ではよく知られたことではあるが、添加物のコンセントレートを使用すると、ポリマーに少量の添加物質を直接加えるよりは多くのメリットがある。そのようなメリットを挙げてみると、前記の添加物の分散が調節でき、最終コンパウンドへの添加物をより正確に計量でき、着色性または有害性添加物の場合には、調節された環境でキャリヤー樹脂への添加が実行できるために装置の汚染や作業者に対する危険物質の暴露を防止することができる。
【0016】
本発明が基づいているのは、以下のような発見である。すなわち、繊維形成性ポリアミドを、スルホネート反応剤と熱可塑性キャリヤー樹脂との組み合わせからなるコンセントレートと共に溶融コンパウンディングすることによって、ポリアミド繊維に、酸性色素による染みに対する抵抗性と汚れ抵抗性を最適なレベルで付与することが可能となる、ということを見出した。このプロセスは、繊維形成性ポリアミドを重合させた後、そして、繊維を形成させる前に実施する。それによって本発明では、染み抵抗性かつ汚れ防止性のポリアミド繊維を得るための先行技術に付随した数々の問題点を回避することが可能となった。
【0017】
これらの組成物はまず、反応剤と熱可塑性キャリヤー樹脂とを、通常の押出設備と方法を用いてコンパウンディングすることによって調製するが、これらのことについては当該技術分野の当業者には公知である。このコンセントレートを次いで、繊維紡糸設備の中で繊維形成性ポリアミドと溶融コンパウンディングし、所望の繊維を製造する。本発明により製造した製品の繊維は、従来技術の方法により得られたものと同等の耐久性のある染み抵抗性を示し、かつ、そのような従来技術による方法に潜在的に付随していたような問題点を回避している。こうして得られた製品の繊維はまた、これら同様の従来技術の方法によるものよりは、優れた汚れ抵抗性も特徴としている。
【0018】
ここでの熱可塑性キャリヤー樹脂は熱的に安定で溶融加工が可能なポリエステルやポリアミドのような縮合ポリマーで、繊維形成性ポリアミドと相溶性のあるものであればどのようなものでもよく、また、その性質が結晶性、非晶性のいずれであってもよい。この樹脂の加工温度が300℃未満であれば好ましいが、より好ましくは270℃未満である。コンセントレートを調製するために好適なポリエステルをあげてみると、PETとして知られるポリ(エチレンテレフタレート)、PTTとして知られるポリ(トリメチレンテレフタレート)、PBTとして知られるポリ(ブチレンテレフタレート)、およびそれらのコポリマー(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート−コ−イソフタレート)またはPETGとして知られるポリ(エチレンテレフタレート)と1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステル)、およびそれらの混合物やブレンド物などがあるが、これらに限定されるわけではない。好適なポリアミドをあげてみると、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマー、およびポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)(3Me6T)などがあるが、これらに限定されるわけではない。最も好ましいポリアミドは、加工中の分解傾向が、ポリアミド6,6と比べて、より低いタイプである。このような最も好ましいポリアミドは、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマーおよび、ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)(3Me6T)である。これらの樹脂を、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6とポリアミド6,6とからのコポリマー、ポリアミド6,12、およびポリアミド6,9、または、先に述べてポリエステル樹脂とブレンドあるいは混合したものも、好適である。本発明の開発中に見出されたことであるが、コンセントレートを製造するために溶融状態で反応剤をポリアミド6または6,6のいずれかとコンパウンディングする場合、ポリアミドキャリヤー樹脂がかなりの程度で分解することが、溶液相対粘度の測定から判明した。さらに、ポリアミド6または6,6中にコンパウンディングできる反応剤の量の限界は、コンセントレートの全重量の約20重量%までであった。繊維形成性ポリアミドを延伸および巻縮加工して得られる製品の繊維で、繊維の紡糸ラインでこれらのポリアミド6または6,6系のコンセントレートを添加した場合には、その繊維の染み抵抗性は良くなかった。
【0019】
反応剤は、スルホネートタイプのもの単独またはそのようなタイプの2種以上を組み合わせたものであるが、無色のスルホネート芳香族化合物であれば好ましい。反応剤がスルホイソフタル酸からの誘導体であるのが最も好ましいが、好ましくは5−スルホイソフタル酸の1価または多価金属塩(ここでその金属はアルカリ金属またはアルカリ土類金属)であり、最も好ましい反応剤は5−スルホイソフタル酸のナトリウムまたはリチウム塩である。また別の好適な反応剤としてはスルホ安息香酸があり、中でも3−スルホ安息香酸またはそのナトリウム塩もしくはリチウム塩が好ましい。
【0020】
本発明はどのような繊維形成性ポリアミドにも、また、繊維形成性ポリアミドのアロイまたはブレンド物にも、適用できる。好適なポリアミドを挙げると、ポリアミド6およびポリアミド6,6、ポリアミド6と6,6とのコポリマー、ポリアミド6,12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマー、ポリアミド6,9、ポリアミド11、ポリアミド12、およびこれらの混合物またはブレンド物などがある。繊維形成性ポリアミドがポリアミド6または6,6のいずれかであれば、最も好ましい。
【0021】
キャリヤー樹脂と組み合せる場合、反応剤は、粉末状、ペレット状、圧縮された状態など、どのような形態であってもよい。キャリヤー樹脂も、粉末、粒子またはペレットなどで用いることができる。反応剤とキャリヤー樹脂を組み合わせるには、熱可塑性溶融物中に固体を分散分布させるのに適するよう設計された溶融押出機、最も好ましくはスクリュー型押出機を用いるのが好ましい。最適なのは、完全かみ合い型の二軸スクリュー押出機で両方のスクリューが同じ方向に回転する(コローテーティング)タイプのものであるが、他のタイプ、例えば、逆回転タイプ、部分的かみ合い型、非かみ合い型なども使用できる。この押出機では、最小のバレル長さ対直径の比が少なくとも21:1であるのが好ましいが、ただし、使用するそれぞれのコンパウンディングでのプロセスパラメーターに応じた適当な比であるならばどのような比にしてもよい、ということは理解されたい。反応剤とキャリヤー樹脂は、溶融コンパウンディングをする前に乾燥させて、その水分含量を5000ppm未満としておくのが好ましい。成分からの脱水方法でそれに代わるものとしては、押出機バレルに1または複数のガス抜き口を設けて、コンパウンディングをしながら脱気させる方法がある。ガス抜き口から水分を抜き出すには、真空を利用するのが好ましく、その真空度は10インチHg(254mmHg)以上、好ましくは15インチHg(381mmHg)以上である。蒸発速度をさらに上げてやるために、ガス抜き口の上流側または下流側のいずれかに設けた注入口から実質的に乾燥した窒素ガスを注入してやることもできる。乾燥法と脱気法を組み合わせてもよい。反応剤とキャリヤー樹脂は、この2成分のブレンド物として単一の供給ホッパーから押出機に供給してもよいし、あるいは、重量計量供給装置もしくは容積供給装置のような適当なタイプのホッパーから別々に供給してもよい。成分をブレンドしてから用いる場合には、ブレンド物を調製するにはダブルコーンブレンダーを用いるのがよいが、他のタイプのブレンダーも使用することができる。分散および分布混合を達成するために、供給、移動、混合および/または混練部材を含むように押出機のスクリューを設計することは、ポリマーの溶融加工技術に関する当業者には公知のことである。スクリューの設計によって、押出機の中で混合物をコンパウンディングするための平均の滞留時間が決まってくる。一般的に言って、スクリュー設計において、混合および混練部材部分全体のスクリューの長さの割合を大きくするほど、押出機の中でのコンパウンディング混合物の滞留時間は長くなる。押出機バレル中での平均滞留時間を30秒から4分の間にするのが好ましいが、反応剤とキャリヤー樹脂の間で共有結合が形成されるようなことが無く、しかも完全なブレンドが達成されるように選択する。
【0022】
混合プロセスの際の、押出機での温度分布の設定および望ましい溶融温度は主として、選択したキャリヤー樹脂の種類とグレードによって決まってくる。例えば、PETを使用する場合には、好適な溶融温度は約275℃から約295℃の間であり、PBTの場合には、好適な溶融温度は約245℃から約265℃の間である。PTTの場合には、好適な溶融温度は約240℃から約260℃の間であり、PETGの場合には、好適な溶融温度は約265℃から約285℃の間である。最適な溶融温度は、用いたグレードにも依存する。コンセントレートが調製できたら、コンパウンディング用押出機のダイから押出した溶融物を冷却・固化させてからペレット化する。典型的には、溶融物の冷却と固化は、ストランドを水浴中に通してから、ストランドペレタイザーに供給する。他のタイプの冷却、固化、ペレット化も可能で、例えば、いわゆる水中ペレタイザーなどで行ってもよい。
【0023】
こうして調製したコンセントレートには、コンセントレートの全重量を基準にして、反応剤を約10重量%から約65重量%までの量で含んでいればよいが、好ましくは約20重量%から約50重量%までである。
【0024】
コンセントレートおよび繊維形成性ポリアミドの水分含量は、繊維を溶融紡糸する前に調節しておく。水分含量を調節することによって、コンセントレート中の反応剤と繊維形成性ポリアミドとの間の会合が促進され、製品の繊維の染み抵抗性が向上する。溶融紡糸をする前のコンセントレート中の水分含量は、700ppm未満であるのが好ましいが、最も好ましくは200ppm未満であって、これを最適に達成するには、コンセントレートを乾燥させる。従来技術による高および低イオウ含量いずれのコポリアミドと比較しても、本発明のコンセントレートは容易に乾燥することができる。このコンセントレートを次いで、水分含量調節ずみの繊維形成性ポリアミドと溶融コンパウンディングする。このポリアミドは、水分含量が1500ppm未満になるまで乾燥させたものが好ましいが、1000ppm未満にしておけば最も好ましい。
【0025】
繊維形成性ポリアミドの量および、コンセントレートに対する比率は、必要に応じて変えることができる。本発明の特色の1つは、製品の繊維の染み抵抗性を、糸の色合いに応じて自由に決め得ることである。色が濃い場合には、染みが目立ちにくいので、コンセントレートの形の反応剤の添加量を少なくすることができる。通常は、コンセントレートの使用量は、組み合わせた状態でイオウ含量が重量で約1000ppmから約3000ppmまでになるようにするのが好ましい。このポリアミドの相対溶液粘度(RV)が2.0より大きく、好ましくは3.1よりは大きくかつ4.0未満となるようにすべきである。このRVは、使用する紡糸方法および希望する製品の糸のデニールによって決まってくる。またこのポリアミドに含まれるアミン末端基(AEG)の量は、106gあたり50当量未満、好ましくは106gあたり30当量未満としなければならない。
【0026】
このコンセントレートをポリアミドと混合する割合は、繊維製品において必要とされる染み抵抗性のレベルに合わせて任意に決めることができる。このような混合を実施するには、いくつもの方法がある。例えば、ポリアミドとコンセントレートとを、紡糸する前にコンパウンディング操作によって組み合わせることもできるし、また、繊維の溶融紡糸の段階で直接組み合わせることもできる。繊維の溶融紡糸プロセスは、当業者に公知の通常の操作ならばどれを用いて実施しても構わない。繊維を形成させるプロセスに、機能性添加物を加えてもよいが、それらの例をあげれば、抗酸化剤、安定剤、着色剤、加工助剤、核化剤、殺菌剤、静電防止添加物、抗オゾン剤、滑剤、染み防止剤、汚れ防止剤、溶融粘度向上剤、難燃剤、あるいはそれらの混合物などがあるが、これらに限定されるわけではない。こうして紡糸した繊維を次いで延伸してから、随意に巻縮加工にかける(textured)が、その場合には、エアジェット巻縮加工または機械的巻縮加工をする。本発明により製造された繊維製品は、従来技術の方法によって製造したものと同等の耐久性のある染み抵抗性を有している。この繊維製品はまた、従来技術の方法によって製造したものよりは優れた汚れ抵抗性を有しており、しかも、重要な製品物性、例えば、耐摩耗性(外観の保持)、漂白、紫外光線および窒素酸化物暴露に対する染色堅牢度などの点でも、損なわれているところはない。
【0027】
本発明の繊維を抽出分析した結果、この反応剤は前記繊維から簡単に除去されるようなことはなく、反応剤が前記繊維のポリマーマトリックスと十分に一体化されているということが分かったが、このことについては以下の実施例で論ずる。本発明の繊維におけるこの特色は、驚くべきものである。当業者には公知のことであるが、低分子量の、ポリマーではない添加物(例えば、安定剤や抗酸化剤など)は、それらをコンパウンディングしたポリマーからは比較的容易に抽出され、特に、それから製造した物品が体積に対して表面積が大きな、例えば繊維のような場合には、その傾向が大きい。そのこととは対照的に、このコンセントレートを抽出分析すると、反応剤がコンセントレートキャリヤーと実質的には化学反応していないことも判明した。
【0028】
本発明により製造した繊維や糸のいずれからも、従来からの公知の方法によるものよりも酸性色素による染みに対する高い抵抗性や汚れに対する高い抵抗性を有するポリアミドを必要とするような、新規な織物、カーペットその他の物品の製造に使用することができる。巻縮糸は、当業者に公知の製造方法を使用することによってカーペットを製造するには最も理想的なもので、それらの製造方法としては、タフト化、製織、接着、ニードル織、ニットなどがある。これらの製法の詳細は、H.ブロディ(Brody)編『合成繊維材料(Synthetic Fiber Materials)』(ロングマン(Longman)社出版、1994年)の第134から140頁に記載がある。そこにおける開示は、ここに引用することにより、本明細書に組み入れたこととする。
【0029】
【試験方法】
記載する実施例では、各種の試験方法を用いて、本発明を実施することで得られる繊維から製造したカーペット試料および、比較例として他の方法により製造した試料の性能および挙動を評価している。特に、試料の染み抵抗性の評価では、標準的な試験を使用している。その試験ではFD&Cのレッド40(Red 40)色素の酸性化溶液を使用するが、この色素はクラフト・ゼネラル・フーズ社(Kraft General Foods Inc.)から市販されているチェリー風味のクール・エード(Kool−Aid、登録商標)に含まれているものである。これらの試験方法については以下に記述する。
【0030】
【レッド40染み試験】
FD&Cのレッド40色素(Cl Food Red 17)の0.1000g±0.0030gを、1000ccの蒸留水に溶解させる。この色素溶液のpHを、工業グレードのクエン酸を少量添加することによって、2.80から2.90の間に調整した。こうしてpHを調整した溶液を放置して、環境温度すなわち21℃±1℃としてから、使用した。カーペットの試料を硬く平坦で非孔質な表面に置いた。レッド40色素溶液を50ml±1ml、カーペット上に置いた2インチ(50.8mm)のリングの中に注いだ。プランジャーをリングの中にさし込んで、回転させることなく上下に5回動かして、溶液が平均して与えられ、繊維が完全に濡れるようにした。リングを外し、カーペットを環境温度で24時間放置して風乾させた。ついでこのカーペットを温度45℃±5℃として水道水の流水で2分間洗浄した。吸引脱水機を用いて、可能な限りの水を除いた。次いでこのカーペットを環境温度でさらに24時間放置して風乾させた。この乾燥をしている間に、赤色色素がカーペットの表面に浮き出した場合は、上記の洗浄工程を繰返した。このカーペットの表糸の染み抵抗性は、AATCCの赤色40号染みスケールとの目視による比較で評価したが、このスケールは、米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists、AATCC、ノースカロライナ州・リサーチ・トライアングル・パーク)から入手できる。このスケールは10枚の、FD&Cのレッド40の強さが次第に増加するように着色した透明な正方形フィルムで構成されていて、番号が1から10まで付けてあって、1番が最も濃く、10番が無色になっている。染みの無いカーペット試料をスケールの複数の着色部分の下に置き、染みのあるカーペットをスケールの単一の着色部分の下に置き、昼光またはそれと同等の照明のもとで観察した。この光の表面に対する入射角は45±5度にしなければならず、観察する方向は表面に対して90±5度の方向でなければならない。しみの付いたカーペットを、染みのないカーペットの、染みスケール正方形で最も近い数のものと比較して、それにより最も色合いが合ったものを求めた。染みの付いたカーペットの色がスケールの2つの正方形の中間になった場合は、0.5刻みのグレードを与えた。着色正方形の番号、あるいは2つの正方形の中間で色が合えば2つの正方形の中間の番号を染み評価点(Stain Rating)と呼ぶ。
【0031】
【カーペットの摩耗試験】
タフテッドカーペットをASTM試験法D5252−92にしたがって試験したが、回転数は50,000回転、温度70°F(21.1℃)、相対湿度50%であった。試験後にエレクトロラックス(Electrolux)社の縦型真空掃除機LXE型を用いてカーペットを処理してから、グレード付けを行った。ただし、ASTM試験法に記載されているような2000回転毎の掃除機による処理は行わなかった。摩耗したカーペット試料のグレード付けには、カーペット・アンド・ラグ・インスティチュート・リファレンス・スケールA(Carpet and Rug Institute Reference Scale A)を使用した。このスケールは1から4までの番号を付けた4枚の写真で構成されており、その順に、摩耗、外観の劣化、もつれの程度がひどくなっている。グレード1は、摩耗がひどい試料であることを示す。グレード5は、摩耗がまったく観察されないことを示す。試験後の試料が、2枚の写真の中間の状態ならば、グレードで0.5を与える。通常の当業者には知られたことであるが、この試験は人が歩行している状態を模したものである。試験ドラムの1回転が、8から12回踏みつけたことに相当すると考えられている。
【0032】
【汚れ試験】
上に記したカーペット摩耗試験で用いたのと同様の装置を使用して、タフテッドカーペットの汚れ試験を行った。25.5インチ×8.25インチ(64.7cm×21.0cm)の大きさにしたカーペット試料の上に、1.5000±0.0020gのSPS−2001標準カーペット・ドライ・ソイル(Standard Carpet Dry Soil)(スリーエム社「3M」、ミネソタ州・セントポール)より入手可能)を、目の細かなふるいを使って均等に散布した。このカーペットを慎重に試験ドラムの中に入れ、ソイルが全く付着していないフリントペレット(それぞれの重さ5.03±0.03g)150個をそのドラムに加えた。ドラムの蓋をしっかり閉じ、ドラムをドラムローラーの上に置いた。このドラムを500回転させたが、これを1回のソイリングサイクルと呼ぶ。それからカーペットをドラムから取り出し、エレクトロラックス社の縦型真空掃除機LXE型の手持ち式のビーターバーで処理した。汚れ付け後に掃除機で処理したカーペットを、AATCC染み用グレースケールを使用してのグレード付けを行った。このスケールは10ペアのグレー長方形で構成されていて、それぞれのペアで、色またはコントラストの差が大きくなるようになっている。このスケールは0.5刻みで1から5までのグレードがあり、グレード1が色またはコントラストで最大の変化、グレード5が色またはコントラストの変化なしである。複数のソイリングサイクルでの効果を評価する場合には、この試験を必要なだけ繰返してもよい。
【0033】
次いで、このようにして汚れを付けたカーペットを温水道水(55℃±5℃)により簡単に洗浄できるかどうかを評価したが、それには、ウィンザー社(「Windsor Industries Inc.」、コロラド州・イーグルウッド)から販売されているウィンザー(登録商標)パスポート(「Passport」、商標)ウェット・エクストラクター(カーペット・クリーナー)のデラックス・ハンド・ツール(Deluxe Hand Tool)を使用した。この評価では、水だけを用い、洗剤や他のクリーニング剤は使用しなかった。カーペットの上で向きを反対にしながら、水の散布と濡れの吸い取りをハンド・ツールで5回繰返した。このカーペットを環境温度で24時間放置して風乾させてから、AATCCグレースケールを使用して汚れのグレード付けを行った。
【0034】
【窒素酸化物に対する染色堅牢度試験】
窒素酸化物に対する染色堅牢度をAATCC試験法164−1997にしたがって試験したが、サイクルは1、3および5サイクルとし、温度40℃±1℃、相対湿度87.5±2.5%で実施した。
【0035】
【加速紫外光(UV)耐候性試験】
紫外光に対する染色堅牢度を、AATCC試験法16、オプションEにしたがって試験した。カーペット試料の表糸側(表側)を暴露させた。カーペット試料の裏側は覆って(裏打ちをして)暴露を避けた。結果を判断するために標準試料と比較するような方法は取らず、試料の暴露部分を、マスキングした部分と比較した。光に対する染色堅牢度のグレード付けには、AATCCの色変化のためのグレースケール(Grey Scale for Color Change)を用いた。環境温度(乾球温度)を43℃±2℃、ブラックパネル温度を63℃±1℃、そして相対湿度を30%±5%とした。暴露は、AATCCブルー・ウール・光堅牢度標準(Blue Wool Lightfastness Standard)L4により調節した。放射エネルギーは170kJ、暴露経過時間は85時間とした。試験装置の型は、キセノンアークタイプで、アトラス・エレクトリック・デバイス社「Atlas Electric Devices Co.」製造の65−WR型、製造番号XE−523FCであり、これには2列の試料ラックと蒸留水供給パーツが付属していた。
【0036】
【漂白試験】
カーペットを硬く平坦で非孔質な表面に置いた。通常の漂白剤である、クロロックス(「Clorox」、登録商標)(クロロックス社「The Clorox Comapany」、カリフォルニア州・オークランドの登録商標)の20ml±1mlを、カーペットの上に置いた2インチ(50.8mm)のリングの中に注入した。この漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムが5.25%、不活性成分が94.75%含まれている。プランジャーをリングの中にさし込んで、回転させることなく上下に5回動かして、クロロックスの塗布が平均して与えられ、繊維が完全に濡れるようにする。リングを外し、カーペットを環境温度で24時間放置して風乾させた。ついでこのカーペットを温度45℃±5℃とした流水で2分間洗浄した。吸引脱水機を用いて、可能な限りの水を除いた。次いでこのカーペットを環境温度でさらに24時間放置して風乾させた。このカーペットを次いでAATCCの色変化のためのグレースケールを用いて、グレード付けした。
【0037】
【反応剤の抽出試験】
5.0000g±0.0010gの糸を、あらかじめ重量を測定してある丸底フラスコ中の100mlのメタノール中に漬け、コンデンサーを取り付けた。メタノールを加熱して、還流状態に16時間保った。環境温度にまで冷却してから、糸をメタノールから取り出し、メタノール50mlずつで2回さらに洗浄し、このメタノールはフラスコ内の還流メタノールに加えた。フラスコ中のメタノールを蒸発乾固させた。次いで、そこでの残分の重量を測定した。この方法による残分の検出限界は、0.3重量%であることが分かった。
【0038】
【実施例】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、これらに限定されるわけではない。
実施例では、以下に記載するような、紡糸、延伸−巻縮、カーペットタフト化方法を用いた。
【0039】
【紡糸】
当業者には公知の型と構成を有するガス抜き口なしの溶融紡糸押出システムを用いて紡糸することで未延伸の糸を得た。ポリマー溶融物は、50×250メッシュ金網を含む金網パックを通して濾過してから、3裂(Y形)の孔を有する60穴ダイに計量供給した。得られる60本のフィラメントを2×××30フィラメント束に分け、紡糸仕上げ剤を塗布し、この2つの束を別々のワインダーに巻き上げ、未延伸糸とするが、このもののデニールは長さ9000mあたり1850gで、フィラメントカウントが30(すなわち、「1850/30Y」)であった。
【0040】
【糸の延伸−巻縮】
得られた1850/30Y未延伸糸の4端を、機械的延伸巻縮機で、延伸比3.6で共巻縮させると、2400/120Yの嵩高連続フィラメント(BCF)糸が得られた。
【0041】
【カーペットのタフト化】
BCF糸をタフト化して、1/10thゲージ、3/16インチ(4.76mm)パイル高さレベルのループカーペット構造とし、ラテックスバッキングで裏打ちをすると、糸面重量が約20オンス(567g)となった。本発明の検討を行う開発段階の過程において、バッキングを変えると、カーペットの表糸の性質、すなわち摩耗性や染み抵抗性などが変化することが見出された。以下の実施例においては、すべて同一のラテックスバッキングを用いている。このラテックスは、エックスエル社「XL Corp.」、ジョージア州・カルフーン)製のSTIX320(登録商標)カスタム・ラグ・ラミネーティング・アドヘーシブ(Custom Rug Laminating Adhesive)である。
【0042】
【実施例1〜4(比較例)】
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンからのナイロン塩を重合させ、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを加えたスルホネート化ポリアミド6,6樹脂を溶融紡糸、延伸および巻縮させたが、この樹脂では、イオウ含量が2300ppm、RV=2.7で、米国特許第5,108,684号に記載されているものに類似しており、水分含量は650ppmであった。各種の顔料を含む配合済みの顔料コンセントレートを溶融紡糸段階で添加し、糸をベージュ色(淡い小麦色)に着色した。銅/ヨウ化物系の安定剤も添加した。糸に対して油分が0.3%になるよう、ゴウルストン・テクノロジーズ社(「Goulstone Technologies」、ノースカロライナ州・モンロー)製のルロール(Lurol)NF6239紡糸仕上げ剤を糸に塗布し、合わせて、3M社(ミネソタ州・セントポール)製のフッ素化汚れ防止剤のスコッチガード(Scotchguard)FC−248を各種のレベルで加えた。紡糸仕上げ剤のレベルは、フーリエ変換赤外(FTIR)法により定量した。糸に付着したフッ素量は燃焼法により定量した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表1に示した。
【0043】
【実施例5】
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンからのナイロン塩を重合させて、RV=3.2、AEG量が106gあたり27当量、水分含量が500ppm未満としたポリアミド6,6樹脂と、水分含量が170ppmになるまで乾燥させた5−スルホイソフタル酸のリチウム塩の10重量%とを、溶融コンパウンディングした。この溶融コンパウンディングは、40mmの同方向回転の2軸スクリュー押出機中で実施したが、この押出機の長さ対直径比は24:1であり、22インチHg(558.8mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。この押出しプロセスで得られたコンセントレートのストランドは極端に脆く、ペレタイズ化するのは困難であった。このポリアミドベースのコンセントレートのRVは2.0であった。このポリアミドベースのコンセントレートが20重量%となるよう、このコンセントレートを製造するのに用いた同じポリアミド樹脂原料に添加し、それを溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.0であった。
【0044】
実施例6(スルホネート化をしないポリアミドが染み抵抗性で劣ることを示すための比較例)
実施例5で用いたのと同じポリアミド6,6を溶融紡糸、延伸、巻縮させたが、いかなる形でもイオウを全く加えなかった。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.0であった。
【0045】
実施例7(スルホネートコポリアミドにPETを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
IV=0.67で水分含量が50ppm未満になるまで予備乾燥させたPETを10重量%、実施例1〜4のスルホン化ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。銅/ヨウ化物系安定剤を含む、配合済みのオフホワイト顔料コンセントレート(シーリングホワイト「Ceiling White」)も、紡糸工程の間に添加した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。予想外に改善されたような汚れ抵抗性は全く認められなかった。
【0046】
実施例8(スルホネートコポリアミドにPBTを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
水分含量が80ppmになるまで予備乾燥させたPBTを10重量%、実施例1〜4の予備乾燥させたスルホン化コポリアミド樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7で用いたのと同じ、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。
【0047】
実施例9(スルホネート化しないポリアミドにPETを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
実施例7のPETを10重量%、実施例5の予備乾燥させた(スルホネート化していない)ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.5であった。
【0048】
実施例10(スルホネート化しないポリアミドにPBTを添加しても、驚くような、あるいは予想外の結果は得られない、ということを示すための比較例)
実施例8のPBTを10重量%、実施例5の予備乾燥させた(スルホネート化していない)ポリアミド6,6樹脂に添加し、溶融紡糸、延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み試験にかけた。この表糸の染み評価点は4.5であった。
【0049】
【実施例11〜14】
キャリヤー樹脂としてPET、PBT、PTTおよびPETGを用いて、4種類のコンセントレートを調製した。これら4種類のコンセントレートそれぞれを、以下の方法にしたがって製造し、繊維形成性ポリアミド樹脂中で評価した。水分含量を1000ppm未満としたポリエステルおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム(重量基準で50:50)を、30mmの二軸スクリュー押出機中で溶融コンパウンディングしたが、この押出機の長さ対直径比は約30:1であり、15〜20インチHg(381〜508mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。押出機によって連続ストランドが形成されるが、このものは容易にペレタイズ化することができた。こうして得られたコンセントレートを乾燥させて、水分含量を100ppm未満としたが、ただし、PETGキャリヤー樹脂を用いたコンセントレートだけは、水分含量450ppmに乾燥させた。コンセントレートを溶融紡糸工程の間に、実施例5の(スルホネート化しない)ポリアミド6,6樹脂に添加した。実施例7と同じ銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートも、この紡糸工程の間に添加した。得られた未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。実施例11の糸は、PETGキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例12の糸は、PBTキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例13の糸は、PTTキャリヤー樹脂を使用して調製した。実施例14の糸は、PETキャリヤー樹脂を使用して調製した。結果を表2に示した。
【0050】
実施例11〜14で得られた糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。これら4つの実施例では残分は認められなかった。
【0051】
【実施例15(さらなる比較例)】
実施例1のスルホネート化ポリアミド6,6樹脂を、実施例10〜13と同様の、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートと共に溶融紡糸し、未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.35%になるように、この糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。この糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。この実施例では残分は認められなかった。
【0052】
【実施例16(さらなる比較例)】
実施例5のスルホネート化していないポリアミド6,6樹脂を、実施例7と同様の、銅/ヨウ化物系安定剤を含むシーリングホワイト顔料コンセントレートと共に溶融紡糸し、未延伸糸を延伸、巻縮させた。0.13%のスコッチガードFC−248を含めて、ルロールNF−6239紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.3%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト化してカーペットとし、レッド40染み、汚れ、摩耗、窒素酸化物に対する染色堅牢度、加速UV耐候性についての試験にかけた。結果を表2に示した。この糸を、先に述べた反応剤抽出試験にかけた。この実施例では残分は認められなかった。
【0053】
【実施例17】
IV=0.80のPBTおよび5−スルホイソフタル酸ナトリウム(重量基準で50:50)を含むコンセントレートを、長さ対直径の比が約34:1の、40mm全かみ合い型二軸スクリュー押出機を用いて溶融コンパウンディングした。このPBTは乾燥させて水分含量を500ppm未満としたものであるのに対し、5−スルホイソフタル酸ナトリウムは乾燥させて、その水分含量を1500ppmから2000ppmの間としたものであった。PBTと5−スルホイソフタル酸ナトリウムは別々に、重量計量供給装置を用いて押出機に供給した。このバレルでは、21インチHg(533.4mmHg)の真空を使用してガス抜きをした。押出機のバレル中におけるコンパウンディング混合物の平均滞留時間は約90秒であった。スクリューの回転速度を250rpmに設定したところ、押出機からの吐出量は約125ポンド/時間(56.7kg/時間)となった。押出機バレルの長手方向を6つの加熱ゾーンに分けてあるこの押出機での温度分布は、210℃/230℃/250℃/250℃/250℃/250℃に設定した。押出機をこれらの条件で運転すると、押出機バレルの先端での溶融物の温度は252℃となった。ダイから押し出される溶融ストランドを水浴中で冷却・固化させてから、ストランドペレタイザーを用いてペレット化した。
【0054】
得られたコンセントレートのペレットを粉砕して微粉末とし、ソックスレータイプの装置を使用してメタノールで16時間抽出した。ロータリーエバポレーターを使用して乾燥させてメタノールを蒸発させて、抽出可能成分を分離した。抽出された物質は白色粉末であった。この白色粉末の49.6重量%は、コンセントレートからの抽出物であった。この抽出物のFTIRスペクトルは、原料に用いた5−スルホイソフタル酸ナトリウムのスペクトルに近いものであった。
【0055】
このコンセントレートを水分含量が100〜150ppmになるまで乾燥させ、次いで実施例11〜14に記載したと同様に、他の添加物とともにポリアミド6,6樹脂に添加し紡糸および巻縮加工をしたが、ただし、NF−6239/FC−248による仕上げに代えて、0.13重量%のスコッチガードFC−354を含めて、ゴウルストン社のルロールNF−7063紡糸仕上げ剤が糸の上でオイル分0.35%になるように、糸に塗布した。この糸をタフト法によりカーペットとしてから評価した。このカーペットの評価結果を表2に示した。
【0056】
【実施例18】
リルサン・アエスノ(Rilsan AESNO)TLという商品名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)から販売されているポリアミド12樹脂を、33重量%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムと溶融コンパウンディングしたが、それには真空脱気孔付きの43mm二軸スクリュー押出機を使用し、溶融温度は197℃とし、26.5インチHg(673mmHg)で真空脱気した。樹脂および塩のいずれも、水分含量が200ppm未満になるまで乾燥させてから、コンパウンディングした。得られたコンセントレートを水分含量400ppm未満になるまで乾燥させてから、実施例5で使用したのと同じ乾燥ポリアミド6,6樹脂と、重量で9/94の比でブレンドした。このブレンド物を、断面が円形の136穴の紡糸口金を使用して溶融紡糸して、全フィラメント束が4600デニールのものを得た。紡糸しただけの糸を、延伸比3.6で熱延伸した。この延伸糸は靱性が3.5g/デニール、破断時伸びが20%であった。この糸1gを、先に「レッド40染み試験」のところで記載したのと同様に調製したレッド40色素溶液50mlに1時間浸漬した。この糸を次いで、約115°F(46℃)に温めた水道水で1分間すすぎ洗いした。糸を放置乾燥させてから、染みの程度をAATCC赤色40号染みスケールを使用して評価した。染みをつけた糸の染み評価点は8.5であった。
【0057】
得られたコンセントレートのペレットを粉砕して微粉末とし、ソックスレータイプの装置を使用してメタノールで16時間抽出した。ロータリーエバポレーターを使用して乾燥させてメタノールを蒸発させて、抽出可能成分を分離した。抽出された物質は白色粉末であった。この白色粉末の32.8重量%は、コンセントレートからの抽出物であった。この抽出物のFTIRスペクトルは、原料に用いた5−スルホイソフタル酸ナトリウムのスペクトルに近いものであった。
【0058】
【実施例19】
プラタミド(Platamid)H30の商品名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)から販売されているポリアミド6/6,6/6,12のターポリマーを、乾燥空気雰囲気中で、乾燥器設定温度91℃で15時間乾燥させた。この樹脂を25重量%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムと溶融コンパウンディングしたが、それには真空脱気付きの二軸スクリュー押出機を使用し、溶融温度は195℃とし、26.5インチHg(673mmHg)で真空脱気した。この塩は、水分含量を400ppm未満としてから、コンパウンディングした。こうして得られたコンセントレートを400ppm未満にまで乾燥させてから、実施例18と同じポリアミド6,6樹脂と共に溶融紡糸および延伸した。この延伸糸は靱性が3.8g/デニール、破断時伸びが26%であった。この延伸糸を実施例18と同様に、レッド40色素で染みを付けた。その染み評価点は9.0であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
Claims (30)
- 酸性色素による染み抵抗性および汚れ抵抗性を有する繊維形成性ポリアミド組成物であって、
(a)繊維形成性ポリアミド、および、
(b)熱可塑性キャリヤー樹脂およびスルホネート化反応剤を溶融コンパウンディングによりブレンドしたコンセントレートを含むが、ここで、スルホネート化反応剤の少なくとも一部が前記繊維形成性ポリアミド中の遊離の酸性色素受容体サイトと会合することにより、前記組成物から形成される繊維中の前記酸性色素受容体サイトが酸性色素の染みを取り込むことを不能としていることを特徴とする組成物。 - 前記反応剤が実質的に無色であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記スルホネート化反応剤に、スルホネート化芳香族化合物およびそれらの混合物からなる群より選択される反応剤が含まれることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記スルホネート化芳香族化合物がスルホイソフタル酸の誘導体であることを特徴とする請求項3記載の組成物。
- 前記スルホイソフタル酸の誘導体がスルホイソフタル酸の金属塩であることを特徴とする請求項4記載の組成物。
- 前記5−スルホイソフタル酸の金属塩が、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選択される金属を含む金属塩であることを特徴とする請求項5記載の組成物。
- 前記金属塩が5−スルホイソフタル酸のリチウム塩を含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
- 前記金属塩が5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩を含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。
- 前記スルホネート化芳香族化合物が、3−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸のナトリウム塩、および3−スルホ安息香酸のリチウム塩からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の組成物。
- 前記繊維形成性ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6とポリアミド6,6とからのコポリマー、ポリアミド6,12、ポリアミド6,9、ポリアミド11、ポリアミド12、およびこれらの混合物からなる群より選択されるポリアミドを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記繊維形成性ポリアミドの相対溶液粘度が約2.0から約4.0の間であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記繊維形成性ポリアミドのアミン末端基含量が、106gあたり約50当量未満であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記繊維形成性ポリアミドのアミン末端基含量が、106gあたり約30当量未満であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記熱可塑性キャリヤー樹脂が縮合系ポリマーを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記熱可塑性キャリヤー樹脂が、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)とシクロヘキサンジメタノールとからのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート−コ−イソフタレート)、およびこれらの混合物からなる群より選択されるポリエステルを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記熱可塑性キャリヤー樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6とポリアミド6,6とからのコポリマー、ポリアミド6,12、ポリアミド6と6,6と6,12とからのターポリマー、ポリアミド6,9、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシリレンアジパミド)、およびこれらの混合物からなる群より選択されるポリアミドを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 補助剤をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記補助剤が、抗酸化剤、安定剤、着色剤、加工助剤、核化剤、殺菌剤、静電防止添加物、抗オゾン剤、滑剤、染み防止剤、汚れ防止剤、溶融粘度向上剤、難燃剤、およびそれらの混合物からなる群より選択される補助剤を含むことを特徴とする請求項17記載の組成物。
- 前記コンセントレートに前記スルホネート化反応剤を約10から約65重量%までの量で含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記組成物がイオウを約1000ppmから約3000ppmの間の量で含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 請求項1記載の組成物から形成されることを特徴とする繊維。
- 請求項21記載の繊維を含むことを特徴とするカーペットまたは床敷物。
- 請求項21記載の繊維を含むことを特徴とする織物物品。
- 請求項1記載の組成物の染み抵抗性で汚れ抵抗性のポリアミド糸を製造する方法であって、
(a)スルホネート化反応剤を熱可塑性キャリヤー樹脂と共に溶融コンパウンディングしてコンセントレートを形成させる工程;
(b)前記コンセントレートを繊維形成性ポリアミドに加えて、繊維形成性ポリアミド組成物を形成させる工程;
(c)前記繊維形成性ポリアミド組成物を溶融押出紡糸して、糸を形成させる工程;および、
(d)前記糸を延伸させる工程、とを含むことを特徴とする製造方法。 - 前記糸を巻縮加工して、嵩高連続フィラメント糸(BCF糸)を製造する工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
- 前記スルホネート化反応剤を、前記繊維形成性ポリアミドの酸性色素受容体サイトに会合させ、それによって、前記サイトが酸性色素の染みと相互作用または反応する能力を実質的に抑制する工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
- 溶融押出し紡糸に先だって、前記コンセントレートの水分含量を約700ppm未満としておく工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
- 溶融押出し紡糸に先だって、前記コンセントレートの水分含量を約200ppm未満としておく工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
- 溶融押出し紡糸に先だって、前記繊維形成性ポリアミドの水分含量を約1500ppm未満としておく工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
- 溶融押出し紡糸に先だって、前記繊維形成性ポリアミドの水分含量を約1000ppm未満としておく工程をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
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