JP2004506645A - ステロイド由来抗生物質 - Google Patents

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Abstract

一連の新規ステロイド誘導体について説明する。ステロイド誘導体は抗菌剤である。ステロイド誘導体はまた、エリスロマイシンおよびノボビオシンを含む他の抗生物質に対して細菌を感作するように作用する。

Description

【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、1998年3月6日付けで出願されたPCT/US 98/04489の一部継続出願である、1999年1月19日付けで出願された米国特許出願第09/234,008号の一部継続出願であり、これらはその全文が参照として本明細書に組み入れられる。
【0002】
政府の権利宣言
本発明は国立衛生研究所の支援によりなされたものである(GM54619)。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0003】
発明の背景
本発明は、新規ステロイド誘導体、ならびにこれら化合物を調製するための過程および中間体に関する。
【0004】
グラム陰性菌の外膜に強く会合する幾つかの化合物は、外膜を破壊して、透過性を増加させることが知られている。透過性の増加は、グラム陰性菌の他の抗生物質に対する感受性を増加させうる。このタイプの化合物で最も研究が進んでいるのがポリミキシン抗生物質である。グラム陰性菌の外膜の主要な構成成分(リピドA)に対するポリミキシンBの結合を調べる試験の例は、D.C.モリソン&ヤコブス(D.C. Morrison and D. M. Jacobs)、「細菌のリポ多糖類の一部である脂質に対するポリミキシンBの結合(Binding of Polymixin B to The Lipid a Portion of Bacterial Lipopolysaccharides)」、Immunochemistry 1976、13巻、813〜819を参照のこと。グラム陰性菌に対するポリミキシン誘導体の結合を含む試験の例に関しては、M. バアラ&P. ビルヤネン(M. Vaara and P. Viljanen)、「グラム陰性菌に対するポリミキシンBノナペプチドの結合(Binding of Polymyxin B Nonapeptide to Gram−negative Bacteria)」、Antimicrobial Agents and Chemotherapy、1985、27巻、548〜554を参照のこと。
【0005】
グラム陰性菌の膜は、細菌細胞内の標的に対する抗生物質および宿主防御分子のアクセスを制限する半透過性の分子「ふるい」である。このように、外膜の透過性バリアと相互作用してそれを分解することができる陽イオンおよびポリ陽イオンは、抗生物質および宿主防御分子に対するグラム陰性病原菌の感受性を増加させることができる。ハンコック&ワン(Hancock and Wong)は、広範囲のペプチドが透過性バリアを透過することができることを証明し、それらを記述するために「透過剤」という名称を作り出した(ハンコック&ワン(Hancock and Wong)、Antimicrob. Agents Chemother. 26:48、1984)。
【0006】
発明の概要
本発明は式Iの化合物を特徴とする。
【化16】
Figure 2004506645
式中、
融合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;ならびに
〜R14のうち少なくとも2つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、例えばHを含む)であり、P.G.はアミノ保護基である;ならびに
、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である。
【0007】
本明細書において用いられる「縮合環」という用語は、好ましくは複素環、または炭素環となりうる。
【0008】
本明細書において用いる「飽和」という用語は、縮合環におけるそれぞれの原子がそれぞれの原子の原子価が満たされるように、水素であるか、または置換されている式Iの縮合環を指す。
【0009】
本明細書において用いられる「不飽和」という用語は、縮合環のそれぞれの原子の原子価が水素または他の置換基で満たされていない式Iの縮合環を指す。例えば、縮合環において隣接する炭素原子は、互いに二重結合することができる。不飽和はまた、以下の対の少なくとも1つを欠失すること、および環状炭素原子の原子価をこれらの欠失位で二重結合によって完全にすることを含むことができる;RとR;RとR10;およびR13とR14など。
【0010】
本明細書において用いられる「非置換」という用語は、それぞれの原子の原子価が満たされているようにそれぞれの原子が水素化されている部分を指す。
【0011】
本明細書において用いられる「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素のようなハロゲン原子を指す。
【0012】
アミノ酸側鎖の例には、H(グリシン)、メチル(アラニン)、−CH−(C=O)−NH(アスパラギン)、−CH−SH(システイン)、および−CH(OH)CH(トレオニン)が含まれるがこれらに限定しない。
【0013】
アルキル基は、置換または非置換であってもよい分岐または非分岐炭化水素である。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシルが含まれる。置換アルキル基は1、2、3またはそれ以上の置換基を有してもよく、それらは同じまたは異なっていてもよく、それぞれが水素原子を置換する。置換基はハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、保護されたアミノ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、シアノ、メチルスルホニルアミノ、アルコキシ、アシルオキシ、ニトロ、および低級ハロアルキルである。
【0014】
本明細書において用いられる「置換」という用語は、同じまたは異なっていてもよくそれぞれが水素原子を置換する、1、2、3個またはそれ以上の置換基を有する部分を指す。置換基の例には、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アミノ、保護されたアミノ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、シアノ、メチルスルホニルアミノ、アルコキシ、アルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシ、ニトロ、および低級ハロアルキルが含まれるがこれらに限定しない。
【0015】
アリール基は、環が炭素原子(例えば、C6−14、C6−10アリール基)で構成される、C6−20芳香環である。ハロアルキルの例には、フルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、および2,2−ジブロモエチルが含まれる。
【0016】
アラルキル基は、少なくとも一つのアリール環、およびその環に結合した少なくとも一つのアルキルまたはアルキレン鎖を有する、6〜20個の炭素原子を含む基である。アラルキル基の一例は、ベンジル基である。
【0017】
結合基はもう一つのステロイド、例えば式Iの第二の化合物と式の化合物とを結合させるために用いられる二価部分である。結合基の例は(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキルである。
【0018】
数多くのアミノ保護基が当技術分野で周知である。一般的に、保護基の種類は、それが化合物のその他の位置で何らかのその後の反応条件に対して安定であって、分子の残りに対して有害な影響を及ぼすことなく適当な時点で取り除くことができる限り、重要ではない。さらに、保護基は、実質的な合成的変換が終了した後に別の基に置換してもよい。明らかに、ある化合物が、開示の化合物の1つまたはそれ以上の保護基が異なる保護基に置換されている、という点に限って開示の化合物と異なる場合、その化合物は本発明に含まれる。さらなる実施例および条件は、T. W. グリーン(T. W. Greene)、「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、(第1版、1981、第二版1991)に示される。
【0019】
本発明はまた、R〜R14の少なくとも2つが、独立して置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシからなる群より選択される場合、式Iの化合物を合成する方法を含む。本方法は、式IVの化合物を接触させる段階を含む:
【化17】
Figure 2004506645
式中、R〜R14の少なくとも2つはヒドロキシルであり、縮合環A、B、C、およびD上の残りの部分は式Iに定義し、求電子剤は式IVのアルキルエーテル化合物を生じ、式中R〜R14の少なくとも2つは(C1−C10)アルキルオキシである。アルキルエーテル化合物は、R〜R14の少なくとも2つが独立して(C1−C10)アジドアルキルオキシおよび(C1−C10)シアノアルキルオキシからなる群より選択されるアミノ前駆化合物に変換され、アミノ前駆化合物が還元されて式Iの化合物を形成する。
【0020】
本方法において用いた求電子剤には、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、2−ヨードアセトアミド、2−クロロアセトアミド、N−(2−ブロモエチル)フタルイミド、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド、およびアリルブロミドが含まれるがこれらに限定しない。好ましい求電子剤はアリルブロミドである。
【0021】
本発明はまた、R〜R14の少なくとも2つが(C1−C10)グアニドアルキルオキシである、式Iの化合物を製造する方法を含む。本方法は、R〜R14の少なくとも2つがヒドロキシルである、式IVの化合物を、求電子剤に接触させて、R〜R14の少なくとも2つが(C1−C10)アルキルオキシである式IVのアルキルエーテル化合物を生じることを含む。アリルエーテル化合物は、R〜R14の少なくとも2つが(C1−C10)アジドアルキルオキシおよび(C1−C10)シアノアルキルオキシからなる群より独立して選択される、アミノ前駆化合物に変換される。アミノ前駆化合物は還元されて、R〜R14の少なくとも2つが(C1−C10)アミノアルキルオキシである、アミノアルキルエーテル化合物を生じる。アミノアルキルエーテル化合物をグアニジノ生成求電子剤と接触させると、式Iの化合物を生成する。
【0022】
本明細書において用いられる「グアニジノ生成求電子剤」という用語は、式Iのグアニジノ化合物を生成するために用いられる求電子剤を指す。グアニジノ生成求電子剤の例はHSO−C(NH)−NHである。
【0023】
本発明はまた、R〜R14の少なくとも2つがH2N−HC(Q5)−C(O)−O−であり、Q5が任意のアミノ酸の側鎖である式Iの化合物を製造する方法を含む。方法は、R〜R14の少なくとも2つがヒドロキシルである式IVの化合物を、保護されたアミノ酸と接触させて、R〜R14の少なくとも2つがP. G. −HN−HC(Q5)−C(O)−O− であり、Q5が任意のアミノ酸の側鎖であり、P. G. がアミノ保護基である、式IVの保護されたアミノ酸化合物を生じる段階を含む。保護されたアミノ酸化合物の保護基が外れると、式Iの化合物を生じる。
【0024】
本発明はまた、抗菌剤、他の抗生物質に対する細菌の感作剤および細菌膜の破壊剤として有用な重要な薬学的組成物を含む。薬学的組成物は細菌感染症を有するヒトおよび動物を治療するために用いることができる。薬学的組成物はステロイド誘導体の有効量を単独または他の抗菌剤と組み合わせて含むことができる。
【0025】
本発明はさらに、(a)5β−コラン酸3,7,12−トリオンメチルエステルを塩酸ヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウムと接触させて、トリオキシム(B)を形成し:
【化18】
Figure 2004506645
および
(b)トリオキシム(B)をNaBHおよびTiClと接触させて化合物(A)を製造することにより、化合物(A)を製造する方法を含む:
【化19】
Figure 2004506645
【0026】
本発明はまた、少なくとも4つの縮合環の環系を有し、この各環が5〜7原子を有する化合物を含む。環系は二つの面を持ち、同じ面に結合した三つの鎖を含む。各鎖は少なくとも一つの原子によって環系から分離された含窒素基を含み、この含窒素基は、例えば一級アミノ基またはグアニジノ基などの、アミノ基である。好ましくは、化合物は、ステロイド骨格に結合した、置換(C3−10)アミノアルキル基、(C1−10)アルキルオキシ(C3−10)アルキル基、または(C1−10)アルキルアミノ(C3−10)アルキル基などの疎水基を有する。
【0027】
例えば、化合物は式Vを有し、式中、含窒素基を含む三つの鎖はそれぞれ独立に、下に定義するR1〜R4、R6、R7、R11、R12、R15、R16、R17、およびR18から選択される。
【化20】
Figure 2004506645
式中、
環A、B、CおよびDが環系を形成し、A、B、CおよびDのうち少なくとも2つが飽和であるという条件で、融合環A、B、CおよびDはそれぞれ独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;
m、n、pおよびqはそれぞれ独立して0または1である;
〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、R17、およびR18のうち少なくとも3つが環系の同じ面に配置され、独立して置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、R17、およびR18はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;ならびに
、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である。好ましくは、m、n、pおよびqのうち少なくとも2つ、または少なくとも3つは1である。
【0028】
特定の理論に束縛されるわけではないが、本明細書に記載のステロイド誘導体は、細菌細胞の外膜に結合することによって、静菌剤および殺菌剤として作用する。ステロイド誘導体と細菌膜の相互作用によって細胞膜の整合性は破壊され、その結果細菌細胞の死が起こる。さらに、本発明の化合物はまた、その他の抗生物質に対して細菌を感作するように作用する。対応する最小静菌濃度以下のステロイド誘導体の濃度では、誘導体は、細菌外膜の透過性を増加させることによって他の抗生物質に対して細菌をより感受性にする。細菌に及ぼすステロイド誘導体の作用を定量するために用いられる測定には:最小生育阻止濃度(MIC)の測定、最小殺菌濃度(MBC)の測定、およびステロイド誘導体が他の抗生物質、例えば、エリスロマイシンおよびノボビオシンのMICを引き下げる能力が含まれる。
【0029】
当業者は、本明細書に記述の化合物が、ステロイドにおいて認められる特定の立体化学および電子的特徴を保持していることを理解すると思われる。本明細書において用いられる「同一の立体配置」という用語は、同じ立体化学的方向性を有する縮合ステロイド上の置換基を指す。例えば、置換基R、R、およびR12は全てβ置換またはα置換されている。C、C、およびC12で置換した部分R、R、およびR13の立体配置は細胞膜との相互作用にとって重要となる可能性がある。
【0030】
もう一つの局面において、本発明は上記化合物を用いた幾つかの方法を特徴とする。例えば、微生物感染症を治療するために、そのような化合物を含む抗菌組成物の有効量を宿主(ヒト宿主を含む)に投与する。化合物そのものが抗微生物作用を提供してもよく、その場合、投与される化合物の量は抗微生物作用を示すために十分である。または、微生物細胞に輸送すべきさらなる抗微生物性物質(例えば抗生物質)を抗微生物性組成物に含める。標的細胞への輸送を容易にすることによって、化合物はさらなる抗微生物性物質の有効性を増強することができる。場合によっては、増強は実質的であってもよい。特に重要な標的微生物は、細菌(例えば、グラム陰性細菌全般または外膜において実質的な量(>40%)のリピドAまたはリピドA様物質を有する細菌)である。真菌、ウイルス、および酵母を含む他の微生物もまた、標的生物であってよい。
【0031】
本化合物はまた、細胞、特に上記の細菌細胞に異なる多くの種類の物質を導入するために細胞の透過性を増強させるという他の意味において投与することができる。抗微生物性物質を導入することのほかに、本発明は巨大分子(例えば、ベクターを持たないDNA)のような他の物質を導入するために用いてもよい。
【0032】
本発明はまた、上記化合物の1つを含む抗微生物性組成物(例えば、消毒剤、抗敗血症剤、抗生物質等)を製造するために用いることができる。これらの組成物は、医薬品に限定されず、それらは微生物(特に細菌)の増殖を制御するために局所的に、または非治療的な意味において用いてもよい。例えば、それらは、接触時に微生物を殺すまたは制御する応用において用いてもよい。
【0033】
さらにもう一つの局面において、本発明は一般的に、候補化合物および本発明の化合物を投与することによって微生物に対して有効な化合物を同定し、候補化合物が微生物に対して静菌的または毒性作用(例えば抗敗血症、殺菌作用、消毒作用、または抗生物質作用)を有するか否かを決定する方法を特徴とする。この場合も、上記のような細菌が好ましい。本発明の局面によって、幾つかの意味において抗微生物作用を有することが知られているが、上記の細菌のような微生物の特定のクラスに対して何らかの作用を有することが示されていない、極めて広い範囲の候補抗微生物剤を有用に試験することが可能となる。下記に詳細に記述するように、本発明のこの局面により、現在、グラム陰性菌またはリピドA様含有細菌に対して無効であると考えられてきた広範囲の抗生物質の試験が可能となる。
【0034】
さらにもう一つの局面において、本発明は、先により詳細に記述した抗菌物質のような、細胞に導入すべき物質と上記化合物の一つとを組合わせて含む組成物を特徴とする。化合物およびさらなる物質を薬学的に許容される担体と混合してもよい。
【0035】
本発明のその他の特徴または利点は、幾つかの態様に関する以下の詳細な説明、ならびに添付の特許請求の範囲から明らかとなると思われる。
【0036】
本発明は、本明細書に記述の合成経路によって作製することができるステロイド誘導体、および本明細書に開示の化合物を含む薬学的組成物の有効量を被験者に投与することによって細菌感染症によって媒介される疾患を有する被験者を治療する方法を含む。
【0037】
詳細な説明
一般的に、本発明は、上記の式Iの化合物を提供する。式Iの化合物の調製方法ならびにMICおよびMBCについて記述する。細胞膜透過性もまた、測定して記述する。下記に示すように本発明において有用な化合物は、静菌、殺菌、および細菌感作特性を示す新規ステロイド誘導体を含む。当業者は、本発明が添付の特許請求の範囲に記載の式に含まれ、記載の特徴を有するその他の化合物にも及ぶことを理解すると思われる。これらの特徴は、下記の、および文献に記載されているアッセイ法を用いてそれぞれの試験化合物に関して決定することができる。
【0038】
本発明に従って用いられる既知の化合物および本発明の新規化合物の前駆体は例えば、シグマケミカル社、セントルイス;アルドリッチ社、ミルウォーキー;ステロイズ&リサーチプラス社から購入することができる。本発明のその他の化合物は、一般に入手可能な前駆体を用いて既知の方法および下記の方法に従って合成することができる。
【0039】
本発明の化合物は、ステロイド骨格に共有結合したアミンまたはグアニジン基を有する化合物、例えばコール酸を含むがこれらに限定されない。他の環系、例えば5員縮合環も用いることができる。5員環と6員環とを組合せた骨格を有する化合物もまた本発明に含まれる。アミンまたはグアニジン基は、少なくとも原子1個により骨格から離れており、好ましくは少なくとも原子2個、3個、または4個により離れている。骨格は、ステロイドのある面、すなわち平面にアミンまたはグアニジン基を方向づけるために用いることができる。例えば、骨格のある面、すなわち平面に一級アミノ基を有する化合物を示す略図を下記に示す。
Figure 2004506645
【0040】
化合物の生物活性は、それによって所定の期間吸光度(OD)に変化が認められない最低濃度がMICとして記録される、本実施例に記載の「最小生育阻止濃度(MIC)」アッセイ法のような、当業者に既知の標準的な方法によって決定することができる。化合物単体を、化合物を欠損する対照に対して試験すると、化合物単体での抗微生物作用が決定される。
【0041】
または「分画阻止濃度(FIC)」はまた、本発明の化合物間または化合物を既知の抗生物質と組み合わせた場合の相乗作用を決定するためにも有用である。FICはマイクロタイタープレートの一つの次元において化合物のチェッカーボード力価測定を行い、もう一つの次元において抗生物質のチェッカーボード力価測定を行うことによって決定することができる。FICは、もう一方のMICに及ぼす一つの抗生物質の影響およびその逆を調べることによって計算される。FICが1であれば化合物の影響が付加的であることを示し、そしてFICが1未満であれば相乗作用を示す。好ましくは、相乗作用について0.5未満のFICが得られる。本明細書において用いられるように、FICは以下のように決定することができる:
【式1】
Figure 2004506645
【0042】
本法によって、化合物の他の化合物との相乗作用を決定することができる。例えば、一般的に安全な用量で特定の細菌に対して十分に有効ではない物質は、本発明の化合物によってより有効にすることができ、このように物質を新規部類の感染症に対して用いることができるようにする。特に、既存の多くの抗生物質は幾つかのグラム陽性細菌に対して有効であるが、現在グラム陰性細菌感染症の治療には適応されていない。幾つかの場合において、抗生物質は、それが細胞に入ることができないために、グラム陰性菌に対して無効となる可能性がある。本発明の化合物は、抗生物質がグラム陰性菌に対して有効となるように透過性を増加させる可能性がある。
【0043】
さらに、分画阻止濃度はまた、本発明の化合物と未知の抗菌活性を有する他の化合物と併用して、またはその他の化合物、例えば試験して抗菌活性を示す化合物と併用した場合の相乗作用を決定するために有用である。例えば、本発明の化合物は、抗細菌活性を欠損する化合物を菌に対して有効にするために透過性を増加させる可能性がある。FICはまた、本発明の透過性増強化合物によって細胞に導入される、これまで認識されていない物質の他のタイプの活性について調べるために用いることができる。
【0044】
特定の理論に束縛されるわけではなく、そのような理論は本発明の実践に必須ではないが、一つの作用機構は、生理的条件下で陽性荷電である、例えばグアニジノまたはアミノ部分である、多数(通常3つ)の部分のリピドA相互作用である。これらの部分は分子の残りの一般的平面から離れて伸び、このようにポリミキシン構造の特定の局面を模倣する。この点において、本発明の化合物は、一般的にポリミキシンが有用であるように有用となる。例えば、ポリミキシンB(PMB)およびポリミキシンBノナペプチド(PMBN)は、細菌の膜を透過化するために有用である。その上、全身投与に関しては、当業者は、微生物の透過性を増強する用量で毒性を示さない化合物を選択することができる、適当な毒性スクリーニングを理解すると思われる。
【0045】
記載のように、本発明はまた、その中で化合物が治療すべき表面と接触する、局所のみならず非治療的(抗敗血症、殺菌または消毒)施用も含む。「接触する」という用語は、好ましくは、化合物が細菌を有効に阻害、殺菌する、または溶解することができるように、エンドトキシン(LPS)を結合することができるように、またはグラム陰性細菌外膜を透過性にすることができるように、細菌を化合物に暴露することを指す。接触は、化合物に対する細菌の感受性を試験するために、例えば化合物を培養細菌に加えることによってインビトロで行ってもよい。接触はまた、インビボ、例えば敗血症ショックのような細菌障害を有する被験者に化合物を投与することであってもよい。「阻害」または「有効量を阻害する」とは、静菌または殺菌作用を生じるために必要な化合物の量を指す。阻害される可能性がある細菌の例には、大腸菌、緑膿菌(P. aeruginosa)、エンテロバクター・クロアカエ(E. cloacae)、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、ヒト結核菌(M. Tuberculosis)、および黄色ブドウ球菌(S. aureus)が含まれる。加えて、本発明の化合物は、微生物の抗生物質抵抗性株を阻害するために使用され得る。
【0046】
細菌の増殖を阻害する方法は、併用または相乗的療法のために抗生物質の添加をさらに含んでもよい。投与される適当な抗生物質は典型的に、細菌がグラム陰性またはグラム陽性であるか否かのような、細菌の感受性に依存し、当業者によって容易に識別されると思われる。本発明の化合物(上記のように)との相乗的療法に関して試験される抗生物質の特定のクラスの例には、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシン)、ペニシリン(例えば、ピペラシリン)、セファロスポリン(例えば、セフタジジム)、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン)、カルバペネム(例えば、イミペネム)、テトラサイクリンおよびマクロライド(例えば、エリスロマイシンおよびクラリスロマイシン)が含まれる。細菌の増殖を阻害する方法はさらに、併用または相乗的療法のために抗生物質を加えることを含んでもよい。投与される適当な抗生物質は、典型的に細菌がグラム陰性であるかまたはグラム陽性であるか否かのような、細菌の感受性に依存し、当業者によって容易に識別されると思われる。上記の抗生物質のほかに、典型的な抗生物質には、例えば、アミノグリコシド系(アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネチルミシン、トブラマイシン、ストレプトマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシン・エストレート/エチルスクシネート、グルセプテート/ラクトバイオネート/ステアレート)、ペニシリン類のようなβ−ラクタム系(例えば、ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、チカルシリン、カルベニシリン、メズロシリン、アズロシリン、およびピペラシリン)、またはセファロスポリン系(例えば、セファロチン、セファゾリン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフロキシム、セフォニシド、セフメタゾール、セフォテタン、セフプロジル、ロラカルベフ、セフェタメット、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフタジジム、セフェピム、セフィキシム、セフポドキシム、およびセフスロジン)が含まれる。抗生物質のその他のクラスには、例えば、カルバペネム系(例えば、イミペネム)、モノバクタム系(例えば、アズトレオナム)、キノロン系(例えば、フレロキサシン、ナリジクス酸、ノフルロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン、およびシノキサシン)、テトラサイクリン系(例えば、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン)、およびグリコペプチド系(例えば、バンコマイシン、テイコプラニン)が含まれる。その他の抗生物質には、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ニトロフラントイン、リファンピン、およびムピロシン、ならびにPMBのようなポリミキシン類が含まれる。
【0047】
投与
化合物は、ヒトまたはヒト以外の動物を含む任意の宿主に、細菌の増殖のみならず、ウイルスまたは真菌の増殖を阻害する有効量を投与してもよい。これらの化合物は、抗微生物剤、抗ウイルス剤、および抗真菌剤として有用である。化合物は、ヒトまたはヒト以外の動物を含む任意の宿主に、細菌の増殖のみならず、ウイルスまたは真菌の増殖を阻害する有効量を投与してもよい。これらの化合物は、抗微生物剤、抗ウイルス剤、および抗真菌剤として有用である。
【0048】
本発明の化合物は、注射または時間をかけた持続的注入によって非経口的に投与することができる。化合物は局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、または経皮的に投与することができる。化合物の好ましい輸送法には、ミクロスフェアへまたはプロテノイドの封入による経口投与、肺へのエアロゾル輸送、イオントフォレーシスまたは経皮的電気穿孔による経皮的投与が含まれる。その他の投与法は当業者に周知である。
【0049】
本発明の化合物の非経口投与の調製物には、滅菌の水性または非水性溶液、懸濁液、および乳液が含まれる。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、オレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが含まれる。水性担体には、生理食塩液および緩衝培地を含む、水、アルコール/水性溶液、乳液または懸濁液が含まれる。 非経口溶媒には塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース塩化ナトリウム、乳酸付加(lactated)リンゲル溶液、または固定油が含まれる。静脈内溶媒には、液体および栄養補助剤、電解質補助剤(リンゲルデキストロースに基づく溶液のような)等が含まれる。例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガス等のような保存剤およびその他の添加剤もまた、存在してもよい。
【0050】
本発明は、敗血症の症状を示す、または敗血症を発症するリスクを有する被験者に、本発明の化合物の治療的有効量を投与することを含む、エンドトキシン血症、敗血症ショック(敗血症)関連障害、または敗血症の1つまたは複数の症状を治療または緩和する方法を提供する。「緩和する」という用語は治療すべき障害の症状を減少させる、または軽減することを指す。緩和されるそのような症状には、発熱、血圧低下、好中球減少症、白血球減少症、血小板減少症、播種性血管内凝固症、成人呼吸窮迫症候群、ショックおよび多臓器不全のような、TNFの血中濃度の一過性の増加に関連した症状が含まれる。そのような治療を必要とする患者には、例えば、グラム陰性細菌感染症が原因で起こるエンドトキシン血症のような毒血症、ヘビ毒中毒、または肝不全のリスクを有する、またはそれらに罹患している患者が含まれる。さらに、グラム陽性細菌、ウイルスまたは真菌感染症を有する患者は、敗血症の症状を示す可能性があり、本明細書に記述の治療方法によって恩典が得られる可能性がある。本発明の方法によって特により恩典が得られる患者は、大腸菌、B型インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae B)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、連鎖球菌(staphylococci)、または肺炎球菌(pneumococci)による感染症に罹患している患者である。敗血症のリスクがある患者には、銃損傷、腎または肝不全、外傷、火傷、免疫無防備状態(HIV)、造血新生物、多発性骨髄腫、カストルマン病、または心粘液腫を有する患者が含まれる。
【0051】
さらに、化合物は持続的な放出を可能にする生体分解性のポリマーに組み入れてもよく、ポリマーを、輸送されることが望ましい場所の近傍、例えば細菌感染部位に埋め込んでもよい。生体分解性ポリマーおよびその使用は、ブレム(Brem)ら、J. Neurosurg. 74:441〜446(1991)に詳細に記述されている。
【0052】
上記のように、本発明は、細菌感染症を有する患者を治療するために式Iの化合物の有効量を有する薬学的製剤を提供する。本明細書において用いられるように、化合物の有効量は、患者に投与した場合に、細菌の増殖を阻害し、細菌細胞を殺菌する、その他の抗生物質に対して細菌を感作する、または治療した患者において完全に細菌感染症を消失させる、化合物の量として定義される。組成物の用量は、治療すべき疾患、用いる特定の誘導体、ならびに患者の体重および疾患、ならびに化合物の投与経路のようなその他の臨床的要因に依存すると考えられる。しかし、ヒトへの経口投与の場合、0.01〜100 mg/kg/日の用量、好ましくは0.01〜1 mg/kg/日で一般的に十分である。有効な用量はまた、当業者によって認識されるように、投与経路、賦形剤の使用、およびその他の抗菌剤を含む他の治療的治療の併用の可能性に応じて変化すると考えられる。
【0053】
例えば、本明細書においてエンドトキシン血症の治療のために用いられる「治療的有効量」という用語は、被験者のLPSに対する反応を減少させ、敗血症の症状を減少させるために十分な量である。したがって、「治療的有効」という用語は、TNFの血漿濃度の臨床的に有意な増加を予防する、好ましくは少なくとも50%減少させる、より好ましくは90%減少させるために十分な量を含む。化合物を投与する場合の用量範囲は、所望の作用を生じるために十分に大きい量である。一般的に用量は、年齢、状態、性別、および患者における細菌または上記のその他の物質による感染症の程度によって変化し、当業者によって決定されるであろう。用量は、何らかの禁忌があった場合には個々の医師が調節することができる。いずれの事象においても、治療の有効性は、患者におけるLPSとTNFのレベルをモニターすることによって決定することができる。LPSおよびTNFの血清濃度の減少は、患者の回復と相関するはずである。
【0054】
さらに、敗血症のリスクがある、またはその症状を示す患者は、化合物の治療的投与と、TNFの阻害剤、抗生物質、またはその双方を実質的に同時に投与することをさらに含む、上記の方法によって、治療することができる。例えば、抗TNF抗体および/またはTNF拮抗剤を使用することによって、直接または間接的に、敗血症におけるTNFの役割に介入すれば、敗血症の症状を予防または緩和することができる。特に好ましいのは、トラセイ(Tracey)ら(Nature 330:662、1987)によって記述されるように、TNF特異性を有するモノクローナル抗体のような抗TNF抗体を活性成分として使用することである。
【0055】
敗血症の症状を示す患者は、化合物による治療のほかに抗生物質で治療してもよい。典型的な抗生物質には、ゲンタマイシンのようなアミノグリコシド、またはペニシリンのようなβ−ラクタム、またはセファロスポリン、またはこれまで記載した抗生物質が含まれる。したがって、本発明の好ましい治療方法は、陽イオン化合物の治療的有効量を抗生物質の殺菌量の投与と実質的に同時に投与することを含む。好ましくは、化合物の投与は約48時間以内に起こり、好ましくは約2〜8時間以内、最も好ましくは抗生物質の投与と実質的に同時に起こる。
【0056】
本明細書において「殺菌量」という用語は、治療を受ける患者において殺細菌血中濃度に達するために十分な量を指す。ヒトに投与して一般に安全であると認識される抗生物質の殺菌量は、当技術分野で周知であり、当技術分野で既知であるように、特異的抗生物質および治療される細菌感染症のタイプに応じて変化する。
【0057】
化合物の抗生物質、抗菌剤、および抗ウイルス特性のために、それらはまた、微生物またはウイルス汚染を受けやすい材料の保存剤または滅菌剤として用いてもよい。本発明の化合物は、様々な特異的施用に対して向けられる広域スペクトルの抗菌剤として利用することができる。そのような施用は、サルモネラ(Salmonella)、エルシニア(Yersinia)、シゲラ(Shigella)を含む微生物に対して単体またはライソザイムのような抗菌食品添加物と併用して有効であると確認された場合に、加工食品における保存剤として;局所剤として(シュードモナス(Pseudomonas)、連鎖球菌(Streptococcus))および異臭生成微生物(ミクロコッカス(Micrococci))を殺菌するために化合物を使用することができる。記述した施用に関する本発明の化合物の相対的有効性は、化合物の一つに対する微生物の感受性を決定することによって当業者によって容易に決定することができる。
【0058】
本発明は、その外嚢(outer capsule)が実質的な量のリピドAを含む古典的なグラム陰性染色細菌を主に標的としているが、疎水性の外嚢を有するその他の微生物に対しても有効となる可能性がある。例えば、マイコバクテリウム(mycobacterium)属は、ロウ状の保護的な外側のコーティングを有し、本発明の化合物を抗生物質と併用すると、結核を含むマイコバクテリウム(mycobacterium)感染症に対して有効性が増強される可能性がある。その場合、化合物は幾つかの既知の技術のいずれかによって鼻孔に投与することができる(吸引)。
【0059】
抗微生物作用とは別に、化合物によって提供される透過性によって、非常に多様な物質の微生物への導入が増強される可能性がある。例えば、化合物はDNAまたはRNAのような巨大分子の微生物、特にグラム陰性菌への導入を増強するために用いてもよい。その場合、微生物をトランスフェクトする場合に核酸をパッケージングするために従来のベクター(例えば、ファージ)を用いる必要がない可能性がある。本発明の化合物を用いてそのような巨大分子を微生物に微生物に導入する条件および技術は、ほとんどの場合ルーチンであると思われる。
【0060】
製剤には経口、直腸、鼻孔、局所(経頬、および舌下)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、眼内、気管内、および硬膜内)投与のために適した製剤が含まれる。製剤は、簡便に単位投与剤形であってもよく、従来の薬学的技術によって調製してもよい。そのような技術は、活性成分と薬学的担体または賦形剤とを会合させる段階を含む。一般的に、製剤は、活性成分を均一および十分に液体担体または微粉固体担体またはその双方と会合させ、次に必要であれば製品に成型することによって調製する。
【0061】
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが既定量の活性成分を含むカプセル剤、トローチ剤もしくは錠剤のような個別単位;粉剤もしくは顆粒剤;水性液体もしくは非水性液体中での溶液もしくは懸濁液;または水中油型液体乳液、または油中水型乳液およびボーラス等であってもよい。
【0062】
錠剤は、選択的に1つまたは複数の補助成分と共に圧縮または成型によって作製してもよい。圧縮錠剤は、適した機械において、粉末または顆粒剤のような自由流動型の活性成分を、選択的に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、表面活性または分散剤と混合して、圧縮することによって調製してもよい。成型錠剤は、適した機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成型することによって作製してもよい。錠剤は選択的にコーティングまたは刻み目をいれてもよく、活性成分の遅いまたは持続的な放出が得られるように製剤化してもよい。
【0063】
口内での局所投与に適した製剤には、芳香基剤、通常蔗糖およびアカシアまたはトラガカント中に成分を含むトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンのような不活性基剤、または蔗糖およびアカシア中に活性成分を含む香錠;および適した液体担体中で投与される成分を含む口内洗浄液が含まれる。
【0064】
皮膚への局所投与に適した製剤は、薬学的に許容される担体において投与される成分を含む、軟膏、クリーム、ゲル、およびペーストであってもよい。好ましい局所輸送システムは、投与すべき成分を含む経皮パッチである。
【0065】
直腸投与のための製剤は例えば、ココアバターまたはサリチル酸塩を含む、適した基剤による坐剤として示してもよい。
【0066】
担体が固体である鼻腔内投与に適した製剤には、粒子径が例えば20〜500ミクロンの範囲である粗粉末が含まれ、これをその中で鼻吸入が行われるように、すなわち鼻の近くに保持した粉末容器から鼻孔を通じて迅速に吸入されるように投与する。担体が、例えば鼻スプレー、または点鼻液として投与するための液体である、適した製剤には、活性成分の水溶液または油性溶液が含まれる。
【0067】
膣内投与に適した製剤は、活性成分に加えて当技術分野で適当であることが知られている担体のような含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤であってもよい。
【0068】
非経口投与に適した製剤には、予定しているレシピエントの血液と製剤を等張にする抗酸化剤、緩衝剤、またはその他の静菌剤および溶質を含んでもよい水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁化剤および濃厚剤を含んでもよい水性および非水性滅菌懸濁液を含む。製剤は単位用量、または多用量容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルの形であってもよく、使用直前に注射のために液体担体、例えば水を加えるのみであるフリーズドライ(凍結乾燥した)状態で保存してもよい。即時調合注射剤溶液および懸濁液は、先に記述した種類の滅菌粉末、顆粒剤および錠剤から調製してもよい。
【0069】
好ましい単位投与製剤は、本明細書において先に引用した、投与した成分の1日量または単位、1日分割用量、またはその適当な分画を含む製剤である。
【0070】
成分、特に上記の成分に加えて、本発明の製剤は、製剤のタイプに関して、当技術分野で慣例的なその他の物質を含んでもよく、例えば、経口投与に適した製剤は着香料を含んでもよい。
【0071】
薬学的組成物における担体は、製剤の活性成分と適合性である(そして好ましくは、それを安定化することができる)という意味において「許容可能」でなければならず、治療すべき被験者に対して有害でないものでなければならない。
【0072】
さらなる努力を行うことなく、先の説明は、本発明を適切に可能にすると考えられる。したがって、以下の特定の態様は単なる説明であって、本開示の残りをいずれにせよ制限すると解釈されない。本明細書に引用した、特許を含む全ての刊行物は、参照として本明細書に組み入れられる。
【0073】
実施例1〜14は、化合物1〜343の典型的な合成を示し、そのいくつかをスキーム1〜16に示す。実施例14は、酸性、中性、及び塩基性の条件下での化合物352〜354の安定性を示す。実施例15は、既知の開始材料および本明細書に記述と類似の反応スキームを用いて合成することができる式Iの他の化合物を表す。例えば、コール酸のヒドロキシル基は、シー(Hsieh)らの「胆汁酸に由来するC3−、C12−、およびC24−置換アミノステロイドの合成とDNA結合特性(Synthesis and DNA Binding Properties of C3−, C12−, and C24− substituted Amino−Steroids Derived from Bile Acids)」、Biorganic and Medical Chemistry、1995、6巻、823〜838に記載の方法によってアミン基に変換することができる。実施例16はMICおよびMCB試験を表し、実施例17は式Iの化合物が他の抗生物質のMICを低下させることができることを表す。
【0074】
スキーム1. 化合物1、2、4および5の調製
【化21】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) LiAlH(98%)。b) トリチルクロライド、EtN、DMF(70%)。c) 臭化アリル、NaH、THF(96%)。d) O、CHCl、MeOH:MeS:NaBH(95%)。e) 9−BBN、THF:H、NaOH(80%)。f) MsCl、CHCl、EtN(78%、82%)。g) NaN、DMSO(20に関して66%、19は直接23に運ばれる)。h) TsOH、MeOH(94%、19から全体で94%)。i) MsCl、CHCl、EtN(99%、97%)。j) N−ベンジルメチルアミン(95%、96%)。k) LiAlH、THF(95%、99%)。l) NH(CH)SO、MeOH(91%、89%)。
【0075】
スキーム2. 化合物3の調製
【化22】
Figure 2004506645
試薬(反応収率は括弧内に示す):a) KCN、DMSO;MeOH、TsOH(92%)。(b)MsCl、EtN、CHCl;BnMeNH(88%)。c) LiAlH、AlCl、THF(50%)。
【0076】
スキーム3. 6および7の調製
【化23】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシニミド、メチルフェニルアミン、CHCl、MeOH(85%)。b) LiAlH、THF(82%)。c) ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルアミノピリジン、Boc−グリシン、CHCl(68%)。d) ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルアミノピリジン、Boc−βアラニン、CHCl(72%)。e) HCl、ジオキサン(〜100%、〜100%)。
【0077】
スキーム4. 化合物8の合成
【化24】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) DIAD、PhP、p−ニトロ安息香酸、THF(85%);NaOH、MeOH(85%)。b) 臭化アリル、NaH、THF(79%)。c) O、CHCl、MeOH;MeS:NaBH(65%)。d) MsCl、CHCl、EtN(86%)。e) NaN、DMSO(80%)。f) TsOH、MeOH(94%)。g) MsCl、CHCl、EtN:N−ベンジルメチルアミン(93%)。g) LiAlH、THF(94%)。
【0078】
スキーム5. 化合物9および10の合成
【化25】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) NaH、臭化オクリル、DMF(80%);LiAlH、THF(60%)。b) LiAlH、THF(60%)。
【0079】
スキーム6. 化合物11の合成
【化26】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) エチレングリコール、TsOH、ベンゼン(〜100%)。b) NaOH、MeOH(96%)。c) 臭化アリル、NaH、THF(90%)。d) 9−BBN、THF;H、NaOH(55%)。e) PPTS、アセトン、HO(98%)。f) MsCl、EtN、CHCl;NaN、DMSO(88%)。g) LiAlH、THF(69%)。
【0080】
スキーム7. 化合物12の合成
【化27】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) 塩化メタンスルホニル、EtN、CHCl;NaBr、DMF(97%)。b) 23、NaH、DMF(52%)。c) LiAlH、THF(76%)。
【0081】
スキーム8. 化合物111〜114の調製
【化28】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) NaH、DMF、CHI、CH(CHBr、CH(CHBr、またはCH(CHBr(85−90%)。b) LiAlH、THF(55−70%)。
【0082】
スキーム9. 化合物106の調製
【化29】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) 尿素−過酸化水素複合体、トリフルオロ酢酸無水物、CHCl(55%)。b) NaOH、MeOH;LiAlH、THF(43%)。
【0083】
スキーム10. 化合物108および109の調製
【化30】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) O、CHCl、MeOH;MeS;NaBH (76%)。b) NaOH、MeOH;TrCl、EtN、DMAP、DMF;臭化アリル、NaH、THF (64%)。c) 9−BBN、THF;H、NaOH (93%)。d) MsCl、EtN、CHCl;NaN、DMSO;TsOH、MeOH、CHCl (94%)。e) LiAlH、THF(71%)。f) o−NOSeCN、BuP、THF;H (36%)。g) O、CHCl、MeOH;MeS;LiAlH、THF(68%)。
【0084】
スキーム11. 化合物202および203の調製
【化31】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) BOC−グリシンまたはBOC−アラニン、DCC、DMAP、CHCl (60%、94%)。b) ジオキサン中 4M HCl (74%、71%)。
【化32】
Figure 2004506645
【化33】
Figure 2004506645
【0085】
スキーム12. 化合物209a〜209cの調製
【化34】
Figure 2004506645
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) BOC−グリシン、BOC−アラニン、またはビスBOCリジン、DCC、DMAP、CHCl。b) LiOH、THF、MeOH (2段階で71−85%)。c) ジオキサン中 4M HCl (〜100%)。
【化35】
Figure 2004506645
【0086】
スキーム13. 化合物206の調製
【化36】
Figure 2004506645
試薬:a) NHOH−HCl、AcONa、EtOH (97%)。b) NaBH、TiCl、グリム (33%)。
【0087】
スキーム14
【化37】
Figure 2004506645
a) ベンジルアルコール、TsOH(81%)。b) Boc−βアラニンまたはBoc−γアミノブチル酸、DCC、DMAP、CHCl(68−78%)。c) H、Pd/C(97−99%)。d) (CHN(CHOH、DCC、DMAP、CHClまたはTHF(62−82%)。e) MeI、CHCl。f) HCl、ジオキサン(2段階で83−90%)。
【0088】
スキーム15
【化38】
Figure 2004506645
a) オクタノール、TsOH(73%)。b) Boc−グリシン、Boc−βアラニンまたはBoc−γアミノブチル酸、DCC、DMAP、CHCl(91−95%)。c) HCl、ジオキサン(84−99%)。
【0089】
スキーム16
【化39】
Figure 2004506645
試薬:a) MsCl、MEt、CHCl (86%)。b) NH(CHNHBoc、TNF (97%)。c) PPh、TNF/HO(86%)。d) HCl、エチルエーテル中2M(89%)。
【化40】
Figure 2004506645
試薬:a) MsCl、MEt、CHCl (86%)。b) NH(CHOH、TNFその後段階a (2段階で63%)。c) NH(CHNHBoc、TNF(83%)。d) PPh、TNF/HO(90%)。e) HCl、エチルエーテル中2M(94%)。
【0090】
実施例
本実施例において、本明細書に記載された方法において有用ないくつかの特定の化合物の、特定の合成を説明する。例えば、化合物1〜343のうちのいくつかの代表的な合成を以下に示す。
Hおよび13C NMRスペクトルをバリアンジェミニ2000(200 MHz)、バリアンユニティ300(300 MHz)、またはバリアンVXR 500(500 MHz)分光光度計上で記録し、TMS、残留CHClH)、CDCl13C)、または残留CHD2OD(1H)、もしくはCD3OD(13C)を基準とした。IRスペクトルをパーキンエルマー1600 FTIR機器で記録した。マススペクトルデータはJOEL SX 102A分光光度計上で得た。使用前にTHFをNa/ベンゾフェノン上で乾燥させ、CHClをCaH上で乾燥させた。その他の試薬および溶媒は購入して原液のまま使用した。
【0091】
実施例 1: 化合物 13 20 、および 22 27
化合物13:
1リットルの丸底フラスコに、無水THF(600mL)を溶媒とするコール酸メチル(30.67g、72.7mmol)およびLiAlH(4.13g、109mmol)を添加した。48時間還流した後、NaSOの飽和水溶液(100mL)をゆっくり注入し、得られた沈殿をろ過し、熱THF及びMeOHで洗浄した。MeOHで再結晶し、無色の結晶13(28.0g、収率98%)を得た。
Figure 2004506645
【0092】
化合物14:
丸底フラスコに、DMF(300mL)を溶媒とする化合物13(28.2g、71.7mmol)、EtN(20mL、143.4mmol)、塩化トリチル(25.98g、93.2mmol)およびDMAP(0.13g、1.07mmol)を添加した。この混合物をN下50℃で30時間攪拌し、引き続き水(1000mL)を注入し、EtOAcで抽出した(5×200mL)。一緒にした抽出液を、水およびブラインで洗浄し、その後MgSO上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をSiOクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液:CHCl、EtOおよびMeOH)、淡黄色固形物14を得た(31.9g、収率70%)。
Figure 2004506645
【0093】
化合物15:
丸底フラスコに、無水THF(600mL)を溶媒とする化合物14(20.0g、31.4mmol)およびNaH(鉱油中60%、6.3g、157.2mmol)を添加した。この混合物をN下で30分間還流し、引き続き臭化アリル(27mL、314mmol)を添加した。60時間還流した後、NaH(3当量)および臭化アリル(4当量)を添加した。引き続き更に50時間還流し、水(20mL)をゆっくり注入し、引き続き1%HClを水相が中性になるまで添加した。その後この混合物を、エーテルで抽出し(3×100mL)、一緒にした抽出液を、水(100mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄した。このエーテル溶液を、無水NaSO上で乾燥し、溶媒を除去した後、残渣をSiOクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液:ヘキサンおよびEtOAc/ヘキサン、1:8)、淡黄色ガラス状化合物15を得た(22.76g、収率96%)。IR(ニート)2930、1448、1087cm−1
Figure 2004506645
【0094】
化合物16:
三首丸底フラスコに、CHCl(200mL)を溶媒とする化合物15(3.34g、4.4mmol)およびメタノール(100mL)を添加した。冷した溶液(−78℃)オゾンを通して、青色が持続するようになるまで泡立てた。過剰量のオゾンを酸素フローにより除去した。この混合物を、ドライアイス−アセトン浴中に1時間静置した。硫化メチル(2.4mL)を添加し、かつ15分後、この混合物を5%NaOH水溶液(10mL)/メタノール(10mL)を溶媒とするNaBH(1.21g、32mmol)で処理し、室温まで温めた。この混合物を、ブラインで洗浄し(3×50mL)、かつ一緒にしたブライン洗浄液を、CHClで抽出した(2×50mL)。この有機相をMgSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(CHCl中MeOH(5%))の後、油状の化合物16を単離した(3.30g、収率95%)。
Figure 2004506645
【0095】
化合物17:
丸底フラスコに、氷浴中N下で無水THF(30mL)を溶媒とする化合物16(1.17g、1.55mmol)を添加し、引き続き9−BBN/THF溶液(0.5M、10.2mL、5.51mmol)を添加した。この混合物を室温で12時間攪拌した。NaOH水溶液(20%)(2mL)および過酸化水素水(30%)(2mL)を順次添加した。この混合物を1時間還流した後、ブライン(60mL)を添加し、かつEtOAcで抽出した(4×30mL)。一緒にした抽出物を、無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(CHCl中の5%MeOH)の後、無色の油状物として生成物を得た(1.01g、収率80%)。
Figure 2004506645
【0096】
化合物18:
丸底フラスコに、CHCl(150mL)を溶媒とする化合物16(3.30g、4.29mmol)およびNEt(2.09mL、15.01mmol)を添加した。この混合物を、氷浴中N下に置き、引き続き塩化メシル(1.01mL、14.16mmol)を添加した。30分後、水(30mL)およびブライン(200mL)を添加した。CHCl相を、ブラインで洗浄し(2×50mL)、かつ無水NaSO上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3×100mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(3.35g、収率78%)。
Figure 2004506645
【0097】
化合物19:
丸底フラスコに、CHCl(50mL)を溶媒とする化合物17(1.01g、1.25mmol)およびNEt(0.608mL、4.36mmol)を添加した。この混合物を、氷浴中N下に置き、引き続き塩化メシル(0.318mL、4.11mmol)を添加した。30分後、水(10mL)を、その後ブライン(80mL)を添加した。CHCl相を、ブラインで洗浄し(2×20mL)、かつ無水NaSO上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3×40mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(1.07g、収率82%)。
Figure 2004506645
【0098】
化合物20:
丸底フラスコに、無水DMSO(20mL)を溶媒とする化合物18(1.50g、1.50mmol)およびNaN(0.976g、15mmol)を添加した。この混合物を、80℃に加熱し、N下で一晩攪拌し、その後水(100mL)で希釈した。得られた水性混合物を、EtOAcで抽出し(3×50mL)、一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:5)の後、所望の生成物を透明なガラス状物として単離した(0.83g、収率66%)。
Figure 2004506645
【0099】
化合物22:
丸底フラスコに、MeOH(30mL)を溶媒とする化合物20(830mg、0.984mmol)およびCHCl(30mL)およびp−トルエンスルホン酸(9.35mg、0.0492mmol)を添加した。この溶液を、室温で2.5時間攪拌し、その後NaHCO飽和水溶液(10mL)を注入した。ブライン(30mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(4×20mL)。一緒にした抽出液を、無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.564g、収率95%)。
Figure 2004506645
【0100】
化合物23:
丸底フラスコに、化合物19(1.07g、1.025mmol)およびNaN(0.666g、10.25mmol)を添加し、その後無水DMSO(15mL)を注入した。この混合物を、N下で一晩最高80℃で加熱した。HO(100mL)添加後、この混合物をEtOAcで抽出し(4×40mL)、かつ一緒にした抽出液を、無水NaSO上で乾燥した。溶媒を除去した後、残渣をMeOH(15mL)およびCHCl(15mL)中溶解し、引き続き触媒量のp−トルエンスルホン酸(9.75mg、0.051mmol)を添加した。この溶液を室温で2.5時間攪拌し、その後飽和NaHCO溶液(15mL)を添加した。ブライン(60mL)を添加した後、この混合物をEtOAcで抽出した(5×30mL)。一緒にした抽出液にブライン(150mL)を添加し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を黄色がかった油状物として得た(0.617g、2段階で収率94%)。
Figure 2004506645
【0101】
化合物24:
丸底フラスコに、CHCl(30mL)を溶媒とする化合物22(0.564g、0.938mmol)およびNEt(0.20mL、1.40mmol)を添加した。この混合物を、N下で氷浴に入れ、引き続き塩化メシル(0.087mL、1.13mL)を添加した。30分後、水(20mL)およびブライン(100mL)を添加した。CHCl相を、ブライン(2×20mL)で洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3×30mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を黄色がかった油状物として得た(0.634g、収率99%)。
Figure 2004506645
【0102】
化合物25:
丸底フラスコに、CHCl(30mL)中に化合物23(0.617g、0.96mmol)およびNEt(0.20mL、1.44mmol)を添加した。この混合物を、N下で氷浴に入れ、引き続き塩化メシル(0.089mL、1.15mmol)を添加した。30分後、水(20mL)およびブライン(120mL)を添加した。CHCl相を、ブラインで洗浄し(2×20mL)、かつ無水NaSO上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3×30mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。溶媒を除去した後、所望の生成物を淡黄色がかった油状物として得た(0.676g、収率97%)。
Figure 2004506645
【0103】
化合物26:
50mLの丸底フラスコに、化合物24(0.634g、0.936mmol)およびN−ベンジルメチルアミン(2mL)を添加した。この混合物を、N下で一晩80℃で加熱した。過剰なN−ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、および残渣を、SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)にかけた。所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.6236g、収率95%)。
Figure 2004506645
【0104】
化合物27:
50mLの丸底フラスコに、化合物25(0.676g、0.937mmol)およびN−ベンジルメチルアミン(2mL)を添加した。この混合物を、N下一晩80℃で加熱した。過剰なN−ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、および残渣を、SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)にかけた。所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.672g、収率96%)。
Figure 2004506645
【0105】
化合物1:
丸底フラスコに、無水THF(30mL)を溶媒とする化合物26(0.684g、0.971mmol)およびLiAlH(113.7mg、3.0mmol)を、N下で添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌し、その後NaSO・10HO粉末(10g)を、ゆっくり添加した。灰色が消失した後、この混合物をセライトを通してろ過し、かつ無水THFで洗浄した。生成物を無色のガラス状物として得た(0.581g、収率95%)。
Figure 2004506645
【0106】
化合物1のHCl塩:
化合物1を、最低量のCHCl中に溶解し、エーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒および過剰量のHClを、減圧下で除去し、非晶質の白色粉末を得た。
Figure 2004506645
【0107】
化合物2:
丸底フラスコに、無水THF(150mL)を溶媒とする化合物27(0.82g、1.10mmol)およびLiAlH(125mg、3.30mmol)を、N下で添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌し、その後NaSO・10HO粉末(10g)を、ゆっくり添加した。灰色が消失した後、この混合物を綿栓を通してろ過し、かつ無水THFで洗浄した。THFを減圧下で除去し、かつ残渣をCHCl(50mL)中に溶解した。ろ過後、無色ガラス状の所望の生成物を得た(0.73g、収率99%)。
Figure 2004506645
【0108】
化合物2のHCl塩:
化合物2を、最低量のCHCl中に溶解し、エーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒および過剰量のHClを除去し、非晶質の白色粉末を得た。
Figure 2004506645
【0109】
化合物4:
メタノールおよびクロロホルムを溶媒とする化合物1(79.1mg、0.126mmol)およびアミノイミノメタンスルホン酸(50.15mg、0.404mmol)の懸濁液を、室温で24時間攪拌したところ、懸濁液が透明になった。HCl(1M、1mL)のエーテル溶液を添加し、引き続き溶媒をNフローにより除去した。残渣を、HO(5mL)に溶解し、その後20%NaOH水溶液(0.5mL)を添加した。得られた曇った混合物を、CHClで抽出した(4×5mL)。一緒にした抽出液を、無水NaSO上で乾燥した。溶媒を除去し、所望の生成物を白色粉末として得た(90mg、収率95%)。m.p.111〜112℃。
Figure 2004506645
【0110】
化合物4のHCl塩:
化合物4を、最小量のCHClおよびMeOH中に溶解し、引き続きエーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒をNフローにより除去し、残渣を、一晩高減圧状態に置いた。非晶質白色粉末として、所望の生成物を得た。
Figure 2004506645
【0111】
化合物5:
メタノールおよびクロロホルムを溶媒とする化合物2(113mg、0.169mmol)およびアミノイミノメタンスルホン酸(67.1mg、0.541mmol)の懸濁液を、室温で24時間攪拌した。エーテルを溶媒とするHCl(1M、1mL)を添加し、引き続きNフローにより溶媒を除去した。残渣を、一晩高減圧状態に置き、かつHO(5mL)に溶解し、その後20%NaOH水溶液(1.0mL)を添加した。得られた混合物を、CHClで抽出した(5×5mL)。一緒にした抽出液を、無水NaSO上で乾燥した。溶媒を除去し、所望の生成物を白色固形物として得た(90mg、収率95%)。m.p.102〜104℃。
Figure 2004506645
【0112】
化合物5のHCl塩:
化合物5を、最小量のCHClおよびMeOH中に溶解し、引き続きエーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒および過剰なHClをNフローにより除去し、残渣を、一晩高減圧状態に置いた。非晶質白色粉末として、所望の生成物を得た。
Figure 2004506645
【0113】
実施例 2: 化合物 28 および 29 の合成
化合物28:
無水DMSO(5mL)を溶媒とする化合物19(0.641g、0.614mmol)およびKCN(0.40g、6.14mmol)の懸濁液を、80℃でN下で一晩攪拌した後、HO(50mL)を添加した。水性混合物は、EtOAcで抽出した(4×20mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、かつ減圧下で濃縮した。残渣を、CHCl(3mL)に溶解し、MeOH(3mL)および触媒量のp−トルエンスルホン酸(5.84mg、0.03mmol)を添加した。この溶液を室温で3時間攪拌し、その後NaHCO飽和溶液(10mL)を注入した。ブライン(60mL)を添加した後、混合物をEtOAcで抽出した(4×30mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、2:1)の後、所望の生成物を、淡黄色がかった油状物として得た(0.342g、収率92%)。
Figure 2004506645
【0114】
化合物29:
無水CHCl(15mL)を溶媒とする化合物28(0.34g、0.57mmol)溶液に0℃N下で、NEt(119.5μL、0.857mmol)を添加し、引き続き、塩化メシル(53.1μL、0.686mmol)を添加した。混合物を、0℃で30分間攪拌し、その後HO(6mL)を添加した。ブライン(60mL)を注入した後、水性混合物をEtOAcで抽出した(4×20mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣に、N−ベンジルメチルアミン(0.5mL)を添加し、混合物を80℃N下で一晩攪拌した。過剰なN−ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、2:1、次にEtOAc)の後、生成物を淡黄色油状物として得た(0.35g、収率88%)。
Figure 2004506645
【0115】
化合物3:
無水THF(10mL)を溶媒とする化合物29(0.074g、0.106mmol)溶液を、無水THF(10mL)を溶媒とするAlCl(0.1414g、1.06mmol)およびLiAlH(0.041g、1.06mmol)の混合物に滴下した。この懸濁液を24時間攪拌し、その後20%NaOH水溶液(2mL)を氷浴温度で添加した。この水性スラリーに、無水NaSOを添加した。溶液をろ過し、沈殿をTHFで2回洗浄した。溶媒を除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ(シリカゲル、MeOH/CHCl 1:1、次にMeOH/CHCl/NH・HO、4:4:1)、所望の生成物を、透明な油状物として得た(0.038g、収率50%)。
Figure 2004506645
【0116】
実施例 3: 化合物 および 30 33 の合成
化合物30:
コール酸(3.0g、7.3mmol)を、CHCl(50mL)およびメタノール(5mL)中に溶解した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.8g、8.8mmol)を添加し、その後N−ヒドロキシスクシンイミド(〜100mg)およびベンジルメチルアミン(1.1g、8.8mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌し、その後ろ過した。ろ液を濃縮し、かつクロマトグラフィーにかけ(SiO、CHClを溶媒とする3%MeOH)、白色固形物3.0gを得た(収率81%)。
Figure 2004506645
【0117】
化合物31:
化合物30(2.4g、4.7mmol)を、THF(50mL)を溶媒とするLiAlH(0.18g、4.7mmol)懸濁液に添加した。この混合物を24時間還流し、その後0℃に冷却した。NaSO水溶液を、混合物の灰色が消えるまで、慎重に添加した。得られた塩をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、白色固形物2.1g(88%)を得た。この生成物は、以後の反応に十分な純度を有することが証明された。
Figure 2004506645
【0118】
化合物32:
化合物31(0.36g、0.72mmol)を、CHCl(15mL)に溶解し、かつBoc−グリシン(0.51g、2.89mmol)、DCC(0.67g、3.24mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(〜100mg)を添加した。この混合物を、N下で4時間攪拌し、その後ろ過した。濃縮およびクロマトグラフィー(SiO、CHClを溶媒とする5%MeOH)後、透明なガラス状の生成物0.47gを得た(68%)。
Figure 2004506645
【0119】
化合物33:
化合物31(0.39g、0.79mmol)を、CHCl(15mL)に溶解し、かつBoc−β−アラニン(0.60g、3.17mmol)、DCC(0.73g、3.56mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(〜100mg)を添加した。この混合物を、N下で6時間攪拌し、その後ろ過した。濃縮およびクロマトグラフィー(SiO、CHClを溶媒とする5%MeOH)後、透明なガラス状の生成物0.58gを得た(72%)。
Figure 2004506645
【0120】
化合物6:
化合物32(0.15g、0.15mmol)を、ジオキサン中の4N HClの過剰量と共に40分間攪拌した。ジオキサンおよびHClを減圧下で除去したところ、透明なガラス状の生成物0.12gが残留した(〜100%)。
Figure 2004506645
【0121】
化合物7:
化合物33(0.20g、0.20mmol)を、ジオキサン中の4N HClの過剰量と共に40分間攪拌した。ジオキサンおよびHClを減圧下で除去したところ、透明なガラス状の生成物0.12gが残留した(〜100%)。
Figure 2004506645
【0122】
実施例 4: 化合物 10 および 34 30 の合成
化合物34:
ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(1.20mL、6.08mmol)を、THF(100mL)を溶媒とするトリフェニルホスフィン(1.60g、6.08mmol)に0℃で添加し、かつ30分間攪拌し、その間に黄色溶液はペースト状となった。化合物14(2.58g、4.06mmol)およびp−ニトロ安息香酸(0.81g、4.87mmol)を、THF(50mL)に溶解し、ペーストに添加した。得られた混合物を周囲温度で一晩攪拌した。水(100mL)を添加し、この混合物を、NaHCO溶液を添加することによってわずかに塩基性とし、その後EtOAcで抽出した(3×50mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで一回洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtO/ヘキサン、1:2)後、白色粉末として所望の生成物を得た(2.72g、収率85%)。
Figure 2004506645
ニトロ安息香酸(2.75g、3.5mmol)を、CHCl(40mL)中に溶解し、かつMeOH(20mL)および20%NaOH水溶液(5mL)を添加した。混合物を最高60℃で24時間加熱した。水(100mL)を注入し、かつEtOAcで抽出した。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(溶離液CHClを溶媒とする3%MeOH)の後、白色固形物の所望の生成物を得た(1.89g、収率85%)。
Figure 2004506645
【0123】
化合物35:
丸底フラスコに化合物34(2.0g、3.14mmol)、NaH(鉱油中60%、3.8g、31.4mmol)およびTHF(150mL)を添加した。この懸濁液を2時間還流し、その後臭化アリル(2.72mL、31.4mmol)を添加した。28時間還流した後、更に10当量のNaHおよび臭化アリルを添加した。72時間後、更に10当量のNaHおよび臭化アリルを添加した。115時間後、TLCの結果は、出発材料および中間体がほとんど存在しないことを示した。この懸濁液に、水(100mL)を慎重に添加し、引き続きEtOAcで抽出した(5×50mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)の後、黄色がかったガラス状の所望の生成物を得た(1.81g、収率79%)。
Figure 2004506645
【0124】
化合物36:
CHCl(40mL)及びMeOH(20mL)に35(0.551g、0.729mmol)を入れた溶液に、−78℃でその溶液が深い青色に変わるまでオゾンを気泡注入した。過剰量のオゾンは酸素とともに吹き飛んだ。メチルスルファイド(1mL)を添加し、続いて5%のNaOH溶液とメタノールに入れたNaBH(0.22g、5.80mmol)を添加した。得られた混合液を室温で一晩攪拌し、塩水で洗浄した。次にその塩水をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物をNaSO上で乾燥した。目的の生成物(0.36g、収率65%)がSiO クロマトグラフィー(5%のMeOH/CHCl)を行った後で無色のガラス質として得られた。
Figure 2004506645
【0125】
化合物37:
NEt(0.23mL、1.66mmol)を36(0.364g、0.47mmol)の乾燥CHCl(30mL)溶液に0℃でN気流下で添加し、続いてメシルクロライド(0.12mL、1.56mmol)を導入した。この混合液を10分間攪拌し、HO(10mL)を加えてその反応を止めてからEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)を行って目的の生成物(0.411g、収率86%)が白色のガラス質として得られた。
Figure 2004506645
【0126】
化合物38:
乾燥DMSO(5mL)中に37(0.227g、0.227mmol)とNaN(0.147g、2.27mmol)を入れた懸濁液を一晩80℃で攪拌し、HO(50mL)で希釈してからEtOAc(3×20mL)で抽出した。その抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:8)を行って目的の生成物(0.153g、収率80%)が黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0127】
化合物39:
p−トルエンスルホン酸(1.72mg)を、CHCl(5mL)とMeOH(5mL)に38(0.153g、0.18mmol)を入れた溶液に添加し、その混合液を2.5時間攪拌した。飽和NaHCO溶液(5mL)を導入してから塩水(30mL)を注入した。その水性混合液をEtOAcを用いて抽出し、合わせた抽出物を塩水で洗浄してからNaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:3)を行って、目的の生成物(0.10g、収率92%)が淡黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0128】
化合物40:
39(0.10g、0.166mmol)のCHCl(8mL)溶液に0℃でN気流下、NEt(34.8μL、0.25mmol)を添加し、続いてメシルクロライド(15.5μL、0.199mmol)を導入した。この混合液を15分間攪拌した。HO(3mL)と塩水(20mL)を加え、それからEtOAc(4×10mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で一度洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をN−ベンジルメチルアミン(0.5mL)と混合し、N気流下一晩80℃で加熱した。過剰のN−ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、その残渣をSiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:4)にかけることによって生成物(0.109g、収率93%)が黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0129】
化合物8:
THF(20mL)中に40(0.109g、0.155mmol)とLiAlH(23.5mg、0.62mmol)を入れた懸濁液を、N気流下で一晩攪拌した。NaSO・10HOを注意深く添加し、灰色がなくなるのが持続するまで攪拌した。無水NaSOを添加して白色沈殿物を濾過し乾燥THFですすいだ。溶媒を除去してからその残渣を最小量のCHClに溶解し、濾過した。溶媒を除去すると、目的の生成物(0.091g、収率94%)が無色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0130】
化合物9:
23(0.18g、0.28mmol)の乾燥DMF(4mL)溶液に、NaH(0.224g、ミネラルオイル中60%、5.60mmol)と1−ブロモオクタン(0.48mL、2.80mmol)を添加した。この懸濁液をN気流下65℃で一晩攪拌し、続いてHO(60mL)を導入してエーテル(4×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。SiOクロマトグラフィー(ヘキサンと5%のEtOAcを含むヘキサン)を行って目的の生成物(0.169g、収率80%)が淡い黄色がかったオイルとして得られた。
Figure 2004506645
778.5683。トリアジド(0.169g、0.224mmol)とLiAlH(0.025g、0.67mmol)を無水のTHF(10mL)に懸濁し、N気流下、室温で一晩攪拌してからNaSO水和物を注意深く添加した。灰色がなくなった後、無水のNaSOを添加して攪拌した。白色の沈澱物を濾過して除去し、THFで洗浄した。溶媒を除去してからその残渣を1Mの塩酸に溶解し、その水性溶液をエーテル(5mL)を用いて1回抽出した。続いてその水性溶液を20%の水性NaOH溶液を添加することによって塩基性にし、EtO(4×5mL)で抽出した。合わせた抽出物を洗浄し、乾燥を行って濃縮した。それから残渣をSiOクロマトグラフィー(MeOH/CHCl (1:1)、続いてMeOH/CHCl/NH・HO (4:4:1))にかけて目的の生成物(0.091g、収率60%)を無色のオイルとして得た。
Figure 2004506645
【0131】
化合物10:
THF(40mL)中に23(0.126g、0.196mmol)とLiAlH(0.037g、0.98mmol)を入れた懸濁液をN気流下で一晩、室温にて攪拌し、続いてNaSO・10HOを注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失した後で無水のNaSOを添加して有機層が透明になるまで攪拌した。白色沈澱物を濾過して除去してからTHFを用いて2回洗浄した。THFを減圧下で除去し、残渣をSiOクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/NH・HO (4:4:1))にかけて目的の生成物(0.066g、収率60%)を無色のオイルとして得た。
Figure 2004506645
【0132】
実施例 5: 化合物 11 および 43 47 の合成
化合物43:
化合物41は、D. H. R. Barton、J. Wozniak、S. Z. Zard、A Short And Efficient Degredation of The Bile Acid Side Chain. Some Novel Reactions of Sulphines And A−ketoesters、Tetrahedron 1989、vol.45、3741−3754によって報告された方法に従って調製した。41(1.00g、2.10mmol)、エチレングリコール(3.52mL、63mmol)及びp−TsOH(20mg、0.105mmol)の混合物を、N気流下で16時間、ベンゼン中で還流した。この反応の間に形成される水はディーン−スターク(Dean−Stark)水分トラップによって除去した。冷却した混合物をNaHCO溶液(50mL)で洗浄し、EtO(50mL、2×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。溶媒を除去すると生成物(1.09g、100%)が白色のガラス質として得られた。
Figure 2004506645
このトリアセテート(1.09g、2.10mmol)をMeOH(50mL)に溶解した。NaOH(0.84g、21mmol)をその溶液に添加した。この懸濁液を続いてN気流下で24時間還流した。次にMeOHを減圧して除去し、残渣をEtO(100mL)に溶解してからH0、塩水で洗浄した後で無水のNaSO上で乾燥した。溶媒を除去すると目的の生成物(0.80g、収率96%)が白色固体として得られた。
Figure 2004506645
【0133】
化合物44:
丸底フラスコに43(0.80g、2.03mmol)と乾燥THF(100mL)を添加してからNaH(ミネラルオイル中60%、0.81g、20.3mmol)を添加した。この懸濁液をN気流下で30分間還流し、アリルブロマイド(1.75mL、20.3mmol)を添加した。48時間還流した後、さらに10当量のNaHとアリルブロマイドを添加した。さらに48時間たった後、TLCは何も中間体が形成されていないことを示した。冷却水(50mL)をその冷却懸濁液に添加した。得られた混合液をEtO(60mL、2×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。SiOカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中6%のEtOAc)を行うと、目的とする生成物(0.94g、収率90%)が淡い黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0134】
化合物45:
乾燥THF(50mL)中に44(0.94g、1.83mmol)を入れた溶液に9−BBN(0.5MのTHF溶液、14.7mL、7.34mmol)を添加し、その混合液をN気流下室温にて12時間攪拌し、20%のNaOH溶液(4mL)と30%のH溶液(4mL)を添加した。次に得られた混合液を1時間還流し、続いて塩水(100mL)を添加してからEtOAc(4×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を無水のNaSO上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をSiOクロマトグラフィー(EtOAc、その後CHCl中10%のMeOH)で精製することによって、生成物(0.559g、収率54%)が無色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0135】
化合物46:
アセトン(40mL)と水(4mL)中に45(0.559g、0.98mmol)を入れた溶液にPPTS(0.124g、0.49mmol)を加え、その溶液をN気流下16時間還流した。溶媒を減圧下で除去した。続いて水(40mL)をその残渣に加え、その混合液をEtOAc(40mL、2×20mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄、乾燥してからエバポレートして乾燥した。その残渣をSiOカラムクロマトグラフィー(CHCl中8%のMeOH)を行うと、目的とする生成物(0.509g、収率98%)が透明なオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0136】
化合物47:
46(0.18g、0.344mmol)の乾燥CHCl(10mL)溶液に、0℃でEtN(0.168mL、1.20mmol)を添加し、続いてメシルクロライド(0.088mL、1.13mmol)を添加した。10分後、HO(3mL)と塩水(30mL)を加えた。この混合液をEtOAc(30mL、2×10mL)で抽出し、その抽出物を塩水で洗浄、次に無水のNaSO上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をDMSO(5mL)とNaN(0.233g、3.44mmol)に溶解した。その懸濁液をN気流下で12時間、50℃まで加熱した。HO(50mL)をその冷却した懸濁液に添加し、得られる混合液をEtOAc(30mL、2×10mL)を用いて抽出してからその抽出物を塩水で洗浄、無水のNaSO上で乾燥した。SiOカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:5)にかけることによって生成物(0.191g、二工程の収率88%)が淡い黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0137】
化合物11:
化合物47(0.191g、0.319mmol)を乾燥THF(20mL)に溶解し、続いてLiAlH(60.4mg、1.59mmol)を添加した。灰色の懸濁液を、N気流下、室温にて12時間攪拌した。NaSO・10HO粉末を注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失してから無水のNaSOを添加し、沈澱物を濾過して取り除いた。溶媒を除去してからその残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CHCl/28%NH・H0 3:3:1)によって精製した。集めたフラクションからほどんどの溶媒を除去した後、5%のHCl溶液(2mL)を添加してその乳状の残渣を溶解した。得られた透明な溶液を続いてEtO(2×10mL)を用いて抽出した。次に20%のNaOH溶液を、その溶液が強い塩基性になるまで添加した。CHCl(20mL、2×10mL)を用いてその塩基性の溶液を抽出した。合わせた抽出物を無水のNaSO上で乾燥し、溶媒を除去すると、目的とする生成物(0.115g、収率69%)が無色のオイルとして得られた。H NMRよりこの化合物が、C20で約9:1の混合比率の二つの立体異性体からなる混合物であることが明らかである。これらの立体異性体は分離しなかったが、再収して用いた。量の多い方の異性体のスペクトルは、以下のようである。
Figure 2004506645
【0138】
実施例 6: 化合物 12 48 および 49 の合成
化合物48:
23(0.15g、0.233mmol)の乾燥CHCl(15mL)溶液に、0℃でEtN(48.8μL、0.35mmol)を添加し、続いてCHSOCl(21.7μL、0.28mmol)を添加した。この混合液を15分間攪拌し、HO(3mL)を加えた。次に飽和NaCl溶液(20mL)を添加し、その混合液をEtOAc(40mL、2×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。溶媒をエバポレート除去してからその残渣にNaBr(0.12g、1.17mmol)とDMF(10mL)を加えた。この懸濁液をN気流下で2時間、80℃まで加熱した。DMFを減圧して除去してからその残渣をシリカ上でクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:10)にかけることによって目的とする生成物(0.191g、収率97%)が淡い黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0139】
化合物49:
化合物48(0.191g、0.269mmol)と23(0.295g、0.459mmol)をDMF(3mL、使用する前に6mmHgにてBaO上で蒸留した)に溶解し、続いてNaH(0.054g、ミネラルオイル中60%)を添加した。その懸濁液を、N気流下、室温にて24時間攪拌した。HO(100mL)を添加して過剰のNaHをクエンチし、次にその混合液をEtO(40mL、3×20mL)を用いて抽出を行ってから合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥した。SiO上でクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:6、続いて1:2)にかけることによって目的とする生成物(0.177g、化合物23に基づく収率52%)が淡黄色のオイルとして得られた。
Figure 2004506645
【0140】
化合物12:
化合物49(0.219g、0.173mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解し、続いてLiAlH(65mg、1.73mmol)を添加した。灰色の懸濁液を、N気流下、室温にて12時間攪拌した。NaSO・10HO粉末を注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失してから無水のNaSOを添加し、沈澱物を濾過して取り除いた。溶媒を除去してからその残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CHCl/28%NH・H0 2.5:2.5:1)によって精製した。集めたフラクションからほどんどの溶媒をロートベーター除去(rotavapped off)した後、5%のHCl溶液(2mL)を添加してその乳状の残渣を溶解した。得られた透明な溶液を続いてEtO(2×10mL)を用いて抽出した。次に20%のNaOH溶液を、その溶液が強い塩基性になるまで添加した。CHCl(20mL、2×10mL)を用いてその塩基性の溶液を抽出した。合わせた抽出物を無水のNaSO上で乾燥し、溶媒を除去すると、目的とする生成物(0.147g、収率76%)が白色のガラス質として得られた。
Figure 2004506645
【0141】
実施例 7: 化合物 111 113 および 116a の合成
化合物116a〜d:
代表的な手順:116bの調製。NaH(0.06 g、60%鉱油溶液、1.49 mmol)および臭化プロピル(0.136 ml、1.49 mmol)を化合物23のDMF溶液に加えた(リ(Li)ら、J. Am. Chem. Soc. 1998、120、2961に記載)(0.096 g、0.149 mmol)。懸濁液をN下で24時間攪拌した。HO(20 ml)を加えて、混合液をヘキサンによって抽出した(10 mlを3回)。合わせた抽出液をNaSO上で乾燥させ、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAcのヘキサン溶液)によって所望の産物が淡黄色の油として得られた(92 mg、収率90%)。
Figure 2004506645
【0142】
化合物111〜113:
代表的な手順:112の調製。化合物116b(0.092 g、0.134 mmol)をTHF(10 ml)に溶解した後、LiAlH(0.031 g、0.81 mmol)を加えた。懸濁液をN下で12時間攪拌した。NaSO・10HO(〜1 g)を注意深く加えた。懸濁液の灰色が消失した後、無水NaSOを加え、沈殿物を濾過によって除去した。濃縮してシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、12:6:1、次に10:5:1)を行うと、ガラスが得られ、これを1 M HCl(2 ml)に溶解した。得られた透明な溶液をEtO(10 mlで2回)によって洗浄した。溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を水相に加えた。CHCl(10 mlを3回)を用いて塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させて真空で濃縮すると所望の産物が白色のガラス(0.045 g、収率55%)として得られた。112:
Figure 2004506645
Figure 2004506645
【0143】
実施例 8: 化合物 106 および 124 の合成
化合物124:
化合物47(0.256 g、0.489 mmol)をCHCl(10 ml)に溶解して0℃に冷却した後、NaHPO(0.69 g、4.89 mmol)と尿素・過酸化水素複合体(UHP)(0.069 g、0.733 mmol)を加えた。無水トリフルオロ酢酸(TFAA)(0.138 ml、0.977 mmol)を滴下した。懸濁液を12時間攪拌して、さらにUHP(23 mg、0.25 mmol)およびTFAA(0.069 ml、0.49 mmol)を加えた。さらに12時間後、HO(30 ml)を加えて、得られた混合液をEtOAc(20 mlで3回)抽出した。合わせた抽出液を塩水(50 ml)で洗浄して、無水NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:5)を行うと、所望の産物が無色の油として得られた(0.145 g、収率55%)。
Figure 2004506645
【0144】
化合物106:
化合物124(0.145 g、0.236 mmol)をCHCl(2 ml)およびMeOH(1 ml)に溶解した。20%NaOH溶液(0.2 ml)を加えた。混合液を12時間攪拌して、無水NaSOを加えて水分を除去した。真空で濃縮後、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:3)によって精製すると、所望の産物が無色の油として得られた(0.124 g、収率92%)。
Figure 2004506645
アルコール(0.124 g、0.216 mmol)を無水THF(20 ml)に溶解した後、LiAlH(33 mg、0.866 mmol)を加えた。灰色の懸濁液をN下で12時間攪拌した。NaSO・10 HO(〜2g)を注意深く加えた。懸濁液の灰色が消失した後、無水NaSOを加えて、沈殿物を濾過して除去した。溶媒を除去した後、残査をカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/CHCl/28%NH・HO、2.5:2.5:1)によって精製した。適切な分画を濃縮した後、1M HCl(2 ml)を加えて乳状の残査を溶解した。得られた透明な溶液をEtO(10 mlを2回)によって洗浄した。水相に、溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を加えた。CHCl(20 ml、10 mlを2回)を用いて塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させて、溶媒を除去すると所望の産物が無色の油として得られた(0.050 g、収率47%)。
Figure 2004506645
【0145】
実施例 9: 化合物 109 および 126 129 の合成
化合物126:
化合物125(2.30 g、3.52 mmol)をMeOH(50 ml)およびCHCl(100 ml)に溶解した。少量のEtNを加えて、溶液を−78℃に冷却した。青い色が消えずに残るまでオゾンを溶液に通気した。MeS(4 ml)を加えた後、NaBH(0.266 g、0.703 mmol)のMeOH(10 ml)溶液を加えた。得られた溶液を加温して一晩攪拌した。溶液を真空で濃縮して、塩水(60 ml)を加えた。混合液をEtOAc(40 ml、30 mlを2回)によって抽出し、合わせた抽出液を塩水で洗浄して、無水NaSO上で乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)を行うと、産物が白色固体として得られた(1.24 g、収率76%)。m.p.219〜220℃。
Figure 2004506645
【0146】
化合物127:
化合物126(1.24 g、2.67 mmol)をMeOH(30 ml)に溶解してNaOH(0.54 g、13.4 mmol)を加えた。懸濁液をN下で24時間還流した。MeOHを真空で除去した後HOを加えた(50 ml)。沈殿物を濾過して、HOで洗浄した後真空下で乾燥させると白色固体(1.02 g)が得られた。この固体をDMF(40 ml)に溶解した後、NEt(1.12 ml、8.02 mmol)、DMAP(16.3 mg、0.13 mmol)および塩化トリチル(1.49 g、5.34 mmol)を連続的に加えた。懸濁液をN下で12時間攪拌した後、50℃まで24時間加熱した。冷却した懸濁液にHO(100 ml)を加えて、混合液をEtOAc(50 mlを3回)によって抽出した。合わせた抽出液を塩水(100 ml)で洗浄して、無水NaSO上で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)を行うと、産物が淡黄色のガラスとして得られた(1.20 g、収率72%)。このガラスに無水THF(80 ml)およびNaH(60%鉱油溶液、0.77 g、19.3 mmol)を加えた。懸濁液をN下で半時間還流してから、臭化アリル(1.67 ml、19.3 mmol)を加えた。48時間還流した後、さらにNaHおよび臭化アリル10等量を加えた。さらに48時間後、反応混合液を冷却して、HO(100 ml)を徐々に加えた。得られた混合液をヘキサン(50 mlで3回)によって抽出して、合わせた抽出液を塩水(100 ml)で洗浄して、無水NaSO上で乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(5%EtOAcのヘキサン溶液)を行うと、産物が透明なガラスとして得られた(1.27 g、3段階全ての収率64%)。
Figure 2004506645
【0147】
化合物128:
127(1.27 g、1.71 mmol)のTHF(40 ml)溶液に9−BBN(0.5 M THF溶液、17.1 ml)を加えた。混合液を12時間攪拌してからNaOH(20 %溶液、10 ml)およびH(30%溶液、10 ml)を加えた。得られた混合液を1時間還流した後、塩水(100 ml)を加えて、EtOAc(30 mlで4回)によって抽出した。合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%MeOHのCHCl溶液)を行うと、産物が透明なガラスとして得られた(1.26 g、収率93%)。
Figure 2004506645
【0148】
化合物129:
化合物128(1.26 g、1.58 mmol)のCHCl(50 ml)溶液に、0℃でEtN(0.92 ml、6.60 mmol)を加えた後に、塩化メシル(0.47 ml、6.05 mmol)を加えた。15分後、HO(10 ml)を加えた後に塩水(80 ml)を加えた。混合液をEtOAc(60 ml、30 mlを2回)によって抽出して、合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させた。真空で溶媒を除去した後、残査をDMSO(10 ml)に溶解してNaN(1.192 g、18.3 mmol)を加えた。懸濁液をN下で60℃まで一晩加熱した。HO(100 ml)を加え、混合液をEtOAc(40 mlを3回)によって抽出した。合わせた抽出液を塩水によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。真空で溶媒を除去すると淡黄色の油が得られた。油をMeOH(10 ml)に溶解して、CHCl(20 ml)およびTsOH(17.4 mg、0.092 mmol)を加えた。12時間後、飽和NaHCO水溶液(20 ml)および塩水(50 ml)を加えて、混合液をEtOAc(40 mlを3回)によって抽出した。合わせた抽出液を塩水(50 ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:3)を行うと、所望の産物が淡黄色の油として得られた(0.934、94%)。
Figure 2004506645
【0149】
化合物109:
化合物129(0.245 g、0.391 mmol)をTHF(30 ml)に溶解した後、LiAlH(59 mg、1.56 mmol)を加えた。灰色の懸濁液をN下で12時間攪拌した。NaSO・10HO粉末(〜1 g)を注意深く加えた。懸濁液の灰色が消失した後、無水NaSOを加えて沈殿物を濾過によって除去した。溶媒を除去した後、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、10:5:1、次に10:5:1.5)によって精製した。適切な分画から溶媒を除去して、1M HCl(4 ml)を加えて残査を溶解した。得られた透明な溶液をEtO(10 mlを3回)によって抽出した。溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を加えた。CHCl(10 mlを4回)を用いて塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出物を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空で除去すると、所望の産物が無色の油として得られた(0.15 g、収率71%)。
Figure 2004506645
【0150】
実施例 10: 化合物 108 および 130 の合成
化合物130:
o−NOSeCN(0.094 g、0.21 mmol)およびBuP(0.095 ml、0.38 mmol)を無水THF(5 ml)中で0℃で半時間攪拌した後、化合物129(0.10 g、0.159 mmol)のTHF溶液(2 ml)を加えた。懸濁液を1時間攪拌した後、H(30%水溶液、2 ml)を加えた。混合液を12時間攪拌した後、ヘキサン(10 mlを4回)によって抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)を行うと、所望の産物が淡黄色の油として得られた(0.035 g、収率36%)。
Figure 2004506645
【0151】
化合物108:
化合物130(0.105 g、0.172 mmol)をCHCl(5 ml)およびMeOH(5 ml)に−78℃で溶解した。溶液にOを約20分間通気した。MeS(1 ml)を加え、溶媒を真空で除去した。残査をTHF(15 ml)に溶解して、LiAlH(0.033 g、0.86 mmol)を加えた。懸濁液を12時間攪拌した。NaSO・10HO(〜2 g)を注意深く加えた。懸濁液の灰色が消失した後、無水NaSOを加えて、沈殿物を濾過によって除去した。濃縮してシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、10:5:1.5、次に9:6:1.8)を行うと、白色のガラスが得られた。この材料に1 M HCl(4 ml)を加えた。得られた透明な溶液をEtO(10 mlを3回)によって洗浄した。溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を水相に加えた。CHCl(10 mlを4回)を用いて塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去すると、所望の産物が無色の油として得られた(0.063 g、収率68%)。
Figure 2004506645
【0152】
実施例 11: 化合物 132 135 の合成
化合物132:
化合物115(0.118 g、0.183 mmol)を無水CHCl(10 ml)に溶解して、SO・ピリジン複合体(0.035 g、0.22 mmol)を加えた。懸濁液を12時間攪拌した。溶媒を真空で除去すると白色粉末が得られた。白色粉末に1 M HCl(10 ml)を加えて、得られた混合液をCHCl(10 mlを4回)によって抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(10%MeOHのCHCl溶液)を行うと、所望の産物が淡黄色の油として得られた(0.11 g、84%)。
Figure 2004506645
トリアジド(0.11 g、0.15 mmol)をPhP(0.20 g、0.77 mmol)のTHF(10 ml)およびH2O(1 ml)溶液で処置することによってアジドを還元した。混合液を3日間攪拌した。溶媒を真空で除去して、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、12:6:1、次に、10:5:1.5)によって精製すると、所望の産物がガラスとして得られた(0.077 g、収率78%)。HClのEtO(1 M、0.5 ml)溶液をガラスに加えると、対応するHCl塩が得られた。
Figure 2004506645
【0153】
化合物133:
23に由来するメシレート(0.19 g、0.264 mmol)を過剰量のオクチルアミン(2 ml)と共に80℃で12時間攪拌した。真空でオクチルアミンを除去した後、残査のクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、1:4に2%EtNを加える)を行うと、所望の産物が淡黄色の油(0.19 g、収率95%)として得られた。
Figure 2004506645
トリアジド(0.18 g、0.239 mmol)をTHF(10 ml)およびEtOH(10 ml)に溶解した。リンドラー触媒(44 mg)を加えて、懸濁液をH(50 psi)下で12時間振とうした。溶媒を真空で除去した後、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、10:5:1、次に10:5:1.5)によって精製した。この産物に1 M HCl(2 ml)を加えて、得られた透明な溶液をEtO(10 mlを2回)によって抽出した。溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を加えた。CHCl(20 ml、10 mlを2回)を用いて、塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出液をNaSO上で乾燥させて、真空で溶媒を除去すると、所望の産物が透明な油として得られた(0.114 g、収率68%)。
Figure 2004506645
【0154】
化合物134:
化合物133(0.08 g、0.12 mmol)をCHCl(5 ml)およびMeOH(5 ml)に溶解して、アミノイミノスルホン酸(0.045 g、0.36 mmol)を加えて、懸濁液を12時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、残査を1 M HCl(6 ml)およびHO(10 ml)に溶解した。溶液をEtO(5 mlを3回)によって洗浄し、溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を滴下した。塩基性混合液をCHCl(5 mlを4回)によって抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させて、真空下で濃縮すると所望の産物が白色ガラスとして得られた(0.087 g、収率91%)。
Figure 2004506645
【0155】
化合物135:
23(0.092 g、0.128 mmol)に由来するメシレートをDMSO(2 ml)に溶解した後、NaN(0.0167 g、0.256 mmol)を加えた。懸濁液を70℃で12時間加熱した。冷却した懸濁液にHO(20 ml)を加えて、混合液をEtOAc/ヘキサン(1:1)(20 ml、10 mlを3回)によって抽出した。合わせた抽出液を塩水(30 ml)によって洗浄して、無水NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮すると、産物が淡黄色の油として得られた(0.081 g、収率95%)。
Figure 2004506645
テトラアジド(0.081 g、0.12 mmol)をTHF(5 ml)およびEtOH(10 ml)に溶解した。リンドラー触媒(30 mg)を加えて、懸濁液をH下(50 psi)で12時間振とうした。溶媒を真空で除去した後、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/28%NH・HO、5:3:1、次に2:2:1)により精製した。この産物に1 M HCl(2 ml)を加えて、得られた溶液をEtO(10 mlを2回)によって洗浄した。溶液が強塩基性になるまで20%NaOH溶液を水相に加えた。CHCl(10 ml、5mlを2回)を用いて塩基性溶液を抽出した。合わせた抽出液を無水NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮すると所望の産物が無色の油として得られた(0.044 g、収率64%)。
Figure 2004506645
【0156】
実施例 12: 化合物 203a 207a 208a 209a および 210a の合成
化合物203a−b、207a−c、208a−c、209a−c、および210a−b:
BOC−グリシンをDCC、DMAP、およびコール酸誘導体201と反応させると(スキーム11)、トリエステル202aが良好な収率で得られた。BOC−βアラニンを組み入れる類似の反応も同様に成功し、202bを得た。202aと202bをHClのジオキサン溶液によって脱保護して精製すると(CHClMeOH/NHOH溶出剤によるSiOクロマトグラフィー)、トリエステル203aおよび203bが良好な収率で得られた。
【0157】
グリシンおよびβアラニン(それぞれ、207aおよび207b)のトリアミドは同じ反応条件を用いて形成した(スキーム12)。α分岐アミノ酸によるトリアミドも同様に形成することができる。例えば、記述した条件において、ビスBOC−リジン側鎖を有するトリアミドが形成された(化合物207c)。207a−cのC24エステルをLiOHのTHF溶液とメタノールによって加水分解すると、アルコール208a−cが得られた。HClのジオキサン溶液を用いて脱保護(208a−c)すると、トリアミド209a−cが良好な収率で得られた。加えて、アルコール208aおよび208bをメシル化し、ベンジルメチルアミンと反応させた。得られた化合物のHClのジオキサン溶液による脱保護によってトリアミド210aと210b(スキーム12)が得られた。これらの化合物の抗細菌特性を表14に要約する。
【0158】
実施例 13: 化合物 302 312 321 324 326 328 331 および 341 343 の合成
化合物302:
化合物308(5β−コラン酸、3,7,12−トリオンメチルエステル)をコール酸メチルから調製して、二クロム酸ピリジニウムはコール酸メチルからほぼ定量的に生成された。化合物308も、ペアソン(Pearson)ら(J. Chem. Soc. Perkins Trans. 1、1985、267);ミトラ(Mitra)ら(J. Org. Chem. 1968、33、175);およびタケダ(Takeda)ら(J. Biochem. (Tokyo)1959、46、1313)に記載のように調製することができる。化合物308を塩酸ヒドロキシルアミンと酢酸ナトリウムによって還流するエタノール中で12時間処理して(Hsiehら、Bioorg. Med. Chem. 1995、3、823)、309を収率97%で得た。
【0159】
250 mlの三頚フラスコにグリム(100 ml)を加え、これに309(1.00 g、2.16 mmol)およびホウ化水素ナトリウム(2.11 g、55.7 mmol)を加えた。TiCl(4.0 ml、36.4 mmol)を窒素下で0℃で混合物にゆっくりと加えた。得られた緑色の混合液を室温で24時間攪拌した後さらに12時間還流した。フラスコを氷浴中で冷却して、水酸化アンモニウム(100 ml)を加えた。得られた混合液を室温で6時間攪拌した。濃HCl(60 ml)をゆっくりと加えて、酸性混合液を8時間攪拌した。固体KOHを加えて得られた懸濁液をアルカリ性にした。懸濁液を濾過して、固体をMeOHによって洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を合わせて、真空で濃縮した。得られた固体を6%KOH水溶液(100 ml)に懸濁してCHCl(75 mlを4回)によって抽出した。合わせた抽出液をNaSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で除去すると、白色固体が1.14 g得られた。混合液をシリカゲル(CHCl/MeOH/NHOH、12:6:1)上でクロマトグラフィーを行うと、302(0.282 g、収率33%)、3(0.066 g、収率8%)、4(0.118 g、収率14%)が得られた。
Figure 2004506645
【0160】
オクタニルコレート(328):
コール酸(3.14 g、7.43 mmol)および10−カンフルスルホン酸(camphorsulfonic acid)(0.52 g、2.23 mmol)をオクタノール(3.5 ml、23.44 mmol)に溶解した。溶液を油浴中で真空下で40℃〜50℃まで加熱した(〜13 mm/Hg)。14時間後、残存オクタノールを高真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、5%MeOHのCHCl溶液)によって精製し、所望の産物(2.81 g、収率73%)を白色粉末として得た。
Figure 2004506645
【0161】
化合物329〜331の代表的な合成:
オクタニルコレート(328)(0.226 g、0.511 mmol)、N−t−Boc−グリシン(0.403 g、2.298 mmol)、DCC(0.474 g、2.298 mmol)、およびDMAP(0.0624 g、0.051 mmol)をCHCl(15 ml)中で3時間混合した。得られた白色沈殿物を濾過によって除去した。濾液を濃縮して、産物をクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン1:2)によって精製し、所望の産物(0.481 g、収率95%)を白色粉末として得た。
Figure 2004506645
【0162】
化合物341〜343の代表的な合成:
化合物329(0.463 g、0.467 mmol)をHClのジオキサン溶液(0.3 ml、4.0 M)に加えた。混合物を30分間攪拌した後、過剰量のHClおよび溶媒を真空で除去した。産物は、クロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/MeOH/NH・HO 10:1.2:0.1)後に淡色の油(0.271 g、84%)として単離された。HClのジオキサン溶液を加えて、過剰量のHClおよびジオキサンを真空下で蒸発させ、341の三塩酸塩を白色産物として調製した。
Figure 2004506645
【0163】
ベンジルコレート(312):
コール酸(4.33 g、10.62 mmol)および10−カンフルスルホン酸(0.493 g、2.21 mmol)をベンジルアルコール(1.97 ml、19.3 mmol)に溶解した。懸濁液を油浴中で50℃まで加熱して、真空下(〜13 mm/Hg)で16時間攪拌した。過剰量のベンジルアルコールを真空下で除去して、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、5%MeOHのCHCl溶液)に供し、所望の産物を白色粉末として得た(4.23g、収率81%)。
Figure 2004506645
【0164】
化合物313〜315の代表的な合成:
ベンジルコレート(312)(0.248 g、0.499 mmol)、N−t−Boc−グリシン(0.404 g、2.30 mmol)、DCC(0.338 g、1.49 mmol)およびDMAP(0.051 g、0.399 mmol)をCHCl(15 ml)に加えて、懸濁液を16時間攪拌した。得られた白色沈殿物を濾過によって除去して、濾液を濃縮した。産物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAC/ヘキサン0.6:1)後に白色粉末(0.329 g、68%)として得た。
Figure 2004506645
【0165】
化合物316〜318の代表的な合成:
化合物313(0.505 g、0.520 mmol)およびPd(活性炭素上で5重量%、0.111 g、0.0521 mmol)をMeOH(5ml)に加えた。懸濁液をH下(50 psi)で20時間攪拌した。固体を濾過によって除去して濾液を濃縮した。産物をクロマトグラフィー(シリカゲル、5%MeOHのCHCl溶液)によって精製し、白色粉末(0.450 g、収率98%)を得た。
Figure 2004506645
【0166】
化合物319〜321の代表的な合成:
化合物316(0.375 g、0.427 mmol)、DCC(0.105 g、0.512 mmol)、DMAP(0.062 g、0.512 mmol)、およびN,N−ジメチルエタノールアミン(0.09 ml、0.896 mmol)をCHCl(15 ml)に加えた。16時間混合して、溶媒および過剰量のN,N−ジメチルエタノールアミンを真空で除去した。産物をクロマトグラフィー(シリカゲルEtOAc/ヘキサン/EtN、12:10:0.6)によって精製し、白色粉末(0.330 g、収率82%)を得た。
Figure 2004506645
上述の反応由来の白色固体(0.680 g、0.714 mmol)およびMeI(1MのCHCl溶液、1.5 ml)を共に2時間攪拌した。溶媒および過剰量のMeIを真空で除去して白色固体(0.812 g、〜100%)を得た。産物をさらなる精製なしで用いた。
【0167】
化合物324〜326の代表的な合成:
化合物319(0.812 g、0.714 mmol)をCHCl(5ml)に溶解して、トリフルオロ酢酸(0.5 ml)を加えた。混合物を16分間攪拌した。溶媒および過剰量の酸を真空で除去して、得られた油をクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/MeOH/NH・HO 4:4:1)に供し、所望の産物を淡色のガラスとして得た(0.437 g、収率90%)。HCl(2Mエチルエーテル溶液、2.5 ml)を加え、三塩酸塩324を淡黄色粉末として得た。
Figure 2004506645
化合物325および326は、324の精製のために用いた塩基性溶出液を用いるクロマトグラフィーに供するには不安定すぎることが判明した。そのため、325および326を、HCl(2Mのジエチルエーテル溶液)を用いた320および321の脱保護により調製し、続いて酢酸エチルにより滴定した。その後、化合物をさらなる精製なしで用いた。H NMR分光法によって、化合物325および326の純度が>95%であることが示された。
Figure 2004506645
【0168】
実施例 14 :化合物 352 354 の安定性試験
化合物352〜354を、50 mMリン酸緩衝液(pH 2.0、7.0または12.0)に約10 mM濃度で溶解した。化合物352〜354の構造を図9に示す。化合物の分解はHPLC(シアノシリカカラム、0.15%TFA水−アセトニトリル勾配溶出液)によって観察した。表15は、室温、pH 2.0、pH 7.0、およびpH 12.0におけるリン酸緩衝液中の化合物352〜354の安定性(半減期)を示す。これらの化合物は、用いたHPLC装置において一般的な吸収法による分解のモニタリングを容易にする発色団を含むため、これらを用いた。
【0169】
低いpHでは、アミンはプロトン化されると予想され、化合物は比較的安定性を示した。より高いpHでは、アミンはそれほど強くプロトン化されず、エステル加水分解を伴うようになった。γ−アミノ酪酸由来の化合物は特に加水分解を受けやすく、おそらくピロリドンを生じた。本化合物は一般に、加水分解されて、特定の化合物に応じてコール酸、コリンまたはオクタノール、およびグリシン、β−アラニン、またはピロリドンを生じると考えられる。
【0170】
エステル加水分解を介した分解によって、より極性が低く、開始化合物から容易に分離されうる化合物が生じた。当初、一つのベンゼン含有分解産物みが観察されたが、より長い反応時間では、連続的なエステル加水分解に対応すると考えられる他の二つの分解産物が観察された。
【0171】
実施例 15 :式 の化合物のさらなる合成
式Iの化合物を、以下のスキームに示すように調製することができる。
Figure 2004506645
上記のステロイド開始材料の説明は、「ステロイド辞典(Dictionary of Steroids)」、ヒル(Hill), R.A.、カーク(Kirk), D.N.、メイキン(Makin), H.L.J.、マーフィー(Murphy), G.M.編、チャプマン&ホール(Chapman and Hall)、1991に見出されうる。
【0172】
実施例 16: グラム陰性菌を用いた化合物の試験
MIC および MBC 測定
全般:
微生物:
基準株をアメリカンタイプカルチャーコレクション(ロックビル、メリーランド州)またはディフコラボラトリーズ(デトロイト、ミシガン州)のバクトロールディスクから購入した。以下の特異的ATCC株を用いた。10798大腸菌、25922大腸菌、13883クレブシエラ肺炎杆菌(Klebsiella pneumoniae)、27853緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、14028ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、29212エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、25923黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、19615化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、および90028カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)。細菌株はミュラー・ヒントン寒天プレート上で維持して、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)はサブロー・デキストロース寒天プレート上で維持した。
【0173】
トリプシン分解大豆汁(TBS)は、1リットルの脱イオン水にデキストロース非含有トリプシン分解大豆汁(DIFCO Laboratories)を27.5グラム溶解し、15分間121℃で滅菌処理して作成した。固形寒天(TSA)プレートは、6.4グラムのトリプシン分解大豆汁と12グラムの寒天(精製したグレードのもの、Fischer Scientific)を800mLの脱イオン水に溶解し、121℃で20分間滅菌処置して作成した。次にその均質溶液のアリコート(20mL)を、滅菌済みプラスチック製ペトリ皿(100×15mm、Fisher Scientific)に注入した。化合物の溶液は、それぞれのHCl塩を適当な量の脱イオン化した滅菌水に溶解し限外濾過して作成した。
【0174】
MICとMBC値を測定する代表的方法:
TSB中37℃で24時間インキュベートした培養物から、〜10CFU(コロニー形成ユニット)/mLの大腸菌(ATCC 10798)を含む懸濁液を調製した。この懸濁液のアリコート1mLを、1mLのTSBと段々増加するように濃度を変えたコール酸誘導体、および/またはエリスロマイシンもしくはノボビオシンを含む試験管に添加した。この感受性実験では、エリスロマイシンまたはノボビオシンは、コール酸誘導体より15分後に添加した。このサンプルを37℃で24時間、静止培養を行った。サンプルの濁度を760nmでの吸光度を測定(HP 8453 UV−Visible Chemstation、Hewett Packard)することによって決定した。さらに測定できるほどの濁度のない各サンプルから得られるアリコートは、TSAプレート上で二次培養した(アリコートは300CFU以下になるように希釈された)。一晩インキュベートした後、二次培養物で増殖したコロニーを計数し、サンプルに含まれるCFU/mLの数を算出した。算出した値は最初の接種物のCFU/mLの数と比較した。MIC値は、24時間インキュベートした後でCFU/mLの数が一定のままかまたは減少したかをその調べた化合物の濃度として決定した。MBC値は、調べた化合物の、当初の細菌懸濁液の0.1%以下しか生存できない最も低い濃度として決定した。
【0175】
実施例 17: コール酸誘導体の膜不通過性の証明
J. M. Shupp、S. E. Travis、L. B. Price、R. F. Shand、P. Keim、Rapid Bacterial Permeabilization Reagent Useful For Enzyme Assays、Biotechniques、1995、vol. 19、18−20に記載された手法を用いて本発明者らは、コール酸誘導体がグラム陰性細菌の外膜の透過性を増大させることを明らかにした。最大発光の半分の値(ルシフェリンが細胞に入るのを許容する外膜の透過性を示す)は、2については7μg/mL、10については33μg/mLである。これらの値は、2及び10について測定したMICに対応する。
【0176】
PMBは膜透過性と殺細菌特性を有することが知られている。PMBは、疎水性アシル基と、Dアミノ酸と4個のジアミノ酪酸(DAB)残基を含む大環状ヘプタペプチドとを有する。DAB側鎖の一つは、巨大環の形成に関与し、他の3つの側鎖は遊離のアミンのままである。このように、PMBは疎水性の足場構造の片側のある面、すなわち平面に向けられたアミンの列を有する。巨大環の主な役割は、LPSのリピドA部分に結合するために必要な特異的配置にアミン基を向けることであることが示唆されている。これらの一級アミン基の相対的空間的方向性は、コール酸誘導体においてもPMBの場合と同じである。
【0177】
ステロイド骨格の立体化学の違いによって、コール酸誘導体の活性の違い(2及び8、表1、2、6及び7を比較されたい)が生じる。ステロイドに結合したグアニジン基を有する化合物は、アミン基を含む化合物よりもMIC値が低くなる(1、2、4及び5を比較、表1−8を比較されたい)。アミン基またはグアニジン基とステロイド骨格の間の鎖の長さも活性に影響を与える(1〜3、表1、2、6及び7を比較されたい)。アミン基とステロイド骨格との間のエステルの鎖は、エーテルの鎖を含む対応する化合物よりも高いMIC値を有する(1、2、6及び7、表1及び2を比較されたい)。
【0178】
骨格のC−20またはC−24に結合した基もコール酸誘導体の活性に影響を与える。C−24でエーテル結合を介してステロイドに長い炭素鎖が結合していると、C−24に水酸基を結合している化合物に比較してその化合物のMICは小さくなる(2、9及び10、表1、2、6及び7を比較されたい)。C−20に炭素または酸素の短い鎖が結合していると、コール酸誘導体のMIC値が小さくなる(10及び11、表1及び2を比較されたい)。共有結合しているコール酸誘導体はその化合物の活性を増加させる(10及び12、表1及び2を比較されたい)。
【0179】
外膜を透過化させる能力:
化合物11、106、108〜114(図1)の抗生物質活性について調べた。それらは、外膜を通過できない疎水性抗生物質に対する感作を引き起こす、グラム陰性菌の外膜を透過性にする能力についても試験した。外膜の透過化はエリスロマイシンおよびノボビオシンを用いて測定した。これらの抗生物質はグラム陽性菌に対して活性であるが、グラム陰性菌の外膜によって形成された障壁のために、グラム陰性菌に対しては不活性である。
【0180】
ほとんどの実験は大腸菌K−12株ATCC 10798を用いて実施した;しかし、コール酸誘導体の活性が種特異的でないことを証明するために、選択した化合物の活性を緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 27853)についても測定した。大腸菌(ATCC 10798)に対するエリスロマイシンおよびノボビオシンのMICを70および>500 μg/mlで測定した。透過化に関する閾値測定値は、エリスロマイシンまたはノボビオシンのいずれかのMICを1μg/mlに低下させるために必要なコール酸誘導体の濃度であった。
【0181】
MIC、MBCおよび透過化(エリスロマイシンによる)測定の結果を図2(図2では、化合物AはポリミキシンBノナペプチドである)に示す。図2に示すように、化合物のMICおよびMBC値は、C−17から伸長する側鎖の長さが増加するにつれて劇的に低下した。疎水性ステロイド側鎖の明白な役割は、グラム陰性菌の外膜との初回会合後に、膜への付着と自己推進輸送を促進することである(図3に示すように)。外膜の透過化は、膜の外側の小葉上のリピドAとの会合の結果として起こる。外膜の透過化のみでは細胞死を引き起こさず、このことは、化合物が細菌を殺すためには外膜を通過しなければならないことを示唆している。外膜の通過能、それによる細胞質膜の破壊能は、化合物が致死的活性を有するために必要である。
【0182】
認められるように、疎水性側鎖を有しない化合物は殺菌作用が弱い。これらの化合物は、外膜を透過性にすることができる(すなわち、膜の外側の小葉上のリピドAと会合する)が、外膜を通過することができないという仮説が立てられる。
【0183】
化合物の分画阻害濃度(FIC)値は、二次化合物としてエリスロマイシンとノボビオシンとを用いて計算した。114を例外として、化合物はエリスロマイシンに関してFIC値0.5未満を示し、中には0.05に近い値もあった(表9)。
【0184】
ノボビオシンを用いた試験の詳細も同様に表9に示す。エリスロマイシンおよびノボビオシンによる結果は同等であったという事実は、コール酸誘導体の活性が抗生物質依存的でないことを示している。類似の傾向は、大腸菌(ATCC 10798)および緑膿菌(P. aeruginosa)(ATCC 27853)についても認められたが、予想されたように、緑膿菌(P. aeruginosa)は大腸菌より抵抗性であった。これらの結果は、調べた化合物の活性が種依存的でないことを示唆している。
【0185】
疎水性のアルキルアミノアルキル側鎖を有する化合物を調製した(化合物133および134、図4)。他の化合物について認められたように、グアニジン基を組み入れると(134)、一級アミンを含む化合物と比較してコール酸誘導体の活性は増加した。対照として、疎水性側鎖を有しない135(図4)を調製した。対照(135)のMICは、MBCと同様に予想通り比較的高かった(図5)。対照的に、133および134のMICは非常に低かった、実際にそれらの活性はPMBに匹敵した。特に、133、134、およびPMBのMBCはMICと非常に類似していた。すなわち閾値濃度において、これらの化合物は溶液中の細菌を全て殺した。
【0186】
コール酸誘導体133および134の膜破壊能を証明するさらなる手段として、ルシフェリン/ルシフェラーゼに基づく細胞溶解アッセイを用いた(ウィラードソン(Willardson)ら、Appl. Environ. Microbiol. 1998、64、1006およびシャップ(Schupp)ら、Biotechniques 1995、19、18に記載の通り)。このアッセイにおいて、誘導型ルシフェラーゼをコードするプラスミドを含む大腸菌を誘導物質(トルエン)と共にインキュベートした後、PMBまたはコール酸誘導体の1つのいずれかとトライトンX−100とを含む溶解緩衝液によって処理した。次に、ルシフェリンおよびATPを加えた。細胞溶解によって発光が起こった。膜破壊物質(PMBおよびコール酸誘導体)の濃度を変化させて、得られた発光を測定した。膜破壊物質が存在しない場合、発光は認められなかった。
【0187】
133、134およびPMBのMICならびに半最大発光に必要な濃度を図6に示す。MIC値の場合と同様に、化合物133および134の活性は、発光アッセイにおいてPMBの活性に匹敵する。
【0188】
スルフェート基の作用:
コール酸誘導体におけるC−24でのスルフェート基の存在が、化合物の活性を増加させるか否かを観察するために、132(図7に示す)を調べた。大腸菌(ATCC 10798)による132のMICは60 μg/mlであった。エリスロマイシンのMICを1μg/mlに低下させるために必要な濃度は、同じ株について4.0 μg/mlであった。132の抗生物質活性および透過化活性は、親化合物であるアルコール110(図1に示す)の活性より低かった。
【0189】
追加実験:
化合物1、2、5、106、10、112、133および134を用いて追加実験を行った。グラム陰性およびグラム陽性生物の代表的な株について、これらの化合物のMICおよびMBCデータを表10に示す。比較目的のために、様々な生物によるPMBのMICも測定し、表10に示す。
【0190】
PMBの他に、化合物1、2、5、106、10、112、133および134は他のステロイド抗生物質と何らかの特徴を共有する。例えば、スクアラミンは、ステロイド核およびポリアミン側鎖を含む(ムーア(Moore)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 1993、90、1354〜1358)。スクアラミンは脂質二重層に組み入れられ、そして細菌膜を破壊すると提唱されている。スクアラミンにおいて、極性のポリアミン官能性は分子の遠位末端に存在し、疎水性コアを残す。1、2、5、106、10、112、133および134において、アミンはステロイドの片側に存在し、表面的に両親媒性の化合物を与える。1、2、5、106、10、112、133および134に関連する別の一連の化合物は、C−24位にアミンを有するコール酸誘導体を含む(例えば、図7の140)。1、2、5、106、10、112、133および134とは対照的に、これらの化合物はグラム陽性菌に対する抗菌活性がごく弱く、グラム陰性菌に対しては活性を示さないことが示されている。
【0191】
コール酸誘導体1、2、5、106、10、112、133および134は、活性の幅を示し、中にはマイクログラム/ml以下のMICを示すものもある。多くの生物に対して、MICおよびMBC値は、特に最も活性の高い化合物では非常に類似している。化合物のいくつかは、おそらく細胞質膜の破壊による、致死的な活性を示す。その他は外膜の透過化によって亜致死活性を有するに過ぎない。
【0192】
疎水性鎖を欠損する化合物(例えば、106および10)は、高いMIC値を有するが、グラム陰性菌の外膜の有効な透過剤である。これらの化合物は疎水性鎖を欠損するため、それらは、これらの細菌に対して亜致死的であって致死的ではない活性を有する。疎水性鎖を有する化合物(例えば、133および134)は、致死的活性を有する。
【0193】
コール酸誘導体1、2、5、106、10、112、133および134の溶血作用は、それらが膜破壊物質として作用しうること、そしてそれらの抗菌活性はおそらく膜の破壊を伴うことを示唆している。グラム陰性菌に関して、不活性の標的は、細胞質膜であると予想される。106および10のような化合物は、外膜を有効に通過することができず、致死的活性を示さない。133および134における疎水性鎖は、外膜を通っての自己推進輸送を促進する可能性があり、それによって細胞質膜を破壊する可能性がある。
【0194】
表10に示す結果は、疎水性鎖の存在がグラム陽性菌に対する致死的活性にとってあまり重要でないことを示している。外膜を通過する要件を満たしていなくとも、C−17から伸長する疎水性鎖を欠損する化合物は、グラム陽性菌を有効に殺すことができる。
【0195】
様々な結合の長さを調べて、ステロイドからアミンまたはグアニジン基の最適な間隔を決定した。炭素結合3個は、炭素結合2個の化合物より有効である化合物を生じることが判明した(例えば、1のMICと2のMICとを比較する)。グアニジン基をアミンに置換した場合に得られる抗生物質活性の増加は、アミン/グアニジンリン酸相互作用の中心的な役割を示唆している。
【0196】
C−17でステロイド骨格に結合した基の特性は、グラム陰性菌に対する化合物の活性に大きく影響を及ぼした。例えば、106、10、および112に関するMICおよびMBC値の差は顕著であった。この傾向は、133および134の値と比較して2および5のMICおよびMCB値においても認められた(この比較において、2および5のベンジル基は、133および134において認められるオクチル鎖より疎水性が低いと予想される)。C−17でステロイドに結合した基の影響は、グラム陽性菌ではあまり顕著ではなく、例えば、5および134は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対して類似のMIC値を有する。
【0197】
透過化を測定するために、エリスロマイシン、ノボビオシン、およびリファンピシンによる化合物1、2、5、106、10、112、133および134のFIC値を決定した。これらの抗生物質の0.5、1.0、または3.0 μg/mlの濃度を用い、グラム陰性菌の細菌生育を阻止するために必要なコール酸誘導体の濃度を決定した。細菌生育阻止に必要な濃度およびFIC値を表11〜13に示す。興味深いことに、化合物のMIC値は、外膜の透過化能に直接相関しない。例えば、化合物106および10は比較的高いMIC値を有するが、強力な透過化剤である。化合物のほぼ全てが、FIC値0.5未満を示し、中には0.03未満の化合物もあった。比較的高いFIC値を生じるコール酸誘導体(すなわち、5、133、および134)はそれ自身、強力な抗生物質である。
【0198】
エステルおよびアミド側鎖:
さらなる化合物、例えば、アミドおよびエステル側鎖を有する化合物を調べた。化合物203b、6、および210a(スキーム12)は、エリスロマイシンおよびノボビオシンとの強力な相乗作用を示した(表14)。一連のトリエステルにおいて(203a、203b、6および7)、βアラニン由来化合物は、グリシンに由来する化合物より活性が高い。C24での置換は、これらの化合物の活性にほとんど影響を及ぼさなかった(203bおよび7と比較)。
【0199】
トリアミド209a−c(スキーム12)は、アミド結合によって与えられた構造的拘束のためであろうか、エステルより活性が低かった。トリアミドに関して、C24で置換すると、化合物の活性に有意な影響を及ぼした(209aおよび210aと比較して、表14)。このシリーズにおいて、グリシン誘導体は対応するβアラニン誘導体より活性が高かった。
【0200】
リジン誘導体によって示された相乗作用の相対的欠如は、側鎖の長さに帰因する可能性がある。対照として、化合物211(図8)、α−アミノ基を欠損する209cの誘導体を調製した。この化合物は透過化剤として209cより活性が弱かった。化合物206はまた、透過化剤として有効でないことが証明された。これらの結果から、ステロイドとアミン官能基とのあいだの結合の最適な長さはゼロから原子6個の間であることが示唆される。
【0201】
さらなる化合物341〜343および324〜327を同様に調べた。化合物341〜343および324〜327の構造を図11に示す。黄色ブドウ球菌(S. aureus)(ATCC 25923)に対するこれらの化合物のMICを表6にMICとして示し、大腸菌(ATCC 25922)に対するこれらの化合物のMICを表16においてMICとして示し、大腸菌に対するエリスロマイシンのMICを30μg/mlから1μg/mlに低下させるために必要な化合物の濃度を表16においてcとして示し、化合物の最小溶血濃度を表16においてMHCとして示す。最小阻止濃度(MIC)および最小溶血濃度(MHC)は、リー(Li)ら、Antimicrob. Agents. Chemother. 1999、43、1347に記載されるように測定した。24位の炭素に疎水性鎖を含む表16の化合物(341〜343)は、グラム陰性菌に対して最も活性であった。24位の炭素がコリンである化合物(324〜326)はグラム陰性菌に対して単独の活性は非常に低かったが、グラム陽性菌の増殖阻害能を保持していた。この違いは、化合物324〜326が本明細書記載のグラム陰性菌の外膜を通過できないことに起因しうる。化合物327は不活性であった。化合物341〜343は非常に低いMHCを示したが、化合物324〜326は、おそらく24位の炭素がさらなる陽性荷電を有するために、非溶血性と考えられる。化合物356〜358の構造を図12に示す。化合物356〜357の合成の概要をスキーム16に示す。
【0202】
【表1】大腸菌(ATCC 10798)を用いた1−12のMIC及びMBCの値の測定
Figure 2004506645
値は未測定。
【0203】
【表2】大腸菌(ATCC 10798)を用いて70μg/mLから1μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1−12の濃度の測定
Figure 2004506645
値は未測定。
【0204】
【表3】大腸菌(ATCC 10798)を用いて>500μg/mLから1μg/mLのノボビオシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
Figure 2004506645
値は未測定。
【0205】
【表4】大腸菌(ATCC 25922)を用いて1、2、4及び5のMIC及びMBCの値の測定
Figure 2004506645
【0206】
【表5】大腸菌(ATCC 25922)を用いて60μg/mLから1μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
Figure 2004506645
【0207】
【表6】P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて1−5、8−12のMIC及びMBCの値の測定
Figure 2004506645
値は未測定。
【0208】
【表7】P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて240μg/mLから5μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1−5、8−12の濃度の測定
Figure 2004506645
値は未測定。
【0209】
【表8】P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて>500μg/mLから1μg/mLのノボビオシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
Figure 2004506645
【0210】
【表9】
Figure 2004506645
大腸菌(ATCC 10798)のMIC、MBC、透過化、およびFICデータ。(a)エリスロマイシンのMICを70から1 μg/mLに低下させるために必要な濃度。(b)1 μg/mLエリスロマイシンのMBC。(c)エリスロマイシンのFIC値。(d)ノボビオシンのMICを>500から1 μg/mLに低下させるために必要な濃度。(e)ノボビオシンのFIC値。
【0211】
【表10】
Figure 2004506645
【0212】
【表11】
Figure 2004506645
【0213】
【表12】
Figure 2004506645
【0214】
【表13】
Figure 2004506645
【0215】
【表14】
Figure 2004506645
a: エリスロマイシンのMICを1 μg/MLに減少させるために必要なコール酸誘導体の濃度。
b: ノボビオシンのMICを1 μg/MLに減少させるために必要なコール酸誘導体の濃度。
【0216】
【表15】
Figure 2004506645
【0217】
【表16】
Figure 2004506645
【0218】
他の態様
本明細書に開示した全ての特徴は、任意の組み合せに組み合わせることができる。本明細書で開示したそれぞれの特徴は、同一、等価物、または類似の目的を果たす別の特徴と置き換えてもよい。このように特に別記して述べない限り、開示されたそれぞれの特徴は、一般的な一連の等価な特徴または類似の特徴のなかのほんの一例である。
【0219】
上記の説明から当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認でき、そしてその精神及び範囲を逸脱することなく種々の使用法及び条件に本発明が適合するように本発明の種々の変形及び修飾を行うことが可能である。例えば本明細書に開示した新規なステロイド化合物の塩、エステル、エーテル及びアミドが本発明の範囲に含まれる。このように他の態様も添付の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物を示す図である。
【図2】エリスロマイシンのMICを1μg/mlに低下させるために必要な本発明の化合物の濃度と共に、各化合物のMICおよびMBC値を示すグラフである。
【図3】コール酸誘導体について提案される作用機構を示す略図である。
【図4】本発明の化合物を示す図である。
【図5】本発明の化合物のMICおよびMBC値を示すグラフである。
【図6】本発明の化合物のMIC値を示すグラフである。
【図7】化合物132を示す図である。
【図8】化合物211を示す図である。
【図9】化合物352〜354を示す図である。
【図10】化合物355を示す図である。
【図11】化合物341〜343および化合物324〜327を示す図である。
【図12】化合物356〜358を示す図である。

Claims (58)

  1. 下記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩:
    Figure 2004506645
    式中、
    融合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;ならびに
    〜R14のうち少なくとも2つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
    〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;ならびに
    、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
    融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
    水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である。
  2. とR、RとR10、およびR13とR14の対のうち少なくとも一つが欠失しており、欠失位置における環炭素原子の原子価が二重結合によって完結される(completed)、請求項1記載の化合物。
  3. 〜R14のうち少なくとも三つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  4. 〜R14のうち三つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、および(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシからなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
  5. 第二のステロイドが式Iの化合物である、請求項1記載の化合物。
  6. 連結基が(C1−C10)アルキル−オキシ−(C1−C10)アルキルである、請求項1記載の化合物。
  7. 、R、R、R13、およびR14のいずれも欠失していない、請求項1記載の化合物。
  8. 、R、およびR12のそれぞれが独立して、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルカルボキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 、R、R、R、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、およびR16が水素である、請求項8記載の化合物。
  10. 17が−CR181920であり、式中、R18、R19、およびR20のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換(C1−C10)アリール、(C1−C10)ハロアルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、オキソ、および第二のステロイドに結合した連結基からなる群より選択される、請求項9記載の化合物。
  11. 、R、およびR12のそれぞれが独立して、nが1〜3である−O−(CH2)n−NH2、−O−CO−(CH2)n−NH2、−O−(CH2)n−NH−C(NH)−NH2、−O−(CH2)n−N3、−O−(CH2)n−CN、および、Q5が任意のアミノ酸の側鎖である−O−C(O)−HC(Q5)−NH2からなる群より選択される、請求項8記載の化合物。
  12. 、RおよびR12のそれぞれが−O−CO−(CH2)n−NH2であり、nが1〜4である、請求項8記載の化合物。
  13. R17が−CH(CH)(CH−O−(CH−NHであり、nが1〜7である、請求項12記載の化合物。
  14. R17が−CH(CH)−(CH−NRであり、式中、nが0〜2であり、RおよびRが独立して(C1−C6)アルキル、アリール、またはアラルキルである、請求項12記載の化合物。
  15. R17が−CH(CH)(CHn1−CO−ORであり、式中、Rが−(CHn2(CHから選択され、n1およびn2が独立して1〜4である、請求項1記載の化合物。
  16. R3、R7およびR12が−O−C(O)−(CH−NHであり、nが1〜5である、請求項15記載の化合物。
  17. 下記式を有する請求項1記載の化合物:
    Figure 2004506645
    式中、nは1〜3であり、Bnはベンジル基である。
  18. 下記式を有する請求項1記載の化合物:
    Figure 2004506645
    式中、nは1〜3であり、Rは、n−オクチルおよびトリメチルエチルアンモニオから選択される。

  19. Figure 2004506645
    を有する請求項1記載の化合物。
  20. 〜R14のうち少なくとも2つがヒドロキシルであって、融合環A、B、C、およびD上の残りの部分が式Iで定義される、式IVの化合物
    Figure 2004506645
    を求電子試薬に接触させ、R〜R14のうち少なくとも2つが(C1−C10)アルキルオキシである式IVのアルキルエーテル化合物を作製する段階;
    アルキルエーテル化合物を、R〜R14のうち少なくとも2つが独立して(C1−C10)アジドアルキルオキシおよび(C1−C10)シアノアルキルオキシからなる群より選択されるアミノ前駆体化合物に変換する段階;ならびに
    アミノ前駆体化合物を還元して式Iの化合物を形成する段階
    を含む、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を調製する方法:
    Figure 2004506645
    式中、
    融合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;ならびに
    〜R14のうち少なくとも2つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
    〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;ならびに
    、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
    融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
    水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である。
  21. 求電子試薬が臭化アリルである、請求項20記載の方法。
  22. 〜R14のうち少なくとも2つがヒドロキシルであり、融合環A、B、C、およびD上の残りの部分が式Iで定義される、式IVの化合物
    Figure 2004506645
    を求電子試薬に接触させ、R〜R14のうち少なくとも2つが(C1−C10)アルキルオキシである式IVのアルキルエーテル化合物を作製する段階;
    アルキルエーテル化合物を、R〜R14のうち少なくとも2つが(C1−C10)アジドアルキルオキシおよび(C1−C10)シアノアルキルオキシからなる群より独立して選択されるアミノ前駆体化合物に変換する段階;
    アミノ前駆体化合物を還元し、R〜R14のうち少なくとも2つが(C1−C10)アミノアルキルオキシであるアミノアルキルエーテル化合物を作製する段階;ならびに アミノアルキルエーテル化合物をグアニジノ産生求電子試薬に接触させ、式Iの化合物を形成する段階
    を含む、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を作製する方法:
    Figure 2004506645
    式中、
    融合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;ならびに
    〜R14のうち少なくとも2つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
    〜R、R、R、R11、R12、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;ならびに
    、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
    融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
    水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である。
  23. グアニジノ産生求電子試薬がHSO−C(NH)−NHである、請求項22記載の方法。
  24. 請求項1記載の化合物の有効量を含む、薬学的組成物。
  25. 組成物がさらなる抗生物質を含む、請求項24記載の薬学的組成物。
  26. 請求項1記載の化合物を含む有効量の抗菌組成物を宿主に投与することによって、宿主の微生物感染症を治療する方法。
  27. 宿主がヒトである、請求項26記載の方法。
  28. 抗菌組成物が、微生物細胞に送達される第二の抗菌物質をさらに含む、請求項26記載の方法。
  29. 第二の抗菌物質が抗生物質である、請求項28記載の方法。
  30. 感染症が細菌感染症である、請求項26記載の方法。
  31. 感染症がグラム陰性菌感染症である、請求項30記載の方法。
  32. 細菌感染症が、リピドAが大幅な割合で含まれている外膜を特徴とする細菌による感染症である、請求項30記載の方法。
  33. 透過性を増強する量の請求項1記載の化合物を細胞に投与することによって、細胞透過性を増強する方法。
  34. 細胞に導入される物質を細胞に投与する段階をさらに含む、請求項33記載の方法。
  35. 細胞が細菌である、請求項34記載の方法。
  36. 細菌がグラム陰性菌である、請求項35記載の方法。
  37. 細胞が精子細胞であり、化合物が殺精子組成物の一部である、請求項34記載の方法。
  38. 候補化合物および請求項1記載の化合物を微生物に投与する段階、ならびに候補化合物が微生物に対して静的(static)作用または毒性作用を有するか否かを決定する段階を含む、微生物に対して有効な化合物を同定する方法。
  39. 微生物がグラム陰性菌である、請求項38記載の方法。
  40. 請求項1記載の化合物を含む有効量の抗微生物組成物を微生物に接触させる段階を含む、微生物の増殖を制御する方法。
  41. 細胞に導入される抗微生物物質と併用して請求項1記載の化合物を含む物質の組成物。
  42. 化合物が環系の同じ面に結合した三つの鎖を含み、鎖のそれぞれが複数の窒素含有基を含み、複数の窒素含有基が少なくとも一つの原子によって環系から分離されており、かつ(C1−C10)アルキルアミノ(C1−C1)アルキルアミノ基、または(C1−C10)アルキルアミノ(C1−C1)アルキルアミノ(C1−C1)アルキルアミノ基である、それぞれの環が原子5個〜7個を有し、環系が二つの面を有する、少なくとも四つの融合環の環系を含む化合物。
  43. 複数の窒素含有基のそれぞれが、少なくとも2つの原子によってステロイド骨格から分離されている、請求項42記載の化合物。
  44. 複数の窒素含有基のそれぞれが、少なくとも三つの原子によってステロイド骨格から分離されている、請求項43記載の化合物。
  45. 複数の窒素含有基のそれぞれが、少なくとも四つの原子によってステロイド骨格から分離されている、請求項44記載の化合物。
  46. 化合物がステロイド骨格に結合した疎水基をさらに含む、請求項42記載の化合物。
  47. 疎水基が、置換(C3−C10)アミノアルキル基、(C1−C10)アルキルオキシ(C3−C10)アルキル基、および(C1−C10)アルキルアミノ(C3−C10)アルキル基からなる群より選択される、請求項42記載の化合物。
  48. 請求項42記載の化合物の有効量を含む、薬学的組成物。
  49. 透過性を増強する量の請求項42記載の化合物を細胞に投与することによって、細胞透過性を増強する方法。
  50. 下記式を有する請求項1記載の化合物:
    Figure 2004506645
    式中、Rは水素または(C1−C10)アルキルアミノから選択され、Rは(C1−C10)アルキルアミノまたは(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノから選択され、かつnは1〜3である。
  51. が水素であり、Rが(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノである、請求項1記載の化合物。
  52. が(C1−C10)アルキルアミノで、Rが(C1−C10)アルキルアミノである、請求項1記載の化合物。
  53. 下記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩:
    Figure 2004506645
    式中、
    融合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和である;ならびに
    〜R14のうち少なくとも2つが独立して、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシから選択されるという条件で、
    〜R、R、R、R11、R12、R15、およびR16はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルカルボキシ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ−(C1−C10)アルキルアミノ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した連結基、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキサミド、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、(C1−C10)四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;
    、R、R、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して
    融合環A、B、CもしくはDのうち一つが不飽和である場合に、該部位の炭素原子の原子価を完全にするために欠失される、または
    水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1−C10)アルキル、(C1−C10)ヒドロキシアルキル、(C1−C10)アルキルオキシ−(C1−C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1−C10ハロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、第二のステロイドに結合した連結基、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1−C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、(C1−C10)アジドアルキルオキシ、(C1−C10)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、(C1−C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1−C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.はアミノ保護基である;かつ
    R17は、置換または非置換アルキルカルボキシアルキルおよび保護または脱保護ポリ(アミノアルキル)からなる群より選択される。
  54. 下記式を有する化合物:
    Figure 2004506645
    式中、nは1〜3である。
  55. 下記式を有する化合物:
    Figure 2004506645
    式中、nは1〜3である。

  56. Figure 2004506645
    を有する化合物。

  57. Figure 2004506645
    を有する化合物。

  58. Figure 2004506645
    を有する化合物。
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