JP5147814B2 - ステロイド由来抗生物質 - Google Patents
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Description
本発明は新規ステロイド誘導体およびその塩、ならびにそれらを調製する方法および中間体に関する。
〔化16〕
式中、縮合環A、B、CおよびDは独立して飽和または完全もしくは部分的に不飽和であり;および
R1〜R4、R6、R7、R11、R12、R15、R16、およびR17はそれぞれ、水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1-C10)アルキル、(C1-C10)ヒドロキシアルキル、(C1-C10)アルキルオキシ(C1-C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1-C10ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した結合基、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N-HC(Q5)-C(O)-O-、H2N-HC(Q5)-C(O)-N(H)-、(C1-C10)アジドアルキルオキシ、(C1-C10)シアノアルキルオキシ、P. G. -HN-C(Q5)-C(O)-O-、(C1-C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1-C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より独立して選択され、式中Q5は任意のアミノ酸の側鎖であり、P. G. はアミノ保護基である、および
R5、R8、R9、R10、R13、およびR14はそれぞれ独立して:
縮合環A、B、CもしくはDの一つが、その部位での炭素原子の原子価を完全にするために不飽和である場合、欠失している、または
水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換(C1-C10)アルキル、(C1-C10)ヒドロキシアルキル、(C1-C10)アルキルオキシ-(C1-C10)アルキル、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキル、置換もしくは非置換アリール、C1-C10ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合した結合基、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N-HC(Q5)-C(O)-O-、H2N-HC(Q5)-C(O)-N(H)-、(C1-C10)アジドアルキルオキシ、(C1-C10)シアノアルキルオキシ、P. G.-HN-C(Q5)-C(O)-O-、(C1-C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1-C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択され、式中Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P. G.はアミノ保護基である、および
R1〜R14の少なくとも2つが、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルオキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルカルボキシ、置換もしくは非置換(C1-C10)アミノアルキルアミノカルボニル、H2N-HC-(Q5)-C(O)-O-、H2N-HC(Q5)-C(O)-N(H)-、(C1-C10)アジドアルキルオキシ、(C1-C10)シアノアルキルオキシ、P. G. -HN-C(Q5)-C(O)-O-、(C1-C10)シアノアルキルオキシ、P. G. -HN-C(Q5)-C(O)-O-、(C1-C10)グアニジノアルキルオキシ、および(C1-C10)グアニジノアルキルカルボキシからなる群より選択される;またはその薬学的に許容される塩である。
〔化17〕
式中、R1〜R14の少なくとも2つはヒドロキシルであり、縮合環A、B、C、およびD上の残りの部分は式Iに定義し、求電子剤は式IVのアルキルエーテル化合物を生じ、式中R1〜R14の少なくとも2つは(C1-C10)アルキルオキシである。アルキルエーテル化合物は、R1〜R14の少なくとも2つが独立して(C1-C10)アジドアルキルオキシおよび(C1-C10)シアノアルキルオキシからなる群より選択されるアミノ前駆化合物に変換され、アミノ前駆化合物が還元されて式Iの化合物を形成する。
一般的に、本発明は、上記の式Iの化合物を提供する。式Iの化合物の調製方法ならびにMICおよびMBCについて記述する。細胞膜透過性もまた、測定して記述する。下記に示すように本発明において有用な化合物は、静菌、殺菌、および細菌感作特性を示す新規ステロイド誘導体を含む。当業者は、本発明が添付の特許請求の範囲に記載の式に含まれ、記載の特徴を有するその他の化合物にも及ぶことを理解すると思われる。これらの特徴は、下記の、および文献に記載されているアッセイ法を用いてそれぞれの試験化合物に関して決定することができる。
〔式〕
本法によって、化合物の他の化合物との相乗作用を決定することができる。例えば、一般的に安全な用量で特定の細菌に対して十分に有効ではない物質は、本発明の化合物によってより有効にすることができ、このように物質を新規部類の感染症に対して用いることができるようにする。特に、既存の多くの抗生物質は幾つかのグラム陽性細菌に対して有効であるが、現在グラム陰性細菌感染症の治療には適応されていない。幾つかの場合において、抗生物質は、それが細胞に入ることができないために、グラム陰性菌に対して無効となる可能性がある。本発明の化合物は、抗生物質がグラム陰性菌に対して有効となるように透過性を増加させる可能性がある。
化合物は、ヒトまたはヒト以外の動物を含む任意の宿主に、細菌の増殖のみならず、ウイルスまたは真菌の増殖を阻害する有効量を投与してもよい。これらの化合物は、抗微生物剤、抗ウイルス剤、殺菌剤、および抗真菌剤として有用である。化合物は、ヒトまたはヒト以外の動物を含む任意の宿主に、細菌の増殖のみならず、ウイルスまたは真菌の増殖を阻害する有効量を投与してもよい。これらの化合物は、抗微生物剤、抗ウイルス剤、および抗真菌剤として有用である。
〔化18〕
スキーム1.化合物1、2、4および5の調製
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) LiAlH4(98%)。b) トリチルクロライド、Et3N、DMF(70%)。c) 臭化アリル、NaH、THF(96%)。d) O3、CH2Cl2、MeOH:Me2S:NaBH4(95%)。e) 9-BBN、THF:H2O2、NaOH(80%)。f) MsCl、CH2Cl2、Et3N(78%、82%)。g) NaN3、DMSO(20に関して66%、19は直接23に運ばれる)。h) TsOH、MeOH(94%、19から全体で94%)。i) MsCl、CH2Cl2、Et3N(99%、97%)。j) N-ベンジルメチルアミン(95%、96%)。k) LiAlH4、THF(95%、99%)。l) NH2(CH)SO3、MeOH(91%、89%)。
〔化19〕
スキーム2.化合物3の調製
試薬(反応収率は括弧内に示す):a) KCN、DMSO;MeOH、TsOH(92%)。(b)MsCl、Et3N、CH2Cl2;BnMeNH(88%)。c) LiAlH4、AlCl3、THF(50%)。
〔化20〕
スキーム3.6および7の調製
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) ジシクロヘキシルカルボジイミド、N-ヒドロキシスクシニミド、メチルフェニルアミン、CH2Cl2、MeOH(85%)。b) LiAlH4、THF(82%)。c) ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルアミノピリジン、Boc-グリシン、CH2Cl2(68%)。d) ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルアミノピリジン、Boc-βアラニン、CH2Cl2(72%)。e) HCl、ジオキサン(〜100%、〜100%)。
〔化21〕
スキーム4.化合物8の合成
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) DIAD、Ph3P、p-ニトロ安息香酸、THF(85%);NaOH、MeOH(85%)。b) 臭化アリル、NaH、THF(79%)。c) O3、CH2Cl2、MeOH;Me2S:NaBH4(65%)。d) MsCl、CH2Cl2、Et3N(86%)。e) NaN3、DMSO(80%)。f) TsOH、MeOH(94%)。g) MsCl2、CH2Cl2、Et3N:N-ベンジルメチルアミン(93%)。g) LiAlH4、THF(94%)。
〔化22〕
スキーム5.化合物9および10の合成
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) NaH、臭化オクリル、DMF(80%);LiAlH4、THF(60%)。b) LiAlH4、THF(60%)。
〔化23〕
スキーム6.化合物11の合成
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) エチレングリコール、p-トルエンスルホン酸、ベンゼン;NaOH、MeOH(96%)。b) 臭化アリル、NaH、THF(90%)。c) 9-BBN、THF;MaOH、H2O2、H2O(54%)。d) p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、MeOH(98%)。c) 塩化メタンスルホニル、Et3N、CH2Cl2;NaN3、DMSO(88%)。f) LiAlH4、THF(69%)。
〔化24〕
スキーム7.化合物12の合成
試薬(反応収率を括弧内に示す):a) 塩化メタンスルホニル、Et3N、CH2Cl2;NaBr、DMF(97%)。b) 23、NaH、DMF(52%)。c) LiAlH4、THF(76%)。
全般:
1Hおよび13C NMRスペクトルをバリアンジェミニ2000(200 MHz)またはバリアンユニティ300(300 MHz)分光光度計上で記録し、CHCl3(1H)またはCDCl3(13C)を基準とした。IRスペクトルをパーキンエルマー1600 FTIR機器で記録した。マススペクトルデータはJOEL SX 102A分光光度計上で得た。使用前にTHFをNa゜/ベンゾフェノン上で乾燥させ、CH2Cl2をCaH2上で乾燥させた。その他の試薬および溶媒は購入して原液のまま使用した。
化合物13:
1リットルの丸底フラスコに、無水THF(600mL)を溶媒とするコール酸メチル(30.67g, 72.7mmol)およびLiAlH4(4.13g, 109mmol)を添加した。48時間還流した後、Na2SO4の飽和水溶液(100mL)をゆっくり注入し、得られた沈殿をろ過し、熱THF及びMeOHで洗浄した。MeOHで再結晶し、無色の結晶13(28.0g, 収率98%)を得た。融点236.5〜238℃;IR(KBr) 3375, 2934, 1373, 1081 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 417.2992(55.3%);計算値417.2981
丸底フラスコに、DMF(300mL)を溶媒とする化合物13(28.2g, 71.7mmol)、Et3N(20mL, 143.4mmol)、塩化トリチル(25.98g, 93.2mmol)およびDMAP(0.13g, 1.07mmol)を添加した。この混合物をN2下50℃で30時間攪拌し、引き続き水(1000mL)を注入し、EtOAcで抽出した(5x200mL)。一緒にした抽出液を、水およびブラインで洗浄し、その後MgSO4上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をSiO2クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液:CH2Cl2、Et2OおよびMeOH)、淡黄色固形物14を得た(31.9g、収率70%)。融点:187℃(分解);
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 659.4069(100%);計算値659.4076。
丸底フラスコに、無水THF(600mL)を溶媒とする化合物14(20.0g, 31.4mmol)およびNaH(鉱油中60%、6.3g, 157.2mmol)を添加した。この混合物をN2下で30分間還流し、引き続き臭化アリル(27mL, 314mmol)を添加した。60時間還流した後、NaH(3当量)および臭化アリル(4当量)を添加した。引き続き更に50時間還流し、水(20mL)をゆっくり注入し、引き続き1%HClを水相が中性になるまで添加した。その後この混合物を、エーテルで抽出し(3x100mL)、一緒にした抽出液を、水(100mL)およびブライン(2x100mL)で洗浄した。このエーテル溶液を、無水Na2SO4上で乾燥し、溶媒を除去した後、残渣をSiO2クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液:ヘキサンおよびEtOAc/ヘキサン、1:8)、淡黄色ガラス状化合物15を得た(22.76g、収率96%)。IR(実測値)2930, 1448, 1087 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 779.5013(86.1%);計算値779.5015。
三首丸底フラスコに、CH2Cl2(200mL)を溶媒とする化合物15(3.34g, 4.4mmol)およびメタノール(100mL)を添加した。冷した溶液(−78℃)オゾンを通して、青色が持続するようになるまで泡立てた。過剰量のオゾンを酸素フローにより除去した。この混合物を、ドライアイス−アセトン浴中に1時間静置した。硫化メチル(2.4mL)を添加し、かつ15分後、この混合物を5%NaOH水溶液(10mL)/メタノール(10mL)を溶媒とするNaBH4(1.21g, 32mmol)で処理し、室温まで温めた。この混合物を、ブラインで洗浄し(3x50mL)、かつ一緒にしたブライン洗浄液を、CH2Cl2で抽出した(2x50mL)。この有機相をMgSO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(CH2Cl2中MeOH(5%))の後、油状の化合物16を単離した(3.30g、収率95%)。IR(実測値)3358, 2934, 1448, 1070 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 791.4860(100%);計算値791.4863。
丸底フラスコに、氷浴中N2下で無水THF(30mL)を溶媒とする化合物16(1.17g, 1.55mmol)を添加し、引き続き9-BBN/THF溶液(0.5M, 10.2mL, 5.51mmol)を添加した。この混合物を室温で12時間攪拌した。NaOH水溶液(20%)(2mL)および過酸化水素水(30%)(2mL)を順次添加した。この混合物を1時間還流した後、ブライン(60mL)を添加し、かつEtOAcで抽出した(4x30mL)。一緒にした抽出物を、無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(CH2Cl2中の5%MeOH)の後、無色の油状物として生成物を得た(1.01g, 収率80%)。IR(実測値)3396, 2936, 1448, 1365, 1089 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 833.5331(100%);計算値833.5332。
丸底フラスコに、CH2Cl2(150mL)を溶媒とする化合物16(3.30g, 4.29mmol)およびNEt3(2.09mL, 15.01mmol)を添加した。この混合物を、氷浴中N2下に置き、引き続き塩化メシル(1.01mL, 14.16mmol)を添加した。30分後、水(30mL)およびブライン(200mL)を添加した。CH2Cl2相を、ブラインで洗浄し(2x50mL)、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3x100mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(3.35g, 収率78%)。IR(実測値)2937, 1448, 1352, 1174, 1120, 924 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 1205.4176(81.5%);計算値1205.4189。
丸底フラスコに、CH2Cl2(50mL)を溶媒とする化合物17(1.01g, 1.25mmol)およびNEt3(0.608mL, 4.36mmol)を添加した。この混合物を、氷浴中N2下に置き、引き続き塩化メシル(0.318mL, 4.11mmol)を添加した。30分後、水(10mL)を、その後ブライン(80mL)を添加した。CH2Cl2相を、ブラインで洗浄し(2x20mL)、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3x40mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(1.07g, 収率82%)。IR(実測値)2938, 1356, 1176, 1112 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 1067.4672(100%);計算値1067.4659。
丸底フラスコに、無水DMSO(20mL)を溶媒とする化合物18(1.50g, 1.50mmol)およびNaN3(0.976g, 15mmol)を添加した。この混合物を、80℃に加熱し、N2下で一晩攪拌し、その後水(100mL)で希釈した。得られた水性混合物を、EtOAcで抽出し(3x50mL)、一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:5)の後、所望の生成物を透明なガラス状物として単離した(0.83g, 収率66%)。IR(実測値)2935, 2106, 1448, 1302, 1114 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 866.5040(100%);計算値866.5057。
丸底フラスコに、MeOH(30mL)を溶媒とする化合物20(830mg, 0.984mmol)およびCH2Cl2(30mL)およびp-トルエンスルホン酸(9.35mg, 0.0492mmol)を添加した。この溶液を、室温で2.5時間攪拌し、その後NaHCO3飽和水溶液(10mL)を注入した。ブライン(30mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(4x20mL)。一緒にした抽出液を、無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.564g, 収率95%)。IR(実測値)3410, 2934, 2106, 1301, 1112 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 624.3965(100%);計算値624.3962。
丸底フラスコに、化合物19(1.07g, 1.025mmol)およびNaN3(0.666g, 10.25mmol)を添加し、その後無水DMSO(15mL)を注入した。この混合物を、N2下で一晩最高80℃で加熱した。H2O(100mL)添加後、この混合物をEtOAcで抽出し(4x40mL)、かつ一緒にした抽出液を、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去した後、残渣をMeOH(15mL)およびCH2Cl2(15mL)中溶解し、引き続き触媒量のp-トルエンスルホン酸(9.75mg, 0.051mmol)を添加した。この溶液を室温で2.5時間攪拌し、その後飽和NaHCO3溶液(15mL)を添加した。ブライン(60mL)を添加した後、この混合物をEtOAcで抽出した(5x30mL)。一緒にした抽出液にブライン(150mL)を添加し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を黄色がかった油状物として得た(0.617g, 2段階の収率94%)。IR(実測値)3426, 2928, 2094, 1456, 1263, 1107 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 666.4415(100%);計算値666.4431。
丸底フラスコに、CH2Cl2(30mL)を溶媒とする化合物22(0.564g, 0.938mmol)およびNEt3(0.20mL, 1.40mmol)を添加した。この混合物を、N2下で氷浴に入れ、引き続き塩化メシル(0.087mL, 1.13mL)を添加した。30分後、水(20mL)およびブライン(100mL)を添加した。CH2Cl2相を、ブライン(2x20mL)で洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3x30mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)の後、所望の生成物を黄色がかった油状物として得た(0.634g, 収率99%)。IR(実測値)2935, 2106, 1356, 1175, 1113 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 702.3741(100%);計算値702.3737。
丸底フラスコに、CH2Cl2(30mL)中に化合物23(0.617g, 0.96mmol)およびNEt3(0.20mL, 1.44mmol)を添加した。この混合物を、N2下で氷浴に入れ、引き続き塩化メシル(0.089mL, 1.15mmol)を添加した。30分後、水(20mL)およびブライン(120mL)を添加した。CH2Cl2相を、ブラインで洗浄し(2x20mL)、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。一緒にした水性混合物を、EtOAcで抽出した(3x30mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去した後、所望の生成物を淡黄色がかった油状物として得た(0.676g, 収率97%)。IR(実測値)2934, 2094, 1454, 1360, 1174, 1112 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロールマトリックス) m/e:([M+H]+) 722.4385(22.1%);計算値722.4387。
50mLの丸底フラスコに、化合物24(0.634g, 0.936mmol)およびN-ベンジルメチルアミン(2mL)を添加した。この混合物を、N2下で一晩80℃で加熱した。過剰なN-ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、および残渣を、SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)にかけた。所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.6236g, 収率95%)。IR(実測値)2935, 2106, 1452, 1302, 1116 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M-H]+) 703.4748(90.2%);計算値703.4772;([M+H]+) 705.4911(100%);計算値705.4928;([M+Na]+) 727.4767(1.5%);計算値727.4748。
50mLの丸底フラスコに、化合物25(0.676g, 0.937mmol)およびN-ベンジルメチルアミン(2mL)を添加した。この混合物を、N2下一晩80℃で加熱した。過剰なN-ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、および残渣を、SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2)にかけた。所望の生成物を淡黄色油状物として単離した(0.672g, 収率96%)。IR(実測値)2934, 2096, 1452, 1283, 1107 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロールマトリックス) m/e:([M+H]+) 747.5406(77.2%);計算値747.5398。
丸底フラスコに、無水THF(30mL)を溶媒とする化合物26(0.684g, 0.971mmol)およびLiAlH4(113.7mg, 3.0mmol)を、N2下で添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌し、その後Na2SO4・10H2O粉末(10g)を、ゆっくり添加した。灰色が消失した後、この混合物をセライトを通してろ過し、かつ無水THFで洗浄した。生成物を無色のガラス状物として得た(0.581g、収率95%)。IR(実測値)3372, 2937, 1558, 1455, 1362, 1102 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロールマトリックス) m/e:([M+H]+) 627.5211(100%);計算値627.5213。
丸底フラスコに、無水THF(150mL)を溶媒とする化合物27(0.82g, 1.10mmol)およびLiAlH4(125mg, 3.30mmol)を、N2下で添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌し、その後Na2SO4・10H2O粉末(10g)を、ゆっくり添加した。灰色が消失した後、この混合物を綿栓を通してろ過し、かつ無水THFで洗浄した。THFを減圧下で除去し、かつ残渣をCH2Cl2(50mL)中に溶解した。ろ過後、無色ガラス状の所望の生成物を得た(0.73g、収率99%)。IR(実測値)3362, 2936, 2862, 2786, 1576, 1466, 1363, 1103 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 691.5504(38.5%);計算値691.5502。
メタノールおよびクロロホルムを溶媒とする化合物1(79.1mg, 0.126mmol)およびアミノイミノメタンスルホン酸(50.15mg, 0.404mmol)の懸濁液を、室温で24時間攪拌したところ、懸濁液が透明になった。HCl(1M, 1mL)のエーテル溶液を添加し、引き続き溶媒をN2フローにより除去した。残渣を、H2O(5mL)に溶解し、その後20%NaOH水溶液(0.5mL)を添加した。得られた曇った混合物を、CH2Cl2で抽出した(4x5mL)。一緒にした抽出液を、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去し、所望の生成物を白色粉末として得た(90mg、収率95%)。融点111〜112℃。IR(実測値)3316, 2937, 1667, 1650, 1556, 1454, 1348, 1102 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 753.5858(100%);計算値753.5867。
化合物4を、最小量のCH2Cl2およびMeOH中に溶解し、引き続きエーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒をN2フローにより除去し、残渣を、一晩高減圧状態に置いた。非晶質白色粉末として、所望の生成物を得た。
メタノールおよびクロロホルムを溶媒とする化合物2(113mg, 0.169mmol)およびアミノイミノメタンスルホン酸(67.1mg, 0.541mmol)の懸濁液を、室温で24時間攪拌した。エーテルを溶媒とするHCl(1M, 1mL)を添加し、引き続きN2フローにより溶媒を除去した。残渣を、一晩高減圧状態に置き、かつH2O(5mL)に溶解し、その後20%NaOH水溶液(1.0mL)を添加した。得られた混合物を、CH2Cl2で抽出した(5x5mL)。一緒にした抽出液を、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去し、所望の生成物を白色固形物として得た(90mg、収率95%)。融点102〜104℃。IR(実測値)3332, 3155, 2939, 2863, 1667, 1651, 1558, 1456, 1350, 1100 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 795.6356(84.3%);計算値795.6337。
化合物5を、最小量のCH2Cl2およびMeOH中に溶解し、引き続きエーテルを溶媒とするHCl過剰量を添加した。溶媒および過剰なHClをN2フローにより除去し、残渣を、一晩高減圧状態に置いた。非晶質白色粉末として、所望の生成物を得た。
化合物28:
無水DMSO(5mL)を溶媒とする化合物19(0.641g, 0.614mmol)およびKC(0.40g, 6.14mmol)の懸濁液を、80℃でN2下で一晩攪拌した後、H2O(50mL)を添加した。水性混合物は、EtOAcで抽出した(4x20mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、かつ減圧下で濃縮した。残渣を、CH2Cl2(3mL)に溶解し、MeOH(3mL)および触媒量のp-トルエンスルホン酸(5.84mg, 0.03mmol)を添加した。この溶液を室温で3時間攪拌し、その後NaHCO3飽和溶液(10mL)を注入した。ブライン(60mL)を添加した後、混合物をEtOAcで抽出した(4x30mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、2:1)の後、所望の生成物を、淡黄色がかった油状物として得た(0.342g、収率92%)。IR(実測値)3479, 2936, 2864, 2249, 1456, 1445, 1366, 1348, 1108 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 618.4247(67.8%);計算値618.4247。
無水CH2Cl2(15mL)を溶媒とする化合物28(0.34g, 0.57mmol)溶液に0℃N2下で、NEt3(119.μL, 0.857mmol)を添加し、引き続き、塩化メシル(53.1μL, 0.686mmol)を添加した。混合物を、0℃で30分間攪拌し、その後H2O(6mL)を添加した。ブライン(60mL)を注入した後、水性混合物をEtOAcで抽出した(4x20mL)。一緒にした抽出液をブラインで一回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣に、N-ベンジルメチルアミン(0.5mL)を添加し、混合物を80℃N2下で一晩攪拌した。過剰なN-ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、2:1、次にEtOAc)の後、生成物を淡黄色油状物として得た(0.35g、収率88%)。IR(実測値)2940, 2863, 2785, 2249, 1469, 1453, 1366, 1348, 1108 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 699.5226(100%);計算値699.5213。
無水THF(10mL)を溶媒とする化合物29(0.074g, 0.106mmol)溶液を、無水THF(10mL)を溶媒とするAlCl3(0.1414g, 1.06mmol)およびLiAlH4(0.041g, 1.06mmol)の混合物に滴下した。この懸濁液を24時間攪拌し、その後20%NaOH水溶液(2mL)を氷浴温度で添加した。この水性スラリーに、無水Na2SO4を添加した。溶液をろ過し、沈殿をTHFで2回洗浄した。溶媒を除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ(シリカゲル、MeOH/CH2Cl2、1:1、次にMeOH/CH2Cl2/NH3・H2O、4:4:1)、所望の生成物を、透明な油状物として得た(0.038g、収率50%)。IR(実測値)3362, 2935, 2863, 2782, 1651, 1574, 1568, 1557, 1471, 1455, 1103 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 711.6139(100%);計算値711.6152;([M+Na]+)733.5974(46.1%);計算値733.5972。
化合物30:
コール酸(3.0g, 7.3mmol)を、CH2Cl2(50mL)およびメタノール(5mL)中に溶解した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.8g, 8.8mmol)を添加し、その後N-ヒドロキシスクシンイミド(〜100mg)およびベンジルメチルアミン(1.1g, 8.8mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌し、その後ろ過した。ろ液を濃縮し、かつクロマトグラフィーにかけ(SiO2、CH2Cl2を溶媒とする3%MeOH)、白色固形物3.0gを得た(収率81%)。融点184〜186℃;IR(実測値)3325, 2984, 1678 cm-1;
FAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 512(100%);計算値512。
化合物30(2.4g, 4.7mmol)を、THF(50mL)を溶媒とするLiAlH4(0.18g, 4.7mmol)懸濁液に添加した。この混合物を24時間還流し、その後0℃に冷却した。Na2SO4水溶液を、混合物の灰色が消えるまで、慎重に添加した。得られた塩をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、白色固形物2.1g(88%)を得た。この生成物は、以後の反応に十分な純度を有することが証明された。融点70〜73℃;IR(実測値)3380, 2983, 1502 cm-1;
FAB-MS(チオグリセロールマトリックス) m/e:([M+H]+) 498(100%);計算値498。
化合物31(0.36g, 0.72mmol)を、CH2Cl2(15mL)に溶解し、かつBoc-グリシン(0.51g, 2.89mmol)、DCC(0.67g, 3.24mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(〜100mg)を添加した。この混合物を、N2下で4時間攪拌し、その後ろ過した。濃縮およびクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2を溶媒とする5%MeOH)後、透明なガラス状の生成物0.47gを得た(68%)。
FAB-MS(チオグリセロールマトリックス) m/e:([M+H]+) 970(100%);計算値970。
化合物31(0.39g, 0.79mmol)を、CH2Cl2(15mL)に溶解し、かつBoc-β-アラニン(0.60g, 3.17mmol)、DCC(0.73g, 3.56mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(〜100mg)を添加した。この混合物を、N2下で6時間攪拌し、その後ろ過した。濃縮およびクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2を溶媒とする5%MeOH)後、透明なガラス状の生成物0.58gを得た(72%)。IR(実測値) 3400, 2980, 1705, 1510 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+H]+) 1011.6619(100%);計算値1011.6634。
化合物32(0.15g, 0.15mmol)を、ジオキサン中の4N HClの過剰量と共に40分間攪拌した。ジオキサンおよびHClを減圧下で除去したところ、透明なガラス状の生成物0.12gが残留した(〜100%)。
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M-4Cl-3H]+) 669.4576(100%);計算値669.4591。
化合物33(0.20g, 0.20mmol)を、ジオキサン中の4N HClの過剰量と共に40分間攪拌した。ジオキサンおよびHClを減圧下で除去したところ、透明なガラス状の生成物0.12gが残留した(〜100%)。
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M-4Cl-3H]+) 711.5069(43%);計算値711.5061。
化合物34:
ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(1.20mL, 6.08mmol)を、THF(100mL)を溶媒とするトリフェニルホスフィン(1.60g, 6.08mmol)に0℃で添加し、かつ30分間攪拌し、その間に黄色溶液はペースト状となった。化合物14(2.58g, 4.06mmol)およびp-ニトロ安息香酸(0.81g, 4.87mmol)を、THF(50mL)に溶解し、ペーストに添加した。得られた混合物を周囲温度で一晩攪拌した。水(100mL)を添加し、この混合物を、NaHCO3溶液を添加することによってわずかに塩基性とし、その後EtOAcで抽出した(3x50mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで一回洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(Et2O/ヘキサン、1:2)後、白色粉末として所望の生成物を得た(2.72g、収率85%)。融点207〜209℃;IR(KBr) 3434, 3056, 2940, 2868, 1722, 1608, 1529, 1489, 1448, 1345 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 808.4203(53.8%);計算値808.4189。ニトロ安息香酸(2.75g, 3.5mmol)を、CH2Cl2(40mL)中に溶解し、かつMeOH(20mL)および20%NaOH水溶液(5mL)を添加した。混合物を最高60℃で24時間加熱した。水(100mL)を注入し、かつEtOAcで抽出した。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(溶離液CH2Cl2を溶媒とする3%MeOH)の後、白色固形物の所望の生成物を得た(1.89g、収率85%)。融点105〜106℃;IR(KBr) 3429, 3057, 2936, 1596, 1489, 1447, 1376, 1265, 1034, 704 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 659.4064(100%);計算値659.4076。
丸底フラスコに化合物34(2.0g, 3.14mmol)、NaH(鉱油中60%、3.8g, 31.4mmol)およびTHF(150mL)を添加した。この懸濁液を2時間還流し、その後臭化アリル(2.72mL, 31.4mmol)を添加した。28時間還流した後、更に10当量のNaHおよび臭化アリルを添加した。72時間後、更に10当量のNaHおよび臭化アリルを添加した。115時間後、TLCの結果は、出発材料および中間体がほとんど存在しないことを示した。この懸濁液に、水(100mL)を慎重に添加し、引き続きEtOAcで抽出した(5x50mL)。一緒にした抽出液を、ブラインで洗浄し、かつ無水Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)の後、黄色がかったガラス状の所望の生成物を得た(1.81g、収率79%)。IR(実測値) 3060, 3020, 2938, 2865, 1645, 1596, 1490, 1448, 1376, 1076, 705 cm-1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス) m/e:([M+Na]+) 757.5185(12.9%);計算値757.5196。
CH2Cl2(40mL)及びMeOH(20mL)に35(0.551g、0.729mmol)を入れた溶液に、-78℃でその溶液が深い青色に変わるまでオゾンを気泡注入した。過剰量のオゾンは酸素とともに吹き飛んだ。メチルスルファイド(1mL)を添加し、続いて5%のNaOH溶液とメタノールに入れたNaBH4(0.22g、5.80mmol)を添加した。得られた混合液を室温で一晩攪拌し、塩水で洗浄した。次にその塩水をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4上で乾燥した。目的の生成物(0.36g、収率65%)がSiO2 クロマトグラフィー(5%のMeOH/CH2Cl2)を行った後で無色のガラス質として得られた。IR(実測値)3396、3056、2927、1596、1492、1462、1448、1379、1347、1264、1071cm−1
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )791.4844 (96.4%)、計算値791.4863。
NEt3(0.23mL、1.66mmol)を36(0.364g、0.47mmol)の乾燥CH2Cl2(30mL)溶液に0℃でN2気流下で添加し、続いてメシルクロライド(0.12mL、1.56mmol)を導入した。この混合液を10分間攪拌し、H2O(10mL)を加えてその反応を止めてからEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)を行って目的の生成物(0.411g、収率86%)が白色のガラス質として得られた。IR(実測値)3058、3029、2939、2868、1491、1461、1448、1349、1175、1109、1019cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )1025.4207 (100%)、計算値1025.4189。
乾燥DMSO(5mL)中に37(0.227g、0.227mmol)とNaN3(0.147g、2.27mmol)を入れた懸濁液を一晩80℃で攪拌し、H2O(50mL)で希釈してからEtOAc(3×20mL)で抽出した。その抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:8)を行って目的の生成物(0.153g、収率80%)が黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)2929、2866、2105、1490、1466、1448、1107、705cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )866.5049 (96.9%)、計算値866.5057。
p-トルエンスルホン酸(1.72mg)を、CH2Cl2(5mL)とMeOH(5mL)に38(0.153g、0.18mmol)を入れた溶液に添加し、その混合液を2.5時間攪拌した。飽和NaHCO3溶液(5mL)を導入してから塩水(30mL)を注入した。その水性混合液をEtOAcを用いて抽出し、合わせた抽出物を塩水で洗浄してからNa2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:3)を行って、目的の生成物(0.10g、収率92%)が淡黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)3426、2926、2104、1467、1441、1347、1107cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )624.3966 (54.9%)、計算値624.3962。
39(0.10g、0.166mmol)のCH2Cl2(8mL)溶液に0℃でN2気流下、NEt3(34.8μL、0.25mmol)を添加し、続いてメシルクロライド(15.5μL、0.199mmol)を導入した。この混合液を15分間攪拌した。H2O(3mL)と塩水(20mL)を加え、それからEtOAc(4×10mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で一度洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をN-ベンジルメチルアミン(0.5mL)と混合し、N2気流下一晩80℃で加熱した。過剰のN-ベンジルメチルアミンを減圧下で除去し、その残渣をSiO2クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:4)にかけることによって生成物(0.109g、収率93%)が黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)2936、2784、2103、1467、1442、1346、1302、1106、1027cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )705.4929 (100%)、計算値705.4928。
THF(20mL)中に40(0.109g、0.155mmol)とLiAlH4(23.5mg、0.62mmol)を入れた懸濁液を、N2気流下で一晩攪拌した。Na2SO4・10H2Oを注意深く添加し、灰色がなくなるのが持続するまで攪拌した。無水Na2SO4を添加して白色沈殿物を濾過し乾燥THFですすいだ。溶媒を除去してからその残渣を最小量のCH2Cl2に溶解し、濾過した。溶媒を除去すると、目的の生成物(0.091g、収率94%)が無色のオイルとして得られた。IR(実測値)3371、3290、3027、2938、2862、2785、1586、1493、1453、1377、1347、1098cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )627.5199 (23.3%)、計算値627.5213。
23(0.18g、0.28mmol)の乾燥DMF(4mL)溶液に、NaH(0.224g、ミネラルオイル中60%、5.60mmol)と1−ブロモオクタン(0.48mL、2.80mmol)を添加した。この懸濁液をN2気流下65℃で一晩攪拌し、続いてH2O(60mL)を導入してエーテル(4×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。SiO2クロマトグラフィー(ヘキサンと5%のEtOAcを含むヘキサン)を行って目的の生成物(0.169g、収率80%)が淡い黄色がかったオイルとして得られた。IR(実測値)2927、2865、2099、1478、1462、1451、1350、1264、1105cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )778.5685 (22.1%)、計算値778.5683。トリアジド(0.169g、0.224mmol)とLiAlH4(0.025g、0.67mmol)を無水のTHF(10mL)に懸濁し、N2気流下、室温で一晩攪拌してからNa2SO4水和物を注意深く添加した。灰色がなくなった後、無水のNa2SO4を添加して攪拌した。白色の沈澱物を濾過して除去し、THFで洗浄した。溶媒を除去してからその残渣を1Mの塩酸に溶解し、その水性溶液をエーテル(5mL)を用いて1回抽出した。続いてその水性溶液を20%の水性NaOH溶液を添加することによって塩基性にし、Et2O(4×5mL)で抽出した。合わせた抽出物を洗浄し、乾燥を行って濃縮した。それから残渣をSiO2クロマトグラフィー(MeOH/CH2Cl2 (1:1)、続いてMeOH/CH2Cl2/NH3・H2O (4:4:1))にかけて目的の生成物(0.091g、収率60%)を無色のオイルとして得た。IR(実測値)3361、2927、2855、1576、1465、1351、1105cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロールマトリックス)m/e:([M+H]+ )678.6133 (100%)、計算値678.6149。
THF(40mL)中に23(0.126g、0.196mmol)とLiAlH4(0.037g、0.98mmol)を入れた懸濁液をN2気流下で一晩、室温にて攪拌し、続いてNa2SO4・10H2Oを注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失した後で無水のNa2SO4を添加して有機層が透明になるまで攪拌した。白色沈澱物を濾過して除去してからTHFを用いて2回洗浄した。THFを減圧下で除去し、残渣をSiO2クロマトグラフィー(MeOH/CH2Cl2/NH3・H2O (4:4:1))にかけて目的の生成物(0.066g、収率60%)を無色のオイルとして得た。IR(実測値)3365、2933、2865、1651、1471、1455、1339、1103cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )566.4889 (8.9%)、計算値566.4897。
化合物42:
化合物41は、D. H. R. Barton, J. Wozniak, S. Z. Zard, A Short And Efficient Degredation of The Bile Acid Side Chain. Some Novel Reactions of Sulphines And A-ketoesters, Tetrahedron 1989, vol.45, 3741-3754によって報告された方法に従って調製した。41(1.00g、2.10mmol)、エチレングリコール(3.52mL、63mmol)及びp-TsOH(20mg、0.105mmol)の混合物を、N2気流下で16時間、ベンゼン中で還流した。この反応の間に形成される水はディーン−スターク(Dean-Stark)水分トラップによって除去した。冷却した混合物をNaHCO3溶液(50mL)で洗浄し、Et2O(50mL、2×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。溶媒を除去すると生成物(1.09g、100%)が白色のガラス質として得られた。IR(実測値)2939、2876、1735、1447、1377、1247、1074、1057、1039cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )521.3106 (38.6%)、計算値521.3114。このトリアセテート(1.09g、2.10mmol)をMeOH(50mL)に溶解した。NaOH(0.84g、21mmol)をその溶液に添加した。この懸濁液を続いてN2気流下で24時間還流した。次にMeOHを減圧して除去し、残渣をEt2O(100mL)に溶解してからH20、塩水で洗浄した後で無水のNa2SO4上で乾燥した。溶媒を除去すると目的の生成物(0.80g、収率96%)が白色固体として得られた。融点199〜200℃、IR(実測値)3396、2932、1462、1446、1371、1265、1078、1055cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )417.2622 (87.3%)、計算値417.2617。
丸底フラスコに42(0.80g、2.03mmol)と乾燥THF(100mL)を添加してからNaH(ミネラルオイル中60%、0.81g、20.3mmol)を添加した。この懸濁液をN2気流下で30分間還流し、アリルブロマイド(1.75mL、20.3mmol)を添加した。48時間還流した後、さらに10当量のNaHとアリルブロマイドを添加した。さらに48時間たった後、TLCは何も中間体が形成されていないことを示した。冷却水(50mL)をその冷却懸濁液に添加した。得られた混合液をEt2O(60mL、2×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。SiO2カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中6%のEtOAc)を行うと、目的とする生成物(0.94g、収率90%)が淡い黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)3076、2933、2866、1645、1446、1423、1408、1368、1289、1252、1226、1206、1130、1080、1057cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )537.3549 (100%)、計算値537.3556。
乾燥THF(50mL)中に43(0.94g、1.83mmol)を入れた溶液に9-BBN(0.5MのTHF溶液、14.7mL、7.34mmol)を添加し、その混合液をN2気流下室温にて12時間攪拌し、20%のNaOH溶液(4mL)と30%のH2O2溶液(4mL)を添加した。次に得られた混合液を1時間還流し、続いて塩水(100mL)を添加してからEtOAc(4×30mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をSiO2クロマトグラフィー(EtOAc、その後CH2Cl2中10%のMeOH)で精製することによって、生成物(0.559g、収率54%)が無色のオイルとして得られた。IR(実測値)3410、2933、2872、1471、1446、1367、1252、1086cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )591.3881 (100%)、計算値591.3873。
アセトン(40mL)と水(4mL)中に50(0.559g、0.98mmol)を入れた溶液にPPTS(0.124g、0.49mmol)を加え、その溶液をN2気流下16時間還流した。溶媒を減圧下で除去した。続いて水(40mL)をその残渣に加え、その混合液をEtOAc(40mL、2×20mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄、乾燥してからエバポレートして乾燥した。その残渣をSiO2カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中8%のMeOH)を行うと、目的とする生成物(0.509g、収率98%)が透明なオイルとして得られた。IR(実測値)3382、2941、2876、1699、1449、1366、1099cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )547.3624 (100%)、計算値547.3611。
45(0.18g、0.344mmol)の乾燥CH2Cl2(10mL)溶液に、0℃でEt3N(0.168mL、1.20mmol)を添加し、続いてメシルクロライド(0.088mL、1.13mmol)を添加した。10分後、H2O(3mL)と塩水(30mL)を加えた。この混合液をEtOAc(30mL、2×10mL)で抽出し、その抽出物を塩水で洗浄、次に無水のNa2SO4上で乾燥した。溶媒を除去してからその残渣をDMSO(5mL)とNaN3(0.233g、3.44mmol)に溶解した。その懸濁液をN2気流下で12時間、50℃まで加熱した。H2O(50mL)をその冷却した懸濁液に添加し、得られる混合液をEtOAc(30mL、2×10mL)を用いて抽出してからその抽出物を塩水で洗浄、無水のNa2SO4上で乾燥した。SiO2カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:5)にかけることによって生成物(0.191g、二工程の収率88%)が淡い黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)2933、2872、2096、1702、1451、1363、1263、1102cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+Na]+ )622.3820 (100%)、計算値622.3805。
化合物46(0.191g、0.319mmol)を乾燥THF(20mL)に溶解し、続いてLiAlH4(60.4mg、1.59mmol)を添加した。灰色の懸濁液を、N2気流下、室温にて12時間攪拌した。Na2SO4・10H2O粉末を注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失してから無水のNa2SO4を添加し、沈澱物を濾過して取り除いた。溶媒を除去してからその残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CH2Cl2/28%NH3・H20 3:3:1)によって精製した。集めたフラクションからほどんどの溶媒を除去した後、5%のHCl溶液(2mL)を添加してその乳状の残渣を溶解した。得られた透明な溶液を続いてEt2O(2×10mL)を用いて抽出した。次に20%のNaOH溶液を、その溶液が強い塩基性になるまで添加した。CH2Cl2(20mL、2×10mL)を用いてその塩基性の溶液を抽出した。合わせた抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、溶媒を除去すると、目的とする生成物(0.115g、収率69%)が無色のオイルとして得られた。1H NMRよりこの化合物が、C20で約9:1の混合比率の二つの立体異性体からなる混合物であることが明らかである。これらの立体異性体は分離しなかったが、再収して用いた。量の多い方の異性体のスペクトルは、IR(実測値)3353、2926、2858、1574、1470、1366、1102cm−1; 主要な異性体について
;HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )524.4431 (64.2%)、計算値524.4427。
化合物47:
23(0.15g、0.233mmol)の乾燥CH2Cl2(15mL)溶液に、0℃でEt3N(48.8μL、0.35mmol)を添加し、続いてCH3SO2Cl(21.7μL、0.28mmol)を添加した。この混合液を15分間攪拌し、H2O(3mL)を加えた。次に飽和NaCl溶液(20mL)を添加し、その混合液をEtOAc(40mL、2×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。溶媒をエバポレート除去してからその残渣にNaBr(0.12g、1.17mmol)とDMF(10mL)を加えた。この懸濁液をN2気流下で2時間、80℃まで加熱した。DMFを減圧して除去してからその残渣をシリカ上でクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:10)にかけることによって目的とする生成物(0.191g、収率97%)が淡い黄色のオイルとして得られた。
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M-H]+ )706.3609 (63.1%)、計算値706.3591;704.3616(52.8%)、計算値704.3611。
化合物47(0.191g、0.269mmol)と23(0.295g、0.459mmol)をDMF(3mL、使用する前に6mmHgにてBaO上で蒸留した)に溶解し、続いてNaH(0.054g、ミネラルオイル中60%)を添加した。その懸濁液を、N2気流下、室温にて24時間攪拌した。H2O(100mL)を添加して過剰のNaHをクエンチし、次にその混合液をEt2O(40mL、3×20mL)を用いて抽出を行ってから合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥した。SiO2上でクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:6、続いて1:2)にかけることによって目的とする生成物(0.177g、化合物23に基づく収率52%)が淡い黄色のオイルとして得られた。IR(実測値)2940、2862、2095、1472、1456、1362、1263、1113cm−1
化合物48(0.219g、0.173mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解し、続いてLiAlH4(65mg、1.73mmol)を添加した。灰色の懸濁液を、N2気流下、室温にて12時間攪拌した。Na2SO4・10H2O粉末を注意深く添加した。その懸濁液の灰色が消失してから無水のNa2SO4を添加し、沈澱物を濾過して取り除いた。溶媒を除去してからその残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CH2Cl2/28%NH3・H20 2.5:2.5:1)によって精製した。集めたフラクションからほどんどの溶媒をロートベーター除去(rotavapped off)した後、5%のHCl溶液(2mL)を添加してその乳状の残渣を溶解した。得られた透明な溶液を続いてEt2O(2×10mL)を用いて抽出した。次に20%のNaOH溶液を、その溶液が強い塩基性になるまで添加した。CH2Cl2(20mL、2×10mL)を用いてその塩基性の溶液を抽出した。合わせた抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、溶媒を除去すると、目的とする生成物(0.147g、収率76%)が白色のガラス質として得られた。IR(実測値)3364、3287、2934、2861、1596、1464、1363、1105cm−1;
HRFAB-MS(チオグリセロール+Na+マトリックス)m/e:([M+H]+ )1113.9625 (68.8%)、計算値1113.9610。
グラム陰性細菌を用いる化合物のテスト
MIC及びMBCの測定
全般:
トリプシン分解大豆汁(TBS)は、1リットルの脱イオン水にデキストロース非含有トリプシン分解大豆汁(DIFCO Laboratories)を27.5グラム溶解し、15分間121℃で滅菌処理して作成した。固形寒天(TSA)プレートは、6.4グラムのトリプシン分解大豆汁と12グラムの寒天(精製したグレードのもの、Fischer Scientific)を800mLの脱イオン水に溶解し、121℃で20分間滅菌処置して作成した。次にその均質溶液のアリコート(20mL)を、滅菌済みプラスチック製ペトリ皿(100×15mm、Fisher Scientific)に注入した。化合物1-12の溶液は、それぞれのHCl塩を適当な量の脱イオン化した滅菌水に溶解し限外濾過して作成した。
評価:
TSB中37℃で24時間インキュベートした培養物から、〜106CFU(コロニー形成ユニット)/mLの大腸菌(ATCC 10798)を含む懸濁液を調製した。この懸濁液のアリコート1mLを、1mLのTSBと段々増加するように濃度を変えた1-12、および/またはエリスロマイシンもしくはノボビオシンを含む試験管に添加した。この感受性実験では、エリスロマイシンまたはノボビオシンは1-12より15分後に添加した。このサンプルを37℃で24時間、静止培養を行った。サンプルの濁度を760nmでの吸光度を測定(HP 8453 UV-Visible Chemstation, Hewett Packard)することによって決定した。さらに測定できるほどの濁度のない各サンプルから得られるアリコートは、TSAプレート上で二次培養した(アリコートは300CFU以下になるように希釈された)。一晩インキュベートした後、二次培養物で増殖したコロニーを計数し、サンプルに含まれるCFU/mLの数を算出した。算出した値は最初の接種物のCFU/mLの数と比較した。MIC値は、24時間インキュベートした後でCFU/mLの数が一定のままかまたは減少したかをその調べた化合物の濃度として決定した。MBC値は、調べた化合物の、当初の細菌懸濁液の0.1%以下しか生存できない最も低い濃度として決定した。
ステロイド骨格の立体化学の違いによって、コリン酸誘導体の活性の違い(2及び8、表1、2、6及び7を比較せよ)が生じる。ステロイドに結合したグアニジン基は、アミン基を含む化合物よりもMIC値が低くなる(1、2、4及び5を比較、表1−8を比較せよ)。アミン基またはグアニジン基とステロイド骨格の間の鎖の長さも活性に影響を与える(1〜3、表1、2、6及び7を比較せよ)。アミン基とステロイド骨格との間のエステルの鎖は、エーテルの鎖を含む対応する化合物よりも高いMIC値を有する(1、2、6及び7、表1及び2を比較せよ)。骨格のC−20またはC−24に結合した基もコリン酸誘導体の活性に影響を与える。C−24でエーテル結合を介してステロイドに長い炭素鎖が結合していると、C−24に水酸基を結合している化合物に比較してその化合物のMICは小さくなる(2、9及び10、表1、2、6及び7を比較せよ)。C−20に炭素または酸素の短い鎖が結合していると、コリン酸誘導体のMIC値が小さくなる(10及び11、表1及び2を比較せよ)。共有結合しているコリン酸誘導体はその化合物の活性を増加させる(10及び12、表1及び2を比較せよ)。
〔表1〕 大腸菌(ATCC 10798)を用いた1−12のMIC及びMBCの値の測定
〔表2〕 大腸菌(ATCC 10798)を用いて70μg/mLから1μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1−12の濃度の測定
〔表3〕 大腸菌(ATCC 10798)を用いて>500μg/mLから1μg/mLのノボビオシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
〔表4〕 大腸菌(ATCC 25922)を用いて1、2、4及び5のMIC及びMBCの値の測定
〔表5〕 大腸菌(ATCC 25922)を用いて60μg/mLから1μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
〔表6〕 P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて1−5、8−12のMIC及びMBCの値の測定
〔表7〕 P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて240μg/mLから5μg/mLのエリスロマイシンのMICを低めるのに必要とされる1−5、8−12の濃度の測定
〔表8〕 P. aureginosa(ATCC 27853)を用いて>500μg/mLから1μg/mLのノボビオシンのMICを低めるのに必要とされる1、2、4及び5の濃度の測定
実施例8
コリン酸誘導体の膜不通過性の証明
J. M. Shupp, S. E. Travis, L. B. Price, R. F. Shand, P. Keim, Rabid Bacterial Permeabilization Reagent Useful For Enzyme Assays, Biotechniques, 1995, vol. 19, 18-20に記載された手法を用いて本発明者らは、コリン酸誘導体がグラム陰性細菌の外膜の透過性を増大させることを明らかにした。最大発光の半分の値(ルシフェリンが細胞に入るのを許容する外膜の透過性を示す)は、2については7μg/mL、10については33μg/mLである。これらの値は、2及び10について測定したMICに対応する。
〔化25〕
他の態様
本明細書に開示した全ての特徴は、任意の組み合せに組み合わせることができる。本明細書で開示したそれぞれの特徴は、同一、等価物、または類似の目的を果たす別の特徴と置き換えてもよい。このように特に別記して述べない限り、開示されたそれぞれの特徴は、一般的な一連の等価な特徴または類似の特徴のなかのほんの一例である。
Claims (33)
- 下記の式Iで表される化合物、又は薬学的に許容されるそれらの塩:
縮合環A、B、C、及びDが、完全に飽和であり;かつ
R 1 、R 2 、R 4 -R 6 、R 8 、R 10 -R 11 、R 14 -R 16 は、水素を示し;
R9、およびR13はそれぞれメチル基を示し;
R3、R7、及びR12が、それぞれ独立に、(C1-C10)アミノアルキルオキシおよびH 2 N-CH 2 -C(O)-O-からなる群から選ばれ;
R17が、-CH(CH3)-(CH2)3-X(式中、Xは-OH;-O(CH2)7CH3;または-N(CH3)-ベンジル)、もしくは、-CH(CH3)OH、または、R17は、第2のステロイドのR17と一緒になって、第2のステロイドに結合する-CH(CH3)-(CH2)3-O-(CH2)3-CH(CH3)-結合基であって、前記第2のステロイドは式Iの化合物である。 - R 3 、R 7 、及びR 12 が、P.G.-HN-CH(Q5)-C(O)-O-(ここで、Q5はHであり、かつP.G.はアミノ保護基である)である下記の式IVの保護されたアミノ酸化合物を生成させるため、式IVの化合物を保護されたアミノ酸と接触させる段階
式Iの化合物を形成するため、保護されたアミノ酸化合物の保護基を除去する段階を含む請求項1に記載の式Iで表される化合物(ただし、R 3 、R 7 、及びR 12 がH 2 N-CH 2 -C(O)-O-である)を調製する方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の有効量を含む、薬学的組成物。
- 付加的な抗生物質を含む、請求項8に記載の薬学的組成物。
- 宿主の微生物感染を治療するための薬剤の製造のための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の使用。
- 宿主がヒトである、請求項10に記載の使用。
- 前記化合物が、微生物細胞に輸送される第二の抗微生物性物質をさらに含む抗微生物性組成物に含まれる、請求項10または11に記載の使用。
- 第二の抗微生物性物質が抗生物質である、請求項12記載の使用。
- 感染が細菌感染である、請求項10〜13のいずれかに記載の使用。
- 感染がグラム陰性菌感染である、請求項14記載の使用。
- 細菌感染が、実質的な割合のリピドAを含む外膜により特徴付けられる細菌による感染である、請求項14記載の使用。
- 細胞へ導入される抗微生物性物質の細胞への細胞透過性を増強する薬剤の製造のための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の使用。
- 前記化合物が、細胞へ導入される物質とともに用いられる、請求項17記載の使用。
- 細胞が細菌である、請求項18記載の使用。
- 細菌がグラム陰性菌である、請求項19記載の使用。
- 細菌が、実質的な割合のリピドAを含む外膜により特徴付けられる、請求項19記載の使用。
- 細胞が精細胞であり、化合物が殺精子組成物の一部である、請求項17記載の使用。
- 候補化合物と請求項1〜6のいずれかに記載の化合物とを微生物に投与する段階、並びに候補化合物が微生物に対して静菌的又は毒性作用を有するか否かを決定する段階を含む、微生物に対して有効な化合物を同定する方法。
- 微生物が細菌である、請求項23記載の方法。
- 細菌がグラム陰性菌である、請求項24記載の方法。
- 細菌が、実質的な割合のリピドAを含む外膜により特徴付けられる、請求項24記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含む有効量の抗微生物性組成物と、微生物とを、インビトロで接触させる段階を含む、微生物増殖調節の方法。
- 抗微生物性組成物が、抗微生物性物質をさらに含む、請求項27記載の方法。
- 物質が消毒剤、抗生物質、消毒剤である、請求項28記載の方法。
- 細胞へ導入される物質と組み合わせられた請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含む材料の薬学的組成物。
- 細胞へ導入される物質が抗微生物性物質である、請求項30記載の薬学的組成物。
- 化合物及び物質が薬学的に許容される担体と混合される、請求項30記載の薬学的組成物。
- 抗微生物性物質が抗生物質である、請求項31記載の薬学的組成物。
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