JP2004506626A - エポキシドの一体化製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エポキシドを連続的に製造する一体化法において、(a)活性成分としてパラジウム及び白金を基材とするバイメタル触媒の存在下、水素、酸素及び不活性ガスを含有するガス流を使用して、濃度3重量%以上の過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を調製し;(b)工程(a)で得られた過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を、反応溶媒中に懸濁させたエポキシ化触媒の存在下において、オレフィン及び緩衝剤と接触させて、オレフィンの対応するエポキシド、水及びアルコール溶媒を含有する反応混合物を調製し;(c)工程(b)からのアルコール流を、エポキシドの分離後に処理して、存在する窒素化化合物を除去し;(d)工程(c)で得られたアルコール溶媒を工程(a)に供給することからなることを特徴とするエポキシドの一体化製法に係る。工程(c)で得られた溶媒の一部は、必要とする場合には、工程(a)で得られた過酸化水素のヒドロ−アルコール溶液を、エポキシ化プラントによって要求される値に希釈するために使用される。プロセスは、高度に安全な条件下で、かつ全体として生産性及び安全性の点で高い効率で作動される。

Description

【0001】
本発明は、過酸化水素によるオレフィンの直接酸化によってエポキシドを連続的に製造する一体化法に係る。
【0002】
さらに詳述すれば、本発明は、活性成分としてパラジウム又は白金を基材とするバイメタル触媒の存在下における水素と酸素との間の反応によって、過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を調製し;この溶液を、エポキシ化触媒の存在下におけるプロピレンのエポキシ化に供給し;及びエポキシ化プラントを出たリサイクルアルコール溶媒を、予め適切に処理した後、過酸化水素製造プラントに供給することからなるプロピレンオキシドを連続的に製造する一体化法に係る。
【0003】
エポキシド、又はオレフィンオキシドは、各種の化合物の製造に使用される中間体である。例えば、エポキシドは、グリコール、ポリエステルの如き縮合重合体の製造、又はポリウレタン発泡体、エラストマー、シール及び同様の生成物の合成において使用される中間体の製造に使用される。
【0004】
プロピレンオキシド(PO)の工業的規模での製造について現在採用されている技術は、クロロヒドリンによる方法及び酸素源としてのヒドロペルオキシドでの間接酸化による方法である。
【0005】
特に、商業化されたクロロヒドリン法は、プロピレンクロロヒドリン(PCH)の合成及び続くPCHのプロピレンオキシド(PO)への脱ハロゲン化水素を包含する。
【0006】
しかしながら、この方法は、下記の欠点を有する:
−塩化ナトリウム又はカルシウムを含有する多量の水性流出物が生成される(40−60Kg/PO1Kg);
−最終用途によっては、好適な処理を行うことが必要である塩素化有機生成物が共−生成される。
【0007】
酸化による方法は、好ましくは、ヒドロペルオキシドとして、第3級−ブチルヒドロペルオキシド及びエチルベンゼンヒドロペルオキシドを使用する。
【0008】
これらの方法は、POに関して、より多量の商業的に興味深い生成物を共−生成する。
【0009】
例えば、第3級−ブチルヒドロペルオキシドによる方法は、PO1Kg当たり第3級−ブチルアルコール2.5−3.5Kgを共−生成し、一方、エチルベンゼンヒドロペルオキシドによる方法は、PO1Kg当たりスチレン2.2−2.5Kgを共−生成する。
【0010】
これら共−生成物の存在は、POに関する要求と、各共−生成物に関する要求とのバランスが適切でない場合には、その利点も小さいものとなる。例えば、スチレン又はMTBE(第3級−ブチルアルコールから得られる)に関する要求が大きい場合、これらの方法の経済性はクロロヒドリンによる方法に匹敵するものであるか、さもなければ、これらの方法は経済的なものではない。
【0011】
プロピレンの間接酸化に関する他の合成技術は、過酸化水素の使用を含み、本質的に:
1)過酸化水素の合成;及び
2)プロピレンのプロピレンオキシドへのエポキシ化における過酸化水素の使用からなる。
【0012】
の水溶液は、代表的には、複雑な2工程法によって工業的に得られる。この方法では、水と混和しない有機溶媒中にブチルアントラキノン又はエチルアントラキノンの如きアントラキノンを含有する溶液を、初めに、水素化し、ついで、空気によって酸化してHを生成し、続いて、これを水相で抽出する。この方法は、複雑な製造ユニットを形成するために必要な費用に由来する高コスト、酸化の間に生ずる副生物の分離及び廃棄の必要性、及び再使用前におけるアントラキノン溶液の精製及び再調整のため、煩わしい方法である。
【0013】
過酸化水素を製造する第2の方法は、酸素と共に、イソプロパノール及びメチルベンジルアルコールの如き第2級アルコール(米国特許第2,871,102号、ヨーロッパ特許第378,388号)又はジアリールメタノールの如き高沸点第2級アルコール(米国特許第4,303,632号)を使用するものである。
【0014】
しかしながら、これら公知の方法は、実質的に、高い反応温度(100−180℃)で操作する必要性、主な共−生成物として生成されるケトンの部分酸化、過酸化水素安定剤(オルトリン酸又はピロリン酸ナトリウム)を使用する必要性による欠点を呈する。
【0015】
さらに、これらの方法は、続くエポキシ化プロセスにおいて過酸化水素溶液を使用する前に、反応混合物からケトン及び副生物を分離及び回収する必要があるため繁雑である。
【0016】
技術的及び経済的観点から注目される他の過酸化水素の製造法は、H及びOからの過酸化水素の直接合成に基づくものである。
【0017】
これらの方法は、一般に、水性溶媒又は水性−有機溶媒でなる溶媒中で2種類のガスを反応させることによって得られる、塩の形又は担持金属としての、貴金属、特に白金族の金属又はその混合物でなる触媒系を使用する。
【0018】
しかしながら、これらの方法の工業的な具現化は、下記の理由から困難であることが証明されている:
A)爆発性範囲内に入る濃度のH及びOの混合物を使用する(Hの濃度が、特定の値(Oの圧力及び濃度に関連して、4.5−6容量%の範囲で変動する)を越える場合には、爆発性となるため);
B)H−O混合物の爆発性範囲外で操作する場合であっても、高濃度のOの使用は取り扱いが危険であり、可燃性の有機溶媒の存在に対して適合性が限られる;
C)反応溶媒における高濃度の促進剤(例えば、酸促進剤、ハロゲン化生成物及び/又は他の添加剤)の使用は、触媒系又はH溶液を不安定なものとし、このため、安定剤を添加することが必要となり、使用前におけるH溶液の繁雑な精製操作が必要となる;
D)反応の生産性及び選択性及びH溶液の生産性が低く、経済的な工業的技術の開発にとって、あまりにも低すぎる;
E)反応条件下において、触媒系の安定性が乏しい。
【0019】
例えば、ヨーロッパ特許出願第812,836号は、担持パラジウムを基材とする触媒系の存在下、ヒドロ−アルコール溶媒中において、水素及び酸素を反応させ、このようにして得られた過酸化水素のヒドロ−アルコール混合物を、エポキシ化プロセスにおいて使用することからなるプロピレンオキシドの製法を開示している。
【0020】
この明細書に示された実施例には、0.15−0.39重量%の濃度でHを含有するヒドロ−アルコール溶液の製造が記載されている。
【0021】
これらの溶液を続くエポキシ化反応で使用する場合、1時間後、それぞれ、過酸化水素の変化率99%及び65%が、プロピレンオキシドへの選択率70−95%、すなわち、POの最高収率70%で得られている。
【0022】
しかしながら、この方法は、下記の理由から、工業的に興味あるものとは思われない:
A)過酸化水素の製造用反応溶媒において、高濃度の促進剤(例えば、酸促進剤、ハロゲン化生成物及び/又は他の添加剤)を使用するため、続くエポキシ化プロセスにおける使用の前に、かなり多量の中和剤を添加することが必要となる;
B)全体としてのプロセスの濃度、生産性及び選択性が低く、一体化法の両工程において、大きい反応容積を使用することが要求される;
C)エポキシ化プロセスにおいて、廃棄されなければならない多量の不用生成物が生成される;
D)過酸化水素の希釈ヒドロ−アルコール溶液を使用するため、アルコール蒸留物の製造が必要となり、該プロセスをかなり不経済なものとする。
【0023】
発明者らは、新たに、水素と酸素との間の初期反応において良好に特定された金属触媒及び操作条件を使用することにより、及びエポキシ化プラントを出るリサイクルアルコール溶媒を、過酸化水素製造プラントに供給する前に、適切に処理することによって、生産性及び選択性の点で、全体として高いプロセス効率が得られるとの知見を得て、本発明に至った。
【0024】
特に、本発明の方法に従って操作する場合、下記の利点が得られる:
−エポキシ化プラントにおいて、不用生成物が減少すること;
−2つの反応において使用される触媒の選択性が高いこと;
−反応容積が減少すること;
−エポキシドの純度が高いこと。
【0025】
これによれば、本発明の目的は、過酸化水素によるオレフィンの直接酸化によってエポキシドを連続的に製造する一体化法において、
(a)活性成分としてパラジウム及び白金を基材とするバイメタル触媒の存在下、水素、酸素及び不活性ガスを含有するガス流を使用して、濃度3重量%以上の過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を調製し;
(b)工程(a)で得られた過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を、反応溶媒中に懸濁させたエポキシ化触媒の存在下において、オレフィン及び緩衝剤と接触させて、オレフィンの対応するエポキシド、水及びアルコール溶媒を含有する反応混合物を調製し;
(c)工程(b)からのアルコール流を、エポキシドの分離後に処理して、存在する窒素化化合物を除去し;
(d)工程(c)で得られたアルコール溶媒を工程(a)に供給することからなることを特徴とするエポキシドの一体化製法に係る。
【0026】
本発明によるエポキシドの製法は、下記のように、詳細に記載される。
【0027】
第1工程において、エポキシドの合成法は:
(a)不均一でかつ液体反応媒体の分散液中に維持したパラジウム及び白金を基材とする触媒を収容する反応器に、(i)酸促進剤及びハロゲン化促進剤を含有するアルコール又はアルコール−水混合物(アルコール含量が大きい)でなる液体流、(ii)水素濃度が4.5容量%未満であり、酸素濃度が21容量%未満であり、残余(100%に対して)が不活性ガスでなる水素、酸素及び不活性ガスを含有するガス流を供給し;
(b)反応器から、(iii)本質的に液体流(i)からなり、反応によって生成された過酸化水素及び水を含有する過酸化水素の濃度が3重量%より大である液体流、及び(iv)本質的に未反応の水素及び酸素及び不活性ガスからなるガス流を除去することからなる。
【0028】
使用する反応器は、連続操作に適し、上記の如く、ガス相、液体相及び分散液(いわゆる、スラリー系)中に維持された触媒の間で効果的な接触が得られるように、反応を3相系で実施するに適した各種の反応器である。例えば、撹拌反応器、発泡反応器、内部又は外部循環を有するガス−リフト反応器(当分野の現状に関して記載したもの)が、目的に適している。
【0029】
反応器を、適切な温度及び圧力条件下に維持する。本発明の方法によれば、温度は、通常、−10−60℃、好ましくは0−40℃である。圧力は、通常、1−300バール、好ましくは40−150バールである。
【0030】
反応器における液体溶媒の滞留時間は、通常、0.05−5時間、好ましくは0.10−2時間である。
【0031】
本発明の目的に使用される触媒は、活性成分としてパラジウム及び白金を含有する不均一触媒である。
【0032】
これらの触媒において、パラジウムは、通常、0.1−3重量%の量で、白金は0.01−1重量%の量で存在し、白金/パラジウムの原子比は1/500−100/100である。
【0033】
好ましくは、パラジウムは0.4−2重量%の量で、白金は0.02−0.5重量%の量で存在し、白金/パラジウムの原子比は1/200−20/100である。
【0034】
パラジウム及び白金に加えて、例えば、ルテニウム、ロジウム、イリジウム及び金の如きVIII族又はIB族の他の金属が、活性成分又は促進剤として、一般にパラジウムよりも高くない濃度で存在していてもよい。
【0035】
触媒は、例えば、それらの塩又は可溶性錯体の溶液でなる前駆体を原料として、沈殿及び/又は含浸によって不活性担体の上に活性成分を分散させ、当分野でよく知られている調製技術により、熱処理及び/又は水素、ギ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムの如き還元物質での化学処理により金属状態に還元することによって調製される。
【0036】
不活性担体は、代表的には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、活性炭、及び当分野でよく知られた他の物質で構成される。本発明について有用な触媒の調製には、活性炭が好ましい。
【0037】
本発明に使用される活性炭は、例えば、木材、亜炭、ピート又はココナッツに由来する化石性又は天然性であり、300m/gより大(1400m/gに達する)の表面積を有するもの、特に、600m/gより大の表面積を有するものから選ばれる。
【0038】
好適な活性炭は、低い灰分含量をもつものである。
【0039】
目的に関して、イタリー国特許願第MI 98A01843号に開示されたスルホン化活性炭を使用できる。
【0040】
金属の担持又は含浸の前に、活性炭を、蒸留水での洗浄又は酸、塩基又は希釈酸化剤(例えば、酢酸、塩酸、炭酸ナトリウム及び過酸化水素)での処理の如き処理に供することができる。
【0041】
触媒は、通常、反応溶媒中に、0.1−10重量%、好ましくは0.3−3重量%の濃度で懸濁される。
【0042】
液体流(i)は、アルコール又はC−Cアルコールの混合物又は前記アルコールと水との混合物(アルコール含量が大きい)でなる。アルコール含量が大である混合物とは、アルコール又はアルコール混合物を50重量%以上の量で含有する混合物である。C−Cアルコールの中でも、本発明の目的に関してはメタノールが好ましい。好適な混合物の中でも、メタノール少なくとも70重量%を含有するメタノール−水混合物が好ましい。
【0043】
液体流も酸促進剤及びハロゲン化促進剤を含有する。
【0044】
酸促進剤は、反応液体溶媒中において水素イオンHを発生し得る各種の物質であり、一般に、硫酸、リン酸、硝酸の如き無機酸から、又はスルホン酸の如き有機酸から選ばれる。
【0045】
硫酸及びリン酸が好ましい。酸の濃度は、一般に、液体溶媒1Kg当たり0−1000mg、好ましくは、液体溶媒1Kg当たり10−500mgである。
【0046】
ハロゲン化促進剤は、反応液体溶媒中においてハロゲン化物イオンを発生し得る各種の物質である。臭化物イオンを発生し得る物質が好ましい。これらの物質は、一般に、臭化水素酸及び反応溶媒に可溶性の塩(例えば、アルカリ臭化物)から選ばれ、臭化水素酸が好ましい。
【0047】
ハロゲン化促進剤の濃度は、一般に、液体溶媒1Kg当たり0.1−50mg、好ましくは、液体溶媒1Kg当たり1−10mgである。
【0048】
入口におけるガス流(ii)は、水素濃度4.5容量%未満、酸素濃度21容量%未満を有し、残余(100容量%に対して)は不活性ガス(一般に、窒素、ヘリウム、アルゴンから選ばれる)でなる。不活性ガスは、好ましくは窒素である。
【0049】
ガス流(ii)において、水素の濃度は、好ましくは2−4容量%であり、酸素の濃度は、好ましくは6−18容量%である。
【0050】
酸素は、原料物質として、純粋な又は実質的に純粋な酸素、又は例えば、酸素21−90%を含有する富有空気又は空気を使用して、前記ガス流に供給され、ついで、不活性ガスを適切な濃度で添加することによって、ガス流の組成を所望の値とする。
【0051】
反応器を出る液体流(iii)は、通常、3重量%以上、好ましくは4−10重量%の過酸化水素濃度を有する。この液体流は、供給された液体流に含有されていたものと等しい量で、酸促進剤及びハロゲン化促進剤を、及び反応副生物として得られた水と共に、供給された液体流に含有されてものと等しい量の水を含有する。反応副生物として得られた水は、通常、0.5−2.5重量%の濃度である。
【0052】
液体流(iii)は、当分野でよく知られた瀘過技術によって、例えば、反応器の内部に、又は反応器の外部の反応混合物の特殊な再循環サイクル内に位置するフィルターを使用することによって、触媒から分離される。後者の場合、タンジェンシャル瀘過技術が有利に採用される。
【0053】
液体流(iii)は、安定剤の添加を必要とすることなく、安定して貯蔵されるものであることが証明される。
【0054】
本質的に、未反応の水素及び酸素及び不活性ガスからなる反応器を出るガス流(iv)は、一般に、2容量%以下、通常、0.5−1.5容量%の濃度の水素、及び、一般に、18容量%未満、通常、6−12容量%の濃度の酸素を含有する。
本発明の方法の具体例では、反応器を出るガス流は、特に、空気が酸素源として使用される際、供給物に過剰量で充填された不活性ガスを除去するに必要なフラクションを系からフラッシュした後、反応器への供給物に再循環される。この場合、反応器に供給されるガス流(ii)は、上記流(iv)のリサイクルフラクションでなり、本質的に、反応によって使用されるもの及びフラッシュに使用されるものに等しい量の水素及び酸素(そのまま又は空気又は富有空気の形)を含有する。
【0055】
本発明の方法の他の具体例によれば、反応器を出るガス流(iv)は、いつも、各反応器において行われる反応によって使用されたものに本質的に等しい量の水素及び酸素(そのまま又は空気又は富有空気の形)を添加した後、上記のものと同様に作動する続く1個以上の反応器に供給される。
【0056】
上記の条件下で操作することにより、安全な条件下において、通常、反応溶媒1l、1時間当たり、H30−200g(100%Hとして表示)の反応生産性、及び一般に70%より大のH生成のモル選択率(使用した水素に対して)で過酸化水素を生成することができる。
【0057】
さらに、反応液体溶媒中に存在する酸及びハロゲン化促進剤の濃度を最少にできるため、触媒系の安定性にプラスの影響を及ぼす。反応を連続して1000時間行った後も、触媒活性の実質的なロスを示す兆候は見られない。
【0058】
濾過した液体流(iii)を、反応溶媒中に懸濁させたエポキシ化触媒を収容する1個以上の反応器からなる反応ユニットに、オレフィン及び発泡剤と共に供給する。
【0059】
液体流(iii)における過酸化水素の濃度が、エポキシ化プロセスによって要求される値(3.5−4.5%)よりも高い場合には、エポキシ化プラントを出た後、好適に処理したアルコール溶媒によって、液体流(iii)を希釈する。
【0060】
反応ユニットを出た後、濾過した液体生成物を、1個以上のストリッピング(フラッシュ)カラム(反応ユニットを構成する各反応器につき1個)でなる蒸留ユニットに供給して、その頂部で、本質的にオレフィンオキシド及び未反応オレフィンでなる生成物を、及びその底部で、本質的に溶媒、未反応過酸化水素、水及び反応副生物でなる生成物を得る。蒸留ユニットの底部で得られた生成物を、残留する過酸化水素をO及びHOに分解する機能を有する分解触媒を収容する1個以上の反応器でなる分解ユニットR4に供給する。
【0061】
分解ユニットR4を出る本質的に溶媒、酸素及び水でなる混合物を、不活性ガス(好ましくは、窒素)と共に、相セパレーターV4に供給して、その頂部で、酸素、不活性ガス及び極微量の溶媒を含有するガス相を、及び、底部で、溶媒、水及び反応副生物でなる液体相を得る。
【0062】
V4を出るガス相を、残留溶媒を回収するため、直列に配置された1個以上の凝縮器でなる凝縮システムに供給し、一方、非凝縮性化合物(酸素及び不活性ガス、極微量の溶媒)を排出する。
【0063】
凝縮システムを出る溶媒及びR4を出る液体を、硫酸を含有する希釈水性又はヒドロ−アルコール溶液(流の全量に対して硫酸約10−50mg/kg)と共に、蒸留カラムC6−Aに供給し、その頂部で、極微量の軽質生成物を含有する精製された溶液を、及び、底部で、本質的に反応生成水及び過酸化水素に含有されていたもの、反応副生物及び極微量の溶媒でなる生成物(その後、排出する)を得る。
【0064】
凝縮システムを出る溶媒及びV4を出る液体相を、好ましくは、蒸留カラムC6−Aの底部に向って供給し、一方、酸溶液を、カラムの約2/3に相当する高さで供給する。この酸処理の機能は、流中に存在する窒素化塩基性生成物(過酸化水素の合成に使用される触媒の性能に影響を及ぼす)を完全に分離することにある。カラムC6−Aの頂部を出る溶媒をカラムC6−Bに供給して、頂部で軽質生成物を分離し、一方、底部で、精製された溶媒を分離する。
【0065】
カラムC6−Bの頂部で得た流をカラムC6−Cに送り、その底部で、軽質生成物を含有しない溶媒を回収して、過酸化水素合成反応に再循環し、頂部で、軽質生成物の凝縮流を回収する。
【0066】
上記のカラムにおける酸処理は、C6−Aの頂部におけるメタノールに関する活性炭、スルホン酸又はスルホン化炭素での処理(イタリー国特許出願第MI 98A01843号)の如き手段と交換される。
【0067】
ストリッピングカラムの頂部で得られた生成物及び反応器のベント生成物を、蒸留カラムC4に供給して、その頂部で、未反応オレフィンでなる生成物を得た後、反応ユニットに再循環し、底部で、本質的にオレフィンオキシドでなる生成物を得る。
【0068】
蒸留カラムの底部で得られた生成物を精製システムC5に供給する。C5の頂部で得られた残留オレフィンを反応ユニットに再循環し、底部で得られた本質的に溶媒でなる液体相をフラッシュカラムに再循環し、カラムの上方部分において、側部カットから市販純度をもつオレフィンオキシドを得る。
【0069】
本発明の方法において使用されるオレフィンは、一般式(I)
【0070】
【化1】
Figure 2004506626
(式中、R、R、R及びRは、同一又は相互に異なるものであって、水素、炭素数1−20のアルキル基、アリール基、炭素数7−20のアルキルアリール基、炭素数6−10のシクロアルキル基、炭素数7−20のアルキルシクロアルキル基である)で表わされるものである。
【0071】
基R、R、R及びRは、ペアーで、飽和又は不飽和環を形成することができる。さらに、前記の基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、スルホン基及び対応するエステル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基、アミン基及びエーテル基を含有できる。
【0072】
オレフィンは、不飽和炭素原子上及び各種の位置の両方に上記置換基を有することができる。
【0073】
一般式(I)で表わされるオレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アリルアルコール、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン−1、1−トリデセン、メシチルオキシド、イソプレン、シクロオクテン、シクロヘキセン又はノルボルネン、ピネンの如き二環式化合物がある(これらに限定されない)。
【0074】
好適なオレフィンはプロピレンである。一般に、70%以上の純度を有するプロピレンが使用される。プロピレンは、好ましくは、最低純度96%をもつ(残余は、プロパン及び代表的なC不純物でなる)水蒸気クラッキングからの流として使用される。
【0075】
オレフィンに対する過酸化水素の量は重要ではないが、オレフィン/Hのモル比は、10/1−1/10、好ましくは6/1−1/1である。
【0076】
エポキシ化反応は、過酸化水素に適合し及びオレフィン及び生成されたオレフィンオキシドを溶解し得る1以上の液体溶媒中、エポキシ化温度において行われる。
【0077】
代表的には、アルコール又はC−Cアルコールの混合物又は該アルコールと水との混合物(アルコール含量が主である)でなる極性の溶媒が使用される。アルコール含量が主である混合物とは、アルコール又はアルコール混合物の含量が50重量%より大である混合物である。C−Cアルコールの中でも、本発明の目的にはメタノールが好適である。混合物の中でも、メタノール少なくとも70重量%を含有するメタノール及び水の混合物が好適である。
【0078】
緩衝剤は、イタリー国特許第MI 99A/001658号に開示されているように、アンモニア、ギ酸アンモニウム、及び窒素化塩基及びその有機酸又は無機酸との塩の1つからなる系の中から得ればれる。
【0079】
緩衝剤は、混合物のpHを、操作条件下で測定して、5以上の値、好ましくは5.5−8に維持するような量で、エポキシ化反応器に供給される反応体流の1つと共に、連続して供給される。
【0080】
本発明の方法において使用されるエポキシ化触媒は、一般にチタンシリカライトの名称で知られているものの中から選ばれる。
【0081】
例えば、米国特許第4,410,501号(構造の特性も開示する)に開示されたMFI構造をもつチタンシリカライトが使用される。
【0082】
チタンの一部が、ホウ素、アルミニウム、鉄又はガリウムの如き他の金属によって置換されたチタンシリカライトも使用される。これらの置換チタンシリカライト及びその調製法は、ヨーロッパ特許出願第266,257号、第226,258号及び第266,825号に開示されている。
【0083】
ベルギー国特許第1,001,038号に開示されたMFI又は中間のMFI/MEL構造をもつチタンシリカライトも使用される。他のチタンシリカライトは、スペイン国特許第2,037,596号に開示されたチタンを含有し、BEA構造を有するβ−ゼオライト、Journal of Chemical Communications, 1992, p. 745に開示されたチタン及び任意にアルミニウムを含有するZSM−12から選ばれる。
【0084】
本発明による好適な触媒は、例えば、米国特許第4,410,501号、第4,824,976号、第4,666,692号、第4,656,016号、第4,859,785号、第4,937,216号に開示された一般式(II)
xTiO・(1−x)SiO
(式中、xは、0.0001−0.04、好ましくは0.01−0.025の数である)を有するチタン−シリカライトである。
【0085】
触媒は、粉末状、ペレット状、ミクロ球状、押出し又は他の好適な物理形状で使用される。
【0086】
触媒と組合せて、リガンド(co.gel)又は不活性担体を使用することが有利である。担持触媒は、公知の方法を使用して調製される。
【0087】
不活性担体は、代表的には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、活性炭、及び当分野においてよく知られた他の物質で構成される。
【0088】
本発明の方法において使用される触媒の量は重要ではない。しかしながら、エポキシ化反応が、できる限り短い時間で完了されるように選択される。
【0089】
触媒の量は、一般に、反応温度、オレフィンの反応性及び濃度、溶媒のタイプ及び組成、触媒活性及び使用する反応器又は反応システムのタイプの如き各種のパラメーターに関連して選択される。
【0090】
触媒の量は、代表的には、反応混合物に関して1−15重量%、好ましくは4−10重量%である。
【0091】
本発明の方法において使用される温度は、一般に、20−150℃、好ましくは40−100℃であり、特に、55−90℃が好適である。
【0092】
操作圧力は、反応について選択された温度において、オレフィンを液体相に維持し得る程度である。一般に、操作圧力は、ガス状のオレフィンが使用される場合、大気圧よりも高い。
【0093】
エポキシ化反応において使用される反応器は、連続して操作を行い、上記の如き系において反応を実施して、オレフィン、液体相及び懸濁液中に保持した触媒の間における効果的な接触を達成するに適した各種の反応器である。
【0094】
本発明の目的には、例えば、前記の如き、撹拌反応器、発泡反応器、内部又は外部循環を有するガス−リフト反応器又はCSTR(連続撹拌タンク反応器)又はPFR(栓流反応器)が適している。
【0095】
供給されるオレフィン(この表示は、新鮮なオレフィン、リサイクルオレフィン及びこれらの混合物をいう)を、流量の制御下、変化率及びオレフィンオキシドへの選択率を最高とし、反応圧力を維持するように過剰量で反応工程に供給される。好ましくは、バッテリーリミットからの新鮮なオレフィン及びリサイクルオレフィンでなる混合物を使用できる。反応ユニットに導入する前に、新鮮なオレフィンを蒸留カラムC4において精製することができる。
【0096】
本発明の方法の具体例によれば、反応ユニットは、CSTRタイプの3個の反応器R1−R2−R3及びアイソサーモで構成される。
【0097】
反応器R1及びR2は、実質的に同一の条件下、すなわち、温度約55−75℃及び圧力13バールで作動し、一方、反応器R3(仕上げ反応器(すなわち、反応器R1及びR2に供給された過酸化水素を消費する)として機能する)は、温度79−90℃及び圧力8バールで作動する。
【0098】
オレフィンの酸化反応全体は、ユニットR3を出る流におけるHの濃度が100ppm未満となるように行われる。
【0099】
第1及び第2反応器では、過酸化水素に対する反応の選択率は、変化率96%で98モル%であり、第3反応器では、選択率は80モル%であり、変化率は95%である。フラッシュカラムは、実質的に同じ作動条件下で作動し、頂部において、本質的に未反応オレフィン、オレフィンオキシド、不活性生成物(例えば、プロパンの如き脂肪族炭化水素)、及び溶媒蒸気でなる流を排出する。底部において、カラムから、各種の組成をもつ液体相の流を排出する。
【0100】
カラムC1−C2−C3の頂部の蒸気を蒸留カラムC4に供給し、頂部において未反応オレフィンを回収する。これを、不活性生成物の一部を除去した後、オレフィンオキシドの合成に再循環する。反応器R1−R2−R3のベントから来る蒸気もカラムC4に供給する。
【0101】
カラムC4の底部における温度は、滞留時間1分程度では、80℃を越えてはならない。これは、オレフィンオキシドの劣化を防止するためである。
【0102】
蒸留カラムC1及びC2の底部の流は、なお顕著な量の過酸化水素を含有し、従って、オレフィンオキシドの合成に再循環されるが、カラムC3のテールにおける流は、実質的にHを含有しておらず、本質的に、溶媒、水及び反応副生物でなる。
【0103】
この流を、直列に配置された1個以上の固定床管状反応器でなる残留過酸化水素の分解セクションR4に供給する。
【0104】
過酸化水素の分解反応は発熱性であり、液体相において、約80−90℃、滞留時間1−10分、好ましくは、2−5分で行われる。
【0105】
分解反応において使用される触媒の例は、VIII族の金属又はその酸化物でなる。担体は、上記の公知のものの中から選ばれる。
【0106】
R4を出る混合物を相セパレーターV4に供給する。このセパレーターは、過酸化水素の分解から生成された酸素、及びフラッシュカラムにおいて放出された溶媒/酸素混合物を燃焼性の下限以下に維持するために反応器R4の下流において充填された希釈不活性生成物、好ましくは窒素を分離する。
【0107】
ついで、V4を出る溶媒−酸素−不活性生成物混合物を、直列の2個の凝縮器において凝縮して、溶媒を回収し、一方、非凝縮性生成物(酸素及び極微量の溶媒を含む不活性生成物)を排出する。
【0108】
R4を出る液体相及びV4を出る液体混合物を蒸留カラムC6−Aに供給し、上述の如く処理する。
【0109】
カラムC6−Aの頂部において回収された凝縮熱を使用して、該方法に存在するリボイラーユニットにすべて供給する。この場合、カラムの圧力を、この目的に適した値に維持する。
【0110】
蒸留カラムC4の底部から、オレフィンオキシドを富有する液体流を抽出し、精製セクションC5に送る。
【0111】
精製セクションは、多数の棚板を有する直列の2個のカラムでなり、頂部において、なお存在する残留蒸気(未反応オレフィン及び不活性ガス)を分離し、底部において、溶媒及びオレフィンオキシドを含有する液体流を分離し(蒸留カラムC3に再循環する)、側部から、市販純度(>99.8%)をもつオレフィンオキシドでなる液体流を分離する。
【0112】
精製カラムC5の頂部から抽出された蒸気は、なお顕著な量のオレフィンオキシドを含有し、該蒸気を、蒸留カラムC4の上流に再循環する。
【0113】
本発明の方法によって操作する場合、エポキシ化触媒は、1000時間後も、劣化の兆候を示さず、生産性及び反応の選択率は高い。
【0114】
オレフィンオキシドの製法は、図1(説明のために1具体例を示すものであり、これに限定されない)のブロックスキームを参照することによって、さらに良好に理解される。
【0115】
図1を参照すると、オレフィン、例えばプロピレンを、ライン(2)−(11)−(21)により、緩衝剤を、ライン(T1)−(T2)−(T3)により、反応器R1−R2−R3に並行して供給し、一方、過酸化水素を含有する溶媒(4)の半量を反応器R1(4A)に供給し、他の半量をR2(4B)に供給する。一体化製造サイクルにおける溶媒のロスは、カラムC6−Aに供給物を運ぶ「メイクアップ」ライン(3)によって補足される。
【0116】
プロピレンオキシドの合成反応
第1反応器R1からの濾過した液体反応生成物を、ライン(6)により、第1蒸留カラムC1に供給し、その頂部から、生成したプロピレンオキシド及び未反応のプロピレン(7)を、蒸気相で回収し、底部から、なお過酸化水素を含有する液体流(8)を回収して、反応器R3に供給する。
【0117】
第2反応器R2からの濾過した液体反応生成物を、ライン(9)により、第2蒸留カラムC2に供給し、その頂部から、生成したプロピレンオキシド及び未反応のプロピレン(12)を、蒸気相で回収し、底部から、なお過酸化水素を含有する液体流(13)を回収して、反応器R3に供給する。
【0118】
第3反応器R3からの濾過した液体反応生成物を、ライン(14)により、第3蒸留カラムC3に供給し、その頂部から、生成したプロピレンオキシド及び未反応のプロピレン(16)を、蒸気相で回収し、底部から、なお過酸化水素を含有する液体流(15)を回収して、反応システムR4(システムR4は、反応器R4自体、相セパレーターV4及びV4を出る蒸気相に関する直列の2個の凝縮器E421/E422である)に供給する。
【0119】
システムR4を出る液体反応生成物をカラムC6−Aに供給し(18)、酸素、窒素及び極微量のメタノールを含有するガス生成物を、ライン(17)によって大気中に排出する。希釈用窒素を、ライン(AZ)により、システムR4に供給する。
【0120】
溶媒の回収
反応器システムR4を出る液体生成物(過酸化水素を含有せず、本質的に、溶媒、水及び副生物でなる)を、ライン(18)により、この特殊なケースでは、一連の蒸留カラムC6 A−B−Cでなる溶媒回収セクションに供給する。水及び反応副生物(24)を、C6−Aの底部から排出する。C6−Aの頂部において、溶媒(23)を回収し、カラムC6−Bに送る。C6−Aの高さの約2/3の部位で、酸溶液(A1)(蒸気相に存在する窒素化化合物をブロックする)を供給する。C6−Aの入口においてメタノールの1−2重量%の濃度でメタノール中に存在する軽質化合物(ギ酸メチル、ジメトキシメタン)でなるカラムC6−Bの頂部生成物を、カラムC6−Cに供給する。濃縮された軽質生成物(6−8重量%)が、フラッシュ流(31)により、カラムC6−Cの頂部から排出される。カラムC6−B及びC6−Cの底部生成物は、(19)において合わされ、過酸化水素の合成反応に再循環されるメタノールを形成する。
【0121】
プロピレンオキシドの回収
流(7)、(12)及び(16)は、合成反応器から排出された生成物と共に、未反応プロピレン、プロピレンオキシド及び溶媒でなる。これらを、コンプレッサーK1によって、蒸留カラムC4に供給する。カラムC4の頂部において、不活性生成物(27)+(25)と共に、プロピレンを分離する。プロパンの如き不活性生成物を、新鮮なプロピレン(5)と共にサイクルに挿入する。製造サイクルにおける不活性生成物の蓄積を防止するため、反応器に再循環されるプロピレン流の一部をフラッシュする(25)。
【0122】
カラムC4の底部において、プロピレンオキシドを富有する流(28)を回収し、この特殊なケースでは、蒸留カラムC5(2つのセクションにおいて)でなるプロピレンオキシドの精製セクションに供給する。カラムC5の頂部において、なお極微量の未反応プロピレン及びプロピレンオキシドを含有する蒸気相の流(29)が回収される。この流を、コンプレッサーK1によって、カラムC4に再循環する。一方、カラムC5の底部から、プロピレンオキシド及び溶媒を含有する液体流(26)を抽出し、カラムC3に戻す。
【0123】
市販純度をもつプロピレンオキシドを、カラムC5から、側部カット(30)として抽出する。
【0124】
過酸化水素の合成反応
プロピレンオキシド合成セクションから来る蒸留メタノール流(19)を、等量に2分割する。流(33)は過酸化水素合成セクションに入り、流(32)は、過酸化水素合成を出る過酸化水素流(49)を7重量%に希釈する。
【0125】
HBr(ハロゲン化促進剤)水溶液の流(35)及びHSO(酸促進剤)水溶液の流(36)を流(33)に添加する。ポンプP1は、得られた混合物を、圧力100バールで過酸化水素合成反応器R5に送る。それぞれ、水素、酸素及び窒素の各流(39)−(40)−(41)を、コンプレッサーK2によって、100バールで反応器R5に送る。ベンチレーターK3は、未反応ガスを、反応器の頂部から反応溶媒に再循環させる。反応生成物(過酸化水素及び水)、メタノール溶媒及び100バールで溶解した反応ガスでなる流(44)を、低圧で、フラッシュカラムF1に供給する。F1を出る蒸気相を、凝縮後、頂部において水(48)が供給される分離カラムC7に供給する。C7の頂部におけるガス(46)をサイクルからフラッシュし、一方、カラムC7の底部における極微量のメタノール及び水を含有する流(47)を、生物学的処理システムに送る。オンライン分析機Anによる分析のために反応器の頂部で取出されたガスも、フラッシュカラムF1に送る。
【0126】
F1を出る液体流(49)は、過酸化水素(7重量%)、水及びメタノールでなる。この流は、メタノールの蒸留セクションから来る流(32)と一緒になって、プロピレンオキシド合成に供給されるメタノール中に過酸化水素3.5重量%を含有する流(4)となる。
【0127】
公知の方法と比べて、上記の方法は、容易に工業的規模で実施され、連続操作が可能な方法を使用して、高い生産性及び高い選択率で、エポキシドを得ることが可能である。
【0128】
説明のために、操作例を示すが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0129】
【実施例1】
下記の物質を原料として使用してプロピレンオキシドを製造するため、図1による方法を採用した。
−水蒸気クラッキングプラントからのプロピレン99.5重量%及びプロパン0.05重量%でなる流;
−水素濃度が4.5容量%未満であり、酸素濃度が21容量%未満であり、残余(100%に対して)が窒素でなる水素、酸素及び窒素を含有するガス流;
−メイクアップメタノール;
−R5の入口においてメタノール流に供給される酸促進剤HSO(液体溶媒1kg当たり200mg)及びハロゲン化促進剤HBr(液体溶媒1kg当たり6mg);
−反応器R1−R2−R3の入口においてメタノール流に、反応混合物のpH(反応流中に挿入された強化ガラスpHメーターを使用する)を6.5の値に緩衝化する量で供給されるNHOH水溶液でなる緩衝剤(R1−R2−R3への供給物の液体流中に、濃度80ppmで存在する);
−R5に再循環されるメタノールを酸条件下で蒸留するためにカラムC6−Cに供給される硫酸希釈溶液(流(18)全体に対して硫酸約10−50mg/kg)。
【0130】
反応器R1、R2及びR3内には、米国特許第4,937,216号に開示されているタイプのチタンシリカライト触媒が、スラリーに関して6重量%の濃度で存在する。
【0131】
分解器R4の触媒床は、過酸化水素の消耗を考慮して、活性相15%をもつペレットが過剰容量で充填されている。
【0132】
パラジウム及び白金を基材とする不均一触媒を、R5において、液体反応溶媒中に1重量%で懸濁状態に維持した。
【0133】
表1は、各流の収支及び組成を示す。
【0134】
【表1−A】
Figure 2004506626
【0135】
【表1−B】
Figure 2004506626
【0136】
【表1−C】
Figure 2004506626

【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の方法の1具体例を示すブロックスキームである。

Claims (91)

  1. 過酸化水素によるオレフィンの直接酸化によってエポキシドを連続的に製造する一体化法において、
    (a)活性成分としてパラジウム及び白金を基材とするバイメタル触媒の存在下、水素、酸素及び不活性ガスを含有するガス流を使用して、濃度3重量%以上の過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を調製し;
    (b)工程(a)で得られた過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を、反応溶媒中に懸濁させたエポキシ化触媒の存在下において、オレフィン及び緩衝剤と接触させて、オレフィンの対応するエポキシド、水及びアルコール溶媒を含有する反応混合物を調製し;
    (c)工程(b)からのアルコール流を、エポキシドの分離後に処理して、存在する窒素化化合物を除去し;
    (d)工程(c)で得られたアルコール溶媒を工程(a)に供給することからなることを特徴とする、エポキシドの一体化製法。
  2. 工程(c)において、アルコール流の処理を、流全体に対して10−50mg/kgの量で硫酸を含有する水溶液又は希釈ヒドロ−アルコール溶液と共に、溶媒を蒸留することによって、又は蒸留された溶媒を、活性炭、スルホン樹脂又はスルホン化炭素で処理することによって行なう、請求項1記載の製法。
  3. 工程(a)を出る過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を、エポキシ化プラントによって要求される値に希釈するために、工程(c)において得られた溶媒の一部を使用する、請求項1記載の製法。
  4. 過酸化水素のアルコール又はヒドロ−アルコール溶液を連続して製造する工程(a)が、不均一でかつ液体反応媒体の分散液中に維持したパラジウム及び白金を基材とする触媒を収容する反応器に、(i)酸促進剤及びハロゲン化促進剤を含有するアルコール又はアルコール−水混合物(アルコール含量が大きい)でなる液体流、(ii)水素濃度4.5容量%未満、酸素濃度21容量%未満を有し、残余(100%に対して)が不活性ガスでなる水素、酸素及び不活性ガスを含有するガス流を供給し;
    (b′)反応器から、(iii)本質的に液体流(i)からなり、反応によって生成された過酸化水素及び水を含有する、過酸化水素の濃度が3重量%より大である液体流、及び(iv)本質的に、未反応の水素及び酸素及び不活性ガスからなるガス流を除去することからなる、請求項1記載の製法。
  5. 工程(a′)における触媒が、パラジウム0.1−3重量%及び白金0.01−1重量%を含有し、白金/パラジウムの原子比が1/500−100/100である、請求項1記載の製法。
  6. 触媒が、パラジウム0.4−2重量%及び白金0.02−0.5重量%を含有し、白金/パラジウムの原子比が1/200−20/100である、請求項5記載の製法。
  7. 触媒が、パラジウム及び白金に加えて、VIII族又はIB族のものの中から選ばれる他の金属を含有するものである、請求項5記載の製法。
  8. 金属が、ルテニウム、ロジウム、イリジウム又は金である、請求項7記載の製法。
  9. 触媒が、沈殿及び/又は含浸により、活性成分を不活性担体上に分散させることによって調製されたものである、請求項4記載の製法。
  10. 不活性担体が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、活性炭及びスルホン基によって官能化された活性炭から選ばれるものである、請求項9記載の製法。
  11. 担体が、木材、亜炭、ピート又はココナッツに由来する化石性又は天然性のものから選ばれ、表面積300m/gより大を有する活性炭である、請求項10記載の製法。
  12. 担体が1400m/gに達する表面積をもつ活性炭である、請求項11記載の製法。
  13. 担体が表面積600m/gより大をもつ活性炭である、請求項12記載の製法。
  14. 活性炭が低い灰分含量を有するものである、請求項11記載の製法。
  15. 触媒が、濃度0.1−10重量%で反応溶媒中に分散する、請求項4記載の製法。
  16. 触媒が、濃度0.3−3重量%で反応溶媒中に分散する、請求項15記載の製法。
  17. 液体流(i)が、アルコール又はC−Cアルコールの混合物又は前記アルコールと水との混合物(アルコール含量が50%より大である)でなる、請求項4記載の製法。
  18. アルコールがメタノールである、請求項17記載の製法。
  19. 混合物が、少なくともメタノール70重量%を含有するメタノール及び水の混合物である、請求項17記載の製法。
  20. ハロゲン化促進剤が、液体反応溶媒中においてハロゲンイオンを発生し得る物質である、請求項4記載の製法。
  21. ハロゲン化促進剤が、臭化物イオンを発生し得る物質(例えば、臭化水素酸)及び反応溶媒に溶解性の塩(例えば、アルカリ臭化物)から選ばれものである、請求項20記載の製法。
  22. 促進剤が臭化水素酸である、請求項21記載の製法。
  23. ハロゲン化促進剤の濃度が、溶液1kg当たり0.1−50mgである、請求項4記載の製法。
  24. ハロゲン化促進剤の濃度が、溶液1kg当たり1−10mgである、請求項23記載の製法。
  25. 酸促進剤が、反応溶媒中でHイオンを発生し得る物質から選ばれものである、請求項4記載の製法。
  26. 酸促進剤が、無機酸(例えば、硫酸、リン酸、硝酸)又は有機酸(例えば、スルホン酸)から選ばれるものである、請求項25記載の製法。
  27. 酸促進剤が硫酸又はリン酸である、請求項26記載の製法。
  28. 酸促進剤の濃度が溶液1kg当たり0−1000mgである、請求項4記載の製法。
  29. 酸促進剤の濃度が溶液1kg当たり10−500mgである、請求項28記載の製法。
  30. ガス流(ii)において、水素濃度が2−4容量%であり、酸素濃度が6−18容量%であり、残余(100%に対して)が、窒素、ヘリウム及びアルゴンから選ばれる不活性ガスでなる、請求項4記載の製法。
  31. 不活性ガスが窒素である、請求項30記載の製法。
  32. ガス流(ii)において、酸素が、原料物質として、純粋な又は実質的に純粋な酸素、酸素21−90%を含有する富有化空気又は空気を使用して供給され、ついで、流の組成を、好適な濃度の不活性ガスを添加することによって、所望の値とする、請求項4記載の製法。
  33. 反応器を出る液体流(iii)が過酸化水素濃度4−10重量%を有する、請求項4記載の製法。
  34. 液体流(iii)が瀘過によって触媒から分離される、請求項4記載の製法。
  35. 瀘過を、反応器内に配置したフィルターを使用して、又はタンジェンシャル瀘過によって外部にて行なう、請求項34記載の製法。
  36. 本質的に未反応の水素及び酸素及び不活性ガスでなる反応器を出るガス流(iv)が、水素の容量濃度2%以下及び酸素の容量濃度18%未満を有する、請求項4記載の製法。
  37. 反応器を出るガス流(iv)が、水素の容量濃度0.5−1.5%及び酸素の容量濃度6−12%を有する、請求項36記載の製法。
  38. 反応器を出るガス流(iv)を、供給物に過剰量で充填された不活性ガスを除去するために必要なフラクションを系からフラッシュし、プロセスで消費されたH及びOを添加した後、反応器への供給物に再循環する、請求項4記載の製法。
  39. 反応器を出るガス流(iv)を、各反応器において起る反応によって消費されたものと本質的に等しい量の水素及び酸素を毎度添加した後、請求項4に記載のものと同様に作動する1個以上の連続する反応器に供給する、請求項4記載の製法。
  40. 反応を温度−10−60℃で行う、請求項4記載の製法。
  41. 温度が0−40℃である、請求項40記載の製法。
  42. 反応を合計圧力1−300バールで行う、請求項4記載の製法。
  43. 合計圧力が40−150バールである、請求項42記載の製法。
  44. 反応器が、連続操作に適し、反応を3相系で実施して、ガス相、液体相及び懸濁液中に維持された触媒の間で効果的な接触が得られる反応器である、請求項4記載の製法。
  45. 反応器が、撹拌反応器、発泡反応器又は内部又は外部循環を有するガス−リフト反応器から選ばれるものである、請求項44記載の製法。
  46. 反応器における液体溶媒の滞留時間が0.05−5時間である、請求項4記載の製法。
  47. 反応器における液体溶媒の滞留時間が0.1−2時間である、請求項46記載の製法。
  48. エポキシドの製造工程(b)が、
    (1)工程(a)を出る液体流(iii)を、反応溶媒中に懸濁したエポキシ化触媒を収容する1個以上の反応器でなる反応ユニットに、オレフィン、過酸化水素及び緩衝剤と共に供給する;
    (2)反応ユニットを出る瀘過した液体生成物を、反応ユニットの各反応器当たり1個で1個以上のストリッピング(フラッシュ)カラムでなる蒸留ユニットに供給して、頂部において、本質的にオレフィンオキシド及び未反応オレフィンでなる生成物を、及び底部において、本質的に溶媒、未反応過酸化水素、水及び反応副生物でなる生成物を得る;
    (3)蒸留ユニットの底部における生成物を、残留する過酸化水素をO及びHOに分解する機能を有する担持分解触媒を収容する直列に配置された1個以上の反応器でなる分解ユニットR4に供給する;
    (4)分解ユニットを出る本質的に溶媒、酸素及び水でなる混合物を、不活性ガスと共に、相セパレーターV4に供給して、頂部において、酸素、不活性ガス及び極微量の溶媒を含有するガス相を、及び底部において、溶媒、水及び反応副生物でなる液体を得る;
    (5)V4を出るガス相を、残留する溶媒を回収するための直列に配置された1個以上の凝縮器でなる凝縮システムに供給し、非凝縮性化合物(酸素及び極微量の溶媒を含む不活性ガス)を排出する;
    (6)凝縮システムを出る溶媒及びV4を出る液体相を、蒸留カラムC6−Aに供給して、頂部において、溶媒を得て、該溶媒を、処理後、反応ユニット(a)に再循環し、及び底部において、本質的に反応水及び過酸化水素によって充填された水、反応副生物及び極微量の溶媒でなる生成物を得て、該生成物を排出する;
    (7)ストリッピングカラムの頂部における生成物を、反応器のベント生成物と共に、蒸留カラムC4に供給して、頂部において、未反応オレフィンでなる生成物を得て、該生成物を反応ユニットに再循環し、及び底部において、本質的にオレフィンオキシドでなる生成物を得る;
    (8)蒸留カラムの底部における生成物を、精製システムC5に供給して、残留するオレフィン、本質的に溶媒でなる液体相及び市販純度をもつオレフィンオキシドを回収して、前記残留オレフィンを反応ユニットに、前記液体相をフラッシュカラムに再循環することからなる、製法記載の製法。
  49. 工程(6)において、凝縮システムを出る溶媒及びR4を出る液体相を、流全体に対して約10−50mg/kgの量で硫酸を含有する希釈水性又はヒドロ−アルコール溶液と共に、蒸留カラムC6−Aに供給する、請求項48記載の製法。
  50. 凝縮システムを出る溶媒及びV4を出る液体相を、蒸留カラムC6−Aの底部に向って供給し、一方、酸溶液を、カラム自体の約2/3の高さで供給する、請求項49記載の製法。
  51. カラムC6−Aの頂部を出る溶媒を、カラムC6−Bに供給して、頂部において、軽質生成物を分離し、一方、底部において、精製された溶媒を分離する、請求項49記載の製法。
  52. カラムC6−Bの頂部における流を、蒸留カラムC6−Cに供給して、底部において、軽質生成物を含有しない溶媒を得て、該溶媒を過酸化水素合成反応に再循環し、及び頂部において、軽質生成物の濃縮流を得る、請求項51記載の製法。
  53. 工程(6)において、カラムC6−Aの頂部における溶媒を、活性炭、スルホン樹脂又はスルホン化炭素での処理の後、過酸化水素合成反応に再循環する、請求項48記載の製法。
  54. 反応ユニットが、3個の反応器R1、R2及びR3でなる、請求項48記載の製法。
  55. 工程(b)において、オレフィンが、一般式(I)
    Figure 2004506626
    (式中、R、R、R及びRは、同一又は相互に異なるものであって、水素、炭素数1−20のアルキル基、アリール基、炭素数7−20のアルキルアリール基、炭素数6−10のシクロアルキル基、炭素数7−20のアルキルシクロアルキル基である)で表わされるものから選ばれる、請求項1記載の製法。
  56. 一般式(I)を有する化合物において、基R、R、R及びRが、ペアーで、飽和又は不飽和環を形成するものであり、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、スルホン基及び対応するエステル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基、アミン基及びエーテル基を含有するものである、請求項55記載の製法。
  57. 一般式(I)を有するオレフィンが、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アリルアルコール、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン−1、1−トリデセン、メシチルオキシド、イソプレン、シクロオクテン、シクロヘキセン又はノルボルネン、ピネンの如き二環式化合物である、請求項55記載の製法。
  58. オレフィンがプロピレンである、請求項57記載の製法。
  59. プロピレンが70%以上の純度を有するものである、請求項58記載の製法。
  60. プロピレンを、最低純度96%を有し、残余がプロパン及び代表的なC不純物でなる水蒸気クラッキングからの流として使用する、請求項59記載の製法。
  61. 反応ユニットに供給されるオレフィンが、新鮮なオレフィン、リサイクルオレフィン又はその混合物でなる、請求項48記載の製法。
  62. 反応ユニットに入る前に、新鮮なオレフィンを蒸留カラムC4において精製する、請求項61記載の製法。
  63. 液体流(iii)を工程(1)に供給して、オレフィン/Hのモル比を10/1−1/10とする、請求項48記載の製法。
  64. オレフィン/Hのモル比が6/1−1/1である、請求項63記載の製法。
  65. エポキシ化反応において使用する溶媒が、アルコール及びC−Cアルコールの混合物又はアルコール含量が50%より大である前記アルコールと水との混合物でなる、請求項48記載の製法。
  66. アルコールがメタノールである、請求項65記載の製法。
  67. 混合物が、メタノール少なくとも70重量%を含有するメタノール及び水の混合物である、請求項65記載の製法。
  68. 緩衝剤が、アンモニア、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム又は有機酸又は無機酸と共に窒素化塩基及びその塩でなる系から選ばれるものである、請求項48記載の製法。
  69. 緩衝剤を、エポキシ化反応器に供給される反応体流の1つにより、反応混合物のpHを、操作条件下で測定して、5より大の値に維持する量で、連続して供給する、請求項48記載の製法。
  70. 反応混合物のpHを5.5−8の値に維持する、請求項69記載の製法。
  71. 工程(b)のエポキシ化触媒が、MFI構造をもつチタンシリカライト、MEL又は中間のMFI/MEL構造をもつチタンシリカライト、又はチタンを含有し、BEA構造を有するβゼオライトから選ばれるものである、請求項1記載の製法。
  72. 触媒が、一般式(II)
    xTiO・(1−x)SiO
    (式中、xは、0.0001−0.04である)を有するチタン−シリカライトから選ばれるものである、請求項71記載の製法。
  73. チタンシリカライトにおいて、チタンの一部が、ホウ素、アルミニウム、鉄又はガリウムから選ばれる金属によって置換されている、請求項72記載の製法。
  74. 触媒を、粉末状、ペレット状、ミクロ球状、押出し又は他の好適な物理形状として使用する、請求項1記載の製法。
  75. 触媒を、リガンド(コ−ゲル)、又はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト又は活性炭から選ばれる担体と組合せて使用する、請求項74記載の製法。
  76. エポキシ化反応で使用する触媒の量が、反応混合物に対して1−15重量%である、請求項1記載の製法。
  77. 触媒の量が、反応混合物に対して4−10重量%である、請求項76記載の製法。
  78. エポキシ化反応を温度20−150℃で行う、請求項1記載の製法。
  79. 温度が40−100℃である、請求項78記載の製法。
  80. 温度が55−90℃である、請求項79記載の製法。
  81. 反応器R1及びR2を、温度55−75℃及び圧力13バールで作動させ、反応器R3を、温度70−90℃及び圧力8バールで作動させる、請求項54記載の製法。
  82. 残留過酸化水素の分解反応を、温度80−90℃において、滞留時間1−10分で行う、請求項48記載の製法。
  83. 滞留時間が2−5分である、請求項82記載の製法。
  84. 残留過酸化水素の分解反応で使用する触媒が、VIII族の金属又はその酸化物でなるものである、請求項48記載の製法。
  85. エポキシ化反応器が、撹拌反応器、発泡反応器、内部又は外部循環を有するガス−リフト反応器又はCSTR(連続撹拌タンク反応器)又はPFR(栓流反応器)から選ばれるものである、請求項48記載の製法。
  86. 反応器R1、R2、R3が、等温CSTRタイプである、請求項48記載の製法。
  87. 分解反応器が、直列に配置された1個以上の固定床管状反応器でなるものである、請求項48記載の製法。
  88. ストリッピングカラムを同じ条件下で作動させ、頂部において、本質的に未反応オレフィン、オレフィンオキシド、不活性生成物及び溶媒蒸気でなる蒸気相流を排出する、請求項48記載の製法。
  89. 蒸留カラムC4の底部における温度が80℃以下であり、滞留時間が1分程度である、請求項48記載の製法。
  90. 精製カラムC5が、直列に配置された多数の棚板をもつカラムでなり、頂部において、なお存在する残留蒸気を、底部において、溶媒及びオレフィンオキシドを含有する液体流を、及び側部において、純度>99.8%を有するオレフィンオキシドでなる液体流を分離する、請求項48記載の製法。
  91. カラムC6の頂部において回収された凝縮熱を、該方法内に存在するリボイラーユニットにすべて供給するために使用する、請求項48記載の製法。
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