JP2004505884A - セラミックス分野のためのフロキュラントまたはバインダー - Google Patents

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Abstract

ここに開示されているのは、セラミックス製品を製造するためのアミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)含有フロキュラントまたはバインダー組成物、セラミックス製品を製造するためのスラリー、ならびに、セラミックス製品の製造法である。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明はセラミックス分野のためのフロキュラントまたはバインダーに関する。
【0002】
(背景技術)
セラミックス製品を製造する場合、無機の基礎原料、通常は無機繊維原料を、スラリーと呼ばれる水性スラッジ中に加える。フロキュラントおよび/またはバインダーおよび随意に他の成分を添加すると、フロック(凝集粒子)が生成する。生成したフロックを分離してから、その湿潤ケーキをまず乾燥させ、次いで各種の加熱工程によって焼成してセラミックスとする。
【0003】
好適なスラリーを調製するためには、各種の添加剤を必要とし、その中にはフロキュラントおよび/またはバインダーがあり、それによってスラリー中に含まれる無機原料を、最終的な加熱処理に適した形状にしたり分散させたりする。
【0004】
この10年の間、環境保護に対する配慮が高まる中で、セラミックスの製造において、最終的な熱処理工程(無機物質が使用されている場合には炭化(carbonization)とも称される)の間に環境に対して有害な物質が生成しないような、フロキュラントおよび/またはバインダーを使用することが、大きな関心事となってきている。従来においては、たとえば炭化ケイ素の成形物品を製造するためには、独国特許出願公開第3231100号明細書に記載されているように、芳香族化合物、たとえばフェノール樹脂などが使用されることが多かったが、このところデンプンを含有する製品をうまく使用することも多くなってきた。
【0005】
このように、デンプンを用いたフロキュラントおよびバインダーは、セラミックス分野で広く応用されるようになっている。これが特に重要なのは、デンプンを用いたフロキュラントおよびバインダーは天然物であり、したがって環境により優しいからである。このため、炭化の間にも、環境に影響をおよぼすような有害物質が放出されることはない。
【0006】
ジャガイモやトウモロコシやコムギのデンプン誘導体を使用することが米国特許第5618767号明細書に記載されているが、そこでは炭化の際のデンプンのメリットが指摘されている。炭化ケイ素系のセラミックス製品を製造する際に、上記のデンプン類を使用することが、特記されている。
【0007】
米国特許第3224927号明細書では、耐熱性製品を製造する場合における、カチオン性デンプンの可能性を積極的に扱っている。そこでは、それらのデンプンの利点が強調されており、繊維とバインダーのシリカゾルのシステムに組み合わせるのが最適であるとされている。記載されているデンプンに含まれるのは、ナショナル・スターチ(National Starch)から市販されているカチオン性デンプンであるが、このものはフロキュレーションに際してまずゲル化させる必要がある。
【0008】
国際公開第99/15322号パンフレットには、セラミックス成形体を製造するための、真空成形工程における技術が記載されている。その工程では、フロキュラントを添加するのが好ましく、中でも冷水に可溶なカチオン性デンプンが用いられている。トウモロコシデンプンまたは通常のジャガイモデンプンからの市販品が特に言及されている。
【0009】
欧州特許出願公開第094731号明細書には、成形したセラミックスの製造についての記載がある。そこでもまた、バインダーに使用されるのは、デンプン、特にトウモロコシデンプンであるが、それ以外にもコメデンプン、タピオカデンプンあるいは通常のジャガイモデンプンも用いられている。
【0010】
したがって、上記の従来技術においてフロキュラントまたはバインダーとして使用されているデンプン製品は、天然品または、分解および/または変性および/または誘導体化した形のものである。
【0011】
デンプンは天然の植物からの生産物である。デンプンは本質的にはグルコースポリマーからできており、基本的には2つの成分、すなわちアミロペクチンとアミロースで構成されている。そうではあるが、これらは均一の物質ではなく、分子量の異なるポリマーの混合物である。アミロースは本質的に枝分かれのない多糖類からなり、そこではグルコースはα−1,4−結合の形で存在している。他方、アミロペクチンは、枝分かれの多いグルコースポリマーであって、枝分かれをしている点におけるグルコース部分はα−1,4−結合に1,6−結合を伴っている。
【0012】
天然のデンプンは一般的に言って、アミロース含量が15から30%の範囲であるが、唯一ワキシー(waxy、モチ種)タイプのトウモロコシの変種ではほぼ完全にアミロペクチンでできている。このデンプン(ワキシートウモロコシデンプンと呼ばれている)の応用分野は、主として食品産業関連である。この分野では、アミロースを含まないデンプンが糊化(gelatinization)の際に糸曳き(threading)をする傾向がかなり小さいので、好適な食感を与えるとして特に評価されている。また、アミロースリッチなデンプンに比較してアミロペクチンデンプンは、老化(retrogradation)現象が少ない、すなわち、一旦分離した鎖が再結合しにくい、ということも知られている。
【0013】
ワキシートウモロコシの栽培は、寒帯あるいは温帯気候の所では経済的な見地からほとんど実用性がない、あるいは不可能である。そのような地域としては、オーストリア、ドイツ、ベルギー、オランダ、イギリス、ポーランドなどをあげることができる。したがって、ワキシートウモロコシは、それらの地域ではコスト的な理由から受け入れられない。しかしながら対照的にそれらの国では、ジャガイモは一般的なデンプン源である。穀類デンプンに比較してジャガイモデンプンは、脂質およびタンパク質含量が低いが、リン酸エステル基をかなりの量で含んでいる。それらの点についての比較は、本出願で特許請求されているアミロペクチン・ジャガイモデンプンを考慮にいれて、本発明の明細書の実施例のところに記載されている。
【0014】
物理的または化学的手段によってデンプンのアミロース含量を低下させる方法は、公知である。ただし、これらの方法はかなりコストがかかるので、実用性があるのは、経済的な見地から妥当性が見出された場合のみである。
【0015】
しかしながら、アミロース含量を低下させるこれらの方法では、高温(通常約140℃以上)での熱処理が必要で、そのため、必然的に分解生成物が形成されることになる。ところが、そのような分解生成物は、多くの用途で好ましくない影響をもたらすことが多い。さらに、その分別(fractionation)工程は非常に複雑でコストがかかることが、そのような製品を大規模に応用して成功することに対する妨げとなっている。本発明の文脈においては、分別によって調製したアミロペクチン・ジャガイモデンプンは、分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプン(FAP−PS)と呼ぶこととする。
【0016】
この10年の間に、アミロースを含まないデンプンを提供することを目的としたジャガイモの遺伝子組み換えが成功して、完全に新しいタイプのデンプンが得られるようになった(国際公開第92/11376号パンフレット)。その結果、たとえば、アミロースの少ない、あるいはアミロースを含まないジャガイモデンプンを得ることが初めて可能となったが、そのデンプンでは、ジャガイモデンプンに典型的な3次元のアミロペクチン構造は完全に維持しながら、分解生成物の形成や天然品の構造から3次元ネットワークの変化もない(国際公開第92/11376号パンフレット参照)。このようにしてアミロペクチン・ジャガイモデンプンが得られたが、これは実質的により明確にするだけでなく、特に誘導体化工程に供されるものである(これについても国際公開第92/11376号パンフレットを参照されたい)。
【0017】
これら新規のデンプン製品には多くの応用が提案されてはいるが、供給量が少量であるために、これらデンプン製品の実際の工業的な利用可能性については、ほとんど判っていない。そのため、従来からの技術において工業規模で使用され、市場での地歩を占めている、ワキシートウモロコシデンプンはいまだに、アミロペクチンリッチな唯一のデンプン製品である。その理由は、FAP−PSや、一般的な栽培型植物の突然変異体から得られる他のワキシー穀類デンプンに比較して、入手が容易であるからである。
【0018】
先に記した、天然アミロペクチンパターンを有するアミロペクチンリッチなデンプン(国際公開第92/11376号パンフレット参照)は、ジャガイモに含まれるアミロース形成酵素を選択的に操作することによって得られ、本発明の目的においてはアミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)と呼ぶことにするが、先に指摘したようないくつかの用途は提案されているものの、セラミックス製品の製造に使用することについての提案はまだない。
【0019】
(発明の開示)
本発明の目的は、特にセラミックス分野のための改良されたフロキュラントまたはバインダーを提供することである。さらに、セラミックス製品を製造するための改良された方法もまた提案し、それにより改良された性質を有するセラミックスを製造することが可能となる。
【0020】
本発明にしたがえば、この目的は、セラミックス製品を製造するためのフロキュラントまたはバインダー組成物によって達成されるが、そのものは、アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)を含んでいることを特徴としている。
【0021】
驚くべきことには、セラミックス製品の製造においては、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、この目的のためにこれまで提供されてきた製品、特に他のデンプン製品と比較しても、はるかに優れた性能を示した。事実、本発明の関係においては、分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプン(FAP−PS)、さらにはワキシートウモロコシデンプンおよび、当然の事ながら通常のジャガイモデンプン、さらにはそれらのデンプンの誘導体から得られる製品などよりも、圧倒的に優れた改良効果を得ることができた。
【0022】
アミロペクチンリッチなデンプンに関してこれまで提案されてきた唯一の応用分野は、室温またはやや温度をあげたところでその性能が明らかになるような分野、たとえば、繊維産業または製紙産業においてであった(たとえば米国特許第5582670号明細書参照)。しかしながら、セラミックス分野においてその製造工程でAP−PSを使用することについては、これまで提案されたことも推奨されたこともなかった。したがって、関連の製品、特にFAP−PSやワキシートウモロコシデンプンのようなアミロペクチンリッチな他のデンプンよりも、はるかに驚異的に優れたAP−PSの性質が実証されたこともまだない。
【0023】
「セラミックス」という用語は、日常的にも、また本発明においても、粘土鉱物からの製品であると理解するものとする。セラミックス材料種類およびその用途の範囲は、この数十年のあいだに拡大されており、特に粘土鉱物に加えて、炭化物、窒化物、酸化物あるいはケイ化物などが今日では使用されている。このような発展と並行して、耐火性(refractory)セラミックスも市場に地位を確立した。ドイツ工業規格(DIN)51060によれば、耐火材料という用語は、ゼーゲルコーン降下点が少なくとも1500℃の高融点酸化物や耐火シリケートなどのような非金属材料をあらわしている(さらに、部分的に金属とみなされるものようなもの、たとえばサーメットも含まれる)。これらの製品は、800℃を超える温度で長時間にわたって使用可能な点でぬきんでている。
【0024】
ISO推奨R1109番では、それらのものは次のように分類されている。
1.アルミナリッチな製品第1グループ: >56%Al
2.アルミナリッチな製品第2グループ: 45〜56%Al
3.耐火粘土耐火物: 30〜45%Al
4.酸性耐火粘土耐火物: 10〜30%Al、<85%SiO
5.ケイ質耐火物: 85〜93%SiO
6.シリカ製品: >93%SiO
7.塩基性耐火物(basic refractories): 各種の量のマグネサイト−クロマイトなどを含む、
8.炭素、グラファイト、Zi−シリケート、窒化物、ホウ化物、サーメットなどからの特定の製品。
【0025】
セラミックス製品は、大量かつ広範囲に使用される。典型的な例をあげれば、自動車産業、耐火材料としての工業用溶鉱炉、高温用フィルターなどである。
【0026】
セラミックス製品でとりわけ特徴的なのは、その多孔性であり、それは特にデンプン含有のフロキュラントまたはバインダーを使用することによって達成されるものである。
【0027】
他の分野(たとえば製紙)では基本的に、デンプンはフロキュラントとして使用されているが、セラミックス産業においてはフロキュラントに対して非常に特殊な性能を要求しており、それは、一方では無機材料のスラリーを調製することに対する寄与であり、他方では、それに続く乾燥/成形、および焼成工程におけるものである。
【0028】
「フロキュラント」とは、コロイド粒子のゼータ電位(界面動電位)に影響をおよぼして、アグリゲート、たとえばフロックを形成させるような物質と理解されたい。分散させた粒子のゼータ電位をフロキュラントによって低下あるいは中和させる。フロキュレーションを可能とするためには、フロキュラントは、溶媒(たいていは水)の中で通常負に荷電している粒子の静電反発力に打ち勝たなければならない。
【0029】
デンプンまたはデンプン誘導体が固体粒子に働きかけて、アグロメレートさせることによって大きな単位(フロック)とするが、そのような懸濁粒子へのアグロメレーションは橋かけによる。一般に認められている理論によれば、フロキュラントの効果は、一方ではイオン的な性質、そして他方では分子の鎖の長さの影響を受ける。まだ充分に認められているとは言えないが、アミロペクチン構造の基本的な面がこの点に関しても重要な役割を果たしていると考えられる。さらにデンプンはまた、セラミックス製品の分野においては結合性という機能も果たしている。たとえば、繊維と他の補助的な成分物質との間の重要な結合、またはシリカゾルと同様のバインダーを構成している可能性がある。有機物としての性質から、デンプンは一時的なバインダーとして働くが、それが熱処理によって炭素に転換されると、存在するの間で安定な3次元ネットワーク構造(多孔性マトリックス)を形成する。
【0030】
本発明が示しているのが、そのような転化によって得られるセラミックス製品に特定の性質を付与するのが、まさにAP−PSであるということである。さらに、スラリーの調製工程の際に発揮される諸性質がある。
【0031】
AP−PSはジャガイモから得るのが好ましいが、その場合、たとえば国際公開第92/11376号パンフレットに記載されているような好適なアンチセンス技術によって、線状のアミロース分子に導くα−1,4−結合を受け持つデンプン顆粒結合デンプンシンターゼ I(GBSS I)の活性を抑制または全面的に不活性化する。たとえば、GBSS Iを阻害することによって、ジャガイモから、天然のジャガイモデンプンに比較してアミロペクチン含量が著しく高い天然のままのAP−PSが生産でき、これならば、分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプンが持つ欠点(分解生成物、熱処理)を我慢する必要もない。
【0032】
したがって、デンプンの全量を基準にして、アミロペクチンを少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%の含量で含むAS−PSは、使用するのに好ましいものである。
【0033】
AP−PSは、育種によるかまたは、アミロース阻害を目的とする分子生物学的もしくは遺伝子工学的な技術を使うかによって変性させたジャガイモから得るのが好ましい。とりわけ本発明により使用されるAP−PSは、GBSS遺伝子のアンチセンス阻害または、アミロース生成における共抑制(co−suppression)によって阻害されたジャガイモから得る。そうすることで、アミロースの合成が好適に妨害あるいは阻害され、しかもアミロペクチンの枝分かれは変化を受けないままとなるので、好ましい。結局、これは技術的見地から言えば容易に実施可能であるが、その理由は、アミロースの合成とアミロペクチンの分岐パターンの生成とは、植物内で起きる2つのまったく独立した工程であるからである。どちらの工程に対しても関与している酵素は特定のものであるので、たとえば遺伝子工学的な介入などによって、相互に独立して独自の方法でその活性を調節することが可能である。したがって、AP−PSは、(分岐度に関しての)その他の性質を全く変化させることなく、アミロースとアミロペクチンとの比だけを所望の割合に変化させた、計画通りのデンプン(ジャガイモデンプン)として得ることができる。FAP−PSを調節する場合とは違って、遺伝子組み換え的に生産されたAP−PSにおけるデンプンの品質は明白に定義することが可能で、したがって、正確に成功可能なように調節でき、それによってAP−PSの工業的な利用性も保証される。
【0034】
アミロペクチンの分岐度を調節するように(任意にアミロースが同じ程度の高い割合を占めている、国際公開第96/19581号パンフレット)遺伝子操作を加えたジャガイモから得られるデンプンは、本発明の関係においては、好ましいものではないことが判明したので、アミロース含量が高いというだけの理由から、本発明の意味するAP−PSとしては考慮の対象に含めない。
【0035】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの別の重要な特性としては、その分子量分布および平均分子量がある。たとえばワキシートウモロコシデンプンのようなワキシーデンプンや、物理的または化学的な方法で調製したジャガイモデンプンアミロペクチンとの違いは、特にサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定から明らかになる。それぞれのデータは、実施例のところで示す。
【0036】
本発明のフロキュラントまたはバインダー組成物中のAP−PSは、変性、特にカチオン的に変性されているのが好ましい。この関係では、アミロペクチン・ジャガイモデンプンには、窒素含有基、特に正に帯電した4級アンモニウム基が含まれているのが特に好ましいことが判明した。
【0037】
特に好ましい実施態様にしたがえば、本発明によるアミロペクチン・ジャガイモデンプンは、アミロペクチン・ジャガイモデンプンのスルファメートである。
【0038】
しかしながら、使用される有機繊維の性質によっては、アニオン的に荷電させたアミロペクチン・ジャガイモデンプンと、カチオン的に荷電させたアミロペクチン・ジャガイモデンプンとの両方が必要である。特別な場合として、両性のアミロペクチン・ジャガイモデンプンもまた好ましい変性品に含まれる。
【0039】
文献では、多くの誘導体が知られており、その調整法も容易に、とりわけ、次の文献に見出すことができる。『デンプン:化学と技術(Starch:Chemistry and Technology)』、R.L.ホイスラー(Whistler)、第XおよびXVII章(1984年)、および、『変性デンプン:性質と応用(Modified Starches:Properties and Uses)』、O.B.ブルツブルグ(Wurzburg)編、第2〜6章および第9〜11章、(CRCプレス(CRC Press)、1986年)。一般的に言って、アニオン性、カチオン性および両性のデンプン誘導体の間では区別がはっきりしていて、以下の誘導体化の方法を他のタイプのデンプンに応用するのは従来技術に属する。
【0040】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンにアニオン性の変性を施すということは、まとめて言えば、デンプンの遊離ヒドロキシル基をアニオン性の基で置換するということである。ワキシートウモロコシデンプンの場合とは異なり、アミロペクチン・ジャガイモデンプンには元から結合しているアニオン性基が存在するので、本来は、さらに追加するアニオン変性のことを対象に記載しなければならない。それらは、天然に化学的に結合しているホスフェートで、これがアミロペクチン・ジャガイモデンプンに、さらに特定の高分子電解質的な性質を付与している。
【0041】
基本的には、アニオン性誘導体化を実施するには2つの方法がある:
a)アミロペクチン・ジャガイモデンプンのエステル化を導入するような方法で変性を実施する。変性剤としては、無機または有機の各種原子価の、通常は2価の酸、またはそれらの塩、またはそれらのエステルもしくは無水物がある。したがって、多くの酸のなかでも以下に示す酸が好適であるが、ここでの列挙は単に例示をしているにすぎない:
o−リン酸、m−リン酸、ポリリン酸、各種の硫酸、各種のケイ酸、各種のホウ酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸などである。混合エステルや無水物も同様に使用できる。アミロペクチン・ジャガイモデンプンをエステル化するとき、何重かに作用することもあり、その結果、たとえば2デンプンリン酸エステルが得られる。
【0042】
b)アミロペクチン・ジャガイモデンプンのエーテル化を導入するような方法で変性を実施する。変性剤としては、無機または有機のα−置換の酸、それらの塩、またはそれらのエステルがある。このタイプの反応では、α−置換基の開裂が起きて、エーテル基が生成する。
【0043】
その結果、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、たとえばホスフェート、スルフェート、スルホネート、またはカルボキシル基などによって付加的に置換される。これは、たとえばアミロペクチン・ジャガイモデンプンと、α−ハロカルボン酸、クロロヒドロキシアルキルスルホネート、またはクロロヒドロキシアルキルホスホネートとの反応によって達成される。
【0044】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンにカチオン性の変性を施すといいうことは、まとめて言えば、置換によりプラスの電荷をデンプンに導入するということである。カチオン化の方法は、アミノ、イミノ、アンモニウム、スルホニウムまたはホスホニウム基を利用して行われる。カチオン化されたデンプンを調製する方法については、たとえば、O.B.ブルツブルグ(Wurzburg)編『変性デンプン:性質と応用(Modified Starches:Properties and Uses)』(CRCプレス社(CRC Press Inc.、フロリダ州、ボカラトン(Boca Raton)、1986年)、p.113〜130のD.B.ソラレック(Solareck)による「カチオン性デンプン(Cationic Starches)」に記載されている。そのようなカチオン性誘導体には、窒素含有基、特に、1級、2級、3級および4級アミン、またはスルホニウムおよびホスホニウム化合物がそれぞれ含まれているのが好ましく、これらはエーテル結合またはエステル結合により結合されている。正に帯電した4級アンモニウム基を含めて、カチオン化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用するのが好ましい。
【0045】
さらに詳しくは、アミロペクチン・ジャガイモデンプンのスルファメートについてもまたここで触れておくべきで、それらの製造も同様に本発明の範囲に入る。この新規なアミロペクチン・ジャガイモデンプン誘導体は、本明細書で特許請求されているアミロペクチン・ジャガイモデンプンをスルファミン酸のアンモニウム、アルカリ土類またはアルカリスルホン酸塩と反応させることにより得ることができる。この誘導体の調製方法はもまた、実施例のところに例示されている。
【0046】
別のグループとしては両性のデンプンとしてあらわされるものがある。それらには、アニオン性およびカチオン性の両方の基があり、したがってその応用はきわめて特殊である。これらは通常カチオン性のデンプンで、それをさらにホスフェートまたはキサンテートのいずれかによって変性したものである。そのような化合物の調製法についても、O.B.ブルツブルグ(Wurzburg)編『変性デンプン:性質と応用(Modified Starches:Properties and Uses)』(CRCプレス社(CRC Press Inc.、フロリダ州、ボカラトン、1986年)のp.113〜130、D.B.ソラレック(Solareck)による『カチオン性デンプン(Cationic Starches)』に記載がある。
【0047】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンのエステルおよびエーテルは非常に重要である。単一のデンプンのエステルと、混合デンプンのエステルとの間の区別は、別のエステル置換基が予想できるかどうかで区別される。エステル残基RCOO−で、ここでの残基Rは、炭素原子数1から17まで、好ましくは炭素原子数1から6まで、特に好ましくは炭素原子数1または2のアルキル、アリール、アルケニル、アルカリールまたはアラルキル残基である。これらの化合物には、以下の誘導体が含まれる、すなわち、アセテート(酢酸ビニルまたは無水酢酸から調製)、プロピオネート、ブチレート、ステアレート、フタレート、スクシネート、オレエート、マレイネート、フマレートおよびベンゾエートである。
【0048】
エーテル化は主として、炭素原子数2から6、好ましくは炭素原子数2〜4の酸化アルキレンとの反応、特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを使用することによって実施できる。さらにまた、メチル、カルボキシメチル、シアノエチルおよびカルバモイルエーテルも調製し使用することができる。さらに、化合物には、アルキルヒドロキシアルキル、アルキルカルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルカルボキシメチル、およびアルキルヒドロキシアルキルカルボキシメチル誘導体も含まれる。
【0049】
前記のエステルやエーテルに加えて、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを種々の割合で架橋させることもできる。架橋反応に使用する化合物を列挙すれば、任意に(ポリ)アミンを混合したエピクロロヒドリンまたは1,3−ジクロロ−2−プロパノール、さらには、ホスホロオキシクロリド、トリメタリン酸ナトリウム、ジ−またはポリエポキシド、たとえば無水酢酸とアジピン酸の混合無水物のようなカルボン酸無水物と二塩基酸または三塩基酸との混合無水物、アルデヒド類またはたとえばN,N’−ジメチロール−N,N’−エチレンウレアのようなアルデヒド放出試薬などである。
【0050】
これらの架橋デンプンのペーストは、架橋の程度が低いところでは急激な粘度上昇を示すが、架橋が進むと再び低下する。いずれの場合においても老化は非常に少なく、その理由から、架橋させたアミロペクチン・ジャガイモデンプンは、長期のフロキュレーション安定性が得られるという観点からも非常に好ましい。さらに、架橋させたアミロペクチン・ジャガイモデンプンをさらに上記の化合物で変性させると、好適なデンプン材料となる。
【0051】
最後に、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、たとえば、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、または、石油系炭化水素からのモノマーやポリマーからなる群より選択した化合物とのグラフトポリマーまたはグラフトコポリマーとして存在させてもよい。この場合、アミロペクチン・ジャガイモデンプンのグラフト(コ)ポリマーは、エマルションポリマーとして存在させるのが好ましい。
【0052】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの上記の変性のすべては、元のデンプンとの反応によってもよいし、分解させた形のものからでもよい。ここでの分解方法としては、機械的、熱的、熱化学的または酵素などによる方法で実施することができる。したがって、構造的に変性させたアミロペクチン・ジャガイモデンプンが得られるだけでなく、そのデンプン製品を冷水に溶解可能または膨潤可能とすることもできる。
【0053】
特に、冷水に可溶な分解アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、予備糊化の有無に関わらず、ドラム乾燥、スプレー乾燥などにより調製することができる。解離の程度は、冷水に可溶なデンプンまたはデンプン誘導体の物性を最適に発揮させることに大いに関連している。アミロペクチン・ジャガイモデンプンまたはその誘導体は、塊(lump)が生成したり、細粉が発生したり、解離およびその後の使用で析出がおきたりすることがなく、したがって、適当なペーストタイプの乾燥物を水中に撹拌しながら加える実際的な操作においても完全な加工が可能である。この点に関して非常に特殊な方法として押出し加工がある。この方法を使えば、物理的作用によって変性アミロペクチン・ジャガイモデンプンをいろいろな程度で分解させ、同時にそれを冷水に溶解あるいは膨潤できる形に転化させることが可能となる。さらに、この技術を用いれば、費用をあまりかけずに、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを直接誘導体化させることも可能となる。
【0054】
デンプン誘導体を製造する際には、アミロペクチン・ジャガイモデンプンの粒子安定性が高いので、通常のジャガイモデンプンの場合よりも簡単な製造方法を用いることができる。たとえばスラリー中での反応が、より効率的に、より高い反応速度で進行する。さらに、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは通常のデンプンに比較して、アルカリや熱に対して安定である。そのために、誘導体化の反応、たとえばエーテル化またはエステル化反応において、それにデンプンの誘導体化に好んで用いられる多くの他の反応においても同様に、反応時間を一段と短縮することができ、しかも、糊化防止のための塩の量を大幅に減らすことができる。反応時間を減らし、使用する化学薬品の量を大幅に削減できるのは、製造コストの削減という経済的な面だけでなく、エコロジーの面でも好影響をもたらす。そのため、たとえば、反応の廃水の塩およびCSB負荷もかなり削減される。
【0055】
本発明によるフロキュラントまたはバインダー組成物にはさらに、沈降促進剤、安定剤、分散剤、消泡剤、軟化剤、非デンプン系粘着剤または粘着剤前駆物、緩衝剤、塩、防腐剤、その他一般的な添加物を、任意に組み合わせて加えることができる。上記の添加物の何をどれだけの量で使用するかについては、結局のところ、主として使用する無機繊維に関連して、フロキュラントまたはバインダー組成物の使用目的によって決まってくる。
【0056】
本発明はまた、セラミックス製品の製造におけるフロキュラントまたはバインダーとしてのAP−PSの使用、および、セラミックス製品の製造のための本発明によるフロキュラントまたはバインダー組成物の使用に関する。
【0057】
セラミックス製品を製造するには通常、無機繊維の水性懸濁液を調製し、次いでこれに、通常はコロイダルシリカの形での無機バインダー、それに、通常は正に荷電させた状態のデンプン(本発明によれば、これはアミロペクチン・ジャガイモデンプンである)を添加する。製品での要求性能に応じて、添加剤類やフィラー類を加えてもよい。フロック含有混合物のpHは通常は4から8までである。形成されたフロックの分離は、金網の形状にした本体(body)を介して液相をデカントさせれば可能である。このような操作により得られた湿潤ケーキは、一般にグリーンボディ(green body)と呼ばれ、まず乾燥させ、次いで各種の加熱工程たとえば焼結を経てセラミックスに焼き上げる。いずれにおいてもその目的は、デンプンを炭化させ、それによってセラミック材料に所望の多孔性を付与することにある。セラミックスの製造については、ボースラフ・ドビアス(Bohuslav Dobias)編の『コアギュレーションおよびフロキュレーション(Coagulation and Flocculation)』(1993年)の第11章に一般的に記述されている。
【0058】
セラミックス製品を製造するために必要なスラリーはほとんどの場合、その固形分含量が約0.3〜6%で、以下のようなものを含んでいる(以下の記述における数値は、スラリーの全重量に対するものである):
無機繊維の割合は、約0.5〜4%、好ましくは0.5〜2%の濃度である。さらに、有機または無機フィラーも加えるが、これは通常0〜3%、好ましくは0.1〜2%の濃度で用いられる。バインダーは2%未満、ほとんどの場合0.5%未満の量で添加する。アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、0.001〜0.5%、好ましくは0.01〜0.3%の濃度で存在させる。それらに加えて1%までの量で、添加剤、たとえば、沈降促進剤、分散剤、消泡剤、軟化剤、その他各種のものを加えてもよいが、ただし、それら添加物がフロキュレーション操作に悪影響をおよぼすようなことがあってはならない。スラリーのほとんどを占める残りの部分は、水である。
【0059】
使用する無機繊維は、セラミックス製品の品質と要求性能に大きく関係する。ほとんどの場合、使用される繊維は、ケイ酸アルミニウムからなり、これは、各種の商品名で市販されている。よく知られている製品をあげてみれば次のような繊維がある、すなわち、ファイバーフラックス(Fiberfrax)(ユニフラックス(Unifrax)から入手可能)、カオウール(Kaowool)(サーマル・セラミックス(Thermal Ceramics))、マックスシル(Maxsil)(マッカリスター(McAllister))などである。高温用途の場合には、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、イットリウム、チタンその他の金属または酸化物からの繊維が主に使用される。さらにとりわけ使用されるものとして、ホイスカーまたは板状酸化物もある。
【0060】
セラミックス製品を製造する際には、フィラーもまた添加することができる。フィラーにはアルミニウムの酸化物またはケイ酸アルミニウムが含まれているのが好ましいが、チョークでもよい。さらに有機繊維、たとえばセルロースやポリエチレンを用いてもよい。
【0061】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンまたはその誘導体を添加することによって、フロキュレーション工程も本発明にしたがって好適に実施することができる。
【0062】
したがって、本発明はまた、セラミックス製品を製造するためのスラリーにも関し、そのスラリーは、本発明によるフロキュラントまたはバインダーを含むことを特徴とする。
【0063】
本発明は好適にも、AP−PSを0.001〜0.5重量%の濃度で含むスラリーを提供する。
【0064】
本発明によるスラリーには、以下のものも含んでいるのが好ましい、すなわち、
−無機繊維、特にケイ酸アルミニウム系の繊維、
−フィラー、特にアルミニウムの酸化物またはケイ酸アルミニウムまたはチョーク、
−有機原料、特にセルロースまたはポリエチレン製の有機繊維、
−無機バインダー、特にコロイダルシリカ、
またはこれらの混合物および、その他の添加物などである。
【0065】
本発明はまたセラミックス製品を製造するための方法にも関し、それには以下の工程が含まれる、すなわち、
−本発明によりスラリーを調製する工程、および、
−約300℃以上の温度、特に約500℃以上の温度で熱処理をする工程、である。
【0066】
フロキュレーション工程を最適に進めるためには、繊維とフィラーを充分に分散させる必要がある。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを添加するには、一般的に言って、3つの方法が可能である。クッキングデンプン(cooking starch)を添加する場合には、フロキュレーション工程を開始させるためにはスラリーを沸騰状態にまで加熱する必要がある。デンプンを糊化させて水に溶解できる状態にするには、加熱するしか方法がない。それとは別な方法で、冷水に可溶な誘導体を粉体の形状として穏やかな撹拌下でシステムに添加することも可能で、それにより、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを、塊を形成させることなく溶液中に加えることができる。第3の方法は、まず濃厚なペースト状のデンプンを調製し、それをスラリーに添加するものである。
【0067】
アミロペクチン・ジャガイモデンプン、特に冷水に可溶なカチオン性のアミロペクチン・ジャガイモデンプンは粉体の状態でも非常に速やかに撹拌することができ、しかも何よりも好適なのは、塊を生成させずに、完全な溶解状態にすることができるということが明らかになったが、これは、特に本発明の文脈においては、きわめて好ましいことである。フロキュレーション速度と同様に、アミロペクチン・ジャガイモデンプンの溶解特性は、通常のデンプン誘導体に比較すると、特に著しく改善することができる。それに伴い、生産性も実質的に向上させることができる。通常のカチオン性デンプンの場合には頻繁に起きていたアグロメレーションあるいは塊の生成も、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用すれば、認められなくなった。その結果、変性デンプンを予備溶解させておかねばならぬようなケースもなくなり、時間と設備の両面で節約が可能となる。さらに判明したところでは、系にアミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用することで、生成するフロックがきわめて均一となり、安定性、特に長時間にわたる加工の間の安定性が著しく改良される。驚くべき事には、生成したフロックは、反応器の中で高速連続撹拌をしたとしても、優れた剪断安定性を示す。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用することで、無機繊維の濡れにも効果があり、そのために流動性が向上する。元々存在する化学的に結合したホスフェート基のために、アミロペクチン・ジャガイモデンプンはさらに、特定の高分子電解質的な性質も呈していて、後で添加するバインダーの繊維への固着を加速させる効果を明らかに有している。また、バインダーとアミロペクチン・ジャガイモデンプンとの間の定量的な比率もうまくコントロールすることが可能となった。
【0068】
さらに別の重要な要素としては、アミロペクチン・ジャガイモデンプンのペーストが極めて高い透明性を有していることがある。通常のカチオン性のデンプン製品と、通常の分光光度計を用いて光透過率を測定して比較すると、大きな利点があることが明らかになった。さらに、アミロペクチン・ジャガイモデンプン誘導体のペーストは、老化しにくく、長時間にわたって粘度が安定している。この点に関する比較測定については、実施例のところで言及する。
【0069】
セラミックス製品の製造を最適化するためには、無機バインダーを添加するのも好ましい。ほとんどの場合、コロイド状シリカ(これは通常シリカゾルと呼ばれている)を無機バインダーとして使用する。一般にシリカゾルは、30〜60%水溶液となっており、その濁り度は、その中に含まれるSiO粒子サイズの関数となっている。シリカゾルは通常、広い粒子系分布で用いられるが、その粒径は製造しようとするセラミック製品によって決まってくる。シリカゾルとしては、各種の商品名のものを市場で入手することが可能である。よく知られた製品をあげてみると、メガゾル(Megasol)(ウェスボンド社(Wesbond Corporation)より)、ルドックス(Ludox)(デュポン社(DuPont Corporation))などがある。シリカゾルは通常デンプンに対して、3:1から2:1の比率で用いられる。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用する場合には通常のデンプンの場合と比較して、その使用量を減らすことができ、その結果、製造するセラミックスの最終製品での強度が上がり、収縮が減少する。その上、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用すれば、シリカゾルがコアギュレートする可能性もほとんど防止できる。別な方法として、シリカゾルを他のバインダー、たとえばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルまたは天然もしくは合成ワックスのようなものと置き換えることも可能であるし、また、それらと組み合わせて使用してもよい。
【0070】
系からフロックを除去するには、各種の技術が利用でき、それらとしては、「テープキャスティング(tape casting)」、「スリップキャスティング(slip casthing)」、「コロイダルフィルトレーション(colloidal filtration)」など2,3の例を上げることができる。ほとんどの場合、生成したフロックを濾過または圧力を用いた吸引により型の中に注入する。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用した場合、繊維の配向が最適となり、これまた、セラミックス製品の品質には非常に効果的である。濾液そのものは透明で、混濁物を含まない。濾液にはデンプン残分が全く含まれないので、この水を製造サイクルでくり返し使用することができ、しかも何の問題も生じない。このようにして製造した湿潤ケーキ(グリーンボディ)をまず、約120℃で乾燥させる。次いで、このグリーンボディを焼成することでセラミックス製品に転化させる。この工程では原則的には徐々に且つ段階的に加熱していき、それによってセラミックスが壊れるのを防ぐ。
【0071】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用することで、残分の発生しない炭化が可能となるが、これは、毒性あるいは環境に有害な物質を放出することがないということを意味している。さらに、アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用することで、特に安定した3次元構造が得られ、これは強度の測定値にも反映されている。アミロペクチン・ジャガイモデンプンが優れた溶解性を示し、フロキュレーション工程においてアグロメレート粒子の生成を防止するという事実から、焼成の際に、セラミックス材料中に好ましくない中空スペースが形成されることもあり得ない。このようなことがないと、そのような中空スペースはシリカによって占められることになり、その結果、セラミックスの強度の著しい低下を招いてしまう。アミロペクチン・ジャガイモデンプンは特に、多孔度の調節という機能も有している。その流体力学的容積(hydrodynamic volume)が大きいために、そのデンプンは成長と相互作用をより的確にすることができる。多孔度は添加量を調節することにより簡単に調整することができ、その結果、段階的な製品特性を有するようなセラミック製品を製造することが可能となる。
【0072】
本発明による方法の文脈においては、スラリーは次のようにして調整するのが好ましい、すなわち、
−無機繊維の水性懸濁液を準備し、そして、
−無機バインダー特にシリカゾルを添加し、さらに本発明によるフロキュラントおよびバインダー、それに、任意成分のさらなる添加物やフィラーを添加する。
【0073】
熱処理工程に先だって乾燥工程を設けておくのが好都合で、この乾燥工程は100〜200℃、特に約120〜140℃で実施するのが好ましい。
【0074】
熱処理工程には焼結工程が含まれているのが好ましい。熱処理の際に与える温度として好ましいのは、最高温度として800〜2500℃の範囲、好ましくは1500〜2000℃、特には約1800℃であるが、それを決めるのは主として、無機繊維の性質と、製造するセラミック製品への要求性能である。
【0075】
所望により、熱処理工程および任意である乾燥工程の前に、機械的な脱水を行う。同様に好ましいのは、熱処理工程の前に成形工程を設けることで、そこでスラリーまたはグリーンボディを自体公知の方法で適当な型に入れる。
【0076】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの直接的な炭化に代えて、セラミック的に強化した製品を製造する方法がある。この場合、繊維、バインダーおよびフロキュラントから形成したグリーンボディを、3次元的な構造(マトリックス)を破壊することなく、成形の際に溶融させた金属または金属合金を浸透(penetrate)させる。この工程の間に、デンプンは焼失して、最終的に繊維強化製品が得られる。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用することで、実質的に多孔度を上げ、その分布もうまく調節することが可能となる。さらに、このデンプンは混合した繊維と金属の間のバインダーとしても完璧に働き、それによって安定性が一層向上する。
【0077】
したがって、本発明による好適な方法では、熱処理工程は液状の金属または液状の金属合金を浸透させることによって実現される。
【0078】
本発明によるAP−PSを使用して製造されるセラミックス製品は、その強度、高度な耐化学薬品性および耐熱性、優れた耐腐蝕性、特殊な伝熱性さらにはトータルとしての優れた多孔性などの面で卓越している。
【0079】
したがって本発明は、さらなる観点からすると、本発明による方法、すなわちAP−PSを使用することにより得られるセラミックス製品にも関する。
【0080】
以下、実施例および図面を使用して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0081】
【実施例】
実施例1:カチオン性アミロペクチン・ジャガイモデンプンの調製
未変性のままのアミロペクチン・ジャガイモデンプンを撹拌して40%スラリーとする。硫酸ナトリウムを添加してから、3%カセイソーダ液を加えてpHを約11.5に調節する。2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを加えてカチオン化を開始させる。34℃で18時間おいてから、スラリーを中和することによって反応を停止させる。このカチオン性デンプンを水で洗浄し、入念に乾燥させる。
【0082】
カチオン性のアミロペクチン・ジャガイモデンプンの洗浄は十分に行って、生成物中に含まれる残存のアルカリおよびアルカリ土類がほんの微量しかないまでにする。ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム、さらには鉄およびマンガンは、加工中のセラミックスを炭化させる際に、大きな収縮をひきおこすことが判っている。この影響は特に高耐熱性セラミックスの場合に問題となる。したがって、カチオン性のアミロペクチン・ジャガイモデンプンの洗浄では、以下のような品質基準が適用される、すなわち、
ナトリウム: <0.1%、
カルシウム: <0.01%、
カリウム: <0.01%、
マグネシウム: <0.01%。
【0083】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用した場合には、通常のデンプン誘導体の場合に比較して、より少ない量の水を使用しても、速やかに含有塩を除去することができる。
【0084】
実施例2:アミロペクチン・ジャガイモデンプン・スルファメートの調製
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの40%スラリーに、(デンプン基準で)10%のスルファミン酸アンモニウムを加える。この反応性混合物を、デンプンを糊化させることにより、反応させる。ペースト状の生成物を次いでドラム乾燥させる。
【0085】
実施例3:冷水に可溶なアミロペクチン・ジャガイモデンプンを調製するための各種方法
冷水に可溶な誘導体化アミロペクチン・ジャガイモデンプンの調製は、各種の方法により実施することができる。2種の典型的な変法を例にあげる。
【0086】
A)ドラム乾燥
冷水に可溶な最終生成物に要求される品質と粘度に応じて、2種類の変法があげられる。カチオン性のデンプンのスラリーを直接ドラムの上で乾燥させるか、あるいは、そのデンプンをまず糊化させてからドラム乾燥だけをさせるかのいずれかである。いずれの場合でも鱗片状の生成物が得られる。
【0087】
B)押出し
この方法では、誘導体化させたデンプンを、少量の水の存在下で機械的な力と温度をかけることによって、冷水に可溶な生成物に転化させるもので、押出し機中での反応混合物の乾燥物含量は通常70〜90%である。こうして得られるデンプンは顆粒状である。
【0088】
実施例4:粘度の上昇
粘度の上昇は冷水に可溶なカチオン性のデンプンの溶解速度をあらわす実験的な手段である。
【0089】
この目的のために、4.5%のカチオン性デンプンを、1000rpmで3分間撹拌した。その結果を図1に示した。
【0090】
この曲線から判るのは、アミロペクチン・ジャガイモデンプン誘導体では、通常のジャガイモデンプン製品に比較して、粘度の上昇が早く完了するということである。この試験で特に明らかになったのが、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、置換度が0.03といって低いレベルにおいてさえ、通常のジャガイモデンプンより明らかに優れていて、通常のジャガイモデンプンではもっと窒素置換度を上げてやることでようやくこの差に追いつくことができる、ということである。
【0091】
実施例5:アミロペクチン・ジャガイモデンプンの構造解析
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの特性解析をするために、平均分子量と分子量分布の両方を測定した。この2つの測定法については、文献に詳細な説明があるが、文献の1例をあげれば、チ=サン・ウー(Chi−san Wu)による『サイズ排除クロマトグラフィー・ハンドブック(Handbook of Size Exclusion Chromatography)』(Chromatographic Science Series,第69巻(1995年)、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker INc.)、ニューヨーク)がある。
【0092】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンの特性をより明らかに解析するために、比較の目的で、通常のジャガイモのアミロペクチンを濃縮により得た。これを実施するためには各種の方法が利用できるが、今回の試験においては、J.ポッツェ(Potze)による『デンプン製造技術(Starch Production Technology)』の第14章、p.257〜271に記載されている方法にしたがった分別法を用いた。この方法では、デンプンを155℃に加熱し、硫酸マグネシウムを使用してアミロペクチンを選択的に沈殿させる。
【0093】
平均分子量を比較する目的で、2種類の通常のデンプン、すなわちワキシートウモロコシデンプンおよび通常のジャガイモデンプンについても測定値を求めた。
【0094】
【表1】
Figure 2004505884
【0095】
PS = ジャガイモデンプン
AP−PS = アミロペクチン・ジャガイモデンプン
WCS = ワキシートウモロコシデンプン
FAP−PS = 分別により得られたアミロペクチンリッチなジャガイモデンプン
【0096】
上記の比較から直ぐに判るのは、アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)が明らかに他のデンプンとは異なっているということである。アミロペクチン・ジャガイモデンプンと、化学的/物理的な方法によって分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプン(FAP−PS)との間には、顕著な差が存在する。
【0097】
アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)と分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプン(FAP−PS)との間の違いをさらにはっきりさせるために、サイズ排除クロマトグラフィーによって分子量分布を測定した。さらに、測定した分布における面積比を調べた(図2参照)。
【0098】
【表2】
Figure 2004505884
【0099】
アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)がかなり規則的な分子量分布を持っているのにひきかえ、分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプンでは漠然としたパターンになっている。とりわけ典型的なのが、保持時間が41分以上となる分子量の部分である。アミロペクチン・ジャガイモデンプンではこの部分が、分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプンの場合の2倍にもなっている。分別に含まれる分離工程のために、デンプンの分解がおこり、それにより生成物の性質が変化したのである。
【0100】
実施例6:アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)の、ワキシートウモロコシデンプン(WCS)、トウモロコシデンプン(CS)および通常のジャガイモデンプン(PS)に対する、分析特性の比較
下記の表の中の数値は、ロイ・L・ホイスラー(Roy L. Whistler)らによる『デンプン−化学と技術(Starch−Chemistry and Technology)』(1965年、アカデミック・プレス(Academic Press))からの引用に、手持ちの実験データを補ったものである。
【0101】
【表3】
Figure 2004505884
【0102】
いくつかの特定した分析データを比較すると、アミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)と3種類の通常のデンプンとの間の差がはっきりとする。ワキシートウモロコシデンプンおよびトウモロコシデンプンと比較すると、アミロペクチン・ジャガイモデンプンでは脂質とタンパク質の含量が低いが、それに引き替え天然に結合しているホスフェートの割合が高いのがきわめて典型的である。通常のジャガイモデンプンとの違いは、アミロース含量にあらわれている。アミロペクチン・ジャガイモデンプンは100%に近くのアミロペクチンを含んでいるために、たとえばその粘度、あるいはまたペーストの濁り挙動が大きく違ってくる。そのために、アミロペクチン・ジャガイモデンプンは、長期間経過してもなおペーストの透明さが保たれているのに比べて、通常のデンプンでは明らかに濁りがでることがわかっている。工業的規模においてこそ、デンプンまたはデンプン誘導体の安定性がフロキュレーション性や、グリーンボディの形成にとって重大な問題となるのである。
【0103】
実施例7:デンプンのスルファメートおよびカチオン性デンプンの溶解挙動
冷水に可溶なデンプンにおける重要な特性は、その溶解挙動である。セラミックス製品を製造する場合に要求されるのは、際限なく完全な溶解性であって、たとえばアグロメレートや塊が生成してはならない。冷水に可溶な誘導体化デンプンの溶解性を全面的に調べることができるように、以下のような一連の実験を行ったが、これは実作業の場合にきわめてよく似せてある。
【0104】
容器に15Lの水を満たし、700rpmで撹拌しながら、15gのデンプンをすばやく数秒の間に添加する。その条件下で、そのペーストを室温で3分間撹拌してから、800imのふるいで濾過する。撹拌器に付着したペースト状残渣およびふるいにかかった残渣を目視で調べ、溶解性を評価した。次のような結果が得られた。
【0105】
【表4】
Figure 2004505884
【0106】
PS = ジャガイモデンプン
AP−PS = アミロペクチン・ジャガイモデンプン
WCS = ワキシートウモロコシデンプン
FAP−PS = 分別により得られたアミロペクチンリッチなジャガイモデンプン
表中の記号は以下を表す。
+ 撹拌器シャフトに付着ペーストなし、ふるいに付着残渣なし
+/− 撹拌器シャフトにわずかにペースト付着、ふるいにペーストのフィルムおよび/またはアグロメレートがわずかに付着
− 撹拌器シャフトへのペースト付着大、ふるいに大量のアグロメレートおよびクロット(凝固物)が付着
【0107】
この溶解性試験から明らかになったのは、アミロペクチン・ジャガイモデンプン誘導体が、ジャガイモデンプンの通常の誘導体、ワキシートウモロコシデンプンまたは、濃縮により得られた分別化されたアミロペクチン・ジャガイモデンプンなどよりも、はるかに良好な溶解性を示すということである。さらに比較検討してみると、アミロペクチン・ジャガイモデンプンのカチオン性の製品が、通常の市販されている製品よりも明らかに優れていることがはっきりし、これもまた、セラミック製品を製造する際の大きなメリットとなる。
【0108】
実施例8:セラミックスの製造
カオウール(Kaowool)ブランドのケイ酸アルミニウム繊維210gと水25Lとからなるスラリーに、たとえばムライトのようなフィラー90gを添加する。次いで、冷水に可溶なカチオン性のアミロペクチン・ジャガイモデンプン(DS=0.03)を13g加える。時間をおくことなく、そのデンプンを溶解させ、システム内に分散させて最適な状態とする。実際のところ、このデンプンを加えることによって、フロックのサイズおよびフロックの分布は最適となる。続けて、市販の40%シリカゾルを96g加え、少し撹拌してから次に、真空を用いて金網の型を通してフロックを吸引させる。成形されたボディを約120℃で乾燥させてから、約1800℃で焼成する。
【0109】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用した時のメリットを明瞭にさせるために、通常の冷水に可溶なカチオン性のデンプンを用いて比較試験を行った。これらの試験において、フロキュレーション時間、20回リサイクル使用した水の濁り度、さらに、セラミックスの最終製品での物理的パラメーターを測定した。
【0110】
【表5】
Figure 2004505884
【0111】
アミロペクチン・ジャガイモデンプンを用いた場合の測定から、通常のデンプンに比べると、フロキュレーション時間が明らかに短くなり、その上、フロキュレーション安定性がかなり高くなることが判った。後者については特に、反応水の透明性からも明らかで、20回の製造をくり返した後でさえ、まだ透明性を保ち、混濁物はまったく認められなかった。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用して得られるセラミックス製品の成形性が優れていることは、最終製品の分析データからも明らかである。アミロペクチン・ジャガイモデンプンを使用した時には、製品の密度は明らかに高くなり、また、3次元的な成形体の収縮は明らかに低くなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種デンプンによる粘度上昇をあらわしたものである。
【図2】アミロペクチン・ジャガイモデンプンと、分別により得られたアミロペクチンリッチなジャガイモデンプンとの比較である。

Claims (44)

  1. セラミックス製品を製造するためのフロキュラントまたはバインダー組成物であって、それがアミロペクチン・ジャガイモデンプン(AP−PS)を含んでいることを特徴とする、フロキュラントまたはバインダー組成物。
  2. 前記AP−PSが変性された、特に、カチオン性に変性されたAP−PSであることを特徴とする、請求項1に記載のフロキュラントまたはバインダー組成物。
  3. 前記AP−PSが窒素含有基、特に、正に帯電した4級アンモニウム基で変性されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のフロキュラントまたはバインダー組成物。
  4. 前記AP−PSがAP−PSスルファメートであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  5. 前記AP−PSが、育種によるかまたは、アミロース阻害を目的とする分子生物学的もしくは遺伝子工学的な技術によって変性されたジャガイモから得られたものであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  6. 前記AP−PSが、アミロース生成に関して、GBSS遺伝子のアンチセンス阻害によって阻害されたジャガイモから得られたことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  7. 前記AP−PSが、アミロース生成に関して、共抑制によって阻害されたジャガイモから得られたことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  8. 前記AP−PSのアミロペクチン含量が少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  9. 前記AP−PSが膨潤性デンプンとして含まれていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  10. 前記AP−PSが25℃の水中に、少なくとも90%、好ましくは95%、特に99%以上が溶解可能であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  11. 前記AP−PSが物理的な方法、特に、熱的および/または機械的な方法によって分解されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  12. 前記AP−PSが化学的に、特に熱化学的、酸化的または酸による方法で分解されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  13. 前記のAP−PSがエーテル化された形で含まれていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  14. 前記AP−PSが、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、カルボキシメチル、シアノエチルまたはカルバモイルエーテルとして含まれていることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  15. 前記のAP−PSがエステル化された形で含まれていることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  16. フロキュラントまたはバインダー組成物がエステル化されたAP−PSを含み、そのエステル残基RCOO−において、残基Rが、炭素原子数1から17まで、好ましくは炭素原子数1から6まで、特に炭素原子数1または2の、アルキル、アリール、アルケニル、アルカリールまたはアラルキル残基であることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  17. 前記AP−PSが酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、フタル酸、コハク酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸または安息香酸エステルとして含まれることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  18. 前記のAP−PSが架橋された形で含まれていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  19. 前記のAP−PSが、任意に(ポリ)アミンを混合した、エピクロロヒドリンまたは1,3−ジクロロ−2−プロパノールにより架橋されていることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  20. 前記AP−PSが、N,N’−ジメチロール−N,N’−エチレンウレアのようなアルデヒド放出試薬、ホスホロオキシクロリド、トリメタリン酸ナトリウム、ジ−またはポリエポキシド、たとえばアジピン酸/AcOのようなカルボン酸と二塩基酸または三塩基酸との混合無水物、グリオキサールまたはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはプロピルアルデヒドのようなアルデヒドとの反応により架橋されていることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  21. 前記AP−PSがカチオン性基および/またはアニオン性基によって変性されていることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  22. 前記AP−PSがデンプンのグラフトポリマーまたはデンプンのグラフトコポリマーとして存在していることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  23. 前記AP−PSグラフト(コ)ポリマーがエマルションポリマーとして存在していることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  24. 前記AP−PSの置換度が0.00001から3まで、好ましくは0.001から2まで、特に0.005から1までであることを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  25. 前記AP−PSが、無機および/または有機の、好ましくは各種原子価特に2価の酸、および/またはそれらの酸の塩、エステルおよび/または無水物、特に、o−リン酸、m−リン酸、ポリリン酸、各種の硫酸、各種のケイ酸、各種のホウ酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸またはそれらの混合物によりエステル化されていることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  26. 前記AP−PSが、無機および/または有機のα−置換酸および/またはそれらの酸の塩、エステルおよび/または無水物、特にα−ハロカルボン酸、クロロヒドロキシアルキルスルホネート、クロロヒドロキシアルキルホスホネートによりエーテル化されていることを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  27. 前記AP−PSが、アミノ、イミノ、アンモニウム、スルホニウムまたはホスホニウム基またはそれらの混合、好ましくは窒素含有基、特に、1級、2級、3級および4級アミンにより変性されていることを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  28. 前記AP−PSが、正に帯電した4級アンモニウム基を含むことを特徴とする、請求項1から27までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  29. 前記AP−PSがいくつかの異なった誘導体の混合物の形で含まれていることを特徴とする、請求項1から28までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  30. フロキュラントまたはバインダー組成物が、沈降促進剤、安定剤、分散剤、消泡剤、軟化剤、非デンプン系粘着剤または粘着剤前駆物、緩衝塩、防腐材またはそれらの混合物をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1から29までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物。
  31. セラミックス製品の製造における、フロキュラントまたはバインダーとしてのAP−PSの使用。
  32. セラミックス製品の製造を目的とした、請求項1から30までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物の使用。
  33. 請求項1から30までのいずれか1項に記載されたフロキュラントまたはバインダー組成物を含むことを特徴とする、セラミックス製品を製造するためのスラリー。
  34. AP−PSを0.001から0.5重量%の濃度で含むことを特徴とする、請求項33に記載のスラリー。
  35. 無機繊維特にケイ酸アルミニウム系の繊維、フィラー特にアルミニウムの酸化物またはケイ酸アルミニウムまたはチョーク、有機原料特にセルロースまたはポリエチレンから製造した有機繊維、無機バインダー特にコロイダルシリカ、またはそれらの混合物をさらに含むことを特徴とする、請求項33または34に記載のスラリー。
  36. セラミックス製品を製造する方法であって、請求項33から35のいずれか1項に記載のスラリーを調製する工程、および300℃以上の温度、特に500℃以上の温度で熱処理をする工程を含む方法。
  37. 前記スラリーの調製に、無機繊維の水性懸濁液を準備すること、そして無機バインダー特にシリカゾル、請求項1から30のいずれか1項に記載のフロキュラントおよびバインダー、さらに任意成分のさらなる添加物やフィラーを添加することを含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 前記熱処理工程の前に乾燥工程を設け、前記乾燥工程を100から200℃、好ましくは約120から140℃で実施することを特徴とする、請求項36または37に記載の方法。
  39. 前記熱処理工程が焼結を含むことを特徴とする、請求項36から38までのいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記熱処理工程が、800から2500℃までの最高温度、好ましくは1500から2000℃、特に約1800℃で実施されることを特徴とする、請求項36から39までのいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記熱処理工程および任意の前記乾燥工程に先だって、機械的な脱水を行うことを特徴とする、請求項36から40までのいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記の熱処理工程に先だって成形工程を設けることを特徴とする、請求項36から41までのいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記熱処理工程が液状の金属または液状の金属合金を浸透させることによって可能となることを特徴とする、請求項36から42までのいずれか1項に記載の方法。
  44. 請求項36から43までのいずれか1項に記載の方法により得られるセラミックス製品。
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