JP2004505185A - ツインワイヤベルトプレス - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、下側ロールと、下側ロールの周囲の経路を走るエンドレスな下側ワイヤベルトと、上側ロールと、上側ロールの周囲の経路を走るエンドレスな上側ワイヤベルトとを備える、繊維懸濁液を脱水し、連続したウェブを形成するためのツインワイヤベルトプレスに関する。2本のワイヤベルトが、実質上互いに平行に走る前記経路のセクションに沿って互いに協動して、その移動中、ワイヤベルト間の繊維懸濁液を脱水する。ツインワイヤベルトプレスは、さらに、経路の前記セクションでそれぞれのワイヤベルトを支持し、繊維懸濁液を最初にプレスおよび脱水し、それによってワイヤベルト間にウェブを形成するために、ワイヤベルト間に楔状の圧力空間を形成する2つの脱水テーブルと、ワイヤベルトの移動方向に見て、経路の前記セクションの脱水テーブルの後に配置され、ワイヤベルト間のウェブを最終的にプレスおよび脱水し、それによってウェブが所望の乾燥状態を得るためのロール装置とを備える。
【0002】
従来では、この種の知られているツインワイヤベルトプレス内のロール装置は、いくつかのワイヤベルトガイドロールと、何対かのプレスロールとを備える。ワイヤベルトガイドロールは、脱水テーブルのすぐ後に配置され、ワイヤベルトをワイヤベルトガイドロールの周囲のカーブに押圧することによって、ワイヤベルト間の繊維懸濁液の初期の比較的弱い脱水を実現し、それによってワイヤベルトが、ワイヤベルトロールの表面支承下でプレスされる(このようなワイヤベルトガイドロールの配置は、通常「Sロール部分」と呼ばれている)。プレスロールは、ワイヤベルトガイドロールの後に配置されて、繊維懸濁液の最終的な比較的強い脱水を実現する。各ロール対がプレスロールニップを形成し、それによって、ワイヤベルトが、プレスロールの実質上直線の支承下で、プレスロール間で互いにプレスされる。通常、ウェブの破損が起こる危険性がないように、少なくとも2つのワイヤベルトロールおよび複数のプレスロールが、ワイヤベルト間でウェブを徐々に脱水するために必要である。
【0003】
WO99/01609は、脱水テーブルの次に配置された、組み合わされたロール対が、プレスロールニップを形成し、またワイヤベルトを押圧してロールの周囲でカーブさせる、ツインワイヤベルトプレスを提案している。これによって、プレスロール装置内の2つのロールをなくすことができ、より低価格でより短いプレスが得られる。しかし、WO99/01609による知られているツインワイヤベルトプレスの欠点は、脱水テーブルのすぐ後のプレスロールニップが、白濁水(white water)の比較的大きな流れを発生させ、これをウェブから完全には除去することができないことである。この結果、白濁水の流れの一部が、ウェブを再び濡らすことになる。
【0004】
本発明の目的は、従来のものよりも簡単で、小さく、低価格で、信頼性の高いツインワイヤベルトプレスを提供することである。
【0005】
この目的は、ロール装置が、ワイヤベルトを押圧する孔の開いた少なくとも1つのホールロールを備え、それにより、ホールロールによってワイヤベルト間のウェブから押し出された水の少なくとも一部が、ホールロールを通って排出されることを最初の特徴とする種類のツインワイヤベルトプレスによって得られる。これによって、好ましくない白濁液によってウェブが再び濡れることは、効率的に防止され、結果として、ロールの数を減少させることができる。「ホールロール」という表現は、その外被が孔を備える圧縮ロールを意図している。たとえば、孔は、プレスロール内の排出チャネルと連絡させることができる。ウェブからの白濁液は、このようにして孔を通ってワイヤベルトから外へ排出される。
【0006】
好ましくは、ロール装置は、ホールロールとともにプレスロールニップを形成している少なくとも1つのプレスロールを備え、前記プレスロールニップは、ワイヤベルトの移動方向に見て、脱水テーブルのすぐ後に配置されている。ホールロールは、経路の前記セクションにおいて、ワイヤベルトの下に適切に配置され、ホールロールの排出チャネルからの白濁液の好ましい排出を行う。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によると、ロール装置は、2つのプレスロール、すなわち、第1プレスロールと、ワイヤベルトの移動方向に見て、第1プレスロールの後に配置された第2プレスロールとを備える。これらのプレスロールは、経路の前記セクションにおいて、2本のワイヤベルトをホールロールに押圧し、それによってワイヤベルトがホールロールの一部を囲む。通常、大部分の用途では追加のベルトの必要はなく、このことは、本発明によるツインワイヤベルトプレスのこの実施形態を特に有利なものにする。したがって、ころがり軸受および液圧式構成部品がほとんど必要ないことにより、保守作業の必要性はほとんどない。また、本発明によるツインワイヤベルトプレスは、同じ能力の従来型のプレスよりも実質上小さい。別の利点は、ロールを少なくすると、ワイヤベルトに働く荷重サイクルの数がより少なくなるため、ワイヤベルトの寿命が長くなるということである。
【0008】
第1のプレスロールは、第2のプレスロールと同じ径を有してもよい。あるいは、第2のプレスロールよりも短い、または長い径を有してもよい。また、第1のプレスロールは、ワイヤベルトの経路の前記セクションにおいて、脱水テーブルのすぐ後に配置されてもよい。好ましくは、第2のプレスロールは、第1のプレスロールよりもホールロールをより強く押圧するように構成されている。ワイヤベルトとプレスロールとの間の接触表面を増加させるために、プレスロールは、有利には、たとえばゴムなどの弾性の材料の外層を有してもよい。また、プレスロールは、ホールロールのように孔を備えて構成されてもよい。別法として、プレスロールは、脱水チャネルを形成するパターンを備えてもよい。
【0009】
本発明によるツインワイヤベルトプレスを通る長手方向横断面図を示す、添付図面を参照にして、本発明を以下でより詳細に説明する。
【0010】
図面は、4つの下側ロール、すなわち、駆動ロール1、制御ロール2、引張りロール3、およびワイヤベルトガイドロール4を備える、本発明によるツインワイヤベルトプレスを示している。エンドレスな下側ワイヤベルト5が、下側ロール1〜4の周囲の経路を走っている。それに対応するようにして、上側エンドレスワイヤベルト6が、4つの上側ロール、すなわち、駆動ロール7、制御ロール8、引張りロール9、およびワイヤベルトガイドロール10の周囲の経路を走っている。ロール1と7の間、およびロール4と10の間に、実質上互いに平行に走る経路セクションがあり、このセクションに沿って、下側ワイヤベルト5と上側ワイヤベルト6が互いに協働して、ワイヤベルト5、6の移動中、ワイヤベルト5、6の間の繊維懸濁液を脱水する。上側ワイヤベルト6を支持している上側脱水テーブル11と、下側ワイヤベルト5を支持している下側脱水テーブル12とが、経路の前記セクションのワイヤベルト間に楔状の圧力空間13を形成している。
【0011】
ワイヤベルト5、6の移動方向に見て、経路の前記セクションにおける、脱水テーブル11、12の後に配置されたロール装置14は、3つのロール、すなわち、前記セクションで下側ワイヤベルト5の下側を支承している孔の開いたホールロール15と、脱水テーブル11、12とホールロール15の間の前記セクションで上側ワイヤベルト6の上側を比較的軽く支承し、ホールロール15とともにプレスロールニップを形成している第1プレスロール16と、前記セクションで上側ワイヤベルト6の上側を比較的強く支承し、ホールロール15とともにプレスロールニップを同様に形成している第2プレスロール17とを備える。ここに示したツインワイヤベルトプレスの実施形態では、第1プレスロール16は、第2プレスロール17よりも小さい径を有しており、これは好ましい。しかし、第1プレスロール16もまた、第2プレスロール17と等しい、またはこれよりも大きい径で構成されてもよい。
【0012】
図1によるツインワイヤベルトプレスの動作中、駆動ロール1および7が、図示されていないモータによって回転され、それによって、ワイヤベルト5、6が、脱水テーブル11、12を通って、さらにロール装置14を通って同じ速度で移動する。脱水される繊維懸濁液は、脱水テーブル11、12の間の楔状の空間13に供給され、ベルト5、6の間で押し固められながら前記空間13を通ってワイヤベルト5、6によって移送されて、白濁液が繊維懸濁液から除去され、それによって繊維懸濁液がウェブに形成される。脱水テーブル11、12を離れたウェブは、第1の脱水ステップ中、軽く負荷された小さいほうの第1プレスロール16とホールロール15の間のプレスロールニップを通過し、それに続く第2の脱水ステップ中、その一部の回転の間、ホールロール15で表面間で支承し、それに続く第3の脱水ステップ中、強く負荷された大きいほうの第2プレスロール16とホールロール15の間のプレスロールニップを通過する。3つの脱水ステップ中、ウェブから押し出された白濁液は、徐々にウェブから除去され、より多くの部分の白濁液が、ウェブを再び濡らすことなく、ホールロール15を通って排出される。所望の乾燥状態の連続したウェブが、駆動ロール1と7の間のプレスから送出される。
【0013】
もちろん、本発明は本明細書に示した実施形態に限定されず、特許請求項の範囲内で変更されてもよい。したがって、たとえばいわゆるSロール部分を形成しているロール装置の形態で、またはプレスロール16および17よりも多くのプレスロールをホールロール15に取り付けることによって、本明細書に示したよりも多くのロールを、ウェブを脱水するために配置してもよい。別法として、ただ1つのプレスロールがホールロール15を支承してもよい。ここに示したプレスロールの少なくともいずれかが、滑らかな、またはパターン形成された表面を有するゴムの外層を有してもよい。別法として、プレスロール16、17の少なくともいずれかを、ホールロール15のように孔を開けて構成してもよい。
【0014】
ホールロール15を、図示とは異なる位置で、ツインワイヤベルトプレスに配置してもよい。ワイヤベルト5および6もまた、プレスロールニップを構成することなく、表面間の支承下で、ホールロール15の円周の一部分の周囲で、ワイヤベルトガイドロールによってガイドしてもよい。本明細書に示したホールロール15と同じ種類の追加のホールロールもまた、ツインワイヤベルトプレスに配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明によるツインワイヤベルトプレスを通る長手方向横断面を示す図である。
Claims (7)
- 下側ロール(1〜4)と、前記下側ロールの周囲の経路を走るエンドレスな下側ワイヤベルト(5)と、上側ロール(7〜10)と、前記上側ロールの周囲の経路を走るエンドレスな上側ワイヤベルト(6)とを備える、繊維懸濁液を脱水し、連続したウェブを形成するためのツインワイヤベルトプレスであって、前記2本のワイヤベルトが、実質上互いに平行に走る前記経路のセクションに沿って互いに協動して、前記ワイヤベルトの移動中、前記ワイヤベルト間の繊維懸濁液を脱水し、前記ツインワイヤベルトプレスが、さらに、2つの脱水テーブル(11、12)と、ロール装置(14)とを備え、前記2つの脱水テーブル(11、12)が、前記経路の前記セクションでそれぞれのワイヤベルトを支持し、前記繊維懸濁液を最初にプレスおよび脱水し、それによって前記ワイヤベルト間にウェブを形成するために、前記ワイヤベルト間に楔状の圧力空間(13)を形成し、前記ロール装置(14)が、前記ワイヤベルトの移動方向に見て、前記経路の前記セクションの脱水テーブルの後に配置され、前記ワイヤベルト間の前記ウェブを最終的にプレスおよび脱水し、それによって前記ウェブを所望の乾燥状態にし、前記ロール装置(14)が、前記ワイヤベルト(5、6)を押圧する孔の開いた少なくとも1つのホールロール(15)を備え、それによって、前記ホールロールが前記ワイヤベルト間の前記ウェブから押し出した水の少なくとも一部を、前記ホールロールを通して排出することを特徴とするツインワイヤベルトプレス。
- 前記ホールロール(15)が、前記経路の前記セクションにおいて前記ワイヤベルト(5、6)の下に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のツインワイヤベルトプレス。
- 前記ロール装置(14)が、前記経路の前記セクションにおいて、前記2本のワイヤベルト(5、6)を前記ホールロール(15)に押圧するプレスロール(17)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のツインワイヤベルトプレス。
- 前記ロール装置(14)が、別のプレスロール(16)を備え、該別のプレスロール(16)が、前記経路の前記セクションにおいて、前記2本のワイヤベルト(5、6)を前記ホールロール(15)に押圧し、それによって前記ワイヤベルトが前記ホールロールの一部を囲むことを特徴とする、請求項3に記載のツインワイヤベルトプレス。
- 最初に述べたプレスロール(17)が、前記別のプレスロール(16)を押圧するよりも強くホールロール(15)を押圧するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のツインワイヤベルトプレス。
- 前記プレスロール(16;17)の少なくとも一方が、弾性の材料の外層を有することを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載のツインワイヤベルトプレス。
- 前記ロール装置(14)が、前記ホールロール(15)とともにプレスロールニップを形成している少なくとも1つのプレスロール(16;17)を備え、前記プレスロールニップが、前記ワイヤベルト(5、6)の移動方向に見て、前記脱水テーブル(11、12)のすぐ後に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のツインワイヤベルトプレス。
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