JP2004324014A - ウェブ搾水機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い脱水性能を維持して、且つ運転安定性が優れ、コンパクトな構成でメンテナンス性が良く、しかも、両面の平滑性が要求される紙の製造に用いて好適のウェブ搾水機構を提供する。
【解決手段】複数のニップ部に作用するセンタロール41で不透水ベルト40を介してウェブ1を加圧した後、ウェブを不透水ベルトで保持しながら、ニップロール42(又はニップシュー)でドライヤロール61に押し付けて移送することにより、ウェブを無理に引張ることが無くなるので、高速化に対応したコンパクトな構成で、且つメンテナンス性に優れ、しかもウェブの表面の平滑性が要求される紙の製造に用いて好適のウェブ搾水機構の提供が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のニップ部に作用するセンタロール41で不透水ベルト40を介してウェブ1を加圧した後、ウェブを不透水ベルトで保持しながら、ニップロール42(又はニップシュー)でドライヤロール61に押し付けて移送することにより、ウェブを無理に引張ることが無くなるので、高速化に対応したコンパクトな構成で、且つメンテナンス性に優れ、しかもウェブの表面の平滑性が要求される紙の製造に用いて好適のウェブ搾水機構の提供が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機のウェブ搾水機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機のワイヤパートの後工程には、ウェブ搾水機構(プレスパート)が設けられている。ウェブ搾水機構には対向して配置された一対のプレスロールが1又は複数組み設けられ、これらプレスロール間のニップ部にワイヤパートで紙層形成されたウェブ(湿紙)を吸水性のフェルトとともに通すことで、ウェブを圧搾して脱水するようになっている。
【0003】
ウェブ搾水機構の構成に関しては従来種々の提案がなされている。
一例として、特開2003−119685号公報に開示されたウェブ搾水機構では、図7に示すように、ウェブ1を第1フェルト20,第2フェルト30で挟み、第1プレスロール22とサクションプレスロール31との間の第1プレスニップ部N1を通し、次に不透水性のベルト40をウェブ1に接触させて、サクションプレスロール31と第3プレスロール102との間の第2プレスニップ部N2に通した後、ウェブ1の第2の面に第3フェルト50を接触させ、第1の面に不透水性のベルト40を接触させた状態でウェブ1を第4プレスロール103、第2プレスロール(シュープレスロールが多用される)51との間の第3プレスニップ部N3に通すようにしている。
【0004】
この構成によれば、第3プレスニップ部N3の下流側においてウェブ1を不透水性のベルト40に随伴させるようにしてウェブ1の再湿潤を防止することができる。その後、ウェブ1はサクショントランスファーロール101で不透水性のベルト40からトランスファーキャンバス100へ移行される。
【0005】
なお、図中、10はワイヤ、21はピックアップロール、32はサクションボックス、33は高真空室、34は低真空室、60はドライヤキャンバス、61は第1ドライヤロール、62はサクションロール、63は第2ドライヤロールである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2003−119685号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術のウェブ搾水機構においては次のような課題がある。
ウェブ1の水分が、第1プレスニップ部N1で80%、第3プレスニップ部N3で40〜50%もあり、フェルト及びロールの支持なしでは切れ易く、高速で運転する為には、安定したウェブ1の移行が必要である。
そして、図7に示す構成のウェブ搾水機構では、不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1を剥がすには吸引力を大きくする必要があり、その為の動力が大きくなる。
【0008】
吸引力は不透水性のベルト40の表面粗さとウェブ1の水分により支配される相互の表面張力に影響されるので、トランスファーキャンバス100の走行速度を不透水性のベルト40の走行速度よりも2〜4%速くしなければならず、ウェブ1を構成する繊維の向きが変わり弱くなり、薄切れ易く又、紙の品質に影響を与えかねない。
【0009】
また、吸引力は幅方向に均一になり難く、サクショントランスファーロール101を不透水性のベルト40に押し付け過ぎると、逆にウェブ1は不透水性のベルト40に張り付き、トランスファーキャンバス100への移行がスムーズに行われにくい。
【0010】
不透水性のベルト40を走行させるループ内には、第3、第4プレスロール102と103があり装置が複雑で大きくなる。
【0011】
トランスファーキャンバス100を走行させる装置が必要であり、また、第1ドライヤロール61でウェブ1はトランスファーキャンバス100を介しているので、熱が伝わり難く加温効率が低下する。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に鑑み創案されたもので、ウェブ1の移行が安定し、高速化に対応したコンパクトな構成で且つメンテナンス性に優れ、しかも高い脱水性能を得ることができ、ウェブ1の表面の平滑性が要求される紙の製造に用いて好適のウェブ搾水機構を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その第1の手段に係るウェブ搾水機構は、走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられた第1プレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の第2フェルトと、上記第2フェルトの内側に配置され、上記第1プレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾するサクションプレスロールと、上記ウェブの第1の面に接触して上記第2フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、上記ウェブの第2の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、上述の第1の手段に対して不透水性のベルトがウェブの第2面に接するようにすべく、その第2の手段に係るウェブ搾水機構は、走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられたサクションプレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第2フェルトと、上記第2フェルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第1プレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、上記ウェブの第1の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、を備えたことを特徴としている。
【0015】
上述の第1、第2の手段によれば、ウェブは、第1フェルト、第2フェルト、不透水性のベルト、第3フェルトを通過していくうちに脱水、乾燥される。そして、ウェブは、不透水性のベルト内のニップロールまたはニップシューによりドライヤロールへ押し付けられることにより、引張られることなく容易にドライヤロールへ移送される。
【0016】
また、第2および第3のプレスニップ部を共通のセンタロール(クラウン調整ロール)で機能させ、不透水性のベルトと第1ドライヤロールに巻き付かせたことにより従来のトランスファーキャンバスが不要となる。さらに、従来の第3プレスロールと第4プレスロールが1個のセンタロールとなり、消耗部品が減り、メンテナンス性において極めて有利である。
【0017】
また、第3の手段に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールがシュープレスロールであって、外被が不透水性のベルトで構成され、不透水性のベルトのループ内にニップロール又はニップシューを備えたことを特徴としている。
【0018】
このような第3実施形態によれば、サクションプレスロールが、ワイヤ上のウェブを移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロールが不要となる。
【0019】
第4の手段に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールの加圧シューに放熱板又は穴を装備したことを特徴としている。
【0020】
また、第5の手段に係るウェブ搾水機構は、ワイヤ上のウェブを移送するサクションプレスロールが第1および第2のプレスニップ部を構成し、センタロールが第2および第3のプレスニップ部を構成していることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す正面図である。
以下、図1を用いて第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成について説明する。なお、図1中に他よりも太く示すラインがウェブ1の走行ラインを示している。
【0022】
図1において、ウェブ(湿紙)1は、前工程である図示しないワイヤパートで紙層形成され、ワイヤ10によりウェブ搾水機構へ搬送される。
搬送されたウェブ1は、その第1の面をピックアップロール21によって吸引され、ワイヤ10から剥ぎとられる。剥ぎとられたウェブ1は、その第1、2の面を、ピックアップロール21に巻き掛けられた第1フェルト20と第2フェルト30とにより保持された状態で第1プレスニップ部N1に搬送される。
【0023】
第1フェルト20はループ状であり、ピックアップロール21,後述の第1プレスロール22および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。
同様に第2フェルト30もループ状であり、後述のサクションプレスロール31および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。サクションプレスロール31は第1プレスロール22に近接して配置されており、第1プレスロール22とサクションプレスロール31とにより第1プレスニップ部N1が形成されている。
【0024】
第1プレスニップ部N1において、ウェブ1は、第1フェルト20と第2フェルト30とに挟まれた状態で、第1プレスロール22とサクションプレスロール31との協働により両方向から圧搾され、脱水される。そして、第1プレスニップ部N1の出口において、ウェブ1は、サクションプレスロール31のサクションボックス32の高真空室33によって吸引され、第1フェルト20からサクションボックス32側の第2フェルト30へ移送される。
【0025】
サクションボックス32は、サクションプレスロール31の内部に設けられており、第1プレスニップ部N1の近傍から、サクションプレスロール31と後述するセンタロール41との第2プレスニップ部N2近傍までの範囲において吸引力を作用させるようになっている。
【0026】
サクションボックス32は、2個の高真空室33と低高真空室34により構成されており、内部は大気圧に対して、−300〜−600hPaの負圧に設定されている。なお、サクションプレスロール31とセンタロール41との間には、サクションボックス32に対向して、水分プロファイルの矯正のためのスチームボックス36が設けられており、これによりウェブ1を適正に加湿する。
【0027】
センタロール41は、第2フェルト30の走行方向において第1プレスニップ部N1よりも下流側にサクションプレスロール31に近接して配置されている。
センタロール41には、ループ状の不透水性のベルト40が巻き掛けられており、不透水性のベルト40は、サクションプレスロール31とセンタロール41とにより形成された第2プレスニップ部N2においてウェブ1の第1の面に接触している。不透水性のベルト40の表面は平滑であって第2フェルト30よりも密であることから、ウェブ1は不透水性のベルト40に密着して第2フェルト30から剥がれ、不透水性のベルト40に随伴する。
【0028】
そして、ウェブ1は、不透水性のベルト40により第1の面を保持された状態で、不透水性のベルト40と共に第3プレスニップ部N3に搬送される。第3プレスニップ部N3への搬送途中において、ウェブ1の第2の面は第3フェルト50に接触しており、ウェブ1は、不透水性のベルト40と第3フェルト50とに挟持される。
【0029】
不透水性のベルト40はループ状であり、センタロール41および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。不透水性のベルト40は、ニップロール(又はガイドロール)42と対向してループの外側に配置されたドクタ2により、外面の汚れが取り除かれ外面の粗さが適度になるように調整される。
【0030】
同様に第3フェルト50もループ状であり、第2プレスロール(シュープレスロール)51および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されているとともに、外面をセンタロール41に巻き掛けられている。第3フェルト50内の第2プレスロール51は、センタロール41に近接して配置されており、センタロール41と第2プレスロール51とにより第3プレスニップ部N3が形成されている。
【0031】
第2プレスロール51は、シュープレスロールが多く使われ、外面に円筒状のベルト(表面に溝が加工されることもある)を備えるとともに、ブランケット内部のセンタシャフト上に油圧で作動する加圧シューを備えており、加圧シューによりベルト相手のセンタロール41に押し付けることで、センタロール41との間に幅広いニップ部N3を得ることができるようになっている。
【0032】
なお、センタロール41はクラウン調整ロールが多く使われ、内部から表面のロールセルを加圧することによって軸方向の撓みを強制的に補正する機能を有しており、相手側のサクションプレスロール31及び第2プレスロール51との間における軸方向の圧力分布を制御できるようになっている。
【0033】
ウェブ1は、不透水性のベルト40と第3フェルト50とに挟まれた状態で第3プレスニップ部N3に搬入され、センタロール41と第2プレスロール51との協働により上下方向から幅広いニップ幅で且つ軸方向に適正な圧力分布で加圧される。圧搾によりウェブ1から脱水された水は、第2プレスロール51の溝に入り、第2プレスロール51の回転に伴って第3プレスニップ部N3から取り除かれる。
【0034】
不透水性のベルト40は、少なくとも1個のニップロール42によりドライヤパートの第1のドライヤロール61に巻き掛けられている。
ドライヤパートは、ドライヤロール61、63と、サクションボックス32を内臓するサクションロール62とが交互に上下して配置されたトップドライヤ配置であり、ウェブ1の走行ラインの上側に配置されたループ状のドライヤキャンバス60が、ドライヤロール61,63とサクションロール62とに交互に巻き掛けられている。特に第1ドライヤロール61はウェブ1の移行が容易になるようにドクタ2で表面粗さ調整することが出来る。
【0035】
したがって、不透水性のベルト40にその第1の面を保持されたウェブ1は、第1ドライヤロール61で第2の面を保持された状態で加熱される。そして、第1ドライヤロール61を通過したウェブ1は、ドライヤキャンバス60のループ内の吸引ボックス64によって第1ドライヤロール61からドライヤキャンバス60へ受け渡されてサクションロール62へ搬送され、さらにドライヤキャンバス60に案内されながら、第2ドライヤロール63へ搬送されて次第に乾燥していく。
【0036】
このような構成により、第1実施形態にかかるウェブ搾水機構によれば、ウェブ1の脱水性能を損なうことなく、移送性能、最終製品の品質及び装置全体のコンパクトとメンテナンス性等のウェブ搾水機構に要求される何れの項目についても満足のいくものとなっている。
【0037】
まず、ウェブ1の脱水性能について言えば、第2,3プレスニップ部N2,N3を共通のセンタロール41で機能させている。そして、サクションプレスロール31のサクションボックス32と不透水性のベルト40とにより、高い脱水機能を維持しながら、ウェブ1が各プレスニップ部N2,N3を通る時に脱水され第2フェルト30及び第3フェルト50に移った水分による再湿潤を防止することができる。
【0038】
次に、移送性能に関しては、第2フェルト30、第3フェルト50よりも表面が平滑の不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1は、ニップロール42によりさらに平滑の第1ドライヤロール61に押し付けられて、且つ、不透水性のベルト40は、第1ドライヤロール61に巻き付いているので、ウェブ1を引っ張ること無く容易に高速で移送することができる。
さらに、ウェブ1は、吸引ボックス64によって第1ドライヤロール61からドライヤキャンバス60へ移送することができる。
【0039】
また、製品の品質について言えば、複数のプレスニップ部N2、N3に作用するセンタロール41により、不透水性のベルト40を介してウェブ1を加圧した後、ウェブ1を不透水性のベルト40で保持しながら、ニップロール42でドライヤロール61に押し付けて移送しており、不透水性のベルト40と第1ドライヤロール61の速度差を大きくつける必要も無く、ウェブ1を無理に引っ張ることが無くなるので、ウェブ1を構成する繊維の向きが変わり難いので、均一で強いウェブ1が得られる。
さらに、不透水性のベルト40を介してニップロール42と第1ドライヤロール61とによりウェブ1の両面を押し付けるので、平滑性の優れた表面を得ることができる。
【0040】
次に、装置全体の構造について言えば、第2、3プレスニップ部N2,N3を共通のセンタロール(クラウン調整ロール)41で機能させ、ウェブ1を不透水性のベルト40と第1ドライヤロール61とに巻き付かせたことにより、従来のトランスファーキャンバス100が不要になるので、乾燥効率が上昇するとともに、流れ方向の装置長さを約30%短く出来る。その結果、真空の動力も減少する。
【0041】
また、装置のメンテナンスについて言えば、従来の第3プレスロール102と第4プレスロール103が1個のセンタロール41となり、且つサクショントランスファーロール101を含むトランスファーキャンバス100が不要になるので消耗部品が減り、メンテナンス性において極めて有利である。
【0042】
(B)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態にかかるウェブ搾水機構について図2を用いて説明する。なお、図2においては第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0043】
第2実施形態にかかるウェブ搾水機構は、第1実施形態の構成を発展させ、センタロール41aに不透水性のベルト40aを巻き付けるとともにシュープレスロールの機能をもたせ、ニップロール42を内臓させたことを特徴としている。この場合第2プレスロール51aにはクラウン調整ロールを使っている。
【0044】
具体的には、図3に示すように、第2プレスニップ部N2の後、第2フェルト30からセンタロール(シュープレスロール)41aの外被を構成する不透水性のベルト40aにウェブ1を張り付かせ、第3フェルト50を介して第2プレスロール(クラウン調整ロール)51aとセンタロール(シュープレスロール)41aの加圧シュー72との間の第3プレスニップ部N3で脱水する。その後、不透水性のベルト40a上のウェブ1は、ニップロール42で第1ドライヤロール61に押し付けられ移送される。
【0045】
センタロール(シュープレスロール)41aは、円筒状の不透水性のベルト40a、少なくとも2個の加圧シュー72,72aと油圧シリンダ71、それらを支持するセンタシャフト70、ニップロール42、少なくとも1個のガイドロール3で構成されている。
【0046】
不透水性のベルト40aは、円筒形状を保つように公知の手段で空気を封入してある。
不透水性のベルト40aは、円筒形状を維持するために、伸び縮みの少ない、カーボン繊維又はスチールワイヤを編み、硬質ウレタンゴム又はエポキシ樹脂で積層被服したものとすることができる。
第2プレスニップ部N2は、比較的小さな線圧100〜500KN/mで、第3プレスニップ部N3は、比較的大きな線圧750〜1500KN/mが望ましい。
【0047】
従って、第3プレスニップ部N3では、加圧シュー72,72aと不透水性のベルト40aの摩擦熱を押さえるために、潤滑油を管路78から加圧シュー72,72aの入り口部分へ供給し管路79から回収する。加圧シュー72,72aには、面長方向に複数個の放熱板(又は穴)があり発熱を防止している。潤滑油を効率よく供給、排出出来るようにワイパ73を加圧シュー72,72aの前後及び端部に備えている。なお、第2プレスニップ部N2の加圧シューも、上記と類似の構造としても良い。
【0048】
上記センタロール(シュープレスロール)41aは、センタシャフト70の内部に加圧シュー72,72aとニップロール42を押し付けるための油圧加圧の管路76,77を備えている。
【0049】
上記ニップロール42とガイドロール3の円筒表面には、潤滑油の逃がし溝をスパイラル状に設けても良い。
上記ガイドロール3に対向して不透水性のベルト40aの表面の汚れを除去し、表面粗さを適度に保つようにドクタ2を備えている。
【0050】
第2プレスロール(クラウン調整ロール)51aに使用されるクラウン調整ロールの構造は、公知のように円筒シェルと加圧シューと油圧シリンダ及びそれらを支持するセンタシャフトで構成されている。
【0051】
図4に示すように、ニップロール42とガイドロール3の代わりにニップシュー42aとガイドシュー3aを使っても良い。
【0052】
このような構成により、第2実施形態にかかるウェブ搾水機構によれば、第1実施形態で得られた利点をそのまま得られるだけでなく、第1実施形態における不透水性のベルト40のループとそれに付随する装置が不要になりさらに簡素化できる。
【0053】
(C)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態にかかるウェブ搾水機構について図5を用いて説明する。なお、図5においては第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0054】
第3実施形態にかかるウェブ搾水機構は、第1実施形態と比プレスニップ部が上下逆に配置してある。すなわちウェブ1の第2の面が不透水性のベルト40に接触している。
紙品質によってはボトム面を平滑にする場合がある。この実施形態では、第1実施形態におけるサクションプレスロール31をピックアップロール21と共用することが可能である。
この場合、従来のようにピックアップロール21が揺動するのではなく、ワイヤロール11が揺動する。
ワイヤ10上のウェブ1はサクションプレスロール31aで吸引され、第2フェルト30へ移送される。
【0055】
そして、ウェブ1は、サクションプレスロール31aと第1プレスロール22間の第1プレスニップ部N1を通過した後、サクションプレスロール31aとセンタロール(クラウン調整ロール)41間の第2プレスニップ部N2に達する。
その後、第2プレスニップ部N2を出たウェブ1は、不透水性ベルト40に吸着されて第1フェルト20から剥がれ、不透水性ベルト40に随伴する。
【0056】
不透水性ベルトの40に随伴したウェブ1は、センタロール(クラウン調整ロール)41と第2プレスロール(シュープレスロール)51間の第3プレスニップ部N3に搬送される。
そこで、不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1は、ニップロール42で押し付けられ第1ドライヤロール61、サクションロール62、第2ドライヤロール63、第2サクションロール65へ移送される。
【0057】
このような第3実施形態によれば、サクションプレスロール31aが、ワイヤ10上のウェブ1を移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロール21が不要になり、流れ方向の装置長さがさらに小さくなるとともに駆動動力も減る。
【0058】
(D)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態にかかるウェブ搾水機構について図6を用いて説明する。なお、図6においては第1,2,3実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1,2,3実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1,2,3実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0059】
図6に示すように、第3実施形態における不透水性のベルト40、センタロール(クラウン調整ロール)41を、第2実施形態と同様に入れ替えて、センタロール41aに不透水性のベルト40を巻き付けるとともにシュープレスロールの機能をもたせ、ニップロール42(又はニップシュー42a)を内臓させたことを特徴としている。この場合、第2プレスロール51aにはクラウン調整ロールを使っている。
【0060】
このような第4実施形態によれば、サクションプレスロール31aが、ワイヤ10上のウェブ1を移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロール21が不要になり、流れ方向の装置長さがさらに小さくなるとともに駆動動力も減る。
さらに、第1実施形態における不透水性のベルト40のループとそれに付随する装置が不要になりさらに簡素化できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲(例えば、図1,2においてピックアップロール21を第1プレスロール22と共用させる等)で種々変形して実施することができる。
【0062】
【発明の効果】
上述の請求項1および請求項2に係るウェブ搾水機構によれば、第2,3プレスニップ部を共通のセンタロールで機能させているので、サクションロールのサクションボックスと不透水性のベルトとにより、高い脱水機能を維持しながら、ウェブが各プレスニップ部を通る時に脱水され第2フェルト及び第3フェルトに移った水分による再湿潤を防止することができる。
【0063】
さらに、第2フェルト、第3フェルトよりも表面が平滑の不透水性のベルトに張り付いたウェブは、ニップロールによりさらに平滑の第1ドライヤロールに押し付けられて、且つ、不透水性のベルトは、第1ドライヤロールに巻き付いているので、ウェブを引っ張ること無く容易に高速で移送することができる。
【0064】
また、請求項3に係るウェブ搾水機構によれば、上記センタロールがシュープレスロールであって、外被が不透水性のベルトで構成され、不透水性のベルトのループ内にニップロール又はニップシューを備えたことにより、不透水性のベルトのループとそれに付随する装置が不要になり簡素化できる。
【0065】
請求項4に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールの加圧シューに放熱板又は穴を装備したことを特徴としていので、放熱が速やかに行われる。
【0066】
請求項5に係るウェブ搾水機構によれば、ワイヤ上のウェブを移送するサクションプレスロールが第1および第2のプレスニップ部を構成し、センタロールが第2および第3のプレスニップ部を構成したことにより、サクションプレスロールが、ワイヤ上のウェブを移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロールが不要になり、流れ方向の装置長さが小さくなるとともに駆動動力も減る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である
【図3】本発明の第2実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるその他のシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図7】従来のウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 ウェブ
2 ドクタ
3 ガイドロール(フェルトロール)
3a ガイドシュー
10 ワイヤ
11 ワイヤロール
20 第1フェルト
21 ピックアップロール
22 第1プレスロール
30 第2フェルト
31、31a サクションプレスロール
32 サクションボックス
33 高真空室
34 低真空室
35 高真空室
36 スチームボックス
40、40a 不透水性のベルト
41 センタロール(クラウン調整ロール)
41a センタロール(シュープレスロール)
42 ニップロール
42a ニップシュー
50 第3フェルト
51 第2プレスロール(シュープレスロール)
51a 第2プレスロール(クラウン調整ロール)
60 ドライヤキャンバス
61 第1ドライヤロール
62 サクションロール
63 第2ドライヤロール
64 吸引ボックス
65 第2サクションロール
70 センタシャフト
71 油圧シリンダ
72 加圧シュー
72,72a 加圧シュー
73 ワイパ
76,77、78、79 管路
N1 第1プレスニップ部
N2 第2プレスニップ部
N3 第3プレスニップ部
100 トランスファーキャンバス
101 サクショントランスファーロール
102 第3プレスロール
103 第4プレスロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機のウェブ搾水機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機のワイヤパートの後工程には、ウェブ搾水機構(プレスパート)が設けられている。ウェブ搾水機構には対向して配置された一対のプレスロールが1又は複数組み設けられ、これらプレスロール間のニップ部にワイヤパートで紙層形成されたウェブ(湿紙)を吸水性のフェルトとともに通すことで、ウェブを圧搾して脱水するようになっている。
【0003】
ウェブ搾水機構の構成に関しては従来種々の提案がなされている。
一例として、特開2003−119685号公報に開示されたウェブ搾水機構では、図7に示すように、ウェブ1を第1フェルト20,第2フェルト30で挟み、第1プレスロール22とサクションプレスロール31との間の第1プレスニップ部N1を通し、次に不透水性のベルト40をウェブ1に接触させて、サクションプレスロール31と第3プレスロール102との間の第2プレスニップ部N2に通した後、ウェブ1の第2の面に第3フェルト50を接触させ、第1の面に不透水性のベルト40を接触させた状態でウェブ1を第4プレスロール103、第2プレスロール(シュープレスロールが多用される)51との間の第3プレスニップ部N3に通すようにしている。
【0004】
この構成によれば、第3プレスニップ部N3の下流側においてウェブ1を不透水性のベルト40に随伴させるようにしてウェブ1の再湿潤を防止することができる。その後、ウェブ1はサクショントランスファーロール101で不透水性のベルト40からトランスファーキャンバス100へ移行される。
【0005】
なお、図中、10はワイヤ、21はピックアップロール、32はサクションボックス、33は高真空室、34は低真空室、60はドライヤキャンバス、61は第1ドライヤロール、62はサクションロール、63は第2ドライヤロールである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2003−119685号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術のウェブ搾水機構においては次のような課題がある。
ウェブ1の水分が、第1プレスニップ部N1で80%、第3プレスニップ部N3で40〜50%もあり、フェルト及びロールの支持なしでは切れ易く、高速で運転する為には、安定したウェブ1の移行が必要である。
そして、図7に示す構成のウェブ搾水機構では、不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1を剥がすには吸引力を大きくする必要があり、その為の動力が大きくなる。
【0008】
吸引力は不透水性のベルト40の表面粗さとウェブ1の水分により支配される相互の表面張力に影響されるので、トランスファーキャンバス100の走行速度を不透水性のベルト40の走行速度よりも2〜4%速くしなければならず、ウェブ1を構成する繊維の向きが変わり弱くなり、薄切れ易く又、紙の品質に影響を与えかねない。
【0009】
また、吸引力は幅方向に均一になり難く、サクショントランスファーロール101を不透水性のベルト40に押し付け過ぎると、逆にウェブ1は不透水性のベルト40に張り付き、トランスファーキャンバス100への移行がスムーズに行われにくい。
【0010】
不透水性のベルト40を走行させるループ内には、第3、第4プレスロール102と103があり装置が複雑で大きくなる。
【0011】
トランスファーキャンバス100を走行させる装置が必要であり、また、第1ドライヤロール61でウェブ1はトランスファーキャンバス100を介しているので、熱が伝わり難く加温効率が低下する。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に鑑み創案されたもので、ウェブ1の移行が安定し、高速化に対応したコンパクトな構成で且つメンテナンス性に優れ、しかも高い脱水性能を得ることができ、ウェブ1の表面の平滑性が要求される紙の製造に用いて好適のウェブ搾水機構を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その第1の手段に係るウェブ搾水機構は、走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられた第1プレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の第2フェルトと、上記第2フェルトの内側に配置され、上記第1プレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾するサクションプレスロールと、上記ウェブの第1の面に接触して上記第2フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、上記ウェブの第2の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、上述の第1の手段に対して不透水性のベルトがウェブの第2面に接するようにすべく、その第2の手段に係るウェブ搾水機構は、走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられたサクションプレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第2フェルトと、上記第2フェルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第1プレスロールと、上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、上記ウェブの第1の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、を備えたことを特徴としている。
【0015】
上述の第1、第2の手段によれば、ウェブは、第1フェルト、第2フェルト、不透水性のベルト、第3フェルトを通過していくうちに脱水、乾燥される。そして、ウェブは、不透水性のベルト内のニップロールまたはニップシューによりドライヤロールへ押し付けられることにより、引張られることなく容易にドライヤロールへ移送される。
【0016】
また、第2および第3のプレスニップ部を共通のセンタロール(クラウン調整ロール)で機能させ、不透水性のベルトと第1ドライヤロールに巻き付かせたことにより従来のトランスファーキャンバスが不要となる。さらに、従来の第3プレスロールと第4プレスロールが1個のセンタロールとなり、消耗部品が減り、メンテナンス性において極めて有利である。
【0017】
また、第3の手段に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールがシュープレスロールであって、外被が不透水性のベルトで構成され、不透水性のベルトのループ内にニップロール又はニップシューを備えたことを特徴としている。
【0018】
このような第3実施形態によれば、サクションプレスロールが、ワイヤ上のウェブを移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロールが不要となる。
【0019】
第4の手段に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールの加圧シューに放熱板又は穴を装備したことを特徴としている。
【0020】
また、第5の手段に係るウェブ搾水機構は、ワイヤ上のウェブを移送するサクションプレスロールが第1および第2のプレスニップ部を構成し、センタロールが第2および第3のプレスニップ部を構成していることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す正面図である。
以下、図1を用いて第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成について説明する。なお、図1中に他よりも太く示すラインがウェブ1の走行ラインを示している。
【0022】
図1において、ウェブ(湿紙)1は、前工程である図示しないワイヤパートで紙層形成され、ワイヤ10によりウェブ搾水機構へ搬送される。
搬送されたウェブ1は、その第1の面をピックアップロール21によって吸引され、ワイヤ10から剥ぎとられる。剥ぎとられたウェブ1は、その第1、2の面を、ピックアップロール21に巻き掛けられた第1フェルト20と第2フェルト30とにより保持された状態で第1プレスニップ部N1に搬送される。
【0023】
第1フェルト20はループ状であり、ピックアップロール21,後述の第1プレスロール22および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。
同様に第2フェルト30もループ状であり、後述のサクションプレスロール31および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。サクションプレスロール31は第1プレスロール22に近接して配置されており、第1プレスロール22とサクションプレスロール31とにより第1プレスニップ部N1が形成されている。
【0024】
第1プレスニップ部N1において、ウェブ1は、第1フェルト20と第2フェルト30とに挟まれた状態で、第1プレスロール22とサクションプレスロール31との協働により両方向から圧搾され、脱水される。そして、第1プレスニップ部N1の出口において、ウェブ1は、サクションプレスロール31のサクションボックス32の高真空室33によって吸引され、第1フェルト20からサクションボックス32側の第2フェルト30へ移送される。
【0025】
サクションボックス32は、サクションプレスロール31の内部に設けられており、第1プレスニップ部N1の近傍から、サクションプレスロール31と後述するセンタロール41との第2プレスニップ部N2近傍までの範囲において吸引力を作用させるようになっている。
【0026】
サクションボックス32は、2個の高真空室33と低高真空室34により構成されており、内部は大気圧に対して、−300〜−600hPaの負圧に設定されている。なお、サクションプレスロール31とセンタロール41との間には、サクションボックス32に対向して、水分プロファイルの矯正のためのスチームボックス36が設けられており、これによりウェブ1を適正に加湿する。
【0027】
センタロール41は、第2フェルト30の走行方向において第1プレスニップ部N1よりも下流側にサクションプレスロール31に近接して配置されている。
センタロール41には、ループ状の不透水性のベルト40が巻き掛けられており、不透水性のベルト40は、サクションプレスロール31とセンタロール41とにより形成された第2プレスニップ部N2においてウェブ1の第1の面に接触している。不透水性のベルト40の表面は平滑であって第2フェルト30よりも密であることから、ウェブ1は不透水性のベルト40に密着して第2フェルト30から剥がれ、不透水性のベルト40に随伴する。
【0028】
そして、ウェブ1は、不透水性のベルト40により第1の面を保持された状態で、不透水性のベルト40と共に第3プレスニップ部N3に搬送される。第3プレスニップ部N3への搬送途中において、ウェブ1の第2の面は第3フェルト50に接触しており、ウェブ1は、不透水性のベルト40と第3フェルト50とに挟持される。
【0029】
不透水性のベルト40はループ状であり、センタロール41および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されている。不透水性のベルト40は、ニップロール(又はガイドロール)42と対向してループの外側に配置されたドクタ2により、外面の汚れが取り除かれ外面の粗さが適度になるように調整される。
【0030】
同様に第3フェルト50もループ状であり、第2プレスロール(シュープレスロール)51および複数のガイドロール(フェルトロール)3によって案内されているとともに、外面をセンタロール41に巻き掛けられている。第3フェルト50内の第2プレスロール51は、センタロール41に近接して配置されており、センタロール41と第2プレスロール51とにより第3プレスニップ部N3が形成されている。
【0031】
第2プレスロール51は、シュープレスロールが多く使われ、外面に円筒状のベルト(表面に溝が加工されることもある)を備えるとともに、ブランケット内部のセンタシャフト上に油圧で作動する加圧シューを備えており、加圧シューによりベルト相手のセンタロール41に押し付けることで、センタロール41との間に幅広いニップ部N3を得ることができるようになっている。
【0032】
なお、センタロール41はクラウン調整ロールが多く使われ、内部から表面のロールセルを加圧することによって軸方向の撓みを強制的に補正する機能を有しており、相手側のサクションプレスロール31及び第2プレスロール51との間における軸方向の圧力分布を制御できるようになっている。
【0033】
ウェブ1は、不透水性のベルト40と第3フェルト50とに挟まれた状態で第3プレスニップ部N3に搬入され、センタロール41と第2プレスロール51との協働により上下方向から幅広いニップ幅で且つ軸方向に適正な圧力分布で加圧される。圧搾によりウェブ1から脱水された水は、第2プレスロール51の溝に入り、第2プレスロール51の回転に伴って第3プレスニップ部N3から取り除かれる。
【0034】
不透水性のベルト40は、少なくとも1個のニップロール42によりドライヤパートの第1のドライヤロール61に巻き掛けられている。
ドライヤパートは、ドライヤロール61、63と、サクションボックス32を内臓するサクションロール62とが交互に上下して配置されたトップドライヤ配置であり、ウェブ1の走行ラインの上側に配置されたループ状のドライヤキャンバス60が、ドライヤロール61,63とサクションロール62とに交互に巻き掛けられている。特に第1ドライヤロール61はウェブ1の移行が容易になるようにドクタ2で表面粗さ調整することが出来る。
【0035】
したがって、不透水性のベルト40にその第1の面を保持されたウェブ1は、第1ドライヤロール61で第2の面を保持された状態で加熱される。そして、第1ドライヤロール61を通過したウェブ1は、ドライヤキャンバス60のループ内の吸引ボックス64によって第1ドライヤロール61からドライヤキャンバス60へ受け渡されてサクションロール62へ搬送され、さらにドライヤキャンバス60に案内されながら、第2ドライヤロール63へ搬送されて次第に乾燥していく。
【0036】
このような構成により、第1実施形態にかかるウェブ搾水機構によれば、ウェブ1の脱水性能を損なうことなく、移送性能、最終製品の品質及び装置全体のコンパクトとメンテナンス性等のウェブ搾水機構に要求される何れの項目についても満足のいくものとなっている。
【0037】
まず、ウェブ1の脱水性能について言えば、第2,3プレスニップ部N2,N3を共通のセンタロール41で機能させている。そして、サクションプレスロール31のサクションボックス32と不透水性のベルト40とにより、高い脱水機能を維持しながら、ウェブ1が各プレスニップ部N2,N3を通る時に脱水され第2フェルト30及び第3フェルト50に移った水分による再湿潤を防止することができる。
【0038】
次に、移送性能に関しては、第2フェルト30、第3フェルト50よりも表面が平滑の不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1は、ニップロール42によりさらに平滑の第1ドライヤロール61に押し付けられて、且つ、不透水性のベルト40は、第1ドライヤロール61に巻き付いているので、ウェブ1を引っ張ること無く容易に高速で移送することができる。
さらに、ウェブ1は、吸引ボックス64によって第1ドライヤロール61からドライヤキャンバス60へ移送することができる。
【0039】
また、製品の品質について言えば、複数のプレスニップ部N2、N3に作用するセンタロール41により、不透水性のベルト40を介してウェブ1を加圧した後、ウェブ1を不透水性のベルト40で保持しながら、ニップロール42でドライヤロール61に押し付けて移送しており、不透水性のベルト40と第1ドライヤロール61の速度差を大きくつける必要も無く、ウェブ1を無理に引っ張ることが無くなるので、ウェブ1を構成する繊維の向きが変わり難いので、均一で強いウェブ1が得られる。
さらに、不透水性のベルト40を介してニップロール42と第1ドライヤロール61とによりウェブ1の両面を押し付けるので、平滑性の優れた表面を得ることができる。
【0040】
次に、装置全体の構造について言えば、第2、3プレスニップ部N2,N3を共通のセンタロール(クラウン調整ロール)41で機能させ、ウェブ1を不透水性のベルト40と第1ドライヤロール61とに巻き付かせたことにより、従来のトランスファーキャンバス100が不要になるので、乾燥効率が上昇するとともに、流れ方向の装置長さを約30%短く出来る。その結果、真空の動力も減少する。
【0041】
また、装置のメンテナンスについて言えば、従来の第3プレスロール102と第4プレスロール103が1個のセンタロール41となり、且つサクショントランスファーロール101を含むトランスファーキャンバス100が不要になるので消耗部品が減り、メンテナンス性において極めて有利である。
【0042】
(B)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態にかかるウェブ搾水機構について図2を用いて説明する。なお、図2においては第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0043】
第2実施形態にかかるウェブ搾水機構は、第1実施形態の構成を発展させ、センタロール41aに不透水性のベルト40aを巻き付けるとともにシュープレスロールの機能をもたせ、ニップロール42を内臓させたことを特徴としている。この場合第2プレスロール51aにはクラウン調整ロールを使っている。
【0044】
具体的には、図3に示すように、第2プレスニップ部N2の後、第2フェルト30からセンタロール(シュープレスロール)41aの外被を構成する不透水性のベルト40aにウェブ1を張り付かせ、第3フェルト50を介して第2プレスロール(クラウン調整ロール)51aとセンタロール(シュープレスロール)41aの加圧シュー72との間の第3プレスニップ部N3で脱水する。その後、不透水性のベルト40a上のウェブ1は、ニップロール42で第1ドライヤロール61に押し付けられ移送される。
【0045】
センタロール(シュープレスロール)41aは、円筒状の不透水性のベルト40a、少なくとも2個の加圧シュー72,72aと油圧シリンダ71、それらを支持するセンタシャフト70、ニップロール42、少なくとも1個のガイドロール3で構成されている。
【0046】
不透水性のベルト40aは、円筒形状を保つように公知の手段で空気を封入してある。
不透水性のベルト40aは、円筒形状を維持するために、伸び縮みの少ない、カーボン繊維又はスチールワイヤを編み、硬質ウレタンゴム又はエポキシ樹脂で積層被服したものとすることができる。
第2プレスニップ部N2は、比較的小さな線圧100〜500KN/mで、第3プレスニップ部N3は、比較的大きな線圧750〜1500KN/mが望ましい。
【0047】
従って、第3プレスニップ部N3では、加圧シュー72,72aと不透水性のベルト40aの摩擦熱を押さえるために、潤滑油を管路78から加圧シュー72,72aの入り口部分へ供給し管路79から回収する。加圧シュー72,72aには、面長方向に複数個の放熱板(又は穴)があり発熱を防止している。潤滑油を効率よく供給、排出出来るようにワイパ73を加圧シュー72,72aの前後及び端部に備えている。なお、第2プレスニップ部N2の加圧シューも、上記と類似の構造としても良い。
【0048】
上記センタロール(シュープレスロール)41aは、センタシャフト70の内部に加圧シュー72,72aとニップロール42を押し付けるための油圧加圧の管路76,77を備えている。
【0049】
上記ニップロール42とガイドロール3の円筒表面には、潤滑油の逃がし溝をスパイラル状に設けても良い。
上記ガイドロール3に対向して不透水性のベルト40aの表面の汚れを除去し、表面粗さを適度に保つようにドクタ2を備えている。
【0050】
第2プレスロール(クラウン調整ロール)51aに使用されるクラウン調整ロールの構造は、公知のように円筒シェルと加圧シューと油圧シリンダ及びそれらを支持するセンタシャフトで構成されている。
【0051】
図4に示すように、ニップロール42とガイドロール3の代わりにニップシュー42aとガイドシュー3aを使っても良い。
【0052】
このような構成により、第2実施形態にかかるウェブ搾水機構によれば、第1実施形態で得られた利点をそのまま得られるだけでなく、第1実施形態における不透水性のベルト40のループとそれに付随する装置が不要になりさらに簡素化できる。
【0053】
(C)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態にかかるウェブ搾水機構について図5を用いて説明する。なお、図5においては第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0054】
第3実施形態にかかるウェブ搾水機構は、第1実施形態と比プレスニップ部が上下逆に配置してある。すなわちウェブ1の第2の面が不透水性のベルト40に接触している。
紙品質によってはボトム面を平滑にする場合がある。この実施形態では、第1実施形態におけるサクションプレスロール31をピックアップロール21と共用することが可能である。
この場合、従来のようにピックアップロール21が揺動するのではなく、ワイヤロール11が揺動する。
ワイヤ10上のウェブ1はサクションプレスロール31aで吸引され、第2フェルト30へ移送される。
【0055】
そして、ウェブ1は、サクションプレスロール31aと第1プレスロール22間の第1プレスニップ部N1を通過した後、サクションプレスロール31aとセンタロール(クラウン調整ロール)41間の第2プレスニップ部N2に達する。
その後、第2プレスニップ部N2を出たウェブ1は、不透水性ベルト40に吸着されて第1フェルト20から剥がれ、不透水性ベルト40に随伴する。
【0056】
不透水性ベルトの40に随伴したウェブ1は、センタロール(クラウン調整ロール)41と第2プレスロール(シュープレスロール)51間の第3プレスニップ部N3に搬送される。
そこで、不透水性のベルト40に張り付いたウェブ1は、ニップロール42で押し付けられ第1ドライヤロール61、サクションロール62、第2ドライヤロール63、第2サクションロール65へ移送される。
【0057】
このような第3実施形態によれば、サクションプレスロール31aが、ワイヤ10上のウェブ1を移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロール21が不要になり、流れ方向の装置長さがさらに小さくなるとともに駆動動力も減る。
【0058】
(D)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態にかかるウェブ搾水機構について図6を用いて説明する。なお、図6においては第1,2,3実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1,2,3実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第1,2,3実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0059】
図6に示すように、第3実施形態における不透水性のベルト40、センタロール(クラウン調整ロール)41を、第2実施形態と同様に入れ替えて、センタロール41aに不透水性のベルト40を巻き付けるとともにシュープレスロールの機能をもたせ、ニップロール42(又はニップシュー42a)を内臓させたことを特徴としている。この場合、第2プレスロール51aにはクラウン調整ロールを使っている。
【0060】
このような第4実施形態によれば、サクションプレスロール31aが、ワイヤ10上のウェブ1を移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロール21が不要になり、流れ方向の装置長さがさらに小さくなるとともに駆動動力も減る。
さらに、第1実施形態における不透水性のベルト40のループとそれに付随する装置が不要になりさらに簡素化できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲(例えば、図1,2においてピックアップロール21を第1プレスロール22と共用させる等)で種々変形して実施することができる。
【0062】
【発明の効果】
上述の請求項1および請求項2に係るウェブ搾水機構によれば、第2,3プレスニップ部を共通のセンタロールで機能させているので、サクションロールのサクションボックスと不透水性のベルトとにより、高い脱水機能を維持しながら、ウェブが各プレスニップ部を通る時に脱水され第2フェルト及び第3フェルトに移った水分による再湿潤を防止することができる。
【0063】
さらに、第2フェルト、第3フェルトよりも表面が平滑の不透水性のベルトに張り付いたウェブは、ニップロールによりさらに平滑の第1ドライヤロールに押し付けられて、且つ、不透水性のベルトは、第1ドライヤロールに巻き付いているので、ウェブを引っ張ること無く容易に高速で移送することができる。
【0064】
また、請求項3に係るウェブ搾水機構によれば、上記センタロールがシュープレスロールであって、外被が不透水性のベルトで構成され、不透水性のベルトのループ内にニップロール又はニップシューを備えたことにより、不透水性のベルトのループとそれに付随する装置が不要になり簡素化できる。
【0065】
請求項4に係るウェブ搾水機構は、上記センタロールの加圧シューに放熱板又は穴を装備したことを特徴としていので、放熱が速やかに行われる。
【0066】
請求項5に係るウェブ搾水機構によれば、ワイヤ上のウェブを移送するサクションプレスロールが第1および第2のプレスニップ部を構成し、センタロールが第2および第3のプレスニップ部を構成したことにより、サクションプレスロールが、ワイヤ上のウェブを移送するピックアップロールを兼用するので、ピックアップロールが不要になり、流れ方向の装置長さが小さくなるとともに駆動動力も減る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である
【図3】本発明の第2実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるその他のシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかるシュープレスの構成詳細を示す概略正面図である。
【図7】従来のウェブ搾水機構の構成を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 ウェブ
2 ドクタ
3 ガイドロール(フェルトロール)
3a ガイドシュー
10 ワイヤ
11 ワイヤロール
20 第1フェルト
21 ピックアップロール
22 第1プレスロール
30 第2フェルト
31、31a サクションプレスロール
32 サクションボックス
33 高真空室
34 低真空室
35 高真空室
36 スチームボックス
40、40a 不透水性のベルト
41 センタロール(クラウン調整ロール)
41a センタロール(シュープレスロール)
42 ニップロール
42a ニップシュー
50 第3フェルト
51 第2プレスロール(シュープレスロール)
51a 第2プレスロール(クラウン調整ロール)
60 ドライヤキャンバス
61 第1ドライヤロール
62 サクションロール
63 第2ドライヤロール
64 吸引ボックス
65 第2サクションロール
70 センタシャフト
71 油圧シリンダ
72 加圧シュー
72,72a 加圧シュー
73 ワイパ
76,77、78、79 管路
N1 第1プレスニップ部
N2 第2プレスニップ部
N3 第3プレスニップ部
100 トランスファーキャンバス
101 サクショントランスファーロール
102 第3プレスロール
103 第4プレスロール
Claims (5)
- 走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、
上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられた第1プレスロールと、
上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の第2フェルトと、
上記第2フェルトの内側に配置され、上記第1プレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾するサクションプレスロールと、
上記ウェブの第1の面に接触して上記第2フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、
上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、
上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、
上記ウェブの第2の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、
上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、
を備えたことを特徴とする、ウェブ搾水機構。 - 走行するウェブの第1の面に接触するループ状の第1フェルトと、
上記第1フェルトの内側に配置され、上記第1フェルトが巻き掛けられたサクションプレスロールと、
上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第2フェルトと、
上記第2フェルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記第2フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第1プレスロールと、
上記ウェブの第2の面に接触して上記第1フェルトから上記ウェブを受け取るループ状の不透水性のベルトと、
上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記サクションプレスロールと協働して上記不透水性のベルトを介して上記ウェブを圧搾するセンタロールと、
上記不透水性のベルトの内側に配置され、上記ウェブをドライヤロールへ押し付けるニップロールまたはニップシューと、
上記ウェブの第1の面に接触して上記不透水性のベルトとの間で上記ウェブを挟むループ状の第3フェルトと、
上記第3フェルトの内側に配置され上記センタロールと協働して上記第3フェルトを介して上記ウェブを圧搾する第2プレスロールと、
を備えたことを特徴とする、ウェブ搾水機構。 - 上記センタロールがシュープレスロールであって、外被が不透水性のベルトで構成され、不透水性のベルトのループ内にニップロール又はニップシューを備えたことを特徴とする、請求項1または2に記載のウェブ搾水機構。
- 上記センタロールの加圧シューに放熱板又は穴を装備したことを特徴とする請求項1乃至3に記載のウェブ搾水機構。
- ワイヤ上のウェブを移送するサクションプレスロールが第1および第2のプレスニップ部を構成し、センタロールが第2および第3のプレスニップ部を構成していることを特徴とする請求項1乃至4に記載のウェブ搾水機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003121482A JP2004324014A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ウェブ搾水機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003121482A JP2004324014A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ウェブ搾水機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004324014A true JP2004324014A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33500040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003121482A Withdrawn JP2004324014A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ウェブ搾水機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004324014A (ja) |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121482A patent/JP2004324014A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |