JPH07189159A - 製紙機械用プレス部分 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 脱水すべきウェブが連続的に通過する少なく
とも２つのプレスを有し、その場合にウェブが交互にプ
レスフェルトおよびプレスロールの緻密な外面に接触す
る製紙機械用プレス部分を提供する。 【構成】 脱水すべきウェブによって連続的に通過され
る少なくとも２つのプレスを有し、その場合にウェブが
交互にプレスフェルト４，１０およびプレスロール２，
８，９の緻密な外面に接触し、第１のプレスが、片面に
フェルトを付けたシュープレス１，２として形成されて
おり、第２のプレスもまた同じように、片面フェルト付
きプレスとして形成され、２つの互いに隣接するプレス
間にそれぞれウェブ移送装置が設けられている製紙機械
用プレス部分に関する。ウェブ移送装置が滑らかな外面
を備えたガイドロール１１，１３，１６有し、それが少
なくとも通常運転中、第１のプレスの滑らかなプレス要
素からウェブを直接受取るのに役立つことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、脱水すべきウェブが連
続的に通過する少なくとも２つのプレスを有し、その場
合にウェブが交互にプレスフェルトおよびプレスロール
の緻密な外面に接触する製紙機械用プレス部分に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、下記の公報が参照されてい
る。

【０００３】米国特許第５１２０３９９号 米国特許第４４８３７４５号 単位面積当りの重量の少ない紙の種類では、片面フェル
トプレス、すなわちプレスが使用され、そのプレス間隙
を通り、唯一つのフェルトのみが通過する。その理由
は、紙ウェブが、プレス間隙通過の際に直接出口におい
てフェルトから水分を吸収することにある。この現象
は、専門業界では「再湿潤」として知られている。この
再湿潤は、プレスの効率を制限するので最も望ましくな
い。片面−フェルトプレスを用いて適切な高プレス圧力
を加えたとき、比較的乾燥した丈夫な紙シートが達成で
き、このシートはその比較的高い乾燥度によって、問題
なく次の処理ステーション、例えば第２のプレスに移送
できるように、十分な強度を有している。上記の片面−
フェルトプレスは通常、シュープレスである。

【０００４】そのような片面−フェルトプレスのプレス
間隙内で、紙ウェブは、その一面をフェルトに接触し、
他方の面をそのようなプレスの反対のロールの滑らかな
外面に接触する。これは、紙ウェブの一方のフェルトに
接触する面が比較的荒くなるが、しかし他方の面が比較
的滑らかになる結果となる。したがって紙ウェブは２面
が異なる品質を有している。この２面の相違は望ましく
ない。紙が印刷されると、両面に異なる印刷品質を生ず
る。表面の荒さが紙ウェブの両面で異なるのみならず、
いわゆるむしり傾向、すなわち繊維放出傾向を有してい
る。これは、紙ウェブの他の面よりもフェルト接触面に
おいて大きい。大きなむしり傾向は、出来上がった紙の
場合、高いほこりの傾向を意味し、それもまた望ましく
ない。

【０００５】片面にフェルトを付けたシュープレスに片
面にフェルトを付けた普通のプレスを後に接続すること
が知られている。これは、滑らかな外面を備えた２つの
プレスロールを有し、さらに紙ウェブと一緒にプレス間
隙を通過するフェルト有しているプレスである。その場
合に、前に（すなわちシュープレスにおいて）フェルト
に接触する紙ウェブ面が、上記の第２のプレスにおいて
一方のプレスロールの滑らかな外面に接触し、一方、前
に滑らかな外面に接触した他方の紙ウェブ面が、このと
きフェルト接触するように配置されている。

【０００６】そのような第２のロールプレスのライン圧
力（Linien kraft）は、通常前のシュープレスのライン
圧力よりもはるかに少ない。この第２のロールプレスは
また少しの水量しか紙ウェブから除去しないので、紙ウ
ェブの乾燥度は実質的に変化しないか、又は僅かだけ変
化する。

【０００７】そのような第２のロールプレスの使用は、
ある程度、シュープレスの紙ウェブが持っている２面の
相違を減少する。しかしながら、未だにこの２面の相違
は存在する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、脱水
すべきウェブによって連続的に通過される少なくとも２
つのプレスを有し、その場合にウェブが交互にプレスフ
ェルトおよびプレスロールの緻密な外面に接触し、第１
のプレスが、片面にフェルトを付けたシュープレスとし
て形成されており、かつ一方のウェブ面が第１の滑らか
なプレス要素に接触するように構成され、第２のプレス
もまた同じように、片面フェルト付きプレスとして形成
され、かつ他方ウェブ面が第２の滑らかなプレス要素に
接触するように構成され、２つの互いに隣接するプレス
間にそれぞれウェブ移送装置が設けられている製紙機械
用プレス部分を、紙ウェブの２面の相違が公知のプレス
部分の場合よりもさらに大幅に減少されるように構成す
ることに基づいている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題は、上記の製紙
機械用プレス部分において、ウェブ移送装置が滑らかな
外面を備えたガイドロール有し、それが少なくとも通常
運転中、第１のプレスの滑らかなプレス要素からウェブ
を直接受取るのに役立つことを特徴とすることによって
解決される。

【００１０】

【実施例】本発明を図面により詳述する。この図面に
は、本発明によるプレス部分の５つの変形が示されてい
る。同じ又は互いに対応している部品は、個々の図にお
いて、同じ符号を備えている。

【００１１】図１によるプレス部分は、シューユニット
１と反対のロール２とを備えたシュープレスを有してい
る。シューユニット１は、周辺の水を通すバンド１．１
並びにシュー１．２を具備している。反対のロール２に
はスクレーパ（掻き取り板）装置３が配置されている。
紙ウェブ６（点線で示した）を製紙機械のシーブ７から
受取るため、フェルト４は最初に受取吸着ロール５に巻
かれている。

【００１２】プレス部分は、後に接続した、プレスロー
ル８および９を有する第２のロールプレスを具備してい
る。双方のロールは、滑らかな、すなわち緻密な外面を
有している。双方のロールプレスのプレス間隙を通りフ
ェルト１０が走行する。

【００１３】主要な要素は、滑らかな外面を有している
ガイドロール１１である。このガイドロール１１の外面
は、反対ロール２の外面にも、フェルト１０にも接して
いる。フェルト１０は、滑りロール１１の領域の滑りシ
ュー１２に巻かれている。この滑りシュー１２は吸入ボ
ックスである。

【００１４】このプレス部分はさらに他の要素を具備
し、それ等の中のガイドローラ１３ないし１６が図示さ
れている。

【００１５】紙ウェブ６は、最初に他の図示していない
シーブ部分のシーブ７によって受取られ、かつ第１のプ
レスフェルト４によって受取られる。紙ウェブ６は、そ
れからプレスフェルト４の下に垂れ下がって、シュープ
レスのプレス間隙へ、そしてこのプレス間隙を通り抜け
て移送され、反対のロール２にほぼ１／４円弧だけ巻か
れ、それからガイドロール１１に受取られて、第２のプ
レスフェルト１０に移送され、これに転送され、それか
ら第２のプレスフェルト１０により（これに乗って）第
２のプレスロール間隙へ、そしてこのプレス間隙を通り
抜けて、さらに他の処理場に達するため移送される。

【００１６】重要なことは、ガイドロール１１が、２重
矢印の方に、反対のロール２に対して移動でき、かつ反
対のロールから外すことができることである。さらに、
ガイドロール１１は、また第２のプレスフェルト１０の
方向に移動し、かつこのプレスフェルト１０から離れる
方に移動することも考えられる。

【００１７】重要なことはさらに、紙ウェブ６がシュー
プレスにおいて、その一方の面でフェルト４に接触し、
一方、紙ウェブが次に接続したプレスにおいて、その他
方の面でフェルト１０に接触することである。

【００１８】図２によるプレス部分は、下記の点で図１
によるプレス部分と異なっている。

【００１９】図１において、受取りフェルト４．１がシ
ーブ７と図１のプレスフェルト４との間の中間に接続し
ている。この図に示されたシュープレスは、図１による
シュープレスに比べて“逆”であり、すなわちシューユ
ニット１は下側にある。ガイドロール１１は、したがっ
てシュープレスの上部領域にある。吸入ボックス１２の
みならず、蒸気吹込みボックス（装置）１２．１が設け
られている。またここでも、ガイドロール１１は、再び
種々の方向に調整可能に軸支されている。このガイドロ
ールは、例えば、反対のロール２の周りに半径方向に旋
回可能であり、それは、他の場合に、他の図によるプレ
ス部分にも言える。

【００２０】図３によるプレス部分は、特にそれが複数
のプレス間隙を有しているとき、特異性をもっている。
このプレスもまた、プレスバンド１．１と、シュー１．
２と、さらに反対のロール２並びにさらに他のロール
２．１とを具備している。ロール２．１は、受取りフェ
ルト４．１によって巻かれている。

【００２１】また、図４および図５による他のプレス部
分も、図３によるプレス部分と類似に形成されている。
このプレス部分はつまりそれぞれ３つの要素を有してい
る。シューユニット１と、２つのプレスロール２および
２．１とである。図４による実施例では、ロール２．１
は図５のロール２．１と同様に、吸入ゾーン２．２を備
えている。図５のシューユニット１は、２つのプレスシ
ュー１．２および１．３を有している。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、紙ウェブの２面の相違
が公知のプレス部分の場合よりもさらに大幅に減少され
るように、製紙機械用プレス部分を構成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプレス部分の横断面図である。

【図２】本発明のプレス部分の他の例の横断面図であ
る。

【図３】本発明のプレス部分の他の例の横断面図であ
る。

【図４】本発明のプレス部分の他の例の横断面図であ
る。

【図５】本発明のプレス部分の他の例の横断面図であ
る。

【符号の説明】

１ シューユニット、 １．２，１．３ プレスシュー、 ２，２．１，８，９ プレスロール、 ２．２ 吸入ゾーン、 ３ スクレーパ装置、 ４，１０ プレスフェルト、 ４．１ 受取フェルト、 ５ 吸着ロール、 ６ 紙ウェブ、 ７ シーブ、 １１，１３，１６ ガイドロール、 １２ 吸入ボックス（滑りシュー）、 １２．１ 蒸気吹付け装置（蒸気吹込みボックス）。

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 脱水すべきウェブが連続的に通過する少
   なくとも２つのプレスを有し、その場合にウェブが交互
   にプレスフェルトおよびプレスロールの緻密な外面に接
   触し、 １．１ 第１のプレスが、片面にフェルトを付けたシュ
   ープレスとして形成されており、かつ一方のウェブ面が
   第１の滑らかなプレス要素に接触するように構成され、 １．２ 第２のプレスもまた同じように、片面フェルト
   付きプレスとして形成され、かつ他方ウェブ面が第２の
   滑らかなプレス要素に接触するように構成され、 １．３ ２つの互いに隣接するプレス間にそれぞれウェ
   ブ移送装置が設けられている製紙機械用プレス部分にお
   いて、 １．４ ウェブ移送装置が滑らかな外面を備えたガイド
   ロール（１１）有し、それが少なくとも通常運転中、第
   １のプレスの滑らかなプレス要素からウェブ（６）を直
   接受取るのに役立つことを特徴とする製紙機械用プレス
   部分。
2. 【請求項２】 滑らかなガイドロール（１１）が可動に
   軸支され、そして位置決め可能であり、かつ第１のプレ
   スの滑らかなプレス要素と接触間隙を形成していている
   ので、殆どゼロ又はゼロに等しいプレス圧力に調整可能
   であることを特徴とする請求項１に記載の製紙機械用プ
   レス部分。
3. 【請求項３】 ウェブ（６）を第２のプレスのフェルト
   （１０）に受け渡すため、ガイドロール（１１）が絶え
   ず、第２のプレスのフェルト（１０）に接触しているこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載の製紙機械用プレ
   ス部分。
4. 【請求項４】 第２のプレスのフェルト（１０）が、ガ
   イドロール（１１）との接触箇所の領域において、ガイ
   ドロール（１１）に対向している吸入ボックス（１２）
   上を走行することを特徴とする請求項３に記載の製紙機
   械用プレス部分。
5. 【請求項５】 吸入ボックス（１２）に対向している第
   ２のプレスフェルト（１０）の側に、蒸気吹付け装置
   （１２．１）が配置されていることを特徴とする請求項
   ４に記載の製紙機械用プレス部分。
6. 【請求項６】 制御装置が設けられていて、それが通常
   運転のとき、ガイドロール（１１）を、第１のプレスの
   滑らかなプレス要素と接触を保ち、一方、その制御装置
   が、ガイドロール（１１）をウェブ送入の際、第１のプ
   レスの滑らかなプレス要素から僅かな間隔を保っている
   ことを特徴とする請求項２に記載の製紙機械用プレス部
   分。
7. 【請求項７】 移送装置が滑らかな水を吸収しないバン
   ドを具備し、該バンドが可動ガイドロールによって、第
   １のプレスの滑らかなプレス要素に接触可能であり、か
   つ第２のプレスを通過することを特徴とする請求項１に
   記載の製紙機械用プレス部分。
8. 【請求項８】 前記バンドが第２のプレスの後の次の乾
   燥部分にウェブを受け渡す、例えば、直接第１の乾燥シ
   リンダー（胴）の外面に受け渡すことを特徴とする請求
   項７に記載の製紙機械用プレス部分。
9. 【請求項９】 第２のプレスが、第１のプレスのプレス
   圧力の数分の１の大きさであることを特徴とする請求項
   １〜８のいずれか１つの項に記載の製紙機械用プレス部
   分。
10. 【請求項１０】 第２のプレスもシュープレスとして形
    成されていることを特徴とする請求項９に記載の製紙機
    械用プレス部分。
11. 【請求項１１】 ウェブ（６）の上面に接触する受取フ
    ェルトが、ウェブ（６）を前のシーブ部分から受取り、
    そして第１のプレスの滑らかなプレス要素の上面に受け
    渡すことにより、滑らかなプレス要素がウェブ（６）の
    下側に接触することを特徴とする請求項１〜１０のいず
    れか１項に記載の製紙機械用プレス部分。
12. 【請求項１２】 受取−フェルトガイドロールが、第１
    のプレスの滑らかなプレス要素と共に、追加の前−プレ
    ス間隙を形成することを特徴とする請求項１１に記載の
    製紙機械用プレス部分。
13. 【請求項１３】 滑らかなプレス要素へのウェブ（６）
    の付着を減少するため、第１のプレスの滑らかなプレス
    要素が加熱可能であることを特徴とする請求項１〜１２
    のいずれか１項に記載の製紙機械用プレス部分。
14. 【請求項１４】 ガイドロール（１１）が軟い外面を有
    していることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか１
    項に記載の製紙機械用プレス部分。
15. 【請求項１５】 吸入ボックス（１２）が凹面の、湾曲
    した滑り面を有し、その中に、ガイドロール（１１）
    が、側面で見て、没入していることを特徴とする請求項
    １〜１４のいずれか１項に記載の製紙機械用プレス部
    分。