JP2004505153A - 改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物 - Google Patents
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Abstract
改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物を記載する。組成物は、ブチルポリマー(好ましくはハロゲン化ブチルポリマー)およびスチレン樹脂を含んでなる。スチレン樹脂は、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマー(例えば、スチレンおよびビニルトルエン)のコポリマーである。ブチルポリマー基材にくらべ、ブチルポリマー組成物の常温流動特性は、多くの他の特性と共に、改良される。
Description
【0001】
(技術分野)
その側面の一つにおいて、本発明は改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物に関する。別の側面において、本発明は改良された空気不透過性を含む特性の望ましいバランスを有するブチルゴム加硫物を製造する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
ブチルポリマーは、従来から知られ、長年市販されている。それは、多くの産業分野において有用性を見出すことの出来るエラストマーとして、本質的に満足できる様々な特性を有する。中でも満足できる本質的特性は、空気に対する不透過性、低周波振動の高制動、および老化、熱、酸、塩基、オゾンおよび他の化学物質に対する加硫後の優れた耐性である。これらの特性により、ブチルポリマーは、低いまたは減少された空気透過性を必要とする物品を含む様々の応用における使用に良く適するようになる。そのような応用の非限定例は、タイヤチューブ、タイヤ硬化ブラッダー、様々な空気袋を含む。
【0003】
ハロゲン化ブチルポリマーも従来から知られ、長年市販されている。前記のようなブチルポリマーの持つ満足できる本質的特性に加えて、ハロゲン化ブチルポリマーは、より高度に不飽和のゴムとの硬化適合性および加硫後の他のゴムへの優れた接着性も有し、そのことにより、ハロゲン化ブチルポリマーは、空気タイヤインナーライナーにおける使用に十分に適する。
これまでの技術進歩にかかわらず、まだ改良の余地がある。
【0004】
産業上重要であるブチルゴムの特性の一つは、常温流動耐性である。とりわけ、ブチルゴムの使用者は、一般にポリマーを連続した非常に長いシートに圧延する。場合により、ポリマーを、充填剤(例えばカーボンブラック)、可塑剤、粘着付与剤、エキステンダー油等の1つまたはそれ以上を予備混合してよく、そのような組成物は、加硫性組成物として特徴づけられる。
【0005】
一旦圧延シートを製造すれば、折りたたまれたシートの高さが数フィートであるように、パレット上でシートを、可逆的に、または交互の向きに(wig−wag)折りたたむことが全く一般的である。輸送または貯蔵中に加硫性組成物が常温流動を受けやすい場合、折りたたまれたポリマーシートの重量により、表面の被覆が(特に積み重なったシートの下部で)破壊され、隣接する新しい表面が接触することになり、これにより、シートの貼り付きが生じる。この問題は、遠距離輸送または長期貯蔵の間、および/または高い室温で、悪化する。加硫性組成物が更なる加工のため準備される時間までに、それがパレット上に置かれる方法と比べて、一枚のシートとして取り出すことはより困難である。
【0006】
パレット上により少量のポリマーを置くことにより、これをいくらか軽減することは出来るが、こうすると、所定量の加硫性組成物を輸送または貯蔵するのに必要なパレットの数が増し、それゆえ高コストとなる。
【0007】
米国特許4754793(Mohammed)は、減少されたガス透過性を有するブチルエラストマー組成物を開示している。特に、同特許は、ブチルポリマー、α−メチルスチレンホモポリマー、硬化系中のカーボンブラック、および場合により炭化水素エキステンダー油を含んでなるゴム組成物を開示している。Mohammedの特許は、α−メチルスチレンホモポリマーの添加がブチルポリマーの常温流動に及ぼす効果を教示も示唆もしていない。
【0008】
更に、発明者の知る限り、α−メチルスチレンホモポリマーは、ブチルポリマー組成物中の添加剤として使用するのに工業的に十分な量で入手できない。主たる理由は、Mohammed特許により想定されているような添加剤として使用するために、その物質を大量に製造することを非現実的にする効力を持つ環境に関する法律が強化されたことであろう。従って、Mohammed特許の教示は有用であるが、α−メチルスチレンホモポリマーを有意な工業的量で入手困難なことから、その工業的重要性は幾分限定される。
従って、改良された常温流動特性およびバランスのとれた他の特性、たとえば空気不透過性、生強度および加工性を有するブチルポリマー組成物を提供することは望ましいことであった。
【0009】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
改良された常温流動特性を有する新規ブチルポリマー組成物を提供することが本発明の目的である。
ブチルポリマー加硫物の新規製造方法を提供することが、本発明のもう一つの課題である。
【0010】
(その解決方法)
従って、その側面の一つにおいて、本発明は、改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物であって、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂を含んでなり、スチレン樹脂は、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーの第一コポリマーを含んでなる組成物を提供する。
即ち、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーのコポリマーであるスチレン樹脂の使用が、ブチルポリマー組成物中の添加剤として使用した場合、利な結果を与えることが見出された。特に、そのような添加剤の使用は、ブチルゴム組成物および/またはそれらから製造される加硫物に対して以下の改良を与えることは、予想外であり、驚くべきことである:
・ブチルポリマーの生強度の上昇、
・ブチルポリマー組成物の常温流動の低下、
・ブチルポリマー組成物が金属に付着する傾向の減少、および
・ブチルポリマー組成物から製造される加硫物の所望の機械特性。
これらの利点は、ブチルポリマー組成物およびそれらから製造される加硫物の他の重要な特性を著しく損なうことは無いようである。
【0011】
本発明の形態を、添付した図面を参照して説明する。
図1〜14は、以下に述べる実施例中で製造される、ポリマー組成物およびそれらから得られる加硫物の、様々な物理特性を示している。
【0012】
以上の記載のように、本発明のある側面は、ブチルポリマー組成物に関する。
本発明のブチルポリマー組成物の1つの成分は、ブチルポリマーである。
「ブチルポリマー」、「ブチルゴム」および「ブチルゴムポリマー」なる用語は、本明細書全体において互換的に用いられ、イソオレフィンモノマーの主部分と多価オレフィンの副部分の反応により製造されるポリマーを意味することを意図している。
【0013】
ブチルポリマーは、好ましくは、C4〜C8モノオレフィンおよびC4〜C14多価オレフィンモノマーのコポリマーを含む。
好ましいC4〜C8モノオレフィンは、イソモノオレフィンを含んでなる。有用なモノオレフィンモノマーの非限定例は、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。
好ましいC4〜C14多価オレフィンは、C4〜C10共役ジオレフィンを含んでなる。有用な共役ジオレフィンの非限定例は、イソプレン、ブタジエン、2,4−ジメチルブタジエン、ピペリレン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,6−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、1−ビニルシクロヘキサジエンおよびそれらの混合物から成る群から選ばれてよい。
【0014】
ブチルポリマーは、C4〜C8モノオレフィンモノマー約70〜99.5質量部およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約30〜0.5質量%を含んでなる混合物から得ることができる。より好ましくは、ブチルポリマーは、C4〜C8モノオレフィンモノマー約80〜99.5質量部およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約20〜0.5質量%を含んでなる混合物から得ることができる。
本発明のブチルポリマー組成物中で使用するための最も好ましいブチルポリマーは、イソブチレン約97〜99.5質量部およびイソプレン約3〜0.5質量%を含んでなる混合物から得られる。
【0015】
本発明において有用なブチルポリマーの製造方法は特に限定されず、当業者に既知の範囲である。
当業者なら、ブチルターポリマーを製造するために所望により第三モノマーを含むことも可能であることを認識するであろう。例えば、モノマー混合物中に、好ましくはモノマー混合物の約15質量%までの量で、スチレン性モノマーを含むことが出来る。好ましいスチレン性モノマーは、p−メチルスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、インデン、インデン誘導体およびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。最も好ましいスチレン性モノマーは、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。他の適当な共重合可能なターモノマーは、当業者に明らかである。
【0016】
本発明のブチルポリマー組成物に使用するための特に好ましいブチルポリマーは、ハロゲン化ブチルポリマー、特に塩素化ブチルポリマーおよび臭素化ブチルポリマーである。好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約0.1〜8質量%の量でハロゲンを含む。より好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約0.5〜4質量%の量でハロゲンを含む。最も好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約1.5〜3質量%の量でハロゲンを含む。
【0017】
ハロゲン化ブチルポリマーは、通常の方法で予め製造されたブチルポリマーをハロゲン化することにより製造されてよい。例えば、米国特許5886106参照。即ち、ハロゲン化ブチルゴムは、微粉砕ブチルゴムを塩素または臭素、好ましくは臭素のようなハロゲン化剤により処理することにより、または、予め製造されたブチルゴムとN−ブロモコハク酸イミドのような臭素化剤を混合装置中で強く混合することにより臭素化ブチルゴムを製造することにより、製造することができる。別法として、予め製造したブチルゴムの適当な有機溶剤中の溶液または分散体を、対応する臭素化剤で処理して、ハロゲン化ブチルゴムを製造してもよい。詳細は、Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (Fifth, Completely Revised Edition, A23巻; Elversら編)参照。この方法におけるハロゲン化の量は、最終ポリマーが前記ハロゲンの適当な量を有するように制御することができる。
【0018】
本発明のブチルポリマー組成物の他方の成分は、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーの第一コポリマーを含むスチレン樹脂である。
他のスチレン性モノマーは、スチレン、ビニルスチレン、p−メチルスチレン(ビニルトルエン)、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、インデン、インデン誘導体およびそれらの混合物からなる群から好ましく選ばれる。最も好ましいスチレン性モノマーは、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる。α−メチルスチレンおよびそのようなスチレン性モノマーのコポリマーは既知であり、従って当業者に既知である。
【0019】
本発明において有用なα−メチルスチレンおよびスチレンのコポリマーは、Kristalex(登録商標)1120の商品名でHercules Inc.により市販されている。
本発明において有用なα−メチルスチレンおよびビニルトルエンのコポリマーは、Piccotex(登録商標)120の商品名でHercules Inc.により、市販されている。
スチレン樹脂は、好ましくは、ブチルポリマー100質量部に対して約25質量部までの量で存在する。より好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約5〜20質量部の範囲の量で存在する。更により好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約5〜15質量部の範囲の量で存在する。最も好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約10〜15質量部の範囲の量で存在する。
【0020】
好ましくは、本発明のブチルポリマー組成物は、充填剤を更に含む。充填剤の性質は特に制限されず、適当な充填剤の選択は当業者に既知の範囲である。適当な充填剤の非限定例は、カーボンブラック(たとえば、FEF、MT、GPFおよびSRF)、粘土、二酸化チタン、シリカ充填剤(不飽和シラン含有または不含有)、炭酸カルシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)などを含む。充填剤の量は常套量である。好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約20〜200質量部の範囲の量で存在する。より好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約20〜100質量部の範囲の量で存在する。最も好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約40〜80質量部の範囲の量で存在する。
【0021】
本発明のブチルポリマー組成物は、炭化水素エキステンダー油を更に含んでよい。炭化水素エキステンダー油の使用は、この分野ではよく知られている。適当なエキステンダー油は、パラフィンまたはナフテン系エキステンダー油、好ましくはパラフィン系エキステンダー油である。ブチルゴム加硫物にそのようなエキステンダー油を使用すると、そのような加硫物の空気透過性を一般に増加させることもこの分野で既知である。従って、もし本発明のブチルポリマー組成物に使用されるなら、そのような炭化水素エキステンダー油は、小量で存在するべきである。好ましくは、エキステンダー油は、組成物中ブチルポリマー100質量部につき、0〜約7、好ましくは0〜約4質量部の量で存在する。
【0022】
本発明のブチルポリマー組成物は、硬化系を更に含んでよい。使用に適した硬化系の選択は特に制限されず、当業者に既知の範囲である。典型的な硬化系は、(i)金属酸化物、(ii)硫黄単体、および(iii)少なくとも1つの硫黄系促進剤を含んでなる。硬化系の成分としての金属酸化物の使用は、この分野で既知である。適当な金属酸化物は酸化亜鉛であって、組成物中のブチルポリマー100質量部につき、約1〜10、好ましくは約2〜5質量部の量で典型的に用いられる。好ましい硬化系の成分(ii)である硫黄単体は、組成物中のブチルポリマー100質量部につき約0.2〜2質量部の量で典型的に用いられる。適当な、硫黄系促進剤(硬化系の成分(iii))は、組成物中のブチルポリマー100質量部につき、約0.5〜3質量部の量で典型的に用いられる。有用な、硫黄系促進剤の非限定例は、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等のチウラムスルフィド、ジメチルジチオカルバメート亜鉛(ZDC)等のチオカルバメート、並びにメルカプトベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)等のチアジルおよびベンゾチアジル化合物から選ばれてよい。好ましくは、硫黄系促進剤は、メルカプトベンゾチアジルジスルフィドである。
【0023】
安定剤、抗酸化剤および粘着付与剤も、常法により通常の量で、ブチルゴムポリマーに配合するために添加されてよい。
【0024】
本発明の様々な成分の混合方法は、特に制限されない。1つの態様において、前記ゴム組成物の成分全ては、密閉式ミキサー中約80℃を超えない初期温度で機械的に混合され、その後通常の方法で加硫されてよい。別の態様において、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂は溶液ブレンドされてよく、残りの成分と機械的に混合する前にブレンド物を溶液から回収し、次いで、通常の方法で加硫してもよい。従って、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂のブレンドは、相互に相溶性のある炭化水素溶剤中のポリマーの溶液を用いて適切に行われる。そのようなブレンド物を溶剤除去のようなおよび乾燥等の通常の回収技術により溶液から回収し、その後、前記方法で配合および加硫してよい。更に別の態様において、ブチルゴムの製造方法の最終段階の間に、塊状でスチレン樹脂をブチルポリマーに加えてよい。
【0025】
一般に、配合工程は二段階で実施することが好ましい。
第一段階において、カーボンブラック、炭化水素エキステンダー油、粘着付与剤、安定剤、加工助剤および抗酸化剤の1つまたはそれ以上の成分を常套法により配合することにより、ポリマーと混合してよい。これにより、輸送、貯蔵および/または加硫できる加硫組成物が製造される。
配合工程の第二段階において、加硫が行われる。特に、1つまたはそれ以上の硬化剤を、配合の第一段階で得られた加硫可能な組成物へ好ましく加える。これは、通常約60℃を超えない温度で操作されるゴム用ロール機または密閉式ミキサーで好ましく行うことが出来る。硬化剤成分は、硫黄単体、促進剤、酸化亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。
【0026】
硬化剤の添加後、エラストマー加硫物を得るために、例えば約150〜200℃の温度で約5〜60分間加熱する、通常の方法で加硫組成物を硬化してよい。
【0027】
(実施例)
本発明の態様を、以下の実施例を参照して説明するが、これら実施例は、本発明の範囲を解釈または限定するために使用されてはならない。
実施例中、以下の材料を用いた:
BB 2030: Bayer Inc.からPOLYSER(登録商標)Bromobutyl 2030の商品名で入手可能なハロゲン含量2.0質量%の臭素化ブチルゴム;
N−660: Sterling−Vから入手可能なカーボンブラック;
Sunper 2280:Sun Refining & Marketing Co.から入手可能なパラフィン油;
HCR#1:Hercules Inc.からKristalex(登録商標)1120の商品名で入手可能なα−メチルスチレン−スチレンコポリマー(Mw = 2950; Tg = 56℃; 軟化点 = 120℃);
HCR#2:Hercules Inc.からPiccotex(登録商標)120の商品名で入手可能なα−メチルスチレン−ビニルトルエンコポリマー(Mw = 3800; Tg = 68℃; 軟化点 = 118℃);
Pentalyn ”A”:粘着付与剤として用いられるロジンのペンタエリトリトールエステル;
ステアリン酸:活性剤/加工助剤として使用;
MBTS:Vulcacit(登録商標)DM/Cの商品名で入手可能な、促進剤として用いられるメルカプトベンゾチアジルジスルフィド;
硫黄:硬化剤;および
ZnO:Kadox(登録商標)の商品名で入手可能な、加硫剤として用いられる酸化亜鉛。
実施例中の成分の量は、別段の記載がない限り、質量部を意味する。
【0028】
実施例1〜3
これら実施例で使用された臭素化ブチルゴムの処方を表1に示す。当業者により理解されるように、実施例1はスチレン樹脂を含んでおらず、従ってこの実施例を比較の目的でのみ提示する。実施例2および3において、実施例1で用いたエキステンダー油を、特定したスチレンポリマーに置き換えた。
【0029】
硫黄および酸化亜鉛を除く全ての成分を、バンバリーミキサー中で3分間混合した。冷却水の温度を約30℃にしながら反応混合物を冷却した。その後、混合物を10”×20”の冷却ロールへ移した。硫黄および酸化亜鉛を加え、得られた混合物を、添加剤が取りこまれるまでロール練りした。この時点で、混合物の以下の非加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
コンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4、100℃における)−図1;
生強度(23℃における)−図2、および
硬化速度−図3。
【0030】
その後、加硫性混合物を166℃で30分間硬化した。加硫物の以下の特性を測定し、結果を添付図に示した:
応力/歪(ダイC、23℃において試験)−図4;
硬度(ショアーA)−図5;
応力/歪(熱オーブンエージング:168時間、120℃における)−図6;
空気透過性(65.5℃において試験)−図7;、および
ゴム接着試験−図8。
【0031】
図1によれば、スチレンポリマーをブチルポリマーへ添加した時、ムーニー粘度のわずかな増加があることが分かる。これは、合格限界内である。
図2によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物の生強度が、実施例1のそれよりも大きく改善されており、結果においてこれは、ブチルポリマー組成物の常温流動特性の改善と同等である。
図3によれば、硬化速度(90%硬化までの時間)が、実施例1のそれと比べて、実施例2および3のブチル組成物についてほぼ同等であることが分かる。
図4によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物の応力/歪特性が、実施例1のそれと比べてわずかに増加していることが分かる。
図5によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物から得られる加硫ゴムの硬度は、実施例1のそれと比べて増加していることが分かる。
【0032】
図6によれば、実施例2および3で製造される加硫物の熱空気エージング特性が、実施例1のそれと類似している(すなわち、ブチルポリマー組成物へのスチレンポリマーの添加の結果として、この特性の明白な劣化はない)ことが分かる。
図7によれば、実施例1の加硫物と比べた場合、実施例2および3の加硫物において空気透過性が減少していることが分かる(すなわち、本発明のブチルポリマー組成物中のスチレンポリマー添加剤の使用が、得られる加硫ゴムの空気不透過性を増している)。
図8によれば、実施例2および3の加硫物の接着特性が、実施例1の加硫物と比べた場合、増加していることが分かる(タイヤカーカスへのインナーライナーの接着により測定)。
【0033】
実施例4〜14
これら実施例中で使用される臭素化ブチルゴム組成物の処方を、表2に示す。当業者により理解されるように、実施例4は、スチレン樹脂を含んでおらず、従って、この例を比較の目的にのみ準備した。実施例5〜14は、スチレン樹脂およびエキステンダー油の様々な組み合わせを含む。
処方を混合するために用いた方法は、実施例1〜3の記載と同じである。
【0034】
混合物の以下の非加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
コンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4、100℃における)−図9;
コンパウンドムーニースコーチ(125℃)−図10;
生強度(23℃における)−図11。
【0035】
以下の加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
応力/歪(ダイC、23℃において)−図12;
硬度(ショアーA)−図13;および
空気透過性(65.5℃において試験)−図14。
【0036】
図9により、炭化水素エキステンダー油およびスチレンポリマーの組み合わせが、スチレンポリマー添加剤のない場合と炭化水素エキステンダー油添加剤がない場合の間で、コンパウンドムーニー粘度を調節するのに有用であることが分かる。
コンパウンドムーニースコーチに関して、同様な傾向が図10中に見られる。
図11によれば、生強度30〜50%の増加が、2〜15部のスチレンポリマーをエキステンダー油0〜2部と共に用いることにより可能であり、これはブチルゴム組成物の常温流動特性における顕著な改良を意味する。
図12によれば、実施例4で製造した加硫物と比べて、実施例5〜14の加硫物の応力/歪特性に顕著な劣化はないことが分かる。
【0037】
図13によれば、実施例4で製造した加硫物と比べて、実施例5〜14におけるスチレンポリマーの添加は、得られる加硫物の硬度に悪影響を及ぼさないことが分かる。
図14によれば、実施例4の加硫物と比べて、実施例5〜14の加硫物で空気透過性が減少している、すなわちスチレンポリマー添加剤のブチルポリマー組成物中での使用が、得られる加硫物の空気不透過性を増すことが分かる。
【0038】
結論として、本発明のブチルポリマーが、従来技術と比べて改善されたある特性(生強度および常温流動等)を、他の重要な特性(空気透過性等)に悪影響を与えることなく、有することがはっきりと理解できる。
【0039】
本発明は、例としての態様および実施例を参照して説明したが、その記述は限定的に解釈されることを意図していない。従って、例示した態様の様々な改変が、本明細書の記載を参照すれば、当業者には明らかになるであろう。故に、添付の請求の範囲はそのような改変または態様を包含することが理解される。
ここで言及された全ての出版物、特許および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、特許出願がその全体を参照して組み込まれているのと同等に、それらの全体を参照して組み込む。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4 100C)のグラフ。
【図2】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の生強度 23℃のグラフ。
【図3】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のTc90:MDR(3deg arc, 166, 30分)のグラフ。
【図4】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の応力/歪(166C30分硬化、ダイC、23C試験)のグラフ。
【図5】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の硬度のグラフ。
【図6】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の応力/歪(熱オーブンエージング、120C168時間)のグラフ。
【図7】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の空気透過性(166C30分硬化、65.5C試験)のグラフ。
【図8】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のゴム接着(Pirelli、166C30分硬化、100C試験)のグラフ。
【図9】実施例4−14におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度(ML 1 +4@ 100C)のグラフ。
【図10】実施例4−14におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニースコーチ(大型ローター、125C)のグラフ。
【図11】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の生強度(T=23C)のグラフ。
【図12】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の応力歪(ダイC、23C、166C30分硬化)のグラフ。
【図13】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の硬度(ショアーA2)のグラフ。
【図14】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の空気透過性(65.5C、50psi)のグラフ。
(技術分野)
その側面の一つにおいて、本発明は改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物に関する。別の側面において、本発明は改良された空気不透過性を含む特性の望ましいバランスを有するブチルゴム加硫物を製造する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
ブチルポリマーは、従来から知られ、長年市販されている。それは、多くの産業分野において有用性を見出すことの出来るエラストマーとして、本質的に満足できる様々な特性を有する。中でも満足できる本質的特性は、空気に対する不透過性、低周波振動の高制動、および老化、熱、酸、塩基、オゾンおよび他の化学物質に対する加硫後の優れた耐性である。これらの特性により、ブチルポリマーは、低いまたは減少された空気透過性を必要とする物品を含む様々の応用における使用に良く適するようになる。そのような応用の非限定例は、タイヤチューブ、タイヤ硬化ブラッダー、様々な空気袋を含む。
【0003】
ハロゲン化ブチルポリマーも従来から知られ、長年市販されている。前記のようなブチルポリマーの持つ満足できる本質的特性に加えて、ハロゲン化ブチルポリマーは、より高度に不飽和のゴムとの硬化適合性および加硫後の他のゴムへの優れた接着性も有し、そのことにより、ハロゲン化ブチルポリマーは、空気タイヤインナーライナーにおける使用に十分に適する。
これまでの技術進歩にかかわらず、まだ改良の余地がある。
【0004】
産業上重要であるブチルゴムの特性の一つは、常温流動耐性である。とりわけ、ブチルゴムの使用者は、一般にポリマーを連続した非常に長いシートに圧延する。場合により、ポリマーを、充填剤(例えばカーボンブラック)、可塑剤、粘着付与剤、エキステンダー油等の1つまたはそれ以上を予備混合してよく、そのような組成物は、加硫性組成物として特徴づけられる。
【0005】
一旦圧延シートを製造すれば、折りたたまれたシートの高さが数フィートであるように、パレット上でシートを、可逆的に、または交互の向きに(wig−wag)折りたたむことが全く一般的である。輸送または貯蔵中に加硫性組成物が常温流動を受けやすい場合、折りたたまれたポリマーシートの重量により、表面の被覆が(特に積み重なったシートの下部で)破壊され、隣接する新しい表面が接触することになり、これにより、シートの貼り付きが生じる。この問題は、遠距離輸送または長期貯蔵の間、および/または高い室温で、悪化する。加硫性組成物が更なる加工のため準備される時間までに、それがパレット上に置かれる方法と比べて、一枚のシートとして取り出すことはより困難である。
【0006】
パレット上により少量のポリマーを置くことにより、これをいくらか軽減することは出来るが、こうすると、所定量の加硫性組成物を輸送または貯蔵するのに必要なパレットの数が増し、それゆえ高コストとなる。
【0007】
米国特許4754793(Mohammed)は、減少されたガス透過性を有するブチルエラストマー組成物を開示している。特に、同特許は、ブチルポリマー、α−メチルスチレンホモポリマー、硬化系中のカーボンブラック、および場合により炭化水素エキステンダー油を含んでなるゴム組成物を開示している。Mohammedの特許は、α−メチルスチレンホモポリマーの添加がブチルポリマーの常温流動に及ぼす効果を教示も示唆もしていない。
【0008】
更に、発明者の知る限り、α−メチルスチレンホモポリマーは、ブチルポリマー組成物中の添加剤として使用するのに工業的に十分な量で入手できない。主たる理由は、Mohammed特許により想定されているような添加剤として使用するために、その物質を大量に製造することを非現実的にする効力を持つ環境に関する法律が強化されたことであろう。従って、Mohammed特許の教示は有用であるが、α−メチルスチレンホモポリマーを有意な工業的量で入手困難なことから、その工業的重要性は幾分限定される。
従って、改良された常温流動特性およびバランスのとれた他の特性、たとえば空気不透過性、生強度および加工性を有するブチルポリマー組成物を提供することは望ましいことであった。
【0009】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
改良された常温流動特性を有する新規ブチルポリマー組成物を提供することが本発明の目的である。
ブチルポリマー加硫物の新規製造方法を提供することが、本発明のもう一つの課題である。
【0010】
(その解決方法)
従って、その側面の一つにおいて、本発明は、改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物であって、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂を含んでなり、スチレン樹脂は、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーの第一コポリマーを含んでなる組成物を提供する。
即ち、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーのコポリマーであるスチレン樹脂の使用が、ブチルポリマー組成物中の添加剤として使用した場合、利な結果を与えることが見出された。特に、そのような添加剤の使用は、ブチルゴム組成物および/またはそれらから製造される加硫物に対して以下の改良を与えることは、予想外であり、驚くべきことである:
・ブチルポリマーの生強度の上昇、
・ブチルポリマー組成物の常温流動の低下、
・ブチルポリマー組成物が金属に付着する傾向の減少、および
・ブチルポリマー組成物から製造される加硫物の所望の機械特性。
これらの利点は、ブチルポリマー組成物およびそれらから製造される加硫物の他の重要な特性を著しく損なうことは無いようである。
【0011】
本発明の形態を、添付した図面を参照して説明する。
図1〜14は、以下に述べる実施例中で製造される、ポリマー組成物およびそれらから得られる加硫物の、様々な物理特性を示している。
【0012】
以上の記載のように、本発明のある側面は、ブチルポリマー組成物に関する。
本発明のブチルポリマー組成物の1つの成分は、ブチルポリマーである。
「ブチルポリマー」、「ブチルゴム」および「ブチルゴムポリマー」なる用語は、本明細書全体において互換的に用いられ、イソオレフィンモノマーの主部分と多価オレフィンの副部分の反応により製造されるポリマーを意味することを意図している。
【0013】
ブチルポリマーは、好ましくは、C4〜C8モノオレフィンおよびC4〜C14多価オレフィンモノマーのコポリマーを含む。
好ましいC4〜C8モノオレフィンは、イソモノオレフィンを含んでなる。有用なモノオレフィンモノマーの非限定例は、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。
好ましいC4〜C14多価オレフィンは、C4〜C10共役ジオレフィンを含んでなる。有用な共役ジオレフィンの非限定例は、イソプレン、ブタジエン、2,4−ジメチルブタジエン、ピペリレン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,6−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、1−ビニルシクロヘキサジエンおよびそれらの混合物から成る群から選ばれてよい。
【0014】
ブチルポリマーは、C4〜C8モノオレフィンモノマー約70〜99.5質量部およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約30〜0.5質量%を含んでなる混合物から得ることができる。より好ましくは、ブチルポリマーは、C4〜C8モノオレフィンモノマー約80〜99.5質量部およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約20〜0.5質量%を含んでなる混合物から得ることができる。
本発明のブチルポリマー組成物中で使用するための最も好ましいブチルポリマーは、イソブチレン約97〜99.5質量部およびイソプレン約3〜0.5質量%を含んでなる混合物から得られる。
【0015】
本発明において有用なブチルポリマーの製造方法は特に限定されず、当業者に既知の範囲である。
当業者なら、ブチルターポリマーを製造するために所望により第三モノマーを含むことも可能であることを認識するであろう。例えば、モノマー混合物中に、好ましくはモノマー混合物の約15質量%までの量で、スチレン性モノマーを含むことが出来る。好ましいスチレン性モノマーは、p−メチルスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、インデン、インデン誘導体およびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。最も好ましいスチレン性モノマーは、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。他の適当な共重合可能なターモノマーは、当業者に明らかである。
【0016】
本発明のブチルポリマー組成物に使用するための特に好ましいブチルポリマーは、ハロゲン化ブチルポリマー、特に塩素化ブチルポリマーおよび臭素化ブチルポリマーである。好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約0.1〜8質量%の量でハロゲンを含む。より好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約0.5〜4質量%の量でハロゲンを含む。最も好ましくは、ハロゲン化ブチルポリマーは、ポリマーの約1.5〜3質量%の量でハロゲンを含む。
【0017】
ハロゲン化ブチルポリマーは、通常の方法で予め製造されたブチルポリマーをハロゲン化することにより製造されてよい。例えば、米国特許5886106参照。即ち、ハロゲン化ブチルゴムは、微粉砕ブチルゴムを塩素または臭素、好ましくは臭素のようなハロゲン化剤により処理することにより、または、予め製造されたブチルゴムとN−ブロモコハク酸イミドのような臭素化剤を混合装置中で強く混合することにより臭素化ブチルゴムを製造することにより、製造することができる。別法として、予め製造したブチルゴムの適当な有機溶剤中の溶液または分散体を、対応する臭素化剤で処理して、ハロゲン化ブチルゴムを製造してもよい。詳細は、Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (Fifth, Completely Revised Edition, A23巻; Elversら編)参照。この方法におけるハロゲン化の量は、最終ポリマーが前記ハロゲンの適当な量を有するように制御することができる。
【0018】
本発明のブチルポリマー組成物の他方の成分は、α−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーの第一コポリマーを含むスチレン樹脂である。
他のスチレン性モノマーは、スチレン、ビニルスチレン、p−メチルスチレン(ビニルトルエン)、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、インデン、インデン誘導体およびそれらの混合物からなる群から好ましく選ばれる。最も好ましいスチレン性モノマーは、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる。α−メチルスチレンおよびそのようなスチレン性モノマーのコポリマーは既知であり、従って当業者に既知である。
【0019】
本発明において有用なα−メチルスチレンおよびスチレンのコポリマーは、Kristalex(登録商標)1120の商品名でHercules Inc.により市販されている。
本発明において有用なα−メチルスチレンおよびビニルトルエンのコポリマーは、Piccotex(登録商標)120の商品名でHercules Inc.により、市販されている。
スチレン樹脂は、好ましくは、ブチルポリマー100質量部に対して約25質量部までの量で存在する。より好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約5〜20質量部の範囲の量で存在する。更により好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約5〜15質量部の範囲の量で存在する。最も好ましくは、スチレン樹脂は、ブチルポリマー100質量部に対して約10〜15質量部の範囲の量で存在する。
【0020】
好ましくは、本発明のブチルポリマー組成物は、充填剤を更に含む。充填剤の性質は特に制限されず、適当な充填剤の選択は当業者に既知の範囲である。適当な充填剤の非限定例は、カーボンブラック(たとえば、FEF、MT、GPFおよびSRF)、粘土、二酸化チタン、シリカ充填剤(不飽和シラン含有または不含有)、炭酸カルシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)などを含む。充填剤の量は常套量である。好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約20〜200質量部の範囲の量で存在する。より好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約20〜100質量部の範囲の量で存在する。最も好ましくは、充填剤は、ポリマー100質量部に対して約40〜80質量部の範囲の量で存在する。
【0021】
本発明のブチルポリマー組成物は、炭化水素エキステンダー油を更に含んでよい。炭化水素エキステンダー油の使用は、この分野ではよく知られている。適当なエキステンダー油は、パラフィンまたはナフテン系エキステンダー油、好ましくはパラフィン系エキステンダー油である。ブチルゴム加硫物にそのようなエキステンダー油を使用すると、そのような加硫物の空気透過性を一般に増加させることもこの分野で既知である。従って、もし本発明のブチルポリマー組成物に使用されるなら、そのような炭化水素エキステンダー油は、小量で存在するべきである。好ましくは、エキステンダー油は、組成物中ブチルポリマー100質量部につき、0〜約7、好ましくは0〜約4質量部の量で存在する。
【0022】
本発明のブチルポリマー組成物は、硬化系を更に含んでよい。使用に適した硬化系の選択は特に制限されず、当業者に既知の範囲である。典型的な硬化系は、(i)金属酸化物、(ii)硫黄単体、および(iii)少なくとも1つの硫黄系促進剤を含んでなる。硬化系の成分としての金属酸化物の使用は、この分野で既知である。適当な金属酸化物は酸化亜鉛であって、組成物中のブチルポリマー100質量部につき、約1〜10、好ましくは約2〜5質量部の量で典型的に用いられる。好ましい硬化系の成分(ii)である硫黄単体は、組成物中のブチルポリマー100質量部につき約0.2〜2質量部の量で典型的に用いられる。適当な、硫黄系促進剤(硬化系の成分(iii))は、組成物中のブチルポリマー100質量部につき、約0.5〜3質量部の量で典型的に用いられる。有用な、硫黄系促進剤の非限定例は、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等のチウラムスルフィド、ジメチルジチオカルバメート亜鉛(ZDC)等のチオカルバメート、並びにメルカプトベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)等のチアジルおよびベンゾチアジル化合物から選ばれてよい。好ましくは、硫黄系促進剤は、メルカプトベンゾチアジルジスルフィドである。
【0023】
安定剤、抗酸化剤および粘着付与剤も、常法により通常の量で、ブチルゴムポリマーに配合するために添加されてよい。
【0024】
本発明の様々な成分の混合方法は、特に制限されない。1つの態様において、前記ゴム組成物の成分全ては、密閉式ミキサー中約80℃を超えない初期温度で機械的に混合され、その後通常の方法で加硫されてよい。別の態様において、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂は溶液ブレンドされてよく、残りの成分と機械的に混合する前にブレンド物を溶液から回収し、次いで、通常の方法で加硫してもよい。従って、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂のブレンドは、相互に相溶性のある炭化水素溶剤中のポリマーの溶液を用いて適切に行われる。そのようなブレンド物を溶剤除去のようなおよび乾燥等の通常の回収技術により溶液から回収し、その後、前記方法で配合および加硫してよい。更に別の態様において、ブチルゴムの製造方法の最終段階の間に、塊状でスチレン樹脂をブチルポリマーに加えてよい。
【0025】
一般に、配合工程は二段階で実施することが好ましい。
第一段階において、カーボンブラック、炭化水素エキステンダー油、粘着付与剤、安定剤、加工助剤および抗酸化剤の1つまたはそれ以上の成分を常套法により配合することにより、ポリマーと混合してよい。これにより、輸送、貯蔵および/または加硫できる加硫組成物が製造される。
配合工程の第二段階において、加硫が行われる。特に、1つまたはそれ以上の硬化剤を、配合の第一段階で得られた加硫可能な組成物へ好ましく加える。これは、通常約60℃を超えない温度で操作されるゴム用ロール機または密閉式ミキサーで好ましく行うことが出来る。硬化剤成分は、硫黄単体、促進剤、酸化亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。
【0026】
硬化剤の添加後、エラストマー加硫物を得るために、例えば約150〜200℃の温度で約5〜60分間加熱する、通常の方法で加硫組成物を硬化してよい。
【0027】
(実施例)
本発明の態様を、以下の実施例を参照して説明するが、これら実施例は、本発明の範囲を解釈または限定するために使用されてはならない。
実施例中、以下の材料を用いた:
BB 2030: Bayer Inc.からPOLYSER(登録商標)Bromobutyl 2030の商品名で入手可能なハロゲン含量2.0質量%の臭素化ブチルゴム;
N−660: Sterling−Vから入手可能なカーボンブラック;
Sunper 2280:Sun Refining & Marketing Co.から入手可能なパラフィン油;
HCR#1:Hercules Inc.からKristalex(登録商標)1120の商品名で入手可能なα−メチルスチレン−スチレンコポリマー(Mw = 2950; Tg = 56℃; 軟化点 = 120℃);
HCR#2:Hercules Inc.からPiccotex(登録商標)120の商品名で入手可能なα−メチルスチレン−ビニルトルエンコポリマー(Mw = 3800; Tg = 68℃; 軟化点 = 118℃);
Pentalyn ”A”:粘着付与剤として用いられるロジンのペンタエリトリトールエステル;
ステアリン酸:活性剤/加工助剤として使用;
MBTS:Vulcacit(登録商標)DM/Cの商品名で入手可能な、促進剤として用いられるメルカプトベンゾチアジルジスルフィド;
硫黄:硬化剤;および
ZnO:Kadox(登録商標)の商品名で入手可能な、加硫剤として用いられる酸化亜鉛。
実施例中の成分の量は、別段の記載がない限り、質量部を意味する。
【0028】
実施例1〜3
これら実施例で使用された臭素化ブチルゴムの処方を表1に示す。当業者により理解されるように、実施例1はスチレン樹脂を含んでおらず、従ってこの実施例を比較の目的でのみ提示する。実施例2および3において、実施例1で用いたエキステンダー油を、特定したスチレンポリマーに置き換えた。
【0029】
硫黄および酸化亜鉛を除く全ての成分を、バンバリーミキサー中で3分間混合した。冷却水の温度を約30℃にしながら反応混合物を冷却した。その後、混合物を10”×20”の冷却ロールへ移した。硫黄および酸化亜鉛を加え、得られた混合物を、添加剤が取りこまれるまでロール練りした。この時点で、混合物の以下の非加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
コンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4、100℃における)−図1;
生強度(23℃における)−図2、および
硬化速度−図3。
【0030】
その後、加硫性混合物を166℃で30分間硬化した。加硫物の以下の特性を測定し、結果を添付図に示した:
応力/歪(ダイC、23℃において試験)−図4;
硬度(ショアーA)−図5;
応力/歪(熱オーブンエージング:168時間、120℃における)−図6;
空気透過性(65.5℃において試験)−図7;、および
ゴム接着試験−図8。
【0031】
図1によれば、スチレンポリマーをブチルポリマーへ添加した時、ムーニー粘度のわずかな増加があることが分かる。これは、合格限界内である。
図2によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物の生強度が、実施例1のそれよりも大きく改善されており、結果においてこれは、ブチルポリマー組成物の常温流動特性の改善と同等である。
図3によれば、硬化速度(90%硬化までの時間)が、実施例1のそれと比べて、実施例2および3のブチル組成物についてほぼ同等であることが分かる。
図4によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物の応力/歪特性が、実施例1のそれと比べてわずかに増加していることが分かる。
図5によれば、実施例2および3のブチルポリマー組成物から得られる加硫ゴムの硬度は、実施例1のそれと比べて増加していることが分かる。
【0032】
図6によれば、実施例2および3で製造される加硫物の熱空気エージング特性が、実施例1のそれと類似している(すなわち、ブチルポリマー組成物へのスチレンポリマーの添加の結果として、この特性の明白な劣化はない)ことが分かる。
図7によれば、実施例1の加硫物と比べた場合、実施例2および3の加硫物において空気透過性が減少していることが分かる(すなわち、本発明のブチルポリマー組成物中のスチレンポリマー添加剤の使用が、得られる加硫ゴムの空気不透過性を増している)。
図8によれば、実施例2および3の加硫物の接着特性が、実施例1の加硫物と比べた場合、増加していることが分かる(タイヤカーカスへのインナーライナーの接着により測定)。
【0033】
実施例4〜14
これら実施例中で使用される臭素化ブチルゴム組成物の処方を、表2に示す。当業者により理解されるように、実施例4は、スチレン樹脂を含んでおらず、従って、この例を比較の目的にのみ準備した。実施例5〜14は、スチレン樹脂およびエキステンダー油の様々な組み合わせを含む。
処方を混合するために用いた方法は、実施例1〜3の記載と同じである。
【0034】
混合物の以下の非加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
コンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4、100℃における)−図9;
コンパウンドムーニースコーチ(125℃)−図10;
生強度(23℃における)−図11。
【0035】
以下の加硫ゴム特性を測定し、結果を添付図に示した:
応力/歪(ダイC、23℃において)−図12;
硬度(ショアーA)−図13;および
空気透過性(65.5℃において試験)−図14。
【0036】
図9により、炭化水素エキステンダー油およびスチレンポリマーの組み合わせが、スチレンポリマー添加剤のない場合と炭化水素エキステンダー油添加剤がない場合の間で、コンパウンドムーニー粘度を調節するのに有用であることが分かる。
コンパウンドムーニースコーチに関して、同様な傾向が図10中に見られる。
図11によれば、生強度30〜50%の増加が、2〜15部のスチレンポリマーをエキステンダー油0〜2部と共に用いることにより可能であり、これはブチルゴム組成物の常温流動特性における顕著な改良を意味する。
図12によれば、実施例4で製造した加硫物と比べて、実施例5〜14の加硫物の応力/歪特性に顕著な劣化はないことが分かる。
【0037】
図13によれば、実施例4で製造した加硫物と比べて、実施例5〜14におけるスチレンポリマーの添加は、得られる加硫物の硬度に悪影響を及ぼさないことが分かる。
図14によれば、実施例4の加硫物と比べて、実施例5〜14の加硫物で空気透過性が減少している、すなわちスチレンポリマー添加剤のブチルポリマー組成物中での使用が、得られる加硫物の空気不透過性を増すことが分かる。
【0038】
結論として、本発明のブチルポリマーが、従来技術と比べて改善されたある特性(生強度および常温流動等)を、他の重要な特性(空気透過性等)に悪影響を与えることなく、有することがはっきりと理解できる。
【0039】
本発明は、例としての態様および実施例を参照して説明したが、その記述は限定的に解釈されることを意図していない。従って、例示した態様の様々な改変が、本明細書の記載を参照すれば、当業者には明らかになるであろう。故に、添付の請求の範囲はそのような改変または態様を包含することが理解される。
ここで言及された全ての出版物、特許および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、特許出願がその全体を参照して組み込まれているのと同等に、それらの全体を参照して組み込む。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度(ML 1, 4 100C)のグラフ。
【図2】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の生強度 23℃のグラフ。
【図3】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のTc90:MDR(3deg arc, 166, 30分)のグラフ。
【図4】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の応力/歪(166C30分硬化、ダイC、23C試験)のグラフ。
【図5】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の硬度のグラフ。
【図6】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の応力/歪(熱オーブンエージング、120C168時間)のグラフ。
【図7】実施例1−3におけるブチルゴム組成物の空気透過性(166C30分硬化、65.5C試験)のグラフ。
【図8】実施例1−3におけるブチルゴム組成物のゴム接着(Pirelli、166C30分硬化、100C試験)のグラフ。
【図9】実施例4−14におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度(ML 1 +4@ 100C)のグラフ。
【図10】実施例4−14におけるブチルゴム組成物のコンパウンドムーニースコーチ(大型ローター、125C)のグラフ。
【図11】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の生強度(T=23C)のグラフ。
【図12】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の応力歪(ダイC、23C、166C30分硬化)のグラフ。
【図13】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の硬度(ショアーA2)のグラフ。
【図14】実施例4−14におけるブチルゴム組成物の空気透過性(65.5C、50psi)のグラフ。
Claims (28)
- 改良された常温流動特性を有するブチルポリマー組成物であって、ブチルポリマーおよびスチレン樹脂を含んでなり、スチレン樹脂がα−メチルスチレンおよび他のスチレン性モノマーの第一コポリマーを含むブチルポリマー組成物。
- ブチルポリマーが、C4〜C8モノオレフィンモノマーおよびC4〜C14多価オレフィンモノマーの第二コポリマーを含んでなることを特徴とする請求項1に記載のブチルポリマー組成物。
- C4〜C8モノオレフィンがイソモノオレフィンを含んでなることを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- モノオレフィンモノマーを、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよびそれらの混合物からなる群から選ぶことを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- C4〜C14多価オレフィンがC4〜C10共役ジオレフィンを含んでなることを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- 共役ジオレフィンを、イソプレン、ブタジエン、2,4−ジメチルブタジエン、ピペリジン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,6−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、1−ビニル−シクロヘキサジエンおよびそれらの混合物からなる群から選ぶことを特徴とする請求項5に記載のブチルポリマー組成物。
- C4〜C8モノオレフィンモノマー約70〜99.5質量%およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約30〜0.5質量%を含んでなる混合物から第二コポリマーを得ることを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- C4〜C8モノオレフィンモノマー約80〜99.5質量%およびC4〜C14多価オレフィンモノマー約20〜0.5質量%を含んでなる混合物から第二コポリマーを得ることを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- イソブチレンモノマー約97〜99.5質量%およびイソプレン約3〜0.5質量%を含んでなる混合物から第二コポリマーを得ることを特徴とする請求項2に記載のブチルポリマー組成物。
- ブチルポリマーがハロゲン化ブチルポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のブチルポリマー組成物。
- ハロゲン化ブチルポリマーが塩素化ブチルポリマーであることを特徴とする請求項10に記載のブチルポリマー組成物。
- ハロゲン化ブチルポリマーが臭素化ブチルポリマーであることを特徴とする請求項10に記載のブチルポリマー組成物。
- ハロゲン化ブチルポリマーが、ポリマーの約0.1〜8質量%の量でハロゲンを含んでなることを特徴とする請求項10に記載のブチルポリマー組成物。
- ハロゲン化ブチルポリマーが、ポリマーの約0.5〜4質量%の量でハロゲンを含んでなることを特徴とする請求項10に記載のブチルポリマー組成物。
- ハロゲン化ブチルポリマーが、ポリマーの約1.5〜3.0質量%の量でハロゲンを含んでなることを特徴とする請求項10に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン性モノマーを、スチレン、ビニルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、インデン、インデン誘導体およびそれらの混合物からなる群から選ぶことを特徴とする請求項1に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン性モノマーをスチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選ぶことを特徴とする請求項16に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン性モノマーがスチレンを含んでなることを特徴とする請求項17に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン性モノマーがビニルスチレンを含んでなることを特徴とする請求項16に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン樹脂が、ブチルポリマー100質量部につき約25質量部までの量で存在することを特徴とする請求項1に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン樹脂が、ブチルポリマー100質量部につき約5〜20質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項20に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン樹脂が、ブチルポリマー100質量部につき約5〜15質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項21に記載のブチルポリマー組成物。
- スチレン樹脂が、ブチルポリマー100質量部につき約10〜15質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項22に記載のブチルポリマー組成物。
- さらに充填剤を含んでなることを特徴とする請求項1に記載のブチルポリマー組成物。
- 充填剤を、カーボンブラック、粘土、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムおよびそれらの混合物からなる群から選ぶことを特徴とする請求項24に記載のブチルポリマー組成物。
- 充填剤が、ブチルポリマー100質量部につき約20〜200質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項24に記載のブチルポリマー組成物。
- 充填剤が、ブチルポリマー100質量部につき約20〜100質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項26に記載のブチルポリマー組成物。
- 充填剤が、ブチルポリマー100質量部につき約50〜70質量部の範囲の量で存在することを特徴とする請求項27に記載のブチルポリマー組成物。
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