JP2018505090A - 低酸価のロジンエステルを含むインナーライナー組成物 - Google Patents

低酸価のロジンエステルを含むインナーライナー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、低い酸価を有するロジンエステル及びブチルゴムを含むインナーライナー配合物、かかるインナーライナー配合物を含むタイヤインナーライナー、及びインナーライナー配合物の製造方法に関し、ロジンエステルは最高で15mg−KOH/gの酸価を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、低い酸価を有するロジンエステル及びブチルゴムを含むインナーライナー配合物、かかるインナーライナー配合物を含むタイヤインナーライナー、及びインナーライナー配合物の製造方法に関する。
インナーライナーはタイヤの内部に放射状に配置されているタイヤの部品であり、空気タイヤの内側から外側への空気の漏出量を減少させることによって耐空気透過性を向上させるように機能する。インナーライナーは、一般にゴム、並びに充填剤、オイル、硬化添加剤、及び場合によっては加工添加剤のような他の成分を含む。ゴムという用語は、当該技術においてエラストマーとも呼ばれる。本明細書においては、ゴム及びエラストマーの用語は互換的に用いられる。
インナーライナーのために必要な特性は、道路と接触するトレッド、又はタイヤに構造を与えるタイヤのカーカスのようなタイヤの他のタイヤ部品に関して必要なものと大きく異なる。特に、インナーライナーの良好な性能及び耐久性のためには、低い空気透過性を確保して空気の漏出を阻止するために亀裂抵抗が保証されることが重要である。
米国特許出願2013/0230697及び2014/0060719には、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコポリマーを含む熱可塑性エラストマー組成物を含む、インナーライナーとして有用な組成物が記載されている。これらの文献においては、タイヤのインナーライナーと他の部品の間の接着を向上させることによって、亀裂の成長を減少させることができ、又は亀裂抵抗を向上させることができることが記載されている。これは、特定の形状を有する熱可塑性エラストマー組成物のリボン形状の片を用いてインナーライナーを形成することか、又は特定の寸法を有するインナーライナーを与えることによって達成される。
また、エラストマー組成物の耐切創性を向上させるために添加剤を用いることも記載されている。例えば、特公昭48−038615においては、耐切創性を向上させるために、シクロペンタジエン樹脂をスチレンブタジエンエラストマーコポリマーに加えている。同様に、特公昭50−138043においては、耐切創性及び屈曲亀裂を改善するために、ジエンポリマーをシクロペンタジエンフェノール樹脂で変性している。しかしながら、亀裂抵抗を向上させるのに好適である可能性がある添加剤は、それらを加える配合物の例えば空気透過性、加工特性、及び/又は硬化特性に悪影響を与える可能性がある。
ここで本発明者らは、ブチルゴムを含むインナーライナー配合物中において、低い、即ち最高で15mg−KOH/gの酸価を有するロジンエステルを用いて、配合物の空気透過性、加工特性、及び硬化特性に大きな悪影響を与えることなく、良好な亀裂抵抗特性を有する配合物を与えることができることを見出した。特に、かかる低酸価のロジンエステルは、インナーライナー配合物において通常用いられる他の添加剤と比べて改善された亀裂抵抗及び/又はグリーンタックを示すことができることが見出された。
英国特許875,351及び876,697には、ブチルゴム、及び変性ロジンのエステルのような添加剤を含むゴム状組成物が記載されている。しかしながら、これらの文献においては、インナーライナー用途は開示されておらず、或いはインナーライナー配合物のための低い酸価を有するロジンエステルの有利性は認識されていない。
タイヤ配合物のための添加剤として用いるためのロジンエステルが記載されている。例えば、米国特許出願2013/0184397及び2009/0186965を参照されたい。これらの文献には、インナーライナーなどのタイヤ部品のために好適な炭化水素ポリマー変性剤を導入したエラストマー組成物が記載されている。具体的に言及されている炭化水素ポリマー変性剤としては、化合物のタイプの中でも、ガムロジン、ガムロジンエステル、ウッドロジン、ウッドロジンエステル、トール油ロジン、トール油ロジンエステル、及び水素化ロジンエステルが挙げられる。しかしながら、低い酸価を有するロジンエステルを用いること、ましてやかかるロジンエステルが本発明者らによって見出されたようにブチルゴムを含むインナーライナー配合物のための有利な効果を有することは示唆されていない。
米国特許出願2013/0230697 米国特許出願2014/0060719 特公昭48−038615 英国特許875,351 英国特許876,697 米国特許出願2013/0184397 米国特許出願2009/0186965
したがって、幾つかの形態においては、本発明は、ロジンエステル及びブチルゴムを含み、ロジンエステルは最高で15mg−KOH/gの酸価を有するインナーライナー配合物に関する。
ロジンエステルは、ロジンをエステル化することによって形成することができる。ロジン(コロホニー又はグリークピッチ(Pix graeca)とも呼ばれる)は、植物、代表的にはマツのような針葉樹(例えば、ダイオウマツ及びカリビアマツ)の炭化水素分泌物である。ロジンは複数のロジン酸の混合物を含む可能性があり、ロジンの正確な組成は、部分的に植物の種に応じて変化する。ロジン酸は、時には二環式化合物である3つの縮合6炭素環の核を有し、数及び位置が変化する二重結合を含むC20の縮合環カルボン酸である。ロジン酸の例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ピマル酸、レボピマル酸、サンダラコピマル酸、イソピマル酸、パルストリン酸、エリオチン酸(elliotic acid)、メルクス酸が挙げられる。天然ロジンは、通常は、少量の他の成分と組み合わさった7種類又は8種類のロジン酸の混合物から構成されている。
ロジンは商業的に入手でき、含油樹脂の蒸留(ガムロジンが蒸留の残渣である)、マツの切株の抽出(ウッドロジン)、又はトール油の分別(トール油ロジン)によってマツの木から得ることができる。ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン、及びこれらの混合物などの任意のタイプのロジンを用いてここに記載するロジンエステルを製造することができる。幾つかの態様においては、ロジンエステルはトール油ロジンから誘導される。商業的に入手できるロジンの例としては、Arizona Chemicalから商業的に入手できるSYLVAROS(登録商標)NCYのようなトール油ロジンが挙げられる。
ロジンは、商業的供給源又は天然供給源から得られるロジンエステルの形成のための供給材料として用いることができる。或いは、ロジンは、ロジンエステルを形成するための供給材料としてそれを用いる前に、1以上の精製工程(例えば、減圧下での蒸留、抽出、及び/又は結晶化)にかけることができる。所望の場合には、1種類以上の精製ロジン酸(例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、レボピマル酸、サンダラコピマル酸、イソピマル酸、パルストリン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、又はこれらの組合せ)を、ロジンに代えてロジンエステルを形成するための供給材料として用いることができる。
ロジンエステルは、当該技術において公知の種々の方法を用いてロジン及び好適なアルコールから得ることができる。例えば、米国特許5,504,152(その全部を参照として本明細書中に包含する)を参照されたい。ロジンエステルを製造するために好適な方法は、得られるロジンエステルの所望の化学及び物理特性を考慮して選択することができる。
ロジンをエステル化する方法としては、ロジンをアルコールと接触させ、ロジンとアルコールを一定時間、ロジンエステルを形成するのに好適な条件下で反応させることを挙げることができる。例えば、ロジンは、ロジンをアルコールと熱反応させることによってエステル化することができる。幾つかのかかる態様においては、これらの方法に、溶融ロジンをアルコールと、ロジンエステルを形成するのに好適な時間接触させることを含めることができる。
ロジンの量に対するエステル化プロセスにおいて用いるアルコールの量は、アルコールの性質、並びに得られるロジンエステルの所望の化学及び物理特性に応じて変化させることができる。一般に、アルコールは、低い酸価を有するロジンエステルが生成するように過剰に与える。例えば、アルコールは、存在するロジンのカルボン酸の量に対してモル当量より多いヒドロキシ基が反応中に存在するような量で与えることができる。
ロジンエステルを形成するために好適なアルコールとしては、モノアルコール及び多価アルコール(例えばジオール及び他のポリオール)が挙げられる。幾つかの態様においては、ここに記載するロジンエステルは、多価アルコールとロジンのエステルであってよい。
好適なアルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、マンニトール、及びC〜C11の分岐又は非分岐のアルキルアルコールが挙げられる。幾つかの態様においては、アルコールは、ペンタエリトリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、マンニトール、及びこれらの組合せからなる群から選択される多価アルコールである。好ましくは、アルコールは、ペンタエリトリトール及びグリセロールから選択される多価アルコールであってよい。幾つかの態様においては、1種類より多いアルコールを用いてロジンエステルを形成する。幾つかの態様においては、ペンタエリトリトール及びグリセロールを用いてロジンエステルを形成することができる。
当該技術において公知なように、触媒、漂白剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤をエステル化反応に加えることができる。好適な触媒、漂白剤、安定剤、及び酸化防止剤は当該技術において公知であり、例えば米国特許2,729,660、3,310,575、3,423,389、3,780,013、4,172,070、4,548,746、4,690,783、4,693,847、4,725,384、4,744,925、4,788,009、5,021,548、及び5,049,652において記載されている。
エステル化反応を完了まで進行させるために、蒸留及び/又は真空の印加のような標準的な方法を用いて水を反応器から除去することができる。
エステル化反応の後、例えば水蒸気散布、窒素ガスのような不活性ガスによる散布、ワイプトフィルム(wiped film)蒸発、短行程蒸留、及び真空蒸留によって、未反応のロジン及び他の揮発性成分を得られるロジンエステル生成物から除去することができる。これにより、ロジンエステル生成物から過剰のロジン酸がストリッピングされ、ロジンエステルの酸価が減少する。エステル化の後においては、得られるロジン酸は、少量の残留している未反応のロジン酸及び/又はアルコールを含む可能性がある。
特定の化学及び物理特性を有するロジンエステルを得るために、ロジンエステルの製造に、場合によっては1以上の更なる処理工程を更に含めることができる。上記に記載したように、ロジン酸(例えばアビエタジエン酸)は、それらの環系内に共役二重結合を有していてよい。これらの共役二重結合は、酸化不安定性の原因である可能性がある。したがって幾つかの態様においては、エステル化するロジン及び/又はエステル化によって形成されるロジンエステルを処理して、共役二重結合の数を減少させることができる。ロジン又はロジンエステルの共役二重結合の数を減少させる方法は、当該技術において公知であり、水素化、脱水素化、不均化、二量化、及び強化(fortification)が挙げられる。幾つかの態様においては、ロジンは、エステル化の前に1以上のこれらの方法を用いて処理して、得られるロジンエステルの化学及び物理特性を改善する。化学的に許容される場合には、かかる方法はまた、エステル化と組み合わせて、及び/又はエステル化の後に行うこともできる。しかしながら、ロジンエステルは、ロジン又はロジンエステルを水素化、脱水素化、不均化、二量化、及び強化のいずれかにかけるプロセスから得られるものではないことが好ましい可能性がある。
ここに与える配合物中に導入されるロジンエステルは、1グラムのロジンエステル試料を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム(mg−KOH)として表して、及びASTM−D465−05(2010)に記載されている方法にしたがって求めて最高で15mg−KOH/gの低い酸価を有する。特に、酸価は、最高で10mg−KOH/g、特に最高で7.5mg−KOH/g、より特には最高で5mg−KOH/g、更により特には最高で4.5mg−KOH/gであってよい。幾つかの特定の態様においては、酸価は、最高で3mg−KOH/g、又は更には最高で1mg−KOH/gであってよい。
ここに記載する低い酸価を有するロジンエステルを用いて、インナーライナー配合物の硬化及び加工特性に大きな悪影響を与えないで、良好な亀裂抵抗を有するインナーライナー配合物を与えることができる。かかる低酸価のロジンエステルは、芳香族又は脂肪族炭化水素樹脂のようなインナーライナー配合物中において通常用いられている他の成分に対しても更に向上している亀裂抵抗を有する配合物を与えることが分かった。
ここに記載するロジンエステルは、70〜150℃、特に75〜125℃、より特には80〜105℃の軟化点を有していてよい。軟化点は、ロジン含有材料の試料を溶融状態で金属環中に注ぎ入れ、次に冷却するリングアンドボール法(ASTM−E28−99)によって測定することができる。ロジン含有材料がリングを満たすようにリングを清浄化し、鋼球を樹脂の上に載置する。リング及びボールをブラケット内に配置して、これを、溶媒(予測される軟化点に応じて、例えば水、グリセロール、又はシリコーン油)を含むビーカー中に降下させ、撹拌しながら溶媒を5℃/分で加熱する。ボールがリングを通って完全に落下した時点で、溶媒の温度をリングアンドボール軟化点として記録する。
ロジンエステルは、ASTM−D5296−05に記載されているようにゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めて少なくとも600g/モル、より特には少なくとも700g/モルの重量平均分子量を有していてよい。ロジンエステルは、最高で6500g/モル、特に最高で4500g/モル、より特には最高で2200g/モルの重量平均分子量を有していてよい。
ここに記載するインナーライナー配合物中の低酸価のロジンエステルは、一般に1〜20phr、特に2〜15phr、より特には2.5〜10phr、更により特には5〜7.5phrの量で存在させることができる。phrはゴム配合物の技術分野において通常的に用いられている用語であり、ゴム100部あたりの成分(例えばロジンエステル)の部数を指す。より低い量のロジンエステルは配合物において大きな効果を示さない可能性があり、より多い量のロジンエステルは配合物の特性を大きく改善しない可能性があり、或いは更には配合物の幾つかの特性に悪影響を与える可能性もある。
幾つかの態様においては、ロジンエステルの量は、ロジンエステルの酸価に応じて変化させることができる。例えば、ロジンエステルが最高で5mg−KOH/gの酸価を有する場合には、この量は10〜20phrであってよく、ロジンエステルが5〜15mg−KOH/gの酸価を有する場合には、この量は1〜10phrであってよい。より低い(例えば最高で5mg−KOH/gの)酸価を有するロジンエステルは、硬化特性に悪影響を与えることなくより多い量で用いることができることが見出された。5〜15mg−KOH/gのより高い酸価を有するロジンエステルも任意の量で満足に用いることができるが、より低い量(例えば1〜10phr)を用いると、得られる配合物の硬化特性にとって好ましいことが見出された。
上記に示したように、ここに記載するインナーライナー配合物はブチルゴムを含む。
ブチルゴムはイソブチレンとイソプレンのエラストマーコポリマーであり、当該技術においてイソブチレン−イソプレンゴム(IIR)としても知られる。ブチルゴムの主成分はイソブチレンであり、概して2.5重量%以下のイソプレンを含んでいてよい。ブチルゴムは、分岐(例えば「星型分岐」ブチルゴム)であってよい。有用なブチルゴムの例は周知であり、RUBBER TECHNOLOGY, p.209-581 (Morton編, Chapman & Hall 1995)、THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK, p.105-122 (Ohm編, R.T. Vanderbilt Col., Inc. 1990)、並びにKresge及びWang, 8 KIRK-OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY, p.9340955 (John Wiley & Sons, Inc. 4版 1993)(これらのそれぞれは参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
幾つかの態様においては、ブチルゴムはハロゲン化されており、即ちハロゲン基を有しており、これは当該技術においてハロブチルゴムとも呼ばれる。ハロブチルゴムは、好ましくはCl及び/又はBr基を有していてよく、より好ましくはブロモブチルゴムであり、即ちBr基を有する。
ブチルゴム及びハロブチルゴムは当該技術において周知であり、商業的に入手できる。例えば、LANXESS X Butyl(登録商標)BB 2030、LANXESS X Butyl(登録商標)BB 2040、LANXESS X Butyl(登録商標)BB 2230、及びLANXESS X Butyl(登録商標)BB X2のようなブロモブチルゴム;LANXESS X Butyl(登録商標)RB 402、及びLANXESS X Butyl(登録商標)RB 301のような標準のブチルゴム;並びにLANXESS X Butyl(登録商標)CD 1240のようなクロロブチルゴム(全てLanxessから入手できる)を参照されたい。他の好適なブチルゴムとしては、例えば、ExxonMobilからのExxon(登録商標)ブロモブチル2222、Exxon(登録商標)ブロモブチル2235、Exxon(登録商標)ブロモブチル2255、Exxon(登録商標)クロロブチル1066、或いはNizhnekamskneftekhim(NKNK)からのブロモブチルゴムBBK-232、ブロモブチルゴムBBK-239、ブロモブチルゴムBBK-246、クロロブチルゴムCBK-139、クロロブチルゴムCBK-150、ブチルゴムBK-1675Nを挙げることができる。
ここに記載するインナーライナー配合物にはまた、ブチルゴムに加えて他のゴムを含めることもできる。例えば、インナーライナー配合物のために当該技術において通常用いられているゴムを用いることができる。インナーライナー配合物中におけるブチルゴム及び任意の更なるゴムを含む全ゴム含量は、100phrとして表される。
好適な更なるゴムの例としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンのランダムコポリマー(例えば、ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン))、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソブチレン、シス−ポリブタジエン(cis−BR)、高シスポリブタジエン(即ち、シス成分の量が少なくとも95%であるポリブタジエンゴム)、ポリプロピレンゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、イソプレン−ブタジエンゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、溶液−スチレン−ブタジエンゴム(sSBR)、エマルジョン−スチレン−ブタジエンゴム、高スチレンゴム(HSR)、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EP)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリイソプレン(例えば1,4−ポリイソプレン)、天然ゴム、及びこれらのゴムの任意のハロゲン化型、特にイソブチレンとパラメチルスチレンのハロゲン化ランダムコポリマー、並びにこれらの混合物を挙げることができる。有用なゴムは商業的に入手でき、或いは当該技術において公知の任意の好適な手段によって製造することができる。天然ゴムは更なるゴムとして好ましい可能性がある。幾つかの態様においては、例えばゴムの機械特性を向上させるために天然ゴムをブチル又はハロブチルゴムに加えることができる。しかしながら、天然ゴムの添加は空気透過性に悪影響を与える可能性がある。
幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物に更なるゴムを含めることができるが、スチレン−イソブチレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、及び/又はポリプロピレンゴムを含んでいなくてよく、特にスチレン−イソブチレン−スチレンゴム、及びスチレン−イソプレン−スチレンゴムは含んでいなくてよい。幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物には更に、ポリイソプレンゴム(例えば天然ゴム)を含んでいなくてよい。
ブチルゴムがここに記載するインナーライナー配合物の主ゴム成分であることが、一般に好ましい可能性がある。例えば、ブチルゴムは、概して、ここに記載するインナーライナー配合物中に存在する全ゴムの少なくとも25重量%、特に少なくとも50重量%、より特には少なくとも75重量%、更により特には少なくとも90重量%、95重量%、98重量%、又は更には少なくとも99重量%を構成していてよい。幾つかの態様においては、ブチルゴムはここに記載するインナーライナー配合物中に存在する唯一のゴムであり、即ちブチルゴムはインナーライナー配合物中に存在する全ゴムの100重量%を構成し、言い換えれば、インナーライナー配合物はブチルゴム以外のゴムを含まない。特に、ゴムは100%ハロブチルゴムであってよく、更により特には、ゴムは100%ブロモブチルゴムであってよい。
ここに記載するインナーライナー配合物には、低酸ロジンエステル及びゴム以外の成分、例えばゴム配合物中において通常用いられる添加剤を含めることができる。
かかる添加剤としては、例えば、充填剤、加工助剤、硬化剤(当該技術において加硫剤とも呼ばれ、架橋剤、促進剤、活性化剤、及び遅延剤を含む)、酸化防止剤、及び/又はオゾン分解防止剤が挙げられる。
充填剤は、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ、シリケート、タルク、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、スターチ、木粉、又はこれらの混合物から選択することができる。カーボンブラックは充填剤として好ましい可能性がある。幾つかの態様においては、インナーライナー配合物はシリカ及びナノクレイを含まない。これは、これらの充填剤はコストを増加させる可能性があり、入手するのが困難な可能性があるからである。
幾つかの特定の態様においては、インナーライナー配合物中に存在する唯一の充填剤はカーボンブラックである。充填剤は一般に、ここに記載するインナーライナー配合物中に10〜105phr、特に25〜85phr、50〜75phrの量で存在させることができる。
本明細書において用いる加工助剤という用語は、例えばより容易な加工を可能にするために化合物の粘度を減少させること、分散性を向上させること、及び充填剤を導入すること、異なるタイプのゴムの混合を向上させること、グリーンタックを改善すること、及び硬化型内における化合物の流動性を向上させることによってインナーライナー配合物の加工を助ける任意の成分を指す。加工助剤は当該技術において公知であり、例えば加工油(例えば、ナフテン油、パラフィン油、及び芳香族油)、炭化水素ポリマー変性剤(例えば、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族炭化水素樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリブテン、ポリテルペンフェノール樹脂(例えば、フェノール−ホルムアルデヒド、又はフェノール−アセトアルデヒド樹脂)、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、瀝青、芳香族変性水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化脂肪族樹脂、水素化脂肪芳香族樹脂、水素化テルペン及び変性テルペン、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、及びここに記載する低い酸価を有するロジンエステル以外のロジンエステル、脂肪酸ベースの変性剤(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸の金属石鹸、脂肪酸アミド、脂肪アルコール)、有機シリコーン、PE及びPPワックスから選択することができる。
しかしながら、ここに記載するインナーライナー配合物中に低酸ロジンエステルを存在させると、一般に、特に得られるインナーライナー配合物の全体的な良好な特性を考慮したかかる加工助剤に対する必要性が排除される。したがって幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物には、ここに記載する低い酸価を有するロジンエステル以外の加工助剤を含めなくてよい。例えば、ここに記載するインナーライナー配合物には、パラフィン油のような加工油を含めなくてよい。
ここに記載するインナーライナー配合物、及びこれらの配合物から製造される物品は、一般に少なくとも1種類の硬化剤を用いて製造される。したがって、ここに記載するインナーライナー配合物に硬化剤を含めることができる。本明細書において用いる硬化剤という用語は、一般に、例えば架橋剤、活性化剤、促進剤、及び遅延剤などの、配合物に硬化特性を与え、その加硫を促進又は調節する添加剤を指す。
特に、活性化剤は、まず促進剤と反応してゴム可溶性複合体を形成し、これを次に例えばイオウと反応させて硫化剤を形成することによって加硫速度を増加させる化学薬品である。促進剤は、加硫の開始及び速度、並びに形成される架橋の数及びタイプを制御することを助ける。遅延剤は、未加硫ゴムを処理するのに十分な時間を与えるために硬化の初めの開始を遅延させるために用いることができる。架橋剤は、ゴムポリマーの1以上のストランドを分子間又は分子内のいずれかで架橋させることができる化合物である。そのために、架橋剤は不飽和部分のような反応性基を有する。
硬化剤としては、例えばイオウ、イオウ化合物、金属、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化カルシウム、及び酸化鉛)、ペルオキシド(例えばアルキルペルオキシド)、有機金属化合物(例えば、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムのような金属脂肪酸複合体)、ラジカル開始剤、脂肪酸(例えばステアリン酸)、窒素及び/又はイオウ含有有機化合物(例えば、アミン、ジアミン、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、スルフェンイミド類、チオカルバメート類、及びキサンタン類)、多官能性有機化合物(例えば、チオスルフェート基、メルカプト基、アルデヒド基、カルボン酸基、ペルオキシド基、及びアルケニル基から選択される少なくとも2つの基を有する)、及び当該技術において一般的な他の薬剤を挙げることができる。
ブチルゴムは、イオウを活性化剤及び促進剤と組み合わせて(例えばイオウ、酸化亜鉛、ステアリン酸、及びMBTSの組み合わせを)用いて硬化させることができる。他の態様においては、ブチルゴムは、反応性硬化樹脂(例えば、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、具体的にはオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂)を、ハロゲン供与材料(例えば、塩化スズ(II)、又はポリクロロプレンエラストマー)と組合せて加えることによって硬化させることができる。ハロゲン供与材料の添加は、ブロモメチル化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂を反応性硬化樹脂として用いる場合には必要ない。
ハロブチルゴム、例えばブロモブチルゴムは、イオウ及び/又は酸化亜鉛(ステアリン酸を用いるか又は用いない)、好ましくはイオウ、酸化亜鉛、ステアリン酸、及び促進剤(例えばMBTS)の混合物を用いることによって硬化させることができる。
幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物に、0.2〜15phr、特に0.5〜10phr、より特には0.75phr〜7.5phr、更により特には1phr〜6phrの量の硬化剤を含めることができる。硬化剤の量は、架橋剤、活性化剤、促進剤、及び遅延剤などの硬化剤として用いる任意の成分を含む。
酸化防止剤及び/又はオゾン分解防止剤も、ここに記載するインナーライナー配合物中に存在させることができる。
幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物に、ブチルゴム(例えばハロブチルゴム)、低酸価のロジンエステル、充填剤(例えばカーボンブラック)、及び硬化剤(例えば、ステアリン酸、酸化亜鉛、及び場合によってはジ(ベンゾチアゾル−2−イル)ジスルフィド(MBTS)のような加硫促進剤と組み合わせたイオウ)を含めることができる。
特に、ここに記載するインナーライナー配合物には、100phrのブチルゴム(例えばハロブチルゴム)、2〜15phrの低酸価のロジンエステル、0〜20phrの加工油(例えばパラフィン油)、25〜80phrの充填剤(例えばカーボンブラック)、1〜6phrの硬化剤(例えば、ステアリン酸、酸化亜鉛、及びジ(ベンゾチアゾル−2−イル)ジスルフィド(MBTS)と組み合わせたイオウ)を含めることができる。
幾つかの形態においては、本発明は更に、低酸価のロジンエステルをブチルゴムと混合することを含む、インナーライナー配合物を与える方法に関する。
ここに記載するインナーライナー配合物は、当該技術において公知の方法によって製造することができる。特に、ここに記載するインナーライナー配合物を製造する方法には、当該技術において公知の装置及び方法を用いて、ブチルゴム、低酸価のロジンエステル、及び場合によっては任意の更なる成分を混合することを含めることができる。異なる複数の成分は任意の順番で混合することができる。異なる成分の個々の量及びそれぞれの成分の特定の例に関してインナーライナー配合物について上記に記載した事項は、ここに記載する製造方法にも適用される。
混合は、単一工程又は複数の段階で行うことができる。例えば、複数の成分を少なくとも2工程で、即ち少なくとも1つの非生産工程、次に生産混合工程で混合することができる。一般に、ゴム及び低酸価のロジンエステル、並びに場合によっては任意の充填剤を、少なくとも1つの非生産工程で混合してマスターバッチ又は非製品組成物を与えることができ、少なくとも1つの続く生産混合工程において硬化剤をマスターバッチに加えることができる。1つ又は複数の生産混合工程において、混合は、通常は1つ又は複数の先行する非生産混合工程の1つ又は複数の混合温度よりも低い温度で行うことができる。「非製品」及び「製品」という用語は当業者に周知である。特に非製品ゴム組成物は硬化剤を含んでおらず、したがって架橋は起こらない。
好適な混合装置としては、例えば、2本ロールミル、BRABENDER(登録商標)インターナルミキサー、BANBURY(登録商標)インターナルミキサー(例えば接線式ローターを有する)、Kruppインターナルミキサー(例えば噛合式ローターを有する)、及びミキサー/押出機を挙げることができる。
混合は、組成物中において用いるゴムの融点以下の温度で行うことができる。好適な温度は、40℃〜200℃、特に100℃〜160℃であってよい。
幾つかの態様においては、ブチルゴムの70%〜100%と任意の他のゴムを、まず20〜90秒間、又は温度が40℃〜75℃に達するまで混合する。次に、充填剤の60〜85%、及び存在する場合には残量のゴムをミキサーに加えることができ、温度が90℃〜150℃に達するまで混合を継続する。次に、残りの充填剤、並びに低酸価のロジンエステル及び任意の加工助剤を加えることができ、温度が140℃〜190℃に達するまで混合を継続する。この混合物(マスターバッチ混合物とも呼ばれる)は、開放型ミル上でシート状にして、例えば60℃〜100℃に冷却することによって仕上げ処理することができる。次に、生産混合工程において混合して製品混合物を与えるために、マスターバッチに硬化剤を加えることができる。この製品混合物は、硬化条件にかけると架橋インナーライナー配合物を与える。ここでは、架橋インナーライナー配合物は硬化インナーライナー配合物と呼び、これは当該技術において加硫としても知られる。したがって、ここに記載する製造方法に、製品混合物を硬化させて硬化インナーライナー配合物を与えることを更に含めることができる。硬化は、インナーライナー配合物を、任意の通常の硬化プロセスにしたがって熱又は放射線にかけることのような任意の好適な手段によって行うことができる。必要な熱又は放射線の量は、組成物において硬化を行うのに必要な量である。通常は、硬化は、100℃〜250℃、特に150℃〜200℃の範囲の温度において1〜150分間行うことができる。
ここに記載するインナーライナー配合物は、未硬化のインナーライナー配合物(非製品及び製品)として、並びに硬化インナーライナー配合物としての両方で有利性を有することが見出された。
したがって幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物は未硬化又は硬化済であってよい。幾つかの特定の態様においては、未硬化のインナーライナー配合物は非製品又は製品であってよい。
有利なことに、ここに記載するインナーライナー配合物は良好な全体的な特性を示し、それを含む製品の製造及び最終特性を更に向上させることができる。
例えば、ここに記載するインナーライナー配合物は、良好な空気透過性、加工及び硬化特性を維持しながら、良好な亀裂抵抗特性を示すことが見出された。
特に、ここに記載する低酸価のロジンエステルを用いて、ここに記載する低酸価のロジンエステルを有しないか、又は当該技術において通常用いられている他の添加剤を含む同様のインナーライナー配合物と比べて向上した亀裂抵抗を有するインナーライナー配合物を与えることができる。「同様の組成物」という用語は、同様の組成物が低酸価のロジンエステルを含まないことを除いて、全てのその成分において、並びに材料及びその量の選択に関して本発明の組成物と同じである比較組成物を意味する。同様の組成物には、低酸価のロジンエステルの量に代えて他の添加剤を含めることができる。
インナーライナー配合物の亀裂抵抗は、当該技術において公知の方法によって測定することができる。特に、ISO−132によって規定されている方法のようなデマチャ(De Mattia)亀裂成長試験を用いることができる。手短に言うと、インナーライナー配合物の硬化試料を切り取って、試料を穿孔する。亀裂の幅が2mm増加する(L+2)まで試料を屈曲し、屈曲サイクルの数を記録する。試験は、幅が6mm増加する(L+6)まで継続し、次に幅が10mm増加する(L+10)までか、又は合計で2750キロサイクルに達するまで屈曲する。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、少なくとも1500キロサイクル、特に少なくとも2000キロサイクル(キロサイクルは1000サイクルを意味する)のデマチャ亀裂成長サイクル(LからL+10)を有することができる。
インナーライナー配合物の加工特性は、配合物のムーニー粘度及びムーニースコーチ、並びに硬化特性を評価することによって判断することができる。
ムーニー粘度は、化合物の加工性を示す化合物の粘度の尺度を与える。粘度が過度に高いと混合することが困難になるが、それが過度に低いと分散及び混合が最適でなくなる。ムーニースコーチは、硬化特性、最も主としてはスコーチ時間(これは材料が早期に大きく硬化することなく加工に供することができる時間を示す)の尺度を与える。これらは、ISO−289によって規定されている方法のような当該技術において公知の方法によって求めることができる。手短に言うと、ムーニー粘度は、加熱したダイの内部でゴムに覆われているスピンドルを回転させるのに必要な力を測定することによって求められる。ムーニースコーチの測定は、殆どはムーニー粘度よりも高い温度で行って、化合物の硬化を引き起こす。時間経過に伴う粘度の増加が硬化プロセスの進行の尺度であり、これによってスコーチ時間を求めることができる。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に少なくとも10分、特に少なくとも15分のtムーニースコーチ;少なくとも20分、特に少なくとも23分のt35ムーニースコーチ、及び/又は50〜75Mu(ムーニー単位)のムーニー粘度を有することができる。
グリーンタックは、タイヤの他の成分に対する未硬化ゴム化合物の接着性の尺度を与える。グリーンタックは、Tel-Tak法(J.R. Beatty, Tel-Tak: A Mechanical Method for Estimating Both Tackiness and Stickiness of Rubber Compounds, Rubber Chemistry and Technology, 1969, vol.42, No.4, p.1040-1053)のような当該技術において公知の方法によって求めることができる。手短に言うと、同じ配合の2つの試料を短時間一緒にプレスし、その後、試料を互いから取り除くのに必要な力を測定する。より高いグリーンタックは、金型内での硬化の前におけるタイヤの構築のために有益であると考えられる。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に少なくとも15オンス、特に少なくとも20オンスのグリーンタック接着力を有することができる。
インナーライナー配合物の空気透過性は、ASTM−D1434によって規定されている方法のような当該技術において公知の方法によって測定することができる。手短に言うと、2つのチャンバーの間に密閉された半バリヤが形成されるように、試料を気体透過セル内に取り付ける。1つのチャンバーは特定の高い圧力の空気を含み、より低い圧力の他のチャンバーは透過する気体を受容する。より低い圧力のチャンバーは大気圧付近に維持し、試験片を通過する気体の透過を体積変化によって示す。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に7.0×10−9cm/秒・気圧〜2.5×10−8cm/秒・気圧の空気透過率を有することができる。
インナーライナー配合物の硬化特性は、ISO−6502に記載されている可動ダイレオメーター(MDR)法のような当該技術において公知の方法によって求めることができる。手短に言うと、2つのダイ(その1つを振動させている)の間でプレスしたゴム試料について測定を行う。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、0.4〜0.7Nm、特に0.5〜0.6Nmの最大トルク;少なくとも5分、特に少なくとも6分のt90;及び0.3〜0.6Nm、特に0.35〜0.5NmのΔSを有することができる。
90は、ゴム化合物を完全に硬化させるのに必要な時間の尺度を与える。最大トルクは、硬化ゴム化合物の剛性の尺度を与える。最大トルクがより低いと、硬化化合物はより軟質である。ΔSは、硬化による化合物の剛性の増加の尺度を与える。
インナーライナー配合物の引張特性は、破断点伸び、引張り強さ、及び弾性率を評価することによって判断することができる。引張特性は、ISO−37、タイプ2によって規定されている方法のような当該技術において公知の方法によって求めることができる。手短に言うと、引張試験機を用いてゴム試料をそれが破断するまで伸長する。試料を伸長するのに必要な力を連続的に測定する。
破断点伸びは、試料の剛性の尺度を与える。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に600%〜850%の破断点伸びを有することができる。
弾性率は、試料の機械強度の尺度を与える。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、3.0〜6.0MPa、特に3.5〜5.5MPaの300%の伸びにおける弾性率を有することができる。
引張り強さは、試料の機械強度の尺度を与える。ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、10〜12MPa、特に10.1〜11.9MPa、より特には10.25〜11.75MPaの最大伸びにおける引張り強さを有することができる。
幾つかの態様においては、ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、少なくとも1500キロサイクル、特に少なくとも2000キロサイクルの全デマチャ亀裂成長サイクル(LからL+10)、及び少なくとも15オンス、特に少なくとも20オンスのグリーンタック接着力を有することができる。更に、ここに記載するインナーライナー配合物は、一般に、5〜10分、特に6〜9分のt90を有することができる。
本発明の幾つかの形態は、良好な全体的な特性、特に良好な物理特性と良好な加工特性の組合せ、より特には良好な空気透過性、良好な硬化特性、及び/又はグリーンタックを維持しながら良好な亀裂抵抗を有するインナーライナーを与えるための、ブチルゴムを含むインナーライナー組成物における低酸価のロジンエステルの使用に関する。
本発明は更に、ここに記載するインナーライナー配合物を含むタイヤインナーライナーに関する。
以下の実施例によって本発明を更に示すが、本発明はそれに、又はそれによって限定されない。
ブチルゴム及び樹脂を含むインナーライナー配合物の性能を評価した。用いた樹脂は、本発明による低酸ロジンエステル(樹脂A及びB)、並びに比較例として、高い酸価を有するロジン酸を含む他の樹脂(樹脂C)、及びゴム配合物中において通常的に用いられている2種類の均質化樹脂(樹脂D及びE)であった。
樹脂Aは、4.3mg−KOH/gの酸価、893g/モルのMW、及び81.7℃の軟化点を有するグリセロールトール油ロジンエステルであった。樹脂Aは、当業者に公知なように、トール油ロジンを、好適な不均化触媒(例えばLowinox(登録商標)TBM-6)、及び好適なエステル化触媒(例えば、酢酸亜鉛又は酢酸マグネシウム)の存在下で、僅かに過剰のグリセロールとエステル化することによって得た。エステル化の完了後、当業者に公知なように、所望の値が得られるまで水蒸気散布によってリングアンドボール軟化点を上昇させ、酸価を減少させた。ロジンエステル合成の技術に関する更なる参照事項は、米国特許出願5,969,092、及び特許出願WO2013/090283において見ることができる。
樹脂Bは、14.8mg−KOH/gの酸価、1043g/モルのMW、及び95.2℃の軟化点を有するペンタエリトリトールロジンエステルであった。樹脂Bは、当業者に公知なように、トール油ロジンを、好適な不均化触媒(例えばLowinox(登録商標)TBM-6)、及び好適なエステル化触媒(例えば、酢酸亜鉛又は酢酸マグネシウム)の存在下で、僅かに過剰のペンタエリトリトールとエステル化することによって得た。エステル化の完了後、当業者に公知なように、所望の値が得られるまで水蒸気散布によってリングアンドボール軟化点を上昇させ、酸価を減少させた。ロジンエステル合成の技術に関する更なる参照事項は、米国特許出願5,969,092、及び特許出願WO2013/090283において見ることができる。
樹脂Cは、161.4mg−KOH/gの酸価、404g/モルのMW、及び70.6℃の軟化点を有するトール油ロジンであった。
樹脂Dは、暗色の芳香族炭化水素樹脂であった。樹脂Dは、StruktolによってStruktol(登録商標)40 MSフレークの名称で供給された。
樹脂Eは、明色の脂肪族炭化水素樹脂であった。樹脂Eは、StruktolによってStruktol(登録商標)60 NSフレークの名称で供給された。
選択された樹脂を、ブロモブチルゴムをベースとするインナーライナー配合物中に混合した。2.5、5、及び10phrの異なる投与レベル(加工油に対して交換した)において樹脂を試験した。10phrの加工油を有する対照配合物は2つ混合して、合計で17種類の化合物を与えた。ブロモブチルゴムは、Lanxessによって供給されたブロモブチル2030であった。充填剤は、Statexによって供給されたカーボンブラックN-660であった。加工助剤として、SUNOCO(登録商標)によってSunpar 2280として供給されたパラフィン油を用いた。硬化剤として、イオウを、酸化亜鉛、ステアリン酸、及びLanxessによってVulkacit(登録商標)DM/MGとして供給されたジ(ベンゾチアゾル−2−イル)ジスルフィド(MBTS)と組み合わせて用いた。混合は、1.6LのBanburyタイプのインターナルミキサー内で行った。硬化剤は2本ロールミル内で混合した。
用いた試験配合物を表1に示し、表2に示す試験法によって評価した。
表1の配合物に関して、更なる加工を行わないで、ムーニー粘度及びムーニースコーチ、硬化特性、及びグリーンタックの試験を行った。
得られたインナーライナー配合物を、引張特性を評価するために厚さ2mmのシートに、空気透過性を評価するために厚さ0.51mmの試料に、そして亀裂抵抗を評価するために6mmのデマチャ試料に形成した。厚さ2mmの引張シート、及び厚さ0.51mmの空気透過性試料は全て、160℃において12分間硬化させた。厚さ6mmのデマチャ試料は、160℃において18分間硬化させた。
Figure 2018505090
Figure 2018505090
デマチャ亀裂成長:
デマチャ亀裂成長試験のために、試料を幅2mmに切り取り、試料を穿孔した。亀裂の幅が2mm増加する(L+2)まで試料を屈曲し、サイクル数を記録した。試験は、幅が6mm増加する(L+6)まで継続し、次に幅が10mm増加する(L+10)まで屈曲した。2750キロサイクル又はL+10に達した時点で試験を停止した。
最良の亀裂結果は、低酸価のロジンエステル(樹脂A及びB)、並びにロジン酸(樹脂C)を含む配合物に関して得られた。結果を表3に示す。
特に、樹脂C(及び10phrの樹脂B)を有する配合物は、優れた亀裂抵抗を有していた。5及び10phrの樹脂Cを有する化合物に関しては、亀裂はL+2を超えて広くはならず、2.5phrの樹脂Cに関しては、L+2を超えるのに2750キロサイクルに達した。また、10phrの樹脂Bを有する試料は、L+6に達する前に2750キロサイクルに達した。10phr又は更に5phrの樹脂Aを含む配合物は2750キロサイクルに達しなかったが、樹脂を含まない組成物(10phrのパラフィン油を有する)及び樹脂D及びEを含む組成物に対して著しい向上を示した。
空気透過性:
それぞれのインナーライナー配合物に関して、2つの試験シートを形成し、60℃において空気透過性に関して試験した。
空気透過性試験からの結果を表4に示す。ASTM−D1434の半定量性のために、この空気透過性試験方法は正確性が限られている。
表4に示す結果に基づくと、均質化樹脂の投与量を増加させるにつれてより低い空気透過率に向かう傾向を確認することができる。しかしながら、測定誤差を考慮すると、試料間の区別は限られているように見える。樹脂の存在は空気透過性を大きくは増加させないことが示された。
Figure 2018505090
Figure 2018505090
グリーンタック:
グリーンタック測定の結果を表5に示す。
表5から分かるように、低い酸価のロジンエステル(樹脂A及びB)を有する化合物は、樹脂を有しない配合物、又は樹脂D及びEを有する配合物と比べて改善されたグリーンタックを示した。この改善は、最も低い酸価の樹脂Aを有するロジンエステルに関して、より高いことが分かった。
Figure 2018505090
ムーニー粘度及びムーニースコーチ:
表6において見られるように、樹脂Dを除いて試験した全ての試料に関して、増加した量の樹脂を用いると、ムーニー粘度が僅かに増加し、ムーニースコーチが僅かに減少した。これも分かるように、低酸価のロジンエステル(樹脂A及びB)を用いることは、パラフィン油を含むブランク試料と比べてムーニースコーチ特性に悪影響を与えず、一方、ロジン酸(樹脂C)はムーニースコーチを大きく減少させた。樹脂Cに関するムーニースコーチの大きな減少は、スコーチ時間が限られることを示しており、これにより加工中の化合物の早期の硬化が引き起こされるであろう。
Figure 2018505090
硬化特性:
可動ダイレオメーター(MDR)法によって硬化特性を求めた。結果を表7に示す。
最大トルク(MH)(表7)から導くことができるように、樹脂C(ロジン酸)を用いることは化合物の硬化挙動に大きな影響を与え、t90が大きく減少し、非常により軟質の最終化合物が得られた。これは硬化パッケージに対する障害を示し、硬化速度の加速及び硬化の程度の制限をもたらす。加速された硬化によって、加工中の早期の硬化がもたらされる可能性がある。制限された硬化の程度は、化合物の機械特性に対して望ましくない効果を与える可能性がある。更に、樹脂D(Struktol 40MS)はMDR−t90の増加を示し、これは化合物の硬化速度が減少する(これも望ましくない)ことを意味している。減少した硬化速度は、硬化不足の生成物又は長い硬化時間をもたらし、生産速度が減少する可能性がある。他方において、低酸ロジンエステル(樹脂A及びB)はMDR−t90に大きな影響を与えず、樹脂Cを含む化合物と比べてより剛性の化合物を与えた。
Figure 2018505090
これらの結果を考慮すると、樹脂の酸価(AN)が増加するにつれて、硬化パッケージを妨げる効果がより強くなることが見出された。この効果は、樹脂C>樹脂B>樹脂Aの順番にしたがっており、これらの樹脂のANも161.4>14.8>4.3であった。これは、生成物中のロジン酸が硬化プロセスを妨げて、より低い架橋密度、及びしたがってより軟質の化合物を与えることを示唆している。
引張特性:
同等の熱履歴を維持するために、全ての引張シートは160℃において12分間硬化させた。
表8において分かるように、樹脂Cを有する化合物はより軟質であり、より高い最大伸びを有していた。
これも表8において分かるように、より軟質の化合物は減少した引張り強さを有していた。5及び10phrの樹脂A、並びに5phrの樹脂Bを含む化合物は、僅かに減少した引張り強さしか有していなかった。
また、化合物の増加した柔軟性により、200%、300%、及び500%の伸びにおいけるより低い弾性率ももたらされ(表8)、この効果は300%及び500%の伸びにおいて最も明白であった。
Figure 2018505090

Claims (15)

  1. インナーライナー配合物であって、ロジンエステル及びブチルゴムを含み、前記ロジンエステルは最高で15mg−KOH/gの酸価を有する、前記インナーライナー配合物。
  2. 前記ロジンエステルは、最高で10mg−KOH/g、特に最高で7.5mg−KOH/g、より特には最高で5mg−KOH/g、更により特には最高で4.5mg−KOH/gの酸価を有する、請求項1に記載の配合物。
  3. 前記ロジンエステルは、70〜150℃、特に75〜125℃、より特には80〜105℃の軟化点を有する、請求項1又は2に記載の配合物。
  4. 1〜20phrのロジンエステル、特に2〜15phrのロジンエステル、より特には2.5〜10phrのロジンエステル、更により特には5〜7.5phrのロジンエステルを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の配合物。
  5. 前記ロジンエステルは多価アルコールとロジンのエステルである、請求項1〜4のいずれかに記載の配合物。
  6. 前記多価アルコールはグリセロール及びペンタエリトリトールから選択される、請求項5に記載の配合物。
  7. 前記ロジンは、ウッドロジン、ガムロジン、及びトール油ロジンから選択される、請求項5又は6に記載の配合物。
  8. 前記ブチルゴムはハロブチルゴムであり、特にブロモブチルゴムである、請求項1〜7のいずれかに記載の配合物。
  9. スチレン−イソブチレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、及び/又はポリプロピレンゴムを含まない、請求項1〜8のいずれかに記載の配合物。
  10. カーボンブラックを更に含む、請求項1〜9のいずれかに記載の配合物。
  11. 少なくとも1500キロサイクル、特に少なくとも2000キロサイクルの全デマチャ亀裂成長サイクル(LからL+10)を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の配合物。
  12. 少なくとも15オンス、特に少なくとも20オンスのグリーンタック接着力を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の配合物。
  13. (MDR)によって求めて5〜10分、特に6〜9分のt90を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の配合物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の配合物を含むタイヤインナーライナー。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載のインナーライナー配合物の製造方法であって、ロジンエステルをブチルゴムと混合する工程を含み、前記ロジンエステルは最高で15mg−KOH/gの酸価を有する、前記インナーライナー配合物の製造方法。
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