JP2004504931A - 表面沈澱による高分子電解質カプセルの製造 - Google Patents
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Abstract
本発明は、次の:(a)外被を形成するために必要とされる成分が溶解した形で含有されている、塩含有の液相中の適切な大きさのテンプレート粒子の分散液を準備する工程および(b)厚さ1〜100nmを有する外被がテンプレート粒子の周囲に生じるような条件下で、成分を液相からテンプレート粒子上に沈澱させる工程を含む、溶液から表面沈澱することにより、テンプレート粒子上に外被を施与することにより高分子電解質を含有するナノカプセルもしくはマイクロカプセルを製造する方法に関する。
Description
【0001】
本発明は、溶液から表面沈澱することにより、高分子電解質外被を含むナノカプセルもしくはマイクロカプセルを製造する方法に関する。
【0002】
DE19812083.4、DE19907552.2、EP98113181.6およびWO99/47252は、テンプレート粒子上に高分子電解質を層状に施与することによって、高分子電解質外被により被覆されたカプセルを製造する方法を開示している。それ以前のマイクロカプセルの製造方法に対するこの方法の1つの利点は、定義されて調整される壁厚を有する単分散カプセルを製造することができることである。しかし経済的な観点からカプセル外被を層状に構成することは時間とコストがかかりうるということが問題である。
【0003】
BuchhammerおよびLunkwitz(Ber. Bunsenges. Phys. Chem. 100(1996)、第1039〜1044頁)およびOertel等(Coll. Surf. 57(1991)、第375〜381頁)は、正および負に荷電した高分子電解質からなる錯体を粒子表面上に堆積させることによる、有機および無機粒子の表面変性を記載している。この方法の欠点は得られる層がわずかな安定性を有することである。
【0004】
従って本発明の課題は、従来技術の欠点が少なくとも部分的に排除される、高い安定性およびわずかな壁厚の外被を有するカプセルを製造するための新規の方法を提供することであった。
【0005】
この課題は、溶液から表面沈澱によりテンプレート粒子の上に外被を施与するための方法により解決され、その際、この方法は
(a)外被を形成するために必要とされる成分が溶解した形で含有されている、塩含有の液相中の適切な大きさのテンプレート粒子の分散液を準備する工程および
(b)厚さ1〜100nmを有する外被がテンプレート粒子の周囲に生じるような条件下で、液相からテンプレート粒子上に成分を沈澱させる工程
を含むことを特徴とする。
【0006】
意外なことに塩含有の溶液から表面沈澱によりテンプレート粒子を被覆する際に、定義され、かつわずかな外被厚さを有し、かつ選択的に制御することができる透過性カプセルが得られることが確認された。その際、様々な種類の外被、たとえば高分子電解質外被、高分子電解質/イオン−外被、あるいはまた荷電していないポリマーからなる外被が得られる。
【0007】
液体中に溶解した塩は実質的に沈澱により形成される外被の安定化に寄与する。適切な塩のための例は全ての水溶性低分子塩であり、その中には無機塩、たとえば一価および多価のアルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属、たとえば鉄、銀、銅の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩および炭酸塩が含まれる。濃度は有利には0.5mM〜1Mの範囲であるか、または塩の効果が、一方では高分子電解質同士の、および他方では高分子電解質とテンプレート表面との間の静電気的相互作用の低下に生じる場合にはこれよりも高い。外被液中に分散した高分子電解質プールを生じるために、多価の低分子アニオンおよびカチオンと高分子電解質との特殊な相互作用および/または錯化が必要とされる場合、塩の濃度は有利には0.001〜10mMの範囲である。
【0008】
本発明によるカプセル化法は任意のコロイド粒子のカプセル化を可能にする。固体粒子以外に液体粒子、たとえば乳化された油滴もしくは液晶粒子、または気体状の粒子、たとえば空気の気泡もしくはその他の気泡もまた被覆することができる。カプセル化すべき液体もしくは気体の粒子の大きさはたとえば界面活性物質を液相に添加することにより調整することができる。
【0009】
固体のテンプレート粒子として任意のコロイド固体、特に無機材料、たとえば金属、セラミック、酸化物または塩の結晶、有機材料、たとえばポリマーラテックス、有機沈殿物、固化した油滴、ゲルもしくは結晶、メラミンホルムアルデヒド粒子、リピド小胞、生物的なテンプレート粒子、たとえば細胞もしくは花粉を使用することができる。テンプレート粒子の大きさは、特に生物的なテンプレート材料を使用する場合、50μmまでであってもよい。しかし有利にはテンプレート粒子の大きさは10μmまで、特に有利には5nm〜10μmまで、およびたいていは有利には5nm〜5μmまでである。テンプレート粒子の形状は重要ではない。球形の粒子も異方性の粒子も被覆することができる。
【0010】
有利な1実施態様では、作用物質を含有するテンプレート粒子、たとえば自体が作用物質であるテンプレート粒子をカプセル化する。この作用物質はたとえば触媒、特に酵素、たとえば酵素結晶、ナノ粒子、たとえば磁性ナノ粒子、生体高分子化合物など、医薬作用物質、センサー分子、たとえば放射性もしくは非放射性標識分子、たとえば蛍光標識、結晶、ポリマーおよび気体から選択することができる。作用物質粒子は液相に添加するか、または液相中で沈澱させることにより生じてもよい。沈澱はカプセル形成の前および/またはその間に行い、かつ結晶および/または非晶質構造を生じてもよい。
【0011】
たとえばカプセルを有機液体、たとえばアルコールまたは炭化水素、たとえばヘキサノール、オクタノール、オクタンもしくはデカンの導入のため、または超音波造影剤のための気体のカプセル化のために使用することができる。このような、水と混和しない有機の液体で充填したカプセルを化学反応、たとえば重合反応のために使用することもできる。たとえばその分配平衡によりモノマーを適切にカプセルの内部空間で富化することができる。場合によりモノマー溶液はすでに合成の開始前に内部空間にカプセル封入することができる。
【0012】
しかしその大きさに基づいて高分子電解質外被を透過することができない作用物質もまたカプセル化することができる。このために、生きている細胞の場合にはファゴサイトーシスもしくはエンドサイトーシスにより、または可溶性のテンプレート材料へナノ粒子をカプセル化することにより、封入すべき作用物質をテンプレート粒子に結合するか、または固定する、またはテンプレート粒子によりカプセル封入するか、または吸収する。テンプレート粒子の崩壊後、作用物質は高分子電解質外被の内部へ放出される。その際、有利には、作用物質の不所望の分解が生じないように、テンプレート粒子の崩壊の際の条件を選択する。
【0013】
テンプレートへの作用物質の結合は直接行うこともできるが、しかしまた結合剤により行うこともできる。結合剤として有利には特定の条件で崩壊または分解可能である分子を使用する。特に有利には結合剤としてポリ乳酸を使用する。このために結合剤、特にポリ乳酸を用いて、テンプレート粒子、たとえば部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子に作用物質を固定する。この方法で、封入すべき作用物質自体が芯物質を被覆する際の層状構造の成分となる。テンプレート粒子の溶解および場合により結合分子の崩壊後に、作用物質は外被の内部へ放出される。この方法により任意の作用物質を外被、特にナノ粒子および非生物的な高分子成分および有利には生物的な高分子、たとえばタンパク質、特に酵素中に封入することができる。
【0014】
さらに4−ピレンスルフェート(4−PS)によりカチオン性ポリマーまたは粒子を外被中に固定することができる。4−PSを塩溶液中に溶出させることによりこの粒子は外被の内部に放出される。
【0015】
外被により包囲されている内部空間への作用物質の組み込みは、可逆的にマイクロゲルをテンプレート粒子として使用する際に作用物質を予めテンプレート粒子中に導入することにより実施することができる。従ってたとえば部分的に架橋したメチロールメラミン芯物質を被覆前に使用することによって、可逆的な収縮により芯物質中に封入されている物質を膨潤した芯物質に組み込むことが可能になる。
【0016】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様では可溶性の粒子をテンプレート粒子として使用することができる。この可溶性粒子は、沈澱によって粒子の周囲に形成された外被を壊すことなく外被を少なくとも部分的に崩壊させることができる。可溶性粒子の例は部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子であり、該粒子は酸性の値、たとえば≦1.5にpH値を調整することにより包囲された粒子を含有する媒体中に溶解することができ、その一方で外被層自体は少なくとも部分的に損なわれずに残る。部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子は、化学反応により、特にスルホン化により水性媒体中に溶解することができる。このように部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子の製造は、WO99/47252に詳細に記載されている。溶解可能なテンプレート粒子のための別の例は、可溶性のポリマー芯物質、たとえば尿素−ホルムアルデヒド−粒子または塩結晶、または塩結晶、たとえばその水溶性が制御可能である炭酸塩化合物、または水溶性ではないが、エタノール中で可溶性の有機化合物、たとえばシアニン染料である。
【0017】
さらにテンプレート材料として細胞、たとえば真核細胞、たとえば哺乳動物の赤血球または植物細胞、単核の有機体、たとえば酵母、微生物細胞、たとえばE.コリ細胞、細胞集合、細胞下粒子、たとえば細胞器官、花粉、膜調製物または細胞核または化学的および/または生物学的な方法により製造した中空細胞壁−もしくは花粉壁調製物、ウイルス粒子および生体高分子の集合体、たとえばタンパク質集合、たとえば免疫複合体、凝結核、リガンド−レセプター−複合体などを使用することができる。本発明による方法は生きている生物細胞および有機体のカプセル化のためにも適切である。同様に両親媒性材料、特に膜構造、たとえばベシクル、たとえばリポソームまたはミセルならびにその他のリピド集合がテンプレートとして好適である。
【0018】
生物的なテンプレート粒子の崩壊は、溶解試薬の添加により行うことができる。その際、生物的な材料、たとえばタンパク質および/またはリピドを溶解することができる溶解試薬が適切である。有利には溶解試薬は除蛋白剤、たとえばペルオキソ化合物、たとえばH2O2および/または次亜塩素酸塩化合物、たとえば次亜塩素酸ナトリウムもしくはカリウムを含有する。意外にもテンプレート粒子の崩壊は短いインキュベーション時間内、たとえば室温で1分〜1時間以内に行われる。テンプレート粒子の崩壊はほぼ完全である。というのも、残留する外被を電子顕微鏡により観察しても粒子の残りはもはや検出不可能だからである。生物材料を外被に組み込む際に、部分的に溶解した外被を有するカプセルを生じることができる。
【0019】
テンプレート粒子の崩壊の際に形成されるフラグメント、たとえば部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子の場合、溶解の際に生じるオリゴマーは外被壁の細孔、特にナノポアによりカプセルの内部から外部へ漏出することができる。引き続きこれらを、所望の場合には、カプセルから分離することができる。この分離は当業者に公知の方法により、たとえば透析、濾過、遠心分離および/または制御された相分離により実施することができる。しかしテンプレート粒子フラグメントの分離は不要であることが多い。カプセルは分離工程なしでも使用することができる。
【0020】
さらに液状もしくは気体状のテンプレート粒子、たとえばミクロエマルションもしくはミニエマルションの滴または相応する大きさの気泡を使用することもできる。特に有利には液状のテンプレート粒子として、超音波により水性の塩含有溶液中で乳化することができる油滴を使用する。液体滴もしくは気泡の大きさは相応する措置、たとえば超音波処理の出力および時間により、所望の大きさに調整することができる。本発明による方法のこの実施態様の場合、たとえば液状の作用物質、たとえば香油、医薬効果のある油状物、油中に溶解した親油性の固体の作用物質または気泡を造影剤としてカプセル化することができる。
【0021】
本発明による方法により、作用物質を封入するためのカプセルを製造することも可能である。分子による内部空間の装填は、外被の透過率を外部の物理的および化学的パラメータの関数として変化させることにより行うことができる。装填のために高い透過率の状態を調整する。封入された材料を引き続き外部のパラメータおよび/または細孔の封鎖により、たとえば外被の縮合または細孔もしくは流路の化学的および/または熱的変性により保持する。
【0022】
本発明による沈澱法により、荷電した、および/または荷電していない成分をテンプレート粒子上に析出させることが可能になる。本発明の有利な1実施態様では外被の形成のために必要とされる成分は少なくとも1種の高分子電解質、たとえば反対電荷を有する2種の高分子電解質および/または多価の金属カチオンおよび負電荷を有する高分子電解質を含む。
【0023】
高分子電解質とは一般に、イオン解離可能な基を有するポリマーであると理解し、該基はポリマー鎖の成分もしくは置換基であってもよい。通常、高分子電解質中のこのイオン解離可能な基の数は、ポリマーが解離した形(ポリイオンともよばれる)で水溶性であるような数である。ここで高分子電解質という概念は、イオン基の濃度が水溶性にとって十分ではないが、しかし自己集合を開始するためには十分な電荷を有するイオノマーであるとも理解される。有利には外被は「真の」高分子電解質を含む。解離可能な基の種類に応じて高分子電解質は多酸と多塩基とに分類される。解離の際に多酸からプロトンを分離してポリアニオンが生じ、これは無機ポリマーであってもよいし、有機ポリマーであってもよい。
【0024】
多塩基は、たとえば酸との反応により塩の形成下にプロトンを受容することができる基を有する。多塩基は鎖もしくは側鎖に存在する解離可能な基を有していてもよく、かつプロトンの受容によりポリカチオンを形成してもよい。
【0025】
本発明による適切な高分子電解質は生体高分子、たとえばアルギン酸、アラビアゴム、核酸、ペクチン、タンパク質およびその他のもの、ならびに化学的に変性された生体高分子、たとえばイオン性もしくはイオン化可能な多糖類、たとえばカルボキシメチルセルロース、キトサンおよびキトサンスルフェート、リグニンスルホネートならびに合成ポリマー、たとえばポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸およびポリエチレンイミンである。
【0026】
適切なポリアニオンは天然由来のポリアニオンおよび合成のポリアニオンを含む。天然由来のポリアニオンの例は、相応するpH値のアルギン酸塩、カルボキシメチルアミロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カラゲナン、セルローススルフェート、コンドロイチンスルフェート、キトサンスルフェート、デキストランスルフェート、アラビアゴム、ガーゴム、ゲランゴム(Gummi Gellan)、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キサンタンおよびタンパク質である。合成ポリアニオンの例はポリアクリレート(ポリアクリル酸の塩)、ポリアミノ酸のアニオンおよびこれらのコポリマー、ポリマレエート、ポリメタクリレート、ポリスチレンスルフェート、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルホスフェート、ポリビニルホスホネート、ポリビニルスルフェート、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホネート、ポリアセテート、ポリ(ブタジエン/マレエート)、ポリ(エチレン/マレエート)、ポリ(エタクリレート/アクリレート)およびポリ(グリセリンメタクリレート)である。
【0027】
適切な多塩基は天然由来のポリカチオンおよび合成ポリカチオンを含む。適切な天然由来のポリカチオンは、相応するpH値のキトサン、変性されたデキストラン、たとえばジエチルアミノエチル変性デキストラン、ヒドロキシメチルセルローストリメチルアミン、リソザイム、ポリリシン、プロタミンスルフェート、ヒドロキシエチルセルローストリメチルアミンおよびタンパク質である。合成ポリカチオンの例はポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリプレン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミン、ポリイミダゾリン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリ(アクリルアミド/メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエピクロロヒドリン、ポリエチレンイミノエピクロロヒドリン、ポリメタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシプロピルメタクリルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ(メチルジエチルアミノエチルメタクリレート/アクリルアミド)、ポリ(メチル/グアニジン)、ポリメチルビニルピリジニウムブロミド、ポリ(ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート)およびポリビニルメチルピリジニウムブロミドである。
【0028】
直鎖状もしくは分枝鎖状の高分子電解質を使用することができる。分枝鎖状の高分子電解質の使用は、高い度合いの壁多孔度を有するそれほどコンパクトでない高分子電解質マルチ被膜を生じる。カプセル安定性の向上のために高分子電解質分子は個々の層内で、および/または個々の層の間で、たとえばアルデヒドによるアミノ基の架橋により架橋していてもよい。さらに、極性の、小さい分子に対する透過性を低減するために部分的な高分子電解質の特性を有する両親媒性高分子電解質、たとえば両親媒性ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを使用することができる。このような両親媒性コポリマーは異なった官能基を有する単位から、たとえば一方では酸性もしくは塩基性の単位から、および他方では疎水性の単位、たとえばスチレン、ジエンまたはシロキサンなどからなり、これらはブロックとして、またはランダムに分布してポリマーに配置されていてもよい。外部条件の関数としてその構造を変化するコポリマーを使用することにより、カプセル壁はその透過性またはその他の特性に関して定義されて制御することができる。このためにたとえば弱い高分子電解質、高分子両性電解質、ポリ(N−イソプロピル−アクリルアミド)−割合を有するコポリマー、たとえばポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−アクリル酸)が挙げられ、これらは水素架橋結合の平衡によりその水溶性を温度の関数として変化させ、このことは膨潤を伴う。
【0029】
特定の条件下で分解可能な高分子電解質、たとえば光、酸、塩基、塩もしくは熱に不安定な高分子電解質を使用することにより、カプセル壁を溶解することによって、内包されている作用物質の放出を制御することができる。さらに特定の適用可能性のために導電性の高分子電解質または光学活性基を有する高分子電解質をカプセル成分として使用することができる。
【0030】
高分子電解質を適切に選択することにより、本発明によるカプセルの高分子電解質外被の特性および組成を定義して調整することが可能である。その際、外被の組成は層を構成する際の物質の選択により広い範囲で変えることができる。基本的に使用すべき高分子電解質もしくはイオノマーに関して、使用される分子が十分に高い電荷を有する、かつ/またはその他の種類の相互作用、たとえば水素架橋結合および/または疎水性の相互作用により、その下に存在する層と結合する能力を有する限り、特性の変化は生じない。
【0031】
従って適切な高分子電解質は低分子量の高分子電解質もしくはポリイオン、または高分子量の高分子電解質、たとえば生物由来の高分子電解質である。
【0032】
カプセルの使用にとって外被壁の透過性は特に重要である。すでに上で記載したように、使用される多数の高分子電解質により、異なった特性を有する多数の外被組成物の製造が可能になる。特に外側の外被の電荷を適用目的に適合させることができる。さらに内側の外被はそれぞれのカプセル化された作用物質に適合させることができ、このことによりたとえば作用物質の安定化を達成することができる。さらに外被壁の透過性もまた、外被中の高分子電解質を選択することにより、および壁厚ならびに周囲の条件により影響を与えることができる。このことにより透過性特性の選択的な形成ならびにこれらの特性の定義された変更が可能である。
【0033】
外被の透過性特性は少なくとも1つの高分子電解質層の細孔によりさらに変化させることができる。このような細孔は適切に選択する場合、高分子電解質自体から形成することができる。あるいはまた所望の透過性を得るために、外被は高分子電解質以外にその他の物質を含んでいてもよい。たとえば特にアニオン基および/またはカチオン基を有するナノ粒子を、または界面活性物質、たとえば界面活性剤および/またはリピドを導入することにより、極性の成分に対する透過性を低減することができる。選択的な輸送システム、たとえば担体または流路を高分子電解質外被へ、特にリピド層へ組み込むことにより、外被の横輸送特性を正確にそのつどの適用目的に適合させることが可能である。外被壁の細孔または流路は化学的な変性および/または周囲条件の変更により適切に開放もしくは閉鎖することができる。従ってたとえば周囲媒体の高い塩濃度は外被壁の高い透過性につながる。
【0034】
本発明による方法の第一の実施態様は、アルカリ性の溶液から反対電荷を有する2種の高分子電解質を複合的に沈澱またはコアセルベーションすることを含み、該溶液中で両者は同時に、相互に反応することなく、溶液中に維持されている。この溶液に被覆すべきテンプレート粒子を添加する。引き続き酸、たとえばHClにより中性の範囲になるまで滴定し、その際、テンプレート粒子のカプセル封入が行われる。カプセル封入された粒子を自由な溶液中で錯体から、たとえば濾過、遠心分離または沈澱により分離した後に、テンプレート粒子を場合により溶解してもよい。
【0035】
もう1つの有利な実施態様では、低分子のイオンと、反対の電荷を有する高分子電解質とからなる錯体を含有する溶液からの表面沈澱を行うことができる。適切な低分子イオンのための例は、金属カチオン、無機アニオン、たとえば硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩など、帯電した界面活性剤、帯電したリピドおよび帯電したオリゴマーを相応する反対電荷を有する高分子電解質と組み合わせたものである。その際、その他の高分子電解質が同時に存在している場合に、高分子電解質のための分散した供給源が生じる。錯体の高分子電解質はポリカチオンであってもポリアニオンであってもよい。選択は装入されるテンプレート粒子およびその他の規定に依存する。この実施態様でたとえばプラスに荷電した高分子電解質を複数の、マイナスに荷電した低分子のアニオン、たとえばスルフェートによりマイナスに荷電した高分子電解質の溶液およびテンプレート粒子の懸濁液に添加し、その際、テンプレート粒子の被覆が行われる。被覆したテンプレート粒子はたとえば遠心分離、濾過および引き続き洗浄により自由な錯体から分離し、かつ可溶性の粒子である場合、マイクロカプセルの製造のために溶解することができる。
【0036】
もう1つの有利な実施態様は、部分的に不安定化した高分子電解質錯体(ポリカチオン/ポリアニオン)を含有する溶液からの、塩の添加および/またはpH値の変更による表面沈澱を含む。この場合、複合体からテンプレート表面への高分子電解質の移行が次第に行われる。このために負電荷および正電荷を有する高分子電解質を、高い塩含有率、有利には≧0.5モル/l、たとえば1M NaClの塩含有率を有する水溶液に導入し、かつ攪拌することができる。テンプレート粒子の添加後にこれを被覆する。被覆したテンプレート粒子はたとえば遠心分離または濾過および引き続き洗浄により得られ、かつ場合によりマイクロカプセルを生じるために溶解することができる。
【0037】
もう1つの有利な実施態様では、外被は金属カチオンおよび少なくとも1種の負電荷を有する高分子電解質を含む。金属カチオンとしてたとえば二価の金属カチオンおよび特に三価の金属カチオンを使用する。適切な金属カチオンのための例は、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオンおよび希土類元素カチオン、たとえばCa2+、Mg2+、Y3+、Tb3+およびFe3+である。
【0038】
さらに一価のカチオン、たとえばAg+もまた使用することができる。金属カチオンを還元することにより金属層により被覆されたテンプレート粒子を生じることができる。
【0039】
もう1つの実施態様では、外被を形成するために必要とされる成分は少なくとも1種の高分子、たとえば有利には≧5kDおよび特に有利には≧10kDの分子量を有する自然発生的な高分子、たとえば有機ポリマー、または生体高分子、たとえば核酸、たとえばDNA、RNAまたは核酸類似体、ポリペプチド、糖タンパク質または多糖類を含む。高分子はたとえば核酸のように電荷を有するか、あるいはまた、たとえば多糖類、たとえばデキストランのように荷電していなくてもよい。高分子は場合により高分子電解質および/または多価の金属カチオンと組み合わせることができ、その際、たとえば高分子量および低分子量の生物細胞物質、高分子量および低分子量の自然発生的な物質および高分子かつ生物的および自然発生的な物質を使用することができる。
【0040】
もう1つの実施態様では外被を形成するために規定された成分は、複数の高分子電解質および/またはリピドおよび/またはタンパク質および/またはペプチドおよび/または核酸および/またはその他の、生物発生的もしくは自然発生的な由来の有機および無機化合物の混合物を含む。塩含有率、pH値、補助溶剤、界面活性剤に関して適切な溶剤の組成により、および好適な被覆条件、たとえば温度、レオロジー条件、電界および/または磁界の存在、光の存在の選択により、種々の外被成分はテンプレート上で自己集合し、多様なバイオミメティックな特性を有する複雑な構造を形成する。
【0041】
本方法のもう1つの有利な実施態様は、液状の塩含有外被相をテンプレートと接触させることにより、持続的な混合を例外として、それ以上外部の刺激がなくても自発的に外被の構成が行われ、この外被は場合によりテンプレートの溶解が行われた後でも損なわれないようにシステム条件を変更することを特徴とする。
【0042】
本発明による方法の工程(b)による沈澱は、テンプレートの周囲に1〜100nmの範囲、有利には1〜50nm、特に有利には5〜30nmおよび最も有利には10〜20nmの定義された厚さを有する外被が形成されるような条件下で行われる。カプセル壁の壁厚および均一性はポリマー沈澱の速度により決定される。これは実質的に液相中のテンプレート粒子の濃度、被覆成分の濃度および沈澱を生じる溶解度の変化の速度に依存する。
【0043】
沈澱はたとえば、外被を形成する成分の一部を液相に装入し、かつ引き続き1種もしくは数種の別の外被成分を添加することにより行ってもよい。このような沈澱工程はたとえば金属カチオンと、反対電荷を有する高分子電解質との組合せのために使用することができる。沈澱のもう1つの可能性は、外被を形成するために必要とされる成分がすでに完全に液相中に存在し、かつ沈澱を生じる液相の変化が行われることである。液相のこの変化はたとえばpH値の変更および/または溶剤成分の添加および/または溶剤成分の除去による液相の組成の変更を含んでいてもよい。従ってたとえば親水性の生体高分子、たとえばDNAまたは多糖類の沈澱はエタノールを水性の液相に添加することにより行うことができ、その一方で高分子電解質の組合せの沈澱は有機溶剤、たとえばアセトンを液相から留去することにより行うことができる。
【0044】
さらに本発明による被覆方法は、少なくとも1種の付加的な被覆工程を沈澱工程の前および/または後に実施することを含む。このような付加的な被覆工程はたとえば1つもしくは複数のリピド層の施与および/または層状の高分子電解質の施与を含んでいてもよい。
【0045】
リピド層および/または両親媒性高分子電解質の、高分子電解質外被上での析出により、外被の透過率の変更を達成することができる。この方法で小さい極性分子に対する外被の透過性を著しく低減することができる。外被上に堆積することができるリピドのための例は、少なくとも1つのイオン基もしくはイオン化可能な基を有するリピド、たとえばホスホリピド、たとえばジパルミトイルホスファチジン酸または双性イオン性のホスホリピド、たとえばジパルミトイルホスファチジルコリンまたは脂肪酸もしくは相応する長鎖のアルキルスルホン酸である。双性イオン性のリピドを使用する際に、リピドマルチ層を外被の上に堆積させることができる。
【0046】
高分子電解質の層状の施与はたとえばWO99/47252に記載されているように行うことができる。層状の外被構造は本発明による沈澱工程によりたとえば、まずテンプレート粒子上に少数、たとえば1〜4層の高分子電解質を層状に構成させ、引き続き本発明による沈澱工程を行うように組み合わせることができる。代替的もしくは付加的に、沈澱工程の後に外被上に高分子電解質の層状の析出を行うこともできる。
【0047】
本発明による方法により単分散性カプセルを製造することができる。従って平均直径からの逸脱が50%を上回るカプセルの割合が、20%を下回るか、有利には10%を下回るか、特に有利には1%を下回るカプセル分布を有する組成物を得ることが可能である。
【0048】
カプセルは化学的、生物学的、機械的および熱的な負荷に対して極めて安定している。カプセルは場合により封入された作用物質と共にその特性を損なうことなく乾燥、凍結および/または凍結乾燥することができる。溶解もしくは溶剤中、たとえば水溶液中に再懸濁した後に、適切な媒体条件下および/または相応する媒体組成でふたたび損傷のないカプセルが得られる。
【0049】
カプセルの乾燥または凍結乾燥の際に、粉末形の組成物が得られ、これは適切な溶剤中、特に水溶液中に再懸濁させることができる。乾燥は公知の方法により実施することができ、特に高めた、もしくは低めた温度および/または減圧下で行うことができる。
【0050】
さらに本発明を以下の図面および実施例により詳細に説明する。
【0051】
図1は、コロイド状のテンプレート粒子上での高分子電解質/イオン−外被の1段階の形成を含む本発明による方法の実施態様を示す。
【0052】
図2は、コロイド状の粒子の表面上でのポリマー被膜の自己集合を含む、本発明による方法のもう1つの実施態様を示す。
【0053】
図3は、PSS500およびPBVTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の沈澱により製造されたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点レーザー画像を示している。テンプレートは直径5.2μmを有する可溶性のメラミンホルムアルデヒドラテックス粒子であった。溶解窓はアセトンの気化により残留した。
【0054】
図4は、PSS500およびPVBTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の方法により得られたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点形レーザー画像を示している。テンプレートは直径5.2μmを有する可溶性のメラミンホルムアルデヒドラテックス粒子であった。溶解窓は水の添加により残留した。
【0055】
図5は、蛍光標識したPSSおよびTbイオンにより被覆されたコロイド粒子の共焦点顕微鏡画像を示す。
【0056】
図6は、水性の懸濁液にエタノールを滴加することにより、蛍光標識したデキストラン(a)および蛍光標識したDNA(b)をメラミンホルムアルデヒド粒子上に沈澱させることによって被覆したコロイド粒子の顕微鏡による共焦点画像を示す。
【0057】
図7は、走査型顕微鏡により特徴付けられるポリアニオン/金属錯体PSS/Tbからなる中空の外被を示す。図7aには20の外被層からなるカプセル上の表層が示されており、かつ図7bにはそのつど約100の外被層からなる複数のカプセル上の表層が示されている。
【0058】
図1および2は、本発明による方法の2つの実施態様の略図を示している。図1によれば、金属イオン、たとえば多価の金属または貴金属のイオン、たとえばAg+(4)を含有するテンプレート粒子(2)の懸濁液が製造される。マイナスに帯電した高分子電解質分子(6)を有する溶液を滴加することによりテンプレート粒子上のイオン/高分子電解質外被の沈澱を行う。被覆したテンプレート粒子(8)は、種々の方法でさらに加工することができる。たとえばテンプレート粒子の溶解により中空のカプセル(10)を作ることができる。金属イオンの還元により金属被覆したカプセル(12)が得られる。反対電荷を有する高分子電解質(14a、14b)を層状に施与することにより、異方性の外被を有するカプセルを製造することができ、その際、内部はイオン/高分子電解質外被であり、かつ外部は層状に構成することにより得られる高分子電解質/高分子電解質外被である。引き続きテンプレート粒子の溶解により空のカプセル(18)を作ることができる。金属イオン(4)を除去することにより、外被の内部のイオン/高分子電解質部分を溶解することができるので、ポリマー(6)は反対電荷を有する高分子電解質(14a、14b)から形成される外被の内部にカプセル化されている(20)。
【0059】
本発明による方法のもう1つの実施態様が図2に示されている。コロイド状のテンプレート粒子(32)の懸濁液を、ポリマー、たとえば核酸、タンパク質、多糖類または合成ポリマーを溶解した形で含有する液相に装入する。溶剤の組成を、たとえばエタノールもしくはその中でポリマーが不溶性であるか、もしくは難溶性であるその他の溶剤の滴加により変更することにより、ポリマーの沈澱を行い、その際、ポリマーにより被覆されたテンプレート粒子(36)が生じる。反対電荷を有する高分子電解質(38a、38b)を層状に堆積させることにより、異方性の外被(40)により被覆されたテンプレート粒子が生じ、その際、外被の内部の断片は沈澱したポリマーにより、および外部の断片は反対の電荷を有する高分子電解質の層により形成される。可溶性のテンプレート粒子を使用する際に、これらは溶解し、その際、高分子電解質/高分子電解質−外被中にカプセル化されたポリマー(42)が形成される。
【0060】
実施例
例1−1工程の沈澱によるPSS/PVBTACカプセル外被の製造
1.1 材料
約500000の分子量を有する硫酸ポリスチレンナトリウム(PSS500)および約180000の分子量を有するポリ塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム(PVBTAC)をPolysiences Europe GmbH社から取り寄せた。約70000の分子量を有する硫酸ポリスチレンナトリウム(PSS70)および50000〜65000の分子量を有するポリ塩酸アリルアミン(PAH)をAldrich社から取り寄せた。
【0061】
直径5.2および10μmを有する部分的に架橋した単分散メラミン−ホルムアルデヒド粒子(MFラテックス)をドイツ国ベルリン在のMicroparticles GmbH社から取り寄せた。これらの粒子はHClの酸性の溶液(pH〜1)、ピロ亜硫酸ナトリウム溶液または有機溶剤中で分解性である。
【0062】
1.2 方法
1.2.1 層状の被覆(比較)
膜濾過によるテンプレート粒子の被覆はVoigt等(Ind. Eng. Chem. Res. 38 (1999), 4037)において記載されているように行った。PSS500もしくはPVBTACの吸着(0.5MのNaCl中1g/l)および洗浄サイクルを膜濾過装置(Millipore/Amicon限外濾過セル8200およびMillipore膜フィルターSSWP09025)中で交互に実施した。MFラテックスの負電荷に基づいてPSS500の吸着により開始した。10層を吸着した後(そのつど5層のPSS500およびPVBTAC)、被覆した粒子を回収し、かつpH1を有する大容積のHCl溶液中に懸濁させた。該懸濁液は数秒以内にMFラテックス−テンプレート粒子の分解の結果として透明になった。
【0063】
膜濾過によるさらなる洗浄工程の後、層状に被覆したマイクロカプセルが適用可能な形で得られた。
【0064】
1.2.2 表面沈澱(本発明)
水(60質量%)/アセトン(20質量%)/臭化ナトリウム(20質量%)中のPSS500(3g/l)/PVBTAC(1g/l)の系はMichaels(Industrial Engineering Chemistry 57(1965), 32)およびMichaels等(J. Phys. Chem. 69(1965), 1456)により刊行された状態図に従って振る舞い、かつ検出可能な濁度を有していない清澄な溶液を生じる。この系5mlに、約0.85m2の粒子表面積に相応する1mlパックされた5.2μmのMF−ラテックス粒子(プラスに荷電)を添加した。溶解窓は、2つの異なった種類で、つまりアセトンの緩慢な気化により、もしくは水の緩慢な添加により残留した。沈澱工程は20℃で約2時間実施した。次いで懸濁液が得られ、かつさらに検査した。
【0065】
1.2.3 走査型顕微鏡(SFM)
数字式計器ナノスコープ(Nanoscope)IIIaの使用下でSFM−画像が得られた。試料は酸性の雲母表面上にマイクロカプセル懸濁液の滴を施与し、かつ空気中で乾燥することにより製造した。乾燥したマイクロカプセルを接触法で試験した。
【0066】
1.2.4 共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)
Aristoplan100×油浸対物レンズの使用下にライカ(Leica)の共焦点レーザー走査顕微鏡TCS SPを用いて共焦点画像が得られた。被覆した粒子の懸濁液10μlをスライドガラス上に添加した。この懸濁液に50μlの0.1モル/l HClを添加した。2分後にさらに50μlの0.1モル/l NaOHを添加した。少量のロダミン6Gをカプセル壁のための蛍光標識として添加した。
【0067】
1.3 結果
従来技術により層状の堆積によって製造したマイクロカプセルは、約15nmのわずかな壁厚を有する典型的な超薄膜殻構造を示した。水/アセトン/臭化ナトリウムの三成分混合物の添加によりこのマイクロカプセルを完全に溶解することができた。
【0068】
本発明による1工程の表面沈澱により製造したカプセルのCLSM画像が図3および4に示されている。図3では、アセトンの気化により、および図4では水の添加により溶解窓が残留した。マイクロカプセルの大きさおよび形状はテンプレート粒子の大きさおよび形状に準じていた。マイクロカプセルの大部分は本来のテンプレート粒子よりも若干小さい。透過特性の試験は、段階的に製造されるカプセルの場合と同様に、小さな極性染料が外被を通過できることを示している。
【0069】
例2−1工程の沈澱による高分子電解質/イオン−およびポリマーのカプセル外被の製造
2.1 材料
分子量70000を有するPSS、分子量50000を有するPAHおよびアクリジンオレンジ(AO)をAldrich社から取り寄せた。Y(NO3)3、FeCl3およびTbCl3をMerck社から取り寄せた。ジピコリン酸(DPA)および4−ピレンスルフェート(4−PS)が分子試料から得られた。ロダミン(Rd)により標識されたDNAおよびデキストラン(分子量76.000)をSigma社から入手した。
【0070】
スルフェート基により変性されたポリスチレンラテックス粒子(PS)(直径468nm)を、Furizava等(Kolloid−Z. Z. Polym. 250(1972), 908)において記載されているように製造した。直径4および6.5μmを有する酸溶解性のメラミンホルムアルデヒド粒子の分散液(MFラテックス)をドイツ国ベルリン在のMicroparticles GmbH社から取り寄せた。
【0071】
2.2 方法
共焦点レーザー走査顕微鏡および走査型顕微鏡検査を例1に記載されているように実施した。
【0072】
2.3 結果
2.3.1 金属イオン/高分子電解質−外被の沈澱
MFラテックス粒子の懸濁液をTb3+イオンと混合した。ポリアニオンPSSの添加後に、Tb3+/PSS−沈殿物が形成された。PSS−Rd−溶液(1mg/ml)を滴加(10μl)する間、PSS−Rd−濃度が特定の値に達するまで懸濁液(1ml)を連続的に攪拌した(第1表)。10〜15分後、粒子を遠心分離し、かつ粒子に結合していないPSS−Rd−分子の割合を蛍光測定により上澄み中で測定した。第1表は懸濁液への添加後のMF粒子の最終濃度、Tb3+イオンおよびPSSの濃度に関するデータを示す。使用したPSSの約80〜85%が全ての試験した濃度においてMF−ラテックス粒子に吸着されたことは注目に値した。
【0073】
MF粒子を共焦点顕微鏡により検査した。PSS/Tb3+で被覆したMF粒子の典型的な画像が図5に示されている。蛍光標識によるMF粒子の被覆は均一である。粒子の外側は実質的に蛍光標識されていないことが判明した。
【0074】
【表1】
【0075】
2.3.2 ポリマー外被の沈澱
コロイド粒子の表面上でのポリマーの制御された沈澱は、ポリマーの溶解度を低下させることにより実施した。エタノール中でのそのわずかな溶解度に基づいて、ポリマーとしてDNAおよびデキストランを使用した。
【0076】
まず、cm3あたり3×1014分子のDNA濃度を有するMF−ラテックス粒子懸濁液1.5ml(粒子濃度5×108/cm− 3)を製造した。次いで体積が4.5mlになるまで該懸濁液にエタノールを滴加した。エタノールを滴加している間、該懸濁液を振とうした。15分後、該懸濁液を遠心分離した。上澄み中の蛍光(AO)の測定により、DNAの約20%が粒子に結合していないことが判明した。
【0077】
相応する実験はロダミンにより標識したデキストラン(デキストラン−Rd)の使用下でも実施された。このためにMF−ラテックス粒子懸濁液(cm3あたり5×108の粒子の濃度)1mlおよびデキストラン−Rd(cm3あたり3×1015の分子)を製造した。沈澱後、デキストランの約5%が上澄み中で判明した。
【0078】
典型的な蛍光共焦点顕微鏡画像が図6aおよびbに記載されている。画像から明らかなように、粒子表面上の蛍光標識は均一である。粒子上のポリマー被膜の平均厚さの評価はDNAに関してはDNAにおいて約50の単分子層の値、つまり約100nmの厚さが生じた。
【0079】
2.3.3 ポリアニオン/金属錯体からなる中空の外被の製造
2.3.1で製造されたTb/PSS被覆したMFラテックス粒子を0.1MのHClで分解した。試料をSFMにより検査した。図7aは20の単分子性Tb/PSS層を有するカプセルの典型的な画像(表層)を示す。溶液中で共焦点顕微鏡により観察される球状の形は、乾燥後により多角形の形状に変化した。複数の測定から得られるカプセルの平均的な最小の高さは約20nmであった。
【0080】
図7bには、Tb/PSSの約100の単分子層からなる複数のカプセルを有する試料のSFM−画像の表層が示されている。一定数のカプセルが破壊された。このわずかな安定性は外被の高い厚さに起因するものであり、これはカプセルの透過性を低減することが仮定される。このことはMFラテックスが溶解する際に比較的高い浸透圧ひいてはより容易なカプセルの破壊につながる。
【0081】
例3−PSSおよびPAHのアルカリ性溶液からの複合沈澱またはコアセルベーション
両方の高分子電解質を相互に反応させることなく(三成分の溶剤と同様に)同時に溶液中に維持することにより、両方の高分子電解質の出発溶液を製造した。これは0.1MのNaClを含有する0.1%(w/w)NaOH溶液10mlの装入物により達成された。この溶液中で順次、PSS(分子量70000)15mgおよびPAH(分子量50000〜65000)10mgを溶解する。完全に溶解するまで振とうする(約15分)。引き続きこの溶液は数時間安定している。たとえば4.7μmの直径を有するメラミンホルムアルデヒド(MF)ラテックス1mlを添加する。引き続き1%(w/w)HClで中性の範囲になるまで滴定する。顕微鏡によるコントロールはMF芯物質のカプセル封入を示す。自由な溶液中でカプセル化した粒子を錯体から分離(たとえば濾過、遠心分離、沈澱)した後に、短時間(たとえば数秒〜数分)、pH1のHCl溶液中でMF芯物質を溶解することにより、所望のマイクロ粒子を生じた。
【0082】
別々に観察して、酸を添加することにより両方の反応体の溶解条件は改善された。従ってこれらが相互に存在することは特に溶解度の低い錯体につながった。
【0083】
例4−テンプレートとしてのエマルジョン滴によるアルカリ性PSS/PAH溶液からの錯体の沈澱またはコアセルベーション
この場合、両方の高分子電解質が相互に反応することなく同時に溶解している両方の高分子電解質の出発溶液を製造する。これは0.1MのNaClを含有する0.1%(w/w)NaOH溶液100mlの装入物中で達成される。この溶液中で順次、PSS(分子量70000)300mgおよびPAH(分子量50〜65000)200mgを溶解する。完全に溶解するまで振とうする。該溶液は数時間安定している。香油20mlをここに添加する。ウルトラツラックスを用いて引き続き乳化させ、かつその後、迅速に10%(w/w)のHClにより中性の範囲になるまで滴定する。引き続き該エマルジョンを精製する、たとえば分液漏斗中で数回洗浄する。数ヶ月にわたって安定したエマルションが生じる。
【0084】
例5−高分子電解質および低分子のリガンドおよび反対電荷を有する相応する高分子電解質からなる錯体を含有する溶液からの表面沈澱
溶液I:NaCl(0.01〜100mM)を含有するPAH溶液(分子量50000〜65000、1mg/ml)0.5ml+硫酸ナトリウム溶液750μl(10− 2M);溶液II:PSS(分子量70000。5mg/ml)0.5ml+直径6.1μmを有するメラミンホルムアルデヒドテンプレート粒子10μl。溶液IIを溶液Iに添加し、かつ攪拌する。約1時間後に該系を精製する(遠心分離または濾過引き続き洗浄による自由な錯体からの被覆したテンプレートの分離)。テンプレート粒子をpH1のHCl溶液に移すことにより溶解し、かつマイクロカプセルをさらなる精製工程により取得する。
【0085】
例6−塩の添加および/またはpH値の変更による部分的に不安定化した高分子電解質錯体(ポリカチオン/ポリアニオン)を含有する溶液からの表面沈澱
1MのNaCl 10ml中にPSS20mgおよびPAH10mgを導入する。該系を10分間攪拌する。引き続き4.7μmのMFラテックス1mlを添加する。該系を数時間攪拌する。引き続き遠心分離または濾過により精製もしくは洗浄し、かつテンプレートを希釈したHCl(pH〜1)中で溶解し、かつカプセルが得られる。
【0086】
水10ml中でPAH20mgおよびPSS10mgおよび錯化の後に1MのNaCl 10mlを導入する。ここに4.7μmのMFラテックス1mlを添加する。該系を数時間攪拌する。引き続き遠心分離または濾過により精製もしくは洗浄し、かつテンプレートを希釈したHCl(pH〜1)中に溶解し、かつカプセルを取得する。
【0087】
例7−高分子電解質および多価のイオンからなる錯体を含有する溶液からの1工程の沈澱
溶液I:PSS−溶液(2mg/ml)1mlをY(NO3)3の溶液(2×1012M)200μlと混合する。スルフェートとイットリウムとの間の得られる電荷比は5:3である。
【0088】
溶液II:油400μlを水1mlと混合する。該混合物をウルトラツラックス中、超音波を用いて3〜4分間乳化する。
【0089】
引き続き溶液Iを迅速に溶液IIに添加し、かつ得られるエマルションをVortex中で2分間振とうする。該エマルションは20時間以上安定しており、かつ場合によりさらなる被覆のための出発系として使用することができる。
【0090】
本発明による方法は普遍的に適用することができる。媒体の物理化学的な条件は、たとえば高い塩含有率により、前調製されたおよび/または新鮮に形成された高分子電解質錯体が外被液中で不安定であるように調整される。従って意外にも、適切なパラメータにより制御することができる最終的な時間で、関与する全てのコンパートメントの分布が行われることが判明した。これには当然、相界面である粒子/媒体または油/媒体も数えられる。ここで高分子電解質は公知の三次元架橋構造において多少の水と共に配置されていてもよい。たとえば高い塩濃度の水溶液中での後処理により、これをその他の立体配置に変えることができる。たとえば不十分に架橋した外被は著しく架橋した外被に変えることができる。熱力学的平衡に近い構造を生じる可能性も、規定の不均衡状態への適合を意味する構造を生じる可能性も生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロイド状のテンプレート粒子上での高分子電解質/イオン−外被の1段階の形成を含む本発明による方法の実施態様を示す。
【図2】コロイド状の粒子の表面上でのポリマー被膜の自己集合を含む、本発明による方法のもう1つの実施態様を示す。
【図3】PSS500およびPBVTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の沈澱により製造されたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点レーザー画像を示す図。
【図4】PSS500およびPVBTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の方法により得られたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点形レーザー画像を示す図。
【図5】蛍光標識したPSSおよびTbイオンにより被覆されたコロイド粒子の共焦点顕微鏡画像を示す図。
【図6】蛍光標識したデキストラン(a)および蛍光標識したDNA(b)をメラミンホルムアルデヒド粒子上に沈澱させることによって被覆したコロイド粒子の顕微鏡による共焦点画像を示す図。
【図7a】20の外被層からなるカプセル上の表層を示す図。
【図7b】そのつど約100の外被層からなる複数のカプセル上の表層を示す図。
本発明は、溶液から表面沈澱することにより、高分子電解質外被を含むナノカプセルもしくはマイクロカプセルを製造する方法に関する。
【0002】
DE19812083.4、DE19907552.2、EP98113181.6およびWO99/47252は、テンプレート粒子上に高分子電解質を層状に施与することによって、高分子電解質外被により被覆されたカプセルを製造する方法を開示している。それ以前のマイクロカプセルの製造方法に対するこの方法の1つの利点は、定義されて調整される壁厚を有する単分散カプセルを製造することができることである。しかし経済的な観点からカプセル外被を層状に構成することは時間とコストがかかりうるということが問題である。
【0003】
BuchhammerおよびLunkwitz(Ber. Bunsenges. Phys. Chem. 100(1996)、第1039〜1044頁)およびOertel等(Coll. Surf. 57(1991)、第375〜381頁)は、正および負に荷電した高分子電解質からなる錯体を粒子表面上に堆積させることによる、有機および無機粒子の表面変性を記載している。この方法の欠点は得られる層がわずかな安定性を有することである。
【0004】
従って本発明の課題は、従来技術の欠点が少なくとも部分的に排除される、高い安定性およびわずかな壁厚の外被を有するカプセルを製造するための新規の方法を提供することであった。
【0005】
この課題は、溶液から表面沈澱によりテンプレート粒子の上に外被を施与するための方法により解決され、その際、この方法は
(a)外被を形成するために必要とされる成分が溶解した形で含有されている、塩含有の液相中の適切な大きさのテンプレート粒子の分散液を準備する工程および
(b)厚さ1〜100nmを有する外被がテンプレート粒子の周囲に生じるような条件下で、液相からテンプレート粒子上に成分を沈澱させる工程
を含むことを特徴とする。
【0006】
意外なことに塩含有の溶液から表面沈澱によりテンプレート粒子を被覆する際に、定義され、かつわずかな外被厚さを有し、かつ選択的に制御することができる透過性カプセルが得られることが確認された。その際、様々な種類の外被、たとえば高分子電解質外被、高分子電解質/イオン−外被、あるいはまた荷電していないポリマーからなる外被が得られる。
【0007】
液体中に溶解した塩は実質的に沈澱により形成される外被の安定化に寄与する。適切な塩のための例は全ての水溶性低分子塩であり、その中には無機塩、たとえば一価および多価のアルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属、たとえば鉄、銀、銅の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩および炭酸塩が含まれる。濃度は有利には0.5mM〜1Mの範囲であるか、または塩の効果が、一方では高分子電解質同士の、および他方では高分子電解質とテンプレート表面との間の静電気的相互作用の低下に生じる場合にはこれよりも高い。外被液中に分散した高分子電解質プールを生じるために、多価の低分子アニオンおよびカチオンと高分子電解質との特殊な相互作用および/または錯化が必要とされる場合、塩の濃度は有利には0.001〜10mMの範囲である。
【0008】
本発明によるカプセル化法は任意のコロイド粒子のカプセル化を可能にする。固体粒子以外に液体粒子、たとえば乳化された油滴もしくは液晶粒子、または気体状の粒子、たとえば空気の気泡もしくはその他の気泡もまた被覆することができる。カプセル化すべき液体もしくは気体の粒子の大きさはたとえば界面活性物質を液相に添加することにより調整することができる。
【0009】
固体のテンプレート粒子として任意のコロイド固体、特に無機材料、たとえば金属、セラミック、酸化物または塩の結晶、有機材料、たとえばポリマーラテックス、有機沈殿物、固化した油滴、ゲルもしくは結晶、メラミンホルムアルデヒド粒子、リピド小胞、生物的なテンプレート粒子、たとえば細胞もしくは花粉を使用することができる。テンプレート粒子の大きさは、特に生物的なテンプレート材料を使用する場合、50μmまでであってもよい。しかし有利にはテンプレート粒子の大きさは10μmまで、特に有利には5nm〜10μmまで、およびたいていは有利には5nm〜5μmまでである。テンプレート粒子の形状は重要ではない。球形の粒子も異方性の粒子も被覆することができる。
【0010】
有利な1実施態様では、作用物質を含有するテンプレート粒子、たとえば自体が作用物質であるテンプレート粒子をカプセル化する。この作用物質はたとえば触媒、特に酵素、たとえば酵素結晶、ナノ粒子、たとえば磁性ナノ粒子、生体高分子化合物など、医薬作用物質、センサー分子、たとえば放射性もしくは非放射性標識分子、たとえば蛍光標識、結晶、ポリマーおよび気体から選択することができる。作用物質粒子は液相に添加するか、または液相中で沈澱させることにより生じてもよい。沈澱はカプセル形成の前および/またはその間に行い、かつ結晶および/または非晶質構造を生じてもよい。
【0011】
たとえばカプセルを有機液体、たとえばアルコールまたは炭化水素、たとえばヘキサノール、オクタノール、オクタンもしくはデカンの導入のため、または超音波造影剤のための気体のカプセル化のために使用することができる。このような、水と混和しない有機の液体で充填したカプセルを化学反応、たとえば重合反応のために使用することもできる。たとえばその分配平衡によりモノマーを適切にカプセルの内部空間で富化することができる。場合によりモノマー溶液はすでに合成の開始前に内部空間にカプセル封入することができる。
【0012】
しかしその大きさに基づいて高分子電解質外被を透過することができない作用物質もまたカプセル化することができる。このために、生きている細胞の場合にはファゴサイトーシスもしくはエンドサイトーシスにより、または可溶性のテンプレート材料へナノ粒子をカプセル化することにより、封入すべき作用物質をテンプレート粒子に結合するか、または固定する、またはテンプレート粒子によりカプセル封入するか、または吸収する。テンプレート粒子の崩壊後、作用物質は高分子電解質外被の内部へ放出される。その際、有利には、作用物質の不所望の分解が生じないように、テンプレート粒子の崩壊の際の条件を選択する。
【0013】
テンプレートへの作用物質の結合は直接行うこともできるが、しかしまた結合剤により行うこともできる。結合剤として有利には特定の条件で崩壊または分解可能である分子を使用する。特に有利には結合剤としてポリ乳酸を使用する。このために結合剤、特にポリ乳酸を用いて、テンプレート粒子、たとえば部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子に作用物質を固定する。この方法で、封入すべき作用物質自体が芯物質を被覆する際の層状構造の成分となる。テンプレート粒子の溶解および場合により結合分子の崩壊後に、作用物質は外被の内部へ放出される。この方法により任意の作用物質を外被、特にナノ粒子および非生物的な高分子成分および有利には生物的な高分子、たとえばタンパク質、特に酵素中に封入することができる。
【0014】
さらに4−ピレンスルフェート(4−PS)によりカチオン性ポリマーまたは粒子を外被中に固定することができる。4−PSを塩溶液中に溶出させることによりこの粒子は外被の内部に放出される。
【0015】
外被により包囲されている内部空間への作用物質の組み込みは、可逆的にマイクロゲルをテンプレート粒子として使用する際に作用物質を予めテンプレート粒子中に導入することにより実施することができる。従ってたとえば部分的に架橋したメチロールメラミン芯物質を被覆前に使用することによって、可逆的な収縮により芯物質中に封入されている物質を膨潤した芯物質に組み込むことが可能になる。
【0016】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様では可溶性の粒子をテンプレート粒子として使用することができる。この可溶性粒子は、沈澱によって粒子の周囲に形成された外被を壊すことなく外被を少なくとも部分的に崩壊させることができる。可溶性粒子の例は部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子であり、該粒子は酸性の値、たとえば≦1.5にpH値を調整することにより包囲された粒子を含有する媒体中に溶解することができ、その一方で外被層自体は少なくとも部分的に損なわれずに残る。部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子は、化学反応により、特にスルホン化により水性媒体中に溶解することができる。このように部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子の製造は、WO99/47252に詳細に記載されている。溶解可能なテンプレート粒子のための別の例は、可溶性のポリマー芯物質、たとえば尿素−ホルムアルデヒド−粒子または塩結晶、または塩結晶、たとえばその水溶性が制御可能である炭酸塩化合物、または水溶性ではないが、エタノール中で可溶性の有機化合物、たとえばシアニン染料である。
【0017】
さらにテンプレート材料として細胞、たとえば真核細胞、たとえば哺乳動物の赤血球または植物細胞、単核の有機体、たとえば酵母、微生物細胞、たとえばE.コリ細胞、細胞集合、細胞下粒子、たとえば細胞器官、花粉、膜調製物または細胞核または化学的および/または生物学的な方法により製造した中空細胞壁−もしくは花粉壁調製物、ウイルス粒子および生体高分子の集合体、たとえばタンパク質集合、たとえば免疫複合体、凝結核、リガンド−レセプター−複合体などを使用することができる。本発明による方法は生きている生物細胞および有機体のカプセル化のためにも適切である。同様に両親媒性材料、特に膜構造、たとえばベシクル、たとえばリポソームまたはミセルならびにその他のリピド集合がテンプレートとして好適である。
【0018】
生物的なテンプレート粒子の崩壊は、溶解試薬の添加により行うことができる。その際、生物的な材料、たとえばタンパク質および/またはリピドを溶解することができる溶解試薬が適切である。有利には溶解試薬は除蛋白剤、たとえばペルオキソ化合物、たとえばH2O2および/または次亜塩素酸塩化合物、たとえば次亜塩素酸ナトリウムもしくはカリウムを含有する。意外にもテンプレート粒子の崩壊は短いインキュベーション時間内、たとえば室温で1分〜1時間以内に行われる。テンプレート粒子の崩壊はほぼ完全である。というのも、残留する外被を電子顕微鏡により観察しても粒子の残りはもはや検出不可能だからである。生物材料を外被に組み込む際に、部分的に溶解した外被を有するカプセルを生じることができる。
【0019】
テンプレート粒子の崩壊の際に形成されるフラグメント、たとえば部分的に架橋したメラミンホルムアルデヒド粒子の場合、溶解の際に生じるオリゴマーは外被壁の細孔、特にナノポアによりカプセルの内部から外部へ漏出することができる。引き続きこれらを、所望の場合には、カプセルから分離することができる。この分離は当業者に公知の方法により、たとえば透析、濾過、遠心分離および/または制御された相分離により実施することができる。しかしテンプレート粒子フラグメントの分離は不要であることが多い。カプセルは分離工程なしでも使用することができる。
【0020】
さらに液状もしくは気体状のテンプレート粒子、たとえばミクロエマルションもしくはミニエマルションの滴または相応する大きさの気泡を使用することもできる。特に有利には液状のテンプレート粒子として、超音波により水性の塩含有溶液中で乳化することができる油滴を使用する。液体滴もしくは気泡の大きさは相応する措置、たとえば超音波処理の出力および時間により、所望の大きさに調整することができる。本発明による方法のこの実施態様の場合、たとえば液状の作用物質、たとえば香油、医薬効果のある油状物、油中に溶解した親油性の固体の作用物質または気泡を造影剤としてカプセル化することができる。
【0021】
本発明による方法により、作用物質を封入するためのカプセルを製造することも可能である。分子による内部空間の装填は、外被の透過率を外部の物理的および化学的パラメータの関数として変化させることにより行うことができる。装填のために高い透過率の状態を調整する。封入された材料を引き続き外部のパラメータおよび/または細孔の封鎖により、たとえば外被の縮合または細孔もしくは流路の化学的および/または熱的変性により保持する。
【0022】
本発明による沈澱法により、荷電した、および/または荷電していない成分をテンプレート粒子上に析出させることが可能になる。本発明の有利な1実施態様では外被の形成のために必要とされる成分は少なくとも1種の高分子電解質、たとえば反対電荷を有する2種の高分子電解質および/または多価の金属カチオンおよび負電荷を有する高分子電解質を含む。
【0023】
高分子電解質とは一般に、イオン解離可能な基を有するポリマーであると理解し、該基はポリマー鎖の成分もしくは置換基であってもよい。通常、高分子電解質中のこのイオン解離可能な基の数は、ポリマーが解離した形(ポリイオンともよばれる)で水溶性であるような数である。ここで高分子電解質という概念は、イオン基の濃度が水溶性にとって十分ではないが、しかし自己集合を開始するためには十分な電荷を有するイオノマーであるとも理解される。有利には外被は「真の」高分子電解質を含む。解離可能な基の種類に応じて高分子電解質は多酸と多塩基とに分類される。解離の際に多酸からプロトンを分離してポリアニオンが生じ、これは無機ポリマーであってもよいし、有機ポリマーであってもよい。
【0024】
多塩基は、たとえば酸との反応により塩の形成下にプロトンを受容することができる基を有する。多塩基は鎖もしくは側鎖に存在する解離可能な基を有していてもよく、かつプロトンの受容によりポリカチオンを形成してもよい。
【0025】
本発明による適切な高分子電解質は生体高分子、たとえばアルギン酸、アラビアゴム、核酸、ペクチン、タンパク質およびその他のもの、ならびに化学的に変性された生体高分子、たとえばイオン性もしくはイオン化可能な多糖類、たとえばカルボキシメチルセルロース、キトサンおよびキトサンスルフェート、リグニンスルホネートならびに合成ポリマー、たとえばポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸およびポリエチレンイミンである。
【0026】
適切なポリアニオンは天然由来のポリアニオンおよび合成のポリアニオンを含む。天然由来のポリアニオンの例は、相応するpH値のアルギン酸塩、カルボキシメチルアミロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カラゲナン、セルローススルフェート、コンドロイチンスルフェート、キトサンスルフェート、デキストランスルフェート、アラビアゴム、ガーゴム、ゲランゴム(Gummi Gellan)、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キサンタンおよびタンパク質である。合成ポリアニオンの例はポリアクリレート(ポリアクリル酸の塩)、ポリアミノ酸のアニオンおよびこれらのコポリマー、ポリマレエート、ポリメタクリレート、ポリスチレンスルフェート、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルホスフェート、ポリビニルホスホネート、ポリビニルスルフェート、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホネート、ポリアセテート、ポリ(ブタジエン/マレエート)、ポリ(エチレン/マレエート)、ポリ(エタクリレート/アクリレート)およびポリ(グリセリンメタクリレート)である。
【0027】
適切な多塩基は天然由来のポリカチオンおよび合成ポリカチオンを含む。適切な天然由来のポリカチオンは、相応するpH値のキトサン、変性されたデキストラン、たとえばジエチルアミノエチル変性デキストラン、ヒドロキシメチルセルローストリメチルアミン、リソザイム、ポリリシン、プロタミンスルフェート、ヒドロキシエチルセルローストリメチルアミンおよびタンパク質である。合成ポリカチオンの例はポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリプレン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミン、ポリイミダゾリン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリ(アクリルアミド/メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエピクロロヒドリン、ポリエチレンイミノエピクロロヒドリン、ポリメタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシプロピルメタクリルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ(メチルジエチルアミノエチルメタクリレート/アクリルアミド)、ポリ(メチル/グアニジン)、ポリメチルビニルピリジニウムブロミド、ポリ(ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート)およびポリビニルメチルピリジニウムブロミドである。
【0028】
直鎖状もしくは分枝鎖状の高分子電解質を使用することができる。分枝鎖状の高分子電解質の使用は、高い度合いの壁多孔度を有するそれほどコンパクトでない高分子電解質マルチ被膜を生じる。カプセル安定性の向上のために高分子電解質分子は個々の層内で、および/または個々の層の間で、たとえばアルデヒドによるアミノ基の架橋により架橋していてもよい。さらに、極性の、小さい分子に対する透過性を低減するために部分的な高分子電解質の特性を有する両親媒性高分子電解質、たとえば両親媒性ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを使用することができる。このような両親媒性コポリマーは異なった官能基を有する単位から、たとえば一方では酸性もしくは塩基性の単位から、および他方では疎水性の単位、たとえばスチレン、ジエンまたはシロキサンなどからなり、これらはブロックとして、またはランダムに分布してポリマーに配置されていてもよい。外部条件の関数としてその構造を変化するコポリマーを使用することにより、カプセル壁はその透過性またはその他の特性に関して定義されて制御することができる。このためにたとえば弱い高分子電解質、高分子両性電解質、ポリ(N−イソプロピル−アクリルアミド)−割合を有するコポリマー、たとえばポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−アクリル酸)が挙げられ、これらは水素架橋結合の平衡によりその水溶性を温度の関数として変化させ、このことは膨潤を伴う。
【0029】
特定の条件下で分解可能な高分子電解質、たとえば光、酸、塩基、塩もしくは熱に不安定な高分子電解質を使用することにより、カプセル壁を溶解することによって、内包されている作用物質の放出を制御することができる。さらに特定の適用可能性のために導電性の高分子電解質または光学活性基を有する高分子電解質をカプセル成分として使用することができる。
【0030】
高分子電解質を適切に選択することにより、本発明によるカプセルの高分子電解質外被の特性および組成を定義して調整することが可能である。その際、外被の組成は層を構成する際の物質の選択により広い範囲で変えることができる。基本的に使用すべき高分子電解質もしくはイオノマーに関して、使用される分子が十分に高い電荷を有する、かつ/またはその他の種類の相互作用、たとえば水素架橋結合および/または疎水性の相互作用により、その下に存在する層と結合する能力を有する限り、特性の変化は生じない。
【0031】
従って適切な高分子電解質は低分子量の高分子電解質もしくはポリイオン、または高分子量の高分子電解質、たとえば生物由来の高分子電解質である。
【0032】
カプセルの使用にとって外被壁の透過性は特に重要である。すでに上で記載したように、使用される多数の高分子電解質により、異なった特性を有する多数の外被組成物の製造が可能になる。特に外側の外被の電荷を適用目的に適合させることができる。さらに内側の外被はそれぞれのカプセル化された作用物質に適合させることができ、このことによりたとえば作用物質の安定化を達成することができる。さらに外被壁の透過性もまた、外被中の高分子電解質を選択することにより、および壁厚ならびに周囲の条件により影響を与えることができる。このことにより透過性特性の選択的な形成ならびにこれらの特性の定義された変更が可能である。
【0033】
外被の透過性特性は少なくとも1つの高分子電解質層の細孔によりさらに変化させることができる。このような細孔は適切に選択する場合、高分子電解質自体から形成することができる。あるいはまた所望の透過性を得るために、外被は高分子電解質以外にその他の物質を含んでいてもよい。たとえば特にアニオン基および/またはカチオン基を有するナノ粒子を、または界面活性物質、たとえば界面活性剤および/またはリピドを導入することにより、極性の成分に対する透過性を低減することができる。選択的な輸送システム、たとえば担体または流路を高分子電解質外被へ、特にリピド層へ組み込むことにより、外被の横輸送特性を正確にそのつどの適用目的に適合させることが可能である。外被壁の細孔または流路は化学的な変性および/または周囲条件の変更により適切に開放もしくは閉鎖することができる。従ってたとえば周囲媒体の高い塩濃度は外被壁の高い透過性につながる。
【0034】
本発明による方法の第一の実施態様は、アルカリ性の溶液から反対電荷を有する2種の高分子電解質を複合的に沈澱またはコアセルベーションすることを含み、該溶液中で両者は同時に、相互に反応することなく、溶液中に維持されている。この溶液に被覆すべきテンプレート粒子を添加する。引き続き酸、たとえばHClにより中性の範囲になるまで滴定し、その際、テンプレート粒子のカプセル封入が行われる。カプセル封入された粒子を自由な溶液中で錯体から、たとえば濾過、遠心分離または沈澱により分離した後に、テンプレート粒子を場合により溶解してもよい。
【0035】
もう1つの有利な実施態様では、低分子のイオンと、反対の電荷を有する高分子電解質とからなる錯体を含有する溶液からの表面沈澱を行うことができる。適切な低分子イオンのための例は、金属カチオン、無機アニオン、たとえば硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩など、帯電した界面活性剤、帯電したリピドおよび帯電したオリゴマーを相応する反対電荷を有する高分子電解質と組み合わせたものである。その際、その他の高分子電解質が同時に存在している場合に、高分子電解質のための分散した供給源が生じる。錯体の高分子電解質はポリカチオンであってもポリアニオンであってもよい。選択は装入されるテンプレート粒子およびその他の規定に依存する。この実施態様でたとえばプラスに荷電した高分子電解質を複数の、マイナスに荷電した低分子のアニオン、たとえばスルフェートによりマイナスに荷電した高分子電解質の溶液およびテンプレート粒子の懸濁液に添加し、その際、テンプレート粒子の被覆が行われる。被覆したテンプレート粒子はたとえば遠心分離、濾過および引き続き洗浄により自由な錯体から分離し、かつ可溶性の粒子である場合、マイクロカプセルの製造のために溶解することができる。
【0036】
もう1つの有利な実施態様は、部分的に不安定化した高分子電解質錯体(ポリカチオン/ポリアニオン)を含有する溶液からの、塩の添加および/またはpH値の変更による表面沈澱を含む。この場合、複合体からテンプレート表面への高分子電解質の移行が次第に行われる。このために負電荷および正電荷を有する高分子電解質を、高い塩含有率、有利には≧0.5モル/l、たとえば1M NaClの塩含有率を有する水溶液に導入し、かつ攪拌することができる。テンプレート粒子の添加後にこれを被覆する。被覆したテンプレート粒子はたとえば遠心分離または濾過および引き続き洗浄により得られ、かつ場合によりマイクロカプセルを生じるために溶解することができる。
【0037】
もう1つの有利な実施態様では、外被は金属カチオンおよび少なくとも1種の負電荷を有する高分子電解質を含む。金属カチオンとしてたとえば二価の金属カチオンおよび特に三価の金属カチオンを使用する。適切な金属カチオンのための例は、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオンおよび希土類元素カチオン、たとえばCa2+、Mg2+、Y3+、Tb3+およびFe3+である。
【0038】
さらに一価のカチオン、たとえばAg+もまた使用することができる。金属カチオンを還元することにより金属層により被覆されたテンプレート粒子を生じることができる。
【0039】
もう1つの実施態様では、外被を形成するために必要とされる成分は少なくとも1種の高分子、たとえば有利には≧5kDおよび特に有利には≧10kDの分子量を有する自然発生的な高分子、たとえば有機ポリマー、または生体高分子、たとえば核酸、たとえばDNA、RNAまたは核酸類似体、ポリペプチド、糖タンパク質または多糖類を含む。高分子はたとえば核酸のように電荷を有するか、あるいはまた、たとえば多糖類、たとえばデキストランのように荷電していなくてもよい。高分子は場合により高分子電解質および/または多価の金属カチオンと組み合わせることができ、その際、たとえば高分子量および低分子量の生物細胞物質、高分子量および低分子量の自然発生的な物質および高分子かつ生物的および自然発生的な物質を使用することができる。
【0040】
もう1つの実施態様では外被を形成するために規定された成分は、複数の高分子電解質および/またはリピドおよび/またはタンパク質および/またはペプチドおよび/または核酸および/またはその他の、生物発生的もしくは自然発生的な由来の有機および無機化合物の混合物を含む。塩含有率、pH値、補助溶剤、界面活性剤に関して適切な溶剤の組成により、および好適な被覆条件、たとえば温度、レオロジー条件、電界および/または磁界の存在、光の存在の選択により、種々の外被成分はテンプレート上で自己集合し、多様なバイオミメティックな特性を有する複雑な構造を形成する。
【0041】
本方法のもう1つの有利な実施態様は、液状の塩含有外被相をテンプレートと接触させることにより、持続的な混合を例外として、それ以上外部の刺激がなくても自発的に外被の構成が行われ、この外被は場合によりテンプレートの溶解が行われた後でも損なわれないようにシステム条件を変更することを特徴とする。
【0042】
本発明による方法の工程(b)による沈澱は、テンプレートの周囲に1〜100nmの範囲、有利には1〜50nm、特に有利には5〜30nmおよび最も有利には10〜20nmの定義された厚さを有する外被が形成されるような条件下で行われる。カプセル壁の壁厚および均一性はポリマー沈澱の速度により決定される。これは実質的に液相中のテンプレート粒子の濃度、被覆成分の濃度および沈澱を生じる溶解度の変化の速度に依存する。
【0043】
沈澱はたとえば、外被を形成する成分の一部を液相に装入し、かつ引き続き1種もしくは数種の別の外被成分を添加することにより行ってもよい。このような沈澱工程はたとえば金属カチオンと、反対電荷を有する高分子電解質との組合せのために使用することができる。沈澱のもう1つの可能性は、外被を形成するために必要とされる成分がすでに完全に液相中に存在し、かつ沈澱を生じる液相の変化が行われることである。液相のこの変化はたとえばpH値の変更および/または溶剤成分の添加および/または溶剤成分の除去による液相の組成の変更を含んでいてもよい。従ってたとえば親水性の生体高分子、たとえばDNAまたは多糖類の沈澱はエタノールを水性の液相に添加することにより行うことができ、その一方で高分子電解質の組合せの沈澱は有機溶剤、たとえばアセトンを液相から留去することにより行うことができる。
【0044】
さらに本発明による被覆方法は、少なくとも1種の付加的な被覆工程を沈澱工程の前および/または後に実施することを含む。このような付加的な被覆工程はたとえば1つもしくは複数のリピド層の施与および/または層状の高分子電解質の施与を含んでいてもよい。
【0045】
リピド層および/または両親媒性高分子電解質の、高分子電解質外被上での析出により、外被の透過率の変更を達成することができる。この方法で小さい極性分子に対する外被の透過性を著しく低減することができる。外被上に堆積することができるリピドのための例は、少なくとも1つのイオン基もしくはイオン化可能な基を有するリピド、たとえばホスホリピド、たとえばジパルミトイルホスファチジン酸または双性イオン性のホスホリピド、たとえばジパルミトイルホスファチジルコリンまたは脂肪酸もしくは相応する長鎖のアルキルスルホン酸である。双性イオン性のリピドを使用する際に、リピドマルチ層を外被の上に堆積させることができる。
【0046】
高分子電解質の層状の施与はたとえばWO99/47252に記載されているように行うことができる。層状の外被構造は本発明による沈澱工程によりたとえば、まずテンプレート粒子上に少数、たとえば1〜4層の高分子電解質を層状に構成させ、引き続き本発明による沈澱工程を行うように組み合わせることができる。代替的もしくは付加的に、沈澱工程の後に外被上に高分子電解質の層状の析出を行うこともできる。
【0047】
本発明による方法により単分散性カプセルを製造することができる。従って平均直径からの逸脱が50%を上回るカプセルの割合が、20%を下回るか、有利には10%を下回るか、特に有利には1%を下回るカプセル分布を有する組成物を得ることが可能である。
【0048】
カプセルは化学的、生物学的、機械的および熱的な負荷に対して極めて安定している。カプセルは場合により封入された作用物質と共にその特性を損なうことなく乾燥、凍結および/または凍結乾燥することができる。溶解もしくは溶剤中、たとえば水溶液中に再懸濁した後に、適切な媒体条件下および/または相応する媒体組成でふたたび損傷のないカプセルが得られる。
【0049】
カプセルの乾燥または凍結乾燥の際に、粉末形の組成物が得られ、これは適切な溶剤中、特に水溶液中に再懸濁させることができる。乾燥は公知の方法により実施することができ、特に高めた、もしくは低めた温度および/または減圧下で行うことができる。
【0050】
さらに本発明を以下の図面および実施例により詳細に説明する。
【0051】
図1は、コロイド状のテンプレート粒子上での高分子電解質/イオン−外被の1段階の形成を含む本発明による方法の実施態様を示す。
【0052】
図2は、コロイド状の粒子の表面上でのポリマー被膜の自己集合を含む、本発明による方法のもう1つの実施態様を示す。
【0053】
図3は、PSS500およびPBVTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の沈澱により製造されたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点レーザー画像を示している。テンプレートは直径5.2μmを有する可溶性のメラミンホルムアルデヒドラテックス粒子であった。溶解窓はアセトンの気化により残留した。
【0054】
図4は、PSS500およびPVBTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の方法により得られたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点形レーザー画像を示している。テンプレートは直径5.2μmを有する可溶性のメラミンホルムアルデヒドラテックス粒子であった。溶解窓は水の添加により残留した。
【0055】
図5は、蛍光標識したPSSおよびTbイオンにより被覆されたコロイド粒子の共焦点顕微鏡画像を示す。
【0056】
図6は、水性の懸濁液にエタノールを滴加することにより、蛍光標識したデキストラン(a)および蛍光標識したDNA(b)をメラミンホルムアルデヒド粒子上に沈澱させることによって被覆したコロイド粒子の顕微鏡による共焦点画像を示す。
【0057】
図7は、走査型顕微鏡により特徴付けられるポリアニオン/金属錯体PSS/Tbからなる中空の外被を示す。図7aには20の外被層からなるカプセル上の表層が示されており、かつ図7bにはそのつど約100の外被層からなる複数のカプセル上の表層が示されている。
【0058】
図1および2は、本発明による方法の2つの実施態様の略図を示している。図1によれば、金属イオン、たとえば多価の金属または貴金属のイオン、たとえばAg+(4)を含有するテンプレート粒子(2)の懸濁液が製造される。マイナスに帯電した高分子電解質分子(6)を有する溶液を滴加することによりテンプレート粒子上のイオン/高分子電解質外被の沈澱を行う。被覆したテンプレート粒子(8)は、種々の方法でさらに加工することができる。たとえばテンプレート粒子の溶解により中空のカプセル(10)を作ることができる。金属イオンの還元により金属被覆したカプセル(12)が得られる。反対電荷を有する高分子電解質(14a、14b)を層状に施与することにより、異方性の外被を有するカプセルを製造することができ、その際、内部はイオン/高分子電解質外被であり、かつ外部は層状に構成することにより得られる高分子電解質/高分子電解質外被である。引き続きテンプレート粒子の溶解により空のカプセル(18)を作ることができる。金属イオン(4)を除去することにより、外被の内部のイオン/高分子電解質部分を溶解することができるので、ポリマー(6)は反対電荷を有する高分子電解質(14a、14b)から形成される外被の内部にカプセル化されている(20)。
【0059】
本発明による方法のもう1つの実施態様が図2に示されている。コロイド状のテンプレート粒子(32)の懸濁液を、ポリマー、たとえば核酸、タンパク質、多糖類または合成ポリマーを溶解した形で含有する液相に装入する。溶剤の組成を、たとえばエタノールもしくはその中でポリマーが不溶性であるか、もしくは難溶性であるその他の溶剤の滴加により変更することにより、ポリマーの沈澱を行い、その際、ポリマーにより被覆されたテンプレート粒子(36)が生じる。反対電荷を有する高分子電解質(38a、38b)を層状に堆積させることにより、異方性の外被(40)により被覆されたテンプレート粒子が生じ、その際、外被の内部の断片は沈澱したポリマーにより、および外部の断片は反対の電荷を有する高分子電解質の層により形成される。可溶性のテンプレート粒子を使用する際に、これらは溶解し、その際、高分子電解質/高分子電解質−外被中にカプセル化されたポリマー(42)が形成される。
【0060】
実施例
例1−1工程の沈澱によるPSS/PVBTACカプセル外被の製造
1.1 材料
約500000の分子量を有する硫酸ポリスチレンナトリウム(PSS500)および約180000の分子量を有するポリ塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム(PVBTAC)をPolysiences Europe GmbH社から取り寄せた。約70000の分子量を有する硫酸ポリスチレンナトリウム(PSS70)および50000〜65000の分子量を有するポリ塩酸アリルアミン(PAH)をAldrich社から取り寄せた。
【0061】
直径5.2および10μmを有する部分的に架橋した単分散メラミン−ホルムアルデヒド粒子(MFラテックス)をドイツ国ベルリン在のMicroparticles GmbH社から取り寄せた。これらの粒子はHClの酸性の溶液(pH〜1)、ピロ亜硫酸ナトリウム溶液または有機溶剤中で分解性である。
【0062】
1.2 方法
1.2.1 層状の被覆(比較)
膜濾過によるテンプレート粒子の被覆はVoigt等(Ind. Eng. Chem. Res. 38 (1999), 4037)において記載されているように行った。PSS500もしくはPVBTACの吸着(0.5MのNaCl中1g/l)および洗浄サイクルを膜濾過装置(Millipore/Amicon限外濾過セル8200およびMillipore膜フィルターSSWP09025)中で交互に実施した。MFラテックスの負電荷に基づいてPSS500の吸着により開始した。10層を吸着した後(そのつど5層のPSS500およびPVBTAC)、被覆した粒子を回収し、かつpH1を有する大容積のHCl溶液中に懸濁させた。該懸濁液は数秒以内にMFラテックス−テンプレート粒子の分解の結果として透明になった。
【0063】
膜濾過によるさらなる洗浄工程の後、層状に被覆したマイクロカプセルが適用可能な形で得られた。
【0064】
1.2.2 表面沈澱(本発明)
水(60質量%)/アセトン(20質量%)/臭化ナトリウム(20質量%)中のPSS500(3g/l)/PVBTAC(1g/l)の系はMichaels(Industrial Engineering Chemistry 57(1965), 32)およびMichaels等(J. Phys. Chem. 69(1965), 1456)により刊行された状態図に従って振る舞い、かつ検出可能な濁度を有していない清澄な溶液を生じる。この系5mlに、約0.85m2の粒子表面積に相応する1mlパックされた5.2μmのMF−ラテックス粒子(プラスに荷電)を添加した。溶解窓は、2つの異なった種類で、つまりアセトンの緩慢な気化により、もしくは水の緩慢な添加により残留した。沈澱工程は20℃で約2時間実施した。次いで懸濁液が得られ、かつさらに検査した。
【0065】
1.2.3 走査型顕微鏡(SFM)
数字式計器ナノスコープ(Nanoscope)IIIaの使用下でSFM−画像が得られた。試料は酸性の雲母表面上にマイクロカプセル懸濁液の滴を施与し、かつ空気中で乾燥することにより製造した。乾燥したマイクロカプセルを接触法で試験した。
【0066】
1.2.4 共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)
Aristoplan100×油浸対物レンズの使用下にライカ(Leica)の共焦点レーザー走査顕微鏡TCS SPを用いて共焦点画像が得られた。被覆した粒子の懸濁液10μlをスライドガラス上に添加した。この懸濁液に50μlの0.1モル/l HClを添加した。2分後にさらに50μlの0.1モル/l NaOHを添加した。少量のロダミン6Gをカプセル壁のための蛍光標識として添加した。
【0067】
1.3 結果
従来技術により層状の堆積によって製造したマイクロカプセルは、約15nmのわずかな壁厚を有する典型的な超薄膜殻構造を示した。水/アセトン/臭化ナトリウムの三成分混合物の添加によりこのマイクロカプセルを完全に溶解することができた。
【0068】
本発明による1工程の表面沈澱により製造したカプセルのCLSM画像が図3および4に示されている。図3では、アセトンの気化により、および図4では水の添加により溶解窓が残留した。マイクロカプセルの大きさおよび形状はテンプレート粒子の大きさおよび形状に準じていた。マイクロカプセルの大部分は本来のテンプレート粒子よりも若干小さい。透過特性の試験は、段階的に製造されるカプセルの場合と同様に、小さな極性染料が外被を通過できることを示している。
【0069】
例2−1工程の沈澱による高分子電解質/イオン−およびポリマーのカプセル外被の製造
2.1 材料
分子量70000を有するPSS、分子量50000を有するPAHおよびアクリジンオレンジ(AO)をAldrich社から取り寄せた。Y(NO3)3、FeCl3およびTbCl3をMerck社から取り寄せた。ジピコリン酸(DPA)および4−ピレンスルフェート(4−PS)が分子試料から得られた。ロダミン(Rd)により標識されたDNAおよびデキストラン(分子量76.000)をSigma社から入手した。
【0070】
スルフェート基により変性されたポリスチレンラテックス粒子(PS)(直径468nm)を、Furizava等(Kolloid−Z. Z. Polym. 250(1972), 908)において記載されているように製造した。直径4および6.5μmを有する酸溶解性のメラミンホルムアルデヒド粒子の分散液(MFラテックス)をドイツ国ベルリン在のMicroparticles GmbH社から取り寄せた。
【0071】
2.2 方法
共焦点レーザー走査顕微鏡および走査型顕微鏡検査を例1に記載されているように実施した。
【0072】
2.3 結果
2.3.1 金属イオン/高分子電解質−外被の沈澱
MFラテックス粒子の懸濁液をTb3+イオンと混合した。ポリアニオンPSSの添加後に、Tb3+/PSS−沈殿物が形成された。PSS−Rd−溶液(1mg/ml)を滴加(10μl)する間、PSS−Rd−濃度が特定の値に達するまで懸濁液(1ml)を連続的に攪拌した(第1表)。10〜15分後、粒子を遠心分離し、かつ粒子に結合していないPSS−Rd−分子の割合を蛍光測定により上澄み中で測定した。第1表は懸濁液への添加後のMF粒子の最終濃度、Tb3+イオンおよびPSSの濃度に関するデータを示す。使用したPSSの約80〜85%が全ての試験した濃度においてMF−ラテックス粒子に吸着されたことは注目に値した。
【0073】
MF粒子を共焦点顕微鏡により検査した。PSS/Tb3+で被覆したMF粒子の典型的な画像が図5に示されている。蛍光標識によるMF粒子の被覆は均一である。粒子の外側は実質的に蛍光標識されていないことが判明した。
【0074】
【表1】
【0075】
2.3.2 ポリマー外被の沈澱
コロイド粒子の表面上でのポリマーの制御された沈澱は、ポリマーの溶解度を低下させることにより実施した。エタノール中でのそのわずかな溶解度に基づいて、ポリマーとしてDNAおよびデキストランを使用した。
【0076】
まず、cm3あたり3×1014分子のDNA濃度を有するMF−ラテックス粒子懸濁液1.5ml(粒子濃度5×108/cm− 3)を製造した。次いで体積が4.5mlになるまで該懸濁液にエタノールを滴加した。エタノールを滴加している間、該懸濁液を振とうした。15分後、該懸濁液を遠心分離した。上澄み中の蛍光(AO)の測定により、DNAの約20%が粒子に結合していないことが判明した。
【0077】
相応する実験はロダミンにより標識したデキストラン(デキストラン−Rd)の使用下でも実施された。このためにMF−ラテックス粒子懸濁液(cm3あたり5×108の粒子の濃度)1mlおよびデキストラン−Rd(cm3あたり3×1015の分子)を製造した。沈澱後、デキストランの約5%が上澄み中で判明した。
【0078】
典型的な蛍光共焦点顕微鏡画像が図6aおよびbに記載されている。画像から明らかなように、粒子表面上の蛍光標識は均一である。粒子上のポリマー被膜の平均厚さの評価はDNAに関してはDNAにおいて約50の単分子層の値、つまり約100nmの厚さが生じた。
【0079】
2.3.3 ポリアニオン/金属錯体からなる中空の外被の製造
2.3.1で製造されたTb/PSS被覆したMFラテックス粒子を0.1MのHClで分解した。試料をSFMにより検査した。図7aは20の単分子性Tb/PSS層を有するカプセルの典型的な画像(表層)を示す。溶液中で共焦点顕微鏡により観察される球状の形は、乾燥後により多角形の形状に変化した。複数の測定から得られるカプセルの平均的な最小の高さは約20nmであった。
【0080】
図7bには、Tb/PSSの約100の単分子層からなる複数のカプセルを有する試料のSFM−画像の表層が示されている。一定数のカプセルが破壊された。このわずかな安定性は外被の高い厚さに起因するものであり、これはカプセルの透過性を低減することが仮定される。このことはMFラテックスが溶解する際に比較的高い浸透圧ひいてはより容易なカプセルの破壊につながる。
【0081】
例3−PSSおよびPAHのアルカリ性溶液からの複合沈澱またはコアセルベーション
両方の高分子電解質を相互に反応させることなく(三成分の溶剤と同様に)同時に溶液中に維持することにより、両方の高分子電解質の出発溶液を製造した。これは0.1MのNaClを含有する0.1%(w/w)NaOH溶液10mlの装入物により達成された。この溶液中で順次、PSS(分子量70000)15mgおよびPAH(分子量50000〜65000)10mgを溶解する。完全に溶解するまで振とうする(約15分)。引き続きこの溶液は数時間安定している。たとえば4.7μmの直径を有するメラミンホルムアルデヒド(MF)ラテックス1mlを添加する。引き続き1%(w/w)HClで中性の範囲になるまで滴定する。顕微鏡によるコントロールはMF芯物質のカプセル封入を示す。自由な溶液中でカプセル化した粒子を錯体から分離(たとえば濾過、遠心分離、沈澱)した後に、短時間(たとえば数秒〜数分)、pH1のHCl溶液中でMF芯物質を溶解することにより、所望のマイクロ粒子を生じた。
【0082】
別々に観察して、酸を添加することにより両方の反応体の溶解条件は改善された。従ってこれらが相互に存在することは特に溶解度の低い錯体につながった。
【0083】
例4−テンプレートとしてのエマルジョン滴によるアルカリ性PSS/PAH溶液からの錯体の沈澱またはコアセルベーション
この場合、両方の高分子電解質が相互に反応することなく同時に溶解している両方の高分子電解質の出発溶液を製造する。これは0.1MのNaClを含有する0.1%(w/w)NaOH溶液100mlの装入物中で達成される。この溶液中で順次、PSS(分子量70000)300mgおよびPAH(分子量50〜65000)200mgを溶解する。完全に溶解するまで振とうする。該溶液は数時間安定している。香油20mlをここに添加する。ウルトラツラックスを用いて引き続き乳化させ、かつその後、迅速に10%(w/w)のHClにより中性の範囲になるまで滴定する。引き続き該エマルジョンを精製する、たとえば分液漏斗中で数回洗浄する。数ヶ月にわたって安定したエマルションが生じる。
【0084】
例5−高分子電解質および低分子のリガンドおよび反対電荷を有する相応する高分子電解質からなる錯体を含有する溶液からの表面沈澱
溶液I:NaCl(0.01〜100mM)を含有するPAH溶液(分子量50000〜65000、1mg/ml)0.5ml+硫酸ナトリウム溶液750μl(10− 2M);溶液II:PSS(分子量70000。5mg/ml)0.5ml+直径6.1μmを有するメラミンホルムアルデヒドテンプレート粒子10μl。溶液IIを溶液Iに添加し、かつ攪拌する。約1時間後に該系を精製する(遠心分離または濾過引き続き洗浄による自由な錯体からの被覆したテンプレートの分離)。テンプレート粒子をpH1のHCl溶液に移すことにより溶解し、かつマイクロカプセルをさらなる精製工程により取得する。
【0085】
例6−塩の添加および/またはpH値の変更による部分的に不安定化した高分子電解質錯体(ポリカチオン/ポリアニオン)を含有する溶液からの表面沈澱
1MのNaCl 10ml中にPSS20mgおよびPAH10mgを導入する。該系を10分間攪拌する。引き続き4.7μmのMFラテックス1mlを添加する。該系を数時間攪拌する。引き続き遠心分離または濾過により精製もしくは洗浄し、かつテンプレートを希釈したHCl(pH〜1)中で溶解し、かつカプセルが得られる。
【0086】
水10ml中でPAH20mgおよびPSS10mgおよび錯化の後に1MのNaCl 10mlを導入する。ここに4.7μmのMFラテックス1mlを添加する。該系を数時間攪拌する。引き続き遠心分離または濾過により精製もしくは洗浄し、かつテンプレートを希釈したHCl(pH〜1)中に溶解し、かつカプセルを取得する。
【0087】
例7−高分子電解質および多価のイオンからなる錯体を含有する溶液からの1工程の沈澱
溶液I:PSS−溶液(2mg/ml)1mlをY(NO3)3の溶液(2×1012M)200μlと混合する。スルフェートとイットリウムとの間の得られる電荷比は5:3である。
【0088】
溶液II:油400μlを水1mlと混合する。該混合物をウルトラツラックス中、超音波を用いて3〜4分間乳化する。
【0089】
引き続き溶液Iを迅速に溶液IIに添加し、かつ得られるエマルションをVortex中で2分間振とうする。該エマルションは20時間以上安定しており、かつ場合によりさらなる被覆のための出発系として使用することができる。
【0090】
本発明による方法は普遍的に適用することができる。媒体の物理化学的な条件は、たとえば高い塩含有率により、前調製されたおよび/または新鮮に形成された高分子電解質錯体が外被液中で不安定であるように調整される。従って意外にも、適切なパラメータにより制御することができる最終的な時間で、関与する全てのコンパートメントの分布が行われることが判明した。これには当然、相界面である粒子/媒体または油/媒体も数えられる。ここで高分子電解質は公知の三次元架橋構造において多少の水と共に配置されていてもよい。たとえば高い塩濃度の水溶液中での後処理により、これをその他の立体配置に変えることができる。たとえば不十分に架橋した外被は著しく架橋した外被に変えることができる。熱力学的平衡に近い構造を生じる可能性も、規定の不均衡状態への適合を意味する構造を生じる可能性も生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロイド状のテンプレート粒子上での高分子電解質/イオン−外被の1段階の形成を含む本発明による方法の実施態様を示す。
【図2】コロイド状の粒子の表面上でのポリマー被膜の自己集合を含む、本発明による方法のもう1つの実施態様を示す。
【図3】PSS500およびPBVTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の沈澱により製造されたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点レーザー画像を示す図。
【図4】PSS500およびPVBTACを用いた、水/アセトン/臭化ナトリウムからなる三成分混合物からの一段階の方法により得られたマイクロカプセルの走査型顕微鏡による共焦点形レーザー画像を示す図。
【図5】蛍光標識したPSSおよびTbイオンにより被覆されたコロイド粒子の共焦点顕微鏡画像を示す図。
【図6】蛍光標識したデキストラン(a)および蛍光標識したDNA(b)をメラミンホルムアルデヒド粒子上に沈澱させることによって被覆したコロイド粒子の顕微鏡による共焦点画像を示す図。
【図7a】20の外被層からなるカプセル上の表層を示す図。
【図7b】そのつど約100の外被層からなる複数のカプセル上の表層を示す図。
Claims (29)
- 次の:
(a)外被を形成するために必要とされる成分が溶解した形で含有されている、塩含有の液相中の適切な大きさのテンプレート粒子の分散液を準備する工程および
(b)厚さ1〜100nmを有する外被がテンプレート粒子の周囲に生じるような条件下で、成分を液相からテンプレート粒子上に沈澱させる工程
を有する、テンプレート粒子上に外被を施す方法。 - 固体、液体、液晶および気体の粒子からテンプレート粒子を選択する、請求項1記載の方法。
- 50μmまで、特に10μmまでの直径を有する粒子からテンプレート粒子を選択する、請求項1または2記載の方法。
- テンプレート粒子が作用物質を含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 触媒、特に酵素、ナノ粒子、医薬作用物質、センサー分子、結晶、ポリマーおよび気体から作用物質を選択する、請求項4記載の方法。
- 酵母またはその他の単核もしくは多核の細胞壁を有する生物から得られる中空の細胞壁粒子または中空の花粉壁粒子をテンプレートとして使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 可溶性の粒子をテンプレート粒子として使用する、請求項1から3までのいずれか1項または6記載の方法。
- 部分的に架橋したメラミン−ホルムアルデヒドの粒子またはたとえば細胞のような生物的粒子を可溶性の粒子として使用する、請求項7記載の方法。
- 外被を形成するために必要とされる成分が、少なくとも1種の高分子電解質を含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 外被を形成するために必要とされる成分が、反対電荷を有する2種類の高分子電解質を含有する、請求項9記載の方法。
- 外被を形成するために必要とされる成分が、多価の低分子カチオン1種および負電荷を有する高分子電解質1種を含有する、請求項9記載の方法。
- 二価もしくは三価の低分子カチオンを使用する、請求項11記載の方法。
- 外被を形成するために必要とされる成分が、多価の低分子アニオン1種および正電荷を有する高分子電解質を含む、請求項9記載の方法。
- 二価もしくは三価の低分子アニオンを使用する、請求項13記載の方法。
- 外被を形成するために必要とされる成分が、少なくとも1種の高分子化合物を含む、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
- 生体高分子を使用する、請求項15記載の方法。
- 高分子量および低分子量の生物的細胞物質からなる混合物を使用する、請求項15記載の方法。
- 高分子量および低分子量の自然発生物質からなる混合物を使用する、請求項15記載の方法。
- 高分子量および低分子量の生物発生物質および自然発生物質からなる混合物を使用する、請求項15記載の方法。
- 工程(b)による沈澱が、液相への外被成分の添加を含む、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
- 工程(b)による沈澱が、液相の外被成分の沈澱を生じる変化を含む、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
- 液相の変化がpH値の変化および/または液相の組成の変化を含む、請求項21記載の方法。
- 液状の塩含有外被相とテンプレートとを接触させることにより、持続的な混合を除き、それ以上の外的な刺激なしで自発的に、場合によりテンプレートの溶解を行った後で損傷されずに残る外被が構成されるようにシステム条件を変更する、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
- さらに、沈澱工程の前および/または後に、少なくとも1つの付加的な被覆工程の実施を含む、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
- 付加的な被覆工程が、リピド層の施与および/または高分子電解質の層状の施与を含む、請求項24記載の方法。
- さらに可溶性のテンプレート粒子の崩壊を含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
- さらに外被の少なくとも部分的な崩壊を含む、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
- 厚さ1〜50nmを有する外被をテンプレート粒子の周囲に生じる、請求項1から27までのいずれか1項記載の方法。
- 厚さ5〜30nmを有する外被をテンプレート粒子の周囲に生じる、請求項1から28までのいずれか1項記載の方法。
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