JP2004504874A - 工具なしで取り外しできる可動な浸出室を備えたパーコレータ装置 - Google Patents

Abstract

この発明は、工具なしで取り外しできる移動可能な浸出室を備えたパーコレータ装置に関する。この装置は３つの部分からなる水平機構から成り立っている。すなわち、ベース、動力源、駆動系及び固定（注入）ピストン１を含む固定部分と、コーヒー流出管１７及び前部プラテン９を有するスライド式引出しと、浸出室２、カウンタプランジャ３及び枢着スクレーパ体４，１８を含む移動可能部分とである。移動可能部分の運動は、ギアモータ１２により駆動されるネジ棒１１によって作動される２本のタイロッド７によって生じる浸出室２の運動によって引き起こされる。この発明は完全に自動的条件下で人手の干渉なしにエスプレッソタイプのコーヒーすなわち、入れ立てを消費者に供するような熱い飲物を調製することを目ざしている。

Description

【０００１】
本発明は工具なしで取り外しできる可動な浸出（しみだし）室を有するパーコレータ装置に関するものである。
【０００２】
この装置は、人手を要しない全く自動的な条件下で「エクスプレス」タイプのコーヒーのような、すなわちパーコレーション工程を出た直後に消費者に供される熱い飲物を調製するためのものである。
【０００３】
今日実現されている装置は、大部分、浸出室を構成する縦型円筒を利用しており、その中に挽いたコーヒーの定量を装入して円筒の底の格子で保持する。縦に動くピストンがまずコーヒーの粉を圧縮し、ついでピストンを通じて熱水が注入され、ついで排出される。
【０００４】
しかしながら、円筒の上部に可動ピストンがあることは、込み入った通り道と可動案内手段の存在で円筒へのコーヒー粉の装入を難しくする。
【０００５】
本発明者のヨーロッパ特許第０５２１８６１号は、この欠点を部分的に改良している。そこに記載されている装置は、水平に配置した機構からなり、その中で可動部品の運動はすべて、円柱上を滑動する横腕本を引き連れた水平可逆運動する２本のラックによって起こされる。また、この装置に備えられた浸出室は水平軸線をもち、その中で熱水の通過は垂直に行われるが、コーヒー粉の直接装入を受け入れる水平可動な充填室によって熱水の通過は長引かされる。
【０００６】
同じく本発明者の提出に係るヨーロッパ特許第０６３４９０４号は、取り外し可能な水平機械部品の集合体に、移動可能な底部をもつ浸出室を設け、この室を移動可能な底と一緒に動く充填室で延長することで構成されるパーコレータ装置を基本とし、装置の主要部品、特に固定レール、浸出室、並びに固定レール上を滑動し圧縮ピストンを支持している可動部品、及び主ラックとこれが固定ピニオンを介して駆動する従ラック、充填室、同じく固定レール上を滑動する可動底などは、機能的形鋼から製作されている。
【０００７】
この装置は、充填室と、すべて取り外し可能であるが多数のラックによる可動部品の駆動系との存在により比較的複雑である。
【０００８】
本発明に係る装置は、このような不備を是正することを目的とする。本装置はきわめて信頼性ある少数の部品からなり、保守がとりわけ容易で、また２個のコーヒー挽き器を利用できる利点があるので、２種類の異なるコーヒー、たとえば普通のコーヒーとカフェイン抜きのコーヒー、あるいは２種の異なる品質のコーヒーなどを供することができる、自動加圧パーコレータ装置を実現することができる。
【０００９】
本装置は水平に配置された機械部品群から構成され、３つの部分を含む。すなわち
−ベース、動力源、、駆動系、及び注入（固定）ピストンを含む固定部分、
−コーヒー流出管を支持している取り外し可能な引出し、そして
−浸出室、カウンタプランジャ及び枢着スクレーパからなる可動部分、その運動はギヤモータにより駆動される２本のタイロッドに作動される浸出室の運動により引き起こされる。
【００１０】
図面を参照して実施例について説明する。この発明のパーコレータ装置（図１に概観の平面を示す）は、固定ピストン１と、移動可能な浸出室２と、浸出室の中に配置され同じく移動可能な抽出用カウンタプランジャ３と、出し殻の排出を可能にする枢着スクレーパ４との本質部分から構成される。
【００１１】
装置全体は２本の水平レール６，６’を有するベース５上に載置され、レールに沿って後方（図１で左方）固定部上を可動プレート１０が駆動システムに作動されて移動する。前方（図１で右方）で同レール６，６’は、取り外し可能な引出し（全体を図６に平面で示す）と一体の２本の二次レール３６，３６’を受け入れ、その引出しは前部閉鎖のための可動プラテン９とコーヒー流出管１７を有している。二次レールの上を浸出室２とスクレーパ体が移動する。
【００１２】
浸出室２の移動は、ベース５と一体の縦型プラテン支持枠８に穿設した穴の中を摺動する２本のタイロッド７によって確保される。タイロッド７の各々の先端の一方（図１で左方）は可動プレート１０に固定され、このプレートは浸出室の軸線と平行なネジ棒１１により両方向へ移動可能であり、そのネジ棒はギヤモータ１２に駆動されて可動プレートと一体のナット１３内で回動する。
【００１３】
カウンタプランジャ３はその端面に格子３７（図９以下参照）を備え、コーヒー粉の圧縮工程時に浸出室２の底に配置した環状肩１４によって駆動されるが、その中心をオリフィス１５（図１０）が貫通し、このオリフィスは可動プラテン９と一体のコーヒー流出管１７内を摺動するチューブ１６として延長される。
【００１４】
掻き取り器具は、パーコレータの長軸に垂直な水平ピボット１９の回りに回動する側腕１８に支持されたスクレーパ４により形成される。同ピボットは１９を取りつけている可動部品２０はバネ２１（図１１）と止め３８（図６）により休止位置に保持されるが、二次レール３６，３６’上を摺動すべくタイロッド７により貫通されている。側腕１８は、抽出工程の終わりに浸出室２により可動プラテン９に対し可動部品２０が押しつけられる時、可動プラテン９に当接して側腕を下方へ揺動させる目的のカム１８’のような部材を有し、側腕の復帰の時は戻し当て金叉はラックが器具を元位置に戻す。
【００１５】
移動可能な部材すなわち浸出室２，カウンタプランジャ３及び掻き取り器具（スクレーパ４等）の全体は、浸出室２の両側でタイロッド７上に設けたリブ２３によってタイロッド上で連動される。タイロッドはこの全体を係止し叉は解放するように軸線周囲に４分の１回転できる。このため浸出室２と掻き取り部材の可動部品２０との体部には通路２４が形成され（図４参照）、その形状によってタイロッドが係止を解除された位置にある時はリブ２３上を全体が通過できるようにする（図５）。浸出室は通路２４を有する二重の支持部２５，２６を各タイロッドについてリブ２３のどちら側にも配置してあるから、浸出室は可動プレート１０とタイロッド７の運動によりどちらの方向にも駆動されるようになっている。前部可動プラテン９はタイロッドをその位置にかかわらず通過させる孔３９を有している（図８）。タイロッドは掃除工程のあと、前部プラテンより前へ（図１で右へ）進出するから、そのつまみ２２により利用者がタイロッドを４分の１回転させることで係止を解除し、全体を清掃と保守のため引き抜くことができる。
【００１６】
この構造により器具の汚れた部分をきわめて容易に取り外して、前部プラテン９、コーヒー流出管１７及び二次レール３６，３６’を支持している引出し、並びに浸出室２、カウンタプランジャ３及びスクレーパ体４，１８を引き抜いて完全に固定ピストン１から取り外すことができる。こうして器具の保守は大いに簡単になり、素人でも何の問題もなく行うことができる。
【００１７】
浸出室へのコーヒー粉充填は上部開口２７（図１）によって上方から行うことができるが、粉の補充のためにはむしろ側部開口２８（図２）により行うと、２つの粉砕器２９，２９’を利用することができるので、これを個々に動かし、望みに応じて２種の異なる粉、たとえば普通のコーヒーとカフェイン抜きのコーヒー、あるいは相性のいい２種の異なるコーヒーのブレンドなどを供することで、良質の「エスプレッソ」を得ることができる。
【００１８】
本装置は次の各工程からなるサイクルで機能する。
−充填：浸出室２を開口２７叉は２８が粉砕器２９，２９’の出口に面するように位置させる。カウンタプランジャ３は浸出室の底に位置している（図９）。
−圧縮：浸出室はタイロッド７により固定ピストン１の方へ移動され、カウンタプランジャ３は環状肩１４により連行されるから、粉砕器２９，２９’の注ぎだし口３０は塞がれ、粉３１は圧縮される（図１０）。
−浸出：熱水３２（図１０）が固定ピストン１内から注入され、このピストンの端面に取りつけた格子３７’と粉３１を貫流する。こうして浸み出した飲物はカウンタプランジャ３を通って流れ出し、流出管１７によって器具の外へ導かれる（図１０）。
−抜き取り：浸出室２は前と反対方向へ動かされ、カウンタプランジャ３は摩擦によって連行される。カウンタプランジャは２個の弾力的舌片３３を有し、これが流出管１７と一体の環状ボス３４に当接して最初のうちはプランジャの移動を止める（図１１）。浸出室は、環状肩１４がカウンタプランジャ３と一体の２個の止め３５と掻き取り器具の可動部品２０とに当接するまで運動を続ける（図１２）。
−掃除：浸出室がその運動を続けると、カウンタプランジャ３と可動部品２０を引き連れて移動し、カウンタプランジャの端面にスクレーパ４が入れるようになるので、ベース５に設けてある開口４０から出し殻３１’の排出を行うことができる（図６、図１３）。浸出室が次の新しいサイクルのため反対方向へ再出発すると、スクレーパ４は戻しバネによって再び高い位置に戻され、カウンタプランジャは浸出室との接触摩擦により２個の舌片３３が環状ボス３４と係合するまで連行される。
【００１９】
カウンタプランジャ３の端面と格子３７は、出し殻３１’の排出の時スクレーパ４により行われる掻き落としに続いて、清掃効果を高めるため噴流を当てることもできる。
【００２０】
ギヤモータ１２によるネジ棒１１の駆動は、好ましくは迅速接合を用いて行うのがよく、可動プレート１０に取りつけた駆動用ナット１３に圧力ボックスを含ませ、進行の停止と逆転をこの圧力を制御する電子対計器により直接指令することで、通常利用されているマイクロスイッチを省略することができる。
【００２１】
異なる実施例によれば、駆動ユニットは加圧水によって作動される二重目的をもつジャッキで構成し、このジャッキはまたコーヒーを浸み出させる水を供給するポンプからくる水で動かされる。この場合ジャッキの位置の制御、並びに浸出用の水の出量の制御は電磁弁を作動させるプログラム可能なシステムに接続された独特な流量計によって有利に行うことができる。
【００２２】
本発明の装置を構成する種々な部材の配置は同種の装置によっては今日まで達成されなかった有用な最大効果を本発明に与えるもである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明のパーコレータ装置の概観を示す平面図である。
【図２】
図１の矢印Ｆ１に沿って切断した拡大端面図である。
【図３】
同じく図１の矢印Ｆ２における切断拡大端面図である。
【図４】
図３の円Ｄ１部分の拡大図で可動部を係止している状態を示す。
【図５】
同じく円Ｄ１部分に相当する拡大図で係止解除状態を示す。
【図６】
抜き取り可能な引出しの拡大平面図である。
【図７】
同じく引出しの側面図である。
【図８】
同じく引出しの図６のＦ１方向に見た端面図である。
【図９】
コーヒー粉充填工程の浸出室の軸線方向部分断面図である。
【図１０】
コーヒー浸出工程の浸出室と関連する可動部材の相対位置を示す部分断面図である。
【図１１】
抜き取り工程の始めの状態を示す部分断面図である。
【図１２】
抜き取り工程の図１１に続く状態を示す部分断面図である。
【図１３】
掃除工程の動きを示す部分断面図である。

Claims (14)

1. 全面的に自動条件下で充填、圧縮、浸出、抜き取り及び出し殻清掃の各工程からなるサイクルによって、たとえば「エスプレッソ」タイプのコーヒーのような熱い飲物を調製するための、工具なしで取り外しできる可動な浸出室を備えたパーコレータ装置であって、
   一方で、２本のレール（６，６’）をもつベース（５）、モータ、駆動部材及び固定（注入）ピストン（１）からなる固定部分と、他方で、浸出室（２）、カウンタプランジャ（３）及び枢着された掻き取り機構（４，１８）を含む可動部分との水平配置機械部品の組合せからなり、前記カウンタプランジャとスクレーパの運動は、ベース（５）と一体の縦型プラテン支持枠（８）に穿設した穴を摺動する２本のタイロッド（７）によって確保された前記浸出室の移動によって引き起こされるものであり、各タイロッドの一方の端部はレール（６，６’）上を移動する可動プレート（１０）上に固定され、該可動プレートは取り外しできる引出しと一体の２本の二次レール（３６，３６’）に沿う浸出室（２）の両方向移動に適した駆動システムによって作動されるもので、前記引出しは前部プラテン（９）とコーヒー流出管（１７）を備え、前記２本の二次レールの各々はベース（５）の２本のレール（６，６’）の各々の内部を摺動するものであることを特徴とするパーコレータ装置。
2. 駆動システムが浸出室の軸線に平行なネジ棒（１１）から構成され、このネジ棒はギヤモータ（１２）により駆動され、可動プレート（１０）と一体のナット（１３）内で回動することを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. ギヤモータ（１２）によるネジ棒（１１）の駆動は迅速接合方式により行われ、可動プレート（１０）に取りつけた駆動ナット（１３）は圧力ボックスを有し、進行の停止と逆転は圧力を制御する電子対計器により直接指令され、従来のマイクロスイッチの省略が可能であることを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 駆動システムが、コーヒーの浸出にも使われる水を供給するポンプからくる加圧水によって作動される二重目的のジャッキにより構成され、ジャッキの位置並びに浸出用の水の出量の制御が電磁弁を作動させるプログラム可能なシステムと組み合わされた独特な流量計によって行われることを特徴とする請求項１に記載の装置。
5. カウンタプランジャ（３）は、プランジャ頭部に、あるいは同プランジャと一体の２個の止め（３５）に当接する、浸出室（２）の底に形成された環状肩（１４）によって駆動されることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の装置。
6. カウンタプランジャ（３）は、抜き取り工程の始め、その移動を制限するように流出管（１７）と一体の環状ボス（３）に当接する２つの弾力的舌片（３３）を有していることを特徴とする請求項５に記載の装置。
7. 浸出工程のため熱水（３２）が固定ピストン（１）から供給されてコーヒー粉（３１）を貫通し、こうして得られた飲物がカウンタプランジャ（３）のオリフィス（１５）からその後方へ伸びる流出管（１７）内を摺動するチューブ（１６）を通って器具外へ出ることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の装置。
8. スクレーパ（４）は、パーコレータの長軸に垂直な水平ピボット（１９）の回りに回動する側腕（１８）に支持され、前記ピボットは二次レール（３６，３６’）上を滑動する可動部品（２０）に取りつけられ、前記可動部品はバネ（２１）と止め（３８）により休止位置に保持され、前記側腕（１８）は前記可動プラテン（９）に当接することにより側腕を下方へ揺動させるためのカム（１８’）のような部材を有し、復帰の時は戻し当て金叉はラックが器具を元位置に戻すことを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の装置。
9. カウンタプランジャ（３）の端面は、出し殻（３１’）の排出の時スクレーパ（４）により行われる掻き落としに続いて清掃効果を改善するため噴射を受けることを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 浸出室（２）、カウンタプランジャ（３）及びスクレーパ機構の可動部品（２０）は浸出室（２）の両側に配置されたリブ（２３）をもつタイロッド（７）により駆動され、このタイロッドは可動部の係止叉は開放を可能にするように４分の１回転することができ、このため浸出室とスクレーパ機構可動部品（２０）との体部には通路（２４）が形成され、その形状により浸出室と可動部品とはタイロッドが係止解除の位置にある時前記リブ上を滑動することができることを特徴とする請求項８に記載の装置。
11. 前部プラテン（９）はタイロッドがどのような位置にあってもその通過を許容する穴（３９）を有し、前記タイロッドは掃除工程の後、前部プラテンより前へ進出し、利用者がつまみ（２２）によりタイロッドを４分の１回転させて係止を解除し、清掃と保守のため全体を引き抜くことができることを特徴とする請求項１０に記載の装置。
12. 浸出室（２）は通路（２４）を有する二重支持体（２５，２６）を各タイロッド（７）についてリブ（２３）の両側に配置してあり、タイロッド（７）の運動により浸出室がどちら側にも、駆動されることを特徴とする請求項１０に記載の装置。
13. 浸出室（２）への充填は上部開口（２７）を通じて上方からなされることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか１項に記載の装置。
14. 浸出室（２）への充填は側方から２個のコーヒー挽き器　（２９，２９’）の利用を可能にする側部開口（２８）により行われ、２個のコーヒー挽き器は個々に作動可能で、利用者の望みにより普通のコーヒーとカフェイン抜きのコーヒー叉は相性のいい２種のコーヒーなどのように異なる２種のコーヒーを望み通りに出量できることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか１項に記載の装置。